JP6897646B2 - Ma包装用透明多層フィルム及び包装体 - Google Patents
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Description
[1].イージーピール層と、水蒸気バリア層と、中間層と、酸素バリア層と、が積層されて構成され、前記水蒸気バリア層と前記中間層は、前記イージーピール層と、前記酸素バリア層と、の間に配置されており、前記水蒸気バリア層は、前記イージーピール層に隣接して配置されており、前記イージーピール層の厚さが10μm未満である、MA包装用透明多層フィルム。
[2].前記イージーピール層が、エチレンから誘導された構成単位を少なくとも有するエチレン系重合体、並びに、プロピレンから誘導された構成単位を少なくとも有するプロピレン系重合体、を含有する、[1]に記載のMA包装用透明多層フィルム。
[3].前記中間層がポリアミドを含有する、[1]又は[2]に記載のMA包装用透明多層フィルム。
[4].前記水蒸気バリア層がポリプロピレンを含有する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のMA包装用透明多層フィルム。
[6].前記水蒸気バリア層が結晶化核剤を含有する、[1]〜[5]のいずれか一項に記載のMA包装用透明多層フィルム。
[7].[1]〜[6]のいずれか一項に記載のMA包装用透明多層フィルムを備えた、包装体。
本発明の一実施形態に係るMA包装用透明多層フィルム(本明細書においては、単に「透明多層フィルム」と略記することがある)は、イージーピール層と、水蒸気バリア層と、中間層と、酸素バリア層と、が積層されて構成され、前記水蒸気バリア層と前記中間層は、前記イージーピール層と、前記酸素バリア層と、の間に配置されており、前記水蒸気バリア層は、前記イージーピール層に隣接して配置されており、前記イージーピール層の厚さが10μm未満となっている。
本実施形態の透明多層フィルムは、その全体が透明性を有する。
本明細書において、「MA」とは、「Modified Atmosphere」の略語である。そして、「MA包装」とは、「包装体内において、低い酸素濃度と高い二酸化炭素濃度を維持することにより、青果物等の包装物の鮮度を通常よりも長く維持可能な包装形態」を意味する。
ここに示す透明多層フィルム1は、イージーピール層11と、水蒸気バリア層12と、中間層13と、酸素バリア層14と、が積層されて構成されている。
透明多層フィルム1において、水蒸気バリア層12と中間層13は、イージーピール層11と、酸素バリア層14と、の間に配置されている。また、水蒸気バリア層12は、イージーピール層11に隣接して配置されている。
さらに、透明多層フィルム1は、水蒸気バリア層12と、中間層13と、の間に、接着層15を備えている。
すなわち、透明多層フィルム1は、イージーピール層11、水蒸気バリア層12、接着層15、中間層13及び酸素バリア層14がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。
イージーピール層11は、透明多層フィルム1において、一方の最表層であり、透明多層フィルム1を構成する各層の積層方向において、一方の最も外側に配置されている。
透明多層フィルム1を、その中のイージーピール層11によって、他のフィルム又はシートとシールすることにより、包装体を構成できる。イージーピール層11の、水蒸気バリア層12側とは反対側の面(換言すると露出面、本明細書においては「第1面」と称することがある)11aが、他のフィルム又はシートとシールするためのシール面となる。
イージーピール層11は、透明性を有する。
好ましいイージーピール層11としては、凝集破壊による剥離性を示すものが挙げられる。
凝集破壊による剥離性を示すイージーピール層11としては、例えば、非相溶性の2種のポリオレフィンを含有するものが挙げられる。
すなわち、イージーピール層11は、エチレンから誘導された構成単位を少なくとも有するエチレン系重合体、並びに、プロピレンから誘導された構成単位を少なくとも有するプロピレン系重合体、を含有することが好ましい。
前記エチレン系共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA樹脂)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA樹脂)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA樹脂)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA樹脂)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA樹脂)、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH樹脂)、アイオノマー樹脂(ION樹脂)等が挙げられる。
前記プロピレン系共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレンランダム共重合体(別名:ポリプロピレンランダムコポリマー、本明細書においては、「rPP」と称することがある)、プロピレン−エチレンブロック共重合体(別名:ポリプロピレンブロックコポリマー、本明細書においては、「bPP」と称することがある)等が挙げられる。
前記割合は、通常、後述するイージーピール層形成用組成物における、前記エチレン系重合体及びプロピレン系重合体の合計含有量(質量部)に対する、前記エチレン系重合体の含有量(質量部)の割合、と同じである。
イージーピール層11が含有する前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
前記割合は、通常、後述するイージーピール層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、イージーピール性を発現する成分の含有量(質量部)の割合、と同じである。
なかでも、イージーピール層11は、前記他の成分として防曇剤を含有することが好ましい。
イージーピール層11が含有する防曇剤は、公知のものでよい。防曇剤としては、例えば、ポリグリセン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
前記割合は、通常、後述するイージーピール層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、防曇剤の含有量(質量部)の割合、と同じである。
前記割合は、通常、後述するイージーピール層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、アンチブロッキング剤の含有量(質量部)の割合、と同じである。
このような糸引きの抑制効果がより高くなる点では、イージーピール層11の厚さは、例えば、9.5μm以下、8μm以下、6μm以下、及び4μm以下のいずれかであってもよい。
水蒸気バリア層12は、イージーピール層11に隣接して配置されている。本実施形態の透明多層フィルムにおいては、このように、水蒸気バリア層がイージーピール層に接触して積層されていることが好ましい。
水蒸気バリア層12は、透明性を有する。
水蒸気バリア層12は、これらの中でも、ポリプロピレンを含有することが好ましい。
水蒸気バリア層12が含有する前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
前記割合は、通常、後述する水蒸気バリア層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、水蒸気バリア性を発現する成分の含有量(質量部)の割合、と同じである。
イージーピール層11が、凝集破壊による剥離性を示すものである場合、例えば、イージーピール層11が、上述の非相溶性の2種のポリオレフィンを含有するものである場合には、イージーピール層11ではなく他のシーラント層を備えている場合よりも、透明多層フィルム1全体の透明性が低下する傾向にある。したがって、本実施形態においては、イージーピール層11が凝集破壊による剥離性を示すものである場合、水蒸気バリア層12は、前記他の成分として結晶化核剤を含有することが特に好ましい。
水蒸気バリア層12が含有する防曇剤は、公知のものでよく、具体的には、上述のイージーピール層11が含有する防曇剤と同様のものが挙げられる。
前記割合は、通常、後述する水蒸気バリア層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、防曇剤の含有量(質量部)の割合、と同じである。
水蒸気バリア層12が含有する結晶化核剤は、公知のものでよい。結晶化核剤としては、例えば、ソルビトール系結晶化核剤等が挙げられる。
前記割合は、通常、後述する水蒸気バリア層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、結晶化核剤の含有量(質量部)の割合、と同じである。
水蒸気バリア層12が複数層からなる場合には、これら複数層の合計の厚さが、上記の好ましい水蒸気バリア層12の厚さとなるようにするとよい。
水蒸気バリア層12の水蒸気透過量は、例えば、JIS Z 0208に準拠して測定できる。
中間層13は、透明多層フィルム1に成形加工性を付与し、また、透明多層フィルム1においてピンホールの発生を抑制する。
中間層13は、透明性を有する。
透明多層フィルムの製造時には、例えば、これを構成する各層を形成するための樹脂又は樹脂組成物を用いて、共押出し法等の加熱を伴う方法により、各層を成形(換言すると成膜)する。
一方、含窒素樹脂は、通常、中間層の構成材料として好ましいが、比較的融点が高い。すなわち、中間層は通常、他の層の場合よりも、高い成膜温度を必要とする。ここで、成膜温度が高過ぎると、透明多層フィルムの製造開始時から製造終了時までの間に、透明多層フィルムを構成するいずれかの層、又はこれを形成するための前記樹脂組成物から、比較的低沸点の成分が気化して、発煙として観測されることがある。その場合、この発煙成分(すなわち、上記の気化した成分)が冷却によって凝結し、これが工程異常の原因となって、透明多層フィルムを正常に製造できなくなってしまう。このような発煙は、成膜温度が高過ぎる場合に加えて、発煙の原因となる成分を含有する樹脂組成物から形成(成膜)されるいずれかの層の厚さが低い場合にも見られる。なお、このような発煙の原因となり易い成分としては、例えば、上述の防曇剤が挙げられる。
これに対して、透明多層フィルム1においては、中間層13が含有する含窒素樹脂の融点が、210℃以下と、比較的低融点であれば、透明多層フィルム1中の各層が含有する、気化し得る成分(例えば、典型的には防曇剤)として、その沸点が210℃(換言すると、含窒素樹脂の融点)よりも高いものを選択することは容易である。すなわち、透明多層フィルム1は、その製造開始時から製造終了時までの間に、発煙を十分に抑制できる。例えば、透明多層フィルム1においては、防曇剤を含有する層(例えば、先に説明したイージーピール層11、水蒸気バリア層12)の厚さの上限値を40μmとすれば、このような発煙の抑制効果をより顕著に得られる。
なかでも、前記含窒素樹脂はポリアミドであること、すなわち、中間層13がポリアミドを含有することがより好ましい。
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ピペラジン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス−(4−アミノシクロヘキシル)プロパン等の脂環族ジアミン;
メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン等の芳香族ジアミン等が挙げられる。
ヘキサヒドロテレフタル酸、及びヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環族カルボン酸;
テレフタル酸、イソフタル酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
中間層13が含有する前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
前記割合は、通常、後述する中間層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、前記含窒素樹脂の含有量(質量部)の割合、と同じである。
中間層13が複数層からなる場合には、これら複数層の合計の厚さが、上記の好ましい中間層13の厚さとなるようにするとよい。
酸素バリア層14は、透明多層フィルム1において、他方の最表層であり、透明多層フィルム1を構成する各層の積層方向において、イージーピール層11とは反対側の、他方の最も外側に配置されている。
酸素バリア層14は、透明性を有する。
酸素バリア層14は、これらの中でも、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含有することが好ましく、エチレンの共重合比率(換言すると、エチレン−ビニルアルコール共重合体中の構成単位の全量に対する、エチレンから誘導された構成単位の量の割合)が30〜50モル%であるエチレンービニルアルコール共重合体を含有することがより好ましい。
酸素バリア層14が含有する前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
前記割合は、通常、後述する中間層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、酸素バリア性を発現する成分の含有量(質量部)の割合、と同じである。
酸素バリア層14の酸素ガス透過量は、例えば、JIS K 7126−2に準拠して測定できる。
接着層15は、これに隣接する、水蒸気バリア層12と中間層13を接着している。
接着層15は、透明性を有する。
接着層15は、任意の構成要素であり、透明多層フィルム1においては省略可能である。ただし、接着層15を備えていることにより、透明多層フィルム1の多層構造がより安定化する。
前記ポリオレフィン系樹脂は、オレフィンから誘導された構成単位を有する樹脂であり、酸性基を有する酸変性ポリオレフィン等の変性ポリオレフィンであってもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン系共重合体、プロピレン系共重合体、ブテン系共重合体、これら共重合体の変性物(換言すると変性共重合体)等が挙げられる。前記ポリオレフィン系樹脂は、接着性がより向上する点では、ランダム共重合体、グラフト共重合体又はブロック共重合体であることが好ましい。
接着層15が含有する前記プロピレン系共重合体としては、例えば、プロピレンとビニル基含有モノマーとの共重合体、その変性物(変性共重合体)等が挙げられる。このようなプロピレン系共重合体として、より具体的には、例えば、無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリプロピレン、プロピレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
接着層15が含有する前記ブテン系共重合体としては、例えば、1−ブテンとビニル基含有モノマーとの共重合体、2−ブテンとビニル基含有モノマーとの共重合体、これら共重合体の変性物(変性共重合体)等が挙げられる。
接着層15が含有する前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
前記割合は、通常、後述する接着層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、接着性を発現する成分の含有量(質量部)の割合、と同じである。
接着層15が複数層からなる場合には、これら複数層の合計の厚さが、上記の好ましい接着層15の厚さとなるようにするとよい。
一方、透明多層フィルム1のヘーズの下限値は、特に限定されない。例えば、透明多層フィルム1の製造が容易である点では、前記ヘーズは0.5%以上であってもよい。
ただし、ここに示す透明多層フィルム1のヘーズは、一例である。
前記他の層は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
例えば、透明多層フィルム1は、水蒸気バリア層12と中間層13との間以外の、他の2層間に、接着層15と同様の接着層を備えていてもよい。
前記透明多層フィルムは、例えば、数台の押出機を用いて、各層の形成材料となる樹脂又は樹脂組成物等を溶融押出するフィードブロック法や、マルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法等により、製造できる。
本発明の一実施形態に係る包装体は、前記透明多層フィルム(すなわちMA包装用透明多層フィルムを)を備えたものである。
前記透明多層フィルムは、その中のイージーピール層によって、他の樹脂フィルム、樹脂シート又は樹脂トレー(換言すると、樹脂製の底材)とシールすることにより、種々の包装体を構成できる。
本実施形態の包装体は、MA包装用である。
また、好ましい前記包装体としては、例えば、前記透明多層フィルムが、その中のイージーピール層によって、同じ種類の透明多層フィルム、又は、異なる種類のフィルム若しくはシートと、シールされて構成された軟質ガスパックも挙げられる。
なお、図2において、図1に示すものと同じ構成要素には、図1の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
樹脂トレー9は、樹脂シート又は樹脂フィルムを、その一方の面が凹状となるように(換言すると、他方の面が凸状となるように)成形されたものである。より具体的には、樹脂トレー9の一方の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)9aは凹状であり、さらに、その周縁部90aは、平面状となっている。
また、図2においては、透明多層フィルム1を用いた包装体2を示しているが、本実施形態の包装体は、透明多層フィルム1以外の本発明の透明多層フィルムを用いたものであってもよい。
また、図2においては、透明多層フィルム1のシール対象物として、樹脂トレー9を用いた包装体2を示しているが、本実施形態の包装体は、透明多層フィルム1のシール対象物として、樹脂トレーではなく、樹脂フィルム又は樹脂シートを用いたものであってもよい。
前記包装体は、前記透明多層フィルムを用い、目的とする収容空間を形成するように、透明多層フィルムと、他の樹脂フィルム、樹脂シート又は樹脂トレーと、をシールする(貼り合わせる)ことにより、製造できる。このときのシールは、加熱しながら行う(加熱ラミネートで行う)ことが好ましい。
前記樹脂トレーを用いる場合には、公知の方法により、例えば、平面状の樹脂シートを、目的とする形状に成形して、樹脂トレーを作製すればよい。
<<透明多層フィルムの製造>>
<イージーピール層形成用組成物の製造>
低密度ポリエチレン(LDPE、宇部丸善ポリエチレン社製「F522N」)27質量部と、ポリプロピレンランダムコポリマー(rPP、住友化学社製「S131」)40質量部と、防曇剤マスターバッチ(竹本油脂社製「P302AB」、防曇剤である脂肪酸エステル化合物の含有量が10質量%、ポリプロピレン系樹脂の含有量が90質量%)30質量部と、アンチブロッキング剤マスターバッチ(住友化学社製「A22」)、アンチブロッキング剤であるシリカ含有物の含有量が10質量%、ポリエチレン系樹脂の含有量が90質量%)3質量部と、を常温下で混練し、イージーピール層形成用組成物を得た。
ホモポリプロピレン(hPP、住友化学社製「WF836DG3」)82質量部と、結晶化核剤マスターバッチ(東京インキ社製「PPM−NAT94」、ソルビトール系結晶化核剤の含有量が10質量%、ポリプロピレン系樹脂の含有量が90質量%)3質量部と、防曇剤マスターバッチ(竹本油脂社製「P302AB」、防曇剤である脂肪酸エステル化合物の含有量が10質量%、ポリプロピレン系樹脂の含有量が90質量%)5質量部と、を常温下で混練し、水蒸気バリア層形成用組成物を得た。
接着層を構成する樹脂(接着性樹脂)として、変性ポリプロピレン(変性PP、三井化学社製「QF551」)を用意し、中間層を構成する樹脂として、6−ナイロンと66−ナイロンとのコポリマー(以下、「Ny6/66」と略記することがある)(宇部興産社製「5033X80」、融点196℃)を用意し、酸素バリア層を構成する樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH、クラレ社製「E173B」)を用意した。
hPP層(厚さ170μm)と、接着層(厚さ20μm)と、EVOH層(厚さ20μm)と、接着層(厚さ20μm)と、hPP層(厚さ170μm)とが、この順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、樹脂トレー(厚さ400μm)を用意した。
トレーシール機(東京食品機械社製「T300」)を用いて、シール温度170℃、シール時間2秒、シール圧力5kgf/cm2の条件で、前記樹脂トレーの周縁部と、上記で得られた透明多層フィルムの周縁部と、を加熱シールした。このとき、透明多層フィルム中のイージーピール層と、樹脂トレーと、を加熱シールした。
以上により、樹脂トレーを底材とし、透明多層フィルムを蓋材とした包装体を得た。
[実施例2]
イージーピール層形成用組成物の使用量を増大させた点、及び、水蒸気バリア層形成用組成物の使用量を低減した点、以外は、実施例1の場合と同じ方法で、イージーピール層(厚さ5μm)と、水蒸気バリア層(厚さ15μm)と、接着層(厚さ7.5μm)と、中間層(厚さ12.5μm)と、酸素バリア層(厚さ10μm)とが、この順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された透明多層フィルム(厚さ50μm)を得た。
そして、この透明多層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、包装体を得た。
イージーピール層形成用組成物の使用量を増大させた点、及び、水蒸気バリア層形成用組成物の使用量を低減した点、以外は、実施例1の場合と同じ方法で、イージーピール層(厚さ7μm)と、水蒸気バリア層(厚さ13μm)と、接着層(厚さ7.5μm)と、中間層(厚さ12.5μm)と、酸素バリア層(厚さ10μm)とが、この順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された透明多層フィルム(厚さ50μm)を得た。
そして、この透明多層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、包装体を得た。
イージーピール層形成用組成物の使用量を増大させた点、及び、水蒸気バリア層形成用組成物の使用量を低減した点、以外は、実施例1の場合と同じ方法で、イージーピール層(厚さ9μm)と、水蒸気バリア層(厚さ11μm)と、接着層(厚さ7.5μm)と、中間層(厚さ12.5μm)と、酸素バリア層(厚さ10μm)とが、この順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された透明多層フィルム(厚さ50μm)を得た。
そして、この透明多層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、包装体を得た。
イージーピール層形成用組成物の使用量を増大させた点、及び、水蒸気バリア層形成用組成物の使用量を低減した点、以外は、実施例1の場合と同じ方法で、イージーピール層(厚さ11μm)と、水蒸気バリア層(厚さ9μm)と、接着層(厚さ7.5μm)と、中間層(厚さ12.5μm)と、酸素バリア層(厚さ10μm)とが、この順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された透明多層フィルム(厚さ50μm)を得た。
そして、この透明多層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、包装体を得た。
イージーピール層形成用組成物の使用量を増大させた点、及び、水蒸気バリア層形成用組成物の使用量を低減した点、以外は、実施例1の場合と同じ方法で、イージーピール層(厚さ13μm)と、水蒸気バリア層(厚さ7μm)と、接着層(厚さ7.5μm)と、中間層(厚さ12.5μm)と、酸素バリア層(厚さ10μm)とが、この順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された透明多層フィルム(厚さ50μm)を得た。
そして、この透明多層フィルムを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、包装体を得た。
<剥離時の糸引き抑制効果の評価>
上記の各実施例及び比較例で得られた包装体において、透明多層フィルムを、樹脂トレーから剥離し、剥離箇所間での糸引きの有無を、目視により確認した。そして、下記基準に従って、透明多層フィルムの糸引き抑制効果を評価した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:糸引きが全く認められなかった。
B:糸引きが認められた。
すなわち、イージーピール層における「防曇剤の見かけ上の含有量(質量%)」は、イージーピール層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、防曇剤の含有量(質量部)の割合、と同じである。
同様に、水蒸気バリア層における「防曇剤の見かけ上の含有量(質量%)」は、水蒸気バリア層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、防曇剤の含有量(質量部)の割合、と同じである。
実施例1〜4においては、イージーピール層の厚さが9μm以下(3〜9μm)であった。
比較例1〜2においては、イージーピール層の厚さが11μm以上(11〜13μm)であった。
11・・・イージーピール層
12・・・水蒸気バリア層
13・・・中間層
14・・・酸素バリア層
2・・・包装体
9・・・樹脂トレー
Claims (6)
- イージーピール層と、水蒸気バリア層と、中間層と、酸素バリア層と、が積層されて構成され、
前記水蒸気バリア層と前記中間層は、前記イージーピール層と、前記酸素バリア層と、の間に配置されており、
前記水蒸気バリア層は、前記イージーピール層に隣接して配置されており、
前記イージーピール層が、エチレンから誘導された構成単位を少なくとも有するエチレン系重合体、並びに、プロピレンから誘導された構成単位を少なくとも有するプロピレン系重合体、を含有し、
前記イージーピール層において、前記エチレン系重合体及び前記プロピレン系重合体の合計含有量に対する、前記エチレン系重合体の含有量の割合は、20質量%以上かつ50質量%以下であり、
前記イージーピール層の厚さが10μm未満である、MA包装用透明多層フィルム。 - 前記中間層がポリアミドを含有する、請求項1に記載のMA包装用透明多層フィルム。
- 前記水蒸気バリア層がポリプロピレンを含有する、請求項1又は2に記載のMA包装用透明多層フィルム。
- 前記酸素バリア層の厚さが15μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のMA包装用透明多層フィルム。
- 前記水蒸気バリア層が結晶化核剤を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のMA包装用透明多層フィルム。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のMA包装用透明多層フィルムを備えた、包装体。
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