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JP7007964B2 - ポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタル - Google Patents

ポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタル Download PDF

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Description

本発明は、ポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタルに関する。
コンクリート構造物(例えば、鉄筋コンクリート(RC)床版又はボックスカルバートの中床版等の床版、壁、天井部)には、疲労、乾燥収縮等の要因によってひび割れが生じる。この種の劣化が進行したり、ひび割れがすり合わされたりすることによって、ひび割れ幅が大きくなると、劣化箇所から水、塩化物イオン等の劣化因子がコンクリート構造物内に侵入する。この結果、コンクリート構造物に埋没されている鉄筋が腐食する。コンクリート構造物のひび割れによる損傷を放置していると、最終的に内部の鉄筋が腐食して断面欠損し、構造物の安全性が保てなくなる。このため、劣化した箇所を除去した後、その凹部に補修材又は補強材を充填することが行われている。
上記補修材又は補強材として、ポリマーセメントモルタルが提案されている。しかしながら、既設コンクリートとポリマーセメントモルタルの硬化体との(静)弾性係数の差が大きい場合、繰り返しの荷重による疲労により、既設コンクリートと補修材との境界面にせん断力が生じ、境界面から再劣化が生じる場合があった。
特許文献1には、樹脂/セメント質量比により弾性係数を調節したタイル張付け用モルタル混練物が提案されている。特許文献2には、ゴム粉を含有した急硬性弾性組成物が提案されている。
特開2010-76975号公報 特開平2-302350号公報
しかしながら、特許文献1に記載のタイル張付け用モルタル混練物は、タイル張付け用であるため流動性が求められておらず、特許文献2に記載の急硬性弾性組成物は強度発現性が優れないという課題があった。
従って、本発明は、流動性に優れ、硬化時に強度発現性が良好であり且つ静弾性係数が小さいポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタルを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、アルカリ金属炭酸塩を用い、細骨材及びゴム粉末の割合を調整することで、流動性に優れ、硬化時に強度発現性が良好であり且つ静弾性係数が小さいポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタルが得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[5]で示される。
[1]セメントと、アルカリ金属炭酸塩と、セメント用ポリマーと、細骨材と、ゴム粉末とを含み、細骨材及びゴム粉末の合計の質量に対するゴム粉末の質量割合([ゴム粉末の質量]/[細骨材の質量+ゴム粉末の質量])が0.08~0.32である、ポリマーセメントモルタル組成物。
[2]細骨材及びゴム粉末の合計の含有量が、セメント100質量部に対し、60~250質量部である、[1]に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
[3]セメント用ポリマーの含有量が、セメント100質量部に対し、固形分換算で8~38質量部である、[1]又は[2]に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
[4]細骨材及びゴム粉末を混合した骨材混合物の粒度は、骨材混合物の質量に対し、粒径が0.6mm以下である粒子の質量割合が40質量%以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のポリマーセメントモルタル組成物。
[5][1]~[4]のいずれかに記載のポリマーセメントモルタル組成物と、水とを含み、水の含有量が、セメント100質量部に対し、22~55質量部である、ポリマーセメントモルタル。
本発明によれば、流動性に優れ、硬化時に強度発現性が良好であり且つ静弾性係数が小さいポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタルを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物は、セメントと、アルカリ金属炭酸塩と、セメント用ポリマーと、細骨材と、ゴム粉末とを含む。
セメントは、種々のものを使用することができ、例えば、普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、エコセメント、速硬性セメント等が挙げられる。セメントは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
セメントは、早期におけるより良好な強度発現性の観点から、速硬性セメントが好ましい。速硬性セメントは、カルシウムアルミネート類を有効成分として含有するものが好ましく、11CaO・7Al・CaX(Xはハロゲン原子を示す)又は3CaO・3Al・CaSO(アウイン)を有効成分として含有するものがより好ましい。11CaO・7Al・CaXは、いわゆるカルシウムアルミネートハロゲン化物系セメントである。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。また、アウインは、カルシウムサルホアルミネート系セメント(アウイン系セメント)とも称されるものである。これらは超速硬性セメントと呼ばれるものであり、商品名ジェットセメント又はスーパージェットセメントとして市販されている。速硬性セメントとしては、アウイン系セメントが最も好ましい。
また、カルシウムアルミネート類としては、この他にもCaOをC、AlをA、FeをFで表示した場合、CA、CA、C12、CA、CA等と表示される鉱物組成を有するカルシウムアルミネート、CAF等と表示されるカルシウムアルミノフェライト、アルミナセメント、並びにこれらにSiO、KO、Fe、TiO等が固溶又は化合したもの等が含まれる。カルシウムアルミネート類は結晶質又は非晶質のいずれであってもよいし、結晶質及び非晶質の混合体のようなものでもよい。これらのカルシウムアルミネート類と石膏等の無機塩類とを配合して調製された速硬性混和材を、ポルトランドセメントに添加したものも速硬性セメントとして用いることができる。
アルカリ金属炭酸塩は、アルカリ金属(水素原子を除く周期表第一族元素)の炭酸塩又は過炭酸塩であれば特に限定されるものではない。アルカリ金属炭酸塩としては、強度発現性を更に促進させるという観点から、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが好ましい。アルカリ金属炭酸塩は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
アルカリ金属炭酸塩の含有量は、セメント100質量部に対し、0.3~3質量部であることが好ましく、0.5~2質量部であることがより好ましく、0.6~1.5質量部であることが最も好ましい。アルカリ金属炭酸塩の含有量が上記範囲内であれば、より一層強度発現性に優れる傾向にある。
セメント用ポリマーは、JIS A 6203:2015「セメント混和用ポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂」に規定されるポリマーが好ましい。このようなセメント用ポリマーとしては、ポリマーディスパージョン、再乳化形粉末樹脂等が挙げられる。ポリマーディスパージョンとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴム系;天然ゴム系;ゴムアスファルト系;エチレン酢酸ビニル系;アクリル酸エステル系;樹脂アスファルト系等が挙げられる。ポリマーディスパージョンは、中でも、合成ゴム系、エチレン酢酸ビニル系及びアクリル酸エステル系が好ましく、具体的には、合成ゴムラテックス、ポリアクリル酸エステル、エチレン酢酸ビニルがより好ましい。再乳化形粉末樹脂としては、スチレンブタジエンゴム等の合成ゴム系;アクリル酸エステル系;エチレン酢酸ビニル系;酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル;酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル/アクリル酸エステル等が挙げられる。セメント用ポリマーとしては、ポリマーディスパージョンを用いてもよく、再乳化形粉末樹脂を用いてもよく、ポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂を併用してもよい。
セメント用ポリマーの中でも、コンクリートとの接着性がより向上するという観点から、スチレンブタジエンゴムのポリマーディスパージョン及び/又は再乳化粉末樹脂が好ましい。スチレンブタジエンゴムは、スチレン及びブタジエンを共重合した合成ゴムの一種であり、スチレン含有量や加硫量により品質を適宜調整することができる。セメント混和用としては、結合スチレン量が50~70質量%のものが多く、安定性や接着性を向上させて使用されている。セメント用ポリマーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
セメント用ポリマーの含有量は、セメント100質量部に対し、固形分換算で8~38質量部であることが好ましく、12~35質量部であることがより好ましく、15~30質量部であることが最も好ましい。セメント用ポリマーの含有量が上記範囲内であれば、より良好な流動性及び強度発現性が得られやすく、静弾性係数も小さくなる傾向にある。
細骨材としては、例えば、川砂、珪砂、砕砂、寒水石、石灰石砂、スラグ骨材等が挙げられる。細骨材は、これらの中から、微細な粉や粗い骨材を含まない粒度に調整した珪砂、石灰石等の骨材を用いることが好ましい。細骨材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。細骨材は、通常用いられる粒径5mm以下のもの(5mmふるい通過分)を使用するのが好ましい。
細骨材の粒度は特に限定されるものではなく、必要とする細骨材の粒度の範囲内で調整することができる。細骨材は、JIS A 1102:2014「骨材のふるい分け試験方法」により規定される粗粒率からその粒度を考慮することができる。モルタル時において、より良好な流動性が得られやすく、ブリーディングを抑制しやすいという観点から、細骨材の粗粒率は、1~4であることが好ましく、1.5~3.8であることがより好ましく、2~3.5であることが最も好ましい。
細骨材の含有量は、後述する細骨材及びゴム粉末の質量割合の範囲内で適宜調整することができる。細骨材の含有量は、セメント100質量部に対し、35~280質量部であることが好ましく、40~250質量部であることがより好ましく、45~200質量部であることが最も好ましい。細骨材の含有量が上記範囲内であれば、モルタル時において、柔らかすぎず硬すぎない、より適切な流動性が得られやすい。
ゴム粉末としては、その材質が特に限定されるものではなく、例えば、JIS K 6397:2005「原料ゴム及びラテックスの略号」に規定される天然ゴム及び合成ゴムが挙げられる。ゴム粉末としては、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のRグループに分類されるゴムが好ましく、ブチルゴムがより好ましい。ゴム粉末は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。本明細書において、「ゴム粉末」とは水に不溶な樹脂であり、上記セメント用ポリマーで用いられる再乳化形粉末樹脂とは異なるものである。
ゴム粉末の粒度は特に限定されるものではなく、必要とするゴム粉末の粒度の範囲内で調整することができる。ゴム粉末は、JIS A 1102:2014「骨材のふるい分け試験方法」により規定される粗粒率と同様の方法から、その粒度を考慮することができる。モルタル時において、より良好な流動性が得られやすく、ブリーディングを抑制しやすいという観点から、ゴム粉末の粗粒率は、1~4であることが好ましく、1.5~3.8であることがより好ましく、2~3.5であることが更に好ましい。
ゴム粉末の含有量は、後述する細骨材及びゴム粉末の質量割合の範囲内で適宜調整することができる。ゴム粉末の含有量は、セメント100質量部に対し、3~80質量部であることが好ましく、5~45質量部であることがより好ましく、7~40質量部であることが更により好ましく、10~34質量部であることが最も好ましい。ゴム粉末の含有量が上記範囲内であれば、モルタル時の流動性がより良好になりやすく、静弾性係数も小さくなる傾向にある。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物において、細骨材及びゴム粉末の合計の質量に対するゴム粉末の質量割合([ゴム粉末の質量]/[細骨材の質量+ゴム粉末の質量])は0.08~0.32である。細骨材及びゴム粉末の合計の質量に対するゴム粉末の質量割合が上記範囲外であると、良好な流動性及び強度発現性、並びに小さい静弾性係数を達成することができない。良好な流動性が得られやすく、静弾性係数をより小さくしやすいという観点から、細骨材及びゴム粉末の合計の質量に対するゴム粉末の質量割合は、0.09~0.32であることが好ましく、0.10~0.30であることがより好ましい。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物において、細骨材及びゴム粉末の合計の含有量は、セメント100質量部に対し、60~250質量部であることが好ましく、65~225質量部であることがより好ましく、70~200質量部であることが最も好ましい。細骨材及びゴム粉末の合計の含有量が上記範囲内であれば、良好な流動性が得られやすく、静弾性係数をより小さくしやすい。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物において、細骨材及びゴム粉末を混合した骨材混合物の粒度は、骨材混合物の質量に対し、粒径が0.6mm以下である粒子の質量割合が40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが最も好ましい。粒径が0.6mm以下である粒子の質量割合が上記範囲内であれば、モルタル時により良好な流動性が得られやすい。
本明細書において、上記骨材混合物の粒度は、骨材混合物全量をふるい分けし、0.6mmふるいの通過分を粒径が0.6mm以下である粒子とする。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物は、減水剤を含んでもよい。減水剤は、高性能減水剤、高性能AE減水剤、AE減水剤及び流動化剤を含む。このような減水剤としては、JIS A 6204:2011「コンクリート用化学混和剤」に規定される減水剤が挙げられる。減水剤としては、例えば、ポリカルボン酸系減水剤、ナフタレンスルホン酸系減水剤、リグニンスルホン酸系減水剤、メラミン系減水剤、アクリル系減水剤が挙げられる。これらの中では、ナフタレンスルホン酸系減水剤が好ましい。減水剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
減水剤の含有量は、セメント100質量部に対し、0.3~5質量部であることが好ましく、0.5~3質量部であることがより好ましく、0.7~2質量部であることが最も好ましい。減水剤の含有量が上記範囲内であれば、モルタルとした際により良好な流動性が得られやすく、硬化時の強度発現性もより向上しやすい。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物は、凝結遅延剤を含んでもよい。凝結遅延剤を含むことで、ポリマーセメントモルタルの練り上り温度が高くなる夏場等においても、可使時間を確保しやすい。凝結遅延剤としては、例えば、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機酸又はその塩;ホウ酸、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩等の無機塩;糖類が挙げられる。これらの中でも、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩及びアルカリ金属炭酸塩が好ましい。凝結遅延剤は、粉体であってもよく、液状体(例えば、水溶液、エマルジョン、懸濁液の形態)であってもよい。凝結遅延剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併せて用いてもよい。
凝結遅延剤の含有量は、セメント100質量部に対し、0.1~5質量部であることが好ましく、0.2~3質量部であることがより好ましく、0.3~1質量部であることが更に好ましい。凝結遅延剤の含有量が上記範囲内であれば、可使時間を更に確保しやすく、初期強度発現性が低下しにくい傾向にある。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で各種混和剤(材)を配合してもよい。混和剤(材)としては、例えば、消泡剤、防水剤、防錆剤、収縮低減剤、増粘剤、保水剤、顔料、撥水剤、白華防止剤、繊維が挙げられる。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物は、通常用いられる混練器具により上記した各成分を混合することで調製でき、その器具は特に限定されるものではない。混練器具としては、例えば、モルタルミキサ、ハンドミキサ、傾胴ミキサ、2軸ミキサ等が挙げられる。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物は、水と混合してポリマーセメントモルタルとして調製することができ、その水の含有量は用途に応じて適宜調整すればよい。水の含有量は、セメント100質量部に対し、22~55質量部であることが好ましく、25~50質量部であることがより好ましく、25~45質量部であることが最も好ましい。水の含有量が上記範囲内であれば、より流動性を確保しやすく、材料分離の発生、硬化体の収縮の増加及び初期強度発現性の低下を抑制しやすく、静弾性係数も小さくなる傾向にある。
本実施形態のポリマーセメントモルタルの調製は、通常のポリマーセメントモルタルと同様の混練器具を使用することができ、特に限定されるものではない。混練器具としては、例えば上述したものを用いることができる。
本実施形態のポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタルは、流動性に優れ、硬化時に強度発現性が良好であり静弾性係数が小さいものとなる。そのため、このようなポリマーセメントモルタル組成物及びポリマーセメントモルタルは、例えば、コンクリート構造体、鋼・コンクリート複合構造体、道路等の補修・補強材料として使用できることに加え、更に、グラウトのように狭い間隙や空洞等への補修・補強・充填材料としての間隙充填用モルタルとしても使用できる。本実施形態のポリマーセメントモルタルの使用方法は適宜選択することができ、例えば、凹部にコテで充填する方法、充填後にバイブレーター等で均した後にコテで仕上げる方法、補修箇所に吹付ける方法、間隙部に流し込み充填する方法等が選択できる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、No.7、10及び14のポリマーセメントモルタル組成物は、参考例とする。
実施例で用いる材料と略称は以下のとおりである。細骨材及びゴム粉末の粒度を表1に示す。
C:速硬性セメント
S:細骨材(珪砂)
G:ゴム粉末(ブチルゴム)
A:炭酸リチウム
P:セメント用ポリマー(SBRエマルジョン)
W:上水道
Figure 0007007964000001
[ポリマーセメントモルタル組成物の配合設計]
セメント100質量部に対して、炭酸リチウム、細骨材、ゴム粉末及びセメント用ポリマー(固形分換算)を表2に示す量とし、減水剤(ナフタレンスルホン酸系減水剤)を0.9質量部とし、凝結遅延剤(クエン酸)を0.3質量部として配合設計した。
[ポリマーセメントモルタルの作製]
20℃環境下において、セメント用ポリマー(ポリマーディスパージョン)を10Lの円筒容器に添加し、表2で配合設計したポリマーセメントモルタル組成物の各材料及び水を添加し、ハンドミキサで90秒混練してポリマーセメントモルタルを約3L作製した。
Figure 0007007964000002
[評価方法]
各項目については、以下の方法で評価した。評価結果を表3に示す。
・コンシステンシー
JIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」12.フロー試験に準じて、20℃環境下でポリマーセメントモルタルのフロー値(0打)を測定し、これをコンシステンシーとして評価した。
・圧縮強度
土木学会基準JSCE-G 505-2010「円柱供試体を用いたモルタル又はセメントペーストの圧縮強度試験方法(案)」に準じて、材齢1日及び28日におけるポリマーセメントモルタル硬化体の圧縮強度を測定した。供試体の寸法は、直径50mm、高さ100mmとした。養生は常に20℃の恒温槽内で行った。
・静弾性係数
JIS A 1149:2010「コンクリートの静弾性係数試験方法」に準じて、材齢28日における静弾性係数を測定した。供試体の寸法は、直径100mm、高さ200mmとした。供試体は調製翌日に脱型した後、材齢日まで気中で養生した。養生は常に20℃の恒温槽内で行った。
Figure 0007007964000003

Claims (6)

  1. セメントと、アルカリ金属炭酸塩と、セメント用ポリマーと、細骨材と、ゴム粉末とを含み、
    前記セメント用ポリマーが、JIS A 6203:2015「セメント混和用ポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂」に規定されるポリマーであり、
    前記ゴム粉末の粗粒率が、1~4であり、
    前記セメント用ポリマーの含有量が、前記セメント100質量部に対し、固形分換算で15~38質量部であり、
    前記細骨材及び前記ゴム粉末の合計の含有量が、前記セメント100質量部に対し、60~250質量部であり、
    前記細骨材及び前記ゴム粉末の合計の質量に対する前記ゴム粉末の質量割合([ゴム粉末の質量]/[細骨材の質量+ゴム粉末の質量])が0.12超~0.32である、ポリマーセメントモルタル組成物。
  2. 前記アルカリ金属炭酸塩の含有量が、前記セメント100質量部に対し、0.3~3質量部である、請求項1に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
  3. 前記セメント100質量部に対し、0.3~5質量部の減水剤を更に含む、請求項1又は2に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
  4. 前記セメント100質量部に対し、0.1~5質量部の凝結遅延剤を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
  5. 前記細骨材及び前記ゴム粉末を混合した骨材混合物の粒度は、前記骨材混合物の質量に対し、粒径が0.6mm以下である粒子の質量割合が40質量%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載のポリマーセメントモルタル組成物。
  6. 請求項1~のいずれか一項に記載のポリマーセメントモルタル組成物と、水とを含み、
    前記水の含有量が、前記セメント100質量部に対し、22~55質量部である、ポリマーセメントモルタル。
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