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JP6887430B2 - 重水素化されたBrigatinib誘導体、かかる誘導体を含む薬学的組成物、並びにそれらの使用 - Google Patents

重水素化されたBrigatinib誘導体、かかる誘導体を含む薬学的組成物、並びにそれらの使用 Download PDF

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JP6887430B2
JP6887430B2 JP2018527213A JP2018527213A JP6887430B2 JP 6887430 B2 JP6887430 B2 JP 6887430B2 JP 2018527213 A JP2018527213 A JP 2018527213A JP 2018527213 A JP2018527213 A JP 2018527213A JP 6887430 B2 JP6887430 B2 JP 6887430B2
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リュー,バオミン
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Chia Tai Tianqing Pharmaceutical Group Co Ltd
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Chia Tai Tianqing Pharmaceutical Group Co Ltd
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Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2015年11月27日に、中華人民共和国国家知識産権局へ提出された
Figure 0006887430
と題する特許出願第201510846894.0号の中国発明出願の関連出願であり、この出願に基づく優先権を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み入れられる。
本発明は、薬学的化学の技術分野に属し、重水素化されたBrigatinib誘導体、その作製方法、重水素化されたBrigatinib誘導体を含む薬学的組成物、並びに、未分化リンパ腫キナーゼによって媒介される疾患を治療するための医薬の作製における、重水素化されたBrigatinib誘導体及びその薬学的組成物の使用に関する。
Brigatinib(ブリガチニブ)は、化学名が5-クロロ-N-[2-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]ピリミジン-2,4-ジアミンである。Brigatinibは、ARIAD社より開発された未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)の阻害剤であり、且つ、EGFRとc-ros癌遺伝子1(ROS1)も阻害することができ、ALK陽性非小細胞肺癌の治療にも用いられる。Brigatinibの第II相臨床研究は、現在実施されている。2014年10月、Brigatinibが、米国食品医薬品局(FDA)から、画期的治療薬指定を付与された。I相/II相の臨床試験の結果から、BrigatinibはALK陽性非小細胞肺癌患者(脳転移患者を含む)において持続的な抗腫瘍活性を有することが示されている。Brigatinibの化学構造は、以下に示される。
Figure 0006887430
不良なADME(吸収、分布、代謝、及び/又は排泄)特性は、数多くの候補薬が臨床試験の失敗の主因になることが知られている。現在市販されている数多くの薬剤は、ADME特性が悪いため、その応用範囲が制限されている。本来疾患に治療効果の高い数多くの薬剤は、急速な体内代謝より除去されるため、薬剤になることが困難である。高頻度又は高用量の投与は、薬剤の迅速なクリアランスの問題を解決することができるが、この方法は、患者のコンプライアンス不良、高用量薬剤による副作用及び治療コストの上昇等の問題をもたらすことがある。さらに、迅速に代謝される薬剤は、患者を望ましくない毒性又は反応性代謝物にさらす可能性がある。
ALK陽性非小細胞肺癌を治療するためのALK阻害剤として、Brigatinibは有効であるが、ALK陽性非小細胞肺癌を治療し且つ良好な経口生物学的利用能を有するドラッガブルな新
型化合物を発見することは、また挑戦的な仕事である。したがって、本技術分野では、まだ、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)に対して、選択的な抑制活性を有する又はより良い薬力学・薬物動態特性を有する治療薬として適用する化合物の開発が必要であるため、本発明により、このような化合物を提供される。
本発明は、式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、又はプロドラッグを提供する。
Figure 0006887430
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素(H)又は重水素(D)より選択されるが、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は少なくとも一つは重水素であることを条件とする。
一の実施形態において、本発明は、式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、又はプロドラッグを提供する。
Figure 0006887430
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素(H)又は重水素(D)より選択されるが、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は少なくとも一つは重水素であることを条件とする。
R1が水素又が重水素である場合、式Iの化合物の構造単位(R13C-は、それぞれ、-CH3又は-CD3に対応し、R8が水素又が重水素である場合、式Iの化合物の構造単位-OC(R83は、それぞれ、-OCH3又は-OCD3に対応することは理解すべきである。
式Iの化合物において、二つのR2は同じであり、即ち、一つのR2が水素又が重水素である場合、それに応じて、もう一つのR2はそれぞれ水素又は重水素であることは理解すべきである。R3、R4、R5、R6及びR7も同じように理解すべきである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1は重水素であり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1は重水素であり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2とR3は同じであり、R4とR5は同じであり、R6とR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1は重水素であり、R8は水素であり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1は重水素であり、R8は水素であり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2とR3は同じであり、R4とR5は同じであり、R6とR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1は重水素であり、R8、R9、R10とR11は水素であり、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1は重水素であり、R8、R9、R10とR11は水素であり、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2とR3は同じであり、R4とR5は同じであり、R6とR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1は重水素であり、R6、R7、R8、R9、R10とR11は水素であり、R2、R3、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1は重水素であり、R6、R7、R8、R9、R10とR11は水素であり、R2、R3、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2とR3は同じであり、R4とR5は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1は重水素であり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10とR11は水素であり、R2及びR3は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1は重水素であり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10とR11は水素であり、R2及びR3は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2とR3は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2とR3は重水素であり、R1、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10とR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2とR3は重水素であり、R1、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10とR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R4とR5は同じであり、R6とR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2及びR3は重水素であり、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R4、R5、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2及びR3は重水素であり、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R4、R5、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2及びR3は重水素であり、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R4、R5、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2及びR3は重水素であり、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R4、R5、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2及びR3は重水素であり、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2及びR3は重水素であり、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R4及びR5は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2及びR3は重水素であり、R1は水素であり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2及びR3は重水素であり、R1は水素であり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2及びR3は重水素であり、R1、R9、R10及びR11は水素であり、R4、R5、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2及びR3は重水素であり、R1、R9、R10及びR11は水素であり、R4、R5、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2及びR3は重水素であり、R1、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R4、R5、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2及びR3は重水素であり、R1、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R4、R5、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2及びR3は重水素であり、R1、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2及びR3は重水素であり、R1、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R4及びR5は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2及びR3は重水素であり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2及びR3は重水素であり、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2及びR3は重水素であり、R8は水素であり、R4、R5、R6、R7、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2及びR3は重水素であり、R8は水素であり、R4、R5、R6、R7、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2及びR3は重水素であり、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R4、R5、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2及びR3は重水素であり、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R4、R5、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2及びR3は重水素であり、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2及びR3は重水素であり、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R4及びR5は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R4及びR5は重水素であり、R1、R2、R3、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R4及びR5は重水素であり、R1、R2、R3、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R4及びR5は重水素であり、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R2、R3、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R4及びR5は重水素であり、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R2、R3、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R4及びR5は重水素であり、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R2、R3、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R4及びR5は重水素であり、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R2、R3、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R4及びR5は重水素であり、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R2及びR3は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R4及びR5は重水素であり、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R2及びR3は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R4及びR5は重水素であり、R1、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R2及びR3は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R4及びR5は重水素であり、R1、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R2及びR3は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R4及びR5は重水素であり、R1、R2、R3、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且R1、R2、R3、R6、R7、R8、R9、R10及びR11同時に水素ではない。
いくつかの実施形態において、本発明は、R4及びR5は重水素であり、R1、R2、R3、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且R1、R2、R3、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は同時に水素ではない、R2及びR3は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R1、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R1、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R6及びR7
は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R1は水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R1は水素であり、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R1は水素であり、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R1、R9、R10及びR11は水素であり、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R1、R9、R10及びR11は水素であり、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R9、R10及びR11は水素であり、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R9、R10及びR11は水素であり、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R8、R9、R10及びR11は水素であり、 R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2、R3、R4及びR5は重水素であり、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択され、
且つ、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R6及びR7は重水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R6及びR7は重水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R6及びR7は重水素であり、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R2、R3、R4、R5及びR8は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R6及びR7は重水素であり、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R2、R3、R4、R5及びR8は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R6及びR7は重水素であり、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R2、R3、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R6及びR7は重水素であり、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R2、R3、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R6及びR7は重水素であり、R1、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R2、R3、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R6及びR7は重水素であり、R1、R8、R9、R10及びR11は水素であり、R2、R3、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R6、R7及びR8は重水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R6、R7及びR8は重水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R6、R7、R8は重水素であり、R1は水素であり、R2、R3、R4、R5、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R6、R7、R8は重水素であり、R1は水素であり、R2、R3、R4、R5、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R6、R7、R8は重水素であり、R1、R9、R10及びR11は水素であり、R2、R3、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R6、R7、R8は重水素であり、R1、R9、R10及びR11は水素であり、R2、R3、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R8は重水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R8は重水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R8は重水素であり、R6、R7、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R2、R3、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R8は重水素であり、R6、R7、R9、R10及びR11は水素であり、R1、R2、R3、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R8は重水素であり、R1は水素であり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R8は重水素であり、R1は水素であり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R8は重水素であり、R1、R9、R10及びR11は水素であり、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R8は重水素であり、R1、R9、R10及びR11は水素であり、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R8は重水素であり、R1、R6、R7、R9、R10及びR11は水素であり、R2、R3、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R8は重水素であり、R1、R6、R7、R9、R10及びR11は水素であり、R2、R3、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R9及びR10は重水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R9及びR10は重水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R11は重水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R11は重水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R10及びR11は重水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R10及びR11は重水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R10及びR11は重水素であり、R9は水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R10及びR11は重水素であり、R9は水素であり
、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R9、R10及びR11は重水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R9、R10及びR11は重水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1及びR8は重水素であり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1及びR8は重水素であり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1及びR8は重水素であり、R9、R10及びR11は水素であり、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1及びR8は重水素であり、R9、R10及びR11は水素であり、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1及びR8は重水素であり、R6、R7、R9、R10及びR11は水素であり、R2、R3、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1及びR8は重水素であり、R6、R7、R9、R10及びR11は水素であり、R2、R3、R4及びR5は各々独立して水素および重水素より選択され、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じである。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択され、R9、R10及びR11は各々独立して水素であるが、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は少なくとも一つは重水素であることを条件とする。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は各々独立して水素および重水素より選択され、R9、R10及びR11は各々独立して水素であるが、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも一つは重水素であり、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じであることを条件とする。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択されるが、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11の少なくとも一つは重水素であり、且つ、R4及びR5が重水素である場合、R1、R2、R3、R6、R7、R8、R9、R10及びR11同時に水素ではないことを条件とする。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択されるが、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11の少なくとも一つは重水素であり、且つ、R4及びR5が重水素である場合、R1、R2、R3、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は同時に水素ではない、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じであることを条件とする。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択されるが、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7
、R8、R9、R10及びR11の少なくとも一つは重水素であり、且つ、R1及びR8が重水素である場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11同時に水素ではないことを条件とする。
いくつかの実施形態において、本発明は、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立して水素および重水素より選択されるが、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11の少なくとも一つは重水素であり、且つ、R1及びR8が重水素である場合、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は同時に水素ではない、且つ、R2及びR3は同じであり、R4及びR5は同じであり、R6及びR7は同じであることを条件とする。
いくつかの実施形態において、本発明は、式Iの化合物の実施例は以下の通りである:
Figure 0006887430
いくつかの具体の実施形態において、本発明は、式Iの化合物が、以下の化合物から選択される:
Figure 0006887430
別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物の作製方法を提供する。かかる作製方法は以下のスキームを含めているが、これらのスキームに限定されない。
スキーム1:式Iの化合物の合成
Figure 0006887430
スキーム1に示されるように、式IIの化合物を、触媒により水素添加し還元させることにより、式IIIの化合物を得、式IIIの化合物及び式IVの化合物を酸の作用下で反応を行うことにより、式Iの化合物を得る(作製する)。
スキーム2:式IIの化合物の合成の一
Figure 0006887430
スキーム2に示されるように、式Vの化合物と、式VIの化合物とを、塩基の存在下で置換反応を行うことにより、式IIの化合物を得る。且つ、式VIの化合物は、市販されている。
スキーム3:式IIの化合物の合成の二
Figure 0006887430
スキーム3に示されるように、式VIIの化合物と、式VIIIの化合物とを、還元しアミノ化(還元的アミノ化)させることにより、式IIの化合物を得る。
スキーム4:式VIIの化合物の合成
Figure 0006887430
スキーム4に示されるように、式Vの化合物と、式IXの化合物とを、塩基の存在下で置換反応を行うことにより、式VIIの化合物を得る。且つ、式IXの化合物は、市販されている。
スキーム5:式Vの化合物の合成
Figure 0006887430
スキーム5に示されるように、5-フルオロ-2-ニトロフェノールとC(R83Iとを、塩基の存在下で反応を行うことにより、式Vの化合物を得る。且つ、5-フルオロ-2-ニトロフェノールは、市販されている。
スキーム6:式VIIIの化合物の合成
Figure 0006887430
スキーム6に示されるように、式Xの化合物と、式XIの化合物とを、反応を行うことにより、式XIIの化合物を得、式XIIの化合物を、パラジウムカーボン触媒を加えた水素添加反応下で脱ベンジル化させることにより、式VIIIの化合物を得る。且つ、式Xの化合物は、CN102675018Aに記載された作製方法を参照して作製し、式XIの化合物は市販され、又は、当該技術分野において周知の方法により得られる。
スキーム7:式VIII-2の化合物の合成
Figure 0006887430
スキーム7に示されるように、1-メチルピペラジンと、亜硝酸ナトリウムとを、塩酸中で反応を行うことにより、式XIIIの化合物を産生(生成)し、式XIIIの化合物を、アルカリ性条件下で重水処理させることにより、重水素化された式XIII-2の化合物を得、式XIII-2の化合物を、触媒を加え還元させることにより、式VIII-2の化合物を得る。且つ、1-メチルピペラジンは、市販されている。
スキーム8:式VIII-3の化合物の合成
Figure 0006887430
スキーム8に示されるように、重水素化されたピペラジン塩酸塩(CN201510502945.8に記載された方法に従って作製できる)と、二炭酸ジ-t-ブチルとを、アルカリ性条件下で反応を行うことにより、式XIVの化合物を得、式XIVの化合物を、アルカリ性条件下でp-トルエンスルホン酸メチルと反応を行うことにより、式XVの化合物を得、式XVの化合物を、酸の作用下で保護を解除し、式VIII-3の化合物の酸塩を得、さらに、塩基の作用下で、遊離の式VIII-3の化合物を得る。
スキーム9:式VIII-4の化合物の合成
Figure 0006887430
スキーム9に示されるように、式XVIの化合物(CN201510502945.8に記載された方法に従って作製できる)を、ギ酸及び37%ホルムアルデヒド溶液中で還元しアミノ化(還元的アミノ化)させることにより、式XVIIの化合物を得、式XVIIの化合物を、パラジウムカーボン触媒を加え水素添加し脱ベンジル化させることにより、式VIII-4の化合物を得る。
スキーム10:式IVの化合物の合成
Figure 0006887430
スキーム10に示されるように、式XVIIIの化合物と、2,4,5-トリクロロピリミジンとを、塩基触媒を加えて反応を行うことにより、式IVの化合物を得る。且つ、式XVIIIの化合物は、市販されている。
上記に示される具体的なアプローチにおいて、重水素メチル化剤(例えば、重水素化されたヨードメタン)は、市販されている、例えば、Sigma-Aldrich社から購入できる。或は、重水素メチル化剤は、周知の重水素化方法より作製される、例えば、酸性触媒を加えて、非重水素化の化合物を重水中で交換させることより得られる。
上記に示される具体的なスキームは、本発明を構成する合成方法を示すために、適用可能な化学方法を特定の実施例により説明したが、本発明の範囲を示す又は限定的であるようには意図されない。同一の変数名(即ち、R1、R2、R3等)によって同定されるか否かにかかわらず、本明細書の図面の化学構造は、本明細書中における化合物式中の対応の位置の化学基定義によって適宜に制限される変数を表す。別の化合物の合成における使用についての化合物構造中の化学基の適合性は、当業者の知識内にある。
本発明の作製(製造)方法の記載において、化合物の基R1〜R11の定義は上記のとおりである。
別の実施形態において、本発明は、治療に有効量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、及び一つ又は複数の薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。
本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び適切な薬学的に許容される担体を組み合わせて調製され得る。例えば、固体、半固体、液体又は気体製剤として製剤化でき、タブレット剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤、エマルジョン剤、懸濁剤、溶液剤、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル剤、マイクロスフェア、及びエアロゾル等が挙げられる。
本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくはプロドラッグ、又はその薬学的組成物を投与する典型的な経路として、経口、経直腸、経粘膜、経腸、又は局所、経皮、吸入、非経口、舌下、膣内、鼻腔内、眼内、腹腔内、筋肉内、皮下、静脈内投与が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の薬学的組成物は、従来の混合法、溶解法、造粒法、糖衣丸剤作製方法、研磨法(磨砕法)、乳化法、凍結乾燥法等当該技術分野において周知の方法により製造され得る。
経口投与の場合、当該薬学的組成物は、活性化合物と、本技術分野で周知の薬学的に許容される担体と混合することによって製剤化することができる。患者への経口投与のために、このような担体は、本発明の化合物が、タブレット剤、丸剤、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、液体、ゲル剤、スラリー剤、懸濁剤等として製剤化されることができる。
固体経口組成物は、慣用の混合法、充填法又は打錠法によって調製され得る。例えば、前記活性化合物と、固体賦形剤とを混合し、任意に、得られた混合物をローラーでひきつぶし、必要であれば、他の適当な助剤を添加して、当該混合物を顆粒に加工する方法によって、タブレット剤又は糖衣錠のコアを得られる。適当な助剤としては、結合剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、甘味剤又は矯味剤が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、微結晶性セルロース、グルコース溶液、アラビアガムスラリー、ゼラチン溶液、ショ糖及び澱粉糊;タルク、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム又はステアリン酸;乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、ソルビトール又はリン酸二カルシウム;シリカ;架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルファー化澱粉、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、メチルセルロース、寒天、カルボキシメチルセルロース、架橋ポリビニルピロリドン等が挙げられる。糖衣錠のコアは、任意に薬学実践において周知の方法よりコーティングすることができる、特に腸溶性コーティングを用いる。
薬学的組成物は、また、適切な単位投与剤形の滅菌溶液剤、懸濁剤又は凍結乾燥製品のような非経口投与に適していてもよい。充填剤、緩衝剤、又は界面活性剤等の適切な賦形剤が用いられる。
本発明に記載の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、又はプロドラッグは、経口又は非経口(例えば、静脈内)投与のような任意の適切な経路及び方法によって投与される。式Iの化合物の治療有効量は、約0.0001〜20mg/Kg体重/日であり、例えば、0.001〜10mg/kg体重/日が挙げられる。
式Iの化合物は、患者ごとの投与頻度は個別に決定され、例えば、1日1回又は2回、又は1日当たりより多くの回数で投与される。式Iの化合物は、断続的に投与することができ、例えば、患者は、ある日数にわたって式Iの化合物の毎日の投与用量を受け、次に、ある日数またはより多いの日数にわたって、患者は、式Iの化合物の毎日の投与用量を受けない。
別の実施形態において、本発明により、治療有効量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、又はプロドラッグ、又は式Iの化合物を含む薬学的組成物を、必要がある患者に投与する工程を含む、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)を阻害する方法が提供される。
別の実施形態において、本発明により、治療有効量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、又はプロドラッグ、又は式Iの化合物を含む薬学的組成物を、必要がある患者に投与する工程を含む、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)によって媒介される疾患を治療及び/又は予防する方法が提供される。
別の実施形態において、本発明により、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、又はプロドラッグ、又は式Iの化合物を含む薬学的組成物の、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)によって媒介される疾患の治療及び/又は予防のための使用が提供される。
さらに別の実施形態において、本発明により、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)によって媒介される疾患の治療及び/又は予防のための、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物が提供される。
本発明のいくつかの実施形態において、前記未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)によって媒介される疾患は、癌である。前記癌には、卵巣癌、子宮頚癌、結腸直腸癌、乳癌、膵臓癌、神経膠腫、神経膠芽腫、黒色腫、前立腺癌、白血病、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胃癌、肺癌、肝細胞癌、消化管間質腫瘍、甲状腺癌、胆管癌、子宮体癌(子宮内膜癌)、腎臓癌、未分化大細胞型リンパ腫、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、黒色腫、中皮腫より選択され、また、肺癌は、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌が含まれる。
本発明の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、又はプロドラッグ、又は式Iの化合物を含む薬学的組成物は、心血管疾患、炎症、感染症、自己免疫疾患、細胞増殖性疾患、ウイルス性疾患、代謝性疾患又は臓器移植の治療及び/又は予防のための薬剤の作製における使用にも用いることができる。
定義について:
「薬学的に許容される」という用語は、本明細書において使用される場合、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応又は他の問題や合併症などを伴わずにヒトおよび他の哺乳動物の組織と接触して用するのに好適であり、かつ、合理的な利益/リスク比に釣り合う成分(化合物、材料、組成物、及び/又は剤形)を指す。
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、生物学的に有害な作用を伴わずに特定の化合物の遊離酸及び塩基の生物学的有効性を保持する塩を意味する。薬学的に許容される塩の例としては、酸付加塩、又は塩基付加塩が挙げられる。(1)酸付加塩としては、無機酸と形成される塩、又は、有機酸と形成される塩が挙げられる。無機酸と形成される塩としては、例えば塩酸、硫酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸等の無機酸と形成される塩が挙げられる。有機酸と形成される塩としては、例えばリンゴ酸、フマル酸
、マレイン酸、安息香酸、フェニル酢酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシ酢酸、ケイ皮酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、アクリル酸、マンデル酸等の有機酸と形成される塩が挙げられる。(2)塩基付加塩としては、アルカリ金属と形成される塩、アルカリ土類金属と形成される塩、又は、有機塩基と形成される塩が挙げられる。アルカリ金属と形成される塩としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属と形成される塩が挙げられる。アルカリ土類金属塩としては、例えばカルシウム、マグネシウム等と形成される塩が挙げられる。有機塩基と形成される塩としては、例えばアンモニウム、コリン、ジエタノールアミン、リジン、エチレンジアミン、t-ブチルアミン、t -オクチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N-メチルグルカミン(N−メチルグルコサミン)、トリエタノールアミン、デヒドロアビエチルアミン等と形成される塩が挙げられる。以上の薬学的に許容される塩を挙げられたが、これらに限定されない。
本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって、酸基又は塩基を含む親化合物から合成することができる。一般に、このような塩の作製としては、水又は有機溶媒又はこれらの混合物中、これらの化合物の遊離酸形態又は塩基形態と、化学量論量の適切な塩基又は酸とを反応させ作製される。
本明細書で使用される「溶媒和物」という用語は、式Iの化合物より形成できる水和物、溶媒付加形態及びその塩を含む。そのような形式の溶媒和物の例としては、例えば、水和物、アルコラート等が挙げられる。
本発明において合成された標識化合物のいずれの原子も、特段の指定がない限り、原子の任意の一つの安定同位体を意味することができる。特に記載されない限り、構造中のある位置が「H」即ち「水素」(H-1)と定義される場合、その位置は、その天然存在度同位体組成で水素を有する(天然に存在する同位体のみを有する)と理解される。同様に、特に記載されない限り、構造中のある位置が「D」即ち「重水素」(H-2)と定義される場合、その位置は、0.015%である重水素の天然存在度よりも少なくとも3340倍高い存在度で重水素を有する(その位置の同位体含量は天然アイソトープ量(0.015%)よりも少なくとも3340倍である)と理解される(即ち、少なくとも50.1%の重水素組み込む(少なくとも50.1%でアイソトープ重水素を含む))。即ち、合成された標識化合物の構造中の一つ又はいくつかの位置が「D」即ち「重水素」(H-2)と定義される場合、当該構造によって表される化合物は、少なくとも52.5%、少なくとも60%、少なくとも67.5%、少なくとも75%、少なくとも82.5%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、又は、少なくとも99.5%である。本発明における合成された標識化合物の重水素化率は、合成された同位体標識化合物の含有量と天然存在の同位体の量との比を意味する。本発明で合成される化合物の各重水素原子の重水素化率は、少なくとも3500倍(52.5%)であってもよい。本発明において合成された標識化合物において、各重水素化原子の重水素化率は、少なくとも3500倍(52.5%の重水素組み込み)、少なくとも4000倍(60%の重水素組み込み)、少なくとも4500倍(67.5%の重水素組み込み)、少なくとも5000倍(75%の重水素組み込み)、少なくとも5500倍(82.5%の重水素組み込み)、少なくとも6000倍(90%の重水素組み込み)、少なくとも6333.3倍(95%の重水素組み込み)、少なくとも6466.7倍(97%の重水素組み込み)、少なくとも6566.7倍(98.5%の重水素組み込み)、少なくとも6600倍(99%の重水素組み込み)、少なくとも6633.3回(99.5%の重水素組み込み)であり得る。本明細書で使用されるアイソトポログ(isotopologues)という用語は、化学構造が、本発明の特定の化合物と、同位体組成のみ相違する化学種を指す。本発明において合成された標識化合物は、同じ化学構造であり、その分子の原子組成において同位体のみが変化する。従って、本発明において合成された標識の特定の位置で重水素を含有する化合物はまた、その位置でより少ない量の水素原子のアイソトポログを含む。本発明において合成された標識化合物の特定の位置の水素アイソト
ポログの量は、重水素化試薬(D2O、D2、NaBD4、LIAlD4等)の重水素同位体純度、および同位体重水素を組み込むための合成方法の有効性を含む多数の因子に依存する。しかしながら、上述したように、このようなある位置の水素アイソトポログの総量は、化合物の49.9%未満である。他の態様において、本発明において合成された標識化合物のある位置の水素アイソトポログの総量は、化合物の47.5%未満、40%未満、32.5%未満、25%未満、17.5%未満、10%未満、5%未満、3%未満、1%未満、または0.5%未満となる。
本発明において、重水素と明確に指定されていない各原子は、同位体の天然存在度で存在する。
本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という用語は、生物に対して明らかな刺激効果を有さず、且つ活性化合物の生物学的活性及び機能を損なわない担体を意味する。「薬学的に許容される担体」は、活性成分と一緒に投与する、活性成分の投与に有利な不活性物質を指し、中華人民共和国の国家食品薬品監督管理局より許可された、ヒト又は動物(例えば家畜)のために薬学的に許容される任意の流動促進剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、染料/着色剤、矯味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、崩壊剤、懸濁化剤、安定化剤、等張剤、溶媒又は乳化剤を含むが、これらに限定されない。前記担体の非限定的な例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖及び様々なデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油及びポリエチレングリコール等が挙げられる。担体についての追加情報は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Ed., Lippincott, Williams & Wilkins (2005)を参照することができ、その文献の全内容は参照により本明細書に組み入れられる。
「賦形剤」という用語は、一般に、有効な薬学的組成物を製剤化するのに必要とされる担体、希釈剤及び/又は媒体を意味する。
薬物又は薬理学的活性剤について、「有効量」又は「治療有効量」という用語は、薬物又は薬剤の所望の効果を達成するのに非毒性である十分な量を意味する。本発明の経口剤形について、組成物における一つの活性物質の「有効量」は、組成物中の別の活性物質と組み合わせて使用する際に、所望の効果を達成するために必要な量を意味する。有効量は、個体(ヒト)により様々であり、治療される患者の年齢及び全般的な健康状態に依存して変化するだけでなく、具体的な活性物質にも依存するため、個体に適する有効量は、当業者が日常的な実験から決定され得る。
特段の記載がない限り、全ての原料は市販の原料であり、且つ、使用前にそれ以上精製していないと理解される。本発明に用いられるカラムクロマトグラフィーは、中国青島海洋化工所製のシリカゲル(200〜300メッシュ)を用いた。薄層クロマトグラフィーは、中国青島美高グループによって生産された。核磁気共鳴スペクトルに用いられる装置はBRUKER-300及びBRUKER-500核磁気共鳴分光計であり、基準化学シフトは、テトラメチルシラン(TMS=δ0.00)を内部標準とし、1H-NMRスペクトルのデータが記録されたフォーマットは:プロトン数、ピーク型(s、一重線(シングレット);d、二重線(ダブレット);t、三重線(トリプレット);q、四重線(カルテット);m、多重線(マルチプレット))、結合定数(単位はヘルツ、Hzである)。質量分析に用いる装置は、AB SCIEX Triple TOF 4600である。
本発明は、以下の略語を用いる:Boc-はt-ブトキシカルボニル基を表し、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドを表す。
本発明の式Iの化合物(例えば、R1は重水素であるか、R2及びR3とも重水素であるか、R4及びR5とも重水素であるか、又はR8が重水素である場合、特に、R1は重水素であるか、R
2及びR3とも重水素であるか、又はR8が重水素である場合、特に、実施例の化合物)は、比較的Brigatinibより良い薬物動態学的特性を有し、且つ、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)に優れた阻害活性を有する。
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明するが、本発明がこれらより限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、化合物の製造方法は、例として、I-1(実施例1)、I-2(実施例3)、I-3(実施例5)、I-4(実施例6)、I-6(実施例7)、I-7(実施例8)、I-9(実施例9)のみを挙げて説明したが、本発明が重水素化されたBrigatinibの誘導体に着眼し、本発明に関する化合物の作製方法が非常に類似するため、本発明の明細書及び以下の実施例で記載する方法と類似する方法で、本発明の請求された範囲内の化合物を作製することができる。
実施例1:2-((5-クロロ-2-((2-[D3]メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(式I-1の化合物)の作製
Figure 0006887430
ステップ1:4-フルオロ-2-[D3]メトキシ-1-ニトロベンゼン(式I-11の化合物)の作製
250mLの三つ口フラスコに、5-フルオロ-2-ニトロフェノール(15.7g、100mmol)、無水炭酸カリウム(13.8g、100mmol)及びアセトン(150mL)を加えた後、室温で100分間撹拌し、重水素化ヨードメタン(6.2mL、100mmol)をゆっくり滴下し、滴下終了後、加熱還流して反応を9時間行った。反応終了後、反応液を室温に冷却し、吸引濾過し、その濾液を、溶媒を減圧留去させ、10%水酸化ナトリウム水溶液(100mL)を加え、激しく撹拌しながら、酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、溶媒を減圧留去させて、4-フルオロ-2-[D3]メトキシ-1-ニトロベンゼン(17.7g)を得、D3含量は>98%であった。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):δ =7.97-7.92 (dd, J =6.0, 8.9 Hz, 1H), 6.81-6.69 (m, 2H)。
ステップ2:1-(1-(3-[D3]メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-メチルピペラジン(式I-12の化合物)の作製
4-フルオロ-2-[D3]メトキシ-1-ニトロベンゼン(2.12g、12.17mmol)、1-メチル-4-(4-ピペリジニル)ピペラジン(2.23g、12.17mmol)及び無水炭酸カリウム(3.37g、24.34mmol)の混合物を、DMF(20mL)中で、120℃まで加熱し、反応を6時間行った。反応終了後、反応液を冷却し後吸引濾過し、溶媒を減圧留去させ、ジクロロメタン(60mL)及び水(30mL)を加え、撹拌した後分液し、水層をジクロロメタン(30mL×6)で抽出し、有機相を合わせた後、飽和食塩水水溶液(60mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、吸引濾過し、溶媒を減圧留去させて、1-(1-(3-[D3]メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-メチルピペラジン(2.95g、収率72.0%)を得、D3含量は>98%であった。
1H-NMR(300MHz, CDCl3):δ =7.98 (d, J =9.3 Hz, 1H), 6.41 (dd, J =2.4, 9.3 Hz, 1H), 6.30 (d, J =2.0 Hz, 1H), 3.94 (d, J =13.2 Hz, 2H), 2.96 (t, J =12.0 Hz, 2H), 2.62-2.45 (m, 9H), 2.29 (s, 3H), 1.96 (d, J =12.5 Hz, 2H), 1.63-1.54 (m, 2H)。HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:338.2254。
ステップ3:2-[D3]メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)アニリン(式I-13の化合物)の作製
1-(1-(3-[D3]メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-メチルピペラジン(0.59g、1.7mmol)を無水メタノール(30mL)中に溶解し、10%パラジウム炭素(0.12g)を加え、室温で一晩水素化した。反応終了後、反応液を吸引濾過し、溶媒を減圧留去させて、(2-[D3]メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)アニリン(0.45g、収率86.5%)を得、D3含量は>98%であった。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):δ =6.62 (d, J =8.3 Hz, 1H), 6.51 (d, J =2.4 Hz, 1H), 6.41 (dd, J =2.4, 8.4 Hz, 1H), 3.53-3.49 (m, 3H), 2.83-2.33 (m, 10H), 2.29 (s, 3H), 1.92 (d, J =12.2 Hz, 2H),1.77-1.64 (m, 2H)。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:308.2525。
ステップ4:(2-((5-クロロ-2-((2-[D3]メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(式I-1の化合物)の作製
35mLの耐圧管に、2-[D3]メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)アニリン(1.25g、4.06mmol)、(2-((2,5-ジクロロ-ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(式IVの化合物)(0.92g、2.90mmol)、14%塩化水素-エタノール(7.5g、29mmol)、及びエチレングリコールモノメチルエーテル(22mL)を加え、マイクロ波を用いて120℃まで加熱し、反応を5.5時間行った。反応終了後、反応液を室温に冷却し、溶媒を減圧下留去させ、残渣をジクロロメタン(60mL)に溶解し、飽和炭酸ナトリウム溶液を加え、pHをアルカリ性に調整し、分液した後、有機相を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、溶媒を減圧留去させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相、ジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミン=300:30:1.5)に供し、得られた粗生成物を酢酸エチル(10mL)で叩解し、(2-((5-クロロ-2-((2-[D3]メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(0.18g、収率11.0%)を得、D3含量は>98%であった。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):δ = 10.80 (s, 1H), 8.62 (dd, J= 4.4, 8.2 Hz, 1H), 8.09-8.08 (m, 2H), 7.47 (dd, J = 7.7, 8.0 Hz, 1H), 7.31-7.25 (m, 1H), 7.11 (dd, J =
7.4, 7.0 Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 6.48 (dd, J = 1.4, 8.4 Hz, 1H), 3.65 (d, J = 12.2 Hz, 2H), 2.73-2.41 (m, 11H), 2.37 (s, 3H), 1.95 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 1.85, 1.80 (2s, 6H), 1.73-1.66 (m, 2H)。
13C-NMR(75 MHz, CDCl3):δ = 157.76, 155.87, 154.93, 149.29, 147.48, 143.90, 1
43.87, 132.33, 132.30, 129.52, 129.37, 123.10, 123.01, 122.44, 122.27, 122.09, 120.58, 119.55, 108.36, 105.99, 101.01, 61.78, 55.27, 50.46, 48.78, 45.83, 28.19,
19.02, 18.08。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:587.2861。
実施例2:(2-((2,5-ジクロロ-ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(式IVの化合物)の作製
Figure 0006887430
100mLの一つ口フラスコに、(2-アミノフェニル)ジメチルホスフィンオキシド(8.76g、51.81mmol)、2,4,5-トリクロロピリミジン(14.92g、81.35mmol)、無水炭酸カリウム(22.49g、162.29mmol)、及びN,N-ジメチルホルムアミド(50mL)を加え、混合物を60℃まで加熱し、反応を5時間行った。反応終了後、反応液を室温に冷却し、水(30mL)を加え、ジクロロメタン(100mL×3)で抽出し、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、吸引濾過し、溶媒を減圧留去させた後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相、ジクロロメタン:メタノール=40:1)に供し、(2-((2,5-ジクロロ-ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(11.3g、収率69.0%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):δ = 11.55 (s, 2H), 8.67 (dd, J= 4.4, 8.5 Hz, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.59 (dd, J= 7.7, 8.1 Hz, 1H), 1.86 (s, 3H), 1.82 (s, 3H)。
13C-NMR(75 MHz, CDCl3):δ = 156.85, 155.10, 133.05, 133.03, 129.77, 129.63, 123.56, 123.40, 122.18, 122.09, 19.28, 18.33。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:316.0175。
実施例3:(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-[D3]メチル-ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(式I-2の化合物)の作製
Figure 0006887430
ステップ1:4-フルオロ-2-メトキシニトロベンゼン(式I-21の化合物)の作製
250mLの三つ口フラスコに、5-フルオロ-2-ニトロフェノール(10g、63.65mmol)、炭酸カリウム(8.8g、63.65mmol)、アセトン(100mL)を加え、窒素保護下で、室温で30分間撹拌した。その後、ヨードメタン(9.03g、63.65mmol)をゆっくり滴下し、温度を60℃まで上昇させ、反応を一晩行った。反応終了後、反応液に、水(200mL)を加え、酢酸エチル(100mL×4)で抽出し、1M水酸化ナトリウム(100mL×3)で洗浄し、飽和食塩水(100mL×2)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ、吸引濾過し、溶媒を減圧留去させて、4-フルオロ-2-メトキシ-ニトロベンゼン(10.8g、収率99.1%)を得た。
ステップ2:1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-オン(式I-22の化合物)の作製
100mLの一ツ口フラスコに、4-フルオロ-2-メトキシ-ニトロベンゼン(3.4g、20mmol)、ピペリドン塩酸塩一水和物(3.4g、22mmol)、無水炭酸カリウム(6.9g、50mmol)、DMF(400mL)を加え、その混合物を75℃まで加熱し、反応を18時間行った。反応終了後、反応液を室温に冷却し、吸引濾過した後、溶媒を減圧留去させ、残渣をジクロロメタン(600mL)に溶解し、水(60mL)と飽和食塩水(60mL)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、吸引濾過し、溶媒を減圧留去させて、粗生成物を得、n-ヘキサン(200mL)を用いて叩解し、吸引濾過してから、1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-オン(2.12g、収率42.4%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):δ = 8.04 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.46 (dd, J = 9.2, 2.3 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H), 3.79 (t, J = 6.0 Hz, 4H), 2.65 (t, J = 6.0 Hz, 4H)。
ステップ3:1-(1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-[D3]メチルピペラジン(I-23の化合物)の作製
1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-オン(2.20g、8.8mmol)を1,2-ジクロロエタン(30mL)中に溶解し、無水硫酸マグネシウム(6.0g)、酢酸(0.53mL、8.8mmol)及び1-[D3]メチルピペラジン(1.80g、17.6mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。氷浴下でトリアセトキシ水素化ほう素ナトリウム(2.24g、1.2mmol)を数回分けて加えた後、温度を室温に上昇させ、反応を5時間行った。反応終了後、反応液に、固体の炭酸ナトリウム(6g)を加え、30分間撹拌し、吸引濾過した後、ジクロロメタン(2×30mL)を用いて濾過ケークを洗浄し、飽和炭酸ナトリウム水溶液(30mL)と飽和食塩水(60mL)でそれぞれ洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、吸引濾過し、溶媒を減圧下で留去させて、粗生成物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相、ジクロロメタン:メタノール=20:1〜6:1)に供し、(1-(1-3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-[D3]メチルピペラジン(1.17g、収率39.4%)を得、D3含量は>98%であった。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):δ = 7.99 (d, J =9.5 Hz, 1H), 6.41 (dd, J = 2.5, 9.5 Hz, 1H), 6.31(d, J = 2.5 Hz, 1H), 3.96-3.93 (m, 5H), 2.96 (td, J = 2.5, 12.5 Hz, 2H), 2.63-2.4 (m, 9H), 1.98 (d, J = 12.5 Hz, 2H), 1.63 (qd, J= 3.5, 12.5 Hz, 2H)。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:338.2201。
ステップ4:2-メトキシ-4-(4-(4-[D3]メチル-ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)アニリン(式I-24の化合物)の作製
1-(1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-[D3]メチルピペラジン(1.12g、3.3mmol)を無水メタノール(25mL)溶液に溶解し、10%パラジウム炭素(0.11g)を加え、室温で一晩水素化反応させた。反応終了後、反応液を吸引濾過し、溶媒を
減圧下で留去させて、2-メトキシ-4-(4-(4-[D3]メチル-ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)アニリン(0.97g、収率96.0%)を得、D3含量は>98%であった。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):δ = 6.65 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 6.43 (dd, J = 2.0, 8.5 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.53 (d, J = 12.5 Hz, 2H), 2.65-2.34 (m, 11H), 1.94 (d, J = 12 Hz, 2H), 1.73 (qd, J = 3.5, 12.5 Hz, 2H)。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:308.2466。
ステップ5:(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-[D3]メチル-ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(式I-2の化合物)の作製
実施例1のステップ4を参照し、(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-[D3]メチル-ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(0.45g、収率32.4%)を得、D3含量は>98%であった。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):δ = 10.80 (s, 1H), 8.62 (dd, J= 4.3, 8.3 Hz, 1H), 8.09-8.08 (m, 2H), 7.47 (dd, J = 7.6, 7.7 Hz, 1H), 7.31-7.27 (m, 1H), 7.11 (dd, J =
6.5, 7.2 Hz, 1H), 6.55 (s, 1H), 6.48 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.65 (d, J = 11.7 Hz, 2H), 2.70-2.41 (m, 11H), 1.96 (d, J =11.5 Hz, 2H), 1.86,1.80 (2s,
6H), 1.74-1.66 (m, 2H)。
13C-NMR(75 MHz, CDCl3 ):δ = 157.75, 155.85, 154.89, 149.31, 147.46, 143.87, 143.84, 132.28, 129.49, 129.34, 123.08, 122.98, 122.41, 122.25, 122.06, 120.82, 120.60, 119.55, 108.36, 105.96, 101.00, 61.75, 55.28, 55.13, 50.40, 48.71, 28.16, 18.99, 18.04。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:587.2780。
実施例4:1-[D3]メチルピペラジンの作製
Figure 0006887430
ステップ1:4−メチルベンゼンスルホン酸(p-トルエンスルホン酸)[D3]メチルの作製
500mLの三つ口フラスコに、粒状水酸化ナトリウム(27.7g、693.7mmol)及び水(50mL)を加え、攪拌して溶解させ、温度を0℃まで下げた後、0℃下で、塩化パラトルエンスルホニル(31.74g、166.48mmol)の無水テトラヒドロフラン(50mL)溶液をゆっくり滴下した後、温度を室温に上昇させ、一晩撹拌した。反応終了後、20℃でゆっくりと酢酸(31.7g)を滴下し、反応液を中和した。酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、飽和炭酸ナトリウム溶液(100mL)と飽和食塩水(100mL)でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、溶媒を減圧下で留去させて、4−メチルベンゼンスルホン酸(p-トルエンスルホン酸)[D3]メチル(20.62g、収率78.5%)を得、D3含量は>98%であった。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):δ = 7.78 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.36 (d, J= 7.9 Hz, 2H), 2.45 (s, 3H)。
ステップ2:1-ベンジル-4-[D3]メチルピペラジンの作製
250mLの一つ口フラスコに、1-ベンジルピペラジン(17.63g、100mmol)及び乾燥のテトラヒドロフラン(70mL)を加え、温度を0℃まで下げ、60%水素化ナトリウム(4.0g、100mmol)を数回分けて加え、室温で30分間撹拌した。温度を0℃まで下げ、4−メチルベ
ンゼンスルホン酸(p-トルエンスルホン酸)[D3]メチル(9.46g、50mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液をゆっくり滴下し、温度を自然に室温に上昇させ、一晩撹拌した。反応終了後、抽出濾過した後、濾過ケークを酢酸エチル(3×20mL)で洗浄し、溶媒を減圧下で留去させて、粗生成物を得、次いでカラムクロマトグラフィーに供し、1-ベンジル-4-[D3]メチルピペラジン(5.2g、収率54.7%)を得、D3含量は>98%であった。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):δ = 7.31-7.23 (m, 5H), 3.5 (s, 2H), 2.72-2.26 (m, 8H)。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:194.1683。
ステップ3:1-[D3]メチルピペラジンの作製
1-ベンジル-4-[D3]メチルピペラジン(5.2g、26.77mmol)を無水メタノール(30mL)に溶解し、10%パラジウム炭素(0.8g)を加え、40℃で水素化反応を12時間行った。室温に冷却した後、吸引濾過し、新たに10%パラジウム炭素(0.8g)を加え、再び40℃で水素化反応を12時間行った。冷却した後、吸引濾過し、溶媒を40℃で減圧下で留去させて、1-[D3]メチルピペラジン(3.38g、収率100%)を得、D3含量は>98%であった。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:104.1247。
実施例5:(2-((5-クロロ-2-((2-[D3]メトキシ-4-(4-(4-[D3]メチル-ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(式I-3の化合物)の作製
Figure 0006887430
ステップ1:1-(3-[D3]メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-オン(式I-31の化合物)の作製
4-フルオロ-2-[D3]メトキシ-1-ニトロベンゼン(3.48g、20mmol)、4-ピペリドン塩酸塩水和物(3.38g、22mmol)及び無水炭酸カリウム(6.91g、50mmol)をDMF(50mL)に溶解し、75℃に加熱し、反応を一晩行った。反応終了後、反応液を室温に冷却し、吸引濾過した後、濾過ケークをジクロロメタン(3×5mL)で洗浄し、溶媒を減圧下で留去させて、粗生成物を得、メタノール(20mL)を加えて叩解し、濾過し、乾燥させて、1-(3-[D3]メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-オン(2.07g、収率40.9%)を得、D3含量は>98%であった。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):δ = 7.99 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.42 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.33 (s, 1H), 3.81-3.77 (m, 4H), 2.65-2.61 (m, 4H)。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:590.2879。
ステップ2:1-(1-(3-[D3]メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-[D3]メチルピペラジン(式I-32の化合物)の作製
実施例3のステップ3を参照し、1-(3-[D3]メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-オン(1.52g、6mmol)と、1-[D3]メチルピペラジンとを、反応を行って、1-(1-(3-[D3]メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-[D3]メチルピペラジン(0.6g、収率30.0%)を得、D6含量は>98%であった。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):δ = 8.00 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 6.43 (dd, J = 2.5, 9.5 Hz, 1H), 6.30 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 3.95 (d, J = 13.0 Hz, 2H), 2.98 (t, J = 12.0 Hz, 2H), 2.64-2.49 (m, 9H), 1.98 (d, J = 12.5 Hz, 2H), 1.66-1.58 (m, 2H)。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:341.2790。
ステップ3:2-[D3]メトキシ-4-(4-(4-[D3]メチル-ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)アニリン(式I-33の化合物)の作製
実施例1のステップ3を参照し、1-(1-(3-[D3]メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-[D3]メチルピペラジン(0.6g、1.7mmol)を、還元させることより、2-[D3]メトキシ-4-(4-(4-[D3]メチル-ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)アニリン(0.5g)を得、D6含量は>98%であった。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:311.2704。
ステップ4:(2-((5-クロロ-2-((2-[D3]メトキシ-4-(4-(4-[D3]メチル-ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(式I-3の化合物)の作製
実施例1のステップ4を参照し、2-[D3]メトキシ-4-(4-(4-[D3]メチル-ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)アニリン及び(2-((2,5-ジクロロ-ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシドを反応させ、(2-((5-クロロ-2-((2-[D3]メトキシ-4-(4-(4-[D3]メチル-ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(0.45g、収率20.7%)を得、D6含量は>98%であった。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):δ = 10.80 (s, 1H), 8.62 (dd, J= 4.4, 8.4 Hz, 1H), 8.09-8.08 (m, 2H), 7.47 (dd, J = 7.7, 8.0 Hz, 1H), 7.31-7.25 (m, 1H), 7.11 (dd, J =
6.5, 6.8 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.48 (dd, J = 1.7, 8.8 Hz, 1H), 3.65 (d, J = 12.1 Hz, 2H), 2.77-2.43 (m, 11H), 2.02 (d, J = 12.9 Hz, 2H), 1.85, 1.80 (2s, 6H), 1.76-1.72 (m, 2H)。
13C-NMR(75 MHz, CDCl3):δ = 157.74, 155.86, 154.91, 149.28, 147.35, 143.87, 132.32, 132.29, 129.53, 129.38, 123.09, 123.00, 122.46, 122.29, 122.19, 120.82, 120.56, 119.56, 108.40, 106.01, 101.05, 61.82, 54.79, 50.41, 48.31, 28.08, 19.01,
18.06。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:590.2879。
実施例6:(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチル-[2,2,6,6-D4]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(式I-4の化合物)の作製
Figure 0006887430
ステップ1:1-メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジンの作製
250mLの三つ口フラスコに、1-メチルピペラジン(20g、199.8mmol)を加え、0℃に冷却し、2M塩酸(223.8mmol、111.9mL)をゆっくり滴下し、20分間撹拌した。亜硝酸ナトリウム(16.27g、235.76mmol)を水40mLに溶解し、0℃下で三つ口フラスコにゆっくり滴下し、室温で一晩攪拌した後、反応を35℃で2時間続けた。反応終了後、水酸化ナトリウムでpHをアルカリ性に調整し、ジクロロメタン(100mL×10回)で抽出し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、溶媒を減圧下で留去させて、1-メチル-4-ニトロ-ピペラジン(27g)を得た。
上記粗生成物に、重水(425mL)、ナトリウムメトキシド(32.38g、599.4mmol)を加え、80℃で反応を100時間行って、濃縮した後、ジクロロメタン(100mL×10)で抽出し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、溶媒を減圧下で留去させて、1-メチル-4-ニトロ[3,3,5,5-D4]ピペラジン(15.68g)を得た。
上記粗生成物に、重水(300mL)、ナトリウムメトキシド(19.68g、364.4mmol)を加え、80℃で反応を40時間行った後、反応液を0℃に冷却し、アルミニウム-ニッケル合金(76.30g)を数回分けて加え、室温で反応を開始させ、0℃で反応を一晩行った。反応終了後、反応液を吸引濾過し、母液を減圧下で留去させ、画分を塩酸で酸性まで調整し、減圧下で水を留去させ、エタノールで叩解して、1-メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジン塩酸塩(14.13g、収率40.8%)を得た。
250mLの一つ口フラスコに、上記塩酸塩(6.0g、33.86mmol)、無水ナトリウムメトキシド(5.49g、101.58mmol)及び無水メタノール(60mL)を加え、5時間加熱還流した。反応終了後、反応液を室温に冷却し、吸引濾過し、溶媒を減圧下で留去させて、1-メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジン粗生成物(3.94g)を得、D4含量は96%であり、次のステップに供した。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:105.1327。
ステップ2:1-(1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-メチル[2,2,6,6-D4]ピペラジン(式I-41の化合物)の作製
実施例3のステップ3を参照し、1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-オン(2.50g、10mmol)、及び1-メチル[4,4,5,5-D4]ピペラジン(2.12g、20mmol)を反
応させ、1-(1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-メチル[2,2,6,6-D4]ピペラジン(0.7g、収率20.6%)を得、D4含量は96%であった。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):δ = 7.97 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 6.40 (dd, J = 2.1, 9.4 Hz, 1H), 6.30 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 3.94-3.80 (m, 6H), 2.96-2.45 (m, 6H), 2.29 (s, 3H), 1.97 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 1.67-1.54 (m, 2H)。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:339.2216。
ステップ3:2-メトキシ-4-(4-(4-メチル-[2,2,6,6-D4]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)アニリン(式I-42の化合物)の作製
実施例1のステップ3を参照し、1(1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-メチル[2,2,6,6-D4]ピペラジン(0.70g)を水素化して還元させて、2-メトキシ-4-(4-(4-メチル-[2,2,6,6-D4]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)アニリン(0.63g、収率98.9%)を得、D4含量は96%であった。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):δ = 6.62 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.51 (s, 1H), 6.41 (dd,
J =1.5, 8.2 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.53-3.49 (m, 3H), 2.65-2.46 (m, 6H), 2.29 (s, 3H), 1.92 (d, J = 12.0 Hz, 2H),1.77-1.64 (m, 2H)。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:309.2585。
ステップ4:(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチル-[2,2,6,6-D4]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(式I-4の化合物)の作製
実施例1のステップ4を参照し、2-メトキシ-4-(4-(4-メチル-[2,2,6,6-D4]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)アニリン(0.6g、1.94mmol)、及び(2-((2,5-ジクロロ-ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(0.4g、1.27mmol)を反応させ、(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチル-[2,2,6,6-D4]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(0.32g、収率42.8%)を得、D4含量は96%であった。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3):δ = 10.79 (s, 1H), 8.62 (dd, J= 4.3, 8.3 Hz, 1H), 8.08-8.06 (m, 2H), 7.48(dd, J = 7.5, 8.1 Hz, 1H), 7.31-7.24 (m, 1H), 7.11 (dd, J = 6.6, 7.2 Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 6.49 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.65 (d,
J = 12.2 Hz, 2H), 2.73-2.41 (m, 7H),2.33 (s, 3H), 1.96 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 1.84, 1.80 (2s, 6H), 1.73-1.69 (m, 2H)。
13C-NMR(75 MHz, CDCl3):δ = 157.76, 155.87, 154.91, 149.31, 147.48, 143.88, 143.84, 132.31, 132.28, 129.50, 129.35, 123.10, 123.00, 122.43, 122.27, 122.09, 122.06, 120.60, 108.37, 105.97, 101.02, 61.69, 55.59, 55.07, 50.42, 45.85, 28.19,
19.00, 18.05。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:588.2855。
実施例7:(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチル[D8]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(式I-6の化合物)の作製
Figure 0006887430
ステップ1:1-t-ブトキシカルボニル[D8]ピペラジンの作製
100mLの一つ口フラスコに、[D8]ピペラジン塩酸塩(5.0g、29.92mmol)、水酸化ナトリウム(1.3g、32.5mmol)、無水メタノール(50mL)を加え、3時間加熱還流した。反応終了後、反応液を室温に冷却し、吸引濾過により無機塩を除去した。濾液を蒸発し乾燥させ、残渣に水(30mL)及びt-ブタノール(30mL)を加え、攪拌して溶解させた。氷冷下で、2.5N水酸化ナトリウム溶液(30mL、75mmol)溶液を加え、Boc無水物のt-ブタノール溶液(20mL、14.96mmol)をゆっくり滴下し、室温で一晩撹拌した。翌日、t-ブチルアルコールを減圧下で留去させ、吸引濾過した後、ろ液をジクロロメタン(50mL×2)で抽出し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた。吸引濾過し、溶媒を減圧下で留去させて、1-t-ブトキシカルボニル[D8]ピペラジン(2.6g、収率44.7%)を得、D8含量は96%であった。
HRMS ESI, (M+Na) m/z:195.1944。
ステップ2:1-t-ブトキシカルボニル-4-メチル[D8]ピペラジンの作製
氷冷下で、1-t-ブトキシカルボニル[D8]ピペラジン(2.6g、13.38mmol)のテトラヒドロフラン(26mL)溶液に、ゆっくりと60%水素化ナトリウム(0.64g、26.76mmol)を数回分けて加えた後、氷を除去し、室温でp-トルエンスルホン酸メチル(2.78g、14.72mmol)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)をゆっくり滴下した後、室温で一晩撹拌した。反応終了後、反応液を吸引濾過し、濾過ケークをテトラヒドロフラン(5mL×3)で洗浄した後、テトラヒドロフランを減圧下で留去させ、残渣に水(25mL)を加え、ジクロロメタン(25mL×2)で抽出した。飽和食塩水(20mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、吸引濾過し、溶媒を減圧下で留去させて、1-t-ブトキシカルボニル-4-メチル[D8]ピペラジン(2.26g、収率81%)を得、D8含量は96%であった。
ステップ3:1-メチル[D8]ピペラジンの作製
1-t-ブトキシカルボニル-4-メチル[D8]ピペラジン(2.26g、10.85mmol)をイソプロパノール10mLの中に溶解させ、氷冷下、イソプロパノール塩酸溶液(5.3mL、65.1mmol)を加え、反応液を50℃に昇温した。反応終了後、反応液を吸引濾過し、濾過ケークを真空下で乾燥させて、1-メチル[D8]ピペラジン塩酸塩(1.43g、収率72.7%)を得、その塩酸塩を炭酸カリウムを用いて処理して、遊離の1-メチル[D8]ピペラジンを得、D8含量は96%であった。
1H-NMR(500MHz,D2O):δ = 2.96 (s, 3H), 1.08-1.09 (d, J= 6.0 Hz, 1H)。
HRMS(ESI, [M+H]+) m/z:109.1679。
ステップ4:1-(1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-メチル[D8]ピペラジン(式I-61の化合物)の作製
実施例3のステップ3を参照し、1-(1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-メチル[D8]ピペラジン(0.78g、収率22%)を得、D8含量は96%であった。
1H-NMR(500 MHz, CDCl3):δ = 8.00 (d, J =9.5 Hz, 1H), 6.42 (dd, J = 2.0, 9.5 Hz, 1H), 6.31 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 3.94-3.80 (m, 5H), 2.98 (t, J = 12.0 Hz, 2H), 2.53-2.49 (m, 1H), 2.33 (s, 3H),1.98 (d, J = 12.5 Hz, 2H), 1.66-1.58 (m, 2H)。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:343.2577。
ステップ5:2-メトキシ-4-(4-(4-メチル[D8]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)アニリン(式I-62の化合物)の作製
実施例3のステップ4を参照し、2-メトキシ-4-(4-(4-メチル[D8]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)アニリン(0.54g、収率73.0%)を得、D8含量は96%であった。
1H-NMR(500 MHz, CDCl3):δ = 6.65 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 6.43 (dd, J = 2.0, 8.5 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.53 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 2.63
(t, J = 12 Hz, 2H), 2.61-2.33 (s, m, 1H), 2.32 (s, 3H), 1.94 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 1.77-1.69 (m, 2H)。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:313.2829。
ステップ6:(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチル[D8]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(式I-6の化合物)の作製
実施例1のステップ4を参照し、(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチル[D8]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(0.18g、収率26.7%)を得、D8含量は92.3%であった。
1H-NMR(500 MHz, CDCl3):δ = 10.82 (s, 1H), 8.64 (dd, J= 4.5, 8.0 Hz, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.51 (dd, J = 7.5, 8.1 Hz, 1H), 7.32-7.27 (m, 1H), 7.14
(d, J = 1.5 Hz, 1H), 6.56 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 6.50 (dd, J = 2.5, 8.5 Hz, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.67 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 2.72 (t, J =10.0 Hz, 2H),2.77-2.69 (m,
1H), 2.38 (s, 3H), 1.98 (d, J=12.0 Hz, 2H), 1.86, 1.84 (2s, 6H), 1.78-1.73 (m, 2H)。
13C-NMR(125 MHz, CDCl3):δ = 157.78, 155.91, 154.97, 149.32, 147.45, 143.93, 132.37, 129.55, 129.46, 123.12, 122.46, 122.36, 122.20, 120.58, 119.83, 108.45, 106.06, 101.11, 61.80, 55.64, 50.50, 45.66, 28.20, 18.88, 18.31。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:592.3148。
実施例8:(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-[D3]メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(式I-7の化合物)の作製
Figure 0006887430
ステップ1:1-ベンジル-4-[D3]メチルピペラジンの作製
実施例4のステップ1を参照し、1-ベンジル-4-[D3]メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジン(4.6g、収率34.9%)を得、D7含量は93.1%であった。
ステップ2:1-[D3]メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジンの作製
実施例4のステップ2を参照し、1-[D3]メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジン(2.49g、収率100%)を得、D7含量は93%であった。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:108.1540。
ステップ3:1-(1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-[D3]メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジン(式I-71の化合物)の作製
実施例3のステップ3を参照し、1-(1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-[D3]メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジン(0.94g、収率24.1%)を得、D7含量は93%であった。
1H-NMR(500 MHz, CDCl3):δ = 7.99 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 6.41 (dd, J = 2.0, 9.5 Hz, 1H), 6.30 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 3.94-3.93 (m, 5H), 2.98 (td, J = 2.0, 12.5 Hz, 2H), 2.64-2.47 (m, 5H), 1.97 (d, J = 12.5 Hz, 2H), 1.62 (qd, J = 3.5, 12 Hz, 2H)。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:342.2526。
ステップ4:2-メトキシ-4-(4-(4-[D3]メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)アニリン(式I-72化合物)の作製
実施例3のステップ4参照し、2-メトキシ-4-(4-(4-[D3]メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-)アニリン(0.85g、収率98.8%)を得、D7含量は93%であった。
1H-NMR(500 MHz, CDCl3):δ = 6.63 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 6.42 (dd, J = 2.5, 8.0 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.52 (d, J = 12.5 Hz, 2H), 2.64-2.59 (m, 7H), 1.93 (d, J = 12.5 Hz, 2H), 1.72 (qd, J = 3.5, 2H)。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:312.2780。
ステップ5:(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-[D3]メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミ
ノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(式I-7の化合物)の作製
実施例1のステップ4を参照し、(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-[D3]メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(0.28g、収率28.7%)を得、D7含量は93%であった。
1H-NMR(500 MHz, CDCl3):δ = 10.82 (s, 1H), 8.64 (dd, J= 4.5, 8.5 Hz, 1H), 8.11-8.10 (m, 2H), 7.51 (dd, J = 7.5, 8.5 Hz, 1H), 7.32-7.27 (m, 2H), 7.14 (td, J =
2.0,7.0 Hz, 1H), 6.56 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.50 (dd, J = 2.0, 8.5 Hz, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.67 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 2.76-2.69 (m, 6H), 2.47-2.44 (m, 1H), 1.99
(d, J = 12.5 Hz, 2H), 1.86, 1.84 (2s, 6H), 1.75 (qd, J = 3.5, 12.5 Hz, 2H)。
13C-NMR(125 MHz, CDCl3):δ = 157.77, 155.91, 154.94, 149.31, 147.41, 143.92, 132.37, 129.56, 129.47, 123.06, 122.47, 122.37, 122.23, 120.56, 119.82, 108.46, 106.07, 101.11, 61.86, 55.64, 50.49, 48.25, 28.16, 18.88, 18.31。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:591.301。
実施例9:(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチル-[3,3,5,5-D4]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(式I-9の化合物)の作製
Figure 0006887430
ステップ1:1-ベンジル-4-[3,3,5,5-D4]ピペラジンの作製
氷冷下、ギ酸(15.6g、332.80mmol)及び37%ホルムアルデヒド溶液(13.5g、166.40mmol)の混合溶液中に、1-フェニル[3,3,5,5-D4]ピペラジン(15.0g、83.20mmol)をゆっくり滴下し、温度を還流まで上昇させた。反応終了後、反応液中の過剰のギ酸を減圧して留去させ、10%NaOH水溶液で、残留液をアルカリ性に調整した。ジクロロメタン(75mL×2)で抽出し、有機層を飽和食塩水(50mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、吸引濾過した後、溶媒を減圧して留去させてから、粗生成物16gを得、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)に供し、1-ベンジル-4-[3,3,5,5-D4]ピペラジン(14g、収率87.5%)を得、D4含量は96%であった。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:195.1789。
ステップ2:1-メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジンの作製
1-ベンジル-4-[3,3,5,5-D4]ピペラジン(11.2g、57.6mmol)を無水メタノール(45mL)に溶解し、10%Pd/C(2.2g)を加え、50℃まで加熱し水素化反応を行った。反応終
了後、反応液を室温に冷却し、吸引濾過した後、そのろ液を、常圧でメタノールを留去させ、1-メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジン(5.8g、収率96.8%)を得、D4含量は96%であった。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:105.1312。
ステップ3:1-(1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジン(式I-91化合物)の作製
35mLの耐圧管に、1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-オン(2.40g、9.59mmol)、1-メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジン(2.00g、19.20mmol)、アセトニトリル(10mL)、オルトギ酸トリメチル(2.00g、18.82mmol)及びギ酸(1.98g、43.02mmol)を加え、その混合物をマイクロ波で110℃まで加熱し、反応を90分間行った。反応終了後、その反応液を室温に冷却し、水(60mL)を加え、酢酸エチル(50mL×2)で抽出した後、その水層を、10%水酸化ナトリウム水溶液でpHをアルカリ性に調整し、ジクロロメタン(60mL×2)で抽出し、飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させて、溶媒を減圧下で留去させ、粗生成物を得、石油エーテル(10mL)を加えて叩解し、吸引濾過して、1-(1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル)-4-メチル[3,3,5,5-D4]ピペラジン(1.42g、収率43.7%)を得、D4含量は96%であった。
1H-NMR(500 MHz, CDCl3):δ = 7.99 (d, J = 9.5 Hz, 1H),6.42 (dd, J= 2.5, 9.5 Hz, 1H),6.31 (d, J = 2.5 Hz, 1H),3.95-3.94 (m, 5H), 2.98 (td, J = 2.5, 12.5 Hz,
2H), 2.61-2.47 (m, 5H),2.29 (s, 3H), 1.98 (d, J = 12.5 HZ, 2H), 1.63 (qd, J= 3.5, 12.5 Hz, 2H)。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:339.2344。
ステップ4:2-メトキシ-4-(4-(4-メチル-[3,3,5,5-D4]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)アニリン(式I-92化合物)の作製
実施例3のステップ4参照し、2-メトキシ-4-(4-(4-メチル-[3,3,5,5-D4]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)アニリン(1.1g、収率82%)を得、D4含量は96%であった。
1H-NMR(500 MHz, CDCl3):δ = 6.65 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 6.43 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.53 (d, J = 12 Hz, 2H), 2.65-2.36 (m, 7H), 2.31 (s, 3H), 1.94 (d, J = 10.5 Hz, 2H), 1.74-1.1.72 (m, 2H)。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:309.2628。
ステップ5:(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチル-[3,3,5,5-D4]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(式I-9の化合物)の作製
実施例1のステップ4を参照し、(2-((5-クロロ-2-((2-メトキシ-4-(4-(4-メチル-[3,3,5,5-D4]ピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)アミノ)フェニル)ジメチルホスフィンオキシド(0.13g、収率35.13%)を得、D4含量は95.4%であった。
1H-NMR(500 MHz, CDCl3):δ = 10.79 (s, 1H), 8.63 (dd, J= 4.5, 8.5 Hz, 1H), 8.10-8.09 (m, 2H), 7.50 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 1H), 7.31-7.25 (m, 2H), 7.14 (dd, J =
1.0, 7.0 Hz, 1H), 6.56 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.50 (dd, J = 2.0, 8.5 Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.66 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 2.75-2.68 (m, 6H), 2.48-2.43 (m, 1H), 2.40
(s, 3H), 1.98 (d, J = 12.0 Hz, 2H), 1.85, 1.83 (2s, 6H), 1.75 (qd, J =3.5, 12 Hz, 2H)。
13C-NMR(125 MHz, CDCl3):δ = 157.77, 155.90, 154.94, 149.33, 147.42, 143.85, 132.38, 129.56, 129.47, 123.12, 123.07, 122.50, 122.41, 122.21, 120.60, 119.83, 108.46, 106.03, 101.12, 61.84, 55.65, 50.49, 48.27, 45.46, 28.14, 18.85, 18.28。
HRMS (ESI, [M+H]+) m/z:588.2936。
効果例1:インビトロでの肝臓ミクロソーム安定性の評価
300μLの最終のインキュベーターシステムは、30μLサル肝臓ミクロソーム(タンパク質濃度:0.5mg/mL、米国BD社)、30μLのNADPH+MgCl2、3μL基質(1μmol/Lの試験化合物のアセトニトリル溶液)、237μLのPBS緩衝液を含む。上記インキュベーションシステムを、各0.3mLで二重に(2つ平行して)作製した。
各サンプルについては、まず、全体積270μLで基質と酵素の均一混合液を調製し、(NADPHを)37℃で5分間プレインキュベートした後、30μLのNADPH+MgCl2を加えて混合し、0、15、30、60、90分でそれぞれ40μLを取り出し、内部標準物質を含むアセトニトリル/氷300μLで反応を終了させた。さらに、それぞれ、下記の300μLのブランク(KB)を3つ調製した。KB1:NADPHなし、KB2:基質なし、KB3:酵素なし。
40μLの培養サンプルを吸引して取り出し、400μLの内部標準物質を含む氷冷アセトニトリルの沈殿物を加え、5分間ボルテックスした後、10分間遠心(13000rpm、4℃)した。80μLの上清を取り出し、サンプルプレートに加え、80μLの50%アセトニトリル/水溶液を加え、均一に混合し、1μLを吸引して取り出し、LC/MS/MS測定に供し、スペクトルを記録した。代謝安定性の結果を表1に示す。
Figure 0006887430
原薬Brigatinibと比べて、本発明の化合物、特に化合物I-1、I-2、I-6及びI-7は、有意に半減期を延ばし、代謝がより安定になることができた。
効果例2:インビトロ増殖の阻害作用
1.試験材料
1.1セル:ヒト肺癌細胞株NCI-H3122、EML4-ALK融合タンパク質を発現する。
1.2主な試薬:スルホローダミンB、RPMI-1640液体培地、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トリクロロメタン(クロロホルム)。
1.3装置:Varioskan Flashマイクロプレートリーダー。
1.4溶液の調製:試験化合物シリーズを、適量を取り、5%クロロホルム+95%DMSOに溶解し、20mMのストック溶液に調製した後、-20℃で保存した。陽性薬Crizotinib(クリゾチニブ)を取り、5%クロロホルム+95%DMSOに溶解し、使用直前に、新鮮な培地で作業濃度まで希釈した。95μLのDMSO及び5μLのクロロホルムを取り、混合し、使用直前に、新鮮な培地で作業濃度まで希釈した。
2.試験方法:
2.1細胞培養及び接種
10%の不活性化Hyclone社血清又はウシ胎児血清、100IU/mLのペニシリン及び100IU/mLのストレプトマイシンを含むRPMI1640培養液で、実験用腫瘍細胞株を、37℃、5%CO2のインキュベーター中で培養した。96ウェル培養プレートに、NCI-H3122細胞を5000/ウェル播種し、全体の実験にわたって、細胞を対数増殖期に保持した。
2.2投与
実験は、試験化合物シリーズ群、陰性対照群、及びCrizotinib群(陽性対照群)が設けられた。各試験化合物は、それぞれ、三倍ずつ希釈された六つの濃度勾配が設けられ、濃度ごとに3つのマルチウェル(反復ウェル)を設けた。陽性対照群は、それぞれ、三倍ずつ希釈された六つの濃度勾配が設けられ、濃度ごとに3つのマルチウェルを設けた。陰性対照は5%クロロホルム+95%DMSO(100nMの試験物質と同じ濃度である)であり、6つのマルチウェルを設けた。
2.3スルホローダミンB法(SRB法)
細胞を薬剤で72時間処理した後、培養液を除去し、細胞を固定するために各ウェルに予冷10%トリクロロ酢酸(TCA)溶液を加え、4℃の冷蔵庫に置き、細胞を固定した後、トリクロロ酢酸溶液を除去するために、培養プレートの各ウェルを脱イオン水で5回洗浄してから、空気中で乾燥させ、各ウェルに、1%酢酸配合SRB溶液(4mg/mL)を加え、室温で20分間放置し、各ウェル内の液体を除去した後、1%酢酸で5回洗浄し、未結合のSRB染料を洗浄し、空気中で乾燥させ、各ウェルに、pH10.5の10mMのTris-base(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)を適量を加え、溶解させ、プレートシェーカー上で10分間シェークし、マイクロプレートリーダーを用いて490nmの波長で吸光度OD値を測定した。
2.4結果処理
阻害率を、以下の式に従って、マイクロプレートリーダーで測定したOD値より計算した:
生存率(%)=OD投与/ODコントロール(対照)×100%
生存率≧100%の場合、100%と記録する。
CalcuSynソフトウェアを用いてIC50を計算し、平均値及び標準偏差を計算した。データを、平均±標準偏差として表す。
3. 試験結果:
ヒト肺癌細胞NCI-H3122の増殖の阻害作用の結果を表2に示す。
Figure 0006887430
表2の結果は、本発明の化合物が濃度依存的にヒト肺癌細胞NCI-H3122の増殖を阻害し、良好な阻害活性を有することを示している。
中国特許第102675018号明細書(CN102675018A)
The Science and Practice of Pharmacy, 21st Ed., Lippincott, Williams & Wilkins (2005)

Claims (4)

  1. 以下の式の化合物から選択される化合物、又はその薬学的に許容される塩、又は溶媒和物
    Figure 0006887430
  2. 治療に有効量の請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、又は溶媒和物及び一つ又は複数の薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む、薬学的組成物。
  3. 未分化リンパ腫キナーゼによって媒介される疾患の治療及び/又は予防における使用のための請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、又は溶媒和物
  4. 未分化リンパ腫キナーゼによって媒介される疾患の治療及び/又は予防における使用のための請求項2に記載の薬学的組成物。
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