JP6738725B2 - 柱梁接合構造 - Google Patents
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Description
拡幅部は平面において上記の斜線の全長を含むように定められる。この斜線は、鉄骨梁が負担する曲げモーメントからウェブが負担可能な曲げモーメントを差し引いた値をフランジの負担分として考慮し、この負担分の曲げモーメントに対し拡幅部が弾性状態を維持するように定めることができる。従って、拡幅部の平面を少なくとも斜線の全長を含むものとしておけば拡幅部は危険断面とはならず、早期に降伏して塑性ヒンジが発生するのを防ぐことができる。
これにより、小面積の拡幅部によって早期の降伏を効率良く防ぐことができ、鋼材量の低減を図ることができる。
これらの方法によって、拡幅部の始端付近での剛性の急変を緩和することができ、応力集中を防ぐことができる。そのため、多数回の繰り返し荷重下において鉄骨梁の変形性能の向上を図ることができる。
このように鋼板を溶接して拡幅部とする場合、応力集中を避けるために拡幅部の始端付近で溶接緩和を行うことが可能である。
(1.柱梁接合構造3)
図1は本発明の第1の実施形態に係る柱梁接合構造3を示す図である。柱梁接合構造3は鉄骨梁1と柱2を接合したト字状架構であり、図1(a)は鉄骨梁1を側方から見た図、図1(b)は鉄骨梁1を上から見た図である。また図2は鉄骨梁1の長手方向の中央における断面の例である。
Tube)柱が用いられる。CFT柱は、鋼管21の内部にコンクリート22を充填して形成される。鋼管21は例えば角形鋼管であるが、これに限ることはない。また、鋼管21の内部において、鉄骨梁1のフランジ10に対応する位置には内ダイアフラム(不図示)が設けられるものとする。
次に、拡幅部100の形状の詳細について説明する。拡幅部100の形状は、図2に例示する所定の断面形状を有する鉄骨梁1に対し、以下のように決定される。
図3に示すように、拡幅部100の始端と柱2との距離LH’は、所定距離LH以上となるように定められる。ここで、始端とは鉄骨梁1の長手方向の中央側の端をいい、これに対し柱2側の端は終端というものとする。また、距離とは平面における最短距離をいうものとする。
図3に示す定幅部120の幅B1は、鉄骨梁1の長手方向の先端の設計用曲げモーメントをフランジ10の応力のみで負担できるように定めることができる。
B1=MD/{σyf・(H-tf)・tf}…(1)
MD=(s・MP)/(1-λ)…(2)
1/s=0.4896/αf+0.046/αw+0.7606…(3−1)
1/s=0.2868/αf+0.059/αw+0.7730…(3−2)
αf=(E/αyf)×(tf/b)2…(4−1)
αw=(E/αyw)×(2tw/d)2…(4−2)
240(σyf)1/2≧B1/(2tf)…(5)
拡幅部100の平面は、図4(a)に示す斜線201の全長を含むように定められる。この斜線201は、柱2において前記の端点Fより距離bhだけ内側にある点Dと前記の点Cとを結び、柱2側に行くにつれ外側へと傾斜する。ここで、内側とはフランジ10の幅方向(図4(a)の上下方向に対応する。以下フランジ幅方向という)の中心に近い方をいい、外側とはその反対方向をいうものとする。
B1-2bh=MD’/{σyf・(H-tf)・tf}…(6)
bh=[B1-MD’/{σyf・(H-tf)・tf}]/2…(6’)
MD’=MD-m・Mpw…(7)
円弧部110の側辺は、図4(a)に示すように始端A1においてフランジ10の基準幅部分の側辺と滑らかに連続する。
図4(a)に示すように、定幅部120の側辺は、始端A2からフランジ10の長手方向(図4(a)の左右方向に対応する。以下フランジ長手方向という)に沿って柱2まで直線状に延びる。
LU≧L1+L2+tf(tanα+tanβ)…(9)
図7(a)の柱梁接合構造3aでは、鉄骨梁1aのフランジ10aの拡幅部100aが、柱2へと向かって順に斜線部130と定幅部120を有する。
図8(a)の柱梁接合構造3bでは、鉄骨梁1bのフランジ10bの拡幅部100bが、柱2へと向かって順に斜線部130aと定幅部120を有する。
図9(a)の柱梁接合構造3cは、鉄骨梁1cとして圧延によりフランジ10’とウェブ11を一体に成形したロールH形鋼を用い、長尺矩形状のフランジ10’の両側部に鋼板を接合して拡幅部100cとしたものである。鋼板は接合箇所31でフランジ10’に溶接して接合される。
図10(a)の柱梁接合構造3dでは、鉄骨梁1dの拡幅部100dが、柱2へと向かって順に定幅部140a、円弧部110a、定幅部120を有する。
図11(a)の柱梁接合構造3eでは、鉄骨梁1eの拡幅部100eが矩形状の鋼板によって形成され、定幅部140bのみによって構成された簡易な形状となっている。図11(b)に示すように、定幅部140bは始端A1においてフランジ10’に対し段状に拡幅し、その側辺がフランジ長手方向に沿って直線状に柱2まで延びる。
図12(a)の柱梁接合構造3fでは、鉄骨梁1fの拡幅部100fが、柱2へと向かって順に斜線部130cと定幅部120を有する。
図13(a)の柱梁接合構造3gでは、鉄骨梁1gの拡幅部100gが、柱2へと向かって順に定幅部140c、斜線部130d、定幅部120を有する。
図14(a)の柱梁接合構造3hでは、鉄骨梁1hの拡幅部100hが、柱2へと向かって順に定幅部140d、円弧部110b、定幅部120を有する。
図15(a)に実験対象の柱梁接合構造を、図15(b)に柱と梁の接合箇所の詳細を示す。鉄骨梁としては、長手方向の中央における断面のサイズが梁せい600mm、フランジ幅225mm、フランジ厚19mm、ウェブ厚12mmとなるビルトH形鋼を用いた。鉄骨梁の長手方向の先端は片持梁状に柱に接合し、ト字状の柱梁接合構造を形成した。
一方、実施例1と比較する参考例1は、鉄骨梁の拡幅部の形状のみが異なっている。
実施例1と参考例1の柱梁接合構造について、梁塑性率2.0 と一定で、フランジが全幅破断するまで正負の繰り返し加力を行った。この際の荷重・変形関係を図16(a)に示す。図16(b)は繰り返し加力時の荷重低下率の変化を示す。
実施例2として、第4の実施形態で説明した拡幅部100cと同様、図17(a)に示すように柱へと向かって順に定幅部、斜線部、定幅部を有する拡幅部を形成した鉄骨梁を用いた。拡幅部のその他の形状については図17(a)に数値(単位mm)で示した通りであり、所定の最小耐力線の全長を含むものとなっている。
一方、実施例2と比較する参考例2は、鉄骨梁の拡幅部の形状と溶接方法のみが異なっている。
実施例2と参考例2の柱梁接合構造について、前記と同じく、梁塑性率2.0 と一定で、フランジが全幅破断するまで正負の繰り返し加力を行った。この際の荷重・変形関係を図18(a)に示す。図18(b)は繰り返し加力時の荷重低下率の変化を示す。
2:柱
3、3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h:柱梁接合構造
10、10’、10a、10b:フランジ
11:ウェブ
12:スカラップ
21:鋼管
22:コンクリート
24:添接板
25:ボルト
30、31:接合箇所
40:探触子
100、100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g、100h:拡幅部
110、110’、110a、110b:円弧部
120、140、140a、140b、140c、140d:定幅部
130、130a、130b、130c、130d:斜線部
201:最小耐力線(斜線)
Claims (7)
- 鉄骨梁のフランジとウェブの長手方向の先端を柱に接合した柱梁接合構造であって、
前記フランジの長手方向の端部に、前記端部より中央側の基準幅部分に対して拡幅した拡幅部が設けられ、
前記拡幅部の始端と前記柱との距離は所定値以上であり、
前記所定値は、
前記フランジの基準幅部分の側辺の延長線上において前記柱から所定距離の位置にある点と、前記ウェブの前記フランジ側の辺の前記柱側の端点との距離が、
前記端点と、前記柱における前記フランジの接合箇所の幅方向の端点との距離以上となるような所定距離のうち最小の値であることを特徴とする柱梁接合構造。 - 前記拡幅部の平面は、
前記フランジの基準幅部分の側辺の延長線上において前記柱から前記所定距離の位置にある点と、前記柱における前記フランジの接合箇所の幅方向の端点より内側にある点とを結び、前記柱側に行くにつれ外側に傾斜する斜線の全長を含むものであることを特徴とする請求項1記載の柱梁接合構造。 - 前記柱における前記フランジの接合箇所の幅方向の端点と、
前記柱における前記フランジの接合箇所の幅方向の端点より内側にある点との距離は、
前記鉄骨梁のうち前記フランジが負担する曲げモーメントの負担分に応じて定められることを特徴とする請求項2記載の柱梁接合構造。 - 前記拡幅部の側辺が、前記斜線と接することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の柱梁接合構造。
- 前記拡幅部は、始端において前記フランジの基準幅部分の側辺と円弧によって滑らかに連続することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の柱梁接合構造。
- 前記拡幅部は、前記拡幅部の始端から段状に拡幅する定幅部を有し、
前記定幅部の幅は、前記拡幅部の終端の幅より小さいことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の柱梁接合構造。 - 前記拡幅部は、前記フランジに溶接した鋼板によって形成され、
前記鋼板を前記フランジに溶接した接合箇所において、前記柱から前記所定距離以上の範囲では、前記柱から前記所定距離未満の範囲と比べて溶接パス数が少ないことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の柱梁接合構造。
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