以下、本発明に係る加熱調理器の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す図面の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものではない。方向を示す用語は、加熱調理器の排気口の位置を基準として用いており、加熱調理器の前後左右のうち、排気口が設けられた側を後と称する。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
実施の形態1.
まず、実施の形態1に係る加熱調理器100の設置例を説明する。図1は、実施の形態1に係る加熱調理器100が設置されたシステム構成図である。図1は、いわゆる壁付けキッチンに加熱調理器100を設置した例である。加熱調理器100は、キッチン壁202に近い位置において、キッチン家具200に組み込まれる。加熱調理器100の上方には、換気装置201が設置されている。換気装置201は一般に、加熱調理器100の上方を覆うフードと、換気扇と、フードに設置され換気扇への油の侵入を抑制するグリスフィルターなどを有している。このように設置された加熱調理器100の上に、鍋やフライパンなどの調理容器210が載置され、調理容器210内の食材が加熱調理される。
図2は、実施の形態1に係る加熱調理器100が設置された他のシステム構成図である。図2は、いわゆるアイランド型あるいはペニンシュラ型キッチンに、加熱調理器100を設置した例である。図2では、図1に示したキッチン壁202が無く、加熱調理器100の後方には、リビングやダイニング空間が位置しているのが一般的である。
加熱調理器100の設置に関しては、換気装置201、キッチン壁202およびキッチン家具200との関係で種々の制約がある。たとえば、換気装置201に設けられているグリスフィルターを、加熱器具の表面から80cm以上離して設置するよう設置基準を定める火災予防条例がある。このため、一般的には、換気装置201の下端と加熱調理器100の上面との間を、80cm以上離すよう、換気装置201の据付工事説明書等に記載されている。また、換気装置201のフードの幅及び奥行き寸法は、加熱器具の幅及び奥行き寸法以上とすることを定める火災予防条例もある。また、キッチン壁202が可燃性の壁である場合、すなわち防火構造壁でない場合には、キッチン壁202と加熱口との距離を15cm以上離して、加熱調理器100を設置すべきことを定める火災予防条例もある。このほか、キッチン家具の規格(たとえば、一般財団法人ベターリビングの「優良住宅部品認定基準(BLS KS:2015)」など)も存在する。これらの制約のもと、加熱調理器100と換気装置201との位置関係は、概ね基準化されている。
次に、本実施の形態1の加熱調理器100の構成を説明する。図3は、実施の形態1に係る加熱調理器100の斜視図である。加熱調理器100は、本体筐体10と、本体筐体10の上に設けられたトッププレート11とを有する。トッププレート11には、調理容器が載置される加熱口19a、19b、19cが設けられている。ここでは、トッププレート11のうち調理容器を加熱可能な部位を加熱口19a、19b、19cと称している。トッププレート11には加熱口19a〜19cを示す表示が設けられている。加熱調理器100の後部には、2つの排気導風部材2が設けられている。排気導風部材2は、本体筐体10に形成された排気口12a、12b(図4参照)の上に配置されている。平面視において、加熱口19a〜19cは、排気導風部材2よりも前側に設けられている。
図4は、実施の形態1に係る加熱調理器100のトッププレート11が外された状態の斜視図である。本体筐体10の内部には、加熱手段である加熱コイル13a、13b、13cが設けられている。加熱コイル13a〜13cは、図3で示した加熱口19a〜19cのそれぞれに対応する位置に設けられている。加熱コイル13a〜13cのそれぞれは、1つの加熱コイルで構成されていてもよいし、独立して駆動される複数の加熱コイルで構成されていてもよい。たとえば加熱コイル13aは、独立して駆動される3つの加熱コイルが同心円状に配置された構成であるが、これら3つの加熱コイルをひとまとまりの加熱コイル13aとして扱う。このことは、他の加熱コイル13b、13cにおいても同様である。
また、本体筐体10には、加熱コイル13a〜13cよりも後方に、2つの排気口12a、12bが左右に並んで形成されている。本実施の形態では、本体筐体10は上面を開口した概ね箱状である。本体筐体10の一部である角枠状の上枠101が、本体筐体10の上面の開口縁を構成している。排気口12a、12bは、上枠101と本体筐体10とを連通するように形成されている。
本体筐体10内の左側の排気口12aよりも下側には、本体筐体10内から排気口12aへ気流を導く第1導風部材4が設けられ、右側の排気口12bよりも下側には、本体筐体10内から排気口12bへ気流を導く第2導風部材5が設けられている。
図5は、実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構造を説明する斜視図である。図5は、図4に示した状態から加熱コイル13a〜13c、上枠101および第1導風部材4が取り外された状態を示している。本体筐体10内には、第1冷却風導風部材30が設けられている。第1冷却風導風部材30は、後述する送風機14(図6参照)から送出される冷却風を、第1吹出口31および第2吹出口32を介して本体筐体10内に配置された冷却対象に導くための部材である。第1冷却風導風部材30は、概ね板状であり、この板状部分の平面によって本体筐体10内を上下に仕切るように配置されている。
第1冷却風導風部材30には、複数の第1吹出口31と、複数の第2吹出口32とが形成されている。第1吹出口31及び第2吹出口32は、ともに第1冷却風導風部材30を上下に貫通している。第1吹出口31の少なくとも一部は、第1冷却風導風部材30の上に載置される加熱コイル13b(図4参照)の中心よりも前方に、設けられている。第2吹出口32の少なくとも一部は、第1冷却風導風部材30の上に載置される加熱コイル13a(図4参照)の中心よりも前方に、設けられている。なお、図示した第1吹出口31及び第2吹出口32の形状は一例であり、冷却対象の形状及び配置に応じて、第1吹出口31及び第2吹出口32の形状が決定される。
図6は、実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構造を説明する斜視図である。図6は、図5に示した状態から第1冷却風導風部材30が取り外された状態を示している。また、本体筐体10内に収容されている送風機14が破線で図示されている。送風機14は、本体筐体10内の後ろ寄りに収容されている。送風機14の手前側には、第2冷却風導風部材33が設けられている。第2冷却風導風部材33の内部には、風路34が形成されており、送風機14からの冷却風を第1冷却風導風部材30(図5参照)の下側に導く。第2冷却風導風部材33の手前側には、吹出口35が形成されており、吹出口35を介して第1冷却風導風部材30と第2冷却風導風部材33とが連通する。風路34には、駆動装置15が収容されている。駆動装置15は、加熱コイル13a〜13cを駆動するインバータ回路及び加熱調理器100の動作を制御する制御回路など、発熱する部品を含んでいる。
図7は、実施の形態1に係る排気導風部材2の上面側斜視図である。図8は、実施の形態1に係る排気導風部材2の下面側斜視図である。図7、図8を参照して、排気導風部材2の構造を説明する。排気導風部材2は、概ね矩形の外観形状を有し、長手方向が加熱調理器100の左右方向に沿うようにして排気口12a、12bのそれぞれの上に載置される(図3参照)。
排気導風部材2は、平板面が概ね水平になるように配置される上板25と、前板26と、上板25と前板26とを接続する傾斜板27と、左右一対の側板28とを有し、これらに囲まれる空間が内部に形成されている。
排気導風部材2には、上下方向に貫通する風路23が形成されている。風路23の下端開口を第1入口21、風路23の上端開口を第1出口22と称する。図8に示すように、排気導風部材2の後面に壁は設けられておらず開口しており、この開口を第2出口24と称する。上板25の下面には、排気導風部材2の内幅全体に亘って設けられ、概ね上下方向に延びる2条のリブ29a、29bが、互いに間隔をあけて設けられている。前側のリブ29aと前板26との間にも、間隔が設けられている。前板26と前側のリブ29aとの間、およびリブ29aとリブ29bとの間に設けられた隙間によって、風路23が構成されている。
図7に示すように、排気導風部材2の前側に設けられた傾斜板27は、前方へ向かって下降している。排気導風部材2が排気口12a、12bの上に設置された状態において(図3参照)、傾斜板27は加熱調理器100を使用する使用者と対面する。前方へ下降する傾斜板27を使用者と対面する位置に設けることで、使用者から見たときに排気導風部材2とトッププレート11との高低差が小さく見える。このため、排気導風部材2の突出感が軽減されて加熱調理器100の意匠性が高められる。
図7に示すように、傾斜板27に形成されている第1出口22の開口面もまた、傾斜板27と同様に前方へ向かって下降している。さらに、図8に示すように、第1入口21の開口面は、第1出口22の開口面と概ね平行であり、前へ向かって下降している。本実施の形態では、風路23を形成するリブ29a、29bの下端を、後へ向かうほど上側に位置させることで、第1入口21の開口面を傾斜させている。
図9は、実施の形態1に係る第1導風部材4の上面側斜視図である。図10は、実施の形態1に係る第1導風部材4の下面側斜視図である。第1導風部材4は、上下に貫通した角枠状の外枠43と、外枠43の内側に設けられた第1整流板41および第2整流板42を有する。第1導風部材4の外枠43の内部を、風路44と称する。第1整流板41及び第2整流板42は、外枠43と一体的に構成されている。第1整流板41は、その平板面が前後方向に沿うように配置され、複数の第1整流板41同士の間を通過する気流の左右方向の乱れを整流する。図9、図10に示すように、第1整流板41は、外枠43の下端から概ね上端に亘って設けられている。第2整流板42は、図10に示すように、その平板面が左右方向に沿うように配置され、複数の第2整流板42同士の間を通過する気流の前後方向の乱れを整流する。第2整流板42は、第1整流板41よりも高さが低く、第2整流板42の上端は第1整流板41の上端よりも低い位置にある。風路44の下部において、第1整流板41と第2整流板42とは、交差している。
図11は、実施の形態1に係る第2導風部材5の上面側斜視図である。図12は、実施の形態1に係る第2導風部材5の下面側斜視図である。第2導風部材5は、上下に貫通した概ね角枠状であり、その角枠を形成する前板と後板が、それぞれ、第1導風板51、第2導風板52である。第2導風部材5の内部を、風路53と称する。第1導風板51及び第2導風板52は、その平板面が左右方向に沿うように設けられており、第1導風板51と第2導風板52との間を流れる気流の、前後方向の乱れを整流する。
図13は、実施の形態1に係る加熱調理器100の正面断面図である。図13では、第2吹出口32及び風路34を通る概略断面を示している。破線矢印は、図13およびこれ以降に示す図面において、気流を概念的に示したものである。加熱コイル13a、13bの下側に配置された第1冷却風導風部材30の下側に、第2冷却風導風部材33の風路34が連通している。
図14は、実施の形態1に係る加熱調理器100の側面断面図である。図14では、送風機14及び第1吹出口31を通る断面の概略を示しており、紙面左側が前側である。本体筐体10の後壁には、複数の吸気口18が形成されている。吸気口18と送風機14の吸込口とは連通しており、本体筐体10の外部の空気が吸気口18を介して送風機14に吸い込まれる。
図15は、実施の形態1に係る加熱調理器100の側面断面図である。図15では、加熱コイル13a及び第2吹出口32を通る断面の概略を示しており、紙面左側が前側である。
図13〜図15を参照して、冷却風の大まかな流れを説明する。送風機14が動作すると、図14に示すように、吸気口18を介して空気が送風機14に吸い込まれ、吸い込まれた空気は冷却風として送出される。送風機14から送出された冷却風は、第2冷却風導風部材33に形成された風路34を通る過程において、風路34に収容された駆動装置15を冷却する。風路34を流れた冷却風の一部は、第1吹出口31を介して加熱コイル13bの下側に流入する。加熱コイル13bの下側に流入した冷却風は、加熱コイル13bを冷却しながら後方の排気口12bに向かって流れ、排気口12bから出て排気導風部材2に導かれて加熱調理器100の外部に流出する。
風路34を流れた冷却風の残りの一部は、図13に示すように、吹出口35を介して第1冷却風導風部材30の下側に流入し、左側に形成された複数の第2吹出口32に向かって流れ、第2吹出口32を介して加熱コイル13aの下側に流入する。加熱コイル13aの下側に流入した冷却風は、図15に示すように、加熱コイル13aを冷却しながら後方の排気口12aに向かって流れ、排気口12aから出て排気導風部材2に導かれて加熱調理器100の外部に流出する。
次に、排気導風部材2、第1導風部材4および第2導風部材5の詳細構造を説明する。なお、本実施の形態で排気口12a、12bのそれぞれの上に載置される2つの排気導風部材2は、同じ構造であるが、図面の都合上、排気導風部材2の構造を図16、図17に分けて説明する。
図16は、実施の形態1に係る加熱調理器100の平面図である。図16を参照して、加熱口19a〜19cと、排気導風部材2の第1出口22の寸法関係を説明する。L1は、加熱口19a〜19cの左右方向の両端間の距離であり、左端に加熱口19a、右端に加熱口19bが設けられた本実施の形態では、加熱口19aの左端と加熱口19bの右端との距離である。L2は、第1出口22の左右方向の両端間の距離であり、2つの排気導風部材2が設けられた本実施の形態では、左側の排気導風部材2の第1出口22の左端と、右側の排気導風部材2の第1出口22の右端との間の距離である。L3は、左端の加熱口19aの幅方向の中心と、右端の加熱口19bの幅方向の中心との間の距離である。
L1、L2及びL3は、L1>L2>L3という関係を有する。すなわち、加熱調理器100の左右方向において、加熱口19a〜19cの左右両端間に、排気導風部材2の第1出口22が配置されている(L1>L2)。このように、加熱口19a〜19cの幅方向の範囲内に気流が流出する第1出口22を配置することで、第1出口22から流出し湯気または煙を誘引した誘導気流が、換気装置201のフードの左右方向の外側に流れにくい。したがって、湯気または煙に含まれる油や臭気成分が、室内に拡散するのを抑制することができる。
また、排気導風部材2の第1出口22の左端部は、左側の加熱口19aの左右方向の中心よりも外側にあり、かつ、第1出口22の右端部は、右側の加熱口19bの左右方向の中心よりも外側にある(L2>L3)。言い換えると、加熱口19a〜19cの左右方向の中心は、第1出口22の左端と右端との間に配置されている。このため、加熱口19a〜19cに載置される調理容器と、第1出口22とが、前後方向に概ね対向する。したがって、第1出口22からの気流は、加熱口19a〜19cに載置される調理容器からの湯気または煙を誘引しやすく、換気装置201による湯気または煙の捕集効果を高めることができる。
図17は、実施の形態1に係る加熱調理器100のトッププレート11が外された状態の平面図である。図17を参照して、各部の配置を説明する。ここで、P1は、手前側に配置された加熱コイル13aの前後方向の中心位置、P2は、同じく手前側に配置された加熱コイル13bの前後方向の中心位置を示す。
加熱調理器100の左側に着目すると、第2吹出口32の少なくとも一部は、平面視において加熱コイル13aと前後方向に重なる。また、第2吹出口32の少なくとも一部は、同じく平面視において左側の排気口12aと前後方向に重なる。第2吹出口32、加熱コイル13aおよび左側の排気口12aが、前後方向に直線的に配置されている。第1冷却風導風部材30の複数の第2吹出口32は、加熱コイル13aの下側の全体にわたって、左右及び前後方向に分散して配置されている。第2吹出口32の少なくとも一部は、加熱コイル13aの中心位置P1よりも前側に配置されている。複数の第2吹出口32から分散して加熱コイル13aの下側に吹き出された冷却風は、加熱コイル13aの全体を効率的に冷却できる。加熱コイル13aを冷却した冷却風は、後方の排気口12aに向かって直線的に流れる。このため、排気口12aを介して排気導風部材2の第1出口22から流出する気流は、直線的に上方へ向かって進み、左右方向に傾斜しにくい。したがって、この第1出口22からの気流による、調理容器からの湯気または煙を換気装置201に誘導する効果を高めることができる。
加熱調理器100の右側に着目すると、第1吹出口31の少なくとも一部は、平面視において加熱コイル13bと前後方向に重なる。また、第1吹出口31の少なくとも一部は、同じく平面視において右側の排気口12bと前後方向に重なる。第1吹出口31、加熱コイル13b、および右側の排気口12b、前後方向に直線的に配置されている。第1冷却風導風部材30の複数の第1吹出口31は、加熱コイル13bよりも手前側に配置されている。したがって、第1吹出口31は、加熱コイル13bの中心位置P2よりも前側に配置されている。第1吹出口31から加熱コイル13bの下側に吹き出された冷却風は、加熱コイル13bを冷却し、後方の排気口12bに向かって直線的に流れる。このため、排気口12aを介して排気導風部材2の第1出口22から流出する気流は、左右方向に傾斜しにくく直線的に進みやすい。したがって、第1出口22からの気流による、調理容器からの湯気または煙を換気装置201に誘導する効果を高めることができる。
図18は、実施の形態1に係る左側の排気口12a近傍の部分断面図である。第1導風部材4の風路44の前後方向の中心を通る鉛直線を、鉛直線300と表記し、排気導風部材2の風路23の軸を、軸301と表記している。排気導風部材2の風路23の軸301は、鉛直線300に対して前方に傾いている。風路23の軸301を前方に傾けることで、第1出口22から流出する排気は、前斜め上方向に向かって進む。好ましくは、風路23の軸301が、鉛直線300に対して成す傾斜角θ1は、0度より大きく35度より小さい範囲である。より好ましくは、傾斜角θ1は、8度〜32度である。
風路44の前後方向の中心よりも前側、すなわち風路44の前側1/2の上方に、排気導風部材2の第1入口21が配置されている。好ましくは、平面透視した状態において、第1入口21の開口面積の1/2以上が、風路44の断面積の前側1/2の領域と重なるように、第1入口21と第1導風部材4とが設けられている。第1導風部材4の風路44に流入した気流は、コアンダ効果によって、外枠43の前側の内面に沿って略垂直に上昇する。このように外枠43の前側の内面に導かれて上昇した気流は、上方に位置する第1入口21に流入しやすい。
平面視した場合には、排気導風部材2の第1入口21と、第1整流板41および第2整流板42の少なくとも一部が、上下方向に重なるように、排気導風部材2および第1導風部材4が配置されている。第1整流板41および第2整流板42を設けることで、風路23の第1出口22からの気流の乱れを軽減することができる。
第1導風部材4の風路44の長さは、風路44の断面の前後方向の長さ以上である。風路44の長さを長くとることで、風路44を通る気流の第1整流板41および第2整流板42による整流効果を高めることができる。風路44に設けられた第1整流板41および第2整流板42が生じさせる適度な圧力損失により、風路44の前方部分と後方部分を通る気流同士の風速分布のばらつきが軽減される。風速分布のばらつきが軽減されることで、排気導風部材2の第1入口21に、乱れの少ない気流を流入させることができる。そうすると、風路23を通って第1出口22から流出する気流の乱れも少なくなり、第1出口22から流出した後に拡散しにくい気流を形成することができる。
図19は、実施の形態1に係る右側の排気口12b近傍の部分断面図である。第2導風部材5の風路53の前後方向の中心を通る鉛直線を、鉛直線302と表記している。排気導風部材2の風路23の軸方向に伸びる中心線が鉛直に対して前方に傾いている点は、図18で説明したとおりである。また、第2導風部材5の内部の風路53の前後方向の中心よりも前側、すなわち風路53内の前部1/2の上方に、排気導風部材2の第1入口21が配置されている点も、図18で説明したとおりである。
図19において、2つの風路23の流路断面の前後方向の長さを、それぞれ、A1、A2で示している。本実施の形態では、A1とA2とは同じ長さである。また、本実施の形態では、風路23の流路断面の形状は、第1入口21から第1出口22に至るまで同じであるため、A1およびA2は、第1入口21の前後方向の長さおよび第1出口22の前後方向の長さに等しい。
風路23の軸方向の長さ、すなわち第1入口21から第1出口22までの長さは、第1入口21および第1出口22の開口面の前後方向の長さA1、A2のそれぞれよりも長い。このようにすることで、風路23を流れる気流の前後方向の整流効果が高まり、第1出口22から流出する気流の指向性を高めることができる。
図19において、第2導風部材5の第2導風板52の上端と、複数の第1入口21のうち最も後ろ側にある第1入口21との間の長さを、Bで示している。長さA1とA2との合計(A1+A2)は、長さBの1〜2倍の値である。このような寸法関係を採用することで、第1入口21に流入する気流の風速低下を抑制することができるので、第1出口22から流出する気流の風速の低下も抑制される。
図20は、実施の形態1に係る加熱調理器100をアイランド型キッチンに設置した場合の作用を説明する図である。図20の実線矢印X1およびX2は、加熱調理器100からの気流を、実線矢印Yは調理容器210からの湯気または煙を、概念的に示したものである。破線矢印xは、従来の加熱調理器の上面に設けられた排気口からの気流の一例を、破線矢印yは、従来の加熱調理器に載置された調理容器からの湯気または煙の一例を、概念的に示したものである。
まず、従来の加熱調理器の作用を説明する。従来の例の場合には、加熱調理器からの気流xは、調理容器から発生する湯気または煙と混ざりながら上方に向かう。アイランド型キッチンのように加熱調理器の後方にキッチンの壁がない場合、湯気または煙と混ざった気流xは、換気装置201のフードの後端から後ろ側へ漏れて、リビングやダイニング側へ流出しやすかった。また、一般的な換気装置201は、吸込位置がフードの前寄りに配置されるものも多かったため、換気装置201のフードの後端から後ろ側への気流xの漏れが発生しやすかった。さらに、キッチンのタイプとして多数を占める壁付け型の場合には、換気装置201の前寄りからの吸気が重視されることを考慮し、一般的に換気装置201は、前側の吸引力が後ろ側の吸引力よりも大きくなるように設計されていることも多い。このため、そのように設計された換気装置201とアイランド型キッチンとを組み合わせた場合、従来の加熱調理器からの気流xの漏れが顕著であった。さらに、加熱調理器の上面から直上に進む気流xは、湯気または煙yの誘引効果が低く、湯気または煙yが使用者側へ漏れて拡散する傾向があった。
本実施の形態によれば、排気導風部材2の風路23の第1出口22の前後方向の中心は、風路23の第1入口21の前後方向の中心よりも、前側に位置している。この構成により、風路23の軸301は、第1入口21から第1出口22に向かって前方に上昇するように傾斜している。したがって、第1出口22からの気流X1は、斜め上方に向かって吹き出される。このため、気流X1が誘導気流となって、排気導風部材2よりも手前側の加熱口に載置された調理容器210から発生する湯気または煙Yを、加熱調理器100の上方を覆うように設置される換気装置201に誘導することができる。上述のように一般的には換気装置201のフードの奥行き寸法は、加熱調理器100の奥行き寸法以上となるように設計されている。このため、加熱調理器100の後ろ側に配置された第1出口22から斜め上方に向かう気流によって湯気または煙Yを誘導することで、換気装置201のフードの手前側からも湯気または煙を吸引させることができる。
また、本実施の形態の排気導風部材2の風路23の軸301(図18参照)は、鉛直線300(図18参照)に対して前方へ0度より大きく35度以下の範囲で傾いている。より好ましくは、風路23の軸301の鉛直線300に対する前方への傾斜角度は、8度〜32度である。この8度〜32の傾斜角度の範囲を、図20では2本の破線303で示している。このように風路23の傾斜角度を設定することで、加熱調理器100の上方を覆うように配置される換気装置201のフードに向けて気流X1を流出させることができるため、気流X1は誘導気流としての作用を発揮しやすい。
また、本実施の形態の排気導風部材2には、第1出口22よりも後方に第2出口24が形成されている。そして、排気導風部材2は、排気口12a、12bから流出した気流を、第1出口22と第2出口24とに分流させるように構成されている。排気導風部材2によって分岐された排気のうち、一方は第1出口22から気流X1として、他方は第2出口24から気流X2として、流出する。排気口12a、12bからの気流から分岐した気流Xは、その風量が相対的に小さくなる。気流X1の風量が大きすぎないことで、気流X1を、湯気または煙を換気装置201に導く誘導気流としての作用を高めることができる。なお、第2出口24を設けず、第1出口22からのみ排気する構成も採用できる。たとえば本体筐体10内の冷却負荷が比較的小さく送風機14の風量も小さい場合には、第1出口22からの気流X1の風量も小さくなるため、気流X1を誘導気流として機能させることができる。
図21は、実施の形態1に係る加熱調理器100を壁付け型キッチンに設置した場合の作用を説明する図である。本実施の形態によれば、第1出口22からの気流X1は、斜め上方に向かって吹き出される。このため、気流X1が誘導気流となって、排気導風部材2よりも手前側の加熱口に載置された調理容器210から発生する湯気または煙Yを、上方に設置された換気装置201に誘導することができる。また、気流X1は、斜め上方に向かって進むため、湯気または煙Yと混ざった気流X1の、キッチン壁202への接触が軽減される。このため、湯気または煙Yに含まれる油や臭気成分によるキッチン壁202の汚れが抑制される。
また、本実施の形態では、排気導風部材2は、排気口12a、12bから流出した気流を、第1出口22と第2出口24とに分流させるように構成されており、排気導風部材2の第2出口24から、後方へ向かって気流X2が流出する。加熱調理器100の後方へ排気される気流X2は、基本的には湯気や煙Yに含まれる油や臭気成分が混合していない清浄な空気である。この気流X2が、キッチン壁202に沿って上方へ向かって流れることで、気流X2はキッチン壁202に対するエアカーテンとして機能する。このため、キッチン壁202の汚れが抑制される。
また、本実施の形態では、送風機14が動作したときに、第2出口24から流出する気流X1の風速は、第1出口22から流出する気流X2の風速よりも小さくなるように、構成されている。気流X2の風速が気流X1の風速よりも大きい場合には、誘導気流として機能すべき気流X1が、後方へ向かって流れる気流X2に引き寄せられてしまい、誘導気流としての機能を発揮しにくい。しかし、第1出口22からの気流X1の風速を、第2出口24からの気流X2の風速よりも大きくすることで、気流X1は、気流X2への誘引作用を受けることなく、誘導気流として機能することができる。ここで、第1出口22からの気流X1の平均風速は、0.8[m/s]〜2.4[m/s]、風量は、0.14[m 3/s]〜0.7[m3/s]とすることができる。このような気流X1の風速および風量を採用することで、調理容器210から発生する湯気または煙Yが上昇しながら拡散するのを抑制する効果を高めることができる。また、気流X1の風速および風量は、換気装置201が生じさせる吸引風量および風速を超えない範囲とするのがよい。このようにすることで、調理容器210から発生する湯気または煙Yが、換気装置201に吸い込まれずに漏れてしまうのを抑制できる。
図22は、実施の形態1に係る加熱調理器100で湯を沸かしたときの作用を等温線で示したものである。図23は、比較例に係る加熱調理器で湯を沸かしたときの作用を等温線で示したものである。図22、23は、加熱調理器100を正面視した状態である。図23は、図20および図21に従来の一例として示したように排気が加熱調理器の上面から直上へ流出する態様の加熱調理器である。図22に示すように、本実施の形態によれば、第1出口22からの誘導気流の左右方向への傾斜が小さく直進性の高い気流が吹き出されるため、誘導気流およびこれに誘導される湯気または煙も、ほとんど左右方向に拡散していないことがわかる。一方、図23に示す比較例は、誘導気流およびこれに誘導された湯気または煙は、図22よりも左右方向に広がっている。
左側と右側とでの等温線の形状のばらつきに着目すると、比較例の図23は、左側と右側とで等温線の形状の違いが大きい状態を示している。詳しくは、右側の最も外側の等温線で囲まれる面積に対して、左側の最も外側の等温線で囲まれる面積の方が、広い。比較例の図23では、右側の排気口よりも左側の排気口から多くの気流が流出しているといえる。このように排気口から流出する気流の左右のバランスが悪いと、左右両方の加熱口で調理容器を加熱したときの、誘導気流の誘導効果を得にくい。左右の誘導気流のうち風量および風速が大きい方の気流に、風量および風速が小さい方の気流が誘引されてしまい、風量および風速が小さい方の気流が、誘導気流として機能しにくくなるためである。一方、本実施の形態の図22では、左側の等温線と右側の等温線とで、比較的左右のバランスがよい。このため、本実施の形態によれば、左右の加熱口のいずれに載置された調理容器であっても、その調理容器からの湯気または煙を換気装置に誘導することができる。
ここで、比較例において排気口から流出する気流の左右のバランスの悪さの原因の一つとなっているのが、右側に一つだけ送風機が配置されているという構成である。右側に配置された送風機からの冷却風は、本体筐体内の風路構成上、左側の排気口へより多く流れやすい。このため、左側の排気口からより多く気流が流出する。本体筐体10の右側に一つだけ送風機14が配置されているというのは、本実施の形態でも同様であるが、次に示す構成を採用することで、左側の排気口12aと右側の排気口12bとで、流出する気流の風量および風速のバランスをとっている。
具体的には、図17に示すように、左側の排気口12aに設置された第1導風部材4と、右側の排気口12bに設置された第2導風部材5とで、内部を通過する気流の圧力損失を異ならせている。第1導風部材4は、図9および図10に示したように、風路44内に複数の第1整流板41と複数の第2整流板42とを有しており、これらが圧力損失を生じさせる。一方、第2導風部材5は、図11および図12に示したように、風路53内に整流板が設けられていない。このように、第1導風部材4の風路44内の圧力損失を相対的に大きくすることで、第1導風部材4が設置された左側の排気口12aからの気流の風量を軽減している。これにより、左側の排気口12aと右側の排気口12aとで、流出する気流の風量のバランスをとることができる。
以上述べたように、本実施の形態の加熱調理器100は、上面に排気口12a、12bが形成された本体筐体10と、平面視において排気口12a、12bよりも前側に配置された加熱口19a、19b、19cを有するトッププレート11を備える。本体筐体10内には、加熱口19a、19b、19cの上に載置される被加熱物を誘導加熱する加熱コイル13a、13b、13cと、送風機14とが設けられている。さらに、第1吹出口31および第2吹出口32を有し、送風機14からの気流を第1吹出口31、第2吹出口32に導く第1冷却風導風部材30を備える。また、排気口12a、12bの上に設けられ、第1入口21から第1出口22に至る風路23が形成された排気導風部材2を備える。平面視において、第1冷却風導風部材30の第1吹出口31、第2吹出口32と排気口12a、12bとは前後方向に並ぶ。平面視において、第1冷却風導風部材30の第1吹出口31、第2吹出口32と加熱コイル13a、13bとは前後方向に並ぶ。平面視において、第1冷却風導風部材30の第1吹出口31、第2吹出口32は、加熱コイル13a、13bの中心よりも手前側に設けられている。排気導風部材2の風路23の長さは、風路23の第1出口22の前後方向の長さよりも長い。
本実施の形態の加熱調理器100によれば、第1吹出口31、第2吹出口32から排気口12a、12bに至る気流が、左右に傾くのを抑制できる。このため、排気口12a、12bを出て排気導風部材2を介して流出する気流の直進性が高まり、排気導風部材2からの気流による、湯気または煙を換気装置201に誘導する作用を高めることができる。また、第1吹出口31および第2吹出口32は、加熱コイル13a、13bの中心よりも手前側に設けられていて、第1吹出口31および第2吹出口32から排気口12a、12bに至る距離が確保されている。このため、排気口12a、12bに至るまでに左右方向への気流の傾きが抑制されて、直線的な流れに整流される効果が高い。また、排気導風部材2の風路23の長さは、風路23の第1出口22の前後方向の長さよりも長いため、風路23を通過する過程における気流の前後方向の整流効果が高まり、第1出口22から流出する誘導気流の指向性を高めることができる。誘導気流の指向性が高まることにより、誘引した湯気または煙を換気装置201に誘導する作用を向上させることができる。
実施の形態2.
本実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心に説明する。図24は、実施の形態2に係る加熱調理器100Aの斜視図である。加熱調理器100Aは、2つの加熱口19a、19bを有している。また、本実施の形態では、実施の形態1の排気導風部材2とは形状の異なる排気導風部材6が設けられている。
図25は、実施の形態2に係る加熱調理器100Aのトッププレート11が外された状態の斜視図である。本体筐体10の内部には、図24で示した加熱口19a、19bのそれぞれに対応する位置に、加熱コイル13a、13bが設けられている。本体筐体10には、加熱コイル13a及び13bよりも後方に、3つの排気口12c〜12eが、左右に並んで設けられている。本実施の形態では、排気口12cは1つの開口で構成されている。排気口12dおよび排気口12eは、それぞれ、前後方向に長い複数の開口で構成されている。
本体筐体10内の排気口12cよりも下側には、本体筐体10内から排気口12cへ気流を導く第3導風部材7が設けられている。本体筐体10内の排気口12eよりも下側には、本体筐体10内から排気口12eへ気流を導く第4導風部材8が設けられている。
図26は、実施の形態2に係る加熱調理器100Aの内部構造を説明する斜視図である。図26は、図25に示した状態から加熱コイル13a、13b及び上枠101が取り外された状態を示している。本体筐体10内には、第1冷却風導風部材30Aが設けられている。第1冷却風導風部材30Aは、送風機14Aから送出される冷却風を、第1吹出口31Aおよび第2吹出口32Aを介して、本体筐体10内に配置された冷却対象に導くための部材である。送風機14Aは、本実施の形態では軸流ファンである。送風機14Aは、ファンの軸が前後方向に沿うようにして配置されている。
第1冷却風導風部材30Aには、第1吹出口31Aと、第2吹出口32Aとが形成されている。第1冷却風導風部材30Aは、内部に風路34Aを形成しており、送風機14Aからの冷却風を第1吹出口31A及び第2吹出口32Aに導く。第1吹出口31Aは、本体筐体10内の手前側において、上下に開口している。第2吹出口32Aは、第1冷却風導風部材30Aの上面と、この第1冷却風導風部材30Aの上に載置される加熱コイル13b(図25参照)の下面との間に形成される隙間によって、形成される。第2吹出口32Aは、左右に開口している。第1冷却風導風部材30Aの内部には、風路34Aが形成されている。風路34Aには、駆動装置15が配置されている。
第2吹出口32Aの下流側と、左側の加熱コイル13a(図25参照)の下側との間には、上下に起立し左右方向に伸びる導風板33Aが設けられている。導風板33Aの左側には、複数の第3吹出口35Aが設けられている。第3吹出口35Aは、左側の加熱コイル13a(図26参照)の下側に配置されている。導風板33Aの手前側には、第1吹出口31A及び第2吹出口32Aから、第3吹出口35Aに至る冷却風の流路が形成される。
図27は、実施の形態2に係る排気導風部材6の上面側斜視図である。図28は、実施の形態2に係る排気導風部材6の下面側斜視図である。図27、図28を参照して、排気導風部材6の構造を説明する。排気導風部材6は、概ね矩形の外観形状を有し、長手方向が加熱調理器100Aの左右方向に沿うようにして、排気口12c及び12dと、排気口12eの上に載置される(図24参照)。本実施の形態では、2つの排気口12c、12dに跨がって1つの排気導風部材6が配置される(図24、図25参照)。
排気導風部材6は、平板面が概ね水平になるように配置される上板65と、前板66と、上板65と前板66とを接続して後から前へ下降する傾斜板67と、左右一対の側板68とを有し、これらに囲まれる空間が内部に形成されている。
排気導風部材6には、上下方向に貫通する風路63が形成されている。風路63の下端開口を第1入口61、風路63の上端開口を第1出口62と称する。図28に示すように、排気導風部材6の後面に壁は設けられておらず開口しており、この開口を第2出口64と称する。上板65の下面には、排気導風部材6の内幅全体に亘って設けられ、概ね上下方向に伸びる3条のリブ69a、69b、69cが、互いに間隔をあけて設けられている。最も前側にあるリブ69aは、前板66から後方へ離間した位置に設けられている。隣接するリブ69a、69b、69c同士の間に設けられた隙間によって、2つの風路63が構成されている。
図27に示すように、排気導風部材6の前側に設けられた傾斜板67は、前方へ向かって下降している。傾斜板67に形成されている第1出口62の開口面もまた、傾斜板67と同様に前方へ向かって下降している。本実施の形態の第1出口62は、実施の形態1の第1出口22と比べて後方に配置されており、第1出口62は、排気導風部材6の前後方向の中央寄りに位置している。傾斜板67の前後方向の範囲も、実施の形態1の傾斜板27と比べて長く、前板66も低い。このため、加熱調理器100Aを使用する使用者から見たときに排気導風部材6の突出感がより軽減されて、使用者には排気導風部材6が薄く見えるため、加熱調理器100Aの意匠性が高められる。
図28に示すように、第1入口61の開口面は、第1出口62の開口面と概ね平行であり、前方へ向かって下方へ傾斜している。本実施の形態では、風路63を形成するリブ69a、69b、69cの下端を、後方へ向かうほど上側に位置させることで、第1入口61の開口面を傾斜させている。
図29は、実施の形態2に係る加熱調理器100Aの平面図である。L1は、加熱口19a、19bの左右方向の両端間の距離であり、左端に加熱口19a、右端に加熱口19bが設けられた本実施の形態では、加熱口19aの左端と加熱口19bの右端との距離である。L2は、第1出口62の左右方向の両端間の距離であり、2つの排気導風部材6が設けられた本実施の形態では、左側の排気導風部材6の第1出口62の左端と、右側の排気導風部材6の第1出口62の右端との間の距離である。L3は、左端の加熱口19aの幅方向の中心と、右端の加熱口19bの幅方向の中心との間の距離である。本実施の形態においても実施の形態1と同様に、L1>L2>L3という関係を有し、実施の形態1と同様の作用効果を有する。
図30は、実施の形態2に係る加熱調理器100Aのトッププレート11が外された状態の平面図である。P1は、加熱コイル13aの前後方向の中心位置、P2は、加熱コイル13bの前後方向の中心位置を示す。図31は、図30から加熱コイル13a、13b及び上枠101が取り外された状態の図である。
図30、31に示すように、第1吹出口31A及び第2吹出口32Aの少なくとも一部は、左側の加熱コイル13aの中心位置P1および右側の加熱コイル13bの中心位置P2よりも手前側に配置されている。また、第1吹出口31Aの少なくとも一部は、平面視において加熱コイル13bと前後方向に重なる。また、第1吹出口31Aの少なくとも一部は、平面視において排気口12eと前後方向に重なる。第1吹出口31A、加熱コイル13bおよび排気口12eが、前後方向に直線的に配置されている。第1吹出口31Aから加熱コイル13bの下側に吹き出された冷却風は、加熱コイル13bを冷却し、後方の排気口12bに向かって直線的に流れる。このため、実施の形態1と同様の作用効果が得られる。
第2吹出口32Aからの冷却風および第1吹出口31Aからの冷却風の一部は、導風板33Aに導かれて導風板33Aの手前側の領域を、左側の加熱コイル13aに向かって流れる。第1吹出口31Aおよび第2吹出口32Aが、加熱コイル13aの中心位置P1よりも手前側に配置されていることにより、冷却風は加熱コイル13aの手前側部分に導かれる。この冷却風は、第3吹出口35Aを介して加熱コイル13aの下側に吹き付けられ、加熱コイル13aを冷却する。加熱コイル13aを冷却した冷却風は、後方の排気口12c、12dに向かって直線的に流れる。このため、実施の形態1と同様の作用効果が得られる。
図32は、実施の形態2に係る加熱調理器100Aの側面断面図である。図32では、送風機14及び第1吹出口31を通る断面の概略を示しており、紙面左側が前側である。図33は、実施の形態2に係る加熱調理器100Aの正面断面図である。図32では、第2吹出口32Aを通る概略断面を示している。
図32に示すように、送風機14Aの下流側には、上下に二段の冷却風の風路が形成される。下側の風路は、第1冷却風導風部材30Aの内部に形成された風路34Aである。上側の風路は、第1冷却風導風部材30Aの上面の上側に形成された風路である。送風機14Aから送出された冷却風の一部は、第1冷却風導風部材30Aに形成された風路34Aを通る過程において、風路34Aに収容された駆動装置15を冷却する。風路34Aを流れた冷却風の一部は、第1吹出口31Aを介して加熱コイル13bの下側に流入する。加熱コイル13bの下側に流入した冷却風の流れは、図30および図31にて説明したとおりである。
送風機14Aから送出された冷却風の残りは、第1冷却風導風部材30Aの上側に形成された風路を通過し、第2吹出口32Aから流出する。図33に示すように、導風板33Aに沿って左側に向かって流れ、第3吹出口35Aを介して加熱コイル13aの下側に流入する。加熱コイル13aの下側に流入した冷却風の流れは、図30および図31にて説明したとおりである。
図34は、実施の形態2に係る排気口12c近傍の部分断面図である。風路63の軸方向の長さ、すなわち第1入口61から第1出口62までの長さは、第1入口61および第1出口62の開口面それぞれの前後方向の長さよりも長いという構成は、実施の形態1と同じである。また、風路63の軸が、鉛直方向に対して第1出口62に向かって前方に傾いているという構成は、実施の形態1と同じである。排気口12cから流出した冷却風は、実施の形態1と同様に、その一部が風路63を介して第1出口62から流出して誘導気流として機能し、残りの一部が第2出口64から流出する。
第3導風部材7は、上下方向に伸びる後導風壁72と、後導風壁72と前後方向に間隔をあけて設けられた前導風壁71とを有する。前導風壁71と後導風壁72とは、互いの平板面が対向するようにして配置されている。後導風壁72は、第1入口61よりも後側に配置される。後導風壁72と前導風壁71との間に、排気口12cの上流側に連なる流路が形成される。前導風壁71の上流側かつ下側には、導風板73が設けられている。導風板73が設けられている位置は、第3導風部材7への気流の入口である。導風板73は、その平板面が前後方向に沿うようにして配置されている。図34では図示されていないが、複数の導風板73は、本体筐体10の左右方向に互いに間隔をあけて配置されている。このような導風板73を第3導風部材7の入口に設けることで、気流の左右方向の傾きを軽減できる。
第3導風部材7の下面は、底板74で覆われている。底板74と後導風壁72の下端部とは、曲面75で接続されている。このため、導風板73に導かれて前から後へ向かって第3導風部材7に流入した冷却風は、曲面75によって上方に導かれる。コアンダ効果により、曲面75から後導風壁72に沿う気流が形成される。すなわち、曲面75および後導風壁72は、前から後へ向かう気流を上方へ導く導風板として機能する。
図34において、第1入口61と前導風壁71との最短距離を、D1で示している。また、第1入口61と後導風壁72との最短距離を、D2で示している。本実施の形態では、距離D2は、距離D1よりも短い。すなわち、第1入口61は、前導風壁71よりも後導風壁72に近い位置に配置されている。このため、上述のようにコアンダ効果によって曲面75から後導風壁72沿って上昇する気流を、第1入口61により多く流入させることができる。第1入口61から風路63に流入した気流は、第1出口62に向かって斜め上方に流れる。導風板73による左右方向の整流効果、曲面75と後導風壁72とによるコアンダ効果、および距離D2<D1という関係により、第1出口62からの気流は、斜め上方に向かう乱れの少ない誘導気流となる。
図34において、風路63を形成する3条のリブ69a〜69cのうち、最も後方のリブ69cの長さが最も長い。このため、後導風壁72によって導かれた上方へ向かう気流は、リブ69cの前面によって導かれるため、第1入口61への気流の流入が促進される。風路63を形成するリブ69a〜69cは、それ自体が風路抵抗となって圧力損失を生じさせる。また、異物侵入阻止、内部を視認されにくくする、意匠性の向上といった観点からは、風路63の前後方向の幅は小さい方が好ましいが、風路63の前後方向の幅を小さくすると、圧力損失が大きくなる。風路63はこのように圧力損失を生じさせるが、リブ69cの長さを長くすることでリブ69cが気流のガイドとして機能し、風路63への気流の流入を助ける。言い換えると、リブ69cを他のリブ69a、69bよりも長くして気流のガイドとして機能させることにより、風路63の前後方向の長さを短くする、あるいは風路63の長さを短くしても、風路63から流出する誘導気流の風速の低下を抑制できる。また、最も後側にあるリブ69cを長くすることで、リブ69cによる整流効果が高まるとともに、リブ69cの前側に形成される風路63から送出される誘導気流の、前方への傾斜角の形成精度を高めることができる。斜め上方に向かう乱れの少ない気流が形成されることにより、この気流が湯気または煙を誘導する効果が高まる。
図35は、実施の形態2に係る排気口12d近傍の部分断面図である。図35の紙面左側が、加熱調理器100Aの前側である。排気口12dの上流側には、図34で示したような第3導風部材7は設けられていない。このため、排気口12dに至る風路は、排気口12cに至る風路(図34参照)に比べて、圧力損失が小さい構成であるといえる。このように、排気口12cに至る風路と排気口12dに至る風路とで、圧力損失に差を設けることにより、排気口12cに流入する冷却風と排気口12dに流入する冷却風の風量を調整することができる。本実施の形態では、排気口12dの上流側における圧力損失を相対的に小さくすることで、排気口12dに流入する風量を相対的に大きくしている。これにより、他の排気口12cおよび排気口12eからの誘導気流と排気口12dからの誘導気流との間で、風速の不均一を軽減している。3つの排気口12c、12dおよび12eからの誘導気流の風速の均一性を向上させることで、左右の加熱口19a、19bのいずれに載置された調理容器であっても、その調理容器からの湯気または煙を換気装置に誘導することができる。
図36は、実施の形態2に係る排気口12e近傍の部分断面図である。排気口12eの上流側には、第4導風部材8が設けられている。第4導風部材8は、前から後に向かって上昇する傾斜面を上面に有し、第4導風部材8の傾斜面の上端は、排気口12eの下側に位置している。第1吹出口31Aから吹き出されて後方に向かう冷却風(図31参照)は、第4導風部材8の傾斜面に導かれて上昇しながら流れ、排気口12eから流出する。
本実施の形態の加熱調理器100Aによれば、第1吹出口31A、第2吹出口32Aから排気口12c、12d、12eに至る気流が、左右に傾くのを抑制できる。このため、排気口12c、12d、12eを出て排気導風部材6を介して流出する気流の直進性が高まり、排気導風部材6からの気流による、湯気または煙を換気装置201に誘導する作用を高めることができる。また、第1吹出口31Aおよび第2吹出口32Aは、加熱コイル13a、13bの中心よりも手前側に設けられていて、第1吹出口31Aおよび第2吹出口32Aから排気口12c、12d、12eに至る距離が確保されている。このため、排気口12c、12d、12eに至るまでに左右方向への気流の傾きが抑制されて、直線的な流れに整流される効果が高い。また、排気導風部材6の風路63の長さは、風路63の第1出口62の前後方向の長さよりも長いため、風路63を通過する過程における気流の前後方向の整流効果が高まり、第1出口62から流出する誘導気流の指向性を高めることができる。誘導気流の指向性が高まることにより、誘引した湯気または煙を換気装置201に誘導する作用を向上させることができる。
実施の形態3.
図37は、実施の形態3に係る加熱調理器100Bの斜視図である。加熱調理器100Bは、3つの加熱口19a、19b、19cを有している。また、本実施の形態では、実施の形態1、2の排気導風部材2、6とは形状の異なる排気導風部材9が1つ設けられている。本体筐体10Bは、実施の形態1、2で説明したものと比べて高さ寸法が小さい。また、吸気口18Bは、本体筐体10Bの前壁から底板に亘って(図44参照)形成されている。
図38は、実施の形態3に係る加熱調理器100Bのトッププレート11が外された状態の斜視図である。本体筐体10Bの内部には、図37で示した加熱口19a、19b、19cのそれぞれに対応する位置に、加熱コイル13a、13b、13cが設けられている。本体筐体10Bには、加熱コイル13a〜13cよりも後方に、排気口12fが設けられている。本実施の形態では、排気口12fは3つの開口で構成されている。本体筐体10B内には、駆動装置15(図39参照)の放熱フィン110が設けられている。放熱フィン110は、前後方向において、加熱コイル13aと排気口12fとの間、および加熱コイル13bと排気口12fとの間に設けられている。
図39は、実施の形態3に係る加熱調理器100Bの内部構造を説明する斜視図である。図39は、図38に示した状態から加熱コイル13a〜13cおよび上枠101が取り外された状態を示している。本体筐体10B内には、同じ構造を有する2つの送風機14Bが設けられている。送風機14Bは、遠心式のファン141と、ファン141を収容するケーシング142とを有し、ケーシング142にはファン141からの気流が通過する吹出口143が形成されている。本実施の形態では、ケーシング142が、ファン141からの気流を吹出口143に導く冷却風導風部材として機能する。送風機14Bの吹出口143は、後方に向くようにして、加熱コイル13a〜13c(図38参照)よりも手前側に配置されている。
図40は、実施の形態3に係る排気導風部材9の上面側斜視図である。図41は、実施の形態3に係る排気導風部材9の下面側斜視図である。図40、図41を参照して、排気導風部材6の構造を説明する。排気導風部材9は、概ね矩形の外観形状を有し、長手方向が加熱調理器100Bの左右方向に沿うようにして、排気口12fの上に載置される(図37参照)。本実施の形態では、排気口12fの3つの開口に跨がって1つの排気導風部材9が配置される(図37、38参照)。
排気導風部材9は、後から前に向かって下降する傾斜面で構成された上板95を有する。本実施の形態では、上板95は曲面である。上板95の下面には、上下方向に伸びる左右一対の側板98が設けられている。
排気導風部材9には、上下方向に貫通する風路93が形成されている。風路93の下端開口を第1入口91、風路93の上端開口を第1出口92と称する。図41に示すように、排気導風部材9の後面に壁は設けられておらず開口しており、この開口を第2出口94と称する。上板95の下面には、排気導風部材9の内幅全体に亘って設けられ、概ね上下方向に伸びる3条のリブ99a、99b、99cが、互いに間隔をあけて設けられている。隣接するリブ99a、99b、99c同士の間に設けられた隙間によって、前後に2列の風路93が構成されている。
図40に示すように、第1出口92は、仕切り96によって左右に区画されている。第1出口92を仕切ることにより、排気が分流する。区画された第1出口92のそれぞれは、排気口12fの3つの開口(図38参照)のそれぞれに対向する位置に設けられる。排気導風部材9に形成された第1出口92の開口面は、前方へ向かって傾斜する上板95と同様に、前方へ向かって下降している。
図42は、実施の形態3に係る加熱調理器100Bの平面図である。L1は、加熱口19a、19bの左右方向の両端間の距離であり、左端に加熱口19a、右端に加熱口19bが設けられた本実施の形態では、加熱口19aの左端と加熱口19bの右端との距離である。L2は、第1出口92の左右方向の両端間の距離である。L3は、左端の加熱口19aの幅方向の中心と、右端の加熱口19bの幅方向の中心との間の距離である。本実施の形態においても実施の形態1と同様に、L1>L2>L3という関係を有し、実施の形態1と同様の作用効果を有する。
図43は、実施の形態3に係る加熱調理器100Bのトッププレート11が外された状態の平面図である。P1は、加熱コイル13aの前後方向の中心位置、P2は、加熱コイル13bの前後方向の中心位置を示す。図43に示すように、左側の送風機14Bの吹出口143は、加熱コイル13aの中心位置P1よりも前側に配置されており、右側の送風機14Bの吹出口143は、加熱コイル13bの中心位置P2よりも前側に配置されている。また、吹出口143の少なくとも一部は、平面視において排気口12fと前後方向に重なる。吹出口143、加熱コイル13aおよび排気口12fが、前後方向に直線的に配置され、吹出口143、加熱コイル13bおよび排気口12fが、前後方向に直線的に配置されている。ファン141が動作して吹出口143から吹き出された冷却風は、加熱コイル13a、13bを冷却し、後方の排気口12fに向かって直線的に流れる。このため、排気口12fおよび排気導風部材9を介して流出する直線的な誘導気流が形成され、この誘導気流の左右への拡散が抑制される。
放熱フィン110は、フィンの平板面が、吹出口143から流出する気流の流れ方向(本実施の形態では前後方向)に沿うようにして本体筐体10B内に配置されている。放熱フィン110は、加熱コイル13aおよび13bよりも後であって、かつ排気口12fよりも前に配置されている。放熱フィン110は、吹出口143から排気口12fに至る気流の流路上に配置されており、放熱フィン110の平板面が、気流の左右方向への乱れを抑制する整流手段として機能している。図43の加熱コイル13bの後方に示すように、複数の放熱フィン110を前後方向に複数配置してもよい。このようにすることで、放熱フィン110による整流効果を高めることができる。放熱フィン110の整流効果により、排気口12fおよび排気導風部材9を介して流出する直線的な誘導気流が形成され、この誘導気流の左右への拡散が抑制される。
図44は、実施の形態3に係る加熱調理器100Bの側面断面図である。図44では、送風機14B及び左側の加熱コイル13aを通る断面の概略を示しており、紙面左側が前側である。本体筐体10Bの吸気口18Bは、本体筐体10Bの前壁から底面に亘って設けられている。吸気口18Bと対面する位置に、送風機14Bのケーシング142に形成された吸込口144が配置されている。送風機14Bが動作すると、吸気口18Bを介して空気が吸い込まれ、送風機14Bの吹出口143から加熱コイル13aの下側に向かって冷却風が吹き出される。吹き出された気流は、加熱コイル13aの下側を通過する過程で加熱コイル13aを冷却し、駆動装置15の周辺を通過する過程で駆動装置15を冷却する。冷却風は、放熱フィン110の平板面によって整流されて排気口12fへ向かって流れ、排気導風部材9の第1出口92および第2出口94から排出される。
図45は、実施の形態3に係る加熱調理器100Bの側面断面図である。図45では、送風機14B及び右側の加熱コイル13bを通る断面の概略を示しており、紙面左側が前側である。気流の流れは、図44で説明したものと同様である。図45に示す加熱コイル13bの後方には2つの放熱フィン110が配置されているため、放熱フィン110による整流効果が高められている。
図46は、実施の形態3に係る排気口12f近傍の部分断面図である。図46の紙面左側が、加熱調理器100Bの前側である。風路93の軸方向の長さ、すなわち第1入口91から第1出口92までの長さは、第1入口91および第1出口92の開口面それぞれの前後方向の長さよりも長いという構成は、実施の形態1、2と同じである。風路93が、鉛直方向に対して第1出口92に向かって前方に傾いているという構成は、実施の形態1と同じである。鉛直線300、風路93の軸301、および傾斜角θ1は、実施の形態1で定義したものと同じである。
上下に貫通する排気口12fの縁には、導風板120が設けられている。導風板120は、第1入口91の上流側であって、第1入口91の後端部よりも前側に位置している。導風板120は、排気口12fの前側の縁から、後へ向かって斜め下降する傾斜面を有する平板状の部材である。風路93の傾斜方向と、導風板120の傾斜方向と同じであるが、導風板120の傾斜面が鉛直線300に対してなす角度θ2は、傾斜角θ1よりも大きい。このように構成することで、本体筐体10B内から排気口12fに向かって流れた気流は、導風板120によって風路93の下部に導かれ、前側の風路93への気流の流入が促進される。導風板120によって気流の乱れが抑制されるため、風路93を通過して第1出口92から流出する気流の拡散が抑制されて、誘導気流としての作用を高めることができる。また、導風板120の導風作用によって、排気口12fから風路93に流入する気流の圧力損失が抑制されるため、導風板120を備えない場合と比較して送風機14Bの負荷を低減することができる。
本実施の形態の加熱調理器100Bによれば、吹出口143から排気口12fに至る気流が、左右に傾くのを抑制できる。このため、排気口12fを出て排気導風部材9を介して流出する気流の直進性が高まり、排気導風部材9からの気流による、湯気または煙を換気装置201に誘導する作用を高めることができる。また、吹出口143は、加熱コイル13a、13bの中心よりも手前側に設けられていて、吹出口143から排気口12fに至る距離が確保されている。このため、排気口12fに至るまでに左右方向への気流の傾きが抑制されて、直線的な流れに整流される効果が高い。また、排気導風部材9の風路93の長さは、風路93の第1出口92の前後方向の長さよりも長いため、風路93を通過する過程における気流の前後方向の整流効果が高まり、第1出口92から流出する誘導気流の指向性を高めることができる。誘導気流の指向性が高まることにより、誘引した湯気または煙を換気装置201に誘導する作用を向上させることができる。