以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第一実施形態]
まず、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を説明する。図1に示すように、画像形成装置1は、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの各色を用いてカラー画像を形成する装置である。画像形成装置1は、用紙Pを搬送する搬送装置10と、静電潜像を現像する現像装置20と、トナー像を用紙Pに二次転写する転写装置30と、周面に画像が形成される静電潜像担持体(像担持体)である感光体ドラム40と、トナー像を用紙Pに定着させる定着装置50と、用紙Pを排出する排出装置60と、用紙Pを後処理する後処理装置70と、用紙Pに穿孔穴を穿孔する穿孔装置100と、を備える。
搬送装置10は、画像が形成される媒体(記録媒体)としての用紙Pを搬送経路R1上で搬送する。用紙Pは、カセットKに積層されて収容され、給紙ローラ11によりピックアップされて搬送される。搬送装置10は、用紙Pに転写されるトナー像が転写ニップ領域R2に到達するタイミングで、搬送経路R1を介して転写ニップ領域R2に用紙Pを到達させる。
現像装置20は、色ごとに4個設けられている。各現像装置20は、トナーを感光体ドラム40に担持させる現像ローラ21を備えている。現像装置20では、トナーとキャリアを所望の混合比になるように調整し、さらに混合撹拌してトナーを均一に分散させ最適な帯電量を付与した現像剤が調整される。この現像剤を現像ローラ21に担持させる。そして、現像ローラ21の回転により現像剤が感光体ドラム40と対向する領域まで搬送されると、現像ローラ21に担持された現像剤のうちのトナーが感光体ドラム40の周面上に形成された静電潜像に移動し、静電潜像が現像される。
転写装置30は、現像装置20で形成されたトナー像を用紙Pに二次転写する転写ニップ領域R2に搬送する。転写装置30は、感光体ドラム40からトナー像が一次転写される転写ベルト31と、転写ベルト31を懸架する懸架ローラ34,35,36、37と、感光体ドラム40と共に転写ベルト31を挟持する一次転写ローラ32と、懸架ローラ37と共に転写ベルト31を挟持する二次転写ローラ33と、を備えている。
転写ベルト31は、懸架ローラ34,35,36、37により循環移動する無端状のベルトである。懸架ローラ34,35,36、37は、それぞれの中心軸線周りに回転可能なローラである。懸架ローラ37は、中心軸線周りに回転駆動する駆動ローラであり、懸架ローラ34,35,36は、懸架ローラ37の回転駆動により従動回転する従動ローラである。一次転写ローラ32は、転写ベルト31の内周側から感光体ドラム40を押圧するように設けられる。二次転写ローラ33は、転写ベルト31を挟んで懸架ローラ37と平行に配置されて、転写ベルト31の外周側から懸架ローラ37を押圧するように設けられる。これにより、二次転写ローラ33は、転写ベルト31との間に転写ニップ領域R2を形成する。
感光体ドラム40は、色ごとに4個設けられている。各感光体ドラム40は、転写ベルト31の移動方向に沿って設けられている。感光体ドラム40の周上には、現像装置20と、帯電ローラ41と、露光ユニット42と、クリーニングユニット43と、が設けられている。
帯電ローラ41は、感光体ドラム40の表面を所定の電位に均一に帯電させる帯電手段である。帯電ローラ41は、感光体ドラム40の回転に追従して動く。露光ユニット42は、帯電ローラ41によって帯電した感光体ドラム40の表面を、用紙Pに形成する画像に応じて露光する。これにより、感光体ドラム40の表面のうち露光ユニット42により露光された部分の電位が変化し、静電潜像が形成される。4個の現像装置20は、それぞれの現像装置20に対向して設けられたトナータンクNから供給されたトナーによって感光体ドラム40に形成された静電潜像を現像し、トナー像を生成する。各トナータンクN内には、それぞれ、マゼンタ、イエロー、シアン及びブラックのトナーが充填されている。クリーニングユニット43は、感光体ドラム40上に形成されたトナー像が転写ベルト31に一次転写された後に感光体ドラム40上に残存するトナーを回収する。
定着装置50は、加熱及び加圧する定着ニップ部に用紙を通過させることで、転写ベルト31から用紙Pに二次転写されたトナー像を用紙Pに付着させ、定着させる。定着装置50は、用紙Pを加熱する加熱ローラ52(加熱回転体)と、加熱ローラ52を押圧して回転駆動する加圧ローラ54(加圧回転体)と、を備えている。加熱ローラ52及び加圧ローラ54は円筒状に形成されており、加熱ローラ52は内部にハロゲンランプ等の熱源を備えている。加熱ローラ52と加圧ローラ54との間には接触領域である定着ニップ部が設けられ、定着ニップ部に用紙Pを通過させることにより、トナー像を用紙Pに溶融定着させる。
排出装置60は、定着装置50によりトナー像が定着された用紙Pを装置外部へ排出するための排出ローラ62,64を備えている。
後処理装置70は、後処理装置70は、排出装置60に連結されて、排出装置60から排出された用紙Pに後処理加工を施す。この用紙Pは、トナー像が定着された用紙である。後処理としては、例えば、用紙Pを折り曲げたり、複数の用紙Pをステイプルしたりする処理が挙げられる。後処理装置70は、用紙Pに後処理加工を施したのち、用紙Pを排出する。
穿孔装置100は、後処理装置70の搬送経路上に配置されており、後処理装置70内で搬送される用紙Pに穿孔穴を穿孔する。なお、穿孔装置100の詳細は後述する。
続いて、画像形成装置1による印刷工程について説明する。画像形成装置1に被記録画像の画像信号が入力されると、画像形成装置1の制御部は、給紙ローラ11を回転させて、カセットKに積層された用紙Pをピックアップして搬送する。そして、受信した画像信号に基づいて、帯電ローラ41により感光体ドラム40の表面を所定の電位に均一に帯電させる(帯電工程)。その後、露光ユニット42により感光体ドラム40の表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する(露光工程)。
現像装置20では、静電潜像が現像されてトナー像が形成される(現像工程)。こうして形成されたトナー像は、感光体ドラム40と転写ベルト31とが対向する領域において、感光体ドラム40から転写ベルト31へ一次転写される(転写工程)。転写ベルト31には、4個の感光体ドラム40上に形成されたトナー像が順次積層されて、1つの積層トナー像が形成される。そして、積層トナー像は、懸架ローラ37と二次転写ローラ33とが対向する転写ニップ領域R2において、搬送装置10から搬送された用紙Pに二次転写される。
積層トナー像が二次転写された用紙Pは、定着装置50へ搬送される。そして、定着装置50は、用紙Pが定着ニップ部を通過する際に、用紙Pを加熱ローラ52と加圧ローラ54との間で加熱及び加圧することにより、積層トナー像を用紙Pへ溶融定着させる(定着工程)。用紙Pは、排出ローラ62及び64によって画像形成装置1本体から排出される。なお、画像形成装置1本体とは、用紙Pに画像を形成する部分、つまり、画像形成装置1のうち後処理装置70を含まない画像形成装置1の本体部分をいう。その後、用紙Pは、後処理装置70により後処理加工が施されるとともに、穿孔装置100により穿孔穴が穿孔されて、画像形成装置1の外部へ排出される。
続いて、穿孔装置100の特徴について説明する。
図2〜図4に示すように、穿孔装置100は、用紙Pの搬送経路Rの一方側(図2では下側)に配置されるメス刃ユニット101と、用紙Pの搬送経路Rの他方側(図2では上側)に配置されるオス刃ユニット102と、駆動部103と、を備える。また、画像形成装置1は、穿孔装置100に穿孔動作を行わせるために、検知装置104と、制御部105と、を備える。なお、本明細書では、便宜上、搬送経路Rに対してメス刃ユニット101が配置される側を下側、搬送経路Rに対してオス刃ユニット102が配置される側を上側、として説明する。但し、上下の方向は、本発明を限定するものではなく、穿孔装置100が設置される向きにより変わり得る。
メス刃ユニット101は、メス刃111を備える。メス刃111の上面は、搬送経路Rの一部を形成する。メス刃111の搬送経路R側の面には、穿孔用のダイ穴112が形成されている。ダイ穴112は、搬送経路Rに垂直な仮想軸線Aを中心とした円形の穴である。
オス刃ユニット102は、オス刃121と、アタッカ122と、エンドキャップ123と、ガイドホルダ124と、ガイドブッシュ125と、オス刃ホルダ126と、磁石127と、付勢部材128と、を備える。
オス刃121は、用紙Pに穿孔穴を穿孔するための刃である。オス刃121は、オス刃ホルダ126により、搬送経路Rを挟んでダイ穴112と対向する位置に配置されるとともに、仮想軸線Aに沿って上下方向に移動可能に保持されている。オス刃121は、ダイ穴112よりも大径且つ球面状に形成されている。具体的には、オス刃121は、ダイ穴112よりも大径の球である。オス刃121の素材は、特に限定されるものではないが、刃物としての強度を備えるとともに、鉄などの強磁性体であることが好ましい。例えば、オス刃121の素材は、SUJ2(高炭素クロム軸受鋼鋼材)、オス刃121の直径は、10.5mmとすることができる。
アタッカ122は、オス刃121をメス刃111に押し当てるための中間部材であり、オス刃121とは独立して移動可能な別部材となっている。アタッカ122は、エンドキャップ123、ガイドホルダ124及びガイドブッシュ125により、仮想軸線Aに沿って上下方向に移動可能に保持されている。アタッカ122は、プッシャ122aと、胴部122bと、先端部122cと、を備える。
プッシャ122aは、アタッカ122の最上部に位置する。プッシャ122aは、仮想軸線Aを中心とした円柱状に形成されている。胴部122bは、プッシャ122aの下方に位置する。胴部122bは、仮想軸線Aを中心とした、プッシャ122aよりも小径の円柱状に形成されている。先端部122cは、胴部122bの下方且つアタッカ122の最下部に位置する。先端部122cは、仮想軸線Aを中心とした、胴部122bよりも小径の円柱状に形成されている。先端部122cの直径は、オス刃121の直径よりも小さい。
エンドキャップ123は、アタッカ122を仮想軸線Aに沿って上下方向に移動可能に保持する。エンドキャップ123は、本体部123aと、本体部123aの下側の端面から突出する挿入部123bと、本体部123a及び挿入部123bに形成される凹部123cと、凹部123cに連通されるエア流入孔123d及びエア解放孔123eと、を備える。
本体部123aは、仮想軸線Aを中心とした略円筒形状の外形を有する。挿入部123bは、ガイドホルダ124に挿入される部位であり、本体部123aよりも小径の仮想軸線Aを中心とした略円筒形状の外形を有する。
凹部123cは、アタッカ122の移動空間を形成する。つまり、凹部126cは、アタッカ122の移動を案内する第二シリンダとして機能する。凹部123cは、仮想軸線Aを中心とした円形の孔である。凹部123cの内径は、プッシャ122aの外径と略同じである。このため、アタッカ122は、プッシャ122aが凹部123cに案内されることで、上下方向に移動する。なお、アタッカ122の胴部122bは、凹部123cと当接しない。凹部123cは、挿入部123bの端面から、仮想軸線Aに沿って本体部123aを貫通しない位置まで上方に向けて延びている。エア流入孔123dは、凹部123cと駆動部103とを連通する孔であり、凹部123cの頂部付近から本体部123aの側面に貫通されている。このため、エア流入孔123dから凹部123cにエアが供給されると、プッシャ122aが凹部123cに沿って摺動することで、アタッカ122が下方に移動する。エア解放孔123eは、凹部123cと外部とを連通する孔であり、凹部123cの上端面から本体部123aの側面に貫通される。エンドキャップ123には、複数のエア解放孔123eが形成されている。なお、エア解放孔123eの凹部123c側の開口位置については後述する。
ガイドホルダ124は、エンドキャップ123の下方に配置されて、エンドキャップ123と接続される。そして、ガイドホルダ124は、エンドキャップ123と共にアタッカ122を仮想軸線Aに沿って上下方向に移動可能に保持する。ガイドホルダ124は、本体部124aと、本体部124aの下側の端面から突出する挿入部124bと、本体部124a及び挿入部124bを貫通する貫通孔124cと、を備える。
本体部124aは、仮想軸線Aを中心とした略円筒形状の外形を有する。挿入部124bは、オス刃ホルダ126に挿入される部位であり、本体部124aよりも小径の仮想軸線Aを中心とした略円筒形状の外形を有する。
貫通孔124cは、仮想軸線Aに沿ってガイドホルダ124を上下に貫通する、仮想軸線Aを中心とした円形の孔である。貫通孔124cは、ガイドホルダ124の上部に位置する大径孔124c1と、ガイドホルダ124の下部に位置する小径孔124c2と、大径孔124c1と小径孔124c2とを接続する段部124c3と、により構成される。
大径孔124c1は、エンドキャップ123の挿入部123bが挿入される部位である。このため、大径孔124c1の内径は、挿入部123bの外径と略同じである。
小径孔124c2は、アタッカ122の移動空間を形成する。つまり、小径孔124c2は、アタッカ122の移動を案内する第二シリンダとして機能する。小径孔124c2は、大径孔124c1よりも小径に形成されている。小径孔124c2の内径は、エンドキャップ123の凹部123cの内径と略同じである。このため、アタッカ122の胴部122bは、小径孔124c2と当接しない。
ガイドブッシュ125は、ガイドホルダ124に嵌め込まれて、エンドキャップ123及びガイドホルダ124と共にアタッカ122を仮想軸線Aに沿って上下方向に移動可能に保持する。つまり、ガイドブッシュ125の内周面は、アタッカ122の移動を案内する第二シリンダとして機能する。ガイドブッシュ125は、ガイドホルダ124の大径孔124c1に嵌め込まれている。具体的には、仮想軸線A方向において、大径孔124c1は、挿入部123bよりも長い。このため、挿入部123bを大径孔124c1に挿入すると、挿入部123bと段部124c3との間に、大径孔124c1の一部が露出した窪みが形成される。ガイドブッシュ125は、この窪みに嵌め込まれている。ガイドブッシュ125の外径は、大径孔124c1の内径と同じ又は少し大きい。ガイドブッシュ125の内径は、アタッカ122の胴部122bと略同じある。このため、アタッカ122は、胴部122bがガイドブッシュ125に案内されることで、上下方向に移動する。
オス刃ホルダ126は、ガイドホルダ124の下方に配置されて、ガイドホルダ124と接続される。そして、オス刃ホルダ126は、オス刃121を仮想軸線Aに沿って上下方向に移動可能に保持する。オス刃ホルダ126は、本体部126aと、本体部126aを貫通する貫通孔126bと、を備える。
本体部126aは、仮想軸線Aを中心とした略円筒形状の外形を有する。
貫通孔126bは、仮想軸線Aに沿ってオス刃ホルダ126を上下に貫通する、仮想軸線Aを中心とした円形の孔である。貫通孔126bは、オス刃ホルダ126の最上部に位置する大径孔126b1と、大径孔126b1の下方に位置する磁石保持用孔126b2と、磁石保持用孔126b2の下方且つオス刃ホルダ126の最下部に位置するオス刃保持用孔126b3と、磁石保持用孔126b2とオス刃保持用孔126b3とを接続する段部126b4と、を備える。
大径孔126b1は、ガイドホルダ124の挿入部124bが挿入される部位である。このため、大径孔126b1の内径は、挿入部124bの外径と略同じである。
磁石保持用孔126b2は、磁石127を保持するための孔である。磁石保持用孔126b2は、大径孔126b1よりも小径、且つ、挿入部124bの内径よりも大径に形成されている。
オス刃保持用孔126b3は、オス刃121を仮想軸線Aに沿って上下方向に移動可能に保持する。このため、オス刃保持用孔126b3は、第二シリンダとして機能する凹部123c、小径孔124c2及びガイドブッシュ125の内周面と連通されて、オス刃の移動を案内する第一シリンダとして機能する。オス刃保持用孔126b3は、凹部123c、小径孔124c2及びガイドブッシュ125と同軸上に配置されている。オス刃保持用孔126b3は、磁石保持用孔126b2よりも小径に形成されている。オス刃保持用孔126b3の内径は、オス刃121の外径と同じ、又はオス刃121の外径よりも大きい。後者の場合、オス刃保持用孔126b3の内径は、オス刃121の外径に対して0.2mm以上0.5mm以下程度の隙間が形成される寸法であることが好ましい。これにより、オス刃121は、オス刃保持用孔126b3内において、仮想軸線A方向への移動を可能としつつ、自由に回転することが可能となる。
オス刃保持用孔126b3の仮想軸線A方向における長さは、オス刃121の外径よりも小さい。このため、搬送経路Rに搬送される用紙Pがオス刃ユニット102側に膨らんでも、この用紙Pは、球状のオス刃121に当接されるため、穿孔装置100において引っかかるのを抑制することができる。
磁石127は、穿孔していないときにオス刃121を磁力により吸着保持する。磁石127は、リング状に形成されている。磁石127の外径は、磁石保持用孔126b2の内径と略同じである。そして、磁石127は、オス刃ホルダ126の磁石保持用孔126b2に嵌め込まれているとともに、ガイドホルダ124の挿入部124bとオス刃ホルダ126の段部126b4とに挟み込まれている。磁石127の内径は、オス刃121の外径よりも小さい。このため、オス刃121は、磁石127の孔127aを通過することができず、磁石127の下側に配置される。また、磁石127の内径は、アタッカ122の先端部122cの外径よりも大きく、アタッカ122の胴部122bの外径よりも小さい。このため、先端部122cは、磁石127の孔127aを自由に通過することができるが、胴部122bは磁石127の孔127aを通過することができない。
付勢部材128は、アタッカ122の胴部122bと磁石127との間に配置されて、アタッカ122をメス刃111とは反対側、つまり上側に付勢する。付勢部材128としては、例えば、圧縮バネ(コイルスプリング)等の弾性伸縮部材を用いることができる。以下の説明では、付勢部材128として圧縮バネ(コイルスプリング)を用いるものとして説明する。付勢部材128の外径は、磁石127の内径よりも大きい。
駆動部103は、オス刃121及びメス刃111の少なくとも一方を互いに近接する方向に移動させることで、オス刃121の表面をメス刃111のダイ穴112の周縁に押し当てる。具体的には、駆動部103は、アタッカ122を介してオス刃121をメス刃111側に移動させることで、オス刃121の表面をメス刃111のダイ穴112の周縁に押し当てる。駆動部103は、エアポンプ131と、エアパイプ132と、開閉弁133と、を備える。
エアポンプ131は、エアを圧縮して送り出す装置である。エアポンプ131のエア圧は、例えば、0.5MPaとすることができる。エアパイプ132は、エアポンプ131とオス刃ユニット102のエア流入孔123dとに連通されて、エアポンプから送り出された圧縮エアの流路を形成する。エアパイプ132は、エアノズル134によりオス刃ユニット102に接続されており、エアポンプ131から送り出された圧縮エアは、エアパイプ132を伝ってエア流入孔123dに供給される。開閉弁133は、エアパイプ132における圧縮エアの流路を開閉する弁である。開閉弁133としては、ソレノイドなどの電磁弁を用いることができる。
検知装置104は、搬送経路Rにおける穿孔装置100の上流側に配置されて、用紙Pを検知する。検知装置104は、穿孔装置100の近傍に配置されることが好ましい。検知装置としては、例えば、反射型フォトセンサを用いることができる。そして、検知装置104は、用紙Pを検知すると、制御部105に検知信号を送信する。
制御部105は、駆動部103の駆動制御を行う。駆動部103の駆動制御とは、開閉弁133を瞬間的に開く制御である。これにより、オス刃121がダイ穴112の周縁に瞬発的に押し付けられて、用紙Pに穿孔穴が穿孔される。穿孔穴は、用紙Pの特定の位置に穿孔することが求められる。例えば、JIS S 6041(事務用あなあけ器)では、用紙端から穿孔穴(パンチ穴)の中心までの距離Lpは、12mm±1mmと規定されている。そこで、制御部105は、検知装置104から検知信号を受信すると、当該検知信号を受信してから一定の遅延時間を経た後、駆動部103の駆動制御を行う。具体的には、検知装置104から穿孔装置100において穿孔する穿孔位置までの距離をLs[mm]、用紙Pの搬送速度をvp[mm/sec]、制御部105が開閉弁133を制御してからオス刃121がダイ穴112の周縁に当接するまでの動作時間をtb[sec]とする。そして、用紙Pの後端を検知して用紙Pの後端側に穿孔穴を穿孔する場合、制御部105は、検知装置104から検知信号を受信してから、以下の式(1)で求められる遅延時間を経過したタイミングで、駆動部103の駆動制御を行う。
遅延時間=(Ls−Lp)/vp−tb …(1)
制御部105は、CPU、記憶装置等を主構成要素とする制御装置であり、CPUが記憶装置に記憶された様々なプログラムを実行することにより、各種の停電処理を行う。なお、制御部105としては、例えば、画像形成装置1に標準的に搭載されている制御部を用いてもよい。
このため、制御部105が開閉弁133を開くと、アタッカ122は、エアポンプ131から供給された圧縮エアにより、第二シリンダとして機能する凹部123c、小径孔124c2及びガイドブッシュ125の内周面に沿ってオス刃121側(下側)に移動する。そして、アタッカ122は、オス刃121に衝突することで、オス刃121を、第一シリンダとして機能するオス刃保持用孔126b3の内周面に沿ってメス刃111側(下側)に押圧する。なお、第一シリンダと第二シリンダとは同軸上にあるため、オス刃121に対するアタッカ122の押圧方向と、オス刃121の移動方向とは、略一致する。
次に、穿孔装置100の穿孔動作について説明する。
制御部105は、検知装置104から検知信号を受信するまでは、開閉弁133を閉じておく。これにより、オス刃ユニット102には、エアポンプ131から送り出される圧縮エアが供給されない。オス刃ユニット102では、アタッカ122が付勢部材128に付勢されることで、プッシャ122aが凹部123cの上端面に押し付けられている。また、オス刃121が磁石127に吸着保持されている。このときの状態を、待機状態という。
そして、制御部150は、検知装置104から検知信号を受信すると、上記の式(1)で求められる遅延時間が経過したタイミングで、開閉弁133を開く。なお、開閉弁133を開く時間は、瞬間的でよく、例えば、1[msec]以下とすることができる。すると、図4及び図5に示すように、エアポンプ131から送り出された圧縮エアが、エアパイプ132及びエア流入孔123dを通って、瞬発的に凹部123cに供給される。すると、プッシャ122aが凹部123cに供給された圧縮エアの圧力を受けることで、アタッカ122は、付勢部材128の付勢力に抗して瞬発的に下降し、アタッカ122の先端部122cが、磁石127の孔127aを通過してオス刃121に当接する。これにより、アタッカ122の荷重(衝撃力)がオス刃121に伝達され、オス刃121は下方に弾き飛ばされる。このとき、アタッカ122には反力が生じるが、この反力は、凹部123c内の圧縮エアの圧力よりも小さいため、アタッカ122は、更に下方に移動する。
ところで、エア解放孔123eの凹部123c側の開口は、下降して行くアタッカ122がオス刃121に当接した直後に、プッシャ122aの上面よりも上方となる位置に形成されている。このため、図6に示すように、アタッカ122がオス刃121に当接し、その後、プッシャ122aの上面がエア解放孔123eまで到達すると、凹部123cに供給された圧縮エアがエア解放孔123eからオス刃ユニット102の外部に排出される。これにより、凹部123c内の気圧が大気圧に戻り、アタッカ122が付勢部材128の付勢力により上方に押し上げられて元の位置に戻る。
一方、図7に示すように、アタッカ122に下方に弾き飛ばされたオス刃121は、アタッカ122から分離して、メス刃111のダイ穴112の周縁に押し当てられる。これにより、オス刃121とダイ穴112との間に供給された用紙Pに、穿孔穴が穿孔される。その後、オス刃121は、メス刃111から跳ね返り、オス刃ホルダ126のオス刃保持用孔126b3に案内されながら上昇し、再度、磁石127に吸着保持される(図1参照)。これにより、穿孔装置100は、待機状態に戻る。
ここで、穿孔装置100の周囲の搬送経路Rについて更に詳しく説明する。
図8に示すように、用紙Pの搬送方向における穿孔装置100の上流側には、用紙Pを穿孔装置100に向けて送り出す一対の第一搬送ローラ161,161と、穿孔装置100と第一搬送ローラ161,161との間に配置されて、第一搬送ローラ161,161から送り出された用紙Pを案内する第一搬送路162及び第二搬送路163と、が設けられている。第一搬送路162は、搬送経路Rに対するメス刃111(メス刃ユニット101)側に配置される搬送路である。第二搬送路163は、搬送経路Rに対するオス刃121(オス刃ユニット102)側に配置される搬送路である。
そして、第一搬送路162は、穿孔装置100における搬送経路Rの延長線上に略直線状に延びているのに対し、第二搬送路163は、穿孔装置100における搬送経路Rの延長線から大きく膨らむ曲線状に延びている。このため、用紙Pは、通常、第一搬送路162により穿孔装置100に案内される。また、第二搬送路163による用紙Pの案内長さは、第一搬送路162による用紙Pの案内長さよりも長い。このため、たとえ、穿孔装置100において用紙Pの搬送が一時的に停止したとしても、第一搬送路162に案内されていた用紙Pが第二搬送路163側に移動して膨らむことで、第一搬送ローラ161,161による用紙Pの搬送を停止する時間をゼロ又は限りなくゼロに近づけることができる。
一方、用紙Pの搬送方向における穿孔装置100の下流側には、穿孔装置100から排出された用紙Pを引っ張る一対の第二搬送ローラ164,164と、穿孔装置100と第二搬送ローラ164,164との間に配置されて、穿孔装置100から排出された用紙Pを案内する第三搬送路165及び第四搬送路166と、が設けられている。第三搬送路165は、搬送経路Rに対するメス刃111(メス刃ユニット101)側に配置される搬送路である。第四搬送路166は、搬送経路Rに対するオス刃121(オス刃ユニット102)側に配置される搬送路である。
そして、第三搬送路165は、穿孔装置100における搬送経路Rの延長線上に略直線状に延びた後に、大きく湾曲して第二搬送ローラ164,164まで延びているのに対し、第四搬送路166は、穿孔装置100から第二搬送ローラ164,164に略直線状に延びている。このため、用紙Pは、通常、第三搬送路165により穿孔装置100から案内される。また、第四搬送路166による用紙Pの案内長さは、第三搬送路165による用紙Pの案内長さよりも短い。このため、たとえ、穿孔装置100において用紙Pの搬送が一時的に停止したとしても、第三搬送路165に案内されていた用紙Pが第四搬送路166側に移動して膨らみ量が小さくなることで、第二搬送ローラ164,164による用紙Pの搬送を停止する時間をゼロ又は限りなくゼロに近づけることができる。
このように、本実施形態に係る画像形成装置1では、ダイ穴112よりも大径に形成されたオス刃121が、用紙Pの搬送経路Rを挟んでダイ穴112と対向する位置に配置されている。このため、オス刃121とダイ穴112との間の搬送経路Rに用紙Pを搬送し、駆動部103がオス刃121をメス刃111に近接する方向に移動させると、オス刃121の表面がダイ穴112の周縁に押し当てられることで、用紙Pに穿孔穴が穿孔される。このように、オス刃121をダイ穴112の周縁に押し当てることで用紙Pに穿孔穴を穿孔するため、パンチ刃をダイ穴の内部まで挿入する従来の穿孔装置に比べて、穿孔時間を大幅に短縮することができる。これにより、生産性が低下するのを大幅に抑制することができる。
例えば、穿孔に要する穿孔時間は開閉弁133を開く時間以下となるため、開閉弁133を開く時間を1[msec]以下とすると、穿孔時間は1[msec]以下となる。そして、用紙Pの搬送速度が300[mm/sec](65ppm/A4LEF相当)である場合は、穿孔時間での用紙Pの送り量は0.3[mm]以下となる。このため、穿孔動作が用紙Pの搬送状況に影響することは無い。
しかも、球形状のオス刃121はダイ穴112の全周縁に押し当てられるため、オス刃121とダイ穴112とのクリアランスを設定する必要がなく、また、オス刃121又はメス刃111の交換時にオス刃121とメス刃111の調芯を高精度に行う必要がない。このため、容易に高品位な穿孔穴を形成することができる。
また、オス刃121が球状に形成されているため、オス刃121の姿勢に拘らず、オス刃121をダイ穴112の全周縁に押し当てることができる。これにより、より容易に高品位な穿孔穴を形成することができる。
また、メス刃111は移動しないため、例えば、メス刃ユニット101を用紙Pの搬送経路Rとし、この搬送経路R上にダイ穴112を形成することができる。これにより、穿孔装置100を容易に製造することができる。
また、駆動部103がアタッカ122を介してオス刃121を移動させるため、オス刃121は、アタッカ122により弾き飛ばされて、ダイ穴112の周縁に押し付けられる。これにより、オス刃121をダイ穴112の周縁に衝撃的に衝突させることができるため、穿孔時間を更に短縮することができる。
また、オス刃121の移動を案内するオス刃保持用孔126b3の内径がオス刃121の外径よりも大きい場合は、オス刃121を自由に回転させることができる。これにより、穿孔動作に伴いダイ穴112に対するオス刃121の当接位置が変わるため、オス刃121の形状変化の進行を抑制することができる。これにより、経時に伴う穿孔穴の品位低下を抑制することができる。
また、アタッカ122の押圧方向とオス刃121の移動方向とが略一致するため、アタッカ122の運動エネルギーを効率的にオス刃121に伝えることができる。
また、用紙Pは、通常、第一搬送路162により穿孔装置100に案内される。そして、たとえ、穿孔装置100において用紙Pの搬送が一時的に停止したとしても、第一搬送路162に案内されていた用紙Pが第二搬送路163側に移動して膨らむことで、第一搬送ローラ161,161による用紙Pの搬送を停止する時間をゼロ又は限りなくゼロに近づけることができる。
また、用紙Pは、通常、第三搬送路165により穿孔装置100から案内される。そして、たとえ、穿孔装置100において用紙Pの搬送が一時的に停止したとしても、第三搬送路165に案内されていた用紙Pが第四搬送路166側に移動して膨らみ量が小さくなることで、第二搬送ローラ164,164による用紙Pの搬送を停止する時間をゼロ又は限りなくゼロに近づけることができる。
また、オス刃ホルダ126からオス刃121を取り出すことで、容易にオス刃221を交換することができる。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態は、基本的に第一実施形態と同様であり、オス刃及びアタッカの構成のみが第一実施形態と相違する。このため、以下では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の事項の説明を省略する。
図9及び図10に示すように、本実施形態に係る穿孔装置200のオス刃ユニット202は、オス刃121及びアタッカ122の代わりに、オス刃221及びアタッカ222を備える。
オス刃221は、下向きのキノコ状に形成されており、半球状の半球部221aと、半球部221aの上面から突出する連結部221bと、を備える。半球部221aは、用紙Pに穿孔穴を穿孔するための刃であり、ダイ穴112よりも大径且つ球面状(反球面状)に形成されている。連結部221bは、オス刃221をアタッカ222に連結する部位であり、円柱状に形成されている。連結部221bの外径は、磁石127の孔127aの内径よりも小さい。
アタッカ222は、基本的にはアタッカ122と同様であるが、更に、先端部122cの先端面から突出する連結部222dを備える。連結部222dは、アタッカ222をオス刃221に連結する部位であり、円柱状に形成されている。連結部222dの外径は、連結部221bの外径と同じであって、磁石127の孔127aの内径よりも小さい。
穿孔装置200の待機状態において、連結部221bと連結部222dとは離間されている。そして、連結部221bと連結部222dとは、弾性部材240により連結されている。弾性部材240は、例えば、圧縮バネ(コイルスプリング)等の可撓性(弾性伸縮性)を有する部材を用いることができる。以下の説明では、弾性部材240として圧縮バネ(コイルスプリング)を用いるものとして説明する。弾性部材240の内径は、連結部221b及び連結部222dの外径よりも小さい。そして、弾性部材240の両端部に、連結部221b及び連結部222dが圧入されている。弾性部材240の外径は、磁石127の孔127aの内径よりも小さい。
このように、本実施形態に係る穿孔装置200では、エアポンプ131から凹部123cに圧縮エアが瞬間的に供給されることで、アタッカ222が瞬発的に下降し、アタッカ222の連結部222dがオス刃221の連結部221bに衝突することで、オス刃221がメス刃111に向けて弾き飛ばされる。そして、オス刃221の半球部221aがダイ穴112よりも大径且つ球面状に形成されているため、半球部221aの表面がダイ穴112の周縁に押し当てられることで、第一実施形態に係る穿孔装置100と同様に、用紙Pに穿孔穴を穿孔することができる。
また、オス刃221とアタッカ122とを連結する弾性部材240の可撓性により、往復移動するオス刃221とダイ穴112との中心ずれを自己調芯することが可能となる。
また、弾性部材240に対してオス刃221を引き抜くことで、容易にオス刃221を交換することができる。
[第三実施形態]
次に、第三実施形態について説明する。第三実施形態は、基本的に第一実施形態と同様であり、オス刃ユニット及び駆動部の構成のみが第一実施形態と相違する。このため、以下では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の事項の説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態に係る穿孔装置300は、オス刃ユニット102及び駆動部103の代わりにオス刃ユニット302及び駆動部303を備える。
オス刃ユニット302は、基本的にオス刃ユニット102と同様であるが、アタッカ122の代わりにアタッカ322を備える。アタッカ322は、プッシャ122aの代わりに、スプリング322eを内容するプッシャ322f,322gを備える。プッシャ322fは、胴部122bに固定されており、プッシャ322gは、スプリング322eによりプッシャ322fに対して伸縮可能となっている。
そして、エンドキャップ123の位置に、駆動部303が配置されている。駆動部303は、プッシャ322fを仮想軸線Aに沿って上下方向に移動可能に保持するシリンダ部331と、プッシャ322fを仮想軸線Aに沿って上下方向に移動させるカム332と、を備える。駆動部303は、図示しないモータ等の駆動源によりカム332を回転させることで、プッシャ322fを仮想軸線Aに沿って上下方向に移動させる。
このように構成される穿孔装置300では、カム332を回転させると、プッシャ322gがスプリング322eを圧縮する。アタッカ322は、プッシャ322fにおいて圧縮されたスプリング322eの付勢圧力を受けることで、仮想軸線Aに沿って上下方向に移動して、オス刃121をメス刃111に向けて弾き飛ばす。これにより、用紙Pに穿孔穴が穿孔される。
また、プッシャ322fがスプリング322eを内包し、カム332が回転することによりプッシャ322fが伸縮することで、カム332がアタッカ322を最下点に押し下げた状態で穿孔に必要な押圧力を発生させることができる。また、カム332の取り付け位置、カム332の形状、及びアタッカ322の移動方向の長さのバラツキによる、カム332の先端からメス刃111に当接しているオス刃121までの距離のバラツキを、吸収することができる。
[第四実施形態]
次に、第四実施形態について説明する。第四実施形態は、基本的に第三実施形態と同様であり、アタッカの構成及びカムの配置のみが第三実施形態と相違する。このため、以下では、第三実施形態と相違する事項のみを説明し、第三実施形態と同様の事項の説明を省略する。
図12に示すように、本実施形態に係る穿孔装置400は、アタッカ322及びカム432の代わりにアタッカ422及びカム432を備える。
アタッカ422は、先端部422aと、L字アーム部422bと、軸部422cと、プッシャ422dと、スプリング422eと、を備える。先端部422aは、先端部122cと同様である。L字アーム部422bは、一方端部に先端部422aが取り付けられた第一アーム部422b1と、第一アーム部422b1の他方端部から第一アーム部422b1に対して直交する方向に延びる第二アーム部422b2と、を備える。軸部422cは、第一アーム部422b1と第二アーム部422b2との接続位置付近においてL字アーム部422bを揺動可能に軸支する。プッシャ422dは、軸部422cに軸支されて、第二アーム部422b2と対向配置される。第二アーム部422b2のプッシャ422d側の面と、プッシャ422dの第二アーム部422b2側の面とには、スプリング422eを保持する溝が形成されている。スプリング422eは、第二アーム部422b2とプッシャ422dとの間に配置されて、その両端部が、第二アーム部422b2及びプッシャ422dに形成された溝により保持されている。
カム432は、カム332と同様の構成をしているが、その配置がカム332と異なる。カム432は、プッシャ422dの第二アーム部422b2とは反対側に配置されている。そして、カム432は、プッシャ422dを仮想軸線Aと直交する方向(プッシャ422dと第二アーム部422b2との対向方向)に沿って移動させる。
このように構成される穿孔装置400では、カム432を回転させると、プッシャ422dは、軸部422c周りに揺動してスプリング422eを伸縮する。L字アーム部422bは、第二アーム部422b2において圧縮されたスプリング422eの付勢圧力を受けることで、軸部422c周りに揺動する。そして、先端部422aがオス刃121に衝突することでオス刃121をメス刃111に向けて弾き飛ばす。これにより、用紙Pに穿孔穴が穿孔される。
このように、L字アーム部422bの揺動により、オス刃121には、先端部422aの回転接線方向の力が作用するため、アタッカ422の運動エネルギーを効率的にオス刃121に伝えることができる。この場合、先端部422aがオス刃121に当接された際に、先端部422aの回転接線方向とオス刃121の移動方向とが同じ方向となるように、アタッカ422を配置することが好ましい。これにより、アタッカ422の押圧方向とオス刃121の移動方向とが略一致するため、アタッカ422の運動エネルギーを更に効率的にオス刃121に伝えることができる。
[第五実施形態]
次に、第五実施形態について説明する。第五実施形態は、基本的に第一実施形態と同様であり、穿孔装置を4組備える点のみ、第一実施形態と相違する。このため、以下では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の事項の説明を省略する。
図13及び図14に示すように、本実施形態に係る画像形成装置は、用紙Pの4つの穿孔穴を穿孔するものであり、4組の穿孔装置100a,100b,100c,100dを備える。穿孔装置100a,100b,100c,100dは、搬送経路R上において、用紙Pの搬送方向と直交する方向に、この順に配列されている。穿孔装置100a,100b,100c,100dは、第一実施形態の穿孔装置100と同じ構成である。なお、図14では、便宜上、穿孔装置100a,100b,100c,100dの配列順序を入れ替えて示している。
ところで、画像形成装置に搭載される穿孔装置おいては、ISO準拠の2穴、北米規格の3穴、欧州規格の4穴への対応が要求されている。このうち、ISO準拠の2穴と欧州規格の4穴とは、中央部に配置される2穴が同じ位置である。
そこで、本実施形態では、1つの画像形成装置に4組の穿孔装置100a,100b,100c,100dを搭載し、中央部に配置される穿孔装置100b,100cを、ISO準拠の2穴と欧州規格の4穴とで共用する穿孔装置とする。
具体的には、エアパイプ132では、エアポンプ131に連結されたエアパイプ部132aがエアパイプ部132b,132cに二分岐され、更に、二分岐されたエアパイプ部132b,132cがそれぞれエアパイプ部132d,132eとエアパイプ部132f,132gとに二分岐されている。そして、エアパイプ部132dが穿孔装置100aに連結され、エアパイプ部132eが穿孔装置100dに連結され、エアパイプ部132fが穿孔装置100bに連結され、エアパイプ部132gが穿孔装置100cに連結されている。そして、エアパイプ部132a,132bのそれぞれに、開閉弁133a,133bが取り付けられている。開閉弁133a,133bは、第一実施形態の開閉弁133と同じ構成である。
これにより、開閉弁133bのみを開くと、中央に配置された穿孔装置100b,100cによってのみ用紙Pに穿孔穴を穿孔することができ、開閉弁133a,133bの双方を開くと、全ての穿孔装置100a,100b,100c,100dによって用紙Pに穿孔穴を形成することができる。
[第六実施形態]
次に、第六実施形態について説明する。第六実施形態は、基本的に第一実施形態と同様であり、穿孔装置及び検知装置を4組備える点のみ、第一実施形態と相違する。このため、以下では、第一実施形態と相違する事項のみを説明し、第一実施形態と同様の事項の説明を省略する。
図15及び図16に示すように、本実施形態に係る画像形成装置は、用紙Pの4つの穿孔穴を穿孔するものであり、4組の穿孔装置100e,100f,100g,100hと、4組の検知装置104a,104b,104c,104dと、を備える。穿孔装置100e,100f,100g,100hは、第一実施形態の穿孔装置100と同じ構成である。検知装置104a,104b,104c,104dは、第一実施形態の検知装置104と同じ構成である。
穿孔装置100e,100f,100g,100hは、搬送経路R上において、用紙Pの搬送方向と直交する方向に、この順に配列されている。穿孔装置100e,100f,100g,100hは、全て同じ構成である。同様に、穿孔装置100e,100f,100g,100hも、用紙Pの搬送方向と直交する方向に、この順に配列されている。そして、検知装置104a,104b,104c,104dは、それぞれ、搬送経路Rにおける穿孔装置100e,100f,100g,100hの上流側の、穿孔装置100e,100f,100g,100hと対応する位置に配置されている。
エアパイプ132では、エアポンプ131に連結されたエアパイプ部132hがエアパイプ部132i,132jに二分岐され、更に、二分岐されたエアパイプ部132i,132jがそれぞれエアパイプ部132k,132mとエアパイプ部132n,132pとに二分岐されている。そして、エアパイプ部132kが穿孔装置100eに連結され、エアパイプ部132mが穿孔装置100fに連結され、エアパイプ部132nが穿孔装置100gに連結され、エアパイプ部132pが穿孔装置100hに連結されている。そして、エアパイプ部132k,132m,132n,132pのそれぞれに、開閉弁133c,133d,133e,133fが取り付けられている。開閉弁133c,133d,133e,133fは、第一実施形態の開閉弁133と同じ構成である。
そして、制御部105は、検知装置104a,104b,104c,104dの検知結果に基づいて、検知装置104a,104b,104c,104dに対応する穿孔装置100e,100f,100g,100h(開閉弁133c,133d,133e,133f)を独立して駆動する。
このように、用紙Pの搬送方向に直交する方向に複数の穿孔装置100e,100f,100g,100hが配列されており、複数の検知装置104a,104b,104c,104dが複数の穿孔装置100e,100f,100g,100hのそれぞれに対応して配置されているため、用紙Pが傾いて搬送されてきた場合であっても、各穿孔装置100e,100f,100g,100hにより、用紙Pの所定位置に高精度に穿孔穴を穿孔することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、駆動部は、オス刃をメス刃に向けて移動するものとして説明したが、オス刃及びメス刃の少なくとも一方を互いに近接する方向に移動させればよく、例えば、メス刃をオス側に向けて移動するものとしてもよい。
また、上記実施形態では、穿孔装置は、後処理装置の搬送経路上に配置されるものとして説明したが、穿孔装置は、画像形成装置において搬送される媒体の搬送経路上に配置されていれば、如何なる位置に配置されていてもよい。例えば、図1の破線で示したように、穿孔装置100は、定着装置50と排出装置60との間の用紙Pの搬送経路上に配置されていてもよい。このようにすれば、用紙Pに画像を形成した後に穿孔孔を穿孔するため、用紙Pへの画像形成に影響を与えることなく穿孔穴を穿孔することができる。また、穿孔装置100は、用紙Pの搬送経路における転写装置30の上流側に配置されていてもよい。この場合、用紙Pを収容するカセットKが複数設けられている場合、各カセットKに対応して複数の検知装置104を設けてもよく、各カセットKから送り出された用紙Pが合流した位置に一つの検知装置104を設けてもよい。
また、第一実施形態や第二実施形態のように、圧縮エアによりオス刃を移動させる場合は、オス刃ユニット及びメス刃ユニットからエアポンプを離すことができ、オス刃ユニット及びメス刃ユニットをコンパクトにすることができる。これにより、穿孔装置の配置自由度が向上するため、定着装置と排出装置との間の媒体の搬送経路上や、媒体の搬送経路における転写装置の上流側にも、容易に配置することができる。
また、上記実施形態では、画像形成装置は後処理装置を備えるものとして説明したが、穿孔装置を後処理装置の搬送経路上に配置しない場合は、後処理装置を備えなくてもよい。
また、第三実施形態及び第四実施形態のように、カムによりオス刃を移動させる場合は、カムの回転によりオス刃をメス刃に向けて移動させることができれば、如何なる位置にカムを配置してもよく、また、如何なる伝達機構を採用してもよい。例えば、第四実施形態では、カム432の回転に伴うプッシャ422dの移動方向と、先端部422aがオス刃121を押圧する方向と、のなす角度を90°以外の角度にしてもよい。これにより、穿孔装置の配置自由度が向上するため、穿孔装置の取り付け位置のスペースに合せた配置が可能となる。