JP6862805B2 - 電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、及びシステム - Google Patents
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Description
本発明の電界効果型トランジスタは、
ゲート電極と、
ソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極及びドレイン電極に隣接して設けられる活性層と、
前記ゲート電極と前記活性層との間に設けられたゲート絶縁層と、
を備える電界効果型トランジスタであって、
前記ゲート絶縁層が、アルカリ土類金属である第A元素と、Ga、Sc、Y、及びランタノイドの少なくともいずれかである第B元素と、を含む酸化物であり、
前記活性層は、Inと、Si、Ge、Zr、Hf、Al、Ga、Sc、Y、ランタノイド、及びアルカリ土類金属のいずれかと、を含有するn型酸化物半導体を有し、前記n型酸化物半導体は、4価のカチオン、5価のカチオン、6価のカチオン、7価のカチオン、及び8価のカチオンの少なくともいずれかのドーパントで置換ドーピングされており、
前記ドーパントの原子数は、前記n型酸化物半導体を構成する金属イオン(ただし、前記ドーパントを除く)の原子数よりも小さく、前記ドーパントの価数が、前記n型酸化物半導体を構成する金属イオン(ただし、前記ドーパントを除く)の価数よりも大きく、
前記活性層のキャリア密度が、4.0×1017/cm3以上であり、前記ゲート絶縁層の比誘電率が、7.0より大きい。
本発明の電界効果型トランジスタは、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、活性層と、ゲート絶縁層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記ゲート電極としては、ゲート電圧を印加するための電極であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ゲート電極の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Mo、Al、Au、Ag、Cu等の金属乃至合金、ITO、ATO等の透明導電性酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PANI)等の有機導電体などが挙げられる。
前記ゲート絶縁層は、前記ゲート電極と前記活性層との間に設けられた絶縁層である。
常誘電体とは、圧電体、焦電体、強誘電体以外の誘電体であり、すなわち圧力によって分極が発生したり、外部電界のない状態で自発分極を有したりすることがない誘電体を指す。また、圧電体、焦電体及び強誘電体は、その特性を発現させるために結晶である必要がある。すなわち、ゲート絶縁層をアモルファス材料で形成すると、必然的にこのゲート絶縁層は常誘電体となる。
前記比誘電率の値は、絶縁層の上下を電極膜で挟んでコンデンサを形成し、測定した容量の値から算出することができる。
NA:NB=(3〜50)at%:(50〜97)at%
ただし、NA+NB=100at%
NA:NB:NC=(3〜47)at%:(50〜94)at%:(3〜47)at%
ただし、NA+NB+NC=100at%
前記ゲート絶縁層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ法、パルスレーザーデポジッション(PLD)法、化学気相蒸着(CVD)法、原子層蒸着(ALD)法等の真空プロセスによる成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法などが挙げられる。
また、前記ゲート絶縁層は、前記常誘電体アモルファス酸化物の前駆体を含有する塗布液(ゲート絶縁層形成用塗布液)を調合し、それを被塗物上に塗布又は印刷し、これを適切な条件で焼成することによっても成膜することができる。
前記ゲート絶縁層形成用塗布液は、第A元素含有化合物と、第B元素含有化合物と、溶媒とを少なくとも含有し、好ましくは、第C元素含有化合物を含有し、更に必要に応じて、その他成分を含有する。
前記第A元素含有化合物としては、例えば、第A元素の無機化合物、第A元素の有機化合物などが挙げられる。前記第A元素含有化合物における第A元素としては、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Ra(ラジウム)が挙げられる。
前記第A元素の硝酸塩としては、例えば、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウムなどが挙げられる。
前記第A元素の硫酸塩としては、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。
前記第A元素の塩化物としては、例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウムなどが挙げられる。
前記第A元素のフッ化物としては、例えば、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウムなどが挙げられる。
前記第A元素の臭化物としては、例えば、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化ストロンチウム、臭化バリウムなどが挙げられる。
前記第A元素のよう化物としては、例えば、よう化マグネシウム、よう化カルシウム、よう化ストロンチウム、よう化バリウムなどが挙げられる。
前記第B元素としては、Ga(ガリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)が挙げられる。
前記第B元素の硝酸塩としては、例えば、硝酸ガリウム、硝酸スカンジウム、硝酸イットリウム、硝酸ランタン、硝酸セリウム、硝酸プラセオジム、硝酸ネオジム、硝酸サマリウム、硝酸ユウロピウム、硝酸ガドリニウム、硝酸テルビウム、硝酸ジスプロシウム、硝酸ホルミウム、硝酸エルビウム、硝酸ツリウム、硝酸イッテルビウム、硝酸ルテチウムなどが挙げられる。
前記第B元素の硫酸塩としては、例えば、硫酸ガリウム、硫酸スカンジウム、硫酸イットリウム、硫酸ランタン、硫酸セリウム、硫酸プラセオジム、硫酸ネオジム、硫酸サマリウム、硫酸ユウロピウム、硫酸ガドリニウム、硫酸テルビウム、硫酸ジスプロシウム、硫酸ホルミウム、硫酸エルビウム、硫酸ツリウム、硫酸イッテルビウム、硫酸ルテチウムなどが挙げられる。
前記第B元素のフッ化物としては、例えば、フッ化ガリウム、フッ化スカンジウム、フッ化イットリウム、フッ化ランタン、フッ化セリウム、フッ化プラセオジム、フッ化ネオジム、フッ化サマリウム、フッ化ユウロピウム、フッ化ガドリニウム、フッ化テルビウム、フッ化ジスプロシウム、フッ化ホルミウム、フッ化エルビウム、フッ化ツリウム、フッ化イッテルビウム、フッ化ルテチウムなどが挙げられる。
前記第B元素の塩化物としては、例えば、塩化ガリウム、塩化スカンジウム、塩化イットリウム、塩化ランタン、塩化セリウム、塩化プラセオジム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化ユウロピウム、塩化ガドリニウム、塩化テルビウム、塩化ジスプロシウム、塩化ホルミウム、塩化エルビウム、塩化ツリウム、塩化イッテルビウム、塩化ルテチウムなどが挙げられる。
前記第B元素の臭化物としては、例えば、臭化ガリウム、臭化スカンジウム、臭化イットリウム、臭化ランタン、臭化プラセオジム、臭化ネオジム、臭化サマリウム、臭化ユウロピウム、臭化ガドリニウム、臭化テルビウム、臭化ジスプロシウム、臭化ホルミウム、臭化エルビウム、臭化ツリウム、臭化イッテルビウム、臭化ルテチウムなどが挙げられる。
前記第B元素のヨウ化物としては、例えば、ヨウ化ガリウム、ヨウ化スカンジウム、ヨウ化イットリウム、ヨウ化ランタン、ヨウ化セリウム、ヨウ化プラセオジム、ヨウ化ネオジム、ヨウ化サマリウム、ヨウ化ユウロピウム、ヨウ化ガドリニウム、ヨウ化テルビウム、ヨウ化ジスプロシウム、ヨウ化ホルミウム、ヨウ化エルビウム、ヨウ化ツリウム、ヨウ化イッテルビウム、ヨウ化ルテチウムなどが挙げられる。
前記第C元素としては、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)が挙げられる。
前記溶媒としては、前記各種化合物を安定に溶解又は分散する溶媒であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、シメン、ペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、ビシクロヘキシル、シクロヘキシルベンゼン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、テトラリン、デカリン、安息香酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、炭酸プロピレン、2−エチルヘキサン酸、ミネラルスピリッツ、ジメチルプロピレンウレア、4−ブチロラクトン、2−メトキシエタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール、メタノール、水などが挙げられる。
即ち、前記各化合物中に含有される前記第A元素の原子数の合計(NA)と、前記第B元素の原子数の合計(NB)との原子比(NA:NB)換算で、以下の範囲であることが好ましい。
NA:NB=(3〜50)at%:(50〜97)at%
ただし、NA+NB=100at%
即ち、前記各化合物中に含有される前記第A元素の原子数の合計(NA)と、前記第B元素の原子数の合計(NB)と、前記第C元素の原子数の合計(NC)との原子比(NA:NB:NC)換算で、以下の範囲であることが好ましい。
NA:NB:NC=(3〜47)at%:(50〜94)at%:(3〜47)at%
前記ゲート絶縁層形成用塗布液を用いた前記ゲート絶縁層の形成方法の一例について説明する。前記ゲート絶縁層の形成方法は、塗布工程と、熱処理工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記活性層は、前記ソース電極及びドレイン電極に隣接して設けられた層である。
また、置換ドーピング由来のキャリア電子数は制御性が良く、所望のキャリア濃度を容易に実現できる点も利点の一つである。前述のように、酸素は比較的容易に半導体の外部に出入りすることから、その量を精密にコントロールしたり、所望の値に保ったりすることが難しい。一方、置換ドーピング由来のキャリア電子数は、主にドーパント元素の種類とドープ量の選択によって容易かつ精密にコントロールすることができる。
また、n型酸化物半導体の組成によって、酸素欠損量を減少させることもできる。例えば、酸素との親和性の高い金属元素(Si、Ge、Zr、Hf、Al、Ga、Sc、Y、Ln、及びアルカリ土類金属等)を一定量導入することで、酸素欠損の発生を抑制できる。
理論的には、一つの原子が置換された場合に生成される電子の数は、ドーパントであるカチオンの価数からn型酸化物半導体を構成する母相の金属原子の価数を引いた値となる。すなわち、より少ないドープ量で同じ数の電子を発生させるためには、ドーパントの価数が大きいことが好ましい。更に、ドーパントの価数とn型酸化物半導体を構成する金属原子の価数との差が大きい方が好ましい。ドーパントは多量に存在すると結晶構造や原子の配列を乱しキャリア電子の移動を妨げる要因となってしまうため、なるべく少ないドープ量で必要充分なキャリア電子を発生させることは好ましい形態である。
また、イオン半径が置換される原子のものと近いドーパントを選択することも好ましい形態である。これにより置換効率が上がり、キャリア生成に寄与しない不要なドーパントがトランジスタ特性を悪化させることを抑制できる。
ドーピングによるキャリア生成効率はトランジスタ作製時の各種プロセス条件にも依存するため、生成効率が上がるプロセス条件を選択することも重要である。例えば、スパッタ法でn型酸化物半導体層を形成する場合の基板温度や、塗布液の塗布・焼成によってn型酸化物半導体層を形成する場合の焼成温度、n型酸化物半導体層を形成した後に施すアニールの温度等を適切に選択することで、より少ないドープ量で所望のキャリア濃度を達成することができる。
長距離秩序が存在する単結晶・多結晶状態であっても、同様にドーピングは有効である。重金属イオンの4s、5s、6sバンドで伝導帯が構成される場合は粒界の影響も少なく、多結晶状態であっても良好な特性が得られる。但し、ドープ量が過多でドーパントが粒界に偏析するような場合には、ドーパント濃度を下げることが好ましい。また、ソース・ドレイン電極と活性層との界面の密着性や電気的な接触を良好にするために、200℃〜300℃でポストアニールすることも好ましい。また、より高温でアニールして結晶性を高めてもよい。
また、酸素欠損を減らすため、酸素親和性の高い元素を活性層に含有させることが有効であると前述したが、そのような酸素親和性の高い元素としてはSi、Ge、Zr、Hf、Al、Ga、Sc、Y、Ln、及びアルカリ土類金属が適していることを見出した。
ドープ量の制御性の面から、活性層を塗布プロセスで形成することはより好ましい形態である。塗布プロセスにおいては、半導体原料化合物と、前記ドーパントとなる元素を含有する化合物(ドーパント元素含有化合物)と、溶媒とを含有するn型酸化物半導体膜形成用塗布液を被塗布物上に塗布し、焼成を行うことで活性層を形成する。この塗布液において、半導体原料化合物に対する前記ドーパント元素含有化合物の配合比率を所望のドープ量に対応させることで、所望のドーピングが実現される。塗布液においては、ドーパント量として0.2at%以下といったごく微量の割合で前記ドーパント元素含有化合物を添加し均一に攪拌することも容易にできるため、置換ドーピングされたn型酸化物半導体の形成方法としては塗布プロセスがより適していると言える。
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極としては、電流を取り出すための電極であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ソース電極、ドレイン電極、及び活性層の少なくともいずれかの上に絶縁層(保護層)が積層されている構成もトランジスタとして好ましい形態である。この絶縁層は多くの場合、ソース電極、ドレイン電極、及び活性層が直接大気中の酸素や水分に触れて特性が変化することを防ぐ所謂保護層の役割を果たす。また、電界効果型トランジスタを用いた表示装置においては、トランジスタの上部に発光層等を含む表示素子が積層されることがあるが、その際はこの絶縁層がトランジスタの形状に応じた段差を吸収して面を平滑にする所謂平坦化膜の役割を兼ねる場合もある。
なお、図1〜図4中、符号21は基材、符号22は活性層、符号23はソース電極、符号24はドレイン電極、符号25はゲート絶縁層、符号26はゲート電極を表す。これらの図には前述の絶縁層(保護層)は図示していない。
前記電界効果型トランジスタの製造方法の一例を説明する。
前記基材の形状、構造、及び大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基材、プラスチック基材などが挙げられる。
前記ガラス基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無アルカリガラス、シリカガラスなどが挙げられる。
前記プラスチック基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが挙げられる。
なお、前記基材は、表面の清浄化及び密着性向上の点で、酸素プラズマ、UVオゾン、UV照射洗浄等の前処理が行われることが好ましい。
続いて、チャネル領域であって前記ゲート絶縁層上に、酸化物半導体からなる活性層を形成する。
続いて、前記ゲート絶縁層上に、前記活性層を跨ぐようにソース電極及びドレイン電極を離間して形成する。
以上により、電界効果型トランジスタが製造される。この製造方法では、例えば、図1に示すようなトップコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタが製造される。
本発明の表示素子は、少なくとも、光制御素子と、前記光制御素子を駆動する駆動回路とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記光制御素子としては、駆動信号に応じて光出力を制御する素子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エレクトロルミネッセンス(EL)素子、エレクトロクロミック(EC)素子、液晶素子、電気泳動素子、エレクトロウェッティング素子などが挙げられる。
前記駆動回路としては、本発明の前記電界効果型トランジスタを有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の画像表示装置は、少なくとも、複数の表示素子と、複数の配線と、表示制御装置とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記複数の表示素子としては、マトリックス状に配置された複数の本発明の前記表示素子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記複数の配線は、前記複数の表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧と信号電圧とを個別に印加可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記表示制御装置としては、画像データに応じて、各電界効果型トランジスタのゲート電圧と信号電圧とを前記複数の配線を介して個別に制御可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記画像表示装置は、本発明の前記表示素子を有しているため、素子間のばらつきも小さくすることが可能になり、大画面で高品質の画像を表示することが可能となる。
本発明のシステムは、少なくとも、本発明の前記画像表示装置と、画像データ作成装置とを有する。
前記画像データ作成装置は、表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する。
前記システムは、本発明の前記画像表示装置を備えているため、画像情報を高精細に表示することが可能となる。
まず、本発明のシステムとしてのテレビジョン装置を、図5を用いて説明する。なお、図5の構成は一例であって、本発明のシステムとしてのテレビジョン装置は、これに限定されない。
映像デコーダ121と、映像・OSD合成回路122と、映像出力回路123と、OSD描画回路125とが、画像データ作成装置を構成する。
前記フラッシュROMには、前記CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム、及び前記CPUでの処理に用いられる各種データなどが格納されている。
また、RAMは、作業用のメモリである。
図6において、画像表示装置124は、表示器300と、表示制御装置400とを有する。
表示器300は、図7に示されるように、複数(ここでは、n×m個)の表示素子302がマトリックス状に配置されたディスプレイ310を有する。
また、ディスプレイ310は、図8に示されるように、X軸方向に沿って等間隔に配置されているn本の走査線(X0、X1、X2、X3、・・・、Xn−2、Xn−1)と、Y軸方向に沿って等間隔に配置されているm本のデータ線(Y0、Y1、Y2、Y3、・・・、Ym−1)、Y軸方向に沿って等間隔に配置されているm本の電流供給線(Y0i、Y1i、Y2i、Y3i、・・・・・、Ym−1i)とを有する。
よって、走査線とデータ線とによって、表示素子を特定することができる。
図9は、本発明の表示素子の一例を示す概略構成図である。
前記表示素子は、一例として図9に示されるように、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子350と、該有機EL素子350を発光させるためのドライブ回路320とを有している。ドライブ回路320は電流駆動型の2Tr−1Cの基本回路であるが、これに限定されるものではない。即ち、ディスプレイ310は、いわゆるアクティブマトリックス方式の有機ELディスプレイである。
図12において、有機EL素子350は、陰極312と、陽極314と、有機EL薄膜層340とを有する。
ドライブ回路320は、2つの電界効果型トランジスタ10及び20と、キャパシタ30を有する。
図13において、画像表示装置は、表示素子302と、配線(走査線、データ線、電流供給線)と、表示制御装置400とを有する。
表示制御装置400は、画像データ処理回路402と、走査線駆動回路404と、データ線駆動回路406とを有する。
画像データ処理回路402は、映像出力回路123の出力信号に基づいて、ディスプレイにおける複数の表示素子302の輝度を判断する。
走査線駆動回路404は、画像データ処理回路402の指示に応じてn本の走査線に個別に電圧を印加する。
データ線駆動回路406は、画像データ処理回路402の指示に応じてm本のデータ線に個別に電圧を印加する。
<電界効果型トランジスタの作製>
−ゲート電極の形成−
ガラス基板上に、100nmの厚みになるようにAlを蒸着し、フォトリソグラフィを行ってライン状にパターニングすることによって、ゲート電極を形成した。
La(thd)3、Ba(thd)2(thd=2,2,6,6−tetramethyl−3,5−heptanedionato)をそれぞれテトラエチレングリコールジメチルエーテル(tetraglyme)、テトラヒドロフラン(THF)に溶解させたものを液体原料とし、CVD法により、ゲート電極を含むガラス基板上にLaBa酸化物絶縁膜を約100nm成膜し、これをゲート絶縁層とした。酸化物絶縁膜中のLaとBaの原子数の比率はLa:Ba=9:1である。
チャンバー内にアルゴン(Ar)と酸素(O2)ガスを導入し、MgIn2O4焼結体ターゲットを用いて、常温でDCスパッタ法を行うことにより、活性層となるMgIn2O4膜を成膜した。成膜時にチャンバー内に導入するガスの流量における酸素比率は、全流量(アルゴンガスと酸素ガスの流量の和)に対し酸素1.0%とした。パターニングはメタルマスクを介して成膜することで行った。続けて、オーブンを用い大気中300℃1時間の加熱処理を行った。このようなアニール処理は、活性層とゲート絶縁層膜との間の界面欠陥準位密度を減らすことによりトランジスタ特性を向上させることを目的として一般的に行われるものである。
前記ゲート絶縁層上及び前記活性層上に、真空蒸着法を用いて厚み100nmのソース電極及びドレイン電極を形成した。蒸着源にはAlを用いた。パターニングはメタルマスクを介して成膜することで行い、チャネル幅を200μm、チャネル長を50μmとした。続けて、活性層とソース・ドレイン電極との間の電気的な接触を良くするため、オーブンを用いて大気中200℃で1時間の加熱処理を行った。
ホール測定用の素子を作製するため、別のガラス基板上に活性層と同じ条件でMgIn2O4膜を形成した。スパッタの際にはシャドウマスクを用い、8mm角のパターンを形成した。続いて、真空蒸着法を用い、MgIn2O4膜上の四隅にシャドウマスクを用いてホール測定用のコンタクト電極を形成した。蒸着源にはAlを用いた。
このホール測定素子について、ホール効果測定システム(東陽テクニカ社製、ResiTest8300)を用いて、比抵抗測定及びホール効果測定を行い、MgIn2O4膜の電子キャリア密度(/cm3)を求めた。結果は、5.7×1017/cm3であった。
比誘電率測定用の素子を作製するため、別のガラス基板上にAlを蒸着して下部電極を形成した後、ゲート絶縁層と同じ条件でLaBa酸化物絶縁膜を形成した。続いてAlを蒸着して上部電極を形成した。全ての成膜においてシャドウマスクを用いて所望のパターンを形成し、面積0.5mm2のコンデンサが得られた。これに対し容量計測を行い比誘電率を算出した。周波数1kHzでの比誘電率は11.8であった。
X線回折実験を行うため、別のガラス基板上にゲート絶縁層と同じ条件でLaBa酸化物絶縁膜を形成した。続けて、熱履歴をトランジスタのゲート絶縁層と同じとするため、300℃で1時間の加熱処理と200℃で1時間の加熱処理とを行った。この膜に対しPhilips社製、X‘PertProを用いてX線回折測定を行った結果を図16に示す。使用したX線はCuのKα線(波長1.5405Å)である。回折ピークは観測されず、ゲート絶縁層はアモルファス酸化物膜であることがわかった。
得られた電界効果型トランジスタについて、半導体パラメータ・アナライザ装置(アジレントテクノロジー社製、半導体パラメータ・アナライザ4156C)を用いて、トランジスタ性能評価を実施した。ソース・ドレイン間電圧Vdsを10Vとし、ゲート電圧Vgを−15Vから+15Vに変化させてソース・ドレイン間電流Idsを計測し、トランスファー特性(Vg−Ids特性)を評価した。得られた結果を図17に示した。また、続けてVgを+15Vから−15Vに変化させてIdsを計測したが、得られたトランスファー特性は図17と重なり、ヒステリシスは観測されなかった。図17には、ゲート電流Igの絶対値も図示した。リーク電流は0.1pA以下と充分小さいことが確認できた。
図17に示したトランスファー特性を基に、飽和領域における電界効果移動度μを算出した。また、Idsのオン/オフ比を算出した。ここでは、オン状態のIdsをVg=15Vでの値とし、オフ状態のIdsをVg=−15V〜−10Vでの値の平均値として計算した。また、オフ状態からオン状態への立ち上がりの急峻さを示すs値(Idsを1桁増加させるのに必要なゲート電圧差)を計算した。結果を表1に示した。
なお、図及び表において、「e」、及び「E」は、10のべき乗を表す。即ち、「1e−3」、及び「1E−3」は、「1×10−3」を表し、「1e−10」、及び「1E−10」は「1×10−10」を表す。
ゲート絶縁層の成膜方法を以下のようにした以外は実施例1と同様にして、電界効果型トランジスタを作製した。
ゲート電極を含むガラス基板上に、RFスパッタ法を用いてSiO2膜を200nm形成し、これをゲート絶縁層とした。スパッタターゲットとしてはSiO2ガラスターゲットを用いた。成膜の際はアルゴンガスと酸素ガスをチャンバーに流し、酸素ガスの流量比を25.0%とした。また、実施例1と同様にして、このSiO2膜の比誘電率を測定したところ、3.9であった。
実施例1と同様に、トランジスタ特性を評価した。トランスファー特性を図18に、算出した電界効果移動度とオン/オフ比の値を表1に示した。但しここでは、オフ電流の値をVgが−15Vの時のIdsとして計算した。また、s値については、今回の計測範囲(Vg=−15V〜15V)では明確なオフ状態が存在せず立ち上がりを定義することができなかったため、不明とした。
ゲート絶縁層の成膜方法を以下のようにした以外は実施例1と同様にして、電界効果型トランジスタを作製した。
ゲート電極を含むガラス基板上に、プラズマCVDにより、原料にSiH4ガスとN2Oガスを用いて200℃の温度で200nmの厚みのSiONを成膜し、これをゲート絶縁層とした。また、実施例1と同様にして、このSiON膜の比誘電率を測定したところ、7.0であった。
実施例1と同様に、トランジスタ特性を評価した。トランスファー特性を図19に、算出した電界効果移動度、オン/オフ比、s値の値を表1に示した。但しここでは、オフ電流の値をVgが−15Vの時のIdsとして計算した。
活性層の形成方法を以下のように変えた以外は比較例1と同様にして電界効果型トランジスタを作製した。(比較例3)
また、活性層の形成方法を以下のように変えた以外は比較例2と同様にして電界効果型トランジスタを作製した。(比較例4)
チャンバー内にアルゴン(Ar)と酸素(O2)ガスを導入し、MgIn2O4焼結体ターゲットを用いて、常温でDCスパッタ法を行うことにより、活性層となるMgIn2O4膜を成膜した。成膜時にチャンバー内に導入するガスの流量における酸素比率は、全流量に対し酸素40.0%とした。パターニングはメタルマスクを介して成膜することで行った。続けて、オーブンを用い大気中300℃1時間の加熱処理を行った。また、実施例1と同様にしてこのMgIn2O4膜のキャリア密度を求めたところ、7.51×1016/cm3であった。
実施例1と同様に、トランジスタ特性を評価した。トランスファー特性を図20(比較例3)及び図21(比較例4)に示した。算出した電界効果移動度、オン/オフ比、s値の値を表1に示した。
ゲート絶縁層の形成方法を以下のように変えた以外は実施例1と同様にして電界効果型トランジスタを作製した。
トルエン12mLに、2−エチルヘキサン酸イットリウムトルエン溶液(Y含量8wt%)11mLと、2−エチルヘキサン酸カルシウムミネラルスピリット溶液(Ca含量5wt%)0.4mLとを混合し、イットリウムカルシウム酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はY:Ca=10:0.5である。
ゲート電極を含むガラス基板上に前記塗布液をスピンコートし、オーブンを用いて120℃大気中1時間で乾燥させた後、酸素雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、ゲート絶縁層を形成した。ゲート絶縁層の平均厚みは105nmであった。実施例1と同様にしてこの膜の比誘電率を測定したところ、11.4であった。また、実施例1と同様にしてX線回折を測定した結果を図22に示した。2θが約29度、約34度、約48.5度、約58度のところにピークが観測され、これらは蛍石型構造のイットリア(Y2O3)の(2,2,2)、(4,0,0)、(4,4,0)、(6,2,2)回折ピークに相当する。すなわちこの膜中には、多結晶のイットリアが存在することがわかった。
実施例1と同様に、トランジスタ特性を評価した。トランスファー特性を図23に示した。また、ゲートリーク電流の値も同図に示した。算出した電界効果移動度、オン/オフ比、s値の値を表1に示した。
ゲート絶縁層と活性層の形成方法を以下のように変えた以外は実施例1と同様にして電界効果型トランジスタを作製した。
La(thd)3、Mg(thd)2(thd=2,2,6,6−tetramethyl−3,5−heptanedionato)をそれぞれテトラエチレングリコールジメチルエーテル(tetraglyme)、テトラヒドロフラン(THF)に溶解させたものを液体原料とし、CVD法により、LaMg酸化物絶縁膜を約100nm形成しこれをゲート絶縁膜とした。酸化物絶縁膜中のLaとMgの原子数の比はLa:Mg=8:2である。実施例1と同様にしてこの膜の比誘電率を測定したところ、8.1であった。また、実施例1と同様にしてX線回折を測定したところ、ピークは観測されずアモルファスであることがわかった。
35.488gの硝酸インジウム(In(NO3)3・3H2O)を秤量し、エチレングリコールモノメチルエーテル100mLに溶解し、A液とした。
2.330gの塩化ジルコニウム(ZrCl4)を秤量し、エチレングリコールモノメチルエーテル100mLに溶解し、B液とした。
3.965gの塩化タングステン(WCl6)を秤量し、エチレングリコールモノメチルエーテル100mLに溶解し、C液とした。
A液、B液、C液、及びエチレングリコールモノメチルエーテルと1,2−プロパンジオールを、各々の比較例6、7、及び実施例2〜5に対し、表2に示す分量で混合して室温で撹拌し、酸化物半導体膜形成用塗布液を作製した。
比較例6の条件では、塗布液を基板上に塗布し焼成することによってInZrO膜が形成される。InとZrの原子数の比率は100:5であり、Zrは酸素欠損の発生を抑制する目的で加えている。比較例7及び実施例2〜5では、母相であるInZrO膜中の一部のIn(+3価)がW(+6価)で置換ドープされており、これによってキャリアが発生する。Inの全サイト数のうち何%をWが置換しているかをW濃度と定義し、その値を表2に記載した。また、実施例1と同様にしてこれらの膜のキャリア密度をホール測定によって求め、結果を表2に記した。W濃度の増加に伴ってキャリア密度が増えており、Wの置換ドーピングによってキャリアが有効に生成されていることがわかった。
実施例1と同様に、トランジスタ特性を評価した。トランスファー特性を図24(比較例6、7)及び図25(実施例2〜5)に、算出した電界効果移動度、オン/オフ比、s値の値を表3に示した。比較例6、7、実施例2〜5のいずれにおいてもトランスファー特性にヒステリシスは見られなかった。
ゲート絶縁層の形成方法を以下のように変えた以外は実施例4と同様にして電界効果型トランジスタを作製した。
トルエンと、2−エチルヘキサン酸ランタントルエン溶液(La含量7重量%)と、2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3重量%)を表4に示す分量で混合し、ゲート絶縁層形成用塗布液を得た。
ゲート電極を含むガラス基板上に前記塗布液をスピンコートし、オーブンを用いて120℃大気中1時間で乾燥させた後、酸素雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、LaMg酸化物絶縁膜からなるゲート絶縁層を形成した。酸化物膜中のLaとMgの原子数の比率を表4に示した。ゲート絶縁層の平均厚みは120nmであった。実施例1と同様にしてこれらの膜の比誘電率を測定した。結果を表4に示した。また、実施例1と同様にしてX線回折を測定したところ、ピークは観測されずアモルファスであることがわかった。
実施例1と同様に、トランジスタ特性を評価した。トランスファー特性を図26(実施例6〜8)及び図27(実施例9〜11)に、算出した電界効果移動度、オン/オフ比、s値の値を表5に示した。いずれの実施例においてもトランスファー特性にヒステリシスは見られなかった。
ゲート絶縁層の形成方法と活性層の形成方法を以下のように変えた以外は実施例1と同様にして電界効果型トランジスタを作製した。
−−実施例12−−
トルエン10mLにガリウムアセチルアセトナート0.37mgを溶解後、2−エチルヘキサン酸バリウムトルエン溶液(Ba含量8wt%)1.7mLを加え混合し、バリウムガリウム酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はGa:Ba=1:1である。
2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3wt%)2mLと、2−エチルヘキサン酸イットリウムトルエン溶液(Y含量8wt%)11mLと、チタニウムn−ブトキシド0.35mLとを混合し、更にトルエン15mLを加え希釈し、マグネシウムチタンイットリウム酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はMg:Y:Ti=2.5:10:1である。
トルエン20mLにアルミニウムジ(s−ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート(Al含量8.4wt%)0.94mLと、2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3wt%)5mLと、2−エチルヘキサン酸イットリウムトルエン溶液(Y含量8wt%)11mLとを混合し、マグネシウムアルミニウムイットリウム酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はAl:Mg:Y=3:6.25:10である。
トルエン10mLにネオデカン酸バリウム(Ba含量29wt%)0.48gを溶解し、これに2−エチルヘキサン酸ランタントルエン溶液(La含量7wt%)4mLと、ビス(2−エチルヘキサン酸)酸化ジルコニウムミネラルスピリット溶液(Zr含量12wt%)0.76mLとを混合し、バリウムジルコニウムランタン酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はBa:La:Zr=1:2:1である。
トルエン10mLにネオデカン酸ストロンチウム(Sr含量20wt%)0.43gを溶解し、これに2−エチルヘキサン酸ランタントルエン溶液(La含量7wt%)4mLと、2−エチルヘキサン酸ニオブ(IV)2−エチルヘキサン酸溶液(Nb含量11wt%)0.83mLとを混合し、ストロンチウムニオブランタン酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はSr:La:Nb=1:2:1である。
2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3wt%)2mLと、2−エチルヘキサン酸ランタントルエン溶液(La含量7wt%)20mLと、タンタルエトキシド(純度99.98%)1mLとを、混合し、更にトルエン25mLを加え希釈し、マグネシウムタンタルランタン酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はMg:La:Ta=2.5:10:4である。
1,2−エタンジオール15mLに、硝酸マグネシウム6水和物0.77gと、硝酸ランタン6水和物4.3gと、ハフニウム(IV)ジクロリドオキシド八水和物0.82gとを溶解し、マグネシウムハフニウムランタン酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はMg:La:Hf=3:10:2である。
プロピレングリコール10mLに、硝酸スカンジウム5水和物0.32gと、塩化ストロンチウム6水和物0.27gとを溶解し、スカンジウムストロンチウム酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はSc:Sr=1:1である。
2−エチルヘキサン酸ランタントルエン溶液(La含量7wt%)20mLと、2−エチルヘキサン酸カルシウムミネラルスピリット溶液(Ca含量5wt%)0.8mLとを混合し、更にトルエン12mLを加え希釈し、ランタンカルシウム酸化物絶縁膜形成用塗布液を得た。塗布液中の原子数の比率はLa:Ca=10:1である。
ゲート電極を含むガラス基板上に前記塗布液をスピンコートし、オーブンを用いて120℃大気中1時間で乾燥させた後、酸素雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、ゲート絶縁層を形成した。ゲート絶縁層の平均厚みは120nmであった。実施例1と同様にしてこれらの膜の比誘電率を測定した。結果を表6に示した。また、実施例1と同様にしてX線回折を測定したところ、ピークは観測されずこの絶縁層がアモルファスであることがわかった。
35.488gの硝酸インジウム(In(NO3)3・3H2O)を秤量し、エチレングリコールモノメチルエーテル100mLに溶解し、A液とした。
29.749gの硝酸亜鉛(Zn(NO3)2・6H2O)を秤量し、エチレングリコールモノメチルエーテル100mLに溶解し、B液とした。
1.631gの二酸化モリブデン(VI)ビス(アセチルアセトナート)を秤量し、エチレングリコールモノメチルエーテル500mLに溶解し、C液とした。
A液99.8mL、B液100mL、及びC液20mLと、エチレングリコールモノメチルエーテル180.2mL、及び1,2−プロパンジオール400mLとを室温で混合撹拌し、酸化物半導体膜形成用塗布液を作製した。
実施例1と同様に、トランジスタ特性を評価した。算出した電界効果移動度、オン/オフ比、s値の値を表6に示した。いずれの実施例においてもトランスファー特性にヒステリシスは見られなかった。
実施例12〜20のいずれにおいても、高い移動度と高いオン/オフ比、及び小さいs値が得られており、実用面から考えて充分良好な特性が得られた。
<1> ゲート電圧を印加するためのゲート電極と、
電流を取り出すためのソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極及びドレイン電極に隣接して設けられ、酸化物半導体からなる活性層と、
前記ゲート電極と前記活性層との間に設けられたゲート絶縁層と、
を備える電界効果型トランジスタであって、
前記ゲート絶縁層が、アルカリ土類金属である第A元素と、Ga、Sc、Y、及びランタノイドの少なくともいずれかである第B元素とを含む常誘電体アモルファス酸化物であり、
前記活性層のキャリア密度が、4.0×1017/cm3以上であることを特徴とする電界効果型トランジスタである。
<2> 前記ゲート絶縁層が、更に、Al、Ti、Zr、Hf、Nb、及びTaの少なくともいずれかである第C元素を含む前記<1>に記載の電界効果型トランジスタである。 <3> 前記ゲート絶縁層の比誘電率が、7.0より大きい前記<1>から<2>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタである。
<4> 前記活性層が、In、Zn、Sn、及びTiの少なくともいずれかを含有するn型酸化物半導体である前記<1>から<3>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタである。
<5> 前記n型酸化物半導体が、2価のカチオン、3価のカチオン、4価のカチオン、5価のカチオン、6価のカチオン、7価のカチオン、及び8価のカチオンの少なくともいずれかのドーパントで置換ドーピングされており、
前記ドーパントの価数が、前記n型酸化物半導体を構成する金属イオン(ただし、前記ドーパントを除く)の価数よりも大きい前記<4>に記載の電界効果型トランジスタである。
<6> 前記活性層のキャリア密度が、1.0×1018/cm3以上である前記<1>から<5>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタである。
<7> 駆動信号に応じて光出力が制御される光制御素子と、
前記<1>から<6>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタを含み、前記光制御素子を駆動する駆動回路と、
を備えることを特徴とする表示素子である。
<8> 画像データに応じた画像を表示する画像表示装置であって、
マトリックス状に配置された複数の前記<7>に記載の表示素子と、
前記複数の表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧と信号電圧とを個別に印加するための複数の配線と、
前記画像データに応じて、前記各電界効果型トランジスタの前記ゲート電圧と前記信号電圧とを前記複数の配線を介して個別に制御する表示制御装置と、
を備えることを特徴とする画像表示装置である。
<9> 前記<8>に記載の画像表示装置と、
表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する画像データ作成装置と、
を備えることを特徴とするシステムである。
20 電界効果型トランジスタ
22 活性層
23 ソース電極
24 ドレイン電極
25 ゲート絶縁層
26 ゲート電極
40 電界効果型トランジスタ
302、302’ 表示素子
310 ディスプレイ
320、320’ ドライブ回路
370 液晶素子
400 表示制御装置
Claims (9)
- ゲート電極と、
ソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極及びドレイン電極に隣接して設けられる活性層と、
前記ゲート電極と前記活性層との間に設けられたゲート絶縁層と、
を備える電界効果型トランジスタであって、
前記ゲート絶縁層が、アルカリ土類金属である第A元素と、Ga、Sc、Y、及びランタノイドの少なくともいずれかである第B元素と、を含む酸化物であり、
前記活性層は、Inと、Si、Ge、Zr、Hf、Al、Ga、Sc、Y、ランタノイド、及びアルカリ土類金属のいずれかと、を含有するn型酸化物半導体を有し、前記n型酸化物半導体は、4価のカチオン、5価のカチオン、6価のカチオン、7価のカチオン、及び8価のカチオンの少なくともいずれかのドーパントで置換ドーピングされており、
前記ドーパントの原子数は、前記n型酸化物半導体を構成する金属イオン(ただし、前記ドーパントを除く)の原子数よりも小さく、前記ドーパントの価数は、前記n型酸化物半導体を構成する金属イオン(ただし、前記ドーパントを除く)の価数よりも大きく、
前記活性層のキャリア密度が、4.0×1017/cm3以上であり、前記ゲート絶縁層の比誘電率が、7.0より大きいことを特徴とする電界効果型トランジスタ。 - 前記ゲート絶縁層が、更に、Al、Ti、Zr、Hf、Nb、及びTaの少なくともいずれかである第C元素を含む請求項1に記載の電界効果型トランジスタ。
- 前記活性層のキャリア密度が、1.0×10 18 /cm 3 以上である請求項1又は2に記載の電界効果型トランジスタ。
- 前記ゲート絶縁層の比誘電率が、8.1以上である請求項1から3のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
- 前記ゲート絶縁層の前記第A元素はMgであり、前記第B元素はLaである請求項1から4のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
- 前記ドーパントが、0.4at%〜2at%含まれる請求項1から5のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
- 駆動信号に応じて光出力が制御される光制御素子と、
請求項1から6のいずれかに記載の電界効果型トランジスタを含み、前記光制御素子を駆動する駆動回路と、
を備えることを特徴とする表示素子。 - 画像データに応じた画像を表示する画像表示装置であって、
マトリックス状に配置された複数の請求項7に記載の表示素子と、
前記複数の表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧と信号電圧とを個別に印加するための複数の配線と、
前記画像データに応じて、前記各電界効果型トランジスタの前記ゲート電圧と前記信号電圧とを前記複数の配線を介して個別に制御する表示制御装置と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項8に記載の画像表示装置と、
表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する画像データ作成装置と、
を備えることを特徴とするシステム。
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