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JP6735213B2 - 車両用シート - Google Patents

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JP6735213B2
JP6735213B2 JP2016225737A JP2016225737A JP6735213B2 JP 6735213 B2 JP6735213 B2 JP 6735213B2 JP 2016225737 A JP2016225737 A JP 2016225737A JP 2016225737 A JP2016225737 A JP 2016225737A JP 6735213 B2 JP6735213 B2 JP 6735213B2
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Description

本発明は、車両用シートに関する。
特許文献1に記載の車両用シートは、乗員が着座するクッションシェルとクッションフレームとの間に弾性体であるパッドを設け、パッドの弾性力によりクッションシェルが支持されている。このような車両用シートは小型トラック用の薄型サスペンションシートとして利用されている。
特開2014−201266号公報
ここで、上記特許文献1に記載の車両用シートを、軽自動車規格のトラック(軽トラック)に採用する場合、以下の問題が生じる。すなわち、第1に、キャブオーバ型の軽トラックの場合、座面の下にエンジンがあるため、座面が低位となる後部において、クッションシェルを支持する平行リンク機構を設けることが難しい。第2に、キャビンのスペースが狭いため、シートバックを傾ける従前のリクライニング機構を設けることが難しい。第3に、座面を下げてヘッドスペースを確保する場合、弾性体であるパッドが薄くなるため、乗り心地性能を確保することができない。
本発明は、上記事実を考慮して、薄型でありながら乗り心地性能が確保された車両用シートを提供することを目的とする。
請求項1に記載の車両用シートは、乗員が着座するクッションシェルと、前記クッションシェルの下側に設けられるクッションフレーム本体と、前記クッションフレーム本体に載置され、前記クッションシェルを弾性的に支持するパッドと、前記クッションフレーム本体の前方に設けられ、前記クッションシェルの上下方向の移動量が左右で等しくなるように前記クッションシェルに連結されるリンク機構と、前記クッションフレーム本体の後方に一端が固定され、他端が前記クッションシェルに固定され、かつ前記リンク機構の動作に追従して前記クッションシェルの前後方向の動きを規制する緊張部材と、を備えている。
請求項1に記載の車両用シートでは、クッションフレーム本体に載置されたパッドでクッションシェルを弾性的に支持しており、乗員がシートに着座すると、パッドが弾性変形する。すなわち、パッドの弾性力によってクッションシェルと共に乗員が支持される。ここで、クッションフレーム本体とクッションシェルとは、前方がリンク機構により支持され、後方がリンク機構の動作に追従してクッションシェルの前後方向の動きを規制する緊張部材により支持されている。ここで、「緊張部材」には、ベルト、紐、及びワイヤー等が含まれる。
以上のような車両用シートによれば、ヒップポイントの関係で座面が低位となるクッションシェルの後方部において、リンク機構に替えて、緊張部材を設けることにより、クッションシェルを上下方向に移動可能に支持することができる。そして、リンク機構と緊張部材との組み合わせからなるクッションシェル支持機構によれば、シートクッションの薄型化を図ることができる。
請求項2に記載の車両用シートは、着座乗員の背部を支えるバックシェルと、前記バックシェルの幅方向に沿って設けられた軸部に対して上部が回転可能に支持されたリクライニングフレームと、前記リクライニングフレームの下部を前記バックシェルに対して前方に移動させる移動部と、を備えている。
請求項2に記載の車両用シートでは、着座乗員の背部を支えるバックシェルにおいて、上部が軸支され、下部がシート前方に移動することにより後側に傾斜するリクライニングフレームが備えられている。つまり、この車両用シートは、シートバック自体が傾くのではなく、シートバックの一部がシート前方に迫り出して傾く簡易リクライニング機構を備えている。このような、簡易リクライニング機構によれば、軽トラックのように、シートバックを後ろに傾けることのできない車両においても快適な乗車姿勢を得ることができる。
請求項3に記載の車両用シートは、着座乗員の背部を支えるバックシェルと、前記バックシェルを支持するバックフレーム本体と、前記バックシェルと前記クッションシェルとを連結させる連結部と、前記バックフレーム本体に設けられ、前記バックシェルを上方へ付勢する付勢部材と、を備えている。
請求項3に記載の車両用シートでは、バックシェルとクッションシェルとを連結し、バックシェルを付勢部材によりシート上方へ付勢することにより、クッションシェルが弾性的に支持されている。ここで、「付勢部材」には、スプリング、ゴム等が含まれる。この車両用シートによれば、乗員を弾性支持する機構をシートバック側に設けることでクッションシェルを弾性的に支持するパッドを薄型化しても乗り心地性能を維持することが可能である。
本発明は、薄型でありながら乗り心地性能が確保された車両用シートを提供することができる。
本実施形態の車両用シートをシート左斜め前方から見た斜視図である。 本実施形態のシートクッションの分解図であって、シート左斜め前方から見た斜視図である。 本実施形態のシートクッションの側方断面図である。 本実施形態のシートバックの分解図であって、シート右斜め後方から見た斜視図である。 本実施形態のバックリクライニングの斜視図であって、(A)リクライニング機構をシート左斜め前方から見た斜視図、(B)リクライニング作動部をシート左斜め後方から見た斜視図である。 本実施形態の簡易リクライニング機構の作動状態を示す図である。
次に、本発明の実施形態の車両用シートについて説明する。
図1には、本実施形態の車両用シート10の概略した斜視図が示されている。なお、図面に適宜示される矢印FRはシート前方を示し、矢印RHはシート右方(シート幅方向一側)を示し、矢印UPはシート上方を示している。
図1に示すように、本実施形態の車両用シート10は、キャブオーバ型の軽トラック用のシートである。この車両用シート10は、エンジンルームとキャビンとを隔離する板状のフロントカバー60に固定されている(図2参照)。このフロントカバー60は、板金をプレス加工して形成されており、前後左右の中央部分が下方に凹んだ形状とされている。なお、フロントカバー60は後端部にヒンジが設けられており、前方のロック(図示せず)を解除することで前方側を跳ね上げることができる。
車両用シート10は、乗員が着座するシートクッション12と、乗員の背部を支えるシートバック14と、ヘッドレスト16と、を含んで構成されている。ここで、本実施形態のヘッドレスト16は、矩形の板状の弾性体であるパッドにより構成されており、ヘッドレスト16は、キャビンの後壁面に直接固定されている(図示せず)。
〔シートクッション〕
シートクッション12は乗員の臀部を支えるものであって、図1及び図2に示すように、一対のスライドレール22、クッションフレーム本体24、フロントパネル26、クッションシェル28及びクッションパッド20を備えている。また、シートクッション12は、サポートパッド30、スタビライザ32、リアベルト34及び連結ヒンジ36を備えている。各部の構成の詳細については以下のとおりである。
(スライドレール)
スライドレール22は、シート前後方向に長尺な部材であって、図2に示すように、フロントカバー60の右側に設けられた右スライドレール22Rと、フロントカバー60の左側に設けられた左スライドレール22Lからなる。各スライドレール22は、フロントカバー60上に固定されるレール部23Aと、クッションフレーム本体24に固定されるガイド部23Bと、を含んで構成されている。ここで、ガイド部23Bは、レール部23Aの上面及び側面を覆い、レール部23A上を前後方向に移動可能に形成されている。通常、このガイド部23Bは、レール部23A内に設けられた爪部(図示せず)に係止されることで前後方向に移動しないように固定されている。一方、右スライドレール22Rには解除レバー23Cが設けられ、左スライドレール22Lには解除レバー23Cに接続された連動機構23Dが設けられている。ここで、乗員が解除レバー23Cを操作すると、右スライドレール22Rにおいて爪部によるガイド部23Bの係止が解除されるとともに、連動機構23Dが作動することで左スライドレール22Lにおいて爪部によるガイド部23Bの係止が解除される。そして、ガイド部23Bの前後方向への移動、すなわち、車両用シート10のスライドが可能となる。
(クッションフレーム本体)
クッションフレーム本体24は、後述するクッションシェル28の下側に設けられ、かつスライドレール22に支持される部材である。クッションフレーム本体24は、板金をプレス加工して形成されている。図3に示すように、シートクッション12の断面を側面視した場合、このクッションフレーム本体24は、前方側の平坦部である上段部25Aと、後方側の平坦部である下段部25Bにより段差が形成されている。また、図2に示すように、クッションフレーム本体24の四隅には雌ねじを有する固定ネジ部24A,24B,24C,24Dが形成されている。そして、図示しないボルトが、スライドレール22に設けられた、固定孔22A,22B,22C,22Dに挿通され、対応する固定ネジ部24A,24B,24C,24Dに螺合されることで、クッションフレーム本体24はスライドレール22に固定される。
(フロントパネル)
フロントパネル26は、クッションフレーム本体24の前方部分に設けられた部材であって、図3に示すように、クッションフレーム本体24とクッションシェル28との間に位置している。このフロントパネル26は、板金をプレス加工して形成されており、底面に平坦部である保持面26Aが形成されている。フロントパネル26は、後述するスタビライザ32によりクッションフレーム本体24に対して上下方向に移動可能に支持されている。このスタビライザ32の構造については後述する。
(クッションシェル)
図1に示すように、クッションシェル28は、乗員の臀部を支える部材であって、乗員が着座する部分に当たる。このクッションシェル28は、板金をプレス加工して形成されている。図3に示すように、クッションシェル28の断面を側面視した場合、このクッションシェル28は、前方から後方に向けて下り傾斜が形成され、さらに後方の底面に平坦部である保持面29Aが形成されている。また、図2に示すように、クッションシェル28の先端部には前後方向に貫通する固定孔28A,28Bが形成されている。そして図示しないボルトが、固定孔28A,28Bに挿通され、フロントパネル26の先端部に設けられた固定ネジ部26A,26Bに螺合されることで、クッションシェル28の前方部はフロントパネル26に固定される。一方、クッションシェル28の後方部は、リアベルト34によりクッションフレーム本体24に対して移動可能に支持される。このリアベルト34の構造については後述する。
(クッションパッド)
図1に示すように、クッションパッド20は、シートクッション12において、乗員と直接接触する部分である。このクッションパッド20は、クッションシェル28の上部を覆う弾性体であって、ウレタン製のパッドと、当該パッドを覆う表皮を含んで形成されている。
(サポートパッド)
サポートパッド30(本発明の「パッド」に相当)は、クッションフレーム本体24に載置され、クッションシェル28を弾性的に支持するものである。本実施形態では、シートクッション12の薄型化を実現すべく、クッションフレーム本体24とクッションシェル28(フロントパネル26)との距離を近接させている(図3参照)。したがって、従来の車両用シートのように、クッションフレーム本体の全面に載置される箱型のパッド(例えば、特許文献1の図3参照)を設けることはできない。そこで、本実施形態のサポートパッド30は、クッションフレーム本体24の段差に合わせて、前後に分割したパッドとした。具体的には、サポートパッド30は、シートクッション12の前方に設けられた前サポートパッド30Aと、後方に設けられた後サポートパッド30Bを備えている。各サポートパッド30は、軟質発泡合成樹脂(例えば、ウレタン等)を略直方体状に形成したものである。
図3に示すように、前サポートパッド30Aは、クッションフレーム本体24とフロントパネル26との間に設けられている。さらに詳しくは、前サポートパッド30Aはクッションフレーム本体24の上段部25Aに載置され、前サポートパッド30Aの上面にフロントパネル26の保持面26Aが接触している。上述のとおりクッションシェル28はフロントパネル26に固定されているため、クッションシェル28の前方部分は前サポートパッド30Aにより弾性的に支持されている。一方、後サポートパッド30Bは、クッションフレーム本体24とクッションシェル28との間に設けられている。さらに詳しくは、後サポートパッド30Bはクッションフレーム本体24の下段部25Bに載置され、後サポートパッド30Bの上面にクッションシェル28の保持面29Aが接触している。以上、クッションシェル28の後方部分は後サポートパッド30Bにより弾性的に支持されている。
なお、前サポートパッド30Aは、非圧縮状態において、厚み(上段部25Aと保持面26A間との距離)が一定とされており、後サポートパッド30B非圧縮状態において、厚み(下段部25Bと保持面29A間との距離)が一定とされている。
(スタビライザ)
図1及び図2に示すように、スタビライザ32は、クッションフレーム本体24の前方に設けられ、クッションシェル28の上下方向の移動量が左右で等しくなるようにクッションシェル28に連結されるリンク機構として形成されている。図2に示すように、このスタビライザ32は、シート幅方向を板厚方向とする左右一対のプレート32Aと、プレート32Aの上部を左右に接続するシャフト32Bを含んで構成されている。そして、プレート32Aの下部はシート幅方向に回転軸が形成されるようにクッションフレーム本体24に支持される。また、シャフト32Bはフロントパネル26に回転可能に支持される。
以上のように構成されたスタビライザ32では、左右のプレート32Aが同時に回転するため、クッションシェル28は左右同時に上下動する。つまり、クッションシェル28の上下方向の移動量が左右で等しくなる。したがって、サポートパッド30(前サポートパッド30A)は左右均等に圧縮される。なお、図2及び図3に示すように、プレート32A下部の回転軸に対してシャフト32Bは前方に位置している。したがって、サポートパッド30が圧縮される場合、スタビライザ32はシート前方に傾く。つまり、クッションシェル28はシート下方に移動するとともにシート前方にも移動する。
(リアベルト)
図2に示すように、リアベルト34は、クッションフレーム本体24の後方に一端が固定され、他端がクッションシェル28に固定された緊張部材として形成されている。このリアベルト34は、リンク機構であるスタビライザ32の動作に追従してクッションシェル28の前後方向の動きを規制するものである。具体的には、リアベルト34は、その下方側がクッションフレーム本体24に溶接固定された下部支持パイプ34Bに引っ掛けられた上でクッションフレーム本体24の後端部に固定されている。また、リアベルト34は、その上方側がクッションシェル28に溶接固定された上部支持パイプ34Aに引っ掛けられた上でクッションシェル28の後端部に固定されている。図3に示すように、断面視すると、本実施形態では、リアベルト34がループ形状を呈しているため、シートクッション12の組立時において、リアベルト34の位置のバラツキ調整が不要で、かつ組み付けが容易とされている。
また、リアベルト34の端部は、図示しない固定板に縫い合わされた上、当該固定板がクッションフレーム本体24又はクッションシェル28にねじ止め固定されている。
なお、リアベルト34は、シートクッション12に乗員が着座しない状態において、張力が働いていることが望ましい。リアベルト34に弛みがある場合は、クッションシェル28とクッションフレーム本体24との間でガタが生じるからである。また、本実施形態では、リアベルト34の端部を図示しない固定板に縫い合わせることで、単に、固定板とクッションフレーム本体24、又は固定板とクッションシェル28との間にリアベルト34を挟むだけの構成に比べて、リアベルト34に緩みが生じ難い。
ここで、図3に示すように、下部支持パイプ34Bに対して上部支持パイプ34Aは前方に位置している。すなわち、リアベルト34は前方に傾いた状態で下部支持パイプ34Bと上部支持パイプ34Aとの間に渡されている。このリアベルト34の傾きは、スタビライザ32のプレート32Aの傾きに合わせている。本実施形態のリアベルト34によれば、サポートパッド30が圧縮された場合、クッションシェル28のシート下方かつシート前方への移動に追従してリアベルト34は、張力を保持したままシート前方に傾く。
(連結ヒンジ)
連結ヒンジ36は、後述するバックシェル44とクッションシェル28とを連結させる連結部として形成されている。図2に示すように、この連結ヒンジ36は、上部支持パイプ34Aの両端部に設けられたヒンジ部分に回転可能に支持されており、当該ヒンジ部分から上方に延出する門型のフレームを備えている。また、連結ヒンジ36の上部に一対の連結孔36Aが形成されている。図4に示すように、この一対の連結孔36Aそれぞれに、バックシェル44に形成された一対の連結ネジ部44Aが挿通され、ナット44Bが連結ネジ部44Aに螺合されると、バックシェル44とクッションシェル28とが連結される。
上述のように、サポートパッド30が圧縮されると、クッションシェル28はシート下方に移動するとともにシート前方にも移動する。連結ヒンジ36は、クッションシェル28のシート前方への移動を許容しつつ、クッションシェル28に連結されたバックシェル44をシート下方に移動させる機能を有している。
〔シートバック〕
シートバック14は乗員の背部を支えるものであって、図1及び図4に示すように、バックフレーム本体42、バックシェル44、バックリクライニング50、及びバックパッド40を備えている。各部の構成の詳細については以下のとおりである。
(バックフレーム本体)
バックフレーム本体42は、後述するバックシェル44を支持するものである。図4に示すように、このバックフレーム本体42は、四角枠状に組まれたフレーム部42Aと、フレーム部42Aの左右からシート下方に延びる延出部42Bを備えている。そして、図1に示すように、バックフレーム本体42は、延出部42Bの下端部がスライドレール22の後方部に回動可能に支持されている。なお、バックフレーム本体42はシート前方に倒れるように回動するが、これは、フロントカバー60を跳ね上げるためにシートバック14をフロントカバー60側に畳むことによる。
また、図4に示すように、バックフレーム本体42は、バックシェル44をシート上方へ付勢する付勢部材としてのサポートスプリング46がフレーム部42Aの上部2か所にそれぞれ固定されている。
(バックシェル)
バックシェル44は、乗員の背部を支える部材である。このバックシェル44は、後述するバックパッド40の外縁部40Aの装着面となる平板部45Aと、平板部45Aの中央部分をバックパッド40とは反対側に向けて凹ませた凹部45Bと、を備えている。また、バックシェル44は、平板部45Aの側方から上方にかけての外周部からバックパッド40とは反対側に向けて立設された壁部45Cを備えている。
一方、バックシェル44には、平板部45Aの左右後面に、バックシェル44を上下方向に移動可能に支持するバックスライド48が形成されている。このバックスライド48は平板部45Aの裏面からアーチ状に形成されたアーチ部と、フレーム部42Aの左右から内側に突出形成された軸に支持されたローラーとを含んで構成されている。アーチ部の内側面には平面が形成されており、当該平面をフレーム部42A側のローラーが滑ることで、バックシェル44は、バックフレーム本体42に上下方向に移動可能に支持される。また、バックシェル44の左右において、凹部45Bとバックスライド48との間に挟まれた部分には、付勢部材としてのサポートスプリング46が設けられている。各サポートスプリング46は、その上端はフレーム部42Aに固定され、その下端は平板部45Aの裏面下方に設けられた固定部に固定されている。各サポートスプリング46により、バックシェル44はシート上方に向けて付勢されている。
以上のような構成のバックシェル44は、その厚みをバックフレーム本体42のフレーム部42Aの厚みに近づけている。そして、凹部45Bがフレーム部42Aの枠内に収容されるように、バックシェル44はバックフレーム本体42に支持される。また、バックスライド48及びサポートスプリング46についてもフレーム部42Aの枠内に収容される。
(バックリクライニング)
バックリクライニング50は、リクライニング機構52と、リクライニング作動部54と、を備えている。
リクライニング機構52は、後述するリクライニング作動部54の下部をバックシェル44に対してシート前方に移動させる移動部として形成されている。具体的には、図5(A)に示すように、リクライニング機構52は、板金をプレスして形成されたベースプレート52Aと、ベースプレート52Aから上方に延出されるアーチ状のベースアーム52Bとを備えている。また、リクライニング機構52は、その上下略中央に支持軸53が設けられている。ベースプレート52Aには、複数個所に貫通孔が形成されている。そして、当該貫通孔にバックシェル44の凹部45Bに突出形成されたボルトを挿通し、ナットを螺合することにより、リクライニング機構52はバックシェル44に固定される。
支持軸53には、シート下方に延出されるアーチ状のリクライニングアーム52Cが固定されている。つまり、リクライニングアーム52Cは上端部がベースプレート52Aに軸支され、下端部がシート前方に移動可能に形成されている。一方、支持軸53の左右略中央にはラチェット歯車56が固定されている。そして、このラチェット歯車56に対向する位置にはラチェット爪55が設けられている。すなわち、リクライニング機構52において、ラチェット歯車56及びラチェット爪55によりラチェット機構が形成されている。本実施の形態のラチェット機構の構造については公知の機構のとおりである。ラチェット歯車56及びラチェット爪55の右側にはリターンスプリング57が設けられている。このリターンスプリング57は一端が支持軸53に固定され、他端がベースプレート52Aに設けられたフックに固定されている。そして、このリターンスプリング57は、支持軸53を前回転させる方向、すなわち、リクライニングアーム52Cを後方に移動させる方向に付勢している。
リクライニング作動部54は、バックシェル44の幅方向に沿って設けられた軸部に対して上部が回転可能に支持されたリクライニングフレームとして形成されている。詳しくは、図5(B)に示すように、リクライニング作動部54は、矩形状の平板と当該平板の周囲に形成されたワイヤフレームから構成される本体部54Aと、本体部54Aの平板部分の上方に形成される一対の固定具58Aと、下方に形成される一対のフック58Bと、を備えている。固定具58Aはシート幅方向に対して、後方に向けて開放する溝が形成されている。そして、固定具58Aの溝がベースアーム52Bの左右延出部に嵌合することで、リクライニング作動部54は、リクライニング機構52(バックシェル44)に対して回動可能に支持される。すなわち、ベースアーム52B及び固定具58Aにより軸部が形成される。
一方、フック58Bには、シート幅方向に対して上方に向けて開放する溝が形成されている。そして、リクライニングアーム52Cの左右延出部がフック58Bの溝に差し込まれることにより、リクライニング作動部54は、その下部をバックシェル44に対して前方に移動させることができる。
(バックパッド)
バックパッド40は、乗員と直接接触する部分であって、図1に示すように、外縁部40Aと、中央部40Bとを備えている。外縁部40Aは、バックシェル44の平板部45Aに対応する部分であり、中央部40Bは、リクライニング作動部54に対応する部分である。このバックパッド40は、バックシェル44及びリクライニング作動部54の上部を覆う弾性体であって、ウレタン製のパッドと、当該パッドを覆う表皮を含んで形成されている。
〔総括〕
以上のように構成される車両用シート10について総括する。
(作用効果)
まず、本実施形態の車両用シート10の作用効果については、以下のとおりである。
(1)クッションシェル支持機構
上記特許文献1記載の車両用シートのように、シートクッションの前後に平行リンク機構を設けた場合、以下の問題が生じていた。すなわち、平行リンク機構の場合、前後動を小さくするためにリンクの角度を極力水平に近づけたいという要求があった。しかしながら、リンクの角度を水平に近づけると、シート前後方向の張力が増すためにフレームの剛性を上げる必要があり、重量が増えるという問題が生ずる。特に、軽トラックの場合は、シート下部のスペースが少ないため、特にヒップポイントの関係で座面が低位となるシートクッションの後方部にリンク機構を設けるのが困難であった。
これに対して、本実施形態では、従来の前後の平行リンク機構に代えて、前側をスタビライザに、後側をベルトに変更することで従来の平行リンク機構と同等の動きが可能となり、フレームの剛性を上げずに軽量化を図ることができる。また、従来の平行リンク機構が有していた中間部分のフレーム(リンクの上端を支持するフレーム)を無くす事が可能となり、部品点数の削減、大幅な軽量化、及びシートクッションの薄型化を図ることができる。
(2)簡易リクライニング機構
そもそも、軽トラックは、小型トラックに対してキャビンのスペースが狭いためリクライニングの設定を設けることが困難であった。一方、上記特許文献1記載の車両用シートのように、小型トラックで成立していたリクライニング機構を軽トラックに適用しようとすると、現行フレームからの大幅な構造変更、スライド量の変更等、改造要素が多くなる。また、このような改造を施してもユーザーである乗員にとってはメリットが少ない。したがって、従来のリクライニング機構に代わる新たなリクライニング機構が必要とされていた。
これに対して、本実施形態によれば、シートバック14全体をリクライニングさせずにシートバック14の中央部をせり出すことで姿勢を変えられる機構(簡易リクライニング機構)とした。具体的に本実施形態では、バックシェル44の中央部において上部を軸支し、下部がせり出すように形成されたバックリクライニング50を設けた。このバックリクライニング50は、バックシェル44の中に収納可能な厚さで形成されている。すなわち、簡易リクライニング機構は、シートバック14を形成するバックシェル44の厚さまで薄型化されている。
図6に簡易リクライニング機構の作動状態を示す。本実施形態では、図6(A)に示すように、リクラニング作動前のフラットな初期状態から、図6(B)〜(D)に示す3段階の角度調整が可能とされる。なお、本実施形態における簡易リクライニング機構は、乗員がリクライニング作動部54の下部を手で引き出すことにより作動させるものである。上述のとおり、本実施形態の簡易リクライニング機構はラチェット機構を有しており、リクライニング作動部54の下部を引き出すごとにリクライニング角度が増した位置でロックされる。そして、図6(D)に示すように、リクライニング角度が最大となる位置からさらに引き出すと、ラチェット機構のロックが解除されるともに、リターンスプリング57の付勢力により、バックリクライニング50は初期状態に戻る。
以上、本実施形態の簡易リクライニング機構によれば、キャビンスペースに関係なく快適な乗車姿勢を得ることができる。すなわち、軽トラックのように、シートバックを後に傾けることのできない車両においても、快適な乗車姿勢を得ることができる。
(3)弾性支持機構
上記特許文献1記載の車両用シートを採用した小型トラックではシートクッション下のパッドによって乗員を弾性的に支持していたが、同様の車両用シートを軽トラックに採用した場合、シートクッションの高さが上がってしまい好ましくない。軽トラックの場合、シートクッション下のスペースが少ないため、単にパッドを薄くすると乗り心地性能が悪化するからである。
これに対して、本実施形態では、乗員が着座するクッションシェル28と、着座乗員の背部を支えるバックシェル44とを連結するとともに、バックシェル44を弾性的に支持可能なサポートスプリング46をバックフレーム本体42及びバックシェル44の内部に設けた。また、バックシェル44を上下方向に移動可能に支持するバックスライド48もバックフレーム本体42及びバックシェル44の内部に設けた。このように、本実施形態の乗員を弾性支持する機構(弾性支持機構)は、シートバック14を形成するバックフレーム本体42及びバックシェル44の内部に収納可能な厚さで形成されており、薄型化が図られている。これにより、サポートパッド30を薄型化しても乗り心地性能を維持することが可能である。このように、乗員を弾性支持する機構をシートバック側に設けることで乗り心地性能におけるシート高さへの影響を排除することができる。
なお、本実施形態によれば、乗員の体重差に対応させることも可能である。すなわち、サポートスプリング46として、ばね定数の異なる複数種類のスプリングを用意し、乗員の体重に適したばね定数のスプリングを選択することにより、体重差に対応することができる。サポートスプリング46の種類としては、例えば、体重50kg、70kg、100kg対応の3段階のスプリングを用意することができる。なお、サポートスプリング46の付け替えは、車両購入時や、車両点検時などに行うことができる。
乗員を弾性的に支持する機能の一部をシートクッション下からシートバックへ変更させることで車両用シートの薄型化と設計基準(例えば、ヒップポイントなど)を満足させる事が可能となる。また、ばね定数の異なる複数種類のスプリングの付け替えにより、乗り心地の性能を常に一定に保つことができ、さらに、部品点数の削減を図ることができる。
(まとめ)
以上、本実施形態のリンク機構、リクライニング機構、及び弾性支持機構を備えた車両用シート10によれば、従来の車両用シートに比べて薄型化を実現することができる。そして、車両用シートの薄型化により、キャブオーバ型の軽トラックのような、シート下部にスペースがなく、ヘッドスペースを確保するのが困難なキャビンが狭い車両においても、乗り心地性能を確保することができる。
なお、本実施形態の簡易リクライニング機構は乗員により手動で作動させるものであったが、シートバック14の内部にモータ等の駆動装置を設け、当該駆動装置により作動させてもよい。また、本実施形態の弾性支持機構においては、乗員の体重に応じて、サポートスプリング46の選択する必要があるが、これに限らない。例えば、シートバック14の側部に調節レバーを設け、当該調節レバーを操作することでばね定数を変化させる構成を採用してもよい。この構成によれば、乗車しながらにして、乗員の体重差に対応した車両用シートを提供することができる。
実施形態を挙げて本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
10 車両用シート
12 シートクッション
14 シートバック
16 ヘッドレスト
24 クッションフレーム本体
26 フロントパネル
28 クッションシェル
30 サポートパッド(パッド)
32 スタビライザ(リンク機構)
34 リアベルト(緊張部材)
36 連結ヒンジ(連結部)
42 バックフレーム本体
44 バックシェル
46 サポートスプリング(付勢部材)
50 バックリクライニング
52 リクライニング機構(移動部)
54 リクライニング作動部(リクライニングフレーム)

Claims (3)

  1. 乗員が着座するクッションシェルと、
    前記クッションシェルの下側に設けられるクッションフレーム本体と、
    前記クッションフレーム本体に載置され、前記クッションシェルを弾性的に支持するパッドと、
    前記クッションフレーム本体の前方に設けられ、前記クッションシェルの上下方向の移動量が左右で等しくなるように前記クッションシェルに連結されるリンク機構と、
    前記クッションフレーム本体の後方に一端が固定され、他端が前記クッションシェルに固定され、かつ前記リンク機構の動作に追従して前記クッションシェルの前後方向の動きを規制する緊張部材と、
    を備えた車両用シート。
  2. 着座乗員の背部を支えるバックシェルと、
    前記バックシェルの幅方向に沿って設けられた軸部に対して上部が回転可能に支持されたリクライニングフレームと、
    前記リクライニングフレームの下部を前記バックシェルに対して前方に移動させる移動部と、
    を備えた請求項1に記載の車両用シート。
  3. 着座乗員の背部を支えるバックシェルと、
    前記バックシェルを支持するバックフレーム本体と、
    前記バックシェルと前記クッションシェルとを連結させる連結部と、
    前記バックフレーム本体に設けられ、前記バックシェルを上方へ付勢する付勢部材と、
    を備えた請求項1又は2に記載の車両用シート。
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