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JP6747187B2 - インクセット、記録方法、及び記録装置 - Google Patents

インクセット、記録方法、及び記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、インクセット、記録方法、及び記録装置に関する。
インクジェット記録方式は、他の記録方式に比べてプロセスが簡単であり、かつフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られるという利点があることから幅広く普及してきている。
一般に、透明な記録媒体(基材)に反射画像を形成する方法の一つとして、白色インクと有彩色インクとを用いて印刷を行う場合、まず、透明基材上に白色インクで白地を形成した後、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の有彩色インクで画像を形成し、最終画像を印字面から見る「表刷り」と、透明基材上に有彩色インクで画像を形成した上から白色インクを重ね、最終画像を透明基材を介して裏面側から見る「裏刷り」と呼ばれる方法がある。
インクジェット記録方式でも、白色インクと各種有彩色インクを用いることにより、同様にこれらの画像を作成することが可能であり、インクジェット記録方式で用いられる白色インクは、透明な記録媒体や明度が低い記録媒体に対して良好な視認性を有し、特に、有彩色インクと併用することで、白色媒体に記録するときと同様の鮮明なフルカラー画像を得ることができ、有効な方法の一つである。
そのため、例えば、中空樹脂粒子の外径が0.1μm以上1μm以下、内径が0.05μm以上0.8μmであり、かつ水可溶性溶剤に不溶で、バインダー樹脂成分とは化学的に反応しないインクジェット用白色インクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2には、白色インクの表面張力がカラーインクの表面張力よりも低いという記載がある。
本発明は、白色インクを含むインクセットにおいて白色インク中の中空樹脂粒子のつぶれ(明度Lの低下)を抑制でき、高光沢画像が得られるインクセットを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクセットは、水、中空樹脂粒子、及び有機溶剤を含む白色の第一のインクと、
水、及び有機溶剤を含み、前記第一のインクを用いて形成された第一の画像上に付与されて第二の画像を形成する第二のインクと、を有するインクセットであって、
前記第二のインクが付与される前の前記第一の画像の平均厚み(A)と、前記第二の画像が形成された後の前記第一の画像における白色領域の平均厚み(B)との平均厚み差(A−B)が、1μm以上3μm以下である。
本発明によると、白色インクを含むインクセットにおいて白色インク中の中空樹脂粒子のつぶれ(明度Lの低下)を抑制でき、高光沢画像が得られるインクセットを提供することができる。
図1は、インクジェット記録装置の一例を示す斜視説明図である。 図2は、インクジェット記録装置におけるメインタンクの一例を示す斜視説明図である。
(インクセット)
本発明のインクセットは、水、中空樹脂粒子、及び有機溶剤を含む白色の第一のインクと、
水、及び有機溶剤を含み、前記第一のインクを用いて形成された第一の画像上に付与されて第二の画像を形成する第二のインクと、を有し、
前記第二のインクが付与される前の前記第一の画像の平均厚み(A)と、前記第二の画像が形成された後の前記第一の画像における白色領域の平均厚み(B)との平均厚み差(A−B)が、1μm以上3μm以下である。
本発明のインクセットは、従来技術においては、前記中空樹脂粒子は外殻樹脂のSP値と近い値を持つ有機溶剤と接触することで前記中空樹脂粒子の外殻樹脂が溶解し、前記中空樹脂粒子のつぶれ(明度Lの低下)が発生してしまうという知見に基づくものである。
本発明においては、前記第二のインクが付与される前の前記第一の画像の平均厚み(A)と、前記第二の画像が形成された後の前記第一の画像における白色領域の平均厚み(B)との平均厚み差(A−B)が、1μm以上3μm以下であることが必要である。
以下に説明するインク処方、及び記録方法によって、前記第一のインクと前記第二のインクが接触した際の第一の画像における白色領域の平均厚みの前記平均厚み差(A−B)を1μm以上3μm以下にすることが可能となり、前記第一のインクと前記第二のインクが接触した際においても白色の第一の画像が白色画像として維持することができる。
前記平均厚み差(A−B)を1μm以上とすることで、前記第一のインクと前記第二のインクが接触した際に第一の画像表面が平滑になり、結果として画像光沢を上昇させることができる。一方、前記平均厚み差(A−B)を3μm以下とすることで、白色の第一の画像を白色画像として維持することができる。
前記第一の画像の平均厚み(A)、及び第二の画像が形成された後の前記第一の画像における白色領域の平均厚み(B)は、ドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像の画像サンプルの断面をカッターで切断し、その断面をSEM(日本電子株式会社製、JSL−6510A)で観察し、任意の5箇所の厚みを測定し、平均厚みを求めることができる。
本発明においては、第一のインクで形成された第一の画像の明度(L)が20以上のものを白色と定義する。
前記明度(L)は、例えば、第一のインクのみが印刷されたドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像の画像サンプルについて、分光測色計(X−Rite社製、939)を用いて、測定することができる。
なお、前記第一のインクと前記第二のインクが接触した際に起こる白色領域の平均厚み減少(平均厚み差(A−B)が1μm以上)は白色の色材としての中空樹脂粒子における特有の課題であり、酸化チタンなどのような中空ではない白色顔料を用いた場合には生じない、又は仮に生じたとしても前記平均厚み差(A−B)は1μm未満である。
前記平均厚み差(A−B)を1μm以上3μm以下とするインクセット設計については、後述する中空樹脂粒子の樹脂SP値とインク中の有機溶剤のSP値を重要な達成手段の1つとしている。
前記第二のインクが付与される前の前記第一の画像の平均厚み(A)は、5μm以上50μm以下が好ましく、10μm以上30μm以下がより好ましい。
前記第一の画像の平均厚み(A)を5μm以上とすることで白色の第一のインクを用いて形成された第一の画像が白色画像として維持することができる。一方、前記第一の画像の平均厚み(A)を50μm以下とすることで、画像形成時の生産性を向上させることができる。なお、前記第一の画像を形成する際、前記第一の画像の平均厚み(A)が前記数値範囲内であれば、前記白色の第一のインクを前記第二のインクが付与される前に複数回記録してもよい。
本発明においては、白色の第一のインクを用いて形成された第一の画像上に第二のインクによって第二の画像を形成する。この場合、前記第一の画像に対する前記第二のインクの濡れ性が重要である。仮に濡れ性が高い場合、隣接する第二のインクのドットが合一してしまい、ビーディングと呼ばれる画像が滲んだ状態になってしまう。一方、濡れ性が不足した場合、前記第二のインクのドットが広がらず、目的とする色調を出せなくなってしまう。
そこで、本発明では、前記濡れ性を接触角という特性で表現し、前記第一の画像に対する前記第二のインクの接触角は、15度以上30度以下が好ましく、20度以上30度以下がより好ましい。
前記接触角を15度以上30度以下とすることにより、第二のインクのドットが合一するビーディングの発生を防止でき、前記第二のインクのドットを広げることができ、目的とする色調の画像が得られる。
本発明においては、前記第一のインクに含まれる有機溶剤と水の混合溶液の溶解パラメータ(Solubility Parameter、以下「SP値」と称することもある)(X)、及び第二のインクに含まれる有機溶剤と水の混合溶液のSP値(Y)が、いずれも17.0(cal/cm0.5以上20.2(cal/cm0.5以下であることが好ましい。
前記有機溶剤と水の混合溶液のSP値が17.0(cal/cm0.5以上であることで、中空樹脂粒子のつぶれを抑制することができる。一方、前記有機溶剤と水との混合溶液のSP値が20.2(cal/cm0.5以下であることで、乾燥不良による定着性悪化を抑制することができる。
前記第一のインク及び前記第二のインクに含まれる2種以上の有機溶剤の混合溶液のSP値は、11.0(cal/cm0.5以上17.4(cal/cm0.5以下であることが好ましい。
前記2種以上の有機溶剤の混合溶液のSP値が11.0(cal/cm0.5以上であることで、中空樹脂粒子のつぶれを抑制することができる。一方、前記混合溶液のSP値が17.4(cal/cm0.5以下であることで、乾燥不良による定着性悪化を抑制することができる。
前記インク中に含有する有機溶剤と水の混合溶液におけるSP値は、下記式より算出することができる。
インク中の有機溶剤と水の混合溶液におけるSP値(cal/cm0.5
=[有機溶剤AのSP値×有機溶剤Aの体積分率]+[有機溶剤BのSP値×有機溶剤Bの体積分率]+・・・+[水のSP値×水の体積分率]
前記SP値とは、どれだけ互いが溶けやすいかということを数値化したものをいう。前記SP値は、互いの分子間の引き合う力、すなわち凝集エネルギー密度CED(Cohesive Energy Density)の平方根で表される。なお、前記CEDとは、1mLのものを蒸発させるのに要するエネルギー量である。
前記SP値としては、Fedors法により下記式(B)を用いて計算することができる。
SP値(溶解パラメータ)=(CED値)1/2=(E/V)1/2 ・・・・・式(B)
前記式(B)において、Eは分子凝集エネルギー(cal/mol)、Vは分子容(cm/mol)であり、原子団の蒸発エネルギーをΔei、モル体積をΔviとした場合、下記式(C)、及び式(D)で示される。
E=ΣΔei ・・・・・式(C)
V=ΣΔvi ・・・・・式(D)
前記SP値の計算方法は諸説あるが、本発明においては一般的に用いられているFedorsの方法を用いた。
前記計算方法、各原子団の蒸発エネルギーΔei及びモル体積Δviの諸データとしては、「接着の基礎理論」(井本稔著、高分子刊行会発行、第5章)に記載のデータを用いることができる。
また、−CF基などが示されていないものに関しては、R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.14,147(1974)を参照することができる。
なお、参考までに、前記式(B)で示されるSP値を(J/cm1/2に換算する場合には2.046を、SI単位(J/m1/2に換算する場合には、2,046を乗ずればよい。
本発明において、前記有機溶剤には、機能上、浸透剤や抑泡剤などとしても分類されるものも含むとする。また、本発明では、インク全量に対して3質量%以上含有されている有機溶剤のみ前記SP値の計算で考慮する。
前記第一のインクに含まれる有機溶剤と水の混合溶液のSP値を混合SP値(X)と、前記第二のインクに含まれる有機溶剤と水の混合溶液のSP値を混合SP値(Y)との混合SP値の差(X−Y)が、−1以上3以下であることが好ましい。
前記混合SP値の差(X−Y)が−1以上であることによって、白色の第一のインクを複数回記録した場合においても、自身の有機溶剤によって第一の画像の平均厚みが減少することがない。また、前記混合SP値の差(X−Y)が3以下であることによって、白色の第一のインクによって形成された第一の画像の平均厚みが第二のインクによって減少することもなくなる。
前記第一のインクに含まれる水以外に最も含有量が多い有機溶剤のSP値(C)と、前記第二のインクに含まれる水以外に最も含有量が多い有機溶剤のSP値(D)とのSP値差(C−D)が、−3以上3以下であることが好ましい。
前記SP値差(C−D)を−3以上3以下とすることで、有機溶剤による中空樹脂粒子の溶解を抑制することができる。
本発明においては、前記第一のインクと前記第二のインクの最大泡圧法による寿命時間1,500m秒間での動的表面張力の差の絶対値は、0mN/m以上12mN/m以下が好ましく、5mN/m以上10mN/m以下がより好ましい。
前記動的表面張力の差の絶対値が、0mN/m以上12mN/m以下であると、前記第一のインクに対する前記第二のインクの濡れ性が良好となり、ドットの形成及び前記第一の画像の白色領域の平均厚みが実現できる。
前記動的表面張力は、最大泡圧法によって25℃で測定した値であり、例えば、動的表面張力計SITA DynoTester(SITA Messtechnik社製)を用いて測定することができる。
前記「寿命時間」とは、最大泡圧法において発生させた気泡の寿命であり、「バブルライフタイム」とも言い、動的表面張力計のプローブ先端内で新しい界面が生成した時点から最大泡圧となるまでの時間を指す。
前記第一のインクと前記第二のインクの最大泡圧法による寿命時間1,500m秒間での動的表面張力は、いずれも20mN/m以上35mN/m以下が好ましい。
前記好ましい数値範囲において、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間を短縮することができる。
<第一のインク>
前記第一のインクは、白色インクであり、水、中空樹脂粒子、及び有機溶剤を含有し、ワックスを含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
<中空樹脂粒子>
前記中空樹脂粒子は、内層が中空、外層が樹脂で覆われているものであり、その粒子外径(体積平均粒径)は0.1μm以上1μm以下が好ましく、内径は0.05μm以上0.8μm以下であることが好ましい。
前記体積平均粒径の測定としては、例えば、レーザー散乱/回折型の粒径測定装置を用いた方法などが挙げられる。
前記中空樹脂粒子は、内層が中空であるため、インクとしての比重は1前後であり、二酸化チタンのように経時で沈降することはない。
経時での沈降を回避するということから、前記中空樹脂粒子の外層の平均厚みは中空樹脂粒子全体の大きさに対して10%以上20%以下であることが好ましい。
前記中空樹脂粒子は、乾燥後の粒子内部の空気層と殻のポリマー層との屈折率の差による光散乱により、白色を示し不透明度に優れる。
前記中空樹脂粒子の中空率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20%以上80%以下が好ましく、35%以上70%以下がより好ましい。前記中空率が、20%以上であると、印字した画像の白色度を向上することができ、80%以下であることで、前記中空樹脂粒子の粒径を小さく押さえることができるため、白色インク中での沈降を抑制することができる。
前記中空率の測定としては、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた方法などが挙げられる。なお、前記中空率は、前記中空樹脂粒子の外径と内径(中空部の直径)から球体と近似したときの容積の比であり、下記式(1)で表すことができる。
中空率(%)=(中空樹脂粒子の内部容積/中空樹脂粒子の容積)×100・・・式(1)
中空樹脂粒子の内部容積=4π/3×(中空樹脂粒子の内径)
中空樹脂粒子の容積=4π/3×(中空樹脂粒子の外径)
前記中空樹脂粒子の外殻樹脂のSP値と、第一のインク中に含有する有機溶剤のSP値の値が近いと、第一のインク中に含有する有機溶剤によって中空樹脂粒子の外殻樹脂が溶解しやすくなることから、中空樹脂粒子の外殻樹脂のSP値と、第一のインク中に含有する有機溶剤のSP値(2種以上の場合には混合溶剤のSP値)に差を持たせることが好ましく、SP値の差の絶対値が、1以上10以下であることがより好ましい。
前記中空樹脂粒子の外殻樹脂としては、内層の空気層との屈折率の観点から、スチレン−アクリル共重合樹脂、又はメタクリル酸メチル樹脂を含むことが好ましい。その他にも、熱による乾燥性を考慮して熱可塑性樹脂に変更するなどしても構わない。
前記中空樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記中空樹脂粒子の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ビニルモノマー、界面活性剤、重合開始剤、及び水系分散媒を窒素雰囲気下で加熱しながら攪拌することにより中空樹脂粒子エマルジョンを形成する、いわゆる乳化重合法が好適である。
前記ビニルモノマーとしては、例えば、非イオン性単官能エチレン不飽和モノマー、二官能性ビニルモノマーなどが挙げられる。
前記非イオン性単官能エチレン不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記二官能性ビニルモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,5−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。
前記非イオン性単官能エチレン不飽和モノマーと前記二官能性ビニルモノマーとを共重合させて高度に架橋することにより、光散乱特性だけでなく、耐熱性、耐溶剤性、溶剤分散性などの特性を備えた中空樹脂粒子を得ることができる。
前記界面活性剤としては、水中でミセルなどの分子集合体を形成するものであればよく、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
前記重合開始剤としては、水に可能な公知の化合物を用いることができ、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウムなどが挙げられる。
前記水系分散媒としては、例えば、水、親水性有機溶剤を含有する水などが挙げられる。
前記中空樹脂粒子の市販品としては、例えば、スチレン−アクリル共重合樹脂では、商品名:ローペイクOP−62(体積平均粒径:450nm、中空率:33%)、商品名:ローペイクOP−84J(体積平均粒径:550nm、中空率:20%)、商品名:ローペイクOP−91、商品名:ローペイクHP−1055(体積平均粒径:1000nm、中空率:55%)、商品名:ローペイクHP−91(体積平均粒径:1000nm、中空率:50%)、商品名:ローペイクULTRA(体積平均粒径:380nm、中空率:45%)(以上、ロームアンドハース社製);架橋型スチレン−アクリル共重合樹脂では、商品名:SX−863(A)、商品名:SX−864(B)、商品名:SX−866(A)、商品名:SX−866(B)(体積平均粒径:300nm、中空率:30%)、商品名:SX−868(体積平均粒径:500nm)(以上、JSR株式会社製)、商品名:ローペイクULTRA E(体積平均粒径:380nm、中空率:45%)、商品名:ローペイクULTRA DUAL(体積平均粒径:380nm、中空率:45%)(以上、ロームアンドハース社製);変性スチレン−アクリル共重合樹脂では、商品名:Nipol MH5055(体積平均粒径:500nm)、商品名:Nipol MH8101(平均粒径:1μm)(以上、日本ゼオン株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記中空樹脂粒子の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、第一のインク全量に対して、5質量%以上12.5質量%以下が好ましく、8.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。
前記含有量が5質量%以上12.5質量%以下であると、第一のインクから形成される第一の画像の明度が向上する。
<有機溶剤>
前記有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミンルイ、含硫黄化合物などが挙げられる。
前記有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
また、水素結合項が3(cal/cm0.5以上6.8(cal/cm0.5以下であり、かつ沸点が150℃以上300℃以下である有機溶剤を用いると、定着性が良好となる点からより好ましい。
なお、水素結合項はKrevelenの提案した有機分子を原子団として取扱った原子団総和法を利用して求めることができる(Krevelen,Properties of Polymer 2nd Edition,New York,154(1976)参照)。
前記条件を満たす有機溶剤としては、例えば、グリセリン、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、イソプレングリコール、オキセタン化合物などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
<ワックス>
前記インクには、画像部に滑り性を付与するためにワックスを添加していることが好ましい。
前記ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクを画像形成部に付与した際の成膜性、及び滑り性の観点から、ポリエチレン系ワックス、カルナバワックスが好ましい。
前記ポリエチレン系ワックスとしては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、東邦化学工業株式会社製のハイテックシリーズ、BYK社製のAQUACERシリーズなどが挙げられる。
前記カルナバワックスとしては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、中京油脂株式会社製のセロゾール524、トラソルCNなどが挙げられる。
前記ワックスの融点は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃以上140℃以下が好ましく、100℃以上140℃以下がより好ましい。前記融点を80℃以上とすることで、室温環境下でもワックスが過剰に溶融又は凝固することが少なくなり、インクの保存安定性を維持することが可能となる。一方、融点を140℃以下とすることで、室温環境下でもワックスが十分に溶融し、インクに滑り性を付与することが可能となる。
前記ワックスの体積平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm以上が好ましく、0.01μm以上0.1μm以下がより好ましい。前記体積平均粒径を0.01μm以上とすることで、インク表面にワックス粒子が配向しやすくなり、インクに滑り性を付与することが可能となる。
前記ワックスの含有量は、第一のインクの全量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
前記含有量が1質量%以上10質量%以下であると、画像部に滑り性が良好となる。
<樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いてもよい。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
インク中の固形分の平均粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1,000nm以下が好ましく、20nm以上800nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。前記平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えてもよい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
[一般式(S−1)]
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは整数を表わす。R及びR’はアルキル基、アルキレン基を表わす。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
[一般式(F−1)]
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
[一般式(F−2)]
2n+1−CHCH(OH)CH−O−(CHCHO)−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCnF2n+1でnは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CnF2n+1でnは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。
この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、DIC株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、DuPont社製のFS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
<第二のインク>
前記第二のインクは、水、及び有機溶剤を含有し、色材及びワックスを含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記第二のインクとしては、白色インク以外のすべてのインクが含まれ、例えば、色材を含む有彩色インク、色材を含まないクリアインクなどが挙げられる。
前記水、前記有機溶剤、前記ワックス、及び前記その他の成分としては、前記第二のインクと同様なものを用いることができる。
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、混晶を使用してもよい。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性のよいものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
更に、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料をインク中に分散させるには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いるとよい。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<インクの物性>
前記第一及び第二のインクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
前記インクの25℃での粘度は、画像濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。
ここで、前記粘度は、例えば、回転式粘度計(東機産業株式会社製、RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定することができる
前記インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7以上12以下が好ましく、8以上11以下がより好ましい。
(白色のインク)
本発明の白色のインクは、第一の画像上に付与されて第二の画像を形成する第二のインクとともに用いられ、前記第一の画像を形成する白色のインクであって、
前記白色のインクが、水、中空樹脂粒子、及び有機溶剤を含み、
前記第二のインクが、水、及び有機溶剤を含み、
前記第二のインクが付与される前の前記第一の画像の平均厚み(A)と、前記第二の画像が形成された後の前記第一の画像における白色領域の平均厚み(B)との平均厚み差(A−B)が、1μm以上3μm以下である。
本発明の白色のインクは、本発明のインクセットにおける第一のインクと同様である。
(インク)
本発明のインクは、第二の画像が上に形成される第一の画像を形成する白色の第一のインクとともに用いられ、前記第二の画像を形成するインクであって、
前記第一のインクが、水、中空樹脂粒子、及び有機溶剤を含み、
前記第二の画像を形成するインクが、水、及び有機溶剤を含み、
前記第二の画像を形成するインクが付与される前の前記第一の画像の平均厚み(A)と、前記第二の画像が形成された後の前記第一の画像における白色領域の平均厚み(B)との平均厚み差(A−B)が、1μm以上3μm以下である。
本発明の第二の画像を形成するインクは、本発明のインクセットにおける第二のインクと同様である。
<前処理液>
前処理液は、凝集剤、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有してもよい。
有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。
凝集剤の種類は特に限定されず、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩等が挙げられる。
<後処理液>
後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布してもよいし、インク像が形成された領域のみに塗布してもよい。
<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクセットは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
前記記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前記記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有してもよい。加熱手段、乾燥手段には、例えば、録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
本発明の記録方法は、水、中空樹脂粒子、及び有機溶剤を含む白色の第一のインクと、
水、及び有機溶剤を含む前記第一のインクを用いて形成された第一の画像上に付与されて第二の画像を形成する第二のインクと、を有するインクセットを用いる画像形成方法であって、
前記第二のインクが付与される前の前記第一の画像の平均厚み(A)と、前記第二の画像が形成された後の前記第一の画像における白色領域の平均厚み(B)との平均厚み差(A−B)が、1μm以上3μm以下である。
本発明の記録装置は、本発明の前記インクセットにおける第一のインク及び第二のインクを吐出する画像形成手段と、
前記第一のインクにより形成された第一の画像及び前記第二のインクにより形成された第二の画像を加熱する加熱手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
更に、前記第一のインクを付与した後であって、かつ前記第二のインクを付与する前に前記第一の画像を加熱する第一の加熱工程と、
前記第二のインクを付与した後に前記第二の画像を加熱する第二の加熱工程と、を含むことが好ましい。
前記第二の加熱工程における加熱温度は、70℃以上150℃以下が好ましく、70℃以上100℃以下がより好ましい。前記第二の加熱工程の加熱温度は、前記第一の加熱工程における加熱温度と同じ又は高いことが好ましい。
前記第二の加熱工程における加熱時間は、5秒間以上60秒間以下が好ましく、5秒間以上30秒間以下がより好ましい。前記第二の加熱工程の加熱時間は、前記第一の加熱工程における加熱時間と同じ又は長くすることが好ましい。
前記記録装置、及び前記記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、前記記録装置は、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、前記記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
ここで、前記記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えば、:アルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱可能に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
この記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。更に、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(中空樹脂粒子の製造例1)
−中空樹脂粒子Aの作製−
攪拌機、温度計、冷却器、及び滴下ロートを備えた四つ口セパラブルフラスコに、イオン交換水(726g)、メチルメタクリレート(5g)、及びメタクリル酸(0.1g)を仕込み攪拌しながら加温した。そして、セパラブルフラスコ内の内温が70℃になったところで、10質量%過硫酸アンモニウム溶液(1g)を添加し、20分間80℃で加温した。一方、メタクリル酸メチル(141g)、メタクリル酸(94.9g)、及びアニオン性乳化剤として、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(5g:第一工業製薬株式会社製、ネオゲンSF−20)、及びイオン交換水(120g)をホモディスパーで乳化させ、プレエマルジョンとした後、滴下ロートに投入した。
次に、セパラブルフラスコ内の内温を80℃に維持しながら、上記で得たプレエマルジョンを3時間かけて均一に滴下し、これと同時に10質量%過硫酸アンモニウム溶液(10g)を3時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、80℃で3時間熟成し、冷却後120メッシュのフィルターで濾過し、種粒子エマルジョンを得た。
次に、セパラブルフラスコに、イオン交換水(188.2g)を仕込み、上記で得た種粒子エマルジョン(66g)を添加し、攪拌しながら80℃に加温した。一方、プチルアクリレート(2.4g)、ブチルメタクリレート(1.1g)、メタクリル酸メチル(19.5g)、メタクリル酸(0.7g)、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1g:第一工業製薬株式会社製、ネオゲンSF−20)、及びイオン交換水(55.3g)をホモディスパーで乳化させ、プレエマルジョン1とした後、滴下ロートに投入した。そして、セパラブルフラスコ内の内温を80℃に維持しながら、上記で得たプレエマルジョン1を30分間かけて均一に滴下し、これと同時に10質量%過硫酸ナトリウム溶液(1.2g)を30分間かけて均一に滴下した。
次に、スチレン(128.3g)、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.6g:第一工業製薬株式会社製、ネオゲンSF−20)、及びイオン交換水(51.8g)をホモディスパーで乳化させ、プレエマルジョン2とした後、滴下ロートに投入した。そして、セパラブルフラスコ内の内温を80℃に維持しながら、前記プレエマルジョン1の滴下が終了してから1時間後に、上記で得たプレエマルジョン2を60分間かけて均一に滴下し、これと同時に10質量%過硫酸ナトリウム溶液(3.5g)を60分間かけて均一に滴下した。プレエマルジョン2の滴下終了後、80℃で1時間熟成した。冷却後、120メッシュのフィルターで濾過し、スチレン−アクリル共重合樹脂エマルジョン(中空樹脂粒子A)を得た。
得られた中空樹脂粒子Aの体積平均粒子径は530nmであった。
前記体積平均粒径は、レーザー散乱/回折型の粒径測定装置(マイクロトラック・ベル社製、NanoTrac Wave EX150)を用いて測定した。
(中空樹脂粒子の製造例2)
−中空樹脂粒子Bの作製−
前記中空樹脂粒子の製造例1において、スチレンをメタクリル酸メチルに置き換えた以外は、前記中空樹脂粒子の製造例1と同様にして、メタクリル酸メチル樹脂エマルジョン(中空樹脂粒子B)を得た。
得られた中空樹脂粒子Bの体積平均粒子径を、中空樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、530nmであった。
(実施例1〜16及び比較例1〜5)
<第一のインク(白色インク)の作製>
まず、表1〜表5に示す有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、抗菌剤、及びイオン交換水を1時間攪拌して均一に混合した。
次に、樹脂、及びポリエチレン系ワックスエマルジョンを加えて更に1時間攪拌して均一に混合した、その後、中空樹脂粒子A又はBを加えて更に1時間攪拌して均一に混合した。この混合物を平均孔径5μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにより加圧濾過し、粗大粒子やゴミを除去して、実施例1〜16及び比較例1〜5で用いる各第一のインクを得た。
<第二のインク(有彩色インク)の作製>
−水溶性ポリマー水溶液Aの調製−
α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体(星光PMC株式会社製、T−YP112)10質量%、1規定のLiOH水溶液17.34質量%、及びイオン交換水72.56質量%を攪拌機で混合、加熱攪拌した後、微量の不溶物を平均孔径5μmのフィルターで濾過し、水溶性ポリマー水溶液Aを調製した。
−シアン顔料界面活性剤分散液−
ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテル(ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬株式会社製、ノイゲンEA−177)10質量%をイオン交換水に溶解し、フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化工業株式会社製)30質量%を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミル KDL A型、WAB社製)に直径0.5mmジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。
次に、前記一次顔料分散体に前記水溶性ポリマー水溶液Aを7.51質量%と、水溶性ポリエステル樹脂(ニチゴポリエスター W−0030、日本合成化学工業株式会社製)を2.51質量%添加し、充分に攪拌してシアン顔料界面活性剤分散液を得た。この得られたシアン顔料界面活性剤分散液における顔料の平均粒子径(D50)を測定したところ78nmであった。なお、平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラック UPA−EX150)を用いた。
−有彩色インクの調製−
まず、表1〜表5の実施例1〜15及び比較例1〜5に示す有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、抗菌剤、及びイオン交換水を1時間攪拌し均一に混合した。
次に、樹脂と前記シアン顔料界面活性剤分散液を加えて、更に1時間攪拌し均一に混合した。この混合物を平均孔径0.8μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにより加圧濾過し、粗大粒子やゴミを除去して、実施例1〜15及び比較例1〜5で用いる各第二のインクを得た。
なお、前記有彩色インクにおいて色材は、前記シアン顔料界面活性剤分散液中の色材の固形分が5質量%となるような割合で添加している。
なお、本発明にて使用している色材の平均粒子径は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラック UPA−EX150)を用い、測定サンプル中の固形分濃度(質量濃度)が0.01質量%になるように純水で希釈したサンプルを用いて測定した結果120nmであった。なお、ここで言う平均粒子径とは、50%平均粒子径(D50)を意味する。
<第二のインク(クリアインク)の作製>
まず、表5の実施例16に示す有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、抗菌剤、及びイオン交換水を1時間攪拌して均一に混合した。
次に、樹脂、及びワックスを加えて更に1時間攪拌して均一に混合した。この混合物を平均孔径0.8μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにより加圧濾過し、粗大粒子やゴミを除去して、実施例16で用いる第二のインク(クリアインク)を得た。
<画像形成>
まず、表1から表5に示す第一のインクを液体吐出用装置(株式会社リコー製、IPSiO GXe5500)により記録媒体(株式会社竹尾製、ルミナカラーブラック 127gsm)へ1.2mg/cmの付着量で吐出させた後、表1から表5に示す加熱温度及び加熱時間にて加熱した。なお、第一のインクを複数回記録する際には、表1から表5に示す記録及び加熱の工程を繰り返し行った。
次に、表1から表5に示す第二のインクを液体吐出用装置(株式会社リコー製、IPSiO GXe5500)により第一のインクが記録された記録媒体(株式会社竹尾製、ルミナカラーブラック 127gsm)へ0.8mg/cmの付着量で吐出させた後、表1から表5に示す加熱温度及び加熱時間にて乾燥させた。
なお、画像チャートはドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像を使用した。これを画像サンプルとする。
次に、ドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像の画像サンプルについて、以下の方法により諸特性を評価した。結果を表1から表5に示した。
<第一の画像の平均厚み、及び第二の画像が形成された後の前記第一の画像における白色領域の平均厚み>
ドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像の印字サンプルの断面をカッターで切断し、その断面をSEM(日本電子株式会社製、JSL−6510A)で観察し、任意の5箇所の厚みを測定し、平均厚みを求めた。
<接触角>
前記第一のインクのみが印刷されたドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像の画像サンプルに、前記第二のインクを充填した接触角計(協和界面科学株式会社製、PCA−1)を用いて、第一のインクを用いて形成された第一の画像に対する第二のインクの接触角を測定した。
<動的表面張力>
前記第一のインク、及び前記第二のインクを動的表面張力計(SITA Messtechnik社製、bubble pressure tensiometer)を用いて、最大泡圧法による寿命時間1,500m秒間での動的表面張力を25℃で測定し、前記第一のインク、及び前記第二のインクの動的表面張力の差の絶対値を求めた。
<第一の画像サンプルの明度(L)>
第一のインクのみが印刷されたドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像の第一の画像サンプルについて、分光測色計(X−Rite社製、X−Rite939)を用い、明度(L)を測定した。明度の値が大きいほど白色度が高く良好である。なお、明度(L)は20以上が実用上の合格レベルである。
<第一の画像サンプルの光沢度>
第一のインクのみが印刷されたドットパターンで形成された3cm四方のベタ画像の第一の画像サンプルを、光沢度計(BYK社製、マイクログロス60)で、入射角が60°での60°光沢度を測定した。光沢度の数値が大きいほど画像の光沢性が良好である。なお、60°光沢度は5以上が実用上の合格レベルである。
表1から表5中の第一のインク及び第二のインクの組成の詳細については、以下のとおりである。
<有機溶剤>
・有機溶剤A:グリセリン、SP値=17.4(cal/cm0.5
・有機溶剤B:1,2−プロパンジオール、SP値=14.3(cal/cm0.5
・有機溶剤C:1,2−ブタンジオール、SP値=13.1(cal/cm0.5
・有機溶剤D:3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、SP値=11.0(cal/cm0.5
・有機溶剤E:3−メトキシ−N,N−ジメチルプロポキシアミド、SP値=9.2(cal/cm0.5
<界面活性剤>
・シリコーン系界面活性剤(信越化学工業株式会社製、KF−6011)
<消泡剤>
・信越化学株式会社製 KF−615A
<樹脂>
・アクリル−シリコーン樹脂(トーヨーケム社製、RKP−02、固形分濃度40質量%)
<ワックス>
・ポリエチレン系ワックスエマルジョン:ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名:AQUACER−515、固形分濃度:35質量%
<抗菌剤>
・プロキセルLV(S)(アビシア社製)
<pH調整剤>
・2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール(東京化成工業株式会社製)
<水>
・イオン交換水(SP値=23.3(cal/cm0.5
(試験例1〜6)
−第1の加熱工程及び第2の加熱工程における加熱時間及び加熱時間の影響の評価−
実施例1と同じ第一のインクと第二のインクを用い、表6に示すように第1の加熱工程及び第2の加熱工程における加熱時間及び加熱時間を変化させた以外は、実施例1と同様にして、平均厚みの差(A−B)、明度(L)、及び光沢度を評価した。結果を表6に示した。なお、試験例1は前記実施例1と同じであり、試験例5は前記比較例5と同じであり、比較のために記載している。
表6の結果から、試験例1、3〜4は、第1の加熱工程及び第2の加熱工程における加熱温度及び加熱時間が適正であり、明度及び光沢度が良好であった。
試験例2は、第1の加熱工程及び第2の加熱工程における加熱温度が低くすぎ、加熱時間が長いため、光沢度が劣ることがわかった。
試験例5は、第1の加熱工程及び第2の加熱工程における加熱温度が高すぎるため、明度が劣ることがわかった。
試験例6は、第2の加熱工程の加熱温度が第1の加熱工程の加熱温度よりも低く、第2の加熱工程の加熱時間が第1の加熱工程の加熱時間よりも短いため、光沢度が劣ることがわかった。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 水、中空樹脂粒子、及び有機溶剤を含む白色の第一のインクと、
水、及び有機溶剤を含み、前記第一のインクを用いて形成された第一の画像上に付与されて第二の画像を形成する第二のインクと、を有するインクセットであって、
前記第二のインクが付与される前の前記第一の画像の平均厚み(A)と、前記第二の画像が形成された後の前記第一の画像における白色領域の平均厚み(B)との平均厚み差(A−B)が、1μm以上3μm以下であることを特徴とするインクセットである。
<2> 前記第一の画像の平均厚み(A)が、5μm以上50μm以下である前記<1>に記載のインクセットである。
<3> 前記第一の画像に対する前記第二のインクの接触角が、15度以上30度以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクセットである。
<4> 前記第一のインクに含まれる有機溶剤と水の混合溶液の溶解パラメータ(X)、及び第二のインクに含まれる有機溶剤と水の混合溶液の溶解パラメータ(Y)が、17.0(cal/cm0.5以上20.2(cal/cm0.5以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクセットである。
<5> 前記溶解パラメータ(X)と、前記溶解パラメータ(Y)との溶解パラメータ差(X−Y)が、−1以上3以下である前記<4>に記載のインクセットである。
<6> 前記第一のインクに含まれる水以外に最も含有量が多い有機溶剤の溶解パラメータ(C)と、前記第二のインクに含まれる水以外に最も含有量が多い有機溶剤の溶解パラメータ(D)との溶解パラメータ差(C−D)が、−3以上3以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクセットである。
<7> 前記第一のインクと前記第二のインクの最大泡圧法による寿命時間1,500m秒間での動的表面張力の差の絶対値が、0mN/m以上12mN/m以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクセットである。
<8> 前記中空樹脂粒子の外殻樹脂が、スチレン−アクリル共重合樹脂及びメタクリル酸メチル樹脂のいずれかを含む前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクセットである。
<9> 前記中空樹脂粒子の含有量が、第一のインク全量に対して、5質量%以上12.5質量%以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクセットである。
<10> 水、中空樹脂粒子、及び有機溶剤を含む白色の第一のインクと、
水、及び有機溶剤を含む前記第一のインクを用いて形成された第一の画像上に付与されて第二の画像を形成する第二のインクと、を有するインクセットを用いる画像形成方法であって、
前記第二のインクが付与される前の前記第一の画像の平均厚み(A)と、前記第二の画像が形成された後の前記第一の画像における白色領域の平均厚み(B)との平均厚み差(A−B)が、1μm以上3μm以下であることを特徴とする記録方法である。
<11> 更に、前記第一のインクを付与した後であって、かつ前記第二のインクを付与する前に前記第一の画像を加熱する第一の加熱工程と、
前記第二のインクを付与した後に前記第二の画像を加熱する第二の加熱工程と、を含み、
前記第二の加熱工程における加熱温度が70℃以上150℃以下であり、かつ前記第一の加熱工程における加熱温度以上である前記<10>に記載の記録方法である。
<12> 前記第二の加熱工程における加熱時間が5秒間以上60秒間以下であり、かつ前記第一の加熱工程における加熱時間以上である前記<11>に記載の記録方法である。
<13> 前記第一の画像の平均厚み(A)が、5μm以上50μm以下である前記<10>から<12>のいずれかに記載の記録方法である。
<14> 前記第一の画像に対する前記第二のインクの接触角が、15度以上30度以下である前記<10>から<13>のいずれかに記載の記録方法である。
<15> 前記第一のインクに含まれる有機溶剤と水の混合溶液の溶解パラメータ(X)、及び第二のインクに含まれる有機溶剤と水の混合溶液の溶解パラメータ(Y)が、17.0(cal/cm0.5以上20.2(cal/cm0.5以下である前記<10>から<14>のいずれかに記載の記録方法である。
<16> 前記溶解パラメータ(X)と、前記溶解パラメータ(Y)との溶解パラメータ差(X−Y)が、−1以上3以下である前記<15>に記載の記録方法である。
<17> 前記第一のインクに含まれる水以外に最も含有量が多い有機溶剤の溶解パラメータ(C)と、前記第二のインクに含まれる水以外に最も含有量が多い有機溶剤の溶解パラメータ(D)との溶解パラメータ差(C−D)が、−3以上3以下である前記<10>から<16>のいずれかに記載のインクセットである。
<18> 前記第一のインクと前記第二のインクの最大泡圧法による寿命時間1,500m秒間での動的表面張力の差の絶対値が、0mN/m以上12mN/m以下である前記<10>から<17>のいずれかに記載の記録方法である。
<19> 前記中空樹脂粒子の外殻が、スチレン−アクリル共重合樹脂及びメタクリル酸メチル樹脂のいずれかを含む前記<10>から<18>のいずれかに記載の記録方法である。
<20> 前記中空樹脂粒子の含有量が、第一のインク全量に対して、5質量%以上12.5質量%以下である前記<10>から<19>のいずれかに記載の記録方法である。
<21> 前記<1>から<9>のいずれかに記載のインクセットにおける第一のインク及び第二のインクを吐出する画像形成手段と、
前記第一のインクにより形成された第一の画像及び前記第二のインクにより形成された第二の画像を加熱する加熱手段と、を有することを特徴とする記録装置である。
<22> 第一の画像上に付与されて第二の画像を形成する第二のインクとともに用いられ、前記第一の画像を形成する白色のインクであって、
前記白色のインクが、水、中空樹脂粒子、及び有機溶剤を含み、
前記第二のインクが、水、及び有機溶剤を含み、
前記第二のインクが付与される前の前記第一の画像の平均厚み(A)と、前記第二の画像が形成された後の前記第一の画像における白色領域の平均厚み(B)との平均厚み差(A−B)が、1μm以上3μm以下であることを特徴とする白色のインクである。
<23> 第二の画像が上に形成される第一の画像を形成する白色の第一のインクとともに用いられ、前記第二の画像を形成するインクであって、
前記第一のインクが、水、中空樹脂粒子、及び有機溶剤を含み、
前記第二の画像を形成するインクが、水、及び有機溶剤を含み、
前記第二の画像を形成するインクが付与される前の前記第一の画像の平均厚み(A)と、前記第二の画像が形成された後の前記第一の画像における白色領域の平均厚み(B)との平均厚み差(A−B)が、1μm以上3μm以下であることを特徴とするインクである。
前記<1>から<9>のいずれかに記載のインクセット、前記<10>から<20>のいずれかに記載の記録方法、前記<21>に記載の記録装置、前記<22>に記載の白色のインク、及び前記<23>に記載のインクによると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特許第3562754号公報 特許第4877224号公報

Claims (17)

  1. 水、中空樹脂粒子、及び有機溶剤を含む白色の第一のインクと、
    水、及び有機溶剤を含み、前記第一のインクを用いて形成された第一の画像上に付与されて第二の画像を形成する第二のインクと、を有するインクセットであって、
    前記第一のインクに含まれる有機溶剤と水の混合溶液の溶解パラメータ(X)が18.30(cal/cm 0.5 以上20.25(cal/cm 0.5 以下であり、
    前記第二のインクに含まれる有機溶剤と水の混合溶液の溶解パラメータ(Y)が17.02(cal/cm 0.5 以上19.80(cal/cm 0.5 以下であることを特徴とするインクセット。
  2. 前記第二のインクが付与される前の前記第一の画像の平均厚み(A)と、前記第二の画像が形成された後の前記第一の画像における白色領域の平均厚み(B)との平均厚み差(A−B)が、1μm以上3μm以下である請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記第一の画像の平均厚み(A)が、5μm以上50μm以下である請求項2に記載のインクセット。
  4. 前記第一の画像に対する前記第二のインクの接触角が、15度以上30度以下である請求項1から3のいずれかに記載のインクセット。
  5. 前記溶解パラメータ(X)と、前記溶解パラメータ(Y)との溶解パラメータ差(X−Y)が、−1以上3以下である請求項1から4のいずれかに記載のインクセット。
  6. 前記第一のインクに含まれる水以外に最も含有量が多い有機溶剤の溶解パラメータ(C)と、前記第二のインクに含まれる水以外に最も含有量が多い有機溶剤の溶解パラメータ(D)との溶解パラメータ差(C−D)が、−3以上3以下である請求項1から5のいずれかに記載のインクセット。
  7. 前記第一のインクと前記第二のインクの最大泡圧法による寿命時間1,500m秒間での動的表面張力の差の絶対値が、0mN/m以上12mN/m以下である請求項1から6のいずれかに記載のインクセット。
  8. 前記中空樹脂粒子の外殻樹脂が、スチレン−アクリル共重合樹脂及びメタクリル酸メチル樹脂のいずれかを含む請求項1から7のいずれかに記載のインクセット。
  9. 水、中空樹脂粒子、及び有機溶剤を含む白色の第一のインクと、
    水、及び有機溶剤を含む前記第一のインクを用いて形成された第一の画像上に付与されて第二の画像を形成する第二のインクと、を有するインクセットを用いる記録方法であって、
    前記第一のインクに含まれる有機溶剤と水の混合溶液の溶解パラメータ(X)が18.30(cal/cm 0.5 以上20.25(cal/cm 0.5 以下であり、
    前記第二のインクに含まれる有機溶剤と水の混合溶液の溶解パラメータ(Y)が17.02(cal/cm 0.5 以上19.80(cal/cm 0.5 以下であることを特徴とする記録方法。
  10. 前記第二のインクが付与される前の前記第一の画像の平均厚み(A)と、前記第二の画像が形成された後の前記第一の画像における白色領域の平均厚み(B)との平均厚み差(A−B)が、1μm以上3μm以下である請求項9に記載の記録方法。
  11. 更に、前記第一のインクを付与した後であって、かつ前記第二のインクを付与する前に前記第一の画像を加熱する第一の加熱工程と、
    前記第二のインクを付与した後に前記第二の画像を加熱する第二の加熱工程と、を含み、
    前記第二の加熱工程における加熱温度が70℃以上150℃以下であり、かつ前記第一の加熱工程における加熱温度以上である請求項9から10のいずれかに記載の記録方法。
  12. 前記第二の加熱工程における加熱時間が5秒間以上60秒間以下であり、かつ前記第一の加熱工程における加熱時間以上である請求項11に記載の記録方法。
  13. 請求項1から8のいずれかに記載のインクセットにおける第一のインク及び第二のインクを吐出する画像形成手段と、
    前記第一のインクにより形成された第一の画像及び前記第二のインクにより形成された第二の画像を加熱する加熱手段と、を有することを特徴とする記録装置。
  14. 第一の画像上に付与されて第二の画像を形成する第二のインクとともに用いられ、前記第一の画像を形成する白色のインクであって、
    前記白色のインクが、水、中空樹脂粒子、及び有機溶剤を含み、
    前記第二のインクが、水、及び有機溶剤を含み、
    前記白色インクに含まれる有機溶剤と水の混合溶液の溶解パラメータ(X)が18.30(cal/cm 0.5 以上20.25(cal/cm 0.5 以下であり、
    前記第二のインクに含まれる有機溶剤と水の混合溶液の溶解パラメータ(Y)が17.02(cal/cm 0.5 以上19.80(cal/cm 0.5 以下であることを特徴とする白色のインク。
  15. 前記第二のインクが付与される前の前記第一の画像の平均厚み(A)と、前記第二の画像が形成された後の前記第一の画像における白色領域の平均厚み(B)との平均厚み差(A−B)が、1μm以上3μm以下である請求項14に記載の色色のインク。
  16. 第二の画像が上に形成される第一の画像を形成する白色の第一のインクとともに用いられ、前記第二の画像を形成するインクであって、
    前記第一のインクが、水、中空樹脂粒子、及び有機溶剤を含み、
    前記第二の画像を形成するインクが、水、及び有機溶剤を含み、
    前記第一のインクに含まれる有機溶剤と水の混合溶液の溶解パラメータ(X)が18.30(cal/cm 0.5 以上20.25(cal/cm 0.5 以下であり、
    前記第二の画像を形成するインクに含まれる有機溶剤と水の混合溶液の溶解パラメータ(Y)が17.02(cal/cm 0.5 以上19.80(cal/cm 0.5 以下であることを特徴とするインク。
  17. 前記第二の画像を形成するインクが付与される前の前記第一の画像の平均厚み(A)と、前記第二の画像が形成された後の前記第一の画像における白色領域の平均厚み(B)との平均厚み差(A−B)が、1μm以上3μm以下である請求項16に記載のインク。
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