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JP6870397B2 - 渦電流式減速装置およびその製造方法 - Google Patents

渦電流式減速装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、永久磁石を用いた渦電流式減速装置およびその製造方法に関する。
従来、トラックおよびバス等の大型自動車において、補助ブレーキとして、渦電流式減速装置が用いられている。図7は、従来の渦電流式減速装置の一例を示す概略断面図である。
図7に示す渦電流式減速装置100は、ロータ10およびステータ12を備えている。ロータ10は、連結部材10a、連結部材10b、および制動ドラム10cを備えている。連結部材10aは、筒形状を有し、プロペラシャフト等の回転軸50に固定される。連結部材10bは、例えば中空円板形状を有し、連結部材10aに固定される。制動ドラム10cは、円筒形状を有し、連結部材10bの外周縁に固定されている。制動ドラム10cは、強磁性体材料からなる。このような構成により、連結部材10a、連結部材10bおよび制動ドラム10cは、回転軸50と一体的に回転する。なお、図示は省略しているが、制動ドラム10cの外周面には、例えば、複数のフィンが設けられる。
ステータ12は、ステータ本体12a、回動ユニット12b、および固定ユニット12cを備えている。ステータ本体12aは、連結部材10aに対して相対回転可能に設けられている。したがって、ステータ本体12a(ステータ12)は、回転軸50及びロータ10が回転しても回転しない。ステータ本体12aは、例えば、車体(図示せず)に固定される。
回動ユニット12bは、第1支持体14および複数の永久磁石16を含む。第1支持体14は、強磁性体材料(例えば、炭素鋼)からなる。固定ユニット12cは、第2支持体18および複数のポールピース20を含む。第2支持体18は、非磁性体材料からなる。ポールピース20は、強磁性体材料からなる。
図8は、制動ドラム10c、回動ユニット12bおよび固定ユニット12cの断面の一部を示す概略図であり、図8(a)は、制動時の状態を示し、図8(b)は、非制動時の状態を示す。なお、図8に示した断面は、制動ドラム10cの軸方向A(図7参照)に垂直な断面である。
図7および図8を参照して、第1支持体14は円筒形状を有し、ステータ本体12aに対して相対回転可能にステータ本体12aに支持されている。第1支持体14は、制動ドラム10cの径方向において、制動ドラム10cの内側に配置されている。第1支持体14は、図示しない駆動装置によって駆動されることによって、周方向に回動する。
図8を参照して、複数の永久磁石16は、第1支持体14の周方向に沿って並ぶように、第1支持体14の外周面に固定されている。永久磁石16は、例えば、接着材によって第1支持体14に固定されている。複数の永久磁石16は、第1支持体14の周方向において、等間隔に配置されている。各永久磁石16は、第1支持体14の径方向における一方側にN極を有し、前記径方向における他方側にS極を有している。複数の永久磁石16は、第1支持体14の周方向において互いに隣り合う永久磁石16の磁極(N極およびS極)の位置が互いに逆になるように、第1支持体14に固定されている。すなわち、複数の永久磁石16は、磁極の向きが交互に異なるように、第1支持体14の周方向に沿って配置されている。
図8を参照して、第2支持体18は、第1支持体14の軸方向に延びる複数の支持部18aを有している。第1支持体14の径方向において、制動ドラム10cと複数の永久磁石16との間に配置されている。複数の支持部18aは、第1支持体14の周方向に沿って並ぶように、等間隔に配置されている。
複数のポールピース20はそれぞれ、第1支持体14の周方向において隣り合う一対の支持部18aの間に配置されている。これにより、複数のポールピース20は、第1支持体14の径方向において、制動ドラム10cと複数の永久磁石16との間に配置されている。また、複数のポールピース20は、第1支持体14の周方向に沿って並ぶように、等間隔に配置されている。図8に示した例では、複数の永久磁石16と同数のポールピース20が、第2支持体18によって支持されている。
図8(a)を参照して、制動ドラム10cの回転中に制動ドラム10cを制動する際には、複数の永久磁石16と複数のポールピース20とが、第1支持体14の径方向においてそれぞれ対向するように、回動ユニット12bが位置付けられる。この場合、第1支持体14と、複数の永久磁石16と、複数のポールピース20と、制動ドラム10cとによって、図8(a)に矢印(実線)で示すような複数の磁気回路が形成される。これにより、複数の永久磁石16からの磁界の作用によって、制動ドラム10cの内周面に渦電流が発生する。この渦電流と、複数の永久磁石16からの磁界との相互作用により、制動ドラム10cに対して制動力が作用する。その結果、回転軸50を減速することができる。
一方、図8(b)を参照して、非制動時には、複数の永久磁石16と複数の支持部18aとが、第1支持体14の径方向においてそれぞれ対向するように、回動ユニット12bが位置付けられる。言い換えると、永久磁石16が、各ポールピース20に対して第1支持体14の周方向にずれるように、回動ユニット12bが位置付けられる。この場合、第1支持体14と、複数の永久磁石16と、複数のポールピース20とによって、矢印(実線)で示すような短絡的磁気回路が形成される。この場合、制動ドラム10cには、複数の永久磁石16からの磁束が基本的には作用せず、制動ドラム10cに作用する制動トルクは非常に小さくなる。なお、図8(b)に矢印(破線)で示すような漏れ磁束が存在する場合には、制動トルク(引きずりトルク)が弱いながらも発生することになる。
渦電流式減速装置100においては、制動状態と非制動状態とを切り換える際に、永久磁石16に慣性力が作用するとともに、永久磁石16およびポールピース20の間で吸引力が作用する。このため、複数の永久磁石16は、第1支持体14に強固に支持されている必要がある。そこで、本発明者らは、上記のような構成を有する渦電流式減速装置において、複数の永久磁石を適切に支持するための方法について、種々の検討を行ってきた(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−180172号公報
特許文献1に開示された渦電流式減速装置では、磁石支持リングに接着された複数の永久磁石の間に、非磁性の弾性固定部材が配置されている。この場合、制動状態と非制動状態とを切り替えた際に永久磁石に慣性力が作用しても、磁石支持リングの周方向において、弾性固定部材によって永久磁石を適切に支持することができる。その結果、永久磁石を、長期に亘って安定して磁石支持リングに固定することができる。
ところで、渦電流式減速装置において本発明者らがさらに研究を進める過程で、永久磁石を支持するための固定部材を、磁石支持リングにさらに安定して固定したいという要望が出てきた。そうすることで、渦電流式減速装置の寿命をさらに向上することができるからである。
本発明は、永久磁石を支持するための固定部材が十分な強度で固定された渦電流式減速装置、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記の渦電流式減速装置および渦電流式減速装置の製造方法を要旨とする。
(1)回転軸の回転を制動するための渦電流式減速装置であって、
前記回転軸と一体的に回転するように設けられた円筒状の制動ドラムと、
前記制動ドラムの径方向において前記制動ドラムの内側に配置され、かつ周方向に回転可能に設けられた、磁性体材料からなる円筒状の第1支持体と、
前記第1支持体の周方向に沿って並ぶように、かつ磁極の向きが交互に異なるように前記第1支持体の外周面に固定された、複数の永久磁石と、
前記複数の永久磁石の間にそれぞれ配置され、底部および前記第1支持体の軸方向に延びる一対の側壁部を有し、かつ前記底部が前記第1支持体の外周面に溶接された、非磁性体材料からなる複数の固定部材と、
前記第1支持体の径方向において、前記複数の永久磁石と前記制動ドラムとの間に設けられ、かつ前記第1支持体の周方向に沿って並ぶように設けられた複数のポールピースと、
前記複数のポールピースを支持する、非磁性体材料からなる第2支持体と、
前記複数の固定部材の前記底部と前記第1支持体との接合部にそれぞれ形成された、複数のナゲットと、を備え、
前記ナゲットを含みかつ前記第1支持体の軸方向に直交する断面において、前記底部は、前記底部の前記第1支持体とは反対側の面が凹むように、圧縮部を有する、渦電流式減速装置。
(2)前記圧縮部は、前記第1支持体の径方向から見て、前記ナゲットに重なるように設けられる、上記(1)に記載の渦電流式減速装置。
(3)前記ナゲットを含みかつ前記第1支持体の軸方向に直交する前記断面において、前記圧縮部は、前記ナゲットの一端側および他端側の少なくとも一方に設けられる、上記(1)または(2)に記載の渦電流式減速装置。
(4)前記第1支持体は炭素鋼からなり、
前記固定部材は、オーステナイト系ステンレス鋼からなり、
当該渦電流式減速装置は、
前記第1支持体の外周面に設けられたニッケル系めっき層と、
前記第1支持体と前記固定部材との間において前記ナゲットの周囲を覆うように形成された、前記ニッケル系めっき層の溶融凝固部とをさらに有し、
前記圧縮部は、前記第1支持体の径方向から見て、前記溶融凝固部に重なるように設けられる、上記(1)から(3)のいずれかに記載の渦電流式減速装置。
(5)前記ナゲットを含みかつ前記第1支持体の軸方向に直交する前記断面において、前記圧縮部は、前記溶融凝固部の一端側および他端側の少なくとも一方に設けられる、上記(4)に記載の渦電流式減速装置。
(6)上記(1)から(5)のいずれかに記載された渦電流式減速装置の製造方法であって、
前記固定部材の底部を前記第1支持体の外周面にスポット溶接する溶接工程と、
前記第1支持体の径方向において、前記底部の外側から押圧部材によって前記底部を押し込むことによって、前記底部に前記圧縮部を形成する押し込み工程と、
前記底部から前記押圧部材を離す除荷工程と、を備え、
前記溶接工程では、前記固定部材の底部と前記第1支持体の外周面との間に前記ナゲットが形成され、
前記押し込み工程では、前記圧縮部は、前記ナゲットを含みかつ前記第1支持体の軸方向に直交する前記渦電流式減速装置の断面において、前記底部の前記第1支持体とは反対側の面が凹むように形成される、渦電流式減速装置の製造方法。
本発明によれば、永久磁石を支持するための固定部材が十分な強度で固定された渦電流式減速装置を得ることができる。
図1は、渦電流式減速装置を示す断面図である。 図2は、回動ユニットの一部を示す斜視図である。 図3は、第1支持体の径方向外側から回動ユニットを見た図である。 図4は、図3のIV−IV線断面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る渦電流式減速装置の製造方法を説明するための図である。 図6は、本発明の第2実施形態に係る渦電流式減速装置を説明するための図である。 図7は、従来の渦電流式減速装置の一例を示す概略断面図である。 図8は、制動ドラム、回動ユニットおよび固定ユニットの断面の一部を示す概略図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る渦電流式減速装置および固定部材の固定方法について説明する。
(渦電流式減速装置の構成)
まず、本発明の第1実施形態に係る渦電流式減速装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る渦電流式減速装置1を示す断面図である。なお、図1に示す渦電流式減速装置1が、図7に示した渦電流式減速装置100と異なるのは、回動ユニット12b(図7参照)の代わりに、回動ユニット30を備えている点である。したがって、以下の渦電流式減速装置1の説明においては、回動ユニット30以外の構成についての説明は省略する。
図2は、回動ユニット30の一部を示す斜視図である。回動ユニット30が、上述の回動ユニット12bと異なるのは、第1支持体14の周方向に沿って並ぶ複数の固定部材32をさらに有している点である。固定部材32は、非磁性体材料からなる。本実施形態では、固定部材32は、オーステナイト系ステンレス鋼からなる。複数の固定部材32はそれぞれ、複数の永久磁石16の間において、第1支持体14に固定されている。本実施形態では、後述するように、複数の固定部材32はそれぞれ、スポット溶接によって第1支持体14の外周面に固定されている。
図3は、第1支持体14の径方向外側から回動ユニット30を見た図であり、図4は、図3のIV−IV線断面図である。なお、図4に示す断面は、第1支持体14の軸方向に直交する断面である。
図2〜4を参照して、固定部材32は、底部34および周壁部36を有している。周壁部36は、底部34の外周縁から、第1支持体14の周方向および軸方向に広がりつつ、第1支持体14の径方向に延びるように形成されている。すなわち、本実施形態では、固定部材32は、バスタブ形状を有している。
本実施形態では、周壁部36は、第1支持体14の軸方向に延びる一対の側壁部36aと、一対の側壁部36aを接続するように第1支持体14の周方向に延びる一対の側壁部36bとを含む。なお、固定部材の形状は、図2〜4に示した例に限定されない。例えば、固定部材が、一対の側壁部36bを有していなくてもよい。
図3および図4を参照して、本実施形態では、固定部材32の底部34と第1支持体14の外周面との接合部には、スポット溶接によってナゲット38が形成されている。図3を参照して、本実施形態では、固定部材32ごとに、第1支持体14の軸方向に並ぶように複数(本実施形態では2つ)のナゲット38が形成されている。
図4を参照して、ナゲット38を含みかつ第1支持体14の軸方向に直交する断面において、底部34の第1支持体14とは反対側の面が凹むように、複数の圧縮部40が形成されている。図3を参照して、本実施形態では、一つのナゲット38に対して、複数(本実施形態では2つ)の圧縮部40が形成されている。圧縮部40は、底部34のうち、後述する押し込み工程において押圧部材42によって押し込まれることによって圧縮された部分(圧縮凹部)である。
図3を参照して、本実施形態では、各圧縮部40は、第1支持体14の径方向から見て、ナゲット38に重なるように設けられる。また、図4に示す断面において、圧縮部40は、ナゲット38の一端側および他端側(第1支持体14の周方向における一端側および他端側)に設けられる。具体的には、第1支持体14の径方向においてナゲット38の上記一端部および他端部に対向する位置に、それぞれ圧縮部40が形成されている。なお、圧縮部40は、図4に示す断面において、ナゲット38の一端側および他端側のうちの一方のみに設けられていてもよい。また、第1支持体14の径方向から見た場合に、ナゲット38の中心に重なるように圧縮部40が形成されてもよい。
図3を参照して、本実施形態では、圧縮部40は、第1支持体14の径方向から見た場合に円形状を有している。ただし、圧縮部40の形状は図3の例に限定されない。例えば、圧縮部は、第1支持体14の径方向から見た場合に、第1支持体14の軸方向に延びる長円形状または楕円形状を有していてもよい。
(渦電流式減速装置の製造方法)
次に、本発明の一実施形態に係る渦電流式減速装置の製造方法について説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る渦電流式減速装置の製造方法を説明するための図であり、図5(a)は、溶接工程を示す図であり、図5(b)は、押し込み工程を示す図であり、図5(c)は、除荷工程を示す図である。
本実施形態に係る渦電流式減速装置は、以下に説明する固定部材の固定方法(溶接工程、押し込み工程、および除荷工程)を経て製造された回動ユニットを用いて製造される。渦電流式減速装置を製造するに際して、以下に説明する固定方法以外の工程については、公知の種々の工程を利用できる。したがって、以下においては、渦電流式減速装置の製造工程のうち、固定方法以外の工程についての説明は省略する。
図5(a)を参照して、本実施形態に係る固定方法では、まず、公知の方法によって、固定部材32の底部34を、第1支持体14の外周面にスポット溶接する(溶接工程)。この溶接工程によって、底部34と第1支持体14の外周面との間に、ナゲット38が形成される。図3に示した回動ユニット30を製造する際には、固定部材32ごとに、2回の溶接工程が行われる。すなわち、固定部材32ごとに、2つのナゲット38が形成される。
次に、図5(b)を参照して、第1支持体14の径方向において底部34の外側から、押圧部材42を底部34に押し込むことによって、底部34に圧縮部40を形成する(押し込み工程)。押し込み工程においては、底部34のうち、押圧部材42によって押された部分が、塑性変形する。具体的には、押圧部材42によって押された部分が、第1支持体14の周方向に延びるように変形する。これにより、押圧部材42によって押された部分に、上記周方向の引張応力および引張塑性ひずみが生じる。なお、図5(b)においては、図面が煩雑になることを避けるために、引張応力を示す矢印を第1支持体14上に示しているが、引張応力は、底部34において発生している。図5(c)における圧縮応力についても同様である。
次に、図5(c)を参照して、底部34から押圧部材42を離す(除荷工程)。この除荷工程において、スプリングバック現象によって、圧縮部40に、第1支持体14の周方向において圧縮残留応力が生じる。押し込み工程および除荷工程は、形成される圧縮部40の数に応じて繰り返し実行される。
なお、詳細な説明は省略するが、複数の永久磁石16は、複数の固定部材32を第1支持体14に固定する前に、第1支持体14に接着してもよく、複数の固定部材32を第1支持体14に固定した後に、第1支持体14に接着してもよい。
(本実施形態の効果)
以上のように、本実施形態においては、圧縮部40に圧縮残留応力を発生させることができる。これにより、固定部材32が第1支持体14から外れることを十分に抑制することができる。具体的には、渦電流式減速装置1を制動状態と非制動状態との間で切り換える際には、固定部材32に、第1支持体14の周方向への衝撃荷重が付加される。言い換えると、固定部材32を第1支持体14から剥がすように働く力が、固定部材32に付加される。これにより、固定部材32の底部34には、第1支持体14の周方向において引張荷重が付与される。しかし、上記のように、本実施形態では、圧縮部40に圧縮残留応力が付与されているので、底部34に引張荷重が付与されても、底部34(特に、応力が集中しやすいナゲット38の周辺部)において大きな引張応力が生じることを防止することができる。これにより、固定部材32と第1支持体14との接合強度を十分に向上させることができる。また、底部34のうちナゲット38の周辺部において亀裂が生じることを十分に抑制できる。これらの結果、固定部材32と第1支持体14との接合部の疲労強度を向上させることができ、渦電流式減速装置1の寿命を向上させることができる。
なお、渦電流式減速装置1においては、制動状態から非制動状態へ切り替える時と、非制動状態から制動状態へ切り替える時とでは、第1支持体14の回動方向が反対になる。このため、ナゲット38の周囲において最大の応力が発生する位置は、制動状態から非制動状態へ切り替える時と、非制動状態から制動状態へ切り替える時とで異なる。具体的には、制動状態から非制動状態へ切り替える時と、非制動状態から制動状態へ切り替える時とで、上記最大応力が発生する位置は、円形のナゲット38の周囲において、180度離れた位置になる。
また、永久磁石16から固定部材32に加わる衝撃荷重の大きさは、制動状態から非制動状態へ切り替える時と、非制動状態から制動状態へ切り替える時とで異なる。ロータ10の回転数が低い時は、制動状態から非制動状態へ切り替える時に大きな衝撃荷重が固定部材32に加わる。一方、ロータ10の回転数が高い時は、非制動状態から制動状態へ切り替える時に大きな衝撃荷重が固定部材32に加わる。
したがって、ロータ10の回転数が低い領域でのみ使用される渦電流式減速装置1では、制動状態から非制動状態へ切り替える時に最大応力が発生する位置のみに圧縮部40を形成すればよい。一方、ロータ10の回転数が高い領域まで使用される渦電流式減速装置1では、ナゲット38の周囲において最大応力が発生する2箇所に圧縮部40を形成することが好ましい。
(第2実施形態)
第1支持体14を炭素鋼によって形成する場合、長期間使用すると、第1支持体14の表面に錆が発生するおそれがある。そこで、本発明者らは、錆の発生を防止するために、第1支持体14の外周面にニッケル系めっき層を形成することを試みた。しかしながら、この場合、固定部材32を第1支持体14にスポット溶接する際に、第1支持体14と固定部材32との間において、ナゲット38の周囲を覆うようにニッケル系めっき層の溶融凝固部が形成されることが分かった。さらに、渦電流式減速装置を制動状態と非制動状態との間で切り換える際に、固定部材32の底部34のうち、上記溶融凝固部の周辺において応力集中が発生する場合があることが分かった。以下において説明する渦電流式減速装置は、これらの知見に基づいて発明されたものである。
図6は、本発明の第2実施形態に係る渦電流式減速装置を説明するための図であり、図6(a)は、本発明の第2実施形態に係る渦電流式減速装置の回動ユニットを示す拡大図であり、図6(b)は、回動ユニットの他の例を示す拡大図であり、図6(c)は、回動ユニットのさらに他の例を示す拡大図である。なお、図6においては、回動ユニットのうち、ナゲット38の周辺のみを示している。
上述の第1実施形態に係る渦電流式減速装置1と、第2実施形態に係る渦電流式減速装置とでは、回動ユニットの構成が異なる。具体的には、図6(a)に示すように、本実施形態に係る回動ユニット30aでは、第1支持体14の外周面に、ニッケル系めっき層44が形成されている。また、第1支持体14と固定部材32(より具体的には底部34)との間において、ナゲット38の周囲を覆うように、ニッケル系めっき層の溶融凝固部46が形成されている。
図6(a)に示すように、本実施形態では、ナゲット38を含みかつ第1支持体14の軸方向に直交する断面において、圧縮部40は、溶融凝固部46の一端側および他端側(第1支持体14の周方向における一端側および他端側)に設けられる。具体的には、第1支持体14の径方向において、溶融凝固部46の上記一端部および他端部に対向する位置にそれぞれ圧縮部40が形成されている。言い換えると、圧縮部40は、第1支持体14の径方向においてニッケル系めっき層44と溶融凝固部46との境界部に対向する位置に形成されている。本実施形態では、圧縮部40は、第1支持体14の径方向から見て、溶融凝固部46に重なるように設けられている。圧縮部40は、第1実施形態と同様に形成される。これにより、圧縮部40近傍には、圧縮残留応力が付与されている。
本実施形態では、底部34に引張荷重が付与されたとしても、圧縮部40近傍に圧縮残留応力が付与されているので、底部34のうちニッケル系めっき層44と溶融凝固部46との境界部近傍において大きな引張応力が生じることを防止することができる。これにより、固定部材32と第1支持体14との接合強度を十分に向上させることができる。また、底部34のうち溶融凝固部46の周辺部において亀裂が生じることを十分に抑制できる。これらの結果、固定部材32と第1支持体14との接合部の疲労強度を向上させることができ、渦電流式減速装置の寿命を向上させることができる。
なお、上述の第1実施形態と同様に、一つのナゲット38に対して複数の圧縮部40が設けられていてもよく、一つのナゲット38に対して一つの圧縮部40が設けられてもよい。
また、圧縮部40が形成される位置は、上述の例に限定されない。例えば、図6(b)に示す回動ユニット30bのように、第1支持体14の径方向においてナゲット38の一端部および他端部(第1支持体14の周方向における一端部および他端部)に対向する位置に、それぞれ圧縮部40が形成されてもよい。言い換えると、圧縮部40は、第1支持体14の径方向において溶融凝固部46とナゲット38との境界部に対向する位置に形成されてもよい。また、図6(c)に示す回動ユニット30cのように、ニッケル系めっき層44と溶融凝固部46との境界部およびニッケル系めっき層44とナゲット38との境界部に対向する大きさの圧縮部40を形成してもよい。
(実験)
第2実施形態で説明した回動ユニットの疲労強度を評価するために以下の実験(疲労試験)を行なった。
まず、外径350mm、厚さ10mmの円筒形の第1支持体14を11本用意した。各第1支持体14に、厚さ10μmのニッケル系めっきを施した。ニッケル系めっきを施した第1支持体14の外周面に、図2に示したバスタブ形状を有する固定部材32をスポット溶接によって固定した。具体的には、図3に示した回動ユニット30と同様に、底部34の2箇所をスポット溶接によって第1支持体14に溶接した。固定部材32は、厚さ0.3mmのオーステナイト系ステンレス鋼板をプレス成形することにより作製した。
11本の第1支持体14のうち、3本の第1支持体14には、圧縮部40を形成しなかった。残りの8本の第1支持体14については、スポット溶接後に、図5で説明した方法によって固定部材32の底部34に圧縮部40を形成した。具体的には、ナゲット38ごとに、一つの圧縮部40を形成した。したがって、各固定部材32において、2つの圧縮部40を形成した。圧縮部40は、疲労試験において、荷重が加えられる側壁部36a側に形成した。
疲労試験では,固定部材32の一方側壁部36a(図4参照)に対して、第1支持体14の周方向に繰り返しの荷重(400N)を負荷した。試験結果および圧縮部の形状を、下記の表1に示す。
Figure 0006870397
表1に示すように、圧縮部40を形成しなかった試験No.1〜3では、9.8〜18.5万回の繰り返し荷重により、固定部材32に亀裂が発生した。一方、圧縮部を形成した試験No.4〜11では、試験No.1〜3に比べて、疲労寿命が大幅に向上した。特に、試験No.5〜11では、繰り返し荷重を200万回負荷しても亀裂が発生しなかった。
以上の結果から、本発明の実施の形態に係る回動ユニットでは、第1支持体14と固定部材32との接合部の疲労寿命が十分に向上していることが分かる。
以上のように、本発明によれば、永久磁石を支持するための固定部材が十分な強度で固定された渦電流式減速装置を得ることができる。
1 渦電流式減速装置
10 ロータ
12 ステータ
14 第1支持体14
16 永久磁石
18 第2支持体
20 ポールピース
30,30a,30b,30c 回動ユニット
32 固定部材
34 底部
36 周壁部
38 ナゲット
40 圧縮部
42 押圧部材
44 ニッケル系めっき層
46 溶融凝固部

Claims (6)

  1. 回転軸の回転を制動するための渦電流式減速装置であって、
    前記回転軸と一体的に回転するように設けられた円筒状の制動ドラムと、
    前記制動ドラムの径方向において前記制動ドラムの内側に配置され、かつ周方向に回転可能に設けられた、磁性体材料からなる円筒状の第1支持体と、
    前記第1支持体の周方向に沿って並ぶように、かつ磁極の向きが交互に異なるように前記第1支持体の外周面に固定された、複数の永久磁石と、
    前記複数の永久磁石の間にそれぞれ配置され、底部および前記第1支持体の軸方向に延びる一対の側壁部を有し、かつ前記底部が前記第1支持体の外周面に溶接された、非磁性体材料からなる複数の固定部材と、
    前記第1支持体の径方向において、前記複数の永久磁石と前記制動ドラムとの間に設けられ、かつ前記第1支持体の周方向に沿って並ぶように設けられた複数のポールピースと、
    前記複数のポールピースを支持する、非磁性体材料からなる第2支持体と、
    前記複数の固定部材の前記底部と前記第1支持体との接合部にそれぞれ形成された、複数のナゲットと、を備え、
    前記ナゲットを含みかつ前記第1支持体の軸方向に直交する断面において、前記底部は、前記底部の前記第1支持体とは反対側の面が凹むように、圧縮部を有し、
    前記圧縮部は、前記第1支持体の径方向から見て、前記ナゲットに重なるように設けられる、渦電流式減速装置。
  2. 前記ナゲットを含みかつ前記第1支持体の軸方向に直交する前記断面において、前記圧縮部は、前記ナゲットの一端側および他端側の少なくとも一方に設けられる、請求項1に記載の渦電流式減速装置。
  3. 回転軸の回転を制動するための渦電流式減速装置であって、
    前記回転軸と一体的に回転するように設けられた円筒状の制動ドラムと、
    前記制動ドラムの径方向において前記制動ドラムの内側に配置され、かつ周方向に回転可能に設けられた、磁性体材料からなる円筒状の第1支持体と、
    前記第1支持体の周方向に沿って並ぶように、かつ磁極の向きが交互に異なるように前記第1支持体の外周面に固定された、複数の永久磁石と、
    前記複数の永久磁石の間にそれぞれ配置され、底部および前記第1支持体の軸方向に延びる一対の側壁部を有し、かつ前記底部が前記第1支持体の外周面に溶接された、非磁性体材料からなる複数の固定部材と、
    前記第1支持体の径方向において、前記複数の永久磁石と前記制動ドラムとの間に設けられ、かつ前記第1支持体の周方向に沿って並ぶように設けられた複数のポールピースと、
    前記複数のポールピースを支持する、非磁性体材料からなる第2支持体と、
    前記複数の固定部材の前記底部と前記第1支持体との接合部にそれぞれ形成された、複数のナゲットと、を備え、
    前記第1支持体は炭素鋼からなり、
    前記固定部材は、オーステナイト系ステンレス鋼からなり、
    記第1支持体の外周面にニッケル系めっき層が設けられており
    前記第1支持体と前記固定部材との間において前記ナゲットの周囲を覆うように前記ニッケル系めっき層の溶融凝固部が形成されており
    前記ナゲットを含みかつ前記第1支持体の軸方向に直交する断面において、前記底部は、前記底部の前記第1支持体とは反対側の面が凹むように、圧縮部を有し、
    前記圧縮部は、前記第1支持体の径方向から見て、前記溶融凝固部に重なるように設けられる、渦電流式減速装置。
  4. 前記圧縮部は、前記第1支持体の径方向から見て、前記ナゲットに重なるように設けられる、請求項に記載の渦電流式減速装置。
  5. 前記ナゲットを含みかつ前記第1支持体の軸方向に直交する前記断面において、前記圧縮部は、前記溶融凝固部の一端側および他端側の少なくとも一方に設けられる、請求項3または4に記載の渦電流式減速装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載された渦電流式減速装置の製造方法であって、
    前記固定部材の底部を前記第1支持体の外周面にスポット溶接する溶接工程と、
    前記第1支持体の径方向において、前記底部の外側から押圧部材によって前記底部を押し込むことによって、前記底部に前記圧縮部を形成する押し込み工程と、
    前記底部から前記押圧部材を離す除荷工程と、を備え、
    前記溶接工程では、前記固定部材の底部と前記第1支持体の外周面との間に前記ナゲットが形成され、
    前記押し込み工程では、前記圧縮部は、前記ナゲットを含みかつ前記第1支持体の軸方向に直交する前記渦電流式減速装置の断面において、前記底部の前記第1支持体とは反対側の面が凹むように形成される、渦電流式減速装置の製造方法。
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