以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾点が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
さらに、以下において警報器は、LPガス向けや都市ガス向けのガス警報器(CO警報機能を含む)を例に説明するが、これに限らず、火災警報器や人感警報器などであってもよいし、2以上警報器の機能を組み合わせたタイプのもの(例えばガス火災警報器)であってもよい。さらには、コンセント式の警報器であってもよいし、電池式の警報器であってもよい。加えて、警報器は、他の警報器と連動して動作する機能を有するものであってもよい。
図1は、本発明の第1実施形態に係るガス警報器の外観構成図を示す斜視図であり、図2は、図1に示すガス警報器のブロック図である。図1及び図2に示すように、ガス警報器1は、図2に示すガスセンサ(センサ部)10、CPU20、スピーカ30、白色LED(白色発光体、発光部)40、及びスイッチ50を備えるものであり、これらが樹脂ケースである筐体2に覆われた構造となっている。
筐体2は、前面側の上ケース2aと背面側の下ケース2bとからなり、これらの内部に上記した各種構成を搭載した配線板(後述の符号WB)が収納されている。このような筐体2には、前面側である上ケース2aに、ガスセンサ10を内部に備えた検出部3と、警報出力用のスピーカ30を内部に備えた報知部4とが形成されると共に、白色LED40及びスイッチ50を内部に備えたカバースイッチ(カバー部材、発光部)5が設けられている。なお、後述するように白色LED40とカバースイッチ5とによって発光部が形成される。
検出部3内のガスセンサ10は、周囲に検出対象となるガスが存在する場合にその濃度に応じた信号(周囲環境に応じた信号の一例)を出力するものである。また、検出部3は、作業員によるガス警報器1の点検を行うためにガスを噴き付けるための点検口3aを有している。
CPU20は、ガス警報器1の全体を制御するものであり、異常判断部21を備えている。異常判断部21は、ガス漏れや一酸化炭素の高濃度異常が発生していると判断された場合(周囲に異常が発生していると判断された場合の一例)に、その旨の制御を行うものである。
報知部4内のスピーカ30は、異常判断部21により異常が発生していると判断された場合に、警報音声を出力するものである。なお、ガス警報器1は、スピーカ30に代えてブザーを備えていてもよい。警報音声はスイッチ50の操作(所定時間以内の短押し)によって停止する。
図3は、図1に示したカバースイッチ5付近の拡大図であって、カバースイッチ5を取り除いた状態を示している。図3に示すように、ガス警報器1からカバースイッチ5を取り除くことにより、例えば白色LED40と、スイッチ50と、配線板WBの一部が露出するようになっている。
白色LED40は、白色(電球色、昼白色、及び昼光色を含む)に発光する半導体発光素子であって、例えば第1LED41及び第2LED42の2つのLEDによって構成されている。ここで、図2に示すようにCPU20は異常判断部21に加えて発光制御部22を備えている。白色LED40は、異常判断部21により異常状態が判断された場合、異常状態をユーザに示すために発光制御部22によって点滅させられる。この点滅はスイッチ50の所定の操作(例えば所定時間以内の短押し)によって停止する。
なお、第1実施形態においてガス警報器1は、白色LED40を備えているが、特にLEDに限らず、例えば白色に発光可能であればランプなどの他の構成であってもよい。
また、図3に示すように、スイッチ50は押圧式のスイッチでありユーザが操作可能な操作部として機能する。スイッチ50を操作する場合、ユーザは、カバースイッチ5をガス警報器1の後方側に押し込む。これにより、カバースイッチ5に設けられる突起(図示せず)がスイッチ50のボタン部50aを押下し、スイッチ50を操作することができる。
ここで、図1に示したカバースイッチ5は、内部に白色LED40が設けられることから、白色LED40の光出射側に設けられるカバー部材としても機能する。このカバースイッチ5は、白色、透明又は半透明(やや白みがかった透明)の樹脂によって形成されており、白色LED40からの光を他の色(赤や緑など)としてユーザに視認させることがない構成となっている。
ここで、発光制御部22は、異常判断部21によりガス漏れや一酸化炭素の高濃度異常が発生していると判断されず、電池やコンセントを通じて電力が供給されている状態において、白色LED40を点灯させる(すなわち常時発光状態とする)。これにより、ガス警報器1は、異常がない通常時(正常状態)においてカバースイッチ5から白色光が出力される状態となる。このため夜間においては、常夜灯として機能させることができる。すなわち、異常時において視認性に優れる緑や赤などの色を用いることなく、白色光を出力して常夜灯として適切に機能させている。特に、ガス警報器1にあっては、ガス漏れや一酸化炭素の高濃度異常が家庭等において殆ど発生しない可能性もあり、上記の如く、白色光を出力して常夜灯として機能させることが好ましいケースもある。このように、第1実施形態では正常時において点灯制御により白色光を出力し、異常時には点滅制御により白色光を出力させることで、又は赤色や黄色の発光部を備える場合には点滅制御によりこれらの光を出力させることで、常夜灯として機能させつつも異常報知に支障がないようにしている。
ここで、カバースイッチ5はガス警報器1を正面視して所定以上の面積(例えばガス警報器1の正面面積の30分の1以上など)を有するものであることが好ましい。さらに、カバースイッチ5は、白色LED40からの光を拡散させるものであることが好ましい。これにより、適切に常夜灯として機能させ易くなるからである。
加えて、発光制御部22は、白色LED40の点灯制御状態(常時発光状態)において、スイッチ50に対する所定の操作(所定時間以内の短押し)がある毎に、白色LED40の発光輝度を変化させることが好ましい。これにより、ガス警報器1の設置個所と寝る場所が近い場合などに白色LED40の輝度を低下させたり、ガス警報器1の設置個所の部屋がかなり広い場合などに白色LED40の輝度を高めたりすることができるからである。なお、発光輝度は、パルス幅変調(PWM)制御、電圧制御、及び電流制御のいずれか1つによって行われる。
図4は、第1実施形態に係るガス警報器1の制御方法を示すフローチャートである。なお、図4に示す処理はガス警報器1の電源投入により開始し、電源が遮断されることにより終了するものとする。
図4に示すように、まずCPU20は、初期点検等を行った後に、センサ信号を入力する(S1)。次いで、異常判断部21は、ガス漏れや一酸化炭素の高濃度異常などの異常状態であるかを判断する(S2)。異常状態であると判断した場合(S2:YES)、発光制御部22は、白色LED40を点滅させる点滅制御を実行すると共に、CPU20はスピーカ30から警報音声を出力させる(S3)。
次に、CPU20は、スイッチ50が短押しされたかを判断する(S4)。短押しされていないと判断した場合(S4:NO)、処理はステップS1に移行する。一方、短押しされたと判断した場合(S4:YES)、発光制御部22は、白色LED40を点灯させる点灯制御を実行すると共に、CPU20はスピーカ30から警報音声を停止させる。そして、この状態を所定時間継続する(S5)。その後、処理はステップS1に移行する。
ところで、異常状態でないと判断した場合(S2:NO)、発光制御部22は白色LED40を点灯させる点灯制御を実行する(S6)。次いで、CPU20は、スイッチ50が短押しされたかを判断する(S7)。短押しされていないと判断した場合(S7:NO)、処理はステップS1に移行する。
一方、短押しされたと判断した場合(S7:YES)、発光制御部22は、白色LED40の発光輝度を変化させる(S8)。そして、処理はステップS1に移行する。
図5は、図4に示した発光輝度の変化処理を示す概念図である。図5に示すように、まずCPU20は、電源投入後に初期点検等を行う。初期点検終了後、ガス警報器1は監視状態に移行する。この監視状態において異常が発生していない場合、すなわち正常状態である場合、発光制御部22はデューティ比を100%とする制御信号を出力して白色LED40を点灯させる。
この状態において、カバースイッチ5(スイッチ50)が短押しされたとする。これにより、発光制御部22はデューティ比を50%とする制御信号を出力して白色LED40を点灯させ、発光輝度を低下させる。
次に、発光輝度を低下させた状態で、カバースイッチ5(スイッチ50)が再度短押しされたとする。これにより、発光制御部22はデューティ比を20%とする制御信号を出力して白色LED40を点灯させ、発光輝度を低下させる。
その後、更にカバースイッチ5(スイッチ50)が短押しされたとする。この場合、発光制御部22はデューティ比を50%とする制御信号を出力して白色LED40を点灯させ、発光輝度を高める。
次いで、更にカバースイッチ5(スイッチ50)が再度短押しされたとする。この場合、発光制御部22はデューティ比を100%とする制御信号を出力して白色LED40を点灯させ、発光輝度を高める。以後、上記を繰り返すこととなる。
このようにして、第1実施形態に係るガス警報器1によれば、発光部は、白色LED40と、白色、透明又は半透明のカバースイッチ5とを含み、異常が発生していると判断されず、電力が供給されている状態において白色LED40が点灯することから、緑や赤でなく、白色に点灯させることができ、適切に常夜灯として機能させることができる。
また、白色LED40の発光輝度を変化させるため、設置個所と寝る場所が近い場合などに白色LED40の輝度を低下させて常夜灯を暗くしたり、設置個所の部屋がかなり広い場合などに白色LED40の輝度を高めて常夜灯を明るくしたりすることができる。
また、スイッチ50は、カバースイッチ5を押下することにより操作されるものであるため、発光部を押下することで輝度を調整することができる。ここで、ユーザは電気を消してガス警報器1を常夜灯として機能させたときに明るくしたり暗くしたりする傾向にあり、発光部とカバースイッチ5とが離れていると電気を消した暗い環境下においては輝度調整を行い難くなってしまうが、上記構成であると、このような環境下においても発光部を押下することで輝度を調整することができ、輝度変化操作の容易化を図ることができる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る警報器は第1実施形態のものと同様であるが、一部構成等が異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
図6は、第2実施形態に係るガス警報器1aのブロック図である。図6に示すように、第2実施形態に係るガス警報器1aは、新たに緑色LED(他色発光体)60と、赤色LED70とを備えている。緑色LED60は、緑色(白色LED40とは異なる色)に発光する半導体発光素子である。赤色LED70は、赤色に発光する半導体発光素子である。これらLED60,70は、白色LED40に隣接して設けられ、カバースイッチ5を介して光を外部に出射するが、これに限らず、他の箇所において外部に光を出射可能に設けられてもよい。
また、第2実施形態に係るガス警報器1aは、異常判断部21により異常が発生していると判断されない場合において、電力が供給状態にあることを示すために、緑色LED60を通電表示灯として発光可能となっている。さらに、第2実施形態に係るガス警報器1aは、異常判断部21により異常が発生していると判断された場合に、赤色LED70を警報表示灯として発光させる構成となっている。
なお、第2実施形態においてガス警報器1aは、緑色LED60と、赤色LED70とを備えているが、これに限らず、例えば緑色のランプ(他色発光体の一例)や、白色ランプと緑色の半透明樹脂カバー(他色発光体の一例)により、緑色に発色可能な構成としてもよい。赤色LED70についても同様に赤色のランプや、白色ランプと赤色の半透明樹脂カバーにより、赤色に発色可能な構成としてもよい。
さらに、第2実施形態においてCPU20は、発光選択部23と、点灯禁止部24とを備えている。
発光選択部23は、異常判断部21により異常が発生していると判断されず、且つ、電力が供給されている状態において、白色LED40と、緑色LED60とのどちらを点灯させるか選択可能な機能部である。選択操作は、例えばスイッチ50に対して規定の操作(規定時間内の複数回押しなど)を行うことでなされ、発光選択部23は、初期状態が白色LED40の選択状態である場合に選択操作がされると、選択対象を緑色LED60に変更し、緑色LED60の選択状態である場合に選択操作がされると、選択対象を白色LED40に変更する。
なお、選択操作はスイッチ50を介したものに限らず、例えばスマートフォンや専用機器などからの選択信号を有線又は無線によってガス警報器1aに送信することで行われるようになっていてもよい。これにより、例えばユーザが保有するスマートフォン等を操作して、選択対象を白色LED40にしたり緑色LED60にしたりすることが可能となるからである。特にスマートフォンのような画面及びタッチパネルを有する機器を利用することにより、例えばユーザに現在の選択対象を表示させたり画面の所定箇所をワンタッチ操作させるだけで選択対象を変更させたりすることができ、利便性に優れることとなる。
点灯禁止部24は、ユーザからのスイッチ50に対する特定の操作(例えば特定時間以上の長々押し)に応じて、発光制御部22による白色LED40の点灯を禁止させるものである。すなわち、点灯禁止部24は、白色LED40の点灯を禁止させて、常夜灯機能を無効化するものである。これにより、ガス警報器1aが常夜灯として機能することを望まないユーザにとっての利便性を向上させることができる。
なお、白色LED40の点灯が禁止される状態において、再度ユーザからの特定の操作があった場合には、禁止が解除される。また、特定の操作は上記と同様にスイッチ50に対して行われてもよいし、スマートフォンや専用機器に対して有線又は無線によって行われるようになっていてもよい。
加えて、点灯禁止部24により常夜灯機能が無効化されている場合には、発光選択部23は強制的に緑色LED60の選択状態となり、白色LED40を選択するための規定の操作を受け付けないようになっていてもよい。
図7は、第2実施形態に係るガス警報器1aの制御方法を示すフローチャートである。なお、図7に示すフローチャートにおいて図4に示す処理と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略するものとする。また、図7に示す処理はガス警報器1aの電源投入により開始し、電源が遮断されることにより終了するものとする。
図7に示すように、異常判断部21により、ガス漏れや一酸化炭素の高濃度異常などの異常状態であると判断された場合(S2:YES)、発光制御部22は、赤色LED70を点滅させる点滅制御を実行すると共に、CPU20はスピーカ30から警報音声を出力させる(S10)。
次に、CPU20は、スイッチ50が短押しされたかを判断し(S4)、短押しされたと判断した場合(S4:YES)、発光制御部22は、選択対象を点灯させる点灯制御を実行すると共に、CPU20はスピーカ30から警報音声を停止させる。そして、この状態を所定時間継続する(S11)。その後、処理はステップS1に移行する。ここで、選択対象とは、白色LED40と緑色LED60とのうち、発光選択部23により選択されている方をいう。さらに、点灯禁止部24により常夜灯機能が無効化されている場合には、選択対象は緑色LED60となっている。
一方、異常状態でないと判断した場合(S2:NO)、発光制御部22は選択対象を点灯させる点灯制御を実行する(S12)。選択対象は上記と同じである。次いで、CPU20は、白色LED40が選択対象となっているかを判断する(S13)。白色LED40が選択対象となっていないと判断した場合(S13:NO)、処理はステップS1に移行する。
白色LED40が選択対象となっていると判断した場合(S13:YES)、図4を参照して説明したステップS7,S8の処理と同じ処理が実行される。
このようにして、第2実施形態に係るガス警報器1aによれば、第1実施形態と同様に、適切に常夜灯として機能させることができると共に、常夜灯を暗くしたり明るくしたりすることができる。また、輝度変化操作の容易化を図ることができる。
さらに、第2実施形態によれば、白色LED40と、緑色LED60とのどちらを点灯させるか選択可能な発光選択部23を備えるため、緑色LED60を例えば通電表示灯として点灯させることや、常夜灯として白色LED40を点灯させることが選択可能となる。これにより、例えば通電表示灯と常夜灯との使い分けが可能となり、より利便性に優れたものとすることができる。
また、発光制御部22による白色LED40子の点灯を禁止させる点灯禁止部24をさらに備えるため、常夜灯機能を必要としない場合には、通常の警報器として使用することができる。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る警報器は第2実施形態のものと同様であるが、一部構成等が異なっている。以下、第2実施形態との相違点を説明する。
図8は、第3実施形態に係るガス警報器1bのブロック図である。図8に示すように、第3実施形態に係るガス警報器1bは、新たに照度センサ80を備えている。照度センサ80は、外部の照度に応じた信号を出力するものであって、例えばフォトダイオードと電流増幅回路を1チップ化されたものによって構成されている。
さらに、第3実施形態において発光制御部22は、照度センサ80からの信号に基づく照度に応じて、常夜灯として機能させる白色LED40の発光輝度を変化させる構成となっている。例えば、発光制御部22は、周囲が暗くなるほど発光輝度を高くして適度な明るさを保ったり、周囲の明るさと発光輝度との差を同じにすべく周囲が暗くなるほど発光輝度を低くして人がガス警報器1bに対して感じる明るさを一定にしたりすることができる。
また、第3実施形態に係る発光選択部23は、照度センサ80からの信号に基づく照度が所定値よりも高い場合に緑色LED60を選択し、照度センサ80からの信号に基づく照度が所定値以下となる場合に白色LED40を選択する。これにより、ガス警報器1bは、暗いときに自動的に常夜灯機能を発揮し、明るいときに自動的に通電表示灯を表示することとなる。
図9は、第3実施形態に係るガス警報器1bの制御方法を示すフローチャートである。なお、図9に示すフローチャートにおいて図7に示す処理と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略するものとする。また、図9に示す処理はガス警報器1bの電源投入により開始し、電源が遮断されることにより終了するものとする。
まず、第3実施形態に係るガス警報器1bにおいて、CPU20は照度センサ80からの信号を入力する(S14)。次に、発光選択部23は、ステップS14にて入力した信号に基づく照度が所定値以下であるかを判断する(S15)。所定値以下であると判断した場合(S15:YES)、発光選択部23は白色LED40を選択する(S16)。そして、処理はステップS18に移行する。
一方、ステップS14にて入力した信号に基づく照度が所定値以下でないと判断した場合(S15:NO)、発光選択部23は緑色LED60を選択する(S17)。そして、処理はステップS1に移行する。
ステップS18において発光制御部22は、ステップS14にて入力した信号に基づく照度に応じて、白色LED40の発光輝度を予め設定しておく(S18)。その後、ステップS1の処理の後に、異常判断部21により異常状態でないと判断された場合(S2:NO)、発光制御部22は、選択対象を点灯制御する(S12)。この処理において発光制御部22は、ステップS17にて緑色LED60が選択されている場合、緑色LED60を点灯させ、ステップS16にて白色LED40が選択されている場合、ステップS18にて設定した輝度で白色LED40を点灯させる。
このようにして、第3実施形態に係るガス警報器1bによれば、第2実施形態と同様に、適切に常夜灯として機能させることができると共に、常夜灯を暗くしたり明るくしたりすることができる。また、例えば通電表示灯と常夜灯との使い分けが可能となり、より利便性に優れたものとすることができると共に、常夜灯機能を必要としない場合には、通常の警報器として使用することができる。
さらに、第3実施形態によれば、外部の照度に応じて、白色LED40の輝度を変化させるため、周囲が暗くなるほど発光輝度を高くして適度な明るさを保ったり、周囲の明るさと発光輝度との差を同じにすべく周囲が暗くなるほど発光輝度を低くして人がガス警報器1bに対して感じる明るさを一定にしたりすることができる。
また、外部の照度が所定値よりも高い場合に緑色LED60を選択し、検出された照度が所定値以下となる場合に白色LED40を選択するため、例えば、夜間に電気を消した場合などに自動的に常夜灯機能を発揮でき、そうでない場合には通常の通電表示灯として点灯させることができる。
次に、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態に係る警報器は第3実施形態のものと同様であるが、一部構成等が異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
図10は、第4実施形態に係るガス警報器1cのブロック図である。図10に示すように、第4実施形態に係るガス警報器1cは、第1実施形態のものに加えて、照度センサ80及び人感センサ90を備えると共に、緑色LED60及び赤色LED70を備えている。照度センサ80、緑色LED60及び赤色LED70は、第2及び第3実施形態において説明したものと同じである。人感センサ90は、例えば焦電素子を用いた赤外線センサによって構成され、検出範囲内に存在する人体から発せられる赤外線を検出して検出信号を出力するものである。
また、第4実施形態において発光制御部22は、異常判断部21により異常が発生していると判断されず、且つ、電力が供給されている状態において、人感センサ90により検出範囲に人が検出される場合に、白色LED40を点灯させる。すなわち、第4実施形態において発光制御部22は、異常判断部21により異常が発生していると判断されず、且つ、電力が供給されている状態であっても、検出範囲に人が検出されない場合には白色LED40を点灯させないようにする。これにより、検出範囲に人が存在せず常夜灯機能を発揮しても利益がない場合に白色LED40を発光させず、省電力化を図ることとしている。
さらに、第4実施形態において発光制御部22は、人感センサ90からの信号のみならず、照度センサ80からの信号を加味することが好ましい。すなわち、第4実施形態において発光制御部22は、更に、照度センサ80からの信号に基づく照度が所定値以下となる場合に、白色LED40を点灯させることが好ましい。これにより、発光制御部22は、異常判断部21により異常が発生していると判断されず、且つ、電力が供給されている状態において、人感センサ90により検出範囲に人が検出される場合であっても、照度が所定値を超える明るいときには白色LED40を点灯させないこととなる。よって、周囲が明るく常夜灯機能を発揮する必要性が小さい場合に、白色LED40を発光させないようにしてより一層の省電力化を図るようにしている。
なお、発光制御部22は、人感センサ90や照度センサ80からの信号に基づいて、白色LED40を点灯させないと判断した場合、緑色LED60を点灯させてもよいし、消灯状態としてもよい。
図11は、第4実施形態に係るガス警報器1cの制御方法を示すフローチャートである。なお、図11に示すフローチャートにおいて図4に示す処理と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略するものとする。また、図11に示す処理はガス警報器1cの電源投入により開始し、電源が遮断されることにより終了するものとする。
まず、第4実施形態に係るガス警報器1cにおいて、CPU20は人感センサ90からの信号を入力する(S19)。次いで、CPU20は照度センサ80からの信号を入力する(S20)。
次に、発光選択部23は、ステップS19,S20にて入力した信号に基づいて照度が所定値以下であり、且つ、検出範囲に人が存在するかを判断する(S21)。照度が所定値以下であり、且つ、検出範囲に人が存在すると判断した場合(S21:YES)、発光制御部22は、常夜灯をオン設定する(S22)。これにより、異常状態が発生しておらず電力供給状態において白色LED40が常夜灯として機能するようになる。そして、処理はステップS1に移行する。
一方、照度が所定値以下でなく、又は、検出範囲に人が存在しないと判断した場合(S21:NO)、発光制御部22は、常夜灯をオフ設定する(S23)。これにより、異常状態が発生しておらず電力供給状態において白色LED40が常夜灯として機能しないようになる。そして、処理はステップS1に移行する。
また、異常判断部21により異常状態であると判断され(S2:YES)、赤色LED70が点滅させられた後(S10の後)に、スイッチ50が短押しされた場合(S4:YES)、発光制御部22は、常夜灯がオン設定中であるかを判断する(S24)。常夜灯がオン設定中であると判断した場合(S24:YES)、発光制御部22は、白色LED40を点灯させる点灯制御を実行すると共に、CPU20はスピーカ30から警報音声を停止させる。そして、この状態を所定時間継続する(S25)。その後、処理はステップS19に移行する。
一方、常夜灯がオン設定中でないと判断した場合(S24:NO)、発光制御部22は、緑色LED60を点灯させる点灯制御を実行すると共に、CPU20はスピーカ30から警報音声を停止させる。そして、この状態を所定時間継続する(S26)。その後、処理はステップS19に移行する。
また、異常判断部21により異常状態でないと判断された場合(S2:NO)、発光制御部22は、常夜灯がオン設定中であるかを判断する(S27)。常夜灯がオン設定中であると判断した場合(S27:YES)、発光制御部22は、白色LED40を点灯させる点灯制御を実行する(S28)。その後、処理はステップS19に移行する。
一方、常夜灯がオン設定中でないと判断した場合(S27:NO)、発光制御部22は、緑色LED60を点灯させる点灯制御を実行する(S29)。その後、処理はステップS19に移行する。
このようにして、第4実施形態に係るガス警報器1cによれば、第1実施形態と同様に、適切に常夜灯として機能させることができる。
さらに、第4実施形態によれば、異常が発生していると判断されず、且つ、電力が供給されている状態において、検出範囲に人が検出される場合に、白色LED40を点灯させるため、検出範囲に人が存在せず常夜灯機能を発揮しても利益がない場合には、白色LED40を発光させないようにして省電力化を図ることができる。
また、異常が発生していると判断されず、且つ、電力が供給されている状態において、検出範囲に人が検出されると共に、検出された照度が所定値以下となる場合に、白色LED40を点灯させるため、検出範囲に人が存在せず常夜灯機能を発揮しても利益がない場合のみならず、周囲が明るく常夜灯機能を発揮する必要性が小さい場合に、白色LED40を発光させないようにしてより一層の省電力化を図ることができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、可能な範囲で適宜他の技術を組み合わせてもよい。さらには、実施形態同士の技術の全部又は一部を組み合わせるようにしてもよい。
例えば、既存のガス警報器においてはスイッチに対する所定の操作(短押し)に応じて自己の点検(センサ、並びに、LEDやスピーカ及びこれらの駆動回路等の点検)を行う点検手段が搭載されていることが多い。本実施形態において自己点検に関しては所定時間以上の長押しにより実行されるように構成し、点検操作と輝度変化操作とを異なるものにして区別することが好ましい。
さらに、上記実施形態においては、白色LED40の発光輝度に差を設けて、白色LED40に通電表示灯と常夜灯との双方の機能を実現させるようにしてもよい。加えて、スイッチ50やカバースイッチ5は1つに限らず、いずれか一方又は双方が複数個により構成されていてもよい。
加えて、図1に示したガス警報器1は、正面視して左上が常夜灯として発光可能となっているが、例えばLPガス用のガス警報器のように、床近傍に設けられる警報器においては、警報器の下側を常夜灯として点灯させてフットランプとして機能させるようにしてもよい。
図12は、LPガス用のガス警報器の一例を示す外観図であって、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。図12(a)に示すように、LPガス用のガス警報器1eは、図1に示したものと同様に、各種の要素が樹脂ケースである筐体2に覆われた構造となっている。筐体2の前面にはガスセンサ10を内部に備えた検出部3と、警報出力用のスピーカ30を内部に備えた報知部4と、スイッチ50を操作可能な操作部6とが形成されている。加えて、筐体2の下部には、白色、透明又は半透明の樹脂カバー7が設けられており、樹脂カバー7内には、白色LED40、緑色LED60及び赤色LED70が内蔵されている。
このようなLPガス用のガス警報器1eは、図12(b)に示すように、床近傍の壁面に取り付けられた状態において、白色LED40の光軸が下方やや前側となっている。このため、LPガス用のガス警報器1eは、床の前側領域を照らすことができ、フットランプとして機能させることができる。白色LED40の光軸を下方やや前側とするのに代えて、樹脂カバー7が光の照射方向を下方やや前側に向ける構成とされていてもよい。なお、都市ガス用のガス警報器や火災警報器など高い位置に設置される警報器は、白色LED40の光出射方向に制限はなく、どの方向に光を照射するものであってもよい。
さらに、上記実施形態において白色LED40は第1LED41と第2LED42との2つにより構成されているが、これに限らず、1つ又は3つ以上であってもよい。さらに、白色LED40を複数個備える場合には、LEDの光軸を2以上の方向に向けることで広範囲に亘り光を出射することができる。また、カバースイッチ5などの白色LED40の前側に設けられる部材に拡散機能を持たせたり、所定の導光機能を持たせたりすることで、広範囲に亘り光を出射するようにしてもよい。