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JP6816698B2 - サイドレールおよびサイドレールの製造方法 - Google Patents

サイドレールおよびサイドレールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、車体前後方向に沿って延在し且つ閉断面構造で成るサイドレールおよび該サイドレールの製造方法に係る。
従来、トラックやバス等の車体フレームとしては、車体前後方向に沿って延在する左右一対のサイドレール(サイドフレームとも呼ばれる)と、これらサイドレール同士の間に架け渡されたクロスメンバとを備えている。
この種の車体フレームにおけるサイドレールでは、車両前突時の荷重吸収性能や車体強度等に鑑みて補強部材が接合されている。例えば特許文献1には、サイドレール(この特許文献1ではサイドフレームと称している)の内側面に補強部材(この特許文献1ではスティフナと称している)を溶接した構造が開示されている。
図12は従来の一般的なサイドレールaの断面構造(サイドレールaの上側部分の断面構造)を示している。この図12に示すように、サイドレールaは、車幅方向の内側に位置するインナレール材b(インナチャンネルとも呼ばれる)と車幅方向の外側に位置するアウタレール材c(アウタチャンネルとも呼ばれる)とがアーク溶接によって接合されることにより閉断面構造で構成されている。そして、例えばアウタレール材cの長手方向(図12における紙面に直交する方向)における一部分の内側面の隅角部に補強部材dがアーク溶接によって接合されている。つまり、アウタレール材cの水平部および鉛直部それぞれの内側面に沿って補強部材dが重ねられて該補強部材dの外縁部がアーク溶接によってアウタレール材cの内側面に接合されている。このような構造により、サイドレールaの長手方向における補強部材dが接合されている部分では車体強度が高められることになると共に、車両前突時にあってはこの長手方向における補強部材dが接合されていない部分での変形によって衝突荷重が吸収され、予め特定した部位を変形させる荷重吸収性能が得られるようになっている。
特開2009−202619号公報
しかしながら、前述したような従来のサイドレールaの構造にあっては、補強部材dの外縁部のみがアウタレール材cの内側面に接合されるため、その他の部分では、補強部材dとアウタレール材cとの間に隙間が存在している。このため、車体強度の確保等に対して十分な効果を発揮させることが難しい。補強部材dの板厚寸法を大きくする(例えばインナレール材bやアウタレール材cの板厚寸法よりも大きくする)等の対策を講じることも考えられるが、これでは、車体重量の大幅な増大に繋がってしまい好ましくない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車体重量の大幅な増大を招くことなく、要求される荷重吸収性能や車体強度を得ることが可能なサイドレールおよび該サイドレールの製造方法を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、車体前後方向に沿って延在し且つ閉断面構造で成るサイドレールを前提とする。そして、このサイドレールは、サイドレール本体部分を構成する母材と、該母材に対して板厚寸法および材料が共に異なり且つ前記母材の一部に形成された切り欠き部または開口部に嵌め込まれて前記母材にレーザ溶接により接合された差厚板材との接合部分であるレーザ溶接接合部を備えており、前記差厚板材の材料は、前記母材の材料に比べて引張強度が低い材料であり、前記差厚板材の板厚寸法は、前記母材の板厚寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする。
この特定事項により、母材の一部に形成された切り欠き部または開口部に嵌め込まれて母材にレーザ溶接により接合される差厚板材の板厚寸法および材料を適宜選定することにより、サイドレールの内側面に補強部材をアーク溶接によって接合することなしに、要求される荷重吸収性能や車体強度が得られるサイドレールを実現することが可能になる。つまり、車体重量の大幅な増大を招くことなく、要求される荷重吸収性能や車体強度を得ることが可能になる。また、仮にサイドレールの内側面に補強部材をアーク溶接によって接合する場合であっても、該補強部材として質量の小さいものを採用しながらも要求される荷重吸収性能や車体強度を得ることが可能となるため、この場合も、車体重量の大幅な増大を招くことはない。
また、車両前突時における衝突荷重により、前記差厚板材が変形するようになっていることが好ましい。
これによれば、車両前突時には、差厚板材が適用された領域でサイドレールを変形させて荷重吸収を行うことができ、良好な荷重吸収性能が発揮されることになる。
また、サイドレールが、車幅方向の内側部分を構成するインナレール材と、車幅方向の外側部分を構成するアウタレール材とが一体的に溶接されて前記閉断面構造で構成されていると共に、車体後方側に向かって車幅方向の外側へ湾曲する形状とされた湾曲部を備えた構造である場合、前記湾曲部の前端部分におけるアウタレール材、および、前記湾曲部の後端部分におけるインナレール材それぞれは、前記母材の引張強度よりも低い引張強度を有する材料で成る前記差厚板材が、前記母材の一部に形成された前記切り欠き部または前記開口部に嵌め込まれてレーザ溶接により接合されて構成されていることが好ましい。
これによれば、車両前突時に前記湾曲部に衝突荷重が作用した場合、この湾曲部の前端部分および湾曲部の後端部分それぞれにおける折れ曲がり(座屈変形)の方向が互いに逆方向となる。つまり、湾曲部の前端部分ではアウタレール材が圧縮される方向に、湾曲部の後端部分ではインナレール材が圧縮される方向にそれぞれ変形することで効果的な荷重吸収性能が発揮されることになる。
また、サイドレールの製造方法としては、サイドレール本体部分を構成する母材の一部に切り欠き部または開口部を形成する工程と、前記母材の材料に比べて引張強度が低い材料で成り且つ前記母材の板厚寸法よりも大きい板厚寸法で成る差厚板材を、前記切り欠き部または開口部に嵌め込む工程と、前記切り欠き部または開口部に嵌め込まれた前記差厚板材を前記母材にレーザ溶接により接合する工程と、前記差厚板材が接合された前記母材を、前記差厚板材と共に曲げ加工する工程と、前記曲げ加工された前記母材と前記差厚板材とで成るレール材と他のレール材とにより前記閉断面構造が構成されるようにこれらレール材同士を一体的に接合する工程とを備えていることが好ましい。
これにより、車体重量の大幅な増大を招くことなく要求される荷重吸収性能や車体強度を得ることが可能なサイドレールの製造方法を提供することができる。
本発明では、車体のサイドレールを、母材と、該母材の一部に形成された切り欠き部または開口部に嵌め込まれて母材にレーザ溶接により接合された差厚板材との接合部分であるレーザ溶接接合部を備えさせている。また、差厚板材の材料を、母材の材料に比べて引張強度が低い材料とし、差厚板材の板厚寸法を、母材の板厚寸法よりも大きく設定している。これにより、車体重量の大幅な増大を招くことなく、要求される荷重吸収性能や車体強度を得ることが可能になる。
実施形態に係る車体フレームの前側部分を示す斜視図である。 実施形態に係る車体フレームの前側部分の一部を示す平面図である。 実施形態に係る車体フレームの前側部分の要部を側方から見た図である。 図4(a)は図1におけるA−A線に沿った断面図であり、図4(b)は図1におけるB−B線に沿った断面図であり、図4(c)は図1におけるC−C線に沿った断面図である。 実施形態に係るサイドレールの製造工程を説明するための図である。 実施形態に係る車体フレームに対する第1の強度実験の結果であって、サイドレールにおける応力分布を示す図である。 実施形態に係る車体フレームに対する第2の強度実験の結果であって、サイドレールにおける応力分布を示す図である。 実施形態に係るサイドレールおよび従来技術に係るサイドレールそれぞれに対する応力比と板厚比との関係を計測した結果を示す図である。 車両前突時における車体フレームの変形状態を示す図2相当図である。 実施形態に係るサイドレールのレーザ溶接部分を拡大して示す図である。 従来技術に係るサイドレールのアーク溶接部分を拡大して示す図である。 従来の一般的なサイドレールの断面構造を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、所謂ラダーフレームとして構成された車体フレームのサイドレールに対して本発明を適用した場合について説明する。
−車体フレームの概略構造−
図1は本実施形態に係る車体フレーム1の前側部分を示す斜視図である。また、図2は本実施形態に係る車体フレーム1の前側部分の一部(左側半分)を示す平面図である。図3は本実施形態に係る車体フレーム1の前側部分の要部を側方(車体の左側)から見た図である。なお、各図における矢印FRは前方向、矢印UPは上方向、矢印RHは右方向、矢印LHは左方向をそれぞれ示している。
図1〜図3に示すように、車体フレーム1は、車幅方向の両外側において車体前後方向に沿って延在された左右一対のサイドレール2,2を備えている。サイドレール2,2の前部2A,2Aにおける車幅方向の外側には図示しない前輪が配設される。このため、サイドレール2,2の前部2A,2Aにおける車幅方向の寸法(左右の各サイドレール2,2間の寸法)は、この前輪との干渉を考慮して、サイドレール2,2の車体前後方向の中間に位置する中間部2B,2Bにおける車幅方向の寸法よりも短く設定されている。
サイドレール2の前部2Aと中間部2Bとの間には、サイドレール2の車体前方側から車体後方側に向かって車幅方向の外側へ湾曲する形状とされたキック部(湾曲部)2Cが設けられている。つまり、このキック部2Cを介して、サイドレール2の前部2Aと中間部2Bとが連続して構成されている。なお、サイドレール2の前部2Aの配設高さ位置は、図示しないサスペンションユニット等の配置を考慮して、中間部2Bの配設高さ位置よりも高い位置に設定されている。このため、キック部2Cは、サイドレール2の前部2A側から車体後方側に向かうに従って下方に向かって傾斜している(図3を参照)。
左右一対のサイドレール2,2の前部2A,2Aの前側には、車両前突時にエネルギー(衝突荷重)を吸収するためのクラッシュボックス3,3がそれぞれ設けられている。左右一対のクラッシュボックス3,3の前端部分には、車幅方向に沿って延在するバンパリインフォースメント4(以下、バンパリインフォースという)が架け渡されている(図2を参照)。なお、サイドレール2,2の前端部分とバンパリインフォース4との間にクラッシュボックス3,3を設けず、サイドレール2,2の前端部分にバンパリインフォース4を直接的に架け渡す構造としてもよい。バンパリインフォース4は、車幅方向の中間部4Aに対して車幅方向の両端部4Bが車体後方側に向けて湾曲する形状とされている。
バンパリインフォース4よりも車体後方側には、複数のクロスメンバ5,6,7がサイドレール2,2間に亘って車幅方向に沿って延在されている。すなわち、各クロスメンバ5,6,7は、車体前方側から順に、左右一対のサイドレール2,2に車幅方向に架け渡されている。これにより、本実施形態の車体フレーム1はラダーフレーム(はしご形フレーム)として構成されている。なお、クロスメンバ5は、サイドレール2,2の前部2A,2A同士の間に架け渡されており、クロスメンバ6は、サイドレール2,2のキック部2C,2Cの前端部分同士の間に架け渡されている。また、クロスメンバ7は、サイドレール2,2の中間部2B,2B同士の間に架け渡されている。サイドレール2,2における前記クロスメンバ5よりも車体前方側には、前側連結部8が架け渡されている。
サイドレール2,2の前部2A,2Aにおけるクロスメンバ5とクロスメンバ6との間には、サイドレール2の車幅方向の外側に突出する金属製のサスペンションマウントブラケット11が配設されている。このサスペンションマウントブラケット11には、図示しないサスペンションマウントが取付けられるようになっており、このサスペンションマウントおよびサスペンションマウントブラケット11を介して、サスペンションユニットがサイドレール2に連結できるように構成されている。
また、サイドレール2のキック部2Cの後端部分には、キャブマウントブラケット12が配設されている。このキャブマウントブラケット12は、車幅方向外側へ突出されており、このキャブマウントブラケット12には、図示しないキャブマウントが取り付けられるようになっている。そして、キャブマウントおよびキャブマウントブラケット12を介して、図示しないキャブ(ボデー)をサイドレール2に連結できるように構成されている。また、サイドレール2の前部2Aの前端部分には、サイドレール2から車幅方向外側へ突出するキャブマウントブラケット13が配設されている。このキャブマウントブラケット13により、図示しないキャブ(ボデー)をサイドレール2に連結できるように構成されている。
−サイドレールの構造−
次に、本実施形態の特徴であるサイドレール2,2の構造について説明する。各サイドレール2,2の構造は同じである(左右対称とされた構造である)ため、ここでは車幅方向の右側に位置するサイドレール2を例に挙げて説明する。
図4(a)は図1におけるA−A線に沿ったサイドレール2の断面図であり、図4(b)は図1におけるB−B線に沿ったサイドレール2の断面図であり、図4(c)は図1におけるC−C線に沿ったサイドレール2の断面図である。具体的に、図4(a)は前記中間部2Bの断面図であって、この中間部2Bにあっては、サイドレール2が2枚の母材23,25のみで構成されている。また、図4(b)は前記キック部2Cの前端部分の断面図であって、このキック部2Cの前端部分にあっては、サイドレール2が、サイドレール本体部分を構成する2枚の母材23,25と2枚の差厚板材24,26とで構成されている。また、図4(c)は前記キック部2Cの後端部分の断面図であって、このキック部2Cの後端部分にあっては、サイドレール2が2枚の母材23,25と1枚の差厚板材27とで構成されている。各母材23,25および各差厚板材24,26,27はそれぞれ熱間圧延鋼板で形成されている。以下、各部分について具体的に説明する。
(中間部の構造)
図4(a)の断面図で示す中間部2Bは、サイドレール2の基本構造で構成される部分であって、車幅方向の内側部分を構成するインナレール材(インナチャンネル)21と車幅方向の外側部分を構成するアウタレール材(アウタチャンネル)22とがアーク溶接によって一体的に接合されることで閉断面構造で構成されている。この部分にあっては、インナレール材21およびアウタレール材22はそれぞれ1枚の母材23,25のみで形成されている。これら母材23,25は、板厚寸法および材料が互いに同一のものである。例えば板厚寸法が3.0mm程度であり、引張強度が600MPa程度のものが採用されている。これら値はこれに限定されるものではないが、サイドレール2として十分な強度(車体強度)が確保できるものが採用されている。
インナレール材21(母材23)は、鉛直部21aと、該鉛直部21aの上端から車幅方向の外側に向けて所定寸法をもって延在する上側水平部21bと、前記鉛直部21aの下端から車幅方向の外側に向けて所定寸法をもって延在する下側水平部21cとを有する断面形状で形成されている。また、アウタレール材22(母材25)は、鉛直部22aと、該鉛直部22aの上端から車幅方向の内側に向けて所定寸法をもって延在する上側水平部22bと、前記鉛直部22aの下端から車幅方向の内側に向けて所定寸法をもって延在する下側水平部22cとを有する断面形状で形成されている。そして、アウタレール材22の上側水平部22bの上面にインナレール材21の上側水平部21bの下面が重ね合わされ、この両者がアーク溶接によって接合されている。同様に、アウタレール材22の下側水平部22cの下面にインナレール材21の下側水平部21cの上面が重ね合わされ、この両者がアーク溶接によって接合されている。これにより、サイドレール2は略矩形状の閉断面構造で構成されている。このように母材23,25のみで形成されるインナレール材21とアウタレール材22とがアーク溶接されて成る閉断面構造(サイドレール2の基本構造)は、前記中間部2Bのみだけでなく、前述した前記キック部2Cの前端部分(図4(b)の断面で示した部分)および前記キック部2Cの後端部分(図4(c)の断面で示した部分)を除くサイドレール2の略全体に亘って採用されている。
本実施形態の特徴は、キック部2Cの前端部分(図4(b)で断面を示した部分)およびキック部2Cの後端部分(図4(c)で断面を示した部分)にある。
(キック部の前端部分の構造)
キック部2Cの前端部分の構造について図4(b)を用いて説明する。なお、図5は、サイドレール2の製造工程を説明するための図であって、このキック部2Cの前端部分を示している。
図4(b)に示すように、このキック部2Cの前端部分は、4枚のパネル材23,24,25,26が一体的に接合されることによって閉断面構造で構成されている。具体的には、インナレール材21の母材23と、該母材23に形成された切り欠き部23a(図5(a)を参照)に嵌め込まれてレーザ溶接によって母材23に接合された第1差厚板材24と、アウタレール材22の母材25と、該母材25に形成された切り欠き部25aに嵌め込まれてレーザ溶接によって母材25に接合された第2差厚板材26とが一体的に接合されることによってキック部2Cの前端部分は構成されている。
具体的に、このサイドレール2の製造工程にあっては、図5(a)に示すように、平板状のインナレール材21の母材23の一部(上縁部)が切り欠かれて切り欠き部23aが形成され(母材の一部に切り欠き部を形成する工程)、この切り欠き部23aの形状に略合致した形状の第1差厚板材24を該切り欠き部23aに嵌め込む(端縁部同士が突き合わされるように嵌め込む;切り欠き部に差厚板材を嵌め込む工程)。そして、これら切り欠き部23aの内縁部と第1差厚板材24の外縁部との突き合わせ部分をレーザ溶接によって接合する(切り欠き部に嵌め込まれた差厚板材を母材にレーザ溶接により接合する工程)。この接合部分が「レーザ溶接接合部」となる。その後、平板状のインナレール材21のプレス加工によってその幅方向(図5にあっては上下方向)の両端部分が折り曲げられる(折り曲げ部分を一点鎖線で示している)ことで前記各水平部21b,21cが形成されてインナレール材21が作製されることになる(図5(b)を参照;差厚板材が接合された母材を差厚板材と共に曲げ加工する工程)。なお、前記レーザ溶接としては、例えば炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、ファイバーレーザ等を用いたものが適用可能である。
同様に、図5(a)に示すように、平板状のアウタレール材22の母材25の一部(下縁部)が切り欠かれて切り欠き部25aが形成され(本発明でいう、母材の一部に切り欠き部を形成する工程)、この切り欠き部25aの形状に略合致した形状の第2差厚板材26を該切り欠き部25aに嵌め込む(端縁部同士が突き合わされるように嵌め込む;本発明でいう、切り欠き部に差厚板材を嵌め込む工程)。そして、これら切り欠き部25aの内縁部と第2差厚板材26の外縁部との突き合わせ部分をレーザ溶接によって接合する(本発明でいう、切り欠き部に嵌め込まれた差厚板材を母材にレーザ溶接により接合する工程)。この接合部分が「レーザ溶接接合部」となる。その後、平板状のアウタレール材22のプレス加工によって幅方向(図5にあっては上下方向)の両端部分が折り曲げられる(折り曲げ部分を一点鎖線で示している)ことで前記各水平部22b,22cが形成されてアウタレール材22が作製されることになる(図5(b)を参照;本発明でいう、差厚板材が接合された母材を差厚板材と共に曲げ加工する工程)。
そして、母材23と第1差厚板材24とにより作製されたインナレール材21の上側水平部21bと、母材25と第2差厚板材26とにより作製されたアウタレール材22の上側水平部22bとがアーク溶接によって接合され、インナレール材21の下側水平部21cとアウタレール材22の下側水平部22cとがアーク溶接により接合されることによって閉断面構造で成るキック部2Cの前端部分が構成される(図4(b)を参照;本発明でいう、閉断面構造が構成されるようにレール材同士を一体的に接合する工程)。
本実施形態では、前記第1差厚板材24の材料は前記母材23,25の材料と同じ材料であって、第1差厚板材24の板厚寸法は母材23,25の板厚寸法よりも大きく設定されている。例えば第1差厚板材24の板厚寸法は4.0mm程度となっている。この値はこれに限定されるものではない。なお、第1差厚板材24の鉛直部24aの外縁部と母材23における切り欠き部23aの内縁部との突き合わせ部分、および、第1差厚板材24の上側水平部24bの外縁部と母材23における切り欠き部23aの内縁部との突き合わせ部分では、母材23の外面と第1差厚板材24の外面とが面一となるように両者が突き合わされている。つまり、母材23の内側面に対して第1差厚板材24の内側面が内側に突出するように(両者の板厚寸法の差分だけ突出するように)両者が突き合わされている。
また、前記第2差厚板材26の材料は前記母材23,25および前記第1差厚板材24の材料に比べて引張強度が低い材料であって、第2差厚板材26の板厚寸法は母材23,25の板厚寸法よりも大きく且つ第1差厚板材24の板厚寸法よりも小さく設定されている。例えば第2差厚板材26は、引張強度が450MPa程度となっており、板厚寸法が3.5mm程度となっている。これら値はこれに限定されるものではない。また、前記第1差厚板材24と第2差厚板材26との形状を比較した場合、第2差厚板材26における車体前後方向の寸法は第1差厚板材24における車体前後方向の寸法よりも長く設定されている。また、第2差厚板材26における上下方向の寸法は第1差厚板材24における上下方向の寸法よりも短く設定されている。
なお、第2差厚板材26の鉛直部26aの外縁部と母材25における切り欠き部25aの内縁部との突き合わせ部分、および、第2差厚板材26の下側水平部26bの外縁部と母材25における切り欠き部25aの内縁部との突き合わせ部分では、母材25の外面と第2差厚板材26の外面とが面一となるように両者が突き合わされている。つまり、母材25の内側面に対して第2差厚板材26の内側面が内側に突出するように(両者の板厚寸法の差分だけ突出するように)両者が突き合わされている。
(キック部の後端部分の構造)
次に、キック部2Cの後端部分の構造について図4(c)を用いて説明する。
図4(c)に示すように、このキック部2Cの後端部分は、3枚のパネル材23,25,27が一体的に接合されることによって閉断面構造で構成されている。具体的には、インナレール材21の母材23と、該母材23に形成された切り欠き部23bに嵌め込まれてレーザ溶接によって母材23に接合された第3差厚板材27と、アウタレール材22の母材25とが一体的に接合されることによってキック部2Cの後端部分は構成されている。
具体的に、このキック部2Cの後端部分の製造工程にあっては、前述したキック部2Cの前端部分の場合と同様に、平板状のインナレール材21の母材23の一部(上縁部)が切り欠かれて切り欠き部23bが形成され(本発明でいう、母材の一部に切り欠き部を形成する工程)、この切り欠き部23bの形状に略合致した形状の第3差厚板材27を該切り欠き部23bに嵌め込む(端縁部同士が突き合わされるように嵌め込む;本発明でいう、切り欠き部に差厚板材を嵌め込む工程)。そして、これら切り欠き部23bの内縁部と第3差厚板材27の外縁部との突き合わせ部分をレーザ溶接によって接合する(本発明でいう、切り欠き部に嵌め込まれた差厚板材を母材にレーザ溶接により接合する工程)。この接合部分が「レーザ溶接接合部」となる。その後、平板状のインナレール材21のプレス加工によってその幅方向の両端部分が折り曲げられることで前記各水平部21b,21cが形成されてインナレール材21が作製されることになる(本発明でいう、差厚板材が接合された母材を差厚板材と共に曲げ加工する工程)。なお、このキック部2Cの後端部分を構成するインナレール材21の作製は、前述したキック部2Cの前端部分の作製と同時に行われる。
このキック部2Cの後端部分を構成するアウタレール材22にあっては差厚板材は適用されないので、平板状のアウタレール材22の母材25には切り欠き部は形成されず、この平板状のアウタレール材22のプレス加工によって幅方向の両端部分が折り曲げられることで前記各水平部22b,22cが形成されてアウタレール材22が作製されることになる。
そして、母材23と第3差厚板材27とにより作製されたインナレール材21の上側水平部21bと、母材25のみで作製されたアウタレール材22の上側水平部22bとがアーク溶接によって接合され、インナレール材21の下側水平部21cとアウタレール材22の下側水平部22cとがアーク溶接により接合されることによって閉断面構造で成るキック部2Cの後端部分が構成される(図4(c)を参照;本発明でいう、閉断面構造が構成されるようにレール材同士を一体的に接合する工程)。なお、このキック部2Cの後端部分を構成するアウタレール材22の作製も、前述したキック部2Cの前端部分を構成するアウタレール材22の作製と同時に行われる。
本実施形態では、前記第3差厚板材27の材料は前記母材23,25の材料に比べて引張強度が低い材料であって、第3差厚板材27の板厚寸法は母材23,25の板厚寸法よりも大きく設定されている。例えば第3差厚板材27は、引張強度が450MPa程度となっており、板厚寸法が4.0mm程度となっている。これら値はこれに限定されるものではない。
なお、第3差厚板材27の鉛直部27aの外縁部と母材23における切り欠き部23bの内縁部との突き合わせ部分、および、第3差厚板材27の上側水平部27bの外縁部と母材23における切り欠き部23bの内縁部との突き合わせ部分では、母材23の外面と第3差厚板材27の外面とが面一となるように両者が突き合わされている。つまり、母材23の内側面に対して第3差厚板材27の内側面が内側に突出するように(両者の板厚寸法の差分だけ突出するように)両者が突き合わされている。
以上のようにして、サイドレール2は、サイドレール本体部分を構成する母材23,25と、該母材23,25に対して板厚寸法および材料が共に異なり且つ母材23,25の一部に形成された切り欠き部25a,23bに嵌め込まれて母材23,25にレーザ溶接により接合された差厚板材26,27との接合部分であるレーザ溶接接合部を備えた構成とされている。
以上の如く、本実施形態では、キック部2Cの前端部分を4枚のパネル材としての母材23,25、第1差厚板材24、第2差厚板材26で構成し、キック部2Cの後端部分を3枚のパネル材としての母材23,25および第3差厚板材27で構成している。そして、第2差厚板材26および第3差厚板材27にあっては、母材23,25に対して板厚寸法および材料(引張強度)が共に異なるものを採用している。このため、差厚板材26,27の板厚寸法および材料を適宜選定することにより、サイドレール2の内側面に補強部材をアーク溶接によって接合することなしに、要求される荷重吸収性能や車体強度が得られるサイドレール2を実現することが可能になる。例えば差厚板材26,27の材料の選定により車両前突時の衝突荷重による折れ曲がり(座屈変形)箇所を予め特定した部位に規定することが可能になる。また、差厚板材26,27の板厚寸法の選定により該差厚板材26,27に作用する応力を調整することが可能になる。
例えば、車両前突時にキック部2Cに衝突荷重が作用した場合、このキック部2Cの前端部分およびキック部2Cの後端部分それぞれにおける折れ曲がり(座屈変形)の方向を互いに逆方向とすることができる。つまり、本実施形態の場合、キック部2Cの前端部分ではアウタレール材22(差厚板材26が適用されている側)が圧縮される方向に、キック部2Cの後端部分ではインナレール材21(第3差厚板材27が適用されている側)が圧縮される方向にそれぞれ変形することで効果的な荷重吸収性能が発揮されることになる。つまり、サイドレール2の内側面に補強部材をアーク溶接によって接合するといった構造を採用する必要がないことで車体重量の大幅な増大を招くことなしに、要求される荷重吸収性能や車体強度が得られるサイドレール2を実現することができる。
また、従来技術にあっては、衝突荷重が作用した場合におけるサイドレールの変形による荷重吸収が可能となるようにサイドレールの目標耐力に応じて母材の引張強度を選定する必要があった。この場合、サイドレール全体の引張強度が低くなってしまう可能性があり、予め特定した部位を変形させることで荷重吸収性能を良好に得るといったことが難しかった。本実施形態の構成によれば、差厚板材26,27の板厚寸法および材料を適宜選定することにより予め特定した部位を変形させることが可能となり、要求される荷重吸収性能を得ることができる。
更に、サイドレール2に防錆塗装を行う場合、図12に示した従来の構造にあっては、パネル材同士の間に隙間が生じていることで、その隙間に塗料が入り難く、高い防錆効果を得ることが困難であった。また、アーク溶接では溶接箇所の周辺にスパッタが飛散したり、熱の影響によって酸化スケールが存在することで塗料が塗布され難くなり、これによっても高い防錆効果を得ることが困難であった。本実施形態の構成によれば、パネル材同士の間に隙間が生じることはなく、また、レーザ溶接を採用していることでスパッタの飛散を抑制でき且つ酸化スケールを抑制できることから塗料が良好に塗布されることになり、防錆塗装による高い防錆効果を得ることが可能である。
以下、前記実施形態に係るサイドレール2の効果を確認するために行った各実験例について説明する。
−実験例1−
先ず、実験例1について説明する。本実験例は、車両前突時においてキック部2Cに作用する応力を計測したものである。この実験例では、キック部2Cの一部を構成している第2差厚板材26の長さ寸法(サイドレール2の長手方向に沿う方向の長さ寸法)が互いに異なる2種類のサイドレール2に対して同一の衝突荷重(第2差厚板材26が座屈変形しない程度の衝突荷重)を作用させ、その際にキック部2Cに作用する応力を計測することにより行った。
図6は、図3において一点鎖線Dで囲んだ領域の拡大図であり、第2差厚板材26の長さ寸法を比較的長く設定した場合である第1の強度実験の結果であって、サイドレール2(特に第2差厚板材26)における応力分布を示す図である。また、図7は、第2差厚板材26の長さ寸法を比較的短く設定(第1の強度実験で使用したものに比べて短く設定)した場合である第2の強度実験の結果であって、サイドレール2(特に第2差厚板材26)における応力分布を示す図である。これらの図において破線の斜線を付した領域は応力が比較的小さい領域を表している。また、図中において実線の斜線を付した領域は応力が比較的大きい領域(破線の斜線を付した領域での応力よりも大きな応力が作用している領域)を表している。また、図中において斜線を付していない領域は応力が殆ど作用していない領域を表している。
これらの図に示すように、何れの場合にもサイドレール2における応力の作用領域は比較的小さく抑えられているが、第2差厚板材26の長さ寸法が短く設定されたもの(図7に示すもの)に比べて該長さ寸法が長く設定されたもの(図6に示すもの)の方が、応力の作用領域は小さく、且つその応力も小さくなっている。この実験結果により、前記実施形態の構造にあっては第2差厚板材26の長さ寸法を長く設定することが車体強度を高めるうえで有効であることが確認された。
−実験例2−
次に、実験例2について説明する。本実験例は、前記実施形態の構造および従来技術の構造それぞれに対して、車両前突時にサイドレール2に作用する応力を所定量だけ低下させるのに要する板厚比を比較したものである。
図8は、実施形態(本発明)に係るサイドレール2および従来技術に係るサイドレールそれぞれに対する応力比と板厚比との関係を計測した結果を示す図である。ここで、実施形態に係るサイドレール2における板厚比とは、母材の板厚寸法に対する差厚板材の板厚寸法の比である。また、従来技術に係るサイドレールにおける板厚比とは、母材の板厚寸法に対する該母材の板厚寸法と補強部材(母材の内側面にアーク溶接された補強部材)の板厚寸法との和の比である。
図8に示すように、応力比を所定量だけ小さくする(図8におけるRs1からRs2まで小さくする)のに要する板厚比として、従来技術のものにあってRt2が必要であって比較的大きい値となっているのに対し、実施形態にあってはRt1であって、従来技術のものに比べて大幅に小さい値となっている。つまり、応力比を所定量だけ小さくするのに要するためのパネル材の板厚としては実施形態のものの方が小さくて済み、これにより、車体重量の大幅な軽量化(例えば40%程度の軽量化)が図れていることが確認できた。
−実験例3−
次に、実験例3について説明する。本実験例は、前記実施形態に係る車体フレーム1を有する車両の衝突試験を行い、サイドレール2の変形状態を確認したものである。
図9は車両の衝突試験における車体フレーム1の変形状態を示す平面図(図2相当図)である。この図9に示すように、実施形態の車体フレーム1にあっては、キック部2Cの前端部分およびキック部2Cの後端部分それぞれにおける折れ曲がり(座屈変形)の方向が互いに逆方向となっている。つまり、キック部2Cの前端部分ではアウタレール材22が圧縮される方向に、キック部2Cの後端部分ではインナレール材21が圧縮される方向にそれぞれ変形することで効果的な荷重吸収性能が発揮されることが確認できた。
−実験例4−
次に、実験例4について説明する。本実験例は、前記実施形態の構造による防錆の効果を確認するためのものである。高い防錆効果を得るためには溶接箇所の周辺を塗装する場合に塗料が全面に亘って塗布されている必要がある。前述したように、パネル材同士の間に隙間が生じていると、その隙間に塗料が入り難く、高い防錆効果を得ることが困難になる。また、溶接箇所の周辺にスパッタが飛散していたり、熱の影響による酸化スケールが広範囲に亘る場合にも塗料が塗布され難くなり、高い防錆効果を得ることが困難になる。
図10は、実施形態に係るサイドレール2のレーザ溶接部分(ビードBeの周辺部)を拡大して示す図である。また、図11は、前記レーザ溶接に代えてアーク溶接を行った場合のサイドレールaのアーク溶接部分(ビードeの周辺部)を拡大して示す図である。
サイドレールaのアーク溶接部分にあっては、図11中に寸法t2で示す範囲が酸化スケールの範囲であり、図中の一点鎖線で囲んだ範囲に多数のスパッタが飛散していた。
これに対し、実施形態に係るサイドレール2のレーザ溶接部分にあっては、図10中に寸法t1で示す範囲が酸化スケールの範囲であり、図11のものに比べて大幅に小さくなっている。また、このレーザ溶接部分の周辺には殆どスパッタは飛散していなかった。
これらの結果から、実施形態に係るサイドレール2のレーザ溶接部分にあっては、塗料を全面に亘って塗布することができ、高い防錆効果を得ることが可能であることが確認された。また、実施形態の構造は母材に補強部材をアーク溶接するものではないため、母材と補強部材との間に隙間が生じるといったことはなく、塗料が入り難い部分が削減できている。
なお、複合環境腐食促進試験と呼ばれる複合サイクル腐食試験(CCT)の結果においても、前記実施形態に係るサイドレール2にあっては、従来技術に係るサイドレールに比べて最大浸食量は1/2程度に低減されていることが確認できた。
−他の実施形態−
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
例えば、前記実施形態では、キック部2Cの前端部分を4枚のパネル材23,24,25,26によって構成し、キック部2Cの後端部分を3枚のパネル材23,25,27によって構成するようにしていた。本発明は、各部分を構成するパネル材の枚数は特に限定されるものではなく、要求される荷重吸収性能や車体強度を得るために必要な枚数として任意に設定することが可能である。
また、前記実施形態では、母材23,25に形成された切り欠き部23a,25a,23bに差厚板材24,26,27を嵌め込んでレーザ溶接によって接合するようにしていた。本発明はこれに限らず、母材23,25に開口部を形成しておき、該開口部の形状に合致する形状とされた差厚板材をこの開口部に嵌め込んでレーザ溶接によって接合するようにしてもよい。
また、前記実施形態は、サイドレール2の内側面に補強部材を接合しないものとしていた。本発明はこれに限らず、この補強部材を接合する構成を併用するようにしてもよい。この場合、本発明の構成によれば、補強部材として質量の小さいものを採用しながらも要求される荷重吸収性能や車体強度を得ることが可能となるため、この場合も、車体重量の大幅な増大を招くことはない。
本発明は、ラダーフレームにおいて車体前後方向に沿って延在する左右一対のサイドレールに適用可能である。
1 車体フレーム
2 サイドレール
21 インナレール材
22 アウタレール材
2C キック部(湾曲部)
23,25 母材
23a,23b,25a 切り欠き部
24 第1差厚板材
26 第2差厚板材
27 第3差厚板材

Claims (4)

  1. 車体前後方向に沿って延在し且つ閉断面構造で成るサイドレールにおいて、
    サイドレール本体部分を構成する母材と、該母材に対して板厚寸法および材料が共に異なり且つ前記母材の一部に形成された切り欠き部または開口部に嵌め込まれて前記母材にレーザ溶接により接合された差厚板材との接合部分であるレーザ溶接接合部を備えており、
    前記差厚板材の材料は、前記母材の材料に比べて引張強度が低い材料であり、
    前記差厚板材の板厚寸法は、前記母材の板厚寸法よりも大きく設定されていることを特徴とするサイドレール。
  2. 請求項1記載のサイドレールにおいて、
    両前突時における衝突荷重により、前記差厚板材が変形することを特徴とするサイドレール。
  3. 請求項1または2記載のサイドレールにおいて、
    当該サイドレールは、車幅方向の内側部分を構成するインナレール材と、車幅方向の外側部分を構成するアウタレール材とが一体的に溶接されて前記閉断面構造が構成されていると共に、車体後方側に向かって車幅方向の外側へ湾曲する形状とされた湾曲部が設けられており、
    前記湾曲部の前端部分におけるアウタレール材、および、前記湾曲部の後端部分におけるインナレール材それぞれは、前記母材の引張強度よりも低い引張強度を有する材料で成る前記差厚板材が、前記母材の一部に形成された前記切り欠き部または前記開口部に嵌め込まれてレーザ溶接により接合されて構成されていることを特徴とするサイドレール。
  4. 車体前後方向に沿って延在し且つ閉断面構造で成るサイドレールの製造方法であって、
    サイドレール本体部分を構成する母材の一部に切り欠き部または開口部を形成する工程と、
    前記母材の材料に比べて引張強度が低い材料で成り且つ前記母材の板厚寸法よりも大きい板厚寸法で成る差厚板材を、前記切り欠き部または開口部に嵌め込む工程と、
    前記切り欠き部または開口部に嵌め込まれた前記差厚板材を前記母材にレーザ溶接により接合する工程と、
    前記差厚板材が接合された前記母材を、前記差厚板材と共に曲げ加工する工程と、
    前記曲げ加工された前記母材と前記差厚板材とで成るレール材と他のレール材とにより前記閉断面構造が構成されるようにこれらレール材同士を一体的に接合する工程とを備えていることを特徴とするサイドレールの製造方法。
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