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JP6839920B2 - 防氷装置、及び、航空機 - Google Patents

防氷装置、及び、航空機 Download PDF

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JP6839920B2
JP6839920B2 JP2016024387A JP2016024387A JP6839920B2 JP 6839920 B2 JP6839920 B2 JP 6839920B2 JP 2016024387 A JP2016024387 A JP 2016024387A JP 2016024387 A JP2016024387 A JP 2016024387A JP 6839920 B2 JP6839920 B2 JP 6839920B2
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Description

本発明は、航空機の前縁の着氷を防止する防氷装置に関する。
航空機が飛行する際には、主翼及び尾翼、エアインテーク等の航空機の進行方向の前縁の外面には空気中に存在する過冷却液滴の衝突による着氷が生じる。この着氷現象は、航空機の飛行に様々な悪影響を及ぼす。そのため、特に影響が懸念される箇所には、種々の加熱手段により着氷を防止する防氷装置が装備されている。
その一つとして、タービン・エンジンを装備する航空機では、エンジン圧縮機からの高温・高圧の抽出空気であるブリードエアが加熱源として広く用いられている。この種の防氷装置では、ブリードエアを配管で導き、前縁の内面に吹き付けることで加熱する。この配管として、長手方向にブリードエアを噴出する多数の噴出孔が設けられたピッコロチューブと称される部材が用いられている。このピッコロチューブは、例えば、主翼に設けられる場合には、前縁の近傍に、胴体との接続端の側から先端に向けて翼長方向に沿って配置されている。この方法では、図6(b)に示すように、ブリードエアの吹付点において、高い熱伝達率が得られるため、他の方法に比べて空気供給量を低減でき、燃費の悪化を小さく抑えることができる。
図6(b)において、破線はブリードエアの熱伝達率の分布(HD)を示し、実線は液滴が衝突する量の分布(DD)を示している。この図6(b)は、ブリードエアによる熱伝達率がピークを示す吹付点と、液滴の衝突量がピークを示す外気流よどみ点(以下、単によどみ点)Psと、が一致している。
図6(b)に示すように、熱伝達率はピークを示す吹付点から離れると急に低くなるので、吹付点とそこから離れた位置で温度ムラが生じやすく、ピッコロチューブの噴出孔の位置を適切に決定しないと、加熱不足を招いたり、過熱による前縁構造の損傷を加速させたりする課題がある。そこで、特に厳しい着氷飛行条件に注目し、この条件で液滴衝突量がピークとなるよどみ点に加熱量を集中するように噴出孔を配向する方法が一般に用いられる。ところが、飛行条件、特に航空機の迎角が変化しよどみ点が移動すると、図6(c)に示すように、吹付点、つまり加熱量が集中する点と液滴衝突量ピーク位置とがずれてしまい、加熱が非効率的になる。そのため、防氷に必要な空気量の増大を招いたり、逆に過熱による前縁構造の破損を加速させたりするおそれがある。
なお、図6(b),(c)における上下方向は、航空機が飛行する環境の水平方向を示している。また、図6(b),(c)において、P1は液滴が衝突する上限位置を示し、P2は液滴が衝突する下限位置を示している。
そこで、特許文献1は、主翼の前縁構造の内面側を二重構造として熱伝達率を平均化する方法を提案している。また、特許文献2は、前縁構造の外表面の流れを乱流に遷移させることで冷却を促進し、局所的な過熱を防止する手段を提案している。
特開2011−183922号公報 特表2009−523637号公報
ところが、特許文献1による提案は、二重構造とするので構造が複雑であり、重量が増大するのに加えて、必要な加熱部位以外への熱の損失が大きいため、抽出空気量を増大させる必要があり、結果として燃費が悪化するおそれがある。
また、特許文献2による提案は、乱流に遷移させる構造により例えば主翼の空気抵抗が増し、燃費悪化に繋がるおそれがあり、また、前縁の冷却が促進されることから、必要な加熱空気量が増大するおそれがある。
以上より、本発明は、簡易かつ軽量化が可能な構造であり、加えて、空気抵抗を増大させることなく、よどみ点の移動に対応して防氷性能を得ることができる防氷装置を提供することを目的とする。
湾曲形状をなす航空機の翼の内面に加熱空気を吹き付ける本発明の防氷装置は、後端から先端に向けた長手方向に加熱空気が流れる流路と、流路と外部を連通し、長手方向に沿って設けられる複数の噴出孔と、を有するピッコロチューブと、ピッコロチューブに向けて加熱空気を供給する供給源と、を備え、ピッコロチューブの噴出孔は、翼に仮想的に形成される外気流よどみ点の上限位置及び下限位置に向けて、加熱空気を噴出する、ことを特徴とする。
本発明におけるピッコロチューブは、複数の噴出孔が直線上に並ぶ噴出孔列が、上下の二列に配置され、相対的に上側に配置される第一噴出孔列L1と、第一噴出孔列L1よりも下側に配置される第二噴出孔列L2と、を備え、第一噴出孔列L1は、加熱空気を上限位置に向けて噴出し、第二噴出孔列L2は、加熱空気を下限位置に向けて噴出する、ことが好ましい。
本発明におけるピッコロチューブは、第一噴出孔列L1と第二噴出孔列L2の中間に、液滴の衝突量が最大となる条件における外気流よどみ点が配置される、ことが好ましい。
本発明におけるピッコロチューブは、第一噴出孔列L1をなす複数の噴出孔と第二噴出孔列L2をなす複数の噴出孔が、千鳥配列される、ことが好ましい。
本発明におけるピッコロチューブは、後端側から先端側に向けて先細りの形状を有し、先端側における、第一噴出孔列L1と第二噴出孔列L2の中心角θcが、後端側における、第一噴出孔列L1と第二噴出孔列L2の中心角θaより小さい、ことが好ましい。
本発明におけるピッコロチューブは、それぞれの噴出孔が、上端開口部から下端開口部に向けて上下方向に延びるスリットからなり、上端開口部から加熱空気を上限位置に向けて噴出し、下端開口部から加熱空気を下限位置に向けて噴出する、ことが好ましい。
本発明の防氷装置によれば、外気流よどみ点の上限位置及び下限位置に向けて噴出するので、航空機の姿勢によってよどみ点が上限位置に達したとしても、そこは熱伝達率の一方のピークと一致するか、または、近傍の位置にある。同様に、航空機の姿勢によってよどみ点が下限位置に達したとしても、そこは熱伝達率の他方のピークと一致するか、または、近傍の位置にある。これにより、吹付点の近傍の熱伝達率が高い領域で効率的に水分を蒸発させることができ、防氷に必要なブリードエアの量を削減できるとともに、過熱も抑止できる。
また、液滴衝突量が最大となる位置が、熱伝達率の二つのピークの中間にあるものとすると、液滴の大部分は加熱量の少ない領域に衝突し、液滴の全量は蒸発することができないので、残った水分は前縁の表面に水膜を形成する。この水膜は下流に向けて移動して熱伝達率のピークに達するので、蒸発するとともに過熱を防止することができる。
本発明の実施形態に係る防氷装置の概略構成を示し、(a)は航空機の主翼を含む平面図、(b)は主翼の横断面図である。 図1のピッコロチューブを示し、(a)は平面図、(b)は部分正面図、(c)は上流管の横断面図、(d)は中流管の横断面図、(e)は下流管の横断面図である。 図1の防氷装置によるブリードエアの熱伝達率分布と液滴衝突量分布の関係を示し、(a)はよどみ点が上限位置より所定量だけ下方にあるとき、(b)はよどみ点が中間位置にあるとき、(c)はよどみ点が下限位置より所定量だけ上方にあるとき、を示している。 図3(b)の位置によどみ点があるときの防氷作用を説明する図である。 図1のピッコロチューブの変形例を示し、(a)は噴出孔が千鳥配列されているピッコロチューブの正面図、(b)は噴出孔が三列に配列されているピッコロチューブの正面図、(c)は噴出孔がスリットとされているピッコロチューブの正面図、(d)は噴出孔が一列に配列されたピッコロチューブを二本配置する例を示している。 (a)は航空機の主翼に液滴が衝突する様子を示す図、(b)は噴出孔が一列に並ぶピッコロチューブにおいて、ブリードエアの吹付点とよどみ点が一致する場合の熱伝達率分布及び液滴衝突量分布を示し、(c)は(b)からよどみ点が移動した後の熱伝達率分布及び液滴衝突量分布を示している。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る防氷装置の実施形態について説明する。
本実施形態の防氷装置10は、図1に示すように、航空機の主翼1のスラット3の内部に設けられることで、スラット3の前縁5の外面7への着氷を防止するためのものである。
スラット3は、その外殻が例えばアルミニウム合金、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)やGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)などの繊維強化樹脂からなる翼パネル4によって形成されている。翼パネル4は、図1(b)に示すように、曲げ加工により、翼長方向に沿った前縁5の横断面は、湾曲形状をしている。防氷装置10は、加熱された空気であるブリードエアを前縁5の内面6に向けて噴出することで、外面7への着氷を防止する。
防氷装置10は、図1(a)に示すように、前縁5にブリードエアを噴出させるピッコロチューブ11と、ブリードエアの供給源であるエンジン18と、ピッコロチューブ11とエンジン18を繋ぎ、ブリードエアをピッコロチューブ11に導くエア供給管19と、を備えている。エンジン18は、航空機の推力を得るためのものであり、例えば主翼1の下面に取り付けられたジェットエンジンであり、ブリードエアはジェットエンジンの圧縮機から抽出されたものであり、予め冷却されて、適切な温度を有している。
図1(a),(b)に示すように、ピッコロチューブ11は、前縁5の内面6から所定の距離だけ離れた位置に、主翼1の翼長方向に沿って配設されている。
ピッコロチューブ11は、図2(a)に示すように、エア供給管19に連なる後端側を上流とし、そこから先端側に向けて順に、上流管12、中流管13及び下流管14の三つの部分が配置された先細りのものである。なお、上流、中流及び下流は、これら三つの部分を区別するために用いられる表現であって、三つの部分における相対的な関係を表しているに過ぎない。
上流管12、中流管13及び下流管14は、図2(c)〜(e)に示すように、いずれも中空円筒状の管状の部材からなり、中空部分がブリードエアの流れる流路15を構成する。
図2(b)に示すように、上流管12、中流管13及び下流管14のそれぞれの内径が異なることで、上流管12、中流管13及び下流管14のそれぞれにおける流路15の開口面積A12、A13及びA14が、ブリードエアの流れる向きに沿って、段階的に狭くなっている。ピッコロチューブ11は、上流管12、中流管13及び下流管14は、それぞれを別体として用意して、溶接、その他の手段により、接続される。
A12 > A13 > A14
ピッコロチューブ11は、それぞれが前縁5の内面6に向けて開口し、流路15と外部を連通する複数の噴出孔16が形成されている。図2(a),(b)に示すように、複数の噴出孔16が、ピッコロチューブ11の長手方向に所定の間隔を隔てて並んで形成されている。エア供給管19からピッコロチューブ11に流入したブリードエアは、高温かつ高速のジェット噴流として噴出孔16から前縁5の内面6に向けて噴出される。
本実施形態のピッコロチューブ11は、図2(a),(b)に示すように、長手方向に同一直線上に並ぶ複数の噴出孔16からなる列が、ピッコロチューブ11の円周方向に二列に設けられている。このように噴出孔16を二列にすることで、内面の広範囲にわたってブリードエアが吹き付けられるようにするとともに、一つ当たりの噴出孔16から噴出させるブリードエアの流量を下げ、熱伝達率が過大となるのを防ぎ、部材の過熱を防ぐことができる。なお、図2(b)に示すように、複数の噴出孔16からなる列のそれぞれを第一噴出孔列L1、第二噴出孔列L2と称することにする。なお、ピッコロチューブ11の円周方向においては、噴出孔16が同じ位相に配置されている。
第一噴出孔列L1及び第二噴出孔列L2は、図2(a),(b)に示すように、上下の二列に配置され、かつ、上流管12から下流管14にわたって形成されている。図2(c)に示すように、上流管12において、相対的に上側に配置される第一噴出孔列L1と相対的に下側に配置される第二噴出孔列L2は、中心角θ12(θa)だけ開いて設けられている。中流管13及び下流管14においても、同様に、中心角θ13(θb)及び中心角θ14(θc)だけ開いて設けられている。したがって、ピッコロチューブ11は、第一噴出孔列L1により列をなすブリードエアの吹付点と第二噴出孔列L2により列をなすブリードエアの吹付点を生成することができる。第一噴出孔列L1が後述する上限位置の外気流よどみ点(以下、単によどみ点)P1に向けてブリードエアを噴出し、第二噴出孔列L2が後述する下限位置の外気流よどみ点(以下、単によどみ点)P2に向けてブリードエアを噴出する。
ここで、ピッコロチューブ11は、上流管12から下流管14にわたって形成されている第一噴出孔列L1と第二噴出孔列L2の中心角が、θ12、θ13及びθ14の順で小さくなる。これは、対応する主翼3の内面6までの距離を考慮するものであり、図2(a)に示すように、内面6までの距離が遠いほど中心角を小さくし、逆に、内面6までの距離が遠いほど中心角を大きくすることで、ブリードエアが内面6に到達する位置を揃える。
ただし、以上の関係はあくまで一例であり、本発明はこの位置関係に限るものではない。
本実施形態における複数の噴出孔16は、第一噴出孔列L1及び第二噴出孔列L2の二列に設けられているのに加えて、主翼3の前縁5におけるよどみ点との関係でその位置が特定されている。以下、図3及び図6(a),(b)を参照して説明する。
いま、航空機1が飛行しており、図6(a)に示すように、そのスラット3の前縁5に液滴Dが衝突するものとすると、液滴Dの流れ場の中で速度がゼロになる点、つまりよどみ点Psにおいて、最も液滴の衝突量が多くなる。よどみ点Psから離れるにつれて液滴Dの衝突量は少なくなり、特定の距離だけ離れる衝突上限及び衝突下限から外れると、液滴は衝突しなくなる。このように、主翼3に衝突する液滴Dの量はよどみ点を基準にして定まる。なお、よどみ点Psは、仮想的に形成されるものであり、スラット3の場合には、その断面形状及びそのポジション、そして、航空機の迎角により定まる。
つまり、図6(a),(b)は、一例として航空機1が水平に飛行していることを前提にしているが、航空機の姿勢(迎角)が変われば、よどみ点Psもそれに応じて変化する。もっとも、航空機は特定の迎角の範囲で飛行するので、よどみ点Psもまた特定の範囲で変位することになり、よどみ点Ps、それが生ずる最上位の位置、つまり上限位置であるよどみ点P1とそれが生ずる最下位の位置、つまり下限位置であるよどみ点P2の範囲を変位する。よどみ点P1及びよどみ点P2を図3(a)〜(c)に示す。
図3(a)は、よどみ点Psが上限位置であるよどみ点P1に近づいた状態を示し、図3(b)はよどみ点Psがよどみ点P1とよどみ点P2の中間に置かれた状態を示し、図3(c)はよどみ点Psが下限位置であるよどみ点P2に近づいた状態を示している。よどみ点P1とよどみ点P2の間の範囲を、よどみ点変位範囲と称する。
本実施形態は、図3(a)〜(c)に示すように、第一噴出孔列L1が上限のよどみ点P1よりも内側のよどみ点変位範囲に設けられているとともに、第二噴出孔列L2が下限のよどみ点P2よりも内側のよどみ点変位範囲に設けられている。
第一噴出孔列L1及び第二噴出孔列L2から噴出されるブリードエアによる熱伝達率の分布は、図3(a)〜(c)に示すように、ピークH1及びピークH2と二つのピークを持ち、かつ、ピークH1はよどみ点P1よりも微小距離だけ内側に配置され、また、ピークH2はよどみ点P2よりも微小距離だけ内側に設けられる。
[効 果]
本実施形態の防氷装置10は、第一噴出孔列L1、つまりピークH1とよどみ点P1の位置関係、及び、第二噴出孔列L2、つまりピークH2とよどみ点P2の位置関係が上述の関係を有している。したがって、仮に、航空機の姿勢によってよどみ点Psが上限位置であるよどみ点P1に達したとしても、図3(a)に示すように、よどみ点P1は熱伝達率のピークH1と一致するか、または、近傍の位置にある。同様に、航空機の姿勢によってよどみ点Psが下限位置であるよどみ点P2に達したとしても、図3(c)に示すように、よどみ点P2は熱伝達率のピークH2と一致するか、または、近傍の位置にある。このように、本実施形態によると、飛行条件(迎角)が変化すると、よどみ点の位置が変化するため、液滴衝突量のピークも移動するが、常に上下いずれかの吹付点の近傍となる。そのため、吹付点近傍の熱伝達率が高い領域で効率的に水分を蒸発させることができ、防氷に必要なブリードエアの量を削減できるとともに、過熱も抑止できる。
次に、図3(b)のように、よどみ点Ps、つまり液滴衝突量が最大となる位置が、熱伝達率の二つのピークH1,H2の中間、つまり熱伝達率の谷の位置にある場合を想定する。
液滴衝突量が最大となる条件では、より多くのブリードエアが必要となるため、過熱が起こりやすくなる。しかし、液滴衝突量のピーク位置(よどみ点)を熱伝達率の谷の位置とすれば、図4に示すように、液滴の大部分は加熱量の少ない領域に衝突し、液滴の全量は蒸発することができないので、残った水分は主翼3の前縁5の表面に水膜WFを形成する。この水膜WFは、下流に向けて移動して熱伝達率のピークH1,H2に達するので、蒸発SするとともにピークH1,H2に基づく過熱を防止することができる。
また、防氷装置10は、複数の噴出孔16をピッコロチューブ11に二列に配置するとともに、よどみ点Psとの関係でその配置位置を特定するだけで足りるので、特許文献1のような複雑な内部構造を用いなくとも、均一な加熱を実現できるため、装置の軽量化が実現できる。また、内部構造が単純であり、例えば特許文献1で採用される二重壁による加熱の熱損失を防止することができるため、供給するブリードエアの量を削減でき、エンジンの燃費が向上する。さらに、特許文献2のように外表面に突起物を設ける必要がないため、空気抵抗の増大がなく、燃費を悪化させることもない。
以上、本発明を好ましい実施形態に基づいて説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
例えば、上述した実施形態は、ピッコロチューブ11の円周方向においては、噴出孔16が同じ位相に配置されているが、本発明はこれに限定されない、例えば、図5(a)に示すように、複数の噴出孔16を千鳥配列にすることができる。このように噴出孔16を千鳥配列にすることにより、加熱ムラを抑えることができる。加熱ムラを抑えるために、図5(b)に示すように、噴出孔16を三列に設けることもできる。
また、上述した実施形態では、開口形状が円形の噴出孔16を二列に設けることにより、よどみ点P1及びよどみ点P2に高い熱伝達率を及ぼしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図5(c)に示すように、開口形状が周方向に沿って伸びる噴出孔26として設けることができる。この噴出孔26は、上端開口部から下端開口部に向けて上下方向に延びるスリットからなり、上端開口部からブリードエアを上限位置のよどみ点P1に向けて噴出し、下端開口部からブリードエアを下限位置のよどみ点P2向けて噴出する。この噴出孔26から噴出されるブリードエアによる円周方向の熱伝達率は、ピークH1,H2のようなピークを有しないが、よどみ点P1及びよどみ点P2に所定の熱伝達率を及ぼすことができる。
また、上述した実施形態では、一本のピッコロチューブ11に噴出孔16を二列に設けているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図5(d)に示すように、噴出孔16が一列に設けられているピッコロチューブ11を二本配置してもよい。
1 航空機
3 主翼
4 翼パネル
5 前縁
6 内面
7 外面
10 防氷装置
11 ピッコロチューブ
12 上流管
13 中流管
14 下流管
15 流路
16 噴出孔
18 エンジン
19 エア供給管
26 噴出孔
D 液滴

Claims (6)

  1. 湾曲形状をなす航空機の翼の内面に加熱空気を吹き付ける防氷装置であって、
    後端から先端に向けた長手方向に加熱空気が流れる流路と、前記流路と外部を連通し、
    前記長手方向に沿って設けられる複数の噴出孔と、を有するピッコロチューブと、
    前記ピッコロチューブに向けて前記加熱空気を供給する供給源と、を備え、
    前記ピッコロチューブの前記噴出孔は、前記翼に仮想的に形成される外気流よどみ点の
    上限位置及び下限位置に向けて、前記加熱空気を噴出し、
    前記ピッコロチューブは、
    複数の前記噴出孔が直線上に並ぶ噴出孔列が、上下の二列に配置され、
    相対的に上側に配置される第一噴出孔列L1と、前記第一噴出孔列L1よりも下側に配
    置される第二噴出孔列L2と、を備え、
    前記ピッコロチューブにおいて、
    前記第一噴出孔列L1は、前記加熱空気を前記上限位置に向けて噴出し、
    前記第二噴出孔列L2は、前記加熱空気を前記下限位置に向けて噴出する、
    前記ピッコロチューブは、
    後端側から先端側に向けて先細りの形状を有し、
    前記先端側における、前記第一噴出孔列L1と前記第二噴出孔列L2の中心角θcが、
    前記後端側における、前記第一噴出孔列L1と前記第二噴出孔列L2の中心角θaより
    小さい、ことを特徴とする防氷装置。
  2. 前記第一噴出孔列L1と前記第二噴出孔列L2の中間に、液滴の衝突量が最大となる条
    件における前記外気流よどみ点が配置される、
    ことを特徴とする請求項に記載の防氷装置。
  3. 前記第一噴出孔列L1をなす複数の前記噴出孔と前記第二噴出孔列L2をなす複数の前
    記噴出孔が、千鳥配列される、
    ことを特徴とする請求項2に記載の防氷装置。
  4. 湾曲形状をなす航空機の翼の内面に加熱空気を吹き付ける防氷装置であって、
    後端から先端に向けた長手方向に加熱空気が流れる流路と、前記流路と外部を連通し、
    前記長手方向に沿って設けられる複数の噴出孔と、を有するピッコロチューブと、
    前記ピッコロチューブに向けて前記加熱空気を供給する供給源と、を備え、
    前記ピッコロチューブの前記噴出孔は、前記翼に仮想的に形成される外気流よどみ点の
    上限位置及び下限位置に向けて、前記加熱空気を噴出し、
    前記ピッコロチューブは、
    複数の前記噴出孔が直線上に並ぶ噴出孔列が、上下の二列に配置され、
    相対的に上側に配置される第一噴出孔列L1と、前記第一噴出孔列L1よりも下側に配
    置される第二噴出孔列L2と、を備え、
    かつ、前記ピッコロチューブは、
    それぞれの前記噴出孔が、上端開口部から下端開口部に向けて上下方向に延びるスリッ
    トからなり、
    前記上端開口部から前記加熱空気を前記上限位置に向けて噴出し、
    前記下端開口部から前記加熱空気を前記下限位置に向けて噴出する、
    ことを特徴とする防氷装置。
  5. 請求項1〜請求項のいずれか一項に記載された防氷装置を備えることを特徴とする、
    航空機。
  6. 前記防氷装置を備えるのが主翼であることを特徴とする、請求項に記載の航空機。
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