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JP6808315B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は吸収性物品に関する。
おむつなどの吸収性物品は、着用者の背側及び腹側を覆う部分にウエストギャザーを配して肌にフィットさせるようにしている(例えば特許文献1)。
特許文献2には、上記の肌へのフィット性に関し、後胴回り域における厚みの違いによる段差を解消するためのおむつの構成が記載されている。具体的には、おむつの後側ウエスト伸縮シートを吸収性コアの後側端部と重ねた配置とすることが記載されている。さらに、前記吸収コアの後側端部は、意図しない隆起を防止するため、他の部位よりも目付けが低い、または吸収性コアが存在しない低剛性部を幅方向中央に1つ有する。また、吸収性コアの後側ウエスト伸縮シートと重なる部分全体の厚みを、目付け低減やエンボスにより薄くすることが記載されている。
特許文献3には、ウエスト弾性部材とは別に、肌面側に立体ガードを設け、該立体ガードを吸収体端部の排泄物誘導部に重なる配置としたおむつが記載されている。立体ガードは、表面シートよりも肌側に自由端を有し、弾性部材により幅方向に伸縮性を有する。排泄物誘導部は、吸収体をエンボス加工等で圧縮、または構成成分を偏在させてなる凹部で構成されており、該凹部に沿って排泄部を立体ガード内部へ誘導する。一方、前記ウエスト弾性部材は排泄物誘導部とは重なっていない。
特開2007−202576号公報 特開2015−24051号公報 特開2000−333986号公報
特許文献2のように吸収体の後側(背側)端部に低剛性部を設けたり、端部全体を薄くしたりすると吸収容量が低下し、背側からの排泄物の漏れが生じやすくなってしまう。特に大人用おむつの場合は尿とりパッドを併用することが多く、背側における吸収容量の低下は大きな問題となる。具体的には、着用者が横になった状態で、尿とりパッドの背中側で尿がこぼれてアウターであるおむつに移行することがあり、その位置に十分な吸収容量がなければ尿はそのまま流れて漏れに繋がってしまう。特に前記低剛性部は着用者の背骨に対応する吸収体を大きくカットしているため漏れ発生の可能性が高まる。また、特許文献3に記載のおむつでは、立体ガードが尿とりパッドで塞がれるため上記のような尿漏れへの対応は難しい。
加えて、特許文献2のように前記低剛性部を幅方向中央部のみに配した吸収体では、背骨に対応する中央部の変形性よりも両側部の変形性が劣る。この変形性に応じて、おむつの肌へフィット性は中央部よりも両側部で劣る。一方、着用者の肌は、背骨付近よりも両側部から脇腹へ至る柔らかい部分の方が変化しやすい。そのため、おむつ等の肌へのフィット性及びこれによる漏れ防止の観点からは、吸収体としては両側部での変形性が重要となる。しかし、前述のとおり、吸収体において単にカット部分を増やしては吸収容量が低下し、むしろ漏れ防止性が低下しかねない。
本発明は、上記の問題点に鑑み、吸収性物品の背側領域におけるフィット性の向上と背側からの漏れ防止とを両立することに関する。
本発明は、肌当接面側の表面シート、非肌当接面側の裏面シート、及び両シート間の吸収体を備え、着用者の腹側に配される腹側領域、股下に配される股下領域、及び背側に配される背側領域に区分される長手方向と、該長手方向に直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、前記吸収体は、該吸収体の背側端部から腹側に延びる、周囲よりも吸収体材料の目付が小さい薄肉部を有し、該薄肉部は幅方向に複数並んでおり、前記薄肉部と長手方向において重なる位置にウエストギャザー部が配されている吸収性物品を提供する。
本発明の吸収性物品は、吸収性物品の背側領域におけるフィット性の向上と背側からの漏れ防止とを両立することとができる。
本発明の吸収性物品の好ましい一実施形態としてのテープ型おむつを、肌当接面側から模式的に示した、一部切欠平面図である。 図1のテープ型おむつにおける吸収体背側端部の薄肉部を含む幅方向断面を模式的に示す断面図である。 図1のテープ型おむつにおける吸収体が2層からなる場合の薄肉部の別の好ましい態様を示す図2相当の断面図である。 薄肉部の別の好ましい態様を示す図2相当の断面図である。 薄肉部の別の好ましい態様を示す図3相当の断面図である。 薄肉部同士の間隔、薄肉部の幅を示す説明図である。 (A)は薄肉部同士の間隔を異ならせる態様を部分的に示す説明図であり、(B)は各薄肉部の幅を異ならせる態様を部分的に説明図である。 (A)は薄肉部同士の間隔を異ならせて吸収体背側部の幅方向全体に配置した態様を示す平面図であり、(B)は各薄肉部の幅を異ならせて吸収体背側部の幅方向全体に配置した態様を示す平面図であり、(C)は(A)及び(B)を併せた態様を示す平面図であり、(D)は各薄肉部の長手方向の長さを異ならせた態様を示す平面図である。
本発明に係る吸収性物品の好ましい実施形態(第1実施形態)としてのテープ型おむつについて、図1を参照して以下に説明する。
本明細書においては、特に断らない限り、人体に接触する側を肌当接面側といい、これと反対側を非肌当接面側という。吸収性物品の平面視において、装着者の腹側から股下を介して背側にわたる領域に向けて配置される方向を、吸収性物品の長手方向(Y方向)という。この長手方向と直交する方向を幅方向(X方向)という。また、長手方向に長さを有する部材ないし部位において、該部位の腹側に向かう端部を腹側端部といい、背側に向かう端部を背側端部という。さらに、吸収性物品の長手方向および幅方向に垂直な方向を厚み方向(Z方向)といい、Z方向における長さを厚みという。
図1は、本実施形態のテープ型おむつ10の展開状態を表している。ここで、展開状態とは、各部を伸長させて吸収性物品を平面状に拡げた状態をいう。
図1に示すように、テープ型おむつ10は、長手方向に沿って、装着時に着用者の腹側に配される腹側領域F、着用者の股下に配される股下領域C、着用者の背側に配される背側領域Rに区分される。テープ型おむつ10の形状から明確に各部位が区分できないときは、テープ型おむつ10を長手方向(Y方向)に3等分し、装着者の腹側寄りに配される領域から順に、腹側領域F、股下領域C、背側領域Rと区分する。以下、テープ型使い捨ておむつ10は単におむつ10ともいう。
テープ型おむつ10は、肌当接面側の表面シート1、非肌当接面側の裏面シート2、および両シート1及び2の間に介在配置された液保持性の吸収体3を有する。さらに、表面シート1の肌当接面側に、長手方向(Y方向)両側部から幅方向(X方向)外方に向けて一対のサイドシート4が配されている。裏面シート2の非肌当接面側には、その全面を覆うように不織布からなる外装シート(図示せず)が配されていてもよい。この外装シートによって、おむつ10の外側は柔らかな肌触りおよび風合いのあるものとなる。
表面シート1、裏面シート2及びサイドシート4は、吸収体3の長手方向外方及び幅方向外方に延出して接合されている。さらに、表面シート1、裏面シート2及びサイドシート4は、腹側領域Fおよび背側領域Rにおいて幅方向(X方向)外方に延出してフラップ部17をなしている(腹側領域Fのフラップ部を腹側フラップ部17F、背側領域Rのフラップ部を背側フラップ部17Rと区別していうことがある。)。
これにより、おむつ10の外形は、背側領域R及び腹側領域Fが股下領域Cよりも幅方向に張出した形状、言い換えれば股下領域Cが括れた形状である。また、吸収体3も股下部Cが括れた形状を有する。ただし、吸収体3の形状はこれに限定されず、例えば矩形など種々の形状とすることができる。
さらに、おむつ10の背側フラップ部17Rの幅方向(X方向)の左右両端部には、おむつ止着用のファスニングテープ18とテープ基部19とが配されている。具体的には、テープ基部19が、背側フラップ部17Rの幅方向端部に接合され、さらにテープ基部19の幅方向端部にファスニングテープ18が接合されている。
本実施形態において、吸収体3は、背側領域Rの部分(以降、吸収体背側部3Rという。)に、背側端部35から腹側に延びる、周囲よりも吸収体材料の目付が小さい薄肉部31を有する。薄肉部31は、吸収体3の背側端部35に沿って幅方向に複数並んで配置されている。薄肉部31、31の間は、吸収体材料で満たされ薄肉部31よりも目付の大きい厚肉部32となっている。厚肉部32は吸収体3の股下領域Cへと連続している。なお、吸収体材料とは、液を吸収保持する材料であり、例えばパルプ等の繊維材料や高吸収ポリマーなどである。なお、本実施形態においては、薄肉部31は、吸収体3の腹側領域Fの部分にも同様の態様で配されている。
加えて、薄肉部31と長手方向に重なる位置に、幅方向に伸縮するウエストギャザー部5がテープ基部19、19の間で幅方向に配されている。長手方向に重なる範囲において、ウエストギャザー部5が薄肉部31、31間を幅方向に繋いでいる。この重なる配置により、ウエストギャザー部5は、吸収体3の背側端部35から腹側へ向かう所定範囲の領域を直接的に幅方向に伸縮させる。ウエストギャザー部5は、おむつ10の背側領域Rのうち弾性部材51が配置される領域全体を意味する。ウエストギャザー部5がおむつ10の背側領域Rを幅方向に伸縮させる機能を有すれば、弾性部材51は幅方向に連続的に配されてもよく、断続的に配されてもよい。本実施形態において、弾性部材51は、吸収体3と裏面シート2との間に幅方向に連続的に配された複数本の糸状部材である。ただし、部材としてはこれに限定されず、シート状のものでもよく、裏面シート自体を伸縮性のシートで構成するようにしてもよい。いずれの部材であっても、弾性部材51は、幅方向に、伸長状態でかつ伸縮可能に配置される。本実施形態においては、伸長状態にされた弾性部材51は、左右のテープ基部19の内側の固定部52で接合固定され、両固定部52、52間で伸縮可能にされている。なお、弾性部材51の配置は、本実施形態のものに限定されず、この種の物品で採用される種々の配置形態とすることができる。
このようにウエストギャザー部5は、吸収体3の幅方向に並ぶ複数の薄肉部31と長手方向において重なる位置にある。またこの重なりにおいて、ウエストギャザー部5は、薄肉部31、31間を幅方向に繋いでいる。これにより、おむつ10の背側領域Rが肌との間の隙間を抑えて優しくフィットし、背側領域Rでの液漏れが抑えられる。この点について以下に詳細する。
吸収体3において、薄肉部31は、目付が小さいことで他の部分よりも柔軟な変形が可能な部分である。すなわち薄肉部31は吸収体背側部3Rにおける可撓部である。可撓部としての薄肉部31が幅方向に複数あることで、これらを幅方向に繋ぐウエストギャザー部5の伸縮に合わせて、吸収体背側部3R全体が均等に変形(伸縮)しやすい。ウエストギャザー部5の伸縮は、幅方向中心線Tへ向かう矢印X1、X1で示す方向の「収縮」と、幅方向中心線Tから幅方向外方へ向かう矢印X2、X2で示す方向の「伸長」とを含む。
前記変形としては、例えば、ウエストギャザー部5の収縮で、薄肉部31が非肌側ないし肌側へ突出して幅方向に折り畳たまれる変形、薄肉部31の疎な部分が幅方向に収縮する変形等がある。また、ウエストギャザー部5が伸長する際は、薄肉部31の形状が復元する変形となる。しかもこれらの変形が、薄肉部31と長手方向に重なるウエストギャザー部5の伸縮力の直接的な作用で、複数の薄肉部31全体に均等にはっきりと生じる。これにより、吸収体背側部3Rがウエストギャザー部5の伸縮に追従して幅方向に変形し、おむつ10の背側領域Rの幅方向の伸縮性が高まる。その結果、着用者の背中から脇腹に至る背側全体へのおむつ10のフィット性が向上する。またこの伸縮性により、着用者の体勢変化で生じる肌表面の起伏形状の変形に対し、おむつ10の追従性が高くなる。これにより、おむつ10と着用者の背側との隙間が生じ難くなり、漏れ防止性を高める。
加えて、薄肉部31は、厚肉部32間を跨いで複数の薄肉部31間を繋ぐウエストギャザー部5の収縮に伴って、幅方向に収縮し空間が狭まる。このとき、薄肉部31は、毛管力が働きやすくなって導液作用をし、腹側への延出方向に沿って液を引き込みやすい。また、幅方向に複数存在する厚肉部32が、ウエストギャザー部5における収縮により互いに接近して液吸収の連携性を高める。以上の、互いに連携する複数の厚肉部32と、その間で毛管力が働く複数の薄肉部31との協働作用により、吸収体背側部3Rにおける液引き込み性を高める。このことが背側からの液漏れ防止性をさらに高め、尿とりパッドの背側からこぼれる尿等をも引き込んで吸収することができる。
上記作用の観点から、個々の薄肉部31は、収縮変形時に薄肉部31の両側縁317、317が接触しやすい平面形状であることが好ましい。例えば、両側縁317、317が、背側端部35に向かうにつれ互いに離れるのではなく、平行である態様が好ましい。また、背側端部35に向かうにつれ近づいていく態様であることがより好ましい。これにより、ウエストギャザー部5の収縮に伴って、薄肉部31の両側縁317、317、特に両側縁の背側端部318,318同士が接触しやすくなり、吸収体3の背側端部35からの液の漏出防御性が高まる。このことが上記作用と相俟って、吸収体3の腹側方向への液引き込み性を高める。なお、薄肉部31の両側縁とは厚肉部32との境界部分のことである。後述するように薄肉部31の態様により境界部分の部位は異なり、薄肉吸収部A、凹部31B、貫通孔C〜Eのいずれかの部位で隣接する厚肉部32との境界部分をいう。
また、吸収体背側部3Rにおける柔軟な変形と吸収容量の保持の両立の観点から、両側縁317、317は、腹側に向かうにつれ近づく態様であることが好ましい。図1においては、両側縁317、317は1点の腹側端部319に収束する形状としていている。ただし、この態様に限定されるものでなく、1点に収束せずに近づく形状(図示せず)であってもよい。
個々の薄肉部31は、吸収体3の背側端部35から腹側へ延出する形状であれば、必ずしもおむつ10の長手方向と並行でなくてもよい。例えば、幅方向の中心から外方に行くほど薄肉部31の背側端部35側を幅方向中心へと傾斜させた態様であってもよい。この態様では、吸収体背側部3Rがより幅方向に収縮しやすく、液漏出をより確実に防止することができる。
薄肉部31は、吸収体3を構成する吸収体材料の目付が他よりも小さい部分であれば、吸収体材料を有する態様、有さない態様の両方を含む。また、吸収体3が複数の層の積層体からなる場合、いずれかの層における目付が小さい部分とその位置における他の層の部分とを合わせた部分を薄肉部31という。
例えば、薄肉部31が吸収体材料を有する態様の具体例としては、図2に示すような、厚みの薄い薄肉吸収部31Aと凹部31Bとからなる態様が挙げられる。このように目付が小さく厚みが薄いことで薄肉部31が吸収体3の背側端部における可撓部となる。なお、図示しないが、目付が小さければ、凹部31Bを有さずに、密度を他の部分よりも低減して繊維間空間を広くした密度の疎な部分であってもよい。この場合でも、薄肉部31が他の部分よりも柔らかくなり、吸収体3の背側端部における可撓部となる。
図2において、凹部31Bは薄肉吸収部31Aの肌当接面側に配されている。本発明においては、この配置に限定されず、凹部31Bが薄肉部31Bの非肌当接面側に配されてもよい。ただし、凹部31が肌当接面側にあって肌に向けて開口している方が着用者の肌への負担軽減の観点から好ましい。すなわち、ウエストギャザー部5の収縮で、凹部31Bの空間が縮まって薄肉吸収部31Aが非肌当接面側に凸の形状になり、おむつ10の肌当接面は、着用者の身体を包み込むような優しい肌接触となる。また、凹部31は、着用者の身体の動きにより凹部31Bの空間が増減して通気路ないし排気路となっておむつ10内側のムレ低減に寄与する。
薄肉部31が吸収体材料を有する態様の別の具体例としては、図3に示すような、2層部分を含む態様が挙げられる。この態様では、吸収体3は、肌側吸収層38とこれよりも幅狭にされた非肌側吸収層39との積層体からなる。2層が重なる部分においては、肌側吸収層38が肌側貫通孔31Cを幅方向に複数有し、その非肌面当接面側を非肌側吸収層39が塞いでいる。肌側貫通孔31Cを塞ぐ非肌側吸収部39の部分が、吸収体3全体における薄肉吸収部31Aとなる。この薄肉吸収部31Aと肌側貫通孔31Cとで薄肉部31をなす。2層部分において薄肉部31に隣接する部分が厚肉部32となる。一方、1層(肌側吸収層38)のみからなる両側部においては、単層貫通孔31Dと単層の厚肉部32とを有する。
この態様においては、着用者の背骨付近に配される幅方向中央部分では、2層部分で吸収容量を確保して背骨付近からの液漏れに対応できる。一方、幅方向の両側縁付近では、肌側吸収層38の1層のみからなる部分で、変形性を高めている。これにより、前述したおむつ10の背側領域Rの伸縮性とともに、背側の、特に液漏れしやすい幅方向中央部分における液吸収容量を更に高めることができる。
また、この態様においては、吸収体3の吸収容量を保持しつつ、薄肉部31の幅や長さ、数などを着用者の肌表面の起伏形状の変形の程度に合わせた設計の幅が広がる。例えば、吸収体背側部3Rにおける幅方向中央部分よりも両側外方において薄肉部31の幅や長さ、数などを増やして、両側外方部分の変形性を更に高めることができる。薄肉部31の上記設定は、2層部分と1層部分とに跨って変化を付けることで、変形性と吸収容量との所望の組み合わせを設定できる。これにより、着用者の肌表面の起伏形状の変形が少ない背骨付近に当接する、おむつ10の背側領域Rの幅方向中央付近では伸縮を抑えて肌へのフィット性をさらに高く維持できる。そして、背骨の両脇から脇腹に至る肌の柔らかい部分に当接する、おむつ10の背側領域Rの幅方向両側部では高い伸縮性で、体勢変化に追従して隙間を抑えてフィットし続けることができる。
また、薄肉部31が吸収体材料を有さない態様の具体例としては、図4に示すように、薄肉部31が単層貫通孔31Dからなる構成が挙げられる。これにより、吸収体背側部3Rの剛性が更に低下し、おむつ10の背側領域Rの伸縮性が更に向上する。また、図2の態様の薄肉吸収部31Aが無いため、ウエストギャザー部5の収縮時に薄肉部31の空間が狭まりやすく、厚肉部32同士の接触がより密となって液引き込みの連携性が更に高まる。同時に薄肉部31で狭まった空間における毛管力がより強く働き液の引き込み性を更に高める。
薄肉部31が吸収体材料を有さない態様の別の具体例としては、図5に示すような、2層部分を含む態様が挙げられる。この態様では、吸収体3は、肌側吸収層38とこれよりも幅狭にされた非肌側吸収層39との積層体からなる。
2層が重なる部分においては、薄肉部31は、肌側吸収層38の肌側貫通孔31Cとこれに連通する非肌側吸収層39の非肌側貫通孔31Eとからなる。2層構造にいて薄肉部31に隣接する部分が厚肉部32となる。一方、1層(肌側吸収層38)のみからなる両側部においては、単層貫通孔31Dと厚肉部32とを有する。
この態様では、2層の液吸収容量を保持しつつ、2つの貫通孔の連通により吸収体背側部3Rの剛性が更に低下する。これにより、おむつ10の背側領域Rにおける前述した作用がより優れたものとなる。
加えて、この態様において、非肌側貫通孔31Eの幅(幅方向の長さ)L2が、肌側貫通孔31Dの幅(幅方向の長さ)L1よりも広いことが好ましい。これにより、装着時のおむつ10の伸縮において、肌側貫通孔31Dと非肌側貫通孔31Eとの重なりが残りやすい。これにより種々の装着状態にあっても吸収体3全体の伸縮がしやすい。加えて、肌側吸収層38から非肌側吸収層39の非肌側貫通孔31Eで液を広げやすく吸収速度を向上することができる。また、肌側貫通孔31Dよりも外周に位置する非肌側貫通孔31Eの可撓域を広げて、外側のウエストギャザー部5が伸縮しやすくなり、おむつ10の背側領域Rの伸縮性を更に高める。一方、肌側貫通孔31Dはウエストギャザー部5の収縮で空間が狭まりやすく厚肉部32同士の密着性が高まって、液の引き込み性が更に向上する。このように図5の態様では、液の引き込み性(吸収性能)とフィット性とを更に向上させることができる。
本実施形態のおむつ10において、薄肉部31は上記の具体例に限定されず、該具体例以外の、周囲よりも目付が小さく上記の作用を奏する態様を種々含み得る。薄肉部31がいずれの態様であっても、図3の態様において説明したように、着用者の肌表面の起伏形状の変形の程度に合わせて、薄肉部31の形状や配置を設定することが好ましい。
例えば、図1に示すように、着用者の背骨に対応する、吸収体背側部3Rの幅方向中央部分には薄肉部31を配さず厚肉部32(32A)を配することが好ましい。なお、この厚肉部32Aは、図1に一点鎖線で示す幅方向中心線Tから左右に所定幅を有する部分である。この場合、厚肉部32Aの両脇から幅方向外方に向けて薄肉部31を複数配することとなる。これにより、着用者の肌表面の起伏形状の変形の少ない背骨付近には吸収力の高い厚肉部32Aがフィットし続け、背骨を伝う液に対する吸収性を高めて液漏れを抑える。一方、着用者の肌表面の起伏形状の変形の大きな背骨の両脇から脇腹に至る柔らかい部分には、複数の薄肉部31が変形しながら吸収体3の厚肉部32が肌に追従してフィットし続ける。これにより、腰回りのフィット性が高まり、液漏れ防止性が高まる。このような配置は、特に、尿とりパッドを併用する大人用おむつを使用した着用者の就寝中において、液漏れ防止に効果的である。すなわち、背中中央に位置する厚肉部32Aによって、尿とりパッドからこぼれた尿を吸収し、背中からの漏れを防止することができる。しかも、着用者の僅かな動きにも追従してわき腹付近でも隙間が生じ難く、漏れが効果的に防止される。
背骨付近に対応する厚肉部32Aの幅(幅方向の長さ)Kの(図6参照)、吸収体背側部3Rの背側端部35の幅(幅方向の長さ)に対する比は、着用者の背骨への密着性及び漏れ防止性の観点から、0.15以上が好ましく、0.18以上がより好ましく、0.20以上が更に好ましい。また、前記比は、着用者の背骨両脇の柔らかい部分へのフィット性及び追従性を確保する観点から、0.55以下が好ましく、0.50以下がより好ましく、0.45以下が更に好ましい。
また、上記と同様の理由により、薄肉部31同士の間隔(ピッチ)や各薄肉部31の幅(幅方向長さ)全体を、吸収体背側部3Rの幅方向中央部分と両側外方部分とで異ならせてもよい。ここでいう薄肉部31同士の間隔(ピッチ)とは、薄肉部31の両側縁317、317の背側端部318、318間の中心点31Mと隣り合う他の薄肉部31の中心点31Mとの間の距離Wである(図6参照)。薄肉部31の幅とは、両側縁317、317の背側端部318、318間の長さHである。
例えば、薄肉部31同士の間隔(ピッチ)を異ならせる態様としては、図7(A)に示すように、幅方向中央側の間隔W1よりも幅方向外方側の間隔W2を相対的に狭めることが挙げられる。全体配置としては、例えば図8(A)のように、幅方向中心線Tから幅方向外方に行くにつれ複数の薄肉部31同士の間隔が狭くなる態様が挙げられる。この場合、間隔の違いにより、幅方向中央側の薄肉部31の本数より、幅方向外方側の薄肉部31の本数が多くなる。これにより、両側外方に行くほど吸収体3及びウエストギャザー部5は細かく小刻みに伸縮し、着用者の肌表面の起伏に対して隙間の発生を抑制しやすくなる。
また、例えば、各薄肉部31の幅(幅方向長さ)を異ならせる態様としては、図7(B)に示すように、幅方向中央側の幅H1よりも幅方向外方側の幅H2を相対的に広くすることが挙げられる。全体配置としては、例えば図8(B)のように、幅方向中心線Tから幅方向外方に行くにつれ各薄肉部31の幅が広くなっている態様が挙げられる。この場合、両側外方に行くほど伸縮が大きく着用者の肌表面の起伏形状の大きな変形にも対応できるものとなる。
さらに、図8(C)の態様のように、図8(A)及び図8(B)の態様を合わせたものであってもよい。
加えて、図8(D)の態様のように、薄肉部31の長手方向の長さMを、幅方向中央側より幅方向外方側で長くするようにしてもよい。これにより、中央側から両側外方側に行くほど吸収体背側部3Rは大きく変形しやすく、おむつ10の背側領域Rの伸縮性が高まる。
なお、各薄肉部31の長手方向の腹側端部は、吸収体3の股下領域Cまでには至らず、背側領域Rの範囲内に収まる長さであることが好ましい。これにより、股下領域Cから直接的に背側部領域Cに液が流れるのを防止することができる。
さらに、各薄肉部31の長手方向の腹側端部は、ウエストギャザー部5の腹側端部よりも腹側に延出していることが好ましい。このように吸収体背側部3Rの変形部をウエストギャザー部5よりも長くとることで、ウエストギャザー部5の伸縮性が吸収体背側部3Rで制限されないようにすることができる。
本実施形態において、薄肉部31は幅方向に幅(両側縁317、317の背側端部318、318間の長さH)があるため、幅の無いスリットと異なり、収縮しやすく、前述した作用の観点から好ましい。この幅は、おむつの大きさや用途によっても異なるため一概に定めることはできない。大人用おむつの場合、柔軟性と伸縮性の観点から、薄肉部31の幅Hは、5mm以上が好ましく、8mm以上がより好ましく、10mm以上が更に好ましい。また、前記幅Hは、腰回りのフィット性とモレ防止の観点から、40mm以下が好ましく、35mm以下がより好ましく、30mm以下が更に好ましい。図7(B)に示したように幅を異ならせる場合においても上記の範囲で設定されることが好ましい。
また、吸収体3の背側端部35の幅(幅方向の長さ)全体に対する、各薄肉部31の幅(幅方向の長さH)の合計幅の比は、装着時のフィット性と伸縮長の可動量の観点から、0.10以上が好ましく、0.15以上がより好ましく、0.18以上が更に好ましい。また、前記比は、紙おむつ装着時のあてやすさを妨げないよう過度の伸縮長を抑えこと、さらに背側端部での吸収性を維持する観点から、0.45以下が好ましく、0.40以下がより好ましく、0.37以下が更に好ましい。
さらに、吸収体3の長手方向の長さの3分の1に対する、各薄肉部31の長手方向の長さの比は、吸収体背側部におけるフィット性を保ちかつ吸収体背側部で吸収される尿を吸収体の中央部側に引き込み性を維持する観点から、0.15以上が好ましく、0.18以上がより好ましく、0.20以上が更に好ましい。また、前記比は、吸収体股下部から背側部への液の拡散を防止することと股下部での吸収体のヨレ・壊れを防止する観点から、0.90以下が好ましく、0.85以下がより好ましく、0.80以下が更に好ましい。
加えて、各薄肉部31の長手方向の長さにおける、ウエストギャザー部5が重なる長手方向の長さの割合は、薄肉部31の伸縮性を効果的に保つ観点から、0.25以上が好ましく、0.30以上がより好ましく、0.35以上が更に好ましい。また、前記比は、薄肉部31の股下側の長さを大きく超えると薄肉部でない吸収体がギャザーの伸縮によって縮シワが発生しやすく違和感の発生を防止する観点から、0.90以下が好ましく、0.85以下がより好ましく、0.80以下が更に好ましい。
また、吸収体背側部3Rにおいて、薄肉部31が幅方向に複数並ぶ領域(薄肉部31及び厚肉部32を併せた幅方向の領域)全体における吸収体材料の目付は、液吸収容量の確保の観点から、150g/m以上が好ましく、200g/m以上がより好ましく、240g/m以上が更に好ましい。また、前記目付は、フィット性と柔軟性の観点から、800g/m以下が好ましく、750g/m以下がより好ましく、700g/m以下が更に好ましい。
薄肉部31は、前述のとおり、吸収体材料の目付が他よりも小さいことで可撓部としての変形性を有する。この変形性の観点から、薄肉部31が薄肉吸収部31Aを有する場合、薄肉吸収部31Aは圧縮されたエンボス部でないことが好ましい。すなわち、薄肉吸収部31Aが他の部分に比して高密度でないことが、言い換えれば、薄肉吸収部31Aが他の部分に比して低密度であることが好ましい。薄肉吸収部31Aが高密度なエンボス部であると、薄肉部31の剛性が高まり変形性が低減しかねない。そのため、薄肉部31はエンボス部(高密度部)でないことが好ましい。ただし、可撓性を阻害しない程度に部分的なエンボス部を含んでもよい。
また、同様の観点から、薄肉部31が前述の貫通孔31C〜Eの少なくともいずれか1つを有する場合、該貫通孔が吸収体3の打ち抜き部でないことが好ましい。吸収体材料が積繊されずに残った空間部分であることが好ましい。貫通孔が打ち抜き部であると、貫通孔の隣接壁面が他の部分よりも高密度となって剛性が高まり、薄肉部31の変形性が低減しかねない。そのため、貫通孔が吸収体3の打ち抜き部でなく、貫通孔の隣接壁面の他の部分よりも高密度でないことが好ましい。
さらに、吸収体3が吸収体材料の積繊体とこれを被覆するコアラップシートからなる場合、壊れやヨレを防止するため、薄肉部31とコアラップシートとを接合する接着剤の坪量は、股下部における吸収体材料とコアラップシートとを接合する接着剤の坪量より多く、かつ、接着面積が大きいことが好ましい。例えば、接着剤の塗工方法は、スパイラルスブレーに加えて、コーターを用いてストライプ状に塗布することができる。
また、薄肉部31は、吸収体材料の目付が他よりも小さくされた部分であれば、吸収体3としての厚みが変わらない態様であってもよい。例えば、前述したように、凹部31Bが無く、単に密度が疎な状態の態様が挙げられる。その他、吸収体3が吸収体材料の積繊体とこれを被覆するコアラップシートからなる場合(図示せず)、薄肉部31における吸収体材料の積繊体のみが窪んでコアラップシートが窪まない態様でもよい。該コアラップシートにより、吸収体3の肌当接面側が表面シート1と面状に接して液を吸収体3内部へと引き込みやすくなり好ましい。コアラップシートは、親水性のシートであることが好ましく、薄葉紙(テッシュ)や親水性不織布等のおむつ用材料として使用されているものを用いることができる。
薄肉部31の変形(吸収体3の伸縮)のは、ウエストギャザー部5の伸縮に伴って生じるものである。ウエストギャザー部5は、おむつ装着時に、左右一対のファスニングテープ18、18の幅方向外方(図1の矢印X3、X3で示す方向)への引張力が伝搬して伸長する。これによりおむつ10は、装着時に着用者の腰回りの肌にフィットする。ファイスニングテープ18の引張力の効果的な伝搬の観点から、ファスニングテープ18を固定するテープ基部19は、ウエストギャザー部5と、おむつ10の長手方向において重なる配置であることが好ましい。さらに、テープ基部19の腹側端部は、ウエストギャザー部5の腹側端部よりも腹側に延出していることがより好ましい。腹側への延出によって、テープ基部19の、ウエストギャザー部5より腹側に位置する部分を非伸縮の基底部として、おむつ10の背側領域Rを扇状に広げることができる。同時に、前述した幅方向に複数並ぶ薄肉部31の変形により吸収体背側部3Rが扇状に広がる。これにより、おむつ10の装着時、吸収体背側部3Rを含めたおむつ10の背側領域Rの肌へのフィット性が高まる。さらに、その際、おむつ10の股下領域Cは必要以上に変形し難くなり着用者の股下への装着性が向上する。特に、尿とりパッドとの併用の場合、表面シート1上に載置した尿とりパッドの位置ズレが生じ難く装着性が向上する。
また、ウエストギャザー部5の弾性部材51は、厚み方向において吸収体3と裏面シート2との間にあることが好ましい。これにより、弾性部材の伸縮力が、吸収体3の薄肉部31に直接的に伝搬しやすくなり、吸収体3の変形性と吸収体3の肌へのフィット性を高めることができる。
加えて、ウエストギャザー部5は、幅方向に並ぶ複数の薄肉部31よりも幅方向外方に延出していることが好ましい。これにより、薄肉部31及び厚肉部32を含めた吸収体背側部3R全体を伸縮させることができる。
さらに、ウエストギャザー部5は、薄肉部31と重なる位置から、吸収体背側部3Rよりも長手方向外方まで延出していることが好ましい。これにより、ウエストギャザー部5は、吸収体3と、吸収体3の剛性が無いシート積層領域(吸収体3の介在しない、表面シート1、裏面シート2及びサイドシート4の積層領域)R1とを一体的に伸縮させることができる。これにより、おむつ10の背側領域R全体の肌へのフィット性が更に高まる。
以上説明した、おむつ10の背側領域Rにおける種々の好ましい態様は、適宜選択して組み合わせて用いることができる。
なお、本実施形態のおむつ10においては、吸収体3の腹側領域Fの部分にも薄肉部31が幅方向に複数並んで配されている。すなわち、おむつ10の腹側領域Fにおいても前述した背側領域Rと同様の作用が得られ、環状の胴回り全体のフィット性、肌への追従性、液漏れ防止性が向上する。また、腹側領域Fの薄肉部31においても、前述した種々の好ましい態様を任意に組み合わせて採用することができる。
次に、おむつ10の構成部材について説明する。上述した表面シート1、裏面シート2、吸収体3及びサイドシート4の形成材料としては、通常の吸収性物品に使用されるものを用いることができる。
表面シート1としては、肌触りが良く液透過性の部材からなり、例えば、親水性不織布が好ましい。具体的には、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、立体賦形不織布と呼ばれている不織布が挙げられる。その不織布の繊維は、ポリプロピレンの単繊維や、ポリプロピレンとポリエチレンの複合繊維、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンの複合繊維等で親水化処理が施された繊維が好ましい。また、表面シート1の股下部分には、表面シート1の非肌当接面側に親水性穴開きフィルムや親水性不織布が部分的に重ねられていてもよい。表面シート1の坪量は、15g/m以上が好ましく、18g/m以上がより好ましく、50g/m以下が好ましく、40g/m以下がより好ましい。親水性の異なる繊維を用いて、肌側の親水度が非肌側の親水度より低く、また、尿に対する毛管力が肌側表面に比べて非肌側表面が高い方が、表面側からの吸収性を高める点で好ましい。
裏面シート2としては、防水性があり透湿性を有していれば特に限定されない。吸収体3の非肌当接面側で液漏れを防ぐ観点から、液難透過性の部材が挙げられる。例えば疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラー又は相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又は二軸延伸して得られる液不透過性の多孔性フィルムが挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが挙げられる。該ポリオレフィンとしては、高密度ないし低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられ、これらを単独で又は混合して用いることができる。また、ムレ防止の観点から透湿性を有することが好ましい。さらに、多孔性フィルムと不織布を接着剤で貼り合わせた複合シートであることがより好ましい。
吸収体3としては、液吸収性および液保持性を有するものであれば、通常吸収性物品に用いられるものを用いることができる。例えば、繊維集合体又はこれと吸水性ポリマーとを併用させたもの等が挙げられる。繊維集合体を構成する繊維としては、パルプ繊維等の親水性天然繊維や、合成繊維(好ましくは親水化処理を施したもの)等が挙げられる。パルプ繊維としては、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ等の木材パルプや木綿パルプ、ワラパルプ等の非木材パルプ等の天然セルロース繊維などが挙げられる。その他、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオフィレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の合成樹脂からなる単繊維、これらの樹脂を2種以上含む複合繊維、アセテートやレーヨンなどの半合成繊維を一部に含んでもよい。目付は特に限定されないが、上述した吸収体材料全体の坪量の50%以上90%以下であることが好ましい。吸水性ポリマーとしては、この種の物品に通常使用されている各種のポリマー材料を用いることができる。吸水性ポリマーは、自重の100倍以上の水または自重の20倍以上の生理食塩水を吸収し保持し得る性能を有するような超吸収性高分子化合物であることが好ましい。吸収性ポリマーの坪量は特に限定されないが、上述した吸収体材料全体の坪量の20%以上60%以下であることが好ましい。
また、繊維集合体やこれと吸水性ポリマーとを併用させたものの表面をコアラップシートで被覆したものであってもよい。コアラップシートの形成材料としては、親水性のシートが挙げられる。例えば、親水性のティッシュペーパー等の薄手の紙(薄葉紙)、クレープ紙、コットンやレーヨンなどの親水性繊維からなる不織布、合成樹脂の繊維に親水化処理を施してなる不織布、例えばエアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布等からなるものを用いることができる。
サイドシート4としては、撥水性不織布が好ましい。例えば、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド積層不織布(SMS不織布)、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド不織布(SMMS不織布)等の耐水性の高い撥水性の不織布が挙げられる。また、スパンボンド不織布、スパンボンド不織布等の不織布と透湿性または非透湿性の樹脂フィルムとの積層体、等が挙げられる。
ウエストギャザー部5を構成する弾性部材51としては、弾性を有するものであれば、吸収性物品に使用されるものを特に制限なく採用できる。例えば、前述のとおり、複数の糸状部材からなるものでもよく、シート状のものでもよい。また、裏面シート自体を伸縮性のシートで構成するようにしてもよい。例えば、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、エチレン酢酸ビニル(EVA)、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。弾性部材の形態としては、断面が矩形、正方形、円形、楕円形又は多角形状等の糸状(糸ゴム等)のもの、もしくは紐状(平ゴム等)のもの、またはマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を好ましく用いることができる。シート状のものとしては、エチレン酢酸ビニル(EVA)フィルム、伸縮性ポリオレフィンフィルム、ポリウレタンフィルム等を好ましく用いることができる。
さらに、おむつ10において、ウエストギャザー部5で用いる糸状の弾性部材を用いて、レックギャザー、サイドシート自由端に立体ギャザーを配置してもよい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。ウエストギャザー部5及び薄肉部31の構成を有するものであれば、上記以外の部材構成を有する形態であってもよい。
本発明の吸収性物品は、着用者の腰回りに固定して装着するものであれば、前記実施形態のテープ型おむつ以外にも適用できる。例えば、パンツ型おむつやショーツ型ナプキンなどであってもよい。
1 表面シート
2 裏面シート
3 吸収体
31 薄肉部
31A 薄肉吸収部
31B 凹部
31C 肌側貫通孔
31D 単層貫通孔
31E 非肌側貫通孔
317 薄肉部の側縁
318 薄肉部の側縁の背側端部
32 厚肉部
35 吸収体の背側端部
38 肌側吸収層
39 非肌側吸収層
3R 吸収体背側部
4 サイドシート
5 ウエストギャザー部
51 弾性部材
10 テープ型おむつ
17 フラップ部
17F 腹側フラップ部
17R 背側フラップ部
18 ファスニングテープ
19 テープ基部

Claims (6)

  1. 肌当接面側の表面シート、非肌当接面側の裏面シート、及び両シート間の吸収体を備え、着用者の腹側に配される腹側領域、股下に配される股下領域、及び背側に配される背側領域に区分される長手方向と、該長手方向に直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、
    前記吸収体は、該吸収体の背側端部から腹側に延びる、周囲よりも吸収体材料の目付が小さい薄肉部を有し
    前記吸収体の背側端部の幅方向中央部分には、前記薄肉部は配されず、該薄肉部よりも吸収体材料の目付が大きい厚肉部が配され、該厚肉部の両脇から幅方向外方において前記薄肉部が幅方向に複数並んでおり、
    前記薄肉部と長手方向において重なる位置にウエストギャザー部が配されており、前記ウエストギャザー部に配置される弾性部材の少なくとも一部が前記薄肉部と重なる吸収性物品。
  2. 前記吸収性物品が、前記背側領域の両側にファスニングテープとテープ基部とを有するテープ型おむつであり、
    前記テープ基部の腹側端部は、ウエストギャザー部の腹側端部よりも腹側に延出している、請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記薄肉部が吸収体材料を有しない貫通孔である、請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収体は肌側吸収層と非肌側吸収層とを有し、
    前記薄肉部は前記肌側吸収層及び前記非肌側吸収層に配されて互いに貫通しており、
    前記非肌側吸収層における薄肉部の幅が、前記肌側吸収層における薄肉部の幅よりも広い、請求項3記載の吸収性物品。
  5. 薄肉部の腹側端部は背側領域に位置する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記ウエストギャザー部は、前記薄肉部同士を幅方向に繋ぐ請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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