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JP6720083B2 - 不織布製造用処理剤及びその利用 - Google Patents

不織布製造用処理剤及びその利用 Download PDF

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Description

本発明は、不織布製造用処理剤、該処理剤が付着した短繊維、不織布及び不織布の製造方法に関する。
不織布に使用される繊維として、天然繊維と合成繊維とがある。
天然繊維は、繊維表面に油脂が付着しているため、不織布への加工時に処理剤が必要とされることが少ない。一方、合成繊維は繊維表面に何も付着していないため、潤滑性、集束性、帯電防止性などを付与する処理剤が目的に応じて使用されている。
不織布への加工時に使用される処理剤の帯電防止成分としては、アルキルホスフェートカリウム塩等のアニオン界面活性剤を主体とする繊維処理剤が一般的である(特許文献1)。
近年、不織布加工技術の進歩に伴い、スパンレース法、エアレイド法、ニードルパンチ法、ケミカルボンド法及び抄紙法等の加工態様の多様化及び不織布加工速度の高速化が顕著になってきた。
アニオン界面活性剤を主体とする繊維処理剤を適用した場合、繊維から不織布へ加工する工程中で、静電気発生は抑制されているにも拘わらず、いずれの加工態様においても、不織布の地合いが不均一、すなわち、不織布の品質の低下が散見されるようになってきた。
日本国特開平4−82961号公報
本発明者らは、不織布の品質の低下の原因を調査した結果、加工態様によって、次のように異なることが分かった。
アニオン界面活性剤を主体とする繊維処理剤が付着した短繊維を、スパンレースや抄紙等の水を使用する生産工程に供すると、該処理剤の起泡により不織布加工途中のウェブが乱れることで不織布の品質の低下が生じていることが判明した。
また、ニードルパンチ及びケミカルボンド等の工程に供すると、絡合性が不足するために風綿が多く発生して、ウェブが不均一となることで不織布の品質の低下が生じていることが判明した。
エアレイドの工程に供すると、スリット等にスカムが蓄積し、均一に短繊維を降り積もらせることができなくなっていることが判明した。
繊維処理剤を不織布の加工態様に合わせて変えると、合成繊維製造の生産性の面から適切でない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、絡合性及びスカム抑制に優れ、起泡の少ない不織布製造用処理剤、不織布加工時に絡合性及びスカム抑制に優れ且つ起泡の少ない短繊維、及び地合いの良好な不織布を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の成分(A)及び特定の成分(B)を含み、アニオン界面活性剤の重量割合が一定量未満である不織布製造用処理剤であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の不織布製造用処理剤は、成分(A)及び成分(B)を含み、前記成分(A)が、鉱物油(A1)、1価アルコール脂肪酸エステル(A2)及び多価アルコール脂肪酸エステル(A3)から選ばれる少なくとも1種であり、
前記成分(A)が、前記鉱物油(A1)及び前記多価アルコール脂肪酸エステル(A3)を含み、前記成分(B)が、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)及びポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(B2)から選ばれる少なくとも1種であり、
前記成分(B)が、前記ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)を含み、処理剤の不揮発分に占める、前記鉱物油(A1)の重量割合が2〜50重量%、前記多価アルコール脂肪酸エステル(A3)の重量割合が2〜50重量%、前記ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)の重量割合が40〜95重量%であり、処理剤の不揮発分に占めるアニオン界面活性剤の重量割合が重量%未満である。
処理剤の不揮発分に占める前記アニオン界面活性剤の重量割合が重量%未満であると好ましい
記ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)が、ポリオキシアルキレンソルビタンモノアルキレートであると好ましい。
本発明の短繊維は、原料短繊維に対して、前記不織布製造用処理剤を付与してなる。
本発明の不織布は、前記短繊維を含有する。
本発明の不織布の製造方法は、前記短繊維を集積させて繊維ウェブを作製し、該繊維ウェブをスパンレース法で処理する工程を含む。
本発明の不織布製造用処理剤が付与された短繊維は、絡合性及びスカム抑制に優れ且つ起泡が少ないため、生産性を向上させることができ、本発明の不織布製造用処理剤が処理された短繊維を含む不織布は、地合が良好であり、人体への安全性に優れる。
本発明の不織布製造用処理剤が処理された短繊維を用いた不織布の製造方法であれば、不織布作製工程において、生産性を向上させることができる。
本発明の不織布製造用処理剤は、特定の成分(A)及び特定の成分(B)を含み、アニオン界面活性剤の重量割合が一定量未満である。以下に詳細に説明する。
[成分(A)]
本発明の成分(A)は、鉱物油(A1)、1価アルコール脂肪酸エステル(A2)及び多価アルコール脂肪酸エステル(A3)から選ばれる少なくとも1種である。成分(A)は、後述する成分(B)と併用することで、不織布作製工程において、絡合性、低起泡性及びスカム抑制に優れる。成分(A)は、単独では水への溶解性に劣るため、処理剤を均一に繊維に付着させることが難しい。
成分(A)は、鉱物油(A1)を含むと、液状特性が強いために、繊維−繊維間摩擦が高いことと繊維−金属間の摩擦を低減することで不織布加工時の通過性を向上させると共に風綿が低減される観点から好ましい。
成分(A)は、多価アルコール脂肪酸エステル(A3)を含むと、分子内にエステル結合を複数有することにより、レーヨン繊維の表面の水酸基と該エステル結合との相互作用が働くことで、繊維−繊維間の摩擦を向上し、絡合性が向上して風綿が低減するため、より好ましい。
前記鉱物油(A1)としては、マシン油、スピンドル油及び流動パラフィン等が挙げられるがこれに限定されるものではない。40℃における鉱物油の粘度はレッドウッド粘度計で40〜300秒(JISK−2283)の範囲とすることが好ましく、40〜160秒がより好ましく、60〜120秒がさらに好ましく、60〜100秒が特に好ましい。40秒未満では給油後の繊維を放置したとき放置時間と共に鉱物油が揮発する可能性があり、300秒を越えると粘度が高すぎて不織布加工時のスカム発生が増加する可能性がある。
前記1価アルコール脂肪酸エステル(A2)は、一価アルコールと脂肪酸とがエステル結合した構造を有する化合物である。
前記1価アルコール脂肪酸エステル(A2)を構成する1価アルコールとしては、特に限定はないが、1価の脂肪族アルコール等が挙げられる。1価の脂肪族アルコールの炭素数は分布があってもよい。また、飽和であっても不飽和であってもよく、直鎖状であってもよく、分岐を有していてもよい。1価の脂肪族アルコールの炭素数は、1〜30が好ましく、2〜24がより好ましく、4〜20がさらに好ましく、8〜18が特に好ましい。1価の脂肪族アルコールの炭素数が30を越えると、固体性が強くなり、繊維−繊維間の摩擦が低下するために絡合性が低下して不織布加工時の風綿が増加する可能性がある。また、乳化性も悪くなる。
前記1価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、2−エチルヘキサノール、ラウリルアルコール、ミリスチリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。
前記1価アルコール脂肪酸エステル(A2)を構成する脂肪酸としては、特に限定はなく、直鎖でも分岐でもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、炭化水素基の側鎖にヒドロキシル基を含有していてもよく、炭素数は分布があってもよい。当該脂肪酸はたとえば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、やし脂肪酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、リシノール酸、リノレン酸、リシネライジン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、セレブロン酸、ヒドロキシリグノセリン酸、サリチル酸、乳酸等があげられ、これ等を2種類以上併用してもよい。
前記多価アルコール脂肪酸エステル(A3)は、多価アルコールの水酸基の内、少なくとも1つ以上の水酸基と脂肪酸とがエステル結合した構造を有する化合物である。
前記多価アルコール脂肪酸エステル(A3)を構成する多価アルコールとしては、特に限定はないが、2〜8価のアルコール等が挙げられ、2〜6価のアルコールが好ましく、2〜4価のアルコールがより好ましい。このような多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ショ糖類等が挙げられる。さらに、グリセリンの縮合物であるジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン等のポリグリセリンも含まれる。
前記多価アルコール脂肪酸エステル(A3)を構成する脂肪酸としては、特に限定はないが、直鎖でも分岐でもよく、飽和でも不飽和でもよく、炭化水素基の側鎖にヒドロキシル基を含有していてもよく、炭素数は分布があってもよい。当該脂肪酸はたとえば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、やし脂肪酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、リシノール酸、リノレン酸、リシネライジン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、セレブロン酸、ヒドロキシリグノセリン酸、サリチル酸、乳酸等があげられ、これ等を2種類以上併用してもよい。
前記多価アルコール脂肪酸エステル(A3)としては、特に限定はされないが、例えば、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノオレエート、グリセリントリオレエートがあり、中でも、絡合性、低起泡性及びスカム抑制に優れる観点から、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレートが好ましい。
[成分(B)]
本発明の成分(B)は、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)及びポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(B2)から選ばれる少なくとも1種である。成分(B)は、成分(A)と併用することで、不織布作製工程において、絡合性、低起泡性及びスカム抑制に優れる。
前記ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)は、多価アルコール脂肪酸エステルにプロピレンオキシドやエチレンオキシドなどのアルキレンオキシドを付加した化合物である。
ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)を構成する多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ショ糖類等が挙げられる。さらに、グリセリンの縮合物であるジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン等のポリグリセリンも挙げられる。これらの中でも、不織布加工時の風綿が少ない観点から、3価以上のアルコールが好ましく、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが好ましい例として挙げることができる。
ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)を構成する脂肪酸としては、特に限定はなく、直鎖でも分岐でもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、炭化水素基の側鎖にヒドロキシル基を含有していてもよく、炭素数は分布があってもよい。当該脂肪酸はたとえば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、やし脂肪酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、リシノール酸、リノレン酸、リシネライジン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、セレブロン酸、ヒドロキシリグノセリン酸、サリチル酸、乳酸等があげられ、これ等を2種類以上併用してもよい。
前記ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)は、多価アルコールのヒドロキシル基の少なくとも1つ以上がエステル化されたエステルである。また、多価アルコール脂肪酸エステルにおいて付加されるポリオキシアルキレン基を構成するアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数2〜4のアルキレンオキシドが挙げられ、これ等の2種類以上を使用してもよい。付加されるエチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシドの付加の順序には特に限定はなく、また付加形態もブロック付加、ランダム付加及びブロック付加とランダム付加の組み合わせのいずれでもよく、特に制限はない。
不織布加工時の風綿が少なく、絡合性が向上する観点から、アルキレンオキシドの付加モル数は、多価アルコール脂肪酸エステルの1分子当り、5〜60が好ましく、10〜50がより好ましく、20〜40がさらに好ましい。60を越えると、粘着性が強くなり、不織布作製工程において、スカムが増加する可能性がある。
前記ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)としては、特に限定されないが、POE(20)ソルビタンモノステアレート、POE(20)ソルビタンモノラウレート、POE(20)ソルビタンモノパルミテート、POE(20)ソルビタンモノオレエート、POE(10)ソルビタンモノステアレート、POE(20)ソルビタントリステアレート、POE(20)ソルビタントリラウレート、POE(20)ソルビタントリパルミテート、POE(20)ソルビタントリオレエート、POE(20)グリセリンモノラウレート、POE(20)グリセリンモノステアレート、POE(20)ペンタエリスリトールジラウレート、POE(20)ペンタエリスリトールモノラウレート、POE(15)ペンタエリスリトールモノオレエート、POE(30)ひまし油エーテル、POE(100)ひまし油エーテル等があげられる。中でも、絡合性及び低起包性に特に優れる観点から、POE(20)ソルビタンモノステアレート、POE(20)ソルビタンモノラウレート、POE(20)ソルビタンモノパルミテート、POE(20)ソルビタンモノオレエート、POE(10)ソルビタンモノステアレート、POE(20)ソルビタントリステアレート、POE(20)ソルビタントリラウレート、POE(20)ソルビタントリパルミテート、POE(20)ソルビタントリオレエートが、より好ましい。
なお、POEとはポリオキシエチレンを意味し、POEの後ろの括弧内の数字はオキシエチレンの付加モル数を意味する。
本発明のポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(B2)(以後単にエステル(B2)と表すことがある)は、脂肪酸とポリアルキレングリコールとがエステル結合した構造を有するエステル化合物である。
前記エステル(B2)としては、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールジパルミテート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールジオレエート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノラウレート、ポリエチレンポリプロピレングリコールジラウレート、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノオレエート、ポリエチレンポリプロピレングリコールジオレエート等が挙げられるが、これに限定されるものではない。これらの中でも、不織布加工時の風綿が少なく、絡合性が向上する観点から、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールジオレエート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレートが好ましく、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールジオレエートがより好ましい。
前記エステル(B2)を構成するポリアルキレングリコールとしては、不織布加工時の風綿が少なく、絡合性が向上する観点から、分子量が100〜2000が好ましく、200〜1500がより好ましく、300〜1000がさらに好ましく、400〜800が最も好ましい。ポリアルキレングリコールの分子量が100未満であると不織布加工時の風綿が増加する可能性があり、2000を越えると当該処理剤の発泡が多くなると共に、固体性が強くなり、繊維−繊維間の摩擦が低下するために不織布加工時の風綿が増加する可能性がある。
[不織布製造用処理剤]
本発明の不織布製造用処理剤は、前記成分(A)及び前記成分(B)を含有し、処理剤の不揮発分に占めるアニオン界面活性剤の重量割合が15重量%未満である、不織布製造用処理剤である。
処理剤の不揮発分に占める前記成分(A)及び前記成分(B)の合計の重量割合は、50〜100重量%が好ましく、60〜99重量%がより好ましく、70〜98重量%がさらに好ましく、80〜92重量%が特に好ましい。50重量%未満では繊維−繊維間の摩擦が低下するために風綿が多くなり、絡合性が低下する可能性がある。
なお、本発明における不揮発分とは、処理剤を105℃で熱処理して溶媒等を除去し、恒量に達した時の絶乾成分をいう。
本発明の不織布製造用処理剤は、処理剤の不揮発分に占めるアニオン界面活性剤の重量割合が、15重量%未満であり、8重量%未満が好ましく、5重量%未満がより好ましく、2重量%未満がさらに好ましく、1重量%未満が特に好ましい。15重量%以上であると、絡合性が劣ると共に低起泡性が達成されない。アニオン界面活性剤の量が少ない程、絡合性、スカム抑制及び低起泡性が同時に向上する。アニオン界面活性剤が少ない程スカム抑制に優れる理由は、アニオン界面活性剤が共存する微量のカルシウムやマグネシウムと塩置換することで、他の油剤成分との相溶性が低下してスカムとなりやすいためと推定している。
前記アニオン界面活性剤には、油脂の硫酸化エステル、サルフェート系アニオン界面活性剤、リン酸エステル系アニオン界面活性剤、スルホン酸系アニオン界面活性剤等が含まれる。
中でも、油脂の硫酸化エステル、サルフェート系アニオン界面活性剤の重量割合が多いと、繊維−繊維間摩擦が低いために絡合性に劣り、起泡し易いために低起泡性に劣ることから、油脂の硫酸エステル、油脂の硫酸エステルのアミン塩、油脂の硫酸エステルのアルカリ金属塩、サルフェート系アニオン界面活性剤の重量割合は少ない方が好ましい。
本発明の不織布製造用処理剤は、前記成分(B)が、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)を含むと、絡合性及び低起包性に優れる観点から好ましい。ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)が、ポリオキシアルキレンソルビタンモノアルキレートであると、絡合性及び低起包性に特に優れる観点から、より好ましい。
本発明の不織布製造用処理剤は、前記成分(A)が、鉱物油(A1)及び多価アルコール脂肪酸エステル(A3)を含むと、絡合性及び低起包性に優れる観点から好ましい。
本発明の不織布製造用処理剤は、前記鉱物油(A1)、多価アルコール脂肪酸エステル(A3)及びポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)を含むと、絡合性、スカム抑制及び低起包性に優れる観点から、好ましい。本発明は、制電性良好なアニオン界面活性剤が少ないことが特徴の一つであり、前記鉱物油(A1)、多価アルコール脂肪酸エステル(A3)及びポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)の組み合わせが、制電性、絡合性、スカム抑制及び低起包性の全てを充足するために適しているのである。
本発明の不織布製造用処理剤が前記鉱物油(A1)、多価アルコール脂肪酸エステル(A3)及びポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)を含む場合、制電性、絡合性、スカム抑制及び低起包性の全てを充足する観点から、処理剤の不揮発分に占める前記鉱物油(A1)の重量割合は、2〜50重量%が好ましく、5〜40重量%がより好ましく、10〜35重量%がさらに好ましい。
本発明の不織布製造用処理剤が前記鉱物油(A1)、前記多価アルコール脂肪酸エステル(A3)及び前記ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)を含む場合、制電性、絡合性、スカム抑制及び低起包性の全てを充足する観点から、処理剤の不揮発分に占める前記多価アルコール脂肪酸エステル(A3)の重量割合は、2〜50重量%が好ましく、5〜40重量%がより好ましく、10〜35重量%がさらに好ましい。
本発明の不織布製造用処理剤が前記鉱物油(A1)、前記多価アルコール脂肪酸エステル(A3)及び前記ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)を含む場合、制電性、絡合性、スカム抑制及び低起包性の全てを充足する観点から、処理剤の不揮発分に占める前記ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)の重量割合は、40〜95重量%が好ましく、45〜85重量%がより好ましく、50〜80重量%がさらに好ましい。
[その他の成分]
本発明の不織布製造用処理剤は、必要に応じて水および/または溶剤を含有していてもよく、水を必須に含有することが好ましい。本発明に使用する水としては、純水、蒸留水、精製水、軟水、イオン交換水、水道水等のいずれであってもよい。
本発明の不織布製造用処理剤には、更に所望によりN−トリアルキルグリシンやN−トリアルキルスルフォベタインなどの乳化剤、カルナバワックス等の潤滑剤等を添加してもよい。また、必要があれば適切な防腐剤、防錆剤、消泡剤を添加してもよい。
本発明の不織布製造用処理剤の製造方法としては、特に限定なく、公知の方法を採用できる。処理剤は、通常、構成する前記の各成分を任意の順番で添加混合することによって製造される。
[短繊維]
本発明の短繊維は、原料短繊維本体とこれに付着した上記不織布製造用処理剤とから構成される繊維をいい、一般的には所定の長さに切断した短繊維である。
不織布製造用処理剤の付与量は、原料短繊維に対して、0.05〜2.0重量%が好ましく、0.06〜1.5重量%がより好ましく、0.07〜1.0重量%がさらに好ましく、0.08〜0.7重量%が特に好ましい。0.05%未満では、静電気防止性が不足する可能性があり、2.0重量%超では、脱落によるスカムが増加する可能性がある。
本発明の短繊維の繊維長は、不織布加工態様により次のように異なる。
スパンレース法及びニードルパンチ法による不織布製造に供する短繊維の場合は、2〜100mmが好ましく、10〜64mmがより好ましく、20〜60mmがさらに好ましく、31〜55mmが特に好ましい。繊維長が2mm未満及び100mm超であると、絡合性が低下する可能性がある。
エアレイド法及び抄紙法による不織布製造に供する短繊維の場合は、1〜40mmが好ましく、2〜20mmがより好ましく、3〜15mmがさらに好ましく、3〜10mmが特に好ましい。繊維長が40mm以下だと均一分散が達成され易く、さらに不織布の地合が良好になりやすい。繊維長が1mm以上だと、不織布に加工したときの不織布強力が良好である。
本発明の短繊維の太さは、一般にデシテックス(以後、dtexで表現する)という単位で表されるが、0.7〜4.0dtexが好ましく、0.8〜3.0dtexがより好ましく、0.9〜2.0dtexがさらに好ましく、1.0〜1.5dtexが特に好ましい。0.7dtex未満では、カード通過性が低下する可能性がある。4.0dtex超では、絡合性が低下する可能性がある。
本発明の不織布製造用処理剤は、そのまま希釈等せずに原料短繊維本体に付着させてもよく、水等で不揮発分全体の重量割合が0.2〜15重量%となる濃度に希釈してエマルションとして原料短繊維本体に付着させてもよい。不織布製造用処理剤を原料短繊維本体へ付着させる工程及び本発明の不織布製造用処理剤を原料短繊維本体に付着させる手段は、原料短繊維の種類によって異なる。
ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維の場合には、不織布製造用処理剤を原料短繊維本体へ付着させる工程は、原料短繊維本体の紡糸工程、延伸工程、捲縮工程、切断工程手前等のいずれであってもよく、付着させる手段は、ローラー給油、ノズルスプレー給油、ディップ給油等のいずれであってもよい。
レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維等の再生繊維の場合には、不織布製造用処理剤を原料短繊維本体へ付着させる工程は繊維の切断工程後であり、付着させる手段は、均一に付着し、処理剤の性能が発揮され易い観点から、ディップ−ニップ給油が好ましい。
以上に限定されず、短繊維の製造工程やその特性に合わせ、より均一に効率よく目的の付着率が得られる方法を採用すればよい。また、乾燥の方法としては、熱風および赤外線により乾燥させる方法、熱源に接触させて乾燥させる方法等を用いてよい。
本発明の原料短繊維としては、木綿繊維、晒し処理された木綿繊維等の天然繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維等の再生繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、2種類以上の熱可塑性樹脂からなる複合繊維等の合成繊維が挙げられる。ポリアミド繊維としては、6−ナイロン繊維、6,6−ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維等が挙げられる。
これらの中でも、レーヨン繊維は繊維表面が皺のある凸凹型を有することにより、絡合性が不足し易いため、本願発明の不織布製造用処理剤の効果が発揮され易い観点から、本願発明の不織布製造用処理剤は、レーヨン繊維用であると好ましく、本願発明の短繊維はレーヨン短繊維であると好ましく、本願発明の不織布は、レーヨン短繊維を含むものが好ましい。
又、原料繊維がポリオレフィン繊維及びポリエステル繊維であれば、繊維が撥水性であるためにスパンレース法による不織布製造時により高い水圧が必要であり、起泡性低減がさらに必要との観点から、原料繊維がポリオレフィン繊維及びポリエステル繊維であることが、好ましい。
上記レーヨン繊維としては、ビスコースレーヨン繊維、強力レーヨン繊維、高強力レーヨン繊維、高湿潤弾性レーヨン繊維、溶剤紡糸レーヨン繊維、ポリノジック繊維等が挙げられる。
複合繊維の組み合わせとしては、ポリオレフィン系樹脂/ポリオレフィン系樹脂の場合、例えば、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、直鎖状高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレンと他のα−オレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ポリプロピレン、直鎖状高密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン等が挙げられる。また、ポリオレフィン系樹脂/ポリエステル系樹脂の場合、例えば、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、直鎖状高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。また、ポリエステル系樹脂/ポリエステル系樹脂の場合、例えば、共重合ポリエステル/ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。さらにポリアミド系樹脂/ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂/ポリアミド系樹脂等からなる繊維も挙げられる。
これらの中でも、原料繊維が撥水性であるためにスパンレース法による不織布製造時により高い水圧が必要であり、起泡性低減がさらに必要との観点から、ポリオレフィン系樹脂/ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂/ポリエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂/ポリエステル系樹脂がさらに好ましい。
後述するエアレイド法又は抄紙法による不織布製造工程に本発明の短繊維を供する場合には、原料繊維が熱融着繊維を含むと、熱融着繊維以外の繊維と混合した後、熱融着することで不織布となるため、好ましい。
前記熱融着繊維としては、不織布製造工程において溶融・融着が可能な熱可塑性繊維であればよく、低融点ポリエステル、低融点ビニロン、低融点ナイロンなどの単体繊維、あるいは芯がポリエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエステルで、鞘がポリエステル、エチレン・酢酸ビニル共重合体のような所謂芯−鞘型の複合繊維などを単独で用いてもよいし、あるいはこれらの二種以上を併用してもよい。
[不織布及び不織布の製造方法]
背景技術で既述したとおり、不織布加工態様は、多様化しており、スパンレース法、ニードルパンチ法、ケミカルボンド法、抄紙法及びエアレイド法がある。
本発明の不織布は、以下に記載する方法で作製した不織布である。
(スパンレース法)
スパンレース法の場合には、本発明の短繊維を開繊工程にて開繊し、2以上の種類の短繊維を使用する場合には混綿し、不織布加工機によるカーディングにて繊維ウェブを作製する。
繊維ウェブを作製するには、繊維を不織布加工機に供給し、不織布加工機から排出されるフリースを適宜積層すればよい。不織布加工機としては、フリース中の繊維がほぼ一方向に配列するパラレル不織布加工機、フリース中の繊維が無配向となるランダム不織布加工機、前二者の中間程度の配向となるセミランダム不織布加工機、従来綿繊維の開繊に最も一般的に使用されているフラット不織布加工機等を使用することができる。不織布加工機から排出されたフリースを、そのまま多数枚重ねて、一方向に繊維が配列したウェブまたは繊維が無配向となっている繊維ウェブとしてもよい。また、一方向に繊維が配列したフリースを、各フリースの繊維が直交する状態で多数枚重ねて、縦・横均一な繊維ウェブとしてもよい。本発明においては、縦・横の引張強度が同等である方が好ましいので、繊維ウェブとしても、繊維が無配向となっている繊維ウェブまたは各フリース間の繊維が直交している繊維ウェブを採用することが好ましい。
不織布加工機によるカーディング工程は、繊維束状となったスライバーではなく、繊維ウェブを作製する点で、紡績時のカーディング工程と異なる。そのため、不織布加工機によるカーディング工程では、紡績時のカーディング工程では見られなかった風綿が発生し易い。係る理由から、本願発明の不織布製造用処理剤は、紡績用処理剤と異なり、絡合性の要求度が極めて高い。
次に、スパンレース処理が繊維ウェブに施される。スパンレース処理は、繊維ウェブに高圧水流を衝突させるという絡合処理手段である。この手段によって、高圧水流のエネルギーが、繊維ウェブ中の繊維に与えられ、繊維はこのエネルギーによって運動させられ、その結果、繊維相互間に三次元的絡合が発現してくるのである。高圧水流は、例えば、孔径が0.05〜2.0mm程度、特に0.1〜0.4mmの噴射孔から、噴射圧力5〜150kg/cm・G程度で、水または温水等の液体を噴出させれば、容易に得ることができる。スパンレース処理は、一般的に、この噴射孔が0.3〜10mm間隔で一列または複数列に多数配列した装置を、繊維ウェブの進行方向と噴射孔の列とが直交するように配置し、進行する繊維ウェブ上に、高圧水流を衝突させることによって行われる。噴射孔と繊維ウェブ間との距離は、1〜15cm程度が好ましい。この距離が1cm未満であると、繊維ウェブに高圧水流が衝突したときのエネルギーが大きすぎて、得られる不織布の地合が乱れるおそれがある。一方、15cmを超えると、繊維ウェブに高圧水流が衝突したときのエネルギーが小さくなって、繊維に十分な運動エネルギーを与えることができず、三次元的絡合が不十分になる傾向が生じる。
繊維ウェブにスパンレース処理を施す際、繊維ウェブは、通常、支持体に担持されている。すなわち、スパンレース処理が施される側とは、反対面に支持体が置かれている。この支持体は、繊維ウェブに施された高圧水流を良好に通過させるものであれば、どのようなものでも使用でき、例えばメッシュスクリーンや有孔板等が採用される。一般的には、金網等のメッシュスクリーンが採用され、また孔の大きさは、20〜100メッシュ程度であるのが好ましい。
繊維ウェブにスパンレース処理を施した後、繊維ウェブには液体流として使用した水や温水等の液体が含浸された状態になっており、この液体を従来公知の方法で除去して、不織布が得られるのである。ここで、液体を除去する方法としては、まず、マングルロール等の絞り装置を用いて、過剰の液体を機械的に除去し、引き続き連続熱風乾燥機等の乾燥装置を用いて、残余の液体を除去する方法等が用いられる。以上のようにして得られた不織布は、繊維相互間の三次元的絡合が十分になされており、おしぼりや手拭き等の素材として使用するのに十分な引張強度を持つものである。
(ニードルパンチ法)
繊維ウェブを作製する方法は、スパンレース法と同様である。
ニードルパンチ法による不織布製造方法は、一般的には繊維束に対して垂直な方向に棘を持った針が上下運動して、針の先端あるいは、棘に引っかかった繊維束が押し込められて立体的な絡み合いを生じさせることにより不織布を製造する工程(ニードルパンチ工程ということもある)を含む。ニードルパンチの回数、密度、針の形を最適化して、所望の結束力を得ることができる。
繊維ウェブをニードルパンチ法により不織布を製造するに際し、積層ウェブまたは不織布の少なくとも両端部を固定し、繊維移動を惹起しない状態にすることもできる。
(抄紙法)
抄紙法による不織布製造方法は、本発明の処理剤が処理された短繊維を水中に分散させて抄紙する工程(抄紙工程ということもある)を含むものである。該短繊維は、抄紙工程において、撹拌・分散時、繊維同士が絡みにくく、速やかに沈降して単繊維に分散し、安定分散性も良好である。
抄紙工程としては、常法の湿式抄紙工程を採用できる。湿式抄紙工程としては、上記工程で本発明の処理剤が処理された短繊維をパルパーに投入して水中で撹拌・分散し、懸濁させる。この時、水に低シェアで分散され、起泡が抑制されるので、繊維が均一に分散することで、地合いの良好な抄紙を得ることができる。次に、抄き網に供給し、湿紙とする。そして、湿紙を乾燥させる乾燥工程を経て、ロール状に巻取り、湿式抄紙不織布を得る。抄き網は円網、短網が一般的であるが、長網、ロトフォーマー、ハイドロフォーマー、パーチフォーマーなどでも構わない。乾燥工程は複数の回転加熱ローラー式(多筒式)あるいはヤンキードラム式のいずれでも構わない。
また、本発明の抄紙不織布の製造方法は、抄紙工程で、原料短繊維を本発明の処理剤を含む水中に分散させて抄紙してもよい。
(エアレイド法)
エアレイド法による不織布製造方法は、本発明の短繊維を篩、またはスクリーンを通して該短繊維が均一分散した繊維ウェブとなるよう降り積もらせる工程(エアレイド工程ということもある)を含むものである。
本発明の短繊維が、上記熱融着性繊維を含む場合、例えば、レーヨン繊維、パルプ繊維及び熱融着繊維からなる場合には、前記エアレイド工程により繊維ウェブを得た後、加熱による熱融着又は熱接着により不織布を製造する工程が好ましい。
又、本発明の短繊維が熱融着性繊維を含まない場合、例えば、レーヨン繊維単独である場合には、前記エアレイド工程により繊維ウェブを得た後、エマルションバインダーを付与し、繊維同士の交点を結合させて不織布を製造する工程が好ましい。
前記エマルションバインダーとしては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリアクリレート等が用いられる。
エアレイド法に用いられるウェブ製造装置としては、例えば、前後、左右、上下、水平円状等のいずれかに振動し短繊維をふるいの目から分散落下させる箱形篩いタイプの装置が使用できる。また、ネット状の金属多孔板が円筒状に成形され、且つその側面に繊維の投入口を有し、繊維をそのふるいの目から分散・落下させるネット状円筒型タイプの装置も使用できる。
エアレイド法で製造されたマット状の繊維ウェブにおいては、繊維は全方向に均一分散しているので、かさ高の繊維集合体となるし、繊維が均一分散されているので、強度の高い不織布が得られる。
(繊維ウェブの重量(目付))
スパンレース法の場合、繊維ウェブの重量(目付)は、10〜150g/m程度であるのが好ましい。目付が10g/m未満であると、繊維密度が小さくなって、三次元的絡合が不十分になる傾向が生じる。一方、目付が150g/mを超える場合も、単位面積当りの繊維量が多すぎて、三次元的絡合が不十分になる傾向が生じる。
ニードルパンチ法の場合、繊維ウェブの重量(目付)は、20〜1300g/m程度と幅広く用途により選択できるが、20〜500g/mが好ましく、30〜400g/mがより好ましい。目付が20g/m未満及び1300g/m超であると、不織布の地合いが低下することがある。
エアレイド法の場合、繊維ウェブの重量(目付)は、10〜150g/m程度であるのが好ましい。目付が10g/m未満又は150g/mを超える場合も、単位面積当りの繊維量が適正でないことにより、不織布の厚さが不均一となる可能性がある。
本発明の不織布は、スパンレース法及び抄紙法による不織布製造工程で起泡が少ないという特徴があるため、不織布上の泡により、繊維が乱れて目付けが不均一になることがなく、高品質である。又、スパンレース法の高圧水流を循環水にて行なう場合にも、スカム発生によるフィルターやノズル詰まり等の弊害がないため、不織布の生産性を向上させることができる。
本発明の不織布は、スパンレース法及びニードルパンチ法による不織布製造工程で、絡合性に優れることにより風綿が少ないため、ウェブが均一となることにより、高品質である。
本発明の不織布は、エアレイド法による不織布製造工程で、スカム抑制に優れることにより、ウェブが均一となることにより、高品質である。
本発明の不織布の用途としては、各種不織布製造方法により次のように適した用途がある。
スパンレース法による不織布製造方法で得られた不織布は、製造工程でスパンレース処理をしていることにより、不織布製造用処理剤の残存量が少ない観点と、繊維間空隙が大きく、柔軟性に優れるという観点とから、直接、肌に触れる用途や拭き布として好適に用いられている。マスク、空気フィルター、水、コーヒーならびにティーバッグ、液体カートリッジならびにバッグフィルター、真空バッグ、アレルゲン膜、幼児用おむつ、女性用衛生ナプキン、成人失禁用製品、個人用衛生ふき取り繊維、包帯、外傷用包帯、空気フィルター、液体フィルター、家庭用ふき取り繊維、店舗用タオル、電池セパレーター、真空洗浄剤バッグ、化粧品パッド、食品パッケージ、衣類、衣服、医療用の衣類、および使い捨て下着等が挙げられる。
エアレイド法による不織布製造方法で得られた不織布は、かさ高の繊維集合体となるし、繊維が均一分散されているので、強度の高い不織布が得られるため、化粧用パフ、衛材用、皮膚清浄用シート、ワイパー用、食品ドリップ吸収シート、キッチンペーパー、各種包装材、緩衝材、吸着性シート、吸音材、エアフィルターなどに有用である。
抄紙法による不織布製造方法で得られた不織布は、地合いが均一でかつ優れた柔軟性を有しているので、衛生材料用または医療材料用または家庭用品用に有用である。具体的には、肌当て用基材、マスク、貼付剤用基材、化粧落とし用基材、衣料用芯地、ワイパー、合皮用基材などに有用である。
化粧用パフ、化粧落とし用基材、皮膚清浄用シート、貼付剤用基材、マスク、キッチンペーパー、食品ドリップ吸収シート等の人体に関わる不織布を製造するために使用する本願発明の不織布製造用処理剤は、人体への安全性の観点から、前記鉱物油(A1)、前記多価アルコール脂肪酸エステル(A3)及び前記ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)からなると好ましい。
ニードルパンチ法による不織布製造方法で得られた不織布は、バルク性に富み、繊維間のはく離がないという特徴がある。そのため、建築物、車両等の内装材、乗用車用の座席、事務用あるいは家庭用等の椅子、地盤用シートおよび農業用不織布等幅広く使用することができる。
ケミカルボンド法による不織布製造方法で得られた不織布は、柔軟性とドレープ性に富むため、芯地、コーティング用基材、カーペット基材、工業資材などに使用することができる。
以下に本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、各実施例、比較例における評価項目と評価方法は以下の通りである。又、各実施例、比較例における処理剤の明細と評価結果を表1〜表3にまとめて示す。処理剤の明細中、配合比率はいずれも重量%を表す。
(実施例1〜15及び比較例1〜9)
下記(A1−1〜Y2)の各成分を用い、表1〜3に記載の比率で混合を行い、撹拌して、各実施例・比較例の不織布製造用処理剤の不揮発分を調製し、イオン交換水で希釈して、0.5%濃度のエマルションを得た。ただし、実施例4〜7、9〜11、14及び15は、それぞれ、参考例4〜7、9〜11、14及び15とする。
A1−1 鉱物油(粘度30秒)
A1−2 鉱物油(粘度80秒)
A1−3 鉱物油(粘度500秒)
A2−1 イソオクチルパルミテート
A3−1 ソルビタントリステアレート
A3−2 ソルビタンモノステアレート
A3−3 グリセリンモノオレエート
B1−1 ポリオキシエチレン(付加モル数:30)ひまし油エーテル
B1−2 ポリオキシエチレン(付加モル数:100)ひまし油エーテル
B1−3 ポリオキシエチレン(付加モル数:20)ソルビタントリステアレート
B1−4 ポリオキシエチレン(付加モル数:20)ソルビタンモノステアレート
B1−5 ポリオキシエチレン(付加モル数:20)ソルビタンモノオレエート
B1−6 ポリオキシエチレン(付加モル数:50)ソルビタンモノステアレート
B2−1 ポリエチレングリコール(分子量:100)モノオレエート
B2−2 ポリエチレングリコール(分子量:400)モノオレエート
B2−3 ポリエチレングリコール(分子量:400)モノラウレート
B2−4 ポリエチレングリコール(分子量:1540)モノステアレート
X−1 牛脂硫酸エステルのナトリウム塩(アニオン界面活性剤)
X−2 POEオレイルエーテルサルフェートナトリウム塩(アニオン界面活性剤)
X−3 ラウリルホスフェートカリウム塩(アニオン界面活性剤)
X−4 ラウリルスルホネートナトリウム塩(アニオン界面活性剤)
X−5 ひまし油サルフェートナトリウム塩(アニオン界面活性剤)
Y−1 ポリオキシエチレン(8モル)ドデシルエーテル
Y−2 牛脂
なお、POEとはポリオキシエチレンを意味する。
[試料綿の作製]
次に、予め脱脂しておき、処理剤が付着していない1.7dtex×44mmの原料レーヨン短繊維(ブライト)を用い、原料短繊維に対する処理剤の不揮発分の付着量が0.2重量%になるように、前記処理剤のエマルションを給油し、当該原綿を80℃、2時間で乾燥した。得られた処理剤付与綿を下記の各評価に供した。
[低起泡性]
処理剤付与綿30gを500mlのビーカーに入れ、その上に常温のイオン交換水300gを注ぎ入れ、ラップで蓋をして4時間放置後、イオン交換水に浸漬した処理剤付与綿から別の300mlビーカーに浸漬液200mlを搾り出した。次に、その搾り液30mlを100m1の栓付きメスシリンダーに入れて、10回強振した後、その5分後の泡の高さを測定した。泡の高さが1.0cm未満で低起泡性が良好であると判断した。
低起泡性の判断の指標(泡の高さ(cm))
◎(非常に良好):泡の高さが0.5cm未満。
○(良好) :泡の高さが0.5cm以上1.0cm未満。
△(不良) :泡の高さが1.0cm以上2.0cm未満。
×(非常に不良):泡の高さが2.0cm以上。
[スカム抑制評価]
処理剤付与綿3kgを大和機工社製ミニチュアローラーカード機で処理し、ケーシング内側に付着したスカムを下記の4段階で目視判定し、◎〜○であればスカム抑制効果が良好であると判断した。
スカムの目視判定の指標
◎(非常に良好):ケーシングの内側の2割未満の範囲にスカムが付着。
○(良好) :ケーシングの内側の2割以上5割未満の範囲にスカムが付着。
△(不良) :ケーシングの内側の5割以上8割未満の範囲にスカムが付着。
×(非常に不良):ケーシングの内側の8割以上の範囲にスカムが付着。
[絡合性(風綿)評価]
処理剤付与綿3kgを大和機工社製ミニチュアローラーカード機で処理し、飛散した風綿をニューマーで吸引して集積し、その重量が30g未満であれば絡合性(風綿)が良好であると判断した。
絡合性(風綿)の判断の指標
◎(非常に良好):風綿の重量が10g未満
○(良好) :風綿の重量が10g以上30g未満
△(不良) :風綿の重量が30g以上60g未満
×(非常に不良):風綿の重量が60g以上
[不織布の地合評価]
(スパンレース法)
処理剤付与綿40gをそれぞれ大和機工社製開繊機(型式OP−400)により開繊処理を施した。次いで、開繊処理された処理剤付与綿をランダム不織布加工機に供給し、排出されたフリースを積層して、目付100g/mの繊維ウェブを得た。この繊維ウェブを、金属製ネットよりなる支持体上に配置し、噴射圧力15kg/cm・Gで第一段階のスパンレース処理を施し、綿繊維相互間を予備的に三次元絡合させた。引き続き、噴射圧力100kg/cm・Gで第二段階のスパンレース処理を施し、乾燥して不織布をそれぞれ得た。得られたスパンレース法による不織布の地合を目視判定にて評価した。
不織布の地合の判断の指標
◎:不織布の地合の乱れがなく、見た目が非常に良好である。
○:不織布の地合の乱れが少なく、見た目が良好である。
△:不織布の地合に若干の乱れが見られる。
×:不織布の地合に乱れが見られる。
(抄紙法)
予め脱脂しておき、処理剤が付着していない1.7dtex×5mmの原料レーヨン短繊維(ブライト)を用い、原料短繊維に対する処理剤の不揮発分の付着量が0.2重量%になるように、前記処理剤のエマルションを給油し、当該原綿を80℃、2時間で乾燥した。1000mlビーカーにイオン交換水500gを採取し、その中に得られた処理剤付与綿1gを入れ、プロペラ撹拌機(回転数1000rpm)で10分間攪拌する。その後、No.5Aのろ紙を用いてヌッチェでろ過し、脱水後に風乾して得た抄紙の地合を目視により以下の評価基準で評価した。
不織布の地合の判断の指標
◎:不織布の地合の乱れがなく、見た目が非常に良好である。
○:不織布の地合の乱れが少なく、見た目が良好である。
△:不織布の地合に若干の乱れが見られる。
×:不織布の地合に乱れが見られる。
(エアレイド法)
Dan−Webforming社のフォーミングドラムユニット(600mm幅、フォーミングドラムの孔形状2.4mm×20mmの長方形、開孔率40%)を用いてドラム回転数200rpm、ニードルロール回転数900rpm、ウェブ搬送速度30m/分の条件で、上記抄紙法で用いた処理綿3kgを通し、エアレイドウェブを採取した。アクリル系エマルジョンバインダー(固形分10%)8重量%(ウェブ重量対比)をスプレー塗布し、更に160℃の熱風で加熱して不織布を作製した。不織布の地合を目視により以下の評価基準で評価した。
不織布の地合の判断の指標
◎:不織布の地合の乱れがなく、見た目が非常に良好である。
○:不織布の地合の乱れが少なく、見た目が良好である。
△:不織布の地合に若干の乱れが見られる。
×:不織布の地合に乱れが見られる。
Figure 0006720083
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表1〜3から分かるように、実施例1〜15の不織布製造用処理剤は、成分(A)及び成分(B)を含み、前記成分(A)が、鉱物油(A1)、1価アルコール脂肪酸エステル(A2)及び多価アルコール脂肪酸エステル(A3)から選ばれる少なくとも1種であり、前記成分(B)が、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)及びポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(B2)から選ばれる少なくとも1種であり、処理剤の不揮発分に占めるアニオン界面活性剤の重量割合が15重量%未満であるために、不織布製造用処理剤を付与した短繊維は、絡合性及びスカム抑制に優れ且つ起泡が少ない。エアレイド法による不織布の地合はスカム抑制と相関し、スパンレース法による不織布の地合は絡合性及び低起泡性と相関し、抄紙法による不織布の地合は低起泡性と相関している。
一方、比較例1〜9において、前記成分(A)がない場合(比較例1、7及び9)、前記成分(B)がない場合(比較例2及び8)、処理剤の不揮発分に占めるアニオン界面活性剤の重量割合が15重量%以上である場合(比較例3〜7)には、本願課題の内のすくなくとも1つが解決できていない。比較例2は、エマルションの溶解性が劣り、繊維への均一付着が劣っていたために、抄紙法で製造される不織布の地合いが劣っていたものと推定する。
本発明の不織布製造用処理剤は、絡合性及びスカム抑制に優れ且つ起泡の少ないため、該処理剤が付与された短繊維は、スパンレース法、エアレイド法、ニードルパンチ法、ケミカルボンド法及び抄紙法等の不織布加工態様の多様化及び不織布加工速度の高速化に対応することができる。

Claims (6)

  1. 不織布製造用処理剤であって、
    成分(A)及び成分(B)を含み、
    前記成分(A)が、鉱物油(A1)、1価アルコール脂肪酸エステル(A2)及び多価アルコール脂肪酸エステル(A3)から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記成分(A)が、前記鉱物油(A1)及び前記多価アルコール脂肪酸エステル(A3)を含み、
    前記成分(B)が、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)及びポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(B2)から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記成分(B)が、前記ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)を含み、
    処理剤の不揮発分に占める、前記鉱物油(A1)の重量割合が2〜50重量%、前記多価アルコール脂肪酸エステル(A3)の重量割合が2〜50重量%、前記ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)の重量割合が40〜95重量%であり、
    処理剤の不揮発分に占めるアニオン界面活性剤の重量割合が重量%未満である、
    不織布製造用処理剤。
  2. 処理剤の不揮発分に占める前記アニオン界面活性剤の重量割合が重量%未満である、請求項1に記載の不織布製造用処理剤。
  3. 前記ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)が、ポリオキシアルキレンソルビタンモノアルキレートである、請求項1又は2に記載の不織布製造用処理剤。
  4. 原料短繊維に対して、請求項1〜のいずれかに記載の不織布製造用処理剤を付与してなる、短繊維。
  5. 請求項に記載の短繊維を含有する、不織布。
  6. 請求項に記載の短繊維を集積させて繊維ウェブを作製し、該繊維ウェブをスパンレース法で処理する工程を含む、不織布の製造方法。
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