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JP6912695B2 - 複合樹脂組成物及び複合樹脂硬化物 - Google Patents

複合樹脂組成物及び複合樹脂硬化物 Download PDF

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JP6912695B2 JP2016244454A JP2016244454A JP6912695B2 JP 6912695 B2 JP6912695 B2 JP 6912695B2 JP 2016244454 A JP2016244454 A JP 2016244454A JP 2016244454 A JP2016244454 A JP 2016244454A JP 6912695 B2 JP6912695 B2 JP 6912695B2
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Description

本発明は、複合樹脂組成物及び複合樹脂硬化物に関する。
近年、電子機器の高機能化・多様化に伴い、液晶等の表示素子にタッチパネル・タッチセンサ機能を付与した表示装置が急速に普及している。これらの装置内には、接触した位置を正確に認識させるため、絶縁膜や保護膜等の機能層が設けられている。機能層には、透明性や耐光性、耐熱性、基材やその他隣接層への密着性の他、設計の自由度を確保するために成形性や柔軟性といった特性が必要であり、要求特性は年々高まってきている。さらに、この機能層自身にパターニング処理を施す必要がある場合もあり、現像液等に対して良好なパターニング性を示す材料が求められている。また、機能層を形成した後にITO等を用いて透明電極をパターニング形成することもあるため、ITOパターン形成に必要な薬液(レジスト現像液、ITOエッチング液、レジスト剥離液等)に曝されても膜べりしない耐性(耐薬品性)を備えることが好ましい場合もある。さらには、ITOパターンを形成した際、屈折率差が生じてパターンが見えやすくなり、表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じるため、機能層は高屈折率な材料とすることが求められている。
これらの要求特性に応えるべく、有機材料と無機材料とを複合化した複合樹脂組成物からなる硬化物を機能層に使用することが提案されている。例えば、特許文献1のように、ナノサイズの無機微粒子を均一分散した分散系材料の検討が進んでおり、有機材料に無機微粒子を数十ナノオーダーで微分散させ、均一で且つ安定な分散系を構築するために、分散剤や表面処理剤を配合系に多量に添加した複合樹脂組成物が知られている。
しかしながら、分散剤や表面処理剤を多量に配合すると、粒子を均一に分散させることができるものの、分散剤や表面処理剤自体の耐光性や耐熱性の問題から、得られる複合樹脂硬化物の耐光性や耐熱性を低下させてしまうことがある。また、分散剤や表面処理剤と他の配合成分との相溶性が悪い場合には、得られる複合樹脂硬化物が白濁し、透明性が確保できない場合もある。さらには、多量に存在する分散剤や表面処理剤が屈折率の低下を招くことから、表示画面の視認性が低下するといった問題も生じる。
一方、特許文献2には、分散剤及び/又は表面処理剤を全く含有せず、高い屈折率を有する複合樹脂組成物が提案されている。しかしながら、特許文献2に記載の複合樹脂組成物から得られた硬化物は、ITO等で電極パターンを形成する際に膜べりする場合があり、耐薬品性が不充分であるといった問題があった。
特開2011−116943号公報 国際公開第2015/087946号
本発明は、無機微粒子の分散安定性、均一性に優れる複合樹脂組成物であって、光学特性(高屈折率)、現像性、耐薬品性に優れる複合樹脂硬化物を与える複合樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、特許文献2に記載の複合樹脂組成物にエポキシ基を1つ以上有する化合物を配合することにより、得られる複合樹脂硬化物の耐薬品性が向上することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の複合樹脂組成物は、
無機微粒子、
溶剤、
インデン、テトラリン、フルオレン、キサンテン、アントラセン、及び、ベンズアントラセンからなる群より選択される少なくとも1種に由来する縮環構造を有する縮環構造含有樹脂、並びに、
エポキシ基を1つ以上有する化合物を含み、
無機微粒子の分散後の平均粒子径は10〜70nmであることを特徴とする。
本発明の複合樹脂組成物は、さらに、分散剤及び/又は表面処理剤を含み、
分散剤及び表面処理剤の合計含有量は、無機微粒子100重量部に対して、有効成分重量で5重量部以下であることが好ましい。
本発明の複合樹脂組成物において、無機微粒子が、酸化ジルコニウム、酸化チタン及びチタン酸バリウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の複合樹脂組成物において、縮環構造含有樹脂が、フルオレンに由来する縮環構造、及び、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
本発明の複合樹脂組成物において、エポキシ基を1つ以上有する化合物の水溶率が0〜70重量%であることが好ましい。
本発明の複合樹脂組成物において、エポキシ基を1つ以上有する化合物のエポキシ当量が100〜1000g/eqであり、かつ、エポキシ基を1つ以上有する化合物の含有量が全固形分中0.1〜45重量%であることが好ましい。
本発明の複合樹脂組成物は、さらに、脂肪族多官能アクリレートを含むことが好ましい。
本発明の複合樹脂組成物において、無機微粒子の含有量が、全固形分中30〜80重量%であることが好ましい。
本発明の複合樹脂硬化物は、本発明の複合樹脂組成物を熱硬化及び光硬化させたことを特徴とする。
本発明の複合樹脂硬化物は、薄膜又は成形体であることが好ましい。
本発明の光学フィルムは、本発明の複合樹脂硬化物を備えたことを特徴とする。
本発明の表示素子は、本発明の複合樹脂硬化物を備えたことを特徴とする。
本発明の複合樹脂組成物は、エポキシ基を1つ以上有する化合物を含有するため、無機微粒子の分散安定性、均一性に優れ、光学特性(高屈折率)、現像性、耐薬品性に優れる複合樹脂硬化物を与えることができる。
<<複合樹脂組成物>>
本発明の複合樹脂組成物は、
無機微粒子、
溶剤、
インデン、テトラリン、フルオレン、キサンテン、アントラセン、及び、ベンズアントラセンからなる群より選択される少なくとも1種に由来する縮環構造を有する縮環構造含有樹脂、並びに、
エポキシ基を1つ以上有する化合物を含み、
無機微粒子の分散後の平均粒子径は10〜70nmであることを特徴とする。
<無機微粒子>
無機微粒子としては、特に限定されないが、例えば、金属酸化物微粒子、窒化物、2種以上の金属元素から構成される複合酸化物、金属酸化物に異種の元素がドープされた化合物等が挙げられる。
金属酸化物微粒子としては、特に限定されないが、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化鉄(Fe、FeO、Fe)、酸化銅(CuO、CuO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ニオブ(Nb)、酸化モリブデン(MoO)、酸化インジウム(In、InO)、酸化スズ(SnO)、酸化タンタル(Ta)、酸化タングステン(WO、W)、酸化鉛(PbO、PbO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化セリウム(CeO、Ce)、酸化アンチモン(Sb、Sb)、酸化ゲルマニウム(GeO、GeO)等が挙げられる。
金属酸化物微粒子は、予め、各種の溶媒中に分散させたものを使用しても良い。溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。溶媒と金属酸化物微粒子との配合割合は、特に限定されないが、30:70〜90:10が好ましい。
窒化物としては、特に限定されないが、例えば、窒化珪素、窒化ホウ素等が挙げられる。
2種以上の金属元素から構成される複合酸化物としては、特に限定されないが、例えば、チタン酸バリウム等のチタン酸塩、チタン/ケイ素複合酸化物、イットリウム安定化ジルコニア等が挙げられる。このような複合酸化物は、多成分の元素からなる化合物や固溶体だけではなく、核となる金属酸化物微粒子の周囲を他の金属元素で構成される金属酸化物で被覆したコアシェル構造を有するもの、1個の金属酸化物微粒子の中に他の複数の金属酸化物微粒子が分散しているような多成分分散型の構造を有するものを包含する。
金属酸化物に異種の元素がドープされた化合物としては、特に限定されないが、例えば、タンタルドープ酸化チタンや、ニオブドープ酸化チタン等が挙げられる。
これらの無機微粒子は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、無機微粒子の製法も特に限定されない。無機微粒子は、入手の容易さ、屈折率等の光学特性の調整が容易であることからは、酸化ジルコニウム、酸化チタン及びチタン酸バリウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
無機微粒子の一次粒子径は、特に限定されないが、1〜70nmが好ましく、1〜50nmがより好ましい。1nm未満であると、無機微粒子の比表面積が大きく、凝集エネルギーが高いため、分散安定性を保つことが困難となることがある。一方、70nmを超えると、薄膜や成形体中の無機微粒子による光の散乱が激しくなり、透明性を高く維持できないことがある。なお、一次粒子径は、動的光散乱法、レーザー回折法、超遠心沈降法等の装置で測定することができる。
無機微粒子の分散後の平均粒子径、すなわち本発明の複合樹脂組成物中における平均粒子径は、10〜70nmである限り特に限定されないが、10〜50nmが好ましい。10nm未満とするには、一次粒子径の小さい粒子を用いる必要があるため、分散が困難となることがある。一方、70nmを超えると、薄膜、成形体等の硬化物にした際に、白濁することがある。
本発明の複合樹脂組成物においては、無機微粒子を多量に配合することができる。例えば、後述する縮環構造含有樹脂100重量部に対して、通常では配合が困難であるような200重量部以上、さらには500重量部以上であっても配合することが可能である。無機微粒子の含有量は、特に限定されないが、縮環構造含有樹脂100重量部に対して0.1〜5000重量部が好ましく、1〜2000重量部がより好ましく、5〜1000重量部がさらに好ましい。含有量が0.1重量部未満であると無機微粒子の特性が十分に発揮されず、5000重量部を超えると製膜性が低下する。
本発明の複合樹脂組成物において、無機微粒子の含有量は、特に限定されないが、全固形分中30〜80重量%であることが好ましく、45〜75重量%であることがより好ましい。無機微粒子の含有量が全固形分中30重量%未満であると、表示画面の視認性が悪くなることがあり、80重量%を超えると、製膜性が低下することがある。
<溶剤>
溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチル−1−アセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、マロン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、エチレングリコールエーテル類、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ケトン類及びエステル類が好ましく、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びメチルアミルケトンがより好ましい。これらの溶剤は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明の複合樹脂組成物において、無機微粒子に対する溶剤の含有量は、特に限定されないが、無機微粒子100重量部に対して50〜2000重量部であることが好ましく、80〜2000重量部であることがより好ましい。溶剤の含有量が無機微粒子100重量部に対して50重量部未満であると、無機微粒子の分散安定性が低下することがあり、2000重量部を超えると、厚膜化が困難となることがある。
<縮環構造含有樹脂>
インデン、テトラリン、フルオレン、キサンテン、アントラセン、及び、ベンズアントラセンからなる群より選択される少なくとも1種に由来する縮環構造を有する縮環構造含有樹脂としては、エポキシエステル樹脂(E)、多価カルボン酸樹脂(G)等を用いることができる。
エポキシエステル樹脂(E)は、下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(A)と単塩基性カルボン酸(B)とを反応させることにより、又は、下記一般式(10)で表されるアルコール化合物(C)とグリシジルエステル化合物(D)とを反応させることにより、得ることができる。エポキシエステル樹脂(E)としては、分散性や耐熱性に優れることから、キサンテン又はフルオレンに由来する縮環構造を有するものが好ましい。
Figure 0006912695
一般式(1)中、Y1〜4は、各々独立して下記一般式(2)又は下記一般式(3)で表される基であり、p1〜4は、各々独立して0から4の整数である。
Figure 0006912695
一般式(2)中、Y5〜6は、各々独立して一般式(2)又は下記一般式(3)で表される基であり、p5〜6は、各々独立して0から4の整数である。一般式(1)においてY1〜4が一般式(2)で表される基であり、かつ、一般式(2)においてY5〜6が一般式(2)で表される基である場合、一般式(1)におけるY1〜4は、一般式(2)で表される基を構成単位とするオリゴマーを形成している。
Figure 0006912695
一般式(1)、(2)中、Zは、下記式(4)〜(9)に示すような、インデン、テトラリン、フルオレン、キサンテン、アントラセン、及び、ベンズアントラセンからなる群より選択される少なくとも1種に由来する縮環構造を含む二価基であり、R1〜6は、各々独立して、炭素数1から10の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基若しくはアルケニル基、炭素数1から5のアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は、ハロゲン原子であり、q1〜6は、各々独立して0から4の整数であり、s1〜2は、各々独立して0から10の整数である。また、一般式(1)〜(3)中、R7〜14は、各々独立して水素原子又はメチル基であり、m1〜8は、各々独立して0から10の整数である。ここで、複数個のR1〜14、Y1〜6は同一でも良いし、異なっていても良い。また、一般式(1)は、構造式が左右対称であっても、非対称であっても良い。
Figure 0006912695
Figure 0006912695
Figure 0006912695
Figure 0006912695
Figure 0006912695
Figure 0006912695
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一般式(10)中、Zは前記と同じであり、R15〜16は、各々独立して炭素数1から10の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基若しくはアルケニル基、炭素数1から5のアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は、ハロゲン原子であり、f1〜2は、各々独立して0から4の整数であり、R17〜18は、各々独立して水素原子又はメチル基であり、m9〜10は、各々独立して0から10の整数であり、r1〜2は、各々独立して1から5までの整数である。ここで、複数個のR15〜18は同一でも良いし、異なっていても良い。また、一般式(10)は、構造式が左右対称であっても、非対称であっても良い。
単塩基性カルボン酸(B)としては、カルボキシル基を1つ有する化合物であれば特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、シクロプロパンカルボン酸、2,2,3,3−テトラメチル−1−シクロプロパンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、2−シクロペンテニルカルボン酸、2−フランカルボン酸、2−テトラヒドロフランカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、4−プロピルシクロヘキサンカルボン酸、4−ブチルシクロヘキサンカルボン酸、4−ペンチルシクロヘキサンカルボン酸、4−ヘキシルシクロヘキサンカルボン酸、4−へプチルシクロヘキサンカルボン酸、4−シアノシクロヘキサン−1−カルボン酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、1,3,4,5−テトラヒドロキシシクロヘキサン−1−カルボン酸、2−(1,2−ジヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)プロピオン酸、シキミ酸、3−ヒドロキシ−3,3−ジフェニルプロピオン酸、3−(2−オキソシクロヘキシル)プロピオン酸、3−シクロヘキセン−1−カルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸水素アルキル、シクロヘプタンカルボン酸、ノルボルネンカルボン酸、テトラシクロドデセンカルボン酸、1−アダマンタンカルボン酸、(4−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカ−4−イル)酢酸、p−メチル安息香酸、p−エチル安息香酸、p−オクチル安息香酸、p−デシル安息香酸、p−ドデシル安息香酸、p−メトキシ安息香酸、p−エトキシ安息香酸、p−プロポキシ安息香酸、p−ブトキシ安息香酸、p−ペンチルオキシ安息香酸、p−ヘキシルオキシ安息香酸、p−フルオロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、p−クロロメチル安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、ペンタクロロ安息香酸、4−アセトキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、o−ベンゾイル安息香酸、o−ニトロ安息香酸、o−(アセトキシベンゾイルオキシ)安息香酸、テレフタル酸モノメチルエステル、イソフタル酸モノメチルエステル、イソフタル酸モノシクロヘキシルエステル、フェノキシ酢酸、クロロフェノキシ酢酸、フェニルチオ酢酸、フェニル酢酸、2−オキソ−3−フェニルプロピオン酸、o−ブロモフェニル酢酸、o−ヨードフェニル酢酸、メトキシフェニル酢酸、6−フェニルヘキサン酸、ビフェニルカルボン酸、α−ナフトエ酸、β−ナフトエ酸、アントラセンカルボン酸、フェナントレンカルボン酸、アントラキノン−2−カルボン酸、インダンカルボン酸、1,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロナフタレン−2−カルボン酸、3,3−ジフェニルプロピオン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、ケイ皮酸、3−メトキシケイ皮酸、4−メトキシケイ皮酸、キノリンカルボン酸等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。特に好適な単塩基性カルボン酸(B)としては、放射線重合性官能基を導入できる不飽和基を含有するものが良く、例えば、(メタ)アクリル酸が好ましい。ここで、放射線重合性官能基とは、各種の放射線により重合反応を起こす性質を有する官能基をいう。「放射線」とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、分子線、γ線、シンクロトロン放射線、プロトンビーム線等を包含する。
グリシジルエステル化合物(D)としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、酢酸グリシジル、酪酸グリシジル、安息香酸グリシジル、p−エチル安息香酸グリシジル、(テレ)フタル酸グリシジル等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。これらの中では、単塩基性カルボン酸グリシジルが特に好適であり、中でも放射線重合性官能基を導入できる不飽和基を含有するものが良く、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましい。
一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(A)と単塩基性カルボン酸(B)との反応、及び、一般式(10)で表されるアルコール化合物(C)とグリシジルエステル化合物(D)との反応は、いずれも必要に応じて適切な溶媒を用いて、50〜120℃の温度範囲において5〜30時間行なわれる。溶媒としては、例えば、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチル−1−アセテート等のアルキレンモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のアルキレンモノアルキルエーテル類;メチルエチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン類;コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、マロン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び3−メトキシブチル−1−アセテートが好ましい。さらに、必要に応じて触媒及び重合禁止剤を用いることが出来る。触媒としては、例えば、ホスホニウム塩類、第4級アンモニウム塩類、ホスフィン化合物類、第3級アミン化合物類、イミダゾール化合物類等が挙げられ、その配合量は、特に限定されないが、反応物全体の0.01〜10重量%であることが好ましい。また、重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、4−メチルキノリン、フェノチアジン、2,6−ジイソブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられ、その配合量は、通常、反応物全体の5重量%以下である。
多価カルボン酸樹脂(G)は、エポキシエステル樹脂(E)と、多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)とを反応させることにより、得ることができる。
多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)としては、ジカルボン酸、テトラカルボン酸等の複数のカルボキシル基を有するカルボン酸又はその無水物であれば特に限定されず、例えば、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、グルタル酸等のジカルボン酸又はその無水物;トリメリット酸又はその無水物;ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸等のテトラカルボン酸又はその二無水物等が挙げられる。
多価カルボン酸樹脂(G)としては、例えば、下記一般式(11)又は下記一般式(12)で表される樹脂が挙げられる。
Figure 0006912695
Figure 0006912695
一般式(11)、(12)中、Zは、インデン、テトラリン、フルオレン、キサンテン、アントラセン、及び、ベンズアントラセンからなる群より選択される少なくとも1種に由来する縮環構造を含む二価基であり、A、Aはテトラカルボン酸二無水物の残基、A、Aはジカルボン酸無水物の残基である。また、u、uは平均値であり、0から130である。
一般式(11)、(12)において、Zは、キサンテン又はフルオレンに由来する縮環構造を含む二価基であることが好ましい。多価カルボン酸樹脂(G)の屈折率が高く、無機微粒子との屈折率差を小さくできる点で有利なためである。
多価カルボン酸樹脂(G)は、エポキシエステル樹脂(E)と多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)とを反応させることにより得られる。この反応において、得られる樹脂の耐熱性や耐熱黄変性を向上させるために多価アルコール類を共存させることも出来る。
多価アルコール類としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,6−ノナンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA等の脂環式ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加体等の芳香族ジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリトール等の三価以上のアルコール等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
この反応において、エポキシエステル樹脂(E)、多価アルコール類、及び、多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)の添加順序は特に問わない。例えば、これらを同時に混合して反応させても良いし、エポキシエステル樹脂(E)と多価アルコールとを混合し、次いで、多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)を添加、混合しても良い。また、これらの反応生成物にさらに多塩基性カルボン酸を添加し、反応させてもよい。
多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)の種類を適宜選択することによって、構造の異なる種々の縮環構造を有する多価カルボン酸樹脂(G−a)や、多価アルコールを反応させた多価カルボン酸樹脂(G−b)を製造することができる。具体的には、例えば、以下の(G−a−i)〜(G−a−iii)、(G−b−i)〜(G−b−iii)に示す第1〜第6の多価カルボン酸樹脂が調製されるが、これらは例示である。
(G−a−i)第1の多価カルボン酸樹脂:エポキシエステル樹脂(E)と、1種類の多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)とを混合し、反応させて得られる樹脂;(G−a−ii)第2の多価カルボン酸樹脂:エポキシエステル樹脂(E)と、2種類以上の多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)の混合物(例えば、ジカルボン酸無水物及びテトラカルボン酸二無水物の混合物)とを混合し、反応させて得られる樹脂;及び、(G−a−iii)第3の多価カルボン酸樹脂:エポキシエステル樹脂(E)と、テトラカルボン酸又はその二無水物とを反応させ、得られた反応生成物に、さらにジカルボン酸又はその無水物を反応させて得られる樹脂。
(G−b−i)第4の多価カルボン酸樹脂:エポキシエステル樹脂(E)と、多価アルコールと、1種類の多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)とを混合し、反応させて得られる樹脂;(G−b−ii)第5の多価カルボン酸樹脂:エポキシエステル樹脂(E)と、多価アルコールと、2種類以上の多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)の混合物(例えば、ジカルボン酸無水物及びテトラカルボン酸二無水物の混合物)とを混合し、反応させて得られる樹脂;及び、(G−b−iii)第6の多価カルボン酸樹脂:エポキシエステル樹脂(E)と、多価アルコールと、テトラカルボン酸又はその二無水物とを反応させ、得られた反応生成物に、さらにジカルボン酸又はその無水物を反応させて得られる樹脂。
このようにして得られる、構造の異なる種々の縮環構造を有する多価カルボン酸樹脂(G−a)又は(G−b)は、それぞれ、目的の用途に応じて利用される。
なお、「多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)」とは、「特定の多塩基性カルボン酸及びそれに対応する無水物のうちの少なくとも一方」という意味であり、例えば、多塩基性カルボン酸がフタル酸であれば、フタル酸及びフタル酸無水物のうちの少なくとも一方を指していう。また、「2種類以上の多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)の混合物」とは、少なくとも2種類の多塩基性カルボン酸又はその無水物が同時に存在することをいう。従って、(G−a−ii)及び(G−b−ii)の方法においては、少なくとも2種類の多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)が反応に関与する。
多価カルボン酸樹脂(G)は、上記いずれの方法においても、エポキシエステル樹脂(E)、多価アルコール、多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)を、上記例示の方法(順序)で溶媒に溶解(懸濁)し、加熱して反応させることにより製造される。溶媒としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類と酢酸とのエステル系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒等が挙げられる。また、必要に応じて触媒を添加することが出来る。触媒としては、例えば、ホスホニウム塩類、第4級アンモニウム塩類、ホスフィン化合物類、第3級アミン化合物類、イミダゾール化合物類が挙げられ、その配合量は、特に限定されないが、反応物全体の0.01〜10重量%であることが好ましい。
上記反応の反応温度は、特に限定されないが、50〜130℃であることが好ましく、70〜120℃であることがより好ましい。反応温度が50℃未満では反応がスムーズに進行せず、未反応の多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)が残存することがある。一方、130℃を超えると、カルボキシル基と水酸基の縮合が一部起こり、急激に分子量が増大することがある。
多価カルボン酸樹脂(G)の製造において、多価アルコールを使用する場合、エポキシエステル樹脂(E)の水酸基と多価アルコールの水酸基とのモル比(エポキシエステル樹脂(E)の水酸基/多価アルコールの水酸基)は、特に限定されないが、99/1〜50/50であることが好ましく、95/5〜60/40であることがより好ましい。多価アルコールの水酸基のモル比が50を超えると、多価カルボン酸樹脂(G)の分子量が急激に増大し、ゲル化の恐れがある。また、モル比が1未満では、耐熱性や耐熱変色性を向上させにくい傾向がある。
多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)の配合量は、特に限定されないが、エポキシエステル樹脂(E)の水酸基(多価アルコールを使用する場合は、多価アルコールの水酸基との合計)1当量(モル)に対して、酸無水物基換算で0.1〜1当量であることが好ましく、0.4〜1当量であることがより好ましい。配合量が0.1当量未満では、多価カルボン酸樹脂(G)の分子量が充分高くならず、多価カルボン酸樹脂(G)を含む複合樹脂組成物の硬化物の耐熱性が不充分となったり、現像後も複合樹脂組成物が基板上に残存する場合がある。一方、配合量が1当量を超える場合には、未反応の多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)が残存し、多価カルボン酸樹脂(G)の分子量が低くなり、多価カルボン酸樹脂(G)を含む複合樹脂組成物の現像性が劣る場合がある。なお、酸無水物基換算とは、使用する多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)に含まれるカルボキシル基及び酸無水物基を全て酸無水物基に換算したときの量を示す。
第2、第3、第5、第6の多価カルボン酸樹脂(G)の製造に際しては、2種類以上の多塩基性カルボン酸又はその無水物(F)を用いる。一般的には、ジカルボン酸無水物とテトラカルボン酸二無水物とが用いられる。ジカルボン酸無水物とテトラカルボン酸二無水物との割合(ジカルボン酸無水物/テトラカルボン酸二無水物)は、モル比で1/99〜90/10であることが好ましく、5/95〜80/20であることがより好ましい。ジカルボン酸無水物の割合が1未満では、樹脂粘度が高くなり、作業性が低下するおそれがある。また、多価カルボン酸樹脂(G)の分子量が大きくなりすぎるため、多価カルボン酸樹脂(G)を含む複合樹脂組成物を用いて基板上に塗膜を形成し、露光を行った場合に、露光部が現像液に溶解しにくくなり、目的のパターンが得られにくくなる傾向にある。一方、ジカルボン酸無水物の割合が90を超えると、多価カルボン酸樹脂の分子量が小さくなりすぎるため、多価カルボン酸樹脂を含む複合樹脂組成物を用いて基板上に塗膜を形成した際に、プリベーク後の塗膜にスティッキングが残る等の問題が生じやすくなる。
本発明の複合樹脂組成物において、多価カルボン酸樹脂(G)は、放射線重合性官能基を含有することが好ましく、具体的には、(メタ)アクリロイル基等の不飽和基を含有することが好ましい。多価カルボン酸樹脂(G)が放射線重合性官能基を含有する樹脂である場合、本発明の複合樹脂組成物は光硬化性を有するため、感光性複合樹脂組成物(H)として利用することが出来る。ここで、感光性とは、各種の放射線により化学反応を起す性質を言い、このような放射線としては、波長の長いものから順に、可視光線、紫外線、電子線、X線、α線、β線、及びγ線が挙げられる。これらの中で、経済性及び効率性の点から、実用的には、紫外線が最も好ましい放射線である。紫外線としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、アーク灯、キセノンランプ等のランプから発振される紫外光を好適に使用することができる。紫外線よりも波長の短い放射線は、化学反応性が高く、理論的には紫外線より優れているが、経済性の観点から紫外線が実用的である。
本発明の複合樹脂組成物において、無機微粒子に対する縮環構造含有樹脂の含有量は、特に限定されないが、無機微粒子100重量部に対して5〜300重量部であることが好ましく、10〜100重量部であることがより好ましい。縮環構造含有樹脂の含有量が無機微粒子100重量部に対して5重量部未満であると、無機微粒子の分散安定性が低下することがあり、300重量部を超えると、硬化物の屈折率が低下することがある。
本発明の複合樹脂組成物において、耐熱性と分散性の観点からは、縮環構造含有樹脂が、フルオレンに由来する縮環構造を有することが好ましい。また、光硬化性の観点からは、縮環構造含有樹脂が、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
<エポキシ基を1つ以上有する化合物>
本発明の複合樹脂組成物は、エポキシ基を1つ以上有する化合物を含有する。ネガ型のフォトレジスト樹脂を用いてパターニングを行う際には、溶剤成分を加熱除去(プリベーク)し、紫外線等の放射線を照射後、未露光部を現像液により溶解させて除去する処理を行うが、本発明の複合樹脂組成物を熱硬化させる際に、縮環構造含有樹脂に残存するカルボキシル基が、エポキシ基を1つ以上有する化合物のエポキシ基と反応することで、得られる複合樹脂硬化物の耐薬品性を向上させることができる。
エポキシ基を1つ以上有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ポリブタジエンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
エポキシ基を1つ以上有する化合物の水溶率は、特に限定されないが、0〜70重量%であることが好ましく、0〜60重量%であることがより好ましい。エポキシ基を1つ以上有する化合物の水溶率が70重量%を超えると、レジスト現像液、ITOエッチング液、レジスト剥離液等の薬液に曝される際に膜べりが生じることがある。
本明細書において、「水溶率」とは、室温で水90重量部にエポキシ基を1つ以上有する化合物10重量部を溶解したときの溶解率をいう。
エポキシ基を1つ以上有する化合物のエポキシ当量は、特に限定されないが、100〜1000g/eqであることが好ましく、100〜250g/eqであることがより好ましい。エポキシ当量が100g/eq未満であると、露光部の膜べりが生じることがあり、1000g/eqを超えると、現像時、未露光部に残渣が生じ、現像性が低下することがある。
エポキシ基を1つ以上有する化合物の分子量は、特に限定されないが、100〜3500であることが好ましく、110〜1000であることがより好ましい。分子量が100未満であると、耐薬品性が低下することがあり、3500を超えると、現像時、未露光部に残渣が生じ、現像性が低下することがある。
本発明の複合樹脂組成物において、エポキシ基を1つ以上有する化合物の含有量は、特に限定されないが、全固形分中0.1〜45重量%であることが好ましい。
本発明の複合樹脂組成物において、縮環構造含有樹脂に対するエポキシ基を1つ以上有する化合物の含有量は、特に限定されないが、縮環構造含有樹脂100重量部に対して、0.01〜100重量部であることが好ましく、1〜50重量部であることがより好ましい。エポキシ基を1つ以上有する化合物の含有量が縮環構造含有樹脂100重量部に対して0.01重量部未満であると、耐薬品性が低下することがあり、100重量部を超えると、現像性が低下することがある。
本発明の複合樹脂組成物は、無機微粒子、溶剤、縮環構造含有樹脂、及び、エポキシ基を1つ以上有する化合物に加えて、任意に他の成分を含有していても良い。他の成分としては、例えば、分散剤及び/又は表面処理剤、脂肪族多官能アクリレート、硬化剤、レベリング剤、樹脂成分、熱重合禁止剤、密着助剤、エポキシ基硬化促進剤、界面活性剤、消泡剤等が挙げられる。
<分散剤及び/又は表面処理剤>
本発明の複合樹脂組成物は、分散剤及び/又は表面処理剤を全く含まない場合であっても良好な分散性を示すが、分散剤及び/又は表面処理剤を少量含有しても良い。
分散剤としては、特に限定されず、例えば、ポリアクリル酸系分散剤、ポリカルボン酸系分散剤、リン酸系分散剤、シリコン系分散剤等が挙げられる。これらの分散剤は、単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
無機微粒子は、表面処理されたものであっても良い。表面処理とは、カップリング剤等、微粒子表面に存在する水酸基と反応し得る化合物を結合させる処理を言う。表面処理は、無機微粒子を溶媒に分散させ、酸性条件下でカップリング剤を混合し、作用させることにより行うことが出来る。表面処理剤としては、特に限定されないが、シランカップリング剤やチタンカップリング剤が挙げられ、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシシラン類;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン等のビニルシラン類;N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン類;N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等の第四級アンモニウム塩類;p−スチリルトリメトキシシラン;フェニルトリメトキシシラン;イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルジアクリルイソステアロイルチタネート等のチタネート類;等が挙げられる。これらの表面処理剤は、単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。これらの表面処理剤の中では、反応性官能基を有し、縮環構造含有樹脂と共に硬化し、硬化物中に無機微粒子を固定化できることから、エポキシシラン類や(メタ)アクリロキシシラン類が好ましい。
本発明の複合樹脂組成物が分散剤及び/又は表面処理剤を含む場合、分散剤及び表面処理剤の合計含有量は、特に限定されないが、無機微粒子100重量部に対して、有効成分重量で5重量部以下であることが好ましく、3重量部以下であることがより好ましい。分散剤及び表面処理剤の合計含有量が5重量部を超えると、複合樹脂組成物の硬化物の屈折率や、耐熱性、耐光性が低下するおそれがある。本発明の複合樹脂組成物が分散剤及び/又は表面処理剤を含む場合、分散剤及び表面処理剤の合計含有量の下限は、特に限定されないが、例えば、無機微粒子100重量部に対し有効成分重量で0.1重量部以上が好ましい。
<脂肪族多官能アクリレート>
本発明の複合樹脂組成物は、光硬化性の観点から、さらに脂肪族多官能アクリレートを含有することが好ましい。脂肪族多官能アクリレートとしては、特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明の複合樹脂組成物が脂肪族多官能アクリレートを含有する場合、その無機微粒子に対する含有量は、特に限定されないが、無機微粒子100重量部に対して0.1〜40重量部であることが好ましく、1〜30重量部であることがより好ましい。含有量が無機微粒子100重量部に対して0.1重量部未満であると、硬化不足となることがあり、40重量部を超えると、現像性が低下することがある。
本発明の複合樹脂組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、無機粒子、溶剤、縮環構造含有樹脂、及び、エポキシ基を1つ以上有する化合物を、ビーズミルを用いて分散させる方法等が挙げられる。ビーズミルを用いた分散完了時に、無機微粒子、溶剤、縮環構造含有樹脂、及び、エポキシ基を1つ以上有する化合物が混合されていることが好ましい。本発明の複合樹脂組成物が分散剤及び/又は表面処理剤を含む場合、ビーズミルを用いた分散完了時に、無機微粒子、溶剤、縮環構造含有樹脂、エポキシ基を1つ以上有する化合物、並びに、分散剤及び/又は表面処理剤が混合されていることが好ましい。ビーズミルを用いた分散完了時に縮環構造含有樹脂が混合されていることを大きな特徴としている。一般的には、無機微粒子をビーズミルで溶媒に分散させた後に、縮環構造含有樹脂等と混合するが、この方法では相当量の分散剤及び/又は表面処理剤を配合する必要がある。一方、ビーズミルを用いた分散完了時に縮環構造含有樹脂が混合されることで、分散剤及び/又は表面処理剤を全く含有しないか、分散剤及び/又は表面処理剤の配合量を極限まで低減することができる。その結果、屈折率の低減を抑制できるとともに、硬化物の耐光性や耐熱性の低下も抑制することができる。
ビーズミルを用いた分散前における無機微粒子、溶剤、縮環構造含有樹脂、及び、エポキシ基を1つ以上有する化合物の添加順序は限定されず、例えば、全成分を一度に混合しても良いし、各成分を一成分ずつ順に添加し混合しても良い。これは、複合樹脂組成物が分散剤及び/又は表面処理剤を含む場合も同様である。また、複合樹脂組成物が分散剤及び/又は表面処理剤を含む場合であって、連続式のビーズミルを用いる場合には、例えば、あらかじめ無機微粒子、溶剤、縮環構造含有樹脂、及び、エポキシ基を1つ以上有する化合物を混合してからビーズミルを用いた分散を開始し、ビーズミルを用いた分散中に分散剤及び/又は表面処理剤を添加しても良いし、あらかじめ無機微粒子、溶剤、エポキシ基を1つ以上有する化合物、並びに、分散剤及び/又は表面処理剤を混合してからビーズミルを用いた分散を開始し、ビーズミルを用いた分散中に縮環構造含有樹脂を添加しても良い。さらに、ビーズミルを用いた分散完了時に無機微粒子、溶剤、縮環構造含有樹脂、及び、エポキシ基を1つ以上有する化合物が混合されてさえいれば、ビーズミルを用いた分散完了後に溶剤や縮環構造含有樹脂をさらに添加しても良く、これは、複合樹脂組成物が分散剤及び/又は表面処理剤を含む場合も同様である。
硬化剤等の任意成分は、ビーズミルを用いた分散前、分散中、分散完了後のいずれの時点で添加しても良い。
本発明の複合樹脂組成物は、アルカリに可溶であり、かつ放射線照射により硬化可能な縮環構造含有樹脂を含むため、所望の形状に成形し、熱及び放射線により硬化させて、種々の目的に利用される。本発明の複合樹脂組成物は特に、基板上に薄膜を形成し、加熱及び放射線照射を行った後、現像することにより所定のパターンを有する薄膜を形成する目的に利用される。
例えば、上述のように、基板上に薄膜を形成して、熱硬化、放射線硬化及び現像を行う場合には、通常、まず各成分を混合して本発明の複合樹脂組成物を得る。これを例えば、孔径1.0〜0.2μm程度のミリポアフィルター等でろ過して、均一な液状物とするのがより好適である。次いで、本発明の複合樹脂組成物を、基板上に塗布して塗膜を得る。塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、ディッピング法、スプレー法、ローラーコート法、スリットコート法、バーコート法、スピンコート法等が挙げられる。これらの方法によって、本発明の複合樹脂組成物を1〜30μm程度の厚さに塗布した後、溶剤を除去すれば薄膜が形成される。通常、溶剤を充分に除去するためプリベーク処理が行われる。
この基板の薄膜上に所望のパターンを有するマスクを載置した後、放射線による照射を行う。
放射線による照射により、露光部は重合反応により硬化する。未露光部は現像液で現像される。このことにより、未露光部が除去され、所望のパターンを有する薄膜が得られる。現像方法としては、特に限定されず、例えば、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法等が挙げられる。
現像液としては、アルカリ性水溶液、該アルカリ性水溶液と水溶性有機溶剤及び/又は界面活性剤との混合液、及び本発明の複合樹脂組成物が溶解し得る有機溶剤が挙げられ、好ましくはアルカリ性水溶液と界面活性剤との混合液である。
本発明の複合樹脂組成物を現像するのに適したアルカリ性水溶液の調製に用いられる塩基としては、特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−5−ノナン等が挙げられ、好ましくは炭酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等が用いられる。
このアルカリ性水溶液には、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、プロパノール、エチレングリコール等の水溶性有機溶剤、界面活性剤等が適量添加される。
本発明の複合樹脂組成物の現像は、通常10〜50℃、好ましくは20〜40℃の温度で、市販の現像機や超音波洗浄機を用いて行うことができる。現像時間は、現像方法、現像液、温度、塗膜の膜厚等によって適宜調整できる。
アルカリ現像後、耐アルカリ性を向上させるために、加熱して硬化処理を施すことが望ましい(ポストベーク処理)。本発明の複合樹脂組成物においては、加熱処理を行うことにより、銅等の金属あるいはガラスに対する密着性、耐熱性、表面硬度等の諸性質も向上する。また、本発明の複合樹脂組成物からなる複合樹脂硬化物を形成後、ITO等の透明電極をパターニングにより形成することがあり、複合樹脂硬化物はITOパターン形成に必要な薬液(レジスト現像液、ITOエッチング液、レジスト剥離液等)に曝されるが、加熱処理を行うことにより、薬液に曝されても膜べりしない耐性(耐薬品性)が向上する。好ましい加熱温度と加熱時間は、80〜250℃、10〜120分である。このようにして、所望のパターンを有する硬化薄膜を得ることができる。
透明電極のパターン形成は、特開2008−270458等に記載される常法に基づき行うことができる。例えば、ITOを用いて透明電極をパターン形成する場合、まず、硬化物上に、スッパタリング等によりITO膜を形成する。次に、レジスト組成物を塗布、乾燥させてITO膜上にレジスト膜を形成した後、露光、現像処理を行って所望のパターンを有するレジストパターンを形成する。さらに、レジストパターン等が形成された基板を酸性の薬液に浸し、ITOのエッチングを行う。最後に、アミン系溶剤等のレジスト剥離液に基板を曝すことにより、レジストを除去する。その後、ITO膜をアニール処理することで透明電極を形成することができる。
本発明の複合樹脂組成物は、例えば、タッチパネル・タッチセンサ等の表示装置や電子部品の保護膜、層間絶縁膜及び/又は平坦化膜の形成材料;カラーレジスト用バインダー;プリント配線板の製造に用いられるソルダーレジスト;液晶表示素子におけるビーズスペーサーの代替となる柱状スペーサーの形成に好適なアルカリ可溶型の感光性組成物等として好適に用いられる。さらに、本発明の複合樹脂組成物は、各種光学部品(レンズ、LED、プラスチックフィルム、基板、光ディスク等)の材料;該光学部品の保護膜形成用のコーティング剤;光学部品用接着剤(光ファイバー用接着剤等);偏光板製造用のコーティング剤;ホログラム記録用感光性樹脂組成物等としても好適に利用される。
<<複合樹脂硬化物>>
本発明の複合樹脂硬化物は、本発明の複合樹脂組成物を熱硬化及び光硬化させたことを特徴とする。
本発明の複合樹脂組成物を熱硬化及び光硬化させる方法は、特に限定されず、熱硬化の後に光硬化を行っても良いし、光硬化の後に熱硬化を行っても良いし、両者を同時に行っても良い。熱硬化の方法は、特に限定されないが、例えば、80〜300℃で5〜60分間加熱処理する方法等が挙げられる。光硬化の方法は、特に限定されないが、例えば、波長100〜600nmにて、光強度1〜900mW/cmの紫外線を、露光量5〜2000mJ/cmとなるように照射する方法等が挙げられる。
本発明の複合樹脂硬化物は、タッチパネル・タッチセンサ等の表示装置内に設けられる絶縁膜・保護膜として、要求される性能を満足させるため、薄膜又は成形体であることが好ましい。
<<光学フィルム>>
本発明の光学フィルムは、本発明の複合樹脂硬化物を備えたことを特徴とする。
<<表示素子>>
本発明の表示素子は、本発明の複合樹脂硬化物を備えたことを特徴とする。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
1.使用材料
以下の実施例及び比較例では、下記の材料を使用した。
1−1.無機微粒子
・酸化ジルコニウム(第一稀元素化学工業株式会社製、UEP−50)
・酸化ジルコニウム(第一稀元素化学工業株式会社製、UEP−100)
1−2.溶剤
・シクロヘキサノン(シノペック社製)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(株式会社ダイセル製、PGMEA)
・プロピレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、PGME)
1−3.分散剤
・高分子型分散剤(ビックケミー・ジャパン社製、BYK−118)
1−4.硬化剤
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASFジャパン株式会社製、IRGACURE 907)
1−5.脂肪族多官能アクリレート
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(新中村化学株式会社製、A−TMM−3LM−N)
2.合成例
(合成例1)エポキシ化合物Aの合成
撹拌機と冷却管と温度計を備える1000mlの反応器に、ペンタエリスリトール100g、トルエン100g、三フッ化ホウ素エーテル錯体2.2gを仕込み、内温を90〜100℃に調整した。次に、エピクロルヒドリン407gを3時間かけて滴下し、滴下終了後更に3時間撹拌した。ガスクロマトグラフにより、エピクロルヒドリンが完全に消費された事を確認し、内温を50〜60℃に調整した。次に、49%液体苛性ソーダ240gを3時間かけて滴下して、引き続き1時間の熟成を行った。得られた反応液を2000mlの容器に移し、トルエン300gで希釈した後、生成した塩濃度が10%水溶液となるように軟水を加えて撹拌溶解し、トルエン層を分離抽出して、生成塩を除去したのち、軟水で有機層を洗い、エバポレータにより100℃で減圧濃縮を行って有機層からエピクロルヒドリンを除去してエポキシ化合物Aを得た。このエポキシ化合物Aのエポキシ当量は、240g/eqであった。
(合成例2)エポキシ化合物Bの合成
ポリブタジエングリコール(日本曹達株式会社製、NISSO−PB G−2000、数平均分子量2500、1,2−ブタジエン骨格/1,4−ブタジエン骨格=90/10)100部、エピクロルヒドリン35部、水酸化ナトリウム16部及びトルエン50部を仕込み、激しく攪拌しながら窒素雰囲気下で50℃、5時間反応させた。反応後、水100部を加え10分攪拌して水洗した。静置後、上層を分液し、濾過後、過剰のエピクロルヒドリンとトルエンを減圧除去し、残渣としてエポキシ化合物Bを得た。このエポキシ化合物Bのエポキシ当量は1520g/eqであった。
(合成例3)エポキシ化合物Cの合成
撹拌機と冷却管と温度計を備える1000mlの反応器に、トリメチロールプロパン114g及びエピクロルヒドリン700gを加え、さらにテトラメチルアンモニウムクロライドを5.4g加え、減圧下で液温度を55〜65℃に保ち、あわせて水を除去しながら、49%液体苛性ソーダ200gを4時間かけて滴下して、引き続き1時間の熟成を行った。
得られた反応液に対して、生成した塩濃度が10%水溶液となるように軟水を加えて撹拌溶解し、エピクロルヒドリン層を分離抽出して、生成塩を除去したのち、軟水で有機層を洗い、エバポレータにより100℃で減圧濃縮を行って有機層からエピクロルヒドリンを除去してエポキシ化合物Cを得た。このエポキシ化合物Cのエポキシ当量は、150g/eqであった。
(合成例4)エポキシ化合物Dの合成
合成例1の操作において、ペンタエリスリトールをソルビトール100gに変更し、エピクロルヒドリンの量を305g、49%苛性ソーダの量を256g、反応後のトルエンの量を500gとした以外は同様な操作を行い、エポキシ化合物Dを得た。このエポキシ化合物Dのエポキシ当量は、170g/eqであった。
(合成例5)エポキシ化合物Eの合成
合成例1の操作において、ペンタエリスリトールをグリセリン100gに変更し、エピクロルヒドリンの量を302g、49%苛性ソーダの量を253g、反応後のトルエンの量を500gとした以外は同様な操作を行い、エポキシ化合物Eを得た。このエポキシ化合物Eのエポキシ当量は、142g/eqであった。
(合成例6)エポキシ化合物Fの合成
合成例1の操作において、ペンタエリスリトールをソルビトール100gに変更し、エピクロルヒドリンの量を270g、49%苛性ソーダの量を226g、反応後のトルエンの量を500gとした以外は同様な操作を行い、エポキシ化合物Fを得た。このエポキシ化合物Fのエポキシ当量は、175g/eqであった。
(合成例7)エポキシ化合物Gの合成
合成例1の操作において、ペンタエリスリトールをPolyglycerol 4(ソルベイジャパン株式会社製)100gに変更し、エピクロルヒドリンの量を130g、49%苛性ソーダの量を107g、反応後のトルエンの量を500gとした以外は同様な操作を行い、エポキシ化合物Gを得た。このエポキシ化合物Gのエポキシ当量は、190g/eqであった。
(合成例8)縮環構造含有樹脂Aの合成
300ml四つ口フラスコ中に、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル(大阪ガスケミカル株式会社製:オグソールPG)115g(エポキシ当量270g/eq)、触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロライド600mg、重合禁止剤として2,6−ジイソブチルフェノール30mg、及びアクリル酸36gを仕込み、これに10mL/分の速度で空気を吹き込みながら90〜100℃で加熱溶解した。次に、これを徐々に120℃まで昇温させた。溶液は透明粘稠となったがそのまま攪拌を継続した。この間、酸価を測定し、1.0mgKOH/g未満になるまで加熱攪拌を続け、淡黄色透明で固体状の縮環構造含有エポキシエステル樹脂を得た。酸価が目標に達するまで15時間を要した。この縮環構造含有エポキシエステル樹脂に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)65gを加えて溶解した後、無水ピロメリット酸(PMDA)27g、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)7.6g及び臭化テトラエチルアンモニウム0.1gを混合し、これを徐々に昇温して110〜115℃で14時間反応させた。このようにして、縮環構造含有樹脂AのPGMEA溶液を得た。酸無水物の消失はIRスペクトルにより確認した。また、この縮環構造含有樹脂Aは、上記多価カルボン酸樹脂(G−a−ii)に相当する。
(合成例9)縮環構造含有樹脂Bの合成
合成例8と同様にして得られた縮環構造含有エポキシエステル樹脂に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)65g及び多価アルコールとして、ジトリメチロールプロパン1.5gを加えて溶解した後、無水ピロメリット酸(PMDA)27g及び臭化テトラエチルアンモニウム0.1gを混合し、これを徐々に昇温して110〜115℃で14時間反応させた。さらに、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)7.6gを添加し、10時間反応させ、縮環構造含有樹脂BのPGMEA溶液を得た。酸無水物の消失はIRスペクトルにより確認した。また、この縮環構造含有樹脂Bは、上記多価カルボン酸樹脂(G−b−iii)に相当する。
(合成例10)縮環構造含有樹脂Cの合成
下記式(13)で表されるエポキシエステル樹脂にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)65gを加えて溶解させた後、ビスフェノールテトラカルボン酸二無水物(BPDA)35g及び臭化テトラエチルアンモニウム0.1gを混合し、これを徐々に昇温して110〜115℃で14時間反応させ、縮環構造含有樹脂CのPGMEA溶液を得た。酸無水物の消失はIRスペクトルにより確認した。また、この縮環構造含有樹脂Cは、上記多価カルボン酸樹脂(G−a−i)に相当する。
なお、下記式(13)で表されるエポキシエステル樹脂は、特開2009−185270にて開示された方法に従い合成した。
Figure 0006912695
3.実施例
(実施例1〜17、比較例1)
表1に示す重量比で無機微粒子、溶剤、縮環構造含有樹脂、エポキシ基を1つ以上有する化合物、分散剤及び脂肪族多官能アクリレートを混合し、メディア型分散機(ビーズミル)を用いて分散させ、さらに硬化剤を混合することにより複合樹脂組成物を得た。得られた複合樹脂組成物を用いて、後述する方法により無機微粒子の分散後の平均粒子径、屈折率、現像性、残膜率を評価した。結果を表1に示す。
4.評価方法
4−1.無機微粒子の分散後の平均粒子径
各実施例及び比較例で得られた複合樹脂組成物について、Malvern社製ゼータサイザーナノZSを用いて、動的光散乱法にて測定した散乱強度分布に基づきZ−平均粒子径を算出した。
4−2.屈折率
各実施例及び比較例で得られた複合樹脂組成物を、スピンナーを用いてシリコン基板に塗布した後、100℃のホットプレート上で2分間プリベークして厚み約0.1μmの塗膜を形成した。この塗膜を有するシリコン基板の塗膜表面に所定のパターンを有するマスクを置き、窒素雰囲気下で、250Wの高圧水銀ランプを用いて、波長365nmにて光強度18.9mW/cmの紫外線を1000mJ/cmのエネルギー量となるように照射した。次いで、0.5重量%の水酸化カリウム水溶液を用いて23℃で60秒間の現像処理を行い、塗膜の未露光部を除去した。その後、超純水でリンス処理を行った。得られた塗膜を有する基板を200℃のオーブンに入れ、ポストベーク処理を30分間行い、塗膜を加熱硬化させ、複合樹脂硬化物を得た。得られた複合樹脂硬化物について、光干渉式膜質測定機を用いて、550nmにおける屈折率を測定した。
4−3.現像性
上記4−2.に記載の現像処理を行った時の、現像後の未露光部について、残渣の有無を目視で確認した。
◎:残渣なし
○:わずかに残渣あり
4−4.残膜率
上記4−2.に記載のポストベーク処理後の塗膜を有するシリコン基板を用い、25℃の条件下、下記(i)〜(iv)の工程に従って耐薬品性試験を行い、試験後の残膜率((試験後の膜厚/試験前の膜厚)×100)を求めた。
(i)PGMEA中に基板を180秒間浸した後、150℃のオーブンに入れて塗膜中に残存する溶剤を除去した。
(ii)5重量%の水酸化カリウム水溶液中に180秒間浸した後、超純水でリンス処理を行い、150℃のオーブンに入れて残存する水を除去した。
(iii)3.4重量%のシュウ酸水溶液に180秒間浸した後、(ii)と同様に洗浄・乾燥を行った。
(iv)2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に180秒間浸した後、(ii)と同様に洗浄・乾燥を行った。
Figure 0006912695

Claims (11)

  1. 無機微粒子、
    溶剤、
    インデン、テトラリン、フルオレン、キサンテン、アントラセン、及び、ベンズアントラセンからなる群より選択される少なくとも1種に由来する縮環構造を有するエポキシエステル樹脂又は多価カルボン酸樹脂、並びに、
    エポキシ基を1つ以上有する化合物を含み、
    エポキシ基を1つ以上有する化合物は、ポリブタジエンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、及び、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種であり、
    無機微粒子の分散後の平均粒子径は10〜70nmであり、
    無機微粒子が、酸化ジルコニウム、酸化チタン及びチタン酸バリウムからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする複合樹脂組成物。
  2. さらに、分散剤及び/又は表面処理剤を含み、
    分散剤及び表面処理剤の合計含有量は、無機微粒子100重量部に対して、有効成分重量で5重量部以下である、請求項1に記載の複合樹脂組成物。
  3. エポキシエステル樹脂又は多価カルボン酸樹脂が、フルオレンに由来する縮環構造、及び、(メタ)アクリロイル基を有する、請求項1又は2に記載の複合樹脂組成物。
  4. エポキシ基を1つ以上有する化合物の水溶率が0〜70重量%である、請求項1〜のいずれか1項に記載の複合樹脂組成物。
  5. エポキシ基を1つ以上有する化合物のエポキシ当量が100〜1000g/eqであり、かつ、エポキシ基を1つ以上有する化合物の含有量が全固形分中0.1〜45重量%である、請求項1〜のいずれか1項に記載の複合樹脂組成物。
  6. さらに、脂肪族多官能アクリレートを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の複合樹脂組成物。
  7. 無機微粒子の含有量が、全固形分中30〜80重量%である、請求項1〜のいずれか1項に記載の複合樹脂組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の複合樹脂組成物を熱硬化及び光硬化させたことを特徴とする複合樹脂硬化物。
  9. 薄膜又は成形体である、請求項に記載の複合樹脂硬化物。
  10. 請求項又はに記載の複合樹脂硬化物を備えたことを特徴とする光学フィルム。
  11. 請求項又はに記載の複合樹脂硬化物を備えたことを特徴とする表示素子。
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