(1)概要
以下の実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。以下の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態の照明器具1は、一例として、図2に示すように配線ダクト13に取り付けられるスポットライトとして構成されている。照明器具1は、図1に示すように、光源2と、光源2の調光制御を行う制御部34(図3参照)と、円筒形状の筐体4と、を備えている。更に、照明器具1は、図3及び図4に示すように、補正ボリューム17を備えている。筐体4は、光源2、制御部34及び補正ボリューム17を収容する。
筐体4は、図1及び図2に示すように、円筒形状の第1筒体41と、円筒形状の第2筒体42と、を有している。第1筒体41は、その軸方向(図1では前後方向)における第1端(図1では前端)に光源2から発せられた光を出射する出射口410を有している。第2筒体42は、第1筒体41の第1端とは反対側の第2端(図1では後端)において、第1筒体41の中心軸A1を回転軸として第1筒体41に回転可能に取り付けられている。
本実施形態では、第1筒体41の中心軸A1は、第2筒体42の中心軸と一致している。すなわち、第1筒体41と第2筒体42とは互いの中心軸が一致するように組み付けられて、1つの円筒形状の筐体4を構成している。ここで言う「円筒形状」は、厳密な円筒形に限定されず、例えば、第1筒体41又は第2筒体42の外周面の一部が僅かに窪んでいてもよい。本実施形態では、第2筒体42の外径は、図1及び図2に示すように、一例として第1筒体41の外径と実質的に等しくなるように設定されている。
制御部34は、第2筒体42の回転角度に応じて光源2の調光レベルを変更するように構成されている。更に、制御部34は、補正ボリューム17の操作部170の調節位置に応じて第2筒体42の回転角度と調光レベルとの対応関係を補正するように構成されている。本実施形態では、第2筒体42が、光源2の調光状態(調光レベル)を調節する作業者の操作を受け付ける操作部である。本実施形態の補正ボリューム17は、一例として、ロータリーボリュームであるため、操作部170の上記調節位置は、回転位置(回転角度)である。しかし、補正ボリューム17は、ロータリーボリューム以外にも、スライドボリュームであってもよい。
以下では、説明の便宜上、第2筒体42を回して光源2の調光レベルを調節する作業を「第1作業」と呼び、第1作業を行う者を「第1作業者」と呼ぶ。一方、補正ボリューム17の操作部170を回して上記対応関係に生じたずれを解消するための作業を「第2作業」と呼び、第2作業を行う者を「第2作業者」と呼ぶ。説明するまでもなく、第1作業者(又は第2作業者)が、第1作業及び第2作業の両方を行うこともある。
ここで、第2筒体42は、図1〜図2、図4〜図5、図9A及び9Bに示すように、操作孔18を有している。操作孔18は、補正ボリューム17が収容されている筐体4の内部空間と筐体4の外部空間とを繋ぐ孔である。第2筒体42において操作孔18が設けられている部位は、第2筒体42の回転角度が所定の回転角度に等しい場合に操作部170と対向する部位である(図9B参照)。
この構成によれば、補正ボリューム17が筐体4内に収容されていて、操作孔18は、第2筒体42の回転角度が所定の回転角度に等しい場合に、補正ボリューム17の操作部170と対向する。そのため、第2作業者は、第2筒体42が所定の回転角度となるように第2筒体42を回転させて、ドライバ等の工具の先端を操作孔18から挿入し、補正ボリューム17の操作部170を回すことで、第2作業を行うことができる。したがって、上記対応関係にずれが生じても当該ずれの解消を図ることができる。
また、操作部170又は(操作部170を回すための)つまみが筐体4の外周面4Aから突出して設けられている場合に比べて、第1作業者が、第1作業を行う際に、誤って操作部170又はつまみを操作してしまう可能性を低減することができる。特に、第2筒体42が所定の回転角度以外の回転角度にあるとき、補正ボリューム17の操作部170を操作することができないため、安易に補正ボリューム17が操作されてしまう可能性を低減することができる。また、操作部170又はつまみが筐体4の外周面4Aから突出して設けられている場合に比べて、照明器具1全体としての意匠性(見栄え)の向上も図ることができる。
したがって、本実施形態の照明器具1は、作業性の向上と調光レベルの調節精度の低下の抑制とを図ることができる。
(2)詳細
(2.1)全体構成
以下、本実施形態の照明器具1について、図1〜図9Bを参照して詳しく説明する。以下では、特に断りの無い限り、照明器具1の上下、左右、前後の方向を、図1に図示されている上下、左右、前後の矢印を用いて規定して説明する。これらの矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。また、上記の方向の規定は、本実施形態の照明器具1の使用形態を限定する趣旨ではない。
照明器具1は、図1に示すように、光源2、点灯装置3(図3参照)、及び筐体4と、を備えている。また、照明器具1は、図3〜図4及び図7に示すように、調光ボリューム(可変抵抗器)6、及び補正ボリューム(可変抵抗器)17を、更に備えている。また、照明器具1は、図1に示すように、光学レンズ8、反射部材9、グレア抑制用のバッフル10、アーム11、及び落下防止用のワイヤー12、プラグ14等を、更に備えている。照明器具1は、図2に示すように、一例として美術館、博物館等の建物内における天井に設けられた配線ダクト13に取り付けられるスポットライトとして構成されている。
(2.2)光源
光源2は、例えば、少なくとも1つのLED(Light Emitting Diode)チップ、LEDチップが実装された矩形板状の実装基板、及び、これらを支持するホルダを有している。また、光源2は、例えば、LEDチップ等から発せられる熱を伝導させる熱伝導シート、及び放熱部材等を有している。
LEDチップは、例えば、青色光を放射する青色発光ダイオードである。また、LEDチップが実装されている実装基板の実装面は、LEDチップから放射される青色光を波長変換する蛍光物質(例えば黄色蛍光体)が混入された封止樹脂で封止されている。矩形板状の実装基板の実装面における対角の位置にある一対の角部には、カソード電極とアノード電極が形成されている。光源2は、点灯装置3から出力される直流電圧がアノード電極とカソード電極に印加されることにより、白色の照明光を放射するように構成される。
(2.3)筐体
(2.3.1)筐体の全体構成
筐体4は、図1及び図2に示すように、全体として円筒形状に形成されている。筐体4は、長尺の円筒形状に形成された第1筒体41と、扁平な円筒形状に形成された第2筒体42と、を有している。第1筒体41の中心軸A1は、第2筒体42の中心軸と一致している。すなわち、第1筒体41と第2筒体42とは互いの中心軸が一致するように組み付けられて、1つの円筒形状の筐体4を構成している。
(2.3.2)第1筒体
第1筒体41は、その軸方向における第1端(図1では前端)に出射口410を有している。第1筒体41の第1端とは反対側の第2端(図1では後端)において、第2筒体42が回転可能に取り付けられている。第1筒体41は、例えばアルミダイカストによってそれぞれ形成された円筒形状の2部材(光源収容部411及び電源収容部412)が軸方向に沿って互いに組み付けられることで構成されている。光源収容部411の内周面には、ねじ孔を有した複数のリブが形成されていて、電源収容部412の内周面には貫通孔を有した複数のリブが形成されている。光源収容部411の一部(図1では後端部)が電源収容部412の開口から挿入された状態で、電源収容部412の貫通孔にねじを通し、更に、光源収容部411のねじ孔にねじ込むことで、光源収容部411及び電源収容部412が互いに連結されている。
光源収容部411は、その軸方向の一端(図1では前端)が開放された有底円筒形状に形成されていて、軸方向において、電源収容部412の長さ寸法の約半分程度の寸法を有している。光源収容部411は、光源2を内部に収容し、開放された一端にある出射口410から光源2から発せられた光を出射する。具体的には、光源収容部411は、出射口410と対向した底部411A(図1参照)の一表面において、光源2のLEDチップ及び実装基板を支持するホルダが嵌め込まれるための凹所を有している。光源2のホルダは、ねじ止め等により底部411Aに固定されている。
また、光源収容部411は、図1に示すように、光学レンズ8、反射部材9及びバッフル10を収容している。光源収容部411内では、光源2から出射口410にわたって、反射部材9、光学レンズ8、バッフル10が光軸L1に沿って順に配置されている。光軸L1は、第1筒体41の中心軸A1と一致している。光源収容部411の内周面には、反射部材9及びバッフル10の外周面に設けられた突起が嵌まるための凹部が周方向に沿って形成されている。
電源収容部412は、その軸方向の両端が開放された円筒形状に形成されている。電源収容部412は、その軸方向における一端側(図1では前端側)において、光源収容部411に連結され、軸方向における他端側(図1では後端側)において、第2筒体42が回転可能に取り付けられている。
電源収容部412は、点灯装置3、調光ボリューム6及び補正ボリューム17を内部に収容している。具体的には、電源収容部412は、図1に示すように、点灯装置3の後述する種々の回路を構成する複数の電子部品300が実装されて軸方向に細長く延びている略矩形板状の回路基板301と、回路基板301を保持する金属製の保持板302とを収容している。保持板302は、光源収容部411の底部411Aにねじ止めにより固定されている。光源収容部411の底部411Aは、厚み方向に貫通している孔を有していて、点灯装置3の出力端に接続されている電線303は、図1に示すように、当該孔を通って光源2と電気的に接続されている。
電源収容部412は、図7に示すように、調光ボリューム6及び補正ボリューム17が一表面(第2筒体42と対向する面)に実装されたボリューム基板60を収容している。ボリューム基板60は、絶縁シート等を間に介して保持板302にねじ61により固定されている。調光ボリューム6及び補正ボリューム17は、点灯装置3(の後述する制御部34)と電気的に接続されている。
調光ボリューム6は、その軸部62の中心軸が第1筒体41の中心軸A1を通るように、ボリューム基板60の実装面(上記一表面)の中央に配置されている。一方、補正ボリューム17は、調光ボリューム6を避けて、ボリューム基板60の縁部近傍に配置されている。具体的には、補正ボリューム17は、一例として、第1筒体41の軸方向から見たときに、第1筒体41の径方向において、調光ボリューム6と(後述する)目盛り5の「1」が表記されている目盛線とを結ぶ直線上に配置されている。要するに、補正ボリューム17は、第1筒体41の軸方向から見たときに、調光ボリューム6の右斜め上に配置されている。
また、電源収容部412は、図4及び図7に示すように、規制プレート63を収容している。規制プレート63は、金属材により略円板状に形成されている。規制プレート63は、調光ボリューム6及び補正ボリューム17が収容されている筐体4の内部空間において、ボリューム基板60と第2筒体42との間に配置されるように収容されている。規制プレート63は、第2筒体42の回転範囲を規制するための部材である。電源収容部412の内周面には、ねじ孔を有した2つのリブが設けられていて、規制プレート63は、当該2つのリブに対してそれぞれ2本のねじ64(図4参照)により固定されている。
規制プレート63は、図4に示すように、調光ボリューム6の軸部62を挿通するための正方形状の窓孔65を中央に有している。規制プレート63は、その一部を第2筒体42に近づく方向に切り起こすことで形成された一対のストッパー66を有している。各ストッパー66は、矩形板状に形成されている。一対のストッパー66は、第2筒体42の後述する突起片424と接触することで、第2筒体42の回転可能な角度範囲を所定の範囲内(例えば250°の範囲内)に規制する。また、規制プレート63とボリューム基板60との間には、絶縁シート67(図4参照)が配置されている。絶縁シート67は、その中央に円形状の貫通孔670を有している。調光ボリューム6の軸部62は、貫通孔670を通り、更に規制プレート63の窓孔65を通って第2筒体42に向かって突出している。
また、規制プレート63は、図4に示すように、補正ボリューム17の操作部170と対向する領域において、規制プレート63の厚み方向に貫通する貫通孔19を有している。規制プレート63の厚み方向は、第1筒体41の軸方向に平行である。
ところで、補正ボリューム17は、調光ボリューム6とは異なり、所謂半固定タイプの可変抵抗器である。すなわち、補正ボリューム17は、調光ボリューム6とは異なり、頻繁に操作されるボリュームではない。したがって、補正ボリューム17は、ボリューム基板60の実装面に対して垂直に延びる軸部(シャフト)を有しておらず、操作部170は、一例として、十字穴を有している。十字穴は、貫通孔19から離れる向きに窪んでいる。第2作業者は、操作部170の十字穴に対して、ドライバ等の工具の先端を挿入して、操作部170を回すことで、補正ボリューム17の回転角度を変えることができる。ただし、補正ボリューム17は、調光ボリューム6と同様に軸部を有していてもよい。この場合、軸部の先端に、例えばマイナスドライバ等の工具の先端を挿入可能な溝が設けられていることが望ましい。
電源収容部412は、図1及び図2に示すように、アーム11の一対の支持部110A,110Bの先端部分がそれぞれ取り付けられる一対の取付部43を有している。各取付部43は、電源収容部412の内部に繋がる貫通孔430(図1参照)を有している。一対の取付部43は、電源収容部412の外周面412Aにおいて、左右方向における両端の領域にそれぞれ配置されている。各取付部43は、左右方向から見たときに、中心軸A1に沿った方向(図1では前後方向)における電源収容部412の略中央にある。また、各取付部43は、左右方向から見たときに、中心軸A1と左右方向とに直交する方向(図1では上下方向)における電源収容部412の略中央にある。電源収容部412は、一対の取付部43を介してアーム11によって軸L2(図1参照)を回転軸として回転可能に支持されている。図1では、軸L2は、左右方向に平行である。
ここで、筐体4の外周面4Aには、図1、図2及び図6に示すように、光源2の調光レベルの目安値となる目盛り5が設けられている。本実施形態では、一例として、目盛り5は、第1筒体41の外周面、すなわち、電源収容部412の外周面412Aにおいて、周方向D1に沿って設けられている。目盛り5は、外周面412Aにおける第2筒体42に隣接した領域に配置されている。
目盛り5は、印刷等の手段によって形成されている。あるいは、予め目盛り5が印刷されているシールが外周面412Aに張り付けられてもよい。また、目盛り5は、外周面412Aにエッチングにより凹凸を形成して凹部に塗料を流し込んで形成されてもよい。
目盛り5は、電源収容部412の外周面412Aにおける第2筒体42に隣接した周方向D1に沿う領域のうち、第1領域B1(図6参照)に設けられている。ただし、目盛り5は、外周面412Aにおける第2筒体42に隣接した周方向D1に沿う領域のうち、第1領域B1以外の領域である第2領域B2(図6参照)には設けられていない。
目盛り5は、図6に示すように、「●OFF」の黒塗りの丸印が表記されている位置(以下、単に「OFF」と呼ぶ)を始点とし、「OFF」から僅かに距離を空けて複数の目盛線が連続的に表記されている。目盛り5における隣り合う2本の目盛線の目幅が、調光レベルの1[%]分に相当する。調光レベル10[%]ごとの目盛線の下(図1では目盛線の前)に数値(「1」〜「10」までの数値)が記されている。例えば、数値「2」の記された目盛線は、調光レベル20[%]に相当する目安値となる。目盛り5は、図6に示すように、「10」が表記されている目盛線を終点としている。要するに、目盛り5は、「OFF」の位置から始まり調光レベルの下限値である5[%]から調光レベルの上限値である100[%]までの目安値を示している。
ここで、第1領域B1及び第2領域B2は、中心軸A1に沿った方向(図1では前後方向)から見て、軸L2を回転軸とした筐体4の回転方向C1(図1参照)に沿って向かい合うように配置されている。要するに、配線ダクト13に取り付けられる照明器具1の筐体4を、第1領域B1が概ね鉛直下方向を向くように、アーム11に対して回転させることができる。この時、目盛り5が配されていない第2領域B2は、概ね鉛直上方向(つまり天井側)を向くことになる。そのため、第1作業者は、配線ダクト13に取り付けられる照明器具1を下から見上げたときに、第1領域B1における目盛り5を容易に視認することができる。なお、図6において、第1領域B1及び第2領域B2を示す点線は、説明を分かり易くするために図示されているものであって、実体を伴うものではない。
また、電源収容部412は、図4及び図7に示すように、その内周面において、周方向D1に沿って延びているガイド溝413を有している。ガイド溝413は、電源収容部412の内周面における第2筒体42に隣接した領域に形成されている。つまり、ガイド溝413は、概ね第1領域B1及び第2領域B2の裏側の領域に形成されている。ガイド溝413は、後述する第2筒体42の4つの爪部421が嵌め込まれるための溝である。
(2.3.3)第2筒体
第2筒体42は、図1、図2、図4〜図8に示すように、その軸方向(図1では前後方向)における一面(図1では前面)が開放された扁平な円筒形状に形成されている。第2筒体42の外径は、一例として第1筒体41の外径と実質的に等しくなるように設定されている。また、第2筒体42は、一例としてその軸方向における寸法が第1筒体41の軸方向における寸法に比べて十分に小さくなるように設定されている。第2筒体42は、例えばPBT(Polybutylene terephthalate)樹脂により形成されている。第2筒体42は、第1筒体41の中心軸A1を回転軸として第1筒体41に対して回転可能に取り付けられている。
第2筒体42は、図2及び図6に示すように、その外周面42Aに、指示線420を有している。指示線420は、例えば、細長い溝を設けてその溝内に塗料を流し込んで形成されている。
第2筒体42は、図5に示すように、開放された一面側の周縁において、4つの爪部421を有している。4つの爪部421は、第2筒体42の周方向に沿って等間隔に配置されている。各爪部421の先端は、第2筒体42の径方向に沿って軸から離れる向きに突出している。4つの爪部421は、電源収容部412のガイド溝413に対して周方向D1に沿ってスライド移動可能に嵌め込まれている。つまり、各爪部421の突出する先端の前後方向における寸法は、ガイド溝413の前後方向における幅寸法よりも僅かに小さく設定されている。更に、各爪部421の突出する先端は、第2筒体42の軸方向から見て、周方向D1と平行するように円弧状に湾曲している。
このように、4つの爪部421がガイド溝413にスライド移動可能に嵌め込まれていることで、中心軸A1を回転軸として、第1筒体41に対して第2筒体42を滑らかに回転させることができ、第2筒体42に対する操作性の向上を図ることができる。また、4つの爪部421が等間隔に設けられているため、爪部421の数が例えば1つ又は2つの場合に比べて、第1筒体41に対する第2筒体42のより安定した回転操作を提供することができる。また、第1筒体41に対する第2筒体42の脱落をより低減することができる。
第2筒体42は、図5に示すように、その内底面の中心部において、軸固定部422を更に有している。軸固定部422は、調光ボリューム6の軸部62を受けるための部材である。軸固定部422は、内底面から筒状に突出し、その先端に、軸固定部422の軸方向から見て略D字形状に窪んだ穴を有している。調光ボリューム6のD字状にカットされた軸部62が、軸固定部422のD字形状の穴内に嵌め込まれることで、第2筒体42が軸部62に固定されている。したがって、第2筒体42の回転に伴い、軸固定部422に嵌め込まれている調光ボリューム6の軸部62も回転する。
更に、第2筒体42は、その内底面において、軸固定部422を補強する補強リブ423の外側に、突起片424を有している。突起片424は、略台形の板状に形成されている。突起片424は、第1筒体41に近づく方向に突出している。突起片424は、第2筒体42が回転操作を受けたときに、規制プレート63の一対のストッパー66の一方に接触することで、第2筒体42の更なる回転が規制される。言い換えると、指示線420が目盛り5の「OFF」と対向する位置にあるときに、突起片424が一方のストッパー66と接触するように、突起片424及びストッパー66の位置関係が規定されている。また、指示線420が目盛り5の数値「10」が記された目盛線と対向する位置にあるときに、突起片424が他方のストッパー66と接触するように、突起片424及びストッパー66の位置関係が規定されている。
ここで、第2筒体42は、補正ボリューム17が収容されている筐体4の内部空間と筐体4の外部空間とを繋ぐ操作孔18を有している。操作孔18は、第1筒体41の軸方向と交差する第2筒体42の一表面42Bに設けられている。本実施形態では、一表面42Bは、第2筒体42の底部の平坦な後面に相当し、第1筒体41の軸方向と概ね直交している。操作孔18は、第2筒体42の底部をその厚み方向に貫通している。
第2筒体42において操作孔18が設けられている部位は、第2筒体42の回転角度が所定の回転角度(回転位置)に等しい場合に操作部170と対向する部位である。したがって、操作孔18は、第2筒体42が所定の回転角度にあるときのみ、規制プレート63の貫通孔19を介して、補正ボリューム17の操作部170と対向する。本実施形態では、一例として、指示線420が目盛り5の「OFF」と対向する位置にあるときに(図2参照)、第2筒体42が所定の回転角度にある。言い換えると、指示線420が目盛り5の「OFF」と対向するように第2筒体42を回すことで、操作孔18と貫通孔19と操作部170とが、第1筒体41の軸方向に沿って一列に並ぶように配置される。要するに、指示線420が目盛り5の「OFF」の位置にあるとき、第2作業者は、操作孔18を通じて、第2作業を行うことができる。
指示線420が目盛り5の「OFF」の位置以外の位置にあるとき、第2筒体42が所定の回転角度以外の回転角度となるため、操作孔18だけが、貫通孔19及び操作部170が並ぶ上記一列から外れることになる。この場合、操作孔18を覗いても、筐体4の内部空間が規制プレート63によって遮られるため、意図せず工具の先端がボリューム基板60近くまで挿入されてしまうという可能性を低減することができる。
第2作業が行われないときに、操作孔18は、図6及び図7に示すように、例えばシリコーンゴム製のシール部材16で塞がれていることが好ましい。この場合、第1作業を行う予定の第1作業者が、意図せず操作部170を操作してしまう可能性を更に低減することができる。また、埃等の異物が操作孔18から筐体4内に侵入することを抑制することができる。
ところで、操作孔18は、第2筒体42の平坦な一表面42Bに設けられている。そのため、例えば、操作孔18が第2筒体42の外周面42Aに設けられている場合と比べて、操作孔18の周縁部分が破損してしまう可能性を低減することができ、また、埃等の異物の侵入を防ぐためのシール部材16を安定的に取り付けることができる。また、第1筒体41の軸方向に沿ってドライバ等の工具を操作孔18へ挿入することができるため、作業性の向上を図ることができる。
第1筒体41及び第2筒体42の組み立てに関しては、調光ボリューム6のD字状の軸部62をD字状の軸固定部422の穴に合わせつつ、4つの爪部421をそれぞれ中心軸A1に向かって弾性変形させて第1筒体41内へ挿入すればよい。軸部62が軸固定部422の穴に挿入され、かつ、弾性変形した4つの爪部421がガイド溝413に到達することで弾性復帰してガイド溝413内に入り込む。その結果、第2筒体42が第1筒体41に取り付けられる。
(2.4)光学レンズ、反射部材及びバッフル
光学レンズ8は、出射口410付近において、光源2の配光を制御するように構成されている。光学レンズ8は、透光性を有し、図1に示すように略円板状に形成されている。光学レンズ8には、光源2からの直接光、及び反射部材9からの反射光が入射される。光学レンズ8の軸方向は、光軸L1と平行である。光学レンズ8は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明樹脂材料、又はガラス等の透明材料によって形成されている。光学レンズ8は、図1に示すように、一例としてフレネルレンズである。光学レンズ8は、反射部材9からの光を集光して効率良く出射する。
反射部材9は、図1に示すように、光源2から放射された光を、光学レンズ8に向けて反射させるように構成されている。反射部材9は、例えばPBT樹脂等の硬質の白色樹脂材料から形成されている。反射部材9の内側面には、アルミニウム等の金属膜が設けられてもよい。
反射部材9は、その軸方向における両端が開口した略円筒形状に形成されている。反射部材9の軸方向は、光軸L1と平行である。反射部材9は、光源2から放射された光が入射する第1端部(図1では後端部)と、光学レンズ8に向かって光が出射する第2端部(図1では前端部)と、を有している。光学レンズ8は、反射部材9の第2端部の周縁において第2端部を覆うように取り付けられている。
反射部材9は、第1端部から第2端部に向かって内径が漸次大きくなるように形成されている。要するに、第2端部の内径は、第1端部の内径よりも大きい。反射部材9は、上述のような構造を有することで、光源2から放射された光を光学レンズ8に向けて効率良く反射する。
バッフル10は、図1に示すように、両端が開口した略円筒形状に形成されている。バッフル10の軸方向は、光軸L1と平行である。バッフル10は、例えば、ポリカーボネート又はPBT等の樹脂材料によって形成されている。バッフル10の内側面(光軸L1側の面)は、黒色のグレア抑制面として形成されている。グレア抑制面は、例えば、バッフル10の内側面を黒色に塗装して艶消し処理を施すことにより実現される。あるいは、グレア抑制面は、黒色に塗装した面、又は、黒色の部材からなる面に、シボ加工を施すことによって実現されてもよい。本実施形態のバッフル10は、図1に示すように、その内側面に、グレアをさらに抑制するための複数の段部を有している。
(2.5)点灯装置
点灯装置3は、図3に示すように、例えば、整流回路30と、電力変換回路31と、制御回路32と、定電流回路33と、制御部34と、を備えている。
整流回路30は、ダイオードブリッジで構成されている。整流回路30の交流入力端に交流電源7が電気的に接続されている。整流回路30は、交流入力端に入力される交流電圧を全波整流し、整流後の脈流電圧(入力電圧V1)を脈流出力端から出力する。
電力変換回路31は、例えば昇降圧チョッパとも呼ばれるバックブーストコンバータであって、整流回路30の脈流出力端間から出力される入力電圧V1を昇圧又は降圧して所望の電圧(出力電圧V2)に変換するように構成されている。電力変換回路31は、スイッチング素子、インダクタ、ダイオード及び平滑コンデンサ等を有している。
制御回路32は、例えば、コンバータ用のドライバIC(Integrated Circuit)で構成されている。電力変換回路31のスイッチング素子は、制御回路32によってPWM(Pulse Width Modulation)制御される。具体的には、制御回路32は、目標値に一致させるように駆動信号のデューティ比を調整して、駆動信号を電力変換回路31のスイッチング素子に出力する。制御回路32は、制御部34から制御回路32を待機状態にするための指示信号を受け取ると、駆動信号のデューティ比を0[%]にすることでスイッチング素子を駆動させない(オフ状態に維持する)。スイッチング素子が駆動されなければ、平滑コンデンサの充電電荷が放電されるにつれて電力変換回路31の出力電圧V2が低下する。
定電流回路33は、光源2のLEDチップに供給される負荷電流I1を定電流化するように構成されている。定電流回路33は、負荷電流I1の大きさを検出して、負荷電流I1の大きさを目標値に一致させるように、その負荷電流I1が流れる電流経路に設けられたトランジスタ(例えば、エンハンスメント形のnチャンネルMOSFET)を駆動する。
制御部34は、例えば、マイクロコントローラで構成されている。制御部34は、第2筒体42の回転角度(回転位置)に応じて光源2の調光レベルを変更するように構成されている。回転角度は、第2筒体42の指示線420が「OFF」の位置にあるときを基準とした角度である。制御部34は、調光ボリューム6の抵抗値に対応した電圧信号を受け取るための入力端子を有している。具体的には、図3に示すように、調光ボリューム6(可変抵抗器)及び補正ボリューム17(可変抵抗器)から構成された直列回路の両端には定電圧Vccが印加されていて、制御部34は、入力端子において、調光ボリューム6で分圧された電圧を受け取る。
また、制御部34は、駆動信号を定電流回路33へ出力するための第1出力端子を有している。制御部34は、調光ボリューム6の抵抗値に対応する調光レベルをデータとしてメモリ内に記憶している。制御部34は、調光レベルが高くなるほどデューティ比が大きくなるPWM信号として駆動信号を生成し、定電流回路33へ出力する。また、制御部34は、制御回路32へ待機状態にするための指示信号を出力するための第2出力端子を有している。
制御部34は、入力端子に入力される電圧信号に対応した調光レベルが100[%]から下限値(例えば、5[%])までの範囲であれば、調光レベルに対応したデューティ比を有するPWM信号(駆動信号)を第1出力端子から出力する。つまり、第2筒体42の指示線420が、調光レベルの目安値となる目盛り5において、5[%]に相当する目盛線から100[%]に相当する目盛線の間に範囲にある場合に、駆動信号が第1出力端子から出力される。定電流回路33は、負荷電流I1の検出電圧と、駆動信号(のデューティ比に対応した電圧)との差を小さくするようにトランジスタを駆動することで負荷電流I1を目標値に一致させる。
また、制御部34は、入力端子に入力される電圧信号に対応した調光レベルが0[%]、すなわち第2筒体42の指示線420が目盛り5の「OFF」の位置に合わせられると、定電流回路33を通じて負荷電流I1をゼロとし、光源2を消灯させる。さらに、制御部34は、第2出力端子から制御回路32に対して待機状態にするための指示信号を出力する。
ところで、例えば調光ボリューム6の劣化等に伴い、第2筒体42の回転角度と光源2の調光レベルとの対応関係にずれが生じることがある。すなわち、製造時では第2筒体42の指示線420を目盛り5の「OFF」の位置に合わせることで光源2が正確に消灯していても、上記ずれが生じると、目盛り5の「OFF」の位置に合わせても光源2が消灯しなくなることがある。同様に、指示線420を、例えば調光レベル50[%]に相当する目盛線に合わせても光源2が調光レベル60[%]で点灯してしまうことがある。そこで、制御部34は、補正ボリューム17の操作部170の調節位置(回転角度)に応じて第2筒体42の回転角度と調光レベルとの対応関係を補正するように構成されている。
具体的には、制御部34は、調光ボリューム6の抵抗値が例えば10[Ω]以下に設定されたときに入力端子にて受け取る分圧された電圧と同じ値を、光源2を消灯させるか否か判定するための閾値としてメモリ内に記憶している。しかし、調光ボリューム6の劣化等により、第2筒体42の指示線420を目盛り5の「OFF」の位置に合わせても、調光ボリューム6の抵抗値が10[Ω]以下に設定されずに、例えば100[Ω]までしか下がらない場合がある。この場合、100[Ω]の抵抗値に対応する分圧された電圧の値は、上記閾値よりも高いため、光源2が消灯されなくなる。ここで、第2作業者が操作部170を操作して補正ボリューム17の抵抗値を高く設定すれば、たとえ調光ボリューム6の抵抗値が劣化等により上昇しても、制御部34は、入力端子にて受け取る電圧の値を10[Ω]と同等の値にまで下げることができる。
(2.6)アーム、プラグ及びワイヤー
アーム11は、図1に示すように、第1筒体41の軸方向と直交する軸L2を回転軸として第1筒体41を回転可能に支持する。アーム11は、例えばアルミダイカストによって形成されている。アーム11は、細長い板状の一対の支持部と、一対の支持部の一端部同士を連結する角筒状の連結部111と、を有している。言い換えると、アーム11は、全体として、略U字形状に形成されている。ここでは、一対の支持部のうちの一方(図1では左方)の支持部を「支持部110A」と呼び、他方(図1では右方)の支持部を「支持部110B」と呼ぶ。
支持部110A,110Bの各々は、その先端部分(図1の下端部分)において、互いに近づく方向に突出した突起を有している。これらの突起は、対応する取付部43の貫通孔430内に回転可能に収容されている。連結部111及び支持部110Aは、それらの内部において、プラグ14に接続されている電線15(図1参照)が通るための細長い導通孔を有している。電線15は、連結部111及び支持部110Aの導通孔を通って、取付部43の貫通孔430から電源収容部412の内部に引き込まれ、点灯装置3の整流回路30の交流入力端と電気的に接続されている。
一方、支持部110Bは、図2及び図8に示すように、その先端部分(図2の下端部分)につまみねじ112を有している。つまみねじ112は、段付きねじであり、ねじ先が対応する取付部43の貫通孔430を通り、更に電源収容部412の内部にあるナットにねじ込まれている。
アーム11は、上述のような構成を有していることで、アーム11に対して筐体4を回転させることで、例えば鉛直方向に対する光源2の照射方向(光軸L1の方向)の角度を任意に変更することができる。
ところで、図8は、照明器具1の運搬時又は保管時における状態の平面図を示している。すなわち、第1筒体41の中心軸A1がアーム11の支持部110A,110Bの長手方向に沿うように筐体4をアーム11に対して回転させることで、照明器具1の全体をコンパクトすることができる。言い換えれば、照明器具1をこのような状態へ変形できるように、第1筒体41と第2筒体42の外径は、支持部110A,110B間の左右方向における距離よりも小さく設定されている。また、第2筒体42が連結部111と接触しないように、支持部110A,110Bの長手方向における寸法、及び軸L2から第2筒体42までの寸法が設定されている。
プラグ14は、図1に示すように、アーム11の連結部111の上端面における左右方向の中央に取り付けられている。プラグ14は、その上端において、外部に露出する一対の端子140を有している。プラグ14が配線ダクト13に取り付けられることで、端子140が交流電源7と電気的に接続されて、更に、点灯装置3が、プラグ14及び電線15を介して交流電源7と電気的に接続される。
落下防止用のワイヤー12は、その一端に、例えば圧着端子を有している。ワイヤー12は、圧着端子を介してアーム11の連結部111にねじ止めされている。また、ワイヤー12の他端には、ループ加工が施されていて、留め具のフックが引っ掛けられている。ワイヤー12は、留め具を介して、配線ダクト13に固定される。
(2.7)第1作業
以下、第1作業、すなわち光源2の調光状態の調節作業について、図2を参照しながら簡単に説明する。以下の説明では、配線ダクト13に取り付けられた状態にある照明器具1の筐体4が、予めアーム11に対して回転した状態、すなわち筐体4の軸方向が鉛直方向に対して傾斜していることを想定する。この時、目盛り5が設けられている第1領域B1が略鉛直下方向を向き、目盛り5が設けられていない第2領域B2が略鉛直上方向を向いた状態にあることを想定する。
まず、第1作業者は、照明器具1を下から見上げながら、「OFF」の位置にある第2筒体42の指示線420を確認する。すなわち、照明器具1の光源2は、図2の例では、消灯した状態にある。第1作業者は、図2に示すように、第2筒体42の外周面42Aに、例えば人差し指の腹を当てて、第2筒体42が第1筒体41に対して時計回りに回転するように指を下方へ移動させる。指示線420が調光レベルの下限値である5[%]の目安値を示す、最初の目盛線に到達すると、光源2が光照射を開始する。そこから更に第2筒体42を指の腹で回転させると、光源2の明るさが徐々に増加する。
例えば、この照明器具1の調光レベルを50[%]に設定する場合には、第1作業者は、数値「5」の記されている目盛線に指示線420を合わせればよい。また、照明器具1の調光レベルを100[%](全点灯)に設定する場合には、数値「10」の記されている目盛線に指示線420を合わせればよい。ただし、指示線420が数値「10」の記されている目盛線に到達すると、第2筒体42の突起片424がストッパー66に接触するため、それ以上第2筒体42が時計回りに回転出来ないように規制される。
このように、第1作業者は、第2筒体42を指一本で(指の腹を当てて)操作可能であるため、第1作業を容易に行うことができる。
(2.8)第2作業
以下、第2作業、すなわち補正ボリューム17の操作部170を回して上記対応関係に生じたずれを解消するための作業について、図9A及び図9Bを参照しながら簡単に説明する。
図9A及び図9Bは、筐体4をその軸方向に沿って後方から見た状態を示している。図9Aでは、第2筒体42が所定の回転角度以外の回転角度にあるため、操作孔18だけが、貫通孔19及び操作部170から外れた位置にある。図9Aでは不図示であるが、この時、第2筒体42の指示線420は、例えば、数値「1」の記されている目盛線と対向した位置にある。本実施形態では、指示線420が「OFF」以外の位置であれば、操作孔18は、貫通孔19及び操作部170から外れた位置にある。
図9Aの状態から、第2作業者は、第2筒体42の外周面42Aに人差し指の腹を当てて、第2筒体42を第1筒体41に対して反時計回りに回転させる(図9Aの矢印参照)。指示線420が「OFF」の位置に到達すると、図9Bに示すように、操作孔18が貫通孔19及び操作部170と第1筒体41の軸方向に沿って一列に並ぶため、操作部170が露出する。
ここで、もし上記対応関係にずれが生じていれば、たとえ指示線420が「OFF」の位置に到達していても、光源2は、例えば5[%]程度の調光レベルの明るさで点灯し続ける。第2作業者は、ドライバ等の工具の先端を操作孔18から挿入して、補正ボリューム17の抵抗値が高くなるように、操作部170を時計回りに回せばよい。この時、第2作業者は、光源2が消灯するまで操作部170を回し続ける。光源2が消灯すれば、補正作業が完了となり、シール部材16で操作孔18を塞げばよい。
本実施形態では、指示線420が「OFF」の位置にあるときに、操作孔18、貫通孔19及び操作部170が一列に並ぶように、これらの位置関係が規定されている。そのため、第2作業者は、照度計等を用いなくても、単に光源2が点灯状態から消灯状態に切り替わることを視認しながら、補正ボリューム17を回せばよい。したがって、第2作業者は、第2作業を容易に行うことができる。
このように、本実施形態の照明器具1は、第2筒体42が所定の回転角度となるように第2筒体42を回転させて、ドライバ等の工具の先端を操作孔18から挿入し、補正ボリューム17の操作部170を回すことで上記対応関係を補正することができる。その結果、上記対応関係にずれが生じても当該ずれの解消を図ることができる。また、第1作業者が、第1作業を行う予定の時に、誤って操作部170を操作してしまう可能性を低減することができる。したがって、照明器具1は、第1作業を行う(調光レベルを調節する)際の作業性の向上と、調光レベルの調節精度の低下の抑制とを図ることができる。また、操作部170又は(操作部170を回すための)つまみが、筐体4の外周面4Aから突出して設けられている場合に比べて、照明器具1全体としての意匠性(見栄え)の向上も図ることができる。
(3)変形例
以下に、変形例について、図10A〜10Cを参照しながら説明する。以下では上述した実施形態を「基本例」と呼ぶ。また、基本例と同じ構成要素については、基本例と同じ参照符号を付して、それらの構成要素の説明を適宜に省略する。
図10A及び10Bは、筐体4の要部を上から見た平面図を示している。また、図10Cは、筐体4の要部を右から見た側面図を示している。ただし、図10Cでは、説明の便宜上、筐体4内に収容されているボリューム基板60、調光ボリューム6及び補正ボリューム17Aが想像線(点線)で図示されている。
基本例では、操作孔18が第2筒体42の一表面42Bに設けられている。これに対して、本変形例は、図10A及び図10Bに示すように、操作孔18Aが第2筒体42の外周面42Aに設けられている点で、基本例と相違する。操作孔18Aは、外周面42Aの縁において、第1筒体41から離れる向きに凹むように形成されている。操作孔18Aは、第2筒体42の径方向から見たときに、略矩形状となっている。
また、本変形例の第1筒体41は、図10A及び図10Bに示すように、第2筒体42と対向する第2端の縁において、補正ボリューム17Aの操作部170Aと対向する部位に補助孔20を有している。操作部170Aと補助孔20との相対的な位置関係は不変である。補助孔20は、第2筒体42から離れる向きに凹み、かつ、筐体4の内部空間と外部空間とを繋ぐように形成されている。補助孔20は、第1筒体41の径方向から見たときに、略矩形状となっている。周方向D1における補助孔20の寸法は、周方向D1における操作孔18Aの寸法と略同じとなるように設定されている。
補正ボリューム17Aは、十字穴付きの操作部170Aを有している。補正ボリューム17Aは、基本例と異なり、所謂垂直タイプの可変抵抗器である。すなわち、基本例の補正ボリューム17の操作部170は、ボリューム基板60の実装面と平行な面に設けられていたが、操作部170Aは、ボリューム基板60の実装面と垂直な面に設けられている(図10C参照)。操作部170Aは、第1筒体41の径方向において、補助孔20と対向するように配置されている。
図10Aでは、第2筒体42の指示線420は、数値「1」の記されている目盛線と対向した位置にある。この時、基本例と同様に、第2筒体42は、所定の回転角度以外の回転角度にある。また、この時、操作孔18Aは、第1筒体41の軸方向に沿って補助孔20と並ぶことなく、周方向D1にずれた位置にある。
本変形例では、操作孔18Aは、図10Bに示すように、第2筒体42の回転角度が所定の回転角度に等しい場合に、第1筒体41の軸方向に沿って補助孔20と繋がる。言い換えると、第2作業者は、補助孔20の位置を目標として補助孔20と操作孔18Aとが軸方向に沿って並ぶように第2筒体42を回転させれば(図10Aの矢印参照)、操作孔18Aを通じて第2作業を行うことができる。したがって、第2作業者は、操作孔18Aを通じて筐体4内の操作部170Aを直接目視できるように位置合わせするといった手間が省け、第2作業を容易に行うことができる。
本変形例においても、基本例と同様に、指示線420が「OFF」の位置にあるとき、第2筒体42が所定の回転角度となる。第2作業者は、指示線420が目盛り5の「OFF」と対向するように第2筒体42を回すことで、操作孔18Aと補助孔20とが第1筒体41の軸方向に沿って繋がるように配置させることができる。したがって、更に作業性の向上を図ることができる。また、基本例と同様に、第2作業者は、照度計等を用いなくても、単に光源2が点灯状態から消灯状態に切り替わることを視認しながら、補正ボリューム17Aを回せばよい。したがって、第2作業者は、第2作業を容易に行うことができる。
ところで、操作孔18A及び補助孔20の各々の寸法がドライバ等の工具の先端の直径よりも小さくなるように、これらの寸法関係が規定されていることが好ましい。ただし、操作孔18Aと補助孔20とが繋がることで形成された1つの孔21(図10B参照)の寸法が上記直径よりも僅かに大きくなるように、これらの寸法関係が規定されていることが好ましい。この場合、第2筒体42が所定の回転角度以外の回転角度にあるにも関わらず、工具の先端が操作孔18A又は補助孔20に挿入されてしまうという状況を減らすことができる。
(4)その他の変形例
以下に、上の欄「(3)変形例」で説明した変形例以外のいくつかの変形例について列記する。以下に説明するいくつかの変形例も、上述した基本例又は変形例と適宜組み合わせて適用可能である。
基本例では、指示線420が「OFF」の位置にあるときに、第2筒体42が所定の回転角度となり、操作孔18、貫通孔19及び操作部170が軸方向に沿って一列に並ぶように、これらの位置関係が規定されているが、この限りではない。例えば、指示線420が目盛り5の5[%]の調光レベルを示す目盛線から100[%]の調光レベルを示す目盛線までのいずれかの位置で、第2筒体42が所定の回転角度となるように、位置関係が規定されていてもよい。ただし、この場合、第2作業者は、照度計等を用いて第2作業を行うことが望ましい。
基本例では、目盛り5が筐体4の外周面4Aに設けられているが、目盛り5は、照明器具1の必須の構成要素ではなく、設けられていなくてもよい。この場合において、上の欄「(2.8)第2作業」で説明したように、本来光源2が点灯状態から消灯状態に切り替わる第2筒体42の回転位置で、第2作業を行えばよい。
基本例では、調光ボリューム6と補正ボリューム17とは、直列に接続されているが、この限りではなく、並列に接続されていてもよい。この場合、調光ボリューム6と補正ボリューム17とから構成された並列回路に固定抵抗器が直列に接続され、制御部34は、入力端子にて上記並列回路の合成抵抗値に対応する分圧された電圧を受け取る。もし調光ボリューム6の抵抗値が劣化等により上昇して合成抵抗値が上昇しても、第2作業者が操作部170を操作して補正ボリューム17の抵抗値を低く設定すれば、制御部34は、入力端子にて受け取る電圧の値を下げることができる。
基本例では、第2筒体42の外径は、第1筒体41の外径に等しく設定されているが、この限りではない。例えば、第2筒体42の外径は、第1筒体41の外径よりも大きく設定されていてもよい。この場合、図8に示すような照明器具1の運搬時又は保管時における状態を考慮すれば、第2筒体42の外径は、アーム11の支持部110A,110B間の左右方向における距離よりも小さく設定されていることが好ましい。また、例えば、第2筒体42の外径は、第1筒体41の外径よりも小さく設定されていてもよい。この場合、第2筒体42の外径が極端に小さくなってしまうと、径方向における目盛り5と指示線420との距離が大きくなってしまい、調光レベルを調節する際の作業性が低下してしまうため、例えば、光学レンズ8の直径よりも大きいことが好ましい。ただし、作業性及び筐体4の意匠性(見栄え)の両方を考慮すれば、基本例のように第2筒体42の外径は、第1筒体41の外径に等しく設定されていることが望ましい。
(5)利点
以上説明したように、第1の態様に係る照明器具1は、光源2と、光源2の調光制御を行う制御部34と、補正ボリューム(17,17A)と、円筒形状の筐体4と、を備える。筐体4は、光源2、制御部34及び補正ボリューム(17,17A)を収容する。筐体4は、円筒形状の第1筒体41と、円筒形状の第2筒体42と、を有する。第1筒体41は、その軸方向における第1端に光源2から発せられた光を出射する出射口410を有する。第2筒体42は、第1筒体41の第1端とは反対側の第2端において、第1筒体41の中心軸A1を回転軸として第1筒体41に回転可能に取り付けられる。制御部34は、第2筒体42の回転角度に応じて光源2の調光レベルを変更し、更に、補正ボリューム(17,17A)の操作部(170,170A)の調節位置に応じて第2筒体42の回転角度と調光レベルとの対応関係を補正する。第2筒体42は、補正ボリューム(17,17A)が収容されている筐体4の内部空間と筐体4の外部空間とを繋ぐ操作孔(18,18A)を有する。第2筒体42において操作孔(18,18A)が設けられている部位は、第2筒体42の回転角度が所定の回転角度に等しい場合に操作部(170,170A)と対向する部位である。
第1の態様によれば、第1作業を行う(調光レベルを調節する)際の作業性の向上と、調光レベルの調節精度の低下の抑制とを図ることができる。また、照明器具1全体としての意匠性(見栄え)の向上も図ることができる。
第2の態様に係る照明器具1に関して、第1の態様において、操作孔18は、上記軸方向と交差する第2筒体42の一表面42Bに設けられていることが好ましい。第2の態様によれば、例えば、操作孔18が第2筒体42の外周面42Aに設けられている場合と比べて、操作孔18の周縁部分が破損してしまう可能性を低減することができる。
第3の態様に係る照明器具1は、第2の態様において、上記内部空間において補正ボリューム17と第2筒体42との間に配置されて、第2筒体42の回転範囲を規制する規制プレート63を更に備えることが好ましい。規制プレート63は、操作部170と対向する領域において、当該規制プレート63の厚み方向に貫通する貫通孔19を有することが好ましい。操作孔18は、第2筒体42の回転角度が上記所定の回転角度に等しい場合に、貫通孔19及び操作部170と対向することが好ましい。
第3の態様によれば、第2筒体42の回転範囲を規制することができるため、例えば調光ボリューム6の回転可能な範囲の限界近くまで調光ボリューム6が回転されることが抑制される。したがって、調光ボリューム6の劣化の低減を図りながらも、ドライバ等の工具の先端を貫通孔19及び操作部170を挿入し、操作部170を回すことができる。
第4の態様に係る照明器具1に関して、第1の態様において、操作孔18Aは、第2筒体42の外周面42Aに設けられていることが好ましい。第4の態様によれば、例えば、操作孔18Aが第2筒体42の一表面42Bに設けられている場合と比べて、第2作業者が操作孔18Aを容易に視認することができる。
第5の態様に係る照明器具1に関して、第4の態様において、第1筒体41は、第2端の縁において、操作部170Aと対向する部位に補助孔20を有することが好ましい。補助孔20は、第2筒体42から離れる向きに凹み、かつ、上記内部空間と上記外部空間とを繋ぐように形成されていることが好ましい。操作孔18Aは、外周面42Aの縁において、第1筒体41から離れる向きに凹むことが好ましい。操作孔18Aは、第2筒体42の回転角度が上記所定の回転角度に等しい場合に、上記軸方向に沿って補助孔20と繋がることが好ましい。
第5の態様によれば、第2作業者は、第2作業を行う際に、補助孔20の位置を目標として補助孔20と操作孔18Aとが軸方向に沿って並ぶように第2筒体42を回転させることができる。したがって、作業性の向上を図ることができる。
第6の態様に係る照明器具1に関して、第1の態様〜第5の態様のいずれか1つにおいて、筐体4の外周面4Aには、調光レベルの目安値となる目盛り5が筐体4の外周面4Aの周方向D1に沿って設けられていることが好ましい。第6の態様によれば、第1作業及び第2作業の作業性の向上を図ることができる。
第7の態様に係る照明器具1に関して、第1の態様〜第6の態様のいずれか1つにおいて、第2筒体42の外径は、第1筒体41の外径に等しい、又は第1筒体41の外径よりも大きいことが好ましい。第7の態様によれば、第2筒体42に対する操作性の向上を図ることができる。特に、第2筒体42の外径が第1筒体41の外径に等しい場合、第1筒体41及び第2筒体42を一体感のある筐体4として提供することができ、照明器具1全体としての意匠性(見栄え)の向上も図ることができる。
第8の態様に係る照明器具1は、第1の態様〜第6の態様のいずれか1つにおいて、出射口410に取り付けられて、光源2の配光を制御する光学レンズ8を更に備えることが好ましい。第2筒体42の外径は、第1筒体41の外径よりも小さく、かつ、光学レンズ8の直径よりも大きいことが好ましい。第8の態様によれば、光学レンズ8を通じて配光制御を行うことができ、更に、第2筒体42に対する操作性の向上を図ることができる。