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JP6813570B2 - 経皮カテーテル - Google Patents

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JP6813570B2
JP6813570B2 JP2018510276A JP2018510276A JP6813570B2 JP 6813570 B2 JP6813570 B2 JP 6813570B2 JP 2018510276 A JP2018510276 A JP 2018510276A JP 2018510276 A JP2018510276 A JP 2018510276A JP 6813570 B2 JP6813570 B2 JP 6813570B2
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Description

本発明は、経皮カテーテルに関する。
従来から、救急治療における心肺蘇生や、循環補助、呼吸補助を行うため、経皮的心肺補助法(PCPS:percutaneous cardiopulmonary support)による治療が行われている。この経皮的心肺補助法とは、体外循環装置を用いて、一時的に心肺機能の補助・代行を行う方法である。
体外循環装置は、遠心ポンプ、人工肺、脱血路および送血路等から構成される体外循環回路を備え、脱血した血液に対してガス交換を行い送血路へ送血するものである。
この循環回路で血液循環を行う場合には、モータにより駆動されるポンプの力で血液を循環させている。したがって、血液循環を好適に行うために、循環回路を構成するチューブにおける圧力損失の低減が求められる。
ただし、チューブの内径が小さいと圧力損失は高くなり、循環回路を流れる流量は減少する。このため、チューブの内径を十分な大きさとしないと、必要とされる血液の循環量は得られない。
一方で、チューブの内径を大きくするとチューブの外径も大きくなる。したがって、患者の体内に挿入される脱血カテーテル(チューブ)や送血カテーテル(チューブ)の内径を大きくすると、患者の身体に対する侵襲の程度が大きくなり、患者の身体に対する負担が大きくなってしまう。
これに関連して、例えば下記の特許文献1には、心棒(ダイレーター)によって、カニューレ本体(カテーテル)を軸方向に伸長または収縮させて、直径を拡大または縮小させることのできる高性能カニューレが開示されている。このように構成された高性能カニューレによれば、心棒によって、カニューレ本体を軸方向に伸展して直径(外径)を小さくした状態で、生体内に挿入することによって、患者の身体に対する侵襲の程度が小さくなる。さらに、高性能カニューレを生体内に挿入した後に、心棒を抜去することによって、カニューレ本体は軸方向に収縮して直径(内径)が大きくなる。このため、カテーテルにおける圧力損失が低減されて、必要とする液体の流量を確保することができる。
特許第5059305号明細書
特許文献1に開示された高性能カニューレにおいて、カテーテルを生体内に留置した後にダイレーターを抜去すると、カテーテルの軸方向の収縮に伴って、カテーテルの先端位置がずれる可能性がある。このようにカテーテルの先端位置がずれた場合、好適に脱血などできない可能性があるために、カテーテルを生体内に留置した後に、カテーテルの先端位置がずれてしまうことを抑制することが求められる。
そこで、本発明は、患者の身体に対する負担を抑制し、循環回路を循環中の液体の圧力損失を低減し必要とする液体の流量を確保するとともに、カテーテルを生体内に留置した後に、カテーテルの先端位置がずれることを抑制することのできる経皮カテーテルを提供することを目的とする。
上記目的を達成する経皮カテーテルは、軸方向に延在し血液を通すための経皮カテーテルであって、第1チューブと、前記第1チューブの挿入方向の基端側に設けられる第2チューブと、前記第1チューブの先端に配置されるとともに、貫通孔を備える先端チップと、前記第1チューブおよび前記第2チューブを連結するとともに、側面に開口する側孔を備えるコネクターと、を有する。前記第1チューブは、前記第2チューブよりも太い内径を備えるとともに、前記第2チューブよりも伸縮性が高く構成される。前記第1チューブは、交差するように編組されたワイヤーからなる第1補強体を有する。前記第2チューブは、交差するように編組された前記ワイヤーからなる第2補強体を有する。前記第1補強体は、交差する前記ワイヤーがなす角度のうち前記軸方向の内角である編み角度が、前記第2補強体よりも小さく構成されてなる。ダイレーターが挿通されることによって、前記第1チューブの外径が前記第2チューブの外径と略同一になるように構成されてなる。
上記のように構成した経皮カテーテルによれば、第1チューブが軸方向に伸長して外径が小さくなった状態で、経皮カテーテルを生体内に挿入するため、患者の身体に対する負担を抑制することができる。また、経皮カテーテルを生体内に留置した後、ダイレーターを経皮カテーテルから抜去すると、第1チューブは軸方向に収縮して元に戻る。ここで、第1チューブは第2チューブより大きい内径を備えるため、第1チューブにおける圧力損失が低減されて、必要とする液体の流量を確保することができる。
また、第1チューブが軸方向に伸長したとき、第1チューブの第1補強体を構成するワイヤーは、軸方向に対する傾斜角度が徐々に小さくなるように変形する。ここで、第1補強体は、交差するワイヤーがなす角度のうち軸方向の内角である編み角度が、第2補強体よりも小さく構成されてなるため、第1補強体の編み角度が第2補強体の編み角度より大きい場合と比較して、経皮カテーテルにダイレーターを挿通する前の状態における、第1補強体を構成するワイヤーの軸方向に対する傾斜角度が小さくなり、経皮カテーテルにダイレーターを挿通するのに伴う第1チューブの軸方向に沿う伸長距離が短くなる。したがって、経皮カテーテルからダイレーターを抜去するのに伴う第1チューブの軸方向に沿う収縮距離も短くなる。よって、カテーテルを生体内に留置した後に、カテーテルの先端位置がずれることを抑制することができる。
したがって、患者の身体に対する侵襲や負担を大きくすること無く、循環回路を循環中の液体の圧力損失を低減し必要とする液体の流量を確保するとともに、カテーテルを生体内に留置した後に、カテーテルの先端位置がずれることを抑制することのできる経皮カテーテルを提供することができる。
本発明の実施形態に係る経皮カテーテルが適用されている体外循環装置の一例を示す系統図である。 第1実施形態に係るカテーテルにダイレーターを挿通する前の様子を示す側面図である。 第1実施形態に係るカテーテルを示す側面断面図である。 カテーテルにダイレーターを挿通した後の様子を示す側面図である。 図5(A)は、図2の符号5Aで示す箇所の概略図であって、図5(B)は図2の符号5Bで示す箇所の概略図である。 カテーテルにダイレーターを挿通した際の先端側を示す概略断面図である。 コネクターを示す正面図である。 先端チップを示す図である。 第1実施形態に係るカテーテルの効果を説明するための図であって、図9(A)は、ダイレーターが挿通される前の第1チューブを示す図、図9(B)は、ダイレーターが挿通した後の第1チューブを示す図である。 第2実施形態に係るカテーテルにダイレーターを挿通する前の様子を示す平面図である。 第2実施形態に係るカテーテルを示す側面断面図である。 第2実施形態に係るカテーテルにダイレーターを挿通した後の様子を示す平面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の実施形態に係る経皮カテーテルが適用され、患者の心臓が弱っているときに、心機能が回復するまでの間、一時的に心臓と肺の機能を補助・代行する経皮的心肺補助法(PCPS)として使用される体外循環装置の一例を示す系統図である。
体外循環装置1によれば、ポンプを作動して患者の静脈(大静脈)から脱血して、人工肺により血液中のガス交換を行って血液の酸素化を行った後に、この血液を再び患者の動脈(大動脈)に戻す静脈−動脈方式(Veno−Arterial,VA)の手技を行うことができる。この体外循環装置1は、心臓と肺の補助を行う装置である。以下、患者から脱血して体外で所定の処置を施した後、再び患者の体内に送血する手技を「体外循環」と称する。
図1に示すように、体外循環装置1は、血液を循環させる循環回路を有している。循環回路は、人工肺2と、遠心ポンプ3と、遠心ポンプ3を駆動するための駆動手段であるドライブモータ4と、静脈側カテーテル(脱血用の経皮カテーテル)5と、動脈側カテーテル(送血用カテーテル)6と、制御部としてのコントローラ10と、を有している。
静脈側カテーテル(脱血用カテーテル)5は、大腿静脈より挿入され、下大静脈を介して静脈側カテーテル5の先端が右心房に留置される。静脈側カテーテル5は、脱血チューブ(脱血ライン)11を介して遠心ポンプ3に接続されている。脱血チューブ11は、血液を送る管路である。
動脈側カテーテル(送血用カテーテル)6は、大腿動脈より挿入される。
ドライブモータ4がコントローラ10の指令SGにより遠心ポンプ3を作動させると、遠心ポンプ3は、脱血チューブ11から脱血して血液を人工肺2に通した後に、送血チューブ(送血ライン)12を介して患者Pに血液を戻すことができる。
人工肺2は、遠心ポンプ3と送血チューブ12との間に配置されている。人工肺2は、血液に対するガス交換(酸素付加および/または二酸化炭素除去)を行う。人工肺2は、例えば膜型人工肺であるが、特に好ましくは中空糸膜型人工肺を用いる。この人工肺2には、酸素ガス供給部13から酸素ガスがチューブ14を通じて供給される。送血チューブ12は、人工肺2と動脈側カテーテル6を接続している管路である。
脱血チューブ11および送血チューブ12としては、例えば、塩化ビニル樹脂やシリコーンゴムなどの透明性の高い、弾性変形可能な可撓性を有する合成樹脂製の管路を使用することができる。脱血チューブ11内では、液体である血液はV1方向に流れ、送血チューブ12内では、血液はV2方向に流れる。
図1に示す循環回路では、超音波気泡検出センサ20が、脱血チューブ11の途中に配置されている。ファストクランプ17は、送血チューブ12の途中に配置されている。
超音波気泡検出センサ20は、体外循環中に三方活栓18の誤操作やチューブの破損等により循環回路内に気泡が混入された場合に、この混入された気泡を検出する。超音波気泡検出センサ20が、脱血チューブ11内に送られている血液中に気泡があることを検出した場合には、超音波気泡検出センサ20は、コントローラ10に検出信号を送る。コントローラ10は、この検出信号に基づいて、アラームによる警報を報知するとともに、遠心ポンプ3の回転数を低くする、あるいは、遠心ポンプ3を停止する。さらに、コントローラ10は、ファストクランプ17に指令して、ファストクランプ17により送血チューブ12を直ちに閉塞する。これにより、気泡が患者Pの体内に送られることを阻止する。コントローラ10は、体外循環装置1の動作を制御して、気泡が患者Pの身体に混入することを防止する。
体外循環装置1の循環回路のチューブ11(12、19)には、圧力センサが設けられる。圧力センサは、例えば、脱血チューブ11の装着位置A1、循環回路の送血チューブ12の装着位置A2、あるいは遠心ポンプ3と人工肺2との間を接続する接続チューブ19の装着位置A3のいずれか1つあるいは全部に装着することができる。これにより、体外循環装置1によって患者Pに対して体外循環を行っている際に、圧力センサによって、チューブ11(12、19)内の圧力を測定することができる。なお、圧力センサの装着位置は、上記装着位置A1、A2、A3に限定されず、循環回路の任意の位置に装着することができる。
<第1実施形態>
図2〜図8を参照して、本発明の第1実施形態に係る経皮カテーテル(以下、「カテーテル」と称する)30を説明する。図2〜図8は、第1実施形態に係るカテーテル30の構成の説明に供する図である。このカテーテル30は、図1の静脈側カテーテル(脱血用カテーテル)5として使用されるものである。
本実施形態に係るカテーテル30は、図2に示すように、カテーテルチューブ31と、側孔63を備えるコネクター45と、カテーテルチューブ31の先端に配置され貫通孔46、47を備える先端チップ41と、カテーテルチューブ31の基端側に配置されるクランプ用チューブ34と、カテーテルチューブ31およびクランプ用チューブ34を接続するカテーテルコネクター35と、ロックコネクター36と、を有している。
なお、本明細書では、生体内に挿入する側を「先端」若しくは「先端側」、術者が操作する手元側を「基端」若しくは「基端側」と称する。先端部とは、先端(最先端)およびその周辺を含む一定の範囲を意味し、基端部とは、基端(最基端)およびその周辺を含む一定の範囲を意味する。
カテーテル30は、図3に示すように、先端から基端まで貫通したルーメン30Aを有している。先端チップ41が備える貫通孔46、47およびコネクター45が備える側孔63は、生体内の互いに異なる脱血対象に配置されて効率的に脱血を行えるように構成されている。
カテーテル30を生体内に挿入する際には、図2に示すダイレーター50を使用する。ダイレーター50をカテーテル30のルーメン30Aに挿通して、カテーテル30とダイレーター50とを予め一体化させた状態で生体内に挿入する。なお、カテーテル30の使用方法は後述において詳細に説明する。
以下、カテーテル30の各構成について説明する。
カテーテルチューブ31は、図2に示すように、第1チューブ32と、第1チューブ32の基端側にコネクター45を介して連結された第2チューブ33と、を有している。
第1チューブ32は、第2チューブ33よりも伸縮性が高くなるように構成されている。また、第1チューブ32は、第2チューブ33よりも外径および内径が大きくなるように構成されている。
第1チューブ32および第2チューブ33の長さは、先端チップ41の貫通孔46、47およびコネクター45の側孔63を所望の脱血対象に配置するために必要な長さに構成されている。第1チューブ32の長さは、例えば、20〜40cm、第2チューブ33の長さは、例えば、20〜30cmとすることができる。
本実施形態では、脱血対象は、右心房および下大静脈の2箇所である。カテーテル30は、先端チップ41の貫通孔46、47が右心房に、コネクター45の側孔63が下大静脈に配置されるように生体内に挿入して留置される。
貫通孔46、47および側孔63が脱血対象に配置された状態で、第1チューブ32は比較的太い血管である下大静脈に配置され、第2チューブ33は比較的細い血管である大腿静脈に配置される。
また、ダイレーター50をカテーテル30のルーメン30Aに挿通すると、伸縮性が高い第1チューブ32は、図4に示すように、軸方向に伸長して外径および内径が小さくなる。このとき、第1チューブ32の外径は第2チューブ33の外径と略同一になる。第1チューブ32を軸方向に伸長させて外径および内径が小さくなった状態で、カテーテル30を生体内に挿入するため、低侵襲にカテーテル30の挿入を行うことができる。
また、カテーテル30を生体内に留置した後、ダイレーター50をカテーテル30のルーメン30Aから抜去すると、第1チューブ32は軸方向に伸長した状態から収縮して、内径が大きくなる。ここで、第1チューブ32は、比較的太い血管である下大静脈に配置される。したがって、第1チューブ32の外径を大きくすることができ、これに伴って内径を大きくすることができる。
ここで、第1チューブ32内の圧力損失は、それぞれ第1チューブ32の全長×(平均)通路断面積となる。すなわち、第1チューブ32の内径を大きくすることによって、第1チューブ32内の圧力損失が低減される。第1チューブ32内の圧力損失が低減されると、循環回路を流れる血液の流量は増加する。このため、十分な血液の循環量を得るためには、第1チューブ32の内径を大きくする必要がある。
一方で、肉厚が略一定の場合、第1チューブ32、第2チューブ33の内径を大きくすると、外径が大きくなるため、生体内へカテーテル30を挿入する際に患者の負担が大きくなり、低侵襲な手技の妨げとなる。
以上の観点から、第1チューブ32の内径は、例えば、9〜11mm、第2チューブ33の内径は、例えば、4〜8mmとすることができる。また、第1チューブ32および第2チューブ33の肉厚は、例えば、0.4〜0.5mmとすることができる。
また、図2に示すように、第1チューブ32の先端部と基端部は、第1チューブ32の中央から軸方向の外側に向かってそれぞれ徐々に細くなるテーパー部を形成することが好ましい。これにより、第1チューブ32の先端および基端の内径が、先端側に配置される先端チップ41の内径および基端側に配置される第2チューブ33の内径とそれぞれ連続するようになっている。
以下、第1チューブ32および第2チューブ33の構成についてさらに詳細に説明する。
第1チューブ32は、図5(A)、図6に示すように、交差するように編組されたワイヤーWからなる第1補強体321と、第1補強体321を被覆するように設けられた第1樹脂層322と、を有する。
第2チューブ33は、図5(B)、図6に示すように、交差するように編組されたワイヤーWからなる第2補強体331と、第2補強体331を被覆するように設けられた第2樹脂層332と、を有する。
第1補強体321は、図5(A)に示すように、編み角度θ1となるように、ワイヤーWが編組されて構成している。また、第2補強体331は、図5(B)に示すように、編み角度θ2となるように、ワイヤーWが編組されて構成している。
本明細書において、編み角度θ1、θ2は、図5(A)、図5(B)に示すように、交差するワイヤーWがなす角度のうち、軸方向の内角として定義する。
第1補強体321の編み角度θ1は、図5(A)、図5(B)に示すように、第2補強体331の編み角度θ2よりも小さく構成されている。このため、第1補強体321を構成するワイヤーWの軸方向に対する傾斜角度は、第1補強体321の編み角度が第2補強体331の編み角度より大きい場合と比較して、小さくなる。
ここで、第1チューブ32の軸方向の伸長に伴って、第1チューブ32の第1補強体321を構成するワイヤーWは、軸方向に対する傾斜角度が徐々に小さくなるように変形する。そして、第1チューブ32の第1補強体321を構成するワイヤーWの軸方向に対する傾斜角度がおよそゼロになったときに、第1チューブ32の軸方向の伸長が規制される。
したがって、第1補強体321の編み角度θ1を第2補強体331の編み角度θ2よりも小さく構成することによって、第1補強体321の編み角度が第2補強体331の編み角度より大きい場合と比較して、カテーテル30にダイレーター50を挿通するのに伴う第1チューブ32の軸方向に沿う伸長距離は短くなる。
本実施形態においてワイヤーWは、公知の形状記憶金属や形状記憶樹脂の形状記憶材料によって構成される。形状記憶金属としては、例えば、チタン系(Ni−Ti、Ti−Pd、Ti−Nb−Sn等)や、銅系の合金を用いることができる。また、形状記憶樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、トランスイソプレンポリマー、ポリノルボルネン、スチレンーブタジエン共重合体、ポリウレタンを用いることができる。
ワイヤーWが形状記憶材料によって構成されるため、カテーテル30からダイレーター50を抜去するのに伴う第1チューブ32の軸方向に沿う収縮距離は、カテーテル30にダイレーター50を挿通するのに伴う第1チューブ32の軸方向に沿う伸長距離と同一になる。
以上から、カテーテル30を生体内に留置した後に、カテーテル30の先端位置がずれることを抑制するためには、カテーテル30からダイレーター50を抜去するのに伴う第1チューブ32の軸方向に沿う収縮距離を短くする必要があり、カテーテル30にダイレーター50を挿通するのに伴う第1チューブ32の軸方向に沿う伸長距離が短くなるように、第1チューブ32を構成する第1補強体321の編み角度θ1を設定する必要がある。
以下、編み角度が互いに異なる3つのチューブを用いて、伸長試験を行った結果を示す。具体的には、長さが100mm、外径が10mmであって、編み角度が72度、90度、120度であるチューブを用いて、外径が10mmから7mmになるまで、軸方向に伸長させた場合の伸長距離を測定した。
この結果、編み角度が72度のときは、伸長距離は14mmであった。また、編み角度が90度のときは、伸長距離は40mmであった。また、編み角度が120度のときは、伸長距離は60mmであった。
以上の伸長試験から、カテーテル30にダイレーター50を挿通するのに伴う第1チューブ32の軸方向に沿う伸長距離、すなわち、カテーテル30からダイレーター50を抜去するのに伴う第1チューブ32の軸方向に沿う収縮距離が40mm以下であることが好ましい場合、第1補強体321の編み角度θ1の上限は90度であることが好ましい。さらに、カテーテル30生体内に留置した後に、カテーテル30の先端位置がずれることをより好適に抑制する観点から、第1補強体321の編み角度θ1の上限は75度であることが好ましい。
一方、第1補強体321の編み角度θ1の下限は、ダイレーター50をカテーテル30に挿通した際に、第1チューブ32の外径を第2チューブ33の外径程度に小さくすることができ、カテーテル30を生体内に挿入する際に、患者の身体に対する負担を抑制する観点や、耐キンク性の低下を抑制する観点から、70度であることが好ましい。すなわち、第1補強体321の編み角度θ1を70度未満にした場合、耐キンク性の低下やダイレーター50をカテーテル30に挿通した際に、第1チューブ32の外径を所望の外径ほど小さくすることができない可能性がある。
また、上述した伸長試験から編み角度が70度付近の72度付近では、軸方向の伸縮性を確認することができた。したがって、編み角度θ1が少なくとも70度以上あれば、第1チューブ32を好適に細径化することができる。
第2補強体331の編み角度θ2は、第1補強体321の編み角度θ1より大きい限り限定されないが、例えば、90度〜120度であることが好ましい。このように第2補強体331の編み角度θ2を、第1補強体321の編み角度θ1よりも大きくすることによって、第2補強体331の耐キンク性を向上させることができる。このため、入り組んだ構成となっている大腿静脈において、好適に、カテーテル30を生体内に挿入することができる。
第1チューブ32の第1補強体321は、図5(A)、(B)に示すように、第2チューブ33の第2補強体331よりも、疎となるように編組されて構成している。この構成によれば、第2チューブ33に比較して、第1チューブ32を柔らかくすることができ、伸縮性を高めることができる。
また、ワイヤーWの線径としては、0.1mm〜0.2mmであることが好ましい。
ワイヤーWの線径を0.1mm以上にすることによって、強度を向上する補強体としての機能を好適に発揮することができる。
一方、ワイヤーWの線径を0.2mm以下にすることによって、第1チューブ32の肉厚を0.5mm以下にすることができ、外径を小さくしつつ内径を大きくすることができるため、カテーテル30挿入時の患者の身体に対する負担抑制、および圧力損失の低減を両立することができる。また、このとき、ワイヤーWが編組されて2層になった箇所においても、ワイヤーWが第1樹脂層322からむき出しになることを防止することができる。本実施形態においては、ワイヤーWの断面は、円形であるが、これに限定されず、長方形、正方形、楕円形等であってもよい。
第1チューブ32の第1樹脂層322は、第2チューブ33の第2樹脂層332よりも、硬度の低い柔らかい材料によって構成される。この構成によれば、第2チューブ33に比較して、第1チューブ32を柔らかくすることができ、伸縮性を高めることができる。
第1、第2樹脂層322、332は、塩化ビニル、シリコン・ポリエチレン・ナイロン・ウレタン・ポリウレタン・フッ素樹脂・熱可塑性エラストマー樹脂等を使用して、もしくはこれらの複合材料を用いて形成できる。
シリコン素材は、生体適合性が高く、素材自体も柔らかいため、血管を傷つけにくい特長がある。ポリエチレン素材は、柔らかく、且つ、圧力に耐える硬さを有している。しかもポリエチレン素材は、シリコン素材に匹敵する生体適合性を持つ。ポリエチレン素材は、シリコンよりも硬く、細い血管に挿入し易い特長がある。また、ポリウレタン素材は、挿入後には柔らかくなる特長がある。第1、第2樹脂層322、332の材料としては、これらの素材の特長を生かして適用可能な材料を使用することができる。
また、ポリウレタン素材に親水性のコーティングを施してもよい。この場合チューブ表面が滑らかで、血管挿入が行い易く、血管壁を傷つけにくい。血液やタンパク質が付着しにくく、血栓の形成を防ぐことが期待できる。
チューブ32、33を形成する方法は特に限定されないが、例えばディップコート(浸漬法)やインサート成形などにより形成することができる。なお、補強体321、331は、少なくとも外表面が樹脂層322、332によって被覆されていればよい。
コネクター45は、図2〜図4に示すように、第1チューブ32と第2チューブ33とを繋ぐ継手部材である。コネクター45は、全体が筒体であり、例えば硬質プラスチック等によって形成されている。
コネクター45は、図7に示すように、筒体の両端部に縮径部である接続部42、43を有している。コネクター45は、接続部42、43を第1、第2チューブ32、33に差し込むことで、内部に設けられた液体通路64が第1、第2チューブ32、33と連通する。コネクター45は、側面に開口した側孔63を有している。
側孔63は脱血孔として機能する。側孔63は、周方向に複数有することが好ましい。本実施形態では、コネクター45には、周方向に4つの側孔63が設けられている。これにより、脱血により、一の側孔63が血管壁に吸着して塞がれても、他の側孔63により脱血を行うことができるため、血液循環を安定して行うことができる。
先端チップ41は、図6に示すように、第1チューブ32の先端に配置される。先端チップ41は、先端側に向かって徐々に縮径された先が細い形状を備えている。
先端チップ41の内側には、カテーテル30の生体内への挿入に先立って使用されるダイレーター50の平坦面50aと当接する平坦な受け面48が形成されている。
先端チップ41は、図8に示すように、第1チューブ32の先端に挿入される基部49と、側面に設けられた複数の貫通孔46と、先端チップ41の先端に設けられた貫通孔47と、を有している。貫通孔46、47は、脱血用の孔として機能する。先端チップ41の貫通孔47は、カテーテル30のルーメン30Aの一部を構成している。先端チップ41は、例えば、硬質プラスチックにより形成することができる。
硬い先端チップ41を第1チューブ32の先端部に固定することで、脱血時に第1チューブ32が潰れることを有効に防止することができる。
クランプ用チューブ34は、図2〜図4に示すように、第2チューブ33の基端側に設けられる。クランプ用チューブ34の内側には、ダイレーター50が挿通可能なルーメンが設けられている。クランプ用チューブ34は、カテーテルチューブ31と同様の材料を用いて形成することができる。
カテーテルコネクター35は、図2、図4に示すように、第2チューブ33およびクランプ用チューブ34を接続する。カテーテルコネクター35の内側には、ダイレーター50が挿通可能なルーメンが設けられている。
ロックコネクター36は、図2〜図4に示すように、クランプ用チューブ34の基端側に接続されている。ロックコネクター36の内側には、ダイレーター50が挿通可能なルーメンが設けられている。ロックコネクター36の基端側の外表面には、ネジ山が設けられた雄ネジ部36Aが設けられている。
次に、ダイレーター50の構成について説明する。
ダイレーター50は、図2に示すように、軸方向に延在して設けられるダイレーターチューブ51と、ダイレーターチューブ51の基端が固定されるダイレーターハブ52と、ダイレーターハブ52の先端に設けられたネジリング53と、を有する。
ダイレーターチューブ51は、軸方向に延在し、比較的剛性の高い長尺体である。ダイレーターチューブ51の軸方向に沿う全長は、カテーテル30の軸方向に沿う全長よりも長く構成されている。ダイレーターチューブ51は、ガイドワイヤー(図示せず)が挿通可能なガイドワイヤルーメン54を備えている。ダイレーターチューブ51は、ガイドワイヤーに導かれて、カテーテル30とともに生体内へ挿入される。ダイレーターチューブ51は、カテーテル30を生体内に留置した後に、ダイレーターハブ52を基端側に引き抜くことでカテーテル30から抜去される。
ダイレーターチューブ51の先端は、図6に示すように、先端チップ41の受け面48が当接する平坦面50aを備えている。ダイレーターチューブ51は、比較的剛性が高く、手元の操作による先端側への押し込み力を先端チップ41へ伝達することを可能にするコシを備えている。このため、ダイレーターチューブ51は、その平坦面50aを先端チップ41の受け面48に当接させて先端チップ41を先端側へ押し込むことによって、狭い血管を拡張する役割を果たしている。
ネジリング53は、内腔の内表面にネジ溝が設けられた雌ネジ部(図示せず)を有している。ネジリング53の雌ネジ部を、ロックコネクター36の雄ネジ部36Aに対してねじ込むことによって、ダイレーター50をカテーテル30に対して取り付け可能に構成されている。
<カテーテルの使用方法>
次に、上述したカテーテル30の使用方法について説明する。図2はダイレーター50のダイレーターチューブ51をカテーテル30のルーメン30Aに挿通する前の状態、図4はダイレーターチューブ51をカテーテル30のルーメン30Aに挿通した後の状態をそれぞれ示している。
まず、図4に示すように、カテーテル30のルーメン30Aに対してダイレーター50のダイレーターチューブ51を挿通する。ダイレーターチューブ51は、第2チューブ33、第1チューブ32の内部を順に通過し、ダイレーターチューブ51の平坦面50aが先端チップ41の受け面48に当接する。
ここで、図2に示すように、ダイレーターチューブ51の軸方向の全長は、カテーテル30の軸方向の全長よりも長く構成されている。このため、ダイレーターチューブ51の平坦面50aが先端チップ41の受け面48に当接した状態で、先端チップ41が先端側に押圧される。これにより、先端チップ41に固定されている第1チューブ32の先端が先端側に引っ張られる。これにより、カテーテル30は、軸方向に伸長する力を受け、カテーテル30のうち比較的伸縮性が高い第1チューブ32が軸方向に伸長する。その後、カテーテル30の基端をダイレーターハブ52に固定する。
このとき、第1チューブ32は、図9(A)に示す状態から図9(B)に示す状態となる。すなわち、第1チューブ32は、伸長距離Lだけ軸方向に伸長するとともに、第1チューブの外径は小さくなり、第2チューブ33の外径と略同一となる(図4参照)。
また、第1チューブ32の第1補強体321を構成するワイヤーWは、第1チューブ32の軸方向の伸長に伴って、軸方向に対する傾斜角度が徐々に小さくなるように変形する。
本実施形態に係る第1補強体321の編み角度θ1は、第2補強体331の編み角度θ2よりも小さく構成されてなるため、上述したように、第1補強体321の編み角度が第2補強体331の編み角度より大きい場合と比較して、伸長距離Lを短くすることができる。
次に、ダイレーター50が挿通されたカテーテル30を、予め生体内の対象部位に挿入されているガイドワイヤー(図示せず)に沿って挿入する。このとき、ダイレーター50がカテーテル30に挿通されているため、第1チューブ32の外径は第2チューブ33の外径と略同一になっており、カテーテル30の生体内への挿入を低侵襲で行うことができ、患者の身体に対する負担を抑制することができる。
また、先端チップ41の貫通孔46、47が右心房に、コネクター45の側孔63が下大静脈に配置されるまでカテーテル30を生体内に挿入し、留置する。貫通孔46、47および側孔63が脱血対象に配置された状態で、第1チューブ32は比較的太い血管である下大静脈に配置され、第2チューブ33は比較的細い血管である大腿静脈に配置される。
次に、ダイレーターチューブ51およびガイドワイヤーをカテーテル30から抜去する。この際、ダイレーターチューブ51およびガイドワイヤーは、一旦カテーテル30のクランプ用チューブ34の箇所まで抜いて鉗子(図示せず)によりクランプした後、カテーテル30から完全に抜去する。ダイレーターチューブ51がカテーテル30のルーメンから抜去されることによって、カテーテル30は、カテーテル30がダイレーター50から受けていた軸方向に伸長する力から開放される。このため、第1チューブ32が軸方向に収縮し、第1チューブ32の内径は大きくなる。これにより、第1チューブ32内の圧力損失を低減し必要とする液体の流量を確保することができる。
ここで、本実施形態に係るカテーテル30は、上述したように、第1補強体321の編み角度θ1が第2補強体331の編み角度θ2よりも小さく構成されているため、第1補強体321の編み角度が第2補強体331の編み角度より大きい場合と比較して、カテーテル30にダイレーター50を挿通するのに伴う第1チューブ32の軸方向に沿う伸長距離Lが短くなる。本実施形態においてワイヤーWは、形状記憶材料によって構成されるため、カテーテル30からダイレーター50を抜去するのに伴う第1チューブ32の軸方向に沿う収縮距離は、カテーテル30にダイレーター50を挿通するのに伴う第1チューブ32の軸方向に沿う伸長距離と同一になる。したがって、カテーテル30からダイレーター50を抜去するのに伴う第1チューブ32の軸方向に沿う収縮距離も、第1補強体321の編み角度が第2補強体331の編み角度より大きい場合と比較して、短くなる。よって、カテーテル30を生体内に留置した後に、カテーテル30の先端位置がずれることを抑制することができる。
次に、カテーテル30のロックコネクター36を図1の体外循環装置の脱血チューブ11に接続する。送血側のカテーテルの接続が完了したことを確認後、クランプ用チューブ34の鉗子を解放して、体外循環を開始する。
体外循環が終了したら、カテーテル30を血管から抜去し、挿入箇所必要に応じて外科的手技により止血修復する。
以上のように、本実施形態に係るカテーテル30は、軸方向に延在し血液を通すためのカテーテル30である。カテーテル30は、第1チューブ32と、第1チューブ32の挿入方向の基端側に設けられる第2チューブ33と、を有する。第1チューブ32は、第2チューブ33よりも太い内径を備えるとともに、第2チューブ33よりも伸縮性が高く構成される。第1チューブ32は、交差するように編組されたワイヤーWからなる第1補強体321を有し、第2チューブ33は、交差するように編組されたワイヤーWからなる第2補強体331を有する。第1補強体321は、交差するワイヤーWがなす角度のうち軸方向の内角である編み角度が、第2補強体331よりも小さく構成されてなる。
このように構成したカテーテル30によれば、第1チューブ32は第2チューブ33より伸縮性が高いため、カテーテル30にダイレーター50を挿通することによって、第1チューブ32が軸方向に伸長する。第1チューブ32は軸方向に伸長された分、第1チューブ32の外径は小さくなる。この状態でカテーテル30を生体内に挿入するため、患者の身体に対する負担を抑制することができる。
また、カテーテル30を生体内に留置した後、ダイレーター50をカテーテル30から抜去すると、第1チューブ32は軸方向に伸長した状態から収縮して元に戻る。ここで、第1チューブ32は第2チューブ33より大きい内径を備えるため、第1チューブ32における圧力損失が低減されて、必要とする液体の流量を確保することができる。
また、カテーテル30にダイレーター50を挿通するのに伴って、上述したように第1チューブ32は軸方向に伸長する。このとき、第1チューブ32の第1補強体321を構成するワイヤーWは、第1チューブ32の軸方向の伸長に伴って、軸方向に対する傾斜角度が徐々に小さくなるように変形する。ここで、第1補強体321は、交差するワイヤーWがなす角度のうち軸方向の内角である編み角度が、第2補強体331よりも小さく構成されてなる。したがって、第1補強体321の編み角度が第2補強体331の編み角度より大きい場合と比較して、カテーテル30にダイレーター50を挿通する前の状態における、第1補強体321を構成するワイヤーWの軸方向に対する傾斜角度が小さくなる。このため、第1補強体321の編み角度が第2補強体331の編み角度より大きい場合と比較して、カテーテル30にダイレーター50を挿通するのに伴う第1チューブ32の軸方向に沿う伸長距離が短くなる。したがって、カテーテル30からダイレーター50を抜去するのに伴う第1チューブ32の軸方向に沿う収縮距離も、第1補強体321の編み角度が第2補強体331の編み角度より大きい場合と比較して、短くなる。よって、カテーテル30を生体内に留置した後に、カテーテル30の先端位置がずれることを抑制することができる。
したがって、患者の身体に対する侵襲や負担を大きくすること無く、循環回路を循環中の液体の圧力損失を低減し必要とする液体の流量を確保するとともに、カテーテル30を生体内に留置した後に、カテーテル30の先端位置がずれることを抑制することのできるカテーテル30を提供することができる。
また、第1補強体321の編み角度θ1は、70度〜90度である。第1補強体321の編み角度θ1を70度以上にすることによって、ダイレーター50をカテーテル30に挿通した際に、第1チューブ32の外径を所望の小ささにすることができ、カテーテル30を生体内に挿入する際に、患者の身体に対する負担を抑制することができる。また、第1補強体321の編み角度θ1を70度以上にすることによって、耐キンク性の低下を抑制することができる。また、第1補強体321の編み角度θ1を90度以下にすることによって、カテーテル30を生体内に留置した後、ダイレーター50をカテーテル30から抜去した際に、カテーテル30の先端位置のずれが多くなることを抑制することができる。
また、ワイヤーWの線径は、0.1mm〜0.2mmである。ワイヤーWの線径を0.1mm以上とすることによって、強度を向上する第1補強体321、第2補強体331としての機能を好適に発揮することができる。また、ワイヤーWの線径を0.2mm以下にすることによって、第1チューブ32の肉厚を0.5mm以下にすることができ、外径を小さくしつつ内径を大きくすることができるため、カテーテル30挿入時の患者の身体に対する負担抑制、および圧力損失の低減を両立することができる。また、このとき、ワイヤーWが編組されて2層になった箇所においても、ワイヤーWが第1樹脂層322からむき出しになることを防止することができる。
また、ワイヤーWは形状記憶材料によって構成される。このため、ダイレーター50をカテーテル30から抜去した際に、軸方向に収縮して好適に元の形状に戻る。したがって、圧力損失をより好適に低減することができる。
また、カテーテル30は、第1チューブ32の先端に配置されるとともに、貫通孔46、47を備える先端チップ41と、第1チューブ32および第2チューブ33を連結するとともに、側面に開口する側孔63を備えるコネクター45と、をさらに有する。このため、先端チップ41およびコネクター45を介して、脱血を行うことができる。したがって、血液循環を安定して行うことができる。
<第2実施形態>
図10〜図12を参照して、本発明の第2実施形態に係る経皮カテーテル(以下、「カテーテル」という。)60を説明する。図10〜図12は、第2実施形態に係るカテーテル60の構成の説明に供する図である。
このカテーテル60はいわゆるダブルルーメンカテーテルであって、同時に送血と脱血の双方を行うことができるものである。したがって、本実施形態では、図1の体外循環装置においては、静脈側カテーテル(脱血用カテーテル)5と、動脈側カテーテル(送血用カテーテル)6の2つのカテーテルを用いることはなく、1つのカテーテル60のみを用いて手技を行う。
本実施形態に係るカテーテル60は、図10、図11に示すように、コネクター145の送血用側孔163に連通する第1ルーメン61を備える第3チューブ161が、第2チューブ133の内腔に配置された二重管構造を有する点で第1実施形態に係るカテーテル30と異なる。
カテーテル60によれば、体外循環装置のポンプを作動して患者の静脈(大静脈)から脱血して、人工肺により血液中のガス交換を行って血液の酸素化を行った後に、この血液を再び患者の静脈(大静脈)に戻す静脈−静脈方式(Veno−Venous,VV)の人工肺体外血液循環を行うことができる。
以下、カテーテル60の各構成について説明する。なお、第1実施形態と共通する部分は説明を省略して、第2実施形態のみに特徴のある箇所について説明する。また、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
カテーテル60は、図10〜図12に示すように、第1チューブ32と、第2チューブ133と、第1チューブ32および第2チューブ133を接続するコネクター145と、第1チューブ32の先端に配置される先端チップ41と、第2チューブ133の内腔に配置された第3チューブ161と、を有している。第1チューブ32および先端チップ41の構成は、第1実施形態のカテーテル30と同じ構成であるため、説明は省略する。
カテーテル60は、図11に示すように、送血路として機能する第1ルーメン61と、脱血路として機能する第2ルーメン62と、を有している。
第1ルーメン61は、第3チューブ161の内腔に形成される。第2ルーメン62は、第1チューブ32、第2チューブ133およびコネクター145の内腔に形成され、先端から基端まで貫通している。
コネクター145は、送血路である第1ルーメン61に連通する送血用側孔163を備えている。
第2チューブ133は、脱血路である第2ルーメン62に連通する脱血用側孔164を備えている。
送血用側孔163および脱血用側孔164は、楕円形状に構成されている。
第3チューブ161は、第2チューブ133の基端側から第2ルーメン62に挿入されて送血用側孔163に連結している。
送血用側孔163は、生体内の送血対象に配置され、人工肺により酸素化が行われた血液は送血用側孔163を介して生体内に送出される。
先端チップ41が備える貫通孔46、47および第2チューブ133が備える脱血用側孔164は、生体内の異なる脱血対象に配置されて効率的に脱血を行えるように構成されている。また、貫通孔46、47または脱血用側孔164が血管壁に吸着して塞がれても、塞がれていない方の孔から脱血を行うことができるため、体外循環を安定して行うことができる。
本実施形態では、カテーテル60は、首の内頸静脈から挿入され、上大静脈、右心房を介して先端が下大静脈に留置される。送血対象は、右心房であり、脱血対象は、上大静脈および下大静脈の2箇所である。
カテーテル60は、図12に示すように、ダイレーター50が挿入された状態で、先端チップ41の貫通孔46、47が下大静脈に、第2チューブ133の脱血用側孔164が内頸静脈に配置されるように生体内に挿入して留置される。
第1実施形態と同様に、第1チューブ32は、第2チューブ133よりも内径が大きくなるように構成されている。貫通孔46、47および脱血用側孔164が脱血対象に配置された状態で、第1チューブ32は比較的太い血管である下大静脈に配置され、第2チューブ133は比較的細い血管である大腿静脈に配置される。
図11に示すように、ロックコネクター136は、第1ルーメン61に連通する第1ロックコネクター137と、第1ロックコネクター137に対して並列に設けられ、第2ルーメン62に連通する第2ロックコネクター138と、を有している。ロックコネクター136は、第1ロックコネクター137が第2ロックコネクター138から分岐して形成されたY字状のYコネクターである。
第1ロックコネクター137は、第3チューブ161の基端部に連結されている。第2ロックコネクター138は、第2チューブ133の基端部に同軸的に連結されている。第1ロックコネクター137には、送血チューブ(送血ライン)が接続され、第2ロックコネクター138には脱血チューブ(脱血ライン)が接続される。
第1チューブ32は、第1実施形態と同じ機能を発揮し、作用効果も共通している。
以上のように、本実施形態に係るカテーテル60によれば、一つのカテーテルで脱血と送血の両方の機能を果たすことができる。
以上、実施形態を通じて本発明に係るカテーテルを説明したが、本発明は実施形態および変形例において説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、上述した第1実施形態では、第1補強体321は、第2補強体331よりも疎となるように編組されて構成することによって、第2チューブ33に比較して、第1チューブ32を柔らかくして、伸縮性を高めた。しかしながら、これに代えてまたは加えて、第1チューブ32の第1補強体321を構成するワイヤーWの線径を、第2チューブ33の第2補強体331を構成するワイヤーWの線径よりも小さくすることで、第2チューブ33に比較して、第1チューブ32を柔らかくして、伸縮性を高めてもよい。
また、ワイヤーWを構成する材料は、変形して元の形状に戻る復元力を備え、かつ、樹脂層を補強する機能を備える材料であれば形状記憶材料にさせる構成に限定されず、例えば、公知の弾性材料により構成することができる。
また、上述した第1実施形態では、カテーテル30は、図1の静脈側カテーテル(脱血用カテーテル)5として使用された。しかしながら、カテーテル30は、図1の動脈側カテーテル(送血用カテーテル)6として使用されてもよい。
また、上述した第2実施形態では、貫通孔46、47および脱血用側孔164は、脱血用に用いられ、送血用側孔163は、送血用に用いられた。しかしながら、貫通孔46、47および側孔164は、送血用に用いられ、側孔163は、脱血用に用いられてもよい。
また、上述した第1実施形態、第2実施形態では、第1チューブ32は第1樹脂層322を備えるとしたが、当該構成に限定されず、第1樹脂層を備えない構成としてもよい。
本出願は、2016年4月5日に出願された日本国特許出願第2016−076098号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。
30、60 カテーテル(経皮カテーテル)、
32 第1チューブ、
321 第1補強体、
33、133 第2チューブ、
331 第2補強体、
41 先端チップ、
45、145 コネクター、
63 側孔、
163 送血用側孔(側孔)、
164 脱血用側孔(側孔)、
θ1 第1補強体の編み角度、
θ2 第2補強体の編み角度、
W ワイヤー。

Claims (5)

  1. 軸方向に延在し血液を通すための経皮カテーテルであって、
    第1チューブと、
    前記第1チューブの挿入方向の基端側に設けられる第2チューブと、
    前記第1チューブの先端に配置されるとともに、貫通孔を備える先端チップと、
    前記第1チューブおよび前記第2チューブを連結するとともに、側面に開口する側孔を備えるコネクターと、を有し、
    前記第1チューブは、前記第2チューブよりも太い内径を備えるとともに、前記第2チューブよりも伸縮性が高く構成され、
    前記第1チューブは、交差するように編組されたワイヤーからなる第1補強体を有し、
    前記第2チューブは、交差するように編組された前記ワイヤーからなる第2補強体を有し、
    前記第1補強体は、交差する前記ワイヤーがなす角度のうち前記軸方向の内角である編み角度が、前記第2補強体よりも小さく構成され、
    ダイレーターが挿通されることによって、前記第1チューブの外径が前記第2チューブの外径と略同一になるように構成されてなる経皮カテーテル。
  2. 前記第1補強体の前記編み角度は、70度〜90度である請求項1に記載の経皮カテーテル。
  3. 前記ワイヤーの線径は、0.1mm〜0.2mmである請求項1または請求項2に記載の経皮カテーテル。
  4. 前記ワイヤーは形状記憶材料によって構成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の経皮カテーテル。
  5. 前記ダイレーターのダイレーターチューブの前記軸方向の全長は、前記経皮カテーテルの前記軸方向の全長よりも長く構成され、
    前記ダイレーターが挿通されることによって、前記第1チューブは伸長距離だけ前記軸方向に伸長する、請求項1〜のいずれか1項に記載の経皮カテーテル。
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