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JP6998661B2 - リアガラス - Google Patents

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JP6998661B2 JP2017031608A JP2017031608A JP6998661B2 JP 6998661 B2 JP6998661 B2 JP 6998661B2 JP 2017031608 A JP2017031608 A JP 2017031608A JP 2017031608 A JP2017031608 A JP 2017031608A JP 6998661 B2 JP6998661 B2 JP 6998661B2
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Description

本発明は、車両の後部に取り付けられるリアガラスに関する。
近年、自動車の後部には、例えば、特許文献1のように、車両の後方を撮影するカメラが設けられることがある。このようなカメラは、バックモニタとして、車両が後進するときにONになり、車両の後方を撮影する。
ところで、近年、ルームミラーに代わって電子ミラー装置と呼ばれる装置が提案されている。電子ミラー装置は、カメラにより、車両のリアガラスを通して車外を撮影し、ルームミラーの位置に設置されたモニタにその撮影画像を表示するようになっている。このようなカメラは、リアガラスに形成された撮影窓を通して車外を撮影するようになっている。撮影窓は、リアガラスの周縁に塗布されたセラミックスなどの遮蔽層に形成される。
特開2014-37239号公報
ところで、上記のようなリアガラスは、ガラス板上に遮蔽層を塗布した後に加熱され、その後、曲面状に成形されることで製造される。その際、遮蔽層は、黒色などの濃色で形成されているため、遮蔽層が形成されていない領域と比べ、ガラス板における熱の吸収量が多くなる。ここで、セラミックで形成された遮蔽層の熱膨張係数は、ガラスとは相違するため、熱の吸収による膨張量が相違する。そのため、ガラス板には、膨張量の差に起因して、遮蔽層と、これが形成されていない領域との境界付近に歪みが生じ、ガラス板を通して見える像が歪むという問題が生じることが分かった。そして、この問題は、上記のようなカメラが設けられるリアガラスでは、次のような問題を引き起こす可能性を見出した。すなわち、このような歪みが遮蔽層と撮影窓との境界付近において生じると、カメラによって撮影を行うときには、歪みにより光が屈折するなどして撮影した像が歪むおそれがある。
このような問題は、電子ミラー装置に限られず、撮影窓を通じて車外を撮影するリアガラス全般に生じうる問題である。そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、遮蔽層に形成された撮影窓を通じて車外を撮影するリアガラスにおいて、正確な撮影を行うことができる、リアガラスを提供することを目的とする。
本発明は、車両の後部に取り付けられるリアガラスであって、周縁部、及び当該周縁部によって囲まれる中央部を有し、厚みが2.0mm以上のガラス板と、前記ガラス板の周縁部の少なくとも一部に沿って積層され、車外からの視野を遮る遮蔽層と、を備え、前記遮蔽層には、車内に設けられたカメラにより車外を撮影可能な、少なくとも1つの撮影窓が形成されており、前記撮影窓の大きさは2500mm2以下である。
上記リアガラスでは、前記ガラス板において、前記撮影窓と対応する部分の表面圧縮応力が1000kg/cm2以上とすることができる。
上記リアガラスにおいて、前記遮蔽層は、前記ガラス板の面積の20%以上に積層することができる。
上記各リアガラスにおいては、前記ガラス板の両側部に沿って、それぞれ配置された一対のバスバーと、前記一対の第1バスバーを連結するように並列に配置された複数の加熱線と、をさらに備えることができ、前記加熱線は、前記ガラス板の中央部を含む領域に配置される少なくとも1つの第1加熱線と、前記遮蔽層において、前記撮影窓が形成された領域またはその周囲に配置される少なくとも1つの第2加熱線と、を備えることができる。
上記各リアガラスにおいて、前記一対のバスバーは、それぞれ、上下方向に隙間をおいて配置される第1バスバー及び第2バスバーを備えることができ、一対の前記第1バスバーは、前記中央部を挟むように配置されており、一対の前記第2バスバーは、前記撮影窓を挟むように配置されており、前記第1加熱線は、一対の前記第1バスバーを連結するように配置され、前記第2加熱線は、一対の前記第2バスバーを連結するように配置することができる。
上記リアガラスにおいては、前記第2加熱線は、前記撮影窓を通過するように配置することができる。
上記各リアガラスにおいては、少なくとも第1撮影窓及び第2撮影窓を有する複数の前記撮影窓を備えており、前記第1撮影窓は、前記第2撮影窓よりも高い位置に配置することができる。
上記各リアガラスにおいて、少なくとも1つのアンテナ素子を有するアンテナ装置をさらに備えており、前記アンテナ素子は、前記ガラス板の周縁部において、前記撮影窓とは反対側の端部に設けることができる。
上記各リアガラスにおいて、前記ガラス板は、鉛直方向に延びる鉛直線から45度以内の角度で設置され、前記撮影窓は、前記ガラス板の上端部に積層された前記遮蔽層に形成することができる。
上記各リアガラスにおいて、前記撮影窓と対向するように前記カメラを取り付けるための取付部材をさらに備えることができる。
上記各リアガラスにおいては、前記リアガラスを清掃するワイパーの通過領域に、前記撮影窓が配置することができる。
上記各リアガラスにおいて、少なくとも前記ガラス板の中央部には、機能膜がコーティングされており、前記撮影窓には、前記機能膜がコーティングされていないように構成することができる。
上記各リアガラスでは、前記ガラス板において、前記撮影窓と対応する撮影領域には防曇層を有する防曇部材を取り付けることができる。
上記各リアガラスでは、前記防曇部材は、前記防曇層を支持し、前記撮影領域に取り付けられる基材フィルムをさらに備えることができる。
上記各リアガラスでは、前記第2加熱線による発熱量を、前記第1加熱線による発熱量と相違させることができる。
この場合、例えば、複数の前記第2加熱線を設け、前記撮影窓が形成された領域付近で複数の前記第2加熱線を結合させることができる。
第2の本発明は、車両の後部に取り付けられるリアガラスであって、周縁部、及び当該周縁部によって囲まれる中央部を有する、ガラス板と、前記ガラス板の周縁部の少なくとも一部に沿って積層され、車外からの視野を遮る遮蔽層と、を備え、前記遮蔽層には、車内に設けられたカメラにより車外を撮影可能な、少なくとも1つの撮影窓が形成されており、前記カメラで撮影された画像は、車内のルームミラーの取付位置に設置された電子ミラー装置によって表示されるように構成されている。
本発明によれば、遮蔽層に形成された撮影窓を通じて車外を撮影するリアガラスにおいて、正確な撮影を行うことができる。
本発明に係るバックドアの斜視図である。 図1のA-A線断面図である。 図1のバックドアの分解斜視図である。 図1のバックドアのリアガラスの正面図である。 電子ミラー装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 電子ミラー装置の表示部の正面図と断面図である。 ガラス板の歪みを示すグラフである。 リアガラスの他の例を示す正面図である。 リアガラスの他の例を示す正面図である。
以下、本発明に係るリアガラスが設けられた車両のバックドアの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係るバックドアの正面図、図2は図1のA-A線断面図、図3は図1のバックドアの分解斜視図である。なお、以下では、説明の便宜のため、各図の向きを基準に、例えば、図1の上下方向を、上下方向または垂直方向、図1の左右方向を、左右方向または水平方向と称することがある。但し、この向きは、本発明を限定するものではない。
<1.バックドアの概要>
図1に示すように、本実施形態に係るバックドアは、例えば、ハッチバック式の車両の後部の開口(図示省略)を閉じるものであり、この開口の上縁を構成する車両のルーフパネル(図示省略)にヒンジ(図示省略)を介して取り付けられている。すなわち、跳ね上げ式のドアを構成している。具体的には、次のように構成されている。なお、以下の説明において、バックドアの各部位の方向を示すときには、特に断りのない限りは、開口を閉じた状態での方向を示すものとする。
図1~図3に示すように、このバックドアは、車内側に配置されるインナーパネル1と、このインナーパネル1の車外側に取り付けられるアウターパネル21,22と、リアガラス3と、インナーパネル1の上部に配置される一対の強化フレーム4と、を有している。
図3に示すように、インナーパネル1は、矩形状の本体部11と、この本体部11の上端部に取り付けられる一対の側縁部12と、両側縁部12の上端同士を連結する上縁部13と、を備えており、これらが一体的に形成されている。本体部11は、開口の下部を閉じる部分であり、開口を閉じたときには、概ね鉛直方向に延びるように形成されている。一対の側縁部12は、本体部11の上縁の両側から斜め上方に向かって延びている。すなわち、上方にいくにしたがって、車両の前方に向かうように斜め方向に延びている。そして、上縁部13は、両側縁部12の上端同士を連結するため、本体部11の上縁、両側縁部12、及び上縁部13によって、矩形状の窓用開口部14が形成される。そして、この窓用開口部14を閉じるようにリアガラス3が取り付けられる。
アウターパネルは、2つの部材、つまりアッパーパネル21とロアパネル22とで構成されている。アッパーパネル21は、インナーパネル1の上縁部13を覆う矩形状の部材である。また、ロアパネル22は、インナーパネル1の本体部11を覆う部材である。したがって、このアッパーパネル21とロアパネル22との間にリアガラス3が取り付けられる。
両強化フレーム4は、左右対称の形状を有しているため、ここでは、左側の強化フレーム4についてのみ説明する。この強化フレーム4は、上下方向に延びる第1部位41と、この第1部位41の上端に連結され、右側へ水平に延びる第2部位42とを有し、これらが一体的に形成されたL字型の部材である。そして、この強化フレーム4は、インナーパネル1とアウターパネル21,22との間に配置される。すなわち、強化フレーム4の第1部位41は、インナーパネル1の側縁部12、及びこれに続く本体部11の上端付近と対応する領域に取り付けられる。一方、第2部位42は、インナーパネル1の上縁部13の左端部から中央付近に対応する領域に取り付けられる。したがって、2つの強化フレーム4により、インナーパネル1の本体部11の上端付近、両側縁部12、及び上縁部13が補強される。
インナーパネル1、アッパーパネル21、ロアパネル22、強化フレーム4は、樹脂材料で形成されている。例えば、炭素繊維強化樹脂(CFRP)を採用することができる。但し、ロアパネル22はバックドアの剛性にあまり寄与しないため、ポリプロピレンなど樹脂材料で形成することができる。
また、本実施形態に係るバックドアには、後述する電子ミラー装置7で用いられるステレオカメラ71が取り付けられている。図2に示すように、このステレオカメラ7は、ブラケット38により、リアガラス3の車内側の面に固定されている。
<2.リアガラスの概要>
次に、リアガラス3について、図4を参照しつつ説明する。図4はリアガラスの正面図である。図4に示すように、リアガラス3は、矩形状に形成され、上下方向に配置されるアッパーパネル21とロアパネル22との間で、インナーパネル1及び強化フレーム4に締結材(図示省略)などによって固定される。そして、リアガラス3は、ガラス板31と、このガラス板31の周縁部に積層され、車外からの視野を遮る遮蔽層32と、を備えている。また、ガラス板31上には、デフォッガ5及びアンテナ素子6が、実装されている。以下、各部材について、順に説明する。
<2-1.ガラス板>
ガラス板31は、自動車用の公知のガラス板を利用することができる。例えば、ガラス板31として、熱線吸収ガラス、一般的なクリアガラス若しくはグリーンガラス、又はUVグリーンガラスが利用されてもよい。ただし、このようなガラス板は、自動車が使用される国の安全規格に沿った可視光線透過率を実現する必要がある。例えば、日射吸収率、可視光線透過率などが安全規格を満たすように調整することができる。以下に、クリアガラスの組成の一例と、熱線吸収ガラス組成の一例を示す。
(クリアガラス)
SiO2:70~73質量%
Al23:0.6~2.4質量%
CaO:7~12質量%
MgO:1.0~4.5質量%
2O:13~15質量%(Rはアルカリ金属)
Fe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23):0.08~0.14質量%
(熱線吸収ガラス)
熱線吸収ガラスの組成は、例えば、クリアガラスの組成を基準として、Fe23に換算した全酸化鉄(T-Fe23)の比率を0.4~1.3質量%とし、CeO2の比率を0~2質量%とし、TiO2の比率を0~0.5質量%とし、ガラスの骨格成分(主に、SiO2やAl23)をT-Fe23、CeO2及びTiO2の増加分だけ減じた組成とすることができる。
なお、ガラス板31の種類は、クリアガラス又は熱線吸収ガラスに限られず、実施の形態に応じて適宜選択可能である。例えば、ガラス板は、アクリル系、ポリカーボネート系等の樹脂窓であってもよい。
ガラス板31の厚みは、例えば、2.0mm以上とすることができ、2.5mm以上とすることが好ましく、2.8mm以上とすることがさらに好ましく、3.0mm以上とすることが特に好ましい。
また、このガラス板31は、インナーパネル1の形状に沿うように、適宜、湾曲した形状に形成される。そして、このようなガラス板31は、単一のガラス板で構成するほか、複数のガラスで樹脂などの中間膜を挟持した合わせガラスであってもよい。
さらに、図2に示すように、このガラス板31は、鉛直方向に延びる鉛直線Nから45度以内の傾斜角度αでバックドアに支持されている。
以上のようなガラス板31は、種々の方法で製造できるが、例えば、以下の方法で製造することができる。まず、ガラス板が、加熱炉に送られると、軟化点近くの約620℃に加熱される。そして、ガラス板は、加熱炉から約620℃で搬出され、風冷強化部において約450℃まで急冷される。この急冷により、ガラス板の表層に圧縮応力が発生し、強化ガラス板となる。次に、風冷強化されたガラス板は、徐冷されて常温まで降温する。続いて、常温状態の強化ガラス板をソーク炉に搬入し、上述した所定の温度領域まで特定の昇温速度で昇温する。このとき、強化ガラス板中にα-NiS(α相)が含まれていると、このNiSはα相から不安定なβ相を経て安定なβ相に相転移する。α相からβ相への相転移によって、硫化ニッケル(NiS)の体積は増加するために硫化ニッケル(NiS)粒子とガラスとの界面からガラスに対して円周方向に直交した方向にクラックを生じて、急激な自然破損に至るため、これらの硫化ニッケル(NiS)を含む不良品のガラス板を完全に排除することができる。
なお、ガラス板31の表層に発生する圧縮応力(以下、表面圧縮応力という)は、日本工業規格(JIS)R3222に準じて測定することができる。後述する撮影窓においては、例えば、撮影窓の中心辺りを複数測定し、その平均値を表面圧縮応力とすることができる。本実施形態に係るリアガラスでは、1000kg/cm2以上であることが好ましく、1500kg/cm2以上であることが好ましく、2000kg/cm2以上であることが好ましい。
<2-2.遮蔽層>
図4に示すように、遮蔽層32は、ガラス板31の車内側の面の周縁部に積層されている。すなわち、上端部321、下端部322、及び一対の側端部323により枠状に形成されている。遮蔽層32は、後述するように濃色のセラミック層を積層することにより形成されているため、車外からの視野が遮られる。すなわち、ガラス板31の周縁部を通して車内が見えないようになっている。本実施形態では、遮蔽層32と対応する位置には、上述したインナーパネル1や強化フレーム4が配置されており、ガラス板31を通して、車外からこれらが見えないようになっている。また、ガラス板31において、遮蔽層32に囲まれた矩形状の中央部34においては、光が透過し車内から、または車外からの視野が確保される。
さらに、遮蔽層32の下端部322の中央付近には、2つの矩形状の撮影窓、つまり第1撮影窓331及び第2撮影窓332が形成されている。これら撮影窓331,332は、遮蔽層32に形成された開口であり、車内において、これら撮影窓331,332と対応する位置には後述するように、ステレオカメラ71を構成する一対のカメラがそれぞれ配置されており、各カメラは、これら撮影窓331,332を通して車外を撮影可能となっている。また、本実施形態では、第1撮影窓331が上側に配置され、第2撮影窓332は、第1撮影窓331の右下に配置されている。各撮影窓331,332の面積は、2500mm2以下であり、2000mm2以下であることが好ましく、1500mm2以下であることがさらに好ましい。
遮蔽層32を構成するセラミック層は、種々の材料で形成することができるが、例えば、以下の組成とすることができる。
Figure 0006998661000001
*1,主成分:酸化銅、酸化クロム、酸化鉄及び酸化マンガン
*2,主成分:ホウケイ酸ビスマス、ホウケイ酸亜鉛
また、セラミック層は、スクリーン印刷法により形成することができるが、これ以外に、焼成用転写フィルムをガラス板に転写し焼成することにより作製することも可能である。スクリーン印刷の条件として、例えば、ポリエステルスクリーン:355メッシュ,コート厚み:20μm,テンション:20Nm,スキージ硬度:80度,取り付け角度:75°,印刷速度:300mm/sとすることができ、乾燥炉にて150℃、10分の乾燥により、セラミック層及び銀層を形成することができる。
このような遮蔽層32は、ガラス板31の面積の20%以上に形成されることが好ましく、30%以上に形成されることがさらに好ましく、40%以上に形成されることが特に好ましい。
上記のようなりアガラスは、次のように製造することができる。例えば、まず、ガラス板31に、遮蔽層32を形成する。このガラス板31を、加熱炉を通過させることで約650度まで加熱した後、成形型により曲面状に成形を行う。この場合の曲面形状は、一方向のみの曲率を有するものであってもよいし、複数の方向において曲率を有するものであってもよい。その後、加熱炉外で徐冷を行う。成形型による成形は、例えば、プレスによって行うこともできるし、ガラス板の周縁を成形型に配置した状態で加熱を行い、自重によってガラス板の中央付近が下方に湾曲することで、曲面の成形を行うこともできる。
<2-3.デフォッガ>
次に、デフォッガ5について説明する。図4に示すように、デフォッガ5は、ガラス板31の両側縁に沿って上下方向に延びる一対の給電用のバスバー51a,51bを備えている。また、両バスバー51a,51bを連結するように、水平方向に延びる複数の加熱線52が所定間隔をおいて平行に配置されており、これら加熱線52は、バスバー51a,51bからの給電により、防曇用の熱が発生するようになっている。
これらバスバー51a,51b及び加熱線52は、ガラス板31の車内側の面に配置されている。より詳細には、両バスバー51a,51bは、遮蔽層32の側端部323上に配置されており、ガラス板31の中央部34を挟み、さらに、遮蔽層32の下端部322まで延びている。これにより、バスバー51a,51bは、車外からは見えないようになっている。また、複数の加熱線52は、ガラス板31の中央部34を通過する第1加熱線521と、遮蔽層32の下端部322を通過する第2加熱線522とで構成されている。このうち、第2加熱線522は、撮影窓331,332を通過するように配置されている。
<2-4.ブラケット及びカメラ>
上述したように、このリアガラス3の車内側の面には、ブラケット38を介してカメラ71が固定されている。ブラケット38の形状は特には限定されないが、カメラ71を支持できるものであればよい。本実施形態においては、ステレオカメラ71として2つのカメラが用いられ、上述した第1撮影窓331及び第2撮影窓332に対応する位置に配置されている。そして、各カメラの位置を固定するために、ブラケット38により支持されている。ブラケット38は、両面テープや接着剤により、ガラス板に固定されている。
<2-5.アンテナ装置>
次に、アンテナ装置について説明する。本実施形態に係るアンテナ装置は、デジタルテレビに係るアンテナであり、ガラス板31上に配置されるアンテナ素子6を備えている。図4に示すように、アンテナ素子6は、遮蔽層32の上端部321の中央付近に配置されており、アンテナ本体エレメント61と、アース接続エレメント62とで構成されている。アンテナ本体エレメント61は、矩形状の給電部611と、この給電部611から右側へ延びる水平部612とを有している。一方、アース接続エレメント62は、給電部611より左側に配置された矩形状のアース接続部621と、このアース接続部621に接続されたアース本体622と、を備えている。アース本体622は、アース接続部621の上端から左側へ延びる上側水平部、この上側水平部の左端から下方へ延びる垂直部、及びこの垂直部の下端から右側へ延び、アース接続部621の下端に接続される第2水平部と、で構成されている。
また、自動車には、デジタルテレビ用の受信機(図示省略)とこれに接続されたアンプ(図示省略)が設けられており、アンプに接続された同軸ケーブル(図示省略)の内部導体に、給電部611が接続されている。一方、同軸ケーブルの外部導体には、アース接続部621が電気的に接続されており、アースされている。
<2-6.材料>
上記のようなデフォッガ5、及びアンテナ素子6は、線材を組み合わせることで構成されているが、これらは導電性を有する導電性材料をガラス板31の表面に所定のパターンを有するように積層することで形成することができる。そのような材料としては、導電性を有していればよく、実施形態に適宜選択可能であり、一例として、銀、金、白金等を挙げることができる。具体的には、例えば、銀粉末、ガラスフリット等を含む導電性の銀ペーストをリアガラス3の表面に印刷し焼成することによって形成することができる。
<3.電子ミラー装置>
次に、図5及び図6を参照しつつ、電子ミラー装置7について説明する。まず、この電子ミラー装置7のハードウェア構成について説明する。図5に示すように、この電子ミラー装置7は、ステレオカメラ71、制御部72、操作部73、表示部74、及び記憶部75を備えている。制御部72は、ステレオカメラ71により撮影された撮影画像を画像処理し、表示部74に表示する制御を行う。また、電子ミラー装置7の全体的な情報の制御も行う。より詳細に説明すると、制御部72は、マイクロプロセッサ又はCPU(Central Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサと、このプロセッサの処理に利用される周辺回路(ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、インタフェース回路等)と、を有する。ROM、RAM等は、制御部72内のプロセッサが取り扱うアドレス空間に配置されているという意味で主記憶装置と呼ばれてもよい。そして、制御部72は、後述する記憶部75に格納されている各種データ及びプログラムを実行することにより、上述した画像処理のみならず、操作部73の制御など、電子ミラー装置7としての各種の動作を行う。
記憶部75は、制御部72で実行される処理で利用される各種データ及びプログラムを記憶する。記憶部75は、例えば、ハードディスクによって実現されてもよいし、USBメモリ等の記録媒体により実現されてもよい。また、記憶部75が格納する当該各種データ及びプログラムは、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体から取得されてもよい。更に、記憶部75は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
次に、表示部74について説明する。図6に示すように、この表示部74は、いわゆるルームミラーとしてウインドシールド(図示省略)の車内側の面に固定されるものであり、横長の矩形状に形成された筐体741と、この筐体741をウインドシールドの内面に固定するための支持部742とを備えている。筐体741には、内部空間が形成されており、この内部空間は、車内側を向く開口から外部に開放されている。そして、この内部空間には、車内側からハーフミラー743及び液晶ディスプレイ744がこの順で取り付けられている。すなわち、筐体741の開口にハーフミラー743が嵌め込まれており、その背後に液晶ディスプレイ744が取り付けられている。そして、液晶ディスプレイ744には、ステレオカメラ71で撮影された撮影画像が表示される。
操作部73は、液晶ディスプレイ744による撮影画像の表示のON/OFFを行うものである。例えば、操作部73で液晶ディスプレイ744をONにすると、液晶ディスプレイ744に撮影画像が表示される。これにより、ハーフミラー743を介して、液晶ディスプレイ744に表示された撮影画像を車内から見ることができる。一方、操作部73で液晶ディスプレイ744をOFFにすると、筐体741の内部において、ハーフミラー743の背後が暗くなるため、ハーフミラー743には、車内側からの光が反射し、鏡として機能する。
<4.特徴>
以上のように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態においては、遮蔽層32に撮影窓331,332を形成し、この撮影窓331,332から電子ミラー装置7用のステレオカメラ71により、車外を撮影するように構成している。例えば、ガラス板31の中央部34にステレオカメラ71を配置すると、車内からの視野を妨げることになるが、遮蔽層32に撮影窓331,332を設けることで、中央部34にステレオカメラ71を配置しないため、リアガラス3における車内からの視野が低減するのを防止することができる。特に、リアガラス3においては、上述したように、インナーパネル1や強化フレーム4を隠すことから、遮蔽層32の面積がウインドシールドと比べて大きいため、撮影窓331,332を形成する領域を容易に確保することができる。
(2)上記のように形成された撮影窓331,332は、遮蔽層32に形成されているが、上記課題でも指摘したように、次の問題がある。すなわち、セラミックで形成された遮蔽層32の熱膨張係数は、ガラスとは相違するため、熱の吸収による膨張量が相違する。そのため、ガラス板には、膨張量の差に起因して、成形時に、遮蔽層32と、これが形成されていない領域との境界付近に歪みが生じる。この点を以下の通り検討した。
すなわち、遮蔽層の境界付近におけるガラス板の歪みを測定したところ、図7のようになった。このグラフでは、横軸がガラス板の面方向の長さ、縦軸がレンズパワー(mili diopter:焦点距離の逆数)である。レンズパワーの測定方法は、以下の通りである。まず、暗室内でガラス板に光を投影し、ガラス板の背後のスクリーンに影を形成する。このとき、ガラス板上に凸レンズがあると光が集光し、スクリーン上の影が明るくなる。一方、ガラス板上に凹レンズがあると暗くなる。ここで、レンズパワーとスクリーン上の影の明るさには相関があり、レンズパワーが既知のレンズを置き、そのときのスクリーン上での明るさを測定することで、レンズパワーと明るさの関係を得ることができる。したがって、対象となるガラス板を配置し、スクリーン上での明るさをガラス全面に渡って測定することで、ガラス板のレンズパワーを得ることができる。
このような測定による結果、図7によれば、遮蔽層から撮影窓に向かうにしたがって、その境界付近では、レンズパワーが急激に増しているため、歪みが増大していることが分かる。そして、境界から所定の長さ離れると、歪みが低減し、さらに離れると消失していることが分かる。
そのため、カメラによって撮影を行うと、遮蔽層と撮影窓との境界付近において、歪みにより光が屈折するなどして、撮影した像が歪むおそれがあることが分かった。なお、このような問題は、ウインドシールドにおいて、車両の前方を撮影する場合にも、生じうる問題である。すなわち、ウインドシールドにも遮蔽層が設けられ、この遮蔽層に形成した撮影窓から車外を撮影する際に上記のような問題が生じ得る。
これに対して、撮影窓を大きくし、撮影窓の周縁付近を撮影範囲にしないことも考えられる。しかしながら、本実施形態に係るリアガラスは、厚みが2.0mm以上であることから、上記のような歪みが小さいことが本発明者により見出された。したがって、本実施形態によれば、各撮影窓331,332の大きさを大きくしなくても、つまり、2500mm2以下であっても、歪みが小さく、撮影された像への歪みの影響を低減することができる。この点は、合わせガラスで構成されるウインドシールドとは、相違する。すなわち、ウインドシールドを構成する合わせガラスは、一般的に2mm未満のガラス板を貼り合わせているため、遮蔽層が形成されるいずれか、または双方のガラス板には、歪みが生じやすい。したがって、ウインドシールドに形成される撮影窓は、上記の歪みの影響を考慮して大きく形成することが検討されることになる。
さらに、本実施形態のリアガラスでは、次のような点からもウインドシールドに比べて、撮影窓を小さくすることができる。まず、ウインドシールドは、内側ガラス板と外側ガラス板とを貼り合わせた合わせガラスであり、遮蔽層は、内側ガラス板の車内側の面(以下、最内面という)に積層される。そして、上述したように、成形時に、遮蔽層と、これが形成されていない領域との境界付近に歪みが生じると最内面は凸形状になる。一方、外側ガラス板には遮蔽層が積層されていないため、応力が作用しない。そのため、外側ガラス板の車外側の面(以下、最外面という)は凸形状にはならない。その結果、ウインドシールドの最内面に遮蔽層を積層すると、最外面と最内面とが非平行になり、歪みが顕著になる。
一方、リアガラスは、単板であるので、遮蔽層の積層によって応力が作用しても、車内側の面と車外側の面とは概ね平行に保たれるため、歪みの発生が抑制される。よって、この観点からも、撮影窓331,332の大きさを大きくしなくても、撮影された像への歪みの影響を低減することができる。
また、歪みの低減は、表面圧縮応力を大きくすることでも達成されることが、本発明者により見出された。すなわち、リアガラスを強化ガラスで構成し、撮影窓331,332に対応する領域の表面圧縮応力を1000kg/cm2以上とすると、歪みが低減することが本発明者により見出された。
(3)デフォッガ5の第2加熱線522が、撮影窓331,332を通過しているため、撮影窓331,332が曇るのを防止することができる。すなわち、中央部を加熱するデフォッガを利用して、撮影窓331,332が曇りを防止することができる。なお、第2加熱線522は、撮影窓331,332を通過しなくてもよく、撮影窓331,332の周囲を通過するようにしてもよい。
(4)本実施形態においては、2つの撮影窓331,332を設けているため、例えば、一方の撮影窓331が汚れなどで塞がれた場合でも、他方の撮影窓332から撮影された画像を画像処理することで、液晶ディスプレイ744に表示することができる。また、本実施形態においては、2つの撮影窓331,332の高さを変えているため、立体的な画像を画像処理により形成しやすくなる。
(5)本実施形態においては、アンテナ素子6を遮蔽層32の上端部321に配置し、撮影窓331,332を遮蔽層32の下端部322に配置している。すなわち、アンテナ素子6とステレオカメラ71との距離を大きくしているため、アンテナ素子6において、ステレオカメラ71からのノイズを低減することができる。特に、アンテナ素子6をリアガラス3の上部に配置することで、受信性能を向上することができる。
(6)ガラス板31の傾斜角度を45度以内にしているため、次の効果を得ることができる。ガラス板の製造においては、ガラス板は、加熱炉でローラにより搬送される。このとき、隣接するローラ間でガラスが撓むため、ガラス板には平行に延びる歪みが生じることがある。そのため、ガラス板31の傾斜角度が大きい場合には、見かけ上の歪みの間隔が小さくなり、歪みが目立つおそれがある。これに対して、ガラス板31の傾斜角度を45度以内のように小さくすると、見かけ上の歪みの間隔が大きくなるため、歪みが目立つのを防止することができる。また、ガラス板31の傾斜角度を小さくすると、ガラス板31の水平方向の厚みが小さくなるため、ガラス板31を通過する光の歪みによる影響を低減することができる。
<5.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は適宜組み合わせることができる。
<5-1>
上記撮影窓をワイパーの通過領域に配置することができる。これにより、撮影窓の汚れを除去することができる。ワイパーは、種々の構成にすることができるが、例えば、ガラス板31に貫通孔を形成し、これにワイパーの回転軸を配置したものとすることができる。あるいは、アウターパネルにワイパーの回転軸を配置したものとすることもできる。
<5-2>
ガラス板31には、種々の機能膜をコーティングを施すことができる。例えば、UVカット用、赤外線カット用、撥水用などの機能膜をコーティングすることができる。このような機能膜は、ガラス板31の中央部34のみにコーティングし、撮影窓331,332にはコーティングしないようにすることが好ましい。これは、撮影窓331,332に機能膜をコーティングすると、可視光の透過率が低減するおそれがあり、カメラによる撮影に支障を来す可能性があることによる。
<5-3>
上記実施形態では、撮影窓331,332を遮蔽層32の下端部322に形成したが、遮蔽層32の上端部321、あるいは側端部323に形成することもできる。特に、上端部321に形成すると、バックドアのヒンジに近い位置に配置されることから、車内への配線が容易になる。なお、撮影窓331,332を遮蔽層32の上端部321に配置した場合には、アンテナ素子6は、それとは反対側の遮蔽層32の下端部322に配置することが好ましい。但し、撮影窓331,332及びアンテナ素子6の位置は特には限定されない。
<5-4>
上記実施形態では、撮影窓331,332を2つ設けたが、1つであってもよい。この場合、ステレオカメラでなく、通常のカメラが配置される。また、撮影窓331,332の形状や位置は特には限定されない。例えば、図8に示すように、遮蔽層32の上端部321の中央に下方に延びる延在部324を設け、この延在部324に撮影窓339を形成することができる。そして、この撮影窓339の周囲に、次のように加熱線を配置している。すなわち、両バスバー55a,55bの上部から、それぞれ、2本の加熱線521a,521bを延在部324に向かって延ばし、撮影窓339に近づくにしたがって、これら加熱線521a,521bが近接するように配置する。そして、撮影窓339の側方でこれら加熱線521a,521bが合流するように構成し、合流した加熱線521cが、撮影窓339の側方及び上方に沿って、撮影窓339を囲むように配置する。こうすることで、撮影窓339の曇りを確実に防止することができる。
このように、早期に曇りを解消すべき撮影窓339の周囲に、複数の加熱線521a,521bを配置し、これらを結合させると、発熱量を大きくすることができる。なお、発熱量を大きくするためには、加熱線の線幅を小さくすることも考えられるが、このようにすると、断線のおそれがある。また、加熱線をスクリーン印刷等で形成する際、線幅が小さいと適切に形成できない可能性もある。したがって、上記のように、加熱線を複数結合すると、線幅を小さくすることなく、発熱量を増大することができる。なお、例えば、加熱線1本当たりの発熱量が約400kWであるとすると、図8のような構成の場合、撮影窓339の周囲では2本の加熱線521a,521bが接続されているため、発熱量を約800kWとすることができる。一方、リアガラスのその他の領域に配置された加熱線は1本当たり約400kWの発熱量であるため、撮影窓339の周囲の加熱線521a,521bによる発熱量を、その他の領域の約2倍にすることができる。このように、撮影窓339付近とその他のリアガラスの中央部を含む領域の発熱量は適宜相違させることができる。なお、撮影窓339の周囲に配置されている加熱線521a,521bが本発明の第2加熱線に相当し、その他の加熱線が本発明の第1加熱線に相当する。
また、上記実施形態では、撮影窓331,332は周囲を囲まれた閉じた形状になっているが、一部がガラス板31の端部側、あるいは中央部34側に開放するようなU字型などの形状であってもよい。
<5-5>
上記実施形態では、遮蔽層32は、ガラス板31の周縁部全体に配置されているが、一部であってもよい。また、形状も特には限定されず、必要に応じて、例えば、中央部34側に突出する凸部を形成してもよい。
<5-6>
上記実施形態では、アンテナ装置として、デジタルテレビアンテナを用いているが、FMアンテナ、AMアンテナ、DABアンテナなど種々のアンテナを用いることができ、これらの少なくとも1つをガラス板31に配置することもできる。したがって、アンテナ素子の位置や形状も特には限定されない。また、アンテナ装置をバックドアの内部に配置することもできる。例えば、インナーパネル1とアッパーパネル21の間、あるいはインナーパネル1とロアパネル22との間に配置することもできる。
<5-7>
デフォッガ5の形状は特には限定されず、例えば、図9のようにすることができる。図9に示すように、この例では、デフォッガのバスバーを2つに分けている。すなわち、ガラス板31の中央部34を挟むように配置された一対の第1バスバー55aと、遮蔽層32の下端部322の両側に配置された第2バスバー56aと、を備えている。そして、第1バスバー55aを接続するように第1加熱線521が配置され、第2バスバー56aを接続するように第2加熱線522が配置されている。また、第2加熱線522は上記実施形態と同様に、2つの撮影窓331,332を通過するように配置されている。但し、撮影窓331,332の周囲を通過してもよい。
このように、バスバーを2つに分けることで、中央部34及び撮影窓331,332の防曇用にそれぞれ適した電流を印加することができる。すなわち、中央部34と撮影窓331,332では、面積が相違することから、加熱線の数も相違する。したがって、同一のバスバーを用いるよりも、それぞれに適した電流を印加できるような設計を行うことができる。
<5-8>
撮影窓331,332に対応するガラス板31の車内側の面に、防曇部材を配置して曇りを防止することもできる。防曇部材は、種々の構成にすることができる。例えば、防曇部材として、液状の材料を塗布して、硬化させた防曇層を形成し、これを防曇部材とすることができる。防曇層は、公知のものを用いることができるが、一般的には、水蒸気から生じる水を水膜として表面に形成する親水タイプ、水蒸気を吸収する吸水タイプ、表面に水滴が凝結しにくい撥水吸水タイプ、及び水蒸気から生じる水滴を撥水する撥水タイプがあるが、いずれのタイプの防曇層も適用可能である。
また、このような防曇層を基材フィルム上に形成し、この基材フィルムを粘着層によってガラス板31に貼り付けることもできる。すなわち、防曇層を形成した基材フィルムを防曇部材とすることもできる。基材フィルムは、例えば、透明の樹脂フィルムで形成され、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンや、アクリル系樹脂で形成することができる。
<5-9>
上記実施形態では、バックドアに本発明のリアガラスを設けた例について説明したが、セダンタイプの車両のリアガラスとすることもでき、車種は特には限定されない。
3 :リアガラス
31 :ガラス板
32 :遮蔽層
331,332 :撮影窓
5 :デフォッガ
6 :アンテナ素子

Claims (15)

  1. 車両の後部に取り付けられるリアガラスであって、
    周縁部、及び当該周縁部によって囲まれる中央部を有し、厚みが2.0mm以上であり、車外側の面と車内側の面とを有する単板であるガラス板と、
    前記ガラス板の周縁部の少なくとも一部に沿って積層され、車外からの視野を遮る遮蔽層と、
    前記ガラス板の両側部に沿って、それぞれ配置された一対のバスバーと、
    前記一対の第1バスバーを連結するように並列に配置された複数の加熱線と、
    を備え、
    前記遮蔽層には、車内に設けられたカメラにより車外を撮影可能な、少なくとも1つの撮影窓が形成されており、
    前記車内側の面と前記車外側の面とは略平行であり、
    前記撮影窓の大きさは2500mm2以下であり、
    前記複数の加熱線は、
    前記ガラス板の中央部を含む領域に配置される少なくとも1つの第1加熱線と、
    前記遮蔽層において、前記撮影窓が形成された領域またはその周囲に配置される少なくとも1つの第2加熱線と、
    を備えている、リアガラス。
  2. 前記ガラス板において、前記撮影窓と対応する部分の表面圧縮応力が1000kg/cm2以上である、請求項1に記載のリアガラス。
  3. 前記遮蔽層は、前記ガラス板の面積の20%以上に積層されている、請求項1に記載のリアガラス。
  4. 前記一対のバスバーは、それぞれ、上下方向に隙間をおいて配置される第1バスバー及び第2バスバーを備えており、
    一対の前記第1バスバーは、前記中央部を挟むように配置されており、
    一対の前記第2バスバーは、前記撮影窓を挟むように配置されており、
    前記第1加熱線は、一対の前記第1バスバーを連結するように配置され、
    前記第2加熱線は、一対の前記第2バスバーを連結するように配置されている、請求項1から3のいずれかに記載のリアガラス。
  5. 前記第2加熱線は、前記撮影窓を通過するように配置されている、請求項1から4のいずれかに記載のリアガラス。
  6. 少なくとも第1撮影窓及び第2撮影窓を有する複数の前記撮影窓を備えており、
    前記第1撮影窓は、前記第2撮影窓よりも高い位置に配置されている、請求項1からのいずれかに記載のリアガラス。
  7. 少なくとも1つのアンテナ素子を有するアンテナ装置をさらに備えており、
    前記アンテナ素子は、前記ガラス板の周縁部において、前記撮影窓とは反対側の端部に設けられている、請求項1からのいずれかに記載のリアガラス。
  8. 前記ガラス板は、鉛直方向に延びる鉛直線から45度以内の角度で設置され、
    前記撮影窓は、前記ガラス板の上端部に積層された前記遮蔽層に形成されている、請求項1からのいずれかに記載のリアガラス。
  9. 前記撮影窓と対向するように前記カメラを取り付けるための取付部材をさらに備えている、請求項1からのいずれかに記載のリアガラス。
  10. 前記リアガラスを清掃するワイパーの通過領域に、前記撮影窓が配置されている、請求項1からのいずれかに記載のリアガラス。
  11. 少なくとも前記ガラス板の中央部には、機能膜がコーティングされており、
    前記撮影窓には、前記機能膜がコーティングされていない、請求項1から10のいずれかに記載のリアガラス。
  12. 前記ガラス板において、前記撮影窓と対応する撮影領域には防曇層を有する防曇部材が取り付けられている、請求項1から11のいずれかに記載のリアガラス。
  13. 前記防曇部材は、前記防曇層を支持し、前記撮影領域に取り付けられる基材フィルムをさらに備えている、請求項12に記載のリアガラス。
  14. 前記第2加熱線による発熱量は、前記第1加熱線による発熱量と相違する、請求項1から5のいずれかに記載のリアガラス。
  15. 複数の前記第2加熱線を備え、
    前記撮影窓が形成された領域付近で複数の前記第2加熱線が結合している請求項14に記載のリアガラス。
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