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JP7029368B2 - 同期電動機制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、同期電動機制御装置に関し、特に、同期電動機における飽和電圧によるトルク低下の低減に有効な技術に関する。
同期電動機の制御方法として、例えばベクトル制御や電流制御などが知られている。ベクトル制御は、電動機の磁極方向にとられるd軸とこれに直交するq軸とに流れる電流をそれぞれ独立に調整して制御するものである。また、電流制御は、例えば比例積分(PI)方式によって電流の制御を行なうものである。
リラクタンストルクを利用する同期電動機では、同期電動機制御装置より印加する電流に対して、インダクタンスが変化する。そのため、同期電動機の速度に対する駆動電圧は、非線形特性となる。
このとき、同期電動機制御装置の電源電圧が低下した場合は、電圧飽和によって同期電動機の出力トルクが急激に低下する。また、電圧飽和となると、同期電動機の電流制御特性が悪化して、急激な回転速度の落ち込みやトルクリプルが発生するなどの問題がある。
この種の同期電動機における出力トルクの低下を解決する技術としては、同期電動機制御装置の電源電圧が低下した場合でも、電源電圧に合わせて電圧飽和が発生しないように電流指令値に対して電流制限処理を施すものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2015-35923号公報
上述した特許文献1の技術において、例えば電圧飽和が発生しないように電流指令値に対して電流制限処理を施す場合は、同期電動機の速度に対する一次関数として電流制限値を導出する。
しかしながら、電源電圧と電圧飽和限界となる電流制限値との関係性は、一次関数ではない。そのため、この電流制限値を一次関数で設定することによって電圧飽和は、発生しないものの、同期電動機の速度によっては、電流指令値を必要以上に制限してしまい、その結果、出力トルクが制限されてしまう恐れがある。
本発明の目的は、同期電動機制御装置の電源電圧が低下した場合でも、高速域において余分に出力トルクを低減しすぎることなく、同期電動機の急激な出力トルク低下を抑制することのできる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、代表的な同期電動機制御装置は、インバータ回路、速度制御部、電流リミット値生成処理部、電流指令リミット処理部、d軸電流指令生成部、q軸電流制御部、d軸電流制御部、および三相変換部を有する。
インバータ回路は、直流電圧から三相電圧指令を生成して、生成した三相電圧指令を同期電動機に印加する。速度制御部は、同期電動機の回転速度を設定する速度指令値と同期電動機の回転速度を示す速度検出値との差分に応じてq軸電流指令値を演算する。
電流リミット値生成処理部は、同期電動機の電圧飽和を抑制する電流指令リミット値を出力する。電流指令リミット処理部は、電流リミット値生成処理部から出力される電流指令リミット値に基づいて、速度制御部が演算したq軸電流指令値を制限するq軸電流制限指令値を生成する。
d軸電流指令生成部は、電流指令リミット処理部が生成するq軸電流制限指令値に基づいて、任意の起磁力相差角に従ってd軸電流指令値を生成する。q軸電流制御部は、電流指令リミット処理部が生成するq軸電流制限指令値に基づいて、q軸電圧指令値を生成する。
d軸電流制御部は、d軸電流指令生成部が生成するd軸電流指令値に基づいて、d軸電圧指令値を生成する。三相変換部は、q軸電流制御部が生成するq軸電圧指令値およびd軸電流制御部が生成するd軸電圧指令値を三相指令値に変換する。
また、電流リミット値生成処理部は、同期電動機の速度検出値、d軸電圧の制限値を示すd軸電圧制限値、およびq軸電流指令リミット値を導出する演算乗数値を示す電流指令リミット値演算ゲインをパラメータとして前記同期電動機の負荷の変化に応じた電流指令リミット値を導出する。電流指令リミット処理部は、電流リミット値生成処理部が導出した電流指令リミット値に基づいて、q軸電流指令値を制限する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
(1)同期電動機の急激なトルク変動を軽減することができる。
(2)上記(1)により、同期電動機の動作を安定化させることができる。
実施の形態1による同期電動機制御装置における構成の一例を示すブロック図である。 図1の同期電動機制御装置によって制御される同期電動機のトルク-速度特性の一例を示した説明図である。 図1の同期電動機制御装置におけるd軸電圧vdおよびq軸電圧vqにおける電圧ベクトルを示す説明図である。 同期電動機におけるトルク-速度特性の一例を示す説明図である。 電圧飽和現象を説明する説明図である。 実施の形態2による同期電動機制御装置における構成の一例を示すブロック図である。 図6の同期電動機制御装置が有する電流リミット値生成処理部における構成の一例を示す説明図である。 実施の形態2による同期電動機におけるトルク-速度特性の一例を示す説明図である。 実施の形態3による同期電動機制御装置における構成の一例を示す説明図である。 図9の同期電動機制御装置が有する電流リミット値生成処理部における構成の一例を示す説明図である。 実施の形態3による同期電動機におけるトルク-速度特性の一例を示す説明図である。
実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
以下、実施の形態を詳細に説明する。
〈同期電動機制御装置の構成例〉
図1は、本実施の形態1による同期電動機制御装置10における構成の一例を示すブロック図である。
同期電動機制御装置10は、同期電動機50の回転動作を制御する。同期電動機50は、例えばサーボモータなどからなる。この同期電動機50には、位置検出器51が接続されている。位置検出器51は、同期電動機50の回転子位置θmを検出する。
同期電動機制御装置10は、図1に示すように、インバータ回路21、コンバータ回路23、速度検出演算部24、減算器25、速度制御部26、電流リミット値生成処理部27、電流指令リミット処理部28、d軸電流指令生成部29、q軸電流制御部30、d軸電流制御部31、および三相変換部32などから構成されている。
なお、図1の例では、同期電動機制御装置10がコンバータ回路23を備えて構成された例を示したが、該コンバータ回路23は、同期電動機制御装置10の外部に設けるようにしてもよい。
インバータ回路21は、同期電動機50に三相電圧指令vu,vv,vwをそれぞれ印加する。コンバータ回路23は、三相電源VFを直流電圧Vdcに変換してインバータ回路21に供給する。三相電源VFは、三相交流電源である。
速度検出演算部24は、位置検出器51が検出した回転子位置θmから同期電動機50の回転速度である速度検出値Nmを演算する。減算器25は、速度指令値Nrefと速度検出演算部24が演算した速度検出値Nmとの差分を演算する。
速度指令値Nrefは、外部に設けられる上位の制御装置から入力される。例えば同期電動機50がプレス機などに用いられている場合、上位の制御装置は、該プレス機の制御を司る制御装置などであり、プレス機を駆動する同期電動機への回転速度指令値が出力される。
速度制御部26は、減算器25の演算結果に基づいて、q軸の電流を制御するq軸電流指令値iqrefを演算する。電流リミット値生成処理部27は、速度検出演算部24から出力される速度検出値Nm、パラメータであるd軸電圧制限値vd_lim_in、および演算ゲインiq_lim_cal_gainに基づいて、q軸電流指令リミット値iq_lim_outを生成して出力する。
d軸電圧制限値vd_lim_inは、d軸電圧の制限値を示す。演算ゲインiq_lim_cal_gainは、q軸電流指令値を導出する演算乗数値を示す。
これらd軸電圧制限値vd_lim_inおよび演算ゲインiq_lim_cal_gainなどのパラメータは、例えば同期電動機制御装置10に外部接続されるパーソナルコンピュータなどによって設定される。あるいは、ディップスイッチなどを用いてパラメータを設定するようにしてもよい。
電流指令リミット処理部28は、電流リミット値生成処理部27が生成したq軸電流指令リミット値iq_lim_outから速度制御部26が演算したq軸電流指令値iqrefを制限するq軸電流指令値iqref_outを出力する。
d軸電流指令生成部29は、電流指令リミット処理部28から出力されるq軸電流指令値iqref_outに基づいて、d軸(磁界成分)と電機子起磁力中心との相差角である起磁力相差角βに従ってd軸電流指令値idref_outを出力する。
q軸電流制御部30は、電流指令リミット処理部28から出力されるq軸電流指令値iqref_outに基づいて、q軸電圧指令値vqrefを演算する。d軸電流制御部31は、q軸電流指令値iqref_outに基づいて、d軸電圧指令値vdrefを演算する。
三相変換部32は、q軸電流制御部30が出力するq軸電圧指令値vqrefおよびd軸電流制御部31が出力するd軸電圧指令値vdrefを三相指令値vuref,vvref,vwrefに変換してインバータ回路21に供給する。
続いて、同期電動機制御装置10が有する電流リミット値生成処理部27の動作について詳しく説明する。
図2は、図1の同期電動機制御装置10によって制御される同期電動機50のトルク-速度特性の一例を示した説明図である。
図2の一点鎖線は、リラクタンストルクを利用する同期電動機50の設計上におけるトルク-速度特性を示したものである。ここでは、コンバータ回路23から出力される直流電圧Vdcの低下は考慮しいないものとしており、該直流電圧Vdcは、例えば270V程度とする。
図2に示すように、同期電動機50の最高速度Nmaxで負荷トルクを上げていくと、あるトルクから速度が線形特性に近い特性をもって低下していく。また、このときの直流電圧Vdc(=270V)を基準電圧と呼ぶことにする。
しかし、直流電圧Vdcが低くなった場合(Vdc<270V)は、q軸電流制御部30もしくはd軸電流制御部31の電流指令にて同期電動機50に電圧飽和が発生して、図2の実線に示すように、電圧飽和開始点から非線形特性によって速度が低下する。
この速度低下の原因である電圧飽和現象について、図3を用いて説明する。
図3は、図1の同期電動機制御装置10におけるd軸電圧vdおよびq軸電圧vqにおける電圧ベクトルを示す説明図である。
d軸電圧vdの最大値を電圧vd_maxとし、q軸(トルク成分)電圧vqの最大値を電圧vq_maxとすると、インバータ回路21が出力可能な電圧の最大値は、図3に示すように、円形になる。
電圧ベクトルの長さが、この円内であれば電圧飽和は発生しない。逆に、電圧ベクトルBのように、この円の外側になると、電圧飽和が発生する。電圧飽和を抑制するためには、図3に示す電圧ベクトルAのように、この円内に収まるようにベクトルの長さを抑制する必要がある。
そこで、同期電動機制御装置10において、電流リミット値生成処理部27は、q軸電流制御部30あるいはd軸電流制御部31の電流指令によって電圧飽和が発生しない電流指令の制限値、すなわちq軸電流リミット値を導出する。
電流リミット値生成処理部27は、上述したq軸電流リミット値を以下の原理から導出する。
電流リミット値生成処理部27は、d軸電圧制限値vd_lim_inと電動機速度Nmに従って、q軸電流リミット値を導出する。具体的には、同期電動機のd軸電圧方程式の干渉項から導出する。
一般的に、dq座標表現での同期電動機の電圧方程式は、以下に示す式(1)のとおりである。式(1)の同期電動機の電圧方程式において、干渉項は、式(2)のとおりであり、d軸電圧方程式の干渉項はvodである。
式(1)および式(2)において、vdはd軸電圧、vqはq軸電圧、vodはd軸の干渉電圧、voqはq軸の干渉電圧、idはd軸電流、iqはq軸電流、Rは同期電動機の巻線抵抗値、Ldは同期電動機のd軸のインダクタンス値、Lqは同期電動機のq軸のインダクタンス値、ωは同期電動機の電気角速度、Ψaは同期電動機の鎖交磁束である。
Figure 0007029368000001

次に、電流リミット値生成処理部27による具体的なq軸電流指令リミット値iq_lim_outの導出方法について、数式を用いて説明する。
電流リミット値生成処理部27は、電動機速度Nmに従って、以下の式(3)を用いて、q軸電流指令リミット値iq_lim_outを導出する。また、q軸電流指令リミット値iq_lim_outの値が負の値となった場合は、q軸電流指令リミット値iq_lim_out=0とする。ここでは、電動機速度Nmの単位として[min-1]を想定している。また、式(3)におけるPpは同期電動機の極対数である。
式(3)のvdlim_inは、次のように事前に導出する。
Figure 0007029368000002
同期電動機が最高回転数(電気角速度)にて駆動している時に印加される電流値id、iqを同期電動機のd軸電圧方程式の干渉項(式(2))に代入することによってvodを導出して、この時のvodをvdlim_inとする。
vodは、式(2)によれば、同期電動機の回転数(電気角速度)ωにて値が変化するが、この回転数ωを上記のように最高回転数(電気角速度)[固定値]として代入することによって式(3)を簡略化する。これにより、同期電動機制御装置10の演算処理負荷を軽減することができる。
また、q軸電流指令値リミット値演算ゲインiqlim_cal_gainは、式(4)により、事前に導出する。
Figure 0007029368000003
以上のように、電流リミット値生成処理部27にて導出したq軸電流指令リミット値iq_lim_outに従って電流指令を制限するリミット処理を施すことによって、同期電動機50の負荷が過大になった際でも、q軸電流制御部30あるいはd軸電流制御部31からの電流指令による電圧飽和の発生を抑制することができる。
図4は、同期電動機におけるトルク-速度特性の一例を示す説明図である。
図4において、一点鎖線にて示すトルク-速度特性Cは、同期電動機が出力可能なトルク-速度特性である。点線にて示すトルク-速度特性Dは、電圧飽和の対策として課題にて述べた同期電動機の速度に対する一次関数として電流制限値を導出した際のトルク-速度特性である。実線にて示すトルク-速度特性Eは、電流リミット値生成処理部27が導出した電圧飽和が発生しない電流指令の制限値であるq軸電流指令リミット値iq_lim_outを用いた際のトルク-速度特性である。
q軸電流指令リミット値iq_lim_outは、d軸電圧方程式から導出しているので、電圧飽和が発生しない境界レベルの値とすることができる。すなわち、図4の実線にて示すトルク-速度特性Eのように、高速域において余分に出力トルクを低減しすぎることなく、同期電動機の急激な出力トルク低下を抑制することができる。
それにより、同期電動機50を安定して動作させることのできる同期電動機制御装置10を提供することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、コンバータ回路23が出力する直流電圧Vdcが略一定値であることを前提として、q軸電流リミット値を導出したが、本実施の形態2においては、コンバータ回路23が出力する直流電圧Vdcの電圧が降下した場合に、その電圧降下分を考慮してq軸電流リミット値を導出する例について説明する。
図6は、本実施の形態2による同期電動機制御装置10における構成の一例を示すブロック図である。
図6に示す同期電動機制御装置10が前記実施の形態1の図1に示す同期電動機制御装置10と異なっているところは、外部から入力されるパラメータである。図6に示す同期電動機制御装置10では、d軸電圧制限値vd_lim_inのパラメータの代わりに、d軸電圧制限値演算ゲインvd_lim_cal_gainおよびd軸電圧制限値演算オフセットvd_lim_cal_ofstの2つのパラメータが新たに電流リミット値生成処理部27に入力される。また、電流リミット値生成処理部27に直流電圧Vdcが入力されているところも図1に示す同期電動機制御装置10と異なっている点である。
d軸電圧制限値演算ゲインvd_lim_cal_gainは、d軸電圧制限値を導出する演算乗数値を示す。d軸電圧制限値演算オフセットvd_lim_cal_ofstは、d軸電圧の制限値を導出するオフセット値を示す。その他の接続構成については、図1と同様であるので説明は省略する。
電流リミット値生成処理部27は、速度検出演算部24から出力される速度検出値Nm、コンバータ回路23が出力する直流電圧Vdc、電流リミット値を生成するパラメータであるd軸電圧制限値演算ゲインvd_lim_cal_gain、d軸電圧制限値演算オフセットvd_lim_cal_ofst、およびq軸電流指令値リミット値演算ゲインiq_lim_cal_gainに基づいて、q軸電流指令値リミット値iq_lim_outを生成して出力する。
つづいて、直流電圧Vdcと電圧飽和現象の関係性について説明する。
図5は、電圧飽和現象を説明する説明図である。
この図5は、d軸電圧vdおよびq軸電圧vqにおける電圧ベクトルを示している。図5において、直流電圧Vdcが基準電圧であるvd_lim_in_vdc_baseの場合は、d軸電圧vdおよびq軸電圧vqの最大値は、それぞれ電圧vd_max1、電圧vq_max1であり、図6のインバータ回路21が出力可能な電圧の最大値は、図5に示すインバータ回路出力電圧最大値C1ように円形になる。
このとき、電圧ベクトルの長さが、この円内であれば電圧飽和は発生しない。逆に、電圧ベクトルの長さが、電圧ベクトルB1に示すように、この円の外側の領域(図6のハッチングにて示す領域)になると、電圧飽和が発生する。電圧飽和を抑制するためには、電圧ベクトルA1に示すように、この円内に収まるようにベクトルの長さを抑制する必要がある。
また、直流電圧Vdcが最低電圧値であるvd_lim_in_vdc_min(< vd_lim_in_vdc_base)の場合は、d軸電圧vdおよびq軸電圧vqの最大値は、それぞれ電圧vd_max2、電圧vq_max2であり、インバータ回路21が出力可能な電圧の最大値は、図5のインバータ回路出力電圧最大値C2に示す円形になる。
直流電圧Vdcがvd_lim_in_vdc_baseの場合と同様に、電圧飽和を抑制するためには、図5の電圧ベクトルA2に示すように、この円内に収まるようにベクトルの長さを抑制する必要がある。
直流電圧Vdcの大小関係と同様に、電圧ベクトルの長さは、式(5)の関係となる。
Figure 0007029368000004
よって、上記のように、直流電圧Vdcが変化する場合は、電圧飽和現象を抑制するために直流電圧Vdcに従って最大の電圧ベクトル長を抑制する必要がある。
図7は、図6の同期電動機制御装置10が有する電流リミット値生成処理部27における構成の一例を示す説明図である。
電流リミット値生成処理部27は、図7に示すように、d軸電圧制限値生成処理部35およびq軸電流制限値生成処理部36から構成されている。d軸電圧制限値生成処理部35には、直流電圧Vdc、パラメータであるd軸電圧制限値演算ゲインvd_lim_cal_gain、およびパラメータであるd軸電圧制限値演算オフセットvd_lim_cal_ofstが入力される。
そして、d軸電圧制限値生成処理部35は、直流電圧Vdc、d軸電圧制限値演算ゲインvd_lim_cal_gain、およびd軸電圧制限値演算オフセットvd_lim_cal_ofstに基づいて、d軸電圧制限値vd_lim_calを算出して出力する。
q軸電流制限値生成処理部36には、速度検出値Nm、d軸電圧制限値生成処理部35から出力されるd軸電圧制限値vd_lim_cal、およびパラメータであるq軸電流指令値リミット値演算ゲインiq_lim_cal_gainがそれぞれ入力される。
そして、q軸電流制限値生成処理部36は、入力された速度検出値Nm、d軸電圧制限値vd_lim_cal、およびq軸電流指令値リミット値演算ゲインiq_lim_cal_gainに基づいて、q軸電流指令値リミット値iq_lim_outを算出して出力する。
電流リミット値生成処理部27は、直流電圧Vdcを考慮して、q軸電流制御部30もしくはd軸電流制御部31にて電圧飽和が発生しない電流指令の制限値であるq軸電流リミット値を導出する。
電流リミット値生成処理部27は、このq軸電流リミット値を以下の原理から導出している。具体的には、直流電圧Vdcを考慮して、同期電動機50のd軸電圧方程式の干渉項から導出する。
続いて、電流リミット値生成処理部27による具体的なq軸電流指令リミット値iq_lim_outの導出方法を数式を用いて説明する。
まず、d軸電圧制限値生成処理部35において、以下に示す式(6)にて、計算値であるd軸電圧制限値vd_lim_calを導出する。Vdc_baseは、コンバータ回路23が供給する直流電圧Vdcの基準電圧であり、Vdc_minは、コンバータ回路23が供給する直流電圧Vdcの最低電圧である。
Figure 0007029368000005
d軸電圧制限値演算ゲインvd_lim_cal_gainは、式(7)により、d軸電圧制限値(基準)vd_lim_in_vdc_base、d軸電圧制限値vd_lim_in_vdc_min、直流電圧の基準電圧Vdc_base、直流電圧の最低電圧Vdc_minを代入することによって事前に導出する。
Figure 0007029368000006
また、d軸電圧制限値演算オフセットvd_lim_cal_ofstにおいても、式(8)により、d軸電圧制限値演算ゲインvd_lim_cal_gain、d軸電圧制限値vd_lim_in_vdc_base、直流電圧の基準電圧Vdc_baseを代入することにより、事前に導出する。
Figure 0007029368000007
vd_lim_in_vdc_baseは、直流電圧Vdc=Vdc_baseの場合、同期電動機が最高回転数(電気角速度)で駆動している時に印加する電流値id,iqを同期電動機のd軸電圧方程式の干渉項(式(2))に代入することによってvodを導出する。この時のvodは、vd_lim_in_vdc_baseとして事前に設定する。
また、vd_lim_in_vdc_minは、直流電圧Vdc=Vdc_minの場合、同期電動機が最高回転数(電気角速度)で駆動している時に印加する電流値id、iqを同期電動機のd軸電圧方程式の干渉項(式(2))に代入することによってvodを導出する。この時のvodをvd_lim_in_vdc_minとして事前に設定する。
q軸電流制限値生成処理部36は、速度検出値Nmに従って、式(9)にてq軸電流指令リミット値iq_lim_outを導出する。また、q軸電流指令リミット値iq_lim_outの値が負の値となった場合は、iq_lim_out=0とする。ここでは、速度検出値Nmの単位は[min-1]を想定している。また、Ppは同期電動機の極対数である。
Figure 0007029368000008
また、q軸電流指令値リミット値演算ゲインiqlim_cal_gainは、上記した式(4)により、事前に導出する。
以上のように、電流リミット値生成処理部27にて導出したq軸電流指令リミット値iq_lim_outに従って電流指令リミット処理を施すことによって、たとえ直流電圧Vdcが変動する場合であっても、同期電動機50の負荷が過大になった際の電圧飽和の発生を抑制することができる。
図8は、本実施の形態2による同期電動機におけるトルク-速度特性の一例を示す説明図である。
図8において、点線にて示すトルク-速度特性A3は、直流電圧Vdcがd軸電圧制限値vd_lim_in_vdc_baseである場合の同期電動機が出力可能なトルク-速度特性である。一点鎖線にて示す示すトルク-速度特性A4は、直流電圧Vdcがd軸電圧制限値vd_lim_in_vdc_minである場合の同期電動機が出力可能なトルク-速度特性を示している。
実太線にて示すトルク-速度特性C1は、直流電圧Vdcがd軸電圧制限値vd_lim_in_vdc_minの場合において、電圧飽和が発生しない電流指令の制限値であるq軸電流指令リミット値iq_lim_outを用いた際のトルク-速度特性である。
実細線にて示すトルク-速度特性C2は、直流電圧Vdcがd軸電圧制限値vd_lim_in_vdc_baseの場合において、電圧飽和が発生しない電流指令の制限値であるq軸電流指令リミット値iq_lim_outを用いた際のトルク-速度特性である。
上述したようにq軸電流指令リミット値iq_lim_outは、d軸電圧方程式から導出しているので、電圧飽和が発生しない境界レベルでの値とすることができる。すなわち、図8のトルク-速度特性C1,C2に示すように、同期電動機50の高速回転域において余分に出力トルクを低減させることなく、該同期電動機50の急激な出力トルクの低下を抑制することができる。
以上により、同期電動機50をより安定して動作させることのできる同期電動機制御装置10を提供することができる。
(実施の形態3)
前記実施の形態2では、コンバータ回路23が出力する直流電圧vdcの電圧が降下した際に、その電圧降下分を考慮してq軸電流リミット値を導出していた。q軸電流リミット値の導出の基準となるd軸電圧制限値(基準)vd_lim_in_vdc_baseおよびd軸電圧制限値(最低)vd_lim_in_vdc_minは、いずれも同期電動機50が最高速度にて運転している場合の値としている。
そのため、低速域では、電圧飽和せずに印加することのできる軸電流値に対して、q軸電流リミット値が小さくなり、同期電動機50が出力可能なトルクに対して出力トルクが小さくなる場合がある。
そこで、本実施の形態3においては、コンバータ回路23が出力する直流電圧Vdcが電圧降下した場合であっても、その電圧降下分と同期電動機50の速度とを考慮して、該同期電動機50が効率的にトルクを出力することのできるq軸電流リミット値を導出する例について説明する。
図9は、本実施の形態3による同期電動機制御装置10における構成の一例を示す説明図である。
図9に示す同期電動機制御装置10が、前記実施の形態2の図6に示す同期電動機制御装置10と異なるところは、電流リミット値生成処理部27に入力されるパラメータである。
図9の同期電動機制御装置10では、図6の電流リミット値生成処理部27に入力されるq軸電流指令値リミット値演算ゲインiq_lim_cal_gainとd軸電圧制限値演算オフセットvd_lim_cal_ofstとに加えて、q軸電流指令値リミット値iq_lim_max、q軸電流指令値リミット値切り替え速度演算ゲインN_chg_cal_gain、およびq軸電流指令値リミット値切り替え速度演算オフセットN_chg_cal_ofstが新たに電流リミット値を生成するパラメータとして入力される構成となっている。q軸電流指令値リミット値iq_lim_maxは、q軸電流指令値リミット値の最大値である。
電流リミット値生成処理部27は、これら入力されるパラメータに基づいて、q軸電流指令リミット値iq_lim_outを生成して出力する。その他の接続構成については、図6の同期電動機制御装置10と同様であるので説明は省略する。
図10は、図9の同期電動機制御装置10が有する電流リミット値生成処理部27における構成の一例を示す説明図である。
電流リミット値生成処理部27は、図10に示すように、d軸電圧制限値生成処理部35、q軸電流制限値生成処理部36、q軸電流制限値切替速度生成処理部37、q軸電流制限値切替処理部38、および一次遅れフィルタ39から構成されている。
d軸電圧制限値生成処理部35は、コンバータ回路23が出力する直流電圧Vdc、d軸電圧制限値演算ゲインvd_lim_cal_gain、およびd軸電圧制限値演算オフセットvd_lim_cal_ofstに基づいて、d軸電圧制限値vd_lim_calを生成して出力する。
q軸電流制限値生成処理部36は、速度検出演算部24から出力される速度検出値Nm、d軸電圧制限値生成処理部35から出力されるd軸電圧制限値vd_lim_cal、およびパラメータであるq軸電流指令値リミット値演算ゲインiq_lim_cal_gainに基づいて、q軸電流指令値リミット値iq_lim_calを生成して出力する。
q軸電流制限値切替速度生成処理部37は、直流電圧Vdc、パラメータであるq軸電流指令値リミット値切り替え速度演算ゲインN_chg_cal_gain、およびq軸電流指令値リミット値切り替え速度演算オフセットN_chg_cal_ofstに基づいて、q軸電流指令値を切り替えるq軸電流指令値リミット値切り替え速度N_chg_lvlを生成して出力する。
q軸電流制限値切替処理部38は、速度検出値Nm、q軸電流制限値生成処理部36から出力されるq軸電流指令値リミット値iq_lim_cal、q軸電流制限値切り替え速度生成処理部37から出力されるq軸電流指令値リミット値切り替え速度N_chg_lvl、およびパラメータであるq軸電流指令値リミット値(最大)iq_lim_maxに基づいて、q軸電流指令値リミット値iq_lim_setを生成して出力する。
一次遅れフィルタ39は、例えばローパスフィルタなどからなり、q軸電流制限値切替処理部38から出力されるq軸電流指令値リミット値iq_lim_setを一次遅れフィルタ処理を施してq軸電流指令リミット値iq_lim_outを出力する。
このように、電流リミット値生成処理部27は、直流電圧Vdcの電圧レベルを考慮して、q軸電流制御部30もしくはd軸電流制御部31にて電圧飽和が発生しないように電流指令の制限値、すなわちq軸電流リミット値を導出する。
電流リミット値生成処理部27は、q軸電流リミット値を以下の原理にて導出している。具体的には、q軸電流リミット値は、直流電圧Vdcを考慮して、同期電動機50のd軸電圧方程式の干渉項から導出する。加えて、この導出結果を速度検出値Nmに基づいてq軸電流指令値リミット値(最大)iq_lim_maxに切り替えている。
続いて、電流リミット値生成処理部27における具体的なq軸電流指令リミット値iq_lim_outの導出方法について数式を用いて説明する。
まず、d軸電圧制限値生成処理部35が、上記した式(6)~式(8)にてd軸電圧制限値vd_lim_calを導出する。そして、q軸電流制限値生成処理部36が、速度検出値Nmに従って、式(10)からq軸電流リミット値iq_lim_calを導出する。
また、q軸電流リミット値iq_lim_calが負の値となった場合は、iq_lim_cal=0とする。ここでは、速度検出値Nmの単位は[min-1]を想定している。また、Ppは同期電動機の極対数である。
Figure 0007029368000009
(式)7におけるvd_lim_in_vdc_baseは、コンバータ回路23から出力される直流電圧Vdc=Vdc_baseの場合において、同期電動機50が最高回転数(電気角速度)で駆動している時に印加する電流値id、iqを同期電動機50のd軸電圧方程式の干渉項(式(2))に代入することでvodを導出し、この時のvodをvd_lim_in_vdc_baseとして事前に設定する。
また、式(7)のvd_lim_in_vdc_minは、直流電圧Vdc=Vdc_minの場合において、同期電動機50が最高回転数(電気角速度)で駆動している時に印加する電流値id、iqを同期電動機50のd軸電圧方程式の干渉項(式(2))に代入することでvodを導出し、この時のvodをvd_lim_in_vdc_minとして事前に設定する。
また、q軸電流指令値リミット値演算ゲインiqlim_cal_gainは、前記式(4)により、事前に導出する。
q軸電流制限値切り替え速度生成処理部37は、式(11)を用いてd軸電圧制限値N_chg_lvlを導出する。
Figure 0007029368000010
q軸電流指令値リミット値切り替え速度演算ゲインN_chg_cal_gainは、式(12)を用いて事前に導出する。ここで、式(12)におけるN_chg_lvl_baseは、直流電圧Vdcが基準電圧の時の同期電動機50のq軸電流指令値リミット値の切り替え点である。同じく式(12)におけるN_chg_lvl_minは、直流電圧Vdcが最低電圧の時のq軸電流指令値リミット値の切り替え点を示す。
Figure 0007029368000011
また、q軸電流指令値リミット値切り替え速度演算オフセットN_chg_cal_ofstは、式(13)を用いて事前に導出する。
Figure 0007029368000012
また、q軸電流制限値切替処理部38において、式(14)にてq軸電流指令値リミット値iq_lim_setを導出する。
Figure 0007029368000013
q軸電流制限値切替処理部38は、q軸電流指令値リミット値iq_lim_setを切り替えした際に発生する同期電動機50の切り替えショックを軽減するために、一次遅れフィルタ39によってq軸電流指令値リミット値iq_lim_setに対して一次遅れフィルタ処理を施した後、q軸電流指令リミット値iq_lim_outを出力する。
このように、一次遅れフィルタ39によるフィルタ処理を行うことによって、同期電動機50に供給される電流値を滑らかに変化させることができるので、該同期電動機50の急激な回転変化を防止することができる。
以上のように、電流リミット値生成処理部27が導出したq軸電流指令リミット値iq_lim_outに従って電流指令リミット処理を施すことによって、直流電圧Vdcが時変する場合においても、同期電動機50の負荷が過大になった際にq軸電流制御部30もしくはd軸電流制御部31にて圧飽和が発生することを抑制することができる。
さらに、このq軸電流指令リミット値iq_lim_outは、d軸電圧方程式から導出しているので、電圧飽和が発生しないレベルでの値とすることができる。また、同期電動機50の速度を監視して、q軸電流指令リミット値をq軸電流指令値リミット値(最大)iq_lim_maxへ切り替えることにより、低速域においてq軸電流リミット値を過度に小さくしすぎないようすることができる。
図11は、直流電圧Vdcが変化する場合における同期電動機50のトルク-速度特性の一例を示す説明図である。
図11において、点線にて示すトルク-速度特性A3は、直流電圧Vdcがd軸電圧制限値vd_lim_in_vdc_baseである場合の同期電動機が出力可能なトルク-速度特性である。
一点鎖線にて示すトルク-速度特性A6は、直流電圧Vdcがd軸電圧制限値vd_lim_in_vdc_minである場合の同期電動機が出力可能なトルク-速度特性である。
実太線にて示すトルク-速度特性C3は、直流電圧Vdcがd軸電圧制限値vd_lim_in_vdc_baseの場合において、電圧飽和が発生しない電流指令の制限値であるq軸電流指令リミット値iq_lim_outを用いた際のトルク-速度特性である。
実細線にて示すトルク-速度特性C4は、直流電圧Vdcがd軸電圧制限値vd_lim_in_vdc_minの場合において、電圧飽和が発生しない電流指令の制限値であるq軸電流指令リミット値iq_lim_outを用いた際のトルク-速度特性である。
上述したように、直流電圧Vdcの電圧が低下しても、同期電動機50の速度を考慮してq軸電流リミット値をq軸電流指令値リミット値(最大)iq_lim_maxへ切り替えることにより、図11のトルク-速度特性C3,C4に示すように、同期電動機50の低速域ならびに高速域において、余分に出力トルクを低減しすぎることなく、同期電動機50の急激な出力トルク低下を抑制することができる。
これにより、直流電圧Vdcの電圧が低下した場合であっても、その電圧降下分および同期電動機50の速度を考慮して、効率的に同期電動機50のトルクを出力させることができる。
よって、同期電動機50をより一層安定して動作させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
10 同期電動機制御装置
21 インバータ回路
23 コンバータ回路
24 速度検出演算部
25 減算器
26 速度制御部
27 電流リミット値生成処理部
28 電流指令リミット処理部
29 d軸電流指令生成部
30 q軸電流制御部
31 d軸電流制御部
32 三相変換部
35 d軸電圧制限値生成処理部
36 q軸電流制限値生成処理部
37 q軸電流制限値切替速度生成処理部
38 q軸電流制限値切替処理部
39 一次遅れフィルタ
50 同期電動機
51 位置検出器

Claims (5)

  1. 三相電源を入力として直流電圧を出力するコンバータ回路から前記直流電圧を印加され、同期電動機に対して三相電圧指令を印加するインバータ回路と、
    前記同期電動機の回転速度を設定する速度指令値と前記同期電動機の速度を示す速度検出値との差分に応じてq軸電流指令値を演算する速度制御部と、
    前記同期電動機の電圧飽和を抑制する電流指令リミット値を出力する電流リミット値生成処理部と、
    前記電流リミット値生成処理部から出力される前記電流指令リミット値に基づいて、前記速度制御部が演算した前記q軸電流指令値を制限するq軸電流制限指令値を生成する電流指令リミット処理部と、
    前記電流指令リミット処理部が生成する前記q軸電流制限指令値に基づいて、任意の起磁力相差角に従ってd軸電流指令値を生成するd軸電流指令生成部と、
    前記電流指令リミット処理部が生成する前記q軸電流制限指令値に基づいて、q軸電圧指令値を生成するq軸電流制御部と、
    前記d軸電流指令生成部が生成する前記d軸電流指令値に基づいて、d軸電圧指令値を生成するd軸電流制御部と、
    前記q軸電流制御部が生成する前記q軸電圧指令値および前記d軸電流制御部が生成するd軸電圧指令値を前記三相指令値に変換する三相変換部と、
    を有し、
    前記電流リミット値生成処理部は、前記同期電動機の速度検出値、前記インバータ回路に供給される前記直流電圧、d軸電圧制限値を導出する演算乗数値を示すd軸電圧制限値演算ゲイン、d軸電圧の制限値を導出するオフセット値を示すd軸電圧制限値演算オフセット、およびq軸電流指令リミット値を導出する演算乗数値を示すq軸電流指令値リミット値演算ゲインをパラメータとして前記インバータ回路に供給される前記直流電圧の変化に応じた前記電流指令リミット値を導出し、
    前記電流指令リミット処理部は、前記電流リミット値生成処理部が導出した前記電流指令リミット値に基づいて、前記q軸電流指令値を制限する、同期電動機制御装置。
  2. 請求項記載の同期電動機制御装置において、
    前記電流リミット値生成処理部に入力される前記d軸電圧制限値演算ゲイン、前記d軸電圧制限値演算オフセット、および前記q軸電流指令値リミット値演算ゲインは、外部から入力される、同期電動機制御装置。
  3. 三相電源を入力として直流電圧を出力するコンバータ回路から前記直流電圧を印加され、同期電動機に対して三相電圧指令を印加するインバータ回路と、
    前記同期電動機の転速度を設定する速度指令値と前記同期電動機の速度を示す速度検出値との差分に応じてq軸電流指令値を演算する速度制御部と、
    前記同期電動機の電圧飽和を抑制する電流指令リミット値を出力する電流リミット値生成処理部と、
    前記電流リミット値生成処理部から出力される前記電流指令リミット値に基づいて、前記速度制御部が演算した前記q軸電流指令値を制限するq軸電流制限指令値を生成する電流指令リミット処理部と、
    前記電流指令リミット処理部が生成する前記q軸電流制限指令値に基づいて、任意の起磁力相差角に従ってd軸電流指令値を生成するd軸電流指令生成部と、
    前記電流指令リミット処理部が生成する前記q軸電流制限指令値に基づいて、q軸電圧指令値を生成するq軸電流制御部と、
    前記d軸電流指令生成部が生成する前記d軸電流指令値に基づいて、d軸電圧指令値を生成するd軸電流制御部と、
    前記q軸電流制御部が生成する前記q軸電圧指令値および前記d軸電流制御部が生成するd軸電圧指令値を前記三相指令値に変換する三相変換部と、
    を有し、
    前記電流リミット値生成処理部は、前記同期電動機の速度検出値、前記インバータ回路に供給される前記直流電圧、d軸電圧制限値を導出する演算乗数値を示すd軸電圧制限値演算ゲイン、d軸電圧の制限値を導出するオフセット値を示すd軸電圧制限値演算オフセット、q軸電流指令リミット値を導出する演算乗数値を示すq軸電流指令値リミット値演算ゲイン、制限するq軸電流指令値の最大値を示すq軸電流指令値リミット値、q軸電流指令値を切り替える演算乗数値を示すq軸電流指令値リミット値切り替え速度演算ゲイン、およびq軸電流指令の切り替え速度を導出するオフセット値を示すq軸電流指令リミット値切り替え速度演算オフセットをパラメータとして前記インバータ回路に供給される前記直流電圧の変化および前記同期電動機の回転速度に応じた前記電流指令リミット値を導出し、
    前記電流指令リミット処理部は、前記電流リミット値生成処理部が導出した前記電流指令リミット値に基づいて、前記q軸電流指令値を制限する、同期電動機制御装置。
  4. 請求項記載の同期電動機制御装置において、
    前記電流リミット値生成処理部に入力される前記d軸電圧制限値演算ゲイン、前記d軸電圧制限値演算オフセット、前記q軸電流指令値リミット値演算ゲイン、前記q軸電流指令値リミット値、前記q軸電流指令値リミット値切り替え速度演算ゲイン、および前記q軸電流指令リミット値切り替え速度演算オフセットは、外部から入力される、同期電動機制御装置。
  5. 請求項記載の同期電動機制御装置において、
    前記電流リミット値生成処理部は、前記電流指令リミット値を一次遅れフィルタ処理する一次遅れフィルタを有する、同期電動機制御装置。
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