JP6980569B2 - 被覆粒状肥料、被覆粒状肥料の製造方法、配合肥料および栽培方法 - Google Patents
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Description
フィラーを被膜の有効成分とすることは知られていたが、それぞれのフィラーは被覆粒状肥料の被膜を薄膜化し、かつ実用的な生産性で製造できるものではなかった。フィラーによって薄膜化するには更なる技術の向上が必要であり、従来知見だけでは不充分であった。
(1)
1種以上の肥料成分を含む粒状肥料と、該粒状肥料表面を被覆する被膜とを有し、
前記被膜が樹脂と高純度タルクとを含む被膜材料から形成され、
前記高純度タルク100質量%中、MgOおよびSiO2を合計で90〜95質量%含み、かつAl2O3を1.5質量%以下含む、被覆粒状肥料。
(2)
被覆粒状肥料100質量%中、被膜を2〜15質量%含む、前記(1)記載の被覆粒状肥料。
(3)
被膜材料100質量%中、熱可塑性樹脂を10〜80質量%含み、かつ前記高純度タルクを20〜90質量%含む、前記(1)または(2)記載の被覆粒状肥料。
(4)
前記被膜材料が、界面活性剤、多糖類および多糖類の誘導体から選ばれた1種以上を含む、前記(1)〜(3)いずれか一項記載の被覆粒状肥料。
(5)
前記高純度タルクのメディアン径が6〜30μmの範囲である、前記(1)〜(4)いずれか一項記載の被覆粒状肥料。
(6)
前記高純度タルクの白色度が85以上である、前記(1)〜(5)いずれか一項記載の被覆粒状肥料。
(7)
高純度タルク100質量%中、水分を0.5質量%以下含む、前記(1)〜(6)いずれか一項記載の被覆粒状肥料。
(8)
前記被覆粒状肥料を25℃水中に浸漬した場合の前記肥料成分の溶出率が、80質量%に達する迄の期間が10〜500(日)である、前記(1)〜(7)いずれか一項記載の被覆粒状肥料。
(9)
溶出パターンが時限溶出型を示す被覆粒状肥料であって、
前記肥料成分の溶出率が10質量%に達する迄の期間をd1(日)、
前記肥料成分の溶出率が、10質量%を超えて80質量%に達する迄の期間をd2(日)とする時、
d1/d2が0.1以上であり、かつd1が5〜150(日)の範囲である、前記(1)〜(8)いずれか一項記載の被覆粒状肥料。
(10)
前記(1)〜(9)いずれか一項記載の被覆粒状肥料と、非被覆粒状肥料を混合してなる配合肥料。
(11)
流動層または噴流層を有する被覆装置を用い、前記装置から排出された溶剤を含む流動ガスを除塵器で除塵後、凝縮器および/または活性炭によって溶剤を回収し、前記凝縮器で分離されたガスを加熱器で加熱して、前記回収溶剤と前記加熱ガスを循環再使用する方法であって、下記工程(A)〜(D)を含む、被覆粒状肥料の製造方法。
工程(A):トルエン、テトラクロロエチレンおよびトリクロロエチレンから選ばれた1種以上を含む前記溶剤に、
樹脂と100質量%中、MgOおよびSiO2を合計で90〜95質量%含み、かつAl2O3を1.5質量%以下含む高純度タルク
とを含む被膜材料を溶解または懸濁させて被覆液を調製する工程;
工程(B):前記被覆装置内において流動ガス気流下で前記被覆液を粒状肥料に噴霧するとともに、前記被覆液中の溶剤を蒸発乾燥させることにより粒状肥料表面に被膜を形成させる工程;
工程(C):工程(B)により被膜が形成された粒状肥料に含まれる前記溶剤を通風により脱気して除去することにより、その濃度を前記被膜が形成された粒状肥料に対して500ppm以下にする工程;および
工程(D):工程(C)の通風による脱気処理後の溶剤含有ガスから前記溶剤を凝縮器および/または活性炭を用いて回収する工程。
(12)
前記(1)〜(9)のいずれか一項記載の被覆粒状肥料、または前記(10)記載の配合肥料を用いる、植物の栽培方法。
本発明の製造方法により、粒状肥料に被覆する被膜を薄膜化することができ、薄い被膜であるにも拘わらず優れた肥料成分の溶出コントロール性を有す被覆粒状肥料を製造することができる。
本発明の被覆粒状肥料は、1種以上の肥料成分を含む粒状肥料と、該粒状肥料表面を被覆する被膜とを有し、前記被膜が樹脂と高純度タルクとを含む被膜材料から形成され、前記高純度タルク100質量%中、MgOおよびSiO2を合計で90〜95質量%含み、かつAl2O3を1.5質量%以下含む、被覆粒状肥料である。本発明の被覆粒状肥料は、粒状肥料の全外面を前記被膜材料によって被覆することにより、被膜の薄膜化を達成しつつ、溶出コントロール性に優れる。
本発明の被覆粒状肥料の被膜は、本発明の効果を阻害しない範囲において、さらに他の被覆層を含んでもよい。例えば、最表層に微量要素等の肥料成分や肥効増進剤、農薬成分等を含有させた被膜、耐機械性を付与した被膜、水田等の湛水条件下における浮上を抑制するための被膜、被膜全体の分解性を制御する被膜等のような層を形成させることができる。
本発明の被膜材料は、樹脂と高純度タルクとを含む。本発明の被覆粒状肥料の被膜は、前記被膜材料から形成されるものであり、粒状肥料の表面に被覆される。
本発明で用いられる高純度タルクは、一般的に使用されるタルクとはMgOとSiO2を多く含むことで区別され、高純度タルク100質量%中、MgOおよびSiO2を合計で通常90〜95質量%含み、好ましくは92〜95質量%含む。さらに、高純度タルク100質量%中、不純物であるAl2O3を通常1.5質量%以下、好ましくは1質量%以下含む。高純度タルク100質量%中、Al2O3を通常0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上含む。
この定義に対応する市販のタルクを例示すると、例えば、クラウンタルクPP(松村産業株式会社製)である。
タルクは、ポリマーとの良好な親和性を確保するために、表面処理(例えばシラン化)されていてもよい。
本発明被膜材料の樹脂は特に限定されず、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の何れであってもよい。樹脂としては熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、一種単独で用いても、二種以上を用いてもよく、具体的には、オレフィン系重合体、塩化ビニリデン系重合体、ジエン系重合体、ワックス類、ポリエステル、石油樹脂、天然樹脂、油脂およびその変性物、ウレタン樹脂を挙げることができる。
本発明の被覆粒状肥料において、芯材として用いることのできる粒状肥料としては、通常は肥料成分として窒素、りん酸、加里を1種以上含むものであり、具体的には窒素質肥料、リン酸質肥料、加里質肥料のほか、必要によって植物必須要素のカルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄、マンガンやほう素等の微量要素やケイ素等を含有する肥料を挙げることができる。また、硝酸化成抑制材や農薬成分等を含む肥料でもよい。これらの中でも、水溶解度が大きく環境流出しやすい硫酸アンモニア、尿素、硝酸アンモニア等を含む窒素質肥料や硫酸加里、塩化加里等を含む加里質肥料、尿素、アンモニア性窒素、硝酸性窒素を含む化成肥料等が好ましく、肥料成分当たりの単価が安い尿素がより好ましい。
円形度係数={(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の輪郭の長さ)2}
被覆率[質量%]=(被膜材料質量/被覆粒状肥料質量)×100
被覆率が上記の範囲であると、溶出コントロール性が充分となり、かつ薄膜化を達成した被膜を得ることができる。一方、被覆率が小さすぎると生産性を下げて丁寧に被覆する必要があり、被覆率が大きいとそれだけ被覆に要する時間が必要となるためコスト高となる。
また、上記被覆粒状肥料の形態は、特に限定されるものではないが、放出速度を安定的にコントロールするという点から、粒状であることが好ましく、球状に近いことがより好ましい。
被覆粒状肥料10gと、25℃の200mlの蒸留水を容器に加えて25℃で静置した。7日経過後、該容器から水を全て抜き取り水中に溶出した肥料成分量を求めた。以後7日経過毎に水の抜き取りを行った。水を抜き取った後、該被覆粒状肥料および蒸留水200mlを再度該容器に入れ、同様に静置した後、水中に溶出した肥料成分量を求める操作を行った。前述の操作を繰り返し、水中に溶出した肥料成分の積算値を求め、被覆粒状肥料に含まれる全肥料成分量に対する水中に溶出した肥料成分量の割合を(A)要件における肥料成分の溶出率とする。
工程(A):トルエン、テトラクロロエチレンおよびトリクロロエチレンから選ばれた1種以上を含む前記溶剤に、樹脂と100質量%中、MgOおよびSiO2を合計で90〜95質量%含み、かつAl2O3を1.5質量%以下含む高純度タルクとを含む被膜材料を溶解または懸濁させて被覆液を調製する工程;
工程(B):前記被覆装置内において流動ガス気流下で前記被覆液を粒状肥料に噴霧するとともに、前記被覆液中の溶剤を蒸発乾燥させることにより粒状肥料表面に被膜を形成させる工程;
工程(C):工程(B)により被膜が形成された粒状肥料に含まれる前記溶剤を通風により脱気して除去することにより、その濃度を前記被膜が形成された粒状肥料に対して500ppm以下にする工程;および
工程(D):工程(C)の通風による脱気処理後の溶剤含有ガスから前記溶剤を凝縮器および/または活性炭を用いて回収する工程。
被覆液は、被膜材料の割合が通常0.1〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、さらに2〜10質量%が特に好ましい。
なお、回収した溶剤は工程(A)にて再利用することができる。
より具体的には、肥料成分として窒素、りん酸、加里から選ばれた1種以上を含む被覆粒状肥料は、窒素、りん酸、加里を個別に含む被覆粒状肥料であっても、窒素、りん酸、加里全てを含む被覆粒状肥料であってもよい。また、例えば窒素の溶出挙動が異なる被覆粒状肥料であってもよい。肥料成分含有率が高い窒素質肥料である尿素が好ましい。
また、肥料の三要素(窒素、りん酸、加里)の合計成分量が30%以上の高度化成肥料や配合肥料、有機質肥料を含む化成肥料、更には有機質肥料でもよい。
配合方法としては、公知の混合技術が適用可能である。例えば、撹拌式としてはロータリー式ドラム型、ミキシングコーン型、TVA式配合塔等が、自重で落下しながら配合する累積式等が挙げられる。
本発明で用いられるタルクの諸物性を測定した。メディアン径D50はレーザー回折法、白色度はハンター法、含有水分量はJIS K5101に準じた。表1の純度の高低は該タルクに含まれるMgOおよびSiO2を合計で90〜95質量%含み、かつAl2O3を1.5質量%以下含むものを高とし、それ以外を低とした。表1に、実施例および比較例の被覆粒状肥料を製造した際に使用したタルクの物性を示した。
2.被覆粒状肥料の製造
図1に示す製造装置を用いて、次の方法により粒状肥料(粒状尿素)の表面に被膜を形成した。製造装置内では、熱風4が流動層1の下部から上部に向けて流れ集塵機6を通過し、凝縮器7でガスを冷却し、溶剤を凝縮回収する。凝縮器7を通過したガスはブロワー8からヒーター12を通過して加熱され熱風4として再度流動層1へ導かれるように循環している。このようなクローズドシステムを採用することで溶剤を外部に排出することはない。
被覆粒状肥料の製造条件
粒状尿素:15kg
被覆中の粒子温度:60℃
溶解温度:100〜110℃
噴霧液温度:80〜100℃
熱風温度:130〜140℃
スプレー流速:108kg/h
実施例2〜4、比較例1〜2については、実施例1のタルクを表1のとおり変えた以外は同様にして被覆粒状肥料の製造を行った。
実施例および比較例で得られた被覆粒状肥料(以下、サンプルとする)50粒を1粒ずつカッターナイフ(カッターナイフS、プラス株式会社製)で2面をカットし、水中に静置して内部の粒状肥料を除去、乾燥し、幅約2.0mmのリング状の膜を作製する。作製したリング状の膜についてデジタルフォースゲージ(型式FGP−0.5、日本電産シンポ株式会社製)を用い、リングを切断するに要する荷重を測定した。得られた値[N]を被膜強度とし、下記判断基準により評価した。
AA…被膜強度が0.5N以上であった。
BB…被膜強度が0.2N以上かつ0.5N未満であった。
CC…被膜強度が0.2N未満であった。
<25℃水中での1日経過後の肥料成分の溶出率>
実施例および比較例で得られた被覆粒状肥料(以下、サンプル)について、水中溶出挙動の測定を実施した。実施例および比較例で得られたサンプル10gと、25℃に調整しておいた200mlの蒸留水を蓋付きポリ容器に加えて25℃設定のインキュベーター内に静置した。1日経過後、該容器から水を全て抜き取り、抜き取った水に含まれる尿素量(尿素溶出量)を定量分析(ジメチルアミノベンズアルデヒド法 「詳解肥料分析法 第二改訂版」養賢堂)により求め、1日経過後の肥料成分の溶出率を求めた。
上記<25℃水中での1日経過後の肥料成分の溶出率>の測定においてポリ容器から水を抜き取った後、<25℃水中での1日経過後の肥料成分の溶出率>の測定を行った後のサンプルおよび新たな蒸留水200mlを再度該容器に入れ、同様に静置した。6日経過後同様に該容器から水を全て抜き取り、以後7日ごとに水の抜き取りをおこなった。尿素溶出量の積算値が、予め同一ロットの被覆粒状肥料を用いて測定した尿素含有量の80質量%に達する迄この操作を繰り返した。
AA…比較例1(75日)と比べて、溶出期間が10日以上長期化した。
BB…比較例1(75日)と比べて、溶出期間が1日以上、10日未満長期化した。
CC…比較例1(75日)と比べて、溶出期間が1日未満長期化した、溶出期間が変化しなかった、または、溶出期間が短期化した。
被覆率を3、5、12%とするほかは実施例1と同様にして被覆粒状肥料の製造を行った(実施例5〜7)。また、被覆率を5%とするほかは比較例1と同様にして比較例3の被覆粒状肥料を得た。
背負い型動力散布機(DMD−5501−26、共立社製)を用いて、エンジンスロットル8、シャッター開度10の条件で、被覆粒状肥料10kgを散布し、筒先から10m以上吐出した被覆粒状肥料を回収した。回収した被覆粒状肥料を縮分器により50g迄縮分し、試験前の被覆粒状肥料10gと合わせて上記4.被覆粒状肥料の溶出測定に準じて分析を行い、溶出率を算出した。10日目の溶出率について、下記判断基準により評価した。
AA…試験前と試験後の10日目の溶出率の差が3質量%未満で、溶出挙動はほとんど影響を受けなかった。
BB…試験前と試験後の10日目の溶出率の差が3質量%以上かつ10質量%未満で、溶出挙動は多少影響を受けた。
CC…試験前と試験後の10日目の溶出率の差が10質量%以上で、溶出挙動は大きく影響を受けた。
比較例3は機械施肥の影響を受けるため、使用方法や用途が限定される。
6.時限溶出型被覆粒状肥料の製造(被膜組成による影響)
表4のとおり、被膜材料組成等を変える以外は、各実施例は実施例1、各比較例は比較例1に準じて溶出パターンが時限溶出型を示す被覆粒状肥料(実施例8〜13、比較例4〜5)を製造した。
EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名「エバフレックス360」(三井デュポンポリケミカル株式会社製))
コーンスターチ:商品名LMスターチ、王子コーンスターチ株式会社製
SA:界面活性剤、ポリオキシエチレンモノステアレート HLB8.0(商品名 ノニオンS−2、日油株式会社製)
Fe1:ステアリン酸鉄(III)
Fe2:アセチルアセトン第二鉄
また、溶出測定開始から10質量%溶出に至る迄の日数を「d1」とし、それ以降80質量%溶出に至る迄の日数を「d2」とした。結果を表5に示す。
また、実施例8〜13はd1/d2が0.1以上となった。このため、溶出を抑えた後の肥料成分が必要時期に必要な量だけ供給できることが可能であるほか、このような高性能かつより多くの肥料成分を含む製品を安価に供給することができる。
比較例4は、溶出が速く、溶出期間が短かった。また、被膜強度が実施例より劣っていた。
比較例5は、製造時に粒同士が結合、脱着を繰り返し、被膜欠陥が認められた。
実施例の被覆粒状肥料を用いて以下の通り配合肥料の製造を行った。上記で製造した実施例8〜13の被覆粒状肥料と非被覆粒状肥料の化成肥料(硫加燐安300、N−P2O5−K2O=3.5(%)−20.5(%)−20.5(%)、ジェイカムアグリ株式会社製)とを、質量比30:70の割合で混合し、本発明の配合肥料を得た。
製造後に配合肥料を採取し、被膜の状態の観察を行った。その結果、被膜の欠損は見られなかったため、必要充分な被膜強度が確保されていることが分かった。
実施例8および比較例4の被覆粒状肥料を含む前記7.配合肥料の製造で製造した配合肥料を用いて水稲(品種「ヒノヒカリ」)の栽培試験を行った。慣行法に準じて水稲苗を育成し、静岡県富士市鮫島の水田に移植した。上記配合肥料は移植と同時に同量側条施肥するほかは慣行法に準じて栽培を行った。追肥は行っていない。
2.スプレーノズル
3.粒子
4.熱風
5.噴霧液
6.集塵機
7.凝縮器
8.ブロワー
9.溶解槽
10.ポンプ
11.タンク
12.ヒーター
13.抜き出し口
Claims (12)
- 1種以上の肥料成分を含む粒状肥料と、該粒状肥料表面を被覆する被膜とを有し、
前記被膜が樹脂と高純度タルクとを含む被膜材料から形成され、
前記高純度タルク100質量%中、MgOおよびSiO2を合計で90〜95質量%含み、かつAl2O3を1.5質量%以下含む、被覆粒状肥料。 - 被覆粒状肥料100質量%中、被膜を2〜15質量%含む、請求項1記載の被覆粒状肥料。
- 被膜材料100質量%中、熱可塑性樹脂を10〜80質量%含み、かつ前記高純度タルクを20〜90質量%を含む、請求項1または2記載の被覆粒状肥料。
- 前記被膜材料が、界面活性剤、多糖類および多糖類の誘導体から選ばれた1種以上を含む、請求項1〜3いずれか一項記載の被覆粒状肥料。
- 前記高純度タルクのメディアン径が6〜30μmの範囲である、請求項1〜4いずれか一項記載の被覆粒状肥料。
- 前記高純度タルクの白色度が85以上である、請求項1〜5いずれか一項記載の被覆粒状肥料。
- 高純度タルク100質量%中、水分を0.5質量%以下含む、請求項1〜6いずれか一項記載の被覆粒状肥料。
- 前記被覆粒状肥料を25℃水中に浸漬した場合の前記肥料成分の溶出率が、80質量%に達する迄の期間が10〜500(日)である、請求項1〜7いずれか一項記載の被覆粒状肥料。
- 溶出パターンが時限溶出型を示す被覆粒状肥料であって、
前記肥料成分の溶出率が10質量%に達する迄の期間をd1(日)、
前記肥料成分の溶出率が10質量%を超えて80質量%に達する迄の期間をd2(日)とする時、
d1/d2が0.1以上であり、かつd1が5〜150(日)の範囲である、請求項1〜8いずれか一項記載の被覆粒状肥料。 - 請求項1〜9いずれか一項記載の被覆粒状肥料と、非被覆粒状肥料を混合してなる配合肥料。
- 流動層または噴流層を有する被覆装置を用い、前記被覆装置から排出された溶剤を含む流動ガスを除塵機で除塵後、凝縮器および/または活性炭によって溶剤を回収し、前記凝縮器で分離されたガスを加熱器で加熱して、前記回収溶剤と前記加熱ガスを循環再使用する方法であって、下記工程(A)〜(D)を含む、被覆粒状肥料の製造方法。
工程(A):トルエン、テトラクロロエチレンおよびトリクロロエチレンから選ばれた1種以上を含む前記溶剤に、
樹脂と100質量%中、MgOおよびSiO2を合計で90〜95質量%含み、かつAl2O3を1.5質量%以下含む高純度タルク
とを含む被膜材料を溶解または懸濁させて被覆液を調製する工程;
工程(B):前記被覆装置内において流動ガス気流下で前記被覆液を粒状肥料に噴霧するとともに、前記被覆液中の溶剤を蒸発乾燥させることにより粒状肥料表面に被膜を形成させる工程;
工程(C):工程(B)により被膜が形成された粒状肥料に含まれる前記溶剤を通風により脱気して除去することにより、その濃度を前記被膜が形成された粒状肥料に対して500ppm以下にする工程;および
工程(D):工程(C)の通風による脱気処理後の溶剤含有ガスから前記溶剤を凝縮器および/または活性炭を用いて回収する工程。 - 請求項1〜9のいずれか一項記載の被覆粒状肥料、または請求項10記載の配合肥料を用いる、植物の栽培方法。
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