以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る、全自動洗濯乾燥機1の側面断面図である。図2は、本実施の形態に係る、上面板12が取り外された状態の全自動洗濯乾燥機1の上部の正面断面図である。
全自動洗濯乾燥機1は、外観を構成する筐体10を備える。筐体10は、上下の面が開放された方形筒状の胴体部11と、胴体部11の上面を覆う上面板12と、胴体部11を支持する脚台13とを含む。上面板12には、洗濯物を投入するための外側投入口14が形成される。外側投入口14は、開閉自在な上蓋15により覆われる。
筐体10内には、外槽20が、防振装置を有する4本の吊棒21により弾性的に吊り下げ支持される。外槽20は、上面が開放されたほぼ円筒状の外槽本体20aと、外槽本体20aの上面を覆う外槽カバー20bとで構成される。外槽カバー20bには、外側投入口14に対応する位置に、洗濯物を投入するための内側投入口22aが形成される。内側投入口22aは、外槽蓋23により開閉可能に覆われる。
外槽20内には、上面が開放されたほぼ円筒状の洗濯脱水槽24が配される。洗濯脱水槽24の内周面には、全周に亘って多数の脱水孔24aが形成される。洗濯脱水槽24の上部には、バランスリング25が設けられる。外槽20の底部には、パルセータ26が配される。パルセータ26の表面には、放射状に複数の羽根26aが設けられる。
外槽20の外底部には、洗濯脱水槽24およびパルセータ26を駆動するトルクを発生させる駆動ユニット30が配される。駆動ユニット30は、駆動モータ31と、伝達機構部32とを含む。伝達機構部32は、クラッチ機構を有し、当該クラッチ機構による切替操作により、洗い工程およびすすぎ工程では、駆動モータ31のトルクをパルセータ26のみに伝達してパルセータ26のみを回転させ、脱水工程では、駆動モータ31のトルクをパルセータ26および洗濯脱水槽24に伝達してパルセータ26および洗濯脱水槽24を一体的に回転させる。
外槽20の外底部には、排水口部20cが形成される。排水口部20cには、排水バルブ40が設けられる。排水バルブ40は、排水ホース41に接続される。排水バルブ40が開放されると、洗濯脱水槽24および外槽20に溜められた水が排水ホース41を通じて機外へ排出される。
筐体10内の後部には、外槽20の上方に乾燥装置50と給水装置60とが配置される。乾燥装置50と給水装置60は、胴体部11の上面後部に配置された固定板16に取り付けられ、上面板12により覆われる。
以下、乾燥装置50および給水装置60の構成にいて、詳細に説明する。
図3は、本実施の形態に係る、乾燥装置50および給水装置60の斜視図である。図4(a)ないし(c)は、本実施の形態に係る、温風発生ユニット51の斜視図であり、図4(b)は、上ケーシング102が除かれた状態を示し、図4(c)は、上ケーシング102と送風ファン110とが除かれた状態を示す。図5(a)は、本実施の形態に係る、フィルタユニット53が装着された風路ユニット52の斜視図であり、図5(b)は、本実施の形態に係る、上風路部材52bが除かれた状態であって仕切枠270が装着される前の風路ユニット52の斜視図である。図6(a)は、本実施の形態に係る、吸気フィルタ室250の位置で左右に切断した風路ユニット52の断面斜視図であり、図6(b)は、本実施の形態に係る、フィルタ室220の位置で前後に切断した風路ユニット52の断面斜視図である。図7(a)および(b)は、それぞれ、本実施の形態に係る、仕切枠270の分解斜視図および斜視図であり、図7(c)は、本実施の形態に係る、図7(b)のA−A´断面図である。図8(a)は、本実施の形態に係る、フィルタユニット53の斜視図であり、図8(b)は、本実施の形態に係る、フィルタ本体310の斜視図であり、図8(c)は、本実施の形態に係る、フィルタ本体310が外された状態のフィルタユニット53の斜視図である。図9は、本実施の形態に係る、フィルタ室220の位置で前後に切断した、風路ユニット52およびフィルタユニット53の側面斜視図である。図10は、本実施の形態に係る、吸気フィルタ室250の位置で左右に切断した、温風発生ユニット51、風路ユニット52およびフィルタユニット53の正面断面図である。図11は、本実施の形態に係る、一部が断面で示された、フート弁453が開いた状態の給水装置60と乾燥装置50の排気風路50bとを示す正面図である。図12は、本実施の形態に係る、一部が断面で示された、フート弁453が閉じた状態の給水装置60と乾燥装置50の排気風路50bとを示す正面図である。図13は、本実施の形態に係る、給水パイプ430の斜視図である。なお、図7(a)では、便宜上、フィルタ本体310において、フィルタ材316、319の図示が省略されている。また、図10では、送風ファン110のブロワモータ112の図示が省略されている。
乾燥装置50は、温風発生ユニット51と、風路ユニット52と、フィルタユニット53と、吸気ダクト54と、排気ダクト55とを含む。温風発生ユニット51は、本発明の温風供給部に相当し、フィルタユニット53は、本発明のフィルタ部に相当する。
図4(a)ないし(c)を参照し、温風発生ユニット51は、ケーシング100と、送風ファン110と、ヒータ120とを含む。ケーシング100は、上面が開口する下ケーシング101と、下面が開口する上ケーシング102とを結合することにより形成される。下ケーシング101には、吸込口103と吐出口104とが形成される。送風ファン110は、ブロワ111と、ブロワ111を回転させるためのブロワモータ112とを含む。ブロワ111は、ケーシング100の内部に吸込口103と対面するように配置され、ブロワモータ112は、ケーシング100の外天面に配置される。ヒータ120は、たとえば、半導体ヒータであり、ケーシング100の内部において、吸込口103と吐出口104との間に配置される。吐出口104は下方に突出し、吸気ダクト54の上端部に接続される。
図5(a)ないし図8(c)を参照し、風路ユニット52は、上面が開口する下風路部材52aと、下面が開口する上風路部材52bとを結合することにより形成され、吸気風路210と、フィルタ室220と、外気導入路230と、温風排出路240とを含む。温風排出路240は、本発明の排気部に相当する。
吸気風路210は、左右方向に長く上下方向に扁平な筒状を有する。吸気風路210には、右端部の上面に温風発生ユニット51の吸込口103に繋がる風路出口211が形成される。
フィルタ室220は、吸気風路210に隣接し、前後方向にやや長いほぼ直方体の箱状を有する。フィルタ室220の前面には、フィルタユニット53を挿入するための挿入口221が形成される。フィルタ室220は、吸気フィルタ室250と、吸気フィルタ室250の前方に連なる排気フィルタ室260と、フィルタ室220の内面から内側に張り出して吸気フィルタ室250と排気フィルタ室260との間を仕切る仕切枠270とを含む。仕切枠270の開口は、フィルタユニット53の吸気フィルタ311と吸気保持枠321とを挿入するための挿入口270aとなる。排気フィルタ室260は、吸気フィルタ室250よりも前後方向に狭く、上下および左右方向に広い。なお、仕切枠270は、本発明のフィルタ室側仕切部に相当する。
吸気フィルタ室250には、左側面250aに外気導入口251が形成され、左側面250aに直交する底面250bに内気導入口252が形成され、左側面250aに対面する右側面250cに導出口253が形成される。外気導入口251は、外気導入路230に連通し、導出口253は、吸気風路210に連通する。内気導入口252は下方に突出し、排気ダクト55の上端部に接続される。
排気フィルタ室260には、左側面260aに排気導入口261が形成され、後面260bの上部に排気導出口262が形成される。排気導出口262は、温風排出路240に連通する。
図7(a)ないし(c)に示すように、仕切枠270は、枠本体271と、仕切用パッキン272とを含む。枠本体271は、樹脂等の仕切用パッキン272より硬い材料で形成され、フィルタユニット53の断面形状に対応する形状を有する。仕切用パッキン272は、ゴム等の弾性材料で形成され、枠本体271に外側から嵌め込まれる。仕切用パッキン272は、枠本体271の前面を覆う前部273と、前部273から延設され枠本体271の外周面を覆う外周部274と、外周部274から延設され枠本体271の後面を覆う後部275とを含む。前部273には、前方に向かってラッパ状に拡がる舌状片273aが形成される。なお、枠本体271は、本発明の仕切部材に相当し、仕切用パッキン272の前部273および外周部274は、それぞれ、本発明の当接部および固定部に相当する。
フィルタ室220の内面には、吸気フィルタ室250と排気フィルタ室260との境界位置に嵌込溝222が形成される。嵌込溝222は下風路部材52a側と上風路部材52b側とに分けられて形成され、下風路部材52aと上風路部材52bとが結合される際に、仕切枠270の外周部が嵌込溝222に嵌め込まれる。これによって、仕切枠270がフィルタ室220内に固定される。このとき、仕切用パッキン272の外周部は、枠本体271の外周面とフィルタ室220の内面との間に挟まれる。
外気導入路230は、フィルタ室220に隣接し、ほぼ直方体の箱状を有する。外気導入路230には、外気が取り込まれる外気取込口231が形成される。また、外気導入路230には、外気取込口231を開閉するための吸気弁ユニット280が設けられる。吸気弁ユニット280は、外気取込口231に設けられるフラップ281と、モータ282と、フラップ281の回転軸281aとモータ282とを連結する連結軸283とを含む。モータ282の回転が連結軸283を介して回転軸281aに伝達されることにより、フラップ281が外気取込口231を閉鎖する位置と開放する位置とに切り替えられる。
温風排出路240は、ほぼ直方体の筒状を有し、上下方向に延びる。温風排出路240の上端部に形成された排出口241は、上面板12に設けられた排気孔12aに繋がる(図1参照)。
図8(a)ないし(c)に示すように、フィルタユニット53は、フィルタ本体310と、フィルタ本体310を保持するフィルタ保持体320と、フィルタ室220の挿入口221を塞ぐための前面パネル330と、フィルタ本体310とフィルタ保持体320とを離間可能に連結する2つのヒンジ部340とを含む。フィルタ本体310は、吸気フィルタ311と、吸気フィルタ311の前方に吸気フィルタ311と一体的に設けられた排気フィルタ312と、吸気フィルタ311と排気フィルタ312との間に設けられ、上方に突出する仕切片313とを含む。
吸気フィルタ311は、板状を有し、通気口314を有する吸気フィルタ枠315と、通気口314を覆うフィルタ材316とを含む。吸気フィルタ枠315は、前後方向に長い方形状を有し、通気口314が形成された部位が左側から右側へ下るように傾斜する。通気口314は、十字形の格子315aによって4つの領域に分割される。フィルタ材316は、メッシュ地のシートからなる。
排気フィルタ312は、板状を有し、通気口317を有する排気フィルタ枠318と、通気口317を覆うフィルタ材319とを含む。排気フィルタ枠318は、左右方向に長い方形状を有し、通気口317が形成された部位が左側から右側へ下るように傾斜する。通気口317は、十字形の格子318aによって4つの領域に分割される。フィルタ材319は、メッシュ地のシートからなる。
吸気フィルタ311の通気口314の面積、即ち、フィルタ材316による捕集面積は、排気フィルタ312の通気口317の面積、即ち、フィルタ材319による捕集面積よりも大きくされる。
フィルタ保持体320は、吸気保持枠321と、吸気保持枠321の前方に吸気保持枠321と一体的に形成された排気保持枠322とを含む。
吸気保持枠321は、上面が開口する箱状に形成される。吸気保持枠321は、傾斜する吸気フィルタ311をその上面で保持するため、正面から見た断面形状がほぼ直角三角形を構成する。吸気保持枠321には、左側壁面321aに複数の開口からなる外気流通口323が形成され、底壁面321bに複数の開口からなる内気流通口324が形成される。
排気保持枠322は、上面が開口する箱状に形成される。排気保持枠322は、傾斜する排気フィルタ312をその上面で保持するため、正面から見た断面形状がほぼ直角三角形を構成する。排気保持枠322は、前後の寸法が吸気保持枠321の前後の寸法より小さくされ、上下および左右の寸法が吸気保持枠321の上下および左右の寸法より大きくされる。排気保持枠322には、左側壁面322aに複数の開口からなる排気流通口325が形成される。吸気保持枠321の前壁面321cを兼ねる排気保持枠322の後壁面322bは、フィルタ本体310の仕切片313と結合されることにより、仕切板350を形成する。仕切板350は、本発明のフィルタ側仕切部に相当する。
前面パネル330は、排気保持枠322の前方に排気保持枠322と一体的に形成され、左右方向に長い方形状を有する。前面パネル330には、前面に取っ手331が形成され、後面に挿入口パッキン333を取り付けるための取付板332が形成される。挿入口パッキン333は、左右方向に長い方形の環状に形成され、取付板332の外周縁に取り付けられる。挿入口パッキン333には、後方に向かってラッパ状に拡がる舌状片333aが形成される。なお、前面パネル330の後面が、本発明のフィルタ部の当接面に相当する。
ヒンジ部340は、吸気フィルタ311の後端部と、吸気保持枠321の後端部、即ち後壁面321dの上縁部との間に設けられる。たとえば、吸気フィルタ311側にヒンジ部340の軸部341が形成され、吸気保持枠321側にヒンジ部340の軸受部342が形成される。図8(a)の破線に示すように、フィルタ本体310は、ヒンジ部340を支点に回動し、フィルタ保持体320に対して後方に開くことができる。
フィルタ室220の挿入口221は、上面板12の外側投入口14内に臨み、フィルタユニット53は、外側投入口14内において、挿入口221を通じてフィルタ室220内に抜き差しされる。フィルタユニット53がフィルタ室220内に挿入される際に、吸気フィルタ311および吸気保持枠321が、挿入口270aを通じて吸気フィルタ室250内に挿入される。吸気保持枠321の底壁面321bは、内気流通口324より奥側が上方に緩やかに傾斜しており、これにより、フィルタユニット53は、先端部が上下方向に先細りとなる形状を有する(図9参照)。このため、ユーザがフィルタユニット53をフィルタ室220内に挿入する際、吸気フィルタ311および吸気保持枠321が挿入口270aを円滑に通過しやすい。また、仕切枠270には、挿入口270aの内周縁側に仕切用パッキン272が存在しないため、吸気フィルタ311および吸気保持枠321は、仕切用パッキン272に引っ掛かるようなことがなく、挿入口270aを一層円滑に通過しやすい。
図9に示すように、フィルタ本体310およびフィルタ保持体320がフィルタ室220内に収容された状態において、フィルタユニット53の仕切板350と仕切枠270の仕切用パッキン272とが挿入方向に当接する。これにより、吸気フィルタ室250と排気フィルタ室260との間が仕切板350と仕切枠270とによって仕切られ、吸気フィルタ室250と排気フィルタ室260との連通が遮断される。さらに、フィルタ室220、即ち、排気フィルタ室260が前面パネル330によって閉鎖される。この状態において、挿入口パッキン333が挿入口221の周縁部に挿入方向において当接する。
図10に示すように、吸気フィルタ311は、吸気フィルタ室250内において、左側面250aと右側面250cとの間を塞ぐように、外気導入口251および内気導入口252と導出口253との間に斜めに配置される。また、吸気保持枠321の外気流通口323および内気流通口324が、それぞれ、外気導入口251および内気導入口252と対面する。
図11および図12に示すように、排気フィルタ312は、排気フィルタ室260内において、左側面260aと右側面260cとの間を塞ぐように、排気導入口261と排気導出口262との間に斜めに配置される。また、排気保持枠322の排気流通口325が、排気導入口261と対面する。
なお、風路ユニット52の吸気風路210と吸気フィルタ室250は、温風発生ユニット51のケーシング100とともに外槽20との間で温風が循環する循環風路50aを構成する。
吸気ダクト54は、フレキシブルなダクトであり、ゴム等の弾性材料で形成され、中間部分に蛇腹部54aを有する。同様に、排気ダクト55も、フレキシブルなダクトであり、ゴム等の弾性材料で形成され、中間部分に蛇腹部55aを有する。図2に示すように、外槽カバー20bには、内側投入口22aの後方に吸気口22bおよび排気口22cが形成され、吸気ダクト54の下端部が吸気口22bに接続され、排気ダクト55の下端部が排気口22cに接続される。
図3、図11および図12を参照し、給水装置60は、給水ユニット61と、給水バルブ62と、風呂水ポンプ63と、給水ダクト64とを含む。給水ユニット61は、給水ケース410と、給水ケース410内に出し入れ可能な洗剤容器420と、給水ケース410から排出された水が通る給水パイプ430とを含む。なお、給水ユニット61と給水ダクト64とにより、外槽20内に供給される水が流れる給水路60aが構成される。
給水ケース410は、上部に水路411を備え、この水路411に給水バルブ62および風呂水ポンプ63が接続される。また、給水ケース410の底面には、給水口412が形成され、この給水口412に給水パイプ430が接続される。洗剤容器420には、洗剤や柔軟剤が収容される。洗剤容器420は、外側投入口14内において、給水ケース410に対して出し入れされる。
給水パイプ430には右側の内面に分岐口431が形成され、この分岐口431から分岐するように、斜め上方に向かって延びる分岐パイプ440が給水パイプ430と一体的に形成される。分岐パイプ440は、排気フィルタ室260の排気導入口261に接続される。給水パイプ430には、分岐口431の上側、即ち分岐口431よりも水の流れの上流側に、内側に張り出す庇状の張出部432が形成される。
給水パイプ430の分岐口431よりも水の流れの上流側であり、洗剤容器420よりも水の流れの下流側である給水ケース410の給水口412には、逆止弁ユニット450が設けられる。
逆止弁ユニット450は、通水口451を有するリング部452と、通水口451を下方から塞ぐフート弁453とを含む。フート弁453は、ゴム等の弾性材料により形成され、その一端の固定部453aがリング部452に固定される。フート弁453は、その弾性力によって通水口451を塞ぐ位置に維持され、水流による力が加わると、固定部453aを支点にして斜めに垂れ下がるようにして開く。給水パイプ430の分岐口431は、フート弁453の固定部453a側に設けられる。
給水ダクト64は、フレキシブルなダクトであり、ゴム等の弾性材料で形成され、中間部分に蛇腹部64aを有する。給水ダクト64の上端部が給水パイプ430に接続される。図2に示すように、外槽カバー20bには、内側投入口22aの後方に給水口22dが形成され、給水ダクト64の下端部が給水口22dに接続される。
なお、分岐パイプ440は、風路ユニット52の排気フィルタ室260および温風排出路240とともに、全自動洗濯乾燥機1の外へ温風を排出するための排気風路50bを構成する。
乾燥装置50は、フレキシブルな吸気ダクト54および排気ダクト55によって外槽20に接続され、給水装置60は、フレキシブルな給水ダクト64によって外槽20に接続される。このため、外槽20が揺れたとき、その揺れを吸気ダクト54、排気ダクト55および給水ダクト64が吸収し、乾燥装置50の温風発生ユニット51、風路ユニット52およびフィルタユニット53、並びに給水装置60の給水ユニット61、給水バルブ62および風呂水ポンプ63に揺れによる力が加わりにくい。
全自動洗濯乾燥機1では、各種運転コースの洗濯運転、洗濯乾燥運転または乾燥運転が行われる。洗濯運転は、洗濯のみを行う運転であり、洗い工程、中間脱水工程、すすぎ工程および最終脱水工程が順番に実行される。洗濯乾燥運転は、洗濯から乾燥までを連続的に行う運転であり、最終脱水工程に続いて乾燥工程が実行される。乾燥運転は、乾燥のみを行う運転であり、乾燥工程のみが実行される。
洗い工程およびすすぎ工程では、洗濯脱水槽24内に水が溜められた状態で、パルセータ26が右方向および左方向に回転する。パルセータ26の回転により洗濯脱水槽24内に水流が発生する。洗い工程では、発生した水流と水に含まれる洗剤とにより洗濯物が洗われる。すすぎ工程では、発生した水流により洗濯物がすすがれる。
洗い工程やすすぎ工程における給水工程では、給水バルブ62が開放される。あるいは、風呂水が用いられる場合には、風呂水ポンプ63が動作する。これにより、水道水または風呂水が給水ケース410の水路411に供給される。水路411に供給された水は、洗剤容器420を通って洗剤や柔軟剤と混合され、給水ケース410の給水口412に至る。
図11に示すように、給水口412内では水流に押されてフート弁453が開放され、通水口451から流出した水が給水パイプ430および給水ダクト64を通って外槽カバー20bの給水口22dから外槽20内に供給される。ここで、図11の矢印に示すように、給水パイプ430内を流れる水の一部は、フート弁453を伝うように流れる。フート弁453を伝った水は、給水パイプ430内において、固定部453a側とは反対側に向かい、固定部453a側にある分岐口431には行きにくい。よって、給水の際、分岐パイプ440内に水が浸入しにくい。また、固定部453a側を流れる水も張出部432に当たって分岐口431から遠ざかるため、分岐パイプ440内には、一層、水が浸入しにくい。さらに、万一、分岐パイプ440内に水が浸入しても、分岐パイプ440の傾斜によって、侵入した水が給水パイプ430内に戻りやすい。
中間脱水工程および最終脱水工程では、洗濯脱水槽24およびパルセータ26が一体となって高速回転する。洗濯脱水槽24に発生する遠心力の作用により、洗濯物が脱水される。
乾燥工程では、最初に内気循環乾燥工程が行われ、それに続いて外気導入乾燥工程が行われる。内気循環乾燥工程では、外気取込口231がフラップ281により閉鎖され(図10の実線のフラップ281参照)、外気導入路230内に外気が導入されない状態で送風ファン110およびヒータ120が動作する。送風ファン110が動作してブロワ111が回転すると、図4(b)に示すように、吸込口103から空気が吸い込まれてケーシング100内で風が発生する。発生した風は、ヒータ120によって加熱され、温風となって吐出口104から排出され、吸気ダクト54を通じて外槽20内に供給される。
外槽20内に供給された温風は、洗濯脱水槽24内を流れる。洗濯脱水槽24内では、一定の時間毎に、パルセータ26が右回転および左回転する。洗濯脱水槽24内の洗濯物は、パルセータ26により撹拌されつつ、洗濯脱水槽24内を流れる温風に接触する。洗濯脱水槽24内を流れた温風は、図10に示すように、外槽20内から排気ダクト55を通じて排出され、吸気フィルタ室250および吸気風路210を通って再び吸込口103からケーシング100内に吸い込まれる。
内気循環乾燥工程では、外気が取り込まれないため、外槽20内からの給水ダクト64を通じた排気はほとんど行われず、ケーシング100、吸気風路210および吸気フィルタ室250からなる循環風路50aと外槽20との間で温風が循環し、これによって、洗濯脱水槽24内の温度が速やかに上昇する。
外槽20から排出された温風には、パルセータ26での撹拌等でよって洗濯物から出たリント等の異物が混入する。温風は吸気フィルタ室250内で吸気フィルタ311を通過し、温風に含まれた異物が吸気フィルタ311で捕集される。
洗濯脱水槽24内の温度上昇が進み、洗濯物から水分が蒸発して温風に水分が多く含まれるようになると、外気導入乾燥工程に切り替えられる。外気導入乾燥工程への切替えは、乾燥工程が開始されてからの時間経過に基づいて行われてもよいし、温度センサで検出された外槽20内の温度や湿度センサで検出された外槽20内の湿度に基づいて行われてもよい。
外気導入乾燥工程では、フラップ281が開いて外気取込口231が開放され(図10の破線のフラップ281参照)、外気導入路230内に外気が導入される状態で送風ファン110およびヒータ120が動作する。図10に示すように、外気導入路230に導入された外気は、吸気フィルタ室250を通り、排気ダクト55から流れて来た温風と混合されながら吸気風路210へと流れ、外気が混合された温風がケーシング100内へと吸い込まれる。このとき、外気は、吸気フィルタ室250内で吸気フィルタ311を通過し、外気に含まれた埃等の異物が吸気フィルタ311で捕集される。
外気導入乾燥工程では、外気が取り込まれる分、外槽20内に供給される温風の流量が多くなるため、外槽20内の水分を多く含んだ温風の一部が給水路60aおよび排気風路50bを通じて筐体10の外に排出されるようになる。即ち、図12に示すように、外槽20内の温風の一部が給水ダクト64を通じて給水パイプ430に排出され、分岐パイプ440、排気フィルタ室260、温風排出路240を順次流れて、上面板12の排気孔12aから排出される。このとき、給水パイプ430内に流れて来た温風は、分岐口431に向かって上方に傾く張出部432に当たって分岐口431側へと案内されることにより、分岐口431から分岐パイプ440内に入り易くなる。また、フート弁453は、通水口451を塞いだ状態にあるため、給水パイプ430内の温風が給水ケース410内へ流れ込んでしまうことが防止される。さらに、温風排出路240へ排出される温風は、排気フィルタ室260内で排気フィルタ312を通過し、温風に含まれるリント等の異物が排気フィルタ312で捕集される。
こうして、外気導入乾燥工程が行われることにより、洗濯物から蒸発した水分が、効果的に外槽20内から筐体10の外に排出され、外槽20内が除湿されやすくなるため、洗濯物の乾燥が促進される。なお、外槽20からの温風の一部は、循環風路50aを流れてヒータ120で再加熱されるので、引き続き外槽20内の温度が高い状態に維持される。外気導入乾燥工程が終了すると、乾燥工程が終了する。
なお、吸気フィルタ室250と排気フィルタ室260との間は、仕切板350と仕切枠270とで遮蔽されているため、排気風路50bを流れる温風がフィルタ室220内において循環風路50a側に漏れることが防止される。
洗濯乾燥運転や乾燥運転が繰り返し行われている間に、吸気フィルタ311のフィルタ材316や排気フィルタ312のフィルタ材319に異物が蓄積されていく。吸気フィルタ311や排気フィルタ312の異物による目詰まりが大きくなると、これらフィルタ311、312を清掃するために、フィルタユニット53がフィルタ室220から引き出される。そして、フィルタ保持体320に対してフィルタ本体310が開かれ、吸気フィルタ311のフィルタ材316や排気フィルタ312のフィルタ材319の吸気面側が清掃されて、吸気面側に付着した異物が除去される。
<本実施の形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、吸気フィルタ311は、外気導入口251および内気導入口252と導出口253との間に設けられるため、外気に含まれる異物と循環する温風に含まれる異物とを吸気フィルタ311一つで捕集することができる。よって、これら異物を別々のフィルタで捕集する場合に比べて、フィルタのために要する筐体10内のスペースを小さくでき、筐体10のサイズが大きくなりにくい。しかも、吸気フィルタ311は、吸気フィルタ室250において、一端側、即ち左端側が高く他端側、即ち右端側が低くなるよう斜めに配置される構成であるため、吸気フィルタ室250を高くすることなく、フィルタ材316による異物の捕集面積を大きく確保することができる。よって、外気および温風に含まれる異物を吸気フィルタ311一つで捕集することで吸気フィルタ311での異物の捕集量が多くなっても、吸気フィルタ311が目詰まりしにくくなるので、吸気フィルタ311の掃除の頻度が増加することを抑制できる。また、筐体10の高さが大きくなることを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、互いに連通する吸気フィルタ室250と排気フィルタ室260とが一体的に形成されてなるフィルタ室220を設け、吸気フィルタ311と排気フィルタ312とが一体的に形成されたフィルタユニット53を、フィルタ室220に着脱する構成としたので、吸気フィルタ311と排気フィルタ312とを一つのフィルタとして扱うことができ、ユーザの利便性が高い。しかも、フィルタユニット53には、吸気フィルタ311と排気フィルタ312との間に仕切板350が形成され、フィルタユニット53がフィルタ室220内に挿入されると、仕切板350により吸気フィルタ室250と排気フィルタ室260との連通が遮断されるため、乾燥運転時における吸気フィルタ室250と排気フィルタ室260と間での風漏れが生じにくい。
さらに、本実施の形態によれば、フィルタ室220内に内側に張り出す仕切枠270を設け、この仕切枠270とフィルタユニット53の仕切板350とを吸気フィルタ室250と排気フィルタ室260とが並ぶ方向において当接させるようにしたので、吸気フィルタ室250と排気フィルタ室260との間を強固に遮蔽することができる。
さらに、本実施の形態によれば、仕切枠270に切用パッキン272を設け、仕切板350が仕切用パッキン272に接触するようにしたので、吸気フィルタ室250と排気フィルタ室260との間を、一層強固に遮蔽することができる。
さらに、本実施の形態によれば、仕切枠270をフィルタ室220とは別体の枠本体271と仕切用パッキン272とで構成し、枠本体271をフィルタ室220の内面の嵌込溝222に取り付けたときに、仕切用パッキン272の外周部274が枠本体271と嵌込溝222の底面、即ちフィルタ室220の内面との間に挟まれるようにしたので、フィルタ室220に仕切用パッキン272を強固に固定でき、フィルタユニット53の仕切板350を仕切用パッキン272に当接させたときに仕切用パッキン272がずれたり外れたりしにくい。
さらに、本実施の形態によれば、吸気フィルタ室250と排気フィルタ室260は、フィルタユニット53がフィルタ室220内に挿入される方向に並ぶため、吸気フィルタ室250と排気フィルタ室260とが挿入方向と垂直な方向に並ぶ場合と違って、仕切用パッキン272が設けられた場合に、仕切板350と仕切用パッキン272とが擦れながらフィルタユニット53がフィルタ室220内に挿入されるということがなく、フィルタユニット53をフィルタ室220内に挿入しづらくなったり、仕切用パッキン272が破損したりしにくい。
さらに、本実施の形態によれば、フィルタユニット53の前面パネル330と、フィルタ室220の挿入口221の周縁部との間に挿入口パッキン333が設けられるので、前面パネル330とフィルタ室220の挿入口221との間を強固にシールすることができる。
さらに、本実施の形態よれば、吸気フィルタ311が吸気保持枠321で保持され、排気フィルタ312が排気保持枠322で保持される構成であるため、フィルタユニット53全体として強度が高められ、フィルタユニット53をフィルタ室220に着脱する際に吸気フィルタ311や排気フィルタ312に変形、破損等が生じにくくなる。また、フィルタユニット53をフィルタ室220から取り外す際に、吸気フィルタ311や排気フィルタ312から異物が落ちても、落ちた異物を吸気保持枠321の底壁面321bや排気保持枠322の底壁面で受けることができる。さらに、吸気保持枠321に形成した外気流通口323および内気流通口324により、外気および温風を吸気フィルタ311へ円滑に流すことができ、排気保持枠322に形成した排気流通口325により、温風を排気フィルタ312へ円滑に流すことができる。
さらに、本実施の形態によれば、フィルタ本体310とフィルタ保持体320とが離間可能に連結されるヒンジ部340が、吸気フィルタ311の後端部と吸気保持枠321の後壁面321dの上端部との間に設けられるので、フィルタ本体310をフィルタ保持体320に対して大きく開かずとも90度ほど回動させるだけで、吸気フィルタ311や排気フィルタ312を容易に清掃できる。たとえば、図14(a)のように、ヒンジ部が吸気フィルタの左端部と吸気保持枠の左側壁面の上端部との間に設けられる場合、フィルタ本体を90度ほど回動させてもフィルタ本体はやや下向きの状態にあるため、掃除をしやすくするためには、破線のごとく、フィルタ本体をさらに大きく回動させる必要がある。また、図14(b)のように、ヒンジ部が吸気フィルタの右端部と吸気保持枠の右側壁面の上端部との間に設けられる場合、ヒンジ部の位置が吸気保持枠の左側壁面の上端部よりかなり低くなるため、フィルタ本体を90度ほど回動させてフィルタ本体をやや上向きの状態にしただけでは左側壁面が邪魔になりやすく、やはり、掃除をしやすくするためには、破線のごとく、フィルタ本体を大きく回動させる必要がある。
さらに、本実施の形態によれば、外気導入口251、内気導入口252および導出口253が形成されていない吸気フィルタ室250の前面である仕切枠270の挿入口270aから吸気フィルタ311を挿入することにより、吸気フィルタ311を容易に吸気フィルタ室250内に配置させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、排気フィルタ312を通過する風量は、吸気フィルタ311を通過する風量より小さくなるため、排気フィルタ312での異物の捕集量は、吸気フィルタ311での異物の捕集量より少なくなるが、吸気フィルタ311の捕集面積が、排気フィルタ312の捕集面積より大きくされているので、吸気フィルタ311と排気フィルタ312との間で、異物の蓄積具合に極端な差が生じにくい。このため、吸気フィルタ311はひどく目詰まりしているのに排気フィルタ312はほとんど目詰まりしていないといったことが生じにくく、フィルタユニット53の一度の清掃で、吸気フィルタ311と排気フィルタ312の効果的な異物の除去を行うことができる。
さらに、本実施の形態によれば、排気フィルタ312は、吸気フィルタ311と同じ方向を向くよう、排気フィルタ室260において斜めに配置されるので、排気フィルタ312を吸気フィルタ311と同じような形状とすることができ、排気フィルタ312を吸気フィルタ311と一体的に形成しやすい。しかも、排気フィルタ312の捕集面積を大きく確保することができるので、フィルタユニット53を同じ大きさとした場合に、吸気フィルタ311の捕集面積と排気フィルタ312の捕集面積とを所定の割合に保ちつつ吸気フィルタ311と排気フィルタ312の並び方向において排気フィルタ312の寸法を小さくして吸気フィルタ311の寸法を大きくできる。これにより、フィルタ室220やフィルタユニット53を決められた寸法とする中で、吸気フィルタ311の捕集面積を、一層、大きく確保できる。
<変更例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
たとえば、外気導入口251が吸気フィルタ室250の左側面250aでなく底面250bに形成され、内気導入口252が吸気フィルタ室250の底面250bでなく左側面250aに形成される構成が採られてもよい。また、導出口253が吸気フィルタ室250の天面に形成される構成が採られてもよい。さらに、外気導入口251と内気導入口252の双方が、吸気フィルタ室250の同じ面、たとえば、左側面250aや底面250bに形成されてもよい。
さらに、図15(a)ないし(c)に示すように、吸気フィルタ室250Aが正面から見て四角形状でなく、左右両側に、傾斜する吸気フィルタ311Aとほぼ平行な傾斜面250d、250eを有するような形状とされてもよい。この場合、たとえば、図15(a)、(b)のように、一方の傾斜面250dに外気導入口251Aおよび内気導入口252Aが形成され、他方の傾斜面250eに導出口253Aが形成されてもよい。あるいは、図15(c)のように、外気導入口251Aおよび内気導入口252Aのうちの一方が、一方の傾斜面250dに形成され、他方が底面250fに形成されてもよい。即ち、吸気フィルタ室250の形状は如何なるものであってもよく、要は、吸気フィルタ311により分けられた吸気フィルタ室250内の2つの空間のうち一方の空間側に外気導入口251と内気導入口252とが形成され、他方の空間側に導出口253が形成されればよい。
また、仕切枠270に仕切用パッキン272が設けられない構成とされてもよく、この場合に、吸気フィルタ室250と排気フィルタ室260とが、フィルタユニット53のフィルタ室220内への挿入方向と垂直な方向に並べられてもよい。
さらに、仕切用パッキン272が、仕切枠270ではなく、仕切板350に設けられてもよい。この場合、仕切枠270は、枠本体271のみで構成されることとなるが、このとき、枠本体271は、フィルタ室220の内面と一体形成されるとよい。
さらに、挿入口パッキン333が、前面パネル330側ではなく、フィルタ室220側に設けられてもよい。
さらに、排気フィルタ312が吸気フィルタ311と少し異なる方向を向いてもよい。要は、排気フィルタ312が吸気フィルタ311とほぼ同じ方向を向けばよい。
さらに、乾燥装置50は、排気ダクト55および内気導入口252が設けられず、外槽20との間で温風が循環しない構成とされてもよい。この場合、送風ファン110の動作により外気取込口231から取り込まれた外気がヒータ120で加熱されて温風となり吸気ダクト54を通じて外槽20内に供給される。そして、洗濯物に接触した温風が給水ダクト64、給水パイプ430を通じて排気風路50bに排出され、排気風路50bを通って筐体10の外に排出される。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。