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JP6862805B2 - 電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、及びシステム - Google Patents

電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、及びシステム Download PDF

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JP6862805B2
JP6862805B2 JP2016235622A JP2016235622A JP6862805B2 JP 6862805 B2 JP6862805 B2 JP 6862805B2 JP 2016235622 A JP2016235622 A JP 2016235622A JP 2016235622 A JP2016235622 A JP 2016235622A JP 6862805 B2 JP6862805 B2 JP 6862805B2
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Description

本発明は、電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、及びシステムに関する。
液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ(OLED)、電子ペーパー等の平面薄型ディスプレイ(Flat Panel Display:FPD)は、非晶質シリコンや多結晶シリコンを活性層に用いた薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)を含む駆動回路により駆動されている。そして、FPDは、さらなる大型化、高精細化、高速駆動性が求められており、それに伴って、キャリア移動度が高くオン・オフ比が高くオフからオンへの立ち上がりが急峻といった良好なスイッチング特性を有するトランジスタが求められている。
しかしながら、非晶質シリコン(a−Si)や多結晶シリコン(特に低温ポリシリコン:Low−Temperature Poly Silicon:LTPS)を活性層に用いたTFTは、それぞれに一長一短があり、同時に全ての要求を満たすことは困難であった。
例えば、a−Si TFTは、大画面のLCD(Liquid Crystal Display)を高速駆動するには移動度が不足しており、また連続駆動時の閾値電圧シフトが大きいという欠点を抱えている。LTPS−TFTは、移動度は大きいが、エキシマレーザーアニーリングによって活性層を結晶化するプロセスのために閾値電圧のバラツキが大きく、量産ラインのマザーガラスサイズを大きくできないという問題が存在する。
そこで、室温成膜が可能でアモルファス状態でa−Si以上の移動度を示すInGaZnO(a−IGZO)が提案され(非特許文献1参照)、これをきっかけとして、移動度の高いアモルファス酸化物半導体が精力的に研究されるに至った。
本発明は、移動度が大きく、ソース・ドレイン間電流のオン・オフ比が大きく、トランスファー特性のオフ状態からオン状態への立ち上がりが急峻な電界効果型トランジスタを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明の電界効果型トランジスタは、
ート電極と、
ース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極及びドレイン電極に隣接して設けられ活性層と、
前記ゲート電極と前記活性層との間に設けられたゲート絶縁層と、
を備える電界効果型トランジスタであって、
前記ゲート絶縁層が、アルカリ土類金属である第A元素と、Ga、Sc、Y、及びランタノイドの少なくともいずれかである第B元素とを含む化物であり、
前記活性層は、Inと、Si、Ge、Zr、Hf、Al、Ga、Sc、Y、ランタノイド、及びアルカリ土類金属のいずれかと、を含有するn型酸化物半導体を有し、前記n型酸化物半導体は、4価のカチオン、5価のカチオン、6価のカチオン、7価のカチオン、及び8価のカチオンの少なくともいずれかのドーパントで置換ドーピングされており、
前記ドーパントの原子数は、前記n型酸化物半導体を構成する金属イオン(ただし、前記ドーパントを除く)の原子数よりも小さく、前記ドーパントの価数が、前記n型酸化物半導体を構成する金属イオン(ただし、前記ドーパントを除く)の価数よりも大きく、
前記活性層のキャリア密度が、4.0×1017/cm以上であり、前記ゲート絶縁層の比誘電率が、7.0より大きい
本発明によると、移動度が大きく、ソース・ドレイン間電流のオン・オフ比が大きく、トランスファー特性のオフ状態からオン状態への立ち上がりが急峻な電界効果型トランジスタを提供することができる。
図1は、トップコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタの一例を示す概略構成図である。 図2は、ボトムコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタの一例を示す概略構成図である。 図3は、トップコンタクト・トップゲート型の電界効果型トランジスタの一例を示す概略構成図である。 図4は、ボトムコンタクト・トップゲート型の電界効果型トランジスタの一例を示す概略構成図である。 図5は、本発明のシステムとしてのテレビジョン装置の一例を示す概略構成図である。 図6は、図5における画像表示装置を説明するための図(その1)である。 図7は、図5における画像表示装置を説明するための図(その2)である。 図8は、図5における画像表示装置を説明するための図(その3)である。 図9は、本発明の表示素子の一例を説明するための図である。 図10は、表示素子における有機EL素子と電界効果型トランジスタの位置関係の一例を示す概略構成図である。 図11は、表示素子における有機EL素子と電界効果型トランジスタの位置関係の他の一例を示す概略構成図である。 図12は、有機EL素子の一例を示す概略構成図である。 図13は、表示制御装置を説明するための図である。 図14は、液晶ディスプレイを説明するための図である。 図15は、図14における表示素子を説明するための図である。 図16は、実施例1のゲート絶縁層のX線回折測定結果である。 図17は、実施例1のトランスファー特性を示すグラフである。 図18は、比較例1のトランスファー特性を示すグラフである。 図19は、比較例2のトランスファー特性を示すグラフである。 図20は、比較例3のトランスファー特性を示すグラフである。 図21は、比較例4のトランスファー特性を示すグラフである。 図22は、比較例5のゲート絶縁層のX線回折測定結果である。 図23は、比較例5のトランスファー特性を示すグラフである。 図24は、比較例6、及び7のトランスファー特性を示すグラフである。 図25は、実施例2〜5のトランスファー特性を示すグラフである。 図26は、実施例6〜8のトランスファー特性を示すグラフである。 図27は、実施例9〜11のトランスファー特性を示すグラフである。
(電界効果型トランジスタ)
本発明の電界効果型トランジスタは、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、活性層と、ゲート絶縁層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。そして、上記の課題を達成するためには、キャリア密度が4.0×1017/cm以上である酸化物半導体を活性層に用い、且つアルカリ土類金属である第A元素と、Ga、Sc、Y、及びランタノイドの少なくともいずれかである第B元素とを含む常誘電体アモルファス酸化物をゲート絶縁層に用いることが有効であることを見出した。活性層のキャリア密度が4.0×1017/cm以上と高めであることは、トランジスタがオンの状態でソース・ドレイン間を流れる電流値(いわゆるオン電流値)を増加させるのに有効である。また、このような多数のキャリアをゲート電圧によって有効に制御してオフ状態からオン状態への立ち上がりが急峻な特性を実現するためには、ゲート絶縁層の電気的特性が重要となり、特にアルカリ土類金属である第A元素と、Ga、Sc、Y、及びランタノイドの少なくともいずれかである第B元素とを含む常誘電体アモルファス酸化物がこの場合のゲート絶縁層の材料として適していることを見出した。この材料からなるゲート絶縁層を用いると、ゲート絶縁層を介したリーク電流を小さく抑えられることからオフ電流が低減され、オン・オフ比が高い特性が得られる。以上により、本発明の完成に至った。
<ゲート電極>
前記ゲート電極としては、ゲート電圧を印加するための電極であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ゲート電極の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Mo、Al、Au、Ag、Cu等の金属乃至合金、ITO、ATO等の透明導電性酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PANI)等の有機導電体などが挙げられる。
前記ゲート電極の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)スパッタ法、ディップコーティング法等による成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法、(ii)インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷プロセスによって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。
前記ゲート電極の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm〜1μmが好ましく、50nm〜300nmがより好ましい。
<ゲート絶縁層>
前記ゲート絶縁層は、前記ゲート電極と前記活性層との間に設けられた絶縁層である。
前記ゲート絶縁層は、アルカリ土類金属(Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra)である第A元素と、Ga、Sc、Y、及びランタノイド(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の少なくともいずれかである第B元素とを含む常誘電体アモルファス酸化物である。
前記ゲート絶縁層に含まれる前記アルカリ土類金属は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
ゲート絶縁層がアモルファス材料で形成されていることは、トランジスタの特性を向上させる点で好ましい形態である。ゲート絶縁層が結晶性の材料で形成されていると結晶粒界に起因するリーク電流を低く抑えることができず、トランジスタ特性の悪化につながるためである。
また、ゲート絶縁層が常誘電体であることは、トランジスタのトランスファー特性におけるヒステリシスを低減させる点で必要となる。トランジスタをメモリ等の用途で使用する特殊な場合は例外であるが、通常トランジスタのスイッチング特性を利用するデバイスにおいてはヒステリシスが存在することは好ましくない。
常誘電体とは、圧電体、焦電体、強誘電体以外の誘電体であり、すなわち圧力によって分極が発生したり、外部電界のない状態で自発分極を有したりすることがない誘電体を指す。また、圧電体、焦電体及び強誘電体は、その特性を発現させるために結晶である必要がある。すなわち、ゲート絶縁層をアモルファス材料で形成すると、必然的にこのゲート絶縁層は常誘電体となる。
アルカリ土類金属酸化物は大気中の水分や二酸化炭素と反応しやすく、容易に水酸化物や炭酸塩に変化してしまい、単独では電子デバイスへの応用は適さない。また、Ga、Sc、Y、及びランタノイド等の単純酸化物は結晶化しやすく、リーク電流が問題となる。しかし発明者等は、アルカリ土類金属である第A元素と、Ga、Sc、Y、及びランタノイドの少なくともいずれかである第B元素とを含む酸化物は大気中において安定で且つ広範な組成領域で常誘電性のアモルファス膜を形成でき、ゲート絶縁層に適していることを見出した。Ceはランタノイドの中で特異的に4価になりアルカリ土類金属との間でペロブスカイト構造の結晶を形成するため、アモルファス相を得るためには第B元素がCeではないことが好ましい。
アルカリ土類金属酸化物とGa酸化物の間にはスピネル構造などの結晶相が存在するが、これらの結晶はペロブスカイト構造結晶と比較して、非常に高温でないと析出しない(一般には1000℃以上)。また、アルカリ土類金属酸化物とSc、Y、及びランタノイドからなる酸化物との間には安定な結晶相の存在が報告されておらず、高温の後工程を経てもアモルファス相からの結晶析出は希である。更に、アルカリ土類金属と、Ga、Sc、Y、及びランタノイドとを含む酸化物を3種類以上の金属元素で構成すると、アモルファス相は更に安定する。
高誘電率膜を作製するという観点からすると、好ましくはBa、Sr、Lu、La等の元素の組成比を高めることが好ましい。
前記ゲート絶縁層は、更に、Al、Ti、Zr、Hf、Nb、及びTaの少なくともいずれかである第C元素を含むことが好ましい。これによってアモルファス相が更に安定化し、また熱安定性及び緻密性をより向上させることができる。
ゲート絶縁層の比誘電率は、活性層のキャリア密度が4.0×1017/cm以上と高い場合に、トランスファー特性における急峻な立ち上がりと高い移動度を実現する観点から、7.0より大きいことが好ましく、8.0より大きいことがより好ましく、9.0より大きいことが更に好ましい。前記比誘電率の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記比誘電率は、50.0以下が好ましく、30.0以下がより好ましい。
前記比誘電率の値は、絶縁層の上下を電極膜で挟んでコンデンサを形成し、測定した容量の値から算出することができる。
前記ゲート絶縁層において、第A元素と第B元素の比率に応じて比誘電率は変化することから、好ましい比誘電率を実現するためにゲート絶縁層の組成を最適化することが好ましい方法である。
前記常誘電体アモルファス酸化物における前記第A元素の原子数の合計(NA)と、前記第B元素の原子数の合計(NB)との原子比(NA:NB)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下の範囲であることが好ましい。
NA:NB=(3〜50)at%:(50〜97)at%
ただし、NA+NB=100at%
前記常誘電体アモルファス酸化物における前記第A元素の原子数の合計(NA)と、前記第B元素の原子数の合計(NB)と、前記第C元素の原子数の合計(NC)との原子比(NA:NB:NC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下の範囲であることが好ましい。
NA:NB:NC=(3〜47)at%:(50〜94)at%:(3〜47)at%
ただし、NA+NB+NC=100at%
前記常誘電体アモルファス酸化物におけるNA、NB、NCの比率は、例えば、蛍光X線分析、電子線マイクロ分析(EPMA)、誘電結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES)等により酸化物の陽イオン元素を分析することにより算出できる。
上述の材料は絶縁性に優れ絶縁破壊電圧が高く大きな比誘電率を持つことから、これでゲート絶縁層を形成することにより、ゲート電圧が印加された際にゲート絶縁層を介して活性層に印加される電界が効率良く働き、活性層中のキャリアが多い場合においてもオフ状態からオン状態への立ち上がりが急峻な良好なスイッチング特性を有するトランジスタが得られる。また、多くのキャリアが効果的に制御されるために、オフ電流は小さく、オン電流は高く、すなわちオン・オフ比の高い特性が得られる。また、トランスファーカーブにおいて、ゲート電圧をマイナスからプラスに変化させた時とプラスからマイナスに変化させた時の差(いわゆるヒステリシス)が小さい。更に、ゲート絶縁層がアモルファスであることで、活性層のゲート絶縁層との界面を平滑で欠陥の少ないものとし易く、キャリアの移動が容易となることから移動度の高いトランジスタ特性が得られる。
−ゲート絶縁層の形成方法−
前記ゲート絶縁層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ法、パルスレーザーデポジッション(PLD)法、化学気相蒸着(CVD)法、原子層蒸着(ALD)法等の真空プロセスによる成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法などが挙げられる。
また、前記ゲート絶縁層は、前記常誘電体アモルファス酸化物の前駆体を含有する塗布液(ゲート絶縁層形成用塗布液)を調合し、それを被塗物上に塗布又は印刷し、これを適切な条件で焼成することによっても成膜することができる。
−−ゲート絶縁層形成用塗布液−−
前記ゲート絶縁層形成用塗布液は、第A元素含有化合物と、第B元素含有化合物と、溶媒とを少なくとも含有し、好ましくは、第C元素含有化合物を含有し、更に必要に応じて、その他成分を含有する。
−−−第A元素含有化合物−−−
前記第A元素含有化合物としては、例えば、第A元素の無機化合物、第A元素の有機化合物などが挙げられる。前記第A元素含有化合物における第A元素としては、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Ra(ラジウム)が挙げられる。
前記第A元素の無機化合物としては、例えば、第A元素の硝酸塩、第A元素の硫酸塩、第A元素の塩化物、第A元素のフッ化物、第A元素の臭化物、第A元素のよう化物などが挙げられる。
前記第A元素の硝酸塩としては、例えば、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウムなどが挙げられる。
前記第A元素の硫酸塩としては、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。
前記第A元素の塩化物としては、例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウムなどが挙げられる。
前記第A元素のフッ化物としては、例えば、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウムなどが挙げられる。
前記第A元素の臭化物としては、例えば、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化ストロンチウム、臭化バリウムなどが挙げられる。
前記第A元素のよう化物としては、例えば、よう化マグネシウム、よう化カルシウム、よう化ストロンチウム、よう化バリウムなどが挙げられる。
前記第A元素の有機化合物としては、第A元素と、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記第A元素と前記有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
前記有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアセチルアセトナート基、置換基を有していてもよいスルホン酸基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。前記アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜10のアシルオキシ基、安息香酸のように一部がベンゼン環に置換されたアシルオキシ基、乳酸のように一部がヒドロキシ基に置換されたアシルオキシ基、シュウ酸、及びクエン酸のようにカルボニル基を2つ以上有するアシルオキシ基などが挙げられる。
前記第A元素の有機化合物としては、例えば、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、ジエチルマグネシウム、酢酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、アセチルアセトンマグネシウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ナフテン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、アセチルアセトンカルシウム、カルシウムジピバロイルメタナート、2−エチルヘキサン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ナフテン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、ネオデカン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ストロンチウムイソプロポキシド、酢酸ストロンチウム、ギ酸ストロンチウム、アセチルアセトンストロンチウム、2−エチルヘキサン酸ストロンチウム、乳酸ストロンチウム、ナフテン酸ストロンチウム、サリチル酸ストロンチウム、シュウ酸ストロンチウム、バリウムエトキシド、バリウムイソプロポキシド、酢酸バリウム、ギ酸バリウム、アセチルアセトンバリウム、2−エチルヘキサン酸バリウム、乳酸バリウム、ナフテン酸バリウム、ネオデカン酸バリウム、シュウ酸バリウム、安息香酸バリウム、トリフルオロメタンスルホン酸バリウムなどが挙げられる。
前記ゲート絶縁層形成用塗布液における前記第A元素含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−第B元素含有化合物−−−
前記第B元素としては、Ga(ガリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)が挙げられる。
前記第B元素含有化合物としては、例えば、第B元素の無機化合物、第B元素の有機化合物などが挙げられる。
前記第B元素の無機化合物としては、例えば、第B元素の硝酸塩、第B元素の硫酸塩、第B元素のフッ化物、第B元素の塩化物、第B元素の臭化物、第B元素のヨウ化物などが挙げられる。
前記第B元素の硝酸塩としては、例えば、硝酸ガリウム、硝酸スカンジウム、硝酸イットリウム、硝酸ランタン、硝酸セリウム、硝酸プラセオジム、硝酸ネオジム、硝酸サマリウム、硝酸ユウロピウム、硝酸ガドリニウム、硝酸テルビウム、硝酸ジスプロシウム、硝酸ホルミウム、硝酸エルビウム、硝酸ツリウム、硝酸イッテルビウム、硝酸ルテチウムなどが挙げられる。
前記第B元素の硫酸塩としては、例えば、硫酸ガリウム、硫酸スカンジウム、硫酸イットリウム、硫酸ランタン、硫酸セリウム、硫酸プラセオジム、硫酸ネオジム、硫酸サマリウム、硫酸ユウロピウム、硫酸ガドリニウム、硫酸テルビウム、硫酸ジスプロシウム、硫酸ホルミウム、硫酸エルビウム、硫酸ツリウム、硫酸イッテルビウム、硫酸ルテチウムなどが挙げられる。
前記第B元素のフッ化物としては、例えば、フッ化ガリウム、フッ化スカンジウム、フッ化イットリウム、フッ化ランタン、フッ化セリウム、フッ化プラセオジム、フッ化ネオジム、フッ化サマリウム、フッ化ユウロピウム、フッ化ガドリニウム、フッ化テルビウム、フッ化ジスプロシウム、フッ化ホルミウム、フッ化エルビウム、フッ化ツリウム、フッ化イッテルビウム、フッ化ルテチウムなどが挙げられる。
前記第B元素の塩化物としては、例えば、塩化ガリウム、塩化スカンジウム、塩化イットリウム、塩化ランタン、塩化セリウム、塩化プラセオジム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化ユウロピウム、塩化ガドリニウム、塩化テルビウム、塩化ジスプロシウム、塩化ホルミウム、塩化エルビウム、塩化ツリウム、塩化イッテルビウム、塩化ルテチウムなどが挙げられる。
前記第B元素の臭化物としては、例えば、臭化ガリウム、臭化スカンジウム、臭化イットリウム、臭化ランタン、臭化プラセオジム、臭化ネオジム、臭化サマリウム、臭化ユウロピウム、臭化ガドリニウム、臭化テルビウム、臭化ジスプロシウム、臭化ホルミウム、臭化エルビウム、臭化ツリウム、臭化イッテルビウム、臭化ルテチウムなどが挙げられる。
前記第B元素のヨウ化物としては、例えば、ヨウ化ガリウム、ヨウ化スカンジウム、ヨウ化イットリウム、ヨウ化ランタン、ヨウ化セリウム、ヨウ化プラセオジム、ヨウ化ネオジム、ヨウ化サマリウム、ヨウ化ユウロピウム、ヨウ化ガドリニウム、ヨウ化テルビウム、ヨウ化ジスプロシウム、ヨウ化ホルミウム、ヨウ化エルビウム、ヨウ化ツリウム、ヨウ化イッテルビウム、ヨウ化ルテチウムなどが挙げられる。
前記第B元素の有機化合物としては、第B元素と、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記第B元素と前記有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
前記有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアセチルアセトナート基、置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。前記アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜10のアシルオキシ基などが挙げられる。
前記第B元素の有機化合物としては、例えば、ガリウムアセチルアセトナート、スカンジウムイソプロポキシド、酢酸スカンジウム、トリス(シクロペンタジエニル)スカンジウム、イットリウムイソプロポキシド、2−エチルヘキサン酸イットリウム、トリス(アセチルアセトナート)イットリウム、トリス(シクロペンタジエニル)イットリウム、ランタンイソプロポキシド、2−エチルヘキサン酸ランタン、トリス(アセチルアセトナート)ランタン、トリス(シクロペンタジエニル)ランタン、2−エチルヘキサン酸セリウム、トリス(アセチルアセトナート)セリウム、トリス(シクロペンタジエニル)セリウム、プラセオジムイソプロポキシド、シュウ酸プラセオジム、トリス(アセチルアセトナート)プラセオジム、トリス(シクロペンタジエニル)プラセオジム、ネオジムイソプロポキシド、2−エチルヘキサン酸ネオジム、トリフルオロアセチルアセトナートネオジム、トリス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ネオジム、トリス(エチルシクロペンタジエニル)プロメチウム、サマリウムイソプロポキシド、2−エチルヘキサン酸サマリウム、トリス(アセチルアセトナート)サマリウム、トリス(シクロペンタジエニル)サマリウム、2−エチルヘキサン酸ユウロピウム、トリス(アセチルアセトナート)ユウロピウム、トリス(エチルシクロペンタジエニル)ユウロピウム、ガドリニウムイソプロポキシド、2−エチルヘキサン酸ガドリニウム、トリス(アセチルアセトナート)ガドリニウム、トリス(シクロペンタジエニル)ガドリニウム、酢酸テルビウム、トリス(アセチルアセトナート)テルビウム、トリス(シクロペンタジエニル)テルビウム、ジスプロシウムイソプロポキシド、酢酸ジスプロシウム、トリス(アセチルアセトナート)ジスプロシウム、トリス(エチルシクロペンタジエニル)ジスプロシウム、ホルミウムイソプロポキシド、酢酸ホルミウム、トリス(シクロペンタジエニル)ホルミウム、エルビウムイソプロポキシド、酢酸エルビウム、トリス(アセチルアセトナート)エルビウム、トリス(シクロペンタジエニル)エルビウム、酢酸ツリウム、トリス(アセチルアセトナート)ツリウム、トリス(シクロペンタジエニル)ツリウム、イッテルビウムイソプロポキシド、酢酸イッテルビウム、トリス(アセチルアセトナート)イッテルビウム、トリス(シクロペンタジエニル)イッテルビウム、シュウ酸ルテチウム、トリス(エチルシクロペンタジエニル)ルテチウムなどが挙げられる。
前記ゲート絶縁層形成用塗布液における前記第B元素含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−第C元素含有化合物−−
前記第C元素としては、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)が挙げられる。
前記第C元素含有化合物としては、例えば、第C元素の無機化合物、第C元素の有機化合物などが挙げられる。
前記第C元素の無機化合物としては、例えば、第C元素の硝酸塩、第C元素の硫酸塩、第C元素のフッ化物、第C元素の塩化物、第C元素の臭化物、第C元素のヨウ化物などが挙げられる。
前記第C元素の有機化合物としては、第C元素と、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記第C元素と前記有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
前記有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアセチルアセトナート基、置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。前記アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜10のアシルオキシ基などが挙げられる。
前記ゲート絶縁層形成用塗布液における前記第C元素含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−溶媒−−−
前記溶媒としては、前記各種化合物を安定に溶解又は分散する溶媒であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、シメン、ペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、ビシクロヘキシル、シクロヘキシルベンゼン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、テトラリン、デカリン、安息香酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、炭酸プロピレン、2−エチルヘキサン酸、ミネラルスピリッツ、ジメチルプロピレンウレア、4−ブチロラクトン、2−メトキシエタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール、メタノール、水などが挙げられる。
前記ゲート絶縁層形成用塗布液における前記溶媒の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ゲート絶縁層形成用塗布液における前記第A元素含有化合物と、前記第B元素含有化合物との組成比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下の範囲であることが好ましい。
即ち、前記各化合物中に含有される前記第A元素の原子数の合計(NA)と、前記第B元素の原子数の合計(NB)との原子比(NA:NB)換算で、以下の範囲であることが好ましい。
NA:NB=(3〜50)at%:(50〜97)at%
ただし、NA+NB=100at%
前記ゲート絶縁層形成用塗布液における前記第A元素含有化合物と、前記第B元素含有化合物と、前記第C元素含有化合物との組成比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下の範囲であることが好ましい。
即ち、前記各化合物中に含有される前記第A元素の原子数の合計(NA)と、前記第B元素の原子数の合計(NB)と、前記第C元素の原子数の合計(NC)との原子比(NA:NB:NC)換算で、以下の範囲であることが好ましい。
NA:NB:NC=(3〜47)at%:(50〜94)at%:(3〜47)at%
−−ゲート絶縁層形成用塗布液を用いたゲート絶縁層の形成方法−−
前記ゲート絶縁層形成用塗布液を用いた前記ゲート絶縁層の形成方法の一例について説明する。前記ゲート絶縁層の形成方法は、塗布工程と、熱処理工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記塗布工程としては、被塗物に前記ゲート絶縁層形成用塗布液を塗布する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶液プロセスによる成膜後、フォトリソグラフィーによってパターンニングする方法、インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷法によって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。前記溶液プロセスとしては、例えば、ディップコーティング、スピンコート、ダイコート、ノズルプリンティングなどが挙げられる。
前記熱処理工程としては、前記被塗物に塗布された前記ゲート絶縁層形成用塗布液を熱処理する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、前記熱処理する際には、前記被塗物に塗布された前記ゲート絶縁層形成用塗布液は、自然乾燥などにより乾燥していてもよい。前記熱処理により、前記溶媒の乾燥、前記常誘電体アモルファス酸化物の生成などが行われる。
前記熱処理工程では、前記溶媒の乾燥(以下、「乾燥処理」と称する。)と、前記常誘電体アモルファス酸化物の生成(以下、「生成処理」と称する。)を、異なる温度で行うことが好ましい。即ち、前記溶媒の乾燥を行った後に、昇温して前記常誘電体アモルファス酸化物の生成を行うことが好ましい。前記常誘電体アモルファス酸化物の生成の際には、例えば、前記第A元素含有化合物、前記第B元素含有化合物、前記第C元素含有化合物の分解が起こる。
前記乾燥処理の温度としては、特に制限はなく、含有する溶媒に応じて適宜選択することができ、例えば、80℃〜180℃が挙げられる。前記乾燥においては、低温化のために減圧オーブンなどを使用することが有効である。前記乾燥処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1分間〜1時間が挙げられる。
前記生成処理の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃以上550℃未満が好ましく、200℃〜500℃がより好ましい。前記生成処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1時間〜5時間が挙げられる。
なお、前記熱処理工程では、前記乾燥処理及び前記生成処理を連続して実施してもよいし、複数の工程に分割して実施してもよい。
前記熱処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記被塗物を加熱する方法などが挙げられる。前記熱処理における雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酸素雰囲気が好ましい。前記酸素雰囲気で熱処理を行うことにより、分解生成物を速やかに系外に排出し、前記常誘電体アモルファス酸化物の生成を促進させることができる。
前記熱処理の際には、波長400nm以下の紫外光を前記乾燥処理後の物質に照射することが、前記生成処理の反応を促進する上で有効である。波長400nm以下の紫外光を照射することにより、前記乾燥処理後の物質中に含有される有機物などの化学結合を切断し、有機物を分解できるため、効率的に前記常誘電体アモルファス酸化物を形成することができる。前記波長400nm以下の紫外光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エキシマランプを用いた波長222nmの紫外光などが挙げられる。また、前記紫外光の照射に代えて、又は併用して、オゾンを付与することも好ましい。前記オゾンを前記乾燥処理後の物質に付与することにより、酸化物の生成が促進される。
前記ゲート絶縁層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50nm〜3μmが好ましく、100nm〜1μmがより好ましい。
<活性層>
前記活性層は、前記ソース電極及びドレイン電極に隣接して設けられた層である。
前記活性層は、キャリア密度が4.0×1017/cm以上である酸化物半導体である。キャリア密度は1.0×1018/cm以上であることがより好ましい。また、上限値としては、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0×1021/cm以下が好ましく、1.0×1020/cm以下がより好ましい。キャリア数があまりに過剰の場合はゲート電圧による制御が効かなくなってしまうためである。
本発明のトランジスタは、活性層にキャリア密度が高い酸化物半導体を用いていることにより高いオン電流値を実現し、またゲート絶縁層が前述の材料であることによって多数のキャリアを効果的に制御して立ち上がり特性が急峻で高移動度の特性を得ている。
前記キャリア密度は、酸化物半導体膜に対してホール測定を行うことにより求めることができる。
前記活性層のキャリア密度を調整する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化物の組成の調整や、成膜プロセスにおける加熱温度や雰囲気の条件の調整などが挙げられる。
前記活性層が、In、Zn、Sn、及びTiの少なくともいずれかを含有するn型酸化物半導体であることは好ましい形態である。
また、前記n型酸化物半導体は、2価のカチオン、3価のカチオン、4価のカチオン、5価のカチオン、6価のカチオン、7価のカチオン、及び8価のカチオンの少なくともいずれかのドーパントで置換ドーピングされており、前記ドーパントの価数が、前記n型酸化物半導体を構成する金属イオン(ただし、前記ドーパントを除く)の価数よりも大きいことが好ましい。なお、前記置換ドーピングは、n型ドーピングともいう。
この置換ドーピングされたn型酸化物半導体においては、母相であるn型酸化物半導体を構成する金属イオンの一部が、価数がより大きいドーパントによって置換され、価数に差があることで過剰となり放出された電子がn型電導のキャリアとして寄与する。このような置換ドーピングによって生成されたキャリア電子が半導体特性を担っている場合、その特性はより安定なものとなる。なぜなら、酸素欠損由来のキャリア電子数が、半導体と外部(雰囲気や隣接する層)との間で酸素がやり取りされることによる酸化・還元反応や膜表面への酸素吸着等の影響を受けて容易に変動するのに対し、置換ドーピング由来のキャリア電子数はそのような状態変化の影響を比較的受けないからである。
また、置換ドーピング由来のキャリア電子数は制御性が良く、所望のキャリア濃度を容易に実現できる点も利点の一つである。前述のように、酸素は比較的容易に半導体の外部に出入りすることから、その量を精密にコントロールしたり、所望の値に保ったりすることが難しい。一方、置換ドーピング由来のキャリア電子数は、主にドーパント元素の種類とドープ量の選択によって容易かつ精密にコントロールすることができる。
本発明の電界効果型トランジスタの活性層は4.0×1017/cm以上のキャリア密度を有するが、ドーパント元素の種類とドープ量の適切な選択によってこのキャリア密度が実現できているのが好ましい形態である。また、組成や成膜プロセス条件の調整によって活性層中の酸素欠損を極力少なく抑え、キャリアが主に置換ドーピングによって生成されている状態とするのが好ましい。
活性層中の酸素欠損を減らすには、n型酸化物半導体層(活性層)の成膜工程においてより多くの酸素を膜中に導入することが有効である。例えば、スパッタ法でn型酸化物半導体層を形成する場合、スパッタ雰囲気中の酸素濃度を高めることで酸素欠損の少ない膜を形成できる。或いは、塗布液の塗布・焼成によってn型酸化物半導体層を形成する場合、焼成時の雰囲気中の酸素濃度を高めることで酸素欠損の少ない膜を形成できる。
また、n型酸化物半導体の組成によって、酸素欠損量を減少させることもできる。例えば、酸素との親和性の高い金属元素(Si、Ge、Zr、Hf、Al、Ga、Sc、Y、Ln、及びアルカリ土類金属等)を一定量導入することで、酸素欠損の発生を抑制できる。
ドーパントの種類は、イオン半径、配位数、軌道エネルギー等を考慮して選択することが好ましい。ドーパント濃度は、母相の材料、ドーパントの種類や置換するサイト、成膜プロセス、所望のトランジスタ特性等に応じて、適切に選択することができる。
理論的には、一つの原子が置換された場合に生成される電子の数は、ドーパントであるカチオンの価数からn型酸化物半導体を構成する母相の金属原子の価数を引いた値となる。すなわち、より少ないドープ量で同じ数の電子を発生させるためには、ドーパントの価数が大きいことが好ましい。更に、ドーパントの価数とn型酸化物半導体を構成する金属原子の価数との差が大きい方が好ましい。ドーパントは多量に存在すると結晶構造や原子の配列を乱しキャリア電子の移動を妨げる要因となってしまうため、なるべく少ないドープ量で必要充分なキャリア電子を発生させることは好ましい形態である。
また、イオン半径が置換される原子のものと近いドーパントを選択することも好ましい形態である。これにより置換効率が上がり、キャリア生成に寄与しない不要なドーパントがトランジスタ特性を悪化させることを抑制できる。
ドーピングによるキャリア生成効率はトランジスタ作製時の各種プロセス条件にも依存するため、生成効率が上がるプロセス条件を選択することも重要である。例えば、スパッタ法でn型酸化物半導体層を形成する場合の基板温度や、塗布液の塗布・焼成によってn型酸化物半導体層を形成する場合の焼成温度、n型酸化物半導体層を形成した後に施すアニールの温度等を適切に選択することで、より少ないドープ量で所望のキャリア濃度を達成することができる。
ドーパントの濃度は、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、移動度及び立ち上がり特性の点から、0.01at%〜10at%が好ましく、0.01atl%〜5at%がより好ましく、0.05at%〜2at%が特に好ましい。ここでのat%とは、置換される金属元素の半導体中の原子数(即ち、前記n型酸化物半導体に含まれる、前記ドーパントにより置換される対象となる前記金属元素のモル数)とドーパントの原子数との和を100%とし、それに対するドーパントの原子数の割合を表したものである。この範囲のドープ量で且つプロセス条件を適切に設定することにより、酸化物半導体のキャリア濃度を4.0×1017cm−3以上、キャリア移動度を0.1cm/Vs以上とすることができ、これらは本発明の電界効果型トランジスタの活性層として好ましい特性である。
活性層を形成するn型酸化物半導体において、置換ドーピングが効果的に作用するために、該n型酸化物半導体は単結晶或いは多結晶となっていることが好ましい。或いは、X線回折(XRD)等で回折線が観測されず長距離秩序が存在しない場合(一般にはこれをアモルファス状態と呼んでいる。)であっても、短距離においては秩序を持って原子が配列しているリジッドな構造を有していることが好ましい。これは、母相となる酸化物半導体がアモルファス性の高い材料である場合、置換ドープを行ったとしても局所的に安定した状態に構造が変化してしまうことでキャリアが発生しないからである。リジッドな構造を有する酸化物であれば、酸素配位多面体(例えばWOやInO八面体)やその連結様式(例えばInO稜共有鎖)が維持され、置換ドーピングが有効に作用する。このような構造においてはアモルファス状態特有の裾状態(Tail States)の状態密度は小さいため、サブギャップ吸収は少なく、その結果、光劣化特性は、アモルファス性の高い材料よりも優れる。
長距離秩序が存在する単結晶・多結晶状態であっても、同様にドーピングは有効である。重金属イオンの4s、5s、6sバンドで伝導帯が構成される場合は粒界の影響も少なく、多結晶状態であっても良好な特性が得られる。但し、ドープ量が過多でドーパントが粒界に偏析するような場合には、ドーパント濃度を下げることが好ましい。また、ソース・ドレイン電極と活性層との界面の密着性や電気的な接触を良好にするために、200℃〜300℃でポストアニールすることも好ましい。また、より高温でアニールして結晶性を高めてもよい。
本発明者らの検討では、n型酸化物半導体の母相として、In、Zn、Sn、及びTiの少なくともいずれかを含有する酸化物を選択した場合に、置換ドーピングがより有効に機能し、より良好なトランジスタ特性が得られた。
また、酸素欠損を減らすため、酸素親和性の高い元素を活性層に含有させることが有効であると前述したが、そのような酸素親和性の高い元素としてはSi、Ge、Zr、Hf、Al、Ga、Sc、Y、Ln、及びアルカリ土類金属が適していることを見出した。
前記活性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
置換ドーピングは、活性層を形成する際の母層の原料にドーパントの原料を添加することで容易に達成される。例えば、スパッタ法により活性層を形成する場合は、所望の濃度でドーパント元素を添加した母相のターゲットを用いれば良い。ただし、所望のドープ量が小さい場合(例えば0.2at%以下)においては、そのような僅かな量の原子を正確な値でかつターゲット全体に均一に含有させることが難しいという問題点がある。
ドープ量の制御性の面から、活性層を塗布プロセスで形成することはより好ましい形態である。塗布プロセスにおいては、半導体原料化合物と、前記ドーパントとなる元素を含有する化合物(ドーパント元素含有化合物)と、溶媒とを含有するn型酸化物半導体膜形成用塗布液を被塗布物上に塗布し、焼成を行うことで活性層を形成する。この塗布液において、半導体原料化合物に対する前記ドーパント元素含有化合物の配合比率を所望のドープ量に対応させることで、所望のドーピングが実現される。塗布液においては、ドーパント量として0.2at%以下といったごく微量の割合で前記ドーパント元素含有化合物を添加し均一に攪拌することも容易にできるため、置換ドーピングされたn型酸化物半導体の形成方法としては塗布プロセスがより適していると言える。
<ソース電極、及びドレイン電極>
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極としては、電流を取り出すための電極であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、Mo、Al、Ag等の金属や合金、ITO、ATO等の透明導電性酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PANI)等の有機導電体などが利用できる。
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ゲート電極の説明において記載した形成方法と同じ方法が挙げられる。
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm〜1μmが好ましく、50nm〜300nmがより好ましい。
<絶縁層(保護層)>
ソース電極、ドレイン電極、及び活性層の少なくともいずれかの上に絶縁層(保護層)が積層されている構成もトランジスタとして好ましい形態である。この絶縁層は多くの場合、ソース電極、ドレイン電極、及び活性層が直接大気中の酸素や水分に触れて特性が変化することを防ぐ所謂保護層の役割を果たす。また、電界効果型トランジスタを用いた表示装置においては、トランジスタの上部に発光層等を含む表示素子が積層されることがあるが、その際はこの絶縁層がトランジスタの形状に応じた段差を吸収して面を平滑にする所謂平坦化膜の役割を兼ねる場合もある。
前記絶縁層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SiO、SiON、SiNx等の既に広く量産に利用されている材料や、ポリイミド(PI)やフッ素系樹脂等の有機材料などが挙げられる。
前記電界効果型トランジスタの構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トップコンタクト・ボトムゲート型(図1)、ボトムコンタクト・ボトムゲート型(図2)、トップコンタクト・トップゲート型(図3)、ボトムコンタクト・トップゲート型(図4)などが挙げられる。
なお、図1〜図4中、符号21は基材、符号22は活性層、符号23はソース電極、符号24はドレイン電極、符号25はゲート絶縁層、符号26はゲート電極を表す。これらの図には前述の絶縁層(保護層)は図示していない。
前記電界効果型トランジスタは、後述する表示素子に好適に使用できるが、これに限られるものではなく、例えば、ICカード、IDタグなどにも使用することができる。
<電界効果型トランジスタの製造方法>
前記電界効果型トランジスタの製造方法の一例を説明する。
まず、基材上にゲート電極を形成する。
前記基材の形状、構造、及び大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基材、プラスチック基材などが挙げられる。
前記ガラス基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無アルカリガラス、シリカガラスなどが挙げられる。
前記プラスチック基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが挙げられる。
なお、前記基材は、表面の清浄化及び密着性向上の点で、酸素プラズマ、UVオゾン、UV照射洗浄等の前処理が行われることが好ましい。
続いて、前記ゲート電極上にゲート絶縁層を形成する。
続いて、チャネル領域であって前記ゲート絶縁層上に、酸化物半導体からなる活性層を形成する。
続いて、前記ゲート絶縁層上に、前記活性層を跨ぐようにソース電極及びドレイン電極を離間して形成する。
以上により、電界効果型トランジスタが製造される。この製造方法では、例えば、図1に示すようなトップコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタが製造される。
(表示素子)
本発明の表示素子は、少なくとも、光制御素子と、前記光制御素子を駆動する駆動回路とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<光制御素子>
前記光制御素子としては、駆動信号に応じて光出力を制御する素子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エレクトロルミネッセンス(EL)素子、エレクトロクロミック(EC)素子、液晶素子、電気泳動素子、エレクトロウェッティング素子などが挙げられる。
<駆動回路>
前記駆動回路としては、本発明の前記電界効果型トランジスタを有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記表示素子は、本発明の前記電界効果型トランジスタを有しているため、高速駆動が可能で、長寿命かつ低消費電力なものとすることが可能となる。
(画像表示装置)
本発明の画像表示装置は、少なくとも、複数の表示素子と、複数の配線と、表示制御装置とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<複数の表示素子>
前記複数の表示素子としては、マトリックス状に配置された複数の本発明の前記表示素子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<複数の配線>
前記複数の配線は、前記複数の表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧と信号電圧とを個別に印加可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<表示制御装置>
前記表示制御装置としては、画像データに応じて、各電界効果型トランジスタのゲート電圧と信号電圧とを前記複数の配線を介して個別に制御可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記画像表示装置は、本発明の前記表示素子を有しているため、素子間のばらつきも小さくすることが可能になり、大画面で高品質の画像を表示することが可能となる。
(システム)
本発明のシステムは、少なくとも、本発明の前記画像表示装置と、画像データ作成装置とを有する。
前記画像データ作成装置は、表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する。
前記システムは、本発明の前記画像表示装置を備えているため、画像情報を高精細に表示することが可能となる。
以下、本発明の表示素子、画像表示装置、及びシステムを、図を用いて説明する。
まず、本発明のシステムとしてのテレビジョン装置を、図5を用いて説明する。なお、図5の構成は一例であって、本発明のシステムとしてのテレビジョン装置は、これに限定されない。
図5において、テレビジョン装置100は、主制御装置101、チューナ103、ADコンバータ(ADC)104、復調回路105、TS(Transport Stream)デコーダ106、音声デコーダ111、DAコンバータ(DAC)112、音声出力回路113、スピーカ114、映像デコーダ121、映像・OSD合成回路122、映像出力回路123、画像表示装置124、OSD描画回路125、メモリ131、操作装置132、ドライブインターフェース(ドライブIF)141、ハードディスク装置142、光ディスク装置143、IR受光器151、及び通信制御装置152を備える。
映像デコーダ121と、映像・OSD合成回路122と、映像出力回路123と、OSD描画回路125とが、画像データ作成装置を構成する。
主制御装置101は、CPU、フラッシュROM、及びRAMなどから構成され、テレビジョン装置100の全体を制御する。
前記フラッシュROMには、前記CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム、及び前記CPUでの処理に用いられる各種データなどが格納されている。
また、RAMは、作業用のメモリである。
チューナ103は、アンテナ210で受信された放送波の中から、予め設定されているチャンネルの放送を選局する。
ADC104は、チューナ103の出力信号(アナログ情報)をデジタル情報に変換する。
復調回路105は、ADC104からのデジタル情報を復調する。
TSデコーダ106は、復調回路105の出力信号をTSデコードし、音声情報及び映像情報を分離する。
音声デコーダ111は、TSデコーダ106からの音声情報をデコードする。
DAコンバータ(DAC)112は、音声デコーダ111の出力信号をアナログ信号に変換する。
音声出力回路113は、DAコンバータ(DAC)112の出力信号をスピーカ114に出力する。
映像デコーダ121は、TSデコーダ106からの映像情報をデコードする。
映像・OSD合成回路122は、映像デコーダ121の出力信号とOSD描画回路125の出力信号を合成する。
映像出力回路123は、映像・OSD合成回路122の出力信号を画像表示装置124に出力する。
OSD描画回路125は、画像表示装置124の画面に文字や図形を表示するためのキャラクタ・ジェネレータを備えており、操作装置132、IR受光器151からの指示に応じて表示情報が含まれる信号を生成する。
メモリ131には、AV(Audio−Visual)データ等が一時的に蓄積される。
操作装置132は、例えば、コントロールパネルなどの入力媒体(図示省略)を備え、ユーザから入力された各種情報を主制御装置101に通知する。
ドライブIF141は、双方向の通信インターフェースであり、一例としてATAPI(AT Attachment Packet Interface)に準拠している。
ハードディスク装置142は、ハードディスクと、該ハードディスクを駆動するための駆動装置などから構成されている。駆動装置は、ハードディスクにデータを記録するとともに、ハードディスクに記録されているデータを再生する。
光ディスク装置143は、光ディスク(例えば、DVDなど)にデータを記録するとともに、光ディスクに記録されているデータを再生する。
IR受光器151は、リモコン送信機220からの光信号を受信し、主制御装置101に通知する。
通信制御装置152は、インターネットとの通信を制御する。インターネットを介して各種情報を取得することができる。
図6は、本発明の画像表示装置の一例を示す概略構成図である。
図6において、画像表示装置124は、表示器300と、表示制御装置400とを有する。
表示器300は、図7に示されるように、複数(ここでは、n×m個)の表示素子302がマトリックス状に配置されたディスプレイ310を有する。
また、ディスプレイ310は、図8に示されるように、X軸方向に沿って等間隔に配置されているn本の走査線(X0、X1、X2、X3、・・・、Xn−2、Xn−1)と、Y軸方向に沿って等間隔に配置されているm本のデータ線(Y0、Y1、Y2、Y3、・・・、Ym−1)、Y軸方向に沿って等間隔に配置されているm本の電流供給線(Y0i、Y1i、Y2i、Y3i、・・・・・、Ym−1i)とを有する。
よって、走査線とデータ線とによって、表示素子を特定することができる。
以下、本発明の表示素子を図9を用いて説明する。
図9は、本発明の表示素子の一例を示す概略構成図である。
前記表示素子は、一例として図9に示されるように、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子350と、該有機EL素子350を発光させるためのドライブ回路320とを有している。ドライブ回路320は電流駆動型の2Tr−1Cの基本回路であるが、これに限定されるものではない。即ち、ディスプレイ310は、いわゆるアクティブマトリックス方式の有機ELディスプレイである。
図10には、表示素子302における有機EL素子350とドライブ回路としての電界効果型トランジスタ20との位置関係の一例が示されている。ここでは、電界効果型トランジスタ20の横に有機EL素子350が配置されている。なお、電界効果型トランジスタ10及びキャパシタ(図示せず)も同一基材上に形成されている。
図10には図示されていないが、活性層22の上部に保護膜を設けることも好適である。前記保護膜の材料としては、SiO、SiON、SiNx、Al、フッ素系ポリマー等、適宜利用できる。
また、例えば、図11に示されるように、電界効果型トランジスタ20の上に有機EL素子350が配置されてもよい。この場合には、ゲート電極26に透明性が要求されるので、ゲート電極26には、ITO、In、SnO、ZnO、Gaが添加されたZnO、Alが添加されたZnO、Sbが添加されたSnOなどの導電性を有する透明な酸化物が用いられる。なお、符号360は層間絶縁膜(平坦化膜)である。この層間絶縁膜にはポリイミドやアクリル系の樹脂等を利用できる。
図12は、有機EL素子の一例を示す概略構成図である。
図12において、有機EL素子350は、陰極312と、陽極314と、有機EL薄膜層340とを有する。
陰極312の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)−銀(Ag)合金、アルミニウム(Al)−リチウム(Li)合金、ITO(Indium Tin Oxide)などが挙げられる。なお、マグネシウム(Mg)−銀(Ag)合金は、充分厚ければ高反射率電極となり、極薄膜(20nm程度未満)では半透明電極となる。図12では陽極側から光を取り出しているが、陰極を透明、又は半透明電極とすることによって陰極側から光を取り出すことができる。
陽極314の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、銀(Ag)−ネオジウム(Nd)合金などが挙げられる。なお、銀合金を用いた場合は、高反射率電極となり、陰極側から光を取り出す場合に好適である。
有機EL薄膜層340は、電子輸送層342と、発光層344と、正孔輸送層346とを有する。電子輸送層342は、陰極312に接続され、正孔輸送層346は、陽極314に接続されている。陽極314と陰極312との間に所定の電圧を印加すると、発光層344が発光する。
ここで、電子輸送層342と発光層344が1つの層を形成してもよく、また、電子輸送層342と陰極312との間に電子注入層が設けられてもよく、更に、正孔輸送層346と陽極314との間に正孔注入層が設けられてもよい。
また、基材側から光を取り出すいわゆる「ボトムエミッション」の場合について説明したが、基材と反対側から光を取り出す「トップエミッション」であってもよい。
図9におけるドライブ回路320について説明する。
ドライブ回路320は、2つの電界効果型トランジスタ10及び20と、キャパシタ30を有する。
電界効果型トランジスタ10は、スイッチ素子として動作する。電界効果型トランジスタ10のゲート電極Gは、所定の走査線に接続され、電界効果型トランジスタ10のソース電極Sは、所定のデータ線に接続されている。また、電界効果型トランジスタ10のドレイン電極Dは、キャパシタ30の一方の端子に接続されている。
電界効果型トランジスタ20は、有機EL素子350に電流を供給する。電界効果型トランジスタ20のゲート電極Gは、電界効果型トランジスタ10のドレイン電極Dと接続されている。そして、電界効果型トランジスタ20のドレイン電極Dは、有機EL素子350の陽極314に接続され、電界効果型トランジスタ20のソース電極Sは、所定の電流供給線に接続されている。
キャパシタ30は、電界効果型トランジスタ10の状態、即ちデータを記憶する。キャパシタ30の他方の端子は、所定の電流供給線に接続されている。
そこで、電界効果型トランジスタ10が「オン」状態になると、信号線Y2を介して画像データがキャパシタ30に記憶され、電界効果型トランジスタ10が「オフ」状態になった後も、電界効果型トランジスタ20を画像データに対応した「オン」状態に保持することによって、有機EL素子350は駆動される。
図13は、本発明の画像表示装置の他の一例を示す概略構成図である。
図13において、画像表示装置は、表示素子302と、配線(走査線、データ線、電流供給線)と、表示制御装置400とを有する。
表示制御装置400は、画像データ処理回路402と、走査線駆動回路404と、データ線駆動回路406とを有する。
画像データ処理回路402は、映像出力回路123の出力信号に基づいて、ディスプレイにおける複数の表示素子302の輝度を判断する。
走査線駆動回路404は、画像データ処理回路402の指示に応じてn本の走査線に個別に電圧を印加する。
データ線駆動回路406は、画像データ処理回路402の指示に応じてm本のデータ線に個別に電圧を印加する。
また、上記実施形態では、光制御素子が有機EL素子の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、光制御素子がエレクトロクロミック素子であってもよい。この場合は、上記ディスプレイは、エレクトロクロミックディスプレイとなる。
また、前記光制御素子が液晶素子であってもよく、この場合ディスプレイは、液晶ディスプレイとなり、図14に示されるように、表示素子302’に対する電流供給線は不要となる。また、図15に示されるように、ドライブ回路320’は、電界効果型トランジスタ10及び20と同様の1つの電界効果型トランジスタ40により構成することができる。電界効果型トランジスタ40において、ゲート電極Gが所定の走査線に接続され、ソース電極Sが所定のデータ線に接続されている。また、ドレイン電極Dが、キャパシタ361及び液晶素子370の画素電極に接続されている。
また、前記光制御素子は、電気泳動素子、無機EL素子、エレクトロウェッティング素子であってもよい。
以上、本発明のシステムがテレビジョン装置である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、画像及び情報を表示する装置として画像表示装置124を備えていればよい。例えば、コンピュータ(パソコンを含む)と画像表示装置124とが接続されたコンピュータシステムであってもよい。
また、携帯電話、携帯型音楽再生装置、携帯型動画再生装置、電子BOOK、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯情報機器、スチルカメラやビデオカメラなどの撮像機器における表示手段に画像表示装置124を用いることができる。また、車、航空機、電車、船舶等の移動体システムにおける各種情報の表示手段に画像表示装置124を用いることができる。さらに、計測装置、分析装置、医療機器、広告媒体における各種情報の表示手段に画像表示装置124を用いることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<電界効果型トランジスタの作製>
−ゲート電極の形成−
ガラス基板上に、100nmの厚みになるようにAlを蒸着し、フォトリソグラフィを行ってライン状にパターニングすることによって、ゲート電極を形成した。
−ゲート絶縁層の形成−
La(thd)、Ba(thd)(thd=2,2,6,6−tetramethyl−3,5−heptanedionato)をそれぞれテトラエチレングリコールジメチルエーテル(tetraglyme)、テトラヒドロフラン(THF)に溶解させたものを液体原料とし、CVD法により、ゲート電極を含むガラス基板上にLaBa酸化物絶縁膜を約100nm成膜し、これをゲート絶縁層とした。酸化物絶縁膜中のLaとBaの原子数の比率はLa:Ba=9:1である。
−活性層の形成−
チャンバー内にアルゴン(Ar)と酸素(O)ガスを導入し、MgIn焼結体ターゲットを用いて、常温でDCスパッタ法を行うことにより、活性層となるMgIn膜を成膜した。成膜時にチャンバー内に導入するガスの流量における酸素比率は、全流量(アルゴンガスと酸素ガスの流量の和)に対し酸素1.0%とした。パターニングはメタルマスクを介して成膜することで行った。続けて、オーブンを用い大気中300℃1時間の加熱処理を行った。このようなアニール処理は、活性層とゲート絶縁層膜との間の界面欠陥準位密度を減らすことによりトランジスタ特性を向上させることを目的として一般的に行われるものである。
−ソース電極及びドレイン電極の形成−
前記ゲート絶縁層上及び前記活性層上に、真空蒸着法を用いて厚み100nmのソース電極及びドレイン電極を形成した。蒸着源にはAlを用いた。パターニングはメタルマスクを介して成膜することで行い、チャネル幅を200μm、チャネル長を50μmとした。続けて、活性層とソース・ドレイン電極との間の電気的な接触を良くするため、オーブンを用いて大気中200℃で1時間の加熱処理を行った。
以上のプロセスにより、図1に類似のトップコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタを得た。
<活性層のキャリア密度の測定>
ホール測定用の素子を作製するため、別のガラス基板上に活性層と同じ条件でMgIn膜を形成した。スパッタの際にはシャドウマスクを用い、8mm角のパターンを形成した。続いて、真空蒸着法を用い、MgIn膜上の四隅にシャドウマスクを用いてホール測定用のコンタクト電極を形成した。蒸着源にはAlを用いた。
このホール測定素子について、ホール効果測定システム(東陽テクニカ社製、ResiTest8300)を用いて、比抵抗測定及びホール効果測定を行い、MgIn膜の電子キャリア密度(/cm)を求めた。結果は、5.7×1017/cmであった。
<ゲート絶縁層の比誘電率の測定>
比誘電率測定用の素子を作製するため、別のガラス基板上にAlを蒸着して下部電極を形成した後、ゲート絶縁層と同じ条件でLaBa酸化物絶縁膜を形成した。続いてAlを蒸着して上部電極を形成した。全ての成膜においてシャドウマスクを用いて所望のパターンを形成し、面積0.5mmのコンデンサが得られた。これに対し容量計測を行い比誘電率を算出した。周波数1kHzでの比誘電率は11.8であった。
<ゲート絶縁層の結晶性の測定>
X線回折実験を行うため、別のガラス基板上にゲート絶縁層と同じ条件でLaBa酸化物絶縁膜を形成した。続けて、熱履歴をトランジスタのゲート絶縁層と同じとするため、300℃で1時間の加熱処理と200℃で1時間の加熱処理とを行った。この膜に対しPhilips社製、X‘PertProを用いてX線回折測定を行った結果を図16に示す。使用したX線はCuのKα線(波長1.5405Å)である。回折ピークは観測されず、ゲート絶縁層はアモルファス酸化物膜であることがわかった。
<トランジスタ特性の測定>
得られた電界効果型トランジスタについて、半導体パラメータ・アナライザ装置(アジレントテクノロジー社製、半導体パラメータ・アナライザ4156C)を用いて、トランジスタ性能評価を実施した。ソース・ドレイン間電圧Vdsを10Vとし、ゲート電圧Vgを−15Vから+15Vに変化させてソース・ドレイン間電流Idsを計測し、トランスファー特性(Vg−Ids特性)を評価した。得られた結果を図17に示した。また、続けてVgを+15Vから−15Vに変化させてIdsを計測したが、得られたトランスファー特性は図17と重なり、ヒステリシスは観測されなかった。図17には、ゲート電流Igの絶対値も図示した。リーク電流は0.1pA以下と充分小さいことが確認できた。
図17に示したトランスファー特性を基に、飽和領域における電界効果移動度μを算出した。また、Idsのオン/オフ比を算出した。ここでは、オン状態のIdsをVg=15Vでの値とし、オフ状態のIdsをVg=−15V〜−10Vでの値の平均値として計算した。また、オフ状態からオン状態への立ち上がりの急峻さを示すs値(Idsを1桁増加させるのに必要なゲート電圧差)を計算した。結果を表1に示した。
なお、図及び表において、「e」、及び「E」は、10のべき乗を表す。即ち、「1e−3」、及び「1E−3」は、「1×10−3」を表し、「1e−10」、及び「1E−10」は「1×10−10」を表す。
(比較例1)
ゲート絶縁層の成膜方法を以下のようにした以外は実施例1と同様にして、電界効果型トランジスタを作製した。
−ゲート絶縁層の形成−
ゲート電極を含むガラス基板上に、RFスパッタ法を用いてSiO膜を200nm形成し、これをゲート絶縁層とした。スパッタターゲットとしてはSiOガラスターゲットを用いた。成膜の際はアルゴンガスと酸素ガスをチャンバーに流し、酸素ガスの流量比を25.0%とした。また、実施例1と同様にして、このSiO膜の比誘電率を測定したところ、3.9であった。
<トランジスタ特性の測定>
実施例1と同様に、トランジスタ特性を評価した。トランスファー特性を図18に、算出した電界効果移動度とオン/オフ比の値を表1に示した。但しここでは、オフ電流の値をVgが−15Vの時のIdsとして計算した。また、s値については、今回の計測範囲(Vg=−15V〜15V)では明確なオフ状態が存在せず立ち上がりを定義することができなかったため、不明とした。
(比較例2)
ゲート絶縁層の成膜方法を以下のようにした以外は実施例1と同様にして、電界効果型トランジスタを作製した。
−ゲート絶縁層の形成−
ゲート電極を含むガラス基板上に、プラズマCVDにより、原料にSiHガスとNOガスを用いて200℃の温度で200nmの厚みのSiONを成膜し、これをゲート絶縁層とした。また、実施例1と同様にして、このSiON膜の比誘電率を測定したところ、7.0であった。
<トランジスタ特性の測定>
実施例1と同様に、トランジスタ特性を評価した。トランスファー特性を図19に、算出した電界効果移動度、オン/オフ比、s値の値を表1に示した。但しここでは、オフ電流の値をVgが−15Vの時のIdsとして計算した。
(比較例3及び比較例4)
活性層の形成方法を以下のように変えた以外は比較例1と同様にして電界効果型トランジスタを作製した。(比較例3)
また、活性層の形成方法を以下のように変えた以外は比較例2と同様にして電界効果型トランジスタを作製した。(比較例4)
−活性層の形成−
チャンバー内にアルゴン(Ar)と酸素(O)ガスを導入し、MgIn焼結体ターゲットを用いて、常温でDCスパッタ法を行うことにより、活性層となるMgIn膜を成膜した。成膜時にチャンバー内に導入するガスの流量における酸素比率は、全流量に対し酸素40.0%とした。パターニングはメタルマスクを介して成膜することで行った。続けて、オーブンを用い大気中300℃1時間の加熱処理を行った。また、実施例1と同様にしてこのMgIn膜のキャリア密度を求めたところ、7.51×1016/cmであった。
<トランジスタ特性の測定>
実施例1と同様に、トランジスタ特性を評価した。トランスファー特性を図20(比較例3)及び図21(比較例4)に示した。算出した電界効果移動度、オン/オフ比、s値の値を表1に示した。
(比較例5)
ゲート絶縁層の形成方法を以下のように変えた以外は実施例1と同様にして電界効果型トランジスタを作製した。
−ゲート絶縁層の形成−
トルエン12mLに、2−エチルヘキサン酸イットリウムトルエン溶液(Y含量8wt%)11mLと、2−エチルヘキサン酸カルシウムミネラルスピリット溶液(Ca含量5wt%)0.4mLとを混合し、イットリウムカルシウム酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はY:Ca=10:0.5である。
ゲート電極を含むガラス基板上に前記塗布液をスピンコートし、オーブンを用いて120℃大気中1時間で乾燥させた後、酸素雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、ゲート絶縁層を形成した。ゲート絶縁層の平均厚みは105nmであった。実施例1と同様にしてこの膜の比誘電率を測定したところ、11.4であった。また、実施例1と同様にしてX線回折を測定した結果を図22に示した。2θが約29度、約34度、約48.5度、約58度のところにピークが観測され、これらは蛍石型構造のイットリア(Y)の(2,2,2)、(4,0,0)、(4,4,0)、(6,2,2)回折ピークに相当する。すなわちこの膜中には、多結晶のイットリアが存在することがわかった。
<トランジスタ特性の測定>
実施例1と同様に、トランジスタ特性を評価した。トランスファー特性を図23に示した。また、ゲートリーク電流の値も同図に示した。算出した電界効果移動度、オン/オフ比、s値の値を表1に示した。
Figure 0006862805
表1中、「E」は、「10のべき乗」を表す。例えば、「1E+5」は、「100000」を表す。
実施例1では、5.73×1017/cmのキャリア密度を持つ活性層に対し、LaBa酸化物絶縁膜(LaBa膜)をゲート絶縁層に用いている。LaBa膜の比誘電率は11.8と高い。この場合得られるトランジスタは良好なスイッチング特性を示し、5.33cm/Vsという高い移動度を実現した。オフ電流及びゲートリーク電流は0.1pA以下と極めて低く、またトランスファー特性にヒステリシスが見られなかったことから、このアモルファスLaBa膜によって優良な絶縁性を有する常誘電体ゲート絶縁層が形成できたと言える。オン/オフ比は10を超え、実用面から鑑みて充分良好な特性である。立ち上がりの急峻さを示すs値は、0.39V/decadeと充分小さい値となった。
比較例1では、実施例1と同じキャリア密度を持つ活性層に対し、SiOをゲート絶縁層に用いている。トランスファー特性においては、Vgに対応したIdsの変調は見られるものの、Vg=−15Vから15Vの範囲では明確なオフ状態が存在しない。オン/オフ比に相当する値としてIdsの最大値と最小値の比をとっても10台しかなく、立ち上がりが不明瞭であるためs値は算出できなかった。
比較例2では、実施例1と同じキャリア密度を持つ活性層に対し、SiONをゲート絶縁層に用いている。トランスファー特性は立ち上がりがマイナスのいわゆるデプレッションの傾向が強い。オフ状態は存在するが、オフ電流の値はpA台とやや高めである。オン/オフ比は10台と実施例1より2桁小さく、s値も1.54V/decadeと大きい。
比較例3及び比較例4では、ゲート絶縁層にそれぞれSiO膜とSiON膜を用いている。比較例1及び2との違いは活性層のキャリア密度であり、活性層を成膜する際の酸素流量比を上げることによりキャリア密度を小さくしている。キャリアが減ったことで立ち上がりの電圧がプラス方向に動き、ゲート絶縁層がSiOであっても比較例3ではオフ状態が確認できる(図20)。しかし、実施例1(図17)と比べると明らかに立ち上がりの急峻さに差があり、s値を見ると比較例3及び比較例4では1V/decadeを超えており実用的に充分な特性とは言えない。
比較例5では、ゲート絶縁層にCaとYを含む酸化物膜を用いている。この絶縁層はY酸化物の含有率が高く、図22に示したX線回折の結果からわかるようにYの多結晶が膜中に存在している。比較例5の活性層は実施例1と同じ条件で形成しており、キャリア密度も等しい。図23に示したトランスファー特性では、実施例1(図17)と比べてオフ電流値が高く、オン/オフ比は10台と小さい。オフ電流値は同図に示したゲートリーク電流の値と一致しており、ゲート絶縁層を介したリークの影響でオフ電流が上がっていることがわかる。すなわち、ゲート絶縁層のCaY酸化物膜がアモルファスではなく多結晶であるために、結晶粒界に起因してゲートリークが発生しトランジスタ特性を悪化させている。
実用面を考慮してトランジスタに求められる特性は、用途によって異なるものではあるが、一般的には、移動度が1cm/Vs以上、より好ましくは5cm/Vs以上であり、オン/オフ比が10以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは10以上であり、s値が1V/decade以下、より好ましくは0.5V/decade以下である。実施例1はこの条件を満たしているが、比較例では特性が不充分である。
(比較例6、7、及び実施例2〜5)
ゲート絶縁層と活性層の形成方法を以下のように変えた以外は実施例1と同様にして電界効果型トランジスタを作製した。
−ゲート絶縁層の形成−
La(thd)、Mg(thd)(thd=2,2,6,6−tetramethyl−3,5−heptanedionato)をそれぞれテトラエチレングリコールジメチルエーテル(tetraglyme)、テトラヒドロフラン(THF)に溶解させたものを液体原料とし、CVD法により、LaMg酸化物絶縁膜を約100nm形成しこれをゲート絶縁膜とした。酸化物絶縁膜中のLaとMgの原子数の比はLa:Mg=8:2である。実施例1と同様にしてこの膜の比誘電率を測定したところ、8.1であった。また、実施例1と同様にしてX線回折を測定したところ、ピークは観測されずアモルファスであることがわかった。
−活性層の形成−
35.488gの硝酸インジウム(In(NO・3HO)を秤量し、エチレングリコールモノメチルエーテル100mLに溶解し、A液とした。
2.330gの塩化ジルコニウム(ZrCl)を秤量し、エチレングリコールモノメチルエーテル100mLに溶解し、B液とした。
3.965gの塩化タングステン(WCl)を秤量し、エチレングリコールモノメチルエーテル100mLに溶解し、C液とした。
A液、B液、C液、及びエチレングリコールモノメチルエーテルと1,2−プロパンジオールを、各々の比較例6、7、及び実施例2〜5に対し、表2に示す分量で混合して室温で撹拌し、酸化物半導体膜形成用塗布液を作製した。
次に、前記ゲート絶縁層上に、上記酸化物半導体膜形成用塗布液をインクジェット法で所望の場所に塗布し、400℃で1時間大気中で焼成して活性層を形成した。
比較例6の条件では、塗布液を基板上に塗布し焼成することによってInZrO膜が形成される。InとZrの原子数の比率は100:5であり、Zrは酸素欠損の発生を抑制する目的で加えている。比較例7及び実施例2〜5では、母相であるInZrO膜中の一部のIn(+3価)がW(+6価)で置換ドープされており、これによってキャリアが発生する。Inの全サイト数のうち何%をWが置換しているかをW濃度と定義し、その値を表2に記載した。また、実施例1と同様にしてこれらの膜のキャリア密度をホール測定によって求め、結果を表2に記した。W濃度の増加に伴ってキャリア密度が増えており、Wの置換ドーピングによってキャリアが有効に生成されていることがわかった。
<トランジスタ特性の測定>
実施例1と同様に、トランジスタ特性を評価した。トランスファー特性を図24(比較例6、7)及び図25(実施例2〜5)に、算出した電界効果移動度、オン/オフ比、s値の値を表3に示した。比較例6、7、実施例2〜5のいずれにおいてもトランスファー特性にヒステリシスは見られなかった。
比較例6、7及び実施例2〜5では、ゲート絶縁層に同じ組成の膜を用いているが、活性層のキャリア密度が異なる。キャリア密度が4.0×1017/cm以下の比較例6及び比較例7では、移動度が1cm/Vs以下、オン/オフ比が10以下、s値が0.5V/decade以上となっており、図24のトランスファー特性からも明らかなようにスイッチングの挙動が充分良好ではない。一方、キャリア密度が4.0×1017/cm以上の実施例2〜5では、移動度が1cm/Vs以上、オン/オフ比が10以上、s値が0.5V/decade以下であり、オフ状態からオン状態へ急峻にIdsが立ち上がる良好なスイッチング特性が得られている(図25)。移動度を高める観点からは、特にキャリア密度が1.0×1018/cm以上が好ましいことがわかる。
Figure 0006862805
Figure 0006862805
(実施例6〜11)
ゲート絶縁層の形成方法を以下のように変えた以外は実施例4と同様にして電界効果型トランジスタを作製した。
−ゲート絶縁層の形成−
トルエンと、2−エチルヘキサン酸ランタントルエン溶液(La含量7重量%)と、2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3重量%)を表4に示す分量で混合し、ゲート絶縁層形成用塗布液を得た。
ゲート電極を含むガラス基板上に前記塗布液をスピンコートし、オーブンを用いて120℃大気中1時間で乾燥させた後、酸素雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、LaMg酸化物絶縁膜からなるゲート絶縁層を形成した。酸化物膜中のLaとMgの原子数の比率を表4に示した。ゲート絶縁層の平均厚みは120nmであった。実施例1と同様にしてこれらの膜の比誘電率を測定した。結果を表4に示した。また、実施例1と同様にしてX線回折を測定したところ、ピークは観測されずアモルファスであることがわかった。
<トランジスタ特性の測定>
実施例1と同様に、トランジスタ特性を評価した。トランスファー特性を図26(実施例6〜8)及び図27(実施例9〜11)に、算出した電界効果移動度、オン/オフ比、s値の値を表5に示した。いずれの実施例においてもトランスファー特性にヒステリシスは見られなかった。
実施例6〜11のいずれにおいても、実用面から考えて充分良好な特性が得られている。ゲート絶縁層の組成を変え比誘電率を下げていった時のトランジスタ特性の傾向を見ると比誘電率の減少に伴ってs値の増加傾向が見られ、特に比誘電率が7.0以下になるとトランスファーカーブの立ち上がりの傾きが緩やかになる傾向が顕著になることから(図27)、4.0×1017/cm以上のキャリア密度の酸化物活性層に対してはゲート絶縁層の比誘電率を7.0より大きくすることがより好ましいことがわかる。
Figure 0006862805
Figure 0006862805
(実施例12〜20)
ゲート絶縁層の形成方法と活性層の形成方法を以下のように変えた以外は実施例1と同様にして電界効果型トランジスタを作製した。
−ゲート絶縁層形成用塗布液の作製−
−−実施例12−−
トルエン10mLにガリウムアセチルアセトナート0.37mgを溶解後、2−エチルヘキサン酸バリウムトルエン溶液(Ba含量8wt%)1.7mLを加え混合し、バリウムガリウム酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はGa:Ba=1:1である。
−−実施例13−−
2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3wt%)2mLと、2−エチルヘキサン酸イットリウムトルエン溶液(Y含量8wt%)11mLと、チタニウムn−ブトキシド0.35mLとを混合し、更にトルエン15mLを加え希釈し、マグネシウムチタンイットリウム酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はMg:Y:Ti=2.5:10:1である。
−−実施例14−−
トルエン20mLにアルミニウムジ(s−ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート(Al含量8.4wt%)0.94mLと、2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3wt%)5mLと、2−エチルヘキサン酸イットリウムトルエン溶液(Y含量8wt%)11mLとを混合し、マグネシウムアルミニウムイットリウム酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はAl:Mg:Y=3:6.25:10である。
−−実施例15−−
トルエン10mLにネオデカン酸バリウム(Ba含量29wt%)0.48gを溶解し、これに2−エチルヘキサン酸ランタントルエン溶液(La含量7wt%)4mLと、ビス(2−エチルヘキサン酸)酸化ジルコニウムミネラルスピリット溶液(Zr含量12wt%)0.76mLとを混合し、バリウムジルコニウムランタン酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はBa:La:Zr=1:2:1である。
−−実施例16−−
トルエン10mLにネオデカン酸ストロンチウム(Sr含量20wt%)0.43gを溶解し、これに2−エチルヘキサン酸ランタントルエン溶液(La含量7wt%)4mLと、2−エチルヘキサン酸ニオブ(IV)2−エチルヘキサン酸溶液(Nb含量11wt%)0.83mLとを混合し、ストロンチウムニオブランタン酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はSr:La:Nb=1:2:1である。
−−実施例17−−
2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3wt%)2mLと、2−エチルヘキサン酸ランタントルエン溶液(La含量7wt%)20mLと、タンタルエトキシド(純度99.98%)1mLとを、混合し、更にトルエン25mLを加え希釈し、マグネシウムタンタルランタン酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はMg:La:Ta=2.5:10:4である。
−−実施例18−−
1,2−エタンジオール15mLに、硝酸マグネシウム6水和物0.77gと、硝酸ランタン6水和物4.3gと、ハフニウム(IV)ジクロリドオキシド八水和物0.82gとを溶解し、マグネシウムハフニウムランタン酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はMg:La:Hf=3:10:2である。
−−実施例19−−
プロピレングリコール10mLに、硝酸スカンジウム5水和物0.32gと、塩化ストロンチウム6水和物0.27gとを溶解し、スカンジウムストロンチウム酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はSc:Sr=1:1である。
−−実施例20−−
2−エチルヘキサン酸ランタントルエン溶液(La含量7wt%)20mLと、2−エチルヘキサン酸カルシウムミネラルスピリット溶液(Ca含量5wt%)0.8mLとを混合し、更にトルエン12mLを加え希釈し、ランタンカルシウム酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はLa:Ca=10:1である。
−ゲート絶縁層の形成−
ゲート電極を含むガラス基板上に前記塗布液をスピンコートし、オーブンを用いて120℃大気中1時間で乾燥させた後、酸素雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、ゲート絶縁層を形成した。ゲート絶縁層の平均厚みは120nmであった。実施例1と同様にしてこれらの膜の比誘電率を測定した。結果を表6に示した。また、実施例1と同様にしてX線回折を測定したところ、ピークは観測されずこの絶縁層がアモルファスであることがわかった。
−活性層の形成−
35.488gの硝酸インジウム(In(NO・3HO)を秤量し、エチレングリコールモノメチルエーテル100mLに溶解し、A液とした。
29.749gの硝酸亜鉛(Zn(NO・6HO)を秤量し、エチレングリコールモノメチルエーテル100mLに溶解し、B液とした。
1.631gの二酸化モリブデン(VI)ビス(アセチルアセトナート)を秤量し、エチレングリコールモノメチルエーテル500mLに溶解し、C液とした。
A液99.8mL、B液100mL、及びC液20mLと、エチレングリコールモノメチルエーテル180.2mL、及び1,2−プロパンジオール400mLとを室温で混合撹拌し、酸化物半導体膜形成用塗布液を作製した。
次に、ゲート絶縁層上の所望の領域に、上記酸化物半導体膜形成用塗布液をインクジェット法で塗布し、400℃で1時間大気中で焼成し活性層を形成した。これによって得られる活性層の酸素以外の元素の比率はIn:Zn:Mo=99.8:100:0.2である。母相であるInZn中のIn(+3価)に対してMo(+6価)が0.2at%の濃度で置換ドープされており、これによってキャリアが発生する。
実施例1と同様にしてホール測定によりこの酸化物半導体膜のキャリア密度を測定したところ、1.21×1018/cmであった。
<トランジスタ特性の測定>
実施例1と同様に、トランジスタ特性を評価した。算出した電界効果移動度、オン/オフ比、s値の値を表6に示した。いずれの実施例においてもトランスファー特性にヒステリシスは見られなかった。
実施例12〜20のいずれにおいても、高い移動度と高いオン/オフ比、及び小さいs値が得られており、実用面から考えて充分良好な特性が得られた。
Figure 0006862805
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> ゲート電圧を印加するためのゲート電極と、
電流を取り出すためのソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極及びドレイン電極に隣接して設けられ、酸化物半導体からなる活性層と、
前記ゲート電極と前記活性層との間に設けられたゲート絶縁層と、
を備える電界効果型トランジスタであって、
前記ゲート絶縁層が、アルカリ土類金属である第A元素と、Ga、Sc、Y、及びランタノイドの少なくともいずれかである第B元素とを含む常誘電体アモルファス酸化物であり、
前記活性層のキャリア密度が、4.0×1017/cm以上であることを特徴とする電界効果型トランジスタである。
<2> 前記ゲート絶縁層が、更に、Al、Ti、Zr、Hf、Nb、及びTaの少なくともいずれかである第C元素を含む前記<1>に記載の電界効果型トランジスタである。 <3> 前記ゲート絶縁層の比誘電率が、7.0より大きい前記<1>から<2>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタである。
<4> 前記活性層が、In、Zn、Sn、及びTiの少なくともいずれかを含有するn型酸化物半導体である前記<1>から<3>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタである。
<5> 前記n型酸化物半導体が、2価のカチオン、3価のカチオン、4価のカチオン、5価のカチオン、6価のカチオン、7価のカチオン、及び8価のカチオンの少なくともいずれかのドーパントで置換ドーピングされており、
前記ドーパントの価数が、前記n型酸化物半導体を構成する金属イオン(ただし、前記ドーパントを除く)の価数よりも大きい前記<4>に記載の電界効果型トランジスタである。
<6> 前記活性層のキャリア密度が、1.0×1018/cm以上である前記<1>から<5>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタである。
<7> 駆動信号に応じて光出力が制御される光制御素子と、
前記<1>から<6>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタを含み、前記光制御素子を駆動する駆動回路と、
を備えることを特徴とする表示素子である。
<8> 画像データに応じた画像を表示する画像表示装置であって、
マトリックス状に配置された複数の前記<7>に記載の表示素子と、
前記複数の表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧と信号電圧とを個別に印加するための複数の配線と、
前記画像データに応じて、前記各電界効果型トランジスタの前記ゲート電圧と前記信号電圧とを前記複数の配線を介して個別に制御する表示制御装置と、
を備えることを特徴とする画像表示装置である。
<9> 前記<8>に記載の画像表示装置と、
表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する画像データ作成装置と、
を備えることを特徴とするシステムである。
10 電界効果型トランジスタ
20 電界効果型トランジスタ
22 活性層
23 ソース電極
24 ドレイン電極
25 ゲート絶縁層
26 ゲート電極
40 電界効果型トランジスタ
302、302’ 表示素子
310 ディスプレイ
320、320’ ドライブ回路
370 液晶素子
400 表示制御装置
K.Nomura,他5名、「Room−temperature fabrication of transparent flexible thin−film transistors using amorphous oxide semiconductors」、NATURE、VOL432、No.25、NOVEMBER、2004、p.488−492

Claims (9)

  1. ート電極と、
    ース電極及びドレイン電極と、
    前記ソース電極及びドレイン電極に隣接して設けられ活性層と、
    前記ゲート電極と前記活性層との間に設けられたゲート絶縁層と、
    を備える電界効果型トランジスタであって、
    前記ゲート絶縁層が、アルカリ土類金属である第A元素と、Ga、Sc、Y、及びランタノイドの少なくともいずれかである第B元素とを含む化物であり、
    前記活性層は、Inと、Si、Ge、Zr、Hf、Al、Ga、Sc、Y、ランタノイド、及びアルカリ土類金属のいずれかと、を含有するn型酸化物半導体を有し、前記n型酸化物半導体は、4価のカチオン、5価のカチオン、6価のカチオン、7価のカチオン、及び8価のカチオンの少なくともいずれかのドーパントで置換ドーピングされており、
    前記ドーパントの原子数は、前記n型酸化物半導体を構成する金属イオン(ただし、前記ドーパントを除く)の原子数よりも小さく、前記ドーパントの価数は、前記n型酸化物半導体を構成する金属イオン(ただし、前記ドーパントを除く)の価数よりも大きく、
    前記活性層のキャリア密度が、4.0×1017/cm以上であり、前記ゲート絶縁層の比誘電率が、7.0より大きいことを特徴とする電界効果型トランジスタ。
  2. 前記ゲート絶縁層が、更に、Al、Ti、Zr、Hf、Nb、及びTaの少なくともいずれかである第C元素を含む請求項1に記載の電界効果型トランジスタ。
  3. 前記活性層のキャリア密度が、1.0×10 18 /cm 以上である請求項1又は2に記載の電界効果型トランジスタ。
  4. 前記ゲート絶縁層の比誘電率が、8.1以上である請求項1から3のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
  5. 前記ゲート絶縁層の前記第A元素はMgであり、前記第B元素はLaである請求項1から4のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
  6. 前記ドーパントが、0.4at%〜2at%含まれる請求項1から5のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
  7. 駆動信号に応じて光出力が制御される光制御素子と、
    請求項1から6のいずれかに記載の電界効果型トランジスタを含み、前記光制御素子を駆動する駆動回路と、
    を備えることを特徴とする表示素子。
  8. 画像データに応じた画像を表示する画像表示装置であって、
    マトリックス状に配置された複数の請求項7に記載の表示素子と、
    前記複数の表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧と信号電圧とを個別に印加するための複数の配線と、
    前記画像データに応じて、前記各電界効果型トランジスタの前記ゲート電圧と前記信号電圧とを前記複数の配線を介して個別に制御する表示制御装置と、
    を備えることを特徴とする画像表示装置。
  9. 請求項8に記載の画像表示装置と、
    表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する画像データ作成装置と、
    を備えることを特徴とするシステム。
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