JP6705662B2 - 酸化剤含有組成物、毛髪処理剤、毛髪処理剤の使用方法 - Google Patents
酸化剤含有組成物、毛髪処理剤、毛髪処理剤の使用方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6705662B2 JP6705662B2 JP2016037293A JP2016037293A JP6705662B2 JP 6705662 B2 JP6705662 B2 JP 6705662B2 JP 2016037293 A JP2016037293 A JP 2016037293A JP 2016037293 A JP2016037293 A JP 2016037293A JP 6705662 B2 JP6705662 B2 JP 6705662B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- agent
- hair
- viscosity
- hair treatment
- surfactant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Description
この毛髪処理剤によれば、高粘度の第1剤と低粘度の第2剤を、容器内で振とうするだけで容易に混合することができる。
そこで、本発明の課題は、毛髪処理剤の第2剤として利用する酸化剤含有組成物において、高粘度の第1剤と混合した際に、混合物の粘度をより低下する酸化剤含有組成物を提供することである。
すなわち、本発明は、以下の酸化剤含有組成物、毛髪処理剤、及び、毛髪処理剤の使用方法である。
本発明の酸化剤含有組成物によれば、高粘度の第1剤と混合した際に、混合物の粘度を著しく低下することができる。また、本発明の酸化剤含有組成物は、第1剤との混合性にも優れている。
(B)ノニオン性界面活性剤を含有することにより、酸化剤含有組成物の保存時における粘度の変化を抑えることができる。
さらに(C)カチオン性界面活性剤を含有することにより、毛髪の感触を向上することができる。
本発明の毛髪処理剤によれば、第1剤の粘度が高いため、染料等の分散適性の低い材料を第1剤中に安定的に分散することができる。更に、第2剤として、上述する本発明の酸化剤含有組成物を用いるため、低粘度化された毛髪処理剤を提供することができる。
この特徴によれば、第1剤と第2剤の混合物の粘度を更に低下するという効果や、第1剤と第2剤の混合物の経時的な粘度の変化を抑制するという効果がある。
この特徴によれば、刷毛やクシ等の用具を用いた塗布及び手塗りのいずれの操作においても、優れた操作性を有する毛髪処理剤を提供することができる。
また、1000mPa・s以上の粘度とすることにより、毛髪への適用後においても垂れ落ちを抑制するという効果も有する。
既染毛とは、過去に染毛剤、脱色剤又は脱染剤によって処理され、多少のダメージを有する毛髪であり、強い引っ張り応力が与えられると、破断等の更なるダメージが生じやすい。
そして、この既染毛に対して高粘度の毛髪処理剤を塗布すると、刷毛塗り、手塗り等の塗布操作により強い引っ張り応力が生じるため、破断等を引き起こすという問題がある。これに対して、本発明の毛髪処理剤では、粘度を低く抑えることができるため、刷毛塗り、手塗り等の塗布操作の際に生じる引っ張り応力が弱くなり、既染毛に対する更なるダメージの発生を抑制することができる。
工程1:
アルカリ剤を含有する第1剤であって、
25℃における粘度が5000〜50000mPa・sである第1剤と、
酸化剤を含有する第2剤であって、
(A−1)ステロール骨格を有する界面活性剤、又は、
(A−2)ラノリン由来の親油基を有する界面活性剤を含有し、
25℃における粘度が100〜10000mPa・sであり、かつ、前記第1剤より低い粘度を有する第2剤と、を混合して毛髪処理剤を調製する工程
工程2:
前記毛髪処理剤を毛髪に塗布する工程
また、本発明の毛髪処理剤の使用方法によれば、毛髪処理剤を容易に混合することができるため、毛髪処理剤の調製に係る作業を軽減することもできる。
〔酸化剤含有組成物について〕
本発明の酸化剤含有組成物は、25℃における粘度が100〜10000mPa・sであり、酸化剤、及び、(A−1)ステロール骨格を有する界面活性剤、又は、(A−2)ラノリン由来の親油基を有する界面活性剤を含有し、多剤式の毛髪処理剤の第2剤として利用されるものである。
25℃における粘度の測定方法は、B型粘度計(東機産業社製 TV−10形)を用いて測定する。粘度が1000〜10000mPa・sの範囲の場合には、ロータ3号、12rpm、1分の条件で測定する。ロータ3号、12rpm、1分の条件において粘度が1000mPa・s未満である場合には、粘度は、ロータ2号、30rpm、1分の条件で測定した結果を採用する。ロータ3号、12rpm、1分の条件において粘度が10000mPa・sを超える場合には、ロータ4号、12rpm、1分の条件で測定した結果を採用する。なお、本発明において、すべての粘度の測定方法は、この方法に従って行う。
更には、使用時に泡状やミスト状としてもよい。泡状とする場合には、エアゾールフォーマー容器、ノンエアゾールフォーマー容器を使用すればよい。
酸化剤
酸化剤は、酸化力を有する物質であればよく、特に制限されない。酸化剤としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、及びピロリン酸塩の過酸化水素付加物等が例示される。又、酸化助剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩が例示される。これらの中でも、過酸化水素が好ましい。
ステロール骨格を有する界面活性剤とは、親油基としてステロール骨格を有する界面活性剤である。
ステロール骨格とは、下記式1に示すシクロペンタヒドロフェナントレン環にヒドロキシ基が結合したアルコールであり、ステロール骨格を有する界面活性剤とは、このステロール骨格に親水基が結合した化合物である。なお、下記式1のA〜Dの記号は、シクロペンタヒドロフェナントレン環を構成する各環を表し、数字は、シクロペンタヒドロフェナントレン環を構成する炭素の位置番号を表す。
POE鎖の付加モル数は、特に限定されないが、好ましくは50以下であり、より好ましくは40以下であり、更に好ましくは30以下であり、特に好ましくは23以下である。POE鎖の付加モル数が小さくなると、酸化剤含有組成物の経時的な粘度の変化率が小さくなり保存安定性に優れるという効果を奏する。
また、混合物の粘度を低下するという効果の観点によれば、POE鎖の付加モル数は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上であり、更に好ましくは15以上である。
なお、POEはポリオキシエチレン鎖、POPはポリオキシプロピレン鎖を示し、これに続くカッコ内の数字は、その付加モル数を示している。以下の表記においても同様である。
ラノリン由来の親油基を有する界面活性剤とは、親油基としてラノリン誘導体を有する界面活性剤である。
ラノリン誘導体とは、ラノリンを出発物質として、加水分解、水素化、アルコキシル化等により得られる物質であり、ラノリン誘導体の界面活性剤とは、このラノリン誘導体に親水基を結合した物質である。また、ラノリン脂肪酸カリウムやラノリン脂肪酸ナトリウムのように、ラノリン誘導体自体に界面活性能を有する物質でもよい。
POE鎖の付加モル数は、特に限定されないが、好ましくは2〜50、より好ましくは10〜40である。
更に、(A−1)ステロール骨格を有する界面活性剤と、(A−2)ラノリン由来の親油基を有する界面活性剤を併用して用いることにより、酸化剤含有組成物の経時的な粘度の変化を抑制し、保存安定性に優れた酸化剤含有組成物を提供することができる。
本発明の酸化剤含有組成物の一実施態様としては、(A−1)ステロール骨格を有する界面活性剤、及び、(A−2)ラノリン由来の親油基を有する界面活性剤以外の(B)ノニオン性界面活性剤を含有してもよい。(B)ノニオン性界面活性剤を含有することにより、酸化剤含有組成物の保存時における粘度の変化を抑えることができる。
本発明の酸化剤含有組成物の一実施態様としては、(C)カチオン性界面活性剤を含有してもよい。(C)カチオン性界面活性剤を含有することにより、毛髪の感触を向上することができる。
例えば、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩等のアルキル4級アンモニウム塩類、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩、アーコベル型3級アミン塩等のアミン塩類、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリウム塩等の環式4級アンモニウム塩類、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
なお、アルキルに続くカッコ内の数字は、脂肪酸鎖の炭素数を示している。以下の表記においても同様である。
本発明の酸化剤含有組成物には、上述した(A−1)ステロール骨格を有する界面活性剤、(A−2)ラノリン由来の親油基を有する界面活性剤、(B)ノニオン性界面活性剤、及び、(C)カチオン性界面活性剤以外の界面活性剤を配合してもよい。
その他の界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤として、アルキルエーテル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニル エーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステルが例示される。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンは、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンのいずれであってもよい。
なお、アニオン性界面活性剤を含有することにより、長期保存により粘度が低下するという作用を有する。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。
アミノ酸型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム(ラウロアンホ酢酸Na)、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N'−カルボキシエチル−N'−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N'−カルボキシエトキシエチル−N'−カルボキシエチルエチレンジアミン二ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N'−カルボキシメトキシエチル−N'−カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウム、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、パーム油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどのグリシン型両性界面活性剤;ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミンなどのアミノプロピオン酸型両性界面活性剤;などが挙げられる。
ベタイン型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、ヤシ油アルキルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタインなどのアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤;ラウリルヒドロキシスルホベタインなどのスルホベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
本発明の酸化剤含有組成物には、その他任意の成分を配合することができる。例えば、油性成分、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム等の防腐剤、エタノール等の有機溶剤、ソルビトール、マルトース等の糖類、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム液、塩化ジアリルジメチルアンモニウム・ヒドロキシエチルセルロース等のカチオン化水溶性高分子、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム二水塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム液等のキレート剤、塩化ナトリウム等の無機塩、リン酸、乳酸、炭酸水素アンモニウム等のpH調整剤、直接染料、育毛成分、植物抽出物、生薬抽出物、アミノ酸・ペプチド、尿素、ビタミン類、香料、及び紫外線吸収剤等が挙げられる。
油性成分は、水、エタノール等の水性成分及び界面活性剤と共に混合されて乳化する成分である。例えば、高級アルコール、油脂、ロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、エステル類、シリコーン油、フッ素油等が例示される。これらの油性成分から、1種又は2種以上を選んで用いることができる。
〔毛髪処理剤について〕
本発明の毛髪処理剤は、アルカリ剤を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤を備え、使用時に混合して、混合物を毛髪に適用するものである。そして、酸化剤を含有する第2剤には、上述した酸化剤含有組成物を使用する。
毛髪処理剤の具体例としては、酸化染毛剤等の染毛剤、毛髪脱色・脱染剤等が挙げられる。
第1剤は、アルカリ剤を含む組成物である。第1剤の25℃における粘度は、好ましくは5000〜50000mPa・s、より好ましくは6000〜45000mPa・s、さらに好ましくは7000〜40000mPa・sである。なお、25℃における粘度の測定方法は、酸化剤含有組成物と同様に行う。
アルカリ剤
アルカリ剤としては、アンモニア、アルカノールアミン、ケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、メタケイ酸塩、硫酸塩、塩化物、リン酸塩、塩基性アミノ酸等が例示される。具体的には、アルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、トリエタノールアミン等が例示され、ケイ酸塩としてはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムが例示され、炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムが例示され、炭酸水素塩としては炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウムが例示され、メタケイ酸塩としてはメタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウムが例示され、硫酸塩としては硫酸アンモニウムが例示され、塩化物としては塩化アンモニウムが例示され、リン酸塩としてはリン酸第1アンモニウム、リン酸第2アンモニウムが例示され、塩基性アミノ酸としてはアルギニン、リジン及びそれらの塩が例示される。これらの中でも、アンモニア及びアンモニウム塩が好ましい。
第1剤と第2剤の混合物の粘度を更に低下するという観点から、硫酸塩、炭酸塩を有するアルカリ剤が好ましい。
酸化染料は、酸化剤により酸化重合して発色する染料である。酸化染料には、自身の酸化により発色する染料中間体と、染料中間体との組み合わせにより種々の色調となるカプラーがある。
具体的には、p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン(p−トルイレンジアミン)、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、o−クロル−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−m−クレゾール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール、2,4−ジアミノフェノール及びそれらの塩類等が例示される。
毛髪処理剤における酸化染料の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.01〜10質量%であり、更に好ましくは0.05〜7質量%である。
第1剤には、酸化剤含有組成物の項に記載した「界面活性剤」、「その他の成分」を任意の成分として配合することができる。また、アスコルビン酸等の酸化防止剤を配合してもよい。
毛髪処理剤には、炭酸塩を含有することが好ましい。炭酸塩は、第1剤、第2剤等、毛髪処理剤を構成する剤のいずれかに含有すればよいが、第1剤に含有することが好ましい。炭酸塩を含有することにより、第1剤と第2剤の混合物の粘度を更に低下するという効果や、第1剤と第2剤の混合物の経時的な粘度の変化を抑制するという効果を奏する。
毛髪処理剤には、硫酸塩を含有することが好ましい。硫酸塩は、第1剤、第2剤等、毛髪処理剤を構成する剤のいずれかに含有すればよいが、第1剤に含有することが好ましい。硫酸塩を含有することにより、第1剤と第2剤の混合物の粘度を更に低下するという効果を奏する。
本発明の毛髪処理剤の使用方法は、(工程1)上述した第1剤と、第2剤として上述した酸化染毛剤組成物を混合して毛髪処理剤を調製する工程、(工程2)毛髪処理剤を毛髪に塗布する工程と、を備える。
また、過去に染毛剤、脱色剤又は脱染剤により処理された既染毛に対して使用することが好ましい。
〔酸化剤含有組成物(第2剤)〕
(実施例1−1〜1−5、比較例1−1)
表1、表2に示される各成分を混合することにより、実施例1−1〜1−5、比較例1−1の酸化剤含有組成物を調製し、毛髪処理剤の第2剤とした。
第2剤の製造は、例えば、次のように行う。まず、過酸化水素水及びフェノキシエタノール以外の各成分を容器に入れ、80℃で溶解、乳化し、40℃に冷却させる。その後、過酸化水素水及びフェノキシエタノールを添加し、合計100%となるように水で調製する。尚、混合機については「乳化試験器 ET−SA型」(日光ケミカルズ社製)を用いた。
次に、製造した第2剤を25℃にて1週間保存した後、25℃における粘度を測定した。その結果を表1、表2の「粘度(25℃、mPa・s)」の欄に記載する。
第2剤変化率(%)={(保存後の粘度−保存前の粘度)/保存前の粘度}×100 …(1)
また、アニオン性界面活性剤は、保存試験により粘度が変化するものの、粘度が低下する作用が認められた。この作用は、混合物の粘度を低下するという観点において好ましい傾向であるといえる。
(実施例2−1〜2−4)
表3に示される各成分を混合することにより、実施例2−1〜2−4の組成物を調製し、毛髪処理剤の第1剤とした。
第1剤の製造は、例えば、次のように行う。まず、酸化染料、アンモニア、炭酸水素アンモニウム、及び、L−アスコルビン酸以外の各成分を容器に入れ、80℃で溶解、乳化し、40℃に冷却させる。その後、酸化染料、アンモニア、炭酸水素アンモニウム、及び、L−アスコルビン酸を添加し、合計100%となるように水で調製する。尚、混合機については「乳化試験器 ET−SA型」(日光ケミカルズ社製)を用いた。
次に、25℃における製造直後の粘度を測定し、表3の「粘度(25℃、mPa・s)」の欄に記載した。
(実施例3−1〜3−2、比較例3−1)
表4に示される第1剤及び第2剤を混合することにより、実施例3−1〜3−2、比較例3−1の毛髪処理剤を調製した。混合比率は、1:1(第1剤:第2剤)の比率で混合した。混合方法は、第1剤及び第2剤を各30gずつ計量し、第1剤、第2剤、の順に染毛カップに入れ、マドラー、もしくは染毛用ハケにて混合した。
また、第2剤による混合物の粘度の低下作用について、第1剤の粘度と混合物の粘度の差(以下、「低下粘度」という。)を算出することにより評価した。なお、低下粘度は、以下の式(2)により算出した。
低下粘度(mPa・s)=混合前の第1剤の粘度−混合後の毛髪処理剤の粘度 …(2)
◎:低下粘度が、8,000mPa・s以上である。
○:低下粘度が、4,000mPa・s以上8,000mPa・s未満である。
△:低下粘度が、2,000mPa・s以上4,000mPa・s未満である。
×:低下粘度が、2,000mPa・s未満である。
上記のとおり染毛カップで第1剤と第2剤を混合した後、染毛カップより混合物を取り出し、目視観察により以下の基準で評価した。
◎:染毛カップ内でスムーズかつ均一に混合されている。
○:染毛カップ内でスムーズに混合され、混合されなかったダマ(混合不良物)も殆どない。
△:混合するのにやや時間を要す、もしくは、ダマ(混合不良物)が多少認められる。
×:混合するのに時間を要す、もしくは、ダマ(混合不良物)が多量に認められる。
各例により得られた毛髪処理剤60gを、染毛用刷毛を用いて何も処理していない評価用ウィッグに25℃条件下にて塗布し、以下の評価方法により操作性を評価した。
◎:適量をハケにとった際に、ハケからのタレ落ちがない。かつ、髪への塗布の際に毛髪上で伸ばし易く、髪へのなじみも良い。
○:適量をハケにとった際に、ハケからの殆どタレ落ちがない。かつ、髪への塗布の際に毛髪上で伸ばし易く、髪へのなじみも良い。
△:適量をハケにとった際に、ややハケからのタレ落ちがある。もしくは、やや髪への塗布の際に毛髪上で伸ばしにくい、又は、やや髪へのなじみが悪い。
×:適量をハケにとった際に、ハケからのタレ落ちがある。もしくは、髪への塗布の際に毛髪上で伸ばしにくい、又は、髪へのなじみが悪い。
各例により得られた毛髪処理剤60gを、手袋を着用し、お湯(40℃)で濡らした評価用ウィッグに25℃条件下にて塗布し、以下の評価方法により操作性を評価した。
◎:毛髪上における延び、及び毛髪への付着性が非常に優れる。もしくは、髪の内側まで塗布し易い。
○:毛髪上における延び、及び毛髪への付着性が良好。もしくは、髪の内側まで塗布し易い。
△:毛髪上における延び、及び毛髪への付着性がやや劣る。もしくは、髪の内側への塗布がやや困難である。
×:毛髪上における延び、及び毛髪への付着性が劣る。もしくは、髪の内側への塗布が困難である。
次に、表5に示される第1剤及び第2剤を混合することにより、実施例4−1〜4−5の毛髪処理剤を調製し、実施例3−1と同様に評価した。実施例4−1〜4−5では、第1剤と第2剤の混合比率を変えて、「第2剤による混合物の粘度低下作用」、「混合性」、「刷毛塗りでの操作性」、「手塗りでの操作性」について評価した。
また、詳細に検討するに、第1剤の量に対する第2剤の量(第2剤/第1剤)は、大きい程、第2剤による混合物の粘度低下作用が大きくなり、0.5を超えると優れた効果が認められ、1を超えると特に優れた効果が認められる。
次に、表6に示される第1剤及び第2剤を混合することにより、実施例5−1〜5−4の毛髪処理剤を調製し、実施例3−1と同様に、「第2剤による混合物の粘度低下作用」、「混合性」、「刷毛塗りでの操作性」、「手塗りでの操作性」について評価した。また、実施例5−1〜5−4では、混合後の粘度の経時変化について評価した。
混合後変化率(%)={(混合60分後の粘度−混合直後の粘度)/混合直後の粘度}×100 …(3)
また、炭酸塩を含有すると、混合後変化率の絶対値が低下した。すなわち、炭酸塩を含有することにより、混合物の経時的な粘度の変化が小さくなったといえる。
更に、表6を参照すると、炭酸塩を含有し、硫酸塩を含まない第1剤は、混合後変化率において特に優れた効果が認められる。
次に、表7に示される第1剤及び第2剤を混合することにより、実施例6−1〜6−3の毛髪処理剤を調製し、実施例3−1と同様に、「第2剤による混合物の粘度低下作用」、「混合性」、「刷毛塗りでの操作性」、「手塗りでの操作性」について評価した。また、実施例6−1〜6−3では、毛髪に適用した際の毛髪の感触について評価した。なお、毛髪の感触については、以下の基準に従い評価した。
各例により得られた毛髪処理剤60gを、刷毛を用いて評価用ウィッグに塗布し、20分間後に、毛髪処理剤を洗い流した。その後、シャンプー(ホーユー(株)製 プロマスターカラーケアシャンプー)を2回、トリートメント(ホーユー(株)製 プロマスターカラーケアヘアトリートメント)を1回施した。そして、温風にて乾燥後の毛髪について、洗い流しから乾燥までのトータルを以下の評価方法により評価した。
◎:毛髪処理剤のプレーンリンス時から乾燥後まで髪の硬さ・きしみを感じづらく、指通りも良い。
○:シャンプー時に少々硬さを感じるが、トリートメント後、乾燥後で感じていた硬さは解消される。
△:プレーンリンス時も少し硬さを感じ、さっぱりしている。また、シャンプー時に感じる硬さは、トリートメント後やや和らぐものの、乾燥後にまで残る。
×:プレーンリンス時から硬く、シャンプーでさらに硬さ・きしみ感が増して感じられる。乾燥後も硬さやきしみ感が残って感じられる。
また、カチオン性界面活性剤を含有する実施例6−1、6−2は、カチオン性界面活性剤を含まない実施例6−3より毛髪の感触において、優れた効果が認められた。
また、酸化剤含有組成物の経時的な粘度の変化を抑制する方法にも利用することができる。
また、毛髪処理剤の調製において、第1剤と第2剤を容易に混合する方法に利用することができる。
Claims (5)
- アルカリ剤を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤を備えた毛髪処理剤において、
前記第1剤は、25℃における粘度が5000〜50000mPa・sであり、
前記第2剤は、25℃における粘度が100〜10000mPa・sであり、
(A−1)ステロール骨格を有する界面活性剤、又は、
(A−2)ラノリン由来の親油基を有する界面活性剤を含有する酸化剤含有組成物であり、かつ、前記第1剤の粘度より低い粘度を有することを特徴とする毛髪処理剤。 - 前記第2剤に、更に、
(B)ノニオン性界面活性剤(但し、前記(A−1)ステロール骨格を有する界面活性剤及び前記(A−2)ラノリン由来の親油基を有する界面活性剤を除く。)、又は、
(C)カチオン性界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の毛髪処理剤。 - 更に、炭酸塩又は硫酸塩を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪処理剤。
- 前記第1剤と前記第2剤を混合した後の毛髪処理剤の25℃における粘度が、1000〜20000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の毛髪処理剤。
- 以下の工程1及び工程2を含むことを特徴とする毛髪処理剤の使用方法。
工程1:
アルカリ剤を含有する第1剤であって、
25℃における粘度が5000〜50000mPa・sである第1剤と、
酸化剤を含有する第2剤であって、
(A−1)ステロール骨格を有する界面活性剤、又は、
(A−2)ラノリン由来の親油基を有する界面活性剤を含有し、
25℃における粘度が100〜10000mPa・sであり、かつ、前記第1剤より低い粘度を有する第2剤と、を混合して毛髪処理剤を調製する工程
工程2:
前記毛髪処理剤を毛髪に塗布する工程
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016037293A JP6705662B2 (ja) | 2016-02-29 | 2016-02-29 | 酸化剤含有組成物、毛髪処理剤、毛髪処理剤の使用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016037293A JP6705662B2 (ja) | 2016-02-29 | 2016-02-29 | 酸化剤含有組成物、毛髪処理剤、毛髪処理剤の使用方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020085333A Division JP6883885B2 (ja) | 2020-05-14 | 2020-05-14 | 酸化剤含有組成物、毛髪処理剤、毛髪処理剤の使用方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017154987A JP2017154987A (ja) | 2017-09-07 |
JP6705662B2 true JP6705662B2 (ja) | 2020-06-03 |
Family
ID=59809224
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016037293A Active JP6705662B2 (ja) | 2016-02-29 | 2016-02-29 | 酸化剤含有組成物、毛髪処理剤、毛髪処理剤の使用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6705662B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7016514B2 (ja) * | 2017-09-29 | 2022-02-07 | ホーユー株式会社 | 酸化染毛剤組成物 |
WO2019066073A1 (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-04 | ホーユー株式会社 | 酸化染毛剤組成物 |
JP7323168B2 (ja) * | 2019-08-26 | 2023-08-08 | 株式会社アリミノ | 酸化染毛剤第一剤 |
JP2021137131A (ja) * | 2020-03-02 | 2021-09-16 | 株式会社ダリヤ | 染毛または脱色剤用品 |
JP7500044B2 (ja) | 2020-03-03 | 2024-06-17 | 株式会社ダリヤ | 染毛用および脱色用第2剤組成物 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2848372B2 (ja) * | 1997-02-07 | 1999-01-20 | ライオン株式会社 | 泡状毛髪処理剤 |
KR100589452B1 (ko) * | 2001-08-27 | 2006-06-14 | 가부시키가이샤 만다무 | 모발 처리용 조성물 |
JP2004083454A (ja) * | 2002-08-26 | 2004-03-18 | Kanebo Ltd | 染毛剤組成物 |
JP2005255536A (ja) * | 2004-03-09 | 2005-09-22 | Kanebo Cosmetics Inc | 染毛剤組成物 |
JP2007126415A (ja) * | 2005-11-07 | 2007-05-24 | Shiseido Co Ltd | 染毛・脱色剤組成物 |
JP5084011B2 (ja) * | 2006-12-01 | 2012-11-28 | 株式会社ミルボン | 染毛用第2剤組成物 |
JP5705417B2 (ja) * | 2009-04-27 | 2015-04-22 | 中野製薬株式会社 | 2剤式酸化染毛・脱色剤用第2剤 |
WO2015068728A1 (ja) * | 2013-11-07 | 2015-05-14 | ホーユー株式会社 | 毛髪化粧料組成物 |
-
2016
- 2016-02-29 JP JP2016037293A patent/JP6705662B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017154987A (ja) | 2017-09-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5766455B2 (ja) | 染毛剤及び染毛方法 | |
TWI690331B (zh) | 染毛劑組成物以及染毛劑組成物的色調穩定化方法 | |
JP6705662B2 (ja) | 酸化剤含有組成物、毛髪処理剤、毛髪処理剤の使用方法 | |
WO2013136480A1 (ja) | 染毛剤及び染毛方法 | |
KR101668252B1 (ko) | 모발 화장료 조성물 | |
EP3473238B1 (en) | Powder hair dye composition | |
JP2013155115A (ja) | 染毛剤及び染毛方法 | |
TWI688407B (zh) | 氧化染毛劑第一劑以及氧化染毛劑組成物的色調穩定化方法 | |
JP7184314B2 (ja) | 染毛用第1剤組成物 | |
JP6640483B2 (ja) | 染毛剤組成物 | |
JP6883885B2 (ja) | 酸化剤含有組成物、毛髪処理剤、毛髪処理剤の使用方法 | |
JP2022171544A (ja) | 酸化染毛剤 | |
JP7104954B2 (ja) | 酸化染毛剤組成物 | |
CN109195573B (zh) | 氧化染发剂组合物 | |
JP7134454B2 (ja) | 毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物 | |
JP7396622B2 (ja) | 酸化染毛剤組成物及び染毛方法 | |
JP7437724B2 (ja) | 酸化染料含有組成物 | |
WO2022231005A1 (ja) | 酸化染毛剤、酸化染毛剤用の第1剤、酸化染毛剤の使用方法 | |
JP2020180084A (ja) | 酸化剤含有組成物 | |
JP6801854B2 (ja) | 酸化染毛剤組成物 | |
JP2017197507A (ja) | 酸化染毛剤組成物 | |
WO2020218588A1 (ja) | 酸化染料含有組成物 | |
WO2022231006A1 (ja) | 酸化染毛剤 | |
JP2022171540A (ja) | 酸化染毛剤 | |
JP2023003336A (ja) | 酸化染毛剤組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190220 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20191211 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191224 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20200129 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200131 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200414 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200514 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6705662 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |