以下の説明は、当業者が、本明細書で説明する外科用ツールを作製及び使用すること並びに方法を行うことを可能にするために提供するものであり、本発明者らがその発明を実施するための最良の形態であると考えるものを述べる。しかしながら、種々の修正が依然として当業者には明らかである。これらの修正は、本開示の範囲内であることが意図される。このような実施形態の異なる実施形態又は態様が種々の図面に示され、明細書全体を通して説明されるであろう。しかしながら、別々に示され又は説明されているが、明示的な指示のない限り、各実施形態及びその態様は、他の実施形態及び態様の1つ又は2つ以上と組み合わせることができることに留意されたい。各組合せを明示的に述べていないのは、単に明細書を読みやすくするためである。
ここで図1を参照すると、本発明による閉鎖式モルセレーション手技が示されている。小切開部を患者の腹壁10の位置に形成し、開口部14を通して腹壁10を横断して体腔12にアクセスする。腹腔鏡術式、並びにトロカール、腹腔鏡、グラスパ及び外科用メスなどの器具を使用して、単一部位の開口部を作成し、標的組織を偵察し、標的組織を周囲組織構造から剥離することができる。追加の切開部又はアクセス部位を使用して器具及びスコープを挿入し、手技を促進することができる。子宮摘出術における子宮の少なくとも一部などの標的組織16が完全に剥離された後、腹壁10の開口部14を通して検体回収バッグ18を挿入し、体腔12の内部に配置する。バッグ18は、腹壁10を横断して配置されたトロカール又はカニューレを通して送達することができる。バッグ18は、体腔12の内部で展開され、配向される。標的組織16は、バッグ18の開口部20を通してバッグ18の中に配置される。種々のタイプのバッグ18を使用することができる。バッグ18を透明にして、腹壁10の二次切開部位を通して体腔12の中へ配置したスコープを介してバッグ18の外部から内容物を観察できるようにすることができる。バッグ18の内容物は、バッグ18の外部から照明することができる。透明なバッグ18を通して標的組織16の位置を観察して、モルセレーションの進行、並びに開口部14に対する標的組織16の位置及び近接度を確認することもできる。また、二次部位切開部を介してバッグ18を観察してバッグ18の状態を確かめ、バッグが絡まったりねじれたりしていないこと、及び、検体がバッグ18を一緒に引きずることなく開口部に向かって移動していることを確認する(一緒に引きずると、その結果、バッグが偶発的にブレードに接触して切断されることがある)。不透明なバッグ18を使用することもできる。バッグ18の材料もまた重要である。一般に、プラスチックで作られるので、バッグは、引張り及び強い牽引に耐えるのに十分なほど強く、十分な伸張性を有し、比較的薄く、可撓性であり、穿刺及引き裂きに対して弾力性がある。バッグは、直径がおよそ少なくとも5mmの小切開部/トロカールを通して挿入することができるように、折りたたまれてサイズが縮小されている。また、拡げたとき、バッグは、図1に示すように、大きい組織ピースを受け入れ、開口部14を通して腹壁10の表面まで延び、器具、スコープ、モルセレータ24、及び外科用メス26のための十分な広い作業スペースをバッグ18の内部に形成するのに十分なほど大きい。バッグ18は、つなぎ紐(tether)又はドローストリング22を含み、これは引き締めて開口部を閉じるように、及び、バッグ18を開くように構成される。バッグ18は、ガス注入圧力に耐え、漏れない。全システム、システムの一部又はシステムの組合せ及び/又はその構成要素が、本発明の種々の実施形態に従ってモルセレーションされる対象物の収納を提供するために配置された、モルセレーションシステムに含める又は組み込むためのバッグ、並びにバッグの挿入、配備及び/又は取り出しのためのデバイスの種々の例は、米国特許出願番号第08/540,795号(1995年10月11日出願);同第11/549,701号(2006年10月16日出願):同第11/549,971号(2006年10月16日出願):同第12/902,055号(2010年10月11日出願);及び同第13/252,110号(2011年10月3日出願)に記載されており、これらの全開示は、引用により、あたかも完全に記述されているかの如く本明細書に組み入れられる。さらなるバッグのバリエーションは、本明細書においてさらに詳細に後述する。
標的組織16をバッグ18の内部に配置した後、つなぎ紐22を手又は腹腔鏡のグラスパによって把持し、バッグ18の少なくとも一部を、腹壁開口部14を通して引く。つなぎ紐22を引いて、バッグ開口部20を閉じる。開口部14を通してバッグ18を引く前に、初期切開部をおよそ15〜40mmまで大きくすることができる。標的組織16が開口部14を通過するには大きすぎる場合、標的組織16は、腹壁10の下で体腔12の内部に着座することになる。バッグ18の開口部20を含むバッグ18の残りの部分は、図1に示すように、腹壁開口部14を通して引き出され、開口部14を通って患者の外部で腹壁10の上面に沿って延びる。バッグ18を、ロールダウンして(rolled down)及び/又は腹壁10の表面にわたってピンと引張って、その位置を維持するとともに開口部14にある程度の組織後退(tissue retraction)をもたらすことができる。
ガード28を、バッグ18の開口部20を通して挿入する。ガード28は、開口部14の内部に配置されたときにガード28が所定位置に保持されるような直径を切開部/開口部14内で有する。ガード28もまた、切開部/開口部において組織を後退させる(retract)ことができ、そのためレトラクタ(retractor)と呼ばれる。ガード28の1つのバリエーションは、図2〜図6に示され、別のバリエーションは図7〜図10に示される。ガード28は、上部34と底部36とを相互接続する側壁を定める、内面30及び外面32を含む。内面30は、上部34と底部36との間に延びる中央内腔38を定める。内面30は、上部34の近くに湾曲した漏斗部分を含み、これは凸面又は切頭円錐形であり得る。ガード28は、上部円周フランジ40と、底部円周フランジ42とを含み、これらは半径方向外方に延びて、腹壁10のそれぞれ上面及び下面に接して着座するための表面を形成する。上部フランジ40は、つなぎ紐22を通してガード28をバッグ18に固定するための穴のような特徴を含むことができる。ガード28は、全長約2.5インチを有するが、貫通させる組織壁10の厚さに応じて種々の長さのガード28を使用することができる。可変長を有する、テレスコープ型ガード28のようなガード28は、本発明の範囲内である。長手方向中間部におけるガード28の内径は、およそ1.3インチであり、小さくて0.6インチとすることができる。長手方向中間部におけるガード28の外径は、およそ1.6インチであり、切開部/開口部に追従し、上部円周フランジ40は、その直径が長手方向中間部におけるガード28の直径に比べて大きいので所定位置に保持されるようになっている。長手方向中間部における壁厚は、およそ0.16インチであり、厚くておよそ0.3インチとすることができる。ガード28は、KRATON(登録商標)又はポリエチレンなどの任意のポリマーで作られるが、ガードは、金属を含む任意の適切な材料で作ることができる。ガード28は、可撓性にすることができるので、腹壁10の開口部14を通して容易に挿入できるようにわずかに圧縮することができる。ガード28の厚さ及び/又はガード28用の材料の選択は、ガード28が、ブレード、ナイフ、外科用メス、モルセレータ等からの切断力及び穿刺力に耐えることができるように選択される。ガード28は、カッティングボード、すなわち標的組織を除去前に切るためにそこに当接させて配置する表面として役立つ。標的組織16を腹腔鏡のグラスパによって把持し、開口部14に向かって上方に引き上げる。次いで切断される標的組織16の少なくとも一部をガード28の長さに沿ったいずれかの位置の所定位置に保持する。次いで外科用メス又はモルセレータなどのブレードを動かして、ガード28の位置内でその切断される標的組織の部分に接触させ、その標的組織部分を切断する。切断された標的組織部分を、開口部14を通して患者外部の表面まで引き上げ、切断され除去される標的組織の新たな部分を、ガード28に沿って所定位置まで持ってくる。このプロセスを、バッグ18から検体の全体が丸ごと又は部分ごとに除去されるまで繰り返す。ガード28は、バッグ18の保護としての役割を果たす。医者(practitioner)は自由に標的組織をガード28の位置内で切ること、さらにはガードの内面30に接して切ることができるので、バッグ18を外科用メス又はモルセレータで切り裂いてしまうような結果が軽減される。ガード28は、検体回収バッグ18を偶発的な切開から保護するのみならず、ガード28は、腹壁などの周囲組織を偶発的な切開から保護する。ガード28は、バッグ16の完全性を保全し、閉鎖式モルセレーションシステムを有効に維持する。外科医は、検体を迅速かつ安全に縮小してこれを腹腔から取り出すことが可能である。
ひとたびガード28が配置されると、外科医は、検体16を把持し、切開部を通してこれを可能な限り引き上げる。次いで外科医は、外科用メス26による検体16のモルセレーションを開始し、検体16を切ってそのサイズを縮小する。理想的には、外科医は、検体16を「コアリング」又は「ピーリング」して、可能な限りこれを1ピースに保つ。しかしながら、どちらかといえば、検体16は、複数のピースに細分されることが多い。切開部を通してモルセレーションしている間、外科医は、腹腔12内の気腹を維持することができるので、モルセレーションの進行を、二次部位に配置した腹腔12内への側方ポートを通して腹腔鏡下で観察できるようになっている。側方ポートは、バッグ18の外部に位置しており、外科医は、透明なバッグを通して見ることができ、又はバッグ自体を見て、それが完全性を維持していることを確認することができる。ひとたび検体16がモルセレーションされ、破砕され、切開部を通して残りの部分を引き出すのに十分に縮小されると、ガード28を除去し、バッグ18及びその内容物を、モルセレーション中に生じたピースを含めて、患者の外に引き出す。バッグ18は、閉鎖式システムを維持して、残った小ピースが腹腔12内に取り残されることを防止するが、これに対して従来のモルセレーションでは、外科医は、新たな腫瘍部位を潜在的に播種することを防止するために、戻って来て、骨盤腔の中に散乱したピースを丹念に探して回収しなければならない。外科医は、患者を腹腔鏡下で最終観察することを選択することができ、次いで創傷部を閉じる。
腹部での除去及びモルセレーションについて説明したが、上記手技は、頸部が除去されている場合には膣オリフィスを介して同様に行うことができる。同じプロセスに従って、バッグ18を挿入し、検体16を腹腔鏡下でバッグ18の中に配置する。つなぎ紐22は、腹壁開口部14を通して引くのではなく、膣を通して引くことになる。同様にして、検体16は、膣の基底部に着座することになり、一方、バッグ18は、膣を通って患者外部で開放される。外科医は、バッグ18をロールダウンするか又はピンと引張って、その位置を維持するとともにある程度の後退をもたらすことができる。外科医は、ガード28を経膣で配置して、バッグ18の完全性を保護するとともに閉鎖式システムを維持し、検体16を把持してこれを持ち出し、モルセレーションして検体16のサイズを縮小する。検体のモルセレーションは、ガード28の位置において及び/又はガード28表面に接して行われ、バッグ及び周囲組織を不注意な切開から保護する。外科医は、気腹を維持して、モルセレーションの進行を腹腔鏡下で監視することができる。ひとたび検体16がモルセレーションされ、破砕され、膣を通して残りの部分を引き出すのに十分に縮小されると、ガード28を取り去り、バッグ18及びその内容物を、モルセレーション中に生じたピースを含めて、患者の外に引き出す。バッグ18は、閉鎖式システムを維持して、残った小ピース腹腔内に取り残されることを防止し、癌細胞などの有害物質が腹腔内に散在することを防止するが、これに対して従来のモルセレーションでは、外科医は、戻って来て、骨盤腔の中に散乱したピースを丹念に探して回収し、骨盤腔の中のピースを探索しなければならない。外科医は、患者を腹腔鏡下で最終観察することを選択することができ、膣断端(vaginal cuff)及び腹部切開部を閉じる。
図11に示す1つのバリエーションにおいて、ガード28は、カリフォルニアのApplied Medical Resources Corporationによって製造されたGELSEAL(登録商標)キャップのようなキャップ44に取り付けるように構成される。キャップ44は、ガード28の近位端に取外し可能に接続可能な剛性リング46を含む。キャップ44は、キャップ44をガード28にロックするためのレバー48を含む。キャップ44は、ゲルで作ることができる貫通可能な部分50を含み、このゲルはそこを貫通して挿入される器具に接してシールし、腹腔内部の気腹を維持するように構成される。図12〜図13は、ガード28に接続されたキャップ44を示す。キャップ44内にガス注入ポート52を設けることができる。キャップ44は、ガード28上にスナップ嵌めされ、気腹が維持されるようにレバーロック48でそこにシールロックすることができる。図14は、複数のポート54を有するキャップ44を示す。各ポート54は、腹腔鏡器具を受け入れるように構成され、挿入された器具に接してシールするための1つ又は2つ以上の内部シールを含む。マルチポートキャップ44は、有利には、単一部位を通して、グラスパ、腹腔鏡及び/又はモルセレータを挿入することを可能にする。
図15〜図17は、ガード28の遠位端にバルーン56を含む、ガード28の別のバリエーションを示す。バルーン56は、図15において膨張構成で示されている。膨張構成において、バルーン56は、半径方向外方に延び、腹腔12の内部で腹壁10に接して固定するための広いフランジを形成し、ガード28が開口部14から不注意で除去され難くする。図16は、収縮構成のバルーンを示し、このときガード28は開口部14に容易に挿入され及びそこから除去される。図15〜図17のガード28もまた、キャップ44に接続することができる。ガード28は、ポリカーボネート又は類似の材料を含む、任意のポリマー材料で作ることができる。
ガード28の近位端にある漏斗形入口は、上述した。漏斗形入口は、別のバリエーションにおいて半径方向外方に拡大することができ、組織をそこに当接させて切断することができる、より大きい表面積が形成される。フレア型近位端は、バッグを、患者の外部、及びガード28と組織辺縁10との間の所定位置で保持することも支援する。別のバリエーションにおいて、ガード28は、切頭円錐又は湾曲した形状のフレア型の遠位端を含む。フレア型遠位端は、拡大された、半径方向に延びるフランジを含むことができ、これはバッグ18を腹腔内部で側方に広げる。フレア型遠位端は、バッグを開放位置に保つとともに、バッグが検体に触れないように、かつ、ガード28の遠位入口から遠ざけるように保つことを支援し、これによりバッグ18を不注意によるブレードとの接触から保護する。ガード28のフレア型遠位端のバリエーションにおいて、遠位開口部におけるガード28の遠位直径は、長手方向中間部におけるガード28の直径よりも大きい。ガード28のフレア型近位端のバリエーションにおいて、近位開口部におけるガード28の近位直径は、長手方向中間部におけるガード28の直径よりも大きい。さらに別のバリエーションにおいて、ガード28は、フレア型近位端及びフレア型遠位端を含み、上述の両方の利点を保持する。
ガード28をキャップ44と共に使用する、組織の除去のための方法をここで説明する。腹腔鏡下子宮摘出術又は他の切開の完了後、前述の検体16は、周囲組織から完全に剥離されて除去を待っている状態にある。外科医は、検体バッグ18(これは透明であり得る)を骨盤に挿入し、検体16をバッグ18の中に入れる。外科医は、次いでバッグ20のつなぎ紐22を腹腔鏡のグラスパで把持し、トロカールを予め配置した腹壁切開部14を通してバッグ18を引き上げる。必要であれば、外科医は、バッグを全行程引き上げる前に、切開部を15〜25mmまで拡張する。検体16は開口部14を通り抜けるには大きすぎるので、検体16は、骨盤腔の内部で、腹壁10の真下に着座することになり、一方、バッグ18の残りの部分は、図1に示すように、切開部から外に引き上げられて患者の外部で開かれる。外科医は、バッグをロールダウンし又はピンと引張って、その位置を維持するとともにある程度の後退をもたらすことができる。外科医は、次いでガード28を切開部の中に挿入して、モルセレーションの間、バッグ18及び腹壁10を保護するとともに、切開部を後退させる。バッグの完全性は保全され、閉鎖式システムが維持される。
ガード28は、ガード28が組織辺縁10を横断して延びるように、バッグ18の開口部20の中に配置され、切開部内に位置決めされる。ガード28にキャップ44が接続される。キャップ44は、近位上部フランジ40上にスナップ嵌めされ、キャップ44のレバー48をロック位置に動かして、キャップ44をガード28上にシールする。ガード28は、トップフランジ40の形状及び剛性を維持するための補強ワイヤ58を含むことができる。ワイヤ58は、図1、図5〜図6、図10及び図12で見ることができる。所定位置にあるキャップ44により、バッグ18にガス注入することができる。1つのバリエーションにおいて、腹腔12に対して、バッグ18のみにガス注入する。別のバリエーションにおいて、バッグ18及び腹腔12の両方にガス注入する。別のバリエーションにおいて、バッグ18及び腹腔12の両方にガス注入して、バッグ18の内部の圧力が腹腔12のガス注入圧力より大きくなるようにする。ガス注入は、キャップ44を通して挿入されたトロカールを通して、又はキャップ44のガス注入ポート52を介して行うことができる。所定位置にあるキャップ44により、動力モルセレータ24が、キャップ44の貫通可能部分50を通してバッグ18の内側に挿入される。あるいは、マルチポートキャップ44が使用される場合、モルセレータ24は、ポート54のうちの1つを通して挿入することができる。外科用グラスパもまた、貫通可能部分50を通すか又はポート54の1つを通して、キャップ44を通すかそのどちらかで挿入され、標的組織を把持して、開口部に向かって近位方向にガード28の中央内腔38内に引き入れ、そこで標的組織をガード28によって与えられた保護ゾーン内でモルセレーションする。前述のように、ガード28は、バッグ18を穿刺から保護し、それにより閉鎖式モルセレーションシステムの維持を支援する。動力モルセレータ24は、ゲルキャップ44を通して、動力モルセレータ24のブレード付き遠位端部60が中央内腔38内及びガード28の保護された領域又は長さ内に維持されるような深さに配置される。標的組織を、モルセレーション及び除去のためにグラスパによってブレード60に向かって引き寄せる。除去された組織は、動力モルセレータ24の中央内腔を通して移動する。
モルセレータ24をキャップ44の貫通可能部分50を通して配置する代わりに、スタビライザが設けられ、スタビライザは、バッグ18又はガード28と共に機能して、モルセレータ24をガード28の中央内腔38の内部の保護されたゾーン内の深さで所定位置に保持する役割を果たす。モルセレータをガード28の内腔38内に維持することで、手技中にモルセレータ24がバッグ18の壁と接触することが防止され、これによりバッグが不注意に引き裂かれることが防止される。スタビライザのバリエーションは、さらに後述する。
モルセレータ24及びキャップ44を配置した後、外科医は、バッグ18並びに腹腔12にガス注入することを選択することができる。外科医は、モルセレータ24及び標的組織16の位置、並びにバッグ18の完全性を観察して、バッグがねじれていないこと又はモルセレータ24の遠位端60に近づきすぎていないことを確認することができる。観察は、同じ切開部位のポート54を通して又は側方ポートを提供する二次切開部を通して配置された腹腔鏡を介して行われる。検体16を、支持鉤(tenaculum)で把持し、動力モルセレータ24を通して引いて、そのサイズを縮小する。理想的には、外科医は、検体を「コアリング」又は「ピーリング」して、可能な限りこれを1ピースに保つ。しかしながら、どちらかといえば、検体16は、複数のピースに細分されることが多い。ひとたび検体16が、切開部を通して残りの組織を引き出すのに十分にモルセレーションされると、モルセレータ24、ゲルキャップ44又はスタビライザ、及びガード28レトラクタを取り去り、バッグ18及びその内容物を、モルセレーション中に生じたピースを含めて、患者の外に引き出す。バッグ18は、閉鎖式システムを維持して、残った小ピースが腹腔12内に取り残されることを防止するが、これに対して従来のモルセレーションでは、外科医は、戻って来て、骨盤腔の中に散乱したピースを丹念に探して回収しなければならない。外科医は、患者を腹腔鏡下で最終観察することを選択することができ、次いで創傷部を閉じる。
腹部の除去及びモルセレーションについて説明したが、上記動力モルセレーション手技は、膣などの身体オリフィスを介して同様に行うことができる。同じプロセスに従って、バッグ18を挿入し、検体16を腹腔鏡下でバッグ18内に配置する。つなぎ紐22は、腹壁開口部14を通して引くのではなく、膣を通してつなぎ紐22を引くことになる。同様にして、検体16は、膣の基底部に着座することになり、一方、バッグ18は、膣を通って患者の外部で開放される。外科医は、バッグをロールダウンするか又はピンと引張って、その位置を維持するとともにある程度の後退をもたらすことができる。外科医は、経膣でバッグ18の中にガード28を配置して、バッグの完全性を保護するとともに閉鎖式モルセレーションシステムを維持し、ガード28上にキャップ44を配置し、ゲルキャップ44又は安定化キャップを通して動力モルセレータ24を配置する。外科医は、次に検体16を支持鉤で把持し、動力モルセレータ24を通してこれを経膣で引き出し、検体16のサイズを縮小する。外科医は、気腹を維持し、モルセレーションの進行を腹腔鏡下で観察する。ひとたび検体16が、膣を通して残りの組織を引き出すのに十分にモルセレーションされると、モルセレータ24、ゲルキャップ44又は安定化キャップ、ガード28及び/又はレトラクタを取り去り、バッグ18及びその内容物を、モルセレーション中に生じたピースを含めて、患者の外に引き出す。バッグ18は、閉鎖式モルセレーションシステムを維持して、残った小ピースが腹腔12内に取り残されることを防止するが、これに対して従来のモルセレーションでは、外科医は、戻って来て、骨盤腔の中のピースを丹念に探して回収しなければならない。外科医は、患者を腹腔鏡下で最終観察することを選択することができ、膣断端及び腹部切開部を閉じる。
ここで図18〜図19を参照すると、可撓性の側壁68で相互接続された第1のリング64と第2のリング66とを備えた、レトラクタ62が示されている。レトラクタ62は、引用により本出願に組み入れられる引用文献の1つ又は2つ以上において、より詳細に説明されている。第2のリング66は、圧縮して、小切開部を通して挿入することができ、そこで拡張して、腔12の内部で腹壁10に接して固定部(securement)を形成する。第1のリング64は、患者の外部で腹壁10の上方に在り、そこでこれをロールダウンして、腹壁の開口部14を後退させ、拡大することができる。レトラクタ62は、上述のバリエーションのいずれかと共に使用することができる。使用時、レトラクタ62は、バッグ18を腔又はオリフィスの中に挿入する前に挿入される。1つのバリエーションにおいて、図19に示すように、第1のリング64は、第2のリング66よりも大きい直径を有する。第2のリング66に比べて大きい第1のリング64は、作業及びそれに接した組織の切断のためのより大きいスペースを可能にする。側壁68は、側壁68を通した切断に耐性の、織布材料を含む、ポリウレタン積層体又は類似の材料で作られる。
図20A〜図20Bは、バッグ70として構成された改変されたレトラクタ62を示す。バッグ70は、可撓性の実質的に円筒形の側壁68によって相互接続された第1のリング64と第2のリング66とを含む。第2のリング66の開口部は、バッグ70の基部72を形成する垂下したバッグ部分によって閉鎖されている。バッグ70は、バッグ18に関して上述したのと同様の方式で挿入され、同様の方式で使用される。第2のリング66を圧縮して、小切開部を通して腹腔12の中に入れる。側壁68を上部リング64のまわりにロールして、開口部14を後退させ及び拡大し、第1のリング64に接続可能なガード28は、バッグ70の内部の開口部において使用される場合も、使用されない場合もある。検体16は、上述したのと同じ方式で、手動で又は動力モルセレータを介して除去される。第1のリング64もまた、ゲルキャップ44に接続可能である。
ここで図21〜図24を参照すると、開口部を形成する第1のリング64、可撓性の円筒形側壁68及び基部72のみを有するバッグ70が示されている。第1のリング64は、弾性であり、小切開部を通過すること又はトロカールの内腔を通ることに適した、つぶれた細長い構成に圧縮可能である。図22の矢印は、バッグ70をつぶす縦方向を示す。つぶされたバッグ70は、次に、引き続き横方向に容易に圧縮されて腹腔内に配備される。第1のリング64は、細長い形状に圧縮される。圧縮されたバッグは、第1のリング64が拡張した元の形を形成することが可能である。拡張構成において、バッグ70は、腔12内で容易に配向される。つぶされたバッグ70は、都合よく、腹腔内部に平らに置かれ、2つの側を含む。どちらの側も第1のリング64の境界内に検体を配置するのに使用することができるので、バッグ70は、つぶされた構成では、上にすべき表側を有さない。第1のリング64は、検体配置のための外周ガイドとしての役割を果たし、腹腔鏡で容易に観察することができるように鮮やかな色にすることができる。検体を第1のリング64の外周内に配置した後、第1のリング64を把持し、持ち上げて、検体をバッグ70の内部に置く。同じことは、上述の2リング式バッグ70にも言える。図23〜図24に示すように、バッグ70をねじってスパイラル形態を形成して、バッグをつぶすか又は長さを短くすることができる。この特徴は、小切開部を通してバッグを挿入するのに有利であるのみならず、検体がモルセレーションされるときにこれをバッグの開口部の近くまで持ち上げるのにも有利である。
ここで図25を参照すると、図18〜図19に示すレトラクタ62と共に、又は図20〜図24のバッグ70と共に使用するように構成された、ガード74が示されている。ガード74は、中心で出会か又は図25に示すように中心に開口部80を形成する複数の内方に延びたフラップ78を有する、剛性のリング76を含む。フラップ78は、リング76に対して曲がるようにリング76に取り付けられており、標的組織16がフラップ76を通過して除去されることを可能にする。フラップ78はまた、遠位にも曲がり、器具がガードを通って挿入されることを可能にする。フラップ78は、ガード28と同じ材料、例えばポリカーボネート、LDPE、HDPE又は類似の材料で作られ、それゆえフラップ78は、十分に弾性、耐切断性であり、及びブレードの貫通に抵抗し、それによりレトラクタ62又はバッグ70を保護する。ガード74は、フラップ78を有する単一のリング76を備える場合もあり、又はそれぞれフラップ78a、78bを有する2つの同様のリング76a、76bで構成される場合もある。2つのリング76a、76bは、フラップ78aがフラップ78bからオフセットするように一緒に接続され、その結果、フラップ78aと78bとの間に保護をもたらす積層されたフラップ構造を生成する。標的組織16は、開口部80a、80bを通して引き上げられ、ガード76の領域内にあるときに、標的組織16が切断される。標的組織16は、フラップ78a、78bに接して位置決めされたときにも切断することができる。
ここで図26を参照すると、ガード74は、図29に示すようにレトラクタ62又はバッグ70の第1のリング64の下にスナップ嵌めされるように構成された、直立した平らな外周壁82を含む。ガード74は、図28に示すように、レトラクタ62又はバッグ70の第1のリング64にスナップ嵌めされるように構成されたフランジ84を含むこともできる。図27は、フラップを有さない剛性ガード74を示す。図27の剛性ガード74は、可撓性フラップ78を有するガード74ほど曲がらずに標的組織を配置し切断することができる、大きいカッティング面を提供する。ガード74はまた、漏斗形の垂下部分86を含むことができ、バッグ/レトラクタ70、62及び/又は創傷部に対して縦方向に、より大きい保護を提供する。ガード74は、レトラクタ62又はバッグ70の上部、かつ第1のリング64の外周内に配置される。ガード74を、次いで第1のリング64の下にスナップ嵌めして、ガード74を第1のリング64に接合する。ガード74はまた、モルセレーションされるときに貫通に抵抗する材料で作られる一方で、バッグ70又はレトラクタ62を所定位置に保つことを支援する。別のバリエーションにおいて、ガードは、リングの上にスナップ嵌めされるように構成される。
ここで図30を参照すると、第1のバルーン90及び第2のバルーン92を有するトロカール88が示されている。トロカール88は、挿入された器具に接してシールするための1つ又は2つ以上のシールを収容する、取外し可能なシールハウジング94を含む。トロカール88は、シールハウジング94とトロカール88とを通って延びる中央内腔96を含む。内腔86は、動力モルセレータ24を受け入れるようなサイズ及び構成にされる。トロカール88は、腹壁を貫通するように構成されたオブトラトール(図示せず)をさらに含むことができる。トロカール88は、上述のゲルキャップ44を通して挿入するか又は腹部の切開部を通して直接挿入することができる。バッグ18、62は、内腔86を通して配備することができ、検体16がバッグ18、62の中に挿入される。バッグ18のつなぎ紐22又はバッグ62の第1のリングを、切開部を通して引き、トロカール88を再挿入する。第2のバルーン92を膨張させる。膨張構成において、第2のバルーン92は、横方向に延びて、バッグ18、62を横方向に押しやり、トロカール88の遠位端の進路外に出して、モルセレータのブレード付き遠位端から遠ざける。動力モルセレータ24は、トロカール88の内腔96の中に挿入される。トロカール88上に形成された停止部によって、モルセレータ24がトロカール88の遠位端を越えて延びること防止することができ、この停止部は、モルセレータ24に当接してこれが遠位に移動することを防止することになる。支持鉤をモルセレータ24の内腔の中に挿入し、組織を把持して、モルセレータに向かって引く。組織を切断して、検体バッグから摘出する。第1のバルーン90を膨張させ、これは腹壁の上方に在る。第1のバルーン90及び第2のバルーン92は両方とも、トロカール88を腹壁12に対して所定位置に保持することを補助する。図31は、シールハウジング94と、少なくとも1つのバルーン92を膨張させるためのガス注入ポート98とを有する、別のトロカール88を示す。
ここで図32〜図39を参照して、スタビライザ100をここで説明する。スタビライザ100は、バッグ18、70又はガード28と接続するように構成されたフランジ102を含む。スタビライザ100は、中央部分104を含み、これは内腔106を定め、ロック108を収容する。内腔106は、動力モルセレータ24を受け入れるようなサイズ及び形状に構成される。内腔106に挿入されると、腹壁に対するモルセレータ24の高さを調整することができ、次いでロック108によって所定位置にロックすることができる。ロック108は、レバー110が解除されてモルセレータ24が内腔106内で縦方向に並進することを可能にするロック解構成を有する。ロック108はまた、レバー110が押下されてモルセレータ24の並進をロックするロック構成も有する。ロック108は、モルセレータ24シャフトに対する摩擦を高めるように動作して、これをその所定位置に保持する。
ここで図40〜図41を参照すると、スタビライザ100は、動力モルセレータ24に接続した状態で示されている。図40〜図41のシステムは、スタビライザ100の中央部分104の内部の歯止め(図示せず)と係合するように構成された、モルセレータ24上の歯付きバーを含む。歯止めの解除及び係合のためのボタン114がスタビライザ100上に示されており、これは、スタビライザ100をモルセレータ24からロック解除し及びロックして、その相対的な縦方向並進運動を自由にする又は拘束するためのものである。モルセレータ24は、一体型のスコープ及び照明器116と、ガス注入ポート118と、モルセレータブレード122を回転させるための機械式駆動接続部120とを含む。スタビライザ100は、下部フランジ102を含み、これは外方に延びて上述のようなバッグ又はレトラクタ又はガードと係合する。1つのバリエーションにおいて、スタビライザ100は、スタビライザの歯止めが歯付きバー112の特定の範囲内にある場合にはモルセレータ24の始動が防止されるように、安全シャットオフ機構を設けて構成されているので、モルセレータ24は、遠位すぎる位置にあるとき、又はガードの範囲を越えたとき、したがって不注意でバッグと接触する恐れがあるときには、始動されないようになっている。スタビライザ100の別のバリエーションが図42〜図43に示されており、ここで同様の符号は同様の部分を記載するために使用されている。図43において、スタビライザ100は、異なる形状を有しており、歯止め要素122が見えている。
図44〜図45は、開口部20につなぎ紐22と可撓性リング64とを有するバッグ18を示す。バッグ材料は、透明又は不透明とすることができ、リング64は、小切開部を通した挿入のために圧縮可能である。側壁68を第1のリング64のまわりにロールしてバッグの高さを縮小することができ、したがって検体を開口部のより近くに持ち上げ、それにより検体がモルセレーションのためによりアクセスしやすくなる。
図46〜図47は、図47のバッグ18のためのバッグ配備器具124を示す。器具124は、トロカールを通して挿入することができる。バッグ18は、開口部20と、つなぎ紐22と、配備キャップ21とを含む。
図48〜図49は、第1のリング64と、第2のリング66と、それらの間の側壁68と、基部72とを有する、別のバッグバリエーションを示す。バッグ18の底部に位置する弾性の第2のリング66は、体腔12の内部に配置されたときにバッグをフレア型に開かせて、材料が検体16に付着することを防止する。検体がバッグ18の中に配置された後、図49に示すように、第1のリング64を腹壁10の表面まで引く。
図50は、小切開部を通して容易に挿入することを可能にすると同時に、バッグ18を腹腔12の内部で開放した状態で保つための支持をもたらす、ニチノール製の第1のリング64を有するバッグ18を示す。
図50A〜図50Dは、種々の実施形態によるバッグ18を、つぶされていない状態又は拡張された若しくは部分的に拡張された状態で示す。図示したように、バッグ18は、閉鎖端126と、少なくとも1つの開放端128とを含む。種々の実施形態による開放端128は、バッグ18の開放端128を取り囲むつなぎ紐又はドローストリング130を備える。つなぎ紐130の操作により、バッグ18の開放端128を開閉する。バッグ18は、図示されているように、バッグ18の閉鎖端126と開放端128との間のバッグ18の壁134に、複数の予備成形された折り目132又は所定の変形パターンを含む。種々の実施形態によるバッグ18は、バッグ18がつぶされて平たい状態になり、最小の高さを提供し、開放端128を上に向けて又は体腔の開口部に向け、最大の幅、直径又は開口部寸法を有し、閉鎖端126を体腔内で開口部から遠い方に向けるような傾向を与えるように形成され、体腔に沿って平らに安定に位置するように配置される。種々の実施形態によれば、力が一方向にかかったとき、バッグ18の壁134の高さが増大して、検体をバッグ18内に捕捉し又は取り囲む。折り目132又は変形パターンは、バッグ18の増大が、力がかかった方向に線形的に生じることを保証する。種々の実施形態によれば、錘、検体又は反対向きの力がバッグ18にかかり、バッグ18の増大、又は特にバッグ18の線形方向の増大をさらに支援する。
一実施形態において、バッグ18は、患者の体内に配備される前は、平らに又はアコーディオン型に折りたたまれている。バッグ18は、配備されるとき、バッグ18の開放端128を上に、閉鎖端126を下にして平らに置かれる。閉鎖端126は、例えば患者の体腔の底部上に置かれる。それゆえ、バッグ18の開放端128は、バッグ18の壁134に形成されたパターンに起因して開いたままになっているので、開いたまま保持する必要がない。さらに、パターンに起因して、開放端128は、開くように付勢され、閉鎖に抵抗する。検体をバッグ上及び/又はバッグ内に配置することの難しさ及びそれに費やす時間が、これにより低減される。
外科医は、検体をバッグ18の上に、バッグ18の開放端128の上に又はこれを覆って配置する。つなぎ紐130を引くことによって、バッグ18の壁134を検体のまわりで上に引き上げ、これにより検体が収納される。反対向きの力、すなわちつなぎ紐130を引く力とバッグ18にかかる検体の重さとが、バッグ18の壁134に沿った変形パターンを展開し又は伸ばす。一実施形態において、つなぎ紐130を引いたときにバッグ18の壁134を伸ばすのに十分な反対向きの力が与えられることを保証するために、バッグ18の底部又は閉鎖端126は、錘又は取付け可能な錘を含む。一実施形態において、バッグ18を体腔内で開口部の外に又は開口部に向かって引く力が、バッグ18の壁134、又は壁134の1つ又は2つ以上の折り目132もまた展開させることを保証するために、1つ又は2つ以上のタブ136、すなわちバッグ18の開放端128を囲むバッグ18の部分を設ける。
一実施形態において、検体の重さがバッグ18を下に引いたとき、それがバッグ18の短い方の側を下方に引いて、全収納サイズを減少させる。種々の実施形態において、全収納サイズの減少を補償又は低減するために、1つ又は2つ以上のタブ136をバッグ18の平坦な側にあるバッグ18の開放端128に設けて、バッグ18の全収納サイズが減少することを防止する。それゆえ、一実施形態において、バッグ18が平坦になったとき、バッグ18の縁に沿った距離は、バッグ18の断面に沿った距離よりも長くなる。つなぎ紐130は、一実施形態において、タブ136に通される。
バッグ18の具体的な所望の高さ及び/又は幅に対して、図50E〜図50Fに示すようなパターンを用いて最適な壁パターンを生成し、適正な配備及び動作(例えば、伸ばすこと及び収納)を保証する。一実施形態において、バッグ18は、図示したパターンで予備成形され、バッグ18は、次いで加熱されて、平らな、パターン付けされた状態を維持する。つなぎ紐130は、バッグ18の開放端128において、タブ136に取り付けられるか又はこれに通される。それゆえ、バッグ18を初期の平坦で安定なパターン付けされた状態にする熱、圧力又は予備成形条件は、変形パターンを保つことを支援し、バッグ18が体腔の内部に配置されたときに、これをつぶれて変形した状態にさせ又は付勢する。バッグ18の中心にかかる下向きの力は、折り目132を伸ばすこと又は展開することを支援し、これによりバッグ18の高さを拡張し又は長くして検体を包み込む。図示したように、パターンの谷折り及び/又は山折りは、同じ高さ及び/又は幅を有することができ、線形かつ一定の、又は測定されたサイズの増大をさらに保証する。種々の実施形態において、パターンの谷折り及び/又は山折りは、異なる寸法を有することができ、円筒形配備デバイスの内壁に等しい力をかけ、これがバッグ16の配備に必要な力を低下させる。
種々の実施形態によれば、バッグの上部又は開放端と底部又は閉鎖端とを交互方向にねじって、バッグの壁にスパイラルパターンを生じさせる。バッグ及び/又はスパイラルは、加熱され又は圧縮されてその形状を保つ。スパイラル状の折り目は、バッグが体内に挿入された後、これを平らに保つことを支援する。検体がバッグの開放端上に配置された後、バッグの開放端を取り囲むつなぎ紐を引くと、バッグの壁が展開し又はねじれがほどける。それゆえ、反対方向の力、すなわち、つなぎ紐又はバッグの開放端にかかる引く力と、検体及び/又はバッグの閉鎖端若しくは底部に取り付けられた若しくは付加された錘の重さは、バッグが体腔内で開口部に向かって引き上げられるにつれて、バッグのねじれをほどいて検体を包み込む。種々の実施形態によれば、開放端は、第1のリングを含み、及び/又は、閉鎖端は第2のリングを含む。第1及び/又は第2のリングは、補強されるか又はワイヤ若しくはロッドを含むことができ、検体を受け入れるために開放端を開放又は拡大状態に付勢し、バッグが平らな又は未拡張の状態のままで存在する傾向を高め、又は、重さを提供して、バッグの拡張、又はバッグの配置若しくは検体の受入れ及び捕捉における安定性を支援する。
種々の実施形態によれば、バッグの上部又は開放端と底部又は閉端とが互いに向かって直接的につぶされる。バッグの開放端と閉鎖端との間のバッグの壁のしわ又は折り目は、加熱又は圧縮されて、そのパターン/形状を維持し、バッグが体内に挿入された後でこれを平らに保つことを支援する。検体がバッグの開放端上に配置された後、バッグの開放端を取り囲むつなぎ紐を引くと、バッグの壁のしわが伸び、又は真直ぐになる。それゆえ、反対方向の力、すなわち、つなぎ紐又はバッグの開放端にかかる引く力と、検体及び/又はバッグの閉鎖端若しくは底部に取り付けられた若しくは付加された錘の重さは、バッグが体腔内で開口部に向かって引き上げられるにつれて、バッグを伸ばして検体を包み込む。種々の実施形態によれば、開放端は、第1のリングを含み、及び/又は、閉鎖端は第2のリングを含む。第1及び/又は第2のリングは、補強されるか又はワイヤ若しくはロッドを含むことができ、検体を受け入れるために開放端を開放又は拡大状態に付勢し、バッグが平らな又は未拡張の状態のままで存在する傾向を高め、又は、重さを提供して、バッグの拡張、又はバッグの配置若しくは検体の受入れ及び捕捉における安定性を支援する。
図50G及び図50Hに示すように、バッグ18は、立方体、角柱、円筒形、球形、十二面体、半球、円錐、直方体、多角形などを含むがこれらに限定されない種々の上部、基部及び全体形状を有することができ、1つ又は2つ以上の開口部で囲まれ、種々の変形壁パターンを含み、バッグがつぶされた又は実質的に平らな形状のままで存在する傾向にさせるとともに、検体をその中に収納し及び包み込むように操作されたときには線形の又は制御された方式で拡張させる。
全システム、システムの一部又はシステムの組合せ及び/又はその構成要素が、本発明の種々の実施形態に従ってチャネル及び/又は保護領域を提供するために配置された、モルセレーションシステムに含める又は組み込むためのアクセスシステムの種々の例は、米国特許出願番号第13/865,854号(2013年4月18日出願);同第61/880,641号(2013年9月20日出願);同第12/578,422号(2009年10月13日出願);同第61/104,963号(2008年10月13日出願);同第12/358,080号(2009年6月22日出願);同第11/374,188号(2006年3月13日出願);同第11/683,821号(2007年3月8日出願);同第12/396,624号(2009年3月3日出願);同第14/209,161号(2014年3月13日出願);同第12/873,115号(2010年8月31日出願);同第12/840,989号(2010年7月21日出願);同第11/548,758号(2006年10月12日出願);同第10/516,198号(2004年11月30日出願);及び同第10/666,579号(2003年9月17日出願)に記載されており、これらの全開示は、引用により、あたかも完全に記述されているかの如く本明細書に組み入れられる。
図51〜図53を参照すると、本発明によるガード又はシールド200の別のバリエーションが示されている。ガード200は、略スパイラル形状を有する。ガード200は、第1の内端部202と第2の外端部204とを含む。第1の端部202及び第2の端部204は、板ばね又はバンドとも呼ばれる中央部分206によって相互接続されている。ガード200は、後端又は近位端とも呼ばれる上端部212及び前端又は遠位端ともよばれる底端部214によって、及び、第1の内端部202及び第2の外端部204によって相互接続された、内面208及び外面210を有する。中央部分206又はバンドは、凹面の外面210を有し、内面208は、スパイラル内から見て凸面の追従表面を形成する。バンドの凹面は、一実施形態において放物線であり、変曲点は上端部212と底端部214との中間部にあるが、本発明はそれに限定されず、変曲点は、上端部212と底端部214との間のどこにあってもよく、さらには、上端部212又は底端部214と一致するか又はほぼ一致してもよい。バンド206は、凹面を有していなくてもよく、上端部212と底端部214との間でガード200の少なくとも一部に沿って単に曲線又は直線であってもよい。ガード200は、底端部と同じ外径を有する上端部を有する対称性のものとして示されている。別のバリエーションにおいて、ガード200は、非対称性の形状であり、底端部に比べて大きい又は小さい直径の上端部を有することができる。ガード200は、垂直方向に対称であるが、本発明はそれに限定されず、ガード200は、基準水平面に対して角度を成す中心軸を有することができる。ガード200は、スパイラル形状を有しており、バンドの一部分がバンドの他の部分に湾曲、円形又は楕円様式で重なるようになっている。具体的には、バンド200の外面210の少なくとも一部は、バンド200の内面208の少なくとも一部に重なって面しているので、バンド200のある部分の凹面がバンドの他の部分の凹面と隣接する又は並置されるようになっており、バンドのある部分をバンドの他の部分内に着座させて入れ子にさせる。スパイラルは、一巻き半を有し、円周方向長さがおよそ3πRの円周方向長さの、静止した、機械的応力を受けていない構成を有するように示されており、ここでRは、ガード200の長軸に対して垂直に測った半径である。本発明は、正確に1.5巻きを有するガード200に限定されるものではなく、そのサイズ、形状、並びに具体的な切開部サイズ及びレトラクタ機能及び/又は保持機能といった機能のための所望の力分布に従って、所望に応じて、より多くの又は少ない巻きを有することができる。スパイラルガード200の特に有利な点は、その形状及びサイズを変更、拡張又は縮小することができることである。本質的に、バンドは、それ自体に対して摺動して、より大きい直径を有する大きいスパイラル形態又はより小さい直径を有する小さいスパイラル形態を形成することができる。スパイラルガード200は、スパイラルによって形成された中央内腔216を含み、これもまたスパイラルを拡張し又は開いたときに拡大することができる。中央内腔216のサイズもまた、バンドをそれ自体の上で摺動させてきついカールにして、より大きいカール(より少ない数の巻きでより大きい直径を生じる)と比べてより多くの数の巻きを生じさせることによって、スパイラルを閉じた又はサイズを縮小したときに、縮小することができる。中央内腔216は、実質的に円形であるが、本発明は、それに限定されず、中央内腔216は、楕円形又は不規則な形状にすることができる。それゆえ、スパイラルシールド200は、他のガードに関して上述したように、患者の創傷部又は切開部又は患者の内部に配置されたバッグに挿入されるときに、調整可能である。切開部のサイズに応じて、スパイラルシールド200は、スパイラル形状を開くこと又は閉じて、ガードをそれ自体の上でカールさせてより多くの巻きを作ることによって、より大きく又は小さく調整することができ、それに応じて創傷開口部又はバッグに適合する。さらに、スパイラルシールド200は、特定の静止又は平常直径方向位置、形状及びサイズに付勢される所定のバイアスを有するように成形することができる。例えば、およそ1インチの切開部が患者に形成された場合、およそ2インチの静止直径を有するスパイラルシールド200は、シールドをそれ自体の上でねじってその巻きを増やし、それによりその直径を小さくすることによって、サイズを縮小することができる。縮小構成にある間に、スパイラルシールド200を1インチの切開部に挿入し、次いで解放する。ところが、スパイラルシールド200内に成形されたバイアスゆえに、スパイラルシールド200は、その平常構成に付勢される傾向があり、したがってその縮小構成から拡張し、有利には同時に切開部を後退させるとともに切開部に接してこれをシールし又はこれに力を及ぼして、スパイラルシールド200、及びシールド200と切開部との間にある何らかのもの、例えばバッグを、患者に対して所定位置に保持する。あるいは、シールド200は、有利には、切開部に挿入されたときに組織の力の下で縮小することができる。シールドにかかる組織の力は、シールドの直径方向サイズを縮小させることができる。シールドは調整可能なので、より大きい検体の除去のために、スパイラルを開くことによって中央開口部又は内腔216のサイズを大きくすることができる。この調整可能性は、有利には、周囲組織上の歪みを小さくし、切開部位を可能な限り小さく保ち、感染のリスクを減らし、同時に、身体から検体を引き出すのに必要なときに、スパイラルを開くことによって、切開部のサイズを後退させて大きくすることを可能にする。ときには、除去される組織のサイズが予測できない場合があり、この調整可能性は、有利には、医師にとっての困難を生じさせることなく、より広範囲の組織検体の容易な除去を可能にする。
スパイラルシールド200の位置は、さらに有利には、バンドの湾曲又は凹面の補助により、切開部位、又は膣などの天然オリフィスに対して保持される。具体的には、上端部212は、上部フランジとも呼ばれる上部リップを形成し、これは少なくとも部分的に組織の上面で円周方向に延びる。底端部214は、底部リップ又は底部フランジを形成し、これは少なくとも部分的に、患者の体腔、腹壁又は外科的作業スペースの内部で組織の下面にて円周方向に延びて、有利には、組織をシールド200のカッティング面(これは一般にバンドの内面208である)から離れるように後退させる。組織は、バンドの外面210に接して受け入れられ、外面210の凹面又は湾曲形状内に着座して、シールド及び収納バッグをフランジで所定位置に保ち、シールドが患者の中に滑り落ちること又はずり上がって患者の外に出ることを防止する。もちろん、シールド200は、外科切開部/オリフィス内に直接配置されるか、又は上述の収納バッグ及び創傷レトラクタのいずれか1つ又は2つ以上の中に配置される。モルセレーションは、外科医が選択した任意の術式又は様式で進めることができ、これはシールド200の内面208をカッティングボードとして使用することを含み、これに対してブレードを使用して、グラスパによって中央内腔216を通して又は中に引き込まれた組織を切ることができる。モルセレーションされる組織は、中央内腔216を通して引き上げられると、ガード200の内面208に接して位置決めすることができ、ブレード又は外科用メスを用いて、シールド200に接した組織を切ることができる。シールド200は、任意のポリマー又は金属などの適切な材料で製造される。1つの適切な材料は、超高分子量ポリエチレンプラスチックである。別の適切な材料は、低密度線形ポリエチレンである。シールド材料は、これに接して組織を切るときに、穿刺される又は切り裂かれることなく組織を保護するのに最適化された厚さを有する。モルセレーションが完了したとき、外科的部位から容易に取り去るために、スパイラルシールド200は、シールドをそれ自体に上に巻くことによって直径を縮小して縮小構成にすることができる。あるいは、シールド200は、シールド200を垂直方向又はシールドの長軸に沿って引くことによって取り去ることができる。
図52〜図53は、らせん形状を有する成形モールド220のコアピン上のスパイラルシールド200を示す。射出成形によってスパイラルシールド200を製造するために、シールド200は、らせん形モールド220上で成形される。ひとたびモールド220のコアピンを緩めて外すと(unwound off)、シールド200は、一端を隣接する巻きの前方又は後方に押し込むことによって、その機能的スパイラル形態に追従させることができる。シールド200は、最初にらせん形に成形され、次いでスパイラルに追従させるので、ある程度のスプリングバック張力の記憶を内部に有しており、完全なスパイラルのままでとどまる代わりにらせん形を帯びようとする傾向がある。シールド200が望ましくない過剰量のスプリングバイアス張力を有する場合には、アニールプロセスを、シールド200を適温のオーブン内に割当てられた時間にわたって置き、次いで取り出すことによって行うことができ、それによりシールド200内の残余の張力が低減され又は軽減される。しかしながら、シールド200の1つのバリエーションにおいて、ある程度の残留張力が有利には望ましく、なぜならシールド200が長軸に沿って拡張する傾向は、切開部位からのデバイスの取り出しを促進するからである。シールド200の近位端、内端部又は外端部などの一端上にタブ(図示せず)を形成することができ、及び/又は、シールドの一端の近くに引き紐を通して取り付けることができる穴を形成することができるので、医者が紐又はタブを引っぱって、切開部位からシールド200を容易に取り出すことができるようになっている。タブ又は穴は、シールドを挿入する際の好ましい方向(directional preference)を示すことができるので、患者外部の外科医の近位に存在するタブ/穴を用いてデバイスを取り去るときにらせんの張力を利用することができるようになっている。1つのバリエーションにおいて、巻きの内部に追従する第1の内端部202に、この除去の特徴のためのタブ又は穴を設けることができる。除去中に内端部202を垂直方向に引いているときに、シールドのバンドのコイルが徐々に解けて切開部の外に出ることになる。
射出成形の代替法として、スパイラルシールド200は、プラスチックシート原料からダイカット及び所定形状に熱成形して製造することができる。また、シールド200をらせん形に射出成形するかわりに、スパイラルシールド200は、直接、スパイラル形に射出成形することができる。
ここで図71A及び図71Bを参照すると、シールド200が、それぞれ拡張された細長い構成、及び、圧縮された又は未拡張の構成で示されている。シールド200の拡張構成を、図72〜図74にも示す。拡張構成のシールド200は、内面208を外面210上に重ねることによって圧縮構成に変換することができる。シールド200の圧縮構成を、図76〜図79にも示す。シールド200の少なくとも一部は、図78A〜図78Cで明らかに示されるように、未拡張構成においてそれ自体に重なる。図78Cにおいて、シールド200の1つの部分がシールド200の隣接する重なった部分の外面210の凹面内に入れ子になっていることが示されている。シールド200は、長軸218のまわりで少なくとも部分的にロールされる又はカールされるように適合される。シールド200は、長軸218のまわりでそれ自体の上に少なくとも部分的にロールされる又はカールされるように適合されており、シールド200の一部がシールド200の他の部分と並置し又は接触するように重なり又は置かれるようになっている。図71Bの未拡張構成にあるとき、シールド200は、未拡張構成をロールして創傷部又はオリフィスへの挿入に適した縮小された直径方向又は横方向寸法を有するきついロールにしたコンパクト構成に加えて、緩和した又は平常の横方向構成を有している。シールド200は、緩和した又は平常の横方向構成に付勢されたバイアスを有しており、創傷部又はオリフィス内に挿入された後、このバイアスに向かって付勢される傾向にあり、シールド200がコンパクト構成からより大きい構成まで拡張するにつれて、シールド200に使用されている材料、及び挿入されたシールド200に応じて周囲組織によって及ぼされる力に依存して、組織にいくらかの後退力を与える。創傷部又はオリフィスがきつい場合、シールド200は、その縮小した横方向挿入構成から拡張しない場合もあり、又はその平常緩和構成になろうとするときにわずかにアンロールして横方向寸法がわずかに拡張する場合もあり、又はシールド200は、その平常緩和構成まで全行程拡張する場合もある。
図71Aに示すシールド200の縦方向拡張構成は、これがらせん形モールド220の上で成形された結果である。シールド200は、シールド200が中心とするところの長軸218を定める。シールド200は、少なくとも部分的に縦方向拡張位置に向かって付勢される材料で作られる。シールド200は、形状記憶材料で作られることができ、又は形状記憶材料で作られた部品を含むことができる。縦方向圧縮構成にあるとき、縦方向に拡張した位置へのバイアスによってシールド200がばね作用で急に縦方向拡張構成になることはない。なぜなら、外面の凹面は、上部フランジ222とも呼ばれる上部リップ及び底部フランジ224とも呼ばれる底部リップを形成しており、上部フランジ222の少なくとも一部は、圧縮構成にある間、隣接する重なった上部フランジ222に当接するようになっており、底部フランジ224の少なくとも一部は、圧縮構成にある間、隣接する底部フランジ224に当接するようになっているので、縦方向圧縮構成が突然、容易に縦方向拡張構成になってしまうことを防止するからである。上部フランジ222及び底部フランジ224の少なくとも一方は、シールド200が圧縮構成から拡張構成に拡張することを防ぐ止め部として役立つ。拡張構成へ付勢されたバイアスは、デバイス自体に対するある程度の摩擦を与え、これはシールド200の横方向寸法又は直径方向拡張を調整することを補助する。圧縮構成にあるとき、シールド200は、長軸のまわりでロールされ/カールされて直径方向又は横方向寸法を縮小することができ、これによりシールド200のサイズを縮小するとともに中央内腔216の直径を縮小することができるので、小さい、低侵襲切開部又はオリフィスを通して挿入することがより容易になる。
図80は、円周のおよそ1.25倍の円周方向巻きを有する緩和した又は平常の横方向構成のシールド200を示したものであり、中央内腔216を、シールド内径又は内腔直径226と、いずれもがシールド200の横方向又は直径方向寸法としての役割を果たすシールド直径228又は外径と共に示す。図81は、シールド200の平面図を示す。図81において、シールド200は、切開部/オリフィス内への挿入に適したコンパクト構成にあり、このときシールド200はそれ自体の上でロールされて、よりきついロールになっている。図81におけるシールド200は、円周のおよそ2.25倍以上の円周方向巻きを有しており、図80の緩和平常構成に比べて縮小した内腔直径226及びシールド直径228を有している。シールド200の重なり部分は、互いに接触して、縮小した横方向寸法位置をわずかに摩擦によって保持するように作用するが、横方向寸法のバイアスは、応力がかかっていない又は緩和した半径方向平常構成に向かって付勢されるので、シールド200は、平常構成になろうとする。縮小横方向寸法を有するコンパクト構成は、創傷部又はオリフィスへの挿入に適宜適合される。コンパクト構成から、シールド200は、創傷部又はオリフィスの外部に解放されたとき、縮小横方向寸法位置から平常の未応力の横方向寸法構成に向かって拡張する。インサイチュでのこの拡張は、挿入されたシールド200によって与えられた力に応答して組織によって及ぼされる力によって制限され得る。シールド200は、円形形状及び直径を有する中央内腔216を含むが、本発明は、それに限定されず、バリエーションは、その幅より大きい長さを有する長円又は楕円のような細長い内腔216を有するシールド200を含む。それゆえ、シールド200の外周は、対応する形状を有している場合も、有していない場合もある。シールド200の外周が中央内腔216の形状に対応する形状を有するバリエーションにおいて、内腔216が円形の場合、シールド200の外周もまた円形であり、又は中央内腔216が長円形又は楕円形を有する場合、シールドの外周もまた長円形又は楕円形を有する。
上述のように、シールド200は、シールド200の凹面の外面210の一部として、上部フランジ222及び底部フランジ224を含む。縦方向未拡張構成の間、シールド200は、長軸218に垂直な平面に関して略対称であり、この場合、上部フランジ222及び底部フランジ224は、図77に示すように長軸218から半径方向外方にほぼ等しい距離で延びる。図79を参照すると、シールド200が長軸218に垂直な平面に関して対称ではないシールド200のバリエーションが示されている。図79において、上部フランジ222は、底部フランジ224が長軸218から半径方向外方に延びる距離よりも長い距離で長軸218から半径方向外方に延びている。シールド200は、これにより、底部フランジ224に比べて拡大した上部フランジ222を形成する。拡大された上部フランジ222は、有利には、周囲組織及び/又は収納バッグに対して、より大きい保護表面積を提供するとともに、組織をモルセレーションする/縮小するときに使用する外科医に対して、より大きいカッティングボード面を提供する。
図82を参照すると、フィンガプル又はタブ230を有するシールド200のバリエーションが示されている。タブ230は、シールド200の第1の内端部202に又はその近くに一体に形成されるように示されている。タブ230は、第1の内端部202から、及びシールド200の上端部212から延びて、ユーザがユーザの指又はグラスパのような器具のいずれかで容易に把持するように適合された延長部を形成する。1つのバリエーションにおいて、タブ230は、器具又は指の挿入のための場所を設けるように構成された穴232を含む。別のバリエーションにおいて、穴232は存在しない。タブ230は、これを概ね上方又は近位方向に引っぱったときにシールド200が未拡張構成から拡張構成に変換するように構成されている。タブ230を介して第1の端部202に上向きの力をかけると、結果として、第1の端部202の底部フランジ224は、シールド200の隣接した下部フランジ224からアンフックし又は移動し、第1の端部202を、隣接したシールド200の部分の重なった湾曲との入れ子位置から分離する。タブ230の近位端が上方に引かれるにつれて、シールド200の縦方向拡張を導き、その結果、最初に第1の内端部202が未拡張構成から外に出ることになり、シールド200の残りを未拡張構成の入れ子になった並置から徐々に外れるように導き、拡張構成のシールド200のスパイラル形状になる。図82は、未拡張構成のシールド200と、シールド200と一体に形成されたタブ230と、を示す。別のバリエーションにおいて、タブ230は、接着剤、ステープル又は他のファスナによってシールド200の第1の端部202に取り付けられた別箇の要素である。さらに別のバリエーションにおいて、タブ230は、シールド200に取り付けられたつなぎ紐を含み、別のバリエーションにおいて、タブ230は、つなぎ紐であり、シールド200の延長部ではない。
図83〜図84を参照すると、ロック234を有するシールド200が示されている。ロック234は、シールド200が未拡張構成にあるときにその横方向又は直径方向寸法をロックするように構成される。シールド200がインサイチュに配置されているとき、周囲組織の力が、シールド200の横方向又は直径方向寸法を所望よりも小さくなるように強いることがある。シールド200は、未拡張構成にある間に緩和平常構成を含むことができるが、シールド200に組み込まれたバイアスは、周囲組織の力に打ち勝つには必ずしも十分ではない場合もあり、又はそうでなくても特定の手技のため又は中央内腔216を通す特定の器具のため又は標的組織の特に大きい検体のための外科医の嗜好よりも小さい場合もある。いずれの場合でも、ロック234は、シールド200の横方向又は直径方向寸法を実質的に固定してロックし及び保持するように構成され、特に、周囲組織からの力による横方向又は直径方向寸法の縮小を防止する。例えば、シールド200は、シールド200の横方向寸法よりも比較的小さい切開部又はオリフィス内に挿入される場合、最初に図81に示すようなコンパクト構成に縮小される。コンパクト構成にある間に、シールド200は創傷部又はオリフィス内に挿入される。挿入されたシールド200に応じた周囲組織の力が、シールド200を、未応力の緩和平常構成に戻すように付勢するバイアスよりも大きい場合がある。このような場合、外科医は、シールド200に対してより大きい中央内腔216を所望するか又は周囲組織を後退させることを所望することがある。外科医は、このときシールド200をより大きい横方向又はより大きい直径方向の構成にアンロールして、シールド200上に設けたロック234でその位置をロックする。1つのバリエーションにおいて、ロック234は、シールド200の第1の端部202から近位かつ上端部212の近くの距離に位置する第1のノッチ236と、シールド200の第2の外端部204から近位かつ上端部212の近くの距離に位置する第2のノッチ238とを備える。ノッチ236、238は、未拡張構成においてシールド200の一端202がシールド200の他端204と重なるところの近位に位置する。シールド200は、図83においてロック解除構成で示されている。シールド200をロックするために、シールド200は、シールド200をアンロールしてより大きい中央内腔216を形成することによって、横方向寸法が拡張される。第1のノッチ236は、第2のノッチ238と重なって、シールド200を固定された直径方向/半径方向位置にロックし、シールド200の残りの部分は、シールド200の外周のまわりで円周方向にある程度の重なりを維持する。図84は、ロック構成で第2のノッチ238に重なった又はインターロックした第1のノッチ236を示す。ロック構成の間、第1の端部202の少なくとも一部は、第2の端部204の少なくとも一部の外側に位置しており、第1のノッチ236の内面208の一部が第2のノッチ238の外面210に面するようになっている。シールド200をロック解除するために、ノッチ236、238を互いからアンフックする。
上述のように、シールド200は、これを巻いて及び/又は押しつぶしてより小さい直径にして、次いでこれを創傷部又はシールドに挿入することによって、創傷部又はオリフィス内に挿入することができる。シールド200の挿入は、クランプ又はグラスパのような普通の外科用器具で促進することができる。ひとたび挿入されると、シールド200は、自然にわずかに開き、組織はその形態の外部に降伏する。1つのバリエーションにおいて、シールドは、シールド200を、それが自然に塞ぐ直径よりもわずかに大きい直径にロックすることを可能にする、ロック234を含む。ロック234は、スパイラル状になった材料が重なるところの第1及び第2の端部202、204の付近のシールド200の外縁部に沿って、ノッチ236、238を含む。ノッチ236、238は、ロック構成にあるときに重なって、シールド200の内端部の少なくとも一部がシールド200の外端部の外側に在るようにスナップ留めされるようになっている。ロック234の露出したタブをつまんで、機械的なインターロック点を提供する重なった状態にすることができる。
ここで図85〜図86を参照すると、シールド200上のロック234の別のバリエーションが示されている。ロック234は、インターロック歯を含む。具体的には、外側歯240の第1の組は、シールド200の第1の内端部202の近くの外面210上に形成され、内側歯242の第2の組は、シールド200の第2の外端部204の近くの内面208上に形成される。外側歯240の第1の組は、第1の内端部202の近くの凹面内に位置し、実質的に縦方向に延びる。内側歯242の第2の組は、第2の外端部204の近くの凸面内に位置し、実質的に縦方向に延びる。外側歯240及び内側歯242に角度を付けることもできる。1つのバリエーションにおいて、歯240、242に角度を付けて、縮小した横方向寸法から増大した横方向寸法まで移動するときに互いにより容易に摺動する又は傾斜することができるようになっている。歯の角度は、端部を一緒にロックし、シールド200が創傷部又はオリフィスにて組織の力によって横方向に縮小することを防止する。外側歯240及び内側歯242は、シールド200の横方向寸法の縮小を防止するために、互いにインターロックするように構成される。複数の内側歯240及び複数の外側歯242が第1及び第2の端部202、204の近くの外周の少なくとも1つの一部に沿って形成されているので、シールド200がロックされる位置は必要に応じて調整することができるようになっており、それゆえ横方向寸法を所望通りに固定することができる。歯240、242は、長軸218に垂直な中線に位置しているように示されているが、本発明は縦方向寸法に沿った任意の位置に設けた歯を含むことができる。
シールド200上のロックの別のバリエーションにおいて、シールド200に、内面から延びる隆起(protuberance)を設けることができる。隆起は、フックの様な形にすることができ、シールド200の隣接部分内に形成されたノッチ又は開口部と係合するように構成することができる。1つのバリエーションにおいて、隆起は、第1の内端部202及び第2の外端部204のうちの一方の近くにあり、ノッチ又は開口部は、第1の内端部202及び第2の外端部204の他方の近くに形成される。
シールド200は、手術中、体内の創傷部又はオリフィスの周囲の組織をブレード又はモルセレータのような鋭利な物体からガードする。創傷部、オリフィス、切開部、身体開口部という用語は、本明細書において互換的に使用される。創傷部は、一般に、腹腔鏡又は他のタイプの手術のために腹壁を貫通する、低侵襲で切開された傷である。シールド200は、スパイラル状に形成された材料のリボンを含む拡張構成のスパイラルばねであり、これは創傷部又はオリフィス内に挿入されたときに外向きの力を発生させる。シールド200はまた、創傷部又はオリフィス内の組織を後退させて、長軸218に沿って見たときに略円形である中央内腔216を介して、腹壁を横断する又はオリフィスを通る開口部を提供する。シールド200の1つのバリエーションにおいて、シールド200は、湾曲していないが、略平板材料のリボンを巻いて円柱又は円錐形態にすることによって作られる。別のバリエーションにおいて、湾曲したリボンシールド200は、側面からみたときにC形の縦断面を有する。上位端部212及び底端部214とも呼ばれる近位及び遠位縁部は、シールド200の中間部分よりも直径が大きく、それぞれ上部フランジ222及び底部フランジ224を形成する。このC形構成は、有利には、創傷部開口部において組織をカッピングして、アンカー様の固定部を提供するので、シールド200は、正常な使用時に創傷部又はオリフィスから軸方向に容易に外れない。1つのバリエーションにおいて、C形は、図75に示すように放物線状である。放物線の頂点は、長軸218に対して垂直な平面内に位置する。別のバリエーションにおいて、頂点は、上端部212又は底端部214と、縦中線との間に位置する。
シールド200を創傷部又はオリフィスから取り去ることは、最初にあらゆるインターロック特徴234の係合を解き、次いでシールド200の露出した内側の角を把持し、これを材料のスパイラルの方向で内方にカールし、次いでこれを長軸に沿って上方に、創傷部又はオリフィスから外に引くことによって達成される。シールド200は、有利には、コルク抜きのように旋回しながら外に出て、拡張構成のらせん形態になる。シールド200は、指を用いて、又はクランプ若しくはグラスパのような普通の外科用器具の支援のもと、手で引き抜くことができる。シールド200の1つのバリエーションは、耐切断性であるが柔軟なプラスチック材料で作られる。材料の選択及び厚さは、保護の特徴を提供する。シールド200は、挿入及び除去に十分なほど柔軟であるが、固定されたまま保護を提供するのに十分なほど剛性である。
シールド200は、いくつかの有利な特徴を提供する。シールド200によって提供される1つの重要な特徴は、周囲組織をブレード、外科用メス及びモルセレータのような鋭利な物体から保護することである。シールド200はまた、その中にシールドが配置される収納バッグに対する保護も提供し、それにより、収納バッグを鋭利な物体による穿刺又は切断から保護し、軽減された漏出リスクで生物学的検体の収納が維持されることを保証する。上部フランジ222は、創傷部又はオリフィスの周囲の組織及びバッグ表面に対して、広い基部又はカッティングボード様の保護を提供する。上部フランジ222は、組織辺縁及び/又は収納バッグに重なり、覆い、保護する。シールド200の中間部分もまた、創傷部又はオリフィスにて組織を遮蔽し、収納バッグが使用される場合にはシールドが配置される収納バッグも保護する。中間部は、さらに有利には、外科医がブレードで深く到達すること、及び、組織検体を、長軸に対して垂直な中線水平面又はその上方で接近して切断すること、さらには、シールド200の中線平面を越えて遠位に到達して、組織検体を切断することを可能にし、それは、シールド200の縦方向長さ全体が周囲組織及び収納バッグに対する保護を提供するからである。
シールド200の別の利点は、係留特徴を含むことである。シールド200は、有利には、C形設計によって創傷部及びオリフィス内にそれ自体を係留するように構成される。係留特徴は、通常の手技中にシールド200を所定位置に保持するための縫合又は別の手を必要としないので、モルセレーション手技を劇的に容易かつ速くする。二重フランジ(上部及び底部222、224)は、C形の凹面内に組織又は腹壁を捕捉して、シールド200を係留するために設けられる。シールドは、創傷内の内部位置用の遠位係留部材と、創傷開口部の外部位置用の近位係留部材とを有する。上部又は底部いずれかの単一のフランジもまた、本発明の範囲内である。さらに、上部フランジ222及び底部フランジ224は、それぞれ上端部212及び底端部214の全円周のまわりに延びるように示されているが、本発明はそれに限定されず、上部及び底部フランジ222、224のいずれか1つ又は2つ以上が円周の少なくとも一部のまわりに延びていてもよい。このようなバリエーションにおいて、円周方向の底部フランジ224の代わりにフィンガ様延長部を形成することができる。フィンガは、挿入を容易にするために長手方向に沿って容易に曲げることができ、次いで、腹壁若しくは他の組織又はオリフィスの下で、ばね作用で半径方向外向きの係留位置になる。また、上部フランジ222は、図79に示すように底部フランジ224よりも半径方向外方により長い距離延びることができ、逆もまた成り立ち、より大きなカッティングボード様表面を提供する。
さらに、シールド200は、有利には創傷部又はオリフィスへ容易な挿入及び除去のために適合されている。シールド200は、縦方向拡張構成及び縦方向未拡張構成を含み、シールド200に縦方向の可変性を与える。このことにより、シールド200は、単にシールド200の一端を近位に引くだけで容易に取り去ることができるようになり、シールド200は、隣接の重なったフランジ及び/又は凹面からアンフックし、コルク抜きのように旋回して、入れ子になった未拡張構成から拡張スパイラル形状になる。シールド200を把持して縦方向に引くことを補助するために、タブ、穴、及び/又はつなぎ紐230を設ける。さらに、入れ子又は未拡張構成にある間、シールド200は可動であり、シールド200をそれ自体の上でロール又はカールしてより小さい又はきつい円、及びそれ自体のまわりにより多くの回転を形成することによって、コンパクト構成になる。シールド200は、有利には、横方向にコンパクトな構成から、コンパクト構成を解放することによって動き、このとき比較的大きい横方向寸法を有する平常緩和構成を呈する。さらに大きい構成もシールド200によって提供され、このとき平常又は緩和構成よりも大きい横方向又は直径方向位置を、シールド200内に形成されたロック234によって所定位置にロックすることができる。シールド200の横方向の変動性は、創傷部又はオリフィス内への挿入を容易にするために横方向寸法を縮小することを可能にする。また、ロックされた、直径方向に増大した位置から、シールド200は、単にシールドをロック解除すること及び/又はシールドをロック解除し、次いでシールドをそれ自体の上でカールしてよりきつい構成にすることによって、ロック解除され、横方向寸法のサイズを縮小することができ、これにより創傷部又はオリフィスからの取外しが容易になる。
シールド200は、有利には、自己配備式である。シールド200をカールしてコンパクトな横方向構成にした後、シールド200は、容易に創傷部又はオリフィス内に挿入され、次いで解放されると、そのばねバイアスのためサイズが大きくなる傾向がある。横方向のこのスプリングバック作用は、少しの努力でシールド200を創傷部又はオリフィス内に自動的に着座させることを補助すると同時に、組織及び/又は収納バッグに対する保護及び保持を提供して、これら両方を通常の手技中に遭遇し得る鋭利な物体の進路の外に保持する。
さらに、縦方向未拡張構成にある間、シールド200は、全体としてC形又は砂時計形の外形を有し、ここで近端は、長軸から半径方向外側にフレア型に広がり、シールド200の遠位端は、長軸から半径方向外側にフレア型に広がり、胴部は、シールドの近位端と遠位端との間の平面に沿って最も狭い横方向寸法である。シールド200の遠位端のフレアは、有利には、標的組織をシールド200内へ及びこれを通して案内し移動させる傾斜表面又は漏斗を提供する。
シールド200の可撓性は、これが挿入、配備、除去において、及び拡張に起因してアンカーになることにおいて、優れたものになることを可能にする。可撓性は、有利には、周囲組織及び/又は収納バッグに保護を提供するその能力に対して均衡する。シールド200が提供する保護は、適正に行われたときに手動モルセレーション手技に対して十分であると同時に、外科医に、個人的なモルセレーション術式を使用する自由を与える。シールド200は、収納バッグの口に挿入され、収納バッグのネック内又は収納バッグの主レセプタクル内に配置することもできる。収納バッグは、シールド200を取り囲み、組織/オリフィスとシールド200との間に捕捉される。シールド200は、周囲組織、並びに周囲の収納バッグ材料を後退させる役割を果たす。シールド200は、収納バッグが実質的に固定されて所定位置に保たれ、創傷部又はオリフィス内に滑り込まないように、収納バッグに十分な力を及ぼす。バッグの近位端の十分な量がシールドの近位に位置して、患者の腹部などの外面に重なって、汚染の防止を補助するブランケットを形成するようになっている。シールド200は、収納バッグの口を、アクセス可能な開放構成に保持するように構成され、手動又は動力モルセレータデバイスを受け入れて支持する。
別のバリエーションにおいて、シールド200は、膣管内への挿入に適合されており、そのため図示した長さより長い。シールド200はまた、配備を支援するための形状記憶部品を含むことができる。シールド200は、内因性試料の信頼できる安全な取出しを提供し、使用が容易で手術時間及び費用を削減する。シールド200は、収納バッグとの組合せで、組織の試料採取中に健康な組織が悪性の可能性がある細胞によって汚染されるリスクを軽減することを補助する。
図54〜図59を参照して、本発明によるバッグ310をここで説明する。バッグ310は、単一の開口部又は口312を含む。バッグの口312又はその付近において、半剛性の圧縮可能なプラスチックリング314がバッグ310内に接続される。リング314は、バッグ310を小切開部を通して挿入できるように、円形又は大きい構成から長円形又はより小さい構成に圧縮することができる。ひとたび患者の内部に入ると、弾性のリング314は、元の未圧縮のより大きい構成まで拡張して、それと共にバッグ310の口312を開放する。患者の内部に平らに置かれているとき、リング314は、もしリング314がなければ腹腔鏡観察下では見ることが困難であり得るバッグ310の開口部312をはっきりと画定する。ときにはバッグ310の開口部312は見つけるのが難しい場合がある。その場合、開口部312は、組織が明らかにその中に配置され、開口部312を通り越して配置されないように、患者の内部で配向させなければならない。本発明においては、拡張されたリング314は、バッグ310の上部に置かれたとき、リング314内に配置されたあらゆる組織が、リング314を切開部に向かって持ち上げたときに最終的にはバッグ310の内部に入ることを保証する。空のバッグ310は、平らな表面上に平らに置かれ、リング314は自然にバッグ310の上に落ちる。弾性のリング314は、バッグ310が腹腔内部で補助なしで開放したままでいることを可能にして組織の捕捉を容易にする。
組織検体をリング314内部に配置した後、リング314を切開部に向かって引き上げる。つなぎ紐316をバッグ310の口312の近くに設けて、外科医がバッグ310を切開部に向かって引き上げることを支援する。つなぎ紐316は、近位端にタグ318を有することができ、これはバッグ310が患者内部に配置されたときに患者外部で保持される。タグ318もまた、患者の内部で見つけることが容易である。大きいタグ318は、必要時につなぎ紐16をすばやく探し当てて引くことを補助する。つなぎ紐316はまた、バッグ310の内容物がこぼれ出ることを防ぐために、バッグ310を締めて閉じるように構成することができる。あるいは、バッグ310に接続されてリング314の上又は下に位置してバッグを円周方向に閉じるようになっている、付加的な締め紐が存在してもよい。閉鎖又はシールのための圧入又はジッパのような他の方法を設けることもできる。
バッグ310を引いて切開部の近くに位置させたとき、リング314は、小切開部を通して引き出すことができるように、その拡張構成からその圧縮構成に圧縮される。リング314は、切開部の開口部を通してグラスパ又は手によって圧縮される。切開部を通してリング314を引いた後、十分な量のバッグ310をそれと共に引き出して、患者の腹部の一部の上に置いてこれを覆うようにする。それゆえ、バッグ310は、患者の外部の切開部のまわりでエプロン効果を生じるために、かなり大きくなければならない。リング314及びバッグ310の一部が患者外部にある状態で、バッグ310の残りの部分及び組織検体は、患者内部にとどまる。
リング314の断面は、円形とすることができ、可撓性を与えるために中空の中心を有することができる。1つのバリエーションにおいて、リング314は、楕円形、細長又は長円形の断面を有する。図面に示したバリエーションにおいて、リング314は、数字の8に似た形、すなわち2つの接続された円形断面を有し、円の間に小さい谷320ができた形を有する。一般に、リング314の断面は、その幅を上回る長さを有する。この細長い断面は、リング314を外方又は内方に反転することによってリング314をそれ自体の上にロール又はフリップして、バッグ310をリング314自体の上にロールアップすることを可能にする。リング314を逆方向にロールして、バッグ310をリング314から展開することができる。リング314の細長い断面は、有利には、バッグ310の側壁をリング314上にロールアップされた状態で保つ。断面が円形だとすれば、リング314は、より容易にロールし得るので、それによりバッグ310のロールアップされた側壁が解けることになる。リング314をそれ自体のまわりでロールすることで、バッグ310を上方に引き寄せてバッグ310内部の検体を切開部の開口部の近くに持ってくる。バッグ310のローリング動作は、患者内部に位置するバッグ310の容量を減らし、また、患者外部に、きちんと形成されたピンと張ったエプロンを形成する。バッグ310の後退がきつ過ぎると、リング314は、歪むことがある。次いで、組織検体をブレード又は電動モルセレータでモルセレーションして、小切開部を通過してバッグ310から取り出すことができるようなサイズ及び形状にすることによって、これをバッグ310から引き出す。図59に示すように、配備を容易にするために、バッグ310の側壁328をそれ自体でロールアップして、リング314に隣接して位置するロール330を形成することができる。挿入を容易にするために、リング314を押しつぶして、リング314の圧縮された長さがロール330の長さと揃うようにする。
図55〜図56を特に参照すると、リング314は、単一の細長いプラスチックのピース322から形成されたものであり、自由端を一緒に接合することによって円形又は他の形状に形成される。別のバリエーションにおいて、リング314は、一緒に同じ半径の円を定める、2つの半円のような2つ以上のピースで作られる。端部は接続されないが、バッグ310の口のところのスリーブの内部で通常の湾曲構成で保持される。マルチピースリング314は、リング314を圧縮してより小さい構成にすることをより容易にする。リング314は、およそ高さ0.38インチ及び幅0.18であり、およそ38インチの長さである。リング314を形成する材料の厚さは、およそ0.18インチである。
特に図57〜図59を参照すると、バッグ310は、材料の単一シート324から形成される。材料のシート324を長手方向に折りたたみ、側部をヒートシールして、シーム326を形成する。いずれのバッグ310でも、最も弱い部分は、溶着されたシーム326のまわりの領域である。図57から見てとれるように、検体を取り出すときに力が最も集中しやすいバッグ310の底部には溶着シーム326が存在せず、これによりバッグ310は、より強い限界強度を有するようになる。また、バッグ310の材料は、4.2milのInzii(登録商標)フィルム製であり、これは透明であり、外科医が手術中にバッグ310の側面を通して見ることを可能にする。バッグ310を通した視認性は、視覚化を達成するためにバッグ310の側面を穿刺する必要をなくす。フィルムは弾性であり、バッグ310に良好な後退を与える。バッグ310は、U−5746リップストップナイロンにポリウレタンコーティングを施して作ることもできる。ポリウレタンコーティングは、フィルムを気密性及びヒートシール性にする。U−5746は、軍用グレード材料であり、Inzii(登録商標)フィルムよりも強いが、後退は少なく、不透明である。バッグ310は、およそ長さ16インチ、及び口312において幅12インチである
バッグ310の底部は、口312からおよそ12.4インチの距離において側壁328に対しておよそ45度の角度を形成する。バッグ310は、厚さおよそ0.2インチを有し、シーム326において、バッグ310は、およそ2倍の厚さである。別のバリエーションにおいて、バッグ310は、1つのバッグが別のバッグの中に位置する二重バッグであり、偶発的な穿刺に対するより高い耐性をもたらす。別のバリエーションにおいて、バッグ310の底部分は、二重壁構造で補強される。バッグ310は、漏れ防止式でありウイルスの侵入を防ぐ。
前述のように、シールドを準備して、バッグ310と組み合わせて使用することができる。シールドは、バッグ310を患者内部に配置し、切開部を通して引いた後で、収納バッグ310の口312の中に挿入される。シールドは、より厚いプラスチックで作られ、外科医が標的組織をモルセレーションするのに使用するブレードでプラスチックバッグ310が不注意に切断されることを防ぐ。シールドはまた、カッティングボードとしの役割も果たし、必要時に外科医はそれに接して標的組織を切ることができる。バッグ310はまた、上述のようにレトラクタと共に使用することもでき、この場合、切開部を通してバッグ310を引くときにバッグ310の口312の内部にレトラクタを配置し、切開部の位置にある組織及びバッグ310を、シールドをレトラクタ内部に配置して検体を除去する前に後退させる。
図60〜図63を参照すると、バッグイントロデューサ又はフォーク410を用いて、収納バッグ310を、小切開部を通して患者の体腔内に導入する。イントロデューサ410は、バッグ310を手術野に配置することを促進する。フォーク410は、近位端412及び遠位端414を有する。ハンドル416を近位端412に設ける。第1のプロング418及び第2のプロング420がハンドル416から遠位に延びて略フォーク様構成を形成する。プロング418、420は、等しい長さである。プロング418、420は、任意の適切な断面を有することができ、互いに十分な距離で離間する。プロング418、420は、ステンレス鋼で作られ、図60に示すように、射出成形プラスチック又は金属ハンドル416に接続される。この設計では、プロング418、420を含む鋼ロッドは、射出成形ハンドル416に挿入されてこれと接続され、これはフォーク410が小さいプロファイルを有することを可能にするが、製造はより高価であり、長時間かかる。図61において、フォーク410は、単一ピースの材料から作られ、ハンドル416及びプロング418、420の両方が射出成形されて一体構造を形成する。この設計は、製造が最も容易かつ最も安価であるが、その代わり、より大きいプロファイル及びより弱い設計になる。
使用時、特に図62〜図63を参照すると、収納バッグ310の底部は、プロング418と420との間に配置され、つなぎ紐316及びタグ318は、ハンドル416の近くに配置される。バッグ310の底部縁部をプロング418、420の上に折りたたみ、プロングはバッグ310の端部をわずかに越えて延びている。それゆえ、プロング418、420は、バッグ310の幅よりもわずかに長い。ハンドル416を把持して回転させ、バッグ310を、抵抗にあうまで均等にロールアップして管状ロール330にする。バッグ310は、無形領域内への導入のために最小限のサイズまで縮小される。弾性リング314を押しつぶし、バッグ310を、これがピンと張ってリング314の隣に位置するまでロールアップする。目視下で、バッグ310とフォーク410との組合せを切開部を通して挿入して、リング314の開口部312が確実に上向きに位置決めされるようにする。バッグ310は、およそ四分の三が切開部内に入るまで挿入される。フォーク410を反対方向に回転させて、バッグ310をわずかに緩める。バッグ410を緩めてバッグの張力を小さくすることで、組織がバッグ310の中に落下することがより容易になる。フォーク410は、バッグ310が容易に配備されることを可能にする一方で、バッグ310の巻きのきつさ及びリング開口部312の方向を制御する。バッグ310の巻きがきつ過ぎると、患者内部でリング310を持ち上げたときに組織がバッグ310内に容易に落下しなくなる。イントロデューサ410を取り出す前にイントロデューサ410を反対方向に回転させることで、バッグ310内への容易な組織挿入を促進する。
フォーク410は、ハンドル416を近位に引くことによってバッグ310から分離される。バッグ310の残りの四分の一セクションを切開部に押し込む。バッグ310を腹腔内に完全に配備した後、アクセスポート及びスコープを配置し、腔にガス注入する。バッグ310は、リング314がバッグ310の上部に置かれるように位置決めされる。アクセスポートは、同じ切開部内又は二次切開部内に配置することができる。目視下で、モルセレーションされ及び患者から除去される組織をバッグ310内に配置する。側方アクセスポートを用いて、組織がバッグ310の内部にあることを視覚化及び確認することができる。アクセスポートを取り外し、バッグ310の患者の外への取出しを開始する。二次的アクセスポートは、必ずしも取り外す必要はなく、取出しとそれに続くモルセレーションの観察を続けるために使用することができる。タグ318は、患者の外部に在ってもよい。これを引いて、バッグ310を切開部に向かって引き上げる。タグ318が腔内にある場合、アクセスポートを通した視覚化及びグラスパを使用してタグ318を把持することができる。つなぎ紐316及びタグ318を、リング314が切開部を通るまで切開部を通して引き上げる。リング314を、リング314全体が切開部の外部に出るまで引く。バッグ310を、リング314をそれ自体の上にロール/フリップすることによって後退させて、バッグ310をリング314のまわりにロールする。このリング314をロールすることは、組織をわずかに後退させることのみならず、患者内部のバッグ310の容積も縮小して、患者内部の組織を表面のより近くまで引き寄せる。次いで組織をモルセレーションする。
あるいは、中央内腔を有するレトラクタを切開部においてバッグ310の口の内部に配置し、組織をバッグ310と共に後退させて開口部を拡大し、次いで所定位置にあるバッグ310を用いて組織をモルセレーションする。中央内腔を有するレトラクタを、切開部の位置でバッグ310の口の内部に配置し、前述のようなシールドを準備してバッグ310及びレトラクタと組み合わせて使用する。シールドは、レトラクタの中央内腔の内部に配置される。もちろん、シールドは、レトラクタなしで用いることができる。レトラクタを使用しない場合、シールドは、切開部の位置でバッグ310の口312の中に配置される。シールドは、バッグ310を患者の内部に配置して切開部を通して引いた後で、収納バッグ310の口312の中に挿入される。シールドは、より厚いプラスチックで作られ、外科医が標的組織をモルセレーションするのに使用するブレード又は他の器具でプラスチックバッグ310が不注意に切断されることを防ぐ。シールドはまた、カッティングボードとしての役割も果たし、必要時に外科医はそれに接して標的組織を切断することができる。シールド自体も、第1の縮小寸法及び第2の拡張寸法を有するレトラクタとして機能することができる。第2の拡張寸法は、組織を後退させる役割を果たす。
レトラクタがバッグ310の内部で用いられる場合、レトラクタは、有利には組織を後退させるのみならず、バッグの一部も後退させて、バッグをモルセレーションブレードの進路外に保ち、それによりバッグを切断及び穿刺から保護する。典型的なレトラクタは、上部リング及び底部リングと、これらの間を接続する可撓性の側壁とを含む。底部リングは、切開部を通して挿入され、患者内部に在るのに対して、レトラクタの上部リングは、患者の上方に在る。上部リングを、バッグと同様にそれ自体の上にロール/フリップして、レトラクタの下部リングをより近くに引き寄せ、側壁をリング間でピンと張った関係にする。レトラクタの下部リングは、有利には、患者内部でバッグ310の一部を後退させて、ブレードからの穿刺及び引き裂きにより生じる可能性がある潜在的な損傷から遠ざける。
組織は、外科医によって所望される様式でモルセレーションされる。一般に、標的組織の小さい部分は、患者の外部に引き出される一方で、標的組織のより大きい部分は患者内部に残る。外科医は、ブレードを使って、突出した組織を標的組織の残りから切り離すことなく、突出した組織の円周のまわりにおよそ180度又は360度の円周方向の切れ目を入れる。突出した組織を、患者内部のより大きいピースと共にインタクトに保つことで、外科医は、組織をバッグ内部で見失うことなく把持し続けることが可能になる。外科医は、周期的に任意のサイズの円周方向の切れ目を入れながら、把持した組織を患者から少しずつ引き出すので、標的組織の全ピースを除去するまでにより多くの組織を引き出すことができる。その結果除去される標的組織の単一の細長いピースが、複数の小さいピースの代わりに得られる。1ピースで除去されないとしても、標的組織は、より少ないピースで、より制御された方式で除去される。バッグ310は、モルセレーションの間にさらに後退させることができ、検体を表面のより近くに持ってくる。ひとたびバッグ310内に残った組織が切開部を容易に通過するのに十分に小さくなると、バッグ310は完全に取り去られる。
ここで図64〜図65を参照すると、本発明による別のシールド510が示されている。シールド510は、近位端514の第1のリング512と、遠位端518に第2のリング516とを備える。リング512、516は、互いに実質的に平行であり、側壁520によって相互接続されている。側壁520は、布地のシース材料であり、これは可撓性のテキスタイル又はポリマーで作ることができる。材料は、Kevlar(登録商標)、Dyneema(登録商標)、リップストップナイロン、又はポリマーブレンド材料とすることができる。側壁520は、リング512、516にヒートシール又は接合される。第1及び第2のリング512、516は、半剛性であり、平常の高プロファイルの大きい構成と、圧縮された低プロファイルの細長い構成との間で圧縮可能である。リング512、516は、その平常構成において一般に円形であり、又は楕円形とすることもできる。リング512、516は、円形又は大きい構成から長円形又はより小さい構成に圧縮することができるので、シールド510は、小切開部の中に、特に収納バッグの口の中に、これを保護するために挿入できるようになっている。1つのバリエーションにおいて、第1のリング51が患者の外部に又は内部に対して近位に滞留することを意図して、第2のリング516のみが切開部への挿入のために圧縮可能であり、第1のリング512は剛性である。剛性の近位の第1のリング512は、モルセレーションのためのより大きいシールド又はカッティングボードとしての役割を果たすように、より大きく幅広にすることができる。第2の又は遠位に配置されたリング516は、圧縮及びバッグ内への容易な挿入に適した可撓性のものであり、第1のリング512よりも直径がわずかに小さくてもよい。
リング512、516のうちの1つ又は2つ以上の断面は、円形とすることができる。リング512、516は、可撓性を与えるために中空の中心を有する。1つのバリエーションにおいて、リング512、516は、中空中心を有する、楕円形、細長又は長円形を有する。別のバリエーションにおいて、リング512、516は、図55A〜図55Bに示すように、数字の8に似た、2つの接続された円形断面を有し、円の間に小さい谷ができた形を有する。一般に、リング512、516の断面は、その幅を上回る長さを有する。この細長い断面は、リング512、516を外方又は内方に反転することによってリング512、516をそれ自体の上にロール又はフリップして、側壁520をリング512、516自体の上にロールアップすることを可能にする。1つのバリエーションにおいて、第1のリング又は近位のリング512のみが、側壁520をロールアップするように構成される。別のバリエーションにおいて、リング512、516の両方がロールするように構成することで、シールド510が二方向性になり、すなわち第1のリング512又は第2のリング516のどちらを切開部/オリフィスに対して近位に配置してロールしてもよくすることができる。シールド510は、リング512、516のうちの1つ又は2つ以上を圧縮することによって挿入される。両方のリング512、516を圧縮して、切開部を通した容易な挿入のための低プロファイル構成にすることができるが、一般に遠位リングのみを圧縮する必要があり、患者の外部に在る近位リングは必ずしも圧縮する必要がない。また、遠位リングは患者の内部に在るので、近位リングのみを、側壁520をロールするような構成にする必要がある。ロールするように構成された1つ又は2つ以上のリング512、516を反対方向にロールして、側壁520の長さを増大させることができる。リング512、516のうちの一方をロールしたとき、側壁520の長さがリング上に巻き取られて、シールド510の長さを短くする。リングの細長い断面は、有利には、側壁520をリング上にロールアップされた状態で保つ。断面が円形だとすれば、リングは、インサイチュでより容易にロールし得るので、それによりロールアップされた側壁520が解けることになる。リングをそれ自体のまわりでロールすることで、反対側のリングを上方に及びより近くに引き寄せる。
リング512、516は、単一の細長いプラスチックのピースから形成されたものであり、自由端を一緒に接合することによって円形又は他の形状に形成される。別のバリエーションにおいて、リング512、516は、一緒に同じ半径の円を定める、2つの半円のような2つ以上のピースで作られる。端部は接続されないが、通常の湾曲構成で保持される。マルチピースリングは、リングを圧縮してより小さい構成にすることをより容易にする。リングは、およそ高さ0.38インチ及び幅0.18であり、およそ38インチの長さである。リング314を形成する材料の厚さは、およそ0.18インチである。図65は、シールド510を、バッグ310の内部に配置し、近位に位置する第1のリング512を近位剛性リング512が患者の腹部の外面と面一になるまでロールすることによって後退させることを示す。リング512、516並びに側壁520の耐切断性材料は、バッグ310を保護する。近位の第1のリング512をロールすることによる後退は、有利には、切開部を引き伸ばす。結果として得られるより大きい切開部は、より容易な手動モルセレーションを可能にする。別のバリエーションにおいて、シールド510は、シールド510の長さを減らすためにリング512、516のうちの1つ又は2つ以上をロールすることを可能にするような構成にはされず、シールド510の側壁は保護材料で作られる。
ここで図66〜図67を参照すると、本発明による別のシールド510が示されている。このシールド510は、可撓性側壁520によって相互接続された近位端514の第1のリング512と、遠位端518の第2のリング516とを備える点で、図64〜図65のシールドと類似している。図66〜図67に示すバリエーションの側壁520は、図67に分離して平らに置かれた状態で示された第1の層522及び第2の層524を備える。第1の層522は、複数の縦スリット526を含み、第2の層524は、複数の縦スリット528を含む。第1の層522は、第2の層524と隣接して又は並置して配置され、ランタン様の側壁520を形成し、第1の層522のスリット526と第2の層524のスリット528は、オフセットしているので、スリット同士が合わさってシールド510を通る裂け目が生じることはない。代わりに、重なった層522、524は、それらのオフセットしたスリット526、2528と共に、可撓性であるが強い、貫通に抵抗する側壁520を形成する。第1の層522及び第2の層524の各々は、可撓性又は半可撓性のシースであり、容易に曲がるが耐切断性である。層522、524は、挿入を容易にするのに十分に可撓性であるが、それでもなお切開部内でバッグ内部に配置されたときに、上述のようにリング512、516をフリップすることを伴って又は伴わずに、後退が可能である。別のバリエーションにおいて、スリット526、528は、図67に示すように層522、524の上縁部及び底縁部に対して垂直ではない。代わりに、スリット526、528は、上縁部及び底縁部に対して角度を成す。シールド510の全高は、およそ0.5〜2.0インチであり、側壁520は保護材料で作られる。
ここで図68〜図70を参照すると、本発明によるシールド530の別のバリエーションが示されている。シールド530は、可撓性又は半剛性のプラスチックで作られる。シールド530は、フランジ532を含み、これは実質的に平面状で、中央部に開口部534を含む。開口部534から、複数のスリット536が、開口部534の円周から外方にフランジ532の中に延びており、角の交差部の可撓性を高める。フランジ532は、レトラクタを使用する場合にはその内部に嵌るようなサイズ及び構成にされる。具体的には、フランジ532は、レトラクタの上部リングの下にスナップ嵌めされて、シールド530を所定位置に保持することを補助する。
フランジ532は、中央管セクション538に接続される。管セクション538は、近位の開口部534と遠位端の開口部540との間に延びる中央内腔を含む。管セクション538もまた、遠位開口部540から上方に延びる複数のスリット542を含むことができる。シールド530は、さらに2つのフィンガ、又は延長部544を含み、これはフィンガ544の第1の構成を定める斜角で管セクション538から下方に延びている。フィンガ544は、図69に示すような縮小又は圧縮構成である第2の構成を含み、ここでフィンガ544は、長軸に向かって一緒に押されて又は折り曲げられて、中央管セクション538の横方向寸法と同じかそれより小さいサイズの横方向寸法を呈する。縮小構成は、シールド530を切開部又はオリフィス内に挿入することを容易にする。図70に示すように腹壁を貫通して挿入されたとき、フィンガ544は、有利には、フィンガ544が外方に所定角度で広がる第1の構成にスプリングバックするように構成される。この第1の構成において、切開部の内部で、フィンガ544は、有利には、組織のみならず、これが挿入されたバッグ(図示せず)も後退させる。スリット542は、中央部分538の遠位端にさらなる可撓性を与え、これが切開部内に配置されたときにより狭い構成を呈すること、及び、次いでバッグ及び組織の後退を支援するその平常構成にスナップバックすることを可能にする。フランジ532及び中央部分538の高さは、およそ0.5〜2.0インチであり、シールド530は、HDPE、LDPE、HYTREL(登録商標)、又は他の適切なポリマー又は金属で作られる。また、シールド530は、2つより多くのフィンガ544を含むこともできる。
ここで図87〜図90を参照すると、モルセレーションシステム600が示されている。モルセレーションシステム600は、身体組織又は器官を限られた外科的開口部を通して安全な方法で大量に除去することを可能にするデバイスである。モルセレーションシステム600は、モルセレーション及び摘出手技中に、標的組織内に存在する可能性のある潜在的な癌細胞による周囲組織の汚染を防ぐ、実質的に閉鎖式のシステムである。モルセレーションシステム600は、モルセレータ602、収納バッグ(図示せず)、支持鉤606及びシールド608を含む。
収納バッグは、本明細書で説明するバッグの実施形態のいずれであってもよい。一般に、収納バッグは、リングに取り付けられた口又は開口部を有し、リングが口の開口部を取り巻くようになっている、ポリマーパウチを含む。リングは、可撓性であり、開放構成に付勢されるように構成され、バッグの口がリングによって開いた状態で保たれるようになっており、バッグ内への検体の挿入を促進する。リングは、可撓性であり、低プロファイル状態に圧縮することができるようになっており、それにより創傷部又はオリフィス内に容易に挿入可能になる。リングは、開口部を維持し、また、リングをそれ自体のまわりでロールしてバッグの側壁をリングのまわりに巻き付けることによって、バッグを後退させることを可能にする。つなぎ紐を、リング又はバッグの近位端に取り付ける。つなぎ紐は、外科用器具で把持するための取付タグを含む。
モルセレーションシステム600は、モルセレータ602をさらに含む。モルセレータ602は、動力モルセレータである。モルセレータ602は、組織を切り裂くのに適合した鋭利な遠位端を有するカッティングリング又は環状ブレード610を含む。環状ブレード610は、中空シリンダ612に装着される。シリンダ612は、ギヤを介して空気式又は電動モータ(図示せず)に接続され、長軸のまわりで回転するように構成されている。モルセレータ602は、モルセレータハウジング616に接続されたフレア型又は漏斗様の近位端を有する、内側シリンダ614を含む。内側シリンダ614の遠位端620は、環状ブレード610の近位位置まで延びる。内側シリンダ614は、モルセレータ602の作業チャネル又は中央内腔618を定める。内側シリンダ614は、中央内腔618内に引き入れられた組織がモルセレータ602内にこぼれることを防ぐ。モルセレータ602は、外側シリンダ622をさらに含む。外側シリンダ622は、カッティングシリンダ612を同軸に取り囲む。外側シリンダ622は、ハウジング616の一部に接続されるか又はその一部を形成する、近位端を有する。外側シリンダの遠位端624は、ブレード610の遠位端の近位位置まで延びる。外側シリンダ622は、外側シリンダ622の遠位端624に延長部626を含む。延長部626は、ブレード610の遠位端をわずかに越えて延びる。延長部626は、モルセレーションされる検体のコアリング(coring)を防止する。
モルセレーションシステム600は、シールド608をさらに含む。シールド608は、本明細書に記載されたいずれのシールド608であってもよく、1つのバリエーションにおいて、図51〜図53及び図71〜図86に関して説明したようなものである。シールド608は、縦方向拡張構成にあるとき略スパイラル形状を有する。シールド608は、つぶして低プロファイルの未拡張構成にすることができる。シールド608は、必要に応じて繰り返し、拡張構成から未拡張構成に、及びその逆に、動かすことができる。シールド608は、拡張構成においてスパイラルの形態を有する可撓性プラスチックのバンドである。シールド608はまた、鋭利なものがシールド608を貫通することを防止する薄い可撓性の金属又は他の適切な材料で作ることもできる。バンドは、第1の端部と第2の端部との間、及び、上部又は近位端628と底部又は遠位端630との間に延びる。近位端628と遠位端630との間の距離は、ほぼ、未拡張又は低プロファイル構成の間のシールド608の全長638である。シールド608は、近位端628及び遠位端634によって、並びに第1の端部及び第2の端部によって相互接続された内面632及び外面634を有する。外面634は、凹面であり、内面632は、シールド608内から見て凸面の追従表面を形成する。外面634は、内面632に実質的に平行である。シールド608は、中央内腔636を定める。低プロファイルの未拡張構成にあるとき、シールド608は、横方向にサイズを縮小して、比較的小さい横方向寸法を有することが可能である。上述のように、シールド608は、低プロファイルの未拡張構成の間、第1の横方向又は直径方向寸法を有する、緩和平常位置を含む。シールド608はまた、低プロファイルの未拡張構成の間に、第2の横方向又は直径方向寸法を有する縮小構成も含む。第2の横方向又は直径方向寸法は、第1の横方向又は直径方向寸法よりも小さい。未拡張構成にあるときの縮小構成は、シールド608をそれ自体の上でカールさせて、よりきつい、より小さい構成にすることによって達成される。カール動作は、中央内腔636のサイズを縮小する。この縮小構成は、手によって又はロックによって固定した状態で保持することができる。シールド608を小切開部又はオリフィス内に挿入することは、シールド608をそれ自体の上でカールさせて縮小構成にすることによって大いに促進される。切開部又はオリフィスに挿入されると、シールド608は、次いで解放され、きついカールから、巻きが解けてより大きい横方向寸法を有する緩和平常位置になることが可能になる。しかしながら、周囲組織からの力が、シールド608が第1の横方向又は直径方向寸法に達することを妨げることがあり、したがって、シールド608は、第2の横方向寸法に等しいか又は第1の横方向寸法に等しい寸法に達する場合もあり、又は第1の横方向寸法と第2の横方向寸法との間のどこかの寸法を有する場合もある。さらに、シールド608をアンカールして、第3の横方向又は直径方向寸法を有する拡大構成にすることもできる。第3の横方向又は直径方向寸法は、第1の横方向又は直径方向寸法よりも大きい。拡大構成は、シールド608の位置及び横方向又は直径方向寸法を固定する本明細書で説明した任意のロックによって、シールド608の所定位置にロックすることができる。この拡大構成は、組織を後退させ、オリフィス又は創傷部の開口部を拡大する役割を果たすことができる。縮小構成並びに緩和平常構成、及び縮小構成から拡大構成までの任意の位置は、組織を後退させ、創傷部及びオリフィスを開いたまま保持する役割を果たすことができると同時に、中央内腔636を通る作業チャネルを提供する。
特に図87及び図88を参照すると、シールド608の中央内腔636に挿入された状態で、モルセレータ602が示されている。モルセレータハウジング616の遠位端はシールド608の近位端628に当接する。ハウジング616から下方に延びる、ブレードシリンダ612、内側シリンダ614及び外側シリンダ622を含む、モルセレータ602の長さ640は、シールド608の長さ638にほぼ等しい。1つのバリエーションにおいて、シールド608の長さ638は、外側シリンダ622から突出した延長部626よりも短い。図87は、シールド608の長さを越えて延びる延長部626を示す。このようなバリエーションにおいて、シールド608の遠位端は、延長部626のすぐ近位にある。別のバリエーションにおいて、シールド608の長さ638は、環状ブレード610の遠位端と等しい。別のバリエーションにおいて、シールド608の長さ638は、ブレード610を越えてわずかに遠位に延びる。別のバリエーションにおいて、シールド608の長さ638は、延長部626の遠位である。シールド608の長さ638は、モルセレータ602の垂下部分、特にブレード610を包囲するように適合される。ブレード610を包囲することによって、シールド608は、ブレード610が周囲組織及び収納バッグに不注意で接触することをガードする。
使用時、組織収納バッグは、腹部の小切開部又は身体の小オリフィス若しくは開口部を通して配置される。これは、バッグの可撓性リングを低プロファイル構成に圧縮し、小切開部/開口部を通してバッグを挿入することによって達成される。可撓性リングは、体腔内部で、ばね作用で開放が許され、バッグの口部分を拡張して、標的組織の切断されたピースをバッグ内に配置することを容易にする。標的組織は、バッグが腹部体腔内部にある間にバッグ内に配置される。レトラクタを使用することができ、切開部の内部に配置することができる。次いでバッグ上のつなぎ紐を用いて、バッグのリングを切開部を通して引く。バッグ上のリングをそれ自体の上でロールして、バッグの側壁をリングのまわりにロールし、バッグの長さ及びサイズを縮小し、それによりバッグ内部の検体を切開部/開口部のより近くに引き寄せる。バッグ内部の検体は、バッグの口の近くで、肉眼で目視される。シールド608を、シールド608をそれ自体の上でロール又はカールしてよりきつい形態にすることによって、患者の外部にある間に回転させてサイズを最小化する。縮小構成にある間に、シールド608は、切開部/開口部内でバッグ内に配置され、それ自体で拡張させるか、又は直径方向に拡大されて、シールド608の回転を逆転することによって切開部開口部を最大化する。拡張位置は、本明細書で説明したタイプのロックで固定することができる。シールド608をアンカールして、より大きい寸法にする。シールド608のC形外面634は、腹壁が「C」の凹面内に着座するように、切開部内できちんと係留される。支持鉤606を、モルセレータ602の中央内腔618を通して前進させ、これを用いて、標的組織が肉眼で目視されている間に標的組織を把持する。ひとたび組織が適正に把持されると、これを支持鉤606によって保持し、モルセレータ602を、ブレードシリンダ612、内側シリンダ614及び外側シリンダ622を含むモルセレータ602の垂下部分がシールド608の中央内腔636内を通過して、モルセレータハウジング616の遠位端がシールド608の近位端628に当接するまで、支持鉤606の長さに沿って下方に移動又は摺動させる。支持鉤606を近位に引いて、検体をモルセレータ602のブレード610に接触させることができる。モルセレータ602を始動して、ブレードシリンダ612を高速で回転させる。支持鉤を、検体を把持したままで近位方向に引っ込める。支持鉤を用いて、把持された組織をモルセレータ602のカッティングブレード内に引き入れる。外側シリンダ622の延長部626は、ブレード610の全周が同時に組織を貫いで切断することを防止する。これは、コアリングを防止し、ブレード610が検体に沿って移動することを可能にし、1ピースで摘出されるより大きい検体部分をもたらす。組織のすべてが、除去されたか又は切開部を通過し得るサイズを有するピースまで縮小された後、シールド608及びバッグを取り去る。シールド608は、有利には、切開部において隣接組織を保護し及び後退させ、収納バッグの隣接部分が偶発的にカッティングブレード610と接触することからカードする。また、本発明は、スコープを挿入してモルセレーション手技を視覚化するために収納バッグに二次開口部を形成することを回避する。閉鎖式収納システムを損なうことがある二次開口部は、有利には、このモルセレーションシステム600によって回避される。体腔内のモルセレーションは、モルセレーションされている検体の潜在的に有害な断片を散布してしまうことがある。それゆえ、閉鎖式システム内でのモルセレーションが所望される。検体を収納バッグ内に配置することで、切開部を通してバッグの開口部を表面に持ってくるときに閉鎖式システムを生成し、それにより、検体をバッグ内部に隔離し、体腔内の組織との接触から隔離する。可視化のための以前の解決策は、バッグに別の開口部を形成して腹腔鏡をその開口部を通して配置することを要し、それにより閉鎖式システムはもはや維持されなくなる。あるいは、スコープをモルセレータと同じ切開部を通して配置する場合もあるが、これは、最適な観察のために必要な視認性及び三角測量の性能に劣る結果となる。シールド608は、有利には、動力モルセレータを含む切断機構を閉鎖式システム内で使用することを可能にすると同時に、閉鎖式システムの潜在的な破れ(breach)を防止する。モルセレーションシステム600は、バッグを後退するときに検体を表面まで持ってくることによって、腹腔鏡なしで検体の視認性を可能にする。モルセレーションシステム600は、シールド608を対応する短いモルセレータと共に使用することを通じて組織収納バッグに対する損傷を軽減することによって、モルセレーション手技全体にわたって閉鎖式システムを維持し及び保証する。シールド608の長さは、モルセレータ602の突出部分の長さとほぼ等しい。シールド608は、ブレード610を取り囲み、バッグとモルセレータ602との間に位置する。シールド608は、切開部開口部を開放し及び保持して、検体を容易に視覚化及び除去することができるようにする。シールド608は、切開部位においてカッティングブレード610又は支持鉤606による損傷からバッグ及び組織を保護する。モルセレータの外側シリンダ622は、シールド608によって包囲され、これは、閉鎖式システムの破れをもたらす可能性があるブレード610と収納バッグとの偶発的な接触を防止する。シールド608は、ブレードのまわりに保護ケージを形成して、安全なモルセレーションを保証する。1つのバリエーションにおいて、未拡張構成にあるシールド608の長さ638は、およそ1インチであり、モルセレータシリンダの長さ640もまた、およそ1インチである。
ここで図89〜図90を参照すると、エネルギーベースのモルセレータ602を用いるモルセレーションシステム600が示されている。エネルギーベースのモルセレーションシステムは、組織収納バッグ、支持鉤、シールド608を上述したのと同じ方式で利用する。ブレード610を回転して組織を切断するのではなく、円形ブレード610は静止したままである。モルセレータ602のブレード610及びシリンダ612は、エネルギー入力650を介して、単極エネルギーシステム652に接続される。支持鉤606は、単極エネルギーシステム652上の接地に至るプラグ654に接続される。標的組織を支持鉤606によって把持してブレード610まで持ってきたとき、単極エネルギーが作動して、組織を切る。延長部626は、前述と同じ目的で役立つ。排出ポート656をハウジング616上に設けて、カッティングプロセスからの煙の吸入を防止する。
ここで図91〜図103を参照すると、膣管内への配置に適合したシールド700が示されている。シールド700は、本明細書で説明したシールドと同様の形態を有する。シールド700は、近位端706と遠位端708との間で相互接続された内側の第1の端部702と外側の第2の端部704とを有する材料のバンドから形成された実質的に円筒形/管形である。シールド700は、外面710と内面712とを含む。内面712は、近位端706から遠位端708まで長軸に沿って延びる中央内腔714を定める。中央内腔714は、円形の形状で示されおり、別のバリエーションにおいて、楕円形又は細長い卵形の長円形状を有することができる。近位端706は、中央内腔714への漏斗様入口を形成する、半径方向外方に延びる近位フランジ716を定める。外面634は、凹面であり、遠位端708に向かって半径方向外方に徐々にフレア型になっている。別のバリエーションにおいて、遠位端708は、フレア型になっていないが、近位端の漏斗様フランジ716から遠位に実質的に一定の直径を有する略円筒形である。シールド700の少なくとも一部は、緩和平常構成にあるときそれ自体の上に重なる。別のバリエーションにおいて、シールド700は、緩和構成にあるときそれ自体の上に重ならない。シールド700は、膣又は他のオリフィス又は創傷切開部内への挿入を容易にするために、それ自体の上にカールして横方向直径を縮小することができる。シールド700の重なり部分は、互いに追従して入れ子になる。シールド700は、一端、例えば第1の端部702が第2の端部704に対して摺動するように構成される。シールド700は、膣又は他の身体開口部内への容易な挿入に適した、第1の縮小した横方向又は直径方向寸法を有することが可能である。縮小横方向位置は、シールド700をそれ自体の上でカールして、よりきつく小さい構成にすることによって達成される。シールド700はまた、第2の横方向又は直径方向寸法を有する緩和平常位置も含む。第2の横方向又は直径方向寸法は、第1の横方向/直径方向寸法よりも大きい。シールド700は、平常緩和位置に付勢されるバイアスを有するように成形され、第1の直径方向位置に縮小されたとき、シールド700は、ほぼ第2の横方向又は直径方向寸法を有するその緩和平常位置に向かって自動的に拡張し又はばね作用で開き、又はアンカールする傾向がある。シールド700に、横方向又は直径方向位置を固定する本明細書で説明した種類のロックを設けることができる。シールド700はまた、第3の横方向又は直径方向寸法を有する拡大構成も含む。第3の横方向又は直径方向寸法は、第2の横方向又は直径方向寸法よりも大きい。拡大構成は、シールド700を反対方向にカールするか又はシールド700をアンカールして中央内腔714を開放することによって達成される。シールド700の横方向寸法のこれらの位置及び任意の中間位置のいずれも、ロックを介して所定位置にロックすることができる。シールド700、特にシールド700の拡大構成は、組織を後退させ、オリフィス又は創傷部を開いて、外科手技のための安全な作業チャネルを提供する役割を果たす。
図93〜図94で見てとれるように、第1の端部702及び第2の端部704は各々、隣接するシールド部分の外面710の上に重なるS形の湾曲を有する。S形は、それぞれ近位端706及び遠位端708の近くでノッチ718、720に移行する。ノッチ718、720は、シールド700の横方向寸法を固定するように構成されたロックを形成する。ノッチ718、720は、ロック解除位置で図93〜図94に示され、ロック位置で図97〜図98に示されている。ノッチ718、720は、指様延長部を形成し、これらは互いに嵌合してシールド700を所定位置にロックする。図97〜図98において、外側の第2の端部704のノッチ718の近くの指様延長部は、内側の第1の端部702に重なってシールド700をロックする。上述のように、シールド700の外面710は、図93〜図94で見られる変曲点722を有する凹面を形成する。変曲点722は、近位フランジ716の近くに、長軸に対して垂直に取った中間面の上方に位置する。近位フランジ716は、保護面としての役割を果たし、収納バッグ、レトラクタ724及び膣管組織を挿入位置でガードする。シールド及び/又はフランジは、硬質、剛性、又は半剛性の、プラスチック又は耐切断性材料で作られる。近位フランジ716、特に近位フランジ716の内面712は、カッティングボード様表面を提供し、それに対して外科用メス又はブレードのような鋭利なものを有利に使用して、収納バッグ、隣接組織又はレトラクタを切断する恐れなしに、標的組織を切って縮小することができる。
ここで特に図99〜図103を参照すると、レトラクタ724との組合せで使用されるシールド700が示されている。レトラクタ724は、図18〜図19に関して説明したのと同じレトラクタ62である。レトラクタ724は、可撓性の側壁730で相互接続された第1のリング726と第2のリング728とを含む。側壁730は、レトラクタ724の長軸に沿って延びる中央開口部を定める。第2のリング728を圧縮して、膣管を通して挿入することができ、そこでこれが拡張して膣に当接して固定部を形成する。第1のリング726は、患者の外部で膣の入口の上方に在り、そこでロールダウンされて膣管を後退及び拡大することができる。
子宮摘出術において、子宮は、腹部ポートを通して挿入された器具によって身体から剥離される。子宮が剥離された後、シールド700を膣管に直接挿入することができる。このようなバリエーションにおいて、シールド700をそれ自体の上でカールさせて縮小構成にして、シールド700の挿入を支援し、そして所定位置にあるとき、膣管内部にある間にシールド700をその平常緩和構成に拡張させて、それにより膣開口部を拡張及び後退させる。近位フランジ716は、膣の入口の近くに在る。剥離された子宮を把持して、シールド700の中央内腔714内に引き入れ、シールドに接してブレードで子宮をモルセレーションすることができ、子宮のサイズを縮小するか又はピースにして、膣管を通して完全に除去することが可能になる。
別のバリエーションにおいて、収納バッグは、腹部ポートを通すか又は膣管を通すか、そのいずれかで腹腔内部に配置することができる。除去された子宮は、収納バッグ内に配置される。収納バッグのつなぎ紐を、膣管を通して引く。収納バッグのリングを低プロファイル構成に圧縮して、膣管を通して収納バッグの近位端を引くことを促進する。収納バッグのリングを身体外部に引き出し、開放構成に拡張して、これにより収納バッグの口を開く。収納バッグのリングは、膣入口の外部に在る。収納バッグのリングをロールダウンして、バッグの側壁を収納バッグのリングの上にロールすることができる。この動作は、バッグ内部の除去された子宮を膣開口部の近くまで持ってくる。次いでシールド700を収納バッグの口の中及び膣管の中に挿入する。シールド700をカールしてコンパクトな構成にして、挿入を支援することができる。近位フランジ716は、膣の入口又はその付近に在る。1つのバリエーションにおいて、シールド700の近位フランジ716は、収納バッグのリングの下にスナップ嵌めされる。除去された子宮をグラスパで把持し、シールド700の中央内腔714に引き入れ、そこでモルセレーションを開始することができる。
シールド700の遠位端は、変曲点722からシールド700の遠位端708に向かって徐々に増大する半径方向寸法を有する漏斗形である。この漏斗様形状は、有利には、剥離された子宮をシールド700内に移動させることを補助する。子宮は、丸ごと又は部分ごとに完全に除去される前に、シールド700内に少なくとも部分的に存在する間にブレードでモルセレーションされる。シールド700は、有利には、周囲の膣管並びに収納バッグを鋭利なブレードから保護し、収納バッグ及び閉鎖式モルセレーションシステムの完全性を維持することを補助する。
別のバリエーションにおいて、前段落と同様に同じ手技を行うが、レトラクタ724を、収納バッグ内に子宮を配置した後及び収納バッグのリングを体外に引き出した後に、収納バッグの口に挿入する。レトラクタ724の第2のリング728を、収納バッグの口に容易に挿入するために圧縮し、次いで腹腔内部の膣管の遠位位置において収納バッグ内部で拡張させて開放構成にする。体外に在るレトラクタ724の第1のリング726をそれ自体のまわりでロールして、レトラクタ724の側壁720を第1のリング726上にロールする。この動作は、膣管を後退させるのみならず、収納バッグも進路から後退させて、膣管をシールド700の挿入のために空ける。収納バッグを、レトラクタと膣管との間に捕捉して、これを所定位置に保ち、これが膣管内又は外に移動することを防止する。次に、シールド700を、収納バッグ内部にあるレトラクタ724の中央内腔に挿入する。必要であればシールド700をカールダウンしてコンパクト構成にすることができ、次いで拡張させてシールド700を所定位置に自己係留する。次いでシールド700を、図99〜図103に示すように、シールド700の近位フランジ716を第1のリング726の下にスナップ嵌めすることによって、レトラクタ724の第1のリング726に接続する。次いで子宮を外科用器具で把持して、収納バッグのパウチからシールド700の中央内腔714内に引き入れることができ、ここで子宮は、丸ごと又は部分ごとに完全に除去される前に、シールド700内に少なくとも部分的に存在する間に、ブレードでモルセレーションされる。シールド700は、有利には、周囲の膣管並びに収納バッグを鋭利なブレードから保護し、収納バッグ及び閉鎖式モルセレーションシステムの完全性を維持することを補助する一方で、外科医に、モルセレーションを安全及び迅速に行うための機構を提供する。
別のバリエーションにおいて、前段落と同様に同じ手技を行うが、ただしレトラクタ724は、内部に検体が入った収納バッグを膣管を通して引く前に、膣管内に配置される。このバリエーションにおいて、除去された子宮は、体腔内部に位置する収納バッグ内部に配置され、収納バッグの近位端に取り付けられたつなぎ紐をレトラクタの中央内腔を通してグラスパによって引いて、収納バッグのリング及び口を患者の外部に持ってくる。次に収納バッグのリングをロールダウンして、剥離された子宮を開口部の近くに持ってくることができる。その後、可撓性のレトラクタ700をそれ自体の上にカールすることによって、シールド700の方向のサイズを小さくしてコンパクト構成にし、次いでシールド700を解放して、これをコンパクト構成から横方向に拡張させるように付勢するそのバイアスによって拡張させる。シールド700が拡張するにつれて、これは自己係留し、収納バッグを後退させて、剥離された子宮の移動及びモルセレーションのためにシールド700の中央内腔714を通る作業チャネルを生成する。シールド700の近位フランジ716は、収納バッグのリング又はレトラクタ724の第1のリング726の下にスナップ嵌めすることができる。収納バッグを、レトラクタ724とシールド700との間に捕捉し、これが手技中に近位又は遠位に摺動しないように保つ。フランジ726はまた、カッティングボード様表面としての役割を果たすこともでき、鋭利なブレードをこれに接して用いて、子宮を除去のために切断することができる。上記子宮摘出術手技のすべてに対して、図20の収納バッグ及びレトラクタの組合せを、収納バッグ及びレトラクタ724の組合せの1つ又は2つ以上の代わりに使用することができる。
さらに別のバリエーションにおいて、シールド700は、図99〜図103に示すレトラクタ724と共に使用される。このようなバリエーションにおいて、レトラクタ724は、膣管内に配置される。子宮は、レトラクタ724を所定位置に配置する前又は後に、標準的な術式を使用して剥離される。レトラクタ724の第2のリング728を、膣管に容易に挿入するために圧縮し、次いで腹腔内部の膣管の遠位位置において拡張させて開放構成にする。体外に存在するレトラクタ724の第1のリング726をそれ自体のまわりでロールして、レトラクタ724の側壁720を第1のリング726上にロールする。この動作は、膣管を後退させる。次に、シールド700をレトラクタ724の中央内腔に挿入する。必要であればシールド700をカールダウンしてコンパクト構成にすることができ、次いで拡張させてシールド700を所定位置に自己係留する。次いでシールド700を、図99〜図103に示すように、シールド700の近位フランジ716を第1のリング726の下にスナップ嵌めすることによって、レトラクタ724の第1のリング726に接続する。次いで子宮を外科用器具で把持して、シールド700の中央内腔714内に引き入れることができ、ここで子宮は、丸ごと又は部分ごとに完全に除去される前に、シールド700内に少なくとも部分的に存在する間に、ブレードでモルセレーションされる。シールド700は、有利には、周囲の膣管並びにレトラクタ724を鋭利なブレードから保護する一方で、外科医に、モルセレーションを安全及び迅速に行うための機構を提供する。
ここで図104〜図107を参照すると、膣管での使用に適合したシールド800の別のバリエーションが示される。シールド800は、側壁806によって相互接続された上端部802と底端部804とを含む。開口部808がシールド800内に形成され、これは上端部802及び底端部804を通って延びる。シールド800は、第1のフランジ810及び第2のフランジ812をさらに含む。第1のフランジ810は、底端部804から遠位方向に延びる。第1のフランジ810は、湾曲して、長軸816に向かって凹面の細長い表面を形成する。第1のフランジ810はまた、実質的に平らな細長い表面とすることもできる。第1のフランジ810は、長軸816から遠ざかる方向に角度付けられた遠位端814を含む。第2のフランジ812は、底端部804から遠位方向に延びる。第2のフランジ812は、フック818を含み、このフック、は収納バッグのリング又はレトラクタの近位リングに、該リングの下にスナップ嵌めされることによって取り付けられるように構成される。図106〜図107は、レトラクタ724に接続されたシールド800を示す。レトラクタ724は、図18〜図19及び図99〜図103に関して上述したのと同じレトラクタである。レトラクタ724は、可撓性の側壁730で相互接続された第1のリング726と第2のリング728とを含む。側壁730は、レトラクタ724の長軸に沿って延びる中央開口部を定める。第2のリング728を圧縮して、膣管を通して挿入することができ、そこでこれが拡張して膣に当接して固定部を形成する。第1のリング726は、患者の外部で膣の入口の上方に在り、そこでロールダウンされて膣管を後退及び拡大することができる。
ここでシールド800は、子宮摘出術のような外科的手技中の使用で説明されているが、本発明は子宮摘出術での使用に限定されず、任意の標的組織の除去及びモルセレーション手技に適用することができる。子宮摘出術において、子宮は、腹部ポートを通して挿入された器具によって身体から剥離される。
1つのバリエーションにおいて、シールド800は、図106〜図107に示すようにレトラクタ724と共に使用される。このようなバリエーションにおいて、レトラクタ724は、膣管内に配置される。子宮は、レトラクタ724を所定位置に配置する前又は後に、標準的な術式を使用して剥離される。レトラクタ724の第2のリング728を、膣管に容易に挿入するために圧縮し、次いで腹腔内部の膣管の遠位位置において拡張させて開放構成にする。レトラクタ724の第1のリング726は体外に残ったまま存在し、それ自体のまわりでロールして、レトラクタ724の側壁720を第1のリング726上にロールする。この動作は、膣管を後退させる。次に、シールド800をレトラクタ724の中央内腔に挿入して、レトラクタ724に接続する。シールド800は、図106〜図107に示すように、シールド800の第2のフランジ812を第1のリング726の内部から第1のリング726の下にスナップ嵌めすることによって、レトラクタ724の第1のリング726に接続される。シールド800をレトラクタ724に接続するための付加的なフックを設けることができる。シールド800は、レトラクタ724の第1のリング726を覆うか又はその上をキャップし、1つ又は2つ以上のフック818は、第1のリング726の下にフック留めされて、シールド800をレトラクタ724に固定する。次いで子宮を外科用器具で把持して、近位方向に引き、第1のフランジ810上に又はこれに並置して配置することができる。シールド800の第1のフランジ810は、湾曲しており、有利には、外科医が膣管を通した除去のためにブレードを使用して子宮を切断してそのサイズを縮小している間、剥離された子宮を架台の様に支え(cradle)、第1のフランジ810から滑り落ちることを防止する。第1のフランジ810は、有利には、カッティングボード様表面としての役割を果たし、それに対してブレードを安全に使用して、第1のフランジ810の近く又はそれに接触して静止している組織を切断することができる。第1のフランジ810の角度付き遠位端814は、付加的な膣の拡張をもたらし、子宮を膣管内及び膣開口部へ向けて近位に移動させ及び案内するための傾斜路を提供する。シールド800の近位端において、シールド800のリング様部分は、有利には、陰唇を後退させて、モルセレーションブレードの進路から安全に逸らす。子宮は、丸ごと又は部分ごとに完全に除去される前に、シールド800内に少なくとも部分的に存在する間にブレードでモルセレーションされる。シールド800は、有利には、周囲の膣管、陰唇並びにレトラクタ724を鋭利なブレードから保護する一方で、外科医に、モルセレーションを安全及び迅速に行うための機構を提供する。
別のバリエーションにおいて、収納バッグは、腹部ポートを通すか又は膣管を通すか、そのいずれかで腹腔内部に配置することができる。除去された子宮は、収納バッグ内に配置される。収納バッグのつなぎ紐を、膣管を通して引く。収納バッグのリングを低プロファイル構成に圧縮して、収納バッグの近位端を引くことを促進する。収納バッグのリングを身体外部に引っぱり、拡張させて開放構成にさせ、収納の口を開く。収納バッグのリングは、膣入口の外部に在る。収納バッグのリングをロールダウンして、バッグの側壁を収納バッグのリングの上にロールすることができる。この動作は、バッグ内部の除去された子宮を膣開口部の近くまで持ってくる。次いでシールド800を収納バッグの口の中及び膣管の中に挿入し、第2のフランジ812をリングに引っ掛けて収納バッグのリングに接続し、シールド800をバッグに固定する。バッグ内の除去された子宮をグラスパで把持し、シールド800の第1のフランジ810上まで引く。第1のフランジ810の角度付き遠位端814は、子宮を所定位置まで案内すること及び傾斜を付けることを補助し、モルセレーションのために子宮を架台の様に支える。子宮は、丸ごと又は部分ごとに完全に除去される前に、少なくとも部分的に第1のフランジ810に隣接して存在する間にブレードでモルセレーションされる。シールド800は、有利には、周囲の膣管並びに収納バッグを鋭利なブレードから保護し、収納バッグ及び閉鎖式モルセレーションシステムの完全性を維持することを補助する。
別のバリエーションにおいて、前段落と同様に同じ手技を行うが、レトラクタ724を、収納バッグ内に子宮を配置した後及び収納バッグのリングを体外に引き出した後に、収納バッグの口に挿入する。レトラクタ724の第2のリング728を、収納バッグの口に容易に挿入するために圧縮し、次いで腹腔内部の膣管の遠位位置において収納バッグ内部で拡張させて開放構成にする。レトラクタ724の第1のリング726をそれ自体のまわりでロールして、レトラクタ724の側壁720を第1のリング726上にロールする。この動作は、膣管を後退させるのみならず、収納バッグも進路から後退させて、膣管をシールド800の挿入のために空ける。収納バッグを、これによりレトラクタ724と膣管との間に捕捉して、これを所定位置に保ち、これが膣管に沿って近位又は遠位に移動することを防止する。次に、シールド800を、収納バッグ内部にあるレトラクタ724の中央内腔に挿入する。次いでシールド800を、シールド800の第2のフランジ812をレトラクタ724の第1のリング726の下にスナップ嵌めすることによって、レトラクタ724の第1のリング726に接続する。次いで子宮を外科用器具で把持して、収納バッグのパウチからシールド800の第1のフランジ810に並置するように引き入れることができ、ここで子宮は、丸ごと又は部分ごとに完全に除去される前に、少なくとも部分的に第1のフランジ810と接触している間に、ブレードでモルセレーションされる。シールド800は、有利には、周囲の膣管並びに収納バッグ及びレトラクタ724を鋭利なブレードから保護し、収納バッグ及び閉鎖式モルセレーションシステムの完全性を維持することを補助する一方で、外科医に、モルセレーションを安全及び迅速に行うための機構を提供する。上記子宮摘出術手技のすべてに対して、図20の収納バッグ及びレトラクタの組合せを、収納バッグ及びレトラクタ724の組合せの1つ又は2つ以上の代わりに使用することができる。本発明は、子宮摘出術手技に限定されず、任意の組織又は器官のモルセレーション、縮小及び除去に適用することができることもまた理解される。
ここで図108〜図109を参照すると、遠位端に後退フィンガ904を有する漏斗902を含むシールド900のバリエーションが示されている。漏斗902は、中央開口部906を定める。シールド900の近位端は、中央開口部への漏斗様入口を定め、中央開口部906を円周方向に取り囲む近位フランジ表面を形成する。シールド900は、後退フィンガ904を最初に挿入し、次いで漏斗902の中央部分を開口部内に挿入するか又は角度付けることによって、オリフィス又は創傷切開部に挿入される。漏斗902の近位端は、腹部又は他の身体外面の上に配置される。近位フランジは、それに接して組織をモルセレーションすることができるカッティングボード位置を提供する。後退フィンガ904は、切開部又はオリフィスを後退させる役割を果たし、シールド900を所定位置に係留して保つことを補助する。後退フィンガ904は、遠位フランジを形成し、これは中央開口部906の遠位の円周の一部のみのまわりに延びる。後退フィンガ904は、後退フィンガ904の位置におけるシールド900の側面プロファイルが実質的にC形になるように湾曲しており、「C」字の上部が「C」の下部に比べてより長い距離横方向に延びるようになっている。また、漏斗902は、周囲組織及び収納バッグ、並びにシールド900と一緒に使用した場合のレトラクタに、保護を与える。例えば、収納バッグは、オリフィス又は切開部を通して挿入することができ、検体がバッグ内に挿入された後、バッグの口を、切開部を通して引き戻す。バッグの近位端は、腹部の上に置かれ、シールド900を、バッグの口に挿入して、後退フィンガ904によって係留する。グラスパを中央開口部906に挿入し、バッグ内部の検体を中央開口部906に向かって引く。次いでブレードを用いて、小切開部/オリフィスを通した丸ごと又は部分ごとの除去のために、検体を縮小する。シールド900は、十分な厚さの、堅いプラスチックで作られ、ブレードによる貫通の可能性を低減し、隣接した組織を保護し、収納バッグの完全性を維持する。
別のバリエーションにおいて、シールド900は、上述のものと同様のレトラクタと共に使用される。レトラクタは、バッグを配置する前又は後のいずれかに切開部の内部に配置され、次いでシールド900がバッグ及びレトラクタの口の中に挿入される。1つのバリエーションにおいて、シールド900の近位端は、バッグ又はレトラクタの近位リングにキャップする又はスナップ嵌めすることによってレトラクタ又はバッグの近位リングと篏合するようなサイズ及び構成にされる。レトラクタ又はバッグの近位リング上にキャップするように適合されたシールド900のバリエーションは、図109B及び図109Cに示され、それぞれ、長円形中央内腔906及び円形中央内腔906を有する。図109B及び図109Cのシールド900は、レトラクタ又はバッグのリングに取り付けるように構成された少なくとも1つのフック905又はクランプを有する。
ここで図109を参照すると、漏斗902は、内面から立ち上がった円周方向リム908を含む。リム908は、ブレードと接続するように構成され、より詳細に後述する。また、漏斗902は、隆起部分910を含む。隆起部分910は、第2のシールド912を保持するように構成される。第2のシールド912が、図110に示される。第2のシールド912は、図71〜図86に関して説明したシールド並びに本明細書で説明する他のシールドと類似している。1つのバリエーションにおいて、第2のシールド912は、スパイラル形であり、上述のように縦方向につぶすことができかつ拡張することができる。図110に示すバリエーションにおいて、第2のシールド912は、スパイラル形ではないが、実質的に円筒形であり、凹面の外面及びギャップ914を有し、C形シールドを形成する。第2のシールド912は、中央部分920によって相互接続された近位フランンジ916と遠位フランジ918とを含む。近位フランジ916は、オリフィス/切開部からのその除去を支援するタブ又はフィンガプルを含むことができる。第2のシールド912は、図110に示す平常の緩和構成よりも横方向寸法が小さい縮小構成を有する。縮小構成は、創傷部又はオリフィス内への挿入のため、及び第2のシールド912を第1のシールド900に接続するために最適である。第2のシールド912は、正常使用下でブレード又は他の鋭利な物体若しくは器具による貫通を防止するのに十分な性質を有する可撓性プラスチックで作られて、隣接組織を保護する。
ここで図111を参照すると、第2のシールド912に接続された第1のシールド900が示されている。C形の第2のシールド912は、第1のシールド900の内部に配置され、第2のシールド912の近位フランジ916が、第1のシールド900の漏斗902の内面の少なくとも一部の上に重なるようになっている。シールド900の立上り部分910は、第2のシールド912のギャップ914内に受け入れられる。立上り部分910との接続は、第2のシールド912が漏斗902の内部で動き回ることを防止する。第1のシールド900は、後退フィンガ904の位置において下部円周の一部に沿って保護を提供し、第2のシールド912は、遠位端において円周方向の保護を完成させる。第2のシールド912は、切開部/オリフィス内に配置された遠位端において360度の円周方向保護をもたらす。また、遠位フランジ918は、第2のシールド912の中央内腔922への漏斗様入口を設け、これは、組織がシールド900、912に入って身体から出るように移動することを補助すると同時に、周囲組織、収納バッグ、及び使用されている場合にはレトラクタに対する保護を提供する。シールド900、912は、手動ブレードモルセレーションと共に、又は図87〜図90に関して上述したのと同様の短い動力モルセレータと共に使用することができる。
ここで図112〜図113を参照すると、第1のシールド900に接続され、次いで第2のシールド912に接続されてシールドシステムの別のバリエーションを構成する、ブレードキャリア926が示されている。ブレードキャリア926は、中央開口部930を定める漏斗928、ブレードレシーバ932、及びブレード934を含む。漏斗928は、漏斗様形状と、第1のシールド900をキャップし、これにスナップ嵌めされ、及びこれに接続されるように構成された円周方向フックとを含む。具体的には、図113に示すように、漏斗928の円周方向フックは、立ち上がった円周方向リム908に直接接続する。1つのバリエーションにおいて、ブレードキャリア926は、垂直に保持されるとともになお第1のシールド900に対して回転がすることが許されるように、第1のシールド900にスナップ嵌めされる。ブレードレシーバ932は、ブレード934をブレードチャネル936内に収容する。ブレード934は、ブレード934を内側ロッド942に接続するピン940を介して、ブレードハンドル938に接続される。ブレードハウジング932の詳細は、図114〜図115にも示される。1つのバリエーションにおいて、ブレード934がピン940を介してピン留めされる内側ロッド942は、ブレードハンドル938に対して往復運動する。往復動作は、手動で、内側ロッド942を近位端でブレードハンドル938に対して前後に動かして遠位端でブレード934の前後運動を生じさせることによってもたらすことができる。往復動作は、取外し可能及び再使用可能なハンドルアタッチメント内で近位端にてブレードハンドル938内に位置する電気モータ(図示せず)によって、もたらすことができる。ブレードレシーバ932は、第1の部分及び第2の部分の二部品式で設けることができる。第1の部分は、ブレードチャネル936を含み、これは、ピン940を受けるように構成されるとともにブレードチャネル936の内部でブレード934の並進を案内するように構成されたスロット944を有する。ピン940の一端は、ブレード934に接続され、ピン940の他端は、ブレード934を一緒に収容するブレードレシーバ932の第2の部分に収容された内側ロッド942の遠位端に接続される。ブレードレシーバ932は、ブレードキャリア926の漏斗928に接続される。内側ロッド942は、露出位置にあるとき組織を切断するために、遠位に移動してブレード934を露出させる。ブレード934が露出すると、ブレードキャリア926は、第1のシールド900に対して回転することができ、中央内腔の内部の少なくとも一部に沿って組織を円周方向に切断する。ブレード934は、後退位置に後退することができ、そこでブレード934は、少なくとも部分的にブレードレシーバ932の内部に隠れる。後退位置にあるとき、ブレード934の鋭利な側部は実質的に隠れており、ブレードキャリア926を安全に扱うことができるようにする。ブレード934は、組織を切断するために、後退位置から露出位置まで手動又は自動で動かすことができる。往復切断運動は、組織切断が所望されるときにユーザによって手動又は自動で選択的に作動させることができ、又は連続的に往復運動するように作動させることができる。また、往復切断動作は、第1のシールド900に対するブレードキャリア926の回転と同時に行うことができ、又はブレードキャリア926の回転に対して断続的に行うことができる。ブレード934を後退位置から露出位置に動かすことは、ブレード934を、中央開口部930の遠位端を含む平面内に、その平面に対して角度を成して又はその平面に対して実質的に垂直に動かす。この平面は、デバイスの長軸又は中央内腔の長軸に対して垂直な平面として定めることもできる。ブレード934が露出する量を、ユーザが選択することができ、選択的な切断が行われる。例えば、ブレード934を、完全に後退した位置から半分だけ露出させることができ、この場合、ブレード934は、中央開口部930の遠位端を含む平面とは交差しないようにすることができる。ブレード934は、ブレードキャリア926の中央開口部930の遠位端を越えて延びるが第2のシールド912の遠位端は越えないように構成され、これにより、ブレード934及びブレードの通路が常に第1のシールド900、第2のシールド912、及びブレードキャリア926のいずれか1つ又は2つ以上によって包囲され取り囲まれていることを保証する。別のバリエーションにおいて、ブレード934の遠位端は、第2のシールド912の遠位端をわずかに越えて延びることが許容される。
1つのバリエーションにおいて、ブレード934は、ブレードレシーバ932に対して固定され、ブレードキャリア926に対して往復運動せず、第1のシールド900に対して回転するのみである。別のバリエーションにおいて、ブレードキャリア926は、第1のシールド900に対して回転しないという意味で第1のシールド900に対して固定されるが、ブレード934がブレードキャリア926に対して往復運動するように構成される。回転切断動作は、検体が複数のピースの代わりに単一の摘出物として除去されるチャンスを高める一方で、周囲組織の保護を保証することを目的とする。また、ブレード934は、図面には下方に湾曲して中央開口部に入るように描かれている。別のバリエーションにおいて、ブレード934は、中央内腔に垂直な平面内で半径方向内方に延び、ギロチン又はシガーカッターと類似した構成を有する。ブレード934が0度から180度までのアプローチ角度を有することは本発明の範囲内であり、ここでゼロ度のアプローチ角度は、ブレード934が、中央内腔の長軸に対して垂直な平面に12時の位置で長軸に対して平行に交差することである。180度未満のアプローチ角度は、ブレード934が、長軸に垂直な平面に約5時から7時の位置で平面の下から交差することである。
図116は、ブレードキャリア926のブレード934を示す。ブレード934は、組織を穿刺するとともに組織を切断するように構成された、鋭利な尖端及び鋭利な側部を有する。
ここで図117〜図119を参照すると、ブレードキャリア926、第1のシールド900、及び第2のシールド912を含むシールド組立体950が示されている。ブレード934は、取外し可能なハンドル延長部946の内部に収容されたモータを有するブレードハンドル938に接続された状態で示されている。第1のシールド900は、図109、図111、図117及び図118において見られるカットアウト948を含む。カットアウト948は、ブレードキャリア926を第1のシールド900から指でカチっと離すための場所を設けることによって、第1のシールド900からのブレードキャリア926の分離及び取外しを促進する。
ここで図120〜図126を参照すると、シールド組立体の別のバリエーションが示されている。シールド組立体は、第1のシールド900、第2のシールド912及びブレードキャリア926を含む。ブレードキャリア926は、2つの部分932a、932bのブレードレシーバ、ブレード934、内側ロッド942、ピン940、及びブレードハンドル938を備える。ブレードハンドル938の長さは、縮尺通りに示されておらず、例証目的で描かれており、シールド組立体がディスポーザブルである構造において、再使用可能なハンドル延長部946をブレードハンドル938の近位端に取り付けることができるバリエーションを含む。図120〜図126のバリエーションは、図109〜図119に示すバリエーションと実質的に同様であり、いくつかの変更を伴う。第2のシールド912は、カットシリンダの性質のものである代わりに上述のスパイラルの性質のものである。第2のシールド912は、図120において圧縮構成で示されている。第1のシールド900は、第1のシールド900の上部周囲に位置する外側リム908を含む。ブレードキャリア926の漏斗928は、図120〜図126に示すバリエーションにおいて外側リム908の下にスナップ嵌めされる。
シールドの別のバリエーションにおいて、シールドは、らせん状ガイドパスに対して直角なその断面が放物型であるヘリコイド(螺旋面)のまわりで成形される。ひとたびモールドを取り去ると、らせん面は、それ自体の上で圧縮されてカテノイド(懸垂面)の形になり、その静止状態の間、その状態にとどまる。下記のパラメータ式は、シールドのバリエーションを網羅する。
x(u,v)=β[cos(α)sinh(v)sin(u)+sin(α)cosh(v)cos(u)] (1)
y(u,v)=γ[−cos(α)sinh(v)cos(u)+sin(α)cosh(v)sin(u)] (2)
z(u,v)=δ[ucos(α)+vsin(α)] (3)
値αは、一定の固定パラメータであり、ヘリコイドからカテノイドへの変形の進行の状態を変化させる。α=0のとき、ヘリコイドが生成され、α=π/2のとき、カテノイドが生成される。シールドのバリエーションは、0より大きくπ/2より小さいαの値を有し、これは開区間(0,π/2)とみなすことができる。シールドの他のバリエーションは、0より大きくπ/2以下のαの値を有し、これは開区間(0,π/2)とみなすことができる。シールドの他のバリエーションは、0以上、π/2未満のαの値を有し、これは開区間(0,π/2)とみなすことができる。パラメータβ、γ、δもまた固定された定数である。β,γ,δ∈R\{0}のとき、β<0、γ<0、δ<0のとき、回転は、反時計回りで巡る。いずれかのβ,γ,δ>0のとき、回転は時計回りに巡る。パラメータ式により、表面は、u−v平面上に構築される。ベクトルu及びvについての値は、u∈(−π,+π)及びv∈(−∞,+∞)とみなすことができる。
ここで図127を参照すると、本発明による収納バッグ1000の別のバリエーションが示されている。バッグ1000は、近位端で開口部1004を定める側壁1002を含む。バッグ1000は、開口部1004に対して実質的に垂直な長軸を有する。側壁1002は、円筒形、細長形、球形などの任意の形状のバッグ1000を形成することができ、側壁1002がそこから遠位端に向かって延びる基底部又は底部パネルを含んでもよいし、含まなくてもよい。側壁1002は、下方に延びてシーム付き又はシームなしの基底部を定めることができる。例えば、バッグ1000は、長い平面材料(planar length of material)により形成することができ、その側部に沿って折りたたまれて接合されており、シームは、基底部に沿って形成されず、代わりにバッグ1000の側部に配置され、長軸に対して実質的に垂直に上方に延びるようになっている。
引き続き図127を参照すると、収納バッグ1000は、少なくとも、バッグ1000の開口部1004に又はその付近に配置された第1のリング1006を含む。第1のリング1006は、バッグ1000に接続される。第2のリング1008が図127に示される。第2のリング1008は、第1のリング1006の下方に距離をおいて配置され、バッグ1000に接続される。第1のリング1006及び第2のリング1008は、弾性であり、円形又は楕円形の形状である拡張構成から、小切開部、身体オリフィスを通過させる又はトロカールの内腔に通すのに適した、縮小された横方向寸法を有する、つぶされた細長い構成に圧縮可能である。1つのバリエーションにおいて、第2のリング2008は使用されない。バッグ1000は、バッグ1000の長軸に沿って、より短い長さにつぶすことができる。次いでつぶされたバッグ1000は、引き続き、第1のリング1006と、第2のリング1008が使用されている場合は第2のリングとを押しつぶすことによって横方向に容易に圧縮されてつぶされた細長い構成になり、腹腔の中に配備される。腹腔内部で、圧縮されたリング1006、1008は、元の拡張された開放構成に戻ることができる。腹腔内部で拡張構成にあるリング1006、1008により、バッグ1000を容易に腹腔内で配向することができる。リング1006、1008の外周内の場所は、切除された組織又は器官を配置するターゲットとなる。1つのバリエーションにおいて、つぶされた構成のバッグ1000は、どちらの側も第1/第2のリング1006、1008の境界内に検体を配置するのに用いることができるので、上にすべき表側はない。第1のリング1006は、第1のリング1006の外周内に検体を配置するための外周ガイドとしての役割を果たし、したがって、第1のリング1006は、鮮やかな色、又はバッグ1000の残りの部分若しくは意図される周囲に対してコントラストのある色にして、腹腔鏡で容易に観察することができるようにする。切除された組織又は器官を第1のリングの外周の内部に配置した後、第1のリング1006を、出口切開部又はオリフィスに向かって移動させる。リング1006の持ち上げにより、切除された組織は、バッグ1000の内側空間1010の中深くに移動する又は落下する。バッグを出口開口部へ移動させることにより、組織検体は、バッグ1000の内側空間1010内に着座するようになる。第1のリング1006は、細長い縮小構成に圧縮され、出口オリフィス、開口部、又は出口切開部を通して引き抜かれる。ひとたび開口部を通り過ぎると、第1のリング1006は、それ自体で拡張し、開放した拡大構成にスプリングバックし、出口オリフィス、開口部、又は出口切開部の付近でそれに重なって、腹壁の上又は患者の外部に存在するようになる。第1のリング1006は、第1のリング1006を外方又は内方に反転させることによって、ロール又はフリップされ、バッグ1000を第1のリング1006上にロールする。第1のリング1006を逆方向にロールし、バッグ1000を第1のリング1006から展開することができる。1つのバリエーションにおいて、第1のリング1006の断面は、その幅より大きい長さを有する。第1のリング1006の細長い断面は、有利なことに、バッグの側壁1002を第1のリング1006上にロールアップした状態を保つ。第1のリング1006の断面が円形の場合、第1のリング1006は、より容易にロール又はアンロールして、側壁1002を第1のリング1006に対してロール又はアンロールすることができる。第1のリング1006のそれ自体のまわりでのローリングにより、バッグ1000を上方に引き寄せ、バッグ1000内部の検体を開口部のより近くに持ってくる。第1のリング1006のローリング動作は、第1のリング1006と第2のリング1008との間の側壁1002の距離を縮小させ、これにより、第2のリング1008は第1のリング1006のより近くに移動し、腹壁は、第1のリング1006と第2のリング1008との間に係留され、バッグ1000は患者に固定されてモルセレーションが保証される。バッグ1000のローリング動作は、バッグ1000の容量を減らし、また、きちんと形成されたピンと張った保護エプロンを、開口部並びに開口部の周囲の患者外部に形成する。ローリング動作はまた、開口部における組織を後退させる役割も果たし、都合良く開口部を拡大し、バッグ1000内部からの組織の摘出を容易にする。組織検体は、次いで、ブレードにより手動で又は電子モルセレータにより自動でモルセレーションされて、開口部を通り抜け、バッグ1000から取り出すことができるサイズ及び形状にされることによって、バッグ1000から引き出される。組織検体がバッグから摘出された後、必要であれば、第1のリング1006をアンロールして、2つのリング1006、1008の間のスペースを緩める。次いで、第2のリング1008を細長い縮小構成に圧縮し、開口部を通して患者外部に引き抜き、バッグ1000を患者から取り出す。
バッグ1000及び/又はバッグ1000の側壁1002は、外科用メスのブレード及び電子モルセレータに用いられるブレードなどの鋭利な物体による切断に対して耐切断性が極めて高い材料で形成される。1つのバリエーションにおいて、バッグ1000は、DYNEEMA(登録商標)ファイバのような耐切断性が極めて高い織物材料で形成される。耐切断性材料は、高弾性ポリエチレン又は高性能ポリエチレンとしても知られる超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)である。1つのバリエーションにおいて、バッグ1000は、流体が材料面に移動することを防ぐためにエラストマーで被覆されたDYNEEMA(登録商標)で作られる。1つのバリエーションにおいて、バッグ1000全体が耐切断性材料で作られる。別のバリエーションにおいて、バッグ1000の選択された部分のみが耐切断性材料で作られる。1つのバリエーションにおいて、少なくとも第1のリング1006と第2のリング1008との間に位置するバッグ1000の側壁1002の部分が耐切断性材料で作られる。別のバリエーションにおいては、切断が予想されるバッグ1000の一部の区域のみが耐切断性材料で作られる。別のバリエーションにおいて、2つのリング1006、1008の間の距離の底部分が耐切断性材料で作られ、2つのリング1006、1008の間の距離の上部分は、第1のリング1006上にロールできるように残される。別のバリエーションにおいて、2つのリング1006の間の距離の上部分は同じ耐切断性材料で作られるが、その厚さ又はファイバ厚さは、側壁の厚さ又は底部分のファイバ厚さより小さい。バッグ1000の一部が耐切断性材料で作られたバリエーションにおいて、他の残りの部分は、上述の好適なポリマー材料で形成される。1つのバリエーションにおいて、耐切断性材料で作られたバッグ1000を使用すると、モルセレーション手技において上述のレトラクタをバッグ1000と組み合わせて用いる必要がなくなる。したがって、バッグ1000は、有利には、モルセレーション中の耐切断性及び安全シールドを提供するのみならず、それが挿入された開口部を後退させる役割を果たす。バッグ1000は耐切断性であるので、上述のタイプのシールド/ガードなしで使用することができる。シールド又はガードがないことで、有利には、より大きい作業空間を提供できる。
バッグ1000の実施形態は、耐切断性に加えて、耐摩耗性及び耐穿刺性をシースに与える1つ又は2つ以上の材料のシート、メンブレン、ファイバ、及び/又はストランドを含む。好適なシート、メンブレン、ファイバ、及び/又はストランドは、天然ポリマー、半合成ポリマー、合成ポリマー、金属、セラミック、ガラス、カーボンファイバ、カーボンナノ管などの少なくとも1つを含む。好適な天然ポリマーは、セルロース、絹などを含む。半合成ファイバは、ニトロセルロース、酢酸セルロース、レーヨンなどを含む。好適な合成ファイバは、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリアミド(NYLON(登録商標)、DACRON(登録商標))、アラミド(KEVLAR(登録商標))、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリエチレン(SPECTRA(登録商標))、ポリウレタン、ポリウレア、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルアミド(PEBAX(登録商標))、ポリエーテルウレタン(PELLETHANE(登録商標))、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、アクリル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(ジイミダゾピリジニレン−ジヒドロキシフェニレン)(M−5)、ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)(ZYLON(登録商標))、液晶ポリマーファイバ(VECTRAN(登録商標))など、及びこれらのブレンド、共重合体、複合体、及び混合物を含む。好適な金属は、ステンレス鋼、ばね鋼、ニチノール、超弾性材料、非晶質合金などを含む。バッグ1000は、レトラクタの統合(retractor integration)を含み、検体の収納及び組織の後退という両方の特徴をもたらす。本発明のバリエーションにおいてバッグ1000に組み込まれる付加的な後退特徴並びに材料及び構成は、全体が引用により本明細書に組み入れられる特許文献1に記載される。
現在入手可能なモルセレータは、一般に、体腔内で、鋭利なブレード又はエネルギーチップなどの露出した保護されていない装置によって組織を切断する。ほとんどのモルセレータにとって、このことは、露出したブレード/チップが、意図されていない部位に容易に接触し、器官、組織、血管等を傷つけることがあるので、さらなる危険を生じさせる。現行のモルセレータは、開放領域で組織を切り裂くので、切断された組織の小ピースが、組織除去手技後に残される可能性がある。これらのピースは、女性を子宮細胞が他の器官又は細胞壁に付着する子宮内膜症に至らしめることがある。これらのピースはまた、完全に除去しなければならない癌細胞を含むことがある。現在、組織が癌性であることが予期される場合、腹腔鏡下ではなく開放式で塊全体が除去され、これは患者の感染リスクを高めるとともに回復にかかる時間を増大させる。すべてのピースを見つけたとしても、より小さい組織部片が体腔にないかどうか探す余分なステップにより、手術時間がさらに増える。さらに、現行のモルセレータは、手技を行うのに人を二人必要とする。一人は、支持鉤でモルセレータを通して組織を引き寄せ、その間、もう一人は、体腔内部から、残りの組織塊を、回転しているブレードのチップの近くで保持しなければならない。手技が行われているときに、検体は通常、モルセレーション中に検体を所定の位置に保持している器具から落ちる又は剥がれ落ちる。このことは、検体をモルセレータの正面に位置決めすることを担当する人が、検体を再度モルセレータの正面に配置する前に、組織を見つけ、器具をその組織に対して再度クランプしなければならないので、さらに時間がかかることになる。したがって、バッグ等の収納内でのモルセレーションが望ましいが、バッグ自体が潜在的な穿刺を受けやすく、内容物がこぼれやすい。本発明の1つのバリエーションの検体バッグは、支持鉤のジョー及び回転しているモルセレータのブレードにより穿刺に耐性のある材料の保護内層を有する。また、モルセレータは、前述のスタビライザのいずれかを用いて静止位置にロックされるので、ブレードがバッグに接触する可能性は大幅に低減する。検体バッグにより、組織試料全体が収容されるので、モルセレーション中に大きい検体から小さいピースが落ちたとしても、それらはバッグが患者から引き出されたときに除去される。このことは、残された組織ピースを探す必要がないため、患者の安全性を高め、かつ、モルセレーション手技のための手術時間を減らす。検体バッグは、組織を支持し、これを所定位置に保持する。これにより、二人ではなく一人でモルセレーション手技を行うことが可能になる。これはまた、絶え間なく検体を再配置し、再クランプするのに必要な時間を減らす。
ここで図128〜図134を参照すると、組織モルセレータ3000は、腹腔鏡手術条件下で人体内部の子宮などの組織検体を捕捉し、小切開部、オリフィス、開口部(これは腹腔鏡ポートを含む場合も又は含まない場合もある)を通して除去できるサイズに縮小するのに用いられるマルチコンポーネント型医療用具である。モルセレータ3000は、図133で明らかに見てとれるように、ギヤトレインを収容するギヤハウジング3016を含み、これは近位端でモータの接続された可撓性の伝動シャフト3018に接続されており、モルセレータのブレード3010を回転させる。モルセレータ3000は、モルセレータ3000の長さを貫通する中央作業チャネル内腔3020を有する。モルセレータ3000の内側及び外側管は、動いているブレード3010に対して静止しており、回転せず、組織が内腔3020を通って除去されるときに、その組織に対して動く表面をもたらさない。1つのバリエーションにおいて、モルセレータ3000はカメラ3022を含む。カメラ3022は、モルセレータ3000の残りの部分と一体的に形成することができ、又は図134に示されるように、モルセレータシャフト上で摺動してモルセレータ3000と接続する別個のアドオンを含むことができる。さらに図132で見られるように、モルセレータシャフトの遠位端は、遠位に延びるブレードの少なくとも一部をカバーする固定された突出する付加物(appendage)を含み、組織のモルセレーションを中断して組織が器具に対して回転しないようにする。
引き続き図128〜図134を参照すると、モルセレーションシステムは、さらに、細長いシャフト3028と、ジョー3026を開閉して組織を把持させる近位端のハンドル3024で制御される遠位端のジョー様グラスパとを有する、支持鉤3012を含む。シャフト3028及びジョーは、モルセレータ3000の作業チャネル3020の内部に嵌まり、モルセレータシャフトの遠位端の外に延び、突出するように構成される。支持鉤のハンドル3024は、左手又は右手のいずれかで縦方向に保持されるように設計され、この人間工学的設計は、上方に引く手及び腕の動きを最適化することが意図されている。ハンドル3024は、図129に示されるように、ハンドル3024に向かって強く握ることによってジョー3026を閉じるレバー3030を含む。あるいはレバー3030を強く握って、ジョー3026を開くことができる。レバー3030は、ばね張力下にあるので、レバー3030はハンドル3024から離れるようにばね作用で開き、これがジョー3026の閉鎖構成を定めることができ、ユーザはそのとき支持鉤3012を上方に引いて組織を摘出することに集中することが可能になる。あるいは、トリガがばね張力下にあり、レバー3030はハンドル3024から離れるようにばね作用で開き、ジョー3026が開く。
ここで特に図130〜図132を参照すると、支持鉤のジョー3026は湾曲した遠位チップ3032を含む。ジョー3026は、互いにヒンジ結合された上方ジョー及び下方ジョーを含む。上方ジョー及び下方ジョーの各々は、丸みを帯びた湾曲した遠位端を含み、これはジョー3026が開閉する際に遠位端3032によってトレースされる曲線に沿っていかなる鋭利な部分も有さない。図130、131に示される閉鎖構成において、湾曲した遠位端3032は、開放又は閉鎖構成にあるときに組織又はバッグの完全性に対して危険を及ぼし得る露出した鋭利な点又は縁を提示しない。上方及び下方ジョーの内部は、歯3034を含む。また、遠位チップ3032は、上方及び下方ジョーからインターロックする歯3034を含み、把持された組織に対して能動的な引っかかりを与える一方で、滑らかに湾曲した外面を与え、あらゆる周囲組織及び/又はバッグも保護する。図132は、開放構成のジョー3026を示し、支持鉤の開閉の際に遠位端3032がたどる経路3036を示す。湾曲した遠位端3032は、有利なことに、モルセレーションが行われているバッグが、組織が把持されるときに穿刺されないように保護する。ジョー3026が完全に開放されているときであっても、ジョーの湾曲した遠位端3032は望ましくない穿刺からバッグを保護することができる。
ここで図135A〜図135D及び136A〜図136Bを参照すると、モルセレーションシステムは、検体回収レセプタクルバッグ3002を含む。説明したモルセレーションシステムは、上述のように動力モルセレータと共に用いるように適合させることができ、又は、手動モルセレーションと共に使用することもできる。バッグ3002は、図135Aでは平らな状態で示され、図135B及び図135Cではロールアップされた状態で示される。バッグ3002は、バッグ3004の開口部又は口を取り巻くバッグリング3004を含む。図136Aは、バッグ3002の内部に組織検体3006が捕捉され、バッグリング3004が外面に引き出されている状態を示す。図136Bは、バッグ3002内部の検体3006を除去するために、バッグリング3004が完全に身体開口部を通して引き出されて、バッグ3002の内側を体の外側に露出させた状態を示す。図136Bにおいて、組織ガード200が、身体開口部の中へ挿入する準備ができた状態で示されている。組織ガード200が示されているが、本発明による任意の組織ガードを使用することができる。
図137A〜図137C及び図138A〜図138Cを参照すると、バッグ3002の別のバリエーションが示されている。バッグ3002は、図137Cに示される断面のような細長い断面を有するバッグリング3004を含む。図137A〜図137Cのバッグ3002は、ロールダウンすることで、バッグ3002の側壁をバッグリング3004のまわりに巻き付けるように構成される。図138Aは、組織の検体3006がその内側の内部にあるバッグ3002を示す。バッグリング3004は、身体開口部を通して体の表面に引き出されている。図138Bは、バッグリング3004が完全に表面に引き出された状態を示し、図138Cは、バッグリング3004が、図138Cの矢印により示されるように、及び、本明細書において前述されたように、それ自体のまわりでロール又はフリップされ、バッグの側壁の長さを縮小させ、より容易なモルセレーションを可能にすることができる、表面のより近くにバッグの内容物を持ってきた状態を示す。バッグリング3004は、図137Cの断面を有することに限定されるものではなく、バッグをバッグリングのまわりにロールすることを可能にするいずれの断面も本発明の範囲内である。バッグリング3004は、両方とも可撓性であるので、小切開部又は身体開口部を通して挿入し及び除去できるように細長い形状に押しつぶして圧縮することが可能である。弾性バッグリング3004は、解放されると拡張して、開放した口構成を呈し、検体3006をバッグ3002の内側に容易に配置することを可能にする。バッグ3002は、開放上部を有し、半剛性バッグリング3004がバッグ3002の上部又はその口の付近に取り付けられている。バッグ3002は、トロカール又はその他の配備用器具を介して腹部内などの体内に配備することができる。バッグ3002は、グラスパで操作することができる。検体3006は、バッグ3002内に装填され、バッグ3002は、腹壁などの体壁3056を通して回収される。検体3006のサイズが大きいので、バッグ3002全体が小さい腹腔鏡切開部を通過することはない。半剛性バッグリング3004は、腹部の体腔内部に残っているバッグの残りの部分と面することが可能な唯一の部分である。半剛性リングの断面は、ローリング法によってバッグ3002を短くすることを可能にする。このことは、バッグ3002を短くするのみならず、創傷部の後退を補助する。組織3004の試料は、創傷開口部の後退を可能にするアンカーとして作用し、動力又は手動モルセレーション器具による組織3006へのさらなるアクセスを可能にする。ひとたびバッグ3002が所定位置に配置されると、モルセレーションを開始することができる。組織試料3006のサイズが小さくなるにつれて、半剛性バッグリング3004をさらにロールして、組織3006を表面のより近くに持ってきて、モルセレーションのためのより容易なアクセスを可能にすることができる。ひとたび十分な組織3006が除去されると、次いでバッグ3002を患者から引き抜くことができる。図138Cは、身体開口部の中及びバッグ3002の中に挿入する準備ができた状態の組織ガード200を示す。
図139A〜図139Cを参照すると、バッグ3002は、バッグ3002の口を開閉するように構成されたデリバリーシャフト3038に接続されている。デリバリーシャフト3038は、開放された口構成にあるとき、検体3006を都合よくすくうのに用いられる。デリバリーシャフト3038は、検体3006が捕捉された後、バッグ3002の口を閉じるように操作され、検体3006のモルセレーション及び除去のために、バッグリング3004を体の開口部を通して表面に持ってくる。バッグ3002は開放上部を有し、半剛性バッグリング3004が上部に取り付けられている。バッグ3002は、二叉フォーク状シャフト3038に取り付けられている。このフォークは、ばね鋼のような半剛性材料で作られる。デリバリーシャフト3038の目的は、バッグをより優れた精度及び容易さで操作できるようにすることである。システムは、トロカールカニューレ3044を介して腹部内に配備することができる。検体3006は、バッグ3002の中に装填され、バッグ3002は腹部の体壁3056を通して回収される。バッグ3002を回収するためには、フォーク状シャフト3038を、バッグ3002の角部がトロカールカニューレ3044の遠位チップの中に入るまで、トロカールのカニューレ3044を通して引く。ひとたびバッグ3002がトロカールカニューレ3044と係合すると、バッグ3002を、創傷開口部を通して表面まで引き上げることができる。バッグ3002全体が通り抜けることはない。表面まで出てくることが可能な部分は、半剛性バッグリング3004だけである。ひとたび表面に出たら、フォーク状シャフト2038を半剛性バッグリング3004から取り外すことができる。半剛性バッグリング3004の断面は、ローリング法によってバッグ3002を短くすることを可能にする。このことは、バッグ3002を短くするのみならず、創傷部の後退を補助する。組織試料3006は、創傷開口部の後退を可能にするアンカーとして作用し、モルセレーション器具による組織3006へのさらなるアクセスを可能にする。ひとたびバッグ3002が所定位置に配置されると、モルセレーションを開始することができる。組織試料3006のサイズが小さくなるにつれて、半剛性バッグリング3004をさらにロールして、組織3006を表面のより近くに持ってきて、モルセレーション器具及びブレードによる、より容易なアクセスを可能にする。ひとたび十分な組織3006が除去されると、次いでバッグ3002を患者から引き抜くことができる。代替的な配置において、バッグ3002に第2のバッグリング3040が設けられる。第2のバッグリング3040は、バッグ3002のほぼ中間距離まで下がったところでバッグ3002に取り付けられる。この第2のバッグリング3040は、バッグ3002を短くすることを可能にするアンカーとして作用すると同時に、創傷部をその最大可能な開口まで後退させる。バッグ3002は、二叉フォーク状デリバリーシャフト3038に取り付けられる。フォークは半剛性である。第2のバッグリング3004は患者の外部に在るので、第1のバッグリング3004はそれ自体のまわりでロール/フリップされる。半剛性バッグリング3004の断面は、ローリング法によってバッグ3002を短くすることを可能にする。このことは、バッグ3002を短くするのみならず、創傷部の後退を補助する。バッグ3002の中程まで下がったところにある第2のバッグリング3040は、創傷開口部の最大の後退を可能にするアンカーとして作用する。このことは、種々のモルセレーション器具による組織3006へのさらなるアクセスを可能にする。ひとたびバッグ3002が所定位置に配置されると、モルセレーションを開始することができる。ひとたび十分な組織3006が除去されると、次いでバッグ3002を患者から引き抜くことができる。
ここで図140A〜図140B及び図141A〜図141Dを参照すると、本発明によるバッグ3002の別のバリエーションが示されている。バッグ3002は、内側及び口を定める側壁を含む。第1のバッグリング3004及び第2のバッグリング3040が設けられる。第2のバッグリング3040は、第1のバッグ3004から遠位に離間して配置され、側壁によって相互接続される。バッグ3002は、バッグ3002の底部に配置されるバルーン3042を含む。バルーン3042は、バッグの基底部の少なくとも一部を形成し、収縮状態及び膨張状態を有する。バルーン3042の内側は、バルーン3042に正圧を与える膨張圧源に相互接続される。膨張圧源はまた、ユーザの所望通りに、負圧を与えて膨張流体を除去してバルーン3042を収縮させることができる。膨張圧源は、ユーザによって手動で又は自動的に始動される。バッグ3002の基底部におけるバルーン3042は、図140Aに示されるように、第2のバッグリング3040から遠位に離間される。図141Aは、体壁3056を通して体の中に挿入されたバッグ3002を示し、第1のバッグリング3004を、体の外部に在るように引いて、バッグ3002の内側へのアクセスを与え、その中に配置された検体3006をバッグ3002から摘出することができる。図141Bは、バッグ3002の近位端及び口を、第2のバッグリング3040が体壁3056の下面と実質的に係合するまで引いている状態を示す。図141Cは、第1のバッグリング3004がそれ自体のまわりにロールされ、バッグ3002の側壁が第1のバッグリング3004のまわりに巻き付けられた状態を示す。第1のバッグリング3004がロールされるにつれて、第1のバッグリング3004と第2のバッグリング3040との間に位置する側壁の長さが縮小する。こうした側壁の長さの縮小は、バッグ3002の基底部及びバッグ3002内部に配置された検体を体の表面開口部のより近くまで持ってくる。図141Dは、膨張状態にあるバルーン3042を示し、これは検体3006を、容易な視覚化、モルセレーション、及び除去のために、開口部のより近くまで上げる。バルーン3042は、有利には、バッグ3002の内側と外側との間にさらなる保護界面又はバリアを与える。例えば、外科用メス、動力モルセレータ又はグラスパのようなモルセレーション器具が、バッグ3002の内側に面したバルーン3042の近位端を偶発的に破った場合、バルーン3042は収縮することになるが、バッグの外側又は側壁に対する封じ込めバリアは元のまま保たれるので、バッグ3002の全体的な完全性は侵されない。本質的に、バルーン3042は、モルセレーションの過程で鋭利な器具に遭遇する可能性が高い基底部の位置に追加の保護を提供する二重壁を与える。バッグ3002の膨張可能な基底部はまた、組織3006がバルーン3042の真上中央に配置されていなかったとしても、組織検体3006に対する台座効果を与える。また、バッグの膨張可能な基底部は、膨張状態にあるとき、血液などの体液が検体3006から排出されるようにモート様の場所を与える。膨張されているとき、バルーン3042の内側壁は、基底部の二重壁配置における外側壁から極めて遠くに離間され、それによって、外側壁は器具に当たらないように安全に遠ざけられ、内側壁に破れがあった場合に元のまま保たれる可能性が高くなる。二重壁の側壁は、基底部の位置だけでなく、バッグ3002全体にわたり使用することができる。バルーン3042の破れ及びその結果として引続いて生じるバルーンの収縮は、鋭利な器具がバルーンに当たったことを視覚的にユーザに知らせ、摘出を続けるときに、外側壁の安全を保障するためにさらなる注意を払うようユーザに警告する。このことは、側壁の破れが、警告なくバッグ3002の外側の破れを意味する単一壁構成と対照的である。検体3006が表面に引き上げられた後、検体3006はバッグ3002の口を通して体の外部から容易に目視することができ、モルセレーションをより容易に進めることができる。バルーン3042は、任意の膨張可能部材とすることができ、バッグ3004の床部の中に一体化することができる。モルセレーションが実行されるに伴い、組織のサイズは縮小する。このことは、検体をバッグ3002内で見失って、モルセレータ及び器具によって見つけるのを困難にすることがある。バルーン3042を膨張させることにより、組織3006はモルセレータ及び器具の端部のより近くまで持ち上げられ、組織試料3006へのアクセスをより容易にすることができる。
ここで図142A〜図142C及び143A〜図143Dを参照すると、膨張可能な側壁を有する収納バッグ3002の別のバリエーションが示されている。バッグ3002は、口、すなわちバッグ3002内部の中への入口の役割を果たす開放上部を有するように形成された側壁を有する。バッグ3002は、開口部付近の上部に取り付けられた第1の半剛性バッグリング3004を含む。さらに、バッグ3002のほぼ中間距離まで下がったところに取り付けられた第2のバッグリング3040も存在する。第2のバッグリング3040は、バッグ3002を短くするアンカーの役割を果たし、創傷部をその最大可能な開口まで後退させる。バッグ3002は、空気チャネル3008を利用し、検体を収容するバッグ3002の下方部分を拡張させるのを支援する。下方部分を拡張させることによって、上側からの検体の視認性が大いに高まる。これはまた、モルセレーションを実行することができる速度も支援する。バッグ3002は、二叉フォーク状デリバリーシャフト3028に取り付けられる。フォークは半剛性である。デリバリーシャフト3028の目的は、バッグをより優れた精度及び容易さで操作できるようにすることである。システムは、体壁3056を横切り、腹部又は体の他の位置又はオリフィス内に配備することができる。組織検体3006はバッグ3002内に装填され、バッグ3002は腹部の体壁を通して回収される。バッグ3002を回収するためには、フォーク状シャフト3028を、バッグ3002の角部がトロカールの中に入るまで、トロカールを通して引く。ひとたびバッグ3002がトロカールと係合すると、バッグを、図143Aに示されるように表面まで引き上げることができる。ひとたび表面に出たら、フォーク状シャフトを半剛性バッグリング3004から取り外すことができる。バッグ3002全体が通り抜けることはない。半剛性の第1のバッグリング3004及び側壁の一部が表面まで出てくることが可能である。半剛性バッグリング3004の断面は、図143Cにおける矢印により示されるローリング法によってバッグ3002を短くすることを可能にする。このことは、バッグ3002を短くするのみならず、図143Cに示されるように、創傷部の後退を補助する。バッグ3002の中程まで下がったところにある第2のバッグリング3040は、創傷開口部の最大の後退を可能にするアンカーとして作用する。このことは、モルセレーション器具による組織3006へのさらなるアクセスを可能にする。バッグ3002は、収納及び後退両方の機能を果たす。ひとたび創傷部を後退させると、空気チャネル3008を図143Dに示されるように膨張させることができ、随意的な組織ガード200を使用することができる。空気チャネル3008は、外方に拡張し、組織3006のまわりに自由空間を作り出す。このことは、組織3006をより多く自由空間に存在させることを可能にする。より多く自由空間に存在することによって、組織3006はモルセレーションされているときにタンブルし動くことができる。ひとたびバッグ3002が所定位置に配置されると、モルセレーションを開始することができる。ひとたび十分な組織3006が除去されると、次いでバッグ3002を次いで患者から引き抜くことができる。代替的なバリエーションにおいて、バッグ3002の基底部はまた、図140〜図141に関して説明されたように膨張可能なものとすることができる。
ここで図144A〜図144C及び145〜図145Dを参照すると、第2のバッグリング3040を伴わず、第1のバッグリング3004のみを伴う、膨張可能側壁を有する収納バッグ3002の別のバリエーションが示されている。バッグ3002は、開放上部を有し、半剛性の第1のバッグリング3004が上部に取り付けられている、バッグ3002は、空気チャネル3008を利用し、検体3006を収容するバッグ3002の下方部分を拡張させるのを支援する。空気チャネル3008は、バッグの下方部分においてバッグの外周のまわりに円周方向に配置される。空気チャネル3006は相互接続され、膨張圧源に接続可能である。正膨張圧は、チャネルを膨張させ、負圧は、チャネル3008を能動的に収縮するように作用する。収縮構成は図145Aに示され、膨張構成は図145B〜図145Dに示される。1つのバリエーションにおいて、バッグの開口部に最も近い、最近位空気チャネルである空気チャネルは、環状であり、他の空気チャネルより大きい。空気チャネル3008は、管状リング形状の内腔であり、1つ又は2つ以上の隣接する管状リング形状の内腔と流体接続することができ、膨張流体原と接続可能であるように構成される。この最近位の第1の環状リング形空気チャネルの内腔は、腹壁の下側に反力を与え、上方バッグリング3004がロールダウンされて後退を生じさせるときに、より大きな後退を可能にする。したがって、第1の環状リング形の内腔は、前のバリエーションの第2バッグリング3040と同様な作用をする。また、下方部分を拡張させることにより、上側からの検体3006の視認性が大いに高まる。これはまた、モルセレーションを実行することができる速度を支援する。バッグ3002は、二叉フォーク状デリバリーシャフト3038に取り付けられる。フォークは半剛性である。デリバリーシャフト3038の目的は、バッグをより優れた精度及び容易さで操作できるようにすることである。システムは、トロカールを介して腹部の体内に配備することができる。検体3006は、バッグ3002内に装填され、バッグ3002は腹部の体壁を通して回収される。バッグ3002を回収するためには、フォーク状シャフトを、バッグの角部がトロカールの中に入るまで、トロカールを通して引く。ひとたびバッグ3002がトロカールと係合すると、バッグを表面まで引き上げることができる。バッグ全体が通り抜けることはない。半剛性バッグリング3004及びバッグ側壁の一部分のみが、図145A〜図145Dに示されるように、表面まで出てくることが可能である。ひとたび表面に出たら、フォーク状シャフトを半剛性バッグリング3004から取り外すことができる。半剛性バッグリング3004の断面は、図145Dにおける矢印により示されるローリング法によってバッグ3002を短くすることを可能にする。このローリング動作は、バッグの側壁をロールアップすることによってバッグ3002を短くするのみならず、創傷部の後退を補助する。次いでバッグ3002を膨張させる。バッグ3002はまた、図に示されるように、ローリング前に膨張させることもできる。バッグの中程まで下がったところにある第1の環状空気チャネル3008は、創傷開口部の最大の後退を可能にするアンカーとして作用する。このことは、モルセレータによる組織へのさらなるアクセスを可能にする。空気チャネル3008は、外方に拡張し、組織3006のまわりに自由空間を作り出す。このことは、組織3006をより多く自由空間に存在させることを可能にする。より多く自由空間に存在することによって、組織3006はモルセレーションされているときにタンブルし動くことができる。ひとたびバッグ3002が所定位置に配置されると、モルセレーションを開始することができる。ひとたび十分な組織3006が除去されると、次いでバッグ3002を患者から引き抜くことができる。代替的なバリエーションにおいて、バッグ3002の基底部はまた、図140〜図141に関して説明されたように膨張可能なものとすることができる。
バッグ及び半剛性リングには多数の異なるタイプの材料を用いることができる。ポリマーと織布テキスタイルとのハイブリッドのような複数の材料を同じバッグに用いることが望ましい場合がある。半剛性リングは、ペレタン(pelletane)、シリコーン、KRATONポリマー、IROGRANポリエステルベース熱可塑性ポリウレタン、金属、ポリマー、プラスチック、ゴムなどを含むがこれらに限定されない多数の可撓性ポリマー材料で作ることができる。
膨張可能バッグ3002を含む本発明において説明された収納バッグのいずれも、バッグ側壁及び隣接した組織辺縁を鋭利な手動又は動力モルセレーション用器具から保護するためにバッグ3002内に配置されるように構成された、ガード又はシールドと共に用いることができる。ガードの追加の例は図146〜図148に示される。図146A〜図146Bは、円筒形の近位端3048と、外方にフレア型になった漏斗形遠位端3050とを有する円筒形剛性ガード3047を示す。漏斗形ガード3047は、組織を切刃のブレードに向かって集中させる又は漏斗で集めるように作用する。ガード3047の中央内腔は遠位方向に拡大する。漏斗形状はまた、バッグ3002の側壁を離すように広げることを支援し、モルセレーションのための隙間を与え、検体バッグがブレードと係合しないようにする。ガード3047はまた、組織と係合しない限りブレードが露出しないようにするばね荷重ガード特徴を含むことができる。このことは、モルセレータの取り扱いをより安全なものにする。ブレードのガードは、ばね荷重ガードと共に動作するように適合させることができる。
図148A〜図148Bを参照すると、ガード3047は、中央内腔が遠位端3050に向かって小さくなる、遠位端における逆漏斗又はリードインガードを有する。リードインガード3047は、組織3006のより容易なコアリングを可能にする。ブレードガード3047は円錐形状であり、狭幅端部3050は、モルセレーション工具のブレードの前縁と同じ方向に向いている。ガード3047は、ひとたびブレードが組織3006と係合すると、周囲組織を遠くへ及び脇へ押しやる。
ここで図147A〜図147Bに戻ると、ガード3047の内面から中央内腔の中に延びる回転防止スタッド3052を含むガード3047の別のバリエーションが示されている。内方に突出した回転防止スタッド3052は、動力モルセレータが用いられるときに、一団の塊の(lumped mass)組織3006が回転しているブレード及び回転している管に捕らえられて一緒にスピンしないように保持する。組織3006がブレードと共にスピンすると相対的なブレード運動が存在しないことになり、したがって組織は切断されない。回転防止スタッド3052はまた、ガード3052の外部に位置してガード3047の外面から外方に延びることができる。これらの突起は、ガード3047の回転を阻止する。内部の回転防止スタッド3052はまた、組織3006を案内すること及び先導することを補助する。スタッド3052は種々の形状及びサイズを有することができる。この特徴は、あらゆるガードと共に動作するように適合させることができる。別のバリエーションにおいて、バイポーラ垂直組織セパレータをガードに含めることができる。バイポーラ垂直組織セパレータ特徴は、一団の塊から組織のコアを切り裂くように機能する。このことは、コアリング、及び大きい塊からモルセレーションされたコアを分離できない問題を緩和する。この特徴は、あらゆるブレードガードと共に動作するように適合させることができる。また、ライトをガード3047に含めて、一体的に形成することができる。LEDのような光源の目的は、より良いスコープ視認性のために組織バッグ3002内部の視認性を高め、改善することである。この特徴は、すべてのブレードガードと共に動作するように適合させることができる。図147A〜図147Bのバリエーションは、ガード3047を横切って延びる複数の穴3054をさらに含む。これらの穴3054は、真空動力モルセレータシステムを用いる場合のように組織3006をバッグ3002から引き出すのに真空が使用されるときにバッグ3002がブレードの中に引き込まれないように構成された、真空バイパスホール3054の役割を果たす。このことは、半径方向穴3054をガード3047のまわりに常に露出させておくことによって実現される。ひとたび組織がブレードと係合すると、真空バイパスホールは、組織との真空界面に影響を及ぼさない。この特徴は、真空下で用いられるあらゆるブレードガードと共に動作するように適合させることができる。
モルセレーションは、外科医が外科用メス又は電気外科用器具を用いることによって手動で行われる。動力モルセレータを利用する代わりに、本明細書に記載される任意のバッグを手動モルセレーションと共に使用することができる。バッグは切開部を通して体腔の中に挿入される。標的組織をバッグの中に配置し、バッグの開口部を切開部を通して引く。本明細書で記載されたようなバッグガードをバッグ内に挿入し、バッグ開口部の近くに保持し、随意的にバッグの近位端に接続し、バッグ開口部が開放位置に保持されるようにする。外科医は、グラスパを用いて組織を把持し、これを開口部に向かって引いて、ガードの位置内に入れる。次いで、外科医は、動力モルセレータの代わりに外科用メスを用いて、組織をより小さいピースに切断し、体から引き出す。切断は、ガードの位置で、及び/又はガードに接して行われ、バッグが外科用メスによって偶発的に穿孔されないようにする。組織の小ピースが入った又は組織がまったく入っていないバッグを、バッグガードと共に体腔から除去する。
システムは、シャフトに取り付けられた検体回収レセプタクルバッグ3002を含む。バッグ3002は、体の内部に配備することができ、剥離された後の所望の組織3006を捕捉することができる。ひとたび検体3006がバッグ3002の内部に配置されると、腹腔鏡創傷部、切開部、開口部、オリフィスアクセス部位を通して体の外部に引き出すことができる、バッグ開口部に取り付けられた半剛性リング3004がある。バッグ開口部リング3004が患者の外部に引き出された後、検体3006が入った、体腔内に残っている下方バッグ部分は、空気チャネル3008を含み、これらを膨張させて、内部気腹圧に対抗してバッグ3002の内部係留機構をもたらす構造を作り出す。次いで、外側バッグ開口部リング3004をロールダウンし、上述と同じ方式で創傷開口部を後退させることができる。検体3006が入った、体腔内部に残っているバッグ3002の膨張部分は、ここで表面に露出される。ひとたび検体バッグ3002を所定位置に後退させると、中央の中空スピニングブレード管3010付きのモルセレータ装置3000をバッグ開口部リングに取り付ける。モルセレータ3000は静止位置にロックされ、ブレード管3010を、創傷部を通して下方へ挿入し、検体3006が配置されているバッグ3002の下部領域内に入れる。その時点で、モルセレータ3000をオンにして、ブレード管3010を回転させる。ひとたび管3010が回転すると、支持鉤3012を中空ブレード管3010を通して挿入して組織を把持し、これをスピニングブレード3010内に引き上げ、それによって、大きい検体3006を、小さい腹腔鏡創傷部位を通して取り出すことができる、より小さいコアのピースに縮小する。モルセレータ3000はまた、検体バッグ3002内部の視覚化のために、モルセレータ3000の遠位端にカメラ3014を含む。組織3006が完全に除去されるか又は創傷部位を通して引き出すのに引十分なサイズに縮小されると、モルセレータ3000をバッグリングから取り外し、バッグ3002を収縮させ、そして最後にバッグ3002を腹腔鏡創傷部を通して引き抜いて、手技が完了する。
ここで図149を参照すると、動力モルセレータ4000と、モルセレータシャフト4004の側部に接続されたバッグ4002とを含むシステムが示される。図150A〜図150Dを追加で参照すると、モルセレータ4000は、シャフト4004に接続されたハンドル4006を含み、シャフト4004の遠位端には1つ又は2つ以上のブレード4008がある。モルセレータ4000は、ハンドル4006に配置されたモータ4010をさらに含む。モータ4010は、ギヤピニオン4012に接続されてこれを回転させるように構成される。ギヤピニオン4012は、ギヤ内側管4012及びギヤ外側管4016を含むギヤトレインにさらに接続される。ギヤ外側管4016はスペーサ4018にさらに接続され、これは次に外側シャフト4020に接続される。外側シャフト4020の遠位端はブレード4008に接続される。ギヤ内側管4014は内側シャフト4026に接続され、これは次に第2ブレード4022に接続される。ギヤ外側管4016及びギヤ内側管4014は逆方向に回転し、遠位端に二重反転ブレードを作り出すように構成される。二重反転管なので、2つの管がある。一方の管は他方の内部にある。内側管は一方向に回転し、外側管は逆方向に回転する。1つのバリエーションにおいて、ブレードは外側管の端部に取り付けられる。二重反転管の概念は、ブレードの視点から比較したときに組織が経験する相対速度が二倍になることである。すべての管構成は、ブレードガード構成を保持する最外管を有することができる。別のバリエーションにおいて、内側管は回転する外側管に対して静止している。外側管は端部に取り付けられたブレードを有し、回転が可能である。静止内側管の概念は、組織がより容易に作業チャネルを遡上することを可能にする、滑らかな部材を作り出すことである。別のバリエーションにおいては、単一の外側管が回転し、端部にブレードが取り付けられた管は1つしか存在しない。管の内部は、特徴がなく平滑である。別のバリエーションにおいては3つの管があり、内側管及び外側管が静止しており、中間管が回転する。ブレードは中間回転管の端部に取り付けられ、内側及び外側管を越えて突出する。静止外側管は、回転中間管によって擦られるものがないように保護するためのものである。静止内側管は、組織がより容易に管を遡上することを促進するためのものである。別のバリエーションにおいて、リッフル付き組織遡上管(riffled tissue advancement tube)が、回転する管であってその内面に非閉塞の組織との背接触部を有する任意の管のための構成に設けられる。リッフル状パターンが回転管の内面上に形成され、これはモルセレーションされた組織に対して軸方向の力をかけて、この組織をブレードから離れる方向に遡上させる。さらに別のバリエーションにおいて、オーガ型組織遡上管(auger type tissue advancement tube)が、回転する任意の内側管構成に設けられる。管は、管内部の長さを移動する複数の溝(flute)を有する。溝の端部は組織を把持して、これをブレードから離れる方向に溝を遡上させる。図150Cで見てとれるように、二重反転管4020、4026は、単一ギヤ4012から駆動され、図150Bに示されるように、オーバーモールド成形されたシール又は四重リングシール(quad ring seal)4046を設けてそれらをシールする。電気モータ全体がハンドル4006内に封入されており、バッテリによって動力供給されてもよく又は外部動力源に接続されてもよい。
ばね荷重ブレードガード4024は、ブレード4008、4022をカバーする又はカバーを外すように動作し、トリガ4028はモータ4010を始動させるように動作する。ばね荷重ブレードガード4024は、さらなる安全のために、組織がブレードガードの端部と接触したときだけブレード4008が露出することを可能にするように動作する。開口部及び近位ノブ付きのブレードガード4024シャフトは、取り外すことができ、ブレードガードは非回転式であってもよい。内側及び外側シャフト4026、4020は同軸であり、真ん中に作業チャネル4030を定める。近位端には、円錐形漏斗4032が設けられ、グラスパのような器具の作業チャネル4030の中への挿入を容易にする。モルセレータ4000の近位端は、モルセレーション検体の摘出のために、図151に示される検体レセプタクル4034、及び真空源と接続するように適させることもできる。検体レセプタクル4034は、取外し可能な蓋の上に配置された、入口ポート4038と、真空源に接続するためのポート4040とを含む、透明コンテナである。真空源に接続されたポート4040は、真空をオンオフするための弁を含むことができ、電子的に作動するように構成することができる。モルセレータ4000の近位端は、図150Dに示されるようにシールアセンブリ4042と接続するように適合させることもできる。シールアセンブリ4042は、シールアセンブリ4042の近位端で開口部の中に挿入された器具に当接してシールするためのゼロシール及びセプタムシールを含むことができる。シールアセンブリ4042は、圧力下の流体源に接続するためのポート4044をさらに含むことができる。ブレードガード4024は、側部を通してブレードを露出するように構成された少なくとも1つの側方スロット又は側部ウィンドウ開口部4036を含み、モルセレーションされる組織をモルセレータ4000の側部を通して作業チャネル4030の中に受け入れるようになっている。ブレードガード4024を回転又は後退させて、側部開口部をカバーし閉鎖することができ、又は、モルセレーションされる組織を遠位端開口部で作業チャネル4030の中に受け入れるために、遠位開口部においてブレードを露出させることができる。
ここで図152を参照すると、側部開口部4036を有するモルセレータシャフト4004に取り付けるように構成されたバッグ4002がここで説明される。バッグ4002の1つのバリエーションにおいて、バッグ4002は、閉鎖のための手段4050を備えた開放上部4048を有する。モルセレータシャフト4004は丸みを帯びた端部を有し、バッグ4002と接続するように適合される。モルセレータシャフト4004の側部は、ウィンドウ付き開口部4036を有する。検体回収システムは、例えばトロカールを介して、又は、開放された創傷部又は身体オリフィスを介して、体内に挿入される。次いでバッグ4002を開いて、組織検体をバッグ4002内に配置する。バッグ4002は次いで閉鎖手段4050によってシールされる。モルセレータシャフト4004をモルセレータ4000に取り付け、モルセレーションを開始することができる。あるいは、バッグ管4066を設け、モルセレータ4000は、図152及び図159に示すように、モルセレータシャフト4004をバッグ管4066の中に滑り込ませることによって、バッグ管4066に容易に取り付けられる。バッグ4002は、バッグ管4066に予め取り付けることができる。ひとたび検体が縮小されると、検体回収システムは患者から引き出される。モルセレータの例は2008年4月14日及び2012年10月24にそれぞれ出願され、あたかも完全に記述されたかの如く引用によりここに組み入れられる、米国特許出願番号12/102,719号及び同13/659,462号に記載されている。
ここで図153〜図157を参照すると、種々のバッグ閉鎖手段が説明される。図153A〜図153Bにおいては、バッグ上部4048に配置されたドローストリング4052が開放上部4048を閉鎖するのに使用される。図154A〜図154Bにおいては、スライダを用いて閉鎖手段の2つの側部をロック及びロック解除し、上部4048を開閉することができる、ジップロック又はジッパ形式4054閉鎖部が設けられる。図155A〜図155Cにおいて、別の閉鎖手段は、バッグ4002のバッグ上部4048付近に形成されたグロメット4056を含む。グラスパ4058又はその他の器具をグロメット4056の開口部の中に挿入し、次いで図155Cに示されるようにねじってバッグ4002をロールダウンし、開放上部4048を閉鎖する。図156A〜図156Bにおいて、上部4048には、フック・ループ式ファスナ4060が設けられる。フック・ループ式ファスナの両面を接触させ、開放したバッグ上部4048を閉じる。図157A〜図157Bにおいて、バッグ上部4048は、複数のグロメット開口部4062を含む。具体的には、4つの開口部が設けられる。グラスパ4058のような器具を用いて、開口部4062のすべてを把持し、次いで図157Bに示されるようにねじり、開放部をロールして閉じる。
バッグ4002を保護し、バッグがモルセレータシャフト4004上の側方スロット4036に入り、回転するブレード4008と接触しないようにするために、図158A〜図158Eに示されるように、プラスチックガード4064が設けられる。プラスチックガード4064は一体型の半剛性プラスチックで形成されており、折りたたんでモルセレータスロット4036の中に挿入するように構成される。プラスチックガード4064は、バッグ4002より堅い材料で形成され、側方開口部4036を囲むように、及び、スルー様(through−like)又は漏斗様の開口部を設けてバッグ4000を広げて開口部4036から離すように構成される。バッグ4002は、モルセレータシャフト4004の遠位端に取り付けられる。バッグ4002は閉鎖手段4050付きの開放上部4048を有する。バッグ4002はまた、モルセレータシャフト4004の側方開口部4036に半剛性構造を有し、より容易に組織をバッグ4002の中に装填することを可能にする。検体回収システムは、トロカール又は開放創傷部又はオリフィス又はその他のデリバリー機構を介して、体内に導入される。次いでバッグ4002を開いて、組織検体をバッグ4002内に配置する。バッグ4002は次いで閉鎖手段4050を介してシールされる。モルセレータ4000をモルセレータシャフト4004の近位端に取り付けて、モルセレーションを開始する。あるいは、バッグ管4066を設け、モルセレータ4000は、図159に示すように、モルセレータシャフト4004をバッグ管4066の中に滑り込ませることによって、バッグ管4066に容易に取り付けられる。バッグ4002は、バッグ管4066の遠位端開口部の近くにプラスチックガード4064又は補強された剛性部分を伴って又は伴わずに、バッグ管4066に予め取り付けることができる。モルセレータシャフト4004及びバッグ管4066は、バッグ管4066に取り付けられたノブを介して、摩擦によって互いに保持される。ノブは、スナップ又は摩擦嵌め係合によりモルセレータハンドルとインタフェースする。ひとたび検体が縮小されると、検体回収システムは患者から引き出される。ガード4064の半剛性構造は、ばね鋼、ニチノール又は成形プラスチックで作ることができる。これら3種の材料のバリエーションはすべて、ドローストリング法を用いること、又は端部を挟み、構造体をロールしてバッグ4002を閉じることによる、バッグ4002の閉鎖を許容する。図160に示される別のバリエーションにおいて、バッグ4002はバッグ管に4066に取り付けられる。バッグ4002は閉鎖端を有する。バッグ4002の開口部4068は、バッグ4002の側部にある。バッグ4002はまた、開口部に半剛性構造を有し、組織をより容易にバッグの中に装填することを可能にする。バッグ管4066は丸みを帯びた端部を有する。バッグ管4066の側部はウィンドウ付き開口部4070を有する。検体回収システムは、トロカール、又は、開放創傷部を介して、腹部の体内に挿入される。次いでバッグ4002を開いて、組織検体をバッグ4002内に配置される。バッグ4002は次いでシールされ、モルセレータ4000を取り付け、モルセレーションを開始する。ひとたび検体が縮小されると、検体回収システムは患者から引き出される。側部開口部4068は、バッグ4002の側壁の中間部に配置されたばね鋼、ニチノール又は成形プラスチックの補強部を含むことができる。側部開口部4068は、ばね作用で開いて長円になり、バッグ4002の中へのより容易な検体の組織の挿入を促進する。これら3種の材料のバリエーションはすべて、ドローストリング法を用いること、又は端部を挟み、構造体をロールしてバッグ4002を閉じることにより、バッグを閉鎖し得る。別のバリエーションにおいて、ばね鋼、ニチノール又は成形プラスチックは、図161に示されるようにバッグ管1066付近に配置される。
図162A〜図162Cに示される別のバリエーションにおいて、バッグ4002はバッグ管4066とは別個のコンポーネントである。バッグ4002は2つの開放端部4072、4074を有する。一方の開口部4072は他方のものより大きい。大きい方の端部4072は、ばね鋼、ニチノール又はプラスチック部材による半剛性のものである。ドローストリング4052又は挟んでロールダウンする方法のような異なる閉鎖手段4050を、バッグ4002の大きい方の端部4072をシールするのに用いることができる。小さい方の端部4074は、バッグ管4066に取り付けられるばね鋼又はニチノールのクランプを有する。クランプ4076は剛性ブレードガード4064のまわりに取り付けられる。剛性ブレードガード4064のテーパは、クランプ4076がリム上に着座し、バッグ管4066から滑り落ちないよう補助する。バッグ管4066は、丸みを帯びた端部を有する。バッグ管4066の側部はウィンドウ付き開口部4070を有する。バッグ4002は最初に、トロカール、デリバリーシャフト、器具又はその他の配備方法を介して、開口部、オリフィス、又は開放創傷部を通して腹部の体内に導入される。次いでバッグの大きい方の端部4072を開いて、組織試料4078のまわりに配置する。次いでバッグ4002の大きい方の端部4072はシールされる。次いでバッグ管4066が体内に導入される。次いでバッグ4002が、クランプ4076を用いてバッグ管4066に取り付けられる。モルセレータ4000が取り付けられ、モルセレーションを開始する。ひとたび検体4078が縮小されると、検体回収システムは患者から引き出される。
図163A〜図163Cに示される別のバリエーションにおいて、バッグ4002は、バッグ管という名称のバッグ管4066に取り付けられる。バッグ4002は開放端を有する。バッグ管4066は丸みを帯びた端部を有する。バッグ管4066は、オーバーシースを有する。シースチップは2つのホールを有し、ニチノール又はその他の可撓性半剛性ドローストリング4052が半剛性バッグ開口部4068を開閉するのを促進する。シースはまた、管の軸に対して平行な2つのチャネルを有し、ニチノールの回収を促進する。管の側部は、ウィンドウ付き部分4070を有する。検体回収システムは、図163Bに示されるように、開口部を通して体内に導入される。次いでバッグ4002は、ドローストリング4052を配備することによって開かれ、ニチノール及びバッグ4002により形成されたネットで組織検体4078を囲むことによって、検体4078が回収される。このことは、グラスパ又はディセクタの支援を伴って又は支援なしで行うことができる。ひとたび組織4078が囲まれると、ニチノールを、ドローストリング4052を介して近位に回収することができ、これにより、バッグ4002を組織試料4078のまわりで閉じ、バッグ4002をシールする。モルセレータが取り付けられ、モルセレーションを開始する。ひとたび検体が縮小されると、検体回収システムは患者から引き出される。
別のバリエーションにおいて、バッグ4002は、上部に半剛性リングが取り付けられた開放上部を有する。バッグ4002は、きつくロールされ、次いでトロカールを介して腹部の中に配備することができる。バッグ4002は、次いで、グラスパによる操作によって、内部で開くことができる。検体4078がバッグ4002の中に装填され、バッグ4002は腹壁を通して回収される。バッグ4002全体が通り抜けることはない。表面まで出てくることが可能なのは半剛性リングだけである。モルセレーションを開始することができる。組織4078が十分に除去されたら、次いでバッグ4002を患者から引き抜くことができる。
ここで説明された組織ガードは、典型的には収納バッグと共に使用される。バッグは、身体開口部を通して体の内部に配置される。身体開口部は、患者の中へのあらゆる入口を指し、切開部位及び自然オリフィスを含むことができるが、これらに限定されない。標的検体は、典型的には、身体開口部を通して安全に除去するには大きすぎ、標的検体を身体開口部を通して摘出するためには、ブレードにより切断することなどの操作が必要である。低侵襲の、腹腔鏡による身体開口部は、通常、標的検体のサイズより小さい。標的検体をバッグの内部に配置し、バッグの口を患者の外部に引く。ガードをバッグの口の内部に配置し、身体開口部を横断して係留し、標的検体をガードの内腔の中に引き込む。ガードの内腔内にある間、標的検体は、保護されたモルセレーションゾーンにあり、ここで外科医は、摘出のためにブレードを用いて標的検体に達して切断することができる。ガードは迷走ブレードから保護し、さらに、組織を縮小するために配置することができる直接カッティング面を与える。ガードの全長が、典型的には、身体開口部の辺縁でバッグ及び組織を保護するモルセレーションゾーンの長さを定める。加えて、レトラクタを使用することができる。レトラクタは、バッグと一体的に形成することができ、又は別個の独立型装置とすることができる。本明細書で説明される典型的なレトラクタは、2つのリングの間に可撓性側壁材料が位置する2リングレトラクタである。レトラクタの側壁は、第1のリングのまわりにロールすることが可能であって、身体開口部の辺縁で組織を後退させることができるように構成される。レトラクタが使用される場合、辺縁組織とバッグとの間、又はバッグとガードとの間のバッグ内部に配置することができる。上の説明は、手動モルセレーションで使用されるガード、バッグ及びレトラクタの様々なバリエーションを説明する。動力モルセレーションでは、ガードはバッグの内部に挿入され、モルセレーションが実行される。動力モルセレーションの別のバリエーションにおいて、スタビリティキャップがバッグの近位リング又はガードの近位端に接続され、動力モルセレーションが実行される。スタビリティキャップは、ブレードが、ガード内部の所定のモルセレーションゾーンを越えて延びないこと、又は、ガードの遠位端を安全な短い距離だけ越えることを保証するように、ブレードの縦方向位置を決める役割を果たす。動力モルセレーションの別のバリエーションにおいては、レトラクタが使用され、この場合、レトラクタは、前述のように、辺縁組織とバッグとの間、又はバッグとガードとの間に配置され、モルセレーションが実行される。前のバリエーションにおいて、スタビリティキャップはレトラクタの近位リング、バッグの近位リング、又はガードの近位端と接続するように使用することができ、モルセレーションが実行される。子宮摘出術のような手技を行う場合、上述のバリエーションに加え、以下の手法の任意の1つを、上述のバリエーションの任意の1つと併せて使用することができる。1つのバリエーションにおいて、バッグは膣を通して配置され、バッグが体腔内部にある間に標的検体(例えば、子宮)をバッグの内部に配置し、次いでバッグの口を腹部切開部を通して引き、ここでガードをバッグの口の中に挿入し、モルセレーション、摘出、及びバッグの取り出しは腹部開口部において行われる。別のバリエーションにおいて、バッグは膣を通して配置され、バッグが体腔内部にある間に標的検体(例えば、子宮)をバッグの内部に配置し、次いでバッグの口を膣管を通して引き戻し、ここでガードをバッグの口の中に挿入し、モルセレーション、摘出、及びバッグの取り出しは膣において行われる。さらに別のバリエーションにおいて、バッグは腹部切開部を通して配置され、バッグが体腔内部にある間に標的検体(例えば、子宮)をバッグの内部に配置し、次いでバッグの口を膣管を通して引き、ここでガードをバッグの口の中に挿入し、モルセレーション、摘出、及びバッグの取り出しは膣において行われる。1つの他のバリエーションにおいて、バッグは腹部切開部を通して配置され、バッグが体腔内部にある間に標的検体(例えば、子宮)をバッグの内部に配置し、次いでバッグの口を腹部切開部を通して引き戻し、ここでガードをバッグの口の中に挿入し、モルセレーション、摘出、及びバッグの取り出しは膣において行われる。子宮又はその他の標的検体のモルセレーションに対する別の手法においては、バッグを省くことができる。こうした場合、切開部を腹壁に形成し、ガードを腹部の切開部を横断して配置し、子宮又はその他の標的検体を剥離して、ガードの中央内腔を通して引き、モルセレーション及び摘出は腹部切開部で行われる。あるいは、標的検体(例えば、子宮)は、膣を通してアプローチされ、ガードを膣管内部に配置しれ、標的検体を剥離して、ガードの中央内腔を通して引き、モルセレーション及び摘出は膣で行われる。バッグを用いない腹部アプローチのさらに別のバリエーションとして、手技は、膣を通して挿入された腹腔鏡を介して観察することができる。バッグを伴わない膣アプローチのさらなるバリエーションとして、手技は、腹部の切開部を通して挿入された腹腔鏡を介して観察することができる。
いくつかの場合においては、ガードが使用されない。ガードを用いない1つのこうしたバリエーションにおいて、バッグを、膣管を介して体腔内部に配置し、標的検体をバッグ内部に配置し、バッグの口を腹部の切開部を通して引き、レトラクタを、腹部切開部を横断してバッグ内部に配置することができ、モルセレーション、摘出、及びバッグの取り出しは腹部切開部で行われる。ガードを用いない別のバリエーションにおいて、バッグを、膣管を介して体腔内部に配置し、標的検体をバッグ内部に配置し、バッグの口を膣管を通して引き戻し、レトラクタを、膣管内部のバッグ内部に配置することができ、モルセレーション、摘出、及びバッグの取り出しは膣で行われる。ガードを用いない別のバリエーションにおいて、バッグを、腹部切開部を介して体腔内部に配置し、標的検体をバッグ内部に配置し、バッグの口を膣管を通して引き、レトラクタを膣管内部のバッグ内部に配置することができ、モルセレーション、摘出、及びバッグの取り出しは膣で行われる。ガードを用いない別のバリエーションにおいて、バッグを、腹部切開部を介して体腔内部に配置し、標的検体をバッグ内部に配置し、バッグの口を腹部切開部を通して引き、レトラクタを膣管内部のバッグ内部に配置することができ、モルセレーション、摘出、及びバッグの取り出しは腹部切開部で行われる。ガードなしでレトラクタを使用するバリエーションのいずれにおいても、これまでに述べた耐切断性レトラクタのいずれかを使用することが好ましい。また、ガードなしでレトラクタを使用するバリエーションのいずれにおいても、レトラクタはバッグと組織辺縁との間に配置することができる。また、ガードなしでレトラクタを使用する又は使用しないバリエーションのいずれにおいても、これまでに述べた耐切断性バッグのいずれかを使用することが好ましい。動力モルセレーションもまた、ガードを使用するいずれかの方法と共に使用することができる。こうした場合、スタビリティキャップが使用され、バッグの近位端又はリアクタの近位リングに接続される。
ガードなしでレトラクタを使用するバリエーションにおいて、耐切断性レトラクタを設ける。レトラクタは、第1のリングと、ウェビング又は側壁により相互接続された圧縮可能な第2のリングとを有する。レトラクタは、ウェビングを第1のリングのまわりにロールアップしてレトラクタの長さを縮小し、組織辺縁を後退させるように構成されている。底部リングは身体開口部を通して挿入され、患者の内部に存在し、一方、レトラクタの上部リングは患者の上に存在する。上部リングを、バッグと同様にそれ自体の上にロール/フリップして、レトラクタの下部リングをより近くに引き寄せ、側壁をリング間でピンと張った関係にする。レトラクタの下部リングは、有利には、患者内部でバッグの一部を後退させ、ブレードからの穿刺及び引き裂きにより生じる可能性がある潜在的な損傷から遠ざける。ウェビングの少なくとも一部は耐穿刺性の耐切断性材料で作られる。レトラクタは、収納バッグの中及び身体開口部の中に挿入して、バッグ及び組織辺縁を後退させ、レトラクタの第1のリング及び収納バッグの口は患者外部に存在し、レトラクタの第2のリング及び収納バッグの残りの部分は患者内部に存在するように構成される。身体開口部におけるレトラクタと組織辺縁との間のバッグのこの配置は、バッグを患者の体に対して係留する。1つのバリエーションにおいて、ウェビングの長さのおよそ4インチの遠位部分のみが、KEVLAR、DYNEEMA又はその他の耐切断性材料で作られ、ウェビングの近位部分は耐切断性材料では作られず、ポリウレタン又はその他の可撓性フィルムで作られる。この配置は、後退の際にウェビングの近位端をより容易に第1のリングのまわりにロールすることを可能にする。ウェビングの長さがローリングによって縮小されるに伴い、ウェビングの遠位側の耐切断性部分は、近位端又はレトラクタの第1のリングのより近くへ、そしてモルセレーションを保護する位置へ進む。厚くて嵩張ることがある耐切断性材料が少ないことにより、レトラクタはより安価になり、また、第1のリングのまわりにロールされる耐切断性材料が少ないので、第1のリングをフリップしロールするのがより容易になる。別のバリエーションにおいて、ウェビング全体が耐切断性材料で作られる。例えば膣で用いるための別のバリエーションにおいて、ウェビングの長さのおよそ5インチの近位部分のみが、KEVLAR、DYNEEMA又はその他の耐切断性材料で作られた耐切断性であり、ウェビングの遠位部分は耐切断性材料では作られず、さらなる可撓性及び遠位端での係留のためにポリウレタン又はその他の可撓性フィルムで作られる。完全腹腔鏡下子宮摘出術のような膣の外科手術手技において、近位端における第1のリングは、それほどロールダウンされる必要はない。したがって、ウェビングが第1のリングのまわりにかなりロールされ、近位端が耐切断性材料で形成されない腹部外科手術手技と比較すると、ウェビングの近位端は耐切断性材料で形成される。
本発明の1つの態様によれば、手動又は動力インサイチュモルセレーションのための汚染防止システムが提供される。システムは、口を有する収納バッグと、バッグの口の中に取外し可能に挿入されるように構成されたシールドとを含む。シールドは、モルセレーションのための作業チャネルを提供するととともに、バッグ及び周囲組織を保護する、中央内腔を有する。
本発明の別の態様によれば、組織検体を組織検体より小さい身体開口部を通して体腔から安全に除去するためのデバイスが提供される。デバイスは、身体開口部に係留されるように構成された取外し可能なシールドを含む。デバイスは、身体開口部とシールドとの間に位置するバッグ又はレトラクタをさらに含む。
本発明の別の態様によれば、中央開口部を定める側壁を有するシールドが提供される。シールドは、シールドを身体開口部内に係留するための、C形の凹面の外面を含む。
本発明の別の態様によれば、中央開口部を定める側壁を有するシールドが提供される。シールドは、シールドを身体開口部内に係留するための、C形の凹面の外面を含む。シールドは、シールドの1つの部分がシールドの別の部分内に入れ子になるように分離しており、シールドは、シールドの入れ子部分を変更することによって、縮小横方向構成から拡大横方向構成に拡張可能であり、逆も可能である。
本発明の別の態様によれば、中央開口部を定める側壁を有する拡張可能なシールドが提供される。シールドは、第1の構成と第2の構成との間で可動である。第1の構成は、第2の構成にあるときの寸法よりも大きい寸法を有し、その寸法は縦方向及び/又は横方向寸法である。
本発明の別の態様によれば、大きい組織検体を身体の小さい開口部から除去するときに癌細胞を散布する可能性を防止するためのシステムが提供される。システムは、容器と、モルセレーションゾーンとを含む。モルセレーションゾーンは、容器内に挿入可能及び容器から取外し可能である。モルセレーションゾーンは、容器をモルセレーション器具による貫通から保護する。
本発明の別の態様によれば、シールドが提供される。シールドは、シールドに接続されたブレードを含む。ブレードは、所定の経路に沿ってシールドに対して可動であり、シールドは、所定の経路の少なくとも一部を囲んで、身体開口部の周囲の組織を保護する。
ここで図164〜図167を参照すると、本発明によるシールド5000が示されている。シールド5000は、可撓性の耐切断性材料のバンドを含む。シールド5000は、上端部5006及び底端部5008並びに第1の端部5010及び第2の端部5012によって相互接続された、内面5002と外面5004とを有する。バンドは、長軸を有する中央内腔を定めるように構成される。中央内腔は、長軸に対して垂直な内腔直径を有する。内腔直径は、長軸に沿って変化し得る。例えば、内面5002は、図164〜図167で示すように、凸面形のような形を定め、ここで内腔直径は、上端部5006及び底端部5008において、バンドの中央部又は胴部の内腔直径に比べてより大きい。1つのバリエーションにおいて、内面5002は、上端部5006から底端部5008まで一定の内腔直径を定め、又は角度付き若しくは漏斗様の形状又は他の湾曲若しくは形状を定める。外面5004は、形状が内面5002と実質的に一致しており、実質的に均一な厚さのバンドを定めるが、本発明はそれに限定されず、外面5004は、内面5002と異なる形状を取ることができ、及び/又は長軸に沿って異なるバンド厚を有することができる。本明細書で上述したような外面5004の湾曲した漏斗様又はC様の凹面形状は、シールド5000を身体オリフィス、切開部位又は他の開口部に挿入したときに、組織辺縁に係留することを補助する。また、上端部5006で直径がより大きい形状は、手動モルセレーションの実行及び周囲組織の保護のためのカッティングボード表面を提供することを支援する。例えば、内面5002が上に面して長軸に垂直又はほぼ垂直であり、外面5004が下向きに組織に面した、例えば下向きに腹壁に面した、より平らでより平面的な上端部5006の配向は、より大きい保護的な重なり又はより大きいカッティングボード様表面を形成する。図164〜図167のバリエーションにおいて示されるように、バンドの外面は、上端部5006から底端部5008まで長軸に沿って凹面又は湾曲を有し、かつ、第1の端部5010から第2の端部5012までガードのまわりに円周方向に延びる。シールド5000は、プラスチックのような可撓性の弾性材料で作られ、静止内腔直径を定める静止構成を有するように成形される。静止構成は、図164〜図166に示されており、第1の端部5010と第2の端部5012との間にギャップが定められる。ギャップは、およそ5〜10度であり、およそ4〜6mmの弧長を有する。静止内腔直径は、胴部においておよそ40mmである。シールド5000は、弾性かつ可撓性であるので、その内腔直径は、バンドを内方に曲げて及びターンさせてギャップを縮小すること、及び、バンドの第1の端部5010と第2の端部5012とを重ねて内腔直径を小さくすることによって、又はバンドを外方に曲げて又は屈曲させてギャップを増大させ、内腔直径を静止内腔直径に対して増大させることによって、調整可能である。静止内腔直径に比べて増大又は縮小した内腔直径から、バンドは、その弾性の性質ゆえに、ほぼ静止構成及び静止内腔直径に向かってスプリングバックしようとする傾向がある。1つのバリエーションにおいて、静止構成は、ギャップを有さない。バンドの直径が縮小するにつれて、第1の端部5010は、第2の端部5012に重なって、上部又は底部から見たときにスパイラル形を形成する。第1の端部5010におけるバンドの外面5004は、第2の端部5012における内面5002の少なくとも一部に面し、その結果、第1の端部5010に近いバンドの部分が第2の端部5012に近いバンドの部分の中に入れ子になる。入れ子になったバンドの第1の端部の部分を収容するために、第2の端部の部分は、バンド壁の幅にほぼ等しい距離5014だけ、すなわち内面5002と外面5004との間の材料の幅(これはおよそ1〜3mm)だけ外方に段が付く(jog)ように構成されているので、バンドが入れ子になったとき、内面5002は、重なりの位置においてバンドの重なったセグメントによって小さくされることのない大きい内径を保持するようになっており、そのため、図167で見てとれるように、内面は、重なり位置との交差部において実質的に面一になる。内側リッジ面5016が、増大した内腔直径によって定められる、バンドの内面における外方に延びた段又は不規則性によってシールド5000内に形成される。増大した内腔直径は、バンドの円周の一部に沿って、リッジ5016から第2の端部5012まで延びる。内側リッジ5016は、第2の端部5012からおよそ127度で形成される。内側リッジ5016は、内面5002に対して形成され、内面5002から実質的に垂直に上端部5006から底端部5008へ縦に延びる。内側リッジ5016は、バンドが成形されるときに対応する外側リッジ5018を形成して、内側リッジ5016にて段を生成し、ここでバンドは、内側リッジ5016から第2の端部5012まで円周のまわりでおよそ127度、セグメント距離5014だけ内径が増大する。内側リッジ5016と第2の端部5012との間に、上端部5006と底端部5008との間に長軸に沿って延びる少なくとも1つのアバットメントが形成される。
第1の内側アバットメント5020は、内面5002上に形成される。第1の内側アバットメント5020の表面は、第2の端部5012に面し、内面5002に対して実質的に垂直であり、内面5002から外方に、長軸に沿って上端部5006と底端部5008との間に延びる。第1の内側アバットメント5020は、内面5002と外面5004との間のバンド材料の厚さとほぼ等しいかそれを上回る、内面5002からの高さを有する。第1の縮小構成において、第1の端部5010が第2の端部5012に重なって、第1の端部5010の外面5004が第2の端部5012の内面5002に面して重なったとき、第1の端部5010は、第1の内側アバットメント5020に接触して、内径のサイズのさらなる縮小をロックして防止するように構成される。この構成は、シールド5000を固定された直径方向/横方向寸法でロックする役割を果たし、シールド5000は、シールド5000の外周の一部のまわりに円周方向にある程度の重なりを維持する。このロックは、シールド5000が身体オリフィス又は切開部の内部に配置され、そこで組織の力が中央内腔をつぶして内径をさらに縮小しようとする傾向があるときに、特に有用である。中央内腔は、作業チャネルの役割を果たし、ロックは、シールド5000の少なくとも一部が第1の内側アバットメント5020に接触したときに生じる。第1の内側アバットメント5020は、第2の端部5012からおよそ30度に位置する。第1の端部5010が第1の内側アバットメント5020に接触したとき、内径は、およそ36mmである。
シールド5000は、第2の端部5012からさらに遠い距離にある第2の内側アバットメント5022をさらに含む。具体的には、第2の内側アバットメント5022は、第2の端部5012からおよそ65度に位置する。第2の内側アバットメント5022は、内面5002上に形成される。第2の内側アバットメント5022の表面は、第2の端部5012に面し、内面5002に対して実質的に垂直であり、内面5002から外方に、長軸に沿って上端部5006と底端部5008との間に延びる。第2の内側アバットメント5022は、内面5002と外面5004との間のバンド材料の厚さとほぼ等しいかそれを上回る、内面5002からの高さを有する。第1の内側アバットメント5020及び第2の内側アバットメント5022は、実質的に平行である。縮小された直径方向/横方向構成において、第1の端部5010が第2の端部5012に重なって、第1の端部5010の外面5004が第2の端部5012の内面5002に面して重なったとき、第1の端部5010は、第1の内側アバットメント5020又は第2の内側アバットメント5022のいずれかに接触して、内径のサイズのさらなる縮小をロックして防止するように構成される。第2の内側アバットメント5022は、第1の内側アバットメント5020と同様に、シールド5000を固定された直径方向/横方向寸法でロックする役割を果たし、シールド5000は、シールド5000の外周のまわりに円周方向にある程度の重なりを維持する。このロックは、シールド5000が身体オリフィス又は切開部の内部に配置され、そこで組織の力が中央内腔をつぶして内径をさらに縮小しようとする傾向があるときに、特に有用である。中央内腔は、作業チャネルの役割を果たし、ロックは、シールド5000の少なくとも一部が第2の内側アバットメント5020に接触したときに生じる。第1の端部5010が第2の内側アバットメント5022に接触したとき、内径は、およそ33mmである。第1の端部5010が第2の内側アバットメント5022に接触したとき、第1の内側アバットメント5020は、外面5004に当接して位置する。第1の内側アバットメント5020を収容するために、第1の外側アバットメント5024又は受入れ領域5024が外面5004に形成される。図示されているような1つのバリエーションにおいて、受入れ領域5024は、その中に形成されたアバットメントを含み、別のバリエーションにおいて、受入れ領域は、アバットメント面を有するように構成されない。第1の外側アバットメント5024は、第1の端部5010からおよそ30度に位置する。第1の外側アバットメント5024は、外面5004上に形成される。第1の外側アバットメント5024の表面は、第1の端部5010に面し、外面5004に対して実質的に垂直であり、外面5004から内方に、長軸に沿って上端部5006と底端部5008との間に延びる。第1の外側アバットメント5024は、内面5002と外面5004との間のバンド材料の厚さとほぼ等しいかそれを上回る、外面5004からの高さを有する。第1の外側アバットメント5024並びに第1の内側アバットメント5020及び第2の内側アバットメント5022は、実質的に平行である。第1の端部5010が第2の端部5012に重なって、第1の端部5010が第2の内側アバットメント5022に接触したとき、第1の内側アバットメント5020は、第1の外側アバットメント5024に面してこれと接触し、内径のサイズのさらなる縮小をロックして防止する。
シールド5000は、第2の端部5012からさらに遠い距離に位置する第3の内側アバットメント5026をさらに含む。具体的には、第3の内側アバットメント5026は、第2の端部5012からおよそ100度に位置する。第3の内側アバットメント5026は、内面5002上に形成される。第3の内側アバットメント5026の表面は、第2の端部5012に面し、内面5002に対して実質的に垂直であり、内面5002から外方に、長軸に沿って上端部5006と底端部5008との間に延びる。第3の内側アバットメント5026は、内面5002と外面5004との間のバンド材料の厚さとほぼ等しいかそれを上回る、内面5002からの高さを有する。第1の内側アバットメント5020、第2の内側アバットメント5022及び第3の内側アバットメント5026は、実質的に平行であり、内面5002の円周のまわりでほぼ等しく離間する。縮小された直径方向/横方向構成において、第1の端部5010が第2の端部5012に重なって、第1の端部5010の外面5004が第2の端部5012の内面5002に面して重なったとき、第1の端部5010は、第1の内側アバットメント5020、第2の内側アバットメント5022、又は第3の内側アバットメント5026のいずれかに接触して内径を可変に調整するように、そしてこのとき内径のサイズのさらなる縮小をロックして防止するように構成される。第3の内側アバットメント5026は、第1の内側アバットメント5020及び第2の内側アバットメント5022と同様に、シールド5000を固定された直径方向/横方向寸法でロックする役割を果たし、シールド5000は、シールド5000の外周のまわりに円周方向にある程度の重なりを維持する。このロックは、シールド5000が身体オリフィス又は切開部の内部に配置され、そこで組織の力が中央内腔をつぶして内径をさらに縮小しようとする傾向があるときに、特に有用である。第1の端部5010が第3の内側アバットメント5026に接触したとき、内径は、およそ30mmである。第1の端部5010が第3の内側アバットメント5024に接触したとき、第1の内側アバットメント5020及び第2の内側アバットメント5022は、外面5004に当接して位置する。第1の内側アバットメント5020及び第2の内側アバットメント5022を収容するために、第1の外側アバットメント5024が外面5004に形成され、第2の外側アバットメント又は受入れ領域5028が外面5004に形成される。1つのバリエーションにおいて、受入れ領域にアバットメント面を設け、別のバリエーションにおいて、受入れ領域は、内側アバットメントを面一で収容するようなサイズ及び構成にされる。第2の外側アバットメント5028は、第1の端部5010からおよそ65度に位置する。第2の外側アバットメント5028は、外面5004上に形成される。第2の外側アバットメント5028の表面は、第1の端部5010に面し、外面5004に対して実質的に垂直であり、外面5004から外方に、長軸に沿って上端部5006と底端部5008との間に延びる。第2の外側アバットメント5028は、内側アバットメントの高さ又は内面5002と外面5004との間のバンド材料の厚さとほぼ等しい、外面5004からの高さを有する。第2の外側アバットメント5028、第1の外側アバットメント5024及び第1の内側アバットメント5020、第2の内側アバットメント5022及び第3の内側アバットメント5026は、実質的に平行である。第1の端部5010が第2の端部5012に重なって、第1の端部5010が第3の内側アバットメント5026に接触するようになったとき、第1の内側アバットメント5020は、第2の外側アバットメント5028に面してこれと接触し、第2の内側アバットメント5022は、第1の外側アバットメント5020に面してこれと接触し、内径のサイズのさらなる縮小をロックして防止する。
シールド5000は、第1の端部5010から第2の外側アバットメント5028よりもさらに遠い距離に位置する第3の外側アバットメント5030をさらに含む。具体的には、第3の外側アバットメント5030は、第1の端部5010からおよそ100度に位置する。第3の外側アバットメント5030は、外面5004上に形成される。第3の外側アバットメント5030の表面は、第1の端部5010に面し、外面5004に対して実質的に垂直であり、外面5004から内方に、長軸に沿って上端部5006と底端部5008との間に延びる。外側アバットメントの内方延長部は、内面5002上にランプ様表面を形成する。第3の外側アバットメント5030は、バンド又は内側アバットメントの厚さとほぼ等しいか又はそれを上回る、外面5004からの高さを有する。第3の外側アバットメント5030は、図167に示すように、第1の端部5010が内側リッジ5016に当接したとき、第1の内側アバットメント5020を収容し及び受けるように構成される。別のバリエーションにおいて、第1の端部5010は、本明細書で説明したような内側リッジ5016として構成されていない第4の内側アバットメントに当接する。第1の内側アバットメント5020、第2の内側アバットメント5022及び第3の内側アバットメント5026は、実質的に平行である。縮小された直径方向/横方向構成において、第1の端部5010が第2の端部5012に重なって、第1の端部5010の外面5004が第2の端部5012の内面5002に面して重なったとき、第1の端部5010は、第1の内側アバットメント5020、第2の内側アバットメント5022、第3の内側アバットメント5026又は内側リッジ5016のいずれかに接触して内径を可変に調整し、そしてこのとき内径のサイズのさらなる縮小をロックして防止するように構成される。1つのバリエーションにおいて、内側リッジを含む内側アバットメントの全ては、実質的に等しい距離で離間する。第1の端部5010は、図167において内側リッジ5016に接触して示されており、およそ28mmの最小の相対内径を有するシールド5000を構成する。第1の端部5010が内側リッジ5016に接触したとき、第1の内側アバットメント5020、第2の内側アバットメント5022、及び第3の内側アバットメント5026は、外面5004に接して位置し、具体的には、それぞれ、第3の外側受入れ領域又はアバットメント5030、第2の外側受入れ領域又はアバットメント5028、及び第1の外側受入れ領域又はアバットメント5024の中に又はこれに当接して受け入れられる。シールド5000をロック解除するためには、内側に入れ子になったシールド5000のセグメントである第1の端部5010を長軸に向かって移動させて、当接した表面同士を解除する。第1の端部5010は、例えば上端部5006又は底端部5008の近くなどで、タブ、テクスチャ付き表面を有するグリップ、又はコントラスト着色領域のようなマーカ5032によって境界を定められ、ユーザにシールド5000のどちらの端部をシールド5000内に入れ子にするかを示すインジケータとしての役割を果たすので、それに従ってアバットメントがインターロックする。また、マーカ5032は、シールドを引く又は把持するためのテクスチャ付き位置を設けることによって、ロック構成からのシールド5000の引抜き又は解放を促進する。マーカ5032は、シールドが長軸に沿って非対称である場合に、ユーザにシールドのどちらの側を上にするかを示す方向に関する目的に、さらに役立つことができる。
3つの内側アバットメント5020、5022、5026、3つの外側アバットメント5024、5028、5030及び1つの内側リッジ5016を、特定の間隔及び角度関係で説明してきたが、本発明は、それに限定されず、任意の数の内側アバットメントを設けて、可変ロック構成を提供し、所望の作業チャネルの内径を達成することができる。さらに、ギャップは、緩和構成においておよそ8度として示されているが、本発明は、それに限定されず、シールド5000は、より大きいギャップ若しくはより小さいギャップを有するか、又はギャップを有さなくてもよい。上述のように、シールド5000は、第1の端部5010が、内径を可変に選択し及び固定するときにアバットメント、具体的には1つ又は2つ以上の内側アバットメント5020、5022、5026及び/又は1つ又は2つ以上の内側リッジ5016に接触する、機能的ロック縁部としての役割を果たすように設計される。別のバリエーションにおいて、第1の端部5010は機能的縁部としての役割を果たさず、代わりに外側アバットメントが、1つ又は2つ以上の内側アバットメント5020、5022、5026に接触したときに、機能的ロック縁部としての役割を果たす。そして、上述のようなシールドのさらに別のバリエーションにおいて、第1の端部5010と、1つ又は2つ以上の外側アバットメント5024、5028、5030とが、機能的ロック縁部としての役割を果たし、ここで1つ又は2つ以上のアバットメントが固定直径位置で同時に接触する。各内側アバットメントは、三角形様の傾斜した内面5002からの突出部を形成し、外側アバットメントは、対応して形作られた、より大きい三角形様の傾斜した外面5004内への凹み又は突出部を形成し、これはより小さい内側アバットメントを受けるように構成されており、その結果、1つ又は2つ以上の内側アバットメント表面が1つ又は2つ以上の外側アバットメントと接触するか、又は外側アバットメントと接触することなく受入れ領域内に単に受け入れられるようになっている。1つのバリエーションにおいて、内側及び外側アバットメントの形状は、ロック能力をさらに高めるための摩擦嵌め又はスナップ嵌め構成をさらに含むことができ、ここで特徴は、増大した摩擦ロック、レッジ又はゲートを提供するリッジを含む。内面5002における傾斜突出部は、縮小構成から拡大構成へのシールドの拡張を促進する。例えば、シールドを切開部/オリフィス内に挿入するとき、シールド5000は、最初にカールされて、小切開部/オリフィス内に嵌めることができるように縮小構成にされ、次いでシールド5000はアンカールされてより大きい直径構成にされる。縮小構成をアンカールしてより大きい直径の構成にするとき、外面5004の部分は、内面5002上の傾斜した突出部を登って乗り越える(ramp up and over)ことになる。外面が内面を乗り越えた後、内側アバットメントは、外側アバットメントと接触して、第1の停止又はロック位置を生成する。シールド5000は、次にさらにアンカールさせることができ、外面は外側アバットメントの位置で内面の突出部の上を乗り越えて、内側アバットメントと外側アバットメントとが互いに接触する別のロック位置に至り、以下同様である。それゆえ、シールドの拡張は、ラチェット様の方式で行われ、直径寸法は、1つ又は2つ以上のアバットメントとのロック相互作用の間で段階的に徐々に増大する。1つのバリエーションにおいて、シールド5000は、外面に形成された外側アバットメントを有さない。代わりに、シールド5000は、内側アバットメントを受けるための受入れ領域を有し、その上に外面が重なって面一のロック位置を提供し、この場合、ロック機能は、内側アバットメントが第1の端部5010に接触したとき、又は1つのバリエーションにおいて、受入れ領域内に形成された1つ又は2つ以上の外側アバットメントに接触したときに行われる。それゆえ、外面5004に形成されたアバットメントのために構成されていない受入れ領域は、外面において任意の形状を有することができる。受入れ領域に対向する位置にある内面は、縮小構成と拡大構成との間のシールドの運動を促進する、傾斜構成又は他の湾曲構成を有することができる。この傾斜特徴は、シールドをアンカールしてより大きい直径にすることが、ロック構成を機械的にロック解除する別個のステップを必要としないので、有利には、シールド5000を使いやすくする。代わりに、シールドは、単にカールされる又はそれ以外に円周方向に移動され、ラチェット様の方式で、内側突出部を乗り越して隣接するアバットメントのロック位置に入る。
図164〜図167に示すシールド5000は、4つの相異なる内径サイズを有するように調整可能である。切開部又は身体オリフィスの内部に挿入されるとき、シールド5000は、保護を提供し、およそ1インチ以下の切開部に追従することができる。もちろん、より大きいシールド5000を、膣管のようなより大きい切開部/オリフィス内部に配置されるように作成することができる。このようなシールドは、図164〜図167に示されているものよりも長い長さを有するように作成することもできる。シールド5000は、切開部/オリフィスにおいて組織の後退をもたらす。切開部/オリフィスに挿入されるとき、シールド5000は、カールされて、小切開部/オリフィス内に挿入される縮小構成にされ、次いでシールド5000は、アンカールされてより大きい直径構成にされ、シールドのロック位置をカスタマイズするために複数のロック位置が利用可能である。それゆえ、シールド5000は、シールド直径及び作業チャネルの拡大と同時に、切開部又はオリフィスの後退、拡大の機能の役割を果たす。図164〜図167のシールド5000により、シールドは、後退を提供するとともに、直径およそ1.5インチまでの切開部に追従することができる。周囲組織の後退は、作業スペースを増大し、ユーザに、より良い安定性をもたらす。
さらに、シールド5000のロック機構は、外部からシールド5000にかかる、及び外面5004にかかる半径方向圧力に依存するので、ユニークである。それゆえ、シールド5000、特にシールドのロック機構は、1つのバリエーションにおいて、シールドが、シールドの最小縮小構成の内径に等しいか又はそれより小さいサイズの切開部に挿入されるときに機能する。周囲組織は、シールド5000の外周の円周方向のまわりに半径方向の力を及ぼし、これは、第1の端部5010を内側アバットメントの1つ又は2つ以上、又は内側リッジと当接させ、及び/又は、1つ又は2つ以上の内側アバットメントを1つ又は2つ以上の外側アバットメントと当接させる。周囲組織辺縁は、シールドに圧縮力を及ぼす。シールドは、シールドの円周に対して接線方向の力の成分を利用するように構成され、内側及び/又は外側両方の垂直アバットメント、及び/又はリッジ及び/又は第1の端部を動かして、1つ又は2つ以上の他のアバットメント又はリッジ、第1の端部又は他の垂直構造体と接触させ、それによりシールドがつぶれることを防ぐと当時に、ロック特徴を設けるように構成される。アバットメント/端部/リッジなどの円周面に対して垂直なシールドの構造体は、構造を支持し、これを補強してシールドをより強くする。所与のロック位置に対して1つよりも多くのアバットメント対の表面が同時に接触するようなロック位置及び構成を有するシールドのバリエーションは、シールドをより強くし、後退した組織位置をつぶそうとする傾向がある力に耐えることをより可能にする。組織開口部内部にあって、組織を後退させてシールド周囲の組織の圧力を受けている間に、シールドの半径方向強さをさらに高めるために、ロック機能の役割を果たす接触面を形成するアバットメント/リッジ/端部の任意の1つ又は2つ以上は、シールドの長さに沿って上部から底部まで強度及び実質的に均一な補強をもたらすために、上端部5006又は上端部5006の近くから底端部5008又は底端部5008の近くまで延びるか、又は少なくともシールドの表面長さの50パーセントに等しいか又はそれ以上延びる。シールドが切開部/オリフィス内に位置している間にシールドにかかる組織圧力は、前縁及び外側アバットメントが対応する内側アバットメントに入ることを強制し、また、シールド内に形成されたリッジ及び段(それらの距離は、シールド壁の幅に等しい)に起因してシールドの重なった面がシールド内で面一に配置されることを可能にする。シールドは、より大きい静止構成に向かうように成形され付勢されているので、シールドにかかる組織圧力がないとき、表面同士が当接した縮小構成に構成されたシールドは、縮小されロックされた構成のままにはならない。それゆえ、ロックは、1つのバリエーションにおいて、ロック構成をもたらすために組織圧力を必要とする、リビングロック(living lock)である。切開部/オリフィスの位置での組織圧力は、協働して、アバットメント表面をロック構成の状態にして、そこで保持する。使用時、シールドは、最初にギャップを閉じ、バンドの第1の端部をバンドの第2の端部の少なくとも一部と重なった構成にすることによって、静止構成から縮小構成に配置される。重なり部分は、バンドをカールダウンして、内径を、切開部/オリフィス内に嵌るサイズまでさらに縮小することによって増大する。シールドは、切開部/オリフィス内に挿入されて切開部/オリフィス内部で解放され、そして、切開部/オリフィスの直径がシールドの縮小構成より小さいことにより生じる、又はシールドのサイズが縮小構成からアンカールすることによって増大することにより生じる、周囲組織からの圧力を受ける。シールドは、逆方向にカールされてシールドの内径を増大する。内径の増大は、切開部/オリフィスの辺縁において組織を後退させる傾向がある。組織の後退は、組織がシールドに逆にかける付勢力を高める。シールドの重なり量を減らすことで、アバットメントはラチェット方式で連続したロック位置になり、そこで1つ又は2つ以上のアバットメントが互いに又は端部若しくはリッジと接触する。アバットメントとの接触は、シールドがつぶれることを防止し、内径を固定する。シールドの長軸に沿って上部から見たときに、シールドは、縮小構成にあるとき、長軸に対して垂直な平面内でスパイラル形を形成する。静止構成にあるとき、シールドは、1つのバリエーションにおいて、開放円又は開放楕円を形成する。別のバリエーションにおいて、シールドの第1の端部は、シールドの第2の端部にわずかに重なる。ロック機構は、組織圧力と協働して、シールドを切開部/オリフィスに係留する役割を果たす。ロックがあるので、外面の積極的な(aggressive)C形湾曲は、切開部/オリフィス内へのシールドの係留を補助するのに必ずしも必須ではない。ロックがない場合、積極的なC形外面の下部フランジを切開部/オリフィス内にウェッジのように押し込み、上部フランジを組織表面に接して静置することが、患者に対してシールドを係留することを補助する。ロック機構は、有利には、作業チャネル及び内径を、バンドの側壁に対する積極的C形湾曲によって低減されることなく、最大化することを可能にする。1つのバリエーションにおいて、シールドは、内径を最大化するために、湾曲したプロファイルを有さず又はごくわずかに湾曲したプロファイルしか有さず、患者に対してシールドを係留するロック機構により多く依存する。バンドの第2の端部の外方の段は、バンドの1つの部分がバンドの別の部分と重なる位置において内径をさらに最大化して、重なりの位置で内径が縮小されるかわりに均一で面一の内径を生成する。1つのバリエーションにおいて、シールドは、外側アバットメントを有さないが、代わりに受入れ領域を有し、これはシールドをスパイラルにして内側アバットメントと重ねたときに内側アバットメントを受けるようなサイズ及び構成にされる。受入れ領域は、重なったバンドが中央内腔に向かって内方に座屈することを防止する。代わりに、内側アバットメントは、受入れ領域内に受け入れられ、内径を最大化し、内径のまわりで、バンドの重なり部分の位置であっても面一のバンドの配置を生成する。シールドが最小内径を有する最も縮小した構成において、第1の端部は、内側リッジに接触し、すべての内側アバットメントは、受入れ領域内に受け入れられるか又は対応する外側アバットメントと接触する。
ここで図168を参照すると、本発明による別のシールド5000が示されており、同様の符号は同様の部分を示すために使用されている。第1の端部5010は、第2の端部5012内に形成されたスロット5036の内部に嵌るようなサイズ及び構成にされた突起5034を含む。スロット5036に対する突起5034の当接が、ロック構成を生成し、内径のさらなる縮小を防止する。図168に示すように、スロット5036は、実質的に垂直に配向され、スロット5034は、シールドのバンドの湾曲に追従するように湾曲している。1つのスロット5036が示されているが、複数のスロット5036を設けてロック直径に可変性をもたらすことができる。
ここで図169〜図170を参照すると、ロックシールド5000の別のバリエーションがある。シールド5000は、第2の端部5012内に形成されたスロット5036内に摺動するように構成された第1の端部5010を含む。複数のスロット5036を設けてロック直径に可変性を与える。各スロット5036は、実質的にC形であってタング5038を形成し、その後ろに第1の端部5010を挿入して内径を固定する。シールド5000は、バンドのインターロックされたセグメント同士を引き離すことによって直径を増大させることによって、ロック解除される。
ここで図171を参照すると、ロック機構を有するシールド5000の別のバリエーションがある。シールド5000は、第2の端部5012内に形成された1つ又は2つ以上の縦スロット5036を含む。複数のスロット5036を設けてシールド5000にロック位置に可変性を与える。第1の端部5010は、突起5034を含み、これはスロット5036のいずれか1つの内部に受け入れられるようなサイズ及び構成にされた外方に延びるフック5040を有する。フック5040は、スロット5036開口部に当接して、内径の縮小又は拡張を抑止する。ロックは、第1の端部5010を内方に曲げてフック5040をスロット5036開口部から外すことによって解放される。
ここで図172〜図174を参照すると、ロック機構を有するシールド5000の別のバリエーションが示されている。シールド5000は、1つ又は2つ以上の穴5042を設けた第1の端部5010を含む。複数の穴5042は、バンドに沿って可変のロック位置を与えるように設けられ、内径を調整し、これを所望の位置にロックする。シールド5000の第2の端部5012は、突起5034を含む。突起5034は、ネック部分5044に接続された円形ヘッドを含む。突起5034は、バンドの内面5002から半径方向内方に延びる。各穴5042は、2つの部分を有する。穴5042の第1の部分は、図172に示すように、突起5034のヘッドに対応する形の開口部を含み、突起5034のヘッドが穴5042を通ることを可能にするようなサイズにされている。図174に示すように、突起5034は、次にネック部分5044のためのチャネル及びヘッド部分のための拘束部を形成する穴5034の第2の部分内へ移動し、その結果、突起5034が穴5034の第2の部分の内部に在るとき、ヘッド部分は、ヘッド部分を穴5034の第1の部分と位置合わせしてこれを通過させない限り、取り外すことができないようになっている。スロット−ロックは、第2の部分5012の突起5034のヘッド部分を、第1の端部5010に沿った穴5042の1つの中に固定して、内径を固定及びロックし、そのサイズが拡張又は縮小することを防止する。
ここで図175を参照すると、ロック機構を有するシールド5000の別のバリエーションが示されている。ロックは、第1の端部5010の近くで外面5004から外方に延びる突起5034を含む。突起5034は、縦方向に配向している。第2の端部5012は、1つ又は2つ以上の、対応する形状の縦方向に配向したスロット5036を含む。複数のスロット5036を、シールド5000のサイズ及び内径の調整の可変性のために設ける。第1の端部5010を内方に曲げて第2の端部5012の内部に入れ子にして、シールド5000をスパイラルにして、より小さい内径にする。特定の外科的目的のための所望の内径を達成するとき、突起5034を所望の内径のための所望のスロット5036に位置合わせして、突起5034をスロット5036内に挿入する。突起5034は、スロット5036に当接して、シールド5000のサイズ及び内径の拡張又は縮小を防止し、それによりシールド5000の内径を所望の構成でロックする。シールド5000をロック解除するために、第1の端部5010を内方に曲げるか又は第2の端部5012を外方に曲げて突起5034をスロット5036から解除することによって、突起5034をスロット5036からに逆方向に押し戻して外す。ロック解除構成において、内径のサイズを縮小することができるので、これを切開部又は身体オリフィスから容易に引き出すことができる。シールド5000は、切開部/オリフィス内に存在している間に、所望により、増大又は縮小した内径を有するように再調整され、再ロックされることができる。
ここで図176を参照すると、ロック機構を有するシールド5000の別のバリエーションが示されている。ロックは、第1の端部5010及び第2の端部5012の一方の近くで内面5002から外方に延びる1つ又は2つ以上の突起5034を含む。突起5034は、横方向に、内面5002及び/又は長軸に対して垂直に、配向する。図176において、1つの突起5034は上端部5006の近くに位置し、別の突起(図示せず)は、底端部5008の近くに位置する。第2の端部5012は、1つ又は2つ以上の、対応する形状の横方向に配向したスロット5036を含み、これは1つ又は2つ以上の突起5034を受けるようなサイズ及び構成にされている。複数のスロット5036がシールド5000の円周に沿って設けられ、シールド5000のサイズ及び内径及びロック位置の調整の可変性を提供する。第1の端部5010を内方に曲げて第2の端部5012の内部に入れ子にして、シールド5000をスパイラルにして、より小さい内径にする。特定の外科的目的、切開部のサイズ、オリフィス又は摘出される組織のための所望の内径を達成するとき、1つ又は2つ以上の突起5034を所望の内径のための対応する1つ又は2つ以上のスロット5036に位置合わせする。各突起5034は、対応するスロット5036内に挿入される。突起5034は、スロット5036に当接して、シールド5000のサイズ及び内径の拡張又は縮小を防止し、それによりシールド5000の内径を所望の構成でロックする。上端部5006及び底端部5008は、互いに対して均一にロックされる。シールド5000をロック解除するために、第1の端部5010を内方に曲げるか又は第2の端部5012を外方に曲げて突起5034をスロット5036から解除することによって、突起5034をスロット5036から押し戻して外し、ロック解除構成を達成する。ロック解除構成において、内径のサイズを縮小することができるので、これを切開部又は身体オリフィスから容易に引き出すことができる。シールド5000は、切開部/オリフィス内に存在している間に、所望により、増大又は縮小した内径を有するように再調整され、再ロックされることができる。
ここで図177を参照すると、ロック機構を有するシールド5000の別のバリエーションが示されている。ロックは、第2の端部5012の近くで内面5002から外方に延びるとともにそれに対して垂直に延びる少なくとも1つのアバットメント5020を含む。アバットメント5020は、上端部5006と底端部5008との間で縦方向に配向して延びる。複数のアバットメント5020が設けられ、各々は、第2の端部5012から互いに離間されており、シールド5000のサイズ及び内径の調整における可変性をもたらす。複数のアバットメント5020は、内面5002に沿って複数の湾曲したステップの階段様配置を形成し、第1の端部5010は、これに対して当接するように構成される。第1の端部5010は、シールド5000の湾曲に対応する湾曲した縁部である。任意のサイズ及び形状のアバットメントを1つの位置に設けることができ、これと共に、シールド5000の他の側、又はシールドの内面又は外面に沿った他の位置に、第1の端部5010のような対応する形のアバットメントを設けることができる。第1の端部5010を内方に曲げて、第2の端部5012の内部に入れ子にする。シールドをスパイラルにして、より小さい内径にする。特定の外科的目的のために所望の内径を達成するとき、第1の端部5010又は第1の端部5010にある若しくはその近くの他のアバットメントは、シールド5000の第2の端部5012の近く又は他の側にあるアバットメント5020の1つに位置合わせされ、それに接触して配置される。第1の端部5010とアバットメント5020との接触は、シールドのサイズ及びその内径の縮小を防止する横方向/直径方向ロックを生じさせる。このロック構成は、しかしながら横方向/直径方向寸法の拡張を許容する。拡張が生じた場合、第1の端部5010は、移動して、隣接するアバットメント5020と接触することができ、これに対してスナップ嵌めされて、別のロック位置を生成する。ロックを解放するために、第1の端部5010を動かして、アバットメント5020との接触から外し、シールドサイズの可変性を自由にする。ロック解除構成において、内径のサイズを縮小することができるので、これを切開部又は身体オリフィスから容易に引き出すことができる。シールド5000は、所望により、増大又は縮小した内径を有するように再調整され、再ロックされることができる。
ここで図178を参照すると、ロック機構を有するシールド5000の別のバリエーションが示されている。ロックは、第2の端部5012の近くで内面5002から外方に延びるとともにそれに対して垂直に延びる少なくとも1つのアバットメント5020を含む。アバットメント5020は、上端部5006と底端部5008との間で縦方向に配向して延びる。複数のアバットメント5020が設けられ、各々は、第2の端部5012から互いに離間されており、シールド5000のサイズ及び内径の調整における可変性をもたらす。複数のアバットメント5020は、内面5002に沿って複数の湾曲したステップの階段様配置を形成し、第1の端部5010は、これに対して当接するように構成される。第1の端部5010は、シールド5000の湾曲に対応する湾曲した縁部である。任意のサイズ及び形状のアバットメントを1つの位置に設けることができ、これと共に、シールド5000の他の側、又はシールドの内面又は外面に沿った他の位置に、第1の端部5010のような対応する形状のアバットメントを設けることができる。シールド5000は、内面5002から外方に延びるとともに少なくとも1つのアバットメント5020に隣接して位置する1つ又は2つ以上の突起5034をさらに含む。1つの突起5034が、各アバットメント5020に隣接して設けられる。図178に示すバリエーションにおいて、3つのアバットメント5020が示されており、3つの突起5034が各アバットメント5020に隣接して示されている。突起5034は、円筒形状であるが、任意の形状にすることができる。アバットメント5020及び突起5034は、バンドの第2の端部5012に関連付けられる。バンドは、第1の端部5010又はその近くに形成された1つ又は2つ以上の穴5042を含む。穴5042は、突起5034を受けるようなサイズ及び構成にされ、シールド5000の1つの直径配置にあるとき、突起5034のすべてが対応する穴5042に挿入可能であるように離間されている。第1の端部5010を内方に曲げて、第2の端部5012の内部に入れ子にする。シールドをスパイラルにして、より小さい内径にする。特定の外科的目的のために所望の内径を達成するとき、第1の端部5010又は第1の端部5010にある若しくはその近くの他のアバットメントは、シールド5000の第2の端部5012の近く又は他の側にあるアバットメント5020の1つに位置合わせされ及びそれに接触して配置される。その際、対応する1つ又は2つ以上の突起5034は、対応する穴5042を貫通して、シールドを所定位置にロックする。第1の端部5010とアバットメント5020との接触は、シールドのサイズ及びその内径の縮小を防止する横方向/直径方向ロックを生じさせる。穴5042に対する突起5034の当接は、シールドのサイズ及びその内径の増大並びに縮小を防止する横方向/直径方向ロックを生じさせる。ロックを解放するために、第2の端部5012の1つ又は2つ以上の突起5034を動かして第1の端部5042の1つ又は2つ以上の穴5042から外し、第1の端部5010を動かしてアバットメント5020との接触から外して、シールドサイズの可変性を自由にする。ロック解除構成において、内径のサイズを縮小することができるので、これを切開部又は身体オリフィスから容易に引き出すことができる。もちろん、シールド5000を、所望により、増大又は縮小した内径を有するように再調整して再ロックすることができる。
ここで図179〜図180を参照すると、ロック機構を有するシールド5000の別のバリエーションが示されている。シールド5000は、バンドのまわりに又は少なくとも第1の端部5010の近く及び第2の端部5012の近くに、複数のひだ5046を含む。図179〜図180のバリエーションは、シールド5000の円周のまわりすべてにひだを含む。ひだ5046は、長軸に沿って延びる縦方向に配向した折り目である。折り目は、シールド5000の円周のまわりに複数のピーク5048と谷5050とを交互に形成する。ピーク5048は、長軸に向かって中央内腔内に内方に突起し、谷5050は、ピーク5048の間に位置する。谷5050は、長軸から遠ざかる方向及び中央内腔から遠ざかる方向に外方に突起する。ピーク5048及び谷5050は、対応して形作られ、各ピーク5048が各谷5050の中にインターロック方式で受け入れられ又は入れ子になるようになっている。ピーク5048は、バンドの曲がりによって形成される。ひだ5046は、長軸に沿って延びる縦方向の折り目又はベローである。ひだ5046は、円周のまわりに複数のヒンジ位置を設けることによって、シールド5000の直径方向/横方向寸法の縮小を促進する。内面5002におけるピーク5048は、外面5004において谷5050を形成する。第1の端部5010又は第2の端部5012を内方に曲げて、第1の端部5010又は第2の端部5012の他方の内部に入れ子にする。シールド5000をスパイラル又はカールして、より小さい内径にする。所望の内径を達成するとき、図180に示すように、1つ又は2つ以上のピーク5048を1つ又は2つ以上の谷5050内に入れ子にしてロック構成を形成し、ここでシールド5000の横方向/直径方向寸法の縮小及び拡張が固定される。第2の端部5012の内面5002の1つ又は2つ以上のピーク5048を第1の端部5010の外面5004の1つ又は2つ以上の谷5050の中に入れ子にして、接線方向、円周方向に当接させる。ロックを解放するために、1つ又は2つ以上のピーク5048を1つ又は2つ以上の谷5050内の当接から外す。ロック解除構成において、内径のサイズを縮小することができるので、これを切開部又は身体オリフィスから容易に引き出すことができる。もちろん、シールド5000を、所望により、増大又は縮小した内径を有するように再調整して再ロックすることができる。
ここで図181を参照すると、シールド6000の別のバリエーションが示されている。シールド6000は、プラスチック又は金属などの剛性材料又は他の材料で作られる。シールド6000は、外周6006と内周6008との間に、第2の端部6004と相互接続した第1の端部6002を含む。外周6006と内周6008との間で、シールド6000は、第1の端部6002と第2の端部6004との間に延びる変曲線を定める。図181の変曲線は湾曲しているが、本発明はそれに限定されない。シールド6000は、間に厚さを定める上面6012と対向する下面6014とを有する、フランジ6010を含む。フランジ6010は、実質的に平面であり、手動モルセレーションの実行及び隣接組織の保護のためのカッティングボード様表面を提供する。フランジ6010は、垂下部分6016と相互接続する。垂下部分6016は、フランジ6010の上面6012に連続した内面6018を含む。垂下部分6016は、フランジ6010の下面6014に連続した外面6020を含む。垂下部分6016は湾曲している。1つのバリエーションにおいて、第1の端部6002と第2の端部6004との間に定められた弧は、およそ180度より小さいか又は等しい。別のバリエーションにおいて、第1の端部6002と第2の端部6004との間に定められた弧は、およそ45度と290度との間である。シールド6000は、垂下部分6016が切開部又はオリフィス又は他の身体開口部内に挿入可能となるように構成され、切開部において組織辺縁を部分的に円周方向に後退させる。垂下部分6016は、フランジ6006を切開部位に固定するため、及び周囲組織の保護をもたらすための、フックとしての役割を果たす。シールド6000は、剛性かつ耐切断性であり、外科医は、フランジ6012に対して安全にモルセレーションできるようになっている。図181のシールド6000は、それ自体で用いて切開部/オリフィス内に直接挿入することもでき、又は本明細書で説明したレトラクタ及び/又は収納バッグとの組合せで使用することもできる。間にウェビングを有する2リング式レトラクタを切開部位又はオリフィス内に挿入し、本明細書で説明したように、上部リングをロールしてウェビングを上部リングのまわりに巻き付けることによって組織辺縁を後退させる。切開部/オリフィスを後退させた後、シールド6000をレトラクタの内部に配置して、モルセレーション手技中の不注意の切開から周囲組織及びレトラクタのウェビングを保護する。フランジ6010は、腹壁などの周囲組織に重なるのに十分に大きく、患者に対して保護のシェルフ/エプロンを提供する。垂下部分6016は、湾曲して示されているが、本発明はそれに限定されず、垂下部分は平ら又はC形であってもよい。C形垂下部分は、シールド6000を切開部位にフックすることを支援することができる。ガード及び/又はシールドについて本出願に記載した方法のすべては、互換的であり、本明細書に記載した又は当業者に公知の収納バッグ及び/又はレトラクタ及び/又は他のデバイスを伴う又は伴わないそれらの使用を含むがそれらに限定されない、本明細書に記載したガード及びシールドのすべてに適用可能である。
ここで図182〜図189を参照すると、膣管内の配置に適合したシールド7000の別のバリエーションが示されている。シールド7000は、膣への配置に適合されているが、これはサイズ及び形状にバリエーションを施すことによって、他のオリフィス及び/又は切開部内への配置にも適合させることができる。シールド7000は、バッテン7004に接続されたガード部分7002を含む。
さらに図182〜図189を参照すると、ガード部分7002は、外面7006と、内腔7010を定める内面7008とを有する実質的に管状の形状である。内腔7010は、円形又は長円などの任意の形状とすることができる。1つのバリエーションにおいて、内腔7010は、近位端開口部の長円形から中間部の円形、及び遠位端開口部の長円形まで移行する。内面7008は、外面7006に追従してそれらの間に厚さを定める。ガード部分7002は、耐切断性の可撓性ポリマーで作られる。別のバリエーションにおいて、ガード部分7002は、剛性である。先端の遠位端は、ガード部分7002と共に形成されたビード7012を含む。ビード7012は、遠位端開口部の外周に位置する。ビード7012は、湾曲表面を有し、ガード部分7002の側部に比べて増大した厚さを有する。ビード7012は、遠位端において寸法を増大させて、外面7006にフック様の特徴又は突出した不連続部を形成する。1つのバリエーションにおいて、ビード7012は、外面7006に対してのみ形成され、内面7008は、平滑であり、ビード位置に不連続部は存在しない。ガード部分7002は、近位端開口部も含む。ガード部分7002は、近位端開口部と遠位端開口部との間にシールド7000の長さを定める。シールド7000の長さは、シールド7000が膣の内部に配置されたときに、ビード7012が有利には恥骨をちょうど通り越したところまで延びてビード7012が患者の恥骨と係合し、シールド7000を解剖学的構造に対して固定してこれが膣から近位に引き出されることを防止するように構成される。したがって、ビード7012は、遠位端において、恥骨と係合することになるガード部分7002の上部に沿って、ガード部分7002の底部に比べて、より大きく又はより隆起している。1つのバリエーションにおいて、ビード7012は、遠位端開口部のまわりの全域にわたってサイズ及び形状を均一にすることができる。シールド7000は、必ずしも恥骨に対して係留される必要はなく、膣の筋肉壁に接触してもよい。1つのバリエーションにおいて、近位端開口部は、ビードを含まず、別のバリエーションにおいて、近端ビーズを設けて、近位端を、解剖学的構造又はその他のデバイス、例えばレトラクタ、収納バッグ、又はゲルカップのような他のアクセスデバイスのいずれかに係留することを支援する。
ここで図188を参照すると、ガード部分7002の形状を、ここでより詳細に説明する。ガード部分7002は、実質的に砂時計の様な形である。1つのバリエーションにおいて、砂時計形は、図188に示すように、角度付きの近位開口部及び角度付きの遠位開口部を含む。具体的には、遠位端開口部は、水平面に対して角度7016を成し、近位端開口部は、水平面に対して角度7018を成す。水平面は、長軸7020に対して実質的に垂直である。ページを貫いて延びる横軸(図示せず)は、近位及び遠位開口部を含む平面に対して平行である。1つのバリエーションにおいて、角度7016、7018は、実質的に等しく、近位及び遠位開口部を含む平面を互いに実質的に平行にする。1つのバリエーションにおいて、遠位端のみ角度付きであり、これは遠位開口部を含む平面が水平面に対して角度を成して水平面に対して90度未満の角度7016を形成することを意味し、上端部は前方に傾いて、これがシールドの挿入配向において先導するようになっている。角度付き近位端及び遠位端開口部は、有利には、シールド7000の膣オリフィス内への挿入を促進し、より低い挿入プロファイルを生成し、これは図189A及び図189Bに関してより詳細に説明される。さらに図188を参照すると、ガード部分7002の側部セクションは、長軸7020に関して湾曲しており、側部セクションの外面7006が凹面になり、内面7008が追従して凸面になっている。図188から見てとれるように、側部セクションは、実質的に双曲面の形状であるが、図示した断面における長軸7020に関する湾曲は、双曲線である必要はない。ガード部分7002の断面は、一般にC形として説明することができ、これを長軸7020のまわりで回転させて内腔7010及び管形状を生成する。図188はまた、側部セクションに対して増大したビード7012の厚さ、並びにガード部分7002の上部で底部に比べて減少したビード7012の厚さも示す。また、近位端開口部におけるガード部分7002の底部は、より大きいフランジ7022を有し、これは有利には、膣開口部の周囲の女性の解剖学的構造を覆って保護する。シールド7000は一般に、及び、ガード部分7002は特に、収納バッグ、レトラクタ、及び挿入位置における膣管組織をガードする保護面としての役割を果たす。シールド7000は、硬質、剛性、又は半剛性の、可撓性、追従性の、プラスチック若しくは耐切断性材料、又は当業者に好適な任意の材料で作られる。シールド7000は、周囲組織及び収納バッグ及び/又はレトラクタを、標的組織を摘出のために切断する又は縮小するために用いられる手術用メス、ブレード又はモルセレータなどのような鋭利な物体からガードする保護表面を提供する。シールド7000はまた、つぶれずに開放したままの有効な作業チャネルを維持する後退量を提供する。
ガード部分7002の上部は、バッテン7004を受け入れるようなサイズ及び構成にされたチャネル7024を含む。チャネル7024は、図187で明確に見ることができる。チャネル7024は、バッテン7004を受け入れるためのガード部分7002の近位端のチャネル開口部と、ビード7012の増大した厚さによって保護された閉鎖遠位端とを含む。チャネル7024は、バッテン7004をチャネル7024に挿入し及び取り出することができるように成形される。例えば、バッテン7004は、シールド7000の挿入のためにチャネル7024に挿入することができ、次いでシールドが解剖学的構造内に配置されたときに取り出すことができる。別のバリエーションにおいて、ガード部分7002は、バッテン7004の上に成形されるので、取外し可能ではない。バッテン7004は、接着剤又は他の手段で固定することができるので、別のバリエーションにおいてバッテン7004は取外し可能ではない。チャネル7024の周囲のガード部分7002は、側部セクションに比べて厚く、ガードに対する補強、及び、比較的剛性のバッテン7004からの解剖学的構造の保護を提供する。
図187Aを参照して、バッテン7004をここでより詳細に説明する。バッテン7004は、実質的にL形であり、湾曲した下部レッグ7026を有し、これはチャネル7024の湾曲及びガード部分7002の湾曲した側部セクションに追従する。上部レッグ7028は、実質的に直線状であり、挿入を目的として外科医の手によって容易に把持されるようなサイズ及び構成にされる。バッテン7004は、ガード部分7002よりも相対的に剛性の材料で作られ、ガード部分7002に、シールド7000の取扱い及び挿入並びに解剖学的構造へのシールド7000の固定を促進する剛性及び補強特性を与えるようになっている。それゆえ、バッテン7004は、剛性のポリマー、プラスチック又は金属で作ることができる。ガード部分7002の側部セクションは、バッテン7004よりも柔らかいデュロメータ硬度を有しており、バッテン7004が側部セクションのウェビングを補剛及び補強してシールド7000の挿入を促進するようになっている。バッテン7004の下部及び上部レッグ7026、7028は、およそ1インチの幅を有する。下部レッグ7026は、湾曲しており、その長さに沿って凹面の外面及びその幅に沿って凸面の外面を有する。下部レッグ7026はまた、湾曲しており、その長さに沿って凸面及びその幅に沿って凹面の内面を有しており、ガード部分7002の内面7008及び外面7006の形状に追従するようになっている。バッテン7004は、ガード部分7002の外周に沿ったどこに位置してもよい。例えば、バッテン7004は、図187Bに示すように、チャネル7024を伴って又は伴わずにガード部分7002の底部に配置することができ、ハンドル部分としての役割を果たすバッテン7004の上部レッグ7028を、モルセレーションが後方の保護を必要とする可能性があるときに患者の後方に向かって下向きに角度付けする。別のバリエーションにおいて、バッテン7004は、図187Cに示すように、構造から完全に省かれる。
ここで図189A〜図189Bを参照して、膣又は他のオリフィス/切開部内へのシールド7000の挿入をここで説明する。バッテン7004は、下部レッグを摩擦嵌め又は他のタイプの係合で受けるようなサイズ及び構成にされたチャネル7024内に挿入される。バッテン7004がチャネル7024内に保持されているときに、シールド7000をその上部レッグ7028によって把持し、オリフィスに対して角度を付けて、バッテン7004の下部レッグ7026の遠位端及び遠位端の丸みを帯びたビード7012が挿入を先導し、先端7030の役割を果たすようにする。シールド7000の移動は、上部レッグの近位端のまわりで振子様であり、弧状の挿入経路を生じさせる。角度付き遠位端開口部から生じるガード部分7002の形状は、ウェッジ様に近位方向にサイズが増大する先端7030を生成して、図189AでV形の点線7032で示される鋭角を形成する。このウェッジ様配置は、有利には、組織を後退させて挿入を促進する役割を果たす。ユーザは、先端7030で、進路に沿った組織オリフィスを後退させながらシールド7000を前進させ、次いでシールド7000を上方に回転させて、ビード7012の上部分において先端7030を恥骨又は他の組織の下に引っ掛けて、シールド7000を解剖学的構造に対して係留することができる。ユーザは、図189Aから図189Bまでの進行で見てとれるように、シールド7000を操作してシールド7000を上方/前方に回転させ、所定位置に置く。
ここで図190A〜図190Cを参照すると、バッテン7004を伴う又は伴わない、可撓性材料で作られたガード部分7002を有するシールド7000は、図190Aに示す未変形状態から、ガード部分7002を内腔7010内に折り込んで図190Bに示すような遠位端で縮小されたサイズを有する変形状態にすることによって、挿入のために操作される。シールド7000の底端部を、図190Aの矢印で示す方向に上方に曲げる。シールド7000の内腔7010の内部に挿入した指は、図190Cに示すように、ガード部分7002を容易に把持して、ガード部分7002を押しつぶして変形構成にするか、又は、ガードを折りたたんで、挿入に適した縮小した遠位端を有するU字形にすることができる。ひとたび所定位置に配置されると、指は、ガード部分7002を放すことができ、ガード部分7002は可撓性材料なので、ガード部分7002は、その未変形状態に向かってばね作用で付勢され、有利には膣内部に係留される。図190Dに示す別のバリエーションにおいて、イントロデューサ7036を使用して、オリフィス内へのシールド7000の挿入を促進する。
シールド7000は、レトラクタ724との組合せで使用することもできる。レトラクタ724は、図18〜図19に関して説明したのと同じレトラクタ62である。レトラクタ724は、可撓性側壁730によって相互接続された第1のリング726と第2のリング728とを含む。側壁730は、レトラクタ724の長軸に沿って延びる中央開口部を定める。第2のリング728を圧縮して、膣管を通して挿入することができ、そこでこれが拡張して、膣内部に接して固定部を形成する。第1のリング726は、患者の外部で膣の入口の上方に在り、そこでこれをロールダウンして、膣管を後退させて拡大することができる。シールド7000は、レトラクタ724の配置に続いて、レトラクタ724の中央開口部内に挿入される。シールド7000の遠位端のビード7012は、レトラクタの第2のリング728に接続されるように構成され、ガード部分7002のフランジ7022のなどの近位端は、第1のリング726に接続されるように構成され、シールド7000をレトラクタ724に固定する。シールド7000の近位端及び遠位端は、それぞれ第1及び第2のリング726、728の下又は上にスナップ嵌めすることができる。あるいは、レトラクタ724に、チャネル7024と、チャネル7024に挿入されるバッテン7004とを設けて、レトラクタ724の配置及び補剛を補助することができる。バッテン7004を除去してレトラクタ724の第1のリング726をロールダウンすることができ、次いでバッテン7004をチャネル7024内に再挿入してもよく、しなくてもよい。
子宮摘出術、子宮筋腫核出術又は他の手技において、子宮は、膣を通して、又は1つ又は2つ以上の腹部ポートを通して挿入された器具によって、身体から剥離される。子宮を剥離した後、シールド7000を、バッテン7004を使用して上述のように膣に直接挿入することができ、先端7030を操作して挿入を先導し、ビード7012を例えば恥骨の下に又は膣に当接して係留する。近位フランジ7022は、膣の入口近くに在る。剥離された子宮を把持して、シールド7000の内腔7010内に引き入れ、それに接してブレードで子宮を安全にモルセレーションすることができ、子宮をより小さいピースに切断して、膣を通して完全に除去することを可能にする。
別のバリエーションにおいて、収納バッグは、腹部ポートを通すか又は膣管を通すか、そのいずれかで腹腔内部に配置することができる。除去された子宮は、収納バッグ内に配置される。バッグは、つなぎ紐及び近位可撓性リングを含む。収納バッグのつなぎ紐を、膣を通して引く。収納バッグの近位リングを低プロファイル構成に圧縮して、膣を通して収納バッグの近位端を引くことを促進する。収納バッグのリングを身体外部に引き出し、開放構成に拡張して、これにより収納バッグの口を開く。収納バッグのリングは、膣の入口の外部に在る。収納バッグのリングをロールダウンして、バッグの側壁を収納バッグのリングの上にロールすることができる。この動作は、バッグ内部の除去された子宮を膣開口部の近くまで持ってくる。次いでシールド7000を収納バッグの口の中及び膣管の中に挿入する。近位フランジ7022は、膣の入口又はその付近に在る。1つのバリエーションにおいて、シールド7000の近位フランジ7022は、収納バッグのリングの下又は上にスナップ嵌めされる。このような実施形態において、近位フランジ7022は、バッグ、又はゲルキャップなどの他のデバイスにスナップ嵌めするためのビード様補強部を含むことができる。除去された子宮をグラスパで把持し、シールド7000の内腔7010に引き入れ、そこでモルセレーションを開始することができる。
シールド7000の遠位端は、上述のように角度付され、これは有利には、剥離された子宮をシールド7000の中に移動させることを補助する。子宮は、丸ごと又は部分ごとに完全に除去される前に、シールド7000内に少なくとも部分的に存在する間にブレードでモルセレーションされる。シールド7000は、有利には、周囲の組織並びに収納バッグを鋭利なブレードから保護し、収納バッグ及び閉鎖式モルセレーションシステムの完全性を維持することを補助する一方で、作業チャネルのスペースを拡張し及び増大する。
別のバリエーションにおいて、前段落と同様に同じ手技を行うが、レトラクタ724を、収納バッグ内に子宮を配置した後及び収納バッグのリングを体外に引き出した後に、収納バッグの口に挿入する。レトラクタ724の第2のリング728を、収納バッグの口に容易に挿入するために圧縮し、次いで腹腔内部の膣管の遠位位置において収納バッグ内部で拡張させて開放構成にする。体外に在るレトラクタ724の第1のリング726をそれ自体のまわりでロールして、レトラクタ724の側壁720を第1のリング726上にロールする。この動作は、膣管を後退させるのみならず、収納バッグも進路から後退させて、膣管をシールド7000の挿入のために空ける。収納バッグを、レトラクタと膣管との間に捕捉して、これを所定位置に保ち、これが膣管内又は外に移動することを防止する。次に、シールド7000を、収納バッグ内部にあるレトラクタ724の中央内腔に挿入する。シールド7000は、近位端及び遠位端の1つ又は2つ以上をレトラクタ724の第1のリング726若しくは第2のリング728、又は収納バッグのリングにスナップ嵌めすることによって、レトラクタ724又は収納バッグに取り付けることができる。次いで子宮を外科用器具で把持して、収納バッグの保護されてないパウチからシールド7000の中央内腔7010内に引き入れることができ、ここで子宮は、丸ごと又は部分ごとに完全に除去される前に、シールド7000内に少なくとも部分的に存在する間に、ブレードでモルセレーションされる。シールド7000は、有利には、周囲の膣管並びに収納バッグ及びレトラクタを鋭利なブレードから保護し、収納バッグ及び閉鎖式モルセレーションシステムの完全性を維持することを補助する一方で、外科医に、モルセレーションを安全及び迅速に行うための機構を提供する。
別のバリエーションにおいて、前段落と同様に同じ手技を行うが、ただしレトラクタ724は、内部に検体が入った収納バッグを膣管を通して引く前に、膣管内に配置される。このバリエーションにおいて、除去された子宮は、体腔内部に位置する収納バッグ内部に配置され、収納バッグの近位端に取り付けられたつなぎ紐をレトラクタの中央内腔を通してグラスパによって引いて、収納バッグのリング及び口を患者の外部に持ってくる。次に収納バッグのリングをロールダウンして、剥離された子宮を開口部の近くに持ってくることができる。その後、シールド7000が挿入される。これは、収納バッグを後退させて、剥離された子宮の移動及びモルセレーションのためにシールド7000の中央内腔7010を通る作業チャネルを生成する。シールド7000の近位フランジ7022は、収納バッグのリング又はレトラクタ724の近位の第1のリング726の下にスナップ嵌めすることができる。収納バッグを、レトラクタ724とシールド7000との間に捕捉し、これが手技中に近位又は遠位に摺動しないように保つ。シールド7000のフランジ7022はまた、除去のために子宮を切断するのに使用される鋭利なブレードに対して保護する、カッティングボード表面としての役割を果たすこともできる。上記手技の全てに対して、図20の収納バッグ及びレトラクタの組合せを、収納バッグ及びレトラクタ724の組合せの1つ又は2つ以上の代わりに使用することができる。
本明細書で開示した実施形態に対して種々の修正を行うことができることが理解される。したがって、上記説明は、限定的なものと解釈すべきではなく、好ましい実施形態の単なる例示と解釈すべきである。当業者は、本開示の範囲及び思想内で他の修正を想起するであろう。