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JP6701945B2 - 窒化物半導体装置および窒化物半導体装置の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体装置および窒化物半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、窒化物半導体装置および窒化物半導体装置の製造方法に関する。
窒化ガリウム(以下、GaN)は、六方晶系の結晶構造を有する。GaNの成長面がc面である場合には酸素が結晶内に取り込まれにくく、GaNの成長面がm面またはa面である場合には酸素が結晶内に取り込まれ易いことが報告されている(例えば、特許文献1参照)。また、基板と発光層との間に、第1の成長層と第1の成長層よりも酸素濃度が低い第2の成長層とを有する窒化物半導体バッファ膜を設けることが知られている(例えば、特許文献2参照)。また、酸素濃度制御という観点では、酸素濃度を増加させることによりGaNの表面モフォロジを良好にすること(例えば、特許文献3参照)、および、GaN層と低温核生成層との間に設けた窒化アルミニウム(以下、AlN)層中のアルミニウムによりGaN層中の酸素をゲッタリングすることが知られている(例えば、特許文献4参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2006−282504号公報
[特許文献2] 特開2009−194395号公報
[特許文献3] 特開2010−212651号公報
[特許文献4] 特開2006−066834号公報
縦型IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)および縦型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)においては、pn接合における耐圧を確保するべく、n型半導体層におけるn型不純物を制御する必要がある。
本発明の第1の態様においては、窒化物半導体装置を提供する。窒化物半導体装置は、半導体基板と、下部窒化物半導体層と、上部窒化物半導体層と、窒化物半導体領域とを備えてよい。下部窒化物半導体層は、半導体基板の上方に設けられてよい。上部窒化物半導体層は、下部窒化物半導体層上に直接接して設けられてよい。上部窒化物半導体層は、第1導電型であってよい。窒化物半導体領域は、上部窒化物半導体層上に直接接して設けられてよく、または、上部窒化物半導体層に設けられてもよい。窒化物半導体領域は、第2導電型であってよい。下部窒化物半導体層の酸素濃度は、上部窒化物半導体層の酸素濃度よりも高くてよい。
下部窒化物半導体層および上部窒化物半導体層の主成分は、同じ材料を有してよい。
半導体基板と、下部窒化物半導体層と、上部窒化物半導体層との主成分は、同じ材料を有してよい。
半導体基板と、下部窒化物半導体層と、上部窒化物半導体層との主成分は、GaNであってよい。
半導体基板の主面は非極性面であってよい。
下部窒化物半導体層の酸素濃度は、1E+17cm−3以上1E+19cm−3未満であってよい。
上部窒化物半導体層の酸素濃度は1E+16cm−3以下であってよい。
上部窒化物半導体層は、酸素以外の不純物元素を有してよい。酸素以外の不純物元素は、第1導電型として機能してよい。上部窒化物半導体層における酸素濃度は、不純物元素の濃度よりも低くてよい。
窒化物半導体装置は、上部窒化物半導体層から下部窒化物半導体層にかけて酸素濃度が不連続に変化する部分を有してよい。
本発明の第2の態様においては、窒化物半導体装置の製造方法を提供する。窒化物半導体装置の製造方法は、下部窒化物半導体層を形成する段階と、上部窒化物半導体層を形成する段階と、窒化物半導体領域を形成する段階とを備えてよい。下部窒化物半導体層は、窒化物半導体基板の上方に設けられてよい。上部窒化物半導体層は、下部窒化物半導体層上に直接接してよい。上部窒化物半導体層は、第1導電型であってよい。窒化物半導体領域は、上部窒化物半導体層上に直接接してよく、または、上部窒化物半導体層に設けられてもよい。窒化物半導体領域は、第2導電型であってよい。下部窒化物半導体層を形成する段階においては、上部窒化物半導体層を形成する段階よりも、窒化物半導体中に酸素を取り込みやすい条件で下部窒化物半導体層を形成してよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
第1実施形態における縦型MOSFET100の概要を示す図である。 第1の実験例における積層構造60‐1の概要を示す図である。 積層構造60‐1の深さ方向における酸素濃度プロファイルを示す図である。 比較実験例における積層構造60‐2の概要を示す図である。 積層構造60‐2の深さ方向における酸素濃度プロファイルを示す図である。 縦型MOSFET100の製造工程を示すフロー図である。 製造工程における段階S10を示す図である。 製造工程における段階S20を示す図である。 製造工程における段階S30を示す図である。 製造工程における段階S40を示す図である。 製造工程における段階S50を示す図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本明細書において、nまたはpは、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nまたはpの右肩に記載した+または−について、+はそれが記載されていないものよりもキャリア濃度が高く、−はそれが記載されていないものよりもキャリア濃度が低いことを意味する。
図1は、第1実施形態における縦型MOSFET100の概要を示す図である。本例の縦型MOSFET100は、いわゆるパワー半導体素子として利用される。パワー半導体素子は、主に電力機器に用いられる。パワー半導体素子は、数百[V]〜数千[V]の定格電圧および数十[A]〜千数百[A]の定格電流を有してよい。パワー半導体素子は、コンピュータ等の論理演算に用いられる半導体素子に比べて、高電圧が印加され、大電流を流すことができる。
窒化物半導体装置としての縦型MOSFET100は、電流の導通と電流の非導通とをスイッチングする機能を有する。本例において「上」および「上方」とは、GaN基板10の裏面18から上部GaN層14のおもて面16に向かう方向を意味する。本例において、おもて面16はGaN基板10と接しない上部GaN層14の主面であり、裏面18は下部GaN層12と接しないGaN基板10の主面である。また、「下」および「下方」とは、「上」および「上方」と逆方向を意味する。「上」および「下」は、必ずしも地面に対する鉛直方向を意味しない。「上」および「下」は、層および膜等の相対的な位置関係を特定する便宜的な表現に過ぎない。
本例の縦型MOSFET100は、半導体基板としてのGaN基板10、下部窒化物半導体層としての下部GaN層12、上部GaN層14、ゲート絶縁膜32、ゲート電極34、ソース電極44およびドレイン電極54を有する。本例のGaN基板10は、第1導電型である。本例において、第1導電型はn型を意味し、第2導電型はp型を意味する。本例のGaN基板10は、n型GaN基板である。なお、第1の変形例においては、第1導電型がp型を意味し、第2導電型がn型を意味してもよい。
上部GaN層14は、n型層22と、第2導電型の窒化物半導体領域としてのp型ウェル24と、p型ウェル26と、n型ウェル28とを有する。本例においては、第1導電型の上部窒化物半導体層は上部GaN層14であるが、p型ウェル24等が形成される前においては、第1導電型の上部窒化物半導体層はn型層22でもある。本例において、上部GaN層14のおもて面16の少なくとも一部には不純物がドープされた領域が露出する。本例において、不純物がドープされた領域とは、おもて面16から所定の深さ範囲に形成されたp型ウェル24、p型ウェル26およびn型ウェル28である。
下部GaN層12は、GaN基板10の上方に設けられてよい。本例の下部GaN層12は、GaN基板10上に直接接して設けられる。本例の下部GaN層12は、GaN基板10の非極性面である主面17上にエピタキシャル形成される。これにより、下部GaN層12の成長面も非極性面となる。なお、GaN基板10の主面17とは、GaN基板10の裏面18とは反対側の主面である。
本例において、GaNの非極性面はa面またはm面であってよい。また、GaNの極性面はc面であってよい。非極性面は、極性面と比較して酸素が取り込まれ易い。それゆえ、成膜室に酸素が残留している場合は、エピタキシャル形成するGaN層に酸素が意図せず取り込まれる可能性が高い。また、成膜室中の酸素を完全に除去するためには、成膜チャンバおよび排気系を超高真空に対応可能な構成とし、成膜前に十分な排気処理を実施する必要があり、費用、維持管理、およびプロセス時間など様々な点において困難である場合がある。酸素は、GaNに対するn型ドーパントとして機能するので、pn接合を形成するGaN層に意図せず酸素が取り込まれた場合には不純物濃度を制御することが困難となる。これにより、pn接合の耐圧を確保することが困難になる場合がある。
そこで、本例においては、pn接合を構成しない下部GaN層12の成長面を非極性面とすることにより、下部GaN層12に成膜室中の残留酸素をあえて取り込む。これにより、下部GaN層12の酸素濃度を、上部GaN層14の酸素濃度よりも高くする。下部GaN層12に酸素が取り込まれることにより、成膜室中の残留酸素が低減または無くなる。それゆえ、上部GaN層14に取り込まれる酸素を低減または無くすことができる。これにより、pn接合を形成する上部GaN層14のn型不純物濃度を低減することができるので、pn接合の耐圧を確保することができる。
なお、GaNは、p型特性が発現しにくいことが知られている。本例では、上部GaN層14においてp型ウェル24のアクセプタを相殺するドナーが低減されるので、下部GaN層12を設けない場合と比較してp型特性が発現し易くなるとう点においても有利である。
なお、本例のGaN基板10の主面17はオフ角を有してもよい。GaN基板10の主面17がm面である場合に、主面17は〈0001〉方向へ±8°以内のオフ角を有してもよい。オフ角を設けることにより、エピタキシャル成長した結晶表面の平坦性を向上させてもよい。
下部GaN層12は、第1導電型である。本例の下部GaN層12はn型である。本例の下部GaN層12の酸素濃度は、1E+17cm−3以上1E+19cm−3未満である。なお、Eは10の冪を意味する。例えば、E+17は1017を意味する。酸素濃度がE+19cm−3を超えると、GaNの結晶の格子定数が、本来の値からのずれが大きくなる。つまり、GaNの結晶性が乱れることとなる。本例では、下部GaN層12の酸素濃度を上記範囲とすることにより、格子定数への影響を抑制しつつ、酸素を取り込むことができる。
なお、下部GaN層12の酸素濃度は、3E+17cm−3以上7E+18cm−3以下であるとしてよく、5E+17cm−3以上5E+18cm−3以下であるとしてもよい。下部GaN層12の厚みは、上部GaN層14よりも薄く形成する。本例において、下部GaN層12の厚みは、0.5μmである。ただし、下部GaN層12の厚みは、0.1μm以上0.5μm以下としてよく、0.2μm以上0.4μm以下としてもよい。
なお、下部GaN層12は、酸素に加えて、第1導電型として機能する酸素以外の不純物元素を有してもよい。下部GaN層12を有機金属成長法(MOCVD)によりエピタキシャル形成する際にSiH(シラン)ガスを導入することにより、下部GaN層12がSi(シリコン)を有してよい。同様に、GeH(ゲルマン)ガスを導入することにより、下部GaN層12がGe(ゲルマニウム)を有してもよい。SiHガスおよびGeHガスを導入することにより、下部GaN層12がSiおよびGeを有してもよい。
なお、下部GaN層12は、窒化物混晶半導体であってもよい。具体的には、下部GaN層12は、AlInGa(1−x−y)N(ただし、0≦x<0.1、0≦y<0.1)であってよい。AlInGa(1−x−y)Nの結晶構造は、六方晶であり、その非極性面は極性面よりも酸素を取込み易い。
本例の上部GaN層14(n型層22)は、下部GaN層上に直接接して設けられたエピタキシャル層である。上部GaN層14のおもて面16も、非極性面であってよい。なお、上部GaN層14もまた、窒化物混晶半導体であってもよい。具体的には、上部GaN層14は、AlInGa(1−x−y)N(ただし、0≦x≦0.1、0≦y≦0.1)であってよい。
本例の上部GaN層14の酸素濃度は、1E+16cm−3以下である。なお、上部GaN層14の酸素濃度は、1E+15cm−3以下であってもよい。酸素以外のn型不純物濃度は制御可能であるので、酸素濃度が上記範囲であれば、n型層22とp型ウェル24とのpn接合の耐圧を確保するのに十分な程度にn型層22のn型不純物濃度を制御することができる。本例のn型層22はn型不純物として酸素のみを有するので、n型不純物濃度は酸素濃度と見なしてよい。本例において、上部GaN層14の厚みは5μm以上10μm以下としてよい。
なお、第2の変形例においては、上部GaN層14は、酸素に加えて、第1導電型として機能する酸素以外の不純物元素を有してもよい。上部GaN層14をエピタキシャル形成する際にSiHガスを導入してよく、GeHガスを導入してもよい。また、SiHガスおよびGeHガスを導入してもよい。n型層22があまりに低濃度となると、電子にとってn型層22の抵抗が高くなる。そこで、SiおよびGeのうち1種類以上の元素をn型層22に加えることにより、pn接合の耐圧を確保しつつ、n型層22の抵抗値を設計上必要とする程度まで低下させてもよい。
上記の第2の変形例において、上部GaN層14における酸素濃度は、第1導電型として機能する酸素以外の不純物元素の濃度よりも低くてよい。n型層22における酸素の濃度は、第1導電型として機能する酸素以外の不純物元素の濃度の10%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、60%以下、70%以下、80%以下または90%以下であってよい。当該第2の変形例において、n型層22におけるn型不純物濃度は、1E+15cm−3以上2E+16cm−3以下であってよい。
下部GaN層12および上部GaN層14の主成分は、同じ材料を有してよい。本例において、GaN基板10および下部GaN層12の主成分は、GaとNとの比が1:1のGaNである。主成分とは、n型およびp型不純物元素以外の元素であり、各層を構成する主要な元素を指す。例えば、下部GaN層12がn型のGaNである場合、主成分はGaおよびNである。また、下部GaN層12がn型のAlGaNである場合、主成分はAl、GaおよびNである。主成分が同じ材料を有するとは、主成分が同じ元素で構成されることを意味してよく、主成分が同じ元素の同じ組成比で構成されること意味してもよい。下部GaN層12と上部GaN層14との主成分が同じ材料であれば互いに結晶格子の格子定数が一致するので、格子定数が異なる場合と比較して上部GaN層14における格子歪みを抑えることができる。
また、GaN基板10と、下部GaN層12と、上部GaN層14との主成分が、同じ材料を有してもよい。本例においては、GaN基板10と、下部GaN層12と、上部GaN層14との主成分は、GaとNとの比が1:1であるGaNである。上記三者を同じ材料とすることにより、上部GaN層14に加えて、下部GaN層12の格子歪みを抑えることができる。
上部GaN層14において、n型層22は、縦型MOSFET100のドリフト層として機能する。本例のp型ウェル24は、n型層22へのイオン注入により、n型層22に設けられる。p型ウェル24において、ゲート絶縁膜32の直下であってn型層22とn型ウェル28との間における部分は、チャネル形成領域25として機能してよい。
本例のp型ウェル26は、p型ウェル24へのイオン注入により形成される。p型ウェル26は、ソース電極44との接触抵抗を低減する機能、および、オフ時の正孔引き抜き経路を提供する機能を有してよい。また、本例のn型ウェル28は、p型ウェル24およびp型ウェル26へのイオン注入により形成される。n型ウェル28は、ソース領域として機能する。
なお、第3の変形例においては、第2導電型の窒化物半導体領域としてのp型ウェル24は、上部GaN層14上に直接接して設けられたp型半導体層であってもよい。すなわち、p型ウェル24が、上部GaN層14(n型層22)に設けられた凹部に選択的にエピタキシャル形成されてもよい。p型ウェル26およびn型ウェル28も同様に、凹部を形成後に当該凹部内にエピタキシャル形成されてよい。これにより、図1と同じ構成を実現してもよい。
GaNに対するn型不純物は、Si、GeおよびO(酸素)の一種類以上の元素を含んでよい。本例においては、n型不純物としてSiを用いる。また、GaNに対するp型不純物は、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Be(ベリリウム)およびZn(亜鉛)のうち一種類以上の元素を含んでよい。本例においては、p型不純物としてMgを用いる。
本例のゲート絶縁膜32は、p型ウェル24およびn型層22の最上部に直接接する。本例のゲート電極34は、ゲート絶縁膜32上に直接接する。本例のソース電極44は、n型ウェル28およびp型ウェル26に電気的に接続する。また、本例のドレイン電極54は、GaN基板10の裏面18と直接接する。
ゲート端子30、ソース端子40およびドレイン端子50を、それぞれG、DおよびSに丸を付けて示す。本例では、ドレイン電極54が所定の高電位を有し、かつ、ソース電極44が接地電位を有する場合に、ゲート端子30からゲート電極34に閾値電圧以上の電位が与えられると、チャネル形成領域25に電荷反転層が形成され、ドレイン端子50からソース端子40へ電流が流れる。また、ゲート電極34に閾値電圧よりも低い電位が与えられるとチャネル形成領域25における電荷反転層が消滅し、電流が遮断される。
図2Aは、第1の実験例における積層構造60‐1の概要を示す図である。積層構造60‐1は、第1実施形態のGaN基板10と、下部GaN層12と、上部GaN層14(即ち、n型層22)とを有する。第1の実験例の上部GaN層14は、p型ウェル24、p型ウェル26およびn型ウェル28を有せず、n型層22のみを有する。なお、本例において、おもて面16を始点とする下方向を深さ方向とする。
図2Bは、積層構造60‐1の深さ方向における酸素濃度プロファイルを示す図である。横軸は深さμmであり、縦軸は酸素濃度cm−3である。本例においては、深さ0μm以上2.5μm未満が上部GaN層14(n型層22)であり、深さ2.5μm以上3.6μm未満が下部GaN層12であり、深さ3.6μm以上がGaN基板10である。なお、深さ0μm以上0.2μm以下の上部GaN層14は、表面吸着物の影響であり、実際の結晶中に含まれる酸素濃度ではない。分析手法に起因した信号であるため、考慮しないものとする。
本例のn型層22は、1.0E+15cm−3以上2.0E+16cm−3以下の酸素濃度を有する。ただし、1.0E+16cm−3以上の濃度点(データ)は酸素濃度が検出下限に近いことに由来する測定ノイズ影響であり、特異的なピーク値である。従って、深さ方向におけるn型層22の平均濃度は、5.0E+15cm−3以上1.0E+16cm−3以下の範囲にある。当該平均濃度を本例におけるn型層22の酸素濃度と見なしてもよい。これに対して、本例の下部GaN層12は、深さ2.5μmおよび3.6μmの位置近傍における急峻な変化を除けば、1.0E+17cm−3以上4.0E+17cm−3以下の酸素濃度を有する。本例の積層構造60‐1は、上部GaN層14から下部GaN層12にかけて酸素濃度が不連続に変化する部分を有する。本例においては、深さ2.5μmにおいて、酸素濃度がステップ状に急激に変化する。本例において「酸素濃度が不連続に変化する」とは、深さ方向の0.2μmの範囲において、酸素濃度が1桁以上変化することを意味してよい。本実験例により、下部GaN層12は、上部GaN層14への酸素導入を低減する効果があると言える。
図3Aは、比較実験例における積層構造60‐2の概要を示す図である。第1の実験例との差異は、GaN基板10上に直接接して上部GaN層14(即ち、n型層22)を設けた点である。
図3Bは、積層構造60‐2の深さ方向における酸素濃度プロファイルを示す図である。横軸は深さμmであり、縦軸は酸素濃度cm−3である。本例においては、深さ0μm以上2.5μm未満がn型層22であり、深さ2.5μm以上がGaN基板10である。第1の実験例と同様に、表面汚染は考慮しないものとする。
本例のn型層22は、8.0E+15cm−3以上1.5E+17cm−3以下の酸素濃度を有する。比較実験例においては、下部GaN層12に取り込まれる酸素がn型層22に取り込まれた結果、第1の実験例よりも酸素濃度が上昇していると考えられる。
図4は、縦型MOSFET100の製造工程を示すフロー図である。本例の製造工程は、段階S10からS50の順に行われる。本例の製造工程は、下部GaN層12をエピタキシャル形成する段階(S10)、上部GaN層14(n型層22)をエピタキシャル形成する段階(S20)、上部GaN層14のおもて面16に不純物をイオン注入する段階(S30)、上部GaN層14のおもて面16上に保護膜19を設けた積層構造70をアニールする段階(S40)、ゲート絶縁膜32等を形成する段階(S50)を備える。
図5Aは、製造工程における段階S10を示す図である。本例の段階S10においては、MOCVDによりGaN基板10の上方に、下部GaN層12をエピタキシャル成長する。本例においては、トリメチルガリウム(Ga(CH)およびアンモニア(NH)を含む原料ガスと、窒素(N)および水素(H)を含む押圧ガスとをGaN基板10上に流す。なお、原料ガスにSiHガスおよびGeHガスを加えてもよいのは上述の通りである。なお、GaN基板10に代えて、SiC(炭化珪素)基板またはZrB(ホウ化ジルコニウム)基板を用いてもよい。また、MOCVDに代えて、ハイドライド気相成長法(HVPE)または分子線エピタキシー法(MBE)を用いてもよい。
段階S10においては、上部GaN層14を形成する段階S20よりも、窒化物半導体中に酸素を取り込みやすい条件で下部GaN層12を形成する。「窒化物半導体中に酸素を取り込みやすい条件」とは、(1)エピタキシャル層の成長面が非極性面であること、(2)成膜室における最初のエピタキシャル形成であること、および、(3)GaN基板10の温度が後続のエピタキシャル層形成時のGaN基板10の温度よりも、所定温度以上低いことを意味してよい。
本例においては、(1)下部GaN層12の成長面が非極性面であり、(2)下部GaN層12は段階S10において成膜室内で1回目にエピタキシャル形成される層であり、かつ、(3)段階S10におけるGaN基板10の温度が、後続の段階S20におけるGaN基板10の温度よりも所定温度以上低い。
所定温度以上低いとは、50℃以上、60℃以上、70℃以上、80℃以上、90℃以上、100℃以上、110℃以上、120℃以上、130℃以上、140℃以上または150℃以上低いことを意味してよい。本例では、段階S20におけるエピタキシャル成長温度から約100℃低い温度において、下部GaN層12をエピタキシャル成長させる。当業者であれば、温度と、TMGおよびNHの単位時間当たりの流量とを適宜調節することにより、GaN層を形成することができる。
図5Bは、製造工程における段階S20を示す図である。本例のS20においては、下部GaN層12上に直接接する上部GaN層14(n型層22)をエピタキシャル形成する。本例では、下部GaN層12および上部GaN層14を同じ成膜室で連続的に形成することにより、下部GaN層12と上部GaN層14とを異なる成膜室で形成する場合と比較して作業工程を短縮することができる。
図5Cは、製造工程における段階S30を示す図である。本例の段階S20においては、n型層22に不純物元素を選択的にイオン注入することにより、p型ウェル24、p型ウェル26およびn型ウェル28を形成する。本例においては、加速電圧20、40、70、110、150、200、250、および430(単位は全てkeV)、ドーズ量6E+12cm−2の多段注入によりMgをn型層22へイオン注入する。これにより、段階S40のアニール後において不純物濃度が1E+17cm−3となるp型ウェル24を形成する。なお、上述の様にp型ウェル24は、上部GaN層14上に直接接してエピタキシャル形成されてもよい。
また、本例においては、加速電圧10keV、ドーズ量4.5E+13cm−2でMgをp型ウェル24にイオン注入する。これにより、段階S40のアニール後において、p型ウェル26の不純物濃度は2E+19cm−3となってよい。さらに、本例においては、加速電圧30、60、および80(単位は全てkeV)、ドーズ量3E+15cm−2の多段注入により、Siをp型ウェル24およびp型ウェル26にそれぞれイオン注入する。これにより、段階S40のアニール後において、n型ウェル28の不純物濃度は1E+20cm−3となってよい。
図5Dは、製造工程における段階S40を示す図である。本例の段階S40においては、上部GaN層14のおもて面16に直接接して保護膜19を形成する。これにより、GaN基板10、下部GaN層12および上部GaN層14を有する積層構造70を形成する。本例の保護膜19は、スパッタリング法により形成されたAlN膜である。保護膜19は、2nm以上1000nm以下の厚みを有してよい。保護膜19の形成後に、積層構造70をアニール装置110内のサセプタに載置する。アニール装置110内部を窒素過圧して、1200℃以上1500℃以下の温度条件で積層構造70をアニールしてよい。アニール後に、水酸化カリウム水溶液(KOHaq)を用いて上部GaN層14に対して選択的に保護膜19を除去する。
図5Eは、製造工程における段階S50を示す図である。段階S50においては、既知の成膜方法およびパターニング方法を適用することにより、ゲート絶縁膜32、ゲート電極34、ソース電極44およびドレイン電極54をそれぞれ形成する。本例においては、減圧化学気相成長法(LPCVD)によりゲート絶縁膜32としてのSiO膜を形成する。ゲート絶縁膜32の厚みは、例えば100nmである。
その後、ゲート電極34として多結晶シリコンをLPCVDにより形成する。多結晶シリコンの成膜中または成膜後に多結晶シリコン中にリン(P)およびヒ素(As)の一種類以上の元素をドープしてよい。これにより、多結晶シリコンの導電性を向上させることができる。フォトリソグラフィおよびエッチングにより、ゲート絶縁膜32およびゲート電極34をパターニングする。
その後、ソース電極44を形成する。ソース電極44は、下層のTi(チタン)層と上層のAl層とを有する積層体であってよい。その後、ドレイン電極54を形成する。ドレイン電極54は、GaN基板10の裏面18と直接接する上層のTi層と下層のAl層とを有する積層体であってよい。
その後、ゲート端子30、ソース端子40およびドレイン端子50と、ゲート電極34、ソース電極44およびドレイン電極54とを配線によりそれぞれ接続する。これにより、縦型MOSFET100が完成する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須であることを意味するものではない。
10・・GaN基板、12・・下部GaN層、14・・上部GaN層、16・・おもて面、17・・主面、18・・裏面、19・・保護膜、22・・n型層、24・・p型ウェル、25・・チャネル形成領域、26・・p型ウェル、28・・n型ウェル、30・・ゲート端子、32・・ゲート絶縁膜、34・・ゲート電極、40・・ソース端子、44・・ソース電極、50・・ドレイン端子、54・・ドレイン電極、60・・積層構造、70・・積層構造、100・・縦型MOSFET、110・・アニール装置

Claims (8)

  1. 主面が非極性面である半導体基板と、
    前記半導体基板の上方に設けられた、下部窒化物半導体層と、
    第1導電型として機能する酸素以外の不純物元素を有しており、酸素濃度が前記不純物元素の濃度よりも低く、且つ、前記下部窒化物半導体層上に直接接して設けられた、第1導電型の上部窒化物半導体層と、
    前記上部窒化物半導体層に設けられた、または、前記上部窒化物半導体層上に直接接して設けられた、第2導電型の窒化物半導体領域と
    を備え、
    前記下部窒化物半導体層の酸素濃度は、前記上部窒化物半導体層の酸素濃度よりも高い窒化物半導体装置。
  2. 前記下部窒化物半導体層および前記上部窒化物半導体層の主成分は、同じ材料を有する
    請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  3. 前記半導体基板と、前記下部窒化物半導体層と、前記上部窒化物半導体層との主成分は、同じ材料を有する
    請求項2に記載の窒化物半導体装置。
  4. 前記半導体基板と、前記下部窒化物半導体層と、前記上部窒化物半導体層との主成分は、GaNである
    請求項3に記載の窒化物半導体装置。
  5. 前記下部窒化物半導体層の酸素濃度は、1E+17cm−3以上1E+19cm−3未満である
    請求項1からのいずれか一項に記載の窒化物半導体装置。
  6. 前記上部窒化物半導体層の酸素濃度は、1E+16cm−3以下である
    請求項1からのいずれか一項に記載の窒化物半導体装置。
  7. 前記上部窒化物半導体層から前記下部窒化物半導体層にかけて酸素濃度が不連続に変化する部分を有する
    請求項1からのいずれか一項に記載の窒化物半導体装置。
  8. 窒化物半導体装置の製造方法であって、
    主面が非極性面である窒化物半導体基板の上方に下部窒化物半導体層を形成する段階と、
    第1導電型として機能する酸素以外の不純物元素を有しており、酸素濃度が前記不純物元素の濃度よりも低く、且つ、前記下部窒化物半導体層上に直接接する第1導電型の上部窒化物半導体層を形成する段階と、
    前記上部窒化物半導体層に設けられる、または、前記上部窒化物半導体層上に直接接する第2導電型の窒化物半導体領域を形成する段階と
    を備え、
    前記下部窒化物半導体層を形成する段階においては、前記上部窒化物半導体層を形成する段階よりも、窒化物半導体中に酸素を取り込みやすい条件で前記下部窒化物半導体層を形成して、前記下部窒化物半導体層の酸素濃度を、前記上部窒化物半導体層の酸素濃度よりも高くする
    窒化物半導体装置の製造方法。
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