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JP6897034B2 - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ウェットグリップ性能およびその作動性を両立するようにしたタイヤ用ゴム組成物に関する。
サーキットのウェット路面走行向けの競技用タイヤには、ウェットグリップ性能が優れることだけでなく、走行開始後、速やかに優れたウェットグリップ性能を発揮することが要求される。一般に優れたウェットグリップ性能を得るため、トレッド用ゴム組成物にガラス転移温度が高いジエン系ゴムを配合したり、補強性フィラーとしてシリカを多量に配合することが行われる。しかし、ガラス転移温度が高いジエン系ゴムを配合すると、ウェットグリップ性能を発現するまでの作動性が著しく低下する。またシリカを多く配合してもその分散性が悪いとウェットグリップ性能を改良することができない。
特許文献1は、グリップ性能を高くするため、ジエン系ゴムに、シリカ、メルカプト基を有するシランカップリング剤、可塑剤、オイルおよび樹脂を配合したゴム組成物を提案する。しかし、需要者がサーキットのウェット路面走行向けの競技用タイヤに求めるウェットグリップ性能およびその作動性のレベルはより高く更なる改良が求められている。
特開2016−3254号公報
本発明の目的は、ウェットグリップ性能およびその作動性を従来以上に高いレベルで両立するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物は、平均ガラス転移温度が−25℃〜−5℃であるジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを200〜250質量部、低温可塑剤、粘着樹脂およびシランカップリング剤を配合してなり、前記シランカップリング剤が下記一般式(1)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるとともに、その配合量が前記シリカ量の1〜30質量%であり、前記低温可塑剤の融点が−50℃〜−70℃であると共に、前記低温可塑剤の配合量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、5〜50質量部であることを特徴する。
(A)a(B)b(C)c(D)d(R1eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2 (1)
(式(1)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基であり、a〜eは、0<a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、平均ガラス転移温度が−25℃〜−5℃であるジエン系ゴムに、低温可塑剤、粘着樹脂、シリカおよび特定の平均組成式を有するポリシロキサンからなるシランカップリング剤を配合したので、ウェットグリップ性能および作動性を従来レベル以上に向上することができる。
前記粘着樹脂の配合量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し30〜40質量部であるとよい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物をトレッド部に使用した空気入りタイヤは、ウェットグリップ性能と、その作動性を従来以上に高いレベルで両立することができ、ウェット路面走行向けの競技用空気入りタイヤとして好適である。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、そのゴム成分が、平均ガラス転移温度が−25℃〜−5℃であるジエン系ゴムからなる。ジエン系ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム等を例示することができる。好ましくはスチレンブタジエンゴムであるとよい。これらジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度は−25℃〜−5℃、好ましくは−25℃〜−10℃である。ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度を−25℃以上にすることにより、ウェットグリップ性能を高くすることができる。ジエン系ゴムの平均ガラス転移温度を−5℃以下にすることにより、ウェットグリップ性能の作動性を良好にすることができる。ここでジエン系ゴムの平均ガラス転移温度は、ジエン系ゴムが1つのゴムからなるときはそのガラス転移温度、ジエン系ゴムが複数のゴムのブレンドからなるときはブレンドしたゴムのガラス転移温度とする。ジエン系ゴムのガラス転移温度は示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とする。またジエン系ゴムがオイルを含む油展品であるときは、オイルを除いたジエン系ゴムのガラス転移温度とする。ブレンドしたゴムの平均ガラス転移温度は、構成するジエン系ゴムのガラス転移温度およびそれぞれの重量比率から加重平均として算出することもできる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、シリカを配合することにより、ウェットグリップ性能を高くする。シリカの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し100〜250質量部、好ましくは110〜240質量部、より好ましくは120〜230質量部である。シリカの配合量が100質量部未満であると、ウェットグリップ性能を十分に高くすることができない。またシリカの配合量が250質量部を超えると、耐摩耗性が低下する。
本発明で使用するシリカは、窒素吸着比表面積N2SAが好ましくは140〜250m2/g、より好ましくは150〜230m2/gであるとよい。N2SAをこのような範囲にすることにより、ウェットグリップ性能を優れたものにすることができる。シリカのN2SAは、JIS K6217−2に準拠して測定するものとする。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、下記一般式(1)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシランカップリング剤を配合することによりシリカの分散性を改良することができる。シランカップリング剤の配合量は、シリカ量の1〜30質量%、より好ましくは3〜15質量%であるとよい。シランカップリング剤の配合量が1質量%未満では、シリカの分散性を改良することができない虞がある。シランカップリング剤の配合量が30質量%を超えると、ゴム組成物が早期加硫を起こしやすくなり成形加工性が悪化する虞がある。
(A)a(B)b(C)c(D)d(R1eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2 (1)
(式(1)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基であり、a〜eは、0<a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。)
上記一般式(1)で表される平均組成式を有するメルカプトシラン化合物は、その骨格として、シロキサン骨格を有する。シロキサン骨格は直鎖状、分岐状、3次元構造のいずれか又はこれらの組合わせとすることができる。
上記一般式(1)において、a,b,c,dは0より大である。よって、このポリシロキサンは、スルフィド基を含有する2価の有機基A、炭素数5〜10の1価の炭化水素基B、加水分解性基Cおよびメルカプト基を含有する有機基Dを必ず含む。
上記一般式(1)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシラン化合物が、スルフィド基を含有する2価の有機基Aを有することにより、ウェットグリップ性能、その作動性をより優れたものにする。このため一般式(1)におけるスルフィド基を含有する2価の有機基Aの添え字aは、0.01≦a≦0.50であるとよい。
スルフィド基を含有する2価の有機基Aは、例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有してもよい炭化水素基とすることができる。
スルフィド基を含有する2価の有機基Aとしては、シリカの分散性を良好にし、また加工性をより優れたものにする観点から、下記一般式(2)で表される基であることが好ましい。
*−(CH2n−Sx−(CH2n−* (2)
上記一般式(2)中、nは1〜10の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。また、xは1〜6の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。なお、*は結合位置を示す。
上記一般式(2)で表される基の具体例としては、例えば、*−CH2−S2−CH2−*、*−C24−S2−C24−*、*−C36−S2−C36−*、*−C48−S2−C48−*、*−CH2−S4−CH2−*、*−C24−S4−C24−*、*−C36−S4−C36−*、*−C48−S4−C48−*などが挙げられる。
上記一般式(1)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるメルカプトシラン化合物が炭素数5〜10の1価の炭化水素基Bを有することにより、メルカプト基を保護しムーニースコーチ時間が長くなると同時に、ゴムとの親和性に優れることで加工性をより優れたものにする。このため一般式(1)における炭化水素基Bの添え字bは、0.10≦b≦0.89であるとよい。炭化水素基Bの具体例としては、好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数8〜10の1価の炭化水素基、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。これによりメルカプト基を保護しムーニースコーチ時間を長くし加工性により優れ、ウェットグリップ性能および作動性をより優れたものにすることができる。
上記一般式(1)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシラン化合物は、加水分解性基Cを有することによって、シリカとの親和性及び/又は反応性を優れたものにする。一般式(1)における加水分解性基Cの添え字cは、ウェットグリップ性能がより優れ、シリカの分散性がより優れるというる理由から、1.2≦c≦2.0であるとよい。加水分解性基Cの具体例としては、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。加水分解性基Cとしては、シリカの分散性を良好にし、また加工性をより優れたものにする観点から、下記一般式(3)で表される基であることが好ましい。
*−OR2 (3)
上記一般式(3)中、*は、結合位置を示す。またR2は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアラルキル基(アリールアルキル基)または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。
上記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。上記炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
上記一般式(1)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるシラン化合物は、メルカプト基を含有する有機基Dを有することによって、ジエン系ゴムと相互作用及び/又は反応することができ、ウェット性能、作動性を優れたものにする。メルカプト基を含有する有機基Dの添え字dは、0.1≦d≦0.8であるとよい。メルカプト基を含有する有機基Dとしては、シリカの分散性を良好にし、また加工性をより優れたものにする観点から、下記一般式(4)で表される基であることが好ましい。
*−(CH2m−SH (4)
上記一般式(4)中、mは1〜10の整数を表し、なかでも、1〜5の整数であることが好ましい。また式中、*は、結合位置を示す。
上記一般式(4)で表される基の具体例としては、*−CH2SH、*−C24SH、*−C36SH、*−C48SH、*−C510SH、*−C612SH、*−C714SH、*−C816SH、*−C918SH、*−C1020SHが挙げられる。
上記一般式(1)において、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。炭化水素基R1としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
上記一般式(1)中、a〜eは、0<a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、低温可塑剤を配合することにより、ウェットグリップ性能を改良するとともに、その作動性を向上することができる。低温可塑剤の配合量は、特に制限されるものではないが、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは7〜40質量部、より好ましくは10〜30質量部であるとよい。低温可塑剤の配合量をこのような範囲内にすることにより、ウェットグリップ性能およびその作動性を優れたものにすことができる。
低温可塑剤の融点は、−50℃〜−70℃であり、好ましくは−55℃〜−70℃であるとよい。低温可塑剤の融点をこのような範囲内にすることにより、ウェットグリップ性能およびその作動性を優れたものにすことができる
低温可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジブチル(DBA)、アジピン酸ジイソブチル(DIBA)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アゼライン酸ジ2−エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)、フタル酸ジブチル(DBP)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリオクチル(TOP)、リン酸トリエチル(TEP)、リン酸トリメチル(TMP)、チミジントリリン酸(TTP)、リン酸トリクレシル(TCP)、リン酸トリキシレニル(TXP)等のエステル系可塑剤が挙げられ、とりわけDOS、TOPが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、粘着樹脂を配合することにより、ウェットグリップ性能を改良することができる。粘着樹脂の配合量は、特に制限されるものではないが、ジエン系ゴム100質量部に対し、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜60質量部、より好ましくは15〜50質量部であるとよい。粘着樹脂の配合量をこのような範囲内にすることにより、ウェットグリップ性能をより優れたものにすことができる。
粘着樹脂としては、例えば石油系樹脂、芳香族系樹脂が例示される。石油系樹脂は、原油を蒸留、分解、改質などの処理をして得られた成分を重合して製造される芳香族系炭化水素樹脂あるいは飽和または不飽和脂肪族系炭化水素樹脂である。石油系樹脂として、例えばC5系石油樹脂(イソプレン、1,3−ペンタジエン、シクロペンタジエン、メチルブテン、ペンテンなどの留分を重合した脂肪族系石油樹脂)、C9系石油樹脂(α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエンなどの留分を重合した芳香族系石油樹脂)、C5C9共重合石油樹脂などが例示される。
また芳香族系樹脂は、芳香族系炭化水素からなるセグメントを少なくとも1つ有する重合体であり、クマロン樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、ノボラック系樹脂、レゾール系樹脂などをあげることができる。なかでも芳香族変性テルペン樹脂が好ましい。これらの樹脂は、単独又は複数のブレンドとして使用することができる。なお上述したC9系石油樹脂は、芳香族系炭化水素樹脂であるが、本明細書では石油系樹脂に分類するものとする。
粘着樹脂の軟化点は、特に制限されるものではないが、好ましくは130〜200℃、より好ましくは135〜180℃であるとよい。樹脂の軟化点をこのような範囲内にすることにより、ウェットグリップ性能を優れたものにすることができる。本明細書において、樹脂の軟化点は、JIS K6220−1(環球法)に準拠し測定したものとする。
本発明において、上記以外の他の配合剤を添加することができる。他の配合剤としては、シリカ以外の他の補強性充填剤、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、液状ポリマー、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂など、一般的に空気入りタイヤに使用される各種配合剤を例示することができる。これら配合剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量にすることができる。また混練機としは、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用することができる。
他の補強性充填剤としては、例えばカーボンブラック、クレー、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等を例示することができる。なかでもシリカが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ウェット路面を走行する競技用空気入りタイヤに使用するのが好適であり、ウェットグリップ性能、およびその作動性を従来以上に高いレベルで両立することができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す配合からなる13種類のタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜6、標準例、比較例1〜6)を、硫黄及び加硫促進剤を除く成分を、16Lのバンバリーミキサーで10分間混練し、温度160℃でマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを16Lのバンバリーミキサーに供し、硫黄及び加硫促進剤を加え混合し、タイヤ用ゴム組成物を調製した。なお表1のジエン系ゴム−1〜−4の欄に、製品の配合量に加え、括弧内に油展成分を除く正味のジエン系ゴムの配合量を記載した。またこれらジエン系ゴムの油展成分を除いた、ブレンドの平均ガラス転移温度を表1の「ジエン系ゴムTg」の欄に記載した。
得られた13種類のゴム組成物によりタイヤトレッド部を構成したタイヤサイズ195/55R15のレース用空気入りタイヤを製作した。得られた空気入りタイヤを、それぞれリムサイズ15×6Jに空気圧150kPaでリム組し、競技車両に装着し、テストドライバーがウェット条件のサーキットコース(一周約2km)を10周走行させたときの周回毎のラップタイムを計測し、下記の判定方法によりウェットグリップ性能およびウェットグリップ性能の作動性を評価し、得られた結果を表1に示した。
ウェットグリップ性能
ウェット条件のサーキットコースを10周連続走行したときのベストタイムを測定し、それぞれの逆数を算出し、標準例の値を100とする指数として、表1の「ウェット性能」の欄に記載した。ウェット性能の指数が大きいほどベストタイムが速くウェットグリップ性能が優れることを意味する。
ウェットグリップ性能の作動性
ウェット条件のサーキットコースを10周連続走行したときの1〜3ラップのベストタイムを測定し、それぞれの逆数を算出し、標準例の値を100とする指数として、表1の「上記の作動性」の欄に記載した。「上記の作動性」の指数が大きいほど走行開始時のベストタイムが速くウェットグリップ性能の作動性が優れることを意味する。
Figure 0006897034
なお、表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
・ジエン系ゴム−1:スチレンブタジエンゴム、旭化成社製E581、スチレンブタジエンゴム100質量部にオイル成分37.5質量部を配合した油展製品、ガラス転移温度が−30℃
・ジエン系ゴム−2:スチレンブタジエンゴム、住友化学社製SE−6411、スチレンブタジエンゴム100質量部にオイル成分20質量部を配合した油展製品、ガラス転移温度が−20℃
・ジエン系ゴム−3:スチレンブタジエンゴム、住友化学社製SE−6233、スチレンブタジエンゴム100質量部にオイル成分37.5質量部を配合した油展製品、ガラス転移温度が−10℃
・シリカ:エボニック社製7000GR、窒素吸着比表面積が165m2/g
・カーボンブラック:東海カーボン社製シースト 9M
・低温可塑剤−1:大八化学社製TOP、融点が−70℃
・低温可塑剤−2:大八化学社製DOP、融点が−50℃
・カップリング剤−1:平均組成式(−C36−S4−C36−)0.071(−C8170.571(−OC251.50(−C36SH)0.286SiO0.75で表される硫黄含有シランカップリング剤、信越化学工業社製9511D
・カップリング剤−2:硫黄含有シランカップリング剤、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニック社製Si69
・粘着樹脂:芳香族変性テルペン樹脂、ヤスハラケミカル社製YSレジンTO125、軟化点が125℃
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸YR
・亜鉛華:正同化学社製酸化亜鉛3種
・老化防止剤:フレキシス社製サントフレックス 6PPD
・プロセスオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S、
・硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
・加硫促進剤1:大内新興化学社製ノクセラーCZ−G
・加硫促進剤2:大内新興化学社製ノクセラーD
表1から明らかなように実施例1〜7のタイヤ用ゴム組成物は、ウェットグリップ性能、およびその作動性に優れることが確認された。
比較例1のゴム組成物は、標準例のゴム組成物に対し、ジエン系ゴムゴムの平均ガラス転移温度を−15℃にすることによりウェットグリップ性能を改良するが、低温可塑剤を配合しないのでウェットグリップ性能の作動性が悪化する。
比較例2のゴム組成物は、シリカが100質量部未満であるのでウェットグリップ性能が悪化する。
比較例3のゴム組成物は、カップリング剤−1の代わりに、式(1)で表される平均組成式で表されないカップリング剤−2を配合したので、ウェットグリップ性能およびその作動性が悪化する。
比較例4のゴム組成物は、粘着樹脂を配合しないので、ウェットグリップ性能およびその作動性が悪化する。
比較例5のゴム組成物は、ジエン系ゴムゴムの平均ガラス転移温度が−25℃より低いので、ウェットグリップ性能が悪化する。

Claims (3)

  1. 平均ガラス転移温度が−25℃〜−5℃であるジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを200〜250質量部、低温可塑剤、粘着樹脂およびシランカップリング剤を配合してなり、前記シランカップリング剤が下記一般式(1)で表される平均組成式を有するポリシロキサンからなるとともに、その配合量が前記シリカ量の1〜30質量%であり、前記低温可塑剤の融点が−50℃〜−70℃であると共に、前記低温可塑剤の配合量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、5〜50質量部であることを特徴するタイヤ用ゴム組成物。
    (A)a(B)b(C)c(D)d(R1eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2 (1)
    (式(1)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基であり、a〜eは、0<a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、0<2a+b+c+d+e<4の関係式を満たす。)
  2. 前記粘着樹脂の配合量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、30〜40質量部であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物からなるトレッド部を有する空気入りタイヤ。
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