JP7033518B2 - アンギュラ玉軸受およびその保持器 - Google Patents
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Description
その潤滑には、常に新しい油を外部から供給し、長期にわたり安定した潤滑状態を保つことのできるエアオイル潤滑やオイルミスト潤滑がある。また、付帯設備や配管を必要としないことから経済性に優れ、ミストの発生が極めて少ないことで、環境に優しいグリース潤滑がある。
工作機械主軸の中でもマシニングセンタなどのより高速な領域(dn値120万以上)では、潤滑の信頼性が高いエアオイル潤滑やオイルミスト潤滑が採用され、その保持器は、外輪案内保持器が多く使用される。
そのため、高速運転時に有利で信頼性の高いエアオイル潤滑においても、軸受の発熱や保持器における以下の課題がある。
(2) 希薄潤滑や異物侵入によって発生する転動体の進み遅れや、保持器の触れ回り、傾きに伴う保持器の変形により発生する過大応力。
前記保持器は、
前記転動体を保持する周方向複数個所のポケットが幅方向の中間に並ぶ円筒状であり、 外周面における前記外輪の前記案内面で案内される被案内面よりも前記幅方向の外側に広がる幅増大部を有し、
かつ前記保持器の前記外輪カウンタボア側の部分における外周に、外径が前記被案内面の外径よりも大きい外径増大部を有するアンギュラ玉軸受。
この明細書において、前記「幅方向の中間」は、幅方向の端を除く意味であり、中央に限らない。
また、前記外径増大部を設けると、保持器剛性が高まる。そうすることで、保持器の変形が抑えられ、更には、保持器変形や転動体の進み遅れに伴う保持器の無理な応力が抑制される。
保持器における外輪カウンタボア側の外径増大部は、通常は内外輪のいずれにも案内されないが、前記被案内面の外径よりも外径が大きい外径増大部が設けれているため、保持器が過度に振れ触れ回ろうとした場合は、外径増大部が外輪のカウンタボア部分の内周面に接するサポート手段となることで保持器の最大の傾きが防止され、保持器の大きな傾きや振れ回りが抑えられる。
このように、保持器の外輪カウンタボア側の外径増大部は、保持器の重量増と、傾き角度抑制と、剛性増との3つの役割を兼ねる。
また、このアンギュラ玉軸受は、外輪内周面と保持器外周面との案内に関する構成を、一般的なアンギュラ玉軸受に対して変更することなく、上記の各効果が得られる。保持器のポケットの形成箇所については寸法変更がないため、保持器による転動体の周方向案内に関する構成を変更することなく、上記各効果を得ることができる。
外径増大部に前記スリットが設けられていると、軸受の発熱、すなわち外径増大部を設けたことによる保持器の外輪との接触面の増加による発熱や、転動体が転走する軸受空間から保持器側面までの排気隙間の狭小化による熱の籠もりによる軸受の発熱が抑えられる。
δa<δb≦2δa
であってもよい。
前記外径増大部は、前述のように保持器の重量増加、傾き角度抑制、および過大応力抑制の効果を奏する部分であるが、外径が小さ過ぎると、前記傾き角度抑制の効果が得られず、外径が大き過ぎると無駄な接触による摩擦増や発熱増の問題が生じる。
前記隙間δbの範囲であると、前記保持器の傾き角度抑制の効果を得ながら、発熱増を抑制することができる。
保持器の被案内面、および外径増大部における外輪の内周面に接触する部分が円筒面であると、外輪の内周面に対して偏った接触とならず、接触しても円滑な回転が可能となる。この場合に、前記両円筒面の部分の軸方向長さが互いに等しいと、保持器に作用する転動体の両側での摩擦抵抗のバランスが得られる。
前記両保持器半部の体積が同じであると、転動体の中心に対する両側の保持器半部の保持器重量が等しくなるため、保持器の回転がより一層安定する。
上記のように保持器の前記幅増大部の外周面が、被案内面部よりも前記外輪の内周面から離れる逃がし面とされていると、保持器幅を広げながら潤滑油の流動性に優れ、軸受の発熱をより良好に防止することができる。
また、上記のように保持器の前記外径増大部における幅方向の中央側の部分の外周面が、幅方向の中央に近づくに従って小径となる逃がし部とされていると、外径増大部を設けながら、潤滑油の流動性に優れ、これによっても軸受の発熱をより良好に防止することができる。
エアオイル潤滑やオイルミスト潤滑のアンギュラ玉軸受は、潤滑の信頼性が高いことから、工作機械主軸、特にマシニングセンタの主軸等の高速な回転領域で用いられることが多い。このような高速運転の用途に用いた場合、この発明の上記構成、効果が、より効果的に発揮される。
前記転動体を保持する周方向複数個所のポケットが幅方向の中間に並ぶ円筒状であり、 外周面における前記外輪の前記案内面で案内される被案内面よりも前記幅方向の外側に広がる幅増大部を有し、
かつ前記外輪カウンタボア側の部分における外周に、外径が前記被案内面の外径よりも大きい外径増大部を有する。
この構成によると、この発明のアンギュラ玉軸受につき前述したように、軸受の異常振動や異音、過昇温、過大応力を軽減することができる。
幅増大部7は、保持器4の外周面における外輪2の案内面2bで案内される被案内面4aよりも幅方向の外側に広がる部分である。前記被案内面4aは円筒面である。前記幅増大部7は、外周面が、被案内面4aよりも外輪2の内周面から離れる逃がし面7aとされている。逃がし面7aの形状は、保持器幅面に近づくに従って外輪2の内周面から離れるテーパ状とされている。
また、幅増大部7は、前記被案内面4aを構成する保持器幅方向部分(幅Aの部分)よりも内径側に膨らむ断面形状とされ、これにより、図4(B)に示す一般的な保持器4Bよりも、幅方向および径方向に断面寸法が大きくなっている。図4(A)は、比較のために、この実施形態と従来例の保持器4,4Bの両方を重ねて図示している。幅増大部7の内周面の断面形状は、保持器幅面側が小径となるテーパ状とされている。
区切られて円周方向に並ぶ複数の凸部8a(図2参照)として構成されている。スリット9は、上記よりも深さを浅くしてもよく、その場合、前記外径増大部8は、前記被案内面4aよりも外径が大きな環状部分と、その環状部分の外周に並ぶ複数の凸部8aとで構成される。なお、スリット9は必ずしも設けなくてもよく、その場合、外径増大部8は全体が環状の部分となる。
外径増大部8の突出高さは、次の隙間δa,δbの関係となる高さとなっている。すなわち保持器4の前記被案内面4aと外輪2の案内面2bとの間の隙間δaに対する、保持器4の外径増大部8における最大径部分8bの外周面とこの外周面に対向する外輪2の内周面との間の隙間δbの関係が、
δa<δb≦2δa
とされる。
なお、潤滑形式はオイルミスト潤滑であっても、またグリース潤滑であってもよい。
また、前記外径増大部8を設けると、保持器4の剛性が高まる。そうすることで、保持器4の変形が抑えられ、更には、保持器4の変形や転動体3の進み遅れに伴う保持器4の無理な応力が抑制される。
このように、保持器4の外輪カウンタボア5側の外径増大部8は、保持器4の重量増、傾き角度抑制、および剛性増の3つの役割を兼ねる。
δa<δb≦2δa
で定める関係とされているため、次の利点が得られる。
外径増大部8は、前述のように保持器4の重量増加、傾き角度抑制、剛性増の効果を奏する部分であるが、外径が小さ過ぎると、前記傾き角度抑制等の効果が得られず、外径が大き過ぎると無駄な接触による摩擦増や発熱増の問題が生じる。
前記の式で定まる隙間δbの範囲であると、保持器4の傾き角度抑制、重量増加、剛性増の効果を得ながら、発熱増を抑制することができる。
保持器4の被案内面部4a、および外径増大部8における外輪2の内周面に接触する部分が円筒面であると、外輪2の内周面に対して偏った接触とならず、接触しても円滑な回転が可能となる。この場合に、両円筒面部分の軸方向長さA,Aが互いに等しいと、保持器4に作用する転動体3の両側での摩擦抵抗のバランスが得られる。
1a…軌道面
2…外輪
2a…軌道面
2b…案内面
3…転動体
4…保持器
4a…被案内面
5…カウンタボア
6…ポケット
7…幅増大部
7a…逃がし面
8…外径増大部
8a…凸部
8b…最大径部分
8c…逃がし面
9…スリット
10…外輪間座
11…ノズル
δa、δb…隙間
Claims (6)
- 外輪の内周面における転動体の軌道面を挟む片方に保持器を案内する案内面を有し、他の片方にカウンタボアを有するアンギュラ玉軸受であって、
前記保持器は、
前記転動体を保持する周方向複数個所のポケットが幅方向の中間に並ぶ円筒状であり、
外周面における前記外輪の前記案内面で案内される被案内面部よりも前記幅方向の外側に広がる幅増大部を有し、
かつ前記保持器の前記外輪カウンタボア側の部分における外周に、外径が前記被案内面の外径よりも大きい外径増大部を有し、
外輪と保持器が同心である場合、前記保持器の前記被案内面と前記外輪の前記案内面との間の隙間δaに対する、前記保持器の前記外径増大部における最大径部分の外周面とこの外周面に対向する前記外輪の内周面との間の隙間δbの関係が、
δa<δb≦2δa
であるアンギュラ玉軸受。 - 請求項1に記載のアンギュラ玉軸受であって、前記保持器の前記外輪カウンタボア側の部分の前記外径増大部の外周面に、軸方向に延びるスリットが円周方向に並んで複数設けられたアンギュラ玉軸受。
- 請求項1または請求項2に記載のアンギュラ玉軸受において、前記保持器の前記被案内面と、前記保持器の前記外径増大部における最大径部分の外周面とが、いずれも円筒面であって、両円筒面の部分の軸方向長さが互いに等しいアンギュラ玉軸受。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のアンギュラ玉軸受において、前記保持器の前記ポケットの中心に対する、前記被案内面を有する側の保持器半部の体積と、前記外径増大部を有する側の保持器半部の体積とが互いに同じであるアンギュラ玉軸受。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のアンギュラ玉軸受において、前記保持器の前記幅増大部の外周面が、前記被案内面よりも前記外輪の内周面から離れる第1の逃がし部とされ、前記保持器の前記外径増大部における幅方向の中央側の部分の外周面が、幅方向の中央に近づくに従って小径となる第2の逃がし部とされたアンギュラ玉軸受。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のアンギュラ玉軸受において、潤滑形式が、ノズル付き外輪間座に設けられたノズルを、前記外輪の前記案内面側における内輪と前記保持器との間に挿入し、ノズル孔からエアオイルを吐出させるエアオイル潤滑であるアンギュラ玉軸受。
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