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JP6982147B1 - レンズ支持装置 - Google Patents

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JP6982147B1
JP6982147B1 JP2020138030A JP2020138030A JP6982147B1 JP 6982147 B1 JP6982147 B1 JP 6982147B1 JP 2020138030 A JP2020138030 A JP 2020138030A JP 2020138030 A JP2020138030 A JP 2020138030A JP 6982147 B1 JP6982147 B1 JP 6982147B1
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研二 坂
光 山越
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Totoku Electric Co Ltd
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Totoku Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】重量が増した可動部を確実に支持しつつ、耐久性を兼ね備えたレンズ支持装置を提供する。【解決手段】固定部12と、レンズを有し、支持機構16により、固定部に対してレンズの光軸方向と垂直な方向に移動可能に支持される可動部14と、を備え、支持機構は、弾性を有する複数の単線が並行に集合化されたサスペンションワイヤ18a,18b,18cと、サスペンションワイヤの一端が接続される固定部における第1の接続部20と、サスペンションワイヤの他端が接続される可動部における第2の接続部22とを有し、サスペンションワイヤの複数の単線は第1の接続部と第2の接続部のみで互いに固定されている。【選択図】図1

Description

本発明は携帯電話のカメラモジュールなどにおけるレンズ支持装置に関する。
特許文献1(特開2018−72776号公報)に示されるように、携帯電話のカメラ
モジュールなどに用いられるための小型のレンズ支持装置が開発されている。このような
小型レンズ支持装置では、レンズを有する可動部が回路基板を有する固定部に電気的に接
続され、かつ可動部が固定部に対して相対移動できるように構成されている。このような
電気的接続と相対移動を可能にするために、可動部と固定部は弾性変形可能な導電性のサ
スペンションワイヤにより支持されている。
このようなサスペンションワイヤには、「レンズ(可動部)を高精度に支持すること」
、「アクチュエータでの動作のために適切な剛性(反力)を有していること」、「可動部
の繰り返し動作および落下による衝撃などの作用環境に耐えうる耐久性を有していること
」、「可動部への給電を効率的に行うこと」などの特性が求められる。特に最近では、携
帯電話等のカメラモジュールの高機能化(例えば、光学手振れ補正機能(OIS)搭載)
で、レンズが大きくなったり、レンズの枚数が増えたりしてサスペンションワイヤが支持
すべき可動部の重量が大きくなっており、サスペンションワイヤの疲労耐久性の向上が求
められている。
そのため、サスペンションワイヤの各種特性を向上させるため、特許文献2(特開20
03−168229号公報)、特許文献3(特開2001−273652号公報)に示さ
れるようにサスペンションワイヤについて種々検討がなされてきた。
特許文献2に記載のサスペンションワイヤは、経年変化を少なくし、安定的な信号読取
を可能にするために銅銀合金の撚線が用いられている。
また、特許文献3に記載のサスペンションワイヤは、光ディスクドライブ用ピックアッ
プレンズに搭載するためのサスペンションワイヤである。このサスペンションワイヤは、
トラッキング方向の動作感度をフォーカシング方向の動作感度よりも上げるために、ハン
ダで被覆されたワイヤを複数本並行して全長に亙って接着固定することで、サスペンショ
ンワイヤの横方向(トラッキング方向)と縦方向(フォーカシング方向)とのバネ定数を
変更することが記載されている。
特開2018−72776号公報 特開2003−168229号公報 特開2001−273652号公報
特許文献1に記載の従来の単線サスペンションワイヤでは耐久性に問題があり、単純に
単線の径を太くするとサスペンションワイヤの剛性(反力)が上がりすぎてアクチュエー
タの感度が下がってしまうという課題がある。
また、特許文献2、特許文献3のサスペンションワイヤの場合、複数本の素線同士が相
互に密着して固定された構造をなしている。したがって広義にみれば単線と同じであり、
耐久性を上げようとすると特許文献1と同様に断面積を大きくするしかなく、この断面積
を大きくすると、やはり剛性(反力)が上がりすぎてしまうという課題がある。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたもので、その目的とするところは、重量が増
した可動部を確実に支持しつつ、耐久性を兼ね備えたレンズ支持装置を提供することにあ
る。
上記の目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、本発明に係るレンズ支持装置は、固定部と、レンズを有し、支持機構により
、前記固定部に対して前記レンズの光軸方向と垂直な方向に移動可能に支持される可動部
と、を備え、前記支持機構は、弾性を有する複数の素線が並行に集合化されたサスペンシ
ョンワイヤと、前記サスペンションワイヤの一端が接続される前記固定部における第1の
接続部と、前記サスペンションワイヤの他端が接続される前記可動部における第2の接続
部とを有し、前記サスペンションワイヤの前記複数の素線は前記第1の接続部と前記第2
の接続部のみで互いに固定されていることを特徴とする。
前記サスペンションワイヤは、2本以上7本以下の素線を集合化して構成することがで
きる。
前記サスペンションワイヤは、外周に位置し、かつ隣り合う素線の横断面の中心点を結
んだ直線がほぼ正多角形をなすように配置して構成することができる。
前記複数の素線のうち、少なくとも1本の素線を他の素線と異なる材質および/または
形状をなす素線とすることができる。
前記第1の接続部および前記第2の接続部において、前記複数の素線の端部が一体化さ
れたサスペンションワイヤを固定することができる。
前記複数の素線の各表面に、貴金属もしくは貴金属合金のめっき層を形成することがで
きる。
前記可動部と前記固定部とを、複数個所において、前記サスペンションワイヤにて連結
することができる。
本発明によれば、重量が増した可動部を確実に支持しつつ、耐久性を兼ね備えたレンズ
支持装置を提供することができる。
レンズ支持装置10の概要を示す説明図である。 図2Aは複数の素線が集合化されたサスペンションワイヤの具体例を示す斜視図、図2Bはその平面図である。 導体部にめっき層および被覆層が形成された素線の断面図である。 図4Aは異なる材質および/または形状の素線を含むサスペンションワイヤの端面図、図4Bはその斜視図である。 レンズ支持装置の簡易モデル(モデルA、モデルB、モデルC)の説明図である。 反力測定方法を示す説明図である。 モデルA、B、Cの反力測定の結果を示すグラフである。 屈曲試験方法を示す説明図である。 モデルA、B、Cの屈曲試験の結果を示すグラフである。 5種類のサスペンションワイヤを用いた場合の反力(剛性)を実測したデータを示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1はレンズ支持装置10の概要を示す説明図である。
レンズ支持装置10は、携帯電話やタブレット端末などのモバイル機器、光ピックアッ
プ装置などのカメラモジュールに用いられるための小型のレンズ支持装置10である。
以下携帯電話のカメラモジュールにおけるレンズ支持装置10として説明する。
レンズ支持装置10は、固定部12と、可動部14とを具備する。可動部14は、レン
ズ(対物レンズ:図示せず)を有し、支持機構16により、固定部12に対してレンズの
光軸方向と垂直な方向に移動可能に支持されている。
レンズ支持装置10の基本構成は、例えば特開2018−72776号公報(特許文献
1)に示されるような、手振れ補正機能を有する公知の機構をそのまま採用できる。
すなわち、可動部14は、いずれも図示しないが、フォーカシング方向に移動可能に支
持されるレンズ(対物レンズ)、位置補正用とフォーカス用とを兼ねるマグネットおよび
フォーカス用コイルを有している。
また、固定部12は、いずれも図示しないが、上記マグネットと対向して配置される位
置補正用コイルおよび位置センサと、位置補正用コイルと位置センサに給電し、位置セン
サからの信号を伝達するための配線を有する回路基板およびCCD等の受光素子を有して
いる。
本実施の形態における最大の特徴は、可動部14を固定部12に対してレンズの光軸方
向と垂直な方向に移動可能に支持している支持機構16の構成にある。
すなわち、支持機構16は、固定部12と可動部14とを、これらの4隅において支持
するサスペンションワイヤ18(18a、18b、18c、18d・・・18dは不可視
)を有する。そして、本実施の形態においては、図2A、Bに示すように、各サスペンシ
ョンワイヤ18が、弾性を有する複数(例えば2〜7本)の素線50が並行に集合化され
たサスペンションワイヤに構成されていることを特徴としている。
なお、サスペンションワイヤ18は、固定部12と可動部14とを、これらの4隅でな
く、3か所、あるいは5か所などの適宜複数個所において支持、連結してもよい。
各サスペンションワイヤ18は、一端が、固定部12における前記回路基板上の第1の
接続部20に電気的に接続して固定され、他端が、可動部14における第2の接続部22
に前記フォーカス用コイルに電気的に接続して固定されている。
上記のように、本実施の形態では、各サスペンションワイヤ18は、複数の素線50が
並行に集合化されていることを特徴とする。
並行とは、複数の素線50が、撚線でなく、束線であることを意味する。
また、集合化とは、複数の素線50が互いに接触していてもよいが、固定されておらず
、独立してフリーであることを意味する。すなわち、各サスペンションワイヤ18が、複
数の各素線50がその両端においてのみ、第1の接続部20および第2の接続部22での
み、互いに固定されている。このようにサスペンションワイヤ18の各素線50はそれぞ
れ独立しフリーであることから、サスペンションワイヤ18の剛性(反力)を維持しつつ
(剛性を高めることなく)、その断面積を増やすことができ、耐久性を向上させることが
できた。
各サスペンションワイヤ18は、取り扱い上、また剛性(反力)との関係で、2本以上
、7本以下の複数の素線50を集合化すると好適である。この場合、剛性(柔らかさ)は
要求される所望の範囲であることが条件となる。剛性(反力)に影響を与える要素は、素
線50(素線)の材質と径(太さ)となる。耐久性を高めるためには、断面積を大きくす
る必要があるが、前記のように1本の素線を単に太くして断面積を大きくするのみでは、
剛性(反力)が大きくなりすぎてしまう。
この点、本実施の形態では、複数の素線50を並行に集合化して両端部のみで素線50
を互いに固定することで、複数本集合しても剛性(反力)を維持したまま、断面積を大き
くすることができる、すなわち耐久性を向上できることを見出したのである。
集合化する素線50の本数は、(要求される剛性(反力))との関係から、前記のよう
に2〜7本が好適であり、特に3〜5本程度が好適である。このとき、複数の素線50に
よって構成されるサスペンションワイヤ18は、図2A、Bのように集合化された状態で
構成される。
なお、3本以上、7本以下の素線を集合化する場合、図2Bに示すように、外周に位置
し、かつ隣り合う素線の横断面の中心点を結んだ直線がほぼ正多角形をなすように配置す
ると好適である。具体的には、図2Bのように正三角形、正方形、正六角形などとする。
これにより、可動部14が固定部12に対して平行移動(レンズの光軸に対して垂直方
向への移動)する際、各サスペンションワイヤ18の各素線に対する負荷が均等に作用し
、可動部14が固定部12に対してバランスよく移動可能となる。
図3は、サスペンションワイヤ18に用いる素線50の一例(素線50a)を示す断面
図である。素線50aは、導体部51の外周にめっき層52、更にその外周に被覆層53
を有する。
導体部51は、弾性を有し、導電性に優れる、ニッケル銅合金、ジルコニウム銅合金、
ベリリウム銅合金、銅銀合金、リン青銅合金などの、銅合金製から構成されると好適であ
る。
また、これら導体部51の表面には、金、銀、銅またはこれらの合金による貴金属また
は貴金属合金の導電性のめっき層52を有すると好適である。これにより、導電性を高め
ることができ、またこれらめっき層52の種類の変更や厚さを変更することによって導電
率の調整をすることができる。なお、めっき層52は、半田付け性に優れており、その作
業性を向上させることができる。
なお、めっき層52と導体部51の間に下地膜を設けてもよい。例えば、めっき層52
を銅めっき層とした場合は、その銅めっき層の下地膜として、薄いニッケルめっき層を設
けることが好ましい。
更に、めっき層52の外周には、絶縁層53を有するのが好ましい。この絶縁層53は
、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂及びポリアミドイミド
樹脂から選ばれる少なくとも1又は2以上の樹脂から構成することができる。
絶縁層53には、特にはんだ付け可能なウレタン樹脂を用いることが好ましい。絶縁層
53の厚さは特に限定されないが、例えば3μm以上10μm以下の範囲内であることが
好ましい。更に、絶縁層53の外周には、ナイロン層や融着層を設けてもよい。
素線50aは、めっき層52を含む外径が20μm以上60μm以下の範囲内であるこ
とが好ましい。引張強度が1400MPa以上であり、導電率が9%IACS以上50%
IACS以下の範囲内であることが好ましい。
超小型カメラモジュールが備える手振れ補正装置用の短尺のサスペンションワイヤとし
て好適に使用することができる。また、上述範囲内の細径かつ短尺であったとしても、引
張強度が上記範囲内であるので、手振れ補正装置用のサスペンションワイヤとして好まし
く、また、落下等の衝撃が加わったとしても断線や変形が発生しない。また、めっき層5
2を含むサスペンションワイヤの導電率が上記範囲内であるので、上述範囲の細径ワイヤ
であっても良好な導電性を示し、消費電力の低減に寄与できる。
なお、図4A、Bに示すように、サスペンションワイヤ18の複数の素線50のうち、
少なくとも1本の素線50bを他の素線50aと異なる材質および/または形状(太さ)
で構成することもできる。
異なる材質の素線50bとしては、銅以外の非磁性金属線や、ゲル状素材やエラストマ
ー材など異なる弾性を有する材料から構成される線を使用可能である。
非磁性金属線には、オーステナイト系ステンレス鋼のような非磁性ステンレス合金や金
、銀、鉛などを用いることができる。
ゲル状素材としては、タイカ社製のαゲル(登録商標)やスリーボンド社製の紫外線硬
化型のシリコン樹脂から構成されるTB3168を用いることができる。
エラストマー材としては、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム等の樹脂系熱硬化
性エラストマーやポリスチレン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の熱可塑性エラスト
マーを用いることができる。
線径や素材を変更した素線50bを用いることによって、サスペンションワイヤ18を
構成する複数の素線50(素線50a)に存在する剛性(反力)のばらつき部分を補正す
ることができる。
また、ゲル状材料やエラストマー材等の弾性体からなる素線50bと他の素線50aを
組み合わせることで、サスペンションワイヤ18全体の弾性力の調整を行うことができる

特に、ゲル状材料は振動吸収材(ダンパー材)としての働きも期待できる。具体的には
、ゲル状材料が有する粘弾性によって、内部で発生する振動や応力、外部からの振動を吸
収し、レンズへ影響を与えないように機能する。特に、防振と衝撃緩衝としての役割が期
待できる。
異なる材質および/または形状(太さ)で構成された素線50bの本数は、要求される
剛性(反力)、引張強度、電気抵抗で決定することが好ましい。また、素線50aと異な
る材質および/または形状(太さ)で構成された素線50bの配置は、動作バランスとい
う観点から、要求される特性で決定した位置に素線50bを配することが好ましい。
また、異なる形状として素線50aと同じ素材を用いて異なる径の素線50bを用いる
際には、剛性(反力)によってその径を決定すればよい。
なお、異なる材質で構成された素線50bの径については、要求される剛性(反力)、
引張強度、電気抵抗に基づいてそのサイズを決定すればよい。
サスペンションワイヤ18の長さは特に限定されるものではないが、2〜4mm程度の
長さが適当である。
サスペンションワイヤ18は、予め複数の素線50の両端部をハンダ付けして一体化し
たものを、その一端側において固定部12の第1の接続部20にハンダ付けして固定し、
他端側において可動部14の第2の接続部22にハンダ付けして固定するようにするとよ
い。このように、予め複数の素線50の両端部をハンダにより一体化したサスペンション
ワイヤ18を用いることで、ハンドリングを容易にし、また第1の接続部20、第2の接
続部22への固定を確実に行える。
各素線50を接続部に個別に固定するのは作業上厄介であるし、断線のおそれもあるた
め好ましくない。
次に、図5に示すモデルA、モデルB、モデルCの3種類のサスペンションワイヤ18
を作製し、これらの、反力測定と屈曲試験を行った。結果を図7、図9に示す。
モデルAのサスペンションワイヤ18は、φ49μmの1本の素線50である単線からな
り、モデルBのサスペンションワイヤ18は、モデルAと総断面積が同じくなるようにφ
24μmの4本の素線50の撚線(ピッチ1mm)からなり、モデルCのサスペンションワイヤ
18は、モデルAと断面二次モーメントが同じになるようにφ34μmの4本の素線50の
束線(撚線でない)からなる。モデルCが、本実施の形態におけるサスペンションワイヤ
18の構成に対応する。モデルAの単線と、モデルB及びCの各素線50は断面が円形で
ある。
(反力測定)
各モデルにおいて、図6のように、3点曲げ試験器を用いてサスペンションワイヤ18
の反力測定を行った。図6のような3点曲げ試験器による3点曲げの際には、荷重Fと試
験片X(本測定では、サスペンションワイヤ18)の外径D、ヤング率E、撓み量Δl、
支持梁S1,S2間距離Lとの間には、次のような関係が成立する。
F=3πD4・E・Δl/4L3
この法則に基づき、試験片の支持梁S1,S2間距離Lを5.2mmとし、支持梁S1,
S2間の中央点に荷重Fを負荷した際の試験片の撓み量Δlが0.3mmとなるように荷
重Fを反力(mN)として測定した。このときの測定回数nは5回とし、各モデルの平均
値及び最大値・最小値を求めた。
なお、ここで求める反力(mN)は試験様式とアクチュエータ構造が同等という関係か
ら上述する剛性と同意義である。
図7に反力試験結果を示す。
図7に示すように、反力測定の結果においては、それぞれのモデルで平均値に大きな差
異はない。
仮にモデルAの単線の場合に、剛性(反力)が求められる剛性を満足するとする。
図7から明らかなように、剛性(反力)において、モデルBはモデルAに対してばらつ
きが大きく生じている。これは、モデルBの撚線において各素線が1本ずつ独立して動く
ことができる状態の断面分離と、各素線が一体化した状態の形状凍結とが、発生したりし
なかったりすることによって、剛性(反力)に大きな変動が生じたためである。
すなわち、複数の素線50の集合体としても、モデルBのように、断面積の総和を同じ
にしても、剛性(反力)が保てず、可動部を有効に支持できない場合があることがわかる

一方、サスペンションワイヤ18をモデルCのように複数の素線の平行な集合体であっ
て、断面二次モーメントをモデルAの1本の太い単線と同じ位にした場合、剛性(反力)
の点において、求められる剛性(反力)を有するモデルAの1本の太い単線の場合と同等
の剛性がばらつきの少ない状態で維持でき、強度的に可動部を十分に支持でき、かつ柔軟
性も維持できることがわかる。
すなわち、サスペンションワイヤ18の特性の評価の際、剛性の点において、総断面積
を考慮するよりも、断面二次モーメントの大きさを選択の判断の指標とするのがよいこと
がわかる。
(屈曲試験)
次に、各モデルにおいて、図8のように屈曲試験をおこなった。このとき、試験速度1
サイクル/秒、曲げ半径2.5mm、曲げ角度±90度、負荷50gfとし、各モデルの
試験片が破断するまでの屈曲回数を求めた。このときの測定回数nは5回とし、各モデル
の平均値及び最大値・最小値を求めた。
図9に屈曲試験の結果を示す。
図9に示すように、タイプAに対して、タイプB及びタイプCの屈曲回数が向上してい
ることがわかる。特に、タイプCはタイプAに対して、屈曲回数が4倍以上に向上してお
り耐久性に優れていることがわかる。
タイプBは、タイプAに対して屈曲回数が2.5倍以上に向上しているが、ばらつきも
大きい。これは、反力測定の結果と同様に、モデルBの撚線において各素線が断面分離状
態と、形状凍結状態とが、発生したりしなかったりすることによって、発生応力の変動が
生じたためである。
図7、図9からわかるように、モデルBは、モデルAに比して剛性(反力)及び耐久性
の点で大きくばらつきが発生するために使用に絶えず、この点モデルCの場合、剛性(反
力)においては、モデルAと同等の剛性を維持しつつ、応力が緩和されて、耐久性(屈曲
試験)において、モデルAに比して大きく改善されていることがわかる。
次に、表1は、φ43μmの素線(単線)を1本ずつ5本まで増やした場合の断面積相当
径と断面二次モーメント相当径を示す表である。各素線は並列され、それぞれ動きは独立
しているとする。
Figure 0006982147
この5種類のサスペンションワイヤを用いた場合の反力(剛性)を実測したデータを図
10に示す。
図10において、グレーのドット(点)で示すデータが、1本の単線で、線径を変えて
実測した場合の反力の実測データである。
また、図10において大きな黒丸点で示すデータが、断面二次モーメント相当径におけ
る素線に相当する反力のデータである。
図10における黒三角点で示すデータは、断面積相当径に対応する素線とした場合の反
力のデータである。
図10から明らかなように、反力は、断面積相当径でなく、断面二次モーメント相当径
に比例して増えることがわかり、図7の結果と同等の結果が得られている。
10 レンズ支持装置
12 固定部
14 可動部
16 支持機構
18(18a、18b、18c) サスペンションワイヤ
20 第1の接続部
22 第2の接続部
50、50a、50b 素線
51 導体部
52 めっき層
53 被覆層

Claims (7)

  1. 固定部と、
    レンズを有し、支持機構により、前記固定部に対して前記レンズの光軸方向と垂直な方
    向に移動可能に支持される可動部と、
    を備え、
    前記支持機構は、
    弾性を有する複数の素線が並行に集合化されたサスペンションワイヤと、
    前記サスペンションワイヤの一端が接続される前記固定部における第1の接続部と、
    前記サスペンションワイヤの他端が接続される前記可動部における第2の接続部と
    を有し、
    前記サスペンションワイヤの前記複数の素線は前記第1の接続部と前記第2の接続部の
    みで互いに固定されていることを特徴とするレンズ支持装置。
  2. 前記サスペンションワイヤは、2本以上7本以下の素線が集合化されていることを特徴
    とする請求項1記載のレンズ支持装置。
  3. 前記サスペンションワイヤは、外周に位置し、かつ隣り合う素線の横断面の中心点を結
    んだ直線がほぼ正多角形をなすように配置されていることを特徴とする請求項1記載のレ
    ンズ支持装置。
  4. 前記複数の素線のうち、少なくとも1本の素線が他の素線と異なる材質および/または
    形状をなす素線であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のレンズ支持装置
  5. 前記第1の接続部および前記第2の接続部において、
    前記複数の素線の端部が一体化されて固定されていることを特徴とする請求項1〜4い
    ずれか1項記載のレンズ支持装置。
  6. 前記複数の素線の各表面に、貴金属もしくは貴金属合金のめっき層が形成されているこ
    とを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のレンズ支持装置。
  7. 前記可動部と前記固定部とが、複数個所において、前記サスペンションワイヤにて連結
    されていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のレンズ支持装置。
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Citations (6)

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