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JP6839148B2 - シールリング - Google Patents

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JP6839148B2
JP6839148B2 JP2018174027A JP2018174027A JP6839148B2 JP 6839148 B2 JP6839148 B2 JP 6839148B2 JP 2018174027 A JP2018174027 A JP 2018174027A JP 2018174027 A JP2018174027 A JP 2018174027A JP 6839148 B2 JP6839148 B2 JP 6839148B2
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Description

本発明は、油圧機器などに利用可能なシールリングに関する。
自動車に搭載される油圧式自動変速機などの各種油圧機器にはシールリングが用いられる。シールリングは、ハウジングに挿通されるシャフトの溝部に嵌め込まれ、ハウジングとシャフトとの間を封止する。これにより、シャフトとハウジングとの間におけるオイル漏れを防止することができる。
シールリングには、シャフトとハウジングとが相対的に回転する際の摺動面が異なる2つのタイプが存在する。すなわち、シールリングには、ハウジングとともに回転して側面がシャフトの溝部に対して摺動する側面摺動型と、シャフトとともに回転して外周面がハウジングに対して摺動する外周面摺動型と、が存在する。
外周面摺動型のシールリングでは、外周面の摩耗が進むにつれて合口部が開いていくため、合口部におけるオイル漏れが発生しやすくなる。この一方で、側面摺動型のシールリングでは、側面の摩耗が進んでもシール性能が損なわれにくい。したがって、側面摺動型のシールリングでは、高い耐久性が得られる。
油圧機器には、省エネルギーの観点から、駆動損失の低減が求められる。このため、油圧機器に用いられるシールリングには、摩擦損失(フリクションロス)の低減が求められる。特許文献1〜6には、側面とシャフトとの間のフリクションロスの低減が図られた側面摺動型のシールリングが開示されている。
特許文献1〜6に記載のシールリングは、側面に間隔をあけて設けられ、外周面側が閉塞され、内周面側が開放された複数のポケットを有する。このようなシールリングでは、内周面側からポケット内に入り込んだオイルの油圧によって、側面がシャフトから離間する方向に押圧力が加わるため、フリクションロスが低減される。
特に、特許文献1に記載のシールリングでは、シャフトとハウジングとが相対的に回転する際のポケット内のオイルの挙動を考慮した設計のポケットを設けることにより、オイルからより大きい押圧力を受けることができる。これにより、側面とシャフトとの間のフリクションロスが大幅に低減される。
国際公開第2016/158848号パンフレット 国際公開第2011/105513号パンフレット 国際公開第2004/090390号パンフレット 国際公開第2011/162283号パンフレット 国際公開第2013/094654号パンフレット 国際公開第2013/094657号パンフレット
実際には、側面摺動型のシールリングの外周面は、シャフトとハウジングとが相対的に回転する際に、ハウジングに張り付いているわけではなく、僅かながらハウジングに対しても摺動している。このため、側面摺動型のシールリングでは、外周面とハウジングとの間にも僅かなフリクションロスが発生している。
上記のように、側面摺動型のシールリングでは、側面とシャフトとの間のフリクションロスを低減する技術が成熟してきている。この状況において、側面摺動型のシールリングでは、全体としてのフリクションロスの更なる低減のために、外周面とハウジングとの間のフリクションロスの低減が有効となる可能性がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、フリクションロスをより効果的に低減可能なシールリングを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るシールリングは、外周面と、内周面と、側面と、複数のポケットと、を具備する。
上記外周面は、径方向の外側を向き、平坦部と、上記平坦部から厚さ方向の外側に向けて上記径方向の内側に傾斜する傾斜部と、を含む。
上記内周面は、上記径方向の内側を向いている。
上記側面は、上記厚さ方向の外側を向いている。
上記複数のポケットは、上記側面に間隔をあけて設けられ、上記外周面側が閉塞され、上記内周面側が開放されている。
このシールリングでは、複数のポケットの作用によって側面とシャフトとの間のフリクションロスが低減され、かつ外周面の傾斜部の作用によって外周面とハウジングとの間のフリクションロスが低減される。これにより、フリクションロスをより効果的に低減可能なシールリングを提供することができる。
上記平坦部は、上記厚さ方向の中央部に位置してもよい。
上記シールリングは、合口部と、上記合口部の間を環状に延びる本体部と、を更に具備してもよい。この場合、上記傾斜部は、上記合口部に形成されていなくてもよい。また、上記傾斜部は、上記本体部の全周にわたって一連に形成されていてもよい。
上記傾斜部は、相互に間隔をあけて形成された複数の傾斜部を含んでいてもよい。
上記平坦部を上記厚さ方向に延長した円筒面と上記傾斜部との間の角度は25°以下であってもよい。
上記平坦部の上記厚さ方向の寸法は、上記外周面の上記厚さ方向の寸法の3%以上80%以下であってもよい。
上記傾斜部の上記径方向の寸法は、上記平坦部と上記内周面との間隔の16%以下であってもよい。
これらの構成では、外周面とハウジングとの間のフリクションロスを更に効果的に低減することができる。
フリクションロスをより効果的に低減可能なシールリングを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るシールリングの平面図である。 上記シールリングの部分斜視図である。 上記シールリングの他の実施形態を示す部分斜視図である。 上記シールリングの図1のA−A'線に沿った断面図である。 上記シールリングの他の実施形態を示す平面図である。 上記シールリングの他の実施形態を示す断面図である。 上記シールリングの他の実施形態を示す断面図である。 上記シールリングがシャフト及びハウジングに組み込まれた状態を示す断面図である。 比較例1に係るシールリングの断面図である。 実施例に係るシールリングの引き摺りトルクの評価結果を示すグラフである。 実施例に係るシールリングの引き摺りトルクの評価結果を示すグラフである。 実施例に係るシールリングの引き摺りトルクの評価結果を示すグラフである。 比較例2に係るシールリングの断面図である。 上記シールリングの他の実施形態を示す断面図である。 上記シールリングの他の実施形態を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
[シールリング1]
図1は、本発明の一実施形態に係るシールリング1の平面図である。シールリング1は、本体部1aと、合口部1bと、を有する。本体部1aは、中心軸Cを中心とする環状に形成されている。合口部1bは、本体部1aの両端部を構成する。つまり、本体部1aは、合口部1bの間を環状に延びる。
合口部1bは、相互に周方向に係合可能に構成されている。シールリング1では、本体部1aを弾性変形させながら合口部1bを周方向に広げることにより、本体部1aの径を拡大させることができる。これにより、シールリング1では、径の大きい軸部材に対しても容易に装着することが可能となる。
シールリング1の本体部1aの外面は、外周面2と、内周面3と、一対の側面4と、を含む。外周面2は、中心軸Cと直交する軸の方向である径方向の外側を向いている。内周面3は、径方向の内側を向いている。側面4は、中心軸Cと平行な軸の方向である厚さ方向の外側を向いている。外周面2は、平坦部21及び傾斜部22を含む。
外周面2の平坦部21は、中心軸Cを中心とする円筒状の面である。内周面3は、中心軸Cを中心とする円筒状の面である。側面4は、中心軸Cと直交する面に平行な平面である。本体部1aは、典型的には、中心軸Cと直交し、厚さ方向の中央を通る面について、厚さ方向に対称な形状を有する。
合口部1bは、オイル漏れの防止のために、隙間が生じにくい構成であることが好ましい。合口部1bとしては、特定の構成に限定されず、例えば、直角(ストレート)合口、斜め(アングル)合口、段付き(ステップ)合口、ダブルアングル合口、ダブルカット合口、トリプルステップ合口などを採用可能である。
シールリング1は、合口部1bを少し広げて、本体部1aを拡径させた状態で、シャフト110の溝部111に装着される。シャフト110に装着されたシールリング1の外周面2は、シャフト110の溝部111から少し突出している。そして、シャフト110は、シールリング1が装着された状態で、ハウジング120に挿通される(図4参照)。
シールリング1の側面4には、厚さ方向に凹む複数のポケット10が設けられている。複数のポケット10は、両方の側面4の内周面3側の位置にそれぞれ等間隔で配置されている。シールリング1では、複数のポケット10の作用によって、側面4とシャフト110との間のフリクションロスを低減することができる。
図2は、ポケット10付近を拡大して示すシールリング1の部分斜視図である。図2を参照して、ポケット10の構成について説明する。ポケット10は、シールリング1の内周面3側に開放されている。したがって、シールリング1では、オイルが内周面3側からポケット10内に流入することが可能である。
この一方で、ポケット10は、外周面2との間にシールリング1の側面4を構成する隔壁部13を有し、外周面2側が隔壁部13によって閉塞されている。したがって、シールリング1では、内周面3側からポケット10内に流入したオイルが外周面2側に漏れ出すことを抑制可能である。
シールリング1の側面4には、複数のポケット10の間に、隔壁部13とともに側面4を構成する柱部14が設けられている。つまり、シールリング1には、ポケット10と柱部14とが周方向に沿って交互に配置されている。各ポケット10は、柱部14によってシールリング1の周方向に隔てられている。
ポケット10は、底部11と、斜面部12と、を有する。底部11は、ポケット10の周方向の中央部に設けられている。斜面部12は、ポケット10の周方向の両側に設けられている。斜面部12は、それぞれ底部11から柱部14に向けて、側面4からの深さが減少するように傾斜する。
底部11は、側面4から最も深いポケット10の底面を構成する。つまり、ポケット10は、底部11において内周面3側に最も広く開口している。このため、ポケット10には、主に底部11からオイルが流入する。底部11は、典型的には平面状であるが、この構成に限定されず、例えば、緩やかな曲面状であってもよい。
斜面部12は、典型的には一連の平面であるが、底部11から柱部14に向けて、側面4からの深さが減少するように傾斜していればよい。例えば、図3に示すように、斜面部12は、傾斜の角度が異なる複数の平面状の斜面部12a,12bから構成されていてもよい。つまり、斜面部12では、傾斜の角度が周方向の途中で変化していてもよい。
また、斜面部12は、傾斜の角度が異なる3つ以上の平面状の斜面部から構成されていてもよい。更に、斜面部12は、径方向に沿って傾斜の角度が連続的に変化していてもよい。つまり、斜面部12は、その全体又は一部が、凸状や凹状の緩やかな曲面で構成されていてもよい。
図4は、シールリング1の図1のA−A'線に沿った断面図である。つまり、図4は、ポケット10の底部11の位置においてシールリング1を径方向及び厚さ方向に沿って切断した断面を示している。図4を参照して、外周面2の平坦部21及び傾斜部22の構成について説明する。
平坦部21は、厚さ方向の中央部に設けられ、中心軸Cを中心とする円筒状の面である。傾斜部22は、平坦部21の厚さ方向の両側に設けられ、厚さ方向の外側に向けて径方向の内側に傾斜している。つまり、傾斜部22は、側面4に近い部分ほど、内周面3に近くなっている。
図1に示すように、傾斜部22は、合口部1bには形成されないことが好ましい。これにより、合口部1bにおけるオイル漏れを低減することができる。また、傾斜部22は、本体部1aの全周にわたって一連に形成されることが好ましい。これにより、後述する傾斜部22を設けることによる作用がより効果的に得られる。
なお、傾斜部22の構成は上記に限定されない。例えば、図5に示すように、シールリング1は、周方向に分割された複数の傾斜部22を有していてもよい。この構成のシールリング1では、複数の傾斜部22の間に形成される柱部24において平坦部21が外周面2の全幅にわたって延びるため、使用時に安定した姿勢が保たれやすくなる。
傾斜部22は、中心軸Cを中心とする円錐台の側面を構成し、平坦部21を厚さ方向に延長した円筒面との間に角度αを成す一連の直線状の断面形状を有する。しかし、傾斜部22の構成はこれに限定されない。例えば、傾斜部22は、円錐面ではなく、つまり曲線状の断面形状又は屈曲した直線状の断面形状(多段傾斜)を有していてもよい。
例えば、傾斜部22は、図6Aに示すような凸状の曲線の断面形状を有していてもよく、図6Bに示すような凹状の曲線の断面形状を有していてもよい。また、傾斜部22の断面は、直線と凸状の曲線と凹状の曲線とのうちの2つ以上が組み合わされた形状であってもよい。このような円錐面ではない傾斜部22の角度αは、図6A,6Bに示すように、傾斜部22の厚さ方向の両端部を通る円錐面と、平坦部21を厚さ方向に延長した円筒面と、の間の角度として規定される。
図7は、シールリング1がシャフト110及びハウジング120に組み込まれた状態を示す断面図である。シャフト110には、外周面の全周にわたって溝部111が設けられている。シャフト110は、溝部111にシールリング1が嵌め込まれた状態で、ハウジング120に挿通されている。
図7に示す状態では、オイルが右側からシャフト110とハウジング120との隙間に流入している。このとき、右側の側面4がオイルに押圧されて、左側の側面4がシャフト110の溝部111の側壁に押し付けられる。また、内周面3がオイルに押圧されて、外周面2の平坦部21がハウジング120の内周面に押し付けられる。
これにより、シャフト110とハウジング120との隙間が封止され、オイルがシールリング1よりも左側に漏れることを防止することができる。また、シールリング1では、本体部1aが厚さ方向に左右対称に形成されているため、シャフト110の溝部111に左右反対に嵌め込まれた場合にも同様の機能が得られる。
また、シールリング1は、側面摺動型であり、主にシャフト110に対して回転するように構成されている。例えば、シールリング1では、シャフト110とハウジング120とが相対的に回転する際に、シャフト110に対する回転がほとんどであり、ハウジング120に対する回転は数%のみである。
したがって、シールリング1では、シャフト110と当接する側面4がメイン摺動面で、ハウジング120と当接する外周面2がサブ摺動面となる。シールリング1では、全体としてのフリクションロスの低減のための大前提として、メイン摺動面である側面4とシャフト110との間のフリクションロスを低減する必要がある。
シールリング1では、メイン摺動面である側面4とシャフト110との間のフリクションロスを、複数のポケット10の作用によって低減することができる。具体的に、図7に示す状態では、シャフト110によって右側から閉塞された左側のポケット10が、側面4とシャフト110との間のフリクションロスを低減させる作用を有する。
より詳細に、シールリング1は、左側のポケット10内のオイルの油圧によって、側面4をシャフト110から引き離す方向への押圧力を受ける。これにより、側面4とシャフト110との間の垂直抗力が低減される。したがって、側面4とシャフト110との間のフリクションロスが低減される。
また、シールリング1では、ポケット10内の油圧による作用に加え、ポケット10内をオイルが流動するエネルギーを利用して、側面4とシャフト110との間のフリクションロスを更に低減することができる。シールリング1には、このような作用を得るために、図2に示す底部11及び斜面部12が設けられている。
シールリング1では、シャフト110とハウジング120との相対的な回転の際に、オイルが、底部11からポケット10内に進入し、回転方向に応じてポケット10内をいずれか一方の斜面部12に向けて流動する。これにより、シールリング1では、斜面部12にオイルの流速に応じた大きさの周方向の押圧力が加わる。
シールリング1では、オイルから傾斜した斜面部12に加わる周方向の押圧力が、側面4をシャフト110から引き離す方向に作用する。これにより、側面4とシャフト110との間の垂直抗力が更に低減される。したがって、側面4とシャフト110との間のフリクションロスが更に低減される。
なお、底部11と斜面部12とを接続する接続部は、側面4側から窪む凹状のR面であることが好ましい。これにより、オイルが底部11から斜面部12にスムーズに流れ込み、オイルの流速が損なわれにくくなる。このため、オイルから斜面部12に加わる押圧力をより大きくすることができる。
また、斜面部12と柱部14とを接続する接続部は、側面4側に突出する凸状のR面であることが好ましい。これにより、当該接続部では、柱部14に近づくにつれて絞りが小さくなるオイル流路が形成され、オイルが柱部14側の奥まで進入しやすくなるため、オイルから受ける押圧力をより大きくすることができる。
上記のように、シールリング1では、側面4とシャフト110との間のフリクションロスが充分に低減される。本実施形態に係るシールリング1では、全体としてのフリクションロスの更なる低減のために、サブ摺動面である外周面2とハウジング120との間のフリクションロスを低減する。
シールリング1では、サブ摺動面である外周面2とハウジング120との間のフリクションロスを、外周面2の傾斜部22の作用によって低減することができる。具体的に、図7に示す状態では、オイルが流入する右側の傾斜部22が、外周面2とハウジング120との間のフリクションロスを低減させる作用を有する。
より詳細に、シールリング1では、右側の傾斜部22がハウジング120との間に進入したオイルの油圧によって図7にブロック矢印で示す斜め方向の押圧力を受ける。シールリング1では、オイルから傾斜部22に加わる押圧力が、外周面2をハウジング120から引き離す方向の成分を有する。
したがって、シールリング1では、オイルから傾斜部22に加わる押圧力によって、平坦部21とハウジング120との間の垂直抗力が低減される。これにより、シールリング1では、平坦部21のハウジング120に対する摺動時に加わる摩擦力が低減するため、平坦部21とハウジング120との間のフリクションロスが低減される。
また、外周面2とハウジング120との間のフリクションロスが低減されることにより、側面4とシャフト110との間のフリクションロスが更に低減されるという相乗効果が得られる。これにより、シールリング1では、全体としてのフリクションロスを更に低減することができる。
図4には、平坦部21を厚さ方向に延長した円筒面に対する傾斜部22の角度αが示されている。傾斜部22の角度αが小さいほど、オイルから傾斜部22に加わる押圧力における外周面2をハウジング120から引き離す方向の成分が大きくなる。このため、傾斜部22の角度αは、25°以下であることが好ましく、5°であることがより好ましく、1°であることが更に好ましい。
また、図4には、シールリング1の厚さ方向の寸法Tと、平坦部21の厚さ方向の寸法T1と、が示されている。平坦部21とハウジング120との間のフリクションロスの低減ためには、寸法T1が小さいことが好ましい。この一方で、寸法T1が小さすぎると、平坦部21とハウジング120との間のシール性を確保しにくくなる。
このため、シールリング1の寸法Tに対する平坦部21の寸法T1の比率は、3%以上80%以下であることが好ましく、5%以上50%以下であることがより好ましく、22%であることが更に好ましい。これにより、シールリング1では、シール性を充分に確保しつつ、平坦部21とハウジング120との間のフリクションロスを低減することができる。
更に、図4には、平坦部21と内周面3との間隔として規定されるシールリング1の径方向の寸法Dと、傾斜部22の径方向の寸法D1と、が示されている。シールリング1では、側面4のシャフト110に対する接触面積をある程度確保し、動圧効果を有効に得ることにより、フリクションロスが低減される。
この点、図7を参照すると明らかなように、傾斜部22の寸法D1が大きくなると、傾斜部22がシャフト110の溝部111内に入り込むため、側面4のシャフト110に対する接触面積が減少する。動圧効果を有効に得るために、シールリング1の寸法Dに対する平坦部21の寸法D1の比率は、16%以下に留めることが好ましい。
なお、シールリング1は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、変性ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)などの材料で形成することができる。
また、シールリング1には、上記のような材料に加え、各種の添加剤が添加されていてもよい。シールリング1に加える添加剤としては、例えば、カーボン粉末やカーボン繊維等の充填剤が挙げられる。このような充填剤を添加することによって、より高強度のシールリング1が得られる。
更に、シールリング1の製造方法としては、例えば、射出成型法や圧縮成型法などが挙げられる。射出成型法に適した材料としては、例えば、PEEK、PPS、PIなどの樹脂材料が挙げられる。圧縮成型法に適した材料としては、例えば、PTFEなどの樹脂材料が挙げられる。
射出成型法や圧縮成型法では、ポケット10及び傾斜部22を有するシールリング1を直接成型することができる。なお、PTFEなどの樹脂材料を用いる場合には、事後的にポケット10及び傾斜部22を機械加工で形成することにより、シールリング1を製造することも可能である。
シールリング1の本体部1aの外径や厚さ方向の寸法T(図4参照)は、装着するシャフト110やハウジング120の構成に応じて決定可能である。シールリング1の外径は、例えば、10mm以上200mm以下とすることができる。シールリング1の厚さ方向の寸法Tは、例えば、0.8mm以上3.5mm以下とすることができる。
[実施例]
本発明の実施例として、傾斜部22の角度α、寸法Tに対する平坦部21の寸法T1の比率、及び寸法Dに対する傾斜部22の寸法D1の比率を様々に変更してシールリング1のサンプルを作製した。いずれのサンプルでも、上記以外の構成を共通とし、本体部1aの外径を50mmとし、厚さ方向の寸法Tを2.3mmとし、径方向の寸法Dを2.0mmとし、ポケット10の数を12個とした。
また、本発明の比較例1として、図8に示すシールリング201のサンプルを作製した。シールリング201では、外周面2が平坦部21のみで構成され、つまり外周面2に傾斜部22が含まれない。比較例1に係るサンプルでは、外周面2以外の構成を実施例に係るサンプルと共通とした。
実施例及び比較例1に係るサンプルについてフリクションロス評価を行った。フリクションロス評価としては、オイルの温度を80℃とし、油圧を0.5MPaとする引き摺りトルク(N・m)の測定を行った。引き摺りトルクの測定では、オイルとしてATFを用い、各サンプルの回転数を1500rpmとした。
図9〜11は、実施例に係るサンプルの引き摺りトルクの測定結果を示すグラフである。図9〜11ではいずれでも、縦軸が引き摺りトルクを示している。引き摺りトルクは、比較例1に係るサンプルの引き摺りトルクを1として規格化した相対値で示している。つまり、引き摺りトルクの値が1より低いサンプルでは、傾斜部22の効果が認められる。
図9では、横軸が傾斜部22の角度αを示している。図9は、平坦部21の寸法T1を0.5mmに統一したサンプルの測定結果を示している。図9に示すとおり、傾斜部22の角度αが25°以下のサンプルではいずれでも、引き摺りトルクが1よりも低く、傾斜部22の効果が認められた。
この一方で、傾斜部22の角度αが30°以上のサンプルでは、引き摺りトルクが1を超え、傾斜部22の効果が認められなかった。これは、詳細については図11についての検討で説明するが、寸法D1が大きくなりすぎ、傾斜部22がシャフト110の溝部111内に入り込んだことに起因するものと考えられる。
図10では、横軸が寸法Tに対する平坦部21の寸法T1の比率を示している。図10は、傾斜部22の角度αを10°に統一したサンプルの測定結果を示している。図10に示すとおり、寸法Tに対する平坦部21の寸法T1が5%以上50%以下のサンプルではいずれも、引き摺りトルクが1よりも低く、傾斜部22の効果が認められた。
図11では、横軸が寸法Dに対する平坦部21の寸法D1の比率を示している。図11には、様々な傾斜部22の角度α及び寸法T1のサンプルの測定結果が含まれる。図11に示すとおり、寸法Dに対する平坦部21の寸法D1の比率が16%以下のサンプルではいずれも、引き摺りトルクが1よりも低く、傾斜部22の効果が認められた。
この一方で、寸法Dに対する平坦部21の寸法D1の比率が16%を超えるサンプルでは、引き摺りトルクが1を超え、傾斜部22の効果が認められなかった。これらのサンプルでは、傾斜部22が、シャフト110とハウジング120との隙間に収まらずに、シャフト110の溝部111内に入り込んでいるものと考えられる。
つまり、これらのサンプルでは、側面4のシャフト110に対する接触面積が減少することにより、動圧効果が有効に得られなかったものと考えられる。但し、これらのサンプルでも、シャフト110とハウジング120との隙間がより大きい構成とすれば、傾斜部22の効果が得られるものと考えられる。
次に、本発明の比較例2として、図12に示すシールリング301のサンプルを作製した。シールリング301では、外周面2が平坦部21と段差平坦部322とで構成され、傾斜部22を含まない。段差平坦部322は、平坦部21から径方向の内側に段差Gを形成する中心軸Cを中心とする円筒状の面である。
比較例2に係るサンプルでは、外周面2以外の構成を実施例及び比較例1に係るサンプルと共通とした。比較例2に係るサンプルについてフリクションロス評価を行った。フリクションロス評価としては、実施例及び比較例1と同様の条件で、引き摺りトルク(N・m)の測定を行った。
その結果、比較例2に係るサンプルでは、比較例1に係るサンプルよりも引き摺りトルクの値が2%程度高かった。つまり、シールリング301では、段差平坦部322の作用によるフリクションロスの低減が認められず、比較例1に係るシールリング201よりもむしろフリクションロスが増大した。
これは、比較例2に係るシールリング301では、オイルから一方の段差Gのみに厚さ方向に加わる押圧力によって発生するモーメントに起因するものと考えられる。つまり、シールリング301では、このモーメントによって、適正な姿勢を維持することができずに、フリクションロスが大きくなるものと考えられる。
これに対し、本実施形態に係るシールリング1では、図5に示すように、オイルから傾斜部22に加わる押圧力が、径方向の成分を持っており、シャフト110の溝部111の内部に向いている。このため、オイルから傾斜部22に加わる押圧力の左方向の成分は、溝部111の側壁から側面4に加わる右方向の押圧力によって相殺される。
このため、本実施形態に係るシールリング1では、比較例2に係るシールリング301とは異なり、オイルから傾斜部22に加わる押圧力によってモーメントが発生しない。したがって、シールリング1は、傾斜部22を設けることによって駆動中にバランスを崩しやすくはならず、適正な姿勢を維持することができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、ポケット10は、上記の構成に限定されない。ポケット10は、側面4に間隔をあけて設けられ、外周面2側が閉塞され、内周面3側が開放されていればよい。また、ポケット10は、両側面4において、周方向に揃った配置でなくてもよく、周方向にずれた配置であってもよい。
また、シールリング1の本体部1aは、装着の向きを注意する必要が無い点で厚さ方向に対称な形状であることが好ましいが、必要に応じ、厚さ方向に非対称な形状としてもよい。例えば、図13A,13Bに示すように、シールリング1の本体部1aでは外周面2が厚さ方向に非対称な形状であってもよい。
つまり、図13Aに示すように、平坦部21が厚さ方向の中央部からずらして配置され、その両側に配置された2つの傾斜部22の形状が異なっていてもよい。これにより、2つの傾斜部22で相互に異なる特性を持たせることができるため、2種類の異なる設計において共通のシールリング1を用いることができる。
また、図13Bに示すように、平坦部21が厚さ方向の一方の端部に配置され、傾斜部22が1つのみ設けられていてもよい。この構成では、平坦部21の寸法T1を充分に確保しつつ、傾斜部22の寸法を拡大することができる。これにより、外周面2とハウジング120との間のフリクションロスをより効果的に低減することができる。
1…シールリング
1a…本体部
1b…合口部
2…外周面
3…内周面
4…側面
10…ポケット
11…底部
12…斜面部
13…隔壁部
14…柱部
21…平坦部
22…傾斜部
110…シャフト
111…溝部
120…ハウジング

Claims (7)

  1. 径方向の外側を向き、厚さ方向の中央部に位置する平坦部と、前記平坦部から前記厚さ方向の外側に向けて前記径方向の内側に傾斜する傾斜部と、を含む外周面と、
    前記径方向の内側を向いた内周面と、
    前記厚さ方向の外側を向いた側面と、
    前記側面に間隔をあけて設けられ、前記外周面側が閉塞され、前記内周面側が開放された複数のポケットと、
    を具備するシールリング。
  2. 請求項1に記載のシールリングであって、
    合口部と、前記合口部の間を環状に延びる本体部と、を更に具備し、
    前記傾斜部は、前記合口部に形成されていない
    シールリング。
  3. 請求項に記載のシールリングであって、
    前記傾斜部は、前記本体部の全周にわたって一連に形成されている
    シールリング。
  4. 請求項1又は2に記載のシールリングであって、
    前記傾斜部は、相互に間隔をあけて形成された複数の傾斜部を含む
    シールリング。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載のシールリングであって、
    前記平坦部を前記厚さ方向に延長した円筒面と前記傾斜部との間の角度は25°以下である
    シールリング。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載のシールリングであって、
    前記平坦部の前記厚さ方向の寸法は、前記外周面の前記厚さ方向の寸法の3%以上80%以下である
    シールリング。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載のシールリングであって、
    前記傾斜部の前記径方向の寸法は、前記平坦部と前記内周面との間隔の16%以下である
    シールリング。
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