JP7031477B2 - 熱延鋼板、角形鋼管、およびその製造方法 - Google Patents
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Description
この角形鋼管には、容易に破壊しないための衝撃特性(靭性)が要求される。また、角形鋼管には、降伏比(YR=降伏応力(YP)/引張強さ(TS))が低いことが要求されている。角形鋼管に荷重が加わり変形し始めてから、さらに荷重が加わり破断するまでを考えたときに、角形鋼管の降伏比が低いことにより、変形から破壊までの時間がより長く持ちこたえるので、建築物に使用した際に安全である。
すなわち、角形鋼管は、熱延鋼板を素材として、丸形鋼管を造管したのち、この丸形鋼管を冷間でロール成形により角形鋼管(角コラム)に成形する。丸形鋼管から角形鋼管に成形する際には、角形鋼管のコーナー部は、丸形鋼管の丸形部分に追加して角状にする曲げ加工を受ける。このため、角形鋼管の素材として用いられる熱延鋼板には、厳しい加工を受けても割れることなく成形される高い成形性が要求される。この高い成形性を表す指標として、伸び(EL)から均一伸び(U.El)を引いた、局部伸びの値が高いことが求められる。また、角形鋼管の平坦部は、丸形形状に曲げた後に、逆に曲げ戻し加工を受ける。
そして、ロール成形によって冷間で製造される角形鋼管は、冷間歪が多く加わることによって降伏応力が上昇して、降伏比YRが高くなり、靭性も大きく劣化してしまう。
特許文献2では、鋼板の状態で、降伏強さ:215MPa以上、引張強さ:400~510MPaの強度、75%以下の低降伏比で、試験温度0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギー:180J以上となる高靭性を有することを特徴とする建築構造部材向け角形鋼管用厚肉熱延鋼板が示されている。この鋼板を用いることで、管軸方向で、降伏強さ:295~445MPa、引張強さ:400~550MPaの強度と、80%以下の低降伏比で、試験温度0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギー:150J以上となる高靭性を有する建築構造部材向け角形鋼管を得ることができることが示されている。
そして、この熱延鋼板により、管軸方向で、降伏応力:365~515MPa、引張強さ:490~640MPaの強度と、90%以下の低降伏比で、試験温度0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE0℃:70J以上となる高靭性を有する角形鋼管を提供することを目的とする。
〔1〕質量%で、
C :0.050~0.100%、
Si:0.10~0.30%、
Mn:0.80~1.40%、
P :0.050%以下、
S :0.020%以下、
Al:0.010~0.040%、
N :0.0060%以下(0は含まない)、
Nb:0.015~0.045%を含有し、
残部がFeおよび不可避的不純物である熱延鋼板であり、
前記熱延鋼板の合金組織は、主相と第二相からなり、
前記主相は、フェライトであり、
前記主相の面積率が85~97%であり、
前記主相の硬さが、マイクロビッカース硬さ試験で150~200Hvであり、
前記第二相は、パーライト、またはパーライトおよびベイナイトであり、
前記第二相は、鋼板の1/4厚における下記(1)式により定義される第二相頻度が0.05~0.15であり、かつ、第二相面積率が3~15%であり、
鋼板の1/4厚における主相と第二相の平均結晶粒径が10~25μmである
ことを特徴とする熱延鋼板。
第二相頻度=(所定長さの線分と交叉する第二相粒の粒数)/(所定長さの線分と交叉する主相粒および第二相粒の合計粒数) (1)
〔2〕さらに質量%で、前記Feの一部に代えて、
Ti:0~0.080%、
V :0~0.150%、
Cu:0~0.40%、
Ni:0~0.40%、
Cr:0~0.40%、
Mo:0~0.22%、
の一種または二種以上を、
下記(2)式の範囲内で含むことを特徴とする〔1〕に記載の熱延鋼板。
Cu+Ni+Cr+1.8×Mo≦0.40% (2)
〔3〕さらに質量%で、前記Feの一部に代えて、
Mg:0~0.0100%、
Ca:0~0.0100%、
REM:0~0.1000%、
B :0~0.0100%、
の一種または二種以上を含むことを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の熱延鋼板。
〔4〕〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の成分組成を有するスラブについて、
前記スラブを加熱し、熱間粗圧延し、熱間仕上圧延して圧延材とし、前記圧延材を冷却し、巻取る熱延鋼板の製造方法であって、
前記加熱は、前記スラブを1100~1230℃に加熱し、
前記熱間粗圧延は、出側温度を900~1060℃で施し、
前記熱間仕上圧延は、
総圧下率を55~80%、
最終パスの圧下率を2~10%、
仕上圧延終了温度を750~840℃で施し、
前記冷却は、
前記仕上圧延の終了から、冷却開始までの時間を、4~10秒とし、
前記仕上圧延が終了し、前記冷却開始したときの1/4厚部の温度から、前記1/4厚部の冷却終了温度が570~650℃になるまで、1/4厚部の平均冷却速度が、10~30℃/秒となるように冷却し、
前記冷却後、前記巻取までは、前記1/4厚部の冷却終了温度から、前記巻取したときの1/4厚部の温度になるまで、1/4厚部の平均冷却速度が、5℃/秒以下となるように冷却し、
前記巻取は、
前記圧延材の巻取温度が500~650℃で行うことを
特徴とする〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の熱延鋼板の製造方法。
〔5〕〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の熱延鋼板を素材として丸形鋼管に造管し、冷間成形により製造される角形鋼管であって、
管軸方向で、降伏応力が365~515MPa、引張強さが490~640MPa、降伏比が90%以下で、0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが70J以上であることを特徴とする角形鋼管。
〔6〕〔4〕に記載された熱延鋼板の製造方法によって製造された熱延鋼板を素材とし、前記素材を丸形鋼管に造管し、冷間成形して製造することを特徴とする〔5〕に記載の角形鋼管の製造方法。
熱間仕上げ圧延の圧延条件を調整し、熱間仕上げ圧延後の冷却条件を調整したことで、本願で得られたフェライトは、硬さが適切な範囲であり、本願で得られた第二相は、第二相頻度が適切な範囲であるので、降伏比YRを低くすることができる。フェライトを生成させることにより、降伏比YRを低くすることができる。
(化学成分)
本発明の熱延鋼板、角形鋼管の成分組成について詳細に説明する。以下の%は、すべて質量%である。なお、本明細書中において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
Cは、熱延鋼板および角形鋼管に含有されると、固溶強化により強度を増加させる。また、第二相であるパーライトやベイナイトの形成に寄与する元素である。本発明が目的とする強度、靭性を確保するための後述の合金組織とするには、0.050%以上の含有を必要とする。一方、0.100%を超える含有は、目的の合金組織が得られず、熱延鋼板の、さらには角形鋼管の引張特性、靭性を確保できなくなる。このため、Cは0.050~0.100%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.070~0.090%である。
Siは、固溶強化で熱延鋼板および角形鋼管の強度増加に寄与する元素であり、強度を確保するために0.10%以上含有させる。一方、0.30%を超える含有は、熱延鋼板表面に、赤スケールと称するファイアライトが形成しやすくなり、表面の外観性状が低下する場合が多くなる。このため、0.10~0.30%とする。なお、好ましくは0.15~0.25%である。
Mnは、固溶強化を介して熱延鋼板および角形鋼板の強度を増加させる元素であり、目的の強度を確保するために、0.80%以上の含有を必要とする。なお、0.80%未満の含有では、フェライト変態開始温度の上昇を招き、合金組織が粗大化しやすい。一方、1.40%を超えて含有すると、熱延鋼板の降伏応力が高くなりすぎるため、冷間成形して製造される角形鋼管の降伏比YRが高くなり、目的の降伏比YRを確保できなくなる。このため、Mnは0.80~1.40%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.90~1.20%である。
Pは、フェライト粒界に偏析して、靭性を低下させる作用を有する元素であり、本発明では、不純物としてできるだけ低減することが好ましいが、過度の低減は、精錬コストの高騰を招くため、0.002%以上とすることが好ましい。なお、0.050%までは許容できる。このため、Pは0.050%以下に限定した。なお、好ましくは0.025%以下である。
Sは、熱延鋼板および角形鋼管中では硫化物として存在し、本発明の組成範囲であれば、主としてMnSとして存在する。MnSは、熱間圧延工程で薄く延伸され、延性、靭性に悪影響を及ぼすため、本発明ではできるだけ低減することが好ましいが、過度の低減は、精錬コストの高騰を招くため、0.002%以上とすることが好ましい。なお、0.020%までは許容できる。このため、Sは0.020%以下に限定した。なお、好ましくは0.010%以下である。
Alは、脱酸剤として作用するとともに、AlNとしてNを固定する作用を有する元素である。このような効果を得るためには、0.010%以上の含有を必要とする。0.010%未満では、脱酸力が不足し、COガスが溶鋼内に捕捉された状態となり、熱延鋼板の表面性状や材質特性が悪化する。一方、0.040%を超える含有は、溶鋼中の酸素と反応した酸化物が介在物として多く含むようになるため、熱延鋼板及び角形鋼管の清浄度が低下し、靭性が低下する。また、角形鋼管の溶接部の靭性も低下する。このため、Alは0.010~0.040%に限定した。なお、好ましくは0.020~0.030%である。
Nは、不純物として含まれ、熱延鋼板の延性、角形鋼管の溶接性が低下するため、本発明ではできるだけ低減することが好ましいが、0.0060%までは許容できる。このため、Nは0.0060%以下に限定した。なお、好ましくは0.0050%以下である。
Nbは、熱延鋼板および角形鋼管のフェライト硬さを確保し、平均結晶粒径を小さくし、第二相頻度を向上させるために、0.015%以上含有させる。Nbを含有することで、熱延鋼板のフェライト硬さ、平均結晶粒径、第二相頻度が適正化し、熱延鋼板および角形鋼管の靱性と強度が向上する。一方、0.045%を超えると、主相の硬さ、第二相分率、第二相頻度が本発明の範囲を超過し、必要以上に平均結晶粒径が小さくするため、強度が高くなりすぎて靱性や局部伸びが確保できず、降伏比YRも高くなる。なお、好ましくは0.020~0.040%である。
本発明の熱延鋼板および角形鋼管の成分組成は、以上の元素の他、Feおよび不可避的不純物からなる。Feは、主成分であり、不可避的不純物とは、熱延鋼板を製造する際の原材料に含まれる、あるいは製造の過程で混入する成分であり、意図的に鋼に含有させたものではない成分のことをいう。不可避的不純物として、例えば、O(酸素)が挙げられるが、Oについては、通常の鋼板の上限である0.005%程度であればよい。その他の不純物成分については、特に規定しないが、Sb、As等の元素が、原料のスクラップから不可避的不純物として混入する場合がある。しかしながら、不可避的不純物として混入するレベルの含有量では、本実施形態における熱延鋼板および角形鋼管の特性には著しい影響を与えない。
V :0~0.150%。
Ti、Vはいずれも、炭化物、窒化物を形成し、結晶粒径を小さくする作用を有する元素であり、熱延鋼板および角形鋼管に含有させることにより、降伏比YRが高くなる傾向となる。このため、本発明では、含有しないことが好ましいが、結晶粒を必要以上に極微細化しない範囲であれば、すなわち、フェライト相と第二相(パーライト、ベイナイト)を含む平均粒径で10μm以上を確保できる範囲であれば、含有してもよい。このような含有範囲はそれぞれ、Ti:0.080%以下、V:0.150%以下である。
Ni:0~0.40%、
Cr:0~0.40%、
Mo:0~0.22%、の一種以上、かつ、
Cu+Ni+Cr+1.8×Mo≦0.40% (2)
Ca:0~0.0100%、
REM:0~0.1000%、
B :0~0.0100%。
Mgは、微量の添加で酸化物、硫化物の形態制御に有効な元素であるため、0.0100%以下であればFeの一部に代えて含有させてもよい。しかしながら、Mg含有量が0.0100%を超えると、局部伸びが低下する。より好ましくは、0.0050%以下である。一方、酸化物、硫化物の形態を制御するためには、Mg含有量は0.0003%以上が好ましい。
Caは、微量の添加で酸化物、硫化物の形態制御に有効な元素であるため、0.0100%以下であればFeの一部に代えて含有させてもよい。しかしながら、Ca含有量が0.0100%を超えると、局部伸びが低下する。より好ましくは、0.0020%以下である。一方、酸化物、硫化物の形態を制御するためには、Ca含有量は0.0005%以上が好ましい。
Sc、Y、およびランタノイド元素の合計17元素の総称であるREMは、微量の添加で酸化物、硫化物の形態制御に有効な元素であるため、0.1000%以下であればFeの一部に代えて含有させてもよい。しかしながら、REM含有量が0.1000%を超えると、局部伸びが低下する。より好ましくは、0.0300%以下である。一方、酸化物、硫化物の形態を制御するためには、REM含有量は0.0002%以上が好ましい。また、REMとしては、La、Ce、Y、ミッシュメタルなどが好ましい。
Bは、冷却過程のフェライト変態を遅延させ、低温変態フェライト、すなわちアシュキュラーフェライト相の形成を促進し、鋼板強度を増加させる作用を有する元素であり、Bの含有は、鋼板の降伏比YR、したがって角形鋼管の降伏比YRを増加させる。このため、本発明では、角形鋼管の降伏比YRが90%以下となるような範囲であれば、必要に応じて含有できる。このような範囲はB:0.0100%以下である。
本発明は、成分組成を規定するとともに、熱延鋼板において、以下の要件を必須とする合金組織を規定した。
本発明の熱延鋼板の合金組織は、主相と第二相からなる。本発明において、主相(フェライト)と第二相(パーライト、ベイナイト)以外は存在しない。本発明の熱延鋼板は、主相であるフェライト相と第二相の平均結晶粒径が10~25μmである組織を有する。
ここでいう「主相と第二相の平均結晶粒径」とは、主相であるフェライト相と第二相であるパーライト相、ベイナイト相を含んだ、全結晶粒について測定した平均結晶粒径を意味する。この平均結晶粒径の測定は、熱延鋼板の幅方向で1/4幅部の位置から採取した組織観察用試験片について、圧延方向断面(L断面)を研磨、ナイタール腐食を施し、板厚1/4t位置を、光学顕微鏡(倍率:500倍)、または走査型電子顕微鏡(倍率:500倍)を用いて、板厚方向300μm×圧延方向300μmの範囲を観察し、撮像し、画像処理して、切断法で板厚方向の粒径と圧延方向の粒径を求め、これらを単純平均して、平均粒径を算出するものとする。
上記した方法で測定された平均結晶粒径が、10μm未満では、微細すぎて、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなる。一方、25μmを超えて粗大化すると、熱延鋼板および角形鋼管の靭性が低下する。
本発明でいう、主相とは、L断面(圧延方向および板厚方向に平行な断面)において、圧延面から板厚方向に板厚tの1/4深さ位置1/4厚(1/4t部)で、視野300μm×300μmの範囲で観察し、3~15%の面積率であるパーライト、またはパーライトおよびベイナイトを除いた残部である。すなわち、面積率で、85~97%を占める組織である。この主相が、フェライトであることを規定する。熱延鋼板の主相をフェライトとすることは、熱延鋼板および角形鋼管の靱性と局部伸びの確保と、降伏比YRを低くするために必要である。
本発明の熱延鋼板の合金組織の大部分を占める主相の硬さが、マイクロビッカース硬さ試験で150Hv未満であると、組織を規定する他の条件との関係で、強度や靱性が十分ではない場合がある。一方、主相の硬さが200Hvを超えると、降伏比YRが高くなり、また、硬化しすぎて熱延鋼板および角形鋼管の靱性が確保できない場合がある。なお、好ましくは160~180Hvである。
主相以外の第二相は、パーライト、またはパーライトおよびベイナイトである。第二相を主相のフェライトに比べて強度、硬度が高いパーライト、またはパーライトおよびベイナイトとすることで、必要な強度を確保する。
第二相の面積率は、主相以外のパーライト、またはパーライトおよびベイナイトの面積率である。第二相の面積率は、熱延鋼板のL断面(圧延方向および板厚方向に平行な断面)において、圧延面から板厚方向に板厚tの1/4深さ位置1/4厚(1/4t部)で、視野300μm×300μmの範囲で観察した際の第二相の面積率である。
第二相の面積率が3%未満であると、引張強さが不足するなど強度不足となる、また靱性も不足する。一方、15%を超えると、必要以上に高強度化するため、熱延鋼板および角形鋼管の局部伸びが低下し、降伏比YRが高くなる。また、靱性が低下することもある。
パーライト、または、パーライトおよびベイナイトからなる第二相は、0.05~0.15の第二相頻度を有する。第二相頻度が0.05未満では、熱延鋼板の-20℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE-20℃で、180J以上、建築構造部材用として角形鋼管に要求される、試験温度0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE0℃で、70J以上という、所望の靭性を確保できなくなる。一方、第二相頻度が0.15を超えると、熱延鋼板の降伏比YRが、85%超となり、冷間成形して得た角形鋼管の降伏比YRが90%超となる。このため、第二相頻度を0.05~0.15の範囲に限定した。なお、好ましくは0.08~0.12である。
まず、素材である熱延鋼板の圧延方向断面(L断面)組織を光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡を用いて撮像する。得られた組織写真に、圧延方向および板厚方向にそれぞれ、所定長さの線分(たとえば125μm)を所定本数(たとえば6本)だけ描き、該線分と交差する結晶粒の粒数を、主相、第二相の各相についてそれぞれ測定する。なお、線分の端部が結晶粒内に留まる場合には、0.5個とする。得られた、各線分と交差する第二相の合計粒数(第二相の粒数)と、得られた、各線分と交差する各相の粒数の合計粒数(総粒数)との比、(第二相の粒数)/(総粒数)を求め、第二相頻度と定義する。なお、各線分の所定長さは、組織の大きさに応じて適宜決定すればよい。
次に、本発明の熱延鋼板の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、上記の化学組成を有する溶鋼を製造する。製造された溶鋼から連続鋳造法などにより鋳片(スラブ)を製造する。このスラブを以下に規定する特定の条件によりスラブを加熱し、熱間粗圧延し、熱間仕上圧延して圧延材とし、圧延材を冷却し、巻取ることにより本発明の熱延鋼板を製造することができる。ただし、以下の製造工程は、製造方法の一例であって、本発明の熱延鋼板は、以下の製造方法によって限定されるものではない。
スラブの加熱温度が1100℃未満では、被圧延材の変形抵抗が大きくなりすぎて、粗圧延機、仕上圧延機の耐荷重、圧延トルクの不足が生じ、圧延が困難となる。一方、1230℃を超えると、オーステナイト結晶粒が粗大化し、粗圧延、仕上圧延でオーステナイト粒の加工・再結晶を繰返しても、細粒化することが困難となり、所望の熱延鋼板の平均結晶粒径を確保することが困難となる。このため、スラブの加熱温度は1100~1230℃に限定する。なお、より好ましくは1150~1220℃である。スラブ厚さは、通常用いられる200~350mm程度でよく、特に限定されない。
なお、スラブ加熱温度は、加熱炉へスラブを装入したときのスラブの実測温度から、逐次、伝熱計算を行い求めた、スラブ厚方向の各点(5点以上)のスラブ温度の計算値を平均したものである。
加熱されたスラブは、熱間粗圧延により、オーステナイト粒が加工、再結晶されて微細化する。熱間粗圧延の出側温度が900℃未満では、粗圧延機の耐荷重、圧延トルクの不足が生じやすくなる。一方、1060℃を超えて高温となると、オーステナイト粒が粗大化し、その後に熱間仕上圧延を施しても、平均結晶粒径:25μm以下という所望の平均結晶粒径を確保することが困難となる。このため、熱間粗圧延の出側温度は900~1060℃の範囲に限定する。この熱間粗圧延の出側温度範囲は、スラブの加熱温度、熱間粗圧延のパス間での滞留、スラブ厚さ等を調整することにより達成できる。なお、シートバー厚は、後述する仕上圧延で、所望の製品厚さの製品板(熱延鋼板)とするときに、仕上圧延での総圧下率を確保できるように調整すればよい。本発明では、シートバー厚さは32~60mm程度が適当である。
なお、粗圧延の出側温度は、鋼板の表面を実測した温度である。
熱間粗圧延に引き続き、熱間仕上圧延を施す。
熱間仕上圧延の総圧下率が55%未満であると、平均結晶粒径が十分に小さくならず、第二相頻度も十分でない。その結果、熱延鋼板および角形鋼管の靱性が確保できない。一方、総圧下率が80%を超えると、平均結晶粒径が小さくなりすぎ、第二相頻度が規定を超える。その結果、降伏応力が高くなりすぎ、局部伸びが低くなり、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなる。なお、総圧下率(圧下率1)は、以下(3)式のとおり定義する。
圧下率1=(粗圧延後の板厚-仕上圧延後の板厚)/粗圧延後の板厚×100% (3)
熱間仕上圧延の最終パスでは、それまでの圧延に比べて温度が落ちてきている。そのため、温度が低いので、再結晶することが少なくなり、微細歪が付与されやすい。熱間仕上圧延の最終パスの圧下率が10%を超えると、微細歪の付与が大きくなり、平均結晶粒径が小さくなりすぎて、降伏応力が高くなり、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなる。
一方、熱間仕上圧延の最終パスの圧下率が2%未満であると、平均結晶粒径が十分に小さくならず、熱延鋼板および角形鋼管の靱性が確保できない。
なお、最終パスの圧下率(圧下率2)は、以下(4)式のとおり定義する。
圧下率2=(仕上圧延機(n-1)圧延後の板厚-仕上圧延機(n)圧延後の板厚)/仕上圧延機(n-1)圧延後の板厚×100% (4)
ここで、nは、熱間仕上圧延の最終圧延パスを表し、n-1は、熱間仕上圧延の最終圧延パスの一つ前の圧延パスを表す。
仕上圧延終了温度(仕上圧延出側温度)が840℃を超えて高温となると、仕上圧延時に付加される加工歪が不足し、γ粒の微細化が達成されず、したがって、平均結晶粒径:25μm以下という所望の熱延鋼板の平均結晶粒径を確保することが困難となる。一方、仕上圧延終了温度(仕上圧延出側温度)が750℃未満では、仕上圧延機内で鋼板表面近傍の温度がAr3変態点以下となり、圧延方向に伸長したフェライト粒が形成され、フェライト粒が混粒となり、局所伸びが小さくなるなどして加工性が低下する危険性が増大する。このため、仕上圧延出側温度(仕上圧延終了温度)840~750℃の範囲に限定する。より好ましくは820~780℃である。
なお、仕上圧延終了温度は、鋼板の表面を実測した温度である。
仕上圧延の終了から、冷却開始までの時間:4~10秒。
冷却では、仕上圧延終了後、4~10秒で熱延鋼板の冷却を開始する。冷却開始までの時間が4秒未満であると、フェライト面積率が低くなり、第二相の面積率が過剰となり、平均結晶粒径が小さくなりすぎ、第二相頻度が規定を超える。その結果、降伏応力が高くなりすぎ、局部伸びが低くなり、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなる。
一方、仕上圧延終了後、10秒を超えて冷却を開始すると、すなわち高温での滞留時間が長くなると、結晶粒の成長が進行して、平均結晶粒径が十分に小さくならず、第二相頻度も十分でない。その結果、熱延鋼板および角形鋼管の靱性が確保できない。なお、好ましくは8秒以内である。
仕上圧延が終了し、冷却開始したときの1/4厚部の温度から、1/4厚部の冷却終了温度が570~650℃になるまでの、1/4厚部の平均冷却速度が10℃/秒未満では、フェライト粒の生成頻度が減少し、フェライト結晶粒が粗大化して、平均結晶粒径:25μm以下という平均結晶粒径を確保できず、第二相頻度も十分でない。その結果、熱延鋼板および角形鋼管の靱性が確保できない。一方、30℃/秒を超えると、フェライト面積率が低くなり、第二相の面積率が過剰となり、平均結晶粒径が小さくなりすぎ、第二相頻度が規定を超える。その結果、降伏応力が高くなりすぎ、局部伸びが低くなり、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなる。このため、1/4厚部の平均冷却速度を10~30℃/秒の範囲とする。より好ましくは15~25℃/秒である。
なお、1/4厚部の温度や冷却速度は、伝熱計算により求めた値を用いるものとする。
冷却終了温度が570℃未満であると、フェライト面積率が低くなり、第二相の面積率が過剰となり、平均結晶粒径が小さくなりすぎ、第二相頻度が規定を超える。その結果、降伏応力が高くなりすぎ、局部伸びが低くなり、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなる。
一方、冷却終了温度が650℃を超えると、すなわち高温の状態で鋼板が滞留する時間が長くなると、粒成長が進行して、平均結晶粒径が十分に小さくならず、第二相頻度も十分でない。その結果、熱延鋼板および角形鋼管の靱性が確保できない。
なお、上述した、仕上圧延終了後の鋼板の冷却は、ラミナー冷却、スプレー冷却等の冷却装置による、冷却水を用いて行う鋼板の冷却(水冷)であり、ここでいう「冷却終了温度」とは、ラミナー冷却、スプレー冷却等の冷却装置により、鋼板に冷却水が噴射されて、冷却水を用いて行う鋼板の冷却(水冷)を最後に行った地点での鋼板の温度を、鋼板の表面から鋼板の板厚方向に伝熱計算上5つ以上分割して、板厚方向の各位置での鋼板の温度を求めたときの、上述の伝熱計算により求めた、1/4厚部の温度である。
1/4厚部の冷却終了温度から、巻取したときの1/4厚部の温度になるまでの、1/4厚部の平均冷却速度:5℃/秒以下。
上記の冷却終了温度から後述の巻取温度までの冷却速度が5℃/秒を超えると、平均結晶粒径が小さくなりすぎ、第二相頻度が規定を超える。その結果、降伏応力が高くなりすぎ、局部伸びが低くなり、熱延鋼板および角形鋼管の降伏比YRが高くなる。この冷却速度は、たとえば、空冷、放冷等の水冷によらない方式による冷却の冷却速度に対応する。
なお、1/4厚部の温度や冷却速度は、伝熱計算により求めた値を用いる。
巻取温度が500℃未満では、パーライト生成が抑制され、塊状でラス間隔の粗いベイナイト粒が混在する割合が高くなり、所望の組織を確保できなくなり、冷間成形により製造される角形鋼管や、角形鋼管用の厚肉熱延鋼板で所望の降伏比YR、靭性を達成できなくなる。一方、650℃を超えて高くなると、平均粒径が大きくなり所望の靭性を確保できない。このため、巻取温度は500~650℃の範囲とする。なお、より好ましくは520~630℃である。
なお、巻取温度は、鋼板の表面を実測した温度である。
本発明の熱延鋼板は、丸形鋼管、さらには、角形鋼管に成形するためには、板厚12~25mmとすることが好ましい。より好ましい板厚は、16~25mmである。
本発明の熱延鋼板は、降伏応力が300~460MPa、引張強さが460~600MPa、降伏比YRが85%以下で、試験温度-20℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE-20℃が180J以上であることが好ましい。
本発明の角形鋼管は、各辺の寸法が150×150~550×550mm、厚さが12~25mmであることが好ましい。
本発明の角形鋼管は、管軸方向で、降伏応力が365~515MPa、引張強さが490~640MPa、降伏比YRが90%以下で、0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーvE0℃が70J以上であることが好ましい。
(合金組織観察)
フェライトの面積分率。
フェライトの面積分率は、圧延方向および板厚方向に平行な断面を取り、熱延鋼板表面から板厚方向に板厚tの1/4深さ位置(1/4t部)について、視野300μm×300μmの範囲でフェライトの面積分率を測定した。なお、フェライトは、試料をナイタールエッチングして、白色に見えるものとした。
なお、本願発明では、フェライト以外の第二相は、ベイナイトまたはパーライトである。ベイナイトは灰色に観察され、パーライトは黒色に観察される。そのため、第二相の面積分率も測定することができる。
フェライトの硬さは、圧延方向および板厚方向に平行な断面を取り、熱延鋼板表面から板厚方向に板厚tの1/4深さ位置(1/4t部)について、組織観察用試験片を採取し、研磨、ナイタール腐食して、光学顕微鏡(倍率:500倍)または走査型電子顕微鏡(倍率:500倍)を用いて、板厚1/4t位置における組織を観察し、白色に見える箇所(すわなちフェライト)について、硬さ(HV)を測定した。詳細には、マイクロビッカース硬さ試験機を用い、硬さ測定の荷重は5gとし、鋼板の圧延方向と平行な方向の線上で、10点の硬さ(HV)測定を行い、その単純平均値をフェライト硬さとした。
得られた熱延鋼板から、観察面が、L断面となるように、組織観察用試験片を採取し、研磨、ナイタール腐食して、光学顕微鏡(倍率:500倍)または走査型電子顕微鏡(倍率:500倍)を用いて、板厚1/4t位置における組織を観察し、撮像した。得られた組織写真について、画像解析装置を用いて、主相と第二相(ベイナイト、パーライト)とを含めた、全結晶粒の平均結晶粒径(直径)を求めた。詳細には、圧延方向と板厚方向にそれぞれ長さ125μmの線分を6本描き、切断法を用いて結晶粒径(直径)を求め、単純平均して平均結晶粒径(直径)を求めた。
得られた組織写真に、圧延方向と板厚方向にそれぞれ長さ125μmの線分を6本描き、それら線分と交差する各相の結晶粒数を測定した。そして、得られた、線分と交差する各相の結晶粒数から、(1)式で定義される、第二相頻度を算出した。
第二相頻度=(線分と交叉する第二相粒の粒数)/(線分と交叉する主相粒および第二相粒の合計粒数) (1)
得られた熱延鋼板から、引張方向が圧延方向となるように、JIS 5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241(2011)の規定に準拠して引張試験を実施し、0.2%塑性伸び時の耐力オフセット法に基づき降伏応力、引張強さ、伸び(EL)から均一伸び(u-EL)を引いた、局部伸びを測定し、(降伏応力)/(引張強さ)で定義される降伏比YR(%)を算出した。
得られた熱延鋼板の板厚1/4t位置から、試験片長手方向が圧延方向となるように、Vノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242(2005)の規定に準拠して、試験温度:-20℃で、シャルピー衝撃試験を実施し、吸収エネルギー(J)を求めた。なお、試験片本数は各3本とした。
また、得られた角形鋼管の平坦部から、試験片を採取し、引張試験、衝撃試験を実施し、降伏比YR、靭性を評価した。試験方法はつぎの通りとした。
得られた角形鋼管平坦部から、引張方向が管長手方向となるように、JIS 5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241(2011)の規定に準拠して引張試験を実施し、熱延鋼板の引張試験と同様に、降伏応力、引張強さを測定し、(降伏応力)/(引張強さ)で定義される降伏比YR(%)を算出した。
得られた角形鋼管平坦部の板厚1/4t位置から、試験片長手方向が管長手方向となるように、Vノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242(2005)の規定に準拠して、試験温度:0℃で、シャルピー衝撃試験を実施し、吸収エネルギー(J)を求めた。なお、試験片本数は各3本とした。
No.30(比較例)は、Nbの量が、本発明に規定する量を超えていたので、フェライト面積率が低く、第二相の面積率が過剰で、フェライト硬さが過剰で、平均結晶粒径が小さく、第二相頻度が過剰であった。その結果、熱延鋼板および角形鋼管の強度が高くなりすぎ、靱性、局部伸びが低くなり、降伏比YRが高くなった。
Claims (6)
- 質量%で、
C :0.050~0.100%、
Si:0.10~0.30%、
Mn:0.80~1.40%、
P :0.050%以下、
S :0.020%以下、
Al:0.010~0.040%、
N :0.0060%以下(0は含まない)、
Nb:0.015~0.045%を含有し、
残部がFeおよび不可避的不純物である熱延鋼板であり、
前記熱延鋼板の合金組織は、主相と第二相からなり、
前記主相は、フェライトであり、
前記主相の面積率が85~97%であり、
前記主相の硬さが、マイクロビッカース硬さ試験で150~200Hvであり、
前記第二相は、パーライト、またはパーライトおよびベイナイトであり、
前記第二相は、鋼板の1/4厚における下記(1)式により定義される第二相頻度が0.05~0.15であり、かつ、第二相面積率が3~15%であり、
鋼板の1/4厚における主相と第二相の平均結晶粒径が10~25μmであることを特徴とする熱延鋼板。
第二相頻度=(所定長さの線分と交叉する第二相粒の粒数)/(所定長さの線分と交叉する主相粒および第二相粒の合計粒数) (1) - さらに質量%で、前記Feの一部に代えて、
Ti:0~0.080%、
V :0~0.150%、
Cu:0~0.40%、
Ni:0~0.40%、
Cr:0~0.40%、
Mo:0~0.22%、
の一種または二種以上を、
下記(2)式の範囲内で含むことを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼板。
Cu+Ni+Cr+1.8×Mo≦0.40% (2) - さらに質量%で、前記Feの一部に代えて、
Mg:0~0.0100%、
Ca:0~0.0100%、
REM:0~0.1000%、
B :0~0.0100%、
の一種または二種以上を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱延鋼板。 - 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の成分組成を有するスラブについて、
前記スラブを加熱し、熱間粗圧延し、熱間仕上圧延して圧延材とし、前記圧延材を冷却し、巻取る熱延鋼板の製造方法であって、
前記加熱は、前記スラブを1100~1230℃に加熱し、
前記熱間粗圧延は、出側温度を900~1060℃で施し、
前記熱間仕上圧延は、
総圧下率を55~80%、
最終パスの圧下率を2~10%、
仕上圧延終了温度を750~840℃で施し、
前記冷却は、
前記仕上圧延の終了から、冷却開始までの時間を、4~10秒とし、
前記仕上圧延が終了し、前記冷却開始したときの1/4厚部の温度から、前記1/4厚部の冷却終了温度が570~650℃になるまで、1/4厚部の平均冷却速度が、10~30℃/秒となるように冷却し、
前記冷却後、前記巻取までは、前記1/4厚部の冷却終了温度から、前記巻取したときの1/4厚部の温度になるまで、1/4厚部の平均冷却速度が、5℃/秒以下となるように冷却し、
前記巻取は、
前記圧延材の巻取温度が500~650℃で行う
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の熱延鋼板の製造方法。 - 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の熱延鋼板を素材として丸形鋼管に造管し、冷間成形により製造される角形鋼管であって、
管軸方向で、降伏応力が365~515MPa、引張強さが490~640MPa、降伏比が90%以下で、0℃におけるシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが70J以上であることを特徴とする角形鋼管。 - 請求項4に記載された熱延鋼板の製造方法によって製造された熱延鋼板を素材とし、前記素材を丸形鋼管に造管し、冷間成形して製造することを特徴とする請求項5に記載の角形鋼管の製造方法。
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