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JP2013149959A - 窒化物系半導体装置 - Google Patents

窒化物系半導体装置 Download PDF

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JP2013149959A
JP2013149959A JP2012272827A JP2012272827A JP2013149959A JP 2013149959 A JP2013149959 A JP 2013149959A JP 2012272827 A JP2012272827 A JP 2012272827A JP 2012272827 A JP2012272827 A JP 2012272827A JP 2013149959 A JP2013149959 A JP 2013149959A
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Yoshihiro Sato
義浩 佐藤
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Abstract

【課題】ノーマリーオフ型の窒化物系半導体装置を提供する。
【解決手段】基板101と、基板101の主面上に形成された、少なくとも一層の窒化物系半導体層を含むバッファ層103と、バッファ層103の上方に形成された窒化物系半導体を含むチャネル層108と、チャネル層108の上方に形成されたソース電極112及びドレイン電極111と、チャネル層108の上方であって、ソース電極112とドレイン電極111との間に形成されたゲート電極113と、バッファ層103とチャネル層108との間にあって、ゲート電極113と重なる領域の少なくとも一部を含んで設けられ、予め定められた電位に固定されるn型窒化物系半導体を含む中間層107とを備えた窒化物系半導体装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物系半導体装置に関する。
従来、ノーマリーオフ型の窒化物系トランジスタを実現するために、チャネル層の下に障壁層またはp型GaN層を設け、当該障壁層またはp型GaN層の電位を素子外部に設けられた制御電極により制御することで、閾値電圧を正の電圧に制御する方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、チャネル層の下にp型GaN層を設け、SiC基板及びp型GaN層をソース電極と接続することで、p型GaN層の電位の変動を防止する方法が知られている。(例えば、特許文献3参照)。
特許文献1 特開2010−45303号公報
特許文献2 特開2009−54685号公報
特許文献3 特開2008−258419号公報
しかしながら、GaN系半導体では低抵抗なp型GaN層を作成するのが困難である。そのため、ソース電極をp型GaN層に対してオーミック接合させることができず、p型GaN層の電位を固定できない。そのため、ノーマリーオフ型の窒化物系トランジスタの実現が困難であった。
本発明の第1の態様においては、基板と、基板の主面上に形成された、少なくとも一層の窒化物系半導体層を含むバッファ層と、バッファ層の上方に形成された窒化物系半導体を含むチャネル層と、チャネル層の上方に形成されたソース電極及びドレイン電極と、チャネル層の上方であって、ソース電極とドレイン電極との間に形成されたゲート電極と、バッファ層とチャネル層との間にあって、ゲート電極と重なる領域の少なくとも一部を含んで設けられ、予め定められた電位に固定されるn型窒化物系半導体を含む中間層とを備えた窒化物系半導体装置が提供される。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
第1実施形態にかかるGaN系MOSFETの断面図である。 図1に記載のGaN系MOSFETのゲート電圧とドレイン電流の関係を示すグラフである。 図1に示すGaN系MOSFETの変形例の断面図である。 第2実施形態にかかるGaN系MOSFETの断面図である。 図1に示すGaN系MOSFETの製造方法を説明する工程図である。 図5の後工程を示す工程図である。 図6の後工程を示す工程図である。 図7の後工程を示す工程図である。 図8の後工程を示す工程図である。 図9の後工程を示す工程図である。 図10の後工程を示す工程図である。 図11の後工程を示す工程図である。 図12の後工程を示す工程図である。 図1に示すGaN系MOSFETの変形例の断面図である。 図14に示すGaN系MOSFETの製造方法を説明する工程図である。 図15の後工程を示す工程図である。 図16の後工程を示す工程図である。 図17の後工程を示す工程図である。 図18の後工程を示す工程図である。 図19の後工程を示す工程図である。 図20の後工程を示す工程図である。 図21の後工程を示す工程図である。 図22の後工程を示す工程図である。 図23の後工程を示す工程図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態にかかるGaN系MOSFET100の断面図である。GaN系MOSFET100は、基板101と、基板101の主面上に形成された阻害層102と、基板101の主面上に形成されたバッファ層103と、バッファ層103上に形成されたアンドープ窒化物系半導体層105と、アンドープ窒化物系半導体層105の上方に形成されたチャネル層108と、アンドープ窒化物系半導体層105上に形成された中間層107と、チャネル層108上に形成された電子供給層109と、チャネル層108及び電子供給層109上に形成されたゲート絶縁膜110と、チャネル層108の上方に形成されたソース電極112及びドレイン電極111と、チャネル層108の上方であって、ソース電極112とドレイン電極111との間に形成されたゲート電極113とを備える。ここで、「上」、「下」の用語は、それぞれ基板101の主面から遠ざかる方向及び基板101の主面に近づく方向を示しており、GaN系MOSFET100が実装された状態での上下方向を指すものではない。
基板101は、面方位(111)を主面とするシリコン基板であってよい。基板101は、SiC基板、サファイヤ基板、GaN基板、または、SOI基板であってもよい。基板101の主面上には、阻害層102、バッファ層103、アンドープ窒化物系半導体層105が順にエピタキシャル成長されている。
基板101上に成長された阻害層102は、シリコン原子とガリウム原子とが化学反応を起こさないためのバリア層として機能する。阻害層102はAlNを含んでよい。阻害層102上に成長されたバッファ層103は、基板101を構成するシリコン原子の格子定数と、基板101上に積層される半導体層を構成するガリウム原子の格子定数との差によって生じる結晶の歪みを緩和させるように機能する。バッファ層103は、チャネル層108の転位密度を減少させるとともに、基板101の反りを低減する。
バッファ層103は、少なくとも一層の窒化物系半導体層を含む。バッファ層103は、GaN/AlNが交互に成長した複合層を少なくとも一層有する。GaN及びAlNの層厚はそれぞれ200nm、20nmであってよい。バッファ層103は、例えば、8層の複合層を有する。バッファ層103の層厚は、例えば1800nmである。バッファ層103の抵抗率は、1×10Ωcm以上であってよい。
バッファ層103上に成長されたアンドープ窒化物系半導体層105は、意図的に不純物をドープしていないGaN層であってよい。アンドープ窒化物系半導体層105は、1×10Ωcm以上の抵抗率を有する。また、アンドープ窒化物系半導体層105の層厚は、例えば、300nmである。
バッファ層103の上方にチャネル層108が形成されている。本例では、アンドープ窒化物系半導体層105上にチャネル層108が成長されている。チャネル層108上には、チャネル層108よりもバンドギャップエネルギーの大きい電子供給層109が成長されている。チャネル層108と、電子供給層109とのヘテロ接合界面には、チャネル層108と電子供給層109との格子定数差によるピエゾ分極及び自発分極に起因する2次元電子ガスが生成される。チャネル層108のヘテロ接合界面付近において、高移動度の2次元電子ガスをキャリアとして使用することにより、スイッチング速度が高速のGaN系MOSFETを実現できる。
しかし、従来のGaN系MOSFETにおいては、ゲート電圧が0Vにおいても、ドレイン電圧が印加されるとドレイン電流が流れてしまう。本実施形態にかかるGaN系MOSFET100は、チャネル層108におけるゲート電極113直下のチャネル領域の電位を固定することにより、ゲート電圧が0Vにおいてチャネル領域を空乏化させピンチオフすることができる。つまり、閾値電圧を正の値に制御することができる。チャネル層108は、アンドープGaN層であってよい。チャネル層の層厚は、例えば、300nmである。
バッファ層103とチャネル層108との間に中間層107が形成されている。本例では、アンドープ窒化物系半導体層105上に中間層107が成長されている。中間層107は、ゲート電極113と重なる領域のすべてを含むように設けられている。ここで、ゲート電極113と重なる領域とは、GaN系MOSFET100を真上から見たときに、ゲート電極113の投影面と、中間層107の投影面が重なる領域を指す。具体的には、中間層107は、ゲート電極113のドレイン電極111側の端面117と中間層107のドレイン電極111側の端面118を含む共通面136と、ゲート電極113のソース電極112側の端面115を含み、共通面136と平行な共通面138に挟まれた重なる領域140を含む。中間層107は、例えば、ソース電極112と接続されることで、チャネル層108におけるゲート電極113直下のチャネル領域の電位を所定の電位に固定するように機能する。
チャネル層108におけるゲート電極113直下のチャネル領域の電位を固定することにより、チャネル層108の電位の変動を抑制することができる。その結果、閾値電圧を正の値に制御することができる。また、ゲート電極113に負の電圧を印加した場合に、チャネルを完全に空乏化することができる。その結果、ノーマリーオフのGaN系MOSFET100を達成することができる。中間層107は、予め定められた電位に固定されるn型窒化物系半導体を含む。
チャネル層108の電位を固定する手段として、p型GaN層を用いる技術が知られている。従来は、チャネル層の下にp型GaN層を成長させ、素子の外部に作成した制御電極と当該p型GaN層を接続してp型GaN層の電位を固定しようとしていた。しかしながら、p型GaN層を用いてチャネル層108の電位を固定する方法には次のような問題がある。
まず、p型GaNは、n型GaNに比べ抵抗が高く、低抵抗な半導体層を作成することは困難である。したがって、ソース電極112とオーミック接合することができない。また、p型GaN層を成長する際のp型ドーパントとして、マグネシウム(Mg)が使用される。Mgは、アクセプタ準位が深く、GaN層中において活性化率が1%程度であるので、1×1018/cmの目標ドープ濃度を達成するためには、1×1020/cm程度の濃度でドープしなければならない。このような高濃度でドープされたMg原子はゲート電極113直下のチャネル層108のチャネル領域にまで拡散して、チャネルが形成されない場合がある。その結果、デバイスの信頼性が低下する。さらに、高濃度でMgをドープするとp型GaNの結晶品質が悪くなり、p型GaN層上にエピタキシャル成長するチャネル層108の転位密度が増加する。
これに対して、n型GaNは、p型GaNに比べ抵抗が低く、低抵抗な半導体層を形成しやすい。したがって、ソース電極112とオーミック接合することができる。また、n型ドーパントとしてシリコン(Si)を使用した場合、ドープ濃度が1×1018/cmであっても、Si原子がゲート電極113直下のチャネル層108のチャネル領域にまで拡散することはない。したがって、デバイスの信頼性が低下することはない。さらに、n型ドーパントを高濃度でドープすることにより、ソース電極112とオーミック接合しやすくなる。
以上の理由から、鋭意研究の結果、中間層107としてn型GaNを用いるのが好ましいことがわかった。低抵抗な中間層107とソース電極112をオーミック接合することにより、中間層107の電位はソース電極112の電位に固定される。それにより、ゲート電極113直下のチャネル層108のチャネル領域の電位が固定される。その結果、ノーマリーオフのGaN系MOSFET100を達成することができる。
チャネル層108上には電子供給層109が成長されている。電子供給層109は、チャネル層108よりもバンドギャップエネルギーが大きい半導体層によって形成される。電子供給層109とチャネル層108とのヘテロ接合界面では、格子定数差によるピエゾ分極及び自発分極に起因する2次元電子ガスが生成される。電子供給層109は、AlGaN層であってよい。AlGaN層のAlの組成比は10%から30%、好ましくは20%から25%であってよい。電子供給層109の層厚は、例えば20nmである。
電子供給層109上にはゲート絶縁膜110が堆積されている。ゲート絶縁膜110は、電子供給層109において、ゲート電極113を形成するべき領域に形成された開口部130を通じてチャネル層108と接している。ゲート絶縁膜110は、層厚が約60nmのシリコン酸化膜(SiO)であってよい。
チャネル層108の上方には、ソース電極112及びドレイン電極111が形成されている。本例では、電子供給層109上にソース電極112及びドレイン電極111が形成されている。GaN系MOSFET100は、ソース電極112を形成するべき領域の一部に中間層107に達するトレンチ溝132を有する。ソース電極112は、トレンチ溝132の底面116及びトレンチ溝132の側面134に接する電極部を有する。ソース電極112は、電子供給層109の上面から、トレンチ溝132の側面134及び底面116まで連続して形成される。ソース電極112は、トレンチ溝の底面116において中間層107とオーミック接合する。ソース電極112及びドレイン電極111は、Ti/Alの積層構造を有してよい。Ti及びAlの層厚はそれぞれ、25nm、300nmであってよい。
ソース電極112は、中間層107と接続されなくてもよい。つまり、ソース電極112と、中間層107にオーミック接合する電極部は絶縁されてよい。本例では、当該電極部が、外部電源と接続されて、中間層107の電位を、ソース電極112の電位と異なる電位に制御することができる。
チャネル層108の上方であって、ソース電極112とドレイン電極111との間のゲート絶縁膜110上にはゲート電極113が形成されている。ゲート電極113は、電子供給層109に形成された開口部130に堆積されたゲート絶縁膜110上に形成される。ゲート電極113はTi/Au/Tiの積層構造を有してよい。それぞれの層厚は、25nm、20nm、25nmであってよい。
中間層107とドレイン電極111との距離をdとし、ドレイン電極111とゲート電極113との間の距離をdとすると、d≧dである。ここで、中間層107とドレイン電極111との距離dとは、中間層107のドレイン電極111側の端面118における点と、ドレイン電極111とを結ぶ直線のうち最短の直線の長さを指す。また、ドレイン電極111とゲート電極113との間の距離dとは、ドレイン電極111とゲート電極113とを結ぶ直線のうち最短の直線の長さを指す。d≧dとすることで、中間層107とドレイン電極111との間の距離を確保し、中間層107とドレイン電極111との間の耐圧を維持することができる。
中間層107のドレイン電極111側の端面118及びゲート電極113のドレイン電極111側の端面117は、基板101の主面と垂直で、かつ、ゲート電極113とドレイン電極111を結ぶ直線と垂直な共通面136内にあってよい。中間層107をこのように構成することで、ドレイン電極111と中間層107との間の耐圧を保ちつつ、ゲート電極113直下のチャネル層108のチャネル領域の電位を固定することができる。
他の例において、中間層107は、ゲート電極113と重なる領域140のすべてを含むように設けられてもよい。本例では、中間層107の端面118は、基板101の主面と平行な方向にゲート電極113の端面117よりもドレイン電極111側に位置している。d≧dの関係を満たしていれば、中間層107は、ゲート電極113直下の領域からドレイン電極111側に伸長していてもよい。
中間層107は、ゲート電極113と重なる領域から、ソース電極112の方向に延びている。具体的には、中間層107は、トレンチ溝132の側面134よりもゲート電極113から離れる方向に基板101の主面と平行に伸長する伸長部119を有する。当該伸長部119の上面はトレンチ溝132の底面116と共通面を構成する。中間層107の伸長部119の上面は、トレンチ溝132の底面116に形成されたソース電極112とオーミック接合している。
図2は、GaN系MOSFET100のゲート電圧Vgとドレイン電流Idとの関係を示すグラフである。直線Aは、従来のノーマリーオン型のGaN系MOSFETのId−Vg特性を示す。直線Bは、本実施形態にかかるGaN系MOSFET100のId−Vg特性を示す。ノーマリーオン型のGaN系MOSFETは、負の閾値電圧Vt1を有し、ドレイン電圧を印加すれば、ゲート電圧Vgが0Vであってもドレイン電流Idが流れる。これに対して、本実施形態にかかるGaN系MOSFET100は、ゲート電極113直下のチャネル層108のチャネル領域の電位がソース電極112の電位に固定されるので、正の閾値電圧Vtを有する。したがって、ゲート電圧Vgが0Vのとき、ドレイン電流Idは流れない。つまり、ノーマリーオフ型のGaN系MOSFET100を達成することができる。
図3は、GaN系MOSFET100の変形例を示す。本例において、中間層107は、バッファ層103の最上層に接して形成されている。つまり、バッファ層103と中間層107との間にアンドープ窒化物系半導体層105が設けられていない。バッファ層103の最上層の一部が中間層107に接して形成され、バッファ層103の最上層の残りの部分がチャネル層108と接して形成される。
図4は、本発明の第2実施形態にかかるGaN系MOSFET200の断面図を示す。第1実施形態と同様な機能を有する部材には同一の符号を付し、説明を省略する。GaN系MOSFET200は、基板101の主面と反対側の面に第4の電極202が形成され、当該第4の電極202と中間層107とが貫通孔204を通じて電気的に接続される点で第1実施形態と異なる。
第4の電極202は基板101の主面と反対側の面に、例えば、Ti/Alがスパッタ法により蒸着され、CMP研磨されて設けられる。貫通孔204は、第4の電極202から中間層107まで貫通する。本例では、貫通孔204は、基板101、阻害層102、バッファ層103、アンドープ窒化物系半導体層105を貫通して設けられる。中間層107は、当該貫通孔204を通じて第4の電極202と電気的に接続される。中間層107の電位は、当該貫通孔204に充填された金属を通じて第4の電極202の電位に固定される。第2実施形態においても、ノーマリーオフ型のGaN系MOSFETを達成することができる。
次に、GaN系MOSFET100の製造方法を説明する。図5から図13は製造方法を説明する工程図である。GaN系MOSFET100の製造方法は、基板101の主面上に阻害層102、バッファ層103、アンドープ窒化物系半導体層105、及びn型GaN層106を順次エピタキシャル成長する半導体層成長段階と、中間層107を形成するべき領域を覆う中間層形成用マスク120を形成する段階と、ドライエッチングにより中間層107を形成する段階と、中間層形成用マスク120を除去した後にトレンチ溝132を形成するべき領域に選択成長用マスク122を形成する段階と、選択成長によりチャネル層108及び電子供給層109を再成長させる段階と、選択成長用マスク122を除去しトレンチ溝132を形成する段階と、電子供給層109においてゲート電極113を形成するべき領域に開口部130を形成する段階と、電子供給層109の表面全体にゲート絶縁膜110を成膜する段階と、ドレイン電極111及びソース電極112を形成する段階と、オーミックアニール処理を行う段階と、ゲート絶縁膜110上にゲート電極113を形成する段階とを備える。
図5は、半導体層成長段階を説明する工程図である。半導体層成長段階は、基板101上に阻害層102をエピタキシャル成長する段階と、阻害層102上にバッファ層103をエピタキシャル成長する段階と、バッファ層103上にアンドープ窒化物系半導体層105をエピタキシャル成長する段階と、アンドープ窒化物系半導体層105上にn型GaN層106をエピタキシャル成長する段階とを有する。
ここで、エピタキシャル成長は、MOCVD法を用いて行う。エピタキシャル成長中、基板101の温度は1050℃に維持する。MOCVD装置の反応室内部には、キャリアガスとして濃度100%の水素ガスを導入し、反応ガスとして所定の流量のトリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、アンモニア(NH)を導入する。例えば、反応ガスの流量は、それぞれ、58μmol/min、100μmol/min、12l/minであってよい。
阻害層102をエピタキシャル成長する段階は、所定流量のTMAl及びNHを反応室内部に導入し、AlN層をエピタキシャル成長する段階を含む。AlN層の層厚は、例えば100nmである。バッファ層103をエピタキシャル成長する段階は、GaN/AlNを交互に成長させた複合層を少なくとも一層成長させる段階を含む。GaN層及びAlN層の層厚は、それぞれ200nm、20nmであってよい。バッファ層103は8層の複合層を有してよい。それぞれの複合層において、GaN層の層厚は、同じであってもよいし、異なってもよい。例えば、基板101から上方に向かってGaN層の層厚が徐々に厚くなるように成長させてもよい。バッファ層103の全層厚は、1800nmであってよい。
アンドープ窒化物系半導体層105をエピタキシャル成長する段階は、所定の流量のTMGa及びNHを反応室内に導入し、意図的に不純物をドープせずにGaN層をエピタキシャル成長する段階を含む。アンドープ窒化物系半導体層105の層厚は、600nmであってよい。
n型GaN層106をエピタキシャル成長する段階は、所定の流量のTMGa及びNH3とともに、n型ドーパントとしてSiをドーピングする段階を含む。Siのドーピングは、ドープ濃度が1×1018/cm程度となるように、モノシラン(SiH)ガスの流量を調節することにより行う。n型GaN層106の層厚は、50nmであってよい。なお、n型ドーパントは、酸素、硫黄、セレン、テルルであってよい。また、これらの元素をコドープしてもよい。
図6は、図5の後工程である、中間層形成用マスク120を形成する段階を説明する工程図である。ここで、MOCVD装置からプラズマCVD装置へ基板101を移動する。中間層形成用マスク120を形成する段階は、SiO膜を堆積する段階と、フォトリソグラフィー技術により中間層107を形成するべき領域を覆う中間層形成用マスク120を形成する段階とを有する。SiOは、モノシラン(SiO)及びNOを原料ガスとしてプラズマCVD法により成膜する。SiOの層厚は、300nmであってよい。中間層形成用マスク120は、フォトリソグラフィー技術及びフッ酸を使ったウエットエッチングにより形成する。
図7は、図6の後工程である、中間層107を形成する段階を説明する工程図である。中間層107を形成する段階は、中間層形成用マスク120に覆われていないn型GaN層106を、ドライエッチングにより除去する段階を含む。ドライエッチングは、塩素系ガス(例えば、Cl)を用いて実行することができる。ドライエッチングの終了した後、中間層形成用マスク120をウエットエッチングにより除去する。
図8は、図7の後工程である、選択成長用マスク122を形成する段階を説明する工程図である。選択成長用マスク122を形成する段階は、SiO膜を基板101の表面全体に堆積する段階と、中間層107上においてトレンチ溝132を形成するべき領域に選択成長用マスク122を形成する段階を含む。SiO膜は、SiH及びNOを原料ガスとしてプラズマCVD法により成膜する。SiOの膜厚は、約300nmであってよい。選択成長用マスク122は、フォトリソグラフィー技術及びウエットエッチングにより、トレンチ溝132を形成するべき領域を残して、それ以外のSiO膜を除去する段階を含む。
図9は、図8の後工程である、選択成長によりチャネル層108及び電子供給層109を再成長させる段階を説明する工程図である。ここで基板101を再びMOCVD装置に戻し、再成長を行う。チャネル層108及び電子供給層109の再成長は、選択成長により実行する。アンドープ窒化物系半導体層105及び中間層107上にはチャネル層108がエピタキシャル成長するが、選択成長用マスク122の上面には、チャネル層108はエピタキシャル成長しない。反応室内にキャリアガスとして濃度100%の水素ガスを導入し、原料ガスとして所定の流量のTMGa、TMAl、NHを導入する。基板101の温度を再び1050℃に維持する。NHの所定の流量は12l/minであってよい。
TMGaガス及びNHガスを原料ガスとしてアンドープGaNを選択成長させることによりチャネル層108を再成長させる。チャネル層108の層厚は、300nmであってよい。つづいて、TMGaガス、TMAlガス及びNHガスを原料ガスとしてAlGaN層を選択成長させることにより電子供給層109を再成長させる。TMGa及びTMAlの流量は、電子供給層109を構成するAlGaNのAl組成比に応じて調整してよい。Alの組成比は25%であってよい。電子供給層109の層厚は20nmであってよい。
図10は、図9の後工程である、トレンチ溝132を形成する段階と、電子供給層109においてゲート電極113を形成するべき領域に開口部130を形成する段階を説明する工程図である。トレンチ溝132を形成する段階は、ウエットエッチングにより、選択成長用マスク122を除去する段階を含む。開口部130を形成する段階は、プラズマCVD法により、厚さ300nmのSiO膜を基板101の表面全体に堆積する段階と、フォトリソグラフィー技術及びウエットエッチングにより、ゲート電極113を形成するべき領域に開口部を有するエッチングマスクを形成する段階と、当該エッチングマスクを使って、ドライエッチングにより電子供給層109に深さ50nmの開口部130を形成する段階を含む。ドライエッチングは、塩素系ガスを用いて行うことができる。その後、エッチングマスクはウエットエッチングにより除去する。
図11は、図10の後工程である、電子供給層109上にゲート絶縁膜110を堆積する段階を説明する工程図である。ゲート絶縁膜110を堆積する段階は、SiH及びNOを原料ガスとして、プラズマCVD法によりSiO膜を堆積する段階を含む。ゲート絶縁膜の膜厚は、60nmであってよい。
図12は、図11の後工程である、ドレイン電極111及びソース電極112を形成する段階を説明する工程図である。ドレイン電極111及びソース電極112を形成する段階は、ドレイン電極111及びソース電極112を形成するべき領域のゲート絶縁膜110を除去する段階と、Ti/Alの多層構造の金属膜を蒸着する段階と、ドレイン電極111及びソース電極112を形成する段階とを有する。ゲート絶縁膜110を除去する段階は、フォトリソグラフィー技術及びウエットエッチングにより行う。金属膜を蒸着する段階は、スパッタ法または真空蒸着法により行う。電極を形成する段階は、リフトオフ法により行う。
Ti及びAlの金属膜の膜厚はそれぞれ、25nm、300nmであってよい。ソース電極112は、電子供給層109の上面、トレンチ溝132の側面134及び底面116に接して連続的に形成される。ドレイン電極111及びソース電極112を形成した後、600℃、10分間のオーミックアニール処理を行う。このオーミックアニール処理により、ドレイン電極111と電子供給層109とのオーミック接合、ソース電極112と中間層107とのオーミック接合、及びソース電極112と電子供給層109とのオーミック接合が達成される。
図13は、図12の後工程である、ゲート電極113を形成する段階を説明する工程図である。ゲート電極113を形成する段階は、フォトリソグラフィー技術及びエッチングによりゲート電極113を形成するべき領域に開口部を有するマスクを形成する段階と、スパッタ法によりTi/Au/Tiの多層構造の金属膜を蒸着する段階と、リフトオフ法によりゲート電極113を形成する段階とを有する。マスクを形成する段階において、ゲート電極113のドレイン電極111側の端面117と中間層107のドレイン電極111側の端面118とが基板101の主面と垂直で、かつ、ゲート電極113とドレイン電極111とを結ぶ直線と垂直な共通面内にあるように、フォトマスクと基板101とのアライメントを行う。
以上の製造方法によれば、ノーマリーオフ型のGaN系MOSFET100を製造することができる。また、素子の外部に制御電極を設ける必要がないので、素子サイズの小さいGaN系MOSFET100を製造することができる。さらに、耐圧を確保することができるので信頼性の高いGaN系MOSFET100を製造することができる。
図14は、図1に示す第1実施形態の変形例であるGaN系MOSFET300の断面図を示す。本例は、アンドープ窒化物系半導体層105の表面の一部に中間層307が形成されている点で、アンドープ窒化物系半導体層105上に中間層107が成長される第1実施形態と異なる。第1実施形態と同一の部材には、同一の符号を付し、説明を省略する。
本例において、アンドープ窒化物系半導体層105は、バッファ層103上であって、中間層307の下以外の領域にも設けられている。当該領域において、アンドープ窒化物系半導体層105は、チャネル層108と接する上面309を有し、当該上面309は中間層307の上面308と同一面を形成する。ここで、同一面は、基板101の主面と平行な面である。そして、中間層307の上面308およびアンドープ窒化物系半導体層105の上面309にチャネル層108がエピタキシャル成長により形成されている。つまり、段差のない平坦な面上に、チャネル層108がエピタキシャル成長により形成される。本例では、アンドープ窒化物系半導体層105の表面の一部に中間層307が形成されているが、中間層307は、アンドープ窒化物系半導体層105の内部において表面に露出しない領域に形成されてもよい。中間層307は、ゲート電極113と重なる領域のすべてを含むように設けられている。また、他の例において、アンドープ窒化物系半導体層105は、バッファ層103の上方であって、中間層307の下以外の領域にも設けられてよい。この例では、アンドープ窒化物系半導体層105とバッファ層103との間に他の半導体層が介在してよい。
ここで、ゲート電極113と重なる領域とは、GaN系MOSFET300を真上から見たときに、ゲート電極113が形成される領域を指す。具体的には、中間層307は、ゲート電極113のドレイン電極111側の端面117を基板101の方向に延長した共通面136と、ゲート電極113のソース電極112側の端面115を基板101の方向に延長した共通面138とに挟まれた重なる領域140を含む。中間層307は、例えば、ソース電極112と接続されることで、チャネル層108におけるゲート電極113直下のチャネル領域の電位を所定の電位に固定する。
本例のGaN系MOSFET300においても、第1実施形態のGaN系MOSFET100と同様に、チャネル層108におけるゲート電極113直下のチャネル領域の電位を固定することにより、チャネル層108の電位の変動を抑制することができる。その結果、閾値電圧を正の値に制御することができる。また、ゲート電極113に負の電圧を印加した場合に、チャネルを完全に空乏化することができる。その結果、ノーマリーオフのGaN系MOSFET300を達成することができる。中間層307は、予め定められた電位に固定されるn型窒化物系半導体を含む。
次に、GaN系MOSFET300の製造方法を説明する。図15から図24は製造方法を説明する工程図である。GaN系MOSFET300の製造方法は、基板101の主面上に阻害層102、バッファ層103、および、アンドープ窒化物系半導体層105を順次エピタキシャル成長する半導体層成長段階と、中間層307を形成するべき領域以外を覆うことで中間層307が形成される領域を画定する中間層形成用マスク320を形成する段階と、イオン注入法によりn型不純物イオンを注入する段階と、中間層形成用マスク320を除去した後にアニール処理する段階と、トレンチ溝132を形成するべき領域に選択成長用マスク122を形成する段階と、選択成長によりチャネル層108及び電子供給層109を再成長させる段階と、選択成長用マスク122を除去しトレンチ溝132を形成する段階と、電子供給層109においてゲート電極113を形成するべき領域に開口部130を形成する段階と、電子供給層109の表面全体にゲート絶縁膜110を成膜する段階と、ドレイン電極111及びソース電極112を形成する段階と、オーミックアニール処理を行う段階と、ゲート絶縁膜110上にゲート電極113を形成する段階とを備える。
図15は、半導体層成長段階を説明する工程図である。半導体層成長段階は、基板101上に阻害層102をエピタキシャル成長する段階と、阻害層102上にバッファ層103をエピタキシャル成長する段階と、バッファ層103上にアンドープ窒化物系半導体層105をエピタキシャル成長する段階とを有する。
ここで、エピタキシャル成長は、MOCVD法を用いて行う。エピタキシャル成長中、基板101の温度は1050℃に維持する。MOCVD装置の反応室内部には、キャリアガスとして濃度100%の水素ガスを導入し、反応ガスとして所定の流量のトリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、アンモニア(NH)を導入する。例えば、反応ガスの流量は、それぞれ、58μmol/min、100μmol/min、12l/minであってよい。
阻害層102をエピタキシャル成長する段階は、所定流量のTMAl及びNHを反応室内部に導入し、AlN層をエピタキシャル成長する段階を含む。AlN層の層厚は、例えば100nmである。バッファ層103をエピタキシャル成長する段階は、GaN/AlNを交互に成長させた複合層を少なくとも一層成長させる段階を含む。GaN層及びAlN層の層厚は、それぞれ200nm、20nmであってよい。バッファ層103は8層の複合層を有してよい。それぞれの複合層において、GaN層の層厚は、同じであってもよいし、異なってもよい。例えば、基板101から上方に向かってGaN層の層厚が徐々に厚くなるように成長させてもよい。バッファ層103の全層厚は、1800nmであってよい。
アンドープ窒化物系半導体層105をエピタキシャル成長する段階は、所定の流量のTMGa及びNHを反応室内に導入し、意図的に不純物をドープせずにGaN層をエピタキシャル成長する段階を含む。アンドープ窒化物系半導体層105の層厚は、900nmであってよい。
図16は、図15の後工程である、中間層形成用マスク320を形成する段階を説明する工程図である。ここで、MOCVD装置からプラズマCVD装置へ基板101を移動する。中間層形成用マスク320を形成する段階は、SiO膜を堆積する段階と、フォトリソグラフィー技術により中間層307を形成するべき領域以外の領域を覆う中間層形成用マスク320を形成する段階とを有する。SiOは、モノシラン(SiO)及びNOを原料ガスとしてプラズマCVD法により成膜する。SiOの層厚は、1000nmであってよい。中間層形成用マスク320は、フォトリソグラフィー技術及びフッ酸を使ったウエットエッチングにより形成する。
図17は、図16の後工程である、中間層307を形成する段階を説明する工程図である。中間層307を形成する段階は、表面保護用の保護膜321を堆積する段階と、保護膜321の上からn型不純物イオンをイオン注入する段階を含む。保護膜321は、SiO膜であってよい。SiO膜は、モノシラン(SiH4)及びNOを原料ガスとしてプラズマCVD法により成膜する。SiOの膜厚は、約20nmであってよい。イオン注入は、例えば、Siイオンを所定のエネルギーで加速させ、基板表面に対して垂直に入射させることにより実行する。
ここで、所定のエネルギーとは、Siイオンが保護膜321を通過するが、中間層形成用マスク320を通過しない範囲のエネルギーを指す。つまり、イオン注入段階において、Siイオンは、中間層形成用マスク320の下方のアンドープ窒化物系半導体層105には注入されない。結果として、中間層形成用マスク320以外のアンドープ窒化物系半導体層105に、Siイオンが注入される。イオンドーズ量は、典型的には、3×1015cm−2程度である。イオン注入が終了した後、保護膜321および中間層形成用マスク320をBHF(Buffered HF)を用いたウエットエッチングにより完全に除去する。
図18は、図17の後工程である、アニール処理段階を説明する工程図である。アニール処理段階は、基板表面全体にキャップ層322を堆積する段階と、活性化アニール処理する段階とを含む。キャップ層322は、ウエットエッチングにより露出した基板表面を保護するとともに、半導体層の表面からGa、N、Siなどの原子が大気中に放出するのを防ぐ。キャップ層322は、緻密なSiO膜であってよい。緻密なSiO膜は、PECVD法により堆積することができる。キャップ層322は、AlNまたはグラファイトからなる薄膜であってもよい。
基板をアニール炉に移動した後、活性化アニール処理を行う。活性化アニール処理は、温度1100℃、N雰囲気中で、5分間行ってよい。イオン注入段階においてアンドープ窒化物系半導体層105に注入されたSiイオンは、活性化アニール処理により、アンドープ窒化物系半導体層105の表面付近から基板101方向へ拡散する。こうして、n型GaN系半導体からなる中間層307が形成される。なお、活性化アニール処理により、アンドープ窒化物系半導体層105と中間層307との境界付近において、Siイオンは横方向(つまり、基板101と平行な方向)にも拡散する。このSiイオンの横方向への拡散は、イオン注入段階でのドーズ量、活性化アニール段階でのアニール温度およびアニール時間を制御することにより、抑制することができる。また、アニール温度、および、アニール時間を適宜調整して所望の層厚の中間層307を得ることができる。アニール処理の終了後、基板全体をゆっくり冷却する。その後、フッ酸を用いたウエットエッチングによりキャップ層322を除去する。
図19は、図18の後工程である、選択成長用マスク122を形成する段階を説明する工程図である。選択成長用マスク122を形成する段階は、SiO膜を基板101の表面全体に堆積する段階と、中間層107上においてトレンチ溝132を形成するべき領域に選択成長用マスク122を形成する段階を含む。SiO膜は、SiH及びNOを原料ガスとしてプラズマCVD法により成膜する。SiOの膜厚は、約300nmであってよい。選択成長用マスク122は、フォトリソグラフィー技術及びウエットエッチングにより、トレンチ溝132を形成するべき領域を残して、それ以外のSiO膜を除去する段階を含む。中間層307の選択成長用マスク122が形成されなかった領域における上面308と、中間層307が形成されていないアンドープ窒化物系半導体層105の上面309とは、同一面を形成する。
図20は、図19の後工程である、選択成長によりチャネル層108及び電子供給層109を再成長させる段階を説明する工程図である。ここで基板101を再びMOCVD装置に戻し、再成長を行う。チャネル層108及び電子供給層109の再成長は、選択成長により実行する。中間層307の選択成長用マスク122が形成されなかった領域における上面308および中間層307が形成されないアンドープ窒化物系半導体層105の上面309には、チャネル層108がエピタキシャル成長する。一方、選択成長用マスク122の上面309には、チャネル層108はエピタキシャル成長しない。反応室内にキャリアガスとして濃度100%の水素ガスを導入し、原料ガスとして所定の流量のTMGa、TMAl、NHを導入する。基板101の温度を再び1050℃に維持する。NHの所定の流量は12l/minであってよい。
TMGaガス及びNHガスを原料ガスとしてアンドープGaNを選択成長させることによりチャネル層108を再成長させる。ここで、本例において、中間層307の選択成長用マスク122が形成されなかった領域における上面308、および、中間層307が形成されていないアンドープ窒化物系半導体層105の上面309とは同一面を形成しているので、それぞれの面において、エピタキシャル成長の成長速度は同一である。また、それぞれの面は活性化アニール処理においてキャップ層322により保護され、その後、ウエットエッチング処理されているので表面における結晶性は良好である。
したがって、界面準位が少なく、転位密度の小さいチャネル層108が得られる。チャネル層108の層厚は、300nmであってよい。つづいて、TMGaガス、TMAlガス及びNHガスを原料ガスとしてAlGaN層を選択成長させることにより電子供給層109を再成長させる。TMGa及びTMAlの流量は、電子供給層109を構成するAlGaNのAl組成比に応じて調整してよい。Alの組成比は25%であってよい。電子供給層109の層厚は20nmであってよい。
図21は、図20の後工程である、トレンチ溝132を形成する段階と、電子供給層109においてゲート電極113を形成するべき領域に開口部130を形成する段階を説明する工程図である。トレンチ溝132を形成する段階は、ウエットエッチングにより、選択成長用マスク122を除去する段階を含む。開口部130を形成する段階は、プラズマCVD法により、厚さ300nmのSiO膜を基板101の表面全体に堆積する段階と、フォトリソグラフィー技術及びウエットエッチングにより、ゲート電極113を形成するべき領域に開口部を有するエッチングマスクを形成する段階と、当該エッチングマスクを使って、ドライエッチングにより電子供給層109に深さ50nmの開口部130を形成する段階を含む。開口部130は、チャネル層108の表面または内部に至る深さまで形成されてよい。ドライエッチングは、塩素系ガスを用いて行うことができる。その後、エッチングマスクはウエットエッチングにより除去する。
図22は、図21の後工程である、電子供給層109上にゲート絶縁膜110を堆積する段階を説明する工程図である。ゲート絶縁膜110を堆積する段階は、SiH及びNOを原料ガスとして、プラズマCVD法によりSiO膜を堆積する段階を含む。ゲート絶縁膜の膜厚は、60nmであってよい。
図23は、図22の後工程である、ドレイン電極111及びソース電極112を形成する段階を説明する工程図である。ドレイン電極111及びソース電極112を形成する段階は、ドレイン電極111及びソース電極112を形成するべき領域のゲート絶縁膜110を除去する段階と、Ti/Alの多層構造の金属膜を蒸着する段階と、ドレイン電極111及びソース電極112を形成する段階とを有する。ゲート絶縁膜110を除去する段階は、フォトリソグラフィー技術及びウエットエッチングにより行う。金属膜を蒸着する段階は、スパッタ法または真空蒸着法により行う。電極を形成する段階は、リフトオフ法により行う。
Ti及びAlの金属膜の膜厚はそれぞれ、25nm、300nmであってよい。ソース電極112は、電子供給層109の上面、トレンチ溝132の側面134及び底面116に接して連続的に形成される。ドレイン電極111及びソース電極112を形成した後、600℃、10分間のオーミックアニール処理を行う。このオーミックアニール処理により、ドレイン電極111と電子供給層109とのオーミック接合、ソース電極112と中間層107とのオーミック接合、及びソース電極112と電子供給層109とのオーミック接合が達成される。
図24は、図23の後工程である、ゲート電極113を形成する段階を説明する工程図である。ゲート電極113を形成する段階は、フォトリソグラフィー技術及びエッチングによりゲート電極113を形成するべき領域に開口部を有するマスクを形成する段階と、スパッタ法によりTi/Au/Tiの多層構造の金属膜を蒸着する段階と、リフトオフ法によりゲート電極113を形成する段階とを有する。マスクを形成する段階において、ゲート電極113のドレイン電極111側の端面117と中間層307のドレイン電極111側の端面118とが基板101の主面と垂直で、かつ、ゲート電極113とドレイン電極111とを結ぶ直線と垂直な共通面内にあるように、フォトマスクと基板101とのアライメントを行う。
以上の製造方法によれば、ノーマリーオフ型のGaN系MOSFET300を製造することができる。また、素子の外部に制御電極を設ける必要がないので、素子サイズの小さいGaN系MOSFET300を製造することができる。さらに、耐圧を確保することができるので信頼性の高いGaN系MOSFET300を製造することができる。さらにまた、チャネル層の転位密度が小さいので、安定かつ高速なデバイスを提供できる。
上述した実施形態は、GaN系MOSFET100、200、300及びその製造方法を例に説明したが、これに限定されない。上述した実施形態は、GaN系MOSFET100、200、300以外に、GaN系HEMT、GaN系パワーデバイス、GaN系SOIデバイスに適用することもできる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
100、200、300 GaN系MOSFET、101 基板、102 阻害層、103 バッファ層、105 アンドープ窒化物系半導体層、106 n型GaN層、107、307 中間層、108 チャネル層、109 電子供給層、110 ゲート絶縁膜、111 ドレイン電極、112 ソース電極、113 ゲート電極、115 端面、116 底面、117 端面、118 端面、119 伸長部、120、320 中間層形成用マスク、122 選択成長用マスク、 130 開口部、132 トレンチ溝、134 側面、136 共通面、138 共通面、140 重なる領域、202 第4の電極、204 貫通孔、308 上面、309 上面、321 保護膜、322 キャップ層

Claims (8)

  1. 基板と、
    前記基板の主面上に形成された、少なくとも一層の窒化物系半導体層を含むバッファ層と、
    前記バッファ層の上方に形成された窒化物系半導体を含むチャネル層と、
    前記チャネル層の上方に形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記チャネル層の上方であって、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成されたゲート電極と、
    前記バッファ層と前記チャネル層との間にあって、前記ゲート電極と重なる領域の少なくとも一部を含んで設けられ、予め定められた電位に固定されるn型窒化物系半導体を含む中間層と
    を備えた窒化物系半導体装置。
  2. 前記中間層と前記ドレイン電極との距離をdとし、前記ドレイン電極と前記ゲート電極との間の距離をdとすると、d≧dである
    請求項1に記載の窒化物系半導体装置。
  3. 前記中間層は、前記ゲート電極と重なる領域のすべてを含むように設けられている請求項2に記載の窒化物系半導体装置。
  4. 前記バッファ層と前記中間層との間に設けられ、意図的に不純物がドープされていないアンドープ窒化物系半導体層をさらに含む請求項1から3のいずれか一項に記載の窒化物系半導体装置。
  5. 前記アンドープ窒化物系半導体層は、前記バッファ層の上または上方であって、前記中間層の下以外の領域にも設けられ、当該領域において、前記アンドープ窒化物系半導体層は、前記チャネル層と接する接触面を有し、前記接触面は前記中間層の上面と同一面を形成する
    請求項4に記載の窒化物系半導体装置。
  6. 前記中間層が、前記ソース電極とオーミック接合している請求項1から5のいずれか一項に記載の窒化物系半導体装置。
  7. 前記ソース電極を形成するべき領域の一部に前記中間層に達するトレンチ溝をさらに備え、
    前記トレンチ溝の底面において前記ソース電極は前記中間層とオーミック接合される請求項6に記載の窒化物系半導体装置。
  8. 前記主面と反対側の面に形成された第4の電極を更に備え、
    前記中間層は、前記反対側の面から前記中間層まで貫通する貫通孔を通じて、前記第4の電極と電気的に接続されている請求項1から5のいずれか一項に記載の窒化物系半導体装置。
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