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JP4322641B2 - 円筒ころ軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、合成樹脂製の保持器を備えた円筒ころ軸受に関し、例えば、工作機械主軸等の高速で回転する回転部材の支持用軸受として好適である。
マシニングセンタ、CNC旋盤、フライス盤等の工作機械において、主軸はハウジングに対して軸受で回転自在に支持される。主軸の向きは、機械形式によって、縦軸(軸線が鉛直方向に向いたもの)と横軸(軸線が水平方向に向いたもの)がある。また、軸受の潤滑方式は、使用条件等に応じてグリース潤滑やエアオイル潤滑等の油潤滑が採用される。
軸受形式としては、組合せアンギュラ玉軸受や円筒ころ軸受が使用される場合が多い。
工作機械主軸支持用の円筒ころ軸受では、これまで高力黄銅鋳物のもみ抜き(削り出し)保持器が主に使用されてきたが、運転時の保持器の摩耗粉による潤滑剤劣化の問題や軽量化の点から、近時は合成樹脂製保持器への切り換えが進んでいる。
現在使用されている円筒ころ軸受の合成樹脂製保持器として、例えば下記の特許文献1、2に記載されているように、環状部と、環状部の内側面から軸方向の一方に延びた複数の柱部と、円周方向に隣接する柱部の円周方向側面間に形成され、円筒ころを回転自在に保持する複数のポケットとを備えた、所謂くし形と呼ばれる形態の保持器が知られている。しかしながら、この形態の合成樹脂製保持器は、柱部の先端が自由端であるため、特に高速回転時では、回転時の遠心力の作用で柱部が外径側に比較的大きく弾性変形して、その円周方向側面の軸方向先端側部分における内周部が円筒ころの転動面と強く接触(異常接触)することにより、該接触部分に油膜切れが生じて異常摩耗が発生したり、軸受温度上昇の増大要因になったりする場合がある。そこで、特許文献1、2では、この問題に対応するため、図8に示すように、保持器14の柱部14bの円周方向側面14b1を、ポケット14cのポケット中心Oを通るころPCDを境にして、外径側領域と内径側領域に区分し、外径側領域を円筒ころ13の転動面に沿う円弧面(円筒面)14b11に形成すると共に、内径側領域をその軸方向全長さに亘ってポケット中心Oを通る半径線r1と平行なストレート面14b12に形成することにより、回転時の遠心力の作用で柱部14bが外径側に弾性変形したときに、柱部14bの円周方向側面14b1の内径側領域14b12が円筒ころ3の転動面と半径方向の接触圧を生じないようにしている。
特開平11−166544号公報(段落番号0027、図10) 国際公開WO03/029670号公報(24頁17〜26行、図23)
工作機械の主軸に要求される主要な特性として、高速回転{通常、dmn値(=転動体のピッチ円径mm×回転数rpm)で100万以上}が可能であることと、非繰り返し振れ(NRRO)が小さいことが挙げられ、この特性は主に主軸を支持する軸受の軸支持機能によって決まる。しかしながら、特許文献1、2に記載された円筒ころ軸受は、次の理由により、工作機械の主軸に要求される非繰り返し振れ(NRRO)を満足することが難しい。
すなわち、特許文献1、2に記載された円筒ころ軸受の保持器14において、柱部14bの円周方向側面14b1は、上述のように、ころPCDよりも内径側領域がその軸方向全長さに亘ってストレート面14b12に形成されており、回転時の遠心力の作用で柱部14bが外径側に弾性変形したときに、円周方向側面14b1の内径側領域14b12が円筒ころ13の転動面と半径方向の接触圧を生じないようになっている。しかしながら、この構成は、柱部14bの円周方向側面14b1と円筒ころ13の転動面との異常接触を防止する点では効果的であるものの、その反面、柱部14bの円周方向側面14b1の内径側領域を上記のストレート面14b12に形成したことにより、柱部14bの外径側への弾性変形を助長する結果ともなっている。すなわち、柱部14bの円周方向側面14b1の内径側領域を上記のストレート面14b12に形成したことにより、通常のポケット形態(柱部の円周方向側面の全領域を円筒ころの転動面に沿う円弧面に形成したポケット形態)に比較して、柱部14bの外径側への弾性変形を規制する部位がなくなり、また、柱部14bの内径側領域の円周方向肉厚が小さくなって柱部14bの剛性が低下する結果、柱部14bの外径側への弾性変形が助長されている。
図9は、特許文献1、2に記載された円筒ころ軸受の保持器14の柱部14bが高速回転時の遠心力の作用で外径側に弾性変形した状態(実線)と、変形前の状態(点線)とを模式的にしている。同図に示すように、特許文献1、2に記載された円筒ころ軸受の保持器14では、柱部14bが外径側に弾性変形すると、柱部14bの円周方向側面14b1と円筒ころ13の転動面との間のポケット隙間gが初期隙間(変形前の隙間)よりも増大する。しかも、上述のように、柱部14bの外径側への弾性変形が助長される結果、ポケット隙間gの増大も助長される。そして、このポケット隙間gの増大により、円筒ころの等配機能が低下し、円筒ころの公転中心が振れて、内輪が不安定に振れる非繰り返し振れが発生する。特に、ころ案内形式の保持器では、保持器の半径方向の自由度が増大することにより、ポケット隙間gが増大する箇所と縮小する箇所とができ、しかもこれらの箇所の発生位置が一定しないために、非繰り返し振れの程度が大きくなる。この非繰り返し振れ(NRRO)は、回転数の上昇に比例して増大し、工作機械の主軸に取付けられた工具による加工精度を悪化させる等の原因となる。
本発明の課題は、所謂くし形の合成樹脂製保持器を備えた円筒ころ軸受において、高速回転時における柱部の軸方向先端側部分における内周部と円筒ころの転動面との異常接触を防止して、保持器の異常摩耗の防止と軸受温度上昇の抑制を図ると同時に、非繰り返し振れ(NRRO)を低減することである。
上記課題を解決するため、本発明は、内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配された複数の円筒ころと、合成樹脂製の保持器とを備え、保持器は、環状部と、環状部の内側面から軸方向の一方に延びた複数の柱部と、円周方向に隣接する柱部の円周方向側面間に形成され、円筒ころを回転自在に保持する複数のポケットとを備えている円筒ころ軸受において、保持器の柱部の円周方向側面は、その軸方向基端側部分における内周部に、円筒ころの転動面に沿う円弧面に形成され、柱部が回転時の遠心力により外側に弾性変形したときに、円筒ころの転動面を案内するころ案内部を有すると共に、その軸方向先端側部分における内周部に、ころ案内部よりも柱部の円周方向中心側に退避し、柱部が回転時の遠心力により外側に弾性変形したときに、円筒ころの転動面と半径方向の接触圧を生じない逃げ部を有する構成を提供する。ここで、上記の「軸方向」とは、内輪及び外輪の軸方向ひいては柱部の軸方向を意味すると共に、上記の「基端側」とは、柱部の環状部側を、上記の「先端側」とは、柱部の環状部とは反対側をそれぞれ意味し、上記の「内周部」とは、環状体の内周側の部位つまり柱部の内周側の部位を意味し、上記の「外周側」とは、環状体の外周側つまり柱部の外周側を意味するものであって、この「外周側」は、「外径側」と同義である。尚、以下の全ての説明においては、上記の「軸方向基端側部分における内周部」を単に「基端側内周部」といい、また上記の「軸方向先端側部分における内周部」を単に「先端側内周部」という。
柱部が回転時の遠心力により外周側(外径側)に弾性変形すると、柱部の円周方向側面の基端側内周部に円筒ころの転動面に沿う円弧面として形成されたころ案内部が、円筒ころの転動面との間のポケット隙間が減少する方向(外側)に変位して、円筒ころの転動面を案内する。そのため、円筒ころの良好な等配機能が確保され、高速回転時における非繰り返し振れ(NRRO)が問題のない程度まで低減される。尚、柱部の弾性変形量は基端側が先端側よりも小さくなるため、基端側内周部のころ案内部で円筒ころを案内する構成としても、両者の異常接触は発生しない。一方、柱部の円周方向側面の先端側内周部には、ころ案内部よりも柱部の円周方向中心側に退避した逃げ部が設けられているので、円周方向側面の先端側内周部は円筒ころの転動面と非接触になるか、あるいは、接触する場合でも半径方向の接触圧を生じない程度の軽い接触となる。そのため、高速回転時における柱部の円周方向側面の先端側内周部と円筒ころの転動面との異常接触が回避され、先端側内周部の異常摩耗が防止されると共に、軸受温度上昇が抑制される。
さらに、円周方向側面の基端側内周部に上記のようなころ案内部を設けることにより、柱部の基端側内周部の円周方向肉厚が増大して、柱部の剛性が向上する。そのため、回転時の遠心力や円筒ころからの荷重による柱部の外径方向及び円周方向への弾性変形量が小さくなる。これにより、円筒ころの良好な等配機能が維持される。
上記構成において、逃げ部の軸方向長さは円筒ころの長さの10%〜35%であることが好ましい。また、逃げ部の半径方向の開始位置とポケットのポケット中心とを結ぶ線が、ポケットのポケット中心におけるポケットPCDの接線に対して、内径側に20度以下の角度をなすように、逃げ部の半径方向の開始位置を設定することが好ましい。これらの基準に基づいて逃げ部を形成することにより、工作機械主軸で要求される高速回転域において、上記の効果を発揮することができる。
また、逃げ部の円周方向側面は柱部の円周方向中心線と平行なストレート面とすることが好ましい。逃げ部の円周方向側面をポケット中心を通る半径線と平行なストレート面とする場合に比べて、同様の効果を得つつ、柱部の先端側内周部の円周方向肉厚を厚くして、柱部の剛性を高めることができる。
あるいは、逃げ部の円周方向側面を柱部の円周方向中心線に近づく方向に傾斜した傾斜面としても良い。これにより、高速回転時における柱部の円周方向側面の先端側内周部と円筒ころの転動面との異常接触をより確実に回避することできる。
本発明は、保持器に形成された複数の柱部の全て、特にその全ての円周方向両側面に逃げ部を形成することが好適であるが、それらの複数の柱部における一つおき又は二つ以上おきに逃げ部を形成するようにしても良く、或いは、それらの複数の柱部における二つ以上おきに逃げ部を形成せず、その他の柱部に逃げ部を形成するようにしても良い。
さらに、本発明は、円筒ころが複数列で配列されている複列円筒ころ軸受に特に好適である。この場合、円筒ころの各列をそれぞれ上記の保持器によって個別的に保持する構成とするのが好ましい。より好ましくは、円筒ころの各列を保持する上記の保持器の環状部同士を軸受中央側で相互に付き合わせた状態で配置する。
本発明によれば、所謂くし形の合成樹脂製保持器を備えた円筒ころ軸受において、高速回転時における柱部の先端側内周部と円筒ころの転動面との異常接触を防止して、保持器の異常摩耗の防止と軸受温度上昇の抑制を図ることができると同時に、非繰り返し振れ(NRRO)を低減することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係る複列円筒ころ軸受を示している。この複列円筒ころ軸受は、工作機械の主軸装置において、高速で回転駆動される主軸をハウジングに対して回転自在に支持するもので、複列の軌道面1aを有する内輪1と、複列の軌道面2aを有する外輪2と、内輪1の軌道面1aと外輪2の軌道面2aとの間に転動自在に配された複列の円筒ころ3と、各列の円筒ころ3をそれぞれ保持する一対の合成樹脂製の保持器4とで構成される。内輪1の軸方向中央部には中鍔1bが設けられ、両端部には外鍔1cが設けられている。内輪1は主軸の外周に嵌合され、外輪2はハウジングの内周に嵌合される。この複列円筒ころ軸受は、例えば、エアオイルやグリース等の微量の潤滑剤で潤滑され、ラジアル内部隙間が負、すなわちラジアル方向の予圧を付与した状態で運転される場合が多々ある。尚、内輪1の内径面はテーパ形状であっても良い(この内輪は、テーパ形状に形成した主軸の外周面、あるいは、主軸の外周に嵌合したテーパ状スリーブの外周面に嵌合される)。
図2及び図3に拡大して示すように、保持器4は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリアミド樹脂(PA:PA66、PA46)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等の自己潤滑性を有する合成樹脂(必要に応じてカーボンファイバ(CF)、グラスファイバ(GF)等の充填材を所要量配合する。)を射出成形して形成され、環状部4aと、環状部4aの内側面4a1から軸方向の一方に一体に連続して延びた複数の柱部4bと、円周方向に隣接する柱部4bの円周方向側面4b1間に形成され、円筒ころ3を回転自在に保持する複数のポケット4cとを備えている。複数の柱部4bは円周等配位置に配列されている。各ポケット4cは円周方向に隣接する柱部4bの円周方向側面4b1と環状部4aの内側面4a1とで三方から囲まれ、軸方向の一方に向かって開口している。
図3に示すように、柱部4bの円周方向両側面4b1は、ポケット4cのポケット中心Oを通るポケットPCD(同図に示す例では、ポケットPCDは円筒ころ3の中心を通るころPCDと等しい。)から内径側及び外径側に亘って形成された円弧面(円筒面)4b11と、先端側内周部に設けられた逃げ部4b12とを備えている。
円弧面4b11は、例えば、ポケット中心Oを中心とし、円筒ころ3の半径(D/2)の1.005〜1.1倍の半径の円弧で描かれており、その外径端は、ポケット中心Oを通る半径線r1と平行なストレート面4b13と連続している。円周方向に相対向するストレート面4b13間の離間距離W1は円筒ころ3の直径Dよりも小さく、これにより、ポケット4cに対する円筒ころ3の外径側への抜けが規制される。円弧面4b11の内径端は、基端側においては柱部4bの内径端まで延び、先端側においては内周部の逃げ部4b12に連続している。円周方向に相対向する円弧面4b11の基端側内周部4b14間の最小離間距離W2は円筒ころ3の直径Dよりも小さい。この基端側内周部4b14は、柱部4bが回転時の遠心力によって外径側に弾性変形したときに、円筒ころ3の転動面を案内するころ案内部となる。
先端側内周部の逃げ部4b12は、柱部4bの先端から軸線方向に沿って基端部に至る途中部分まで形成され、基端側内周部4b14よりも柱部4bの円周方向中心線r2の側に退避するように肉取りされている。逃げ部4b12の軸方向長さL1は円筒ころ3の長さLの10%〜35%であり、逃げ部4b12の半径方向の開始位置はポケット中心OにおけるポケットPCDの接線m1を基準として内径側にθ≦20°となるように設定される。角度θは、逃げ部4b12の半径方向の開始位置とポケット中心Oとを結ぶ線m2が接線m1となす角度である。また、逃げ部4b12の円周方向側面は、柱部4bの円周方向中心線r2と平行なストレート面に形成されている。このような態様で形成された逃げ部4b12は、柱部4bが高速回転時の遠心力の作用で円周方向中心線r2に沿って外径側に弾性変形したときにおいても、円筒ころ3の転動面とは接触しなくなる。尚、円周方向に相対向する逃げ部4b12の円周方向側面間の最小離間距離は円筒ころ3の直径Dよりも若干小さいが、逃げ部4b12は円周方向中心線r2に沿って外径側に変位するため、円筒ころ3の転動面とは接触しない。このように、逃げ部4b12の円周方向側面を円周方向中心線r2と平行なストレート面に形成することにより、半径線r1と平行なストレート面に形成する場合に比べ、柱部4bの先端側内周部の円周方向肉厚を厚くして、柱部4bの剛性を高めることができる。
図1に示すように、この実施形態において、保持器4は転動体案内形式のものであり、軸受回転時、保持器4は柱部4bの円周方向側面4b1を円筒ころ3の転動面に接触案内されながら回転する。そして、軸受の回転が所定の高速回転域に達し、柱部4bが高速回転時の遠心力により外径側に弾性変形すると、柱部4bの円周方向側面4b1の基端側内周部(ころ案内部)4b14が円筒ころ3の転動面との間のポケット隙間が減少する方向(円周方向中心線r2に沿って外径側)に変位して、円筒ころ3の転動面を案内する。これにより、円筒ころ3の良好な等配機能が確保され、高速回転時における非繰り返し振れ(NRRO)が問題のない程度まで低減される。このとき、柱部4bの円周方向側面4b1の先端側内周部は逃げ部4b12が設けられていることにより、円筒ころ3の転動面との接触が回避される。そのため、高速回転時における円周方向側面4b1の先端側内周部の異常摩耗が防止されると共に、軸受温度上昇が抑制される。
さらに、円周方向側面4b1の基端側内周部(ころ案内部)4b14を円筒ころ3の転動面に沿う円弧面とすることにより、柱部4bの基端側内周部4b14の円周方向肉厚が増大して、柱部4bの剛性が向上する。そのため、高速回転時の遠心力や円筒ころ3からの荷重による柱部4bの外径方向及び円周方向への弾性変形量が小さくなり、これにより、円筒ころ3の良好な等配機能が維持される。
図4に示す第2の実施形態に係る保持器4は、上記のような逃げ部4b12を、その外径端が柱部4bの先端から基端部に向かって内径側に傾斜するように形成したものである。その他の事項は、第1の実施形態に準じるので、重複する説明を省略する。
図5に示す第3の実施形態に係る保持器4は、上記のような逃げ部4b12を、その円周方向側面が柱部4bの円周方向中心線r2に近づく方向に傾斜した傾斜面となるように形成したものである。この実施形態は、第2の実施形態と組み合わせても良い。その他の事項は、第1の実施形態に準じるので、重複する説明を省略する。
図6に示す第4の実施形態に係る保持器4は、複数の柱部4bの一つおき又は二つ以上おき(この実施形態では一つおき)における円周方向両側面4b1に、逃げ部4b12を形成したものである。この実施形態は、第2の実施形態又は第3の実施形態と組み合わせても良い。その他の事項は、第1の実施形態に準じるので、重複する説明を省略する。この場合、本発明は、複数の柱部4bの全てについて円周方向両側面4b1に逃げ部4b12を形成することを排除するものでないことは言うまでもない。
尚、保持器の案内形式は、転動体案内に限らず、外輪案内や内輪案内でも良い。すなわち、本発明は保持器の案内形式の如何を問わない。また、図1にはNN形の複列円筒ころ軸受を例示しているが、本発明はNNU形、その他の軸受形式の複列円筒ころ軸受にも同様に適用可能である。さらに、本発明は複列円筒ころ軸受に限らず、単列円筒ころ軸受や多列円筒ころ軸受にも同様に適用可能である。
図1に示す構成の複列円筒ころ軸受において、複数の柱部4bの全てにおける円周方向両側面4b1に逃げ部4b12を形成した保持器4を使用したもの(実施例1)と、図1に示す構成の複列円筒ころ軸受において、複数の柱部4bの一つおきにおける円周方向両側面4b1に逃げ部4b12を形成した保持器4を使用したもの(実施例2)と、図1に示す構成の複列円筒ころ軸受において、保持器4の逃げ部4b12をなくし、柱部4bの先端側内周部を他の領域と同じ円弧面4b11とした複列円筒ころ軸受(比較例)とを作製し、エアオイル潤滑下で運転して外輪の温度上昇を比較した。試験結果を図7に示す。
試験条件は下記のとおりである。
軸受品番:NN3020K
保持器の材質:樹脂[PEEK材+CF材]
組み込み後のラジアル内部隙間:−5μm
円筒ころ:ころ径φ11mm、ころ長さ11mm、ころPCDφ126mm
潤滑条件:エア量30NL/min、潤滑量0.02ml/20min、潤滑油粘度VG32、ハウジング冷却有り
図7に示すように、軸受回転数が8000rpm(dmn=100万)以下の回転数領域では、実施例1、2と比較例とで外輪温度上昇に大きな差異は見られなかったが、軸受回転数が8000rpm(dmn=100万)を超えると、これらの外輪温度上昇に差が現れ、特に軸受回転数が10000rpm(dmn=125万)以上では、これらの差が顕著に現れた。すなわち、実施例1、2は、軸受回転数が8000rpm(dmn=100万)を超えた領域で外輪温度上昇が比較例よりも低くなっており、特に軸受回転数が10000rpm(dmn=125万)以上の領域では外輪温度上昇の抑制効果が顕著であった。また、実施例1と実施例2とを比較すると、実施例2は、軸受回転数が12000rpm(dmn=150万)を超えた領域で外輪温度上昇が急激となったのに対して、実施例1は、そのような領域でも外輪温度上昇の抑制効果を充分に得ることができた。
第1の実施形態に係る複列円筒ころ軸受を示す断面図である。 第1の実施形態に係る保持器の部分斜視図である。 第1の実施形態に係る保持器の部分断面図{図3(a)}、柱部の先端側から見た部分側面図{図3(b)}である。 第2の実施形態に係る保持器の部分斜視図{図4(a)}、部分断面図{図4(b)}である。 第3の実施形態に係る保持器の柱部の先端側から見た部分側面図である。 第4の実施形態に係る保持器の部分斜視図である。 試験結果を示す図である。 従来の円筒ころ軸受における保持器の柱部の先端側から見た部分側面図である。 従来の保持器の柱部が高速回転時の遠心力の作用で外径側に弾性変形したときの状態(実線)と、変形前の状態(点線)とを模式的に示す図である。
符号の説明
1 内輪
2 外輪
3 円筒ころ
4 保持器
4a 環状部
4a1 内側面
4b 柱部
4b1 円周方向側面
4b12 逃げ部
4b14 ころ案内部

Claims (6)

  1. 内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配された複数の円筒ころと、合成樹脂製の保持器とを備え、該保持器は、環状部と、該環状部の内側面から軸方向の一方に延びた複数の柱部と、円周方向に隣接する前記柱部の円周方向側面間に形成され、前記円筒ころを回転自在に保持する複数のポケットとを備えている円筒ころ軸受において、
    前記保持器の柱部の円周方向側面は、その軸方向基端側部分における内周部に、前記円筒ころの転動面に沿う円弧面に形成され、前記柱部が回転時の遠心力によって外側に弾性変形したときに、前記円筒ころの転動面を案内するころ案内部を有すると共に、その軸方向先端側部分における内周部に、前記ころ案内部よりも前記柱部の円周方向中心側に退避し、前記柱部が回転時の遠心力によって外側に弾性変形したときに、前記円筒ころの転動面と半径方向の接触圧を生じない逃げ部を有することを特徴とする円筒ころ軸受。
  2. 前記逃げ部の軸方向長さが前記円筒ころの長さの10%〜35%であることを特徴とする請求項1に記載の円筒ころ軸受。
  3. 前記逃げ部の半径方向の開始位置と前記ポケットのポケット中心とを結ぶ線が、前記ポケットのポケット中心におけるポケットPCDの接線に対して、内径側に20度以下の角度をなすことを特徴とする請求項1又は2に記載の円筒ころ軸受。
  4. 前記逃げ部の円周方向側面が前記柱部の円周方向中心線と平行なストレート面であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の円筒ころ軸受。
  5. 前記逃げ部の円周方向側面が前記柱部の円周方向中心線に近づく方向に傾斜した傾斜面であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の円筒ころ軸受。
  6. 前記円筒ころが複数列で配列されていると共に、前記円筒ころの各列がそれぞれ前記保持器によって個別的に保持されていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の円筒ころ軸受。
JP2003394275A 2003-09-30 2003-11-25 円筒ころ軸受 Expired - Lifetime JP4322641B2 (ja)

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