以下、本発明を回転式の塵芥収集車に適用した実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては便宜上、塵芥収集車の前後左右を単に前後左右と呼ぶこともある。
図1には、本発明の実施形態に係る人物認識装置を装備した作業車両としての塵芥収集車100を示し、その車台1上には荷箱としての塵芥収容箱2と塵芥投入箱3とが設けられている。これら塵芥収容箱2の後方の開口部と塵芥投入箱3の前面の開口部とは連通されている。また、塵芥投入箱3は、その上部に設けられた左右方向の枢軸3aによって軸支されており、図示しないが、左右一対の傾動シリンダによって傾動されるようになっている。
また、前記塵芥投入箱3の背面における下寄りの部位には、塵芥を投入するための矩形状の塵芥投入口4(図7も参照)が開口されるとともに、これを開閉するように昇降可能なテールゲート5(扉)が設けられている。すなわち、図2に拡大して示すように、塵芥投入口4の左右両側縁に沿ってそれぞれガイドレール51が設けられており、テールゲート5の左右両側にそれぞれ設けられたローラ52が、ガイドレール51に沿って移動するようになっている。
そうしてテールゲート5を昇降させるために作業者が掴むハンドル53(図2にのみ示す)が、テールゲート5の下部に左右に並んで2つ設けられている。本実施形態では塵芥投入口4の上方には塵芥投入箱3の上部カバー31があり、最上昇位置にまで上昇したテールゲート5は、ハンドル53の配設されている部位を除いて、その大部分が上部カバー31の裏側に隠蔽されるようになっている。
この上部カバー31は、図1、2に示す例では前半部が大きく上方に突出した段付き形状とされ、後半部は緩やかに湾曲しながら後方ほど低くなるように傾斜していて、ここに塵芥投入口4の近傍およびその後方を撮影するようにカメラ7が配設されている。なお、塵芥投入口4の左側方には、塵芥積込装置の作動などの操作のためのスイッチが並設されたスイッチボックス6が設けられている。
そして、図2に表れているように塵芥投入箱3の内部には、投入された塵芥を塵芥収容箱2に積み込む作業装置としての塵芥積込装置が装備されている。本実施形態の塵芥積込装置は、回転板10の回転によって塵芥を掻き上げるとともに、押込板20によって塵芥収容箱2内へと押し込む、いわゆる回転式のものである。すなわち、まず、塵芥投入箱3内の下部においてその幅方向に延びるように回転軸11が架設され、これに回転板10の基端側が固定されている。
図示の例では前記回転軸11の端部に減速機構12を介して正逆回転可能な油圧モータ13が連結されている。よって、油圧モータ13の回転は減速機構12によりトルクアップされて回転軸11に伝達され、この回転軸11と一体に回転板10が回転されることで、その先端部は、断面略半円弧状に形成された塵芥投入箱3の底壁に沿って前後方向に移動するようになる。
一方、押込板20は、前記回転板10の上方において塵芥投入箱3の幅方向全体に亘って設けられ、その上部に設けられた左右方向の揺動軸21の周りに前後方向に揺動自在に支持されている。また、押込板20には、揺動軸21よりも上方に延びる延設部22が設けられ、この延設部22とその前方の支持ピン23との間に押込シリンダ24が架設されており、その伸縮作動によって押込板20を前後方向に揺動させるようになっている。
すなわち、図2に実線で示すように押込板20が塵芥収容箱2の側に最も揺動した位置(前進限界位置)にあるときは、この押込板20に干渉することなく回転板10が上方に回動するようになり、これに遅れて押込板20が塵芥投入口4側へ揺動する。そして、押込板20が塵芥投入口4側に最も揺動し、図2には仮想線で示す後退限界位置に達した後も、回転板10の回動は継続される。
こうして回転する回転板10は、塵芥を塵芥収容箱2側に掻き込んで、図2に実線で示すように前方の塵芥収容箱2側に延びる設定停止位置に一旦、停止する。そうすると今度は押込板20が塵芥収容箱2側に揺動して、回転板10上の塵芥を塵芥収容箱2に押し込んでゆく。そして、押込板20が再び前記の前進限界位置に達すれば、再び回転板10が上方へ回動するようになる。
このように互いに同期して回転板10の回転および押込板20の揺動が繰り返されることによって、塵芥投入箱3に投入された塵芥が連続的に塵芥収容箱2に積み込まれる(以下、塵芥積込作動と呼ぶ)。そのように回転板10および押込板20を作動させるための油圧回路および電子制御装置(制御系)の構成については以下に述べるが、そのために塵芥投入箱3の内部には、回転板10および押込板20の位置を検出するためのスイッチLS1〜LS5が設けられている。
すなわち、図2に表れているように、押込板20が前進限界位置または後退限界位置にあるときにそれぞれオンになるスイッチLS1,LS2と、回転板10が設定停止位置にあるときにオンになるスイッチLS3と、その設定停止位置から回転板10が正の向き(図1の時計回り)に所定角度回転したときにオンになるスイッチLS4と、さらに所定角度回転したときにオンになるスイッチLS5とが設けられている。
なお、スイッチLS1,LS2は、押込板20の揺動軸21の端部に設けられた図示省略のドグを検出するようになっており、スイッチLS3〜LS5は、回転板10の回転軸11の端部に設けられた図示省略のドグを検出するようになっている。また、これらのスイッチLS1〜LS5としては例えば光電スイッチ、近接スイッチなどを使用することができる。
前記のスイッチLS4,LS5は、図2にハッチングを入れて示すように、回転板10が塵芥投入口4の前縁部4aの真下から、その後方へ回転しつつ下降して塵芥投入口4の後縁部4bに最も近接するまでの角度範囲Zを検出するものである。この角度範囲Zにおいては回転板10が作業者の体の一部を巻き込む危険性があるので、以下では危険な角度範囲Zと呼ぶ。
さらに、図1、2に表れているように塵芥投入口4の近傍には、塵芥積込装置の作動を停止させるための緊急停止ボタン60,61や緊急停止プレート62などが配設されている。図1に表れているように塵芥投入口4の左側のスイッチボックス6に緊急停止ボタン60が配設され、また、図2に破線で示すように塵芥投入口4の右側に緊急停止ボタン61が配設されている。緊急停止プレート62は、塵芥投入口4の下方においてスイッチSW3をオンオフするように配設されている。
−塵芥積込装置の制御系−
次に、図3および図4を参照して、前記のように塵芥積込装置を作動させるための制御系について説明する。この制御系は、塵芥積込装置の油圧モータ13や押込シリンダ24などに供給する油圧を制御する油圧回路と、この油圧回路に設けられた電磁制御弁V1,V2に制御信号を出力する制御装置PLC(プログラマブル ロジック コントローラ)と、を備えている。
まず、図3を参照して油圧回路について説明すると、この油圧回路は、油圧ポンプPと、オイルリザーバTと、押込シリンダ24を制御するための電磁制御弁V1と、油圧モータ13を制御するための電磁制御弁V2と、を備えている。なお、油圧ポンプPには、図示しないが、エンジンの駆動力がPTO(パワー テイク オフ)を介して伝達されるようになっている。
一例として電磁制御弁V1,V2は、いずれも6ポート3位置の電磁式の方向切換弁からなる。電磁制御弁V1は、ソレノイドSOLaが励磁されると第1連通位置(図の上位置)に切り換わって、油圧ポンプPからの作動油を一対の押込シリンダ24のロッド側油室に供給する一方、ソレノイドSOLbが励磁されると第2連通位置(図の下位置)に切り換わって、作動油をヘッド側油室に供給する。
そうして電磁制御弁V1から作動油がヘッド側油室に供給されると、一対の押込シリンダ24が伸長作動して押込板20を前方に揺動させる。一方、作動油がロッド側油室に供給されると、一対の押込シリンダ24は収縮作動して、押込板20を後方に揺動させる。また、いずれのソレノイドSOLa,SOLbも励磁されていないときに、電磁制御弁V1は中立位置(図の中央位置)に復帰するようになる。
一方、電磁制御弁V2は、ソレノイドSOLcが励磁されると第1連通位置(図の下位置)に切り換わって、作動油を油圧モータ13の正転側油室に供給し、当該油圧モータ13を正転作動させる。一方、ソレノイドSOLdが励磁されると電磁制御弁V2は第2連通位置(図の上位置)に切り換わって、作動油を油圧モータ13の逆転側油室に供給し、当該油圧モータ13を逆転作動させる。
また、いずれのソレノイドSOLc,SOLdも励磁されていないときに、電磁制御弁V2は中立位置(図の中央位置)に復帰するようになる。電磁制御弁V1,V2の両方が中立位置にあるとき、作動油はオイルリザーバTへ還流するようになる。なお、図示の油圧回路において符号V3はチェック弁であり、また、符号V4は、油圧ポンプPの吐出圧の上限を設定するためのリリーフ弁である。
次に、図4を参照して制御装置PLCにおける信号の入出力状態について説明する。まず、制御装置PLCへの電力供給は図の左上に示すバッテリBTによって行われるものである。このバッテリBTと図の右側のグランドラインK1との間に、図の最上部を左右に延びるように通電ラインK2が接続されていて、ここには、塵芥収集車100のキースイッチSWK、PTOスイッチSWP、リレーコイルCR1などが介設されている。
また、前記キースイッチSWKおよびバッテリBTの中間において通電ラインK2から分岐するように、通電ラインK3の上流端が接続されており、この通電ラインK3を介して制御装置PLCの信号用電力供給部(図示せず)に電力が供給されるようになっている。すなわち、通電ラインK3の上流側(バッテリBTに近い側)には前記リレーコイルCR1の接点cr1が介設されており、リレーコイルCR1がオンになると接点cr1が閉じられて、通電ラインK3に通電するようになる。
この通電ラインK3は、塵芥積込装置の塵芥積込作動中には必ず通電されるものであって、図2を参照して上述した緊急停止ボタン60,61および緊急停止プレート62の操作に対応して開閉されるスイッチSW1〜SW3が介設されている。これらのスイッチSW1〜SW3によって通電が遮断されると、制御装置PLCの作動が停止されることによって塵芥積込装置の作動が停止される。そして、詳しくは後述するが通電ラインK3には画像処理ユニット8も介設されている。
さらに、図4の左側に表れているように、前記の接点cr1よりも下流側(バッテリBTから遠い側)で通電ラインK3から分岐するように複数の分岐ラインの上流端が接続されており、これらの分岐ラインのそれぞれに図2を参照して上述したスイッチLS1〜LS5が介設されている。これらのスイッチLS1〜LS5からの信号に基づいて、塵芥積込装置の回転板10および押込板20の位置、即ち作動状況が検出される。
なお、前記のスイッチLS1〜LS5の他に制御装置PLCへの入力側には、図示はしないが塵芥積込装置の始動および停止スイッチ、塵芥積込作動の単動または連続の選択スイッチ、塵芥積込作動および塵芥排出作動の選択スイッチ、回転板10や押込板20を単独で作動させるスイッチ、塵芥投入箱3を傾動させて開放するスイッチなども接続されている。
前記のように各種スイッチが入力側に接続されている一方、制御装置PLCの出力側(図4の右側)には、電磁制御弁V1,V2のソレノイドSOLa〜SOLdなどが接続されている。そして、制御装置PLCは、スイッチSW1〜SW3,LS1〜LS5などから入力する信号に基づいて、予め設定された手順に従い油圧モータ13や押込シリンダ24などを作動させるべく、対応するソレノイドSOLa〜SOLdに出力するようにプログラムされている。
すなわち、例えば塵芥積込装置が塵芥積込作動するときには、通電ラインK2上のキースイッチSWKおよびPTOスイッチSWPがいずれも閉じられて、リレーコイルCR1に通電される。これにより、リレーコイルCR1の接点cr1が閉じられるので、通電ラインK3によって通電されることにより、制御装置PLCが作動可能な状態になって適宜、ソレノイドSOLa〜SOLdに制御信号を出力するようになる。
この制御信号を受けてソレノイドSOLa〜SOLdが励磁され、電磁制御弁V1,V2の位置が適宜、切り換えられることで、油圧モータ13や押込シリンダ24などに作動油圧が供給される。これにより、油圧モータ13や押込シリンダ24などがそれぞれ作動し、図2を参照して上述したように、回転板10の回転および押込板20の揺動が互いに同期して繰り返されることになる。
詳しくは、まず図2に実線で示すように押込板20が前進限界位置にあって、スイッチLS1からオン信号が出力されるとともに、回転板10が設定停止位置にあって、スイッチLS3からもオン信号が出力されるときに、これらの信号を受けた制御装置PLCから制御信号が出力され、電磁制御弁V2が第1連通位置に切り換えられて、油圧モータ13が正転作動を開始する。これにより、回転板10は上方に回動し始める。
そして、所定の期間が経過すると制御装置PLCから電磁制御弁V1のソレノイドSOLaへ制御信号が出力されて、電磁制御弁V1が第1連通位置に切り換えられ、押込シリンダ24が収縮作動を開始する。これにより押込板20は後方の塵芥投入口4側へ揺動するようになり、この押込板20が後退限界位置に達すると、スイッチLS2からオン信号が出力される。
これを受けて制御装置PLCがソレノイドSOLaへの制御信号の出力を停止することで、電磁制御弁V1が中立位置に復帰し、押込板20の揺動が停止する。また、そうして押込板20が揺動している間も回転板10の回動は継続しており、塵芥を塵芥収容箱2側に掻き込んでゆくが、こうして回動する押込板20が設定停止位置に至り、スイッチLS3からオン信号が出力される。
これを受けて制御装置PLCが、電磁制御弁V2のソレノイドSOLcへの制御信号の出力を停止することで、電磁制御弁V2が中立位置に復帰し、油圧モータ13の回動が停止する。また、制御装置PLCは、電磁制御弁V1のソレノイドSOLbへ制御信号を出力し、電磁制御弁V1が第2連通位置に切り換えられて、押込シリンダ24が伸長作動を開始することで、押込板20が前方へ揺動し始める。
こうして前方の塵芥収容箱2側に揺動する押込板20が、回転板10上の塵芥を塵芥収容箱2に押し込んでゆき、前進限界位置に達すれば、スイッチLS1からオン信号が出力される。これを受けて制御装置PLCがソレノイドSOLbへの制御信号の出力を停止することで、電磁制御弁V1が中立位置に復帰し、押込シリンダ24の伸長作動、即ち、押込板20の前方への揺動が停止する。
−人物認識装置および緊急停止装置−
ところで、前記のように塵芥積込装置が塵芥積込作動をしているときには、塵芥投入口4に塵芥を投入している作業者が不注意から回転板10などに巻き込まれるおそれがある。そこで、本実施形態の塵芥収集車100においては、塵芥投入口4の近傍を撮影するようにカメラ7を配設し、画像処理によって塵芥投入口4近傍の所定のエリアに人物が居ると判定すれば、直ちに塵芥積込装置の作動を停止させるようにしている。
すなわち、前記の図1、2に表れている他、図5に示すように、塵芥投入箱3の背面の上部カバー31、即ち塵芥投入口4の上方にはカメラ7が配設され、下方の塵芥投入口4近傍を撮影している。このカメラ7は、塵芥収集車100の運転者が後方(車両遠方)を確認するためのバックカメラとしても用いられるものであり、図示はしないが運転席周辺には、カメラ7によって撮影された画像を表示するモニタが配設されている。
こうしてモニタに表示される他に、カメラ7によって撮影された画像のデータは、画像処理ユニット8(画像処理装置であり、例えば図1に破線で示すように運転席周辺に配設されている)に送信される。そして、この画像において人物Hと判定された物体像が、塵芥投入口4の前縁部4aおよび後縁部4bの間の危険なエリア(前記所定のエリアであって、図5にハッチングを入れて示す)に居るか否か判定される。
ここで、上述したように塵芥積込装置の積込作動時には、キースイッチSWKおよびPTOスイッチSWPがいずれも閉じられており、通電ラインK3によって制御装置PLCに通電されている。そして、図4に表れているように通電ラインK3の途中に画像処理ユニット8が介設されており、前記のようにして危険なエリアに人物Hが居ると判定すれば、制御装置PLCへの通電を遮断するようになっている。
以下に、まず、画像処理による人物認識の手法について説明すると、図5に模式的に示すように画像処理ユニット8には、所定のプログラムを実行して各種の制御を行う中央処理部CPU、カメラ7からの画像データを入力して、以下のような公知の画像処理を行う画像処理部DSP、それら中央処理部CPUや画像処理部DSPにおいて使用されるデータを記憶するメモリM、中央処理部CPUの指令を受けて開閉されるリレースイッチSW4などが設けられている。
また、図示はしないが画像処理ユニット8には、種々のデータを一時記憶するバッファ、中央処理部CPUの指令を受けてカメラ7の制御を行うカメラ制御回路なども設けられている。さらに、本実施形態では画像処理ユニット8に、カメラ7によって撮影された画像のデータとともに、画像処理の結果なども表示させる画像出力部VOP(ビデオ アウトプット)が設けられている。
−画像処理のルーチン−
前記の画像処理部DSPは、公知の画像処理ロジックを高速で行う一般的な集積回路であり、例えば入力画像データの二値化処理と、この二値化された画像データにおいて互いに近接する各画素について領域化するラベリング処理と、ラベリングにより領域化された物体像の領域が人物像であることを識別する人物識別処理と、人物像と識別された物体像の位置が危険なエリアか否か判定する人物位置判定処理とを行う。
具体的に、図6のフローチャートを参照して画像処理のルーチンについて説明すると、まず、スタート後のステップS1において二値化処理が行われる。これは例えば、入力画像データについて各画素毎の輝度値が予め設定された閾値以上である場合に最大輝度値とし、閾値未満であれば最小輝度値とする処理である。生成される二値化画像データは、ノイズや光量変化の影響の多くが除去されたものとなる。
次にステップS2ではラベリング処理が行われる。これは、前記の二値化画像データにおいて互いに近接する各画素を領域化するものであり、例えば同じ輝度値に属するとともに、所定距離内で密接する複数の画素について1つの領域と見なす処理である。ラベリング処理は画像平面全体について行われ、これにより1つの領域とされたものが、それぞれ物体像として認識される。
そして、続くステップS3〜S5において、前記それぞれの物体像についての人物識別処理が行われる。本実施形態では、図5を参照して上述したように塵芥投入口4の上方にカメラ7を配設し、下方の塵芥投入口4近傍を撮影するようにしている。このため、その画像には、図7に一例を示すように人物Hの頭部が大きく表示されるとともに、上方から見た顔の一部も表示されるようになる。つまり、画像データには人物Hの顔の情報も含まれている。
そこで、まずステップS3では、予め設定されている頭部(顔も含む)の特徴データ、即ち例えば頭部の大きさや形状、頭髪の状態などを示すデータを参照し、この特徴データの条件を満たすような物体像を、仮に人物Hの頭部と判定する。なお、特徴データについては予め多くの人物の頭部(顔も含む)の画像を撮影して、その大きさや形状などの特徴を抽出したものであって、画像処理ユニット8のメモリMに格納されている。
そうして「仮に頭部」と判定した物体像について、それ以外の物体像と識別する処理をステップS4,S5で行う。まず、ステップS4では、カメラ7から時系列に入力される複数の画像データの差分処理(各画素毎の輝度値の差を求める処理)によって、物体像の位置の変化を検出する。そして、この位置の変化、即ち物体像の移動距離を、それに要した時間(画像データを取得する時間間隔)で除算して、物体像の移動速度を算出する。
そして、算出した移動速度が予め設定した閾値以下であるか否か、ステップS5において判定する。この閾値は、塵芥投入口4に塵芥を投入する作業者の頭部の移動速度と、投入される塵芥の移動速度とを区別できるように、予め実験などによって設定されている。よって、算出した移動速度が閾値よりも高ければ、動作が速すぎるので人物Hの頭部ではないと識別し、否定判定して(NO)ルーチンを終了する(エンド)。
一方、前記ステップS5において移動速度が閾値以下であると肯定判定すれば(YES)、物体像は人物Hの頭部であると識別してステップS6に進み、この物体像が予め設定されている危険なエリアに入っているか否か判定する。これは、物体像を形成する領域の外形をなす画素の位置座標が危険なエリアの境界線B(塵芥投入口4の後縁部4b)よりも前方にあるか否かによって判定できる。
よって、人物Hの頭部と識別した物体像が危険なエリアに入っていると肯定判定すれば(YES)、ステップS7に進んで塵芥積込装置の作動を停止させるべく、中央処理部CPUへ停止信号を出力し、画像処理ルーチンを終了する(エンド)。一方、物体像が危険なエリアに入っていないと否定判定すれば(NO)、停止信号は出力せずに画像処理ルーチンを終了する(エンド)。
そうして画像処理部DSPから停止信号が発せられると、これを受けた中央処理部CPUはリレースイッチSW4を開放させる。すなわち、図示しないリレーコイルに通電してスイッチの接点を開くことにより、通電ラインK3による制御装置PLCへの通電を遮断する。これにより制御装置PLCの作動が強制的に停止されるので、仮に制御装置PLCに何らかの異常があっても、電磁制御弁V1,V2の全てのソレノイドSOLa〜SOLdへの通電が停止されることになる。
よって、第1連通位置または第2連通位置にある電磁制御弁V1,V2が全て中立位置に復帰するようになり、その結果、直ちに油圧モータ13および押込シリンダ24の作動が停止される。このように本実施形態では、画像処理ユニット8の中央処理部CPUと、リレースイッチSW4とによって、塵芥積込装置の作動を停止させる緊急停止装置が構成されている。
−カメラの向きの切り替え−
次に、上述したカメラ7の向きを切り替える構造について詳細に説明する。本実施形態では、前記図6のフローのステップS6において、人物Hの頭部と識別した物体像の外形をなす画素の位置座標が、境界線B(塵芥投入口4の後縁部4b)を越えて危険なエリアに入っているか否か判定するようにしており、この判定を正確に行うためには、カメラ7によって塵芥投入口4をできるだけ真上から撮影することが望ましい。
しかしながら、カメラ7としてバックカメラを利用する場合、一例として図12に示すようにバックカメラCは通常、後方への視野を拡げるように傾斜して配置され、撮像レンズの光軸Aが鉛直下方から後方(車両遠方)に大きく振り向けられている。このため、バックカメラCによって撮影された画像においては、塵芥投入口の後縁部(境界線B)と後方の人物Hとの間隔Dを画像平面上で正確に検出することが難くなる。
すなわち、図12に表れているように撮像レンズの光軸Aが後方に大きく振り向けられ、鉛直下向きからの傾斜角度θが大きくなると、図示のように塵芥投入口の上方の危険なエリア(ハッチングで示す)に人物Hが近づいたときに、画像平面においては塵芥投入口の後縁部(境界線B)と、人物Hの頭部との間隔Dが、実際の間隔よりもかなり大きく見えてしまうからである。
このようにバックカメラCをそのまま利用し、その画像のデータに基づいて画像処理を行おうとすると、作業者など(人物H)が危険なエリアに居るか否かの判定に誤りを生じるおそれがある。一方、そうならないように撮像レンズ70の光軸Aを鉛直下向きに近づけると、今度は後方への視野が狭くなってしまい、バックカメラとしての使用に不具合を生じるおそれがある。
そこで、本実施形態ではカメラ7の向きを変更可能にし、その撮像レンズ70の光軸Aが、通常のバックカメラのように斜め後方(第1の方向)に向けられた通常位置と、これよりも鉛直下向きに近い第2の方向に向けられた監視位置と、に切り替わる構造とした。そして、作業者などが塵芥投入口4のテールゲート5を開いたときに、これに連動してカメラ7が前記監視位置に切り替わるようにした。
詳しくカメラ7の設置状態を説明する。図8および図9に示すように、塵芥投入箱3の上部カバー31には支持部材71が固定され、これにカメラ7が取り付けられている。支持部材71は、例えば鉄板をプレス成形した後に折り曲げてなり、矩形状のベース71aと、その左右両側から立ち上がって上方に延びる台形状の側壁部71b,71cと、これらの上端を繋いで左右に延びる矩形状の庇部71dと、を備えている。
前記のベース71aは、上部カバー31上に重ね合わされてボルトなど(図示せず)により締結されており、その中央付近には前後方向に長いスリット71eが設けられて、後述するようにワイヤ75が挿通されている。また、ベース71aの左右両側から立ち上がる側壁部71b,71cはそれぞれ、前後2つのステーと上下2つのステーとが一体になった台形の枠状とされている。
そして、それら左右の側壁部71b,71cの上部(即ち上のステーの部分)が、庇部71dの左右両側にそれぞれ形成されている湾曲部となだらかに連続している。また、それらの側壁部71b,71cの上部にはそれぞれ丸穴が貫通形成され、カメラ7の基端側の部位から左右両側に突出する支持ピン72が挿通されている。これによりカメラ7は、その先端側(撮像レンズ70の側)を上下方向に揺動可能に支持されている。
また、そうして上下方向に揺動可能とされたカメラ7の先端側を上向きに付勢するように、引張コイルばね73(付勢部材)が設けられている。すなわち、図8に表れているようにカメラ7の下部には、左右の端部がそれぞれ外方に突出するように連結ピン74が取り付けられており、その両方の端部(片方の端部でもよい)にそれぞれ引張コイルばね73の下端部が係止されている。
それらの引張コイルばね73の上端部は、支持部材71の側壁部71b,71cの上部(図8の例では支持ピン72の挿通される丸穴の隣)に設けられた切り欠きに係止されており、引張コイルばね73はその弾性力によって、カメラ7の先端側を引き上げるようになっている。一例として引張コイルばね73が、カメラ7の先端側の重量を受けて少し伸びた状態で、撮像レンズ70の光軸Aの鉛直下向きからの傾斜角度θは35〜45°くらいになる。
一方、前記連結ピン74における左右の中間部には、ワイヤ75(伝達部材)の一端部が連結されて、以下に説明するようにテールゲート5の開き側への変位をカメラ7に伝達するようになっている。このワイヤ75によって下向きに引っ張られたときにカメラ7は、引張コイルばね73の弾性力に抗して下向きに揺動され、撮像レンズ70の光軸Aが鉛直下向きに近づくようになる。
詳しくは図9に示すようにワイヤ75は、カメラ7の下部の連結ピン74から下向き斜め前方に延びて、支持部材71のベース71aのスリット71eを通過した後に、プーリ76に巻き付けられて向きを変え、前方斜め上向きに延びている。なお、プーリ76は、ベース71aの裏側に突設された矩形片部71fに回転可能に取り付けられており、塵芥投入箱3の上部カバー31の裏側に位置している。
そして、そのようにプーリ76から前方の斜め上に向かって、上部カバー31の裏側に沿うように延びているワイヤ75の他端側の部分が、図9では左上に示すように、上部カバー31の裏側における最上部付近に配設されたプーリ77に巻き付けられて、再び下方に向きを変えている。このプーリ77は、上下に分かれた2つの枝部78a,78bを有するブラケット78の上側の枝部78aに回転可能に取り付けられている。
図9に表れているようにブラケット78は、例えば上部カバー31の裏側のリブに取り付けられ、上下2つの枝部78a,78bがそれぞれ後方に伸びるように配設されている。そして、前記のようにプーリ77に巻き付けられて下向きに延びるワイヤ75の他端部が、下側の枝部78bに連結されている。よって、ブラケット78の上側の枝部78a(プーリ77)と下側の枝部78bとの間には、ワイヤ75が直線的に延びている(以下、この部分を張設部という)。
以上のようにカメラ7の下部(連結ピン74)から2つのプーリ76,77を経てブラケット78の下側の枝部78bに至るワイヤ75の長さによって、カメラ7の向き、即ち撮像レンズ70の光軸Aの方向が決まることになる。本実施形態では、カメラ7の先端側を引き上げる引張コイルばね73が、カメラ7の先端側の重量を支持する状態よりも少しだけ伸びるように、ワイヤ75の長さを設定している。
こうすると、そのように少しだけ伸びることによって増大する引張コイルばね73の弾性力(引張力)と、ワイヤ75に発生する初期張力とが釣り合って、カメラ7の向きが維持されるようになる。そして、このときのカメラ7の位置が通常位置であり、撮像レンズ70の光軸Aは、一般的なバックカメラと同様に後方に振り向けられた第1の方向(例えばθ=30〜35°くらい)を向く。
こうして撮像レンズ70の光軸Aが後方に振り向けられたカメラ7の通常位置においては、その視野が後方へ大きく拡がるようになるので、バックカメラとして使用するのに好適である。このときに塵芥投入口4のテールゲート5は閉じられており、前記したようにワイヤ75の他端側においては、ブラケット78の上下2つの枝部78a,78bの間をワイヤ75の張設部が直線的に延びている。
そして、例えば塵芥を投入するために作業者がハンドル53を掴んで、テールゲート5を引き上げると、それが最上昇位置に上昇して塵芥投入口4が全開されるときに、ワイヤ75によってカメラ7が引っ張られ、引張コイルばね73の弾性力に抗して下向きに揺動する。これによりカメラ7は監視位置に切り替わり、撮像レンズ70の光軸Aが第2の方向(例えばθ=20〜25°くらい)を向く。
より詳しくは、前記のように作業者によって引き上げられるテールゲート5が、最上昇位置の少し手前まで上昇すると、図9に表れているようにその上縁部がブラケット78の上下の枝部78a,78bの間に進入し、ワイヤ75の張設部を押圧するようになる。これにより、図10に示すように張設部が屈曲して、この図には矢印aとして示すようにワイヤ75がたぐり寄せられ、カメラ7を下向きに引っ張るようになる。
本実施形態では、そのようにして張設部が屈曲することによって、ワイヤ75のたぐり寄せられる量が、支持部材71において支持ピン72を中心にカメラ7を回動させ、通常位置から監視位置に切り替えるための移動量に設定されている。よって、前記したようにテールゲート5が引き上げられ、塵芥投入口4が全開されると、これに連動してカメラ7が監視位置に切り替わることになる。
なお、上述したようにカメラ7を支持部材71に揺動可能に支持することで、撮像レンズ70の光軸Aを第1および第2の方向に切り替え可能な方向切替機構が構成されている。そして、カメラ7を上向きに引っ張る引張コイルばね73と、その弾性力に抗して下向きに引っ張るワイヤ75と、によって、テールゲート5の開閉に応じてカメラ7の向きを切り替える機械的な連動切替手段が構成されている。
そうしてカメラ7が監視位置に切り替えられ、光軸Aが下向きにされたときには、撮像レンズ70の中心が平面視(図示はしないが、上方から視た平面視)で塵芥投入口4の前縁部4aおよび後縁部4bの中間(前縁部4aおよび後縁部4bの真上も含む)に位置するようになる。なお、図5の例では撮像レンズ70の中心は、塵芥投入口4の前縁部4aの殆ど真上に位置している。
このとき、図5に表れているように側方視で撮像レンズ70の光軸Aは、ほぼ塵芥投入口4の後縁部4bを通過するようになり、鉛直下向きに近くなる。このため、撮影された画像における危険なエリアの境界線Bと後方の人物Hの頭部との間隔D(図7の上下方向の間隔D)は、図5に示す実際の間隔Dにかなり近くなる。よって、人物Hが境界線Bを越えて危険なエリアに入ったか否かの判定(図6のフローのステップS6の判定)をより正確に行うことができる。
しかも、前記のように撮像レンズ70の光軸Aを塵芥投入口4の後縁部4bに向けているので、その後縁部4b、即ち危険なエリアの境界線Bが、前記の図7に表れているように画像の中央に表示されることになる。これは、画像において境界線B付近の間隔Dが撮像レンズ70など光学系の歪みの影響を受け難いということであり、前記の判定を正確に行う上で有利である。
以上、説明したように本実施形態に係る人物認識装置によると、塵芥収集車100において塵芥投入口4の上方に配設するカメラ7の向きを切り替え可能に構成し、撮像レンズ70の光軸Aを通常のバックカメラと同様に斜め後の第1の方向に向けることで、撮影される画像の視野を十分に広げることができる。一方、光軸Aを下向きの第2の方向に切り替えれば、撮影される画像における塵芥投入口4と後方の人物Hとの間隔Dに基づいて、この人物Hが危険なエリアに侵入したか否か、より正確に判定できるようになる。
つまり、画像処理のためのカメラ7をバックカメラと共用しながら、その向きを適宜、切り替えることによって、より正確に人物Hが危険なエリアに居るか否か判定できるようになる。そして、この判定結果に基づいて塵芥積込装置の作動を停止させることにより、安全性の確保が図られる。
また、前記実施形態では、作業者がテールゲート5を引き上げて塵芥投入口4が全開したときに、連動してカメラ7を下向きの監視位置に切り替えるようにしており、そのようにテールゲート5を引き上げた作業者が危険なエリアに居るか否か正確に判定することができる。しかも、そうしてテールゲート5の上昇(開き側への変位)をワイヤ75によってカメラ7に伝達するという機械的な構造としているので、コストの上昇を抑制できる。
−その他の実施形態−
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、これは1つの具体例を示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではないから、具体的な構成などは適宜、設計変更可能である。例えば前記の実施形態では、画像処理ユニット8を制御装置PLCへの通電ラインK3に介設して、リレースイッチSW4の開放により制御装置PLCへの通電を遮断するようにしているが、これには限定されない。
すなわち、例えば画像処理ユニット8において人物Hが危険なエリアに居ると判定したときに、制御装置PLCに停止信号を出力し、これを受けた制御装置PLCによって電磁制御弁V1,V2のソレノイドSOLa〜SOLdへの制御信号の出力を停止させるようにしてもよく、その他、塵芥積込装置の作動を停止させることができる構成であれば採用可能である。
また、前記の実施形態では、画像処理ユニット8において画像処理部DSPからの停止信号を受けたときに、中央処理部CPUによってリレースイッチSW4を開放させるようにしているが、これにも限定されない。例えば、塵芥積込装置の回転板10の作動状態を検出するためのリミットスイッチLS4,LS5からの信号を、制御装置PLCだけでなく画像処理ユニット8にも入力するように構成し、回転板10が危険な角度範囲Z(図2を参照)にあり、且つ人物Hの頭部が危険なエリアに入っているときに、リレースイッチSW4を開放させるようにしてもよい。
すなわち、塵芥積込装置の作動中であっても、回転板10が危険な角度範囲Z以外を回動しているときには、これによって作業者の体の一部が巻き込まれるおそれはないので、このときには人物Hが危険なエリアに居ても、塵芥積込装置の作動は停止させない。こうすれば、塵芥積込装置の不要な作動停止の頻度を低下させることができ、利便性の向上が図られる。
また、前記の実施形態では図5に表れているように、光軸Aが下向きの第2の方向を向いているときに、撮像レンズ70の中心が塵芥投入口4の前縁部4aのほぼ真上に位置し、光軸Aは後縁部4bに向けうようにしているが、判定の精度という観点からは撮像レンズ70の中心を塵芥投入口4の後縁部4bの真上に位置づけ、そこから鉛直下向きに光軸Aを向けるのが好ましい。
さらに、前記の実施形態では、テールゲート5の上昇によってワイヤ75が引っ張られて、カメラ7を下向きに揺動させるようにしているが、これにも限定されず、例えばテールゲート5の上昇をセンサによって検出し、これに応じて電動モータ、シリンダ、ソレノイド等のアクチュエータによりカメラ7の向きを切り替えるように構成してもよい。また、そのアクチュエータを塵芥積込装置の作動に応じて作動させ、カメラ7の向きを切り替えるようにしてもよい。
すなわち、一例として図11に示すように、カメラ7の支持部材71にギヤードモータ79(減速機付き電動モータ)を取り付けて、その回転軸をカメラ7の支持ピン72の端部に直結する。なお、この場合は前記の実施形態のような引張コイルばね73、連結ピン74、ワイヤ75、プーリ76,77、ブラケット78などは不要であり、支持部材71のベース71aにもスリット71eは設けない。
そして、始動スイッチのオン操作などにより、塵芥積込装置の作動が開始されるのに応じて制御装置PLCによりギヤードモータ79を作動させ、カメラ7を通常位置から監視位置に切り替えるように構成すればよい。また、塵芥積込装置の作動が終了すれば、これに応じてギヤードモータ79を作動させ、カメラ7を監視位置から通常位置に切り替えるように構成すればよい。
なお、そのように構成した場合にカメラ7が通常位置や監視位置にあることは、ギヤードモータ79に内蔵されたエンコーダからの信号を入力し、制御装置PLCによって判定することができる。或いは、図示はしないがカメラ7とその支持部材71との間に近接スイッチなどを設け、その出力信号を入力して制御装置PLCによりカメラ7が通常位置や監視位置にあることを判定するようにしてもよい。
さらにまた、そうしてカメラ7自体の向きを切り替えるのではなく、その撮像レンズ70だけを動かせるように構成して、光軸Aの向きを切り替えるようにしてもよいし、カメラ7および撮像レンズ70の両方を動かないように固定しておいて、例えば反射鏡などを用いて光軸Aの向きだけを切り替えるように構成してもよい。
また、前記実施形態では、いわゆる回転式の塵芥積込装置を装備した塵芥収集車100に本発明を適用した場合について説明しており、塵芥積込装置の主要部は回転板10および押込板20により構成されているが、これにも限定されず、塵芥積込装置の主要部は昇降板および押込板によって構成されていてもよく、その構造を特に限定するものではない。
また、前記実施形態では作業車両として塵芥収集車100を例示したが、本発明はこれに限らず、種々の作業車両に適用可能である。例えば、荷箱内に物品を加熱処理する作業装置が設けられ、物品の投入口に人物が近づき過ぎるのが危険な作業車両に本発明を適用するのも好ましい。