以下、本発明に係る両開き収納装置の具体的な実施形態について図面を用いて説明する。
図1−図11を用いて、一実施形態の両開き収納装置1について説明する。
両開き収納装置1は、図1に示す如く、例えば車両の車室内に配置されるセンターコンソールに装着されるコンソールボックスなどである。両開き収納装置1は、図2及び図3に示す如く、ボックス本体10と、蓋体20と、開閉機構30と、を備えている。両開き収納装置1は、開閉機構30により蓋体20がボックス本体10に対して開閉可能となるように構成されている。尚、両開き収納装置1は、蓋体20が閉位置にあるときに乗員の腕を置くためのアームレストとして用いられるものであってよい。また、この実施形態において、方向を示す内容は、両開き収納装置1が設置される車両を基準にしたものとする。例えば、「右側」とは車両進行方向に対する車両右側を指し、「左側」とは車両進行方向に対する車両左側を指すものとする。
ボックス本体10は、略箱状に形成されている。ボックス本体10は、上面に開口11が設けられた略直方体形状の収容部12を有している。尚、ボックス本体10は、収容部12を取り囲む側壁及び底壁からなるものであればよく、例えばカップホルダーなどを収めるための枠などを含んでいてもよい。開口11の周縁は、二つの長辺11aと、二つの短辺11bと、を有している。長辺11aは、車両前後方向に延びている。短辺11bは、長辺11aに直交する方向すなわち車両左右方向に延びている。すなわち、両開き収納装置1は、長辺11aが車両前後方向に延びかつ短辺11bが車両左右方向に延びるように配置されている。
蓋体20は、ボックス本体10の開口11に対応して薄肉の長方形状に形成されている。蓋体20は、ボックス本体10の開口11を開閉可能に覆う。蓋体20は、開口11を覆った閉位置から、開口11の周縁の左側の長辺11aに沿って延びる回転軸(以下、第1回転軸と称す。)を中心にして開閉可能であると共に、開口11の周縁の右側の長辺11aに沿って延びる回転軸(以下、第2回転軸と称す。)を中心にして開閉可能である。蓋体20は、ボックス本体10に対して左右共に閉位置から所定角度(例えば100°)をなす全開位置まで開動作することが可能である。
蓋体20は、下部蓋材21と、上部蓋材22と、を有している。下部蓋材21は、矩形板状に形成された平面部と、その平面部の周縁を囲む側壁部と、を有している。上部蓋材22は、下部蓋材21に対応した矩形形状に形成されており、外観において丸みを帯びた形状に形成されている。上部蓋材22は、下部蓋材21の上面を覆っている。下部蓋材21と上部蓋材22とは、凹凸嵌合などにより一体となって蓋体20を形成している。
開閉機構30は、図4、図5、及び図6に示す如く、アームユニット31を有している。アームユニット31は、左側の長辺11aに沿って延びる第1回転軸及び右側の長辺11aに沿って延びる第2回転軸の何れか一を選択した状態でその回転軸を中心にして蓋体20を開閉させるためのユニットである。
アームユニット31は、図7及び図8に示す如く、アーム部材32と、左側枢支部33Lと、右側枢支部33Rと、を有している。アーム部材32は、長尺形状に形成されたアーム状の板材である。アーム部材32は、蓋体20の閉位置でその長手方向が車両左右方向に延びるように配置されている。アーム部材32は、ボックス本体10の後基部13と蓋体20との間に配置されており、その間に介在されている。アーム部材32は、蓋体20の閉位置において蓋体20の車両後側に形成された側壁部に沿うように配置される。アーム部材32は、長手方向において蓋体20の左右方向の幅と略同じ長さを有している。
アーム部材32は、左右方向一端部がボックス本体10の後基部13に揺動可能に支持されかつ左右方向他端部が蓋体20に揺動可能に支持されるように構成されている。アーム部材32は、前後方向に延びる第1回転軸を中心にしてボックス本体10の後基部13に対して揺動可能であると共に、前後方向に延びる第2回転軸を中心にして蓋体20に対して揺動可能である。アーム部材32には、二つの貫通孔32L,32Rが設けられている。貫通孔32Lは、アーム部材32の本体の左側に設けられており、前後方向に貫通している。貫通孔32Rは、アーム部材32の本体の右側に設けられており、前後方向に貫通している。
左側枢支部33Lは、アーム部材32に対して左側に配置されている。左側枢支部33Lは、上記の第1回転軸を構成するための部位であって、蓋体20をその第1回転軸を中心にして開閉させる(すなわち、右側開閉)。左側枢支部33Lは、軸体34Lと、アームスプリング35Lと、筒体36Lと、ダンパ37Lと、を有している。
軸体34Lは、円柱状に形成されている。軸体34Lは、アーム部材32の左前側から後方に向けて左側の貫通孔32Lに挿通される。軸体34Lの前端側は、そのアーム部材32に固定されている。軸体34Lの後端側は、その貫通孔32Lの後側の開口から車両後方向に向けて突出している。ボックス本体10の後基部13には、支持体13Lが設けられている。支持体13Lには、軸方向に貫通する支持孔13Laが設けられている。軸体34Lの後端側は、後基部13の支持孔13Laに挿入されており、ボックス本体10の後基部13の支持体13Lに対して回転可能に支持されている。軸体34Lは、開口11の周縁の左側の長辺11aに沿って前後方向に延びている。軸体34Lは、第1回転軸を構成する。アーム部材32は、軸体34Lによりボックス本体10の後基部13に対して揺動可能である。
軸体34Lには、アームスプリング35Lが巻装されている。アームスプリング35Lは、アーム部材32をボックス本体10の後基部13に対して揺動させるための付勢力を発生するねじりバネである。アームスプリング35Lの付勢力は、蓋体20の閉位置で最大であり、蓋体20の右側全開位置で最小である。アームスプリング35Lの一端部は、アーム部材32に固定されている。アームスプリング35Lの他端部は、ボックス本体10の後基部13に固定されている。
軸体34Lには、筒体36Lが外挿されている。筒体36Lは、中空筒状に形成されており、その軸体34Lに対して同軸上に設けられている。筒体36Lは、軸体34Lの後端側に一体となるように配置されている。軸体34L及び筒体36Lとは、互いに一体となって軸部材を構成する。筒体36Lは、軸体34Lの回転に伴って一体的に回転する。筒体36Lには、外歯36Laが形成されている。外歯36Laは、筒体36Lの外周に沿って複数並んでいる。
ダンパ37Lは、アーム部材32をボックス本体10の後基部13に対して揺動させるとき(すなわち、蓋体20の右側開動作時)の揺動速度を減速させる減衰装置である。ダンパ37Lは、円筒状に形成されている。ダンパ37Lは、ボックス本体10の後基部13に取り付け固定されている。ダンパ37Lには、外歯37Laが形成されている。外歯37Laは、ダンパ37Lの外周に沿って複数並んでいる。ダンパ37Lの外歯37Laと筒体36Lの外歯36Laとは互いに噛合している。ダンパ37Lは、上記の揺動速度を減速させる減衰力を筒体36Lを通じて軸体34Lに付与する。
右側枢支部33Rは、アーム部材32に対して右側に配置されている。右側枢支部33Rは、上記の第2回転軸を構成するための部位であって、蓋体20をその第2回転軸を中心にして開閉させる(すなわち、左側開閉)。右側枢支部33Rは、軸体34Rと、アームスプリング35Rと、筒体36Rと、ダンパ37Rと、を有している。
軸体34Rは、円筒状に形成されたカラーである。軸体34Rは、アーム部材32の右後側から前方に向けて右側の貫通孔32Rに挿通される。軸体34Rの後端側は、そのアーム部材32に固定されている。軸体34Rの前端側は、その貫通孔32Rの前側の開口から車両前方向に向けて突出している。蓋体20の下部蓋材21には、ボックス本体10の後基部13における支持体13Lと略同じ形状及び機能を有する支持体(図示せず)が設けられている。この支持体には、軸方向に貫通する支持孔が設けられている。軸体34Rの前端側は、この蓋体20の支持孔に挿入されており、蓋体20の支持体に対して回転可能に支持されている。軸体34Rは、開口11の周縁の右側の長辺11aに沿って前後方向に延びている。軸体34Rは、第2回転軸を構成する。アーム部材32は、軸体34Rにより蓋体20に対して揺動可能である。
軸体34Rには、アームスプリング35Rが巻装されている。アームスプリング35Rは、アーム部材32を蓋体20に対して揺動させるための付勢力を発生するねじりバネである。アームスプリング35Rの付勢力は、蓋体20の閉位置で最大であり、蓋体20の左側全開位置で最小である。アームスプリング35Rの一端部は、アーム部材32に固定されている。アームスプリング35Rの他端部は、蓋体20の下部蓋材21に固定されている。
軸体34Rには、筒体36Rが外挿されている。筒体36Rは、中空筒状に形成されており、その軸体34Rに対して同軸上に設けられている。筒体36Rは、軸体34Rの前端側に一体となるように配置されている。軸体34R及び筒体36Rとは、互いに一体となって軸部材を構成する。筒体36Rは、軸体34Rの回転に伴って一体的に回転する。筒体36Rには、外歯36Raが形成されている。外歯36Raは、筒体36Rの外周に沿って複数並んでいる。
ダンパ37Rは、アーム部材32を蓋体20に対して揺動させるとき(すなわち、蓋体20の左側開動作時)の揺動速度を減速させる減衰装置である。ダンパ37Rは、円筒状に形成されている。ダンパ37Rは、蓋体20の下部蓋材21に取り付け固定されている。ダンパ37Rには、外歯37Raが形成されている。外歯37Raは、ダンパ37Rの外周に沿って複数並んでいる。ダンパ37Rの外歯37Raと筒体36Rの外歯36Raとは互いに噛合している。ダンパ37Rは、上記の揺動速度を減速させる減衰力を筒体36Rを通じて軸体34Rに付与する。
開閉機構30は、また、ロックユニット39を有している。ロックユニット39は、蓋体20の左側及び右側の少なくとも一方側をボックス本体10に対して閉位置に保持させると共に、一方側をボックス本体10に対して閉位置に保持した状態で他方側の閉位置保持を解除する装置である。
ロックユニット39は、左側ロック装置40と、右側ロック装置50と、を有している。左側ロック装置40は、蓋体20の左側に配置されている。左側ロック装置40は、蓋体20の左側を閉位置に保持させると共に、その左側の閉位置保持を解除する装置である。また、右側ロック装置50は、蓋体20の右側に配置されている。右側ロック装置50は、蓋体20の右側を閉位置に保持させると共に、その右側の閉位置保持を解除する装置である。
左側ロック装置40は、第1左側ロッド41と、第2左側ロッド42と、左側同期装置43と、左側ロッド付勢部材44と、左側操作部45と、を有している。第1左側ロッド41は、蓋体20の後部側に配設された、略前後方向に延びるロッド部材である。第2左側ロッド42は、蓋体20の前部側に配設された、前後方向に延びるロッド部材である。第1左側ロッド41及び第2左側ロッド42はそれぞれ、蓋体20に対して前後方向に進退可能に支持されている。
第1左側ロッド41は、その後端部が蓋体20の本体の後端よりも後方に突出する状態と蓋体20の本体内に入り込む状態とに前後移動可能である。アーム部材32の前面には、第1左側ロッド41が挿入され係合される係合孔32aが設けられている。第1左側ロッド41の後端部は、その第1左側ロッド41の進出によって蓋体20の本体の後端よりも後方に突出した際にアーム部材32に係合する。
第2左側ロッド42は、その前端部が蓋体20の本体の前端よりも前方に突出する状態と蓋体20の本体内に入り込む状態とに前後移動可能である。ボックス本体10の前基部14の後面には、第2左側ロッド42が挿入され係合される係合孔14aが設けられている。第2左側ロッド42の前端部は、その第2左側ロッド42の進出によって蓋体20の本体の前端よりも前方に突出した際にボックス本体10の前基部14に係合する。第2左側ロッド42は、前基部14との係合状態で第1回転軸を構成する。
左側同期装置43は、第1左側ロッド41と第2左側ロッド42との間に配置されている。左側同期装置43は、第1左側ロッド41と第2左側ロッド42とを互いに近づく方向又は遠ざかる方向に同期して移動させる装置である。左側同期装置43は、蓋体20の下部蓋材21に回転可能に支持された円板状の回転体である。左側同期装置43の右側には、第1左側ロッド41の前端部が回動可能に支持されている。左側同期装置43の左側には、第2左側ロッド42の後端部が回動可能に支持されている。左側同期装置43における第1左側ロッド41の支持点と第2左側ロッド42の支持点とは、周方向に略180°離間しており、その左側同期装置43の回転中心を挟んで略対称に位置している。
左側ロッド付勢部材44は、第2左側ロッド42を蓋体20に対して前方へ付勢する付勢力を発生するつるまきバネである。左側ロッド付勢部材44の一端部は、第2左側ロッド42に固定されている。左側ロッド付勢部材44の他端部は、蓋体20の下部蓋材21に固定されている。左側ロッド付勢部材44の付勢力は、第2左側ロッド42を介して左側同期装置43を上方から見て時計回り(右回り)に回転させるものであって、これにより、第1左側ロッド41を蓋体20に対して後方へ付勢する力となる。
左側操作部45は、ボックス本体10の前基部14の左側に配設されている。左側操作部45は、ボタン部45aと、機構部45bと、を有している。ボタン部45aは、前基部14の左側壁に設けられている。ボタン部45aは、スプリング(図示せず)により前基部14に対して左方に付勢されており、操作者が右方へ押圧していない状態において前基部14の左側壁に沿って面一となるように保持されている。このボタン部45aは、操作者の押圧によりスプリングの付勢力に抗して前基部14に対して右方に相対移動可能である。
機構部45bは、ボタン部45aと第2左側ロッド42とを係合させる機構である。機構部45bは、ボタン部45aが右方へ押圧されていない状態すなわちボタン部45aが前基部14の左側壁に沿って面一となっている状態では、第2左側ロッド42の前端に当接していない。一方、ボタン部45aが右方へ押圧されると、機構部45bが第2左側ロッド42の前端に当接して、その第2左側ロッド42を左側ロッド付勢部材44の付勢力に抗して蓋体20内に入り込むように後方へ移動させる。第2左側ロッド42が後方へ移動すると、左側同期装置43が左回りに回転することで、第1左側ロッド41が前方へ移動する。
蓋体20が閉状態にありかつ左側操作部45のボタン部45aが右方へ押圧操作されていないとき、及び、蓋体20が右側開状態にあるときは、第2左側ロッド42の前端部は、蓋体20の本体の前端よりも前方に突出しており、ボックス本体10の前基部14に係合している。また、このとき、第1左側ロッド41の後端部は、蓋体20の本体の後端よりも後方に突出しており、アーム部材32に係合している。以下、この状態を左ロック状態と称す。
上記の左ロック状態において左側操作部45のボタン部45aが右方へ押圧操作されたとき、及び、蓋体20が左側開状態にあるときは、第2左側ロッド42の前端部がその第2左側ロッド42の退出によって蓋体20の本体の前端よりも後方に位置して蓋体20内に入り込むことで、第2左側ロッド42と前基部14との係合が解除される。また、このとき、左側同期装置43の左回転により第1左側ロッド41の後端部がその第1左側ロッド41の退出によって蓋体20の本体の後端よりも前方に位置して蓋体20内に入り込むことで、第1左側ロッド41とアーム部材32との係合が解除される。以下、この状態を左ロック解除状態と称す。
右側ロック装置50は、第1右側ロッド51と、第2右側ロッド52と、右側同期装置53と、右側ロッド付勢部材54と、右側操作部55と、を有している。第1右側ロッド51は、蓋体20の後部側に配設された、略前後方向に延びるロッド部材である。第2右側ロッド52は、蓋体20の前部側に配設された、前後方向に延びるロッド部材である。第1右側ロッド51及び第2右側ロッド52はそれぞれ、蓋体20に対して前後方向に進退可能に支持されている。
第1右側ロッド51の後端部は、右側枢支部33Rの軸体34Rの中心に空いた貫通孔34Raに挿通されている。第1右側ロッド51は、その後端部が蓋体20の本体の後端更にはアーム部材32の後端よりも後方に突出する状態とアーム部材32内に入り込む状態とに前後移動可能である。ボックス本体10の後基部13の前面には、第1右側ロッド51が挿入され係合される係合孔13aが設けられている。第1右側ロッド51の後端部は、その第1右側ロッド51の進出によってアーム部材32の後端よりも後方に突出した際にボックス本体10の後基部13に係合する。
第2右側ロッド52は、その前端部が蓋体20の本体の前端よりも前方に突出する状態と蓋体20の本体内に入り込む状態とに前後移動可能である。ボックス本体10の前基部14の後面には、第2右側ロッド52が挿入され係合される係合孔14bが設けられている。第2右側ロッド52の前端部は、その第2右側ロッド52の進出によって蓋体20の本体の前端よりも前方に突出した際にボックス本体10の前基部14に係合する。第2右側ロッド52は、前基部14との係合状態で第2回転軸を構成する。
右側同期装置53は、第1右側ロッド51と第2右側ロッド52との間に配置されている。右側同期装置53は、第1右側ロッド51と第2右側ロッド52とを互いに近づく方向又は遠ざかる方向に同期して移動させる装置である。右側同期装置53は、蓋体20の下部蓋材21に回転可能に支持された円板状の回転体である。右側同期装置53の左側には、第1右側ロッド51の前端部が回動可能に支持されている。右側同期装置53の右側には、第2右側ロッド52の後端部が回動可能に支持されている。右側同期装置53における第1右側ロッド51の支持点と第2右側ロッド52の支持点とは、周方向に略180°離間しており、その右側同期装置53の回転中心を挟んで略対称に位置している。
右側ロッド付勢部材54は、第2右側ロッド52を蓋体20に対して前方へ付勢する付勢力を発生するつるまきバネである。右側ロッド付勢部材54の一端部は、第2右側ロッド52に固定されている。右側ロッド付勢部材54の他端部は、蓋体20の下部蓋材21に固定されている。右側ロッド付勢部材54の付勢力は、第2右側ロッド52を介して右側同期装置53を上方から見て反時計回り(左回り)に回転させるものであって、これにより、第1右側ロッド51を蓋体20に対して後方へ付勢する力となる。
右側操作部55は、ボックス本体10の前基部14の右側に配設されている。右側操作部55は、ボタン部55aと、機構部55bと、を有している。ボタン部55aは、前基部14の右側壁に設けられている。ボタン部55aは、スプリング(図示せず)により前基部14に対して右方に付勢されており、操作者が左方へ押圧していない状態において前基部14の右側壁に沿って面一となるように保持されている。このボタン部55aは、操作者の押圧によりスプリングの付勢力に抗して前基部14に対して左方に相対移動可能である。
機構部55bは、ボタン部55aと第2右側ロッド52とを係合させる機構である。機構部55bは、ボタン部55aが左方へ押圧されていない状態すなわちボタン部55aが前基部14の右側壁に沿って面一となっている状態では、第2右側ロッド52の前端に当接していない。一方、ボタン部55aが左方へ押圧されると、機構部55bが第2右側ロッド52の前端に当接して、その第2右側ロッド52を右側ロッド付勢部材54の付勢力に抗して蓋体20内に入り込むように後方へ移動させる。第2右側ロッド52が後方へ移動すると、右側同期装置53が右回りに回転することで、第1右側ロッド51が前方へ移動する。
蓋体20が閉状態にありかつ右側操作部55のボタン部55aが左方へ押圧操作されていないとき、及び、蓋体20が左側開状態にあるときは、第2右側ロッド52の前端部は、蓋体20の本体の前端よりも前方に突出しており、ボックス本体10の前基部14に係合している。また、このとき、第1右側ロッド51の後端部は、アーム部材32の後端よりも後方に突出しており、アーム部材32を介してボックス本体10の後基部13に係合している。以下、この状態を右ロック状態と称す。
上記の右ロック状態において右側操作部55のボタン部55aが左方へ押圧操作されたとき、及び、蓋体20が右側開状態にあるときは、第2右側ロッド52の前端部がその第2右側ロッド52の退出によって蓋体20の本体の前端よりも後方に位置して蓋体20内に入り込むことで、第2右側ロッド52と前基部14との係合が解除される。また、このとき、右側同期装置53の右回転により第1右側ロッド51の後端部がその第1右側ロッド51の退出によってアーム部材32の後端よりも前方に位置してアーム部材32内に入り込むことで、第1右側ロッド51と後基部13との係合が解除される。以下、この状態を右ロック解除状態と称す。
ロックユニット39は、また、伝達ロッド60を有している。伝達ロッド60は、左側ロック装置40及び右側ロック装置50の何れか一方がロック解除状態にある場合に、その他方がロック状態からロック解除状態へ状態変化するのを阻止する部材である。伝達ロッド60は、左右方向に延在している。伝達ロッド60は、蓋体20の下部蓋材21に設けられたガイド61に沿って左右方向に移動可能に支持されている。
伝達ロッド60の右端部は、右側同期装置53の前部に支持されている。伝達ロッド60は、第2右側ロッド52が後方へ移動しかつ第1右側ロッド51が前方へ移動したときは、右側同期装置53の右回転により右方へ移動し、その後、第2右側ロッド52が前方へ移動しかつ第1右側ロッド51が後方へ移動したときは、右側同期装置53の左回転により左方へ移動する。
伝達ロッド60の左端部は、自由端である。伝達ロッド60の左端側には、係合孔62が設けられている。係合孔62は、伝達ロッド60において前後方向に貫通している。係合孔62には、第2左側ロッド42に設けられた係合凸部42aが係合可能である。蓋体20の閉状態(すなわち、左ロック状態かつ右ロック状態)では、係合凸部42aは係合孔62に係合しない。この際、係合凸部42aは、係合孔62の前方位置でその係合孔62に対面する。
一方、左ロック解除状態では、第2左側ロッド42が後方へ移動するので、係合凸部42aが係合孔62に係合する。この係合状態では、伝達ロッド60が左右方向に移動することは規制されるので、第1及び第2右側ロッド51,52が前後方向に移動することは規制され、右側ロック装置50が右ロック解除状態となるのは阻止される。また、右ロック解除状態では、第2右側ロッド52が後方へ移動するので、伝達ロッド60が右方へ移動し、係合凸部42aがその伝達ロッド60の係合孔62の左側に隣接する端部60aにその前方位置で対面する。この対面状態では、係合凸部42aが伝達ロッド60の端部60aに当接することで、第1及び第2左側ロッド41,42が前後方向に移動することは規制されるので、左側ロック装置40が左ロック解除状態となるのは阻止される。
開閉機構30は、また、フラップ装置70を有している。フラップ装置70は、左側フラップ装置71と、右側フラップ装置72と、を有している。左側フラップ装置71は、蓋体20の左前部側に配設されている。左側フラップ装置71は、左側ロック装置40と係合可能である。左側フラップ装置71は、蓋体20が左側開状態にあるとき、すなわち、右ロック状態かつ左ロック解除状態のときに、左側ロック装置40をその左ロック解除状態に維持させる装置である。また、右側フラップ装置72は、蓋体20の右前部側に配設されている。右側フラップ装置72は、右側ロック装置50と係合可能である。右側フラップ装置72は、蓋体20が右側開状態にあるとき、すなわち、左ロック状態かつ右ロック解除状態のときに、右側ロック装置50をその右ロック解除状態に維持させる装置である。
次に、両開き収納装置1の動作について説明する。
両開き収納装置1において、蓋体20の閉状態では、第2左側ロッド42が蓋体20の本体の前端よりも前方に突出し、第1左側ロッド41が蓋体20の本体の後端よりも後方に突出し、第2右側ロッド52が蓋体20の本体の前端よりも前方に突出し、第1右側ロッド51が蓋体20の本体の後端よりも後方に突出し更にアーム部材32の後端よりも後方に突出している。この場合には、蓋体20に配設された第1左側ロッド41がアーム部材32に係合すると共に、第2左側ロッド42及び第2右側ロッド52がボックス本体10の前基部14に係合し、第1右側ロッド51がアーム部材32を介してボックス本体10の後基部13に係合するので、蓋体20がボックス本体10の開口11を閉塞する閉状態が維持される。
上記した蓋体20の閉状態で左側操作部45のボタン部45aが右方へ押し込み操作されると、機構部45bが第2左側ロッド42の前端に当接してその第2左側ロッド42を後方へ移動させる。第2左側ロッド42が後方へ移動すると、左側同期装置43が左回りに回転することで、第1左側ロッド41が前方へ移動する。第2左側ロッド42の後方移動がボックス本体10の前基部14との係合解除まで行われ、かつ、第1左側ロッド41の前方移動がアーム部材32との係合解除まで行われると、第1及び第2右側ロッド51,52がボックス本体10と係合した状態(すなわち、右側ロック装置50の右ロック状態)で左側ロック装置40が左ロック解除状態になる。この場合、蓋体20の右側について閉状態が保持されつつ、蓋体20の左側について閉状態の保持が解除される。
尚、左側ロック装置40は、第2左側ロッド42とボックス本体10の前基部14との係合解除と第1左側ロッド41とアーム部材32との係合解除とが互いに略同じタイミングで実施されるように構成されていることが望ましい。
蓋体20の左側について閉状態の保持が解除されると、蓋体20が右側枢支部33Rのアームスプリング35Rの付勢力によりアーム部材32に対して揺動する。また、蓋体20の右側について閉状態が保持されていると、アーム部材32がボックス本体10の後基部13に対して揺動しない。このため、左側操作部45のボタン部45aの右方への押圧操作が行われた場合、アーム部材32がボックス本体10に一体化された状態で、蓋体20がそのアーム部材32ひいてはボックス本体10に対して右側の第2回転軸を中心にして回動する。これにより、蓋体20の左側が開位置に向けて開かれ、その左側開動作が蓋体20の自重とアームスプリング35Rの付勢力との釣り合い位置まで自動的に行われる。
尚、蓋体20は、その左側開動作が上記の釣り合い位置まで行われた後、操作者の手動操作により左側全開位置まで開かれることが可能である。また、蓋体20は、左側全開位置まで開かれた際にストッパ(図示せず)によりそれ以上の開きが規制された状態になる。
また、上記した蓋体20の閉状態で右側操作部55のボタン部55aが左方へ押し込み操作されると、機構部55bが第2右側ロッド52の前端に当接してその第2右側ロッド52を後方へ移動させる。第2右側ロッド52が後方へ移動すると、右側同期装置53が右回りに回転することで、第1右側ロッド51が前方へ移動する。第2右側ロッド52の後方移動がボックス本体10の前基部14との係合解除まで行われ、かつ、第1右側ロッド51の前方移動がボックス本体10の後基部13との係合解除まで行われると、第1及び第2左側ロッド41,42がボックス本体10の前基部14又はアーム部材32と係合した状態(すなわち、左側ロック装置40の左ロック状態)で右側ロック装置50が右ロック解除状態になる。この場合、蓋体20の左側について閉状態が保持されつつ、蓋体20の右側について閉状態の保持が解除される。
尚、右側ロック装置50は、第2右側ロッド52とボックス本体10の前基部14との係合解除と第1右側ロッド51とボックス本体10の後基部13との係合解除とが互いに略同じタイミングで実施されるように構成されていることが望ましい。
蓋体20の右側について閉状態の保持が解除されると、アーム部材32が左側枢支部33Lのアームスプリング35Lの付勢力によりボックス本体10の後基部13に対して揺動する。また、蓋体20の左側について閉状態が保持されていると、蓋体20がアーム部材32に対して揺動しない。このため、右側操作部55のボタン部55aの左方への押圧操作が行われた場合、蓋体20がアーム部材32に一体化された状態でボックス本体10に対して左側の第1回転軸を中心にして回動する。これにより、蓋体20の右側が開位置に向けて開かれ、その右側開動作が蓋体20の自重とアームスプリング35Lの付勢力との釣り合い位置まで自動的に行われる。
尚、蓋体20は、その右側開動作が上記の釣り合い位置まで行われた後、操作者の手動操作により右側全開位置まで開かれることが可能である。また、蓋体20は、右側全開位置まで開かれた際にストッパ(図示せず)によりそれ以上の開きが規制された状態になる。
このように、両開き収納装置1において、蓋体20は、ボックス本体10の開口11を覆った閉状態から、右側の第2回転軸を中心にして左側の開位置へ向けて開くことが可能であると共に、左側の第1回転軸を中心にして右側の開位置へ向けて開くことが可能である。蓋体20は、第1回転軸及び第2回転軸の何れか一方を回動中心として選択して開閉することが可能である。
ところで、両開き収納装置1において、図9及び図10に示す如く、開閉機構30の左側ロック装置40は、略前後方向に延びてその前後方向に進退する第1左側ロッド41と、左側ロッド付勢部材44とは別の付勢部材46と、を有している。また、開閉機構30の右側ロック装置50は、略前後方向に延びてその前後方向に進退する第1右側ロッド51と、右側ロッド付勢部材54とは別の付勢部材56を有している。以下適宜、付勢部材46を左側第2付勢部材46と、付勢部材56を右側第2付勢部材56と、それぞれ称す。
左側第2付勢部材46は、第1左側ロッド41を蓋体20に対して右方向(すなわち、蓋体20の中央側)へ付勢する付勢力Fを発生する引っ張りスプリングである。左側第2付勢部材46は、第1左側ロッド41と蓋体20との間に介在するように保持されている。左側第2付勢部材46の一端部は、蓋体20の下部蓋材21に固定部21aで固定されている。左側第2付勢部材46の他端部は、第1左側ロッド41に固定点Pで固定されている。尚、左側第2付勢部材46の発生する付勢力Fは、第1左側ロッド41と蓋体20との間に設けられているクリアランスに伴う異音や操作音の発生を防止できる大きさであればよい。
左側第2付勢部材46は、第1左側ロッド41の前後方向への進退時に、一端部が蓋体20に固定されたまま、他端部がその第1左側ロッド41の進退に伴ってその第1左側ロッド41と一体化された状態で蓋体20に対して前後方向に移動することで、第1左側ロッド41の進退に伴って一端部を中心にして揺動する。左側第2付勢部材46の他端部と第1左側ロッド41との固定点Pは、図9及び図11に示す如く、蓋体20の本体に対して、その第1左側ロッド41の先端部(すなわち後端部)とアーム部材32との係合時(すなわち、蓋体20の閉状態又は右側開状態)に位置Q1に位置し、その係合解除時(すなわち、蓋体20の左側開状態)に位置Q2に位置する。この位置Q2は、上記の位置Q1とは異なる位置であって、具体的には、その位置Q1よりも第1左側ロッド41の退出移動分だけ前方側に位置する。この固定点Pが位置Q1と位置Q2との間で移動する際すなわち第1左側ロッド41が進退する際、左側第2付勢部材46の発生する付勢力Fがその第1左側ロッド41に付与される方向は、そのロッド進退に伴って、その第1左側ロッド41の進退方向に対して直交する方向を含む所定範囲内で変化する。
同様に、右側第2付勢部材56は、第1右側ロッド51を蓋体20に対して左方向(すなわち、蓋体20の中央側)へ付勢する付勢力Fを発生する引っ張りスプリングである。右側第2付勢部材56は、第1右側ロッド51と蓋体20との間に介在するように保持されている。右側第2付勢部材56の一端部は、蓋体20の下部蓋材21に固定部21aで固定されている。右側第2付勢部材56の他端部は、第1右側ロッド51に固定点Pで固定されている。尚、右側第2付勢部材56の発生する付勢力Fは、第1右側ロッド51と蓋体20との間に設けられているクリアランスに伴う異音や操作音の発生を防止できる大きさであればよい。
右側第2付勢部材56は、第1右側ロッド51の前後方向への進退時に、一端部が蓋体20に固定されたまま、他端部がその第1右側ロッド51の進退に伴ってその第1右側ロッド51と一体化された状態で蓋体20に対して前後方向に移動することで、第1右側ロッド51の進退に伴って一端部を中心にして揺動する。右側第2付勢部材56の他端部と第1右側ロッド51との固定点Pは、図9及び図11に示す如く、蓋体20の本体に対して、その第1右側ロッド51の先端部(すなわち後端部)とボックス本体10の後基部13との係合時(すなわち、蓋体20の閉状態又は左側開状態)に位置Q1に位置し、その係合解除時(すなわち、蓋体20の右側開状態)に位置Q2に位置する。この位置Q2は、上記の位置Q1とは異なる位置であって、具体的には、その位置Q1よりも第1右側ロッド51の退出移動分だけ前方側に位置する。この固定点Pが位置Q1と位置Q2との間で移動する際すなわち第1右側ロッド51が進退する際、右側第2付勢部材56の発生する付勢力Fがその第1右側ロッド51に付与される方向は、そのロッド進退に伴って、その第1右側ロッド51の進退方向に対して直交する方向を含む所定範囲内で変化する。
左側第2付勢部材46及び右側第2付勢部材56はそれぞれ、第1左側ロッド41又は第1右側ロッド51の前後方向への進退時にその左側第2付勢部材46又は右側第2付勢部材56の他端部が前後方向に移動しても、その移動前後でそのロッド41,51を蓋体20に対して左右方向へ付勢する付勢力Fを発生し続ける。第1左側ロッド41及び第1右側ロッド51はそれぞれ、付勢部材46,56により右方向又は左方向へ付勢された状態のまま、その付勢部材46,56の他端部と一体的に前後方向に進退する。
かかる構造においては、前後方向に進退するロッド41,51に、付勢部材46,56により右方向又は左方向へ付勢する付勢力Fを付与することができるので、そのロッド41,51の進退時に蓋体20の本体との接触を防止して、ロッド41,51と蓋体20とのガタ止めを行うことができる。また、ロッド41,51と蓋体20とのガタ止めを行うために必要な付勢部材46,56について、そのロッド41,51の進退時に、その一端部を蓋体20の本体に固定したままその他端部をそのロッド41,51と一体化させて前後方向に移動させることができる。
付勢部材46,56の他端部がロッド41,51の進退時にそのロッド41,51と一体化されて前後方向に移動すれば、ロッド41,51が進退時に付勢部材46,56に摺接することはなく、ロッド41,51と付勢部材46,56との間にその進退を妨げる摩擦抵抗は生じない。このため、ロッド41,51の進退が付勢部材46,56との摩擦抵抗により妨げられることは回避される。
従って、本実施形態の両開き収納装置1によれば、ロッド41,51のガタ止めをその進退を妨げることなく行うことができる。これにより、例えば、蓋体20を閉状態から開動作させるうえで必要な操作荷重が増大することなどを防止することができ、ロッド41,51の進退を摩擦抵抗を生じさせることなくスムースに行うことができる。
尚、上記の実施形態においては、開閉機構30の左側ロック装置40及び右側ロック装置50が特許請求の範囲に記載した「第1開閉機構」及び「第2開閉機構」に、第1左側ロッド41又は第1右側ロッド51が特許請求の範囲に記載した「ロッド」に、アーム部材32の係合孔32a又はボックス本体10の後基部13の係合孔13aが特許請求の範囲に記載した「係合部」に、左側ロッド付勢部材44又は右側ロッド付勢部材54が特許請求の範囲に記載した「第1付勢部材」に、左側操作部45又は右側操作部55が特許請求の範囲に記載した「操作部」に、左側第2付勢部材46又は右側第2付勢部材56が特許請求の範囲に記載した「第2付勢部材」に、それぞれ相当している。
ところで、上記の実施形態においては、アーム部材32をボックス本体10の後部側に配置することとしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではく、アーム部材32を、ボックス本体10の前部側に配置することとしてもよいし、また、ボックス本体10の後部側及び前部側の双方にそれぞれ配置することとしてもよい。更に、上記の実施形態においては、蓋体20を両開きする開閉機構30の一部としてアーム部材32を設けることとしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、蓋体20を両開きする開閉機構30としてアーム部材32を設けないものに適用することとしてもよい。
また、上記の実施形態においては、付勢部材46,56として、ロッド41,51を蓋体20の左右中央側に引っ張る引っ張りバネを用いることとしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、付勢部材46,56として、ロッド41,51を蓋体20の左右外側に圧縮する圧縮バネを用いることとしてもよい。また、付勢部材46,56は上記の引っ張りバネや圧縮バネに限らず、ロッド41,51を蓋体20の左右方向へ付勢する付勢力Fを発生する付勢部材であれば、一端部が蓋体20に固定されかつ他端部がロッド41,51に固定される弾性変形可能なゴム材や樹脂材などからなる弾性体を用いることとしてもよい。尚、この付勢部材としての弾性体は、ロッド41,51の進退時に一端部と他端部との中央付近で弾性変形するものであればよい。
また、上記の実施形態においては、付勢部材46,56により右方向又は左方向へ付勢される付勢力が付与される対象のロッドを、左側ロック装置40の第1左側ロッド41及び右側ロック装置50の第1右側ロッド51のみとしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、それらのロッド41,51に代えて或いはそれらのロッド41,51と共に、左側ロック装置40の第2左側ロッド42及び右側ロック装置50の第2右側ロッド52をその対象ロッドとすることとしてもよい。
また、上記の実施形態においては、開閉機構30の左側ロック装置40と右側ロック装置50とが、蓋体20に対して互いに略左右に分かれた部材(例えば、ロッド41,42,51,52、アーム部材32の係合孔32a、ボックス本体10の後基部13の係合孔13a、ボックス本体10の前基部14の係合孔14a、付勢部材46,56など)により構成されており、伝達ロッド60などを除いて共通する部材を有していない。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、その左側ロック装置40と右側ロック装置50とが、蓋体20に対して左右中央付近などに配置された共通する部材を有する構造に適用することとしてもよい。この構造では、前後方向に進退するロッド、そのロッドが係合する係合孔、そのロッドを係合孔に係合させる方向に付勢する付勢部材、及びそのロッドを進退方向に直交する方向に付勢する付勢部材の少なくとも一以上が、左側ロック装置40と右側ロック装置50とで共通部品となり得る。
尚、本発明は、上述した実施形態や変形形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。