JP6922189B2 - インク吐出装置及びインク吐出方法 - Google Patents
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Description
一方、循環型のインク吐出ヘッドを有し、吐出乱れの少ない高品位な画像が得られるインク吐出装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
前記インクの循環している流量が、前記インク吐出ヘッドの最大吐出量に対して0.10倍以上1.50倍以下であり、
前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが34.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦19.0%を満たす。
本発明のインク吐出装置は、着色剤、有機溶剤、及び水を含有するインクと、前記インクを吐出するノズル、前記インクを個別液室に流入させる流入流路、及び前記インクを前記個別液室から流出させる流出流路を有するインク吐出ヘッドと、前記インクを前記流出流路から前記流入流路に向かって循環させる循環手段と、を備えたインク吐出装置であって、
前記インクの循環している流量が、前記インク吐出ヘッドの最大吐出量に対して、0.10倍以上1.50倍以下であり、
前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが34.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦19.0%を満たし、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
前記インクの循環している流量が、前記インク吐出ヘッドの最大吐出量に対して、0.10倍以上1.50倍以下であり、
前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが34.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦19.0%を満たし、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
また、従来の循環型のインク吐出ヘッドを有するインク吐出装置では、ノズル近傍のインクが循環され難いためメニスカス乾燥が起こり、インクの吐出安定性が悪化し、メニスカスの溢れや気泡の巻き込みを発生してしまうという知見に基づくものである。
前記インクの循環している流量は、前記インク吐出ヘッドの最大吐出量に対して、0.10倍以上1.50倍以下であり、0.20倍以上1.20倍以下が好ましい。
ここで、前記流量とは、循環によるインク流量のことを言い、単位は、例えば、mL/minで表される。前記流量1.0倍というのは、インク吐出ヘッドの最大吐出量に対する比が1.0倍であることを意味する。
前記インクの流量の調整は、例えば、送液ポンプの送液量を調整すること等により行うことができる。
前記インクの流量は、例えば、流量計をつなぐことにより測定することができる。
前記流量が0.10倍以上であると、ノズル近傍のインクが循環されやすくメニスカス乾燥が生じず、打ち始めドットの着弾位置に遅れがなく、液室に入り込んだ気泡を排出することができるため、連続吐出においてノズル抜けが発生することがない。また、前記流量が1.50倍以下であると、メニスカスが維持でき、メニスカスの溢れや気泡の巻き込みが発生することを防止できる。
前記インク吐出ヘッド単体では前記範囲の流量を達成するのは難しく、前記インクと組合せることで、インクにおける動的表面張力Aと静的表面張力Bとのバランスの最適化が図れ、前記インク吐出ヘッドのノズルプレートの撥水膜に濡れ難いインクとなることで、流速を大きくしてもメニスカスを維持することが可能となり、従来よりも大きい流量でもメニスカスを維持したまま、メニスカス乾燥によるインクの吐出安定性が悪化し、メニスカスの溢れや気泡の巻き込みが発生するという課題を解決することができ、長期間に亘って安定に高品位な画像を提供できる。
前記インクは、着色剤、有機溶剤、及び水を含有し、ポリエチレンワックス及び界面活性剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記インクは、25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが34.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦19.0%を満たすことが必要である。これにより、記録媒体への十分なインクの濡れ性を確保することができ、更に、汎用印刷用紙等の塗工層を有する吸インク性の悪いコート紙にもインクが素早く浸透し、紙面へのインク着弾後の乾燥過程で急激に顔料凝集が生じて増粘させることが可能となり、ビーディングを抑制することが可能となる。
前記動的表面張力Aを34.0mN/m以下にすることにより、汎用印刷用紙での濡れ性及び浸透性が良好となり、ビーディング及びカラーブリードの低減にも効果が高くなる。また、普通紙での発色性、及び白ポチの発生も改善できる。
前記インクの最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力は、例えば、SITA DynoTester(SITA社製)を用いて、25℃で測定することができる。
前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦19.0%を満たし、次式、12.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦17.0%を満たすことが好ましい。
前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦19.0%を満たすことにより、前記インクにおける前記動的表面張力Aと前記静的表面張力Bとのバランスの最適化が図れ、インクジェットヘッドのノズルプレートの撥水膜に濡れ難いインクとなり、吐出安定性が確保でき、連続吐出においてノズル抜けが生じない極めて安定なインクが得られる。
前記静的表面張力が20.0mN/m以上30.0mN/m以下であると、インクの浸透性を高めることができ、コックリング及びカールの低減効果が高くなり、普通紙印字での浸透及び乾燥が良好となる。
前記インクの静的表面張力は、例えば、全自動表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学株式会社製)を用いて、25℃で測定することができる。
本発明に使用する有機溶剤としては、特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができるが、溶解度パラメーター9以上11.8未満の有機溶剤を少なくとも1種含有することが好ましい。前記溶解度パラメーター9以上11.8未満の有機溶剤を含有することにより、汎用印刷用紙上でもビーディングの発生を抑制することが可能となる。
ここで、前記溶解度パラメーター(SP値)とは、どれだけ互いが溶けやすいかということを数値化したものをいう。前記SP値は、互いの分子間の引き合う力、即ち、凝集エネルギー密度CED(Cohesive Energy Density)の平方根で表される。なお、前記CEDとは、1mLのものを蒸発させるのに要するエネルギー量である。
前記溶解度パラメーター(SP値)は、ヒルデブラント(Hildebrand)によって導入された正則溶液理論により定義され、二成分系溶液の溶解度の目安となる。
前記SP値の計算方法については諸説あるが、本発明においては一般的に用いられているFedorsの方法を用いる。
前記Fedors法により下記式(B)を用いてSP値を計算することができる。
SP値(溶解パラメータ)=(CED値)1/2=(E/V)1/2 ・・・式(B)
前記式(B)において、Eは分子凝集エネルギー(cal/mol)、Vは分子容(cm3/mol)であり、原子団の蒸発エネルギーをΔei、モル体積をΔviとした場合、下記式(C)、及び式(D)で示される。
E=ΣΔei・・・式(C)
V=ΣΔvi・・・式(D)
なお、前記計算方法、各原子団の蒸発エネルギーΔei及びモル体積Δviの諸データとしては、「接着の基礎理論」(井本稔著、高分子刊行会発行、第5章)に記載のデータを用いることができる。
また、−CF3基などの値が示されていないものに関しては、R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.14,147(1974)を参照することができる。
[構造式(1)、SP値:9.03]
これらの中でも、3−メチル−1,3−ブタンジオール(SP値:12.05)、1,2−ブタンジオール(SP値:12.8)、1,3−ブタンジオール(SP値:12.75)、1,4−ブタンジオール(SP値:12.95)、2,3−ブタンジオール(SP値:12.55)、1,2−プロパンジオール(SP値:13.5)、1,3−プロパンジオール(SP値:13.72)が好ましく、1,2−ブタンジオール(SP値:12.8)、1,2−プロパンジオール(SP値:13.5)がより好ましい。
前記含有量が、30質量%以上であると、汎用印刷用紙上でのビーディングや色間のカラーブリードが抑制できることがある。また、前記含有量が、60質量%以下であると、画像品質が良好であり、インク粘度が適正となり吐出安定性が良好となる。
これらの中でも、下記一般式(VII)で表される1,3−ジオール化合物が好ましく、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[SP値:10.6]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[SP値:10.8]が特に好ましい。
前記含有量が、20質量%以上であると、汎用印刷用紙上でのビーディングの発生が抑えられ、色間のカラーブリード抑制効果が向上する。一方、前記含有量が、60質量%以下であると、画像品質が向上し、インク粘度が適正となり吐出安定性が向上する。
前記平衡水分量は、塩化カリウム/塩化ナトリウム飽和水溶液を用いデシケーター内の温湿度として、温度23℃±1℃、相対湿度80%±3%に保ち、このデシケーター内に各有機溶剤を1gずつ秤量したシャーレを保管し、下記式から、平衡する水分量を求めたものである。
平衡水分量(%)=[有機溶剤に吸収した水分量/(有機溶剤+有機溶剤に吸収した水分量)]×100
前記「温度23℃、相対湿度80%における平衡水分量が30%以上の多価アルコール」は、特開2012−207202号公報及び特開2014−94998号公報などで用いられている。
前記「温度23℃、相対湿度80%における平衡水分量が30%以上の多価アルコール」としては、例えば、1,2,3−ブタントリオール(平衡水分量:38%)、1,2,4−ブタントリオール(平衡水分量:41%)、グリセリン(平衡水分量:49%、SP値16.38)、ジグリセリン(平衡水分量:38%)、トリエチレングリコール(平衡水分量:39%、SP値15.4)、テトラエチレングリコール(平衡水分量:37%)、ジエチレングリコール(平衡水分量:43%)、1,3−ブタンジオール(平衡水分量:35%)などが挙げられる。
前記着色剤として水分散性顔料を用いることが好ましい。なお、色調調整の目的で染料を併用しても構わないが、耐候性を劣化させない範囲内で使用することが好ましい。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。
前記カーボンブラックの市販品としては、例えば、Regal(登録商標)、Black Pearls(登録商標)、Elftex(登録商標)、Monarch(登録商標)、Regal(登録商標)、Mogul(登録商標)及びVulcan(登録商標)の商標でCabot Corporationから入手し得るカーボンブラック(例えば、Black Pearls 2000、同1400、同1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、同570、Black Pearls L、Elftex 8、Monarch 1400、同1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、Mogul L、Regal 330、同400、同660、Vulcan P);SENSIJET Black SDP100(SENSIENT社製)、SENSIJET Black SDP1000(SENSIENT社製)、SENSIJET Black SDP2000(SENSIENT社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
所望の比表面積と合わない場合には、顔料を比較的小さい粒径にするために、サイズ減少又は粉砕処理(例えば、ボールミル粉砕、又はジェットミル粉砕、又は超音波処理)をして調整することができる。
前記顔料の50%累積体積粒径(D50)は、インク中において、10nm以上200nm以下が好ましい。
これらの中でも、経時保存安定性が高く、水分蒸発時の粘度上昇が抑制できる点から、前記(3)の顔料の表面を樹脂で被覆した樹脂被覆顔料、及び前記(4)の顔料表面に親水基を設けた自己分散性顔料が好ましい。
前記親水性官能基及び四級アンモニウムイオンを有する自己分散性顔料を使用すると、水リッチなインク中でも水分が蒸発した有機溶剤リッチなインク中でも親和性を発揮し、顔料の分散が安定に保てると推測される。
ここで、ジェミナルビスホスホン酸基の場合を例として、顔料表面の改質処理について説明する。改質方法としては、例えば、以下の方法A、方法Bが挙げられる。
カーボンブラック20g、下記構造式(v)又は構造式(vi)の化合物20ミリモル、及びイオン交換高純水200mLを、室温環境下、Silversonミキサー(6,000rpm)で混合する。得られるスラリーのpHが4より高い場合は、硝酸20ミリモルを添加する。30分後に、少量のイオン交換高純水に溶解された亜硝酸ナトリウム(20ミリモル)を上記混合物にゆっくりと添加する。更に、撹拌しながら60℃に加温し、1時間反応させると、カーボンブラックに下記構造式(v)又は構造式(vi)の化合物を付加した改質顔料が生成する。次いで、NaOH水溶液によりpHを10に調整すると、30分後に改質顔料分散体が得られる。次いで、該分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜による限外濾過を行い、更に超音波分散を行って固形分を濃縮した改質顔料分散体を得る。
ProcessAll 4HV ミキサー(4L)に、乾燥カーボンブラック500g、イオン交換高純水1L及び下記構造式(v)又は構造式(vi)の化合物1モルを充填する。次いで、混合物を10分間、60℃に加温しながら300rpmで強く混合する。これに20%亜硝酸ナトリウム水性溶液[構造式(v)の化合物又は構造式(vi)の化合物に基づき1モル当量]を15分間かけて添加し、60℃に加温しながら、3時間混合撹拌する。
前記反応物をイオン交換高純水750mLで希釈しながら取り出し、得られた改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜により限外濾過を行い、更に超音波分散を行って固形分を濃縮した改質顔料分散体を得る。更に、粗大粒子が多い場合は、遠心分離機等を用いて除去することが好ましい。
そして、pH調整剤による処理を行うと、前記構造式(v)又は構造式(vi)の化合物の少なくとも一部はそれらの塩(前記構造式(iii)又は構造式(iv)に相当する化合物)に変わる。
前記ポリマー粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンとは、前記ポリマー粒子中に顔料を封入したもの、又はポリマー粒子の表面に顔料を吸着させたものである。この場合、全ての顔料が封入又は吸着している必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲で該顔料がエマルジョン中に分散にしていてもよい。
前記ポリマーエマルジョンを形成するポリマー(ポリマー粒子におけるポリマー)としてはビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマーなどが挙げられるが、特に好ましく用いられるポリマーは、ビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーであり、特開2000−53897号公報、特開2001−139849号公報に開示されているポリマーを引用することができる。
この場合、一般的な有機顔料、若しくは無機顔料粒子を有機顔料又はカーボンブラックで被覆した複合顔料を好適に用いることができる。前記複合顔料は、無機顔料粒子の存在下で有機顔料を析出する方法や、無機顔料と有機顔料を機械的に混摩砕するメカノケミカル法等により作製することができる。
更に必要に応じて、ポリシロキサン、アルキルシランから生成するオルガノシラン化合物の層を、無機顔料と有機顔料の中間に設けることで両者の接着性を向上させることが可能である。
前記無機顔料粒子と着色剤である有機顔料又はカーボンブラックとの質量比は、3:1〜1:3が好ましく、3:2〜1:2がより好ましい。
前記着色剤が少ないと発色性や着色力が低下することがあり、着色剤が多くなると透明性や色調が悪くなることがある。
このような無機顔料粒子を有機顔料又はカーボンブラックで被覆した色材粒子としては、戸田工業株式会社製のシリカ/カーボンブラック複合材料、シリカ/フタロシアニンPB15:3複合材料、シリカ/ジスアゾイエロー複合材料、シリカ/キナクリドンPR122複合材料などが、一次平均粒径が小さい点から、好適に用いることができる。
前記複合顔料は、表面の有機顔料のみが分散に寄与するだけでなく、厚み2.5nmの有機顔料の薄層を通して中心にある無機顔料の性質も現れてくるため、両者を同時に分散安定化できる顔料分散剤の選択も重要である。
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
前記水のインク中における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
従来から、画像の堅牢性(耐擦過性)を向上させる手段としてインク中にポリエチレンワックスを含有することが知られているが、ポリエチレンワックスは含有量が多くなると水分の蒸発に伴い凝集固着しやすく、吐出ヘッドのノズル目詰まりを引き起こして安定した吐出が妨げられるため、高生産性(高乾燥性)を狙ったインクにおいては、特に従来のヘッドとの組合せでは十分な画像の堅牢性が得られるほどのポリエチレンワックス量を含有できなかった(堅牢性と吐出安定性のトレードオフ)。しかし、前記循環型のインク吐出ヘッドとの組合わせにより、ノズル近傍のインクが循環されるため高生産性(高乾燥性)を狙ったインクにおいてノズル内壁面へのポリエチレンワックスの凝集固着を解決して吐出の安定性を確保しながら従来以上にポリエチレンワックス含有することが可能となる。そのため、吐出の安定性を確保しながら従来に比べて画像の堅牢性を飛躍的に向上することが可能となる。
前記ポリエチレンワックスとしては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、AQ515(ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。
前記ポリエチレンワックスの含有量は、固形分で、0.1質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.2質量%以上1.8質量%以下がより好ましい。
前記含有量が、0.1質量%以上2.0質量%以下であると、得られる画像の堅牢性(耐擦性)が向上し、また、インクの吐出安定性にも悪影響を与えにくい。
前記界面活性剤としては、ポリエーテル変性シロキサン化合物を含むことが好ましい。
前記ポリエーテル変性シロキサン化合物を界面活性剤として用いることにより、インクヘッドのノズルプレートの撥インク層に濡れ難いインクとなり、インクのノズル付着による吐出不良を防ぎ、吐出安定性が向上する。
前記ポリエーテル変性シロキサン化合物の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特許第5101598号公報、特許第5032325号公報、特許第5661229号公報などの記載を参照することができる。
前記ポリオキシアルキレンコポリマー単位としては、例えば、オキシエチレン単位−(C2H4O)−、オキシプロピレン単位−(C3H6O)−、オキシブチレン単位−(C4H8O)−、又はそれらの混合単位などが挙げられる。前記オキシアルキレン単位は、どのような方法で配置されていてもよく、ブロック構造及びランダムコポリマー構造のいずれかを形成できるが、ランダムコポリマー基を形成することが好ましい。前記ポリオキシアルキレンは、オキシエチレン単位(C2H4O)及びオキシプロピレン単位(C3H6O)の両方をランダムコポリマー中に含むことが好ましい。
前記オルガノハイドロジェンシロキサンは類似した構造をもっているが、シロキシ単位上に存在する少なくとも1つのSiHを有する。
前記オルガノハイドロジェンシロキサン中のメチル系シロキシ単位は、「MH」シロキシ単位(R2HSiO0.5)、「DH」シロキシ単位(RHSiO)、「TH」シロキシ単位(HSiO1.5)を含むものとして表すことができる。
前記オルガノハイドロジェンシロキサンは、少なくとも1つのシロキシ単位がSiHを含むことを条件として、任意の数のM、MH、D、DH、T、TH、又はQシロキシ単位を含むことができる。
前記ヒドロシリル化触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、もしくはイリジウム金属、又はそれらの有機金属化合物、あるいはそれらの組み合わせなどが挙げられる。
前記ヒドロシリル化触媒の含有量は、前記(A)成分及び前記(B)成分の重量を基準にして、0.1ppm〜1,000ppmが好ましく、1ppm〜100ppmがより好ましい。
前記溶媒としては、例えば、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、又はn−プロパノール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトン);芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、又はキシレン);脂肪族炭化水素(例えば、ヘプタン、ヘキサン、又はオクタン);グリコールエーテル(例えば、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、又はエチレングリコールn−ブチルエーテル)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、メチレンクロライド、又はクロロホルム)、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、揮発油、ミネラルスピリット、ナフサなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエーテル変性シロキサン化合物の市販品としては、例えば、71ADDITIVE、74ADDITIVE、57ADDITIVE、8029ADDITIVE、8054ADDITIVE、8211ADDITIVE、8019ADDITIVE、8526ADDITIVE、FZ−2123、FZ−2191(いずれもTORAY ダウ・コーニング株式会社製);TSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4446、TSF4450、TSF4452、TSF4460(いずれもモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製);シルフェイスSAG002、シルフェイスSAG003、シルフェイスSAG005、シルフェイスSAG503A、シルフェイスSAG008、シルフェイスSJM003(いずれも日信化学工業株式会社製);TEGO Wet KL245、TEGO Wet 250、TEGO Wet 260、TEGO Wet 265、TEGO Wet 270、TEGO Wet 280(いずれもエボニック社製);BYK−345,BYK−347,BYK−348,BYK−375,BYK−377(いずれもビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、TEGO Wet 270(エボニック社製)、シルフェイスSAG503A(日信化学工業株式会社製)が好ましい。
前記界面活性剤の含有量は、インク全量に対して、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.5質量%以上3質量%以下がより好ましい。前記含有量が0.001質量%以上5質量%以下であると、インクヘッドのノズルプレートの撥インク層に濡れ難いインクとなり、インクのノズル付着による吐出不良を防ぎ、インクの吐出安定性が向上するという効果が得られる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、水分散性樹脂、抑泡剤(消泡剤)、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記水分散性樹脂は、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えて、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。
前記水分散性樹脂としては、例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。
前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
これらの中でも、フッ素系樹脂及びアクリル−シリコーン樹脂が好ましい。
前記フルオロオレフィン単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、−CF2CF2−、−CF2CF(CF3)−、−CF2CFCl−などが挙げられる。
前記ビニルエーテル単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式で表される化合物などが挙げられる。
このようなフッ素系樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、DIC株式会社製のフルオネートFEM−500、FEM−600、ディックガードF−52S、F−90、F−90M、F−90N,アクアフランTE−5A;旭硝子株式会社製のルミフロンFE4300、FE4500、FE4400、アサヒガードAG−7105、AG−950、AG−7600、AG−7000、AG−1100などが挙げられる。
前記水分散性樹脂としては、樹脂自身が親水基を持ち自己分散性を持つもの、樹脂自身は分散性を持たず界面活性剤や親水基をもつ樹脂にて分散性を付与したものが使用できる。これらの中でも、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂のアイオノマーや不飽和単量体の乳化及び懸濁重合によって得られた樹脂粒子のエマルジョンが最適である。不飽和単量体の乳化重合の場合には、不飽和単量体、重合開始剤、界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、及びpH調整剤などを添加した水にて反応させ樹脂エマルジョンを得るため、容易に水分散性樹脂を得ることができ、樹脂構成を容易に替えやすいため目的の性質を作りやすい。
前記ジエン単量体類としては、例えば、ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。
また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させる。そこで、インク吐出性を阻害させないために体積平均粒径は200nm以下がより好ましく、150nm以下が更に好ましい。
前記水分散性樹脂の含有量は、インク全量に対して、固形分で、0.5質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上8質量%以下がより好ましい。
前記抑泡剤(消泡剤)は、インク中に微量添加することによって、その発泡を抑えるために用いられる。ここで、前記発泡とは液体が薄い膜になって空気を包むことである。この泡の生成にはインクの表面張力や粘度等の特性が関与する。即ち、水のように表面張力が高い液体は、液体の表面積をできるだけ小さくしようとする力が働くために、発泡し難い。これに対し、高粘度で高浸透性のインクは、表面張力が低いために発泡し易く、溶液の粘性により生成した泡が維持されやすく消泡し難い。
通常、前記抑泡剤は、泡膜の表面張力を局部的に低下させて泡を破壊するか、発泡液に不溶な抑泡剤を発泡液表面に点在させることで泡を破壊する。前記インクに界面活性剤として表面張力を低下させる働きの極めて強いポリエーテル変性シロキサン化合物を用いた場合には、前者の機構による抑泡剤を用いても泡膜の表面張力を局部的に低下させることができないため、通常は用いられない。そのため、後者の発泡液に不溶な抑泡剤が用いられるが、この場合、溶液に不溶な抑泡剤によりインクの安定性が低下する。
<一般式(A)>
前記抑泡剤の含有量は、インク全量に対して、0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。前記抑泡剤の含有量が0.01質量%以上であると、泡を抑える効果が得られ、10質量%以下であると、良好な抑泡性が得られ、粘度、粒径等のインク物性が適正となる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。前記pHが7未満及び11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。
前記ホスホニウム水酸化物としては、例えば、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
本発明のインクは、前記着色剤、前記有機溶剤、及び前記水、好ましくは前記界面活性剤及び前記水分散性樹脂、更に必要に応じて前記その他の成分を水中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。前記攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機、攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
前記インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
前記インクの25℃での粘度は、5mPa・s以上25mPa・s以下が好ましく、6mPa・s以上20mPa・s以下がより好ましい。前記インク粘度が5mPa・s以上とすることによって、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、インク粘度を25mPa・s以下に抑えることで、吐出性を確保することができる。
ここで、前記粘度は、例えば、粘度計(RE−550L、東機産業株式会社製)を用いて、25℃で測定することができる。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
本発明の記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
本発明で用いられるインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置、複数の個別液室内の液体を循環させる循環型吐出ヘッドのいずれも含まれる。循環型吐出ヘッドについては別途後述する。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
前記インク吐出ヘッドは、前記インクを吐出するノズル、前記インクを個別液室に流入させる流入流路、及び前記インクを前記個別液室から流出させる流出流路を有する。
前記インク吐出ヘッドには、前記個別液室に前記流入流路を介して前記インクを供給するインク供給部が接続されていることが好ましい。前記インク吐出装置が前記循環手段を有する場合には、前記流出流路を前記インク供給部と接続することにより、前記インク吐出ヘッドと前記インク供給部との間で前記インクを循環させることが好ましい。このようにすると、前記流出流路からの流出による廃インクの量を低減できる点で有利である。
前記循環手段は、前記インクを前記流入流路から前記流出流路に向かって循環させる手段である。
前記循環手段は、前記インク吐出ヘッドが前記インクを吐出する前に、前記インクを循環させることが好ましい。
前記インク吐出ヘッドは、前記循環手段が前記インクを循環させた後に循環を停止させてから前記インクを吐出することもでき、前記循環手段が常に前記インクを循環させながら、前記インクを吐出することもできる。
前記循環手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、送液ポンプなどが挙げられる。
本発明のインク吐出装置は、前記その他の手段として、必要に応じて、前記インクが充填されるインク収容容器と、前記個別液室に前記流入流路を介して前記インクを供給するインク供給部と、前記インク収容容器と前記インク供給部との間で、前記インクを循環させる往路及び復路の送液経路とを有することが好ましい。
前記インク収容容器(以下、「インクカートリッジ」、「カートリッジ」、又は「メインタンク」と称することもある)には、前記インクが収容され、往路及び復路の前記送液経路を介して前記インク供給部と循環可能に接続されている。
前記インク供給部は、前記個別液室に前記流入流路を介して前記インクを供給する。前記インク供給部としては、前記循環手段により、前記インクを前記流入流路及び前記流出流路を介して前記インク吐出ヘッドとの間で循環させることが好ましく、前記インクを往路及び復路の前記送液経路を介して前記インク収容容器との間で循環させることがより好ましい。
前記送液経路は、往路及び復路の経路を有しており、前記インク収容容器と前記インク供給部との間で前記インクを循環させる。
以下に循環型吐出ヘッドの一例について図3から図8を参照して説明する。図3は同液体吐出ヘッドの外観斜視説明図、図4は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向の断面説明図、図5は同ヘッドのノズル配列方向と平行な方向の断面説明図、図6は同ヘッドのノズル板の平面説明図、図7Aから図7Fは同ヘッドの流路部材を構成する各部材の平面説明図、図8A及び図8Bは同ヘッドの共通液室部材を構成する各部材の平面説明図である。
ノズル板1は、液体を吐出する複数のノズル4を有している。
流路板2は、ノズル4に通じる個別液室6、個別液室6に通じる流体抵抗部7、流体抵抗部7に通じる液導入部8を形成している。また、流路板2は、ノズル板1側から複数枚の板状部材41〜45を積層接合して形成され、これらの板状部材41〜45と振動板部材3を積層接合して流路部材40が構成されている。
振動板部材3は、流路板2の個別液室6の壁面を形成する壁面部材である。この振動板部材3は2層構造(限定されない)とし、流路板2側から薄肉部を形成する第1層と、厚肉部を形成する第2層で形成され、第1層で個別液室6に対応する部分に変形可能な振動領域30を形成している。
流路板2を構成する板状部材41には、図7Aに示すように、個別液室6を構成する貫通溝部(溝形状の貫通穴の意味)6aと、流体抵抗部51、循環流路52を構成する貫通溝部51a、52aが形成されている。
同じく板状部材43には、図7Cに示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6cと、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53aが形成されている。
同じく板状部材44には、図7Dに示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6dと、流体抵抗部7なる貫通溝部7aと、液導入部8を構成する貫通溝部8aと、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53bが形成されている。
同じく板状部材45には、図7Eに示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6eと、液導入部8を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部8b(フィルタ下流側液室となる)と、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53cが形成されている。
このように、流路部材を複数の板状部材を積層接合して構成することで、簡単な構成で複雑な流路を形成することができる。
また、図3も参照して、第2共通液室部材22には、共通液室10のノズル配列方向の一端部と供給ポート71を通じる供給口部となる貫通穴71aが形成されている。
同様に、第1共通液室部材21及び第2共通液室部材22には、循環共通液室50のノズル配列方向の他端部(貫通穴71aと反対側の端部)と循環ポート81を通じる貫通穴81a、81bが形成されている。
なお、図8において、底の有る溝部については面塗りを施して示している(以下の図でも同じである)。
ここで、第1共通液室部材21は、液導入部8に通じる共通液室10の一部である下流側共通液室10Aと、循環流路53に通じる循環共通液室50とを形成している。また、第2共通液室部材22は、共通液室10の残部である上流側共通液室10Bを形成している。
これにより、循環共通液室50の寸法が流路部材40で形成される個別液室6、流体抵抗部7及び液導入部8を含む流路に必要な寸法による制約を受けることがなくなる。
そして、循環共通液室50と共通液室10の一部が並んで配置され、循環共通液室50は共通液室10内に投影される位置に配置されることで、ノズル配列方向と直交する方向のヘッドの幅を抑制することができ、ヘッドの大型化を抑制できる。共通液室部材20は、ヘッドタンクや液体カートリッジから液体が供給される共通液室10と循環共通液室50を形成する。
この圧電アクチュエータ11は、図5に示すように、ベース部材13上に接合した圧電部材12を有し、圧電部材12にはハーフカットダイシングによって溝加工して1つの圧電部材12に対して所要数の柱状の圧電素子12A、12Bを所定の間隔で櫛歯状に形成している。
そして、圧電素子12Aを振動板部材3の振動領域30に形成した島状の厚肉部である凸部30aに接合している。また、圧電素子12Bを振動板部材3の厚肉部である凸部30bに接合している。
この圧電部材12は、圧電層と内部電極とを交互に積層したものであり、内部電極がそれぞれ端面に引き出されて外部電極が設けられ、外部電極にフレキシブル配線部材15が接続されている。
その後、圧電素子12Aに印加する電圧を上げて圧電素子12Aを積層方向に伸長させ、振動板部材3の振動領域30をノズル4に向かう方向に変形させて個別液室6の容積を収縮させることにより、個別液室6内の液体が加圧され、ノズル4から液体が吐出される。
そして、圧電素子12Aに与える電圧を基準電位に戻すことによって振動板部材3の振動領域30が初期位置に復元し、個別液室6が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室10から個別液室6内に液体が充填される。そこで、ノズル4のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の吐出のための動作に移行する。
図9は、液体循環システムを示すブロック図である。
図9に示すように、液体循環システムは、メインタンク、液体吐出ヘッド、供給タンク、循環タンク、コンプレッサ、真空ポンプ、送液ポンプ、レギュレータ(R)、供給側圧力センサ、循環側圧力センサなどで構成されている。供給側圧力センサは、供給タンクと液体吐出ヘッドとの間であって、液体吐出ヘッドの供給ポート71(図3参照)に繋がった供給流路側に接続されている。循環側圧力センサは、液体吐出ヘッドと循環タンクとの間であって、液体吐出ヘッドの循環ポート81(図3参照)に繋がった循環流路側に接続されている。
また、循環型吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出すると、供給タンク及び循環タンク内の液体量が減少していくため、適宜メインタンクから第二送液ポンプを用いて、メインタンクから循環タンクに液体を補充することが好ましい。メインタンクから循環タンクへの液体補充のタイミングは、循環タンク内のインクの液面高さが所定高さよりも下がったら液体補充を行うなど、循環タンク内に設けた液面センサなどの検知結果によって制御することができる。
なお、液体の循環は循環型吐出ヘッドの動作時のみならず、動作休止時においても実施することができる。動作休止時に循環することによって、個別液室内の液体は常にリフレッシュされると共に、液体に含まれる成分の凝集や沈降を抑制できるので好ましい。
搬送ベルト412は用紙460を吸着して液体吐出ヘッド424に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ453と、テンションローラ454との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ453が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
維持回復機構470は、例えば、液体吐出ヘッド424のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
このように構成したこの装置においては、用紙460が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙460が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド424を駆動することにより、停止している用紙460に液体を吐出して画像を形成する。
このように、この装置では、循環型吐出ヘッドを備えているので、高画質画像を安定して形成することができる。
この液体吐出ユニットは、前記液体を吐出する装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、液体吐出ヘッド424で構成されている。
なお、この液体吐出ユニットの例えば、側板491Bに、前述した維持回復機構470、及び供給・循環機構494の少なくともいずれかを更に取り付けた液体吐出ユニットを構成することもできる。
吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、又は加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは、例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
「液体吐出ユニット」とは、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体である。例えば、「液体吐出ユニット」は、供給・循環機構、キャリッジ、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドと供給・循環機構が一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドと供給・循環機構が一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットの供給・循環機構と液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、供給・循環機構若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装
置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、又は加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは、例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
また、「液体を吐出する装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
前記前処理装置、及び前記後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前記前処理装置、及び前記後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
−表面改質ブラック顔料分散体1の調製−
Cabot Corporation社製Black Pearls(登録商標)1000(BET比表面積343m2/g、及びDBPA105mL/100gを有するカーボンブラック)100gと、スルファニル酸100ミリモル、及びイオン交換高純水1Lを室温環境下、Silversonミキサー(6,000rpm)で混合した。
得られたスラリーのpHが4より高い場合は、硝酸100ミリモルを添加した。30分間後に、少量のイオン交換高純水に溶解された亜硝酸ナトリウム(100ミリモル)を上記混合物にゆっくりと添加した。更に、撹拌しながら60℃に加温し、1時間反応させた。これにより、カーボンブッラクにスルファニル酸基を付加した改質顔料が得られた。
次に、10質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分間後に改質顔料分散体が得られた。
次に、得られた少なくとも1つのスルファニル酸基又はスルファニル酸テトラブチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んだ分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行った。更に、超音波分散を行って顔料固形分を20質量%に濃縮した改質顔料分散体を得た。
得られた改質顔料分散体の表面処理レベルは0.75mmol/gであり、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、体積平均粒径は120nmであった。
−表面改質ブラック顔料分散体2の調製−
ProcessAll 4HV ミキサー(4L)に、Cabot Corporation社製Black Pearls(登録商標)880(BET比表面積220m2/g、及びDBPA 105mL/100gを有するカーボンブラック)500gにイオン交換高純水1L、及び4−アミノ安息香酸175ミリモルを添加した。
次いで、混合物を10分間、60℃に加温しながら300rpmで強く混合した。これに、20質量%亜硝酸ナトリウム水性溶液[4−アミノ安息香酸に基づき175ミリモル当量]を15分間かけて添加した。60℃に加温しながら、3時間混合撹拌した。前記反応物をイオン交換高純水750mLで希釈しながら取り出した。
次に、10質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液でpHを9に調整することにより、30分間後に改質顔料分散体が得られた。
次に、得られた少なくとも1つのアミノ安息香酸基又はアミノ安息香酸テトラエチルアンモニウム塩と結合した顔料を含む改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行った。更に、超音波分散を行って顔料固形分を20質量%に濃縮した改質顔料分散体を得た。
得られた改質顔料分散体の表面処理レベルは0.35mmol/gであり、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、体積平均粒径は114nmであった。
−表面改質ブラック顔料分散体3の調製−
自己分散型カーボンブラック(Aqua−Black162、東海カーボン株式会社製、顔料固形分19.2質量%)顔料分散体1kgを0.1NのHCl水溶液で酸析した。次いで、40質量%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分間後に改質顔料分散体が得られた。
次に、得られた少なくとも1つのカルボン酸基又はカルボン酸ベンジルトリメチルアンモニウム塩と結合した顔料を含む改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行った。更に、超音波分散を行って顔料固形分を20質量%に濃縮した改質顔料分散体を得た。
得られた改質顔料分散体について、体積平均粒径を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、100nmであった。
−表面改質マゼンタ顔料分散体1の調製−
SENSIJET SMART Magenta 3122BA(Pigment Red 122表面処理分散体、顔料固形分14.5質量%、SENSIENT社製)顔料分散体1kgを0.1NのHCl水溶液で酸析した。次いで、10質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液でpHを9に調整することにより、30分間後に改質顔料分散体が得られた。
次に、得られた少なくとも1つのアミノ安息香酸基又はアミノ安息香酸テトラエチルアンモニウム塩と結合した顔料を含む改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行った。更に、超音波分散を行って顔料固形分を20質量%に濃縮した改質顔料分散体を得た。
得られた改質顔料分散体について、体積平均粒径を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、104nmであった。
−表面改質シアン顔料分散体1の調製−
SENSIJET SMART Cyan 3154BA(Pigment Blue 15:4表面処理分散体、顔料固形分14.5質量%、SENSIENT社製)顔料分散体1kgを0.1NのHCl水溶液で酸析した。次いで、40質量%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分間後に改質顔料分散体が得られた。
次に、得られた少なくとも1つのアミノ安息香酸基又はアミノ安息香酸ベンジルトリメチルアンモニウム塩と結合した顔料を含む改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行った。更に、超音波分散を行って顔料固形分を20質量%に濃縮した改質顔料分散体を得た。
得られた改質顔料分散体について、体積平均粒径を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、116nmであった。
−表面改質イエロー顔料分散体1の調製−
SENSIJET SMART Yellow 3074BA(Pigment Yellow 74表面処理分散体、顔料固形分14.5質量%、SENSIENT社製)10質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分間後に改質顔料分散体が得られた。
次に、得られた少なくとも1つのアミノ安息香酸基又はアミノ安息香酸テトラブチルアンモニウム塩と結合した顔料を含む改質顔料分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、更に、超音波分散を行って顔料固形分を20質量%に濃縮した改質顔料分散体を得た。
得られた分散体について、体積平均粒径を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、145nmであった。
−アクリル−シリコーンポリマー粒子分散体の調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、反応性陰イオン性界面活性剤(ラテムルS−180、花王株式会社製)8.0g、及びイオン交換水350gを加え混合し、65℃に昇温した。昇温後、反応開始剤であるt−ブチルパーオキソベンゾエート3.0g、イソアスコルビン酸ナトリウム1.0gを加え、5分間後にメタクリル酸メチル45g、メタクリル酸2エチルヘキシル160g、アクリル酸5g、メタクリル酸ブチル45g、メタクリル酸シクロヘキシル30g、ビニルトリエトキシシラン15g、反応性陰イオン性界面活性剤(ラテムルS−180、花王株式会社製)8.0g、及びイオン交換水340gを混合し、3時間かけて滴下を行った。
その後、80℃で2時間加熱熟成を行った後、常温まで冷却し水酸化ナトリウムでpHを7〜8に調整した。
次に、エバポレータ用いてエタノールを留去し、水分調節して、固形分40質量%の製造例1のポリマー粒子分散体730gを作製した。
得られたポリマー粒子分散体について、体積平均粒径を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、125nmであった。
−インク1の製造−
攪拌機を備えた容器に、下記構造式(1)の3−n−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド20.00質量%、1,2−プロパンジオール25.00質量%、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2.00質量%、下記構造式(VII)のポリエーテル変性シロキサン化合物1.00質量%、及び抑泡剤としての2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール0.50質量%を入れ、30分間撹拌して均一にした。
次に、防カビ剤(Proxel GXL、アビシア社製)0.05質量%、pH調整剤としての2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.20質量%、調製例1の表面改質ブラック顔料分散体1を37.50質量%、及び合計が100質量%となるように残量の純水を加え、60分間撹拌した。
得られたインクを平均孔径1.2μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、インク1を作製した。
−インク2の製造−
攪拌機を備えた容器に、下記構造式(4)の3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン42.00質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.00質量%、ポリエーテル変性シロキサン化合物(TEGO Wet270、エボニック社製、有効成分100質量%)2.00質量%、及び抑泡剤としての2,5,8,11−テトラメチルデカン−5,8−ジオール0.4質量%を入れ、30分間撹拌して均一にした。
次に、防カビ剤(Proxel GXL、アビシア社製)0.05質量%、pH調整剤としての2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.10質量%、調製例2の表面改質ブラック顔料分散体2を35.0質量%、及び合計が95質量%になるように残量の純水を加え、60分間撹拌して均一に混合した。
更に、製造例1のアクリル−シリコーンポリマー粒子分散体を5.00質量%加え、合計100質量%とし、30分間撹拌した。
得られたインクを平均孔径1.2μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、インク2を作製した。
−インク3〜12の作製−
下記表1から表3に示す組成を用い、前記インクの製造例1又は前記インクの製造例2と同様にして、インク3〜12を作製した。
*ワックス:AQ515、ポリエチレンワックス、ビックケミー・ジャパン社製
*シルフェイスSAG503A:ポリエーテル変性シロキサン化合物(日信化学工業株式会社製、有効成分100質量%)
*ユニダイン DSN403N:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(ダイキン工業株式会社製、有効成分100質量%)
*サーフィノール104E:アセチレングリコール化合物(日信化学工業株式会社製、有効成分100質量%)
*ソフタノールEP−7025:高級アルコールエトキシレート化合物(株式会社日本触媒製、有効成分100質量%)
*Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
各インクの粘度は、粘度計(RE−550L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
各インクのpHは、pHメーター計(HM−30R型、TOA−DKK株式会社製)を用いて、25℃で測定した。
各インクの動的表面張力は、最大泡圧法による表面寿命15msec時の動的表面張力を、SITA_DynoTester(SITA社製)を用いて、25℃で測定した。
各インクの静的表面張力は、自動表面張力計(DY−300、協和界面科学株式会社製)を用いて、25℃で測定した。
<画像形成>
23℃±0.5℃、50±5%RHに調整した環境条件下、図3から図11に示した循環型ヘッドを搭載した画像形成装置(IPSiO GX−e5500改造機、株式会社リコー製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録媒体として王子製紙株式会社製OKトップコート+(坪量104.7g/m2)に同じ付着量のインクが付着するように設定した。
表5の実施例1〜12及び比較例1〜6に示すように、インクの循環している流量が、インク吐出ヘッドの最大吐出量に対する倍数となるように、送液ポンプの送液量を調整した。前記インクの流量は、流量計をつなぐことにより測定した。なお、最大吐出量における流量は、インク吐出ヘッドのスペック値である。
図3から図11に示した循環型ヘッドを搭載した画像形成装置(IPSiO GX−e5500改造機、株式会社リコー製)を用い、Microsoft社製 Word2000にて作成した64point文字「黒四角」の記載のあるチャートを、記録媒体としてのMyPaper(株式会社リコー製)に打ち出し、印字面の「黒四角」部を分光濃度計(X−Rite939、エックスライト株式会社製)にて測色し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
なお、「黒四角」とは、四角を黒く塗り潰した文字(符号)であるが、使用できないため止むを得ず「黒四角」と表現したものである。
[評価基準]
A:Black:1.25以上、Yellow:0.8以上、Magenta:1.00以上、Cyan:1.05以上
B:Black:1.20以上1.25未満、Yellow:0.75以上0.8未満、Magenta:0.95以上1.00未満、Cyan:1.00以上1.05未満
C:Black:1.15以上1.20未満、Yellow:0.70以上0.75未満、Magenta:0.90以上0.95未満、Cyan:0.95以上1.00未満
D:Black:1.15未満、Yellow:0.70未満、Magenta:0.90未満、Cyan0.95未満
図3から図11に示した循環型ヘッドを搭載した画像形成装置(IPSiO GX−e5500改造機、株式会社リコー製)を用い、記録媒体を王子製紙株式会社製OKトップコート+(坪量104.7g/m2)に変更し、印刷モードをプリンタ添付のドライバで「光沢紙−きれい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用し、画像濃度と同様にしてベタ画像を印刷し、ベタ画像の濃度ムラ(ビーディング)を目視観察し、下記評価基準により判定した。
[評価基準]
A:全くなし
B:僅かにあり
C:かなりあり
D:激しくあり
*黒色ベタ画像は目視では非常に見難いので、光学顕微鏡で40倍に拡大して観察した。
図3から図11に示した循環型ヘッドを搭載した画像形成装置(IPSiO GX−e5500改造機、株式会社リコー製)に、紙(商品名:Lumi Art Gloss 130gsm、Stora Enso社製)をセットし、インク付着量が1.12mg/cm2(700mg/A4サイズ)で、1,200dpi×1,200dpiの解像度でベタ画像(インク膜)を記録した。
100℃で1分間乾燥後、1.2cm四方に切った前記紙(商品名:Lumi Art Gloss 130gsm、Stora Enso社製)でベタ部を400gの荷重をかけて20回擦り、前記紙へのインク付着汚れを、装置名:反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)を用いて測定し、擦った紙の地肌色を差し引いた濃度を算出し、下記基準に基づいて、「耐擦過性」を評価した。なお、C以上が許容範囲である。
[評価基準]
A:濃度が0.05未満
B:濃度が0.05以上0.10未満
C:濃度が0.10以上0.20未満
D:濃度が0.20以上
図3から図11に示した循環型ヘッドを搭載した画像形成装置(IPSiO GX−e5500改造機、株式会社リコー製)に各インクをセットし、印刷面積が5%の印刷チャートを1,000枚印刷した。1,000枚印刷直後及び印刷終了から24時間休止した後にベタ画像、ハーフトーン画像、ノズルチェックパターンを産業用インクジェット用紙(三菱製紙株式会社製、SWORD iJET 4.3 グロス)に5枚ずつ印刷し、画像の均一性やノズル抜けの有無を目視で観察することで吐出の乱れやノズル詰まりについて評価を行った。
印刷条件は100%duty、600×300dpiの記録密度でワンパス印字とした。評価基準は以下に示す。なお、本評価中、インクの循環は循環型吐出ヘッドの動作・休止に関わらず、常に循環を行った。
[評価基準]
A:吐出の乱れがなく、ノズル詰まりもない
B:吐出が若干乱れるが、ノズル詰まりはない
C:吐出が大きく乱れ、ノズルも詰まる
図3から図11に示した循環型ヘッドを搭載した画像形成装置(IPSiO GX−e5500改造機、株式会社リコー製)を用い、CCDカメラを用いたストロボ測定により任意のヘッドノズルの吐出状態を観察できる装置を用いて、吐出動作を停止した状態で特定の流量(最大吐出量の1.0倍)で10分間インクを循環させた後、ノズル面のメニスカスの溢れ状態を観測すると共に、インクを吐出させた際のインク滴の吐出状態を観察し、下記基準で評価した。
[評価基準]
A:メニスカス溢れがなく、吐出状態も正常である
B:僅かにメニスカス溢れがあるが、吐出状態は正常である
C:メニスカス溢れがひどく、吐出状態は曲がりが発生している
<1> 着色剤、有機溶剤、及び水を含有するインクと、
前記インクを吐出するノズル、前記インクを個別液室に流入させる流入流路、及び前記インクを前記個別液室から流出させる流出流路を有するインク吐出ヘッドと、
前記インクを前記流出流路から前記流入流路に向かって循環させる循環手段と、
を備えたインク吐出装置であって、
前記インクの循環している流量が、前記インク吐出ヘッドの最大吐出量に対して、0.10倍以上1.50倍以下であり、
前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが34.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦19.0%を満たすことを特徴とするインク吐出装置である。
<2> 前記流量が、前記インク吐出ヘッドの最大吐出量に対して0.20倍以上1.20倍以下である前記<1>に記載のインク吐出装置である。
<3> 前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが30.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、12.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦17.0%を満たす前記<1>から<2>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<4> 前記インクの25℃での静的表面張力Bが、20.0mN/m以上30.0mN/m以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<5> 前記有機溶剤が、溶解度パラメーター9以上11.8未満の有機溶剤を含む前記<1>から<4>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<6> 前記溶解度パラメーター9以上11.8未満の有機溶剤が、下記一般式(I)及び下記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種である前記<5
>に記載のインク吐出装置である。
[一般式(I)]
[一般式(II)]
<7> 前記着色剤が、水分散性顔料で表面に親水性官能基を有し、前記親水性官能基が四級アンモニウム塩である前記<1>から<6>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<8> 前記インクが、更にポリエチレンワックスを含有し、前記ポリエチレンワックスの含有量が、固形分で0.1質量%以上2.0質量%以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<9> 前記インクが、更に界面活性剤としてポリエーテル変性シロキサン化合物を含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<10> 前記インクが収容されるインク収容容器と、
前記個別液室に前記流入流路を介して前記インクを供給するインク供給部と、
前記インク収容容器と前記インク供給部との間で、前記インクを循環させる往路及び復路の送液経路と、を更に有する前記<1>から<9>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<11> 着色剤、有機溶剤、及び水を含有するインクと、前記インクを吐出するノズル、前記インクを個別液室に流入させる流入流路、及び前記インクを前記個別液室から流出させる流出流路を有するインク吐出ヘッドと、前記インクを前記流出流路から前記流入流路に向かって循環させる循環手段と、を備えたインク吐出装置を用いたインク吐出方法であって、
前記インクの循環している流量が、前記インク吐出ヘッドの最大吐出量に対して、0.10倍以上1.50倍以下であり、
前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが34.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦19.0%を満たすことを特徴とするインク吐出方法である。
<12> 前記流量が、前記インク吐出ヘッドの最大吐出量に対して0.20倍以上1.20倍以下である前記<11>に記載のインク吐出方法である。
<13> 前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが30.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、12.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦17.0%を満たす前記<11>から<12>のいずれかに記載のインク吐出方法である。
<14> 前記インクの25℃での静的表面張力Bが、20.0mN/m以上30.0mN/m以下である前記<11>から<13>のいずれかに記載のインク吐出方法である。
<15> 前記有機溶剤が、溶解度パラメーター9以上11.8未満の有機溶剤を含む前記<11>から<14>のいずれかに記載のインク吐出方法である。
<16> 前記溶解度パラメーター9以上11.8未満の有機溶剤が、下記一般式(I)及び下記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種である前記<15>に記載のインク吐出方法である。
[一般式(I)]
[一般式(II)]
<17> 前記着色剤が、水分散性顔料で表面に親水性官能基を有し、前記親水性官能基が四級アンモニウム塩である前記<11>から<16>のいずれかに記載のインク吐出方法である。
<18> 前記インクが、更にポリエチレンワックスを含有し、前記ポリエチレンワックスの含有量が、固形分で0.1質量%以上2.0質量%以下である前記<11>から<17>のいずれかに記載のインク吐出方法である。
<19> 前記インクが、更に界面活性剤としてポリエーテル変性シロキサン化合物を含有する前記<11>から<18>のいずれかに記載のインク吐出方法である。
<20> 前記インク吐出装置が、前記インクが収容されるインク収容容器と、
前記個別液室に前記流入流路を介して前記インクを供給するインク供給部と、
前記インク収容容器と前記インク供給部との間で、前記インクを循環させる往路及び復路の送液経路と、を更に有する前記<11>から<19>のいずれかに記載のインク吐出方法である。
2 流路板
3 振動板部材
4 ノズル
6 個別液室
10 共通液室
10A 下流側共通液室
10B 上流側共通液室
11 圧電アクチュエータ
12 圧電部材
20 共通液室部材
21 第1共通液室部材
22 第2共通液室部材
40 流路部材
51 流体抵抗部
52、53 循環流路
50 循環共通液室
120 共通液室部材
121 第1共通液室部材
122 第2共通液室部材
123 第3共通液室部材
124 ハウジング部材
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
403 キャリッジ
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
424 液体吐出ヘッド
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
440 液体吐出ユニット
Claims (9)
- 着色剤、有機溶剤、及び水を含有するインクと、
前記インクを吐出するノズル、前記インクを個別液室に流入させる流入流路、及び前記インクを前記個別液室から流出させる流出流路を有するインク吐出ヘッドと、
前記インクを前記流出流路から前記流入流路に向かって循環させる循環手段と、
を備えたインク吐出装置であって、
前記インクの循環している流量が、前記インク吐出ヘッドの最大吐出量に対して、0.20倍以上1.20倍以下であり、
前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが34.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦19.0%を満たすことを特徴とするインク吐出装置。 - 前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが30.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、12.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦17.0%を満たす請求項1に記載のインク吐出装置。
- 前記インクの25℃での静的表面張力Bが、20.0mN/m以上30.0mN/m以下である請求項1から2のいずれかに記載のインク吐出装置。
- 前記有機溶剤が、溶解度パラメーター9以上11.8未満の有機溶剤を含む請求項1から3のいずれかに記載のインク吐出装置。
- 前記着色剤が、水分散性顔料で表面に親水性官能基を有し、前記親水性官能基が四級アンモニウム塩である請求項1から4のいずれかに記載のインク吐出装置。
- 前記インクが、更にポリエチレンワックスを含有し、前記ポリエチレンワックスの含有量が、固形分で0.1質量%以上2.0質量%以下である請求項1から5のいずれかに記載のインク吐出装置。
- 前記インクが、更に界面活性剤としてポリエーテル変性シロキサン化合物を含有する請求項1から6のいずれかに記載のインク吐出装置。
- 前記インクが収容されるインク収容容器と、
前記個別液室に前記流入流路を介して前記インクを供給するインク供給部と、
前記インク収容容器と前記インク供給部との間で、前記インクを循環させる往路及び復路の送液経路と、を更に有する請求項1から7のいずれかに記載のインク吐出装置。 - 着色剤、有機溶剤、及び水を含有するインクと、前記インクを吐出するノズル、前記インクを個別液室に流入させる流入流路、及び前記インクを前記個別液室から流出させる流出流路を有するインク吐出ヘッドと、前記インクを前記流出流路から前記流入流路に向かって循環させる循環手段と、を備えたインク吐出装置を用いたインク吐出方法であって、
前記インクの循環している流量が、前記インク吐出ヘッドの最大吐出量に対して、0.20倍以上1.20倍以下であり、
前記インクの25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが34.0mN/m以下であり、かつ前記動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦19.0%を満たすことを特徴とするインク吐出方法。
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