[go: up one dir, main page]

JP6961524B2 - 車両のフロントピラー補強構造 - Google Patents

車両のフロントピラー補強構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6961524B2
JP6961524B2 JP2018062752A JP2018062752A JP6961524B2 JP 6961524 B2 JP6961524 B2 JP 6961524B2 JP 2018062752 A JP2018062752 A JP 2018062752A JP 2018062752 A JP2018062752 A JP 2018062752A JP 6961524 B2 JP6961524 B2 JP 6961524B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
front pillar
reinforcement
main body
outer panel
wall portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018062752A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019172087A (ja
Inventor
康裕 阪田
壮 平塚
晃生 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2018062752A priority Critical patent/JP6961524B2/ja
Publication of JP2019172087A publication Critical patent/JP2019172087A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6961524B2 publication Critical patent/JP6961524B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、インナパネルとアウタパネルにより閉断面構造を形成しているフロントピラーの内部に、フロントピラーの軸線方向に延びるリインフォースメントが設けられた車両のフロントピラー補強構造に関する。
車両前方構造において、ロッカは、フロントタイヤの後方に位置し、フロントサイドメンバは、ロッカの前端部分から上方に延びるとともに、フロントピラー及びロッカよりも車室内側においてフロントピラーよりも前方に延びている。車両前方構造において、サスペンションタワーは、フロントサイドメンバにおけるフロントピラーよりも前方の部位においてフロントサイドメンバに結合されている。カウルトップサイドは、前端部がサスペンションタワーに結合されるとともに後端部がフロントピラーの下端部に結合されている。フロントピラーの前端部はルーフサイドレールに結合されている。
例えば、車両のオフセット衝突の際、衝撃荷重がフロントピラーに入力されると、衝撃荷重はフロントピラーを上下方向に曲げる荷重として作用する。フロントピラーにおいて、曲げ変形の内側には圧縮力が作用し、曲げ変形の外側には引っ張り力が作用する。すると、フロントピラーは、引っ張り力の作用した曲げ変形の外側に折れ曲がりが発生しやすい。そこで、例えば、特許文献1では、フロントピラーの閉断面にリインフォースメントを配置して、フロントピラーの曲げに対する強度を向上させ、曲げ変形を抑制している。
特開2016−68729号公報
ところで、微小ラップ衝突においては、オフセット衝突に比べると、フロントピラーに入力される衝撃荷重が大きくなりやすく、フロントピラーの曲げ変形の抑制がさらに望まれている。
本発明の目的は、微小ラップ衝突時のフロントピラーの曲げ変形を抑制できる車両のフロントピラー補強構造を提供することにある。
上記問題点を解決するための車両のフロントピラー補強構造は、インナパネルとアウタパネルにより閉断面構造を形成しているフロントピラーの内部に、前記フロントピラーの軸線方向に沿って延びるようにリインフォースメントが設けられた車両のフロントピラー補強構造であって、前記アウタパネルは、前記フロントピラーの軸線方向に直交する断面において車幅方向内側に開口したアウタパネル本体部を有するとともに、前記アウタパネル本体部の下端から延設された下側フランジ部、及び前記アウタパネル本体部の上端から延設された上側フランジ部を有し、前記アウタパネル本体部の下部に前記下側フランジ部から車幅方向に延設された下壁部を備える形状であり、前記リインフォースメントは、前記フロントピラーの軸線方向に直交する断面において車幅方向内側に開口した本体部を有するとともに、前記本体部の下端から延設され、前記下側フランジ部と結合される下側結合部、及び前記本体部の上端から延設され、前記上側フランジ部と結合される上側結合部を有し、前記本体部の下部は、前記フロントピラーの軸線方向に沿って延びる前記アウタパネルの前記下壁部に沿う底壁部を備えるとともに、前記底壁部の両端部に前記フロントピラーの軸線方向に沿って延びる稜線が形成されるように折り曲げ形成されており、前記本体部は、前記底壁部と前記上側結合部とを直線状に繋ぐ平板部を有することを要旨とする。
これによれば、微小ラップ衝突時に衝撃荷重がフロントピラーに入力されると、衝撃荷重はフロントピラーを上下方向に曲げる荷重として作用する。フロントピラーにおいて、曲げ変形の内側となる下部には圧縮力が作用し、曲げ変形の外側となる上部には引っ張り力が作用する。フロントピラーの下部では、リインフォースメントの下部に設けた複数の稜線を有する構造によって、圧縮力に対する強度が高められており、圧縮による座屈が抑制される。引っ張り力が作用するリインフォースメントの上部において、上側結合部に平板部が繋がることで、上側結合部付近には、平板部との境界に稜線が形成されるだけであり、その他の稜線は形成されず、複数の稜線は形成されない。このため、引っ張り力が作用しても、リインフォースメントが上側に膨らむような変形が抑制され、フロントピラーの折れ曲がりを抑制できる。
また、車両のフロントピラー補強構造について、前記リインフォースメントと前記アウタパネルとの間に配置されたアウタリインフォースメントをさらに備え、前記アウタリインフォースメントは、前記アウタパネルの前記下壁部に沿うアウタリインフォース底壁部と、前記アウタパネルの前記上側フランジ部に連設された上壁部に沿うアウタリインフォース上壁部とを備え、前記アウタリインフォース底壁部の両端部及び前記アウタリインフォース上壁部の両端部に前記フロントピラーの軸線方向に沿って延びる稜線が形成されるように折り曲げ形成されていてもよい。
これによれば、インナリインフォースメントによって、フロントピラーを上下方向に曲げる荷重に対する強度を高め、フロントピラーの折れ曲がりを抑制でき、アウタリインフォースメントによって、圧縮力に対する強度を高め、フロントピラー上部及び下部の座屈が抑制される。
本発明によれば、微小ラップ衝突時のフロントピラーの曲げ変形を抑制できる。
実施形態における車両前方構造を示す側面図。 図1の2−2線でのフロントピラーの断面図。 比較例のフロントピラーの断面図。
以下、車両のフロントピラー補強構造を具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
なお、各図における前、後は車両の前後方向を意味し、内、外は車両(車室)の内側、外側を意味する。また、以降の説明において、内側及び外側は車室内側及び車室外側を意味する。
図1に示すように、車両の前方骨格構造10は、フロントタイヤ11の後方に位置するサイドシル12と、フロントピラー20と、フロントサイドメンバ30と、サスペンションタワー31と、カウルトップサイド32を備える。
フロントピラー20は、サイドシル12の前端部分から上方に向けて斜め後方に延びている。フロントサイドメンバ30は、フロントピラー20及びサイドシル12よりも車室内側においてフロントピラー20よりも前方に延びている。フロントサイドメンバ30は、アンダリンフォース(図示せず)と結合されている。
サスペンションタワー31は、フロントサイドメンバ30におけるフロントピラー20よりも前方の部位においてフロントサイドメンバ30に結合されている。カウルトップサイド32は、前端部がサスペンションタワー31に結合されるとともに後端部がフロントピラー20に結合されている。フロントピラー20のフロントピラーアッパと共に車両のルーフサイドフレーム13を構成するルーフサイドレール14の前端部は、フロントピラー20の後端部と、ルーフサイドフレーム13の屈曲部13aにて接合されている。
次に、フロントピラー20について詳細に説明する。なお、以下の説明は、フロントピラー20のフロントピラーアッパについての説明である。図2に示すように、車両の前方骨格構造10のフロントピラー20は、閉断面構造を有する。フロントピラー20は、金属板よりなるインナパネル21と金属板よりなるアウタパネル22を有する。インナパネル21は、その長手方向(フロントピラー20の軸線方向)に直交する断面視がコ字状のインナパネル本体部21aを有する。また、インナパネル21は、インナパネル本体部21aの上端から延設されるとともに、インナパネル本体部21aに対し屈曲した上側フランジ部21bと、インナパネル本体部21aの下端から延設されるとともに、インナパネル本体部21aに対し屈曲した下側フランジ部21cを有する。インナパネル本体部21aは、フロントピラー20の軸線方向に直交する断面において車幅方向外側に開口し、車室外側に向けて開口している。
アウタパネル22は、アウタパネル本体部23を有する。アウタパネル22は、アウタパネル本体部23の下端から延設されるとともに、アウタパネル本体部23に対し屈曲した下側フランジ部24、及びアウタパネル本体部23の上端から延設されるとともに、アウタパネル本体部23に対し屈曲した上側フランジ部25を有する。アウタパネル本体部23は、フロントピラー20の軸線方向に直交する断面において車幅方向内側に開口し、車室内側に開口している。
アウタパネル本体部23は、その下部に、フロントピラー20の軸線方向に沿って延びるクランク状の下壁部23aを備える形状である。下壁部23aは、アウタパネル本体部23の下部において、フロントピラー20の軸線方向に沿って延びる稜線L1,L2を有するように折り曲げて形成されている。稜線L1は、下側フランジ部24寄りに位置する稜線であり、稜線L2は、稜線L1よりも外側に位置する稜線である。したがって、下壁部23aは、2箇所で屈曲している。
アウタパネル本体部23は、その上部に、フロントピラー20の軸線方向に沿って延びる平板状の上壁部23bを備える形状である。上壁部23bは、アウタパネル本体部23の上部において、フロントピラー20の軸線方向に沿って延びる稜線K1,K2を有するように折り曲げて形成されている。稜線K1は、上側フランジ部25寄りに位置する稜線であり、稜線K2は、稜線K1よりも外側に位置する稜線である。したがって、上壁部23bは、2箇所で屈曲している。
フロントピラー20の内部には、リインフォースメントが2枚配設されている。2枚のリインフォースメントは、インナパネル21寄りに配置されたインナリインフォースメント41と、インナリインフォースメント41とアウタパネル22との間に配置されたアウタリインフォースメント51である。
インナリインフォースメント41及びアウタリインフォースメント51は、金属板よりなり、フロントピラー20の軸線方向に直交する断面視が略コ字状である。インナリインフォースメント41及びアウタリインフォースメント51の長手は、フロントピラー20の軸線方向に延びている。
インナリインフォースメント41は、長手方向(フロントピラー20の軸線方向)に直交する断面視が略逆L字状であり、インナパネル21のインナパネル本体部21aに向けて(車幅方向内側に)開口した本体部42を有する。また、インナリインフォースメント41は、本体部42の下端から延設されるとともに、本体部42に対し屈曲した下側結合部43を備える。下側結合部43は、インナパネル21の下側フランジ部21c及びアウタパネル22の下側フランジ部24と結合される。また、インナリインフォースメント41は、本体部42の上端から延設されるとともに、本体部42に対し屈曲した上側結合部44を備える。上側結合部44は、インナパネル21の上側フランジ部21b及びアウタパネル22の上側フランジ部25と結合される。
インナリインフォースメント41の本体部42は、アウタパネル22の下壁部23aのうち、下側フランジ部24と稜線L1との間の部分に沿う平板状の底壁部45を備える。図2に示すように、底壁部45は、インナパネル21からアウタパネル22に向けて下側結合部43から延びており、本実施形態では、車幅方向に沿って下側結合部43から車室外側へ延びている。また、底壁部45は、フロントピラー20の軸線方向に沿って延びている。インナリインフォースメント41の本体部42は、底壁部45と上側結合部44とを繋ぐ平板部46を備える。したがって、インナリインフォースメント41は、底壁部45と平板部46との境界に稜線N1を有し、底壁部45と下側結合部43との境界に稜線N2を有する。よって、インナリインフォースメント41は、底壁部45の両端部に、フロントピラー20の軸線方向に沿って延びる稜線が複数形成されるように折り曲げて形成されている。すなわち、インナリインフォースメント41は、本体部42の底壁部45側に複数の稜線を備える形状である。図2の断面図に示すように、インナリインフォースメント41の本体部42の底壁部45は、稜線N1がアウタパネル22に近接するように車幅方向に延設されている。
図2に示すように、フロントピラー20の軸線方向に直交する断面視では、平板部46は、底壁部45と上側結合部44の間を接続するように直線状に延びている。インナリインフォースメント41において、平板部46と上側結合部44の接続部がなす角度のうち、小さい方の角度は鈍角である。そして、平板部46と上側結合部44との接続部は、断面視への字状に形成されている。よって、インナリインフォースメント41の平板部46の上部には、下部のような底壁部45を備えておらず、稜線の数も下部よりも少ない。この実施形態では、1つの折り曲げ部により、1つの稜線が形成されている。なお、上側フランジ部21b,25の形状によっては、平板部46と上側結合部44の接続部にへの字状の折り曲げ部を設けずに両部分を直線的に接続するようにインナリインフォースメント41を構成してもよい。この場合、稜線の数はさらに少なくなる。
図2に示すように、アウタリインフォースメント51は、フロントピラー20の軸線方向(長手方向)に直交する断面視において、インナリインフォースメント41に向けて開口する本体部52を有する。また、アウタリインフォースメント51は、本体部52の下端から延設されるとともに、本体部52に対し屈曲した第1結合部53を備える。第1結合部53は、インナパネル21の下側フランジ部21c及びアウタパネル22の下側フランジ部24と結合される。アウタリインフォースメント51は、本体部52の上端から延設されるとともに、本体部52に対し屈曲した第2結合部54を備える。第2結合部54は、インナパネル21の上側フランジ部21b及びアウタパネル22の上側フランジ部25と結合される。
アウタリインフォースメント51の本体部52は、アウタパネル22の下壁部23aのうち、下側フランジ部24と稜線L1との間の部分、及びインナリインフォースメント41の底壁部45に沿う平板状のアウタリインフォース底壁部55を備える。アウタリインフォース底壁部55は、インナパネル21からアウタパネル22に向けて第1結合部53から延びており、本実施形態では、車幅方向に沿って第1結合部53から車室外側へ延びている。また、アウタリインフォース底壁部55は、フロントピラー20の軸線方向に沿って延びている。さらに、アウタリインフォースメント51の本体部52は、アウタリインフォース底壁部55から斜めに延設された延設部56を備える。
また、アウタリインフォースメント51の本体部52は、第2結合部54と延設部56の間に位置するコ字状部57を備える。コ字状部57は、インナリインフォースメント41に向けて開口する形状である。
アウタリインフォースメント51の本体部52は、アウタリインフォース底壁部55と延設部56との境界に稜線M1を有し、アウタリインフォース底壁部55と第1結合部53との境界に稜線M2を有する。よって、アウタリインフォースメント51は、アウタリインフォース底壁部55の両端部に、フロントピラー20の軸線方向に沿って延びる稜線が複数形成されるように折り曲げて形成されている。また、本体部52は、延設部56とコ字状部57との境界に稜線M3を有する。アウタリインフォースメント51は、本体部52のアウタリインフォース底壁部55側に複数の稜線を備える形状である。したがって、本体部52は、下部側で3箇所で屈曲している。
アウタリインフォースメント51の本体部52は、アウタパネル22の上壁部23bに沿う平板状のアウタリインフォース上壁部58を備える。アウタリインフォース上壁部58は、第2結合部54からアウタパネル22に向けて延びており、本実施形態では、車幅方向に沿って第2結合部54から車室外側へ延びている。また、アウタリインフォース上壁部58は、フロントピラー20の軸線方向に沿って延びている。
そして、アウタリインフォースメント51の本体部52は、アウタリインフォース上壁部58の両端部にフロントピラー20の軸線方向に沿って延びる稜線R1,R2を有する。よって、アウタリインフォースメント51は、アウタリインフォース上壁部58の両端部に、フロントピラー20の軸線方向に沿って延びる稜線が複数形成されるように折り曲げて形成されている。すなわち、アウタリインフォースメント51は、本体部52のアウタリインフォース上壁部58側に複数の稜線を備える形状である。
よって、本体部52は、上側に2本の稜線を備え、折り曲げ部を2箇所備えるとともに、下側に3本の稜線を備え、折り曲げ部を3箇所備える。
インナリインフォースメント41の稜線N1,N2と、アウタリインフォースメント51の稜線M1,M2,M3は、フロントピラー20の閉断面構造の断面中心Pをよりも下側に位置している。
次に、車両のフロントピラー補強構造の作用について説明する。
図1に示すように、微小ラップ衝突時、微小ラップバリア50からの荷重伝達経路のうちの一つは、衝撃荷重が、微小ラップバリア50からカウルトップサイド32を経てフロントピラー20に伝わる経路である。衝撃荷重がフロントピラー20に入力されると、衝撃荷重はフロントピラー20(フロントピラーアッパ)を上下方向に曲げる荷重として作用する。フロントピラー20において、矢印Y1に示すように、曲げ変形の内側となる下部には圧縮力が作用し、矢印Y2に示すように、曲げ変形の外側となる上部には引っ張り力が作用する。
図2に示すように、フロントピラー20の下側において、インナリインフォースメント41の底壁部45側は稜線N1,N2を有する構造であり、アウタリインフォースメント51のアウタリインフォース底壁部55側は稜線M1,M2,M3を有する構造である。このため、インナリインフォースメント41及びアウタリインフォースメント51によって圧縮力に対する強度を高め、フロントピラー20の座屈が抑制される。
図3に示すように、比較例のインナリインフォースメント71の本体部72として、底壁部75と、底壁部75から斜めに延設された第1板部76と、第1板部76の上端から上側結合部74に向けて延設された第2板部77とを有する形状とする。なお、比較例のインナリインフォースメント71は、実施形態のインナリインフォースメント41と同様に下側結合部73及び上側結合部74を有する。そして、比較例のインナリインフォースメント71において、引っ張り力の作用する本体部72上部の第2板部77の両端部において、第1板部76と第2板部77の境界、及び第2板部77と上側結合部74の境界に稜線Tを設け、折り曲げ部を設ける。よって、比較例のインナリインフォースメント71は、実施形態のインナリインフォースメント41よりも、上部に折り曲げ部(稜線)を多く設定した形状である。
微小ラップ衝突時、比較例のインナリインフォースメント71の上部に引っ張り力が作用すると、上側結合部74と第2板部77の間の稜線T、及び第1板部76と第2板部77の間の稜線T付近から第2板部77が上側に膨らむ変形が発生し、インナリインフォースメント71の断面形状が崩れやすい。同様に、アウタリインフォースメント51の上部に引っ張り力が作用すると、アウタリインフォース上壁部58が上側に膨らむ変形が発生し、アウタリインフォースメント51の断面形状が崩れやすい。インナリインフォースメント41及びアウタリインフォースメント51の断面形状が崩れる変形が生じると、フロントピラー20は折れ曲がりやすくなる。
これに対し、図2に示すように、実施形態のインナリインフォースメント41の上部において、上側結合部44に直線状の平板部46が繋がることで、上側結合部44付近には複数の稜線(折り曲げ部)は形成されない。このため、引っ張り力が作用しても、インナリインフォースメント41が上側に膨らんで断面形状が崩れるような変形が抑制され、フロントピラー20の折れ曲がりが抑制される。
また、アウタリインフォースメント51のアウタリインフォース上壁部58の両端部に稜線R1,R2を有する構造であり、折り曲げ部を備える。このため、アウタリインフォースメント51によって圧縮力に対する強度を高め、フロントピラー20上部の座屈が抑制される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)インナリインフォースメント41において、底壁部45と上側結合部44とを直線状に延びる平板部46で繋ぐ構成とした。このため、上側結合部44付近には複数の稜線(折り曲げ部)が形成されない。よって、インナリインフォースメント41の上部に引っ張り力が作用しても、インナリインフォースメント41の上部付近で本体部42が膨らむような変形が抑制され、フロントピラー20の折れ曲がりを抑制できる。その結果として、微小ラップ衝突時に、フロントピラー20が折れ曲がることを原因としたフロントピラー20下部の車両後方への変形量を抑制できる。
(2)インナリインフォースメント41において、圧縮力が作用する底壁部45側(下部側)は稜線N1,N2が設けられた構成であるため、圧縮力によってインナリインフォースメント41の下部が座屈することを抑制でき、フロントピラー20の底壁部45側(下部側)が座屈することを抑制できる。
(3)インナリインフォースメント41の底壁部45の端部に位置する稜線N1がアウタパネル22に近接するようにした。このため、下側結合部43からの底壁部45の延設長さを長くして、圧縮力に対する強度を高めることができる。
(4)フロントピラー20は、インナリインフォースメント41に加えアウタリインフォースメント51を備える。インナリインフォースメント41によって、微小ラップ衝突時の上下方向への折れ曲がりを抑制できる。また、アウタリインフォースメント51は、アウタリインフォース上壁部58側に複数の稜線R1,R2を備え、アウタリインフォース底壁部55側にも複数の稜線M1,M2,M3を備える。このため、アウタリインフォースメント51によって圧縮力に対する強度を高め、フロントピラー20上部及び下部の座屈が抑制される。
(5)インナリインフォースメント41の稜線N1,N2と、アウタリインフォースメント51の稜線M1,M2,M3は、フロントピラー20の断面中心Pよりも下側に位置している。このため、圧縮力が作用するフロントピラー20の下部側が圧縮力によって座屈することを抑制できる。
(6)インナリインフォースメント41の形状を変更するだけで、リインフォースメントを増設したり、インナリインフォースメント41や、アウタパネル22の板厚を増加させずに、フロントピラー20の折れ曲がりを抑制できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ アウタリインフォースメント51の本体部52は、アウタリインフォース底壁部55と第2結合部54との間に平板部を備える構成であってもよい。
○ フロントピラー20の補強構造は、アウタリインフォースメント51を備えていなくてもよく、インナリインフォースメント41のみを備えた構成であってもよい。
○ インナリインフォースメント41において、断面中心Pよりも下側に稜線が位置していれば、下部側の稜線の数は適宜変更してもよい。
○ インナリインフォースメント41の上側結合部44は、稜線を有する形状であってもよい。
N1,N2…稜線、M1,M2…稜線、R1,R2…稜線、20…フロントピラー、21…インナパネル、21b…上側フランジ部、21c,24…下側フランジ部、22…アウタパネル、23…アウタパネル本体部、23a…下壁部、23b…上壁部、41…インナリインフォースメント、42…本体部、43…下側結合部、44…上側結合部、45…底壁部、46…平板部、51…アウタリインフォースメント、55…アウタリインフォース底壁部、58…アウタリインフォース上壁部。

Claims (3)

  1. インナパネルとアウタパネルにより閉断面構造を形成しているフロントピラーの内部に、前記フロントピラーの軸線方向に沿って延びるようにリインフォースメントが設けられた車両のフロントピラー補強構造であって、
    前記アウタパネルは、前記フロントピラーの軸線方向に直交する断面において車幅方向内側に開口したアウタパネル本体部を有するとともに、前記アウタパネル本体部の下端から延設された下側フランジ部、及び前記アウタパネル本体部の上端から延設された上側フランジ部を有し、前記アウタパネル本体部の下部に前記下側フランジ部から車幅方向に延設された下壁部を備える形状であり、
    前記リインフォースメントは、前記フロントピラーの軸線方向に直交する断面において車幅方向内側に開口した本体部を有するとともに、前記本体部の下端から延設され、前記下側フランジ部と結合される下側結合部、及び前記本体部の上端から延設され、前記上側フランジ部と結合される上側結合部を有し、
    前記本体部の下部は、前記フロントピラーの軸線方向に沿って延びる前記アウタパネルの前記下壁部に沿う底壁部を備えるとともに、前記底壁部の両端部に前記フロントピラーの軸線方向に沿って延びる稜線が形成されるように折り曲げ形成されており、
    前記本体部は、前記底壁部と前記上側結合部とを直線状に繋ぐ平板部を有し、前記フロントピラーの軸線方向に直交する断面において、前記平板部は、前記上側結合部から前記底壁部に向かうに従い車室外側へ延びるとともに、前記底壁部は、前記下側結合部から車室外側へ延びており、前記平板部と前記底壁部とがなす角のうち、車幅方向内側に形成される角は鋭角であることを特徴とする車両のフロントピラー補強構造。
  2. 前記上側フランジ部は、前記アウタパネル本体部との境界に稜線が形成されるように折り曲げ形成されており、前記上側結合部は、前記上側フランジ部と前記アウタパネル本体部との境界に位置する前記稜線よりも前記上側フランジ部の先端寄りに位置している請求項1に記載の車両のフロントピラー補強構造。
  3. 前記リインフォースメントと前記アウタパネルとの間に配置されたアウタリインフォースメントをさらに備え、
    前記アウタリインフォースメントは、前記アウタパネルの前記下壁部に沿うアウタリインフォース底壁部と、前記アウタパネルの前記上側フランジ部に連設された上壁部に沿うアウタリインフォース上壁部とを備え、前記アウタリインフォース底壁部の両端部及び前記アウタリインフォース上壁部の両端部に前記フロントピラーの軸線方向に沿って延びる稜線が形成されるように折り曲げ形成されている請求項1又は請求項2に記載の車両のフロントピラー補強構造。
JP2018062752A 2018-03-28 2018-03-28 車両のフロントピラー補強構造 Active JP6961524B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018062752A JP6961524B2 (ja) 2018-03-28 2018-03-28 車両のフロントピラー補強構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018062752A JP6961524B2 (ja) 2018-03-28 2018-03-28 車両のフロントピラー補強構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019172087A JP2019172087A (ja) 2019-10-10
JP6961524B2 true JP6961524B2 (ja) 2021-11-05

Family

ID=68168124

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018062752A Active JP6961524B2 (ja) 2018-03-28 2018-03-28 車両のフロントピラー補強構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6961524B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7443980B2 (ja) 2020-08-06 2024-03-06 マツダ株式会社 車両の側部車体構造

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59135275U (ja) * 1983-03-02 1984-09-10 いすゞ自動車株式会社 自動車のドア取付壁部の構造
JP2002249069A (ja) * 2001-02-22 2002-09-03 Toyota Auto Body Co Ltd 車両のフロントピラーの補強構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019172087A (ja) 2019-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4265647B2 (ja) 車体側部構造
EP2105373B1 (en) Frame structure for automotive vehicle and method of providing the same
JP6156258B2 (ja) 車両前部構造
JP6085966B2 (ja) 車両の上部車体構造
JP6536526B2 (ja) 車両用ルーフ構造
JP4483843B2 (ja) 車体骨格フレームの補強構造
JP2018192868A (ja) 車両用フレーム部材
JP2009113766A (ja) 車体側部構造
JP2011136593A (ja) フロントピラー下部構造
JP7220800B2 (ja) 車体構造
CN107953846A (zh) 保险杠强化部与纵梁的联结结构
JP2012056407A (ja) 自動車用車体骨格における補強構造
JP5686586B2 (ja) 自動車用車体骨格における補強構造
CN111284567A (zh) 车身构造
JP5535698B2 (ja) 自動車の後部車体構造
JP6569705B2 (ja) 車両用骨格構造
JP6961524B2 (ja) 車両のフロントピラー補強構造
JP2014069632A (ja) 自動車のピラー補強構造
CN110884567B (zh) 车辆的前部车身结构
JP6962952B2 (ja) 車両前部構造
CN109789899B (zh) 车辆用结构体
JP4749904B2 (ja) 自動車の側部車体構造
JP7251331B2 (ja) 上部車体構造
JP2009096287A (ja) 車両の上部車体構造
JP2016084033A (ja) 車両前部構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201001

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210720

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211005

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211013

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6961524

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250