JP6825864B2 - 皮脂・湯垢除去具及びその製造方法 - Google Patents
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Description
一方で、浴槽の湯面に浮遊する湯垢を吸着させる技術や、浴槽の壁面の喫水線付近で湯垢の付着を抑制する技術が検討されている。例えば、特許文献1には、浴槽に浮かべて用いられ、親油性繊維を素材として略長円形又は略方形のシート状に形成された湯垢吸着体を有することを特徴とする浴槽用湯垢吸着シートが開示されている。また、特許文献2には、入浴時に浴槽に浮かべて人体から発生する皮脂を吸着し、また皮脂及び湯垢が浴槽壁面に付着することを防止する吸着具であって、外形が帯状で、その両端には互いを適切な位置で連結するための連結手段を持ち、これを用いて両端を連結し輪状にして浴槽内壁に沿って浮かせることが出来、またその輪の内側の少なくとも水に接する部分が親油性と疎水性を併せ持つ有機ポリマーで構成されたことを特徴とする浴槽用の皮脂及び湯垢吸着具が開示されている。更に、特許文献3には、スクリュー用モーターのシャフト部分からの水浸入を防止する為、スクリューと一体となった水放出ファンを設け、水のシャフト部分からの浸入を防止する装置が開示されている。
1.一面側から他面側への断面方向に通気性を有するシート状のポリプロピレン樹脂部材を含む皮脂・湯垢除去具であって、
前記ポリプロピレン樹脂部材は、ポリプロピレン樹脂繊維を含む不織布に由来する構造を有し、皮脂を吸着するための親油性部と、該親油性部の少なくとも一面側に配された親水性表層部とを備え、
前記親水性表層部は、該親水性表層部の上面側に湯垢等を掻き取るための毛羽立ち部を備え、
前記親水性表層部は、ポリプロピレン樹脂繊維を含むシートの表面に、プラズマ照射による親水化処理、及び、スクラッチ処理を、順次、行うことにより形成されたことを特徴とする皮脂・湯垢除去具。
2.一面側から他面側への断面方向に通気性を有するシート状のポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂からなるスポンジ部材を含む皮脂・湯垢除去具であって、
前記スポンジ部材は、ポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂からなる樹脂発泡体に由来する構造を有し、皮脂を吸着するための親油性部と、該親油性部の少なくとも一面側に配された親水性表層部とを備え、
前記親水性表層部は、該親水性表層部の上面側に湯垢等を掻き取るための毛羽立ち部を備え、
前記親水性表層部は、前記樹脂発泡体を含むシートの表面に、プラズマ照射による親水化処理、及び、スクラッチ処理を、順次、行うことにより形成されたことを特徴とする皮脂・湯垢除去具。
3.親油性樹脂を含む繊維からなる不織布、又は、親油性樹脂を含む樹脂発泡体シートからなる、4mm以下の厚さのシートの表面に、プラズマ照射による親水化処理面を形成する第1工程と、該親水化処理面に対してスクラッチ処理をして毛羽立ち部を形成する第2工程と、からなり、
前記プラズマ照射は、0.1Pa〜大気圧下で、電極間電圧5〜10kV、照射時間10〜60秒間の処理を行い、
前記スクラッチ処理は、紙やすりにより行う摩擦、又は多数の金属製針を備える剣山を紙やすりで削るように行う摩擦を20〜30回行うことを特徴とする皮脂・湯垢除去具の製造方法。
4.ポリプロピレン樹脂繊維を用いてウェブを形成し、交絡させて得た1mmの厚さの不織布シートの表面に、プラズマ処理をして該不織布シートの表面層に親水化処理面を形成する第1工程と、該親水化処理面に対してスクラッチ処理をして毛羽立ち部を形成する第2工程と、からなり、
前記プラズマ処理は、前記不織布シートを一対の放電電極対の間に載置し、0.1Paの空気雰囲気下、5kVの交流電圧を10秒間印加したものであり、
前記スクラッチ処理は、前記親水化処理面を、紙やすりで、30回摩擦させて毛羽立たせたものであることを特徴とする皮脂・湯垢除去具の製造方法。
5.50質量%のポリプロピレン及び50質量%のポリエチレンを発泡成形して得た2mmの厚さのスポンジシートの表面に、プラズマ処理をして該スポンジシートの表面層に親水化処理面を形成する第1工程と、該親水化処理面に対してスクラッチ処理をして毛羽立ち部を形成する第2工程と、からなり、
前記プラズマ処理は、前記スポンジシートを一対の放電電極対の間に載置し、大気圧下でヘリウムガスを該スポンジシートに吹き付けながらプラズマ照射して10kVの交流電圧を60秒間印加したものであり、
前記スクラッチ処理は、前記親水化処理面を、多数の金属製針を備える剣山を、紙やすりで削るように用いて、20回摩擦させて毛羽立たせたものであることを特徴とする皮脂・湯垢除去具の製造方法。
本発明の皮脂・湯垢除去具の製造方法によれば、上記効果を与える皮脂・湯垢除去具を効率よく製造することができる。
また、図2は、毛羽立ち部15を含む親水性表層部14を、親油性部11の両面に備える、他態様の皮脂・湯垢除去具1の断面構造の例である。一面側の親油性部11及び他面側の親油性部11は、互いに、同一又は異なる構成とすることができるが、この皮脂・湯垢除去具1によれば、その両面側の親油性部11において皮脂を吸着することができ、いずれか一方又は両面の毛羽立ち部15を利用し、湯垢等を除去することができる。
親油性の基材繊維を与える熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等を含む)、ポリブテン−1、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンサクシネート等のポリエステル樹脂;(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位の1種又は2種以上からなるアクリル樹脂;エチレンに由来する構造単位と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位とからなるアクリル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体等の芳香族ビニル系樹脂;環状ポリオレフィン樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;ポリウレタン等が挙げられる。
また、それ自体で親水性を有する基材繊維を与える樹脂であって、親油性樹脂繊維の形成のために、表面の親油化処理が必要な樹脂としては、ビニルアルコール系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂、(メタ)アクリルアミドに由来する構造単位を含むアクリル樹脂、レーヨン、セルロース等が挙げられる。
本発明において、上記親油性樹脂繊維としては、皮脂の吸着性及び皮脂・湯垢除去具1の取り扱いやすさの観点から、オレフィン樹脂及びポリウレタンを含有する繊維が好ましく、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリウレタンがより好ましく、皮脂・湯垢除去具1の耐久性の観点から、ポリプロピレンを含有する繊維が特に好ましい。
上記非変性シリコーンオイルは、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーであって、ポリシロキサンの側鎖及び末端をアルキル基(ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基等)、アルケニル基(オレイル基、リノール基、リノレイル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等)等の炭化水素基としたシリコーンオイルである。この非変性シリコーンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖及び末端がすべてメチル基であるジメチルシリコーンオイル、ポリシロキサンの側鎖の一部がフェニル基であるメチルフェニルシリコーンオイル、ポリシロキサンの側鎖の一部が水素原子であるメチルハイドロジェンシリコーンオイル等が挙げられる。
また、上記変性シリコーンオイルとしては、上記非変性シリコーンオイルに対して、アルコキシ変性、シラザン変性、フェノール変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性等としたものが挙げられる。
また、上記金属石鹸としては、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸等の、炭素原子数が10〜24の脂肪酸のアルミニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩又は亜鉛塩等が挙げられる。
上記親水性樹脂繊維は、その表面が親水性を有する限りにおいて、上記ビニルアルコール系樹脂等を含む基材繊維そのものであってよいし、表面の親水性の有無を問わない基材繊維が表面処理により親水化され、表面にヒドロキシル基、カルボニル基、−COO−M+基、スルホ基、−SO3 −M+基、アミノ基、オキシエチレン基等の官能基が形成された繊維であってもよい。尚、この親水性樹脂繊維は、親水性表層部14及び毛羽立ち部15を構成することができる。
上記の親油性樹脂繊維及び他の繊維は、樹脂の性能を高めるために併用される添加剤である、従来、公知の、酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、消臭剤、防黴剤、抗菌剤、金属不活性剤、着色剤等を含んでもよい。
尚、上記親油性部11は、樹脂部材10の構造安定性等の観点から、交絡されていることが好ましい。
上記目付量は、樹脂部材10の一面側から他面側への断面方向に対して、同一分布であってよいし、傾斜分布であってもよい。
上記樹脂としては、連続気泡型を構成しやすく、皮脂の吸着性に優れ、皮脂・湯垢除去具1の取り扱いが容易であることから、オレフィン樹脂及びポリウレタンが好ましく、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリウレタンがより好ましく、皮脂・湯垢除去具1の耐久性の観点から、ポリプロピレン及びポリエチレンが特に好ましい。
(A)親油性を有する樹脂(r1)からなる親油性樹脂繊維(f1)、及び、親油性の有無を問わない樹脂(r2)からなる繊維の表面を(更に)親油化処理させてなる親油性樹脂繊維(f2)から選ばれた少なくとも一種の親油性樹脂繊維と、樹脂(r1)及び(r2)の融点より好ましくは20℃〜50℃程度低い融点を有する樹脂(r3)からなる熱融着性繊維(f3)とを混繊し、その後、ウェブを作製し、このウェブをニードリングし、得られた交絡物を加熱加圧成形機にセットし、熱融着性繊維(f3)のみを溶融させつつ加圧することにより得られた、親油性樹脂繊維(f1)どうし又は親油性樹脂繊維(f2)どうしが接合された親油性不織布。
(B)サイドバイサイド型繊維であって、親油性を有する樹脂(r4)からなり、親油性表面を有する樹脂繊維部と、樹脂(r4)、下記樹脂(r6)及び(r7)の融点より好ましくは20℃〜50℃程度低い融点を有する樹脂(r5)を含む樹脂部とを備える複合繊維(f4)と、必要に応じて、親油性を有する樹脂(r6)からなる親油性樹脂繊維(f5)、及び、親油性の有無を問わない樹脂(r7)からなる繊維の表面を(更に)親油化処理させてなる親油性樹脂繊維(f6)から選ばれた少なくとも一種の親油性樹脂繊維とを混繊し、その後、ウェブを作製し、このウェブをニードリングし、得られた交絡物を加熱加圧成形機にセットし、樹脂(r5)を含む樹脂部のみを溶融させつつ加圧することにより得られた、樹脂(r4)からなる樹脂繊維部に由来する親油性樹脂繊維どうしが接合された親油性不織布(親油性樹脂繊維(f5)又は(f6)を用いた場合は、これらの繊維と、樹脂(r4)からなる樹脂繊維部に由来する親油性樹脂繊維とが接合された不織布)。
(C)芯鞘型繊維であって、芯部が、親油性を有する樹脂(r8)からなり、鞘部が、樹脂(r8)、下記樹脂(r10)及び(r11)の融点より好ましくは20℃〜50℃程度低い融点を有する樹脂(r9)からなる複合繊維(f7)と、必要に応じて、親油性を有する樹脂(r10)からなる親油性樹脂繊維(f8)、及び、親油性の有無を問わない樹脂(r11)からなる繊維の表面を(更に)親油化処理させてなる親油性樹脂繊維(f9)から選ばれた少なくとも一種の親油性樹脂繊維とを混繊し、その後、ウェブを作製し、このウェブをニードリングし、得られた交絡物を加熱加圧成形機にセットし、樹脂(r8)を含む樹脂部のみを溶融させつつ加圧することにより得られた、樹脂(r7)からなる芯部に由来する親油性樹脂繊維どうしが接合された親油性不織布(親油性樹脂繊維(f8)又は(f9)を用いた場合は、樹脂(r7)からなる芯部に由来する親油性樹脂繊維及び親油性樹脂繊維(f8)又は(f9)の混合繊維が接合された不織布)。
(D)親油性の有無を問わない樹脂(r12)からなる繊維(f10)と、樹脂(r12)の融点より好ましくは20℃〜50℃程度低い融点を有する樹脂(r13)からなる熱融着性繊維(f11)とを混繊し、その後、ウェブを作製し、このウェブをニードリングし、得られた交絡物を加熱加圧成形機にセットし、熱融着性繊維(f11)のみを溶融させつつ加圧し、樹脂(f10)からなる繊維どうしを接合し、次いで、パディング又はスプレーを利用した、親油化剤による表面処理に供することにより得られた、繊維(f10)の表面に親油性被膜が形成された親油性不織布。
(E)サイドバイサイド型繊維であって、親油性の有無を問わない樹脂(r14)からなる樹脂繊維部と、樹脂(r14)及び下記樹脂(r16)の融点より好ましくは20℃〜50℃程度低い融点を有する樹脂(r15)を含む樹脂部とを備える複合繊維(f12)と、必要に応じて、親油性の有無を問わない樹脂(r16)からなる繊維(f13)とを混繊し、その後、ウェブを作製し、このウェブをニードリングし、得られた交絡物を加熱加圧成形機にセットし、樹脂(r15)を含む樹脂部のみを溶融させつつ加圧することにより、樹脂(r14)からなる樹脂繊維部に由来する繊維どうしを接合し(繊維(f13)を用いた場合は、樹脂(r14)からなる樹脂繊維部に由来する繊維及び繊維(f13)の混合繊維が接合される)、次いで、パディング又はスプレーを利用した、親油化剤による表面処理に供することにより得られた、繊維の表面に親油性被膜が形成された親油性不織布。
(F)芯鞘型繊維であって、芯部が、親油性の有無を問わない樹脂(r17)からなり、鞘部が、樹脂(r17)及び下記樹脂(r19)の融点より好ましくは20℃〜50℃程度低い融点を有する樹脂(r18)からなる複合繊維(f14)と、必要に応じて、親油性の有無を問わない樹脂(r19)からなる繊維(f15)とを混繊し、その後、ウェブを作製し、このウェブをニードリングし、得られた交絡物を加熱加圧成形機にセットし、樹脂(r18)を含む樹脂部のみを溶融させつつ加圧することにより、樹脂(r17)からなる芯部に由来する繊維どうしを接合し(繊維(f15)を用いた場合は、樹脂(r17)からなる芯部に由来する繊維及び繊維(f15)の混合繊維が接合される)、次いで、パディング又はスプレーを利用した、親油化剤による表面処理に供することにより得られた、繊維の表面に親油性被膜が形成された親油性不織布。
上記原料シート(S2)を構成する親油性樹脂は、得られる皮脂・湯垢除去具による皮脂の吸着性の観点から、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン樹脂及びポリウレタンであり、耐久性の観点から、オレフィン樹脂が特に好ましい。
(P)非架橋のオレフィン樹脂、発泡剤及び架橋剤を含有する発泡体原料を、反応及び発泡させた後、所定の厚さに加工して得られた樹脂発泡体シート。
(Q)ポリイソシアネート、ポリオール、架橋剤、発泡剤及び触媒を含有する発泡体原料を反応及び発泡させた後、所定の厚さに加工して得られた樹脂発泡体シート。
上記原料シート(S2)の厚さの上限は、好ましくは4mmである。
プラズマ照射による親水化処理方法は、原料シートの表面に、親水性基を形成するものであれば、特に限定されない。プラズマ処理により形成させることができる親水性基としては、ヒドロキシル基、カルボニル基、−COOH基等が挙げられ、これらのうち、ヒドロキシル基を形成する場合には、酸素ガス、炭酸ガス及び水蒸気から選ばれた少なくとも一種のヒドロキシル基形成用ガスを含む雰囲気において、大気圧プラズマ照射する方法が好適である。具体的には、原料シートを載置し、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、窒素ガス、空気等のプラズマ化が容易なガスをベースガス(キャリアーガス)として、上記ヒドロキシル基形成用ガスを含む密閉環境の中で、大気圧条件下、パルス電源、交流電源、非対称交番電源、直流アーク電源等を利用して電界を印加して、プラズマを生成させ、原料シートの一面側又は両面の表面処理を行うことが好ましい。
スクラッチ処理による毛羽立ち部形成方法は、親水化処理面を残しつつ、毛羽立ち部を形成するものであれば、特に限定されず、従来、公知の、起毛加工法等を適用することができる。本発明においては、やすり、針等を用いて、毛羽立たせることが好ましい。
ポリプロピレンからなる樹脂繊維を用いてウェブを形成し、交絡させて、不織布N1(80mm×80mm×1mm)を得た。その後、この不織布N1を、真空槽の内部であって、間隔を100mmとした一対の放電電極対の間に載置し、真空槽内の減圧、及び、空気の導入による圧力調整(0.1Pa)を行ったところで、放電電極対に交流電圧(5kV)を印加し、プラズマ放電を発生させた。放電時間を10秒間とし、不織布N1の両面を親水化した(親水化領域の深さ:約500μm)。次いで、不織布N1のプラズマ処理面の両面を、紙やすりで、30回ずつ摩擦させて毛羽立たせ、これを皮脂・湯垢除去シートA1とした。
容積250リットルの琺瑯製浴槽に、45℃の湯を150リットル収容した後、上記人工油脂を6.8グラム添加し、十分に撹拌した。そして、皮脂・湯垢除去シートA1を投入して、湯面に浮いた状態として放置し、人工油脂を吸着させた後、浴槽に付着した人工油脂を拭き取った。次に、皮脂・湯垢除去シートA1を浴槽から取り出し、デシケーター内で十分に乾燥させ、質量変化を調べたところ、6.0グラムの人工油脂が吸着していることが分かった。吸着率は88%であった。
不織布N1を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は3.9グラムであり、吸着率は57%であった。
不織布N1を、真空槽の内部であって、間隔を100mmとした一対の放電電極対の間に載置し、真空槽内の減圧、及び、空気の導入による圧力調整(0.1Pa)を行ったところで、放電電極対に交流電圧(5kV)を印加し、プラズマ放電を発生させた。放電時間を10秒間とし、不織布N1の両面を親水化し、これを、皮脂・湯垢除去シートA2とした。
次に、この皮脂・湯垢除去シートA2を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は3.4グラムであり、吸着率は50%であった。
不織布N1の一面側表面を、紙やすりで、30回摩擦させて毛羽立たせ、これを、皮脂・湯垢除去シートA3とした。
次に、この皮脂・湯垢除去シートA3を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は5.1グラムであり、吸着率は75%であった。
不織布N1の一面側表面を、紙やすりで、30回摩擦させて毛羽立たせた。その後、毛羽立たせた不織布N1を、真空槽の内部であって、間隔を100mmとした一対の放電電極対の間に載置し、真空槽内の減圧、及び、空気の導入による圧力調整(0.1Pa)を行ったところで、放電電極対に交流電圧(5kV)を印加し、プラズマ放電を発生させた。放電時間を10秒間とし、不織布N1の両面を親水化し、これを、皮脂・湯垢除去シートA4とした。この皮脂・湯垢除去シートA4では、毛羽立ち部が消滅していた。
次に、この皮脂・湯垢除去シートA4を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は3.4グラムであり、吸着率は50%であった。
50質量%のポリプロピレン及び50質量%のポリエチレンを用いて、発泡成形し、連続気泡型のスポンジシートS1(50mm×50mm×2mm)を作製した。その後、大気圧条件で、ヘリウムガスをスポンジシートS1の片面側表面に吹き付けながらパルス状高電圧(10kV)を印加して発生させたプラズマを照射した。照射時間を60秒間とし、スポンジシートS1の片面を親水化した(親水化領域の深さ:約500μm)。次いで、スポンジシートS1のプラズマ処理面に対して、多数の金属製針を備える剣山を、紙やすりで削るように用いて、20回摩擦させて毛羽立たせ、これを皮脂・湯垢除去シートB1とした。
スポンジシートS1を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は4.0グラムであり、吸着率は59%であった。
大気圧条件で、ヘリウムガスをスポンジシートS1の表面に吹き付けながらパルス状高電圧(10kV)を印加して発生させたプラズマを照射した。照射時間を60秒間とし、スポンジシートS1の片面を親水化し、これを、皮脂・湯垢除去シートB2とした。
次に、この皮脂・湯垢除去シートB2を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は3.2グラムであり、吸着率は47%であった。
多数の金属製針を備える剣山を、紙やすりで削るように用いて、スポンジシートS1の片側表面を、20回摩擦させて毛羽立たせ、これを、皮脂・湯垢除去シートB3とした。
次に、この皮脂・湯垢除去シートB3を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は4.8グラムであり、吸着率は71%であった。
多数の金属製針を備える剣山を、紙やすりで削るように用いて、スポンジシートS1の片側表面を、20回摩擦させて毛羽立たせた。その後、大気圧条件で、ヘリウムガスをスポンジシートS1の毛羽立ち部を有する面に吹き付けながらパルス状高電圧(10kV)を印加して発生させたプラズマを照射した。照射時間を60秒間とし、スポンジシートS1の片面を親水化し、これを、皮脂・湯垢除去シートB4とした。この皮脂・湯垢除去シートB4では、毛羽立ち部が消滅していた。
次に、この皮脂・湯垢除去シートB4を、実施例1と同じ吸油性評価に供したところ、人工油脂の吸着量は3.3グラムであり、吸着率は49%であった。
Claims (5)
- 一面側から他面側への断面方向に通気性を有するシート状のポリプロピレン樹脂部材を含む皮脂・湯垢除去具であって、
前記ポリプロピレン樹脂部材は、ポリプロピレン樹脂繊維を含む不織布に由来する構造を有し、皮脂を吸着するための親油性部と、該親油性部の少なくとも一面側に配された親水性表層部とを備え、
前記親水性表層部は、該親水性表層部の上面側に湯垢等を掻き取るための毛羽立ち部を備え、
前記親水性表層部は、ポリプロピレン樹脂繊維を含むシートの表面に、プラズマ照射による親水化処理、及び、スクラッチ処理を、順次、行うことにより形成されたことを特徴とする皮脂・湯垢除去具。 - 一面側から他面側への断面方向に通気性を有するシート状のポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂からなるスポンジ部材を含む皮脂・湯垢除去具であって、
前記スポンジ部材は、ポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂からなる樹脂発泡体に由来する構造を有し、皮脂を吸着するための親油性部と、該親油性部の少なくとも一面側に配された親水性表層部とを備え、
前記親水性表層部は、該親水性表層部の上面側に湯垢等を掻き取るための毛羽立ち部を備え、
前記親水性表層部は、前記樹脂発泡体を含むシートの表面に、プラズマ照射による親水化処理、及び、スクラッチ処理を、順次、行うことにより形成されたことを特徴とする皮脂・湯垢除去具。 - 親油性樹脂を含む繊維からなる不織布、又は、親油性樹脂を含む樹脂発泡体シートからなる、4mm以下の厚さのシートの表面に、プラズマ照射による親水化処理面を形成する第1工程と、該親水化処理面に対してスクラッチ処理をして毛羽立ち部を形成する第2工程と、からなり、
前記プラズマ照射は、0.1Pa〜大気圧下で、電極間電圧5〜10kV、照射時間10〜60秒間の処理を行い、
前記スクラッチ処理は、紙やすりにより行う摩擦、又は多数の金属製針を備える剣山を紙やすりで削るように行う摩擦を20〜30回行うことを特徴とする皮脂・湯垢除去具の製造方法。 - ポリプロピレン樹脂繊維を用いてウェブを形成し、交絡させて得た1mmの厚さの不織布シートの表面に、プラズマ処理をして該不織布シートの表面層に親水化処理面を形成する第1工程と、該親水化処理面に対してスクラッチ処理をして毛羽立ち部を形成する第2工程と、からなり、
前記プラズマ処理は、前記不織布シートを一対の放電電極対の間に載置し、0.1Paの空気雰囲気下、5kVの交流電圧を10秒間印加したものであり、
前記スクラッチ処理は、前記親水化処理面を、紙やすりで、30回摩擦させて毛羽立たせたものであることを特徴とする皮脂・湯垢除去具の製造方法。 - 50質量%のポリプロピレン及び50質量%のポリエチレンを発泡成形して得た2mmの厚さのスポンジシートの表面に、プラズマ処理をして該スポンジシートの表面層に親水化処理面を形成する第1工程と、該親水化処理面に対してスクラッチ処理をして毛羽立ち部を形成する第2工程と、からなり、
前記プラズマ処理は、前記スポンジシートを一対の放電電極対の間に載置し、大気圧下でヘリウムガスを該スポンジシートに吹き付けながらプラズマ照射して10kVの交流電圧を60秒間印加したものであり、
前記スクラッチ処理は、前記親水化処理面を、多数の金属製針を備える剣山を、紙やすりで削るように用いて、20回摩擦させて毛羽立たせたものであることを特徴とする皮脂・湯垢除去具の製造方法。
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