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JP6873305B1 - 急結性混和材、及び吹付け材料 - Google Patents

急結性混和材、及び吹付け材料 Download PDF

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JP6873305B1 JP2020186653A JP2020186653A JP6873305B1 JP 6873305 B1 JP6873305 B1 JP 6873305B1 JP 2020186653 A JP2020186653 A JP 2020186653A JP 2020186653 A JP2020186653 A JP 2020186653A JP 6873305 B1 JP6873305 B1 JP 6873305B1
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Abstract

【課題】貯蔵安定性及び急結性に優れた急結性混和材を提供する。【解決手段】本発明の急結性混和材は、カルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム、石膏、及び硫酸ナトリウムを含む、粉体状の急結性混和材であって、CaF2を含むものである。【選択図】なし

Description

本発明は、急結性混和材、及び吹付け材料に関する。
これまで急結性混和材について様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、カルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム塩等を含む急結材、セメント、骨材を含む吹付けコンクリート組成物が記載されている(特許文献1の請求項)。
特開2017−109901号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載の急結材において、貯蔵安定性及び急結性の点で改善の余地があることが判明した。
本発明者はさらに検討したところ、粉体状の急結性混和材において、カルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム、石膏、及び硫酸ナトリウムに、CaFを併用することによって、貯蔵安定性及び急結性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
カルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム、石膏、及び硫酸ナトリウムを含む、粉体状の急結性混和材であって、
CaFを含
リートベルト法による定量分析したときの前記CaF の含有量が、当該急結性混和材100質量%中、0.3質量%以上2質量%以下、
前記カルシウムアルミネートの含有量が、当該急結性混和材100質量%中、60質量%以上80質量%以下、
前記硫酸アルミニウムの含有量が、当該急結性混和材100質量%中、1質量%以上10質量%以下、
前記石膏の含有量が、当該急結性混和材100質量%中、15質量%以上30質量%以下、および
前記硫酸ナトリウムの含有量が、当該急結性混和材100質量%中、3質量%以上12質量%以下である、
急結性混和材が提供される。
また本発明によれば、
上記の急結性混和材、及びセメントを含む、吹付け材料が提供される。
本発明によれば、貯蔵安定性及び急結性に優れた急結性混和材、及び、これを用いた吹付け材料が提供される。
本実施形態の急結性混和材を概説する。
本実施形態の急結性混和材は、カルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム、石膏、及び硫酸ナトリウムを含む、粉体状の組成物である。
急結性混和材は、CaFを含むように構成される。
この急結性混和材は、粉末X線回折パターンにおいて、CaFに由来するピークを有してもよい。
急結性混和材において、カルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム、石膏、及び硫酸ナトリウムを含むことにより、貯蔵安定性及び急結性のバランスを図ることができ、硫酸アルミニウム及びCaFを併用することで、貯蔵安定性を一層向上できる。
詳細なメカニズムは定かではないが、CaFの凝結遅延効果により、急結性混和材の水和による凝結の進行を遅延でき、その結果、貯蔵安定性が向上すると考えられる。
リートベルト法による定量分析したときのCaFの含有量は、急結性混和材100質量%中、例えば、0.3質量%以上2質量%以下、好ましくは0.5質量%以上1.9質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上1.7質量%以下である。このような範囲内にすることで、貯蔵安定性を一層向上できる。
本実施形態によれば、貯蔵安定性と急結性とのバランスに優れた急結性混和材を実現できる。
以下、本実施形態の急結性混和材を詳述する。
(カルシウムアルミネート)
急結性混和材は、カルシウムアルミネート(CaO成分とAl成分とを主体とする化合物)を含む。
カルシウムアルミネートは、結晶質又は非晶質のいずれを含んでもよく、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カルシウムアルミネート中のCaO/Alは、モル比で、例えば、1.8〜2.5、好ましくは1.9〜2.4である。このモル比がこの範囲内とすることで、非晶質化率を高くでき、優れた初期凝結が得られる。
カルシウムアルミネートは、非晶質を含んでもよい。カルシウムアルミネート中の非晶質化率は、質量換算で、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましく、80%以上がより一層好ましい。これにより初期凝結性を高めることができる。
カルシウムアルミネートの含有量は、急結性混和材100質量%中、例えば、60質量%以上80質量%以下、好ましくは60質量%以上75質量%以下、より好ましくは60質量%以上70質量%以下である。上記下限値以上とすることにより、急結性を向上できる。上記上限値以下とすることにより、急結性と強度発現性とのバランスを図ることができる。
急結性混和材中やカルシウムアルミネートの粉末中の各鉱物組成の含有量は、一般の分析方法で確認することができる。例えば、粉体状のサンプルを粉末X線回折法で生成鉱物組成を確認するとともにデータをリートベルト法にて解析し、鉱物組成を定量することができる。また、化学成分と粉末X線回折の同定結果に基づいて、鉱物組成量を計算によって求めることもできる。
カルシウムアルミネートの製造方法は、例えば、CaO原料、Al原料を含む原料混合物を、例えば、キルンや電気炉により焼成や熔融する工程を含んでもよい。
CaO原料として、工業原料として市販されているものを使用してもよいが、例えば、石灰石、石炭灰、生石灰、消石灰、及びアセチレン発生屑からなる群から選ばれる一又は二以上を含んでもよい。この中でも、生石灰を用いてもよい。
Al原料として、工業原料として市販されているものを使用してもよいが、例えば、ボーキサイト、水酸化アルミニウム、及びアルミ残灰からなる群から選ばれる一又は二以上を含んでもよい。アルミ残灰は水酸化アルミニウムを主体としてもよい。
これらの原料を、所定の鉱物組成割合となるように調合し混合粉砕し、原料混合物を得る。
混合粉砕の方法は、特に限定されるものではなく、乾式粉砕法又は湿式粉砕法を適用することができ、湿式粉砕法の場合は、その後造粒するために脱水処理を施す必要がある。また、原料に生石灰を用いる場合は、乾式で行うことが望ましい。
また原料の仕込み割合を調整することで、カルシウムアルミネートのCaO/Alモル比を制御できる。
焼成や熔融温度は、例えば、1,200℃〜1,800℃でもよく、1,300℃〜1,600℃でもよい。上記下限値以上とすることで、不純物の発生を抑制できる。
焼成には、電気炉やロータリーキルンなどを使用できる。
焼成や熔融によって、クリンカが得られる。クリンカは、公知の方法で粉砕し粉砕物としてもよい。
以上により、カルシウムアルミネートの粉末が得られる。
(硫酸アルミニウム)
急結性混和材は、硫酸アルミニウムを含む。硫酸アルミニウムにより、凝結速度を増進できる。
硫酸アルミニウムとしては、特に限定されるものではなく、無水塩でも有水塩(水和物)でもよい。
硫酸アルミニウム水和物は、その無水物と比較して、溶解速度が大きくなり、凝結特性を向上させることができる。
硫酸アルミニウム水和物は、例えば、4〜27の水和物、好ましくは10〜18の水和物、より好ましくは14〜18の水和物を含む。この中でも、硫酸アルミニウムの14〜18水和物を含むこと、また少なくとも硫酸アルミニウムの17水和物を含むことによって、凝結特性を高められる。
硫酸アルミニウムは、下記の条件で測定される固体27Al−NMRによって得られるスペクトルにおいて、化学シフト−5.0ppm以上0ppm以下の範囲にピークを有するものを一または二以上含んでもよい。これにより、急結性混和材の貯蔵安定性を向上できる。
(固体27Al−NMRの測定条件)
観測核:27Al
試料管回転数:10KHz
測定温度:25℃
パルス幅:3.3μsec(90°パルス)
待ち時間:5秒
外部標準:硝酸アルミニウム
硫酸アルミニウムにおいて、化学シフト−5.0ppm以上0ppm以下の範囲にピークの半値幅は、例えば、10.0ppm以下、好ましくは9.0ppm以下、より好ましくは8.0ppm以下である。これにより、急結性混和材の貯蔵安定性を向上できる。なお、半値幅は、例えば、0.1ppm以上でもよい。
硫酸アルミニウムにおけるFT−IRスペクトルにおいて、3000cm−1付近のOH基伸縮振動に由来するピーク面積が、例えば、10以上50以下、好ましくは15以上40以下、より好ましくは20以上35以下である。これにより、急結性混和材の貯蔵安定性を向上できる。
硫酸アルミニウムにおけるFT−IRスペクトルにおいて、1600cm−1付近のOH基変角振動に由来するピーク面積が、例えば、1以上10以下、好ましくは2.0以上8.0以下、より好ましくは2.0以上5.0以下である。これにより、急結性混和材の貯蔵安定性を向上できる。
硫酸アルミニウムにおけるFT−IRスペクトルにおいて、3000cm−1付近のOH基伸縮振動に由来するピーク面積をA、1600cm−1付近のOH基変角振動に由来するピーク面積をB、1100cm−1付近のSO基伸縮振動に由来するピーク面積をCとする。
このようなA、B、Cを用いて、1100cm−1付近のSO基伸縮振動に由来するピーク面積に対する3000cm−1付近のOH基伸縮振動に由来するピーク面積の面積比を、A/C×100、1100cm−1付近のSO基伸縮振動に由来するピーク面積に対する3000cm−1付近のOH基伸縮振動に由来するピーク面積の面積比T1をA/C×100から算出し、1100cm−1付近のSO基伸縮振動に由来するピーク面積に対する1600cm−1付近のOH基変角振動に由来するピーク面積の面積比T2をB/C×100から算出する。
面積比T1は、例えば、350以上600以下、好ましくは400以上500以下、より好ましくは400以上450以下である。これにより、急結性混和材の貯蔵安定性を向上できる。
面積比T2は、例えば、30以上70以下、好ましくは40以上70以下、より好ましくは50以上70以下である。これにより、急結性混和材の貯蔵安定性を向上できる。
硫酸アルミニウムの含有量は、Al(SO換算で、急結性混和材100質量%中、例えば、1質量%以上10質量%以下、好ましくは2質量%以上9質量%以下、より好ましくは3質量%以上8質量%以下である。上記下限値以上とすることにより、凝結促進能を向上できる。上記上限値以下とすることにより、凝結促進能と強度発現性とのバランスを図ることができる。
(石膏)
急結性混和材は、石膏を含む。石膏により、強度発現性を向上できる。
石膏としては、硫酸カルシウムを含み、無水石膏、半水石膏、及び二水石膏等が挙げられる。
また、天然で産出する天然石膏や、産業副産物として得られる排脱石膏や弗酸副生無水石膏等が用いられてもよい。これらのうちの1種又は2種以上を使用することができる。中でも、付着強度の発現性の観点から、無水石膏を用いてもよい。
石膏の含有量は、CaSO換算で、急結性混和材100質量%中、例えば、15質量%以上30質量%以下、好ましくは15質量%以上25質量%以下、より好ましくは15質量%以上20質量%以下である。上記下限値以上とすることにより、強度発現性を向上できる。上記上限値以下とすることにより、急結性と強度発現性とのバランスを図ることができる。
(硫酸ナトリウム)
急結性混和材は、硫酸ナトリウムを含む。硫酸ナトリウムにより、強度発現性を向上できる。
硫酸ナトリウム以外のアルカリ金属硫酸塩として、硫酸カリウム、硫酸リチウム等を含んでもよい。
これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、硫酸ナトリウムとして、中性無水ボウ硝を用いてもよい。
硫酸ナトリウムの含有量は、NaSO換算で、急結性混和材100質量%中、例えば、3質量%以上12質量%以下、好ましくは4質量%以上10質量%以下、より好ましくは5質量%以上10質量%以下である。上記下限値以上とすることにより、強度発現性を向上できる。上記上限値以下とすることにより、急結性と強度発現性とのバランスを図ることができる。
急結性混和材は、炭酸アルカリ(アルカリ金属炭酸塩)を含有しないか、又はカルシウムアルミネート100質量%に対して0.05質量%以下の含有量で炭酸アルカリを含有する。
炭酸アルカリとしては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び重炭酸ナトリウムが挙げられる。
このように、炭酸アルカリを実質的に含まないように構成することによって、急結性混和材における貯蔵安定性を向上できる。また、このような構成によって、急性混和材が硫酸アルミニウム水和物の14〜18水和物を含む場合においても、その貯蔵安定性の低下を抑制できる。
急結性混和材は、発明の効果を損なわない範囲で、上述の成分、すなわち、カルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム、石膏、及び硫酸ナトリウム以外の、他の成分を含んでもよい。
他の成分として、例えば、SiO、TiO、Fe、MgO、KO等の一又は二以上が挙げられる。
他の成分の含有量は、急結性混和材中、CaO及びAlの合計100質量%に対して、例えば、10質量%以下、好ましくは9質量%以下、より好ましくは8質量%以下でもよい。
以下、急結性混和材の粉体特性について説明する。
急結性混和材について、レーザー回折散乱法で測定される体積頻度粒度分布において、累積値が50%となる粒子径をD50、累積値が10%となる粒子径をD10、累積値が90%となる粒子径をD90とする。
D50が、例えば、6μm以上15μm以下、好ましくは7μm以上13μm以下、より好ましくは7μm以上10μm以下である。
D10が、例えば、1μm以上5μm以下、好ましくは1μm以上4μm以下、より好ましくは1μm以上3μm以下である。
(D50−D10)/D50が、例えば、0.1以上1.0以下、好ましくは0.2以上0.8以下、より好ましくは0.3以上0.7以下である。
D10,D50,及び(D50−D10)/D50をそれぞれ上記の範囲内に粒子径を調整することによって、急結性混和材における粉体搬送時の偏析の防止や貯蔵安定性と急結性とのバランスを図ることが可能となる。
D90が、例えば、30μm以上300μm以下、好ましくは40μm以上200μm以下、より好ましくは50μm以上150μm以下である。D90を、上記の範囲内とすることで、急結性混和材における粉体搬送時の偏析の防止や貯蔵安定性と急結性とのバランスを図ることができる。
(D90−D10)/D50が、例えば、4.0以上35.0以下、好ましくは5.0以上35.0以下、より好ましくは5.0以上30.0以下である。
(D90−D10)/D50を、上記の範囲内とすることで、急結性混和材における粉体搬送時の偏析の防止や貯蔵安定性と急結性とのバランスを図ることができる。
急結性混和材を、目開き75μmの篩を用いて篩分けを行い、この篩上に残存した篩上画分(A)について、レーザー回折散乱法で体積頻度粒度分布を測定したとき、累積値が50%となる粒子径をD50、累積値が10%となる粒子径をD10とする。
D50が、例えば、130μm以上400μm以下、好ましくは150μm以上350μm以下、より好ましくは200μm以上300μm以下である。
D10が、例えば、90μm以上125μm以下、好ましくは100μm以上125μm以下、より好ましくは100μm以上120μm以下である。
篩上画分(A)中のD50,D10を、上記の範囲内とすることで、急結性混和材における粉体搬送時の偏析の防止や貯蔵安定性と急結性とのバランスを図ることができる。
急結性混和材を、目開き75μmの篩を用いて篩分けを行い、この篩を通過した篩下画分(B)について、レーザー回折散乱法で体積頻度粒度分布を測定したとき、累積値が50%となる粒子径をD50、累積値が10%となる粒子径をD10とする。
D50が、例えば、7μm以上12μm以下、好ましくは8μm以上11μm以下、より好ましくは8μm以上10である。
D10が、例えば、0.5μm以上6μm以下、好ましくは1μm以上5μm以下、より好ましくは1μm以上4μm以下である。
篩上画分(B)中のD50,D10を、上記の範囲内とすることで、急結性混和材における粉体搬送時の偏析の防止や貯蔵安定性と急結性とのバランスを図ることができる。
篩上画分(B)中にCaFが含まれてもよい。これにより、急結性混和材における貯蔵安定性を向上できる。
本実施形態では、たとえば急結性混和材中に含まれる各成分の種類や配合量、急結性混和材の調製方法等を適切に選択することにより、上記急結性混和材、篩上画分(A)、篩下画分(B)中における、組成成分、D10、D50、D90、((D50−D10)/D50)、及び((D90−D10)/D50)を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば、カルシウムアルミネートの破砕や分級処理条件などを適切に調整すること、急結性混和材の構成材料を混合した後に得られた混合物における粒度分布と粒子径を連続的に測定し、その結果を用いて、任意のふるいを用いて粒子径をスクリーニングし、スクリーニングした粒子径を目的の粒度分布になるよう再び混合することで、粒度分布や粒子径を調整すること等が、上記急結性混和材、篩上画分(A)、篩下画分(B)中における、組成成分、D10、D50、D90、((D50−D10)/D50)、及び((D90−D10)/D50)を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
本実施形態のセメント組成物は、上記の急結性混和材と、セメントと、を含む。
セメント組成物は、各種のコンクリート用途に用いることができ、例えば、吹付用途、地盤へ注入あるいは地盤と攪拌し固化させる地盤改良用途、空洞などの隙間を充填する用途などへも適用できる。
セメント組成物の一つの態様として、例えば、道路、鉄道及び導水路等のトンネルにおいて、露出した地山面へ吹付ける吹付け材料に使用できる。
本実施形態の吹付け材料は、上記の急結性混和材、セメントを含むものである。
急結性混和材の使用量は、使用する目的により異なるが、通常、セメント100質量部中、例えば、1〜20質量部、好ましくは3〜10質量部でもよい。
セメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰などを原料として製造された廃棄物利用セメント、いわゆるエコセメント(R)、及び石灰石粉末等を混合したフィラーセメント、並びに、アルミナセメント、サルフォアルミネートセメント、石灰石焼成粘土セメント(LC3)等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水の使用量は特に限定されるものではないが、通常、セメントと急結性混和材とからなるセメント組成物に対して、水/セメント組成物比が、例えば、25〜70質量%程度であり、30〜60質量%でもよい。
混練方法は、一般に用いられる方法で、特に限定されるものではない。混合装置としては、既存のいかなる撹拌装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサー、オムニミキサー、V型ミキサー、ヘンシェルミキサー、及びナウターミキサー等が使用可能である。
混合は、それぞれの材料を施工時に混合してもよいし、あらかじめ一部を、あるいは全部を混合しておいても差し支えない。
吹付け材料は、さらに、砂や砂利などの骨材、繊維物質、膨張材、急硬材、凝結調整剤、減水剤、高性能減水剤、AE剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、水和熱抑制剤、高分子エマルジョン、ベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土鉱物、ゼオライト、ハイドロタルサイト、及びハイドロカルマイト等のイオン交換体、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩、リン酸塩、並びに、ホウ酸等のうちの一種又は二種以上のその他の混和材、を本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能である。
また、吹付け材料は、アルミニウム塩を含む液体急結剤を含んでもよい。
アルミニウム塩としては、例えば、硫酸アルミニウム等が挙げられる。
本実施形態の吹付工法としては、乾式吹付工法も施工できるが、粉塵量を低減する観点から、急結性混和材を使用する前に予め水をセメントコンクリート側に加えて混練りした湿式吹付工法を使用することが好ましい。
湿式吹付工法としては、セメント、細骨材、粗骨材、及び水を加えて混練して吹付コンクリートとしたものを空気圧送し、途中にY字管を設け、その一方から急結剤供給装置により急結性混和材を空気圧送し、合流混合して急結性湿式吹付コンクリートとしたものを吹付ける方法が挙げられる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. カルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム、石膏、及び硫酸ナトリウムを含む、粉体状の急結性混和材であって、
CaF を含む、急結性混和材。
2. 1.に記載の急結性混和材であって、
リートベルト法による定量分析したときの前記CaF の含有量が、当該急結性混和材100質量%中、0.3質量%以上2質量%以下である、急結性混和材。
3. 1.又は2.に記載の急結性混和材であって、
前記硫酸アルミニウムは、下記の条件で測定される固体 27 Al−NMRによって得られるスペクトルにおいて、化学シフト−5.0ppm以上0ppm以下の範囲にピークを有する、急結性混和材。
(条件)
観測核: 27 Al
試料管回転数:10KHz
測定温度:25℃
パルス幅:3.3μsec(90°パルス)
待ち時間:5秒
外部標準:硝酸アルミニウム
4. 3.に記載の急結性混和材であって、
前記硫酸アルミニウムにおいて、化学シフト−5.0ppm以上0ppm以下の範囲にピークの半値幅が10.0ppm以下である、急結性混和材。
5. 1.〜4.のいずれか一つに記載の急結性混和材であって、
前記硫酸アルミニウムにおけるFT−IRスペクトルにおいて、1100cm −1 付近のSO 基伸縮振動に由来するピーク面積に対する3000cm −1 付近のOH基伸縮振動に由来するピーク面積の面積比が、350以上600以下である、急結性混和材。
6. 1.〜5.のいずれか一つに記載の急結性混和材であって、
前記硫酸アルミニウムにおけるFT−IRスペクトルにおいて、1100cm −1 付近のSO 基伸縮振動に由来するピーク面積に対する1600cm −1 付近のOH基変角振動に由来するピーク面積の面積比が、30以上70以下である、急結性混和材。
7. 1.〜6.のいずれか一つに記載の急結性混和材であって、
前記硫酸アルミニウムが、少なくとも硫酸アルミニウムの17水和物を含む、急結性混和材。
8. 1.〜7.のいずれか一つに記載の急結性混和材であって、
炭酸アルカリを含有しないか、又は前記カルシウムアルミネート100質量%に対して0.05質量%以下の含有量で炭酸アルカリを含有する、急結性混和材。
9. 1.〜8.のいずれか一つに記載の急結性混和材であって、
前記カルシウムアルミネートの含有量が、当該急結性混和材100質量%中、60質量%以上80質量%以下である、急結性混和材。
10. 1.〜9.のいずれか一つに記載の急結性混和材であって、
前記硫酸アルミニウムの含有量が、当該急結性混和材100質量%中、1質量%以上10質量%以下である、急結性混和材。
11. 1.〜10.のいずれか一つに記載の急結性混和材であって、
前記石膏の含有量が、当該急結性混和材100質量%中、15質量%以上30質量%以下である、急結性混和材。
12. 1.〜11.のいずれか一つに記載の急結性混和材であって、
前記硫酸ナトリウムの含有量が、当該急結性混和材100質量%中、3質量%以上12質量%以下である、急結性混和材。
13. 1.〜12.のいずれか一つに記載の急結性混和材であって、
レーザー回折散乱法で測定される当該急結性混和材の体積頻度粒度分布において、累積値が50%となる粒子径をD50、累積値が10%となる粒子径をD10としたとき、
D50が6μm以上15μm以下、
D10が1μm以上5μm以下、及び
(D50−D10)/D50が0.1以上1.0以下である、急結性混和材。
14. 13.に記載の急結性混和材であって、
レーザー回折散乱法で測定される当該急結性混和材の体積頻度粒度分布において、累積値が90%となる粒子径をD90としたとき、
D90が30μm以上300μm以下である、急結性混和材。
15. 14.に記載の急結性混和材であって、
(D90−D10)/D50が4.0以上35.0以下である、急結性混和材。
16. 1.〜15.のいずれか一つに記載の急結性混和材、及びセメントを含む、吹付け材料。
17. 16.に記載の吹付け材料であって、
アルミニウム塩を含有する液体急結剤を含む、吹付け材料。

以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
硫酸アルミニウム・17水和物、硫酸アルミニウム・脱水塩、硫酸アルミニウム・無水塩について、下記の条件に基づいて固体27Al−NMR測定、FT−IR測定を行った。
(固体27Al−NMR測定の条件)
観測核:27Al
試料管回転数:10KHz
測定温度:25℃
パルス幅:3.3μsec(90°パルス)
待ち時間:5秒
外部標準:硝酸アルミニウム
日本電子株式会社製の超伝導核磁気共鳴装置(ECX−400)を用いて上記した条件で行い、ピークの化学シフト及び半値幅を測定した。
(FT−IRの条件)
FT−IR(フーリエ変換赤外分光分析)は、ATR法によりパーキンエルマー社製のFrontierを用いて測定した。測定は、1回反射型ATRを用いてバックグラウンド測定を行った後、サンプルをセットし、スキャニング回数16回でサンプル表面を測定した。測定結果は、縦軸(Y軸)を吸光度、横軸を波数として出力し、3000cm−1近傍のOH基伸縮振動、及び1600cm−1近傍のOH基変角振動に由来するピーク面積(積分値)、1100cm−1近傍のSO基伸縮振動に由来するピーク面積(積分値)を解析ソフト(パーキンエルマー社製のSpectrum)によって算出した。
以下、各硫酸アルミニウムにおける固体27Al−NMR、FT−IRの測定結果を表1に示す。
Figure 0006873305
[実験例A]
(急結性混和材の調製)
急結性混和材は、表2に示す配合量となるよう各種材料を混合して混合物を得た。使用した材料を下記に示す。
CA:カルシウムアルミネート(非晶質、CaO/Alモル比:2.4、ガラス化率:95%)
AS:硫酸アルミニウム(17水和物、上記の固体27Al−NMR、FT−IRの測定に使用したもの)
CS:石膏(無水和物、市販品)
NS:硫酸ナトリウム(無水和物、市販品)
CaF:フッ化カルシウム(市販品)
Figure 0006873305
得られた混合物について、レーザー回折散乱法を用いて粒度分布と粒子径を連続的に測定し、その測定結果をもとに、任意のふるいを用いてスクリーニングした。スクリーニングした粒子径を下記に示す粒度分布になるよう再び混合して、急結性混和材A1〜A14を調整した。
D10:5μm
D50:20μm
D90:200μm
(D50−D10)/D50=0.8
(D90−D10)/D50=9.8
次に、普通ポルトランドセメント(pH14、工業品)100質量部と、得られた急結性混和材質量10部と、水(上水道水)40質量部と混合し、試験サンプルを得た。得られた試験サンプルを用いて、凝結試験を行った。凝結試験は、JIS R5201「セメントの物理試験方法」に準拠し、始発時間及び終結時間を計測した。
Figure 0006873305
表3の結果から、急結性混和材を構成する材料比率はカルシウムアルミネートが60〜80質量%、硫酸アルミニウムが1〜10質量%、石膏が15〜30質量%、硫酸ナトリウムが3〜12質量%が適する割合であることが分かる。また、CaFが0.3〜2質量%であれば、CaFを含まない場合と比べて、急結性及び貯蔵安定性を向上できることが分かった。
[実験例B]
実験例Aにおいて、急結性能が確認された配合を用いて、粒子径、粒度分布を変化させ、急結性混和材の貯蔵安定性について評価した。
実験例Aと同様にして、カルシウムアルミネートが60質量%、硫酸アルミニウムが10質量%、石膏が20質量%、硫酸ナトリウムが9質量%、フッ化カルシウムが1質量%の配合にて材料を混合し、得られた混合物について、粒子径、粒度分布を変化させ、表4の粒子径、粒度分布を有する急結性混和材B1〜B15を調整した。
なお、急結性混和材B2、B7、B12については、炭酸アルカリとして炭酸ナトリウム(市販品)をカルシウムアルミネート100質量%に対して0.05質量%をさらに配合し、急結性混和材B3、B8、B13については、炭酸アルカリとして炭酸ナトリウム(市販品)をカルシウムアルミネート100質量%に対して0.06質量%をさらに配合し、その他の急結性混和材には炭酸アルカリを配合しなかった。
また、いずれの急結性混和材B1〜B15において、目開き篩い75μmの篩を用い、篩いに残存した篩い上画分(A)と篩い下画分(B)の粒度は下記の範囲内であった。
(A)D10:90〜125μm、D50:130〜400μm
(B)D10:0.5〜6μm、D50:7〜12μm
Figure 0006873305
作製した急結性混和材を袋に詰め、温度20℃、湿度60%の室内で所定の日数保管した後、普通ポルトランドセメント(pH14、工業品)100質量部、急結性混和材10質量部、水(上水道水)40質量部を混合し、試験サンプルを得た。得られた試験サンプルを用いて、凝結試験及び圧縮強度の測定を行った。
凝結試験及び圧縮強度の測定は、JIS R5201「セメントの物理試験方法」に準拠して行った。凝結試験は、凝結の始発時間を測定した。
Figure 0006873305
表5の結果から、粒子径、粒度分布を適切に調整することによって急結性能及び貯蔵安定性が優れた急結性混和材を実現できることが示された。
[実験例C]
実験例A、Bにより急結性能が確認された急結性混和材の配合において、目開き75μmの篩を用いたときの篩上画分(A)と篩下画分(B)の粒子径、粒度分布を調整した急結性混和材C1〜C10を作製し、実験例Bと同様の方法にて貯蔵安定性能を評価した。
実験例Aと同様にして、カルシウムアルミネートが60質量%、硫酸アルミニウムが10質量%、石膏が20質量%、硫酸ナトリウムが9質量%、フッ化カルシウムが1質量%の配合にて材料を混合し、得られた混合物について、粒子径、粒度分布を変化させ、目開き75μmの篩を用いたときの篩上画分(A)と篩下画分(B)粒子径を調整し、表6の(A)の粒子径、(B)の粒子径を有する急結性混和材C1〜C10を調整した。
なお、作製した急結性混和材C1〜C10の粒度分布は下記の範囲内である。
D10:1〜5μm、D50:6〜15μm、D90:50〜300μm
Figure 0006873305
Figure 0006873305
表7の結果より、目開き75μmの篩を用いたときの篩上画分(A)と篩下画分(B)の粒子径、粒度分布を適切に調整することによって、急結性能及び貯蔵安定性が優れた急結性混和材を実現できることが示された。
[実験例D]
実験例A〜Cで急結性能及び貯蔵安定性が確認された配合の急結性混和材を用いて作製した吹付け材料について、吹付け試験を実施した。
セメント360kg、水216kg、細骨材1049kg、粗骨材(新潟県姫川水系6号砕石、密度2.67g/cm)716kgのコンクリート(吹付けコンクリート)を調製した。MAYCO社(Suprema)のコンクリートポンプで5m/hの設定でコンクリートをポンプ圧送し、途中で別系統からの圧縮空気と混合合流させて空気搬送した。さらに、吐出前3m地点で、下記の表8に示す粉状の急結性混和材を搬送装置Werner Mader社(WM−14 FU)でセメント100部に対して10部となるように、当該急結性混和材を空気搬送されたコンクリートと混合合流させて急結材料とし、ノズル先より鉄板に吹付けた。吹付けてからの初期強度、長期強度について検討した。なお、急結剤搬送装置への急結剤の供給はSpiroflow社(FLEXIBLE SCREW CONVEYOR)の装置を用い、それぞれの装置は電気信号にて連動して制御されている。
初期強度:JSCE−G561に準じて型枠に吹付けて、材齢10分、3時間、1日時点での引き抜き強度より、圧縮強度に換算し、初期強度を測定した。
長期強度:JSCE−F561、JIS A1107に準じて型枠に吹付けて、材齢7日、28日時点でコアを採取して、圧縮強度を測定した。
Figure 0006873305
表8より、吹付けコンクリートの初期強度、長期強度ともに良好な結果を得た。
各実施例の急結性混和材は、各比較例と比較して、貯蔵安定性、及び急結性に優れる結果を示した。このような実施例の急結性混和材は、吹付け材料に好適に用いることが可能である。

Claims (12)

  1. カルシウムアルミネート、硫酸アルミニウム、石膏、及び硫酸ナトリウムを含む、粉体状の急結性混和材であって、
    CaFを含
    リートベルト法による定量分析したときの前記CaF の含有量が、当該急結性混和材100質量%中、0.3質量%以上2質量%以下、
    前記カルシウムアルミネートの含有量が、当該急結性混和材100質量%中、60質量%以上80質量%以下、
    前記硫酸アルミニウムの含有量が、当該急結性混和材100質量%中、1質量%以上10質量%以下、
    前記石膏の含有量が、当該急結性混和材100質量%中、15質量%以上30質量%以下、および
    前記硫酸ナトリウムの含有量が、当該急結性混和材100質量%中、3質量%以上12質量%以下である、
    急結性混和材。
  2. 請求項1に記載の急結性混和材であって、
    前記硫酸アルミニウムは、下記の条件で測定される固体27Al−NMRによって得られるスペクトルにおいて、化学シフト−5.0ppm以上0ppm以下の範囲にピークを有する、急結性混和材。
    (条件)
    観測核:27Al
    試料管回転数:10KHz
    測定温度:25℃
    パルス幅:3.3μsec(90°パルス)
    待ち時間:5秒
    外部標準:硝酸アルミニウム
  3. 請求項に記載の急結性混和材であって、
    前記硫酸アルミニウムにおいて、化学シフト−5.0ppm以上0ppm以下の範囲にピークの半値幅が10.0ppm以下である、急結性混和材。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の急結性混和材であって、
    前記硫酸アルミニウムにおけるFT−IRスペクトルにおいて、1100cm−1付近のSO 基伸縮振動に由来するピーク面積に対する3000cm−1付近のOH基伸縮振動に由来するピーク面積の面積比が、350以上600以下である、急結性混和材。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の急結性混和材であって、
    前記硫酸アルミニウムにおけるFT−IRスペクトルにおいて、1100cm−1付近のSO 基伸縮振動に由来するピーク面積に対する1600cm−1付近のOH基変角振動に由来するピーク面積の面積比が、30以上70以下である、急結性混和材。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の急結性混和材であって、
    前記硫酸アルミニウムが、少なくとも硫酸アルミニウムの17水和物を含む、急結性混和材。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の急結性混和材であって、
    炭酸アルカリを含有しないか、又は前記カルシウムアルミネート100質量%に対して0.05質量%以下の含有量で炭酸アルカリを含有する、急結性混和材。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の急結性混和材であって、
    レーザー回折散乱法で測定される当該急結性混和材の体積頻度粒度分布において、累積値が50%となる粒子径をD50、累積値が10%となる粒子径をD10としたとき、
    D50が6μm以上15μm以下、
    D10が1μm以上5μm以下、及び
    (D50−D10)/D50が0.1以上1.0以下である、急結性混和材。
  9. 請求項に記載の急結性混和材であって、
    レーザー回折散乱法で測定される当該急結性混和材の体積頻度粒度分布において、累積値が90%となる粒子径をD90としたとき、
    D90が30μm以上300μm以下である、急結性混和材。
  10. 請求項に記載の急結性混和材であって、
    (D90−D10)/D50が4.0以上35.0以下である、急結性混和材。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の急結性混和材、及びセメントを含む、吹付け材料。
  12. 請求項11に記載の吹付け材料であって、
    アルミニウム塩を含有する液体急結剤を含む、吹付け材料。
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