以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(部品実装装置の構成)
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態による部品実装装置1の全体構成について説明する。なお、以下の説明では、基板搬送方向に沿う方向をX方向とし、水平面内でX方向と直交する方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交する上下方向をZ方向とする。
部品実装装置1は、図1に示すように、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品Eを、プリント基板などの基板Pに実装する装置である。部品実装装置1では、基板Pに実装される電子部品Eだけでなく、他の基板Pに実装される電子部品Eがあらかじめ配置されている。また、部品実装装置1には、部品の寸法または端子の数の少なくともいずれかが異なる複数種類の電子部品Eが配置されている。なお、電子部品Eは、特許請求の範囲の「部品」の一例である。
部品実装装置1は、基台2と、部品供給部3と、搬送部4と、ヘッドユニット5と、支持部6と、レール部7と、部品撮像部8と、基板撮像部9と、制御部10と、表示部11(図2参照)とを備えている。
基台2は、部品供給部3、搬送部4、レール部7、部品撮像部8および制御部10を配置する基礎となる台である。基台2には、Y方向の両側(Y1方向側およびY2方向側)に、部品供給部3がそれぞれ配置されている。基台2上には、搬送部4、レール部7および部品撮像部8が設けられている。基台2内には、制御部10が設けられている。
部品供給部3は、基板Pに実装される複数種類の電子部品Eを供給する装置である。部品供給部3は、複数のテープフィーダ3aおよびトレイフィーダ3bを含んでいる。テープフィーダ3aは、複数の電子部品Eを保持した部品供給テープ(図示せず)が巻き回されたリール(図示せず)を保持している。また、複数のリールには、異なる種類の電子部品Eが保持されている。また、テープフィーダ3aは、ヘッドユニット5による電子部品Eの取出しのための部品保持動作に応じて、保持されたリールを回転させて部品供給テープを送り出すことにより、電子部品Eを供給するように構成されている。トレイフィーダ3bは、複数の電子部品Eを保持したトレイを複数保持している。トレイフィーダ3bは、トレイを基台2上に供給することにより、ヘッドユニット5による電子部品Eの部品保持動作に応じて、電子部品Eを供給するように構成されている。
搬送部4は、実装前の基板Pを搬入し、基板搬送方向(X方向)に搬送し、実装後の基板Pを搬出するように構成されている。また、搬送部4は、搬入された基板Pを実装停止位置Sまで搬送するとともに、実装停止位置Sにおいて基板固定機構(図示せず)により固定するように構成されている。また、搬送部4は、一対のコンベア部4aを含んでおり、一対のコンベア部4aにより、基板Pを基板搬送方向に搬送するように構成されている。一対のコンベア部4aは、それぞれ、搬送ベルト4bを有している。
ヘッドユニット5は、図2に示すように、部品実装用のヘッドユニット5であり、実装停止位置Sにおいて固定された基板Pの所定の実装位置に電子部品Eを実装するように構成されている。具体的には、ヘッドユニット5は、複数(5つ)のヘッド15(実装ヘッド)と、ヘッド15を上下方向(Z方向)に移動させるためのZ軸モータ16と、ヘッド15の先端に装着されたノズル15aを上下方向に沿って延びる回転軸線周りに回転させるためのR軸モータ17(図3参照)とを含んでいる。ヘッド15は、真空発生装置(図示せず)に接続されており、真空発生装置から供給される負圧によって、先端に装着されたノズル15aに電子部品Eを保持(吸着)可能に構成されている。また、ヘッド15は、Z軸モータ16により、電子部品Eを保持する際または保持された電子部品Eを実装する際の下降位置と、保持された電子部品Eを基板Pに搬送する際の上昇位置との間で、上下方向に移動可能に構成されている。
支持部6は、図1に示すように、ヘッドユニット5を基板搬送方向(X方向)に移動可能に支持するように構成されている。具体的には、支持部6は、基板搬送方向に延びるボールねじ軸6aと、ボールねじ軸6aを回転させるX軸モータ6bとを含んでいる。ヘッドユニット5には、支持部6のボールねじ軸6aと係合するボールナット(図示せず)が設けられている。ヘッドユニット5は、X軸モータ6bによりボールねじ軸6aが回転されることにより、ボールねじ軸6aと係合するボールナットとともに、支持部6に沿って基板搬送方向に移動可能に構成されている。
一対のレール部7は、支持部6をY方向に移動可能に支持するように構成されている。具体的には、レール部7は、支持部6のX方向の両端部をY方向に移動可能に支持する一対のガイドレール7aと、Y方向に延びるボールねじ軸7bと、ボールねじ軸7bを回転させるY軸モータ7cとを含んでいる。支持部6には、レール部7のボールねじ軸7bと係合するボールナット(図示せず)が設けられている。支持部6は、Y軸モータ7cによりボールねじ軸7bが回転されることにより、ボールねじ軸7bと係合するボールナットとともに、一対のレール部7に沿ってY方向に移動可能に構成されている。
このような構成により、ヘッドユニット5は、基台2上を水平方向に(X方向およびY方向に)移動可能に構成されている。これにより、ヘッドユニット5は、部品供給部3の上方に移動して、部品供給部3から供給される電子部品Eを保持(吸着)することが可能である。また、ヘッドユニット5は、実装停止位置Sにおいて固定された基板Pの上方に移動して、保持(吸着)された電子部品Eを基板Pに実装することが可能である。
部品撮像部8は、図1に示すように、ヘッド15による電子部品E(図2参照)の基板Pへの搬送中に、ヘッド15に保持(吸着)された電子部品Eを撮像する部品認識用のカメラである。部品撮像部8は、基台2の上面上に固定されており、電子部品Eの下方(Z2方向)から、ヘッド15に保持(吸着)された電子部品Eを撮像するように構成されている。部品撮像部8による電子部品Eの撮像画像(実装予定部品画像53)に基づいて、制御部10は、電子部品Eの保持状態(回転姿勢およびヘッド15に対する保持位置)を取得(認識)するように構成されている。
基板撮像部9は、ヘッド15による基板Pへの電子部品Eの実装開始前に、基板Pの上面に付された位置認識マーク(フィデューシャルマーク)を撮像するマーク認識用のカメラである。位置認識マークは、基板Pの位置を認識するためのマークである。基板撮像部9による位置認識マークの撮像画像に基づいて、制御部10は、実装停止位置Sにおいて固定された基板Pの正確な位置および姿勢を取得(認識)するように構成されている。
制御部10は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)20と、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなるメモリ21とを含み、部品実装装置1の動作を制御する制御回路である。制御部10は、部品供給部3、搬送部4、ヘッドユニット5、支持部6、レール部7、部品撮像部8、基板撮像部9および表示部11に電気的に接続されている。
メモリ21には、後述する電子部品検査処理に基づく電子部品検査処理プログラム30が記憶されている。さらに、メモリ21には、電子部品検査処理を実行するために必要な部品供給部3に配置されている複数種類の電子部品Eの各々の部品の寸法および端子の数を含む電子部品データ40が記憶されている。ここで、メモリ21には、電子部品データ40として、実装対象部品データ51および異形状部品データ52が記憶されている。また、メモリ21には、部品撮像部8により撮像された実装予定部品の画像データである実装予定部品画像53が記憶されている。なお、電子部品データ40、実装対象部品データ51および異形状部品データ52は、それぞれ、特許請求の範囲の「部品情報」、「実装対象部品情報」および「異形状部品情報」の一例である。
実装対象部品データ51は、複数の電子部品Eの中から基板Pに実装すると選択された電子部品Eのデータである。そして、異形状部品データ52は、電子部品Eの中から基板Pに実装すると選択された電子部品E以外の電子部品Eのデータである。異形状部品データ52は、複数種類の電子部品Eのうち、実装対象部品E1とは端子の数または部品の寸法の少なくともいずれかが異なる異形状部品E3の電子部品データ40としてメモリ21に記憶されている。
制御部10は、部品供給部3、ヘッドユニット5、支持部6、レール部7、部品撮像部8および表示部11を電子部品検査処理プログラム30にしたがって制御することにより、ヘッド15により保持された電子部品Eの検査を行うように構成されている。また、制御部10は、部品供給部3、搬送部4、ヘッドユニット5、支持部6、レール部7、部品撮像部8、基板撮像部9および表示部11などを生産プログラムに従って制御することにより、ヘッドユニット5により基板Pに電子部品Eを実装させる制御を行うように構成されている。
表示部11は、図2に示すように、ヘッド15に保持された実装予定部品E2が実装対象部品E1でないというエラーが生じたことを示す情報などを、ユーザーに報知するように構成されている。具体的には、表示部11は、液晶ディスプレイなどから構成され、制御部10から送信された情報を画面に表示する。
(電子部品検査処理プログラム)
ここで、部品実装装置では、図4(A)に示すように、制御部は、複数種類の部品の各々におけるロット毎の切り替え時において、ヘッドに保持されている実装予定部品を基板に実装する前に、実装予定部品が、基板に実装される対象となっている実装対象部品であるか否かを判断するように構成されている。具体的には、制御部は、実装予定部品を部品撮像部により撮像し、撮像された実装予定部品を示す実装予定部品画像53と実装対象部品データ51との比較(以下、第1比較)に基づいて、実装予定部品が実装対象部品であるか否かを判断するように構成されている。ここで、制御部では、実装予定部品画像53について、実装対象部品データ51の全ての端子配置位置に対して設定許容値を満たす端子が存在するか否かが判断されている。
しかし、図4(B)に示すように、複数種類の電子部品のうち寸法および端子の数が異なる実装予定部品E2がヘッドに供給された場合でも、実装予定部品画像53の一部の端子が実装対象部品データ51の全ての端子配置位置に対して設定許容値を満たしてしまうことがある。この場合には、部品実装装置では、部品の寸法および端子の数が異なる実装予定部品が、実装対象部品としてそのまま基板Pに実装されてしまう。
そこで、本実施形態では、制御部10は、電子部品検査処理プログラム30により、実装予定部品画像53と実装対象部品データ51との第1比較、および、実装予定部品画像53と異形状部品データ52との比較(以下、第2比較)の両方に基づいて、ヘッド15に保持された実装予定部品E2が実装対象部品E1であるか否かを判断するように構成されている。ここで、第1比較は、ヘッド15により保持され部品撮像部8により撮像された電子部品E(実装予定部品E2)の画像(実装予定部品画像53)と、基板Pへの実装を予定した電子部品E(実装対象部品E1)の電子部品データ40(実装対象部品データ51)との比較である。第2比較は、実装予定部品画像53と、実装を予定した実装対象部品E1以外の電子部品E(異形状部品E3)の電子部品データ40(異形状部品データ52)との比較である。以下、部品実装装置1の制御部10が電子部品検査処理プログラム30を実行することにより行われる電子部品検査処理について説明する。
電子部品検査処理プログラム30の処理を説明するための一例として、図5に示すように、複数種類(6種類)の電子部品Eが、部品実装装置1に配置されている場合を想定する。複数種類の電子部品Eは、それぞれ、第1電子部品61、第2電子部品62、第3電子部品63、第4電子部品64、第5電子部品65および第6電子部品66である。
第1電子部品61は、平面視において、略長方形形状に形成されている。第1電子部品61の部品の寸法は、横の長さが約0.5[cm]であり、縦の長さが約1.0[cm]である。第1電子部品61の端子の数は、2個である。第1電子部品61の2個の端子は、長手方向の両側の端部に配置されている。第1電子部品61の供給形態は、8mmテープフィーダからヘッド15に供給される形態である。第1電子部品61は、いわゆる2端子ダイオードである。このような第1電子部品61の部品の寸法、端子の数、端子位置および供給形態を含む第1電子部品データ51aが電子部品データ40としてメモリ21(図3参照)に記憶されている。
第2電子部品62は、平面視において、略長方形形状に形成されている。第2電子部品62の部品の寸法は、横の長さが約0.8[cm]であり、縦の長さが約1.6[cm]である。第2電子部品62の端子の数は、2個である。第2電子部品62の2個の端子は、長手方向の両側の端部に配置されている。第2電子部品62の供給形態は、8mmテープフィーダからヘッド15に供給される形態である。第2電子部品62は、いわゆる2端子ダイオードである。このような第2電子部品62の部品の寸法、端子の数、端子位置および供給形態を含む第2電子部品データ51bが電子部品データ40としてメモリ21(図3参照)に記憶されている。
第3電子部品63は、平面視において、略正方形形状に形成されている。第1電子部品61の部品の寸法は、横の長さが約4.2[cm]であり、縦の長さが約3.9[cm]である。第3電子部品63の端子の数は、3個である。第3電子部品63の3個の端子は、縦方向の一方側の端部に1個配置され、他方側の端部に2個配置されている。第3電子部品63の供給形態は、16mmテープフィーダからヘッド15に供給される形態である。第3電子部品63は、いわゆるミニトランジスタである。このような第3電子部品63の部品の寸法、端子の数、端子位置および供給形態を含む第3電子部品データ51cが電子部品データ40としてメモリ21(図3参照)に記憶されている。
第4電子部品64は、平面視において、略正方形形状に形成されている。第4電子部品64の部品の寸法は、横の長さが約4.2[cm]であり、縦の長さが約3.9[cm]である。第4電子部品64の端子の数は、5個である。第4電子部品64の5個の端子は、縦方向の一方側の端部に3個配置され、他方側の端部に2個配置されている。第4電子部品64の供給形態は、16mmテープフィーダからヘッド15に供給される形態である。第4電子部品64は、いわゆるミニトランジスタである。このような第4電子部品64の部品の寸法、端子の数、端子位置および供給形態を含む第4電子部品データ51dが電子部品データ40としてメモリ21(図3参照)に記憶されている。
第5電子部品65は、平面視において、略正方形形状に形成されている。第5電子部品65の部品の寸法は、横の長さが約2.9[cm]であり、縦の長さが約2.8[cm]である。第5電子部品65の端子の数は、6個である。第5電子部品65の6個の端子は、縦方向の一方側の端部に3個配置され、他方側の端部に3個配置されている。第5電子部品65の供給形態は、8mmテープフィーダからヘッド15に供給される形態である。第5電子部品65は、いわゆるミニトランジスタである。このような第5電子部品65の部品の寸法、端子の数、端子位置および供給形態を含む第5電子部品データ51eが電子部品データ40としてメモリ21(図3参照)に記憶されている。
第6電子部品66は、平面視において、略正方形形状に形成されている。第6電子部品66の部品の寸法は、横の長さが約16.1[cm]であり、縦の長さが約16.1[cm]である。第6電子部品66の端子の数は、100個である。第6電子部品66の100個の端子は、周端部に配置されている。第6電子部品66の供給形態は、トレイフィーダからヘッド15に供給される形態である。第6電子部品66は、いわゆるQFP(Quad Flat Package)である。このような第6電子部品66の部品の寸法、端子の数、端子位置および供給形態を含む第6電子部品データ51fが電子部品データ40としてメモリ21(図3参照)に記憶されている。
〈第1検査例〉
ここで、図6(A)〜図6(F)を参照して、複数種類の電子部品Eのうち第1電子部品61が実装対象部品E1である場合における検査例(以下、第1検査例)について説明する。なお、制御部10は、あらかじめ、第1電子部品61が実装対象部品E1に対応すると認識している。そして、制御部10は、第1電子部品データ51aは、実装対象部品データ51に対応すると認識している。また、制御部10は、第1電子部品61以外の第2〜第6電子部品62〜66が各々異形状部品E3に対応し、第1電子部品データ51a以外の第2〜第6電子部品データ51b〜51fが各々異形状部品データ52に対応すると認識している。ここで、第1〜第6電子部品61〜66は、各々、同一基板P上に実装される電子部品Eである。これにより、複数の異形状部品データ52は、各々、同一基板上において実装される電子部品Eの電子部品データ40である。
図6(A)に示すように、第1検査例において、制御部10は、第1電子部品データ51aと、テープフィーダ3aにより供給されてヘッド15に保持された実装予定部品E2が、部品撮像部8により撮像されることによって作成された実装予定部品画像53との第1比較を行うように構成されている。具体的には、第1比較において、制御部10は、実装予定部品画像53(実線)について、第1電子部品データ51aの全ての端子位置に対して設定許容値を満たす端子が存在するか否かを判断するように構成されている。なお、図6(A)では、実装予定部品画像53(実線)の端子配置位置が、第1電子部品データ51aの全ての端子配置位置に対して許容設定値を満たす。この結果、制御部10は、実装予定部品E2が第1電子部品61であると判断する。
また、制御部10は、第1電子部品データ51aに設定された部品の寸法と実装予定部品画像53中の部品の寸法との差である基準寸法差に基づいて基準寸法差率を取得する。すなわち、制御部10は、第1電子部品データ51aに設定された縦寸法と実装予定部品画像53中の縦寸法との差である基準縦寸法差を取得する。制御部10は、取得した基準縦寸法差を第1電子部品データ51aに設定された縦寸法で除算し百分率で表すことにより基準縦寸法差率を取得する。制御部10は、第1電子部品データ51aに設定された横寸法と実装予定部品画像53中の横寸法との差である基準横寸法差を取得する。制御部10は、取得した基準横寸法差を第1電子部品データ51aに設定された横寸法で除算し百分率で表すことにより基準横寸法差率を取得する。
このように、制御部10は、実装予定部品画像53中の部品の寸法と第1電子部品データ51aに設定された部品の寸法との差に基づいて、基準縦寸法差率および基準横寸法差率の各々を算出するように構成されている。
制御部10は、第1比較により、実装予定部品E2が第1電子部品61であると判断されたことに基づいて、第1電子部品61のロット毎の第1電子部品61の切り替えが行われたか否かを判断するように構成されている。ここで、制御部10は、スプライシングによりロット毎の切り替えが行われる場合には、連続して複数回テープ上に電子部品Eがないと検知した後に、電子部品Eが検知されたことにより、テープフィーダ3aに配置されている第1電子部品61のロット毎の第1電子部品61の切り替えが行われたと判断する。また、制御部10は、テープフィーダ3aが交換された場合には、整理番号が読み込まれた新たなテープフィーダ3aから電子部品Eの供給が開始されたことにより、テープフィーダ3aに配置されている第1電子部品61のロット毎の第1電子部品61の切り替えが行われたと判断する。
そして、制御部10は、第1電子部品61においてロットの切り替えが行われたと判断したことに基づいて、第1電子部品データ51aの供給形態と第1電子部品データ51a以外の異形状部品データ52の供給形態とを比較するように構成されている。具体的には、制御部10は、第1電子部品データ51aの供給形態と第2〜第6電子部品データ51b〜51fの供給形態とを比較し、同じ供給形態であるデータを取得する。第1検査例では、図5に示すように、複数の異形状部品データ52のうち、第2〜第5電子部品データ52b〜51eの供給形態がテープフィーダであるので、第1電子部品データ51aの供給形態と同じである。しかし、第6電子部品データ51fの供給形態はトレイフィーダであるので、第1電子部品データ51aの供給形態とは異なる。
制御部10は、第1電子部品データ51aの供給形態が同じ異形状部品データ52(第2〜第5電子部品データ51a〜51e)と実装予定部品画像53との第2比較を行うように構成されている。図6(B)に示すように、第2電子部品データ51bと実装予定部品画像53との第2比較が行われる。
具体的には、制御部10は、第2比較として、実装予定部品画像53(実線)について、第2電子部品データ51bの全ての端子位置に対して設定許容値を満たす端子が存在するか否かを判断するように構成されている。なお、図6(B)では、実装予定部品画像53(実線)の端子配置位置が、第2電子部品データ51bの全ての端子配置位置に対して許容設定値を満たす。
制御部10は、実装予定部品画像53の端子配置位置が、第2電子部品データ51bの全ての端子配置位置に対して許容設定値を満たしていると判断したことに基づいて、第2電子部品データ51bに設定された端子の数と第1電子部品データ51aに設定された端子の数とを比較するように構成されている。そして、制御部10は、第2電子部品データ51bに設定された端子の数が第1電子部品データ51aに設定された端子の数よりも大きいか否かを判断するように構成されている。第1検査例では、第2電子部品データ51bに設定された端子の数と第1電子部品データ51aに設定された端子の数とが同じである。
これにより、第2電子部品データ51bに設定された端子の数と第1電子部品データ51aに設定された端子の数とが同じであると判断したことに基づいて、さらに、制御部10は、図6(C)に示すように、第2電子部品データ51bの部品の寸法と実装予定部品画像53中の部品の寸法との差を比較するように構成されている。
具体的には、制御部10は、第2電子部品データ51bに設定された縦寸法と実装予定部品画像53中の縦寸法との差である縦寸法差を取得する。制御部10は、取得した縦寸法差を第2電子部品データ51bに設定された縦寸法で除算し百分率で表すことにより縦寸法差率を取得する。制御部10は、第2電子部品データ51bに設定された横寸法と実装予定部品画像53中の横寸法との差である横寸法差を取得する。制御部10は、取得した横寸法差を第2電子部品データ51bに設定された横寸法で除算し百分率で表すことにより横寸法差率を取得する。
このように、制御部10は、実装予定部品E2の画像中の部品の寸法と第2電子部品データ51bに設定された部品の寸法との差に基づいて、縦寸法差率および横寸法差率の各々(寸法差率)を算出するように構成されている。
そして、制御部10は、基準縦寸法差率よりも縦寸法差率が小さいか否かを判断するとともに、基準横寸法差率よりも横寸法差率が小さいか否かを判断するように構成されている。制御部10は、縦寸法差率が基準縦寸法差率よりも小さい、または、横寸法差率がよりも小さい場合には、実装対象部品データ51よりも異形状部品データ52の方が実装予定部品画像53に対する一致度合いが高いので、実装予定部品E2が実装対象部品E1ではなく異形状部品E3であると判断するように構成されている。縦寸法差率が基準縦寸法差率以上、かつ、横寸法差率が基準横寸法差率以上の場合には、実装対象部品データ51の方が異形状部品データ52よりも実装予定部品画像53に対する一致度合いが高いので、実装予定部品E2が実装対象部品E1であると判断するように構成されている。
第1検査例では、縦寸法差率は基準縦寸法差率よりも大きい、かつ横寸法差率は基準横寸法差率よりも大きいので、制御部10は、実装予定部品画像53が第2電子部品62ではないと判断する。
次に、図6(D)〜図6(F)に示すように、第3〜第5電子部品データ51c〜51eと実装予定部品画像53との第2比較が行われる。このように、第6電子部品データ51fの供給形態はトレイフィーダであり、第1電子部品データ51aの供給形態とは異なるので、第6電子部品データ51fと実装予定部品画像53との第2比較が行われない。
これらの場合、制御部10は、第2比較として、実装予定部品画像53(実線)について、第3〜第5電子部品データ51c〜51eの全ての端子位置に対して設定許容値を満たす端子が存在するか否かを判断するように構成されている。なお、図6(D)〜図6(F)では、実装予定部品画像53(実線)の端子配置位置が、第3〜第5電子部品データ51c〜51eの全ての端子配置位置に対して許容設定値を満たしていない。これにより、第1検査例では、制御部10は、実装予定部品画像53が第3〜第5電子部品63〜65ではないと判断する。
この結果、最終的に制御部10は、実装予定部品E2が、実装対象部品E1である第1電子部品61であると判断する。第1検査例では、上記したような、制御部10による第1電子部品61に対する検査を行うことにより、実装対象部品E1として第1電子部品61の基板Pへの実装が正しく行われる。
〈第2検査例〉
次に、図7(A)〜図7(D)を参照して、複数種類の電子部品Eのうち第3電子部品63が実装対象部品E1であるが、第4電子部品64が誤供給された場合における検査例(以下、第2検査例)について説明する。なお、制御部10は、あらかじめ、第3電子部品63が実装対象部品E1に対応すると認識している。そして、制御部10は、第3電子部品データ51cは、実装対象部品データ51に対応すると認識している。また、制御部10は、第3電子部品63以外の第1電子部品61、第2電子部品62および第4〜第6電子部品64〜66が各々異形状部品E3に対応し、第3電子部品データ51c以外の第1電子部品データ51a、第2電子部品データ51bおよび第4電子部品データ51d〜第6電子部品データ51fが各々異形状部品データ52に対応すると認識している。
図7(A)に示すように、第2検査例において、制御部10は、第3電子部品データ51cと実装予定部品画像53との上記した第1比較を行うように構成されている。この場合では、制御部10は、実装予定部品画像53(実線)について、第3電子部品データ51cの全ての端子位置に対して設定許容値を満たす端子が存在するか否かを判断するように構成されている。なお、図7(A)では、実装予定部品画像53(実線)の端子配置位置が、第3電子部品データ51cの全ての端子配置位置に対して許容設定値を満たしているので、実装予定部品画像53を第3電子部品63であると判断する。また、制御部10は、第3電子部品データ51cに設定された縦寸法と実装予定部品画像53中の縦寸法との差である基準縦寸法差を上記した第1検査例と同じように取得する。
制御部10は、第1比較により、実装予定部品E2が第3電子部品63であると判断されたことに基づいて、第3電子部品63のロット毎の第3電子部品63の切り替えが行われたか否かを判断するように構成されている。制御部10は、第1検査例の場合と同様に、第3電子部品63のロット毎の第3電子部品63の切り替えが行われたと判断する。
そして、制御部10は、第3電子部品63においてロットの切り替えが行われたと判断したことに基づいて、第3電子部品データ51cの供給形態と第3電子部品データ51c以外の異形状部品データ52の供給形態とを比較するように構成されている。第2検査例では、複数の異形状部品データ52のうち、第1電子部品データ51a、第2電子部品データ51b、第4電子部品データ51dおよび第5電子部品データ51eの供給形態がテープフィーダであるので、第3電子部品データ51cの供給形態と同じである。第6電子部品データ51fの供給形態はトレイフィーダであるので、第3電子部品データ51cの供給形態と異なる。
制御部10は、第3電子部品データ51cの供給形態が同じ異形状部品データ52(第1電子部品データ51a、第2電子部品データ51b、第4電子部品データ51dおよび第5電子部品データ51e)と実装予定部品画像53との第2比較を行うように構成されている。このように、第6電子部品データ51fの供給形態はトレイフィーダであり、第3電子部品データ51cの供給形態とは異なるので、第6電子部品データ51fと実装予定部品画像53との第2比較が行われない。まず、図7(B)に示すように、第1電子部品データ51aと実装予定部品画像53との第2比較が行われる。
具体的には、制御部10は、第2比較として、実装予定部品画像53(実線)について、第1電子部品データ51aの全ての端子位置に対して設定許容値を満たす端子が存在するか否かを判断するように構成されている。なお、図7(B)では、実装予定部品画像53(実線)の端子配置位置が、第1電子部品データ51aの全ての端子配置位置に対して許容設定値を満たしていない。これにより、第2検査例では、制御部10は、実装予定部品画像53が第1電子部品61ではないと判断する。また、同様にして、図7(C)に示すように、制御部10は、実装予定部品画像53が第2電子部品62ではないと判断する。
次に、図7(D)に示すように、制御部10は、第2比較として、実装予定部品画像53(実線)について、第4電子部品データ51dの全ての端子位置に対して設定許容値を満たす端子が存在するか否かを判断するように構成されている。なお、図7(D)では、実装予定部品画像53(実線)の端子配置位置が、第4電子部品データ51dの全ての端子配置位置に対して許容設定値を満たしている。
制御部10は、実装予定部品画像53の端子配置位置が、第4電子部品データ51dの全ての端子配置位置に対して許容設定値を満たしていると判断したことに基づいて、第4電子部品データ51dに設定された端子の数と第3電子部品データ51cに設定された端子の数とを比較するように構成されている。そして、制御部10は、第4電子部品データ51dに設定された端子の数が第3電子部品データ51cに設定された端子の数よりも大きいか否かを判断するように構成されている。第2検査例では、第4電子部品データ51dに設定された端子の数が第3電子部品データ51cに設定された端子の数よりも大きい。
これにより、制御部10は、実装予定部品画像53が第4電子部品64であると判断し、ユーザーに誤供給を知らせるための誤供給警告を出力するとともに、表示部11に実装予定部品画像53を出力するように構成されている。そして、ユーザーが、第4電子部品64の誤供給の確認を行い、実装対象部品E1である第3電子部品63が供給されるように修正する。このようにして、基板P上に実装対象部品E1以外の電子部品Eが誤って供給されることが抑制されている。なお、第2検査例では、ユーザーが、誤供給されている第4電子部品64を実装対象部品E1である第3電子部品63に修正したので、制御部10による第5電子部品データ51eと実装予定部品画像53との第2比較は行われない。
第2検査例では、上記したような、制御部10による第3電子部品63に対する検査を行うことにより、誤供給された電子部品Eの実装(不良品生産)を未然に防ぐことができる。この結果、実装対象部品E1として第3電子部品63の基板Pへの実装が正しく行われる。
〈第3検査例〉
次に、図8(A)および図8(B)を参照して、複数種類の電子部品Eのうち第1電子部品61が実装対象部品E1であるが、第2電子部品62が誤供給された場合における検査例(以下、第3検査例)について説明する。なお、制御部10は、あらかじめ、第1電子部品61が実装対象部品E1に対応すると認識している。そして、制御部10は、第1電子部品データ51aは、実装対象部品データ51に対応すると認識している。また、制御部10は、第1電子部品61以外の第2電子部品62〜第6電子部品66が各々異形状部品E3に対応し、第1電子部品データ51a以外の第2電子部品データ51b〜第6電子部品データ51fが各々異形状部品データ52に対応すると認識している。
図8(A)に示すように、第3検査例において、制御部10は、第1電子部品データ51aと実装予定部品画像53との上記した第1比較を行うように構成されている。この場合では、制御部10は、実装予定部品画像53(実線)について、第1電子部品データ51aの全ての端子位置に対して設定許容値を満たす端子が存在するか否かを判断するように構成されている。なお、図8(A)では、実装予定部品画像53(実線)の端子配置位置が、第1電子部品データ51aの全ての端子配置位置に対して許容設定値を満たしているので、実装予定部品画像53を第1電子部品61であると判断する。また、制御部10は、第1電子部品データ51aに設定された縦寸法および横寸法のそれぞれと実装予定部品画像53中の縦寸法および横寸法との差の比率である基準縦寸法差率および基準横寸法差率を上記した第1検査例と同じように取得する。
制御部10は、第1比較により、実装予定部品E2が第1電子部品61であると判断されたことに基づいて、第1電子部品61のロット毎の第1電子部品61の切り替えが行われたか否かを判断するように構成されている。制御部10は、第1検査例の場合と同様に、第1電子部品61のロット毎の第1電子部品61の切り替えが行われたと判断する。
そして、制御部10は、第1電子部品61においてロットの切り替えが行われたと判断したことに基づいて、第1電子部品データ51aの供給形態と第1電子部品データ51a以外の異形状部品データ52の供給形態とを比較するように構成されている。上記した第1検査例と同様に、第3検査例では、複数の異形状部品データ52のうち、第2電子部品データ51b〜第5電子部品データ51eの供給形態がテープフィーダであるので、第1電子部品データ51aの供給形態と同じである。また、上記した第1検査例と同様に、第6電子部品データ51fの供給形態はトレイフィーダであるので、第1電子部品データ51aの供給形態と異なる。
制御部10は、第1電子部品データ51aの供給形態が同じ異形状部品データ52(第2電子部品データ51b〜第5電子部品データ51e)と実装予定部品画像53との第2比較を行うように構成されている。図8(B)に示すように、第2電子部品データ51bと実装予定部品画像53との第2比較が行われる。
具体的には、制御部10は、第2比較として、実装予定部品画像53(実線)について、第2電子部品データ51bの全ての端子位置に対して設定許容値を満たす端子が存在するか否かを判断するように構成されている。なお、図8(B)では、実装予定部品画像53(実線)の端子配置位置が、第2電子部品データ51bの全ての端子配置位置に対して許容設定値を満たしている。
次に、制御部10は、実装予定部品E2の画像中の部品の寸法と第2電子部品データ51bに設定された部品の寸法との差に基づいて、縦寸法差率および横寸法差率の各々(寸法差率)を算出するように構成されている。第3検査例では、第1検査例と同様に、縦寸法差率は基準縦寸法差率よりも小さく、かつ横寸法差率は基準横寸法差率よりも小さいので、制御部10は、実装予定部品画像53が第2電子部品62であると判断する。
これにより、上記した第2検査例と同様に、制御部10は、ユーザーに誤供給を知らせるための誤供給警告を出力するとともに、表示部11に実装予定部品画像53を出力するように構成されている。そして、ユーザーが、第2電子部品62の誤供給の確認を行い、実装対象部品E1である第1電子部品61が供給されるように修正する。このようにして、基板P上に実装対象部品E1以外の電子部品Eが誤って供給されることが抑制されている。なお、第3検査例では、ユーザーが、誤供給されている第2電子部品62を実装対象部品E1である第1電子部品61に修正したので、制御部10による第3〜第5電子部品データ51c〜eと実装予定部品画像53との第2比較は行われない。
第3検査例では、上記したような、制御部10による第1電子部品61に対する検査を行うことにより、誤供給された電子部品Eの実装(不良品生産)を未然に防ぐことができる。この結果、実装対象部品E1として第1電子部品61の基板Pへの実装が正しく行われる。
このように第1検査例および第3検査例では、図9に示すように、実装対象部品E1(自部品)が第1電子部品61である場合、異形状部品E3が第2〜第6電子部品62〜66となっている。また、第2検査例では、図9に示すように、実装対象部品E1(自部品)が第3電子部品63である場合、異形状部品E3が第1〜第2電子部品61〜62および第4〜第6電子部品64〜66となっている。また、その他の電子部品Eに関しても同様に、実装対象部品E1(自部品)以外の電子部品Eが異形状部品E3となっている。なお、第1検査例、第2検査例および第3検査例の各々において、第6電子部品データ51fは異形状部品E3であるが、供給形態がトレイフィーダであるので、第2比較は行われない。
(電子部品検査処理フロー)
次に、図10を参照して、部品実装装置1による電子部品検査処理フローをフローチャートに基づいて説明する。電子部品検査処理フローの各処理は、制御部10により行われる。なお、電子部品検査処理フローは、特許請求の範囲の「部品検査方法」の一例である。
図10に示すように、まず、ステップS1において、制御部10は、ヘッド15により実装対象部品E1としての実装予定部品E2を吸着(保持)させる。ステップS2において、制御部10は、部品撮像部8により実装予定部品E2を撮像させる。そして、制御部10は、実装予定部品E2の撮像画像を示す実装予定部品画像53を取得する。ステップS3において、制御部10は、実装対象となっている実装対象部品E1の実装対象部品データ51と実装予定部品E2を示す実装予定部品画像53とを比較(第1比較)する。ステップS4において、制御部10は、比較結果が良好であるか否かを判断する。すなわち、制御部10は、実装予定部品画像53について、実装対象部品データ51の全ての端子位置に対して設定許容値を満たす端子が存在するか否かを判断する。そして、制御部10は、比較結果が良である場合には、ステップS5に進む。制御部10は、比較結果が不良である場合には、ステップS17に進み、エラー処理を行う。すなわち、制御部10は、ユーザーに対して、実装予定部品E2が実装対象である実装対象部品E1ではないことを表示部11に表示する。
ステップS5において、制御部10は、実装予定部品E2は、ロットを切り替えた直後の先頭の電子部品Eであるか否かを判断する。すなわち、制御部10は、実装対象部品E1がロット毎の電子部品Eの切り替えが行われたのか否かを判断する。そして、制御部10は、実装予定部品E2がロットの切り替え直後の電子部品Eである場合には、ステップS8に進む。制御部10は、実装予定部品E2がロットの切り替え直後の電子部品Eでない場合には、実装予定部品E2が実装対象部品E1であるとして、ステップS6において吸着された実装予定部品E2の姿勢補正を行なわせた後に、ステップS7において基板Pに実装予定部品E2を実装させる。
ステップS8において、制御部10は、実装対象部品E1以外の異形状部品E3の異形状部品データ52が設定されているか否かを判断する。そして、制御部10は、異形状部品データ52が設定されている場合には、ステップS9に進む。制御部10は、異形状部品データ52がない場合には、実装予定部品E2が実装対象部品E1であるとして、ステップS6およびステップS7の順に進む。ステップS9において、制御部10は、実装対象部品データ51の供給形態とある一種の異形状部品データ52の供給形態とが同じであるか否かを判断する。すなわち、制御部10は、異形状部品E3をヘッド15に供給する供給形態と実装対象部品E1をヘッド15に供給する供給形態とが同じか否かを判断する。制御部10は、実装対象部品データ51の供給形態と異形状部品データ52の供給形態とが同じである場合には、ステップS10に進む。制御部10は、供給形態が同じでない場合には、ステップS8に進む。
ステップS10において、制御部10は、異形状部品データ52と実装予定部品画像53とを比較(第2比較)する。ステップS11において、制御部10は、異形状部品データ52により実装予定部品画像53を認識できたか否かを判断する。すなわち、制御部10は、実装予定部品画像53について、異形状部品データ52の全ての端子位置に対して設定許容値を満たす端子が存在するか否かを判断する。そして、制御部10は、設定許容値を満たしており、異形状部品データ52により実装予定部品画像53を認識できた場合には、ステップS12に進む。制御部10は、異形状部品データ52により実装予定部品画像53を認識できなかった場合にはステップS8に進み、別の種類の異形状部品データ52との比較が行われる。
ステップS12において、制御部10は、異形状部品データ52の端子の数が実装対象部品データ51の端子の数よりも大きいか否かを判断する。そして、制御部10は、異形状部品データ52の端子の数が実装対象部品データ51の端子の数よりも大きい場合には、ステップS14に進み、誤供給警告を出力する。このように、異形状部品E3がヘッド15に供給されていることをユーザーに報知している。制御部10は、異形状部品データ52の端子の数が実装対象部品データ51の端子の数以下の場合には、ステップS13に進む。
ステップS13において、制御部10は、実装予定部品画像53と異形状部品データ52との寸法差が閾値よりも小さいか否かを判断する。すなわち、実装予定部品画像53中の部品の寸法と異形状部品データ52の部品の寸法との差が、閾値としての実装予定部品画像53中の部品の寸法と実装対象部品データ51の部品の寸法との差よりも小さいか否かを判断する。そして、制御部10は、実装予定部品画像53と異形状部品データ52との部品の寸法差が閾値よりも小さい場合には、ステップS14に進み、誤供給警告を出力する。制御部10は、実装予定部品画像53と異形状部品データ52との部品の寸法差が閾値以上の場合には、ステップS8に進み、別の種類の異形状部品データ52との比較が行われる。
ステップS14において、制御部10は、誤供給警告を出力するとともに表示部11に実装予定部品E2の画像を出力させる。すなわち、制御部10は、ヘッド15に吸着(保持)された実装予定部品E2が異形状部品E3であるという警告を出力する。または、異形状部品E3がヘッド15に供給されていることをユーザーに報知する。以上が制御部10により自動で行われる。
ステップS15において、ユーザーが、表示部11に表示された実装予定部品E2の画像を確認し、異形状部品E3が供給されたのか否かを再確認する。ユーザーが、異形状部品E3が供給されたと判断した場合には、ステップS16に進み正しい電子部品Eに修正した後にステップS1に戻る。ユーザーは異形状部品E3が供給されていない、すなわち虚報であり、正しい電子部品Eが供給されていると判断した場合には、ステップS8に進む。以上のステップS15およびステップS16がユーザーにより手動で行われる。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、制御部10は、実装予定部品画像53と実装対象部品E1の部品の寸法および端子の数を含む電子部品データ40である実装対象部品データ51との第1比較を行うように構成されている。制御部10は、実装対象部品E1とは端子の数または部品の寸法の少なくともいずれかが異なる異形状部品E3の異形状部品データ52と実装予定部品画像53との第2比較を行うように構成されている。制御部10は、第1比較および第2比較の両方に基づいて、ヘッド15に保持された実装予定部品E2が実装対象部品E1であるか否かを判断するように構成されている。これにより、実装予定部品E2が、実装対象部品E1であるか否かの判断、および実装対象部品E1とは端子の数が異なる異形状部品E3であるか否かの判断に加えて、端子の数以外の部品の寸法などが異なる異形状部品E3であるか否かも判断することができる。この結果、部品の寸法または端子の数のいずれかが異なる異形状部品E3がヘッド15に吸着されたとしても、異形状部品E3が基板Pに実装されることを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部10は、第1比較により実装予定部品E2が実装対象部品E1であると判断されたことに基づいて、第2比較を行うように構成されている。これにより、第1比較において実装対象部品E1でないと判断された電子部品Eに関しては第2比較を行わないように構成されていることにより、制御部10が第2比較を行う実装予定部品画像53の処理数を減少させることができるので、電子部品Eを吸着してから基板Pに実装するまでの時間の損失を小さくすることができる。また、第1比較の際に誤って実装予定部品E2が実装対象部品E1であると判断されたとしても、第2比較により実装予定部品E2が異形状部品E3であると正しく判断させることができるので、基板Pに異形状部品E3が誤って実装されることを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部10は、複数種類の電子部品Eの各々においてロット毎の電子部品Eの切り替えが行われたことに基づいて、第2比較を行うように構成されている。これにより、異形状部品E3が誤ってヘッド15に供給されやすい状態に絞って第2比較を行わせることにより、制御部10が第1比較および第2比較を常に行う場合よりも、制御部10の処理負荷を減少させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、異形状部品データ52は、同一基板P上において実装する異形状部品E3の電子部品データ40、または、同一基板P以外の基板Pにおいて実装するため、あらかじめ配置されている異形状部品E3の電子部品データ40を含んでいる。これにより、実装予定部品E2として誤って基板Pに実装される可能性が高い異形状部品E3の電子部品データ40による第2比較を確実に行うことができるので、基板Pに異形状部品E3が誤って実装されることをより抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部10は、異形状部品データ52に対して、異形状部品E3の供給形態と実装対象部品E1の供給形態とが同じであると判断されたことに基づいて、第2比較が行われるように構成されている。これにより、供給形態が異なる異形状部品E3の数だけ、第2比較を行う実装予定部品画像53の処理数を減少させることができるので、制御部10による実装予定部品画像53に対する判定の処理効率をより向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部10は、第2比較により実装予定部品E2が異形状部品E3であると判断された場合には、異形状部品データ52に設定されている端子の数が実装対象部品データ51に設定されている端子の数よりも大きい(多い)ことに基づいて、実装予定部品E2が異形状部品E3であると判断するように構成されている。これにより、端子の数が大きいという、実装予定部品E2が明らかに異形状部品E3であると判断できる場合に対して実装予定部品E2が異形状部品E3であると判断するので、誤った判断を抑制することができる。また、異形状部品データ52および実装対象部品E1の各々の端子の数を比較するという簡単な比較を付加することにより、実装予定部品E2が異形状部品E3であるという判断の確実性を向上させることができるので、制御部10の処理効率の低下を抑制するとともに誤った判断を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部10は、第2比較により実装予定部品E2が異形状部品E3であると判断された場合には、実装予定部品画像53中の部品の寸法と異形状部品データ52に設定されている部品の寸法との差が、実装予定部品画像53中の部品の寸法と実装対象部品データ51に設定されている部品の寸法との差よりも小さいことに基づいて、実装予定部品E2が異形状部品E3であると判断するように構成されている。これにより、実装予定部品E2の部品の寸法が異形状部品E3の部品の寸法に近いことが明らかな場合に実装予定部品E2が異形状部品E3であると判断するので、誤った判断を抑制することができる。また、実装予定部品画像53および異形状部品データ52の各々の部品の寸法という詳細な情報の比較により実装予定部品E2が異形状部品E3であるか否かを判断することによって、実装予定部品E2が異形状部品E3であるという判断の確実性を向上させることができるので、誤った判断をより抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部10は、ヘッド15に保持された実装予定部品E2が異形状部品E3であると判断されたことに基づいて、実装予定部品E2が異形状部品E3であるとユーザーに報知するように構成されている。これにより、ヘッド15に保持された異形状部品E3が基板P上に実装されることをより一層抑制することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、制御部10は、第2比較を行う異形状部品E3として、第1電子部品61(第5電子部品65)外の第2〜第6電子部品66(第1〜第4電子部品61〜64および第6電子部品66)を全て設定している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図11(A)に示す本実施形態の第1変形例のように、供給形態(テープフィーダまたはトレイフィーダ)と端子の数とにより、あらかじめ第2比較を行う異形状部品の数を絞ってもよい。さらに、図11(B)に示す本実施形態の第1変形例のように、供給形態(8mmテープフィーダ、16mmテープフィーダおよびトレイフィーダ)と端子の数により、あらかじめ第2比較を行う異形状部品の数を絞ってもよい。これらにより、実装予定部品が実装対象部品または異形状部品か否かの判断を誤りやすい場合のみに対して第2比較を行うことにより、第2比較を行う実装予定部品画像の処理数を小さくすることができるので、制御部による実装予定部品画像に対する判断の処理効率を向上させることができる
また、上記実施形態では、実装対象部品E1が、2端子ダイオード、ミニトランジスタおよびQFPである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、実装対象部品は、上記した以外の種類の電子部品(たとえば、抵抗器およびコンデンサなど)であってもよい。
また、上記実施形態では、制御部10が、ロットを切り替えた直後の先頭の電子部品Eに対してのみ電子部品検査処理を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部が、全ての電子部品または無作為に選択された電子部品に対して電子部品検査処理を行ってもよい。
また、上記実施形態では、制御部10は、縦寸法差率と基準縦寸法差率とを比較するとともに、横寸法差率と基準横寸法差率とを比較することにより、実装予定部品E2が異形状部品E3であるか否かを判断する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部は、実装予定部品画像中の電子部品の面積と実装対象部品データの電子部品Eの面積との差と、実装予定部品画像中の電子部品の面積と異形状部品データの電子部品の面積との差との比較に基づいて、実装予定部品が異形状部品であるか否かを判断してもよい。
また、上記実施形態では、実装対象部品データ51の供給形態が、8mmテープフィーダおよび16mmテープフィーダの例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、実装対象部品の供給形態が、他の大きさのテープフィーダであってもよい。
また、上記実施形態では、実装対象部品E1の供給形態は、テープフィーダおよびトレイフィーダを有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、実装対象部品の供給形態は、バルクフィーダおよびスティックフィーダなどを有していてもよい。
また、上記実施形態では、複数種類の電子部品Eは、互いに、部品の寸法、端子の数および部品の種類の少なくともいずれかが異なる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数種類の電子部品は、互いに、端子のサイズ、部品本体の形状などが異なっていてもよい。
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御部10の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
また、上記実施形態では、複数の異形状部品データ52は、各々、同一基板P上において実装される電子部品Eの電子部品データ40である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の異形状部品データは、各々、同一基板以外の基板において実装するため、あらかじめ配置される電子部品データ(共通段取りの電子部品データ)であってもよい。
また、上記実施形態では、異形状部品E3がヘッド15に供給されていることをユーザーに報知する方法として、誤供給警告を出力するとともに表示部11に実装予定部品E2の画像を出力させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、誤供給警告を出力するとともに、異形状部品がヘッドに誤供給されている旨を表示部に表示し、さらに、同じ表示部に実装予定部品画像を出力させてもよい。また、誤供給警告を出力するとともに、異形状部品がヘッドに誤供給されている旨を表示部に表示し、さらに、ユーザーが操作部(たとえば、表示部に設けられたタッチパネル)を操作して表示画面を切り替えることにより、実装予定部品の画像を表示部に出力させてもよい。また、誤供給警告を出力するとともに、ヘッドに誤供給されている異形状部品の画像と、実装予定部品画像とを同時に表示部に出力させてもよい。