<A.実施形態>
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法および縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る電気光学装置1の構成を示す斜視図である。電気光学装置1は、例えばヘッドマウント・ディスプレイにおいて画像を表示するマイクロ・ディスプレイである。
図1に示すように、電気光学装置1は、表示パネル10と、表示パネル10の動作を制御する制御回路3とを備える。表示パネル10は、複数の画素回路と、当該画素回路を駆動する駆動回路とを備える。本実施形態において、表示パネル10が備える複数の画素回路および駆動回路は、シリコン基板に形成され、画素回路には、電気光学素子の一例であるOLEDが用いられる。また、表示パネル10は、例えば、表示部で開口する枠状のケース82に収納されるとともに、FPC(Flexible Printed Circuits)基板84の一端が接続される。FPC基板84には、半導体チップの制御回路3が、COF(Chip On Film)技術によって実装されるとともに、複数の端子86が設けられて、図示省略された上位回路に接続される。
図2は、実施形態に係る電気光学装置1の構成を示すブロック図である。上述のとおり、電気光学装置1は、表示パネル10と、制御回路3と、を備える。制御回路3には、図示省略された上位回路よりデジタルの画像データViedoが同期信号に同期して供給される。ここで、画像データVideoとは、表示パネル10(厳密には、後述する表示部100)で表示すべき画像の画素の表示階調を例えば8ビットで規定するデータである。また、同期信号とは、垂直同期信号、水平同期信号、および、ドットクロック信号を含む信号である。
制御回路3は、同期信号に基づいて、各種制御信号を生成し、これを表示パネル10に対して供給する。具体的には、制御回路3は、制御信号Ctr1~Ctr3、Gini、/Gini、Gcpl、/Gcpl、Sel(1)、Sel(2)、Sel(3)、/Sel(1)、/Sel(2)、/Sel(3)、を表示パネル10に供給する。制御信号Ctr1~制御信号Ctr3の各々は、パルス信号や、クロック信号、イネーブル信号など、複数の信号を含む信号である。制御信号Giniは正論理の制御信号であり、制御信号/Giniは制御信号Giniと論理反転の関係にある負論理の制御信号である。制御信号Gcplも正論理の制御信号であり、制御信号/Gcplは制御信号Gcplと論理反転の関係にある負論理の制御信号である。制御信号/Sel(1)は制御信号Sel(1)と論理反転の関係にある。同様に、制御信号/Sel(2)は制御信号Sel(2)と、制御信号/Sel(3)は制御信号Sel(3)と、それぞれ論理反転の関係にある。なお、制御信号Sel(1)、Sel(2)、Sel(3)を、制御信号Selと総称し、制御信号/Sel(1)、/Sel(2)、/Sel(3)を、制御信号/Selと総称する場合がある。電圧生成回路31は、図示せぬ電源回路からの電力の供給を受け、表示パネル10に対してリセット電位Vorstおよび初期電位Vini等を供給する。
さらに、制御回路3は、画像データVideoに基づいて、アナログの画像信号Vidを生成する。具体的には、制御回路3には、画像信号Vidの示す電位、および、表示パネル10が備える電気光学素子の輝度を対応付けて記憶したルックアップテーブルが設けられる。そして、制御回路3は、当該ルックアップテーブルを参照することで、画像データVideoに規定される電気光学素子の輝度に対応した電位を示す画像信号Vidを生成し、これを表示パネル10に対して供給する。
図2に示すように、表示パネル10は、表示部100と、これを駆動する駆動回路(走査線駆動回路4、およびデータ転送線駆動回路5)とを備える。本実施形態では、駆動回路が、走査線駆動回路4、およびデータ転送線駆動回路5に分割されているが、これらを1つの回路に一体化して駆動回路を構成してもよい。図2に示すように、表示部100には、表示すべき画像の画素に対応した画素回路110がマトリクス状に配列されている。図2では詳細な図示を省略したが、表示部100には、M行の走査線12が図において横方向(X方向)に延在して設けられ、また、3列毎にグループ化された(3N)列のデータ転送線14が図において縦方向(Y方向)に延在して設けられている。各走査線12と各データ転送線14は互いに電気的な絶縁を保って設けられている。画素回路110は、M行の走査線12と、(3N)列のデータ転送線14との交差に対応して設けられている。このため、本実施形態において画素回路110は、縦M行×横(3N)列でマトリクス状に配列されている。
ここで、M、Nは、いずれも自然数である。走査線12および画素回路110のマトリクスのうち、行(ロウ)を区別するために、図において上から順に1、2、3、…、(M-1)、M行と呼ぶ場合がある。同様にデータ転送線14および画素回路110のマトリクスの列(カラム)を区別するために、図において左から順に1、2、3、…、(3N-1)、(3N)列と呼ぶ場合がある。ここで、データ転送線14のグループを一般化して説明するために、1以上の任意の整数をnと表すと、左から数えてn番目のグループには、(3n-2)列目、(3n-1)列目および(3n)列目のデータ転送線14が属している、ということになる。同一行の走査線12と、同一グループに属する3列のデータ転送線14とに対応した3つの画素回路110は、それぞれR(赤)、G(緑)、B(青)の画素に対応して、これらの3画素が表示すべきカラー画像の1ドットを表現する。すなわち、本実施形態では、RGBに対応したOLEDの発光によって1ドットのカラーを加法混色で表現する構成となっている。
また、図2に示すように、表示部100には、(3N)列の給電線16が、縦方向に延在し、かつ、各走査線12と互いに電気的な絶縁を保って設けられる。各給電線16には、電圧生成回路31から所定のリセット電位Vorstが共通に給電される。給電線16の列を区別するために、図において左から順に1、2、3、…、(3N)列目の給電線16と呼ぶ場合がある。1列目~(3N)列目の給電線16の各々は、1列目~(3N)列目のデータ転送線14に対応して設けられる。図2に示すように、第j列(j=1~3N)の給電線16と第j列のデータ転送線14との間には、容量50が設けられている。容量50は、給電線16とデータ転送線14との間に発生する寄生容量であってもよい。あるいは、給電線16に接続された一方の電極と、給電線16に接続された他方の電極とを対向するように配置して、一方の電極と他方の電極とで容量50を形成してもよい。
走査線駆動回路4は、1個のフレーム期間内にM行の走査線12を1行毎に順番に選択するための走査信号Gwrを、制御信号Ctr1にしたがって生成する。図2では、1、2、3、…、M行目の走査線12に供給される走査信号Gwrは、それぞれGwr(1)、Gwr(2)、Gwr(3)、…、Gwr(M-1)、Gwr(M)と表記されている。なお、走査線駆動回路4は、走査信号Gwr(1)~Gwr(M)のほかにも、当該走査信号Gwrに同期した各種制御信号を行毎に生成して表示部100に供給するが、図2においては図示を省略している。フレーム期間とは、電気光学装置1が1カット(コマ)分の画像を表示するのに要する期間をいい、例えば同期信号に含まれる垂直同期信号の周波数が120Hzであれば、その1周期分の8.3ミリ秒の期間である。
図2に示すように、データ転送線駆動回路5は、(3N)列のデータ転送線14の各々と1対1に対応して設けられる(3N)個のレベルシフト回路LSと、各グループを構成する3列のデータ転送線14毎に設けられるN個のデマルチプレクサーDMと、データ信号供給回路70を備える。
データ信号供給回路70は、制御回路3より供給される画像信号Vidと制御信号Ctr2とに基づいて、データ信号Vd(1)、Vd(2)、…、Vd(N)を生成する。すなわち、データ信号供給回路70は、データ信号Vd(1)、Vd(2)、…、Vd(N)を時分割多重した画像信号Vidに基づいて、データ信号Vd(1)、Vd(2)、…、Vd(N)を生成する。そして、データ信号供給回路70は、データ信号Vd(1)、Vd(2)、…、Vd(N)を、1、2、…、N番目のグループに対応するデマルチプレクサーDMに対して、それぞれ供給する。
図3を参照して、画素回路110、レベルシフト回路LSおよびデマルチプレクサーDMの構成を説明する。画素回路110が配列する行を一般的に示すために、1以上M以下の任意の整数をmと表す。各画素回路110については電気的にみれば互いに同一構成なので、ここでは、m行目に位置し、且つ、(3n-2)列目に位置する、m行(3n-2)列の画素回路110を例にとって説明する。m行目の画素回路110には、走査線駆動回路4から、走査信号Gwr(m)、制御信号Gcmp(m)、Gel(m)、Gorst(m)が供給される。
図3では、m行(3n-2)列の画素回路110は符号「110(m,3n-2)」で示されており、(3n-2)列目のデータ転送線14は符号「14(3n-2)」で示されている。そして、図3では、データ転送線14(3n-2)に接続されるレベルシフト回路LSが符号「LS(3n-2)」で示されており、レベルシフト回路LS(3n-2)に接続されるデマルチプレクサーDMが符号「DM(n)」で示されている。画素回路110(m,3n-2)はデータ転送線14(3n-2)に対して接続される。画素回路110(m,3n-2)には、接続先のデータ転送線14(3n-2)を介して表示階調に応じた階調電圧が供給される。画素回路110(m,3n-2)は、各々PチャネルMOS型のトランジスターである第1トランジスター121、第2トランジスター122、第3トランジスター123、第4トランジスター124および第5トランジスター125と、OLED130と、画素容量132と、を含む。以下では、第1トランジスター121、第2トランジスター122、第3トランジスター123、第4トランジスター124および第5トランジスター125を、「トランジスター121~125」と総称する場合がある。
第2トランジスター122のゲートは走査線12(画素回路110(m,3n-2)の場合、m行目の走査線12)に電気的に接続されている。また、第2トランジスター122のソースまたはドレインの一方はデータ転送線14(画素回路110(m,3n-2)の場合、データ転送線14(3n-2))に電気的に接続され、他方は第1トランジスター121のゲートと、画素容量132の一方の電極とに、それぞれ電気的に接続されている。第2トランジスター122は、第1トランジスター121のゲートと、データ転送線14(3n-2)との間の電気的な接続を制御するスイッチングトランジスターとして機能する。
第1トランジスター121のドレインは給電線116に電気的に接続されている。給電線116には、画素回路110において電源の高位側となる電位Velが図示せぬ電源回路から給電される。第1トランジスター121は、ゲートおよびドレイン間の電圧に応じた電流をOLED130に流す駆動トランジスターとして機能する。
第3トランジスター123のソースまたはドレインの一方は第1トランジスター121のゲートに電気的に接続され、他方は第1トランジスターのソースに電気的に接続されている。第3トランジスター123のゲートには制御信号Gcmp(m)が与えられる。第3トランジスター123は、第1トランジスター121のゲートおよびソースの間を導通させるためのトランジスターである。つまり、第3トランジスター123は、第1トランジスター121のゲートとソースとの間の電気的な接続を制御するスイッチングトランジスターとして機能する。
第4トランジスター124のドレインは第1トランジスター121のソースに電気的に接続されており、第4トランジスター124のソースはOLED130のアノードに電気的に接続されている。第4トランジスター124のゲートには制御信号Gel(m)が与えられる。第4トランジスター124は、第1トランジスター121のソースと、OLED130のアノードとの間の電気的な接続を制御する、スイッチングトランジスターとして機能する。
第5トランジスター125のソースまたはドレインの一方は(3n-2)列目の給電線16(以下、給電線16(3n-2))、すなわちリセット電位Vorstを給電する電位線に電気的に接続されており、他方はOLED130のアノードに接続されている。第5トランジスター125のゲートには制御信号Gorst(m)が供給される。第5トランジスター125は、給電線16(3n-2)と、OLED130のアノードとの間の電気的な接続を制御するスイッチングトランジスターとして機能する。
本実施形態において表示パネル10はシリコン基板に形成されるので、トランジスター121~125の基板電位については電位Velとしている。また、上記におけるトランジスター121~125のソース、ドレインは、トランジスター121~125のチャネル型、電位の関係に応じて入れ替わってもよい。また、トランジスターは薄膜トランジスターであっても電界効果トランジスターであってもよい。
画素容量132は、一方の電極が第1トランジスター121のゲートに電気的に接続され、他方の電極が給電線116に電気的に接続される。このため、画素容量132は、第1トランジスター121のゲート・ドレイン間の電圧を保持する保持容量として機能する。なお、画素容量132としては、第1トランジスター121のゲートに寄生する容量を用いてもよいし、シリコン基板において互いに異なる導電層で絶縁層を挟持することによって形成される容量を用いてもよい。
OLED130のアノードは、画素回路110毎に個別に設けられる画素電極である。これに対して、OLED130のカソードは、画素回路110のすべてにわたって共通に設けられる共通電極であり、給電線63に接続されている。給電線63には、固定電位である電位Vctが供給される。ここで、電位Vctは、論理信号である走査信号や制御信号のLレベルに相当するものであってもよい。OLED130は、上記シリコン基板において、OLED130のアノードと光透過性を有するカソードとで白色有機EL層を挟持した素子である。そして、OLED130の出射側(カソード側)にはRGBのいずれかに対応したカラーフィルターが重ねられる。なお、白色有機EL層を挟んで配置される2つの反射層間の光学距離を調整してキャビティ構造を形成し、OLED130から発せられる光の波長を設定してもよい。この場合、カラーフィルターを有していてもよいし、有さなくてもよい。
OLED130のアノードからカソードに電流が流れると、アノードから注入された正孔とカソードから注入された電子とが有機EL層で再結合して励起子が生成され、白色光が発生する。このときに発生した白色光は、シリコン基板(アノード)とは反対側のカソードを透過し、カラーフィルターによる着色を経て、観察者側に視認される構成となっている。
図3に示すように、デマルチプレクサーDM(n)は、列毎に設けられたトランスミッションゲート34の集合体であり、各グループを構成する3列に、データ信号を順番に供給する。n番目のグループに属する(3n-2)、(3n-1)、(3n)列に対応したトランスミッションゲート34の入力端は互いに共通接続されて、その共通端子にそれぞれデータ信号Vd(n)が供給される。(3n-2)列に対応したトランスミッションゲート34の出力端は信号線140(3n-2)を介してレベルシフト回路LS(3n-2)に接続されている。図3では詳細な図示を省略したが、(3n-1)列に対応したトランスミッションゲート34の出力端は信号線140(3n-1)を介してレベルシフト回路LS(3n-1)に接続されており、(3n)列に対応したトランスミッションゲート34の出力端は信号線140(3n)を介してレベルシフト回路LS(3n)に接続されている。n番目のグループにおいて左端列である(3n-2)列に設けられたトランスミッションゲート34は、制御信号Sel(1)がHレベルであるとき(制御信号/Sel(1)がLレベルであるとき)にオン(導通)する。同様に、n番目のグループにおいて中央列である(3n-1)列に設けられたトランスミッションゲート34は、制御信号Sel(2)がHレベルであるとき(制御信号/Sel(2)がLレベルであるとき)にオンし、n番目のグループにおいて右端列である(3n)列に設けられたトランスミッションゲート34は、制御信号Sel(3)がHレベルであるとき(制御信号/Sel(3)がLレベルであるとき)にオンする。
レベルシフト回路LS(3n-2)は、保持容量41および44と、トランスミッションゲート42と、NチャンルMOS型のトランジスター43と、PチャネルMOS型のトランジスター45を有し、3n-2列のトランスミッションゲート34の出力端から出力されるデータ信号の電位をシフトするものである。保持容量44の一端は、対応する列のデータ転送線14(3n-2)とトランジスター45のドレインとに接続される一方、保持容量44の他端は、トランスミッションゲート42の出力端とトランジスター43のドレインとに接続される。
トランジスター45のソースは、所定の初期電位Viniを供給される給電線61に接続される。制御回路3は、トランジスター45のゲートに対して、制御信号/Giniを供給する。トランジスター45は、データ転送線14(3n-2)と給電線61とを制御信号/GiniがLレベルのときに電気的に接続し、制御信号/GiniがHレベルのときに電気的に非接続とする。
トランジスター43のソースは、電位Vrefを供給される給電線62に接続される。トランジスター43のゲートには、制御信号Grefが供給される。トランジスター43は、保持容量44の他端と給電線62とを、制御信号GrefがHレベルのときに電気的に接続し、制御信号GrefがLレベルのときに電気的に非接続とする。
保持容量41の一方の電極は信号線140(3n-2)に接続さており、信号線140(3nー2)はトランスミッションゲート42の入力端に電気的に接続されている。各列の保持容量41の他方の電極は給電線64に共通に接続される。給電線64には、固定電位である電位VSSが供給される。ここで、電位VSSは、論理信号である走査信号や制御信号のLレベルに相当するものであってもよい。トランスミッションゲート34がオンした際、保持容量41の一方の電極には、信号線140(3n-2)を介してトランスミッションゲート34の出力端からデータ信号Vd(j)が供給される。すなわち、保持容量41は、一方の電極にデータ信号Vd(j)が供給される。トランスミッションゲート42には制御回路3から制御信号Gcplおよび制御信号/Gcplが供給される。トランスミッションゲート42は、制御信号GcplがHレベルであるとき(制御信号/GcplがLレベルであるとき)にオンする。
図4は、n番目のグループに属するm行目の画素回路110(画素回路110(m,3n-2)、110(m,3n-1)および110(m,3n))と、レベルシフト回路LS(3n-2)、LS(3n-1)およびLS(3n)の表示パネル10における配置例を示す図である。図2、図3および図4に示すように、レベルシフト回路LS(3n-2)、LS(3n-1)およびLS(3n)は表示部100とデマルチプレクサーDM(n)との間に列方向に並べて配置される。より具体的には、デマルチプレクサーDM(n)から表示部100へ向かう方向に、レベルシフト回路LS(3n)、LS(3n-1)、LS(3n-2)の順に配置される。本実施形態では、デマルチプレクサーDM(n)から表示部100へ向かう方向に、レベルシフト回路LS(3n)、LS(3n-1)およびLS(3n-2)を順に配置したが、レベルシフト回路LS(3n-2)、LS(3n-1)およびLS(3n)の順であっても良い。要は、レベルシフト回路LS(3n-2)、LS(3n-1)およびLS(3n)を、表示部100とデマルチプレクサーDM(n)との間に列方向に並べて配置する態様であれば良く、レベルシフト回路LS(3n-2)、LS(3n-1)およびLS(3n)の配置順は問わない。以下では、表示部100から見て列方向(Y方向)の遠い側を「上流側」、表示部100に近い側を「下流側」と呼ぶ。
図4に示すように、本実施形態では、画素回路110(m,3n-2)、110(m,3n-1)および110(m,3n)の各々のX方向の長さはW1であり、レベルシフト回路LS(3n-2)、LS(3n-1)およびLS(3n)の各々のX方向の長さはW2である。なお、W1とW2の大小関係は、図4に示すように、W1<W2<3×W1であり、レベルシフト回路LS(3n-2)、LS(3n-1)およびLS(3n)の各々のY方向の長さはW2よりも長い。
図2および図3に示すように、レベルシフト回路LS(3n-2)、LS(3n-1)およびLS(3n)については、n番目のグループに属する画素回路110に対応させて表示部100とデマルチプレクサーDM(n)との間に配置する必要がある。しかし、W1<W2であるため、レベルシフト回路LS(3n-2)、LS(3n-1)およびLS(3n)を行方向(X方向)に並べて配置することはできない。本実施形態では、W2<3×W1であるため、レベルシフト回路LS(3n-2)、LS(3n-1)およびLS(3n)を列方向に並べるのであれば、レベルシフト回路LS(3n-2)、LS(3n-1)およびLS(3n)を表示部100とデマルチプレクサーDM(n)との間に配置することができる。このため、本実施形態では、図4に示すように、レベルシフト回路LS(3n-2)、LS(3n-1)およびLS(3n)は、表示部100の上流側に列方向(Y方向、すなわちデータ転送線14の方向)に並べて設けられている。
図5は、レベルシフト回路LS(3n-2)、LS(3n-1)およびLS(3n)の各々から画素回路110(m、3n-2)、110(m、3n-1)および110(m、3n)の各々を至る配線の一例を示す図である。図5では、レベルシフト回路LS(3n-2)、LS(3n-1)およびLS(3n)の各々の構成要素のうちトランスミッションゲート42を形成する2つのトランジスターの一方(具体的には、Nチャネルトランジスター)のみが図示されている。また、図5では、図面が煩雑になることを避けるため、レベルシフト回路LS(3n-2)は符号LSRで、レベルシフト回路LS(3n-1)は符号LSGで、レベルシフト回路LS(3n)は符号LSBで示されている。画素回路110についても同様に、同様に画素回路110(m、3n-2)は符号110Rで、画素回路110(m、3n-1)は符号110Gで、画素回路110(m、3n)は符号110Bでそれぞれ示されている。データ転送線14についても同様に、データ転送線14(3n-2)は符号14Rで、データ転送線14(3n-1)は符号14Gで、データ転送線14(3n)は符号14Bでそれぞれ示されている。そして、給電線16についても同様に、給電線16(3n-2)は符号16Rで、給電線16(3n-1)は符号16Gで、給電線16(3n)は符号16Bでそれぞれ示されている。
図6は、画素回路110Rにおけるデータ転送線14Rと給電線16Rの配線例を示す図である。なお、図6では、画素回路110Rに含まれる5つのトランジスターのうち、ソースまたはドレインがデータ転送線14Rに接続される第2トランジスター122と、ソースまたはドレインが給電線16Rに接続される第5トランジスター125のみが模式的に図示されている。データ転送線14Rは、第(3n-2)列の複数の画素回路110にわたりY方向に沿って延在し、給電線16Rも第(3n-2)列の複数の画素回路110にわたりY方向に沿って延在する。図6に示すように、表示部100において給電線16Rは、データ転送線14Rから所定の間隔を開けてデータ転送線14Rと平行に形成されており、給電線16Rには第2固定電位としてリセット電位Vorstが与えられる。このため、給電線16Rは、データ転送線14Rをシールドするシールド線の役割を果たす。同様に、給電線16Gはデータ転送線14Gから所定の間隔を開けてデータ転送線14Gと平行に形成されており、給電線16Bはデータ転送線14Bから所定の間隔を開けてデータ転送線14Bと平行に形成されている。したがって、給電線16Gはデータ転送線14Gをシールドするシールド線の役割を果たし、給電線16Bはデータ転送線14Bをシールドするシールド線の役割を果たす。
図7A、図7B、図8B、図9、図10および図11の各々は、図5におけるAA´線、aa´線、BB´線、CC´線、DD´線、およびEE´線に沿った断面図である。図5~図11では、デマルチプレクサーDM(n)からレベルシフト回路LSRに至る信号線140が符号140Rで示されている。同様に、デマルチプレクサーDM(n)からレベルシフト回路LSGに至る信号線140は符号140Gで示されており、レベルシフト回路LSB)に至る信号線140は符号140Bで示されている。
図7A~図11に示すように、表示パネル10の形成されるシリコン基板は、それぞれ金属層である第1層S1、第2層S2、第3層S3、および第4層S4を有する。なお、図7Aでは第4層S4の図示は省略されている。第2層S2と第3層S3の間、および第3層S3と第4層S4の間には、例えば珪素化合物(典型的には窒化珪素や酸化珪素)等の絶縁性の無機材料が充填される。詳細については後述するが、第1層S1には、トランスミッションゲート42を形成する2つのトランジスターのうちの一方のゲートに接続される信号線180が形成される。この信号線180には、制御回路3から制御信号Gcplが与えられる。第1層S1の信号線180以外の部分には第1固定電位VSSが与えられる。第3層S3にも、第1固定電位VSSを与えられる。なお、第1固定電位VSSと上述した第2固定電位であるリセット電位Vorstは等しくてもよい。
第2層S2および第4層S4は、デマルチプレクサーDM(n)からレベルシフト回路LSR、LSGおよびLSBの各々を経て画素回路110R,110Gおよび110Bの各々に至る配線が形成される配線層の役割を果たす。図7Aに示すように、切断線AA´付近では、信号線140R、信号線140Gおよび信号線140Bは第2層S2に形成されている。より詳細に説明すると、図5および図7Aに示すように、切断線AA´付近では、第2層S2には、信号線140Rに沿って給電線16Rが、信号線140Gに沿って給電線16Gが、信号線140Bに沿って給電線16Bが形成されている。給電線16Rは信号線140Rをシールドするシールド線の役割を果たし、給電線16Gは信号線140Gをシールドするシールド線の役割を果たし、給電線16Bはデータ転送線14Bをシールドするシールド線の役割を果たす。また、図8~図11と図7Aとを比較すれば明らかなように、切断線AA´近傍では、第4層S4と第3層S3の間に電極層190が形成されている。本実施形態では、電極層190と第3層S3とで保持容量41が形成される。
図7Bに示すように信号線140Rは、第3層S3に形成され且つ周囲が絶縁されている中継電極160R(図5参照)を介して第2層S2から第4層S4へ引き出され、下流側へ延びている。同様に、信号線140Gは、第3層S3に形成され且つ周囲が絶縁されている中継電極160Gを介して第2層S2から第4層S4へ引き出され、下流側へ延びている。また、給電線16Rは、第3層S3に形成され且つ周囲が絶縁されている中継電極161Rを介して第2層S2から第4層S4へ引き出され、下流側へ延びている。同様に、給電線16Gは、第3層S3に形成され且つ周囲が絶縁されている中継電極161Gを介して第2層S2から第4層S4へ引き出され、下流側へ延びている。
給電線16Rおよび給電線16Gには第2固定電位であるリセット電位Vorstが与えられるので、給電線16Rおよび給電線16Gはシールド線として機能する。切断線aa´より上流側の給電線16Gを第1シールド線、切断線aa´より下流側の給電線16Gを第2シールド線とすれば、第2固定電位を与えられる第1シールド線は第1配線層に相当する第2層S2において信号線140Rと信号線140Gとの間に位置する。また、第2固定電位を与えられる第2シールド線は第2配線層に相当する第4層S4において信号線140Rと信号線140Gとの間に位置する。すなわち、第1シールド線と第2シールド線は、第1信号線に相当する信号線140Rと第2信号線に相当する信号線140Gとの間をシールドする。
また、第1シールド線たる第2層S2に形成された給電線16Gと第2シールド線たる第4層S4に形成された給電線16Gとは、金属層である第3層S3に形成され且つ周囲が絶縁されている中継電極161Gを介して接続されている。
図8に示すように第4層S4には、信号線140Rをシールドする給電線16Rおよび信号線140Gをシールドする給電線16Gが形成されている。第4層S4に形成された給電線16Rおよび給電線16Gはシールド線として機能する。信号線140Bは第2層S2においてレベルシフト回路LSBに向かって延び、図5および図8に示すように、レベルシフト回路LSBにおいてトランスミッションゲート42の入力端に接続されている。レベルシフト回路LSBのトランスミッションゲート42の出力端には、図5および図8に示すように、第2層S2に形成され下流側へ向かって延びるデータ転送線14Bが接続されている。
中継電極160G(図5参照)を介して第4層S4に引き出され、下流側へ延びる信号線140Gは、第3層S3に形成され且つ周囲が絶縁されている中継電極162G(図5参照)を介して第2層S2に引き込まれ、下流側へ延びている。中継電極162Gを介して第2層S2に引き込まれ、下流側へ延びる信号線140Gは、図5および図9に示すように、レベルシフト回路LSGにおいてトランスミッションゲート42の入力端に接続される。レベルシフト回路LSGのトランスミッションゲート42の出力端には、図5および図9に示すように、第2層S2に形成され下流側へ向かって延びるデータ転送線14Gが接続されている。第2層S2において下流側へ向かって延びるデータ転送線14Gは画素回路110Gへ到達する(図5参照)。第4層S4において下流側へ延びる給電線16Gは第3層S3に形成され且つ周囲が絶縁されている中継電極163G(図5参照)を介して第2層S2に引き込まれ、画素回路110Gへ到達する(図5参照)。第2層S2において下流側へ延びるデータ転送線14Bは、第3層S3に形成され且つ周囲が絶縁されている中継電極162B(図5参照)を介して第4層S4に引き出され、下流側へ延びている。第2層S2において下流側へ延びる給電線16Bは、第3層S3に形成され且つ周囲が絶縁されている中継電極163Bを介して第4層S4に引き出され、下流側へ延びている(図5参照)。
中継電極160Rを介して第4層S4に引き出され、下流側へ延びる信号線140Rは、第3層S3に形成され且つ周囲が絶縁されている中継電極164R(図5参照)を介して第2層S2に引き込まれ、下流側へ延びている。中継電極164Rを介して第2層S2に引き込まれ、上流側へ延びている信号線140Rは、図5および図10に示すように、レベルシフト回路LSRのトランスミッションゲート42の入力端に接続される。レベルシフト回路LSRのトランスミッションゲート42の出力端には、第2層S2に形成され下流側へ向かって延びるデータ転送線14Rが接続されている(図5および図10参照)。データ転送線14Rは、第2層S2において下流側へ延び、画素回路110Rに到達する(図5参照)。中継電極161Rを介して第4層S4に引き出され、下流側へ延びる給電線16Rも、第3層S3に形成され且つ周囲が絶縁されている中継電極165R(図5参照)を介して第2層S2に引き込まれ、第2層S2において下流側へ延び、画素回路110Rに到達する。
中継電極162Bを介して第4層S4に引き出され、下流側へ延びているデータ転送線14Bは、図5および図11に示すように、第3層S3に形成され且つ周囲が絶縁されている中継電極166Bを介して第2層S2に引き込まれる。中継電極166Bを介して第2層S2に引き込まれたデータ転送線14Bは下流側へ延び、画素回路110Bに到達する(図5参照)。中継電極163Bを介して第4層S4に引き出され、下流側へ延びている給電線16Bも、図5および図11に示すように、第3層S3に形成され且つ周囲が絶縁されている中継電極167Bを介して第2層S2に引き込まれる。中継電極167Bを介して第2層S2に引き込まれた給電線16Bは下流側へ延び、画素回路110Bに到達する(図5参照)。
図7A~図10に示すように、本実施形態では、信号線140Bは第2層S2にのみ形成されているものの、信号線140Rおよび信号線140Gの各々は一部が第4層S4に形成されている。具体的には、信号線140Rは、中継電極160Rから中継電極164Rに至る区間において第4層S4に形成されており、信号線140Gは、中継電極160Gから中継電極162Gまでの区間において第4層S4に形成されている。切断線BB´による切断面は、中継電極160Gから中継電極162Gに至る区間における切断面の一例である。この区間においては、図8に示すように、信号線140Rおよび信号線140Gは第4層S4に形成されており、信号線140Bとデータ転送線14Bは第2層S2に形成されている。第2層S2と第4層S4の間には、第1固定電位VSSを与えられる金属層である第3層S3が設けられており、第3層S3はシールド機能を有する。このため、中継電極160Gから中継電極162Gまでの至る区間における信号線140B或いはデータ転送線14Bと信号線140Rとの間のクロストークが抑制される。同様に、信号線140B或いはデータ転送線14Bと信号線140Gとの間のクロストークも抑制される。
切断線CC´による切断面は、中継電極162Gから中継電極164Rまでの区間における切断面の一例である。この区間においては、図9に示すように、信号線140Rおよびデータ転送線14Bは第4層S4に形成されており、信号線140Gおよびデータ転送線14Gは第2層S2に形成されている。このため、中継電極162Gから中継電極164Rまでの区間における信号線140G或いはデータ転送線14Gと信号線140Rとの間のクロストークが抑制され、信号線140G或いはデータ転送線14Gとデータ転送線14Bとの間のクロストークが抑制される。そして、切断線DD´による切断面は、中継電極164Rから中継電極166Bまでの区間における切断面の一例である。この区間では、図10に示すように、データ転送線14Bは第4層S4に形成されており、信号線140Rおよびデータ転送線14Rは第2層S2に形成されている。このため、信号線140R或いはデータ転送線14Rとデータ転送線14Bとの間のクロストークが抑制される。データ転送線14Rとデータ転送線14Gは給電線16Gによりシールドされる。
前述したように図5におけるAA´線よりも上流側では、シールド線の役割を果たす給電線16R,16Gおよび16Bの各々によって信号線140R、140Gおよび140Bの各々がシールドされ、信号線間のクロストークが抑制される。また、図5におけるEE´線よりも下流側では、シールド線の役割を果たす給電線16R,16Gおよび16Bの各々によってデータ転送線14R、14Gおよび14Bの各々がシールドされ、クロストークが抑制される。本実施形態では、デマルチプレクサーDM(n)からレベルシフト回路LSR、LSGおよびLSBの各々を経て画素回路110R、110Gおよび110Bの各々へ至る区間の全てに亙ってクロストークが抑制されるので、表示品位の低下を招くことはない。また、本実施形態では、レベルシフト回路LSR、LSGおよびLSBは表示部100の上流側に列方向に並べて配置されるので、画素回路110のX方向の狭ピッチ化に対応可能であり、電気光学装置1を高精細化することが可能になる。
なお、切断線EE´よりも下流側、すなわち表示部100では、データ転送線14R、14Gおよび14Bと、給電線16R、16Gおよび16Bは第2層S2に形成されている。より詳細に説明すると、給電線16Rはデータ転送線14Rから所定の間隔を開けてデータ転送線14Rと平行に形成されている(図6参照)。同様に、給電線16Gはデータ転送線14Gから所定の間隔を開けてデータ転送線14Gと平行に形成されており、給電線16Bはデータ転送線14Bから所定の間隔を開けてデータ転送線14Bと平行に形成されている。データ転送線14Rと給電線16Rとの間の容量50は、第2層S2を構成する絶縁材料を介して、データ転送線14Rとシールド線としての給電線16Rとを所定の間隙で配置することによって形成される。データ転送線14Gと給電線16Gとの間の容量50、およびデータ転送線14Bと給電線16Bとの間の容量50についても同様である。すなわち、データ転送線14Gと給電線16Gとの間の容量50は、第2層S2を構成する絶縁材料を介してデータ転送線14Gとシールド線としての給電線16Gとを所定の間隙で配置することによって形成される。データ転送線14Bと給電線16Bとの間の容量50は、第2層S2を構成する絶縁材料を介してデータ転送線14Bとシールド線としての給電線16Bとを所定の間隙で配置することによって形成される。容量50は、2本の平行な配線によって形成されるので、Y方向において所定の長さを有することになり、所定の容量を確保することができる。また、容量50は画素回路110の表示領域内に形成されるので、チップ面積の増大を防ぐことができる。
<B.変形例>
以上本発明の一実施形態について説明したが、この実施形態に以下の変形を加えてもよい。
(1)上記実施形態の電気光学装置1は、第1配線層である第2層S2と第2配線層である第4層S4の間に、シールド機能を有する第3層S3を有していた。しかし、レベルシフト回路LSGを第1回路、レベルシフト回路LSBを第2回路、信号線140Gを第1信号線、信号線140Bを第2信号線とした場合に、図8および図9に示すように、第1信号線の少なくとも1部を第2信号線とは異なる配線層に配線することで両信号線間のクロストークを十分に抑制できるのであれば、第3層S3を省略してもよい。また、シールド線の役割を果たす給電線16についても同様であり、第1信号線の少なくとも1部を第2信号線とは異なる配線層に配線することで両信号線間のクロストークを十分に抑制できるのであれば、シールド線を省略してもよい。図8および図9に示す例では、第1データ転送線(例えば、データ転送線14G)と並んで配置される第2データ転送線(例えば、データ転送線14B)についても、少なくとも一部が第1データ転送線とは異なる配線層へ配線されている。なお、第1データ転送線は第1回路(レベルシフト回路LSG)から第1画素回路(例えば、画素回路110G)へ表示階調を示すデータ信号を供給するための信号線であり、第2データ転送線は第2回路(レベルシフト回路LSB)から第2画素回路(例えば、画素回路110B)へ表示階調を示すデータ信号を供給するための信号線である。
(2)上記実施形態の電気光学装置1は第2配線層(第4層S4)と第3層S3の間に電極190を有し、電極190と第3層S3とで保持容量41が形成された。しかし、電極190を省略し、別箇に保持容量41を設けてもよい。
(3)上記実施形態の電気光学装置1では、データ転送線14と当該データ転送線14から所定の間隔を開けて平行に形成された給電線16とに容量50の役割を担わせたが、容量50を別箇に設けてもよい。
(4)上記実施形態の電気光学装置1では、第1配線層(第2層S2)においてシールド線の役割を果たす第1給電線(第2層S2に形成された給電線16)と第2配線層(第4層S4)においてシールド線の役割を果たす第2給電線(第4層S4に形成された給電線16)とが、金属層である第3層に形成され且つ周囲が絶縁されている中継電極を介して接続されていた。しかし、第1給電線と第2給電線とを中継電極を介して接続しなくてもよい。
<C.応用例>
上述した実施形態に係る電気光学装置は、各種の電子機器に適用することができ、特に特に2K2K以上の高精細な画像の表示を要求され、かつ小型であることを要求される電子機器に好適である。以下、本発明に係る電子機器について説明する。
図12は本発明の電気光学装置を採用した電子機器としてのヘッドマウント・ディスプレイ300の外観を示す斜視図である。図12に示されるように、ヘッドマウント・ディスプレイ300は、テンプル310、ブリッジ320、投射光学系301L、および、投射光学系301Rを備える。そして、図12において、投射光学系301Lの奥には左眼用の電気光学装置(図示省略)が設けられ、投射光学系301Rの奥には右眼用の電気光学装置(図示省略)が設けられる。
図13は、本発明に係る電気光学装置1を採用した可搬型のパーソナルコンピューター400の斜視図である。パーソナルコンピューター400は、各種の画像を表示する電気光学装置1と、電源スイッチ401およびキーボード402が設けられた本体部403と、を備える。なお、本発明に係る電気光学装置1が適用される電子機器としては、図12および図13に例示した機器のほか、携帯電話機、スマートフォン、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラが挙げられる。他にも、本発明に係る電気光学装置が適用される電子機器としては、テレビ、カーナビゲーション装置、車載用の表示器(インパネ)、エレクトロニックビューファインダー、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末等が挙げられる。さらに、本発明に係る電気光学装置は、プリンター、スキャナー、複写機、および、ビデオプレーヤー等の電子機器に設けられる表示部として適用することができる。