JP6724296B2 - プリプレグ、樹脂基板、金属張積層板、プリント配線基板、および半導体装置 - Google Patents
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Description
そのため、加熱時にPOPの上下の半導体パッケージは、半導体素子と半導体素子が搭載されるプリント配線基板との熱膨張の差が非常に大きいため、大きく反ってしまう場合があった。
しかしながら、特許文献2は、積層板の面方向の熱膨張を十分低くすることができないため、得られる積層板の反りの抑制効果は十分満足いくものではなかった。
しかしながら、特許文献3は、密着性の劣るシリコーン粒子を用いるため、導体回路との密着性やプリプレグ同士の密着性に劣る場合あり、十分満足いくものではなかった。また、弾性率が大きく低下するため、積層板の弾性率の低下により、得られる積層板は剛性が不十分となり、反り抑制効果は十分満足のいくものではなかった。
プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられるプリプレグであって、
熱硬化性樹脂と無機充填材と(メタ)アクリル系ブロック共重合体とを含む熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸してなり、
前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体の含有量が、前記熱硬化性樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、1.0質量%以上8.0質量%未満であり、
前記繊維基材がEガラスにより形成されたガラス繊維基材、石英ガラス織布またはTガラス織布を含む、プリプレグが提供される。
ここで、樹脂基板はプリプレグの硬化物を含むものであり、例えば、プリプレグを加熱硬化することによって得ることができる。
プリプレグをプリント配線基板におけるコア層中の絶縁層を形成するために用いる場合は、例えば、2枚以上のプリプレグを重ね、得られた積層体を加熱硬化することによりコア層用の絶縁層とすることもできる。
熱硬化性樹脂(A)としては、特に限定されないが、低線膨張率および高弾性率を有し、熱衝撃性の信頼性に優れたものであることが好ましい。また、熱硬化性樹脂(A)のガラス転移温度は、好ましくは160℃以上350℃以下であり、さらに好ましくは180℃以上300℃以下である。このようなガラス転移温度を有する熱硬化性樹脂(A)を用いることにより、鉛フリー半田リフロー耐熱性がさらに向上するという効果が得られる。
アラルキル型エポキシ樹脂は、例えば、下記(1)式で表される。
また、ベンゼン環に比べナフタレン環のπ−πスタッキング効果が高いため、特に、ナフタレン型エポキシ樹脂は低熱膨張性、低熱収縮性に優れる。さらに、多環構造のため剛直効果が高く、ガラス転移温度が特に高いため、リフロー前後の熱収縮変化が小さい。ナフトール型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(VII−1)、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂としては下記式(VII−2)、2官能ないし4官能ナフタレン型エポキシ樹脂としては下記式(VII−3)(VII−4)(VII−5)、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、下記一般式(VII−6)で示すことができる。
樹脂組成物(P)中に含まれる熱硬化性樹脂(A2)の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物(P)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、1.0質量%以上25.0質量%以下が好ましく、3.0質量%以上20.0質量%以下がより好ましい。熱硬化性樹脂(A2)の含有量が上記範囲内であると、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の低熱収縮性および耐薬品性のバランスをより一層向上させることができる。
分子内に少なくとも2つのマレイミド基を有するマレイミド化合物としては、例えば、4,4'−ジフェニルメタンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、p−フェニレンビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、N,N'−エチレンジマレイミド、N,N'−ヘキサメチレンジマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド等の分子内に2つのマレイミド基を有する化合物、ポリフェニルメタンマレイミド等の分子内に3つ以上のマレイミド基を有する化合物等が挙げられる。
これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用することもできる。これらのマレイミド化合物の中でも、低吸水率である点等から、4,4'−ジフェニルメタンビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミドが好ましい。
さらに、上記式(1a)において、Yは芳香族環を有する炭素数6以上30以下の炭化水素基であり、n2は0以上の整数である。
このようなマレイミド化合物としては、1,6'−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、ヘキサメチレンジアミンビスマレイミド、N,N'−1,2−エチレンビスマレイミド、N,N'−1,3−プロピレンビスマレイミド、N,N'−1,4−テトラメチレンビスマレイミド等の脂肪族マレイミド化合物;イミド拡張型ビスマレイミド等を挙げることができる。これらの中でも1,6'−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、イミド拡張型ビスマレイミドが特に好ましい。マレイミド化合物は、単独で使用しても良く、二種類以上を併用してもよい。
イミド拡張型ビスマレイミドとしては、例えば、以下の式(a1)により示されるマレイミド化合物、以下の式(a2)により示されるマレイミド化合物、以下の式(a3)により示されるマレイミド化合物等が挙げられる。式(a1)により示されるマレイミド化合物の具体例のとしてはBMI−1500(デジグナーモレキュールズ社製、分子量1500)等が挙げられる。式(a2)により示されるマレイミド化合物の具体例のとしてはBMI−1700(デジグナーモレキュールズ社製、分子量1700)、BMI−1400(デジグナーモレキュールズ社製、分子量 1400)等が挙げられる。式(a3)により示されるマレイミド化合物の具体例のとしてはBMI−3000(デジグナーモレキュールズ社製、分子量3000)等が挙げられる。
樹脂組成物(P)は、熱硬化性樹脂(A)としてシアネート樹脂を含むことにより、プリプレグの硬化物や樹脂基板の線膨張係数を小さくすることができる。さらに、シアネート樹脂を用いることにより、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の電気特性(低誘電率、低誘電正接)、機械強度等を向上できる。
ノボラック型シアネート樹脂としては、例えば、下記一般式(I)で示されるものを使用することができる。
これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましく、シリカが特に好ましい。無機充填材(B)としては、これらの中の1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
無機充填材(B)の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とすることができる。
シリカナノ粒子の平均粒子径は、含浸性の観点から、1nm以上100nm未満が好ましく、10nm以上100nm未満がより好ましく、10nm以上70nm以下が特に好ましい。シリカナノ粒子の平均粒子径が上記下限値以上であると、繊維基材の繊維間をより広げることができる。またシリカナノ粒子の平均粒子径が上記上限値未満または以下であると、繊維基材の繊維間にシリカナノ粒子が十分に入り込むことができる。
特に、平均粒子径0.1μm以上5.0μm以下のシリカ粒子と組み合わせて用いるのが好ましい。これにより、樹脂組成物(P)にシリカを高濃度で均一に含有させることができる。
なお、上記シリカナノ粒子の平均粒子径は、例えば、動的光散乱法により測定することができる。粒子を水中で超音波により分散させ動的光散乱法式粒度分布測定装置(HORIBA製、LB−550)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とする。
上記シリカナノ粒子の含有量が上記範囲内であると、多量の無機充填材(B)を含有する樹脂組成物(P)を高密度の繊維基材に含浸させて得られるプリプレグであっても、樹脂組成物(P)の繊維基材への含浸性が良好となる。これは、上記シリカナノ粒子が繊維基材の繊維間、例えばストランド内に入り込んで繊維間を広げるため、上記シリカナノ粒子以外の無機充填材(B)も繊維基材に入り込むことができるようになるからであると考えられる。このように、上記シリカナノ粒子を無機充填材(B)として使用することで、ストランド中にシリカ粒子を有するプリプレグを得ることができる。
なお、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)の重合体ブロック(S)を構成するポリマーのTgは、特に限定されないが、30℃未満が好ましい。また、重合体ブロック(H)を構成するポリマーのTgは、特に限定されないが、30℃以上が好ましい。(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)が複数の重合体ブロック(H)を有する場合には、それぞれの重合体ブロック(H)が同じ組成を有していてもよいし、異なっていてもよい。同様に、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)が複数の重合体ブロック(S)を有する場合も、それぞれの重合体ブロック(S)が同じ組成を有していてもよいし、異なっていてもよい。
上記重合体ブロック(S)を構成するモノマー成分としては特に限定されないが、例えば、ホモポリマーのTgが30℃未満であるモノマーが挙げられる。このようなモノマーとしてはアクリル酸ブチルやアクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸C2−10アルキルエステル、ブタジエン(1,4−ブタジエン)等が挙げられる。
上記PMMA−b−PBA−b−PMMAやPMMA−b−PBAは、耐熱性、耐光性、及び耐クラック性向上の点で好ましい。なお、上記PMMA−b−PBA−b−PMMAやPMMA−b−PBAは、必要に応じて、熱硬化性樹脂(A)等に対する相溶性向上を目的として、親水性基(例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基等)を有するモノマー、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸等を、PMMAブロック及び/又はPBAブロックに共重合させたものであってもよい。
また、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)としては、例えば、商品名「ナノストレングス M52N」、「ナノストレングス M22N」、「ナノストレングス M51」、「ナノストレングス M52」、「ナノストレングス M53」、「ナノストレングス M22」(アルケマ社製、PMMA−b−PBA−b−PMMA)、商品名「ナノストレングスD51N」(アルケマ社製、PMMA−b−PBA)、商品名「ナノストレングス E21」、「ナノストレングス E41」(アルケマ社製、PSt(ポリスチレン)−b−PBA−b−PMMA)等の市販品を使用することもできる。
これにより、繊維基材または無機充填材(B)と各樹脂との界面の濡れ性を高くすることができ、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の耐熱性をより向上させることができる。
カップリング剤の含有量が上記下限値以上であると、無機充填材(B)を十分に被覆することができ、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の耐熱性を向上させることができる。また、カップリング剤の含有量が上記上限値以下であると、反応に影響を与えるのを抑制でき、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の曲げ強度等の低下を抑制することができる。
樹脂ワニス(I)の固形分は、特に限定されないが、40質量%以上80質量%以下が好ましく、特に50質量%以上70質量%以下が好ましい。これにより、樹脂ワニス(I)の繊維基材への含浸性をさらに向上させることができる。
樹脂組成物(P)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、好ましくは、熱硬化性樹脂(A)の割合が8.0質量%以上40.0質量%以下であり、無機充填材(B)の割合が50.0質量%以上90.0質量%以下であり、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)の割合が0.1質量%以上10.0質量%未満である。
より好ましくは、熱硬化性樹脂(A)の割合が10.0質量%以上30.0質量%以下であり、無機充填材(B)の割合が55.0質量%以上80.0質量%以下であり、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)の割合が1.0質量%以上8.0質量%以下である。
繊維基材としては、特に限定されないが、ガラス織布、ガラス不織布等のガラス繊維基材;ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維;ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維;ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維のいずれかを主成分とする織布または不織布で構成される合成繊維基材;クラフト紙、コットンリンター紙、あるいはリンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙基材;等が挙げられる。これらのうち、いずれかを使用することができる。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、低吸水性で、高強度、低熱膨張性の樹脂基板を得ることができる。
繊維基材の厚みが上記上限値以下であると、繊維基材への樹脂組成物(P)の含浸性が向上し、ストランドボイドや絶縁信頼性の低下の発生を抑制することができる。また炭酸ガス、UV、エキシマ等のレーザーによるスルーホールの形成を容易にすることができる。また、繊維基材の厚みが上記下限値以上であると、繊維基材やプリプレグの強度を向上させることができる。その結果、ハンドリング性が向上できたり、プリプレグの作製が容易となったり、樹脂基板の反りを抑制できたりする。
本実施形態において、平均線膨張係数α1およびα2とは、TMA(熱機械分析)装置(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、温度範囲30℃〜260℃、昇温速度10℃/min、荷重10g、圧縮モードの条件で測定される、平面方向(XY方向)の線膨張係数(CTE)の平均値である。
上記硬化物または樹脂基板において、(α2−α1)が上記上限値以下であると、得られるプリント配線基板において、環境温度に大きな変化が生じても、回路層と絶縁層との間の線膨張係数差に起因して発生する応力の変化を低減することができる。そのため、得られるプリント配線基板や半導体装置において、温度変化が激しい状況に長期間置かれても、回路層と絶縁層との密着性を維持することができる。以上から、プリプレグを用いることにより、得られるプリント配線基板の高温高湿下での絶縁信頼性を高めることができると考えられる。
さらに、上記硬化物または樹脂基板において、(α2−α1)が上記上限値以下であると、得られる半導体装置において、環境温度に大きな変化が生じても、プリント配線基板と半導体素子との間の線膨張係数差に起因して発生する応力の変化を低減することができる。その結果、半導体装置の反りがより一層抑制され、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれをより一層抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の高温での接続信頼性や温度サイクル信頼性をより一層高めることができる。
上記硬化物または樹脂基板において、平均線膨張係数α2が上記範囲を満たすと、得られるプリント配線基板において、半田リフロー等の高い温度に曝された際に回路層と絶縁層との間の線膨張係数差に起因して発生する応力を低減することができる。そのため、得られるプリント配線基板や半導体装置において、温度変化が激しい状況に長期間置かれても、回路層と絶縁層との密着性を維持することができる。これにより、得られるプリント配線基板の高温高湿下での絶縁信頼性をより一層高めることができる。
また、上記硬化物または樹脂基板において、平均線膨張係数α2が上記範囲を満たすと、得られる半導体装置において、半田リフロー等の高い温度に曝された際にプリント配線基板と半導体素子との間の線膨張係数差に起因して発生する応力を低減することができる。その結果、半導体装置の反りがより一層抑制され、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれをより一層抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の高温での接続信頼性や温度サイクル信頼性をより一層高めることができる。
また、上記硬化物または樹脂基板において、動的粘弾性測定によるガラス転移温度が上記範囲を満たすと、得られるプリント配線基板の剛性が高まり、実装時のプリント配線基板の反りをより一層低減できる。その結果、得られる半導体装置について、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれをより一層抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の接続信頼性をより一層高めることができる。
このようなガラス転移温度を達成するためには、熱硬化性樹脂(A)、無機充填材(B)、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(C)、繊維基材、硬化促進剤等の種類や配合量、プリプレグの製造方法等をそれぞれ適切に制御することが重要である。
上記硬化物または樹脂基板において、250℃での貯蔵弾性率E'250が上記範囲を満たすと、得られるプリント配線基板の剛性や耐熱性、応力緩和能の性能バランスが向上し、実装時のプリント配線基板の反りをより一層低減できる。その結果、得られる半導体装置について、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれをより一層抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の接続信頼性をより一層高めることができる。
ストランド中にシリカ粒子が存在するようプリプレグを形成した場合、プリプレグが有する諸特性を維持しつつ、繊維織布への樹脂組成物(P)の含浸性を向上させることができる。ここで、諸特性とは、例えば、プリント配線基板の絶縁信頼性、プリプレグのレーザー加工性、またはプリプレグの低熱膨張性等である。
繊維織布への樹脂組成物(P)の含浸性が良好である場合、得られるプリプレグにボイドが発生するのを抑制できる。これにより、当該プリプレグを絶縁層に用いたプリント配線基板において、絶縁信頼性のさらなる向上を図ることができる。
また、高密度の繊維織布を使用した場合においても、高い含浸性を得ることができる。このため、高密度の繊維織布を使用して、レーザー加工性に優れたプリプレグを形成することができる。
さらに、繊維織布への樹脂組成物(P)の含浸性を向上させることで、繊維織布内に無機充填材(B)を高充填することが可能となる。このため、プリプレグのさらなる低熱膨張化を図ることができる。これにより、当該プリプレグを絶縁層に用いたプリント配線基板に反りが発生することをより一層抑制することができる。したがって、半導体装置における接続信頼性をより一層向上させることが可能となる。
プリプレグは、例えば、本実施形態における樹脂組成物(P)を繊維基材に含浸させ、その後、半硬化させて得られるシート状の材料である。このような構造のシート状材料は、誘電特性、高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性等の各種特性に優れ、プリント配線基板の絶縁層の製造に適している。
プリプレグまたはプリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の外側の上下両面または片面に金属箔105を重ね、ラミネーター装置やベクレル装置を用いて高真空条件下でこれらを接合する、あるいはそのままプリプレグの外側の上下両面または片面に金属箔105を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔105を重ねる。
次いで、プリプレグと金属箔105とを重ねた積層体を加熱加圧成形することで金属張積層板200を得ることができる。ここで、加熱加圧成形時に、冷却終了時まで加圧を継続することが好ましい。
また、上記の加熱加圧成形するときの圧力は、0.5MPa以上5MPa以下が好ましく、2.5MPa以上5MPa以下の高圧がより好ましい。
また、金属箔105としては、キャリア付金属箔等も使用することができる。
金属箔105の厚みは、好ましくは0.5μm以上20μm以下であり、より好ましくは1.5μm以上18μm以下である。
ここで、本実施形態に係るプリント配線基板300において、絶縁層301が本実施形態に係る樹脂基板または金属張積層板200の絶縁層301に相当する。
プリプレグとしては、前述したプリプレグが特に好ましい。
次いで、エッチング処理により、金属箔105の一部またはすべてを除去する。
なお、エッチング処理による金属箔105の除去前に、絶縁層301にビアホール307を形成してもよい。
薬液処理としては、特に限定されず、有機物分解作用を有する酸化剤溶液等を使用する方法等が挙げられる。また、プラズマ処理としては、対象物となるものに直接酸化作用の強い活性種(プラズマ、ラジカル等)を照射して有機物残渣を除去する方法等が挙げられる。
また、上記実施形態では、半導体素子407と、プリント配線基板300の回路層とを半田バンプ410で接続したが、これに限られるものではない。例えば、半導体素子407とプリント配線基板300の回路層とをボンディングワイヤで接続してもよい。
以下、参考形態の例を付記する。
1. プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられるプリプレグであって、熱硬化性樹脂と無機充填材と(メタ)アクリル系ブロック共重合体とを含む熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸してなるプリプレグ。
2. 1.に記載のプリプレグにおいて、前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体は、重合体ブロック(S)と前記重合体ブロック(S)よりも高いガラス転移温度(Tg)を有する重合体ブロック(H)とが並んだ構造のジブロック共重合体、前記重合体ブロック(S)と前記重合体ブロック(H)とが交互に並んだ共重合体、前記重合体ブロック(S)を中間に有し、その両端に前記重合体ブロック(H)を有するトリブロック共重合体から選択される一種または二種以上を含むプリプレグ。
3. 2.に記載のプリプレグにおいて、前記重合体ブロック(S)がブチルアクリレートにより構成された重合体であり、前記重合体ブロック(H)がメチルメタクリレートにより構成された重合体であるプリプレグ。
4. 1.乃至3.いずれかに記載のプリプレグにおいて、前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)が3,000以上500,000以下であるプリプレグ。
5. 1.乃至4.いずれかに記載のプリプレグにおいて、前記無機充填材はシリカ粒子を含むプリプレグ。
6. 5.に記載のプリプレグにおいて、前記繊維基材はストランドにより構成される繊維織布を含み、前記ストランド中には前記シリカ粒子の一部が存在しているプリプレグ。
7. 1.乃至6.いずれかに記載のプリプレグにおいて、当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の面内方向における、50℃から150℃の範囲において算出した平均線膨張係数をα 1 とし、150℃から250℃の範囲において算出した平均線膨張係数をα 2 としたとき、α 2 とα 1 との差(α 2 −α 1 )が1.5ppm/℃以下であるプリプレグ。
8. 7.に記載のプリプレグにおいて、前記平均線膨張係数をα 2 が7.0ppm/℃以下であるプリプレグ。
9. 1.乃至8.いずれかに記載のプリプレグにおいて、当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の250℃での貯蔵弾性率E' 250 が15GPa以上40GPa以下であるプリプレグ。
10. 1.乃至9.いずれかに記載のプリプレグにおいて、当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物のガラス転移温度が180℃以上400℃以下であるプリプレグ。
ここで、前記ガラス転移温度は、昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件での動的粘弾性測定により得られる曲線おいて、150℃以上の領域に存在する損失正接tanδのピーク値に対応する温度である。
11. 1.乃至10.いずれかに記載のプリプレグにおいて、前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体の含有量が、前記熱硬化性樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、10.0質量%未満であるプリプレグ。
12. 1.乃至11.いずれかに記載のプリプレグにおいて、前記繊維基材が石英ガラス織布またはTガラス織布を含むプリプレグ。
13. 1.乃至12.いずれかに記載のプリプレグにおいて、前記熱硬化性樹脂がマレイミド化合物、ベンゾオキサジン化合物、およびシアネート樹脂から選択される一種または二種以上を含むプリプレグ。
14. 13.に記載のプリプレグにおいて、前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂をさらに含むプリプレグ。
15. 1.乃至14.いずれかに記載のプリプレグにおいて、当該プリプレグの厚みが20μm以上220μm以下であるプリプレグ。
16. 1.乃至15.いずれかに記載のプリプレグの硬化物を含む樹脂基板。
17. 1.乃至15.いずれかに記載のプリプレグの硬化物または前記プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の硬化物の片面または両面に金属箔が設けられている金属張積層板。
18. 16.に記載の樹脂基板または17.に記載の金属張積層板を回路加工して得られるものであり、1層又は2層以上の回路層が設けられているプリント配線基板。
19. 18.に記載のプリント配線基板の前記回路層上に半導体素子を搭載した半導体装置。
エポキシ樹脂1:アラルキル型エポキシ樹脂(NC3000、日本化薬社製)
エポキシ樹脂2:ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(HP6000、DIC社製)
エポキシ樹脂3:4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(エピクロンHP−4710、DIC社製)
エポキシ樹脂4:ナフトール型エポキシ樹脂(NC7000L、日本化薬社製)
エポキシ樹脂5:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(EPICLON 830S、DIC社製)
シアネート樹脂1:一般式(II)で表わされるp−キシレン変性ナフトールアラルキル型シアネート樹脂(ナフトールアラルキル型フェノール樹脂(東都化成社製「SN−485誘導体」)と塩化シアンの反応物)
アミン化合物1:2,2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化製BAPP アミン当量103)
アミン化合物2:両末端アミノ変性ジメチルシリコーン(信越化学社製、X22−161A(数平均分子量:1,600)
マレイミド化合物1:式(1)において、n1が0以上3以下、X1が「−CH2−」で表される基、aが0、bが0である化合物(BMI−2300、大和化成工業社製、Mw=750)
マレイミド化合物2::式(a1)により示されるビスマレイミド化合物(BMI−1500、デジグナーモレキュールズ社製、分子量1500)
ベンゾオキサジン化合物1:式(2−1)により示されるベンゾオキサジン化合物(P−d型ベンゾオキサジン、四国化成工業社製)
低応力材2:アクリル系ブロック共重合体(アクリルモノマーのブロック共重合体(PMMA−b−PBA−b−PMMA;b=ブロック)、数平均分子量:約16,000、アルケマ社製、ナノストレングスM52)
低応力材3:アクリル系ブロック共重合体(アクリルモノマーのブロック共重合体(PMMA−b−PBA−b−PMMA;b=ブロック)、数平均分子量:約19,000、アルケマ社製、ナノストレングスM22)
低応力材4:アクリル系ブロック共重合体(アクリルモノマーのブロック共重合体(PMMA−b−PBA;b=ブロック)、数平均分子量:約8,000、アルケマ社製、ナノストレングスD51N)
低応力材5:両末端エポキシ官能性シロキサンオリゴマー(TSL9906、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
低応力材6:アクリル系ランダム共重合体(カルボン酸、ヒドロキシル基、およびアクリロニトリル基含有数平均分子量:約50万、SG−708−6、ナガセケムテックス社製)
無機充填材2:シリカ粒子(アドマテックス社製、SC4050KNT、平均粒径1.1μm)
無機充填材3:シリカナノ粒子(アドマテックス社製、アドマナノ、平均粒径65nm)
カップリング剤1:N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−573)
硬化促進剤2:2−フェニルイミダゾール(四国化成社製、2PZ−PW)
繊維基材2:石英ガラス織布(信越石英社製SQF−2118C、クロスタイプ#2118、坪量93g/m2)
1.樹脂ワニス1の調製
表1に示す固形分割合で各成分を溶解または分散させ、メチルエチルケトンで不揮発分70質量%となるように調整し、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニス1を調製した。
繊維基材1に樹脂ワニス1を塗布装置で含浸させ、140℃の熱風乾燥装置で10分間乾燥して、厚さ107μmのプリプレグ1(P1)を得た。
プリプレグ2〜20は、樹脂ワニスの種類および繊維基材の種類を表2のように変えた以外は、プリプレグ1と同様にして製造した。
1.樹脂基板の製造
プリプレグ1の両面に極薄銅箔(三井金属鉱業社製、マイクロシンEx、2.0μm)を重ね合わせ、圧力4MPa、温度230℃で2時間加熱加圧成形することにより、樹脂基板を得た。得られた金属箔付き樹脂基板のコア層(樹脂基板からなる部分)の厚みは、0.107mmであった。
前項で得られた金属箔付き樹脂基板の表面の極薄銅箔層に約1μmの粗化処理を施した後、炭酸ガスレーザーで、層間接続用のφ80μmのスルーホールを形成した。次いで、60℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP)に2分間浸漬後、中和してスルーホール内のデスミア処理を行った。次に、無電解銅メッキを厚さ0.5μmで行い、電解銅メッキ用レジスト層を厚さ18μm形成し、パターン銅メッキし、150℃、30分加熱してポストキュアした。次いでメッキレジストを剥離し全面をフラッシュエッチングして、L/S=15/15μmのパターンを形成した。
プリプレグの種類を表2に示すものに変えた以外は、実施例1と同様に樹脂基板、プリント配線板を作製した。
ガラス転移温度の測定は、動的粘弾性測定(DMA装置、TAインスツルメント社製、Q800))で行った。
得られた樹脂基板から8mm×40mmのテストピースを切り出し、エッチング液(第二塩化鉄溶液、35℃)で銅箔を除去し、プリプレグの硬化物を得た。次いで、得られたプリプレグの硬化物を用いて昇温速度5℃/min、周波数1Hzで動的粘弾性測定をおこなった。なお、ガラス転移温度は、周波数1Hzにおいてtanδが最大値を示す温度とした。
貯蔵弾性率E'の測定は、動的粘弾性測定(DMA装置、TAインスツルメント社製、Q800)で行った。得られた樹脂基板から8mm×40mmのテストピースを切り出し、エッチング液(第二塩化鉄溶液、35℃)で銅箔を除去し、プリプレグの硬化物を得た。
得られたプリプレグの硬化物を用いて昇温速度5℃/min、周波数1Hzで、250℃での貯蔵弾性率測定をおこない、250℃での貯蔵弾性率E'250を算出した。
得られた樹脂基板から4mm×15mmのテストピースを切り出し、エッチング液(第二塩化鉄溶液、35℃)で銅箔を除去し、プリプレグの硬化物を得た。次いで、得られたプリプレグの硬化物に対し、熱機械分析装置TMA(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、温度範囲30〜260℃、昇温速度10℃/min、荷重10g、圧縮モードの条件で熱機械分析(TMA)を2サイクル測定した。50℃から150℃の範囲における平面方向(XY方向)の線膨張係数の平均値α1および150℃から250℃の範囲における平面方向(XY方向)の線膨張係数の平均値α2を算出した。
なお、線膨脹係数は、2サイクル目の値を採用した。
得られた樹脂基板の厚さ方向に直行する断面をSEM(倍率50000倍)で観察し、ガラス織布のストランド内部に充填材であるシリカ粒子の有無を評価した。
ここで、実施例12のプリプレグはストランド中にシリカ粒子は観察されなかった。これは、高分子量タイプのアクリル系ブロック共重合体(ナノストレングスM22)、高粘度のエポキシ樹脂(エピクロンHP−4710)、粒径の大きいシリカ粒子(SC4050KNT)を用いているからだと考えられる。このような場合、粒径の大きいシリカ粒子の隙間にシリカナノ粒子が収まるので、ガラス織布のストランド内部にシリカナノ粒子が侵入しないと考えられる。
回路パターンを形成した後のプリント配線基板にビルドアップ材(住友ベークライト社製、BLA−3700GS)を積層硬化し、セミアディティブ法で回路加工した。その上に、10mm×10mm×100μm厚みの半田バンプ付半導体素子を実装し、アンダーフィル(住友ベークライト社製、CRP−4160G)で封止し、150℃で2時間硬化させた。最後に、15mm×15mmにダイシングし半導体装置を作製した。
得られた半導体装置の260℃での反りを温度可変レーザー三次元測定機(日立テクノロジーアンドサービス社製、形式LS220−MT100MT50)を用いて評価した。上記測定機のサンプルチャンバーに半導体素子面を下にして設置し、高さ方向の変位を測定し、変位差の最も大きい値を反り量とした。評価基準は以下の通りである。
◎ :反り量が30μm未満
〇 :反り量が30μm以上50μm未満
× :反り量が50μm以上
(5)で得られた半導体装置4個を85℃、85%RHの条件下で168時間処理後、IRリフロー炉(ピーク温度:260℃)で3回処理し、大気中で、−55℃(15分)、125℃(15分)で500サイクル処理した。つぎに、超音波映像装置(日立建機ファインテック社製、FS300)を用いて、半導体素子、半田バンプに異常がないか観察した。
◎:半導体素子、半田バンプともに異常なし
〇:半導体素子および/または半田バンプの一部にクラックが見られるが実用上問題なし
×:半導体素子および/または半田バンプの一部または全部にクラックが見られ実用上問題あり
200 金属張積層板
300 プリント配線基板
301 絶縁層
303 金属層
305 絶縁層
307 ビアホール
308 無電解金属めっき膜
309 電解金属めっき層
311 コア層
317 ビルドアップ層
400 半導体装置
401 ソルダーレジスト層
407 半導体素子
410 半田バンプ
413 封止材
Claims (17)
- プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられるプリプレグであって、
熱硬化性樹脂と無機充填材と(メタ)アクリル系ブロック共重合体とを含む熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸してなり、
前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体の含有量が、前記熱硬化性樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、1.0質量%以上8.0質量%未満であり、
前記繊維基材がEガラスにより形成されたガラス繊維基材、石英ガラス織布またはTガラス織布を含む、プリプレグ。 - 請求項1に記載のプリプレグにおいて、
前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体は、重合体ブロック(S)と前記重合体ブロック(S)よりも高いガラス転移温度(Tg)を有する重合体ブロック(H)とが並んだ構造のジブロック共重合体、前記重合体ブロック(S)と前記重合体ブロック(H)とが交互に並んだ共重合体、前記重合体ブロック(S)を中間に有し、その両端に前記重合体ブロック(H)を有するトリブロック共重合体から選択される一種または二種以上を含むプリプレグ。 - 請求項2に記載のプリプレグにおいて、
前記重合体ブロック(S)がブチルアクリレートにより構成された重合体であり、前記重合体ブロック(H)がメチルメタクリレートにより構成された重合体であるプリプレグ。 - 請求項1乃至3いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)が3,000以上500,000以下であるプリプレグ。 - 請求項1乃至4いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
前記無機充填材はシリカ粒子を含むプリプレグ。 - 請求項5に記載のプリプレグにおいて、
前記繊維基材はストランドにより構成される繊維織布を含み、
前記ストランド中には前記シリカ粒子の一部が存在しているプリプレグ。 - 請求項1乃至6いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の面内方向における、 50℃から150℃の範囲において算出した平均線膨張係数をα1とし、150℃から250℃の範囲において算出した平均線膨張係数をα2としたとき、
α2とα1との差(α2−α1)が1.5ppm/℃以下であるプリプレグ。 - 請求項7に記載のプリプレグにおいて、
前記平均線膨張係数をα2が7.0ppm/℃以下であるプリプレグ。 - 請求項1乃至8いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の250℃での貯蔵弾性率E'250が15GPa以上40GPa以下であるプリプレグ。 - 請求項1乃至9いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物のガラス転移温度が180℃以上400℃以下であるプリプレグ。
ここで、前記ガラス転移温度は、昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件での動的粘弾性測定により得られる曲線おいて、150℃以上の領域に存在する損失正接tanδのピーク値に対応する温度である - 請求項1乃至10いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
前記熱硬化性樹脂がマレイミド化合物、ベンゾオキサジン化合物、およびシアネート樹脂から選択される一種または二種以上を含むプリプレグ。 - 請求項11に記載のプリプレグにおいて、
前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂をさらに含むプリプレグ。 - 請求項1乃至12いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
当該プリプレグの厚みが20μm以上220μm以下であるプリプレグ。 - 請求項1乃至13いずれか一項に記載のプリプレグの硬化物を含む樹脂基板。
- 請求項1乃至13いずれか一項に記載のプリプレグの硬化物または前記プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の硬化物の片面または両面に金属箔が設けられている金属張積層板。
- 請求項14に記載の樹脂基板または請求項15に記載の金属張積層板を回路加工して得られるものであり、1層又は2層以上の回路層が設けられているプリント配線基板。
- 請求項16に記載のプリント配線基板の前記回路層上に半導体素子を搭載した半導体装置。
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