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JP6948059B2 - miR−140−3pによる骨芽細胞からのオステオカルシン産生促進 - Google Patents

miR−140−3pによる骨芽細胞からのオステオカルシン産生促進 Download PDF

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Description

本発明は、miR−140−3pを有効成分として含むオステオカルシン産生促進剤及び骨形成促進剤、miR−140−3pを利用したオステオカルシン産生促進剤をスクリーニングする方法、並びに、健康状態を把握するため、骨形成の判定をするため、及び骨粗鬆症の治療効果を判定するためのバイオマーカーに関する。
骨は破壊と形成を繰り返しつつ支持組織としての形態の維持や体内のカルシウム代謝に貢献している。この骨吸収と骨形成を骨リモデリングと呼んでおり、骨組織中の骨芽細胞、骨細胞、破骨細胞が関与している。この骨リモデリングには骨芽細胞と破骨細胞の直接的作用だけでなく、女性ホルモンなどの液性因子も複雑に関与している。骨吸収が優位になると骨量の減少が起こり、骨粗鬆症の状態となり、脆弱性骨折の原因となって、寝たきりや認知症の発症に関与する。高齢社会の現在では脆弱性骨折を予防することが寝たきりや認知症などの加齢に伴う疾患を予防する上で重要と考えられる。
これまで骨粗鬆症の治療には破骨細胞機能の阻害を目的にしたビスフォスフォネート製剤や骨芽細胞に作用する副甲状腺ホルモン製剤、女性ホルモン製剤などが用いられてきた。
現在、骨粗鬆症治療に主に用いられているビスフォスフォネート製剤は破骨細胞機能を抑制することで骨量を維持する。また、副甲状腺ホルモン製剤は骨芽細胞に作用して骨形成を促進し、選択的エストロゲン受容体モジュレーターは骨質の改善作用も有する。このように骨粗鬆症治療薬はそれぞれ特徴的な作用を有しているが、ビスフォスフォネート製剤は長期投与により大腿骨の非定型骨折を引き起こすことがある。また、副甲状腺ホルモン製剤は骨芽細胞に直接作用するが、骨折の危険性の高い骨粗鬆症患者に24ヶ月までの期間限定で投与することと定められている。以上のようにこれまでの骨粗鬆症治療薬は副作用を含め、投薬に際して種々の制限が存在する。
このような副作用や投薬に際して種々の制限が課されない、従来とは異なる作用機序に基づく骨粗鬆症治療薬の提供が課題とされている。
近年生体内の機能調節をしている因子としてマイクロRNA(miRNA)が注目されている。miRNAは約22塩基からなる1本鎖ノンコーディングRNAであり、分泌顆粒のエクソソーム中に含まれて遠隔細胞において標的遺伝子の3’UTR部に結合し、標的遺伝子の転写後にその遺伝子発現を調節すると考えられている。miRNAは、分化、発生、腫瘍形成、および感染に対する細胞防御において、重要な役割を果たしていることが知られている。また、miRNAの中には骨芽細胞から産生、分泌されるものがある。
骨芽細胞分化の過程で、BMP経路に作用するのはmiR−29、miR−208、miR−133、miR−135、miR−138であり、Wnt経路に作用するのはmiR−29とmiR−335である(非特許文献1)。miR−29は両経路に作用するが、作用機序は独立していると考えられる。
ゲノム中に存在するmiRNAは500種類以上報告されているが、その多くのmiRNAに関する機能は依然不明である。
miR−140−3p遺伝子に関して、その機能については具体的に報告がされていない。miR−140−3pを含む医薬組成物について開示する文献がある(特許文献1)。しかしながら、特許文献1は、miR−140−3pとオステオカルシンの関係について言及するものでなく、miR−140−3pを用いた実施例を開示するものでもなく、miR−140−3pの機能は依然として不明である。オステオカルシンを含む医薬組成物についても知られているが(特許文献2)、miRNAやTGFβとオステオカルシンの関連性については開示も示唆もなく、当該医薬組成物の対象疾患は糖尿病等である。
特表2013−504542号公報 特許5421109号公報
Rahman MS et al., Bone Res. 2015Apr14;3:15005
本発明の目的は、従来とは異なる作用機序に基づく新たな骨粗鬆症治療薬を提供するために、骨粗鬆症を治療可能な新たな作用機序を解明し、その新規作用機序に基づく、オステオカルシン産生促進剤及び骨形成促進剤を提供すること、オステオカルシン産生促進剤、骨粗鬆症の治療及び/又は予防剤をスクリーニングするための新規な方法を提供すること、並びに、健康状態を把握するため、骨形成の判定をするため、及び骨粗鬆症の治療効果を判定するための新規バイオマーカーを提供することである。
本発明者らは、miR−140−3pがTGFβ3とWnt経路を直接結びつける働きをしていること、および、骨形成マーカーであるオステオカルシンの発現を促進させるという骨粗鬆症を治療可能な新たな作用機序を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下からなる:
1.miR−140−3p、その前駆体およびこれらをコードするDNA構築物からなる群から選択される少なくとも1つを有効成分として含む、オステオカルシン産生促進剤。2.miR−140−3p、その前駆体およびこれらをコードするDNA構築物からなる群から選択される少なくとも1つがTGFβ3の遺伝子発現を抑制するものである、前項1に記載の剤。
3.TGFβ3の遺伝子発現の抑制がTGFβ3の3’UTRへの結合によるものである、前項2に記載の剤。
4.miR−140−3p、その前駆体およびこれらをコードするDNA構築物からなる群から選択される少なくとも1つは、Wnt3aの過剰発現によりその発現が抑制されるものである、前項1に記載の剤。
5.前項1〜4のいずれか一項に記載の剤を含む、骨形成促進剤。
6.前項1〜4のいずれか一項に記載の剤をインビトロにおいて細胞に供給することにより、オステオカルシン産生を促進する方法。
7.オステオカルシン産生促進がTGFβ3の発現の抑制によるものである、前項6に記載の方法。
8.miR−140−3pの発現量の促進及び/又はTGFβ3の発現量の抑制をマーカーとして、オステオカルシン産生促進に有効な物質をスクリーニングする方法であって、
(a)被検物質の存在下に細胞を培養する工程、
(b)該細胞における各miR−140−3p及び/又はTGFβ3の発現量を測定する工程、及び
(c) miR−140−3pの発現量を増加させる物質及び/又はTGFβ3の発現量を抑制する物質を選択する工程、
を含む、方法。
9.細胞が骨芽細胞である、前項8に記載のスクリーニング方法。
10.miR−140−3pの発現量の促進及び/又はTGFβ3の発現量の抑制をマーカーとして、骨粗鬆症の治療又は予防に有効な物質をスクリーニングする方法であって、
(a)被検物質の存在下に細胞を培養する工程、
(b)該細胞における各miR−140−3p及び/又はTGFβ3の発現量を測定する工程、及び
(c) miR−140−3pの発現量を増加させる物質及び/又はTGFβ3の発現量を抑制する物質を選択する工程、
を含む、方法。
11.miR−140−3pからなる、健康状態を把握するためのバイオマーカー。
12.miR−140−3pからなる、骨形成を判定するためのバイオマーカー。
13.miR−140−3pからなる、骨粗鬆症の治療効果を判定するためのバイオマーカー。
14.前項1〜4のいずれか一項に記載の剤を含む、骨粗鬆症予防治療剤。
15.前項1〜4のいずれか一項に記載の剤を含む、代謝機能改善剤。
16.代謝機能改善が膵臓β細胞におけるインスリン産生の促進である、前項15に記載の剤。
17.代謝機能改善が脂肪細胞におけるインスリン感受性の促進である、前項15に記載の剤。
18.少なくとも前項1〜5及び14〜17のいずれか一項に記載の剤を含む医薬組成物であって、薬学的に許容される担体、アジュバント、塩、希釈剤及び/又は賦形剤を含む、医薬組成物。
本発明によれば、miR−140−3pの発現量の促進及び/又はTGFβ3の発現量の抑制を作用機序とする、オステオカルシン産生促進剤及び骨形成促進剤を得ることができる。
マウス由来骨芽細胞におけるWnt3a過剰発現実験の概要を示すものである。(実施例1) Wnt3aの過剰発現によるマウス由来骨芽細胞でのリン酸化βカテニン及びβカテニンの発現を調べたものである。(実施例1) Wnt3aの過剰発現によるマウス由来骨芽細胞でのアルカリホスファターゼ(ALP)陽性細胞の割合及びアルカリホスファターゼ(ALP)の発現変化を示すものである。(実施例1) Wnt3aの過剰発現によるマウス由来骨芽細胞でのI型コラーゲン(Col1)、RUNX2及びオステオカルシン(OCN)の発現を確認したものである。(実施例1) miRNAマイクロアレイ解析(Wnt3a vs eGFP)の結果を示すものである。Wnt3aの過剰発現により2倍以上発現が増加したmiRNAを14種、減少したmiRNAを21種同定し、そのうちmiR−140−3pに注目したことを示すものである。(実施例1) Wnt3aの過剰発現によるマウス由来骨芽細胞でのmiR−140−3pの発現を確認したものである。(実施例1) Wnt3aの過剰発現によるマウス由来骨芽細胞でのTGFβ3の発現変化を示すものである。(実施例1) miR−140−3p mimicのマウス由来骨芽細胞への導入によるTGFβ3の発現変化を示すものである。(実施例2) TGFβ3の3’UTRを用いてルシフェラーゼを行った結果を示すものである。(実施例2) miR−140−3p mimicのマウス由来骨芽細胞へのトランスフェクションの概要を示すものである。(実施例3) miR−140−3p mimicのマウス由来骨芽細胞への導入によりオステオカルシン(OCN)発現が促進されたことを示す。(実施例3) rTGFβ3でマウス由来骨芽細胞を処理した概要を示すものである。(実施例3) TGFβ3投与によりマウス由来骨芽細胞におけるオステオカルシン(OCN)発現が抑制されたことを示す。 A. マウス由来骨芽細胞におけるWnt3aの過剰発現の結果、(1)アルカリホスファターゼ(ALP)の活性が促進され、(2)miR−140−3pの発現が抑制され、(3)TGFβ3の遺伝子及びタンパクの発現が上昇したことを示す。B. マウス由来骨芽細胞におけるmiR−140−3pの発現により、オステオカルシンの発現が促進されること、TGFβ3の発現の抑制により、オステオカルシンの発現が促進することを示す。 オステオカルシンが全身に及ぼす影響について説明するものである。
Wntは分子量が約4万のパルミチン酸による脂質修飾を受けた分泌性糖タンパクである。Wntの受容体としては7回膜貫通型受容体であるFrizzled、1回膜貫通型受容体であるLRP5/6の2種類が報告されている。従来、Wntシグナルは、骨形成に対し促進的に作用すると考えられている(Rawadi, G.& Roman-Roman, S., Expert Opin TherTargets.2005Oct;9(5):1063-77)。
骨形成性骨芽細胞は多能性間葉系幹細胞(MSCs)に由来する。Wnt−βカテニンシグナリングは間葉系幹細胞が骨芽細胞系譜への分化に必要とされ、脂肪細胞や軟骨細胞への細胞運命を抑制する。一旦細胞運命が決定すると、骨芽細胞の前駆細胞の増殖と分化に古典的Wntシグナルが必須となる。全ての場合ではないが、Wnt−βカテニンシグナリングは、骨芽細胞のアポトーシスの下方制御にも関与する。また、最終分化細胞であり最も豊富にある骨細胞を包含する骨芽細胞系譜において、Wnt−βカテニンシグナリングは、破骨細胞性骨吸収を阻害する。実際に、Wnt−βカテニンシグナリングは、骨芽細胞および骨細胞でのRANKLのおとり受容体である抗破骨細胞因子OPGの発現に必要である(Roland Baron & Michaela Kneissel, NatMed. 2013 Feb;19(2):179-92)。
形質転換増殖因子β(TGFβ)は、特定の組合せの標的遺伝子の発現を調節することによって、細胞増殖、細胞死、細胞分化、炎症、免疫反応を含む幅広い生物活性に関連すると考えられている。TGFβには3つのサブタイプ、TGFβ1、TGFβ2、TGFβ3が存在する。これら3つのサブタイプはいずれも、タイプIとタイプIIのTGFβ受容体に結合する。これらの受容体は、セリン/スレオニンキナーゼファミリーに属し、Smadファミリーの転写因子を介して標的遺伝子へのシグナル伝達系を活性化する。一般的には、TGFβファミリーに属する増殖因子の機能は細胞の状態と細胞のタイプによりさまざまであると考えられている。
オステオカルシン(OCN)はアルカリホスファターゼ(ALP)とともに骨形成マーカーとして使用されている。これらのマーカーは、骨芽細胞由来のタンパク質であり、骨芽細胞が増殖したときに濃度が上昇する。特に、オステオカルシンは骨芽細胞から特異的に産生されるタンパク質であり、生体において血清オステオカルシン値の上昇が骨形成の指標とされている。また、これらのマーカーは、通常、骨粗鬆症の骨代謝疾患における骨代謝マーカーとしても用いられている。
本明細書中で使用する用語は、以下の定義を有する。
本明細書において、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、DNA、RNAなどの略号による表示は、三極特許庁共通のガイドラインである「塩基配列又はアミノ酸配列を含む明細書等の作成のためのガイドライン」(日本国特許庁編)及び当技術分野における慣用に従うものとする。
本明細書において「核酸」には、RNA、DNA、それらの修飾ポリヌクレオチドのいずれも包含するものとして用いられる。なお、上記DNAには、cDNA、ゲノムDNA、及び合成DNAのいずれもが含まれる。また上記RNAには、total RNA、mRNA、rRNA、miRNA、siRNA、snoRNA、snRNA、shRNA、non−coding RNA、pri−miRNA、pre−miRNA、及び合成RNAのいずれもが含まれる。また上記修飾ポリヌクレオチドには、核酸の天然の糖部分、塩基部分又はホスホジエステル結合を非天然構造に変換したポリヌクレオチドが含まれ、例えばLNA(Locked Nucleic Acid)、PNA(Peptide Nucleic Acid)、ホスホロチオエート結合を有するポリヌクレオチド、2'−O−アルキルリボース基を有する人工的ポリヌクレオチドなどが含まれる。また、本明細書では、核酸はポリヌクレオチドと互換的に使用される。
本明細書において「遺伝子」とは、RNA、及び2本鎖DNAのみならず、それを構成する正鎖(又はセンス鎖)又は相補鎖(又はアンチセンス鎖)などの各1本鎖DNAを包含することを意図して用いられる。またその長さによって特に制限されるものではない。
本明細書において「遺伝子」は、特に言及しない限り、ヒトゲノムDNAを含む2本鎖DNA、cDNAを含む1本鎖DNA(正鎖)、該正鎖と相補的な配列を有する1本鎖DNA(相補鎖)、及びこれらの断片、及びヒトゲノムのいずれも含む。また該「遺伝子」は特定の塩基配列(又は配列番号)で示される「遺伝子」だけではなく、これらによってコードされるRNAと生物学的機能が同等であるRNA、例えば同族体(すなわち、ホモログ)、遺伝子多型などの変異体、及び誘導体をコードする「遺伝子」が包含される。かかる同族体、変異体又は誘導体をコードする「遺伝子」としては、具体的には、ストリンジェントな条件下(例えば、Molecular Cloning−A LABORATORY MANUAL THIRD EDITION(Sambrookら、ColdSpring Harbor LaboratoryPress)に記載の条件が挙げられる。)で、配列番号1又は2に示されるいずれかの特定塩基配列の相補配列とハイブリダイズする塩基配列を有する「遺伝子」を挙げることができる。なお、「遺伝子」は、機能領域の別を問うものではなく、例えば発現制御領域、コード領域、エキソン又はイントロンを含むことができる。また、「遺伝子」は細胞に含まれていてもよく、細胞外に放出されて単独で存在していてもよく、またエキソソームと呼ばれる脂質二重膜に包まれた小胞に内包された状態にあってもよい。
本明細書において「転写産物」とは、遺伝子のDNA配列を鋳型にして合成されたRNAのことをいう。RNAポリメラーゼが遺伝子の上流にあるプロモーターと呼ばれる部位に結合し、DNAの塩基配列に相補的になるように3’末端にリボヌクレオチドを結合させていく形でRNAが合成される。このRNAには遺伝子そのもののみならず、発現制御領域、コード領域、エキソン又はイントロンをはじめとする転写開始点からポリA配列の末端にいたるまでの全配列が含まれる。
本明細書において「マイクロRNA(miRNA)」は、特に言及しない限り、ヘアピン様構造のRNA前駆体として転写され、RNase III切断活性を有するdsRNA切断酵素により切断され、RISCと称するタンパク質複合体に取り込まれ、mRNAの翻訳抑制に関与する15〜25塩基のRNAを意図して用いられる。また該「miRNA」は特定の塩基配列(又は配列番号)で示される「miRNA」だけではなく、該「miRNA」の前駆体(pre−miRNA、pri−miRNA)を含有し、これらによってコードされるmiRNAと生物学的機能が同等であるmiRNA、例えば同族体(すなわち、ホモログ)、遺伝子多型などの変異体、及び誘導体をコードする「miRNA」も包含する。かかる前駆体、同族体、変異体又は誘導体をコードする「miRNA」としては、miRBase(http://www.mirbase.org/)により同定することができ、ストリンジェントな条件下で、特定塩基配列の相補配列とハイブリダイズする塩基配列を有する「miRNA」を挙げることができる。
本明細書において「変異体」とは、核酸の場合、多型性、突然変異、転写時の選択的スプライシングなどに起因した天然の変異体、又は配列番号1〜2で示される塩基配列若しくはその相補的塩基配列において1又は2個のヌクレオチドの欠失、置換、付加又は挿入、好ましくは置換、を含む変異体、或いは該塩基配列又はその部分配列と約90%以上、約95%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上の%同一性を示す変異体、或いは該塩基配列又はその部分配列を含むポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸を意味する。
本明細書で使用される「miR−140−3p」という用語は、配列番号1に示されるRNA配列「UACCACAGGGUAGAACCACGG」からなるmiRNA(miRbase ID:hsa-miR-140-3p、miRbase AccessionNo.MIMAT0004597)やその他生物種ホモログなどが包含される。本明細書において、「miR−140−3p」は、配列番号1に示されるRNA配列からなるRNA又はその他生物種ホモログ(例えば、マウスホモログであるmiRbase ID:mmu-miR-140-3p、miRbase AccessionNo.MIMAT0000152が挙げられる)であればよく、配列番号1に示されるRNA配列をコードするDNAから発現されるRNAや、次に説明する配列番号2に示されるRNA配列をコードするDNAから発現された後、プロセシングを受けたものであってもよい。
本明細書で使用される「miR−140」または「miR−140−3pの前駆体」という用語は、配列番号2に示されるRNA配列「UGUGUCUCUCUCUGUGUCCUGCCAGUGGUUUUACCCUAUGGUAGGUUACGUCAUGCUGUUCUACCACAGGGUAGAACCACGGACAGGAUACCGGGGCACC」からなるRNA(miRbase ID:hsa-miR-140、miRbase AccessionNo.MI0000456)やその他生物種ホモログ(例えば、マウスホモログであるmiRbase ID:mmu-mir-140、miRbase AccessionNo.MI0000165が挙げられる)が包含される。本明細書において、「miR−140」は「miR−140−3pの前駆体」をいい、miR−140−3pのRNA配列を包含するものである。
RNA分子が単一ポリヌクレオチドである場合、miRNA領域と相補領域との間にリンカー領域がある。いくつかの態様において、単一ポリヌクレオチドは、miRNA領域と相補領域との間の結合の結果としてヘアピンループ構造を形成することが可能である。リンカーは、ヘアピンループを構成する。いくつかの態様において、リンカー領域は、長さが少なくとももしくは多くとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、もしくは40残基、またはそこに導き出せる任意の範囲であることが意図される。特定の態様において、リンカーは、長さが3〜30残基(両端の数値を含む)である。
miRNA領域および相補領域を有することに加えて、領域の5'または3'末端のいずれかにさらにフランキング配列があり得る。いくつかの態様においては、これらの領域の片側または両側に隣接する、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10ヌクレオチドもしくはそれより多く、またはそこに導き出せる任意の範囲が存在する。
本発明の一態様において、オステオカルシン産生促進剤又は骨形成促進剤は、miR−140−3p、miR−140−3pの前駆体、およびこれらをコードするDNA構築物からなる群から選択される少なくとも1つを有効成分として含む剤であってもよい。miR−140−3pは、配列番号1に示されるRNA配列からなるRNA又はその他生物種ホモログである。miR−140−3pの前駆体はmiR−140−3pのRNA配列を含むものであり、配列番号2に示されるRNA配列からなるRNA又はその他生物種ホモログである。前記DNA構築物はmiR−140を発現するDNA配列を含むものであればよい。前記DNA構築物の例としては、miR−140−3pを発現するベクターが挙げられる。
本発明の一態様において、オステオカルシン産生促進剤はTGFβ3の遺伝子発現を抑制することに基づく。ここで、「遺伝子発現を抑制する」とは、遺伝子発現をmRNAレベル又はタンパク質レベルで抑制することを意味する。たとえば、遺伝子発現の対象となる遺伝子が発現した後にmRNAが分解されることでmRNAレベルが抑制されるものであってもよい。本発明の一態様において、TGFβ3の発現の抑制は、miR−140−3pがTGFβ3の3’UTRに結合することによって生じるものであってもよい。
本発明の一態様において、TGFβ3の3’UTRは、TGFβ3 mRNAのコーディング領域の3’側に位置するタンパク質に翻訳されない非翻訳領域であれば特に限定されない。TGFβ3の3’UTRは、「GCUUUGAGAAUCACUGUGGUA」からなるRNA配列及び「ACAUGGAAUUUCUGUGGUG」からなるRNA配列を含むものが好ましい。
本発明の一態様において、miR−140−3pは、Wnt3aの過剰発現によりその発現が抑制される。
本発明の一態様において、オステオカルシン産生を促進する方法は、miR−140−3p、miR−140−3pの前駆体、およびこれらをコードするDNA構築物からなる群から選択される少なくとも1つを有効成分として含む剤を、細胞に供給することにより行われる。好ましくは、当該供給は細胞に導入することにより行われる。細胞に供給することはインビトロで行われてもよい。好ましくは、該細胞は骨芽細胞である。また、オステオカルシン産生の促進はTGFβ3の発現が抑制されることにより生じるものであってもよい。
本発明の一態様において、オステオカルシンの産生を促進する対象となる細胞としては、オステオカルシンを産生する細胞ならどのような細胞でもよく、例えば、骨芽細胞、骨芽細胞の前駆細胞を挙げることができる。骨芽細胞の前駆細胞としては、骨髄間質細胞やそれ由来の細胞株を例示することができる。
骨芽細胞分化の程度は、例えば細胞中のアルカリホスファターゼ活性を測定することにより、評価することができる。骨芽細胞分化の程度の評価方法については、例えば、J. Biol. Chem. 2006, 281(26), 18015-24等を参照することができる。
本発明の一態様において、オステオカルシンの産生を促進する対象となる細胞として組換え細胞を挙げることができる。当該組換え細胞は、例えば、miR−140−3pを発現するベクターを培養骨芽細胞等(以下に説明する、マウス骨芽細胞前駆細胞、ラット大腿骨・頸骨骨髄由来間葉系幹細胞、ヒトの骨髄単核球)に導入することにより調製できる。
マウス骨芽細胞前駆細胞は、胎生18.5日のマウス胎仔あるいは、新生仔の頭蓋冠を切り取り、はさみで細かい断片にした後、コラーゲンゲル(cell matrix type I-A)を加え、ゲルが固まった後、αMEMを加え10〜14日間培養する。その後、0.2%コラゲナーゼで処理、遠心して細胞を集め、αMEM(10%FBS含)で細胞を再懸濁し、培養プレートに細胞を播種し培養することによって調製することができる。
ラット大腿骨・頸骨骨髄由来間葉系幹細胞は、大腿骨・頸骨を取り出した後、培養液で骨髄をフラッシュアウト、ピペッティング後遠心、上澄みを破棄し、αMEM(10%FBS含)で細胞を再懸濁し、ラミニンでコートした培養プレートに細胞を播種し培養し、播種後9日目にbFGFを最終濃度3ng/ml加えて培養することにより調製することができる。
ヒトの骨髄単核球画分は、例えば、ALLCELLS社又はLONZA社から入手することができる。
本発明の一態様において、核酸は、リン酸カルシウムトランスフェクション、脂質トランスフェクション、電気穿孔法、マイクロインジェクション、またはインジェクションによって細胞に導入される。加えて、細胞は、患者または動物モデルであり得る被験体におけるものであってもよい。この場合において、核酸は、特に治療的適用に対する、当業者にとって周知である投与の様式を使用して、被験体または患者に投与され得る。患者が、ヒトまたは任意のその他の哺乳動物またはmiRNAを有する動物であることが特に意図される。
本発明の一態様において、望ましい生理学的結果を達成するのに有効な量で、細胞におけるmiR−140−3pの発現に影響を与える被験物質を細胞に導入する段階を含む。本発明の一態様において、細胞におけるmiR−140−3pの発現のレベルにおける上昇または低下は、正常細胞におけるそのmiR−140−3pの発現レベルと比較して、疾患状態と相関がある。miR−140−3pの発現レベルが、査定される生物学的試料において測定され、次いで正常細胞の発現レベルと比較される場合に、この相関によって以下のスクリーニング方法や診断方法の実施が可能になる。
本発明の一態様において、miR−140−3pの発現量の促進をマーカーとして、オステオカルシン産生促進に有効な物質をスクリーニングすることができる。より具体的には、以下の工程:
(a) 被検物質の存在下に細胞を培養する工程、
(b)該細胞における各miR−140−3pの発現量を測定する工程、及び
(c) miR−140−3pの発現量を増加させる物質を選択する工程、を含む方法でスクリーニングすることができる。
本発明の一態様において、TGFβ3の発現量の抑制をマーカーとして、オステオカルシン産生促進に有効な物質をスクリーニングすることができる。より具体的には、以下の工程:
(a) 被検物質の存在下に細胞を培養する工程、
(b)該細胞におけるTGFβ3の発現量を測定する工程、及び
(c)TGFβ3の発現量を減少させる物質を選択する工程、を含む方法でスクリーニングすることができる。
本発明の一態様において、miR−140−3pの発現量の促進及び/又はTGFβ3の発現量の抑制をマーカーとして、骨粗鬆症の治療又は予防に有効な物質をスクリーニングすることができる。より具体的には、以下の工程:
(a) 被検物質の存在下に細胞を培養する工程、
(b)該細胞におけるmiR−140−3pの発現量及び/又はTGFβ3の発現量を測定する工程、及び
(c) miR−140−3pの発現量を増加させる物質及び/又はTGFβ3の発現量を減少させる物質を選択する工程、を含む方法でスクリーニングすることができる。
本発明の一態様において、本発明のスクリーニング方法において、miR−140−3pの発現量は当業者に公知の任意の方法で測定することが出来る。例えば、miR−140−3pに特異的にハイブリダイズするプライマー又はプローブを用いてmiR−140−3pの発現量を測定することが出来る。このようなプライマー又はプローブは、当業者であれば、データベースの情報等を参考にして、miR−140−3pの塩基配列に基づき適宜設計することが可能である。
このようなプライマー又はプローブを用いる測定方法としては、ノーザンブロット法が古典的方法である。miRNAマイクロアレイ(Liu et al, 2004; Lim et al, 2005)、改良型インベーダー法(Allawi et al, 2004)、ビーズを基にしたフローサイトメータ法(Luetal,2005)などの報告がある。また、定量性のある方法としてリアルタイムPCRがある(Chen et al, 2005)。
miRNAマイクロアレイは成熟miRNAの定量することができる方法であり、一般的に用いられている方法を用いればよい。例えば、次のURL(https://www.m-chemical.co.jp/genome/products/micro_rna.html)のマイクロRNAチップを利用することができる。
プライマー又はプローブの塩基配列は、鋳型との特異的な結合が可能となるような適当な塩基数、例えば、数十bp、10〜30bp程度を有することが好ましい。また、塩基配列は、miRNAマイクロアレイプローブデザインにおいてプライマー内でヘアピン構造をとってもよい。例えば、Oligo(商標) (National Bioscience Inc.)のような市販のプライマー設計用のソフトウェアを使用することも可能である。
本発明の一態様において、本発明の剤は、miR−140−3p、その前駆体およびこれらをコードするDNA構築物からなる群から選択される少なくとも1つを有効成分として含む。
本発明の一態様において、本発明の剤は、オステオカルシン産生促進剤、骨形成促進剤、骨芽細胞分化の促進剤、又は骨粗鬆症の予防治療剤として有用である。骨粗鬆症としては、原発性骨粗鬆症(退行期骨粗鬆症(閉経後骨粗鬆症、老人性骨粗鬆症)、特発性骨粗鬆症)、続発性骨粗鬆症(薬剤性、関節リウマチ、糖尿病、甲状腺機能亢進症、性機能異常、不動性、栄養性、先天性疾患)等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の剤の投与対象は、通常哺乳動物である。哺乳動物としては、例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット等のげっ歯類やウサギ等の実験動物、ブタ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ミンク等の家畜、イヌ、ネコ等のペット、ヒト、サル、カニクイザル、アカゲザル、マーモセット、オランウータン、チンパンジーなどの霊長類等を挙げることが出来るが、これらに限定されるものではない。哺乳動物は、好ましくは霊長類(ヒト等)又はげっ歯類(マウス等)である。
本発明の剤の投与量は、患者の年齢、性別、体重、症状及び投与経路等に応じて適宜決定されるべきであり、以下に限定されないが、例えば成人一日あたり約0.1μg/kg〜100mg/kgの範囲内であり、好ましくは約1μg/kg〜10mg/kgの範囲内である。製剤の投与は、治療中毎日投与してもよいし、4週間連日投与してもよく、数日間隔、2週間間隔又は1ヶ月間隔等時間間隔をとって投与してもよい。
オステオカルシンは膵臓からのインスリン分泌促進や脂肪組織におけるインスリン感受性を促進することが知られており、miR−140−3pの投与は全身に好ましい影響を与えうる(図15)。このことより、miR−140−3pは単なる骨形成促進剤や骨粗鬆症予防治療剤としてだけでなく、生体内の代謝系全体を改善する代謝機能改善剤又は予防剤として有用であり、健康寿命延伸に寄与すると考えられる。
本発明の一態様において、miR−140−3pをマーカーとする診断手段を提供する。例えば、体内のmiR−140−3pを測定することにより、健康状態を把握しうるバイオマーカーとして有用と考えられる。体内のmiR−140−3pの測定は、測定対象から得られた試料を使用することができる。本明細書において対象から得られた試料は、本発明のmiR−140−3pが発現変化する生体組織及びそれら生体組織由来の物質、生体組織と接触する物質を指し、例えば血液試料が挙げられる。試料からトータルRNAを抽出し、その中から目的のmiR−140−3pを測定する方法は上述のとおり当業者に公知の任意の方法で測定することが出来る。また、miR−140−3pをバイオマーカーとして使用する場合、オステオカルシンをバイオマーカーとして測定するよりも早期に、骨形成や骨粗鬆症の治療の効果が判定でき有用と考えられる。
本発明の一態様において、miR−140−3pを発現するベクターは、本発明の医薬組成物の有効成分であるmiR−140−3pの製造のために使用、又は、ベクター自体を製剤化して医薬組成物として使用することができる。
ベクターは、例えばプラスミド、ファージ、ウイルス等を含む。プラスミドの例は、非限定的に、大腸菌由来プラスミド(例えばpRSET、pTZ19R、pBR322、pBR325、pUC118、pUC119等)、枯草菌由来プラスミド(例えばpUB110、pTP5等)、酵母由来プラスミド(例えばYEp13、YEp24、YCp50等)、Tiプラスミド等が挙げられ、ファージの例はλファージ等が挙げられ、さらに、ウイルスベクターの例は、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス等の動物ウイルスベクター、バキュロウイルス等の昆虫ウイルスベクター等が挙げられる。
ベクターは、目的DNAを組み込むためのポリリンカーもしくはマルチクローニングサイトを含んでもよく、また、miR−140−3p遺伝子をコードするDNAを発現するためにいくつかの制御エレメントを含むことができる。制御エレメントには、例えばプロモーター、エンハンサー、ポリA付加シグナル、複製開始点、選択マーカー、リボソーム結合配列、ターミネーター等が含まれる。
選択マーカーの例は、薬剤耐性遺伝子(例えばネオマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、ピューロマイシン耐性遺伝子等)、栄養要求性相補遺伝子(例えばジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子、HIS3遺伝子、LEU2遺伝子、URA3遺伝子等)等である。
宿主細胞の例としては、非限定的に、大腸菌等のエシェリヒア属、バチルス・ズブチリス等のバチルス属、シュードモナス・プチダ等のシュードモナス属等の細菌、サッカロミセス・セレビシエ、シゾサッカロミセス・ポンベ等のサッカロミセス属、カンジダ属、ピキア属等の酵母、CHO、COS、HEK293、NIH3T3、NS0等の動物細胞、Sf9、Sf21等の昆虫細胞、植物細胞等が挙げられる。
本発明の一態様において、本発明の医薬組成物は、医薬的に有効量の本発明のmiR−140−3p、その前駆体およびこれらをコードするDNA構築物からなる群から選択される少なくとも1つを有効成分として含んでおり、無菌の水性又は非水性の溶液、懸濁液、又はエマルションの形態であってもよい。さらに、塩、緩衝剤、アジュバント等の薬理学的に許容される担体、添加剤等を含んでいてもよい。
薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられる。具体例としては、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などが挙げられる。製剤化の際には、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加剤を用いてもよい。
薬理学的に許容される添加剤としては、例えば、ショ糖、デンプン、マンニトール、ソルビトール、乳糖、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の賦形剤、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、ショ糖、デンプン等の結合剤、デンプン、カルメロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ナトリウム-グリコール-スターチ、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、クエン酸カルシウム等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム等の滑沢剤、クエン酸、メントール、グリチルリチン酸二アンモニウム、グリシン、オレンジ油等の矯味剤、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン等の保存剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸等の安定化剤、メチルセルロース、ポビドン、ステアリン酸アルミニウム等の懸濁剤、界面活性剤等の分散剤、水、生理食塩水、オレンジジュース等の希釈剤、カカオ脂、ポリエチレングリコール、白灯油等のベースワックスなどが挙げられるが、それらに限定されるものではない。
本発明の剤は、有効成分であるmiR−140−3p、その前駆体およびこれらをコードするDNA構築物からなる群から選択される少なくとも1つを薬理学的に許容される一種もしくはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造することができる。本発明の剤は、骨疾患用の他の治療のための任意の有効成分を更に含んでいてもよい。そのような治療剤には、以下のものに限定されないが、例えばカルシウム製剤(L-アスパラギン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム等)、活性型ビタミンD3製剤(アルファカルシドール、カルシトリオール等)、女性ホルモン薬(エストリオール、結合型エストロゲン等)、カルシトニン製剤(サケカルシトニン、エルカトニン等)、ビタミンK製剤(メナテトレノン等)、ビスホスホネート製剤(エチドロン酸二ナトリウム、アレンドロン酸ナトリウム水和物、リセドロン酸ナトリウム水和物等)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(塩酸ラロキシフェン等)、イプリフラボン、又は抗RANKL抗体等が含まれる。
投与経路は、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、通常は、経皮、静脈内等の非経口又は経口で投与される。非経口製剤には、これらに限定されるものではないが、静脈内投与製剤、筋肉内投与製剤、腹腔内投与製剤、皮下投与製剤、局所投与製剤等が含まれる。局所投与は、損傷、骨折、障害を受けた骨部、例えば頭蓋骨、大腿骨、胸骨、椎骨、肋骨等の患部への直接的投与を含み、例えばハイドロキシアパタイト等の人工骨成分に有効成分を含有させた形態の移植用製剤として投与してもよい。非経口投与製剤には、例えば、注射剤、点滴剤、坐剤、経皮吸収剤、リポソーム、ナノ粒子封入製剤等が含まれる。経口製剤には、例えば、錠剤、丸剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤、溶液剤、懸濁剤、遅延放出製剤、腸溶性製剤等が含まれる。
骨粗鬆症モデル非ヒト哺乳動物は、当業者に周知であり、例えば、卵巣摘出非ヒト哺乳動物(Am.J.Pathol.2007, 170(4), 1277-1290等)、関節炎非ヒト哺乳動物(BiochemicalPharmacol.2005,70(12),1744-1755等)、尾部懸垂による重力低下非ヒト哺乳動物(Exp.Cell.Res.2006,312(16), 3075-3083等)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
骨粗鬆症の症状の評価は、当業者に周知のパラメーター、例えば、骨密度、骨量、血中アルカリホスファターゼ活性等に基づき行われる。
被検物質を投与した非ヒト哺乳動物における骨粗鬆症の症状が、被検物質を投与していない対照非ヒト哺乳動物における骨粗鬆症の症状よりも有意に軽減されている場合には、当該被検物質を、骨粗鬆症を予防及び/又は治療する活性、骨形成促進活性、及び骨芽細胞分化を促進する活性を有する物質として得ることが出来る。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例の記載によって限定して解釈されるものではない。当業者であれば、本明細書の記載に基づき、本発明の技術的範囲を逸脱せずに、多くの変形及び修飾を実施することができる。また、特に記載のない場合には、以下の実施例は、例えば、Sambrook and Maniatis, in Molecular Cloning-ALaboratoryManual,ColdSpring Harbor Laboratory Press, New York, 1989;Ausubel, F.M.etal.,CurrentProtocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons,NewYork,N.Y,1995等に記載されている、当業者に公知の標準的な遺伝子工学及び分子生物学的技術に従い実施することが出来る。また、キットを使用する場合は、キットの説明書に従って行う。なお、本明細書中に引用された文献の記載内容は本明細書の開示、及び、内容の一部を構成するものである。
本実施例において、miR−140−3pがWnt3aの過剰発現によりその発現が抑制されたこと、miR−140−3pの発現がTGFβ3の発現を抑制してオステオカルシン(OCN)の発現を促進したことを示す。
1.Wnt3aの過剰発現
マウス由来骨芽細胞を4ウェルプレート(5ml)の各ウェルに2.5x10個ずつ及び6ウェルプレート(2ml)の各ウェルに1x10個ずつ培養した。各ウェル内の培地は、phenol red-free α minimum essentialmedium、10% fetal bovine serum、penicillin、streptomycinを含むものからなる。培養したマウス由来骨芽細胞に、Wnt3a(NM-009522、開始コドンから1275bp)を発現するベクター(pAd/CMV/V5-DEST)又はeGFP(L29345、開始コドンから820bp)を発現するベクター(コントロール)を感染させ(MOI:200)、感染から1、3、7日経過後の細胞からRNAの抽出を行い、感染から3日経過後の細胞を使用してmiRNAマイクロアレイ、アルカリホスファターゼ(ALP)染色、ウェスタンブロットを行った。
RNA抽出はmiRNeasy Mini kit又はTRIzolで行い、ウェスタンブロットには抗リン酸化βカテニン抗体(Cell Signaling Technology)、抗TGFβ3抗体(Abcam)、抗RUNX2抗体(CellSignaling Technology)を使用した。概要を図1に示す。
(1) Wnt3aの過剰発現が骨芽細胞分化に及ぼす影響
図1に示すとおりに、マウス由来骨芽細胞におけるWnt3aの過剰発現の解析を行ったところ、骨芽細胞においてリン酸化(Ser675)状態のβカテニンの発現が多くみられた(図2)。リン酸化βカテニンは核内に移行し、他の転写因子と複合体を形成して標的遺伝子であるアルカリホスファターゼ(ALP)の発現を促進すると考えられる。
そこで、コントロールであるeGFPを過剰発現させたマウス由来骨芽細胞と、Wnt3aを過剰発現させたマウス由来骨芽細胞におけるアルカリホスファターゼ(ALP)の発現について調べた。アルカリホスファターゼ(ALP)染色は常法により行った。
その結果、Wnt3aの過剰発現により、マウス由来骨芽細胞においてアルカリホスファターゼ(ALP)の活性が促進されたことが認められた(図3)。
同様にして、Wnt3aの過剰発現によるマウス由来骨芽細胞でのI型コラーゲン及びオステオカルシン(OCN)の発現を調べた。I型コラーゲンの結果と比較からもわかるように、オステオカルシン(OCN)はWnt3aの過剰発現によりその発現が顕著に抑制された(図4)。
(2) miRNAマイクロアレイ解析
Wnt3aとeGFPをそれぞれマウス由来骨芽細胞に導入し、miRNeasy Mini kitを用いてmiRNAの精製を行った。マイクロアレイ解析は3D-Gene miRNAMicroarray Platform(東レ)を用いて行った。
Wnt3aの蛍光強度をグローバルノーマライゼーションしたものを縦軸に、コントロールのeGFPの蛍光強度をグローバルノーマライゼーションしたものを横軸とし、スキャッタープロットが得られた(図5)。
図5に示すとおり、Wnt3aの過剰発現により2倍以上変動したmiRNAのうち、発現の上昇したmiRNAが14種、発現の減少したmiRNAが21種得られた。
図5中の矢印で示すスポットはmiR−140−3pであり、Wnt3aの過剰発現による発現の変動が大きく、かつ発現量が高いmiRNAとして得られた。
(3)miR−140−3pの発現解析
図1に示すとおりに、Wnt3aを過剰発現させたマウス由来骨芽細胞の発現解析を行ったところ、miR−140−3pの発現の抑制が認められた(図6)。
(4)Wnt3aの過剰発現がTGFβ3の発現に及ぼす影響
Wnt3aの発現に関連するmiRNA遺伝子として得られたmiR−140−3pの標的遺伝子を公知のデータベース[miRBase(http://www.mirbase.org/)、miRDB(http://www.mirdb.org/)、microRNA.org(http://www.microrna.org/microrna/home.do)]を使用して予測した。その結果、miR−140−3pの標的遺伝子としてTGFβ3が候補に挙がった。そこで、図1に示すとおりに、Wnt3aの過剰発現がTGFβ3の発現に及ぼす影響を調べた。
その結果、Wnt3aの過剰発現によりマウス由来骨芽細胞においてTGFβ3の発現が上昇することがわかった(図7)。
以上の結果をまとめると、マウス由来骨芽細胞におけるWnt3aの過剰発現の結果、(1)アルカリホスファターゼ(ALP)の活性が促進され、(2)miR−140−3pの発現が抑制され、(3)TGFβ3の遺伝子及びタンパクの発現が上昇した(図14A)。
アルカリホスファターゼは骨芽細胞の初期分化マーカーであり、オステオカルシンは骨芽細胞の後期分化マーカーである。初期分化の段階ではmiR−140−3pは弱い発現しか認められないが、分化が進むにつれてmiR−140−3pとオステオカルシンの発現促進が認められた。
2.miR−140−3p発現のTGFβ3発現への影響
マウス由来骨芽細胞にmiR−140−3pと同様の配列を持つmiR−140−3p mimic又はコントロールmiR−NC(mirVana(商標) miRNA mimic又はmimic negative control、Ambion)を導入したのちに、マウス由来骨芽細胞を3日間培養し、TGFβ3の遺伝子発現及びタンパク質発現を調べた。
miR−NCを導入した細胞と比較して、miR−140−3p mimicを導入した細胞では、TGFβ3の発現がmRNA、タンパク質レベルとも低下した(図8)。
PGKプロモーターの下流においてルシフェラーゼ遺伝子と野生型TGFβ3遺伝子の3’UTR部分を連結して配置したレポーター発現ベクターコンストラクトを作製し、該レポーター発現ベクターコンストラクトをmiR−NC又はmiR−140−3p mimicと共にマウス由来骨芽細胞に共導入して培養し、ルシフェラーゼアッセイを行った。
TGFβ3の3’UTR領域とmiR−140−3pは相補的な配列を有している(図9)。miR−140−3pを発現させた細胞ではルシフェラーゼの発現が抑制された(図9)。よって、miR−140−3pはTGFβ3の3’UTR領域を介してTGFβ3の転写活性を抑制することが示された。
以上の結果をまとめると、miR−140−3p mimicの骨芽細胞への導入により、TGFβ3の発現が低下し、遺伝子発現の低下はルシフェラーゼ遺伝子の下流に連結されたTGFβ3の3’UTRを介して行われたことから、miR−140−3pはTGFβ3の3’UTRに作用してTGFβ3の遺伝子発現を抑制することが示された。
3.miR−140−3p発現による骨代謝に関連する遺伝子への影響α
マウス由来骨芽細胞を24ウェルプレート(1ml)の各ウェルに3x10個ずつ培養した。各ウェル内の培地はphenol red-free α minimum essentialmedium、10% fetal bovine serum、penicillin、streptomycinを含むものからなる。培養したマウス由来骨芽細胞に、miR−140−3p mimic又はnegative control(NC)のmiRNAをトランスフェクションし、1日経過後に培地交換(MC)を行い、トランスフェクションから2日後の細胞のRNAの抽出を行い、トランスフェクションから3日後の細胞をウェスタンブロットに使用した。概要を図10に示す。
図10に示すとおりに、miR−NC若しくはmiR−140−3p mimicをマウス由来骨芽細胞に導入し、骨形成マーカーとして知られるアルカリホスファターゼ(ALP)、骨吸収マーカーとして知られるI型コラーゲン(Col1)、骨芽細胞分化において機能する転写因子Runx2、骨形成マーカーとして知られるオステオカルシン(OCN)のそれぞれの遺伝子発現及びタンパクの発現を調べた。
その結果、miR−140−3p mimicをマウス由来骨芽細胞へ導入することにより、オステオカルシンの発現が促進された(図11)。
4.TGFβ3投与によるオステオカルシン(OCN)発現への影響
recombinant TGFβ3(rTGFβ3、Cell Signaling Technologyから購入)を投与する24時間前に、マウス由来骨芽細胞を24ウェルプレート(1ml)の各ウェルに4x10個ずつ培養した。各ウェル内の培地はphenolred-free α minimum essential medium、10% fetal bovineserum、penicillin、streptomycinを含むものからなる。rTGFβ3を5ng/mlの濃度で培地に投与し、rTGFβ3の投与から2、5、24、72時間後にRNAの抽出を行った。概要を図12に示す。
TGFβ3を投与したマウス由来骨芽細胞ではTGFβ3を投与していないマウス由来骨芽細胞(コントロール)と比較してオステオカルシンの発現が抑制された(図13)。
本実施例に示すとおり、miR−140−3pはWnt3a/TGFβ3シグナル伝達経路に関与して骨芽細胞分化を調節することが明らかになった。また、miR−140−3pはTGFβ3シグナル伝達経路を抑制して、オステオカルシン(OCN)の発現を促進させることから(図14)、オステオカルシン(OCN)促進剤として使用することができる。
本発明者らはmiR−140−3pがTGFβ3とWnt3a経路を直接結びつける働きをするものであることを見出した。miR−140−3pを骨芽細胞に遺伝子導入すると骨形成マーカーであるオステオカルシンの発現が促進した。この作用機序はこれまでの骨粗鬆症治療薬とは全く異なっており、骨形成に有効と考えられる。また、miRNAは生理状態で存在するものであり、miR−140−3pを有効成分として含む治療薬は、従来の治療薬と比べて副作用が少ないことが期待される。
今後の高齢化社会の進展を考慮すると、骨粗鬆症の発症予防は健康寿命の延伸に重要な役割を果たすと考えられる。従来の骨粗鬆症治療薬の使用は骨粗鬆症と診断されることが必須であり、副作用の発生も懸念される。本発明に係るmiR−140−3pは治療だけでなく予防にも活用できると考えられ、病気や介護の予防の促進と、公的保険に依存しない健康産業の創出に貢献し、健康産業を創出できると思われる。

Claims (7)

  1. miR−140−3pをコードするDNA構築物を有効成分として含む、骨芽細胞におけるオステオカルシン産生促進剤。
  2. miR−140−3pをコードするDNA構築物がTGFβ3の遺伝子発現を抑制するものである、請求項1記載の剤。
  3. TGFβ3の遺伝子発現の抑制がTGFβ3の3’UTRへの結合によるものである、請求項に記載の剤。
  4. miR−140−3pをコードするDNA構築物は、Wnt3aの過剰発現によりその発現が抑制されるものである、請求項1記載の剤。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の剤をインビトロにおいて骨芽細胞に供給することにより、オステオカルシン産生を促進する方法。
  6. オステオカルシン産生促進がTGFβ3の発現の抑制によるものである、請求項に記載の方法。
  7. miR−140−3pの発現量の促進マーカーとして、オステオカルシン産生促進に有効な物質をスクリーニングする方法であって、
    (a)被検物質の存在下に骨芽細胞を培養する工程、
    (b)該細胞におけmiR−140−3p発現量を測定する工程、及び
    (c) miR−140−3pの発現量を増加させる物質選択する工程、
    を含む、方法。
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