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JP6745747B2 - 木部用塗料、木部用塗料の製造方法及び木部用塗料の塗装方法 - Google Patents

木部用塗料、木部用塗料の製造方法及び木部用塗料の塗装方法 Download PDF

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Description

本発明は、植物解繊繊維を含有する木部用塗料及び塗装方法に関する。
被塗装物である木部は、他の被塗装物(モルタル、押出成形板、サイディング板など)と比較して、塗装した塗膜の耐久性が十分に満たされないことが知られている。これに対して、特許文献1には、木部用塗料として、保護コロイド水溶液とリグノフェノール誘導体とアクリルエマルションとを含有し、リグノフェノール誘導体の有する耐水性や耐候性によって耐久性を向上させ、屋外でも使用可能とする水性木材用塗料が記載されている。
また、植物解繊繊維は、塗料(樹脂組成物)に含有させることにより、粘性調整剤、乳化安定剤、保水剤又は沈降防止剤として作用することが知られている。特許文献2には、植物解繊繊維であるセルロースナノファイバーと共重合樹脂と水とを含有し、良好な流動性と貯蔵安定性とを有する水性樹脂組成物が記載されている。
なお、技術分野は異なるが、植物解繊繊維であるセルロースナノ繊維を含有する紙等の表面コーティング方法が特許文献3及び4に記載されている。
特開2010−163490号公報 特開2016−033187号公報 国際公開2007/088974号 特開2014−050835号公報
木材は、湿度が高いときは吸湿して湿度が低いときは水分を放出する性質(吸放湿性)を有し、木材自体が膨張と収縮とを繰り返す特性(伸縮性)を有している。木材自体の伸縮性は、その伸縮の長さ割合からすると大きいものではないが、常に伸縮を繰り返すものである。このため、従来の水性木材用塗料から形成された塗膜は、木材の伸縮に追従し難くなり、時間の経過と共に微細なひび割れが生じ、微細なひび割れから水が浸入し、表面状態の変化に伴う変色が生じるという問題があった。
また、植物解繊繊維を含有する従来の水性樹脂組成物は、良好な流動性と貯蔵安定性とについては検討されたものであっても、木材に塗装されることを想定されたものではなかった。このため、植物解繊繊維を含有する従来の水性樹脂組成物は、木材に塗装された際の、塗膜の変色についてまで検討されているものではなかった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、木部用塗料から形成された塗膜が、木材自体の伸縮に対して追従することにより、木材への水の浸入を抑制し、木部用塗料が塗装された木部塗装体の変色を抑制することが可能な木部用塗料を提供することを目的とする。
本発明の木部用塗料は、合成樹脂エマルションと、植物解繊繊維とを含有することを特徴とする。
本発明の木部用塗料によれば、木部用塗料が植物解繊繊維を含有しているため、木部用塗料から形成される塗膜は、伸長性能が補強され、塗膜物性としての伸び率が優れ、木材の吸放湿に対する伸縮に追従することができる。このため、木部用塗料から形成される塗膜に微細なひび割れが生じることを抑制でき、木材への水の浸入を抑制することができ、水の浸入に伴う木部塗装体の変色を抑制することができる。
ここで、上記木部用塗料において、前記植物解繊繊維は、セルロースとヘミセルロースとを含有する植物繊維が解繊されたセルロースナノファイバーであるとすることができる。これによれば、木部用塗料から形成される塗膜は、成膜過程において、植物解繊繊維すなわちセルロースナノファイバーのネットワークが形成され、木部用塗料から形成される塗膜は、塗膜物性としての引裂き強度が優れるものとすることができる。このため、木部用塗料から形成される塗膜は、微細なひび割れの発生をより抑制することができ、木材への水の浸入を抑制し、水の浸入に伴う木部塗装体の変色を抑制することができる。
また、上記木部用塗料において、前記植物解繊繊維は、平均長さが10,000nm以下、平均幅が200nm以下であるものとすることができる。
また、上記木部用塗料において、前記植物解繊繊維は、植物繊維が酵素によって解繊され、機械的に解繊された繊維であるものとすることができる。これによれば、植物繊維は、酵素処理による解繊と機械処理による解繊とが併用されることで、通常の機械処理による解繊よりも解繊が進行し、より繊維が細かく解繊された植物解繊繊維とすることができる。
また、上記木部用塗料において、前記植物解繊繊維が多分岐化しているものとすることができる。これによれば、木部用塗料は、塗膜物性としての伸び率が優れるものでありながら、植物解繊繊維が木部用塗料の粘性に影響を及ぼさないため、塗料としての取扱性に優れるものとすることができる。
また、上記木部用塗料において、屋外用途であるものとすることができる。これによれば、木部用塗料から形成される塗膜は、伸び率の向上に優れ、変色抑制効果に優れるものである。このため、屋外用途であっても、木部用塗料は、木部用塗料が塗装された木部を適切に保護することができ、また、木部塗装体の変色を抑制することができる。
また、本発明の塗装方法は、木部への塗装方法であって、上記木部用塗料を塗布する塗装工程を含むものとすることができる。これによれば、木部用塗料が粘性調整剤などの添加剤に含まれるものを除いてVOC(揮発性有機化合物)を含有してなく、木部用塗料から形成される塗膜が塗膜物性としての伸び率に優れるものである。このため、本発明の塗装方法は、自然環境に優しいものでありながら、木部用塗料が塗装された木部塗装体の保護を図ることができる。
また、本発明の塗装方法は、木部への塗装方法であって、植物解繊繊維分散液を含有する前処理剤を塗布する前処理工程と、合成樹脂エマルションを含有する塗料を塗布する塗装工程と、を含むものとすることができる。これによれば、植物解繊繊維分散液が合成樹脂エマルションを含有する塗料の塗装工程前に前処理として塗布されるため、塗料から形成される塗膜は、伸長性能が補強され、塗膜物性としての伸び率に優れたものとなる。このため、本発明の塗装方法は、木部用塗料から形成される塗膜が、微細なひび割れの発生を抑制し、木材への水の浸入を抑制し、水の浸入に伴う木部塗装体の変色を抑制するため、耐久性に優れた木部塗装を木部に施すことができる。
本発明の木部用塗料によれば、木部用塗料から形成された塗膜が、塗膜物性としての伸び率に優れ、木材自体の伸縮に対して追従可能であるため、木部用塗料の塗装された木部塗装体は、水の浸入を抑制することができ、表面状態の変化に伴う変色を抑制することができる。
本発明の木部用塗料のセルロースナノファイバーのネットワーク形成のイメージ図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。実施形態の木部用塗料は、合成樹脂エマルションと、植物解繊繊維とを含有することを特徴とするものである。
木部用塗料が塗布される木材は、湿度が高いときは吸湿して湿度が低いときは水分を放出する性質(吸放湿性)と、木材自体が膨張と収縮とを繰り返す特性(伸縮性)とを有している。このため、木部用塗料から形成される塗膜には、吸放湿性に対応する通気性と伸縮性に対応する伸び性とが要求される。通気性は、合成樹脂エマルションを結合材とする塗料から形成される塗膜であれば、塗膜の成膜過程で生じる通気孔によって満たされるものである。この通気孔は、外部からの水が入ることがない極小さいものである。そして、伸び性は、木部用塗料が植物解繊繊維を含有することによって満たされることを、本願発明者らは見出したものである。実施形態の木部用塗料は、合成樹脂エマルションと、植物解繊繊維と、その他添加剤とを含有することによって、木部用塗料から形成される塗膜に通気性と伸び性とを備えることができる。これにより、木部用塗料から形成される塗膜は、微細なひび割れの発生を抑制することができ、木材への水の浸入を抑制し、水の浸入に伴う木部塗装体の変色を抑制することができるものとなる。
合成樹脂エマルションとは、複数種類の単量体(モノマー)を重合開始剤によって重合して共重合体とした合成樹脂の微粒子を界面活性剤(乳化剤)によって、水中に分散させた懸濁液(エマルション)である。合成樹脂エマルションは、媒体である水が揮発することによって、合成樹脂の微粒子同士が融着して成膜することにより、塗膜の結合材としてのバインダーを形成する。合成樹脂エマルションは、成膜過程で生じる水が揮発する通気孔によって、通気性が確保されたものとなる。また、合成樹脂エマルションをバインダーとして含有する木部用塗料は、水を媒体とし、粘性調整剤などの添加剤に含まれるものを除いてVOC(揮発性有機化合物)を含有していないため、自然環境に優しいものとすることができる。
合成樹脂エマルションは、その樹脂組成により、酢酸ビニル系エマルション、エチレン酢酸ビニル系エマルション、アクリル系エマルション、アクリルスチレン系エマルション、アクリルシリコン系エマルション、アクリルウレタン系エマルションなどを使用することができる。これらの中でも、アクリル系エマルション、アクリルスチレン系エマルション、アクリルシリコン系エマルション、アクリルウレタン系エマルションが耐水性に優れるため好んで使用することができる。さらに、アクリル系エマルション、アクリルシリコン系エマルション、アクリルウレタン系エマルションが耐水性に加え耐候性に優れるためより好んで使用することができる。
合成樹脂エマルションの平均粒子径は、50〜500nmが好ましい。合成樹脂エマルションの成膜過程で生じる水が揮発する通気孔によって、通気性が確保され、かつ、合成樹脂エマルションを含む木部用塗料の貯蔵安定性が優れたものとすることができるためである。合成樹脂エマルションの平均粒子径が50nm未満である場合には、合成樹脂から成形される樹脂膜が緻密なものとなり、通気性が確保されないおそれがある。一方、平均粒子径が500nmを超える場合には、合成樹脂エマルションが不安定なものとなり、合成樹脂エマルションをバインダーとして含有する木部用塗料の貯蔵安定性が劣るおそれがある。より好ましくは、合成樹脂エマルションの平均粒子径は100〜300nmである。
合成樹脂エマルションの合成樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−20〜5℃が好ましい。合成樹脂が木部用塗料から形成される塗膜のバインダーとして木材の伸縮に追従することができる可撓性を有し、適度な可撓性により塗膜への汚れの付着が少なく、塗膜の美観が保たれるためである。合成樹脂のTgが−20℃を下回る場合には、木部用塗料から形成される塗膜のバインダーが柔らかくなり、埃などの異物を付着しやすく塗膜の美観が保たれないおそれがある。一方、Tgが5℃を上回る場合には、木部用塗料から形成される塗膜のバインダーが硬くなり、合成樹脂が木部用塗料から形成される塗膜のバインダーとして木材の伸縮に追従することができず、塗膜に微細なひび割れが生じ、微細なひび割れから水が浸入することによって、耐変色性が劣るおそれがある。より好ましくは、合成樹脂のTgは−15〜0℃であり、さらに好ましくは、Tgは−10〜−5℃である。Tgの調整は、使用するモノマーの種類と量とを調整することによって行うことができる。Tgは、フォックス(FOX)の計算式(下記(1)式)から求めることができる。なお、Wiは単量体iの質量分率を示し、Tgiは単量体iのTg(℃)を示し、単量体のTgは、ポリマーハンドブック(John Wiley & Sons)に記載されている値などの既知の値を用いることができる。

1/(273+Tg)=Σ(Wi/(273+Tgi))・・・(1)

合成樹脂エマルションは、一般的な重合方法を用いることにより製造することができる。重合方法の一例として、プレ乳化エマルション滴下重合方法がある。プレ乳化エマルション滴下重合方法は、単量体と界面活性剤と水とを高速撹拌することによりプレ乳化エマルションを作成し、重合の場となる80℃前後に調整された水に、プレ乳化エマルションと過酸化物からなる重合開始剤とを、撹拌しながら100分程度かけて滴下して、重合させる方法である。モノマーの組合せは、樹脂組成とTgにより選択することができる。なお、合成樹脂エマルションは、市販されているものを使用することもできる。市販されている合成樹脂エマルションとして、アクロナールシリーズ(BASFジャパン株式会社製)、ポリトロンシリーズ(旭化成ケミカルズ株式会社製)、AEシリーズ(株式会社イーテック製)などを使用することができる。
植物解繊繊維とは、植物から加工された漂白パルプが、酵素によって解繊され、機械的に解繊された繊維である。植物から加工された漂白パルプとは、植物(植物チップ)が蒸解され漂白されたパルプ(植物繊維)である。
植物繊維を採取する植物は特に限定されるものではないが、例をあげると、スギ、ヒノキなどの針葉樹、ケヤキ、ナラなどの広葉樹、イネ、アワなどの草本を使用することができる。これらの中でも、機械的解繊が容易な針葉樹と草本を好んで使用することができ、特に、針葉樹が植物解繊繊維の収率が高いため、より好んで使用することができる。
植物解繊繊維は、植物から加工された漂白パルプを原料とするものであり、漂白パルプは、植物(植物チップ)が蒸解され漂白されたパルプ(植物繊維)である。植物の蒸解は、植物チップを苛性ソーダ水溶液に浸して加熱処理することにより、植物の繊維を解す(パルプ化)ことをいう。漂白は、過酢酸漂白、酸素漂白、次亜塩素酸ナトリウム漂白、オゾン漂白などの一般的な漂白方法を用いることによって、植物繊維を漂白することができる。
植物解繊繊維は、植物から加工された漂白パルプが、酵素によって解繊され、機械的に解繊された繊維である。植物繊維は、酵素処理による解繊と機械処理による解繊とが併用されることで、通常の機械処理による解繊よりも解繊が進行し、より繊維が細かく解繊されることができる。
酵素処理による解繊は、漂白パルプを酵素が含有された水溶液を用いて解繊し、繊維の平均長さを1,000〜100,000nm、繊維の平均幅を3〜500nmとするものである。解繊に使用する酵素の例をあげると、セルラーゼ(XL)、セロビオハイドロラーゼ(CBH)、エンドグルカナーゼ(EG)、β−グルコシダーゼ(BGL)などを使用することができる。これらの中でも、繊維の解繊効率に優れるセルラーゼ又はエンドグルカナーゼをより好んで使用することができる。
機械的解繊は、酵素によって解繊された漂白パルプをビーズミル(ボールミル)などの機械式解繊機を用いて解繊し、繊維の平均長さを100〜10,000nm、繊維の平均幅を1〜200nmである多分岐化した植物解繊繊維とするものである。植物解繊繊維の平均長さが100〜10,000nmであることにより、植物解繊繊維を含有させた木部用塗料は、塗料の取扱性に優れ、塗膜物性としての伸び率に優れるためである。植物解繊繊維の平均長さが100nm未満だと、塗膜物性としての伸び率が劣るおそれがある。ただし、塗膜にひび割れが生じる程度ではなく、木部塗装体の耐変色性を低下させることはない。一方、植物解繊繊維の平均長さが10,000nmを超えると、木部用塗料の粘度が高くなり取扱性が劣るおそれがある。より好ましくは、植物解繊繊維の平均長さは、500〜5,000nmである。植物解繊繊維の平均長さは、機械式解繊機による解繊時間が長いほど、繊維の平均長さが短くなる。そして、機械式解繊機の解繊時間に対する繊維の平均長さは、機械式解繊機の個体によって異なるものである。従って、植物解繊繊維の平均長さの調整は、機械式解繊機による解繊時間に対する繊維の平均長さの検量線を予め作成し、必要とする繊維の平均長さに対して検量線から解繊時間を求めて調整することができる。なお、植物解繊繊維の平均長さ(幅)は、サンプルとなる植物解繊繊維を実体顕微鏡または電子顕微鏡を用いて撮影し、撮影した画像から100本測定してその平均値を求めた。また、植物解繊繊維は、多分岐化した植物解繊繊維が好ましい。多分岐化した植物解繊繊維を含有する木部用塗料から形成される塗膜は、多分岐化した植物解繊繊維が塗膜成分と絡み付き易いため、抗張力が補強され、塗膜物性としての引裂強さが優れるものとすることができるからである。植物解繊繊維は、酵素処理による解繊と機械処理による解繊とが併用されることにより、多分岐化が生じやすいものになる。そして、植物解繊繊維の幅は、1〜200nmが好ましい。この幅にある植物解繊繊維は、多分岐化による枝分かれが多くなり、後で述べるセルロースナノファイバーのネットワークを形成し易くなるためである。より好ましくは、植物解繊繊維の幅は、3〜100nmである。
植物解繊繊維は、セルロースとヘミセルロースとを含有する植物繊維が解繊されたセルロースナノファイバーであることが好ましい。これによれば、木部用塗料から形成される塗膜の成膜過程において、図1に示すように、植物解繊繊維が、セルロースナノファイバーのネットワークを形成し、木部用塗料から形成される塗膜は、塗膜物性としての引裂き強度が優れるものとすることができる。このため、木部用塗料から形成される塗膜は、微細なひび割れの発生をより抑制することができ、木材への水の浸入を抑制し、水の浸入に伴う木部塗装体の変色を抑制することができるものとなる。なお、セルロースナノファイバーのネットワークの形成は、ヘミセルロースの疎水性と親水性の官能基によって、セルロースとヘミセルロースとが繋がれて形成されると推測される。
植物解繊繊維は、木部用塗料に含有させることによって、塗料の中で微細なネットワークを形成し、木部用塗料から形成される塗膜の伸長性能が補強され、塗膜物性としての伸び率が優れ、木材の吸放湿に対する伸縮に追従することができる。また、植物解繊繊維が、塗膜の界面と木材素地の界面とを安定化するため、木部用塗料の塗装された木部塗装体は、水の浸入を抑制することができ、表面状態の変化に伴う変色を抑制することができる。
木部用塗料に対する植物解繊繊維の含有量は、不揮発分換算で、0.1〜5質量%が好ましい。木部用塗料の粘性的な取扱性に劣ることなく、塗膜物性としての伸び率を向上させることができるからである。木部用塗料に対する植物解繊繊維含有量が0.1質量%未満だと、塗膜物性としての伸び率を十分に向上させることができないおそれがある。一方、5質量%を超えると、木部用塗料の粘度が高くなり取扱性が劣るおそれがある。より好ましくは、木部用塗料に対する植物解繊繊維含有量は、0.2〜2質量%であり、さらに好ましくは、0.5〜1.5質量%である。
木部用塗料には必要に応じてその他添加剤を含有させることができる。その他添加剤として、湿潤剤、分散剤、粘性調整剤、消泡剤、防凍剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、成膜助剤、可塑剤、着色顔料、体質顔料、染料、艶消剤などがある。これら添加剤は、木部用塗料から形成される塗膜の伸び率を低下させるものでなく、耐候性を阻害しないものを選択して使用する必要がある。特に、着色顔料は、その種類によって塗膜の耐候性(耐変色性)を阻害することがあるため、塗膜の耐候性を阻害し難い無機着色顔料を使用するのが好ましい。
木部用塗料は、合成樹脂エマルション、植物解繊繊維、その他添加剤及び希釈水を混合することによって製造することができる。混合には、植物解繊繊維などが均一に分散するように、汎用のミキサーやディゾルバーなどの撹拌機を使用することができる。
木部用塗料の木部への塗装は、スプレー、ローラー、刷毛などの汎用の塗装器具を用いて塗装することができる。なお、塗装直後に、塗装面(塗膜)を布などで拭き取り磨きをかけることにより、塗膜が均一な厚みとなり、木部用塗料から形成された塗膜は、塗膜物性としての伸び率がより優れるものとすることができる。
次に、第2の実施形態として、前処理工程として木部へ植物解繊繊維分散液を前処理剤として塗布し、植物解繊繊維を含有しない塗料を塗装する形態について述べる。
第2の実施形態は、合成樹脂エマルションを含有する塗料を塗布する際の前処理工程として、植物解繊繊維分散液を塗布することによって、塗料から形成される塗膜の伸長性能を補強し、塗膜物性としての伸び率を向上させるものである。植物解繊繊維分散液(前処理剤)は、バインダー成分を含有していないため、前処理剤塗布後の合成樹脂エマルションを含有する塗料が塗布された際に、植物解繊繊維が塗料と一体化する。植物解繊繊維は、塗料の中で微細なネットワークを形成し、形成される塗膜の伸長性能を補強するものである。また、植物解繊繊維が、塗膜の界面と木材素地の界面とを安定化するため、第2実施形態の工法で塗装された木部塗装体は、水の浸入を抑制することができ、表面状態の変化に伴う変色を抑制することができる。なお、安定化は、植物解繊繊維がヘミセルロースを有していることにより、ヘミセルロースの疎水性と親水性の官能基によって、植物解繊繊維が塗料と一体化し易く、木部素地ともなじみやすい構成になっていると推測される。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。実施例は、木部用塗料に植物解繊繊維を含有させ、木部へ塗装した形態を第1実施形態とし、前処理工程として木部へ植物解繊繊維分散液(前処理剤)を塗布し、植物解繊繊維を含有しない塗料を塗装した形態を第2実施形態として説明する。なお、試験例2〜13,15,16,22〜33,35及び36は、実施例であり、試験例1,14,21及び34は、比較例である。
<第1実施形態>
第1実施形態は、合成樹脂エマルションと、植物解繊繊維と、を含有する木部用塗料(塗料1〜13)を木材(スギ材、ツガ材)に塗装して、試験体としたものである。
植物解繊繊維の加工は以下のように行った。植物解繊繊維の原料には、スギチップを用い、スギチップが蒸解され漂白され、漂白パルプ(植物繊維)とした。そして、漂白パルプに異なる解繊を施し、複数種類の植物解繊繊維を用意した。具体的には、植物解繊繊維は、漂白パルプに、異なる酵素による解繊と機械的解繊を施し、植物解繊繊維CNF2〜4,CNF6〜8とした。CNF2〜4,CNF6〜8の酵素による解繊と機械的解繊の条件を表1に記載する。CNF2は、酵素による解繊を施さず、機械的解繊を施した植物解繊繊維である。なお、これら植物解繊繊維は、セルロースとヘミセルロースとを含有するセルロースナノファイバーである。また、表1における酵素種類の記載は、EGがエンドグルカナーゼであり、XLがセルラーゼXL−531である。
Figure 0006745747
酵素による解繊は、表1に記載の濃度と種類の酵素溶液に漂白パルプを浸すことによって行い、機械的解繊は、表1に記載の条件(時間)で、ビーズミル(ジルコニアビーズミル)を使用して解繊を行った。
木部用塗料の作成は以下のように行った。木部用塗料は、植物解繊繊維の種類(CNF2〜4,CNF6〜8)と配合量を変更して、表2に記載の配合の塗料1〜13を作成した。表2に記載した配合における原材料の特性を以下に記載する。合成樹脂エマルション(アクリルシリコン系エマルション、Tg:−8℃、不揮発分:45%、平均粒子径:200nm、粘度:800mPa・s)、消泡剤(エーテル系消泡剤、不揮発分:20%)、湿潤剤(ノニオン界面活性剤系湿潤剤、不揮発分:20%)、着色顔料(無機着色顔料混合物、不揮発分:50%)。
Figure 0006745747
試験例は、スギ材又はツガ材からなる素材に、上記塗料1〜13を表3に記載の条件で塗装して試験体とした。なお、表3には記載しなかったが、木部用塗料の塗布量は、共通して1回目が80g/m2であり2回目が60g/m2である。これら塗装した試験体について、屋外での使用を想定した促進耐候性試験(JIS K 5600−7−7:キセノンウエザオメーター法)を行い、耐候性の評価を行った。耐候性の評価は、促進耐候性試験1,000時間における試験前後の色差(JIS Z 8730:2000:色の表示方法−物体色の色差)を求めて評価した。そして、色差ΔE*abが、2.0未満であるものを◎、2.0以上4.0未満であるものを○、4.0以上5.0未満であるものを△、5.0以上であるものを×として評価した。なお、色差ΔE*abはその数値が大きいほど試験前後の色の差が生じる(変色)ものであり、色差ΔE*abが5.0未満であったものを変色抑制効果があるとした。色差ΔE*abは、市販の色彩色差計を用いてL***表色を測定し、計算式(下記(2)式)から求めた。なお、ΔL*は試験前後のL*の差であり、Δa*は試験前後のa*の差であり、Δb*は試験前後のb*の差である。

ΔE*ab=((ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2・・・(2)
Figure 0006745747
試験例1は、スギ材からなる素材に、植物解繊繊維を含有しない塗料1を塗装した試験例である。塗料1が植物解繊繊維を含有しない木部用塗料であるため、変色抑制効果は確認できなかった。塗料1から形成された塗膜は、伸長性能が補強されず、塗膜物性としての伸び率が満たされず、微細なひび割れが生じたものと推測される。そして、木部塗装体に微細なひび割れから水が浸入して、表面状態の変化に伴う変色が発生したと考えられる。
試験例2〜13は、スギ材からなる素材に、異なる解繊条件を施した植物解繊繊維を含有する塗料2〜13を塗装した試験例である。これらは変色抑制効果を有していた。塗料2〜13が植物解繊繊維を含有する木部用塗料であるため、これらから形成された塗膜は、伸長性能が補強され、塗膜物性としての伸び率が満たされ、木部塗装体への水の浸入が防がれ、耐候性の評価において、変色が抑制されたものと考えられる。
試験例14は、ツガ材からなる素材に、植物解繊繊維を含有しない塗料1を塗装した試験例である。塗料1が植物解繊繊維を含有しない木部用塗料であるため、試験例1同様に、変色抑制効果を有していなかった。塗料1から形成された塗膜は、伸長性能が補強されず、塗膜物性としての伸び率が満たされず、微細なひび割れが生じたものと推測される。そして、木部塗装体に微細なひび割れから水が浸入して、表面状態の変化に伴う変色が発生したと考えられる。
試験例15,16は、ツガ材からなる素材に、植物解繊繊維を含有する塗料4,5を塗装した試験例である。これらは変色抑制効果を有していた。塗料4,5が植物解繊繊維を含有する木部用塗料であるため、これから形成された塗膜は、伸長性能が補強され、塗膜物性としての伸び率が満たされ、木部塗装体への水の浸入が防がれ、耐候性の評価において、変色が抑制されたものと考えられる。
<第2実施形態>
第2実施形態は、前処理工程として木部へ表4に記載の植物解繊繊維分散液(前処理剤)を塗布し、植物解繊繊維を含有しない塗料1(表2に記載の塗料1)を塗装して、試験体としたものである。なお、表4に記載の植物解繊繊維CNF2〜4,CNF6〜8は、表1に記載されたものと同じであり、前処理剤は、これらの植物解繊繊維の含有量(wt%)が同じとなるように、水希釈をすることによって調整したものである。
Figure 0006745747
試験例は、スギ材又はツガ材からなる素材に、表4に記載の前処理剤2〜4,6〜8を塗布し、表2に記載の塗料1を表5に記載の条件で塗装して試験体とした。なお、表5には記載しなかったが、共通して、前処理剤の塗布量は、1回目と2回目が共に150g/m2であり、木部用塗料の塗布量は、1回目が80g/m2であり2回目が60g/m2である。
これら塗装した試験体について、第1実施形態と同様に、促進耐候性試験を行い、耐候性の評価を行った。
Figure 0006745747
試験例21は、前述した試験例1と同じであり、スギ材からなる素材に、前処理剤を塗布せず、植物解繊繊維を含有しない塗料1を塗装した試験例である。塗料1が植物解繊繊維を含有しない木部用塗料であり、前処理剤が塗布されていないため、変色抑制効果は確認できなかった。塗料1から形成された塗膜は、伸長性能が補強されず、塗膜物性としての伸び率が満たされず、微細なひび割れが生じたものと推測される。そして、木部塗装体に微細なひび割れから水が浸入して、表面状態の変化に伴う変色が発生したものと考えられる。
試験例22〜33は、スギ材からなる素材に、前処理剤を種類と塗布回数を変えて塗布し、植物解繊繊維を含有しない塗料1を塗装した試験例であり、変色抑制効果が確認できた。塗料1が植物解繊繊維を含有しない木部用塗料であるものの、植物解繊繊維を含有する前処理剤が前処理として塗布されている。このため、前処理剤の植物解繊繊維が塗料の溶媒に溶解し、植物解繊繊維が塗料と混合・一体化して、形成された塗膜は、伸長性能が補強され、塗膜物性としての伸び率が満たされ、木部塗装体への水の浸入が防がれ、耐候性の評価において、変色が抑制されたものと考えられる。
試験例34は、前述した試験例14と同じであり、ツガ材からなる素材に、前処理剤を塗布せず、植物解繊繊維を含有しない塗料1を塗装した試験例であり、変色抑制効果が確認できなかった。塗料1が植物解繊繊維を含有しない木部用塗料であり、前処理剤が塗布されていないため、これから形成された塗膜は、伸長性能が補強されず、塗膜物性としての伸び率が満たされず、微細なひび割れが生じたものと推測される。そして、木部塗装体に微細なひび割れから水が浸入して、表面状態の変化に伴う変色が発生したものと考えられる。
試験例35,36は、ツガ材からなる素材に、前処理剤の塗布回数を変更して塗布し、植物解繊繊維を含有しない塗料1を塗装した試験例であり、変色抑制効果が確認できた。塗料1が植物解繊繊維を含有しない木部用塗料であるものの、植物解繊繊維を含有する前処理剤が前処理として塗布されているため、これらから形成された塗膜は、試験例22〜33と同様に、伸長性能が補強され、塗膜物性としての伸び率が満たされ、木部塗装体への水の浸入が防がれ、耐候性の評価において、変色が抑制されたものと考えられる。

Claims (8)

  1. 合成樹脂エマルションと、植物解繊繊維とを含有する木部用塗料であって、
    該植物解繊繊維の含有量が不揮発分換算で0.1〜5質量%であり、
    該合成樹脂エマルションの合成樹脂のガラス転移温度(Tg)が−20〜5℃であり、
    体質顔料を含有しないことを特徴とする木部用塗料。
  2. 前記合成樹脂エマルションの平均粒子径が、50〜500nmであることを特徴とする請求項1に記載の木部用塗料。
  3. 前記植物解繊繊維は、セルロースとヘミセルロースとを含有する植物繊維が解繊されたセルロースナノファイバーであり、平均長さが10,000nm以下、平均幅が200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の木部用塗料。
  4. 前記植物解繊繊維が多分岐化していることを特徴とする請求項1に記載の木部用塗料。
  5. 屋外用途であることを特徴とする請求項1に記載の木部用塗料。
  6. 前記合成樹脂エマルション及び前記植物解繊繊維を混合する請求項1に記載の木部用塗料の製造方法であって、
    該植物解繊繊維は、漂白パルプが酵素によって解繊され、酵素によって解繊された漂白パルプが機械的に解繊された繊維であることを特徴とする木部用塗料の製造方法。
  7. 前記酵素がセルラーゼ(XL)又はエンドグルカナーゼ(EG)であることを特徴とする請求項6に記載の木部用塗料の製造方法。
  8. 木部への塗装方法であって、請求項1に記載の木部用塗料を塗布する塗装工程を含むことを特徴とする木部用塗料の塗装方法。
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