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JP7010261B2 - 数値制御装置と制御方法 - Google Patents

数値制御装置と制御方法 Download PDF

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JP7010261B2
JP7010261B2 JP2019054175A JP2019054175A JP7010261B2 JP 7010261 B2 JP7010261 B2 JP 7010261B2 JP 2019054175 A JP2019054175 A JP 2019054175A JP 2019054175 A JP2019054175 A JP 2019054175A JP 7010261 B2 JP7010261 B2 JP 7010261B2
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Description

本発明は、数値制御装置と制御方法に関する。
特許文献1は、切削機械の送り軸のサーボモータ又は主軸モータの負荷電流値に基づき切削負荷を監視する方法を開示する。該方法は、加減速によるトルクの影響を受けないようにする為、モータの加減速に必要な電流値をモータ電流の検出値から差し引いた値を補正演算し、該補正後電流値を切削負荷の監視対象とする。
特開平7-24694号公報
モータの加減速に必要な負荷電流値は、機械の経年変化、温度、負荷重量等、様々な要因によって変化する。故に特許文献1に記載の方法は、加減速に必要な電流値をモータ電流の検出値から完全に取り除くことが困難であり、誤差を生じる可能性があった。
本発明の目的は、主軸モータの加工負荷を精度よく監視できる数値制御装置と制御方法を提供することである。
請求項1の数値制御装置は、工作機械の主軸モータの負荷電流値に基づき、被削材の切削加工における加工負荷を監視可能な数値制御装置において、前記切削加工における前記主軸モータの回転開始から回転停止までの駆動期間の前記負荷電流値を測定する測定部と、前記測定部が測定した前記負荷電流値に基づき、前記加工負荷を算出する加工負荷算出部と、前記加工負荷算出部が算出した前記加工負荷は閾値以上か判断する判断部と、前記判断部が前記加工負荷は前記閾値以上と判断した場合、アラームを出力する出力部とを備え、前記駆動期間は少なくとも、前記主軸モータを一定速度まで加速する加速区間と、前記主軸モータを前記一定速度から減速して停止する減速区間とを備え、前記加工負荷算出部は、前記加速区間と前記減速区間の間に、前記一定速度の区間である一定速区間が有るか否か判断する一定速区間判断部と、前記一定速区間判断部が、前記加速区間と前記減速区間の間に、前記一定速区間が有ると判断した場合、前記一定速区間における前記負荷電流値のピーク値を前記加工負荷として算出する第一算出部と、前記一定速区間判断部が、前記加速区間と前記減速区間の間に、前記一定速区間が無いと判断した場合、前記駆動期間における前記負荷電流値の平均値を前記加工負荷として算出する第二算出部とを備えたことを特徴とする。加速区間と減速区間の間に一定速区間が有る場合、数値制御装置は、一定速区間における負荷電流値のピーク値を加工負荷として算出する。故に数値制御装置は加減速によるトルクの影響を受けずに、加工負荷を監視できる。一定速区間において発生する加工負荷の瞬間的な変化、及び加工負荷の緩やかな変化の何れも検出できる。例えば短いタップ加工のように、加速区間と減速区間の間に一定速区間が無い場合、数値制御装置は、駆動期間における負荷電流値の平均値を加工負荷として算出する。負荷電流値は主軸モータのトルクに相当する。駆動期間中の負荷電流値の平均値を算出することで、加速のトルクと減速のトルクは互いに打ち消しあうので、数値制御装置は、加工のトルクを監視できる。故に数値制御装置は、切削加工の駆動期間に一定速区間が有るか無いかに関わらず、加工負荷を精度よく監視できる。「一定速区間が無い」とは、加速区間と減速区間の間に一定速区間が全く無い状態のみならず、駆動期間に占める一定速区間の割合が小さく、一定速区間が短い状態を含んでもよい。
請求項2の数値制御装置の前記一定速区間判断部は、前記加速区間と前記減速区間に必要な加減速距離又は加減速時間を算出する加減速区間算出部と、前記駆動期間に必要な距離又は時間に占める前記加減速区間算出部が算出した前記加減速距離又は前記加減速時間の割合が所定値以下か否か判断する割合判断部とを備え、前記割合判断部が前記割合は前記所定値以下と判断した場合、前記一定速区間が有ると判断し、前記割合判断部が前記割合は前記所定値を超えると判断した場合、前記一定速区間が無いと判断するとよい。数値制御装置は、駆動期間に必要な距離又は時間に占める加減速距離又は加減速時間の割合が所定値以下か否かで、一定速区間の有無を判断する。数値制御装置は一定速区間の長さによって、一定速区間の有無を判断できるので、加工負荷の算出方法を適切に選択できる。
請求項3の数値制御装置の前記切削加工はタップ加工であって、前記工作機械の主軸を前記被削材に対して相対的に互いに直交する3軸方向に移動可能な三つの送りモータのうち、前記タップ加工時に前記主軸を前記被削材に向けて移動する移動モータのトルクを監視するトルク監視部を備え、前記一定速区間判断部は、前記移動モータが駆動を開始し、前記トルク監視部が監視する前記トルクが一定値を超えた場合、前記加速区間は完了しているか否か判断する加速完了判断部を備え、前記加速完了判断部が前記加速区間は完了していると判断した場合、前記一定速区間が有ると判断し、前記加速完了判断部が前記加速区間は完了していないと判断した場合、前記一定速区間が無いと判断するとよい。切削加工はタップ加工である。数値制御装置は、タップ加工時の移動モータのトルクを監視する。移動モータのトルクが一定値を超えた場合、数値制御装置は、被削材に工具が接触して加工が開始したと判断できる。加工開始時、加速区間が完了している場合、数値制御装置は一定速区間が有ると判断する。加工開始時、加速区間が完了していない場合、数値制御装置は一定速区間が無いと判断する。故に数値制御装置は一定速区間の有無に応じて、加工負荷の算出方法を適切に選択できる。
請求項4の数値制御装置の前記切削加工はタップ加工であって、前記工作機械の主軸を前記被削材に対して相対的に互いに直交する3軸方向に移動可能な三つの送りモータのうち、前記タップ加工時には静止する静止モータのトルクを監視するトルク監視部を備え、前記一定速区間判断部は、前記トルク監視部が監視する前記トルクが一定値を超えた場合、前記加速区間は完了しているか否か判断する加速完了判断部とを備え、前記加速完了判断部が前記加速区間は完了していると判断した場合、前記一定速区間が有ると判断し、前記加速完了判断部が前記加速区間は完了していないと判断した場合、前記一定速区間が無いと判断するとよい。切削加工はタップ加工である。数値制御装置は、タップ加工時の静止モータのトルクを監視する。静止モータのトルクが一定値を超えた場合、数値制御装置は、被削材に工具が接触して加工が開始したと判断できる。加工開始時、加速区間が既に完了している場合、数値制御装置は一定速区間が有ると判断する。加工開始時、加速区間が完了していない場合、数値制御装置は一定速区間が無いと判断する。故に数値制御装置は一定速区間の有無に応じて、加工負荷の算出方法を適切に選択できる。
請求項5の数値制御装置は、前記加工負荷算出部が算出した前記加工負荷は前記閾値よりも低い下限閾値以下か判断する下限判断部と、前記下限判断部が前記加工負荷は前記下限閾値以下と判断した場合、前記切削加工が二回目以降の加工であることを報知する報知部とを備えるとよい。二回目以降の加工は、作業者が加工終了したにも関わらず、被削材の交換を忘れて再度加工した場合の加工を意味する。二回目以降の加工の場合、加工負荷はほぼ無い状態である。加工負荷が下限閾値以下の場合、数値制御装置は二回目以降の加工であることを報知するので、作業者は被削材を交換する等、迅速に対応できる。
請求項6の制御方法は、工作機械の主軸モータの負荷電流値に基づき、被削材の切削加工における加工負荷を監視可能な数値制御装置の制御方法において、前記切削加工における前記主軸モータの回転開始から回転停止までの駆動期間の前記負荷電流値を測定する測定ステップと、前記測定ステップで測定した前記負荷電流値に基づき、前記加工負荷を算出する加工負荷算出ステップと、前記加工負荷算出ステップで算出した前記加工負荷は閾値以上か判断する判断ステップと、前記判断ステップで前記加工負荷は前記閾値以上と判断した場合、アラームを出力する出力ステップとを備え、前記駆動期間は少なくとも、前記主軸モータを一定速度まで加速する加速区間と、前記主軸モータを前記一定速度から減速して停止する減速区間とを備え、前記加工負荷算出ステップは、前記加速区間と前記減速区間の間に、前記一定速度の区間である一定速区間が有るか否か判断する一定速区間判断ステップと、前記一定速区間判断ステップで、前記加速区間と前記減速区間の間に、前記一定速区間が有ると判断した場合、前記一定速区間における前記負荷電流値のピーク値を前記加工負荷として算出する第一算出ステップと、前記一定速区間判断ステップで、前記加速区間と前記減速区間の間に、前記一定速区間が無いと判断した場合、前記駆動期間における前記負荷電流値の平均値を前記加工負荷として算出する第二算出ステップとを備えたことを特徴とする。故に数値制御装置は、上記請求項1に記載の効果を得ることができる。
工作機械1の斜視図。 数値制御装置30と工作機械1の電気的構成を示すブロック図。 タップ加工の方法を示す図。 タップ加工のモータ電流値(トルク)の波形図。 短タップ加工の方法を示す図。 短タップ加工のモータ電流値(トルク)の波形図。 加工制御処理の流れ図。 加工制御処理(第一変形例)の流れ図。 加工制御処理(第二変形例)の流れ図。 加工制御処理(第三変形例)の流れ図。
本発明の実施形態を説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。工作機械1の左右方向、前後方向、上下方向は夫々工作機械1のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向である。図1に示す工作機械1は主軸9に装着した工具4を回転し、工作台13上面に保持した被削材3に切削加工を施す機械である。数値制御装置30(図2参照)は工作機械1の動作を制御する。
図1を参照し工作機械1の構造を説明する。工作機械1は、基台2、コラム5、主軸ヘッド7、主軸9、工作台装置10、工具交換装置20、制御箱6、操作パネル15(図2参照)等を備える。基台2は金属製の略直方体状の土台である。コラム5は基台2上部後方に立設する。主軸ヘッド7はコラム5前面に沿ってZ軸方向に移動可能に設ける。主軸ヘッド7は内部に主軸9を回転可能に支持する。主軸9は主軸ヘッド7下部に装着穴(図示略)を有する。主軸9は該装着穴に工具4を装着し、主軸モータ52(図2参照)の駆動で回転する。主軸モータ52は主軸ヘッド7に設ける。主軸ヘッド7はコラム5前面に設けたZ軸移動機構(図示略)でZ軸方向に移動する。数値制御装置30はZ軸モータ51(図2参照)の駆動を制御することで、主軸ヘッド7をZ軸方向に移動制御する。
工作台装置10は、Y軸移動機構(図示略)、Y軸工作台12、X軸移動機構(図示略)、工作台13等を備える。Y軸移動機構は基台2上面前側に設け、一対のY軸レール、Y軸ボール螺子、Y軸モータ54(図2参照)等を備える。一対のY軸レールとY軸ボール螺子はY軸方向に延びる。一対のY軸レールは上面にY軸工作台12をY軸方向に案内する。Y軸工作台12は略直方体状に形成し、底部外面にナット(図示略)を備える。該ナットはY軸ボール螺子に螺合する。Y軸モータ54がY軸ボール螺子を回転すると、Y軸工作台12はナットと共に一対のY軸レールに沿って移動する。故にY軸移動機構はY軸工作台12をY軸方向に移動可能に支持する。
X軸移動機構はY軸工作台12上面に設け、一対のX軸レール(図示略)、X軸ボール螺子(図示略)、X軸モータ53(図2参照)等を備える。X軸レールとX軸ボール螺子はX軸方向に延びる。工作台13は平面視矩形板状に形成し、Y軸工作台12上面に設ける。工作台13は底部にナット(図示略)を備える。該ナットはX軸ボール螺子に螺合する。X軸モータ53がX軸ボール螺子を回転すると、工作台13はナットと共に一対のX軸レールに沿って移動する。故にX軸移動機構は工作台13をX軸方向に移動可能に支持する。故に工作台13は、Y軸移動機構、Y軸工作台12、X軸移動機構により、基台2上をX軸方向とY軸方向に移動可能である。
工具交換装置20は主軸ヘッド7の前側に設け、円盤型の工具マガジン21を備える。工具マガジン21は外周に複数の工具(図1では省略)を放射状に保持し、工具交換指令が指示する工具を工具交換位置に位置決めする。工具交換指令はNCプログラムで指令する。工具交換位置は工具マガジン21の最下部位置である。工具交換装置20は主軸9に装着する工具4と工具交換位置にある工具とを入れ替え交換する。
制御箱6は数値制御装置30(図2参照)を格納する。数値制御装置30は、工作機械1に設けたZ軸モータ51、主軸モータ52、X軸モータ53、Y軸モータ54(図2参照)を夫々制御し、工作台13上に保持した被削材3と主軸9に装着した工具4を相対移動することで各種加工を被削材3に施す。各種加工とは、例えばドリル、タップ等を用いた穴空け加工とタップ加工、エンドミル、フライス等を用いた側面加工等である。
操作パネル15は、例えば工作機械1を覆うカバー(図示略)の外壁に設ける。操作パネル15は入力部16と表示部17(図2参照)を備える。入力部16は各種情報、操作指示等の入力を受け付け、後述する数値制御装置30に出力する。表示部17は後述する数値制御装置30からの指令に基づき、各種画面を表示する。
図2を参照し、数値制御装置30と工作機械1の電気的構成を説明する。数値制御装置30と工作機械1は、CPU31、ROM32、RAM33、記憶装置34、入出力部35、駆動回路51A~55A等を備える。CPU31は数値制御装置30を統括制御する。ROM32は、加工制御プログラムを含む各種プログラム等を記憶する。加工制御プログラムは加工制御処理(図7参照)を実行する。加工制御処理は、NCプログラムを一行ずつ解釈して各種動作を実行しつつ、切削加工時の加工負荷を精度よく計測できる処理である。NCプログラムは各種制御指令を含む複数行で構成し、数値制御装置30はNCプログラムに基づき工作機械1の軸移動、工具交換等を含む各種動作を行単位で制御する。RAM33は各種情報を一時的に記憶する。記憶装置34は不揮発性であり、NCプログラム、各種情報を記憶する。CPU31は作業者が操作パネル15の入力部16で入力したNCプログラムに加え、外部入力で読み込んだNCプログラム等を記憶装置34に記憶できる。
駆動回路51AはZ軸モータ51とエンコーダ51Bに接続する。駆動回路52Aは主軸モータ52とエンコーダ52Bに接続する。駆動回路53AはX軸モータ53とエンコーダ53Bに接続する。駆動回路54AはY軸モータ54とエンコーダ54Bに接続する。駆動回路55Aは工具マガジン21を駆動するマガジンモータ55とエンコーダ55Bに接続する。Z軸モータ51、主軸モータ52、X軸モータ53、Y軸モータ54、マガジンモータ55は何れもサーボモータである(以下総称する場合は単にモータと呼ぶ)。駆動回路51A~55AはCPU31から指令を受け、対応する各モータ51~55に駆動電流を夫々出力する。駆動電流は、モータの負荷電流であり、モータにかけるトルクに相当する。駆動回路51A~55Aはエンコーダ51B~55Bからフィードバック信号を受け、位置と速度のフィードバック制御を行う。入出力部35は操作パネル15に接続する。
図3を参照し、一般的なタップ加工を説明する。タップ加工とは、例えば被削材3にタップ穴H1を形成する加工である。タップ加工では、数値制御装置30は、工具Tを装着した主軸9を回転しながらZ軸方向に下降し、被削材3を穴底まで切削する。工具Tはタップである。タップ加工における主軸モータ52の駆動期間は、加速区間、一定速区間、減速区間を備える。駆動期間とは、主軸モータ52の回転開始から回転停止までの駆動期間である。加速区間は、主軸モータ52の回転開始から一定速度まで加速する区間である。一定速区間は、主軸モータ52の回転速度を一定速度に維持する区間である。減速区間は、主軸モータ52の回転速度を一定速度から減速して停止するまでの区間である。加速区間と減速区間の夫々に必要な主軸9のZ軸方向における移動距離は加減速距離であり、互いに同一である。加減速距離は、例えばタップ加工時の送り速度と時定数から算出するとよい。
図4を参照し、タップ加工時のモータ電流値の時間変化と、加工負荷の測定方法を説明する。モータ電流値とは、駆動回路52Aが主軸モータ52に出力する駆動電流値である。モータ電流値は、t1で一定値M1からプラス側に増加し、プラス側のピーク値に到達してから減少してt2で一定値M1に戻る。t1~t2は加速区間であり、モータ電流値の波形は逆V字型に変化する。加速区間後、モータ電流値はt2からt3まで一定値M1を維持する。t2~t3は一定速区間である。一定速区間後、モータ電流値は、t3で一定値M1からマイナス側に増加し、マイナス側のピーク値に到達してから減少してt4で一定値M1に戻る。t3~t4は減速区間であり、モータ電流値の波形はV字型に変化する。
加速区間におけるモータ電流値の波形と、減速区間におけるモータ電流値の波形は、一定値M1を境に、互いにプラスとマイナスが反転した略同一形状である。加速区間におけるモータ電流値の積算値は、トルク波形の三角形の面積A1に相当する。減速区間におけるモータ電流値の積算値は、トルク波形の逆三角形の面積A2に相当する。A1とA2の面積比は1:1である。加減速によるトルクが加工によるトルクより大きいと、加工負荷を直接的に測定するのは困難である。面積A1とA2の面積比は1:1なので、駆動期間中におけるモータ電流値を平均化すると、加速区間における加速のトルクと、減速区間における減速のトルクは互いに打ち消し合う。故に数値制御装置30は、駆動期間中におけるモータ電流値を平均化することにより、加減速のトルクの影響を大幅に削減できるので、駆動期間中における加工のトルクを精度よく測定できる。
なお、後述するように、本実施形態では、駆動期間中における一定速区間が長い場合、数値制御装置30は、モータ電流値の平均値を算出する代わりに、一定速区間におけるモータ電流値のピーク値を検出する。一定速区間におけるピーク値を検出して監視することで、一定速区間に発生する加工負荷の緩やかな変化も瞬間的な変化も検出できる。瞬間的な変化の一例として、例えば工具Tのチッピング等によるトルクの瞬間的な変化が相当する。加工負荷の緩やかな変化の一例として、例えば工具の摩耗等が相当する。一定速区間の長さの判断については、後述する。
図5を参照し、短タップ加工を説明する。短タップ加工とは、上記タップ加工において、一定速区間が無い、若しくは一定速区間が短いタップ加工であって、被削材3に底の浅いタップ穴H2を形成する加工である。短タップ加工における主軸モータ52の駆動期間は、加速区間と減速区間を備え、加速区間と減速区間の間に一定速区間が無い、若しくは短い一定速区間を備える。
図6を参照し、短タップ加工時のモータ電流の時間変化と、加工負荷の測定方法を説明する。図6(1)の図表は、短タップ加工における空運転時のモータ電流値の波形図である。空運転とは、被削材3を加工せずに、短タップ加工の動作を実行する運転を意味する。空運転において、モータ電流値は、t11で一定値M1からプラス側に増加し、プラス側のピーク値に到達してから減少してt12で一定値M1に戻る。t11~t12は加速区間であり、モータ電流値の波形は逆V字型に変化する。加速区間後、モータ電流値は、t12で一定値M1からマイナス側に増加し、マイナス側のピーク値に到達してから減少してt13で一定値M1に戻る。t12~t13は減速区間であり、モータ電流値の波形はV字型に変化する。
加速区間におけるモータ電流値の波形と、減速区間におけるモータ電流値の波形は、一定値M1を境に、互いにプラスとマイナスが反転した略同一形状である。加速区間におけるモータ電流値の積算値は、トルク波形の三角形の面積B1に相当する。減速区間におけるモータ電流値の積算値は、トルク波形の逆三角形の面積B2に相当する。空運転時では、駆動期間中に加工のトルクはかからず、加減速のトルクのみがかかるので、B1とB2の面積比は1:1となる。
図6(2)の図表は、短タップ加工における加工中のモータ電流の波形図である。加工中とは、工具Tが被削材3に接触して、被削材3を加工している状態が存在することを意味する。加工中において、モータ電流は、空運転時と同様に、t14で一定値M1からプラス側に増加し、プラス側のピーク値に到達してから減少してt15で一定値M1に戻る。t14~t15は加速区間であり、モータ電流値の波形は逆V字型に変化する。加速区間後、モータ電流値は、t15で一定値M1からマイナス側に増加し、マイナス側のピーク値に到達してから減少してt16で一定値M1に戻る。t15~t16は減速区間であり、モータ電流値の波形はV字型に変化する。短タップ加工では、加減速のトルクが加工のトルクよりも大きいので、空運転時のモータ電流の波形と、加工中のモータ電流の波形は略同一形状となる。
空運転時と加工中において、モータ電流値のピーク値に差が出る可能性はある。例えば、加工中における加速区間のプラス側のピーク値は、空運転時における加速区間のプラス側のピーク値よりも若干高い。加工中における減速区間のマイナス側のピーク値は、空運転時における減速区間のマイナス側のピーク値よりも若干低い。但し、短タップ加工におけるピーク値部分はノイズの影響を受け易い。ピーク値部分は被削材を切削しない場合も有り得る。故にモータ波形のピーク値で加工負荷を安定的に測定するのは困難である。
加工中において、加速区間におけるモータ電流値の積算値は、トルク波形の三角形の面積C1に相当する。減速区間におけるモータ電流値の積算値は、トルク波形の逆三角形の面積C2に相当する。C1とC2の面積比は1:1でなく、C1よりもC2の面積の方が若干小さい。故にC1とC2の面積の違いは、モータ電流値の平均値として現れる。ピーク値以外の部分の差分もモータ電流値の平均値として現れる。上記の通り、数値制御装置30は、駆動期間中におけるモータ電流値を平均化することにより、ノイズの影響を受け難く、加工負荷を安定して測定できる。数値制御装置30は、後述する加工制御処理(図8参照)を実行することで、タップ加工時において、主軸モータ52の駆動期間中における一定速区間の長さに応じて、加工負荷を安定して測定できる。
図7を参照し、加工制御処理を説明する。例えば工作機械1で被削材3にタップ加工を施す場合、作業者は、タップ加工のNCプログラムの識別番号を操作パネル15の入力部16で入力する。CPU31は、操作パネル15でNCプログラムの識別番号を受け付けると、記憶装置34から入力した識別番号のNCプログラムを読み出し、例えば、表示部17に表示する。作業者は表示部17に表示したNCプログラムを確認し、実行操作を入力部16で入力する。実行操作の入力を受け付けた場合、CPU31はROM32から加工制御プログラムを読み出し、本処理を実行する。
CPU31は、NCプログラムを一行解釈する(S11)。解釈した一行の制御指令がタップ指令か否か判断する(S12)。タップ指令以外の制御指令の場合(S12:NO)、CPU31はその制御指令を実行する(S13)。タップ指令以外の制御指令とは、例えば位置決め指令、ドリル指令、工具交換指令等である。CPU31はプログラム終了か否か判断する(S14)。次のブロックが終了指令である場合、NCプログラムは終了するので(S14:YES)、CPU31は本処理を終了する。次の一行が終了指令でない場合、NCプログラムは引き続き継続するので(S14:NO)、CPU31はS11に戻り、次の行について処理を繰り返す。
解釈した一行の制御指令がタップ指令の場合(S12:YES)、CPU31は時定数と主軸9の送り速度に基づき、加減速距離を算出する(S15)。時定数は予め設定する。主軸9の送り速度はNCプログラムで設定する。CPU31は算出した加減速距離をRAM33に一旦記憶する。CPU31はタップ加工の開始位置と終了位置に基づき、タップ加工に必要な駆動距離を算出する(S16)。開始位置と終了位置はNCプログラムで設定する。CPU31は算出した駆動距離をRAM33に一旦記憶する。CPU31は、RAM33に記憶した駆動距離と加減速距離に基づき、加減速割合を算出する(S17)。CPU31は、加減速割合は所定値以下か否か判断する(S18)。加減速割合は、駆動距離に占める加減速距離の割合である。
例えば、加減速割合が所定値を超える場合(S18:NO)、駆動期間中における一定速区間の割合が小さいので、CPU31は一定速区間が無いと判断し、駆動期間におけるモータ電流値の平均値を監視対象に設定する(S19)。例えば、工具Tが被削材3を削り始めても加速を続けるような短タップ加工(図5参照)がこれに該当する。一方、加減速割合が所定値以下の場合(S17:YES)、駆動期間中における一定速区間の割合が大きいので、CPU31は一定速区間が有ると判断し、一定速区間のピーク値を監視対象に設定する(S20)。例えば、工具Tが被削材3を削り始めるより前に、加速区間が終了する様な加工(図4参照)がこれに該当する。
CPU31は、駆動回路52Aが主軸モータ52に出力するモータ電流値を計測しながらタップ指令を実行する(S21)。計測したモータ電流値はRAM33に記憶する。CPU31はタップ加工が完了したか否か判断する(S22)。タップ加工が完了するまで(S22:NO)、CPU31はS22に戻り、引き続き、モータ電流値を計測しながらタップ加工を実行する。タップ加工が完了した場合(S22:YES)、CPU31はRAM33に記憶したモータ電流値に基づき、監視対象のピーク値又は平均値が閾値以上か否か判断する(S23)。
監視対象を一定速区間のピーク値に設定した場合、CPU31は、一定速区間におけるモータ電流値の時間変化からピーク値を検出する。ピーク値とは、例えばモータ電流値の最大値又は最小値である。CPU31は検出したピーク値は閾値以上か否か判断する(S23)。閾値はピーク値を判定する為の閾値であって、大きな加工負荷が生じているか否かの判定値である。検出したピーク値が閾値未満であった場合(S23:NO)、主軸モータ52に大きな加工負荷は生じていないので、CPU31はS11に戻り、次の行について処理を繰り返す。
検出したピーク値が閾値以上であった場合(S23:YES)、主軸モータ52に大きな加工負荷が生じているので、CPU31はアラームを出力し(S24)、NCプログラムの実行を強制的に終了する。故に数値制御装置30は主軸モータ52に大きな加工負荷が生じている状態で、被削材の加工を継続するのを防止できる。アラームの一例として、例えば操作パネル15の表示部17に、異常を報知するメッセージ、図形等を表示したり、ブザー、音声等で報知してもよく、アラームの情報を外部機器等に出力するようにしてもよい。アラームの出力により、作業者は、主軸モータ52に大きな加工負荷が生じたことを認識できるので、工作機械1の異常に迅速に対応できる。
監視対象を一定速区間のピーク値に設定しているので、CPU31は例えば、一定速区間において工具Tのチッピングを検出し易い。チッピングは瞬間的な変化であるが、一定速区間において監視することで容易に検出できる。CPU31は、一定速区間に発生する加工負荷の瞬間的な変化のみならず、加工負荷の緩やかな変化も検出できる。
監視対象を駆動期間中の平均値に設定した場合、CPU31は、駆動期間中におけるモータ電流値の平均値を算出する。CPU31は算出した平均値は閾値以上か否か判断する(S23)。閾値は、平均値を判定する為の閾値であって、ピーク値の閾値とは異なる閾値である。閾値は、主軸モータ52に大きな加工負荷が生じているか否かの判定値である。検出した平均値が閾値未満であった場合(S23:NO)、主軸モータ52に大きな加工負荷は生じていないので、CPU31はS11に戻り、次の行について処理を繰り返す。
検出したピーク値が閾値以上であった場合(S23:YES)、主軸モータ52に大きな加工負荷が生じているので、上記と同様に、CPU31はアラームを出力し(S24)、NCプログラムの実行を強制的に終了する。故に数値制御装置30は、短タップ加工においても、主軸モータ52に大きな加工負荷が生じている状態で、被削材の加工を継続するのを防止できる。監視対象を駆動期間中のモータ電流値の平均値に設定しているので、駆動期間中に一定速区間が無い、若しくは一定速区間が短くても、CPU31は加工負荷を精度良く測定できる。
以上説明したように、本実施形態の数値制御装置30は、工作機械1の主軸モータ52の負荷電流値に基づき、被削材3の切削加工における加工負荷を監視可能である。数値制御装置30のCPU31は、例えばタップ加工における主軸モータ52の回転開始から回転停止までの駆動期間の負荷電流値を測定する。CPU31は測定した負荷電流値に基づき、加工負荷を算出し、算出した加工負荷は閾値以上か判断する。加工負荷は閾値以上と判断した場合、CPU31はアラームを出力する。駆動期間は少なくとも、加速区間と減速区間を備える。加速区間は、主軸モータ52を一定速度まで加速する区間である。減速区間は主軸モータ52を一定速度から減速して停止する区間である。CPU31は加速区間と減速区間の間に一定速区間が有るか否か判断する。一定速区間は主軸モータ52が一定速度の区間である。加速区間と減速区間の間に一定速区間が有ると判断した場合、CPU31は、一定速区間における負荷電流値のピーク値を加工負荷として算出する。故に数値制御装置30は、一定速区間において発生する加工負荷の瞬間的な変化、加工負荷の緩やかな変化の何れも検出できる。加速区間と減速区間の間に一定速区間が無いと判断した場合、CPU31は、駆動期間における負荷電流値の平均値を加工負荷として算出する。負荷電流値は主軸モータ52のトルクに相当する。加速のトルクと減速のトルクは互いに打ち消しあうので、数値制御装置30は、加工のトルクを精度よく監視できる。故に数値制御装置30は、タップ加工時の駆動期間中に一定速区間が有るか無いかに関わらず、加工負荷を精度よく監視できる。
本実施形態のCPU31は、一定速区間の有無の判断において、加速区間と減速区間に必要な加減速距離を算出する。CPU31は、駆動期間に必要な駆動距離に占める加減速距離の割合が所定値以下か否か判断する。CPU31は割合が所定値以下と判断した場合、駆動期間中における一定速区間の割合は大きい。故にCPU31は加速区間と減速区間の間に一定速区間が有ると判断し、一定速区間における負荷電流値のピーク値を加工負荷として算出する。CPU31は割合が所定値を超えると判断した場合、駆動期間中における一定速区間の割合は小さい。故にCPU31は加速区間と減速区間の間に一定速区間は無いと判断し、駆動期間における負荷電流値の平均値を加工負荷として算出する。故に数値制御装置30は、駆動期間における一定速区間の長さを適切に判断し、一定速区間の長さに応じて加工負荷の算出方法を適切に選択できる。
上記説明にて、S21の処理を実行するCPU31は本発明の測定部の一例である。S23の処理を実行するCPU31は本発明の判断部の一例である。S24の処理を実行するCPU31は本発明の出力部の一例である。S15~S18の処理を実行するCPU31は本発明の一定速区間判断部の一例である。S20の処理を実行するCPU31は本発明の第一算出部の一例である。S19の処理を実行するCPU31は本発明の第二算出部の一例である。S15の処理を実行するCPU31は本発明の加減速区間算出部の一例である。S18の処理を実行するCPU31は本発明の割合判断部の一例である。
本発明は上記実施形態に限らず各種変形が可能である。図7に示す加工制御処理のS17において、CPU31は、タップ加工時における主軸モータ52の駆動期間に必要なZ軸方向の駆動距離に占める加減速距離の割合が所定値以下か否かで、一定速区間の長さを判断するが、これ以外の方法で一定速区間の長さを判断してもよい。例えば、第一変形例として、タップ加工時において、主軸9を被削材3に向けて移動するZ軸モータ51のトルクを監視し、監視するトルクが一定値を超えた時、被削材3を削り始めたので、その時に加速区間が完了しているか否かで、駆動期間における一定速区間の長さを判断してもよい。第二変形例として、タップ加工時において静止するX軸モータ53又はY軸モータ54のトルクを監視し、監視するトルクが一定値を超えた時、被削材3を削り始めたので、その時に加速区間が完了しているか否かで、駆動期間における一定速区間の長さを判断してもよい。
図8を参照し、第一変形例を説明する。第一変形例の加工制御処理は、上記実施形態の加工制御処理(図7参照)の一部を変形したものである。第一変形例の加工制御処理は、上記実施形態の加工制御処理のS15~S18の代わりに、新たなS31~S35を実行し、S21を削除する。上記実施形態の加工制御処理と共通する処理は、同一のステップ番号を付し、説明を省略又は簡略する。
CPU31はNCプログラムを1行解釈し(S11)、解釈した1行の制御指令がタップ指令の場合(S12:YES)、タップ指令を実行し(S31)、主軸モータ52のモータ電流値の測定を開始する(S32)。CPU31はZ軸モータ51のトルクの測定を開始する(S33)。ここでZ軸モータ51のトルクとは加減速、自重保持、摩擦等の影響を除いた外乱トルク(外乱力)であって、駆動回路51AからZ軸モータ51に出力する外乱トルクに相当するモータ電流値である。測定した主軸モータ52のモータ電流値と、Z軸モータ51のトルクはRAM33に一旦記憶する。CPU31は、Z軸モータ51のトルクが一定値を超えたか否か判断する(S34)。Z軸モータ51のトルクが一定値以下の場合(S34:NO)、工具Tは被削材3に接触していないので、CPU31はS33に戻って主軸9を下降し続ける。
Z軸モータ51のトルクが一定値を超えた場合(S34:YES)、工具Tは被削材3に接触したので、CPU31は加速区間が完了しているか否か判断する(S35)。加速区間が完了していない場合(S35:NO)、CPU31は、駆動期間中において一定速区間は無い、若しくは一定速区間は短いと判断し、駆動期間中におけるモータ電流の平均値を監視対象に設定する(S19)。一方、加速区間が完了している場合(S35:YES)、CPU31は、駆動期間中において一定速区間は長いと判断し、駆動期間中における一定速区間のピーク値を監視対象に設定する(S20)。故に第一変形例は、タップ加工において、被削材3に工具Tが接触する時に加速区間が完了しているか否かで、一定速区間の長さを判断できる。
上記説明にて、S33の処理を実行するCPU31は本発明のトルク監視部の一例である。S34、S35の処理を実行するCPU31は本発明の加速完了判断部の一例である。
図9を参照し、第二変形例を説明する。第二変形例の加工制御処理は、上記第一変形例の加工制御処理(図8参照)の一部を変形したものである。故に第二変形例は、上記第一変形例と異なる部分を中心に説明し、その他の説明は省略又は簡略化する。第二変形例の加工制御処理は、上記第一変形例の加工制御処理のS33、S34の代わりに、新たなS43、S44を実行する。第二変形例のCPU31は、タップ加工時には静止するX軸モータ53(又はY軸モータ54)のトルクの測定を開始する(S43)。ここでX軸モータ53のトルクとは加減速、摩擦等の影響を除いた外乱トルク(外乱力)であって、駆動回路53AからX軸モータ53に出力する外乱トルクに相当するモータ電流値である。CPU31はX軸モータ53のトルクが一定値を超えたか否か判断する(S44)。
X軸モータ53のトルクが一定値以下の場合(S44:NO)、工具Tは被削材3に接触していないので、CPU31はS44に戻って主軸9を下降し続ける。X軸モータ53のトルクが一定値を超えた場合(S44:YES)、第一変形例と同様に、CPU31は工具Tが被削材3に接触したと判断できるので、駆動期間のうち加速区間が完了しているか否か判断する(S35)。故に第二変形例は、タップ加工時には静止するX軸モータ53(又はY軸モータ54)のトルクを監視することで、第一変形例と同様に、工具Tが被削材3に接触したか否かを判断できる。なお、S35以降の処理は、第一変形例と同様である。
上記説明にて、S43の処理を実行するCPU31は本発明のトルク監視部の一例である。S44、S35の処理を実行するCPU31は本発明の加速完了判断部の一例である。
図10を参照し、第三変形例を説明する。第三変形例の加工制御処理は、タップ加工の二度加工を判定し、二度加工と判定した場合は作業者に報知する。二度加工とは、加工が完了したにも関わらず、作業者が工作台13上の被削材3の交換を忘れて再度加工したときの二回目以降の加工を意味する。第三変形例の加工制御処理は、上記実施形態の加工制御処理(図7参照)のS23:NOの判断の後に、新たなS51とS52を実行する。その他の処理は共通である。故に第三変形例は、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、共通する部分の説明は省略又は簡略化する。
タップ加工の完了後(S22:YES)、CPU31は監視対象の加工負荷が閾値以上か否か判断する(S23)。例えば、監視対象が駆動期間中のモータ電流値の平均値であって、その平均値が閾値未満であった場合(S23:NO)、CPU31はその加工負荷である平均値が下限閾値以下か否か判断する(S51)。下限閾値とは、S23で判断する際の閾値よりも低い値であって、例えばゼロに近い値に設定するとよい。平均値が下限閾値を超えている場合(S51:NO)、主軸モータ52には適切な加工負荷がかかっているので、CPU31はS11に戻り、処理を繰り返す。
平均値が下限閾値以下の場合(S51:YES)、加工負荷がほぼ無い状態であることから、二度加工の可能性がある。故にCPU31は、二度加工の報知を操作パネル15の表示部17で行う(S52)。CPU31は例えば、表示部17に二度加工である旨のメッセージ、図形等を表示してもよい。作業者は表示部17における報知により、工作台13上の被削材3を確認し、新しい被削材3に交換する等、迅速な対応が可能となる。なお、二度加工の報知の態様は、表示部17の表示以外に、例えば、音声、ブザー等で行ってもよく、二度加工の報知を外部機器等に出力するようにしてもよい。
上記説明にて、S51の処理を実行するCPU31は本発明の下限判断部の一例である。S52の処理を実行するCPU31は本発明の報知部の一例である。
本発明は、上記第一、第二、第三変形例の他にも各種変形が可能である。上記実施形態の加工制御処理(図7参照)では、駆動期間に必要な駆動距離に占める加減速距離の割合が所定値以下か否か判断するが(S15~S17参照)、駆動期間に必要な時間に占める加減速時間の割合が所定値以下か否かで判断してもよい。
上記実施形態の加工制御処理(図7参照)は、切削加工の一例として、タップ加工の駆動期間中における加工負荷を監視するが、その他の加工、例えば、ドリル加工、フライス加工等にも適用可能である。
上記実施形態の工作機械1は、工具4を装着する主軸9がZ軸方向に移動可能であり、工作台13がX軸とY軸方向に移動可能であるが、工作台13上の被削材3に対してX軸、Y軸、Z軸方向に相対的に移動する主軸の移動機構の仕組みは上記実施形態に限定しない。例えば主軸はX、Y、Z軸方向の三軸に駆動するもので、工作台は固定若しくは回転可能であってもよい。
上記実施形態の工作台装置10は工作台13をX軸方向とY軸方向に並進可能に支持する機械装置であるが、工作台13を回転可能に支持するようにしてもよい。
上記実施形態の工作機械1は主軸がZ軸方向に対して平行な縦型の工作機械であるが、主軸が水平方向に延びる横型の工作機械であってもよい。
上記実施形態の駆動回路51A~55Aは工作機械1に設けているが、駆動回路51A~55Aを数値制御装置30に設けてもよい。
1 工作機械
3 被削材
30 数値制御装置
31 CPU
51 Z軸モータ
52 主軸モータ
53 X軸モータ
54 Y軸モータ
T 工具

Claims (6)

  1. 工作機械の主軸モータの負荷電流値に基づき、被削材の切削加工における加工負荷を監視可能な数値制御装置において、
    前記切削加工における前記主軸モータの回転開始から回転停止までの駆動期間の前記負荷電流値を測定する測定部と、
    前記測定部が測定した前記負荷電流値に基づき、前記加工負荷を算出する加工負荷算出部と、
    前記加工負荷算出部が算出した前記加工負荷は閾値以上か判断する判断部と、
    前記判断部が前記加工負荷は前記閾値以上と判断した場合、アラームを出力する出力部と
    を備え、
    前記駆動期間は少なくとも、
    前記主軸モータを一定速度まで加速する加速区間と、
    前記主軸モータを前記一定速度から減速して停止する減速区間と
    を備え、
    前記加工負荷算出部は、
    前記加速区間と前記減速区間の間に、前記一定速度の区間である一定速区間が有るか否か判断する一定速区間判断部と、
    前記一定速区間判断部が、前記加速区間と前記減速区間の間に、前記一定速区間が有ると判断した場合、前記一定速区間における前記負荷電流値のピーク値を前記加工負荷として算出する第一算出部と、
    前記一定速区間判断部が、前記加速区間と前記減速区間の間に、前記一定速区間が無いと判断した場合、前記駆動期間における前記負荷電流値の平均値を前記加工負荷として算出する第二算出部と
    を備えたことを特徴とする数値制御装置。
  2. 前記一定速区間判断部は、
    前記加速区間と前記減速区間に必要な加減速距離又は加減速時間を算出する加減速区間算出部と、
    前記駆動期間に必要な距離又は時間に占める前記加減速区間算出部が算出した前記加減速距離又は前記加減速時間の割合が所定値以下か否か判断する割合判断部と
    を備え、
    前記割合判断部が前記割合は前記所定値以下と判断した場合、前記一定速区間が有ると判断し、
    前記割合判断部が前記割合は前記所定値を超えると判断した場合、前記一定速区間が無いと判断すること
    を特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  3. 前記切削加工はタップ加工であって、
    前記工作機械の主軸を前記被削材に対して相対的に互いに直交する3軸方向に移動可能な三つの送りモータのうち、前記タップ加工時に前記主軸を前記被削材に向けて移動する移動モータのトルクを監視するトルク監視部を備え、
    前記一定速区間判断部は、
    前記移動モータが駆動を開始し、前記トルク監視部が監視する前記トルクが一定値を超えた場合、前記加速区間は完了しているか否か判断する加速完了判断部を備え、
    前記加速完了判断部が前記加速区間は完了していると判断した場合、前記一定速区間が有ると判断し、
    前記加速完了判断部が前記加速区間は完了していないと判断した場合、前記一定速区間が無いと判断すること
    を特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  4. 前記切削加工はタップ加工であって、
    前記工作機械の主軸を前記被削材に対して相対的に互いに直交する3軸方向に移動可能な三つの送りモータのうち、前記タップ加工時には静止する静止モータのトルクを監視するトルク監視部を備え、
    前記一定速区間判断部は、
    前記トルク監視部が監視する前記トルクが一定値を超えた場合、前記加速区間は完了しているか否か判断する加速完了判断部と
    を備え、
    前記加速完了判断部が前記加速区間は完了していると判断した場合、前記一定速区間が有ると判断し、
    前記加速完了判断部が前記加速区間は完了していないと判断した場合、前記一定速区間が無いと判断すること
    を特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  5. 前記加工負荷算出部が算出した前記加工負荷は前記閾値よりも低い下限閾値以下か判断する下限判断部と、
    前記下限判断部が前記加工負荷は前記下限閾値以下と判断した場合、前記切削加工が二回目以降の加工であることを報知する報知部と
    を備えたこと
    を特徴とする請求項1から4の何れかに記載の数値制御装置。
  6. 工作機械の主軸モータの負荷電流値に基づき、被削材の切削加工における加工負荷を監視可能な数値制御装置の制御方法において、
    前記切削加工における前記主軸モータの回転開始から回転停止までの駆動期間の前記負荷電流値を測定する測定ステップと、
    前記測定ステップで測定した前記負荷電流値に基づき、前記加工負荷を算出する加工負荷算出ステップと、
    前記加工負荷算出ステップで算出した前記加工負荷は閾値以上か判断する判断ステップと、
    前記判断ステップで前記加工負荷は前記閾値以上と判断した場合、アラームを出力する出力ステップと
    を備え、
    前記駆動期間は少なくとも、
    前記主軸モータを一定速度まで加速する加速区間と、
    前記主軸モータを前記一定速度から減速して停止する減速区間と
    を備え、
    前記加工負荷算出ステップは、
    前記加速区間と前記減速区間の間に、前記一定速度の区間である一定速区間が有るか否か判断する一定速区間判断ステップと、
    前記一定速区間判断ステップで、前記加速区間と前記減速区間の間に、前記一定速区間が有ると判断した場合、前記一定速区間における前記負荷電流値のピーク値を前記加工負荷として算出する第一算出ステップと、
    前記一定速区間判断ステップで、前記加速区間と前記減速区間の間に、前記一定速区間が無いと判断した場合、前記駆動期間における前記負荷電流値の平均値を前記加工負荷として算出する第二算出ステップと
    を備えたことを特徴とする制御方法。
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