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JP6908592B2 - 研磨用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨用組成物に関する。
近年、LSI(Large Scale Integration)の高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(chemical mechanical polishing;CMP)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線(ダマシン配線)形成において頻繁に利用される技術である。
当該CMPは、半導体製造における各工程に適用されてきており、その一態様として、例えばトランジスタ作製におけるゲート形成工程への適用が挙げられる。トランジスタ作製の際には、例えばポリシリコン(Poly−Si)と窒化ケイ素(SiN)と酸化ケイ素膜(例えば、TEOS)とを含む研磨対象物のような複合材料を研磨することがあり、生産性を向上させるべく、各材料を高速で研磨する要求が存在する。
かような要求に応えるべく、特開2012−40671号公報では、有機酸を固定化したコロイダルシリカを用いて、窒化ケイ素を高速で研磨できることが示されている。
確かに、特開2012−40671号公報では、有機酸を固定化したコロイダルシリカを用いて、窒化ケイ素を高速で研磨できることが示されている。
しかし、特開2012−40671号公報に開示される研磨用組成物は、研磨対象物を高速で研磨することができるが、研磨済の研磨対象物表面にディフェクト(不純物)が残存してしまうという問題があった。
また、ケイ素−ケイ素結合を有する材料と、ケイ素−窒素結合を有する材料と、ケイ素−酸素結合を有する材料と、を含む研磨対象物を研磨する際、各材料の研磨速度がほぼ等しい条件(つまり、ケイ素−ケイ素結合を有する材料の研磨速度:ケイ素−窒素結合を有する材料の研磨速度:ケイ素−酸素結合を有する材料の研磨速度=1:1:1)で研磨したいという要求もある。
そこで、本発明は、研磨済研磨対象物表面に残留するディフェクトを十分に除去することができ、かつケイ素−ケイ素結合を有する材料と、ケイ素−窒素結合を有する材料と、ケイ素−酸素結合を有する材料と、を含む研磨対象物を研磨する際の各材料の研磨速度をほぼ等しくすることができる研磨用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を積み重ねた。その結果、ケイ素−ケイ素結合を有する材料と、ケイ素−窒素結合を有する材料と、ケイ素−酸素結合を有する材料と、を含む研磨対象物を研磨する用途で使用される研磨用組成物であって、有機酸表面固定シリカ粒子と、濡れ剤と、前記ケイ素−ケイ素結合を有する材料の研磨速度抑制剤と、を含み、pHが7未満である、研磨用組成物によって、上記課題が解決されることを見出した。
以下、本発明を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20℃以上25℃以下)/相対湿度40%RH以上50%RH以下の条件で測定する。
本発明は、ケイ素−ケイ素結合を有する材料と、ケイ素−窒素結合を有する材料と、ケイ素−酸素結合を有する材料と、を含む研磨対象物を研磨する用途で使用される研磨用組成物であって、有機酸表面固定シリカ粒子と、濡れ剤と、前記ケイ素−ケイ素結合を有する材料の研磨速度抑制剤と、を含み、pHが7未満である、研磨用組成物である。
かかる構成によって、研磨済研磨対象物表面に残留するディフェクトを十分に除去することができ、かつケイ素−ケイ素結合を有する材料と、ケイ素−窒素結合を有する材料と、ケイ素−酸素結合を有する材料と、を含む研磨対象物を研磨する際の各材料の研磨速度をほぼ等しくすることができるメカニズムは、以下のように推測される。
研磨済研磨対象物からディフェクト(不純物)を除去するために、CMP工程後、濡れ剤を用いてリンス洗浄を行うことが知られている。そこで、特開2012−40671号公報に開示される研磨用組成物に濡れ剤(例えば、ポリビニルアルコール)を添加すると、研磨済研磨対象物にこの組成物を用いて残留するディフェクトを十分に除去することが可能であった。しかし、本発明者は、ケイ素−ケイ素結合を有する材料と、ケイ素−窒素結合を有する材料と、ケイ素−酸素結合を有する材料と、を含む研磨対象物を研磨する際、ケイ素−ケイ素結合を有する材料の研磨速度が大きく上昇することを見出した。そこで、本発明者は、検討の結果、濡れ剤とケイ素−ケイ素結合を有する材料の研磨速度抑制剤(例えば、ポリプロピレングリコール)とを組み合わせて用いることで、ディフェクトを十分に除去できる性能を維持しつつ、前記研磨対象物を研磨する際の各材料の研磨速度をほぼ等しくすることができることを見出して本発明を完成させた。
なお、本明細書中、「研磨速度をほぼ等しくする」とは、ケイ素−窒素結合を有する材料の研磨速度に対するケイ素−ケイ素結合を有する材料の研磨速度およびケイ素−酸素結合を有する材料の研磨速度の比が、それぞれ0.8〜1.2の範囲内であることを意味する。
ただし、かかるメカニズムは推測に過ぎず、本発明の技術的範囲を制限しないことは言うまでもない。
<研磨対象物>
本発明に係る研磨対象物は、ケイ素−ケイ素結合を有する材料と、ケイ素−窒素結合を有する材料と、ケイ素−酸素結合を有する材料と、を含む研磨対象物であれば、特に制限されない。
ケイ素−ケイ素結合を有する材料としては、ポリシリコン(Poly−Si)、アモルファスシリコン、単結晶シリコン、n型ドープ単結晶シリコン、p型ドープ単結晶シリコン、SiGe等のSi系合金などが挙げられる。
ケイ素−窒素結合を有する材料としては、窒化ケイ素(SiN)などが挙げられる。
ケイ素−酸素結合を有する材料としては、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、BD(ブラックダイヤモンド:SiOCH)、FSG(フルオロシリケートグラス)、HSQ(水素シルセスキオキサン)、MSQ(Methyl silsesquioxane)などが挙げられる。
本発明の好ましい実施形態において、研磨対象物は、Poly−Si、SiNおよびTEOSを含む。
<研磨用組成物>
本発明の一形態によれば、上記研磨対象物を研磨する用途で使用される研磨用組成物であって、有機酸表面固定シリカ粒子と、濡れ剤と、前記ケイ素−ケイ素結合を有する材料の研磨速度抑制剤と、を含み、pHが7未満である、研磨用組成物が提供される。
[有機酸表面固定シリカ粒子]
本発明に係る研磨用組成物は、有機酸表面固定シリカ粒子を含む。有機酸表面固定シリカ粒子は、砥粒として用いられる、有機酸を表面に化学的に結合させたシリカ粒子である。前記シリカ粒子にはフュームドシリカやコロイダルシリカ等が含まれるが、特にコロイダルシリカが好ましい。前記有機酸は、特に制限されないが、好ましくはスルホン酸またはカルボン酸である。なお、本発明の研磨用組成物中に含まれる「有機酸表面固定シリカ粒子」の表面には、上記有機酸由来の酸性基(例えば、スルホ基、カルボキシル基など)が(場合によってはリンカー構造を介して)共有結合により固定されていることになる。
有機酸表面固定シリカ粒子は合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。また、有機酸を固定化したシリカ粒子は、単独でも用いてもよいし2種以上混合して用いてもよい。
これらの有機酸をシリカ粒子表面へ導入する方法は特に制限されず、メルカプト基やアルキル基などの状態でシリカ粒子表面に導入し、その後、スルホン酸やカルボン酸に酸化するといった方法の他に、上記有機酸基に保護基が結合した状態でシリカ粒子表面に導入し、その後、保護基を脱離させるといった方法がある。また、シリカ粒子表面に有機酸を導入する際に使用される化合物は、有機酸基となりうる官能基を少なくとも1つ有し、さらにシリカ粒子表面のヒドロキシル基との結合に用いられる官能基、疎水性・親水性を制御するために導入する官能基、立体的嵩高さを制御するために導入される官能基等を含むことが好ましい。
有機酸表面固定シリカ粒子の具体的な合成方法として、有機酸の一種であるスルホン酸をシリカ粒子の表面に固定するのであれば、例えば、“Sulfonic acid−functionalized silica through quantitative oxidation of thiol groups”, Chem. Commun. 246−247 (2003)に記載の方法で行うことができる。具体的には、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のチオール基を有するシランカップリング剤をシリカ粒子にカップリングさせた後に過酸化水素でチオール基を酸化することにより、スルホン酸が表面に固定化されたシリカ粒子を得ることができる。あるいは、カルボン酸をシリカ粒子の表面に固定するのであれば、例えば、“Novel Silane Coupling Agents Containing a Photo labile 2−Nitrobenzyl Ester for Introduction of a Carboxy Group on the Surface of Silica Gel”, Chemistry Letters, 3, 228−229 (2000)に記載の方法で行うことができる。具体的には、光反応性2−ニトロベンジルエステルを含むシランカップリング剤をシリカ粒子にカップリングさせた後に光照射することにより、カルボン酸が表面に固定化されたシリカ粒子を得ることができる。
研磨用組成物中の有機酸表面固定シリカ粒子の平均一次粒子径は、5nm以上であることが好ましく、より好ましくは7nm以上、さらに好ましくは10nm以上である。有機酸表面固定シリカ粒子の平均一次粒子径が大きくなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する利点がある。
研磨用組成物中の有機酸表面固定シリカ粒子の平均一次粒子径はまた、50nm以下であることが好ましく、より好ましくは45nm以下、さらに好ましくは40nm以下である。有機酸表面固定シリカ粒子の平均一次粒子径が小さくなるにつれて、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にスクラッチが生じるのを抑えることができる利点がある。なお、有機酸表面固定シリカ粒子の平均一次粒子径の値は、例えば、BET法で測定される有機酸表面固定シリカ粒子の比表面積に基づいて算出される。
研磨用組成物中の有機酸表面固定シリカ粒子の平均二次粒子径は10nm以上であることが好ましく、より好ましくは15nm以上、さらに好ましくは20nm以上である。有機酸表面固定シリカ粒子の平均二次粒子径が大きくなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する利点がある。
研磨用組成物中の有機酸表面固定シリカ粒子の平均二次粒子径はまた、100nm以下であることが好ましく、より好ましくは90nm以下、さらに好ましくは80nm以下である。有機酸表面固定シリカ粒子の平均二次粒子径が小さくなるにつれて、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にスクラッチが生じるのを抑えることができる利点がある。なお、シリカ粒子の平均二次粒子径の値は、例えば、レーザー光を用いた光散乱法で測定したシリカ粒子の比表面積に基づいて算出される。
研磨用組成物中の有機酸表面固定シリカ粒子の含有量は0.0005質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.005質量%以上である。有機酸表面固定シリカ粒子の含有量が多くなるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度が向上する利点がある。
研磨用組成物中の有機酸表面固定シリカ粒子の含有量はまた、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以下である。有機酸表面固定シリカ粒子の含有量が少なくなるにつれて、有機酸表面固定シリカ粒子の凝集を抑制する、スクラッチが生じるのを抑える、スラリーのコストを下げるなどの利点がある。
なお、本発明では「有機酸表面固定シリカ粒子」を砥粒として用いることが必須であるが、場合によっては、有機酸を表面に固定していないシリカ粒子を併用してもよい。ただし、砥粒全体に占める「有機酸表面固定シリカ粒子」の含有割合は、質量基準で50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることが特に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。また、「有機酸を表面に固定していないシリカ粒子」のみを砥粒として用いると、凝集物によるディフェクト性能の悪化が引き起こされるため、好ましくない。
[濡れ剤]
本発明に係る研磨用組成物に含まれる「濡れ剤」は、ケイ素−ケイ素結合を有する材料の表面に吸着し、前記表面の濡れ性を疎水性から親水性に変化させる効果を有する。本発明で用いられる濡れ剤としては、前記効果を有するものであれば、特に制限されないが、例えば水溶性高分子が挙げられる。水溶性高分子は、分子中に、ノニオン基、アニオン基およびカチオン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有するものを使用することができる。水溶性高分子は、例えば分子中に水酸基、カルボキシ基、アシルオキシ基、スルホ基、第四級アンモニウム構造、複素環構造、ビニル構造、ポリオキシアルキレン構造などを含むものが挙げられる。水溶性高分子は、具体的には、ポリビニルアルコールやその誘導体などのビニルアルコール系ポリマー、デンプン誘導体、セルロース誘導体、N−(メタ)アクリロイル型のモノマー単位を含むポリマー、ポリカルボン酸またはその誘導体、オキシアルキレン単位を含むポリマー、N−ビニル型のモノマー単位を含むポリマー、イミン誘導体などが挙げられる。これらの中でも、−OH、−COOH、−NHなどの親水基を液側に向けてケイ素−ケイ素結合を有する材料の表面に吸着する水溶性高分子が好ましい。
水溶性高分子の好適な例としては、ポリビニルアルコール(PVA)、プルラン、ヒドロキシエチルセルロースなどのノニオン性水溶性高分子;ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロースなどのアニオン性水溶性高分子;およびポリアクリルアミドなどのカチオン性水溶性高分子などが挙げられる。
水溶性高分子は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の好ましい実施形態において、濡れ剤は、ポリビニルアルコール、プルラン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロースおよびポリアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1種である。
濡れ剤は、有機酸表面固定シリカ粒子の凝集を抑制できるおよび濡れ剤のケイ素−窒素結合を有する材料への吸着を抑制できるとの観点から、ノニオン性水溶性高分子であることが好ましい。
よって、本発明のより好ましい実施形態において、濡れ剤は、ポリビニルアルコール、プルランおよびヒドロキシエチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明のさらに好ましい実施形態において、濡れ剤は、ポリビニルアルコールである。
濡れ剤の重量平均分子量の下限は、基板(研磨対象物)に吸着する官能基が多いほど強固な吸着膜が得られるため、好ましくは1000以上であり、より好ましくは2000以上であり、さらに好ましくは3000以上である。濡れ剤の重量平均分子量の上限は、基板(研磨対象物)に対して均一に吸着させることが必要であるため、好ましくは300000以下であり、より好ましくは200000以下であり、さらに好ましくは150000以下である。なお、濡れ剤の重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
研磨用組成物中の濡れ剤の含有量の下限は、基板(研磨対象物)の濡れ性改善の観点から、好ましくは0.1g/kg以上であり、より好ましくは1.5g/kg以上である。研磨用組成物中の濡れ剤の含有量の上限は、摩擦力低下による研磨速度低下の観点から、好ましくは5.0g/kg以下であり、より好ましくは3.0g/kg以下である。
[ケイ素−ケイ素結合を有する材料の研磨速度抑制剤]
本発明に係る研磨用組成物に含まれる「ケイ素−ケイ素結合を有する材料の研磨速度抑制剤」(本明細書中、単に「研磨速度抑制剤」とも称する)は、上記ケイ素−ケイ素結合を有する材料の表面に吸着して、保護膜を形成することができ、有機酸表面固定シリカ粒子による機械的な研磨作用を阻害する効果を有する。本発明で用いられる研磨速度抑制剤は、前記効果を有するものであれば、特に制限されないが、ノニオン性化合物またはアニオン性化合物が挙げられ、中でもポリオキシアルキレン鎖を含む化合物が好ましい。また、研磨速度抑制剤は、他の膜(ケイ素−ケイ素結合を有する材料以外)への静電的な吸着がないという観点から、好ましくはノニオン性化合物である。
研磨速度抑制剤の例としては、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(POEノニルフェニルエーテル)、ポリグリセリンなどのノニオン性化合物;およびポリオキシエチレンラウリル硫酸塩(POEラウリル硫酸塩)などのアニオン性化合物などが挙げられる。
本発明の好ましい実施形態において、研磨速度抑制剤は、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、POEノニルフェニルエーテル、ポリグリセリンおよびPOEラウリルサルフェートからなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明のより好ましい実施形態において、研磨速度抑制剤は、ポリプロピレングリコールおよびポリエチレングリコールの少なくとも一方である。
研磨速度抑制剤の重量平均分子量の下限は、ケイ素−ケイ素結合を有する材料の研磨速度を抑制できれば特に制限されないが、例えば100以上である。研磨速度抑制剤の重量平均分子量の上限は、有機酸表面固定シリカ粒子の凝集抑制の観点から、好ましくは2000以下であり、より好ましくは1000以下である。なお、研磨速度抑制剤の重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
研磨用組成物中の研磨速度抑制剤の含有量は、使用する化合物に応じて、適宜調整することができる。前記研磨速度抑制剤の含有量としては、例えば、0.1g/kg〜10.0g/kgである。
研磨速度抑制剤としてPPGを用いる場合、研磨用組成物中のPPGの含有量の下限は、例えば1.0g/kg超であり、好ましくは1.3g/kg以上であり、より好ましくは1.4g/kg以上である。研磨用組成物中のPPGの含有量の上限は、例えば2.0g/kg未満であり、好ましくは1.7g/kg以上であり、より好ましくは1.6g/kg以上である。また、研磨速度抑制剤としてPEGを用いる場合、研磨用組成物中のPEGの含有量の下限は、例えば、0.5g/kg以上であり、好ましくは0.8g/kg以上である。研磨用組成物中のPEGの含有量の上限は、例えば、1.2g/kg以下であり、好ましくは1.0g/kg以下である。
[分散媒または溶媒]
本発明の研磨用組成物は、分散媒または溶媒として、水を含むことが好ましい。不純物による研磨用組成物の他の成分への影響を防ぐ観点から、できる限り高純度な水を使用することが好ましい。具体的には、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去した後フィルタを通して異物を除去した純水や超純水、または蒸留水が好ましい。また、分散媒または溶媒として、研磨用組成物の他の成分の分散性などを制御する目的で、有機溶媒などをさらに含んでもよい。
[無機酸塩または有機酸塩]
本発明に係る研磨用組成物は、無機酸塩または有機酸塩を含むことができる。無機酸塩または有機酸塩は、研磨用組成物の電導度を上げることができ、砥粒表面の静電反発層の厚みを薄くして、砥粒が研磨対象物に接近し易くする作用を有し、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度を向上させることができる。
無機酸塩または有機酸塩としては、例えば、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサフルオロリン酸カリウムなどの無機酸塩;および、シュウ酸カリウム、クエン酸三ナトリウム、(+)−酒石酸カリウムなどの有機酸塩が挙げられる。無機酸塩または有機酸塩は、単独でもまたは2種以上を混合しても用いることができる。
研磨用組成物中の無機酸塩または有機酸塩の含有量は、研磨用組成物の全質量に対して、0.1g/kg以上であることが好ましく、0.5g/kg以上であることがより好ましい。また、無機酸塩または有機酸塩の含有量は、組成物の全質量に対して10g/kg以下であることが好ましく、5g/kg以下であることがより好ましい。
[pH調整剤]
本発明に係る研磨用組成物のpHの値は、7未満である。pHの値が7以上であると、ケイ素−窒素結合を有する材料およびケイ素−酸素結合を有する材料の研磨速度が低下するため、好ましくない。
研磨用組成物のpHの値は、各材料の研磨速度をほぼ等しくするとの観点から、好ましくは6以下であり、より好ましくは、5.5以下である。
研磨用組成物のpHの値の下限は、特に制限されないが、安全上の観点から、好ましくは1以上であり、より好ましくは、3以上であり、さらに好ましくは4.5以上である。
本発明に係る研磨用組成物は、pHを7未満にするために、pH調整剤をさらに含むことができる。
pH調整剤としては、下記のような酸またはキレート剤を用いることができる。
酸としては、有機酸、無機酸などが挙げられる。有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、アコニット酸、アミノ酸、ニトロカルボン酸といったカルボン酸やメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、イセチオン酸、タウリンなどのスルホン酸が挙げられる。また、無機酸の例としては、炭酸、塩酸、硝酸、リン酸、次亜リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、硫酸、ホウ酸、フッ化水素酸、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸などが挙げられる。
キレート剤としては、ポリアミン、ポリホスホン酸、ポリアミノカルボン酸、ポリアミノホスホン酸等が挙げられる。
これらのpH調整剤は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。これらpH調整剤の中でも、マレイン酸が好ましい。
pH調整剤の添加量は特に制限されず、上記pHの範囲となるような添加量を適宜選択すればよい。
[他の成分]
本発明の研磨用組成物は、必要に応じて、錯化剤、金属防食剤、防腐剤、防カビ剤、酸化剤、還元剤、界面活性剤、水溶性高分子、難溶性の有機物を溶解するための有機溶媒等の他の成分をさらに含んでもよい。以下、好ましい成分である、酸化剤、金属防食剤、ならびに防腐剤および防カビ剤について説明する。
(酸化剤)
研磨用組成物に添加し得る酸化剤は、研磨対象物の表面を酸化する作用を有し、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度を向上させる。
使用可能な酸化剤は、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、有機酸化剤、オゾン水、銀(II)塩、鉄(III)塩、過マンガン酸、クロム酸、重クロム酸、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、亜塩素酸、過塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過硫酸、ジクロロイソシアヌル酸およびそれらの塩等が挙げられる。これら酸化剤は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。これらの中でも、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過ヨウ素酸、次亜塩素酸、およびジクロロイソシアヌル酸ナトリウムが好ましい。
研磨用組成物中の酸化剤の含有量は0.1g/L以上であることが好ましく、より好ましくは1g/L以上であり、さらに好ましくは3g/L以上である。酸化剤の含有量が多くになるにつれて、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度はより向上する。
研磨用組成物中の酸化剤の含有量はまた、200g/L以下であることが好ましく、より好ましくは100g/L以下であり、さらに好ましくは40g/L以下である。酸化剤の含有量が少なくなるにつれて、研磨用組成物の材料コストを抑えることができるのに加え、研磨使用後の研磨用組成物の処理、すなわち廃液処理の負荷を軽減することができる。また、酸化剤による研磨対象物表面の過剰な酸化が起こる虞を少なくすることもできる。
(金属防食剤)
研磨用組成物中に金属防食剤を加えることにより、研磨用組成物を用いた研磨で配線の脇に凹みが生じるのをより抑えることができる。また、研磨用組成物を用いて研磨した後の研磨対象物の表面にディッシングが生じるのをより抑えることができる。
使用可能な金属防食剤は、特に制限されないが、好ましくは複素環式化合物または界面活性剤である。複素環式化合物中の複素環の員数は特に限定されない。また、複素環式化合物は、単環化合物であってもよいし、縮合環を有する多環化合物であってもよい。該金属防食剤は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。また、該金属防食剤は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。
金属防食剤として使用可能な複素環化合物の具体例としては、例えば、ピロール化合物、ピラゾール化合物、イミダゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、ピリジン化合物、ピラジン化合物、ピリダジン化合物、ピリンジン化合物、インドリジン化合物、インドール化合物、イソインドール化合物、インダゾール化合物、プリン化合物、キノリジン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、ナフチリジン化合物、フタラジン化合物、キノキサリン化合物、キナゾリン化合物、シンノリン化合物、ブテリジン化合物、チアゾール化合物、イソチアゾール化合物、オキサゾール化合物、イソオキサゾール化合物、フラザン化合物等の含窒素複素環化合物が挙げられる。
(防腐剤および防カビ剤)
本発明に係る研磨用組成物に添加し得る防腐剤および防カビ剤としては、例えば、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンや5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系防腐剤、パラオキシ安息香酸エステル類、およびフェノキシエタノール等が挙げられる。これら防腐剤および防カビ剤は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。
<研磨用組成物の製造方法>
本発明の研磨用組成物の製造方法は、特に制限されず、例えば、有機酸表面固定シリカ粒子、濡れ剤およびケイ素−ケイ素結合を有する材料の研磨速度抑制剤と、必要に応じて、無機酸塩もしくは有機酸塩および/または他の成分を、分散媒中または溶媒中で撹拌混合することにより得ることができる。なお、pH調整剤は、研磨用組成物のpHを7未満とするために、適宜用いることができる。
各成分を混合する際の温度は特に制限されないが、10〜40℃が好ましく、溶解速度を上げるために加熱してもよい。
<研磨用組成物を用いた研磨方法>
本発明の他の形態によれば、ケイ素−ケイ素結合を有する材料と、ケイ素−窒素結合を有する材料と、ケイ素−酸素結合を有する材料と、を含む研磨対象物を、本発明の研磨用組成物を用いて研磨する、研磨方法が提供される。
研磨装置としては、研磨対象物を有する基板等を保持するホルダーと回転数を変更可能なモータ等とが取り付けてあり、研磨パッド(研磨布)を貼り付け可能な研磨定盤を有する一般的な研磨装置を使用することができる。
前記研磨パッドとしては、一般的な不織布、ポリウレタン、および多孔質フッ素樹脂等を特に制限なく使用することができる。研磨パッドには、研磨用組成物が溜まるような溝加工が施されていることが好ましい。
研磨条件にも特に制限はなく、例えば、プラテン(定盤)およびヘッド(キャリア)の回転速度は、10〜500rpmが好ましく、研磨対象物を有する基板にかける圧力(研磨圧力)は、0.1〜10psiが好ましい。研磨パッドに研磨用組成物を供給する方法も特に制限されず、例えば、ポンプ等で連続的に供給する方法が採用される。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に本発明の研磨用組成物で覆われていることが好ましい。また、研磨時間も特には制限されない。
なお、研磨用組成物および研磨対象物等の詳細は、上記研磨用組成物および研磨用組成物の製造方法の説明で述べたものと同様である。
<研磨済研磨対象物の製造方法>
本発明のさらに他の形態によれば、本発明の研磨用組成物または研磨方法を用いて、ケイ素−ケイ素結合を有する材料と、ケイ素−窒素結合を有する材料と、ケイ素−酸素結合を有する材料と、を含む研磨対象物を研磨する工程を含む、研磨済研磨対象物の製造方法が提供される。
研磨済研磨対象物の製造方法は、研磨工程の後に、研磨対象物を洗浄・乾燥する工程を有することが好ましい。
なお、研磨用組成物および研磨対象物等の詳細は、上記研磨用組成物、研磨用組成物の製造方法および研磨方法の説明で述べたものと同様である。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。また、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)/相対湿度40〜50%RHの条件下で行われた。
<研磨用組成物の調製>
実施例1〜4および比較例1〜2の研磨用組成物は、有機酸表面固定シリカ粒子(砥粒)、濡れ剤、ケイ素−ケイ素結合を有する材料の研磨速度抑制剤(研磨速度抑制剤)および無機酸塩から、表1に示す組成となるように選択し、溶媒としての純水に添加し、撹拌混合することにより得た(混合温度:約25℃、混合時間:約10分)。表中の「−」は、未添加であることを示す。なお、研磨用組成物のpHは、表1に示すpH調整剤で調整し、pHメーター(堀場製作所社製、型番:LAQUA)により確認した。
Figure 0006908592
<研磨性能評価>
上記で得られた研磨用組成物を用いて、研磨性能を評価した。研磨対象物および研磨条件は、以下の通りである。
(研磨対象物)
300mmウェハ:窒化ケイ素(SiN)
300mmウェハ:オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)
300mmウェハ:ポリシリコン(Poly−Si)。
(研磨条件)
研磨機:300mm研磨機(株式会社荏原製作所製:型番F−REX300E)
研磨パッド:ポリウレタン製パッド(ダウ・エレクトロニック・マテリアルズ社製:型番IC1010)
圧力:2psi
コンディショナー(ドレッサー):Diamond dresser(3M Corp社製:型番A188)
プラテン(定盤)回転数:60rpm
ヘッド(キャリア)回転数:65rpm
研磨用組成物の流量:300ml/min
研磨時間:60sec。
[研磨速度]
研磨速度(研磨レート)は、以下の式により計算した。
Figure 0006908592
膜厚は、光干渉式膜厚測定装置(ケーエルエー・テンコール株式会社製 型番:ASET F5X)によって求めた。
[ディフェクト数]
ケーエルエー・テンコール株式会社製SP−1を用いて、研磨済研磨対象物表面に残留する、0.16μm以上のサイズのディフェクト総数を測定した。
実施例1〜4および比較例1〜2の研磨用組成物の評価結果を下記表2に示す。
Figure 0006908592
上記表2から明らかなように、本発明の研磨用組成物(実施例1〜4)を用いることで、比較例1の研磨用組成物と比べて、ディフェクトを十分に除去することができることが分かった。また、比較例2の研磨用組成物と比べて、各材料(窒化ケイ素、TEOSおよびPoly−Si)の研磨速度をほぼ等しくすることができることが分かった。
本出願は、2016年3月24日に出願された日本国特許出願第2016−060631号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。

Claims (9)

  1. ケイ素−ケイ素結合を有する材料と、ケイ素−窒素結合を有する材料と、ケイ素−酸素結合を有する材料と、を含む研磨対象物を研磨する用途で使用される研磨用組成物であって、
    有機酸表面固定シリカ粒子と、
    濡れ剤と、
    前記ケイ素−ケイ素結合を有する材料の研磨速度抑制剤と、
    を含み、pHが7未満であ
    前記濡れ剤が、ビニルアルコール系ポリマー、デンプン誘導体、セルロース誘導体、N−(メタ)アクリロイル型のモノマー単位を含むポリマー、ポリカルボン酸またはその誘導体、N−ビニル型のモノマー単位を含むポリマーおよびイミン誘導体からなる群から選択される水溶性高分子の少なくとも1種であり、前記濡れ剤の重量平均分子量が、1000以上である、研磨用組成物。
  2. 前記有機酸が、スルホン酸またはカルボン酸である、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記濡れ剤が、ポリビニルアルコール、プルラン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロースおよびポリアクリルアミドからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. 前記濡れ剤が、ポリビニルアルコール、プルランおよびヒドロキシエチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  5. 前記ケイ素−ケイ素結合を有する材料の研磨速度抑制剤が、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリグリセリンおよびポリオキシエチレンラウリル硫酸塩からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  6. 無機酸塩または有機酸塩をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  7. pH調整剤をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  8. ケイ素−ケイ素結合を有する材料と、ケイ素−窒素結合を有する材料と、ケイ素−酸素結合を有する材料と、を含む研磨対象物を、請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨用組成物を用いて研磨する、研磨方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨用組成物を用いて、または請求項に記載の研磨方法を用いて、ケイ素−ケイ素結合を有する材料と、ケイ素−窒素結合を有する材料と、ケイ素−酸素結合を有する材料と、を含む研磨対象物を研磨する工程を含む、研磨済研磨対象物の製造方法。
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