JP6675846B2 - 高温強度に優れたFe−Cr−Ni系合金 - Google Patents
高温強度に優れたFe−Cr−Ni系合金 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6675846B2 JP6675846B2 JP2015183150A JP2015183150A JP6675846B2 JP 6675846 B2 JP6675846 B2 JP 6675846B2 JP 2015183150 A JP2015183150 A JP 2015183150A JP 2015183150 A JP2015183150 A JP 2015183150A JP 6675846 B2 JP6675846 B2 JP 6675846B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alloy
- less
- based alloy
- producing
- slab
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
Description
Cは合金の高温強度を確保するために必要な元素であり、0.01%未満では必要な強度を得ることができない。一方、0.1%を超えると、NbCやTiCの個数が増加して、本願発明の範囲を超えてしまう。よって、Cの含有量は0.01〜0.1%と定めた。より好ましくは、0.03〜0.08%である。
Siは脱酸剤として添加される元素であり、0.1%未満では十分な脱酸効果を得ることができない。一方、1%を超えて高いと、オーステナイト相の安定性が低下し、必要な高温強度が得られないため、0.1〜1%と定めた。より好ましくは、0.3〜0.7%である。
Mnは脱酸剤として添加される元素であり、0.05%未満では十分な脱酸効果を得ることができない。一方、1.5%を超えて高いとオーステナイト相の安定性が低下し、必要な高温強度が得られないため、0.05〜1.5%と定めた。より好ましくは、0.35〜1.35%である。
Niはオーステナイト相を安定化させ高温強度を維持するための重要な元素である。30%未満ではその効果が得られず、50%を超えると熱間加工性が悪化するだけではなく、高価になってしまう。そのため、30〜50%と定めた。より好ましくは、33〜45%である。さらに好ましくは、35〜40%である。
Crは高温で緻密な酸化皮膜を形成し、母材の高温強度を維持させる効果がある。19%未満ではその効果が得られない。一方、28%を超えるとオーステナイト相の安定性が低下し、必要な高温強度が得られない。そのため、19〜28%と定めた。より好ましくは、21〜27%である。
Moは粒界強化の効果がある。0.1%未満ではその効果が得られない。一方、2.5%を超えると、σ相が脆化し、熱間加工性が低下する。そのため、0.1〜2.5%と定めた。より好ましくは、0.3〜1.5%である。
Alは、圧延後の酸化皮膜をより緻密にするために、有用な元素である。この観点で、0.01%の添加は必要である。さらに、脱酸剤としても有効な元素である。0.01%未満では十分な効果が得られず、酸化物系介在物が増加し、十分なクリープ特性を得られない。一方、0.2%を超えると、Nと結合しAl窒化物を形成するため、高温強度が低下する。そのため、0.01〜0.2%と定めた。より好ましくは、0.05〜0.15%である。
Nbは本願発明で、重要な元素である。つまり、窒化物、炭化物を形成するため、有用である。0.3%未満では、その効果が得られない。しかしながら、0.6%を超えての添加は、窒化物または炭化物の個数が増加して、本願発明の範囲を超えてしまう。そのため、0.3〜0.6%と定めた。より好ましくは、0.35〜0.55%である。
Tiは窒化物、炭化物を形成するため、有用であるので添加しても構わない。0.1%を超えての添加は、窒化物または炭化物の個数が増加して、本願発明の範囲を超えてしまう。そのため、0.1%以下の添加に抑えるべきである。
Nは本願発明で重要な元素である。すなわち、NbおよびTiとの窒化物を形成するために有効な元素である。0.1%未満では十分な効果が得られず、必要なクリープ特性を得られない。一方、0.32%を超えると、窒化物または炭化物の個数が増加して、本願発明の範囲を超えてしまう。そのため、0.1〜0.32%と定めた。より好ましくは、0.05〜0.28%である。
Bは高温で粒界強度を高める効果があり、重要な元素である。0.0005%未満ではその効果が得られず、0.006%を超えると熱間加工性が低下する。そのため、0.0005〜0.006%と定めた。より好ましくは、0.001〜0.005%である。
Nb×N+Nb×C+Ti×N+Ti×Cの値は、炭窒化物の量を表している。0.1未満だと、製品の焼鈍温度1150〜1250℃において、結晶粒が粗大化してしまい、充分なクリープ強度が確保できない。一方、0.17を超えて高いと、ボイドの起点が増加していまい、この起点が連結してクリープ破断に至ってしまう。
これらの合金は、電気炉にてスクラップ、ニッケル、クロム、ニオブなどの原料を溶解して、その後AOD(Argon Oxygen Decarburization)にて、酸素とArの混合ガスを吹き込み脱炭し、その後、フェロシリコン合金および/またはアルミニウムを添加して、Cr還元し、その後、石灰石、蛍石を添加して、脱酸、脱硫した後に、連続鋳造機にてスラブを製造するプロセスにより製造する(CC: Continuous casting)。このように連続鋳造して200mm厚×1600mm幅のスラブを製造した。一部、比較のために、400mm厚×800mm幅×2000mm高さの普通造塊(IC: Ingot casting)も行った。普通造塊の鋼塊は鍛造して、200mm厚×1600mm幅のスラブに仕上げた。
1.化学成分:
溶鋼からサンプルを採取して、蛍光X線分析装置により分析した。
2.鋼塊中のデンドライト二次アーム間隔:
鋼塊を切断して、鏡面研磨し、10%蓚酸電解エッチングを施して、凝固組織を検出した。この試料を用いて、デンドライト二次アーム間隔を測定した。
3.炭窒化物の測定:
合金板を切断して、鏡面研磨し、SEM-EDSにより観察と組成分析を行った。倍率1000倍にて、100枚写真を撮影して個数をカウントした。さらに、EDSにより、化学組成を特定した。この倍率では、0.5μmの炭窒化物が目視できたので、本発明では0.5μmを下限としている。
4.クリープ破断特性の評価方法:
試験片は次の通り採取した。板厚10〜20mm、20〜80mm厚みの場合で採取位置が異なるので説明する。板厚10〜20mmの場合は断面中心部から、φ10mm×70mmの試験片を採取した。板厚20〜80mmの場合は、表面から深さ方向に1/4にあたる位置において、φ10mm×70mmの試験片を採取した。なお、採取したサンプルの方向は、圧延方向に平行な方向である。高温強度の測定方法は、AMS 5968Aに準じて行った。つまり、810〜820℃の条件で、応力を50〜130MPaの範囲から選択した応力負荷により、クリープラプチャー試験を行った。
Claims (5)
- 質量%で、C:0.01〜0.1%、Si:0.1〜1%、Mn:0.05〜1.5%、Ni:30〜50%、Cr:19〜28%、Mo:0.1〜2.5%、Al:0.01〜0.2%、N:0.10〜0.32%、Nb:0.3〜0.6%、B:0.0005〜0.006%、任意成分としてTi:0.1%以下を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるFe−Cr−Ni系合金であり、該Fe−Cr−Ni系合金は、長径が0.5〜5μmのNbN、NbC、TiN、TiCの1種または2種以上をこれらの合計で任意の断面において20〜200個/mm2 必ず含み、また、長径が5μm超のNbN、NbC、TiN、TiCの1種または2種以上を含む場合においてこれらの合計で任意の断面において10個/mm2以下含むことを特徴とするFe−Cr−Ni系合金。
- 以下各成分の質量%で
Nb×N+Nb×C+Ti×N+Ti×Cの値が0.1〜0.17であることを特徴とする請求項1に記載のFe−Cr−Ni系合金。 - 温度810〜820℃におけるクリープ破断時間x(Hr)と応力y(MPa)が、y≧243.3x−0.168を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のFe−Cr−Ni系合金。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のFe−Cr−Ni系合金を製造するにあたり、電気炉にてスクラップ、ニッケル、クロム、ニオブなどの原料を溶解して、その後AOD(Argon Oxygen Decarburization)にて、酸素とArの混合ガスを吹き込み脱炭し、その後、フェロシリコン合金および/またはアルミニウムを添加して、Cr還元し、その後石灰石、蛍石を添加して、脱酸、脱硫した後に、連続鋳造機にてスラブを製造するプロセスにより製造し、その後、熱間圧延して10〜80mmの厚みの合金板とすることを特徴とするFe−Cr−Ni系合金の製造方法。
- 前記連続鋳造スラブのデンドライト二次アーム間隔が1000μm以下であることを特徴とする請求項4に記載のFe−Cr−Ni系合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015183150A JP6675846B2 (ja) | 2015-09-16 | 2015-09-16 | 高温強度に優れたFe−Cr−Ni系合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015183150A JP6675846B2 (ja) | 2015-09-16 | 2015-09-16 | 高温強度に優れたFe−Cr−Ni系合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017057461A JP2017057461A (ja) | 2017-03-23 |
JP6675846B2 true JP6675846B2 (ja) | 2020-04-08 |
Family
ID=58391173
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015183150A Active JP6675846B2 (ja) | 2015-09-16 | 2015-09-16 | 高温強度に優れたFe−Cr−Ni系合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6675846B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107805686A (zh) * | 2017-11-16 | 2018-03-16 | 泊头市兴达汽车模具制造有限公司 | 一种高合金钢炉底吹氮强化工艺 |
US11932921B2 (en) | 2019-03-27 | 2024-03-19 | Hitachi Metals, Ltd. | Alloy composition, method for producing alloy composition, and die |
CN110512119B (zh) * | 2019-09-29 | 2021-06-01 | 湖南英捷高科技有限责任公司 | 一种注射成形镍基合金粉、注射成形方法及镍基合金制品 |
CN110952028B (zh) * | 2019-12-19 | 2020-12-08 | 广东省材料与加工研究所 | 内生析出增强相的Cr-Ni系奥氏体耐热钢及其制备方法 |
CN111621660B (zh) * | 2020-05-29 | 2021-08-10 | 华中科技大学 | 原位析出碳化物的沉淀强化型高温高熵合金及其制备方法 |
CN114032434B (zh) * | 2021-10-27 | 2023-09-26 | 江苏金合特种合金材料有限公司 | 高耐蚀n08120材料冶炼及大口径无缝管生产工艺 |
JP7174192B1 (ja) | 2022-08-15 | 2022-11-17 | 日本冶金工業株式会社 | 加工性と高温強度が優れるFe-Cr-Ni系合金 |
CN115505820B (zh) * | 2022-09-15 | 2024-01-05 | 山西太钢不锈钢股份有限公司 | 一种含铌高氮镍基合金的连铸方法 |
CN115896524B (zh) * | 2022-11-19 | 2024-03-08 | 吉林大学 | 一种通过微纳米颗粒改善铸造高温合金偏析与强度的方法 |
-
2015
- 2015-09-16 JP JP2015183150A patent/JP6675846B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017057461A (ja) | 2017-03-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6675846B2 (ja) | 高温強度に優れたFe−Cr−Ni系合金 | |
CN104611624A (zh) | 奥氏体系不锈钢 | |
KR101892412B1 (ko) | 강재 | |
JP7052807B2 (ja) | Ni基合金の製造方法及びNi基合金 | |
US20210062314A1 (en) | Austenitic heat resistant alloy | |
JP2010180459A (ja) | 2相ステンレス鋼およびその製造方法 | |
JP2015183290A (ja) | Ni基合金およびその製造方法 | |
JP6842257B2 (ja) | Fe−Ni−Cr−Mo合金とその製造方法 | |
JP6520617B2 (ja) | オーステナイト系ステンレス鋼 | |
JP7223210B2 (ja) | 耐疲労特性に優れた析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼板 | |
WO2019131035A1 (ja) | 油井用低合金高強度継目無鋼管 | |
WO2019131036A1 (ja) | 油井用低合金高強度継目無鋼管 | |
JP2021143407A (ja) | 二相ステンレス鋼とその製造方法 | |
JP4993328B2 (ja) | 機械構造物用Ni基合金 | |
JP5554180B2 (ja) | オーステナイト系ステンレス鋼 | |
JP4683712B2 (ja) | 熱間加工性に優れたNi基合金 | |
US20220235445A1 (en) | Ferritic heat-resistant steel | |
JP7261345B1 (ja) | 耐酸化性に優れたオーステナイト系Ni-Cr-Fe合金とその製造方法 | |
CN115992330B (zh) | 一种高氮低钼超级奥氏体不锈钢及其合金成分优化设计方法 | |
JP7174192B1 (ja) | 加工性と高温強度が優れるFe-Cr-Ni系合金 | |
JP6941003B2 (ja) | Fe−Ni−Cr−Mo合金およびその製造方法 | |
JP2018070962A (ja) | オーステナイト系ステンレス鋼板及びその製造方法 | |
JP2011094237A (ja) | 熱間加工性に優れたNi基合金 | |
WO2025027959A1 (ja) | 高温クリープ強度に優れた高Ni合金 | |
WO2019131037A1 (ja) | 油井用低合金高強度継目無鋼管 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180806 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190515 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190522 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190718 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191202 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200122 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200303 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200311 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6675846 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |