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JP6666919B2 - 電子誘起解離デバイスおよび方法 - Google Patents

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Description

(関連出願)
本願は、米国仮特許出願第62/098,019号(2014年12月30日出願、名称「Electron Induced Dissociation Devices and Methods」)に対する優先権を主張し、上記出願は、その全体が参照により本明細書に援用される。本願は、米国仮特許出願第62/106,346号(2015年1月22日出願、名称「Electron Induced Dissociation Devices and Methods」)に対する優先権を主張し、上記出願は、その全体が参照により本明細書に援用される。
(分野)
本明細書の教示は、イオン反応デバイスに関し、より具体的には、電子誘起解離(EID)を行う方法およびシステムに関する。
イオン反応は、典型的には、正または負のいずれかに荷電したイオンの別の荷電種(正または負に荷電した別のイオンもしくは電子であり得る)との反応を含む。電子誘起解離(EID)では、例えば、電子が、イオンによって捕獲され、イオンの断片化をもたらし得る。EIDは、質量分析(MS)で生体分子を解離させるために使用されており、液体クロマトグラフィ質量分析計/質量分析計(LC−MS/MS)における通常のプロテオミクスから、トップダウン分析(無消化)、デノボシーケンシング(異常なアミノ酸配列の発見)、翻訳後修飾の研究(グリコシル化、リン酸化等)、タンパク質・タンパク質相互作用(タンパク質の機能的研究)に至る広範囲の可能な用途(小分子の同定も含む)を対象とする能力を提供している。
0〜3eVの運動エネルギーを有する電子を使用する電子捕獲解離(ECD)の最初の報告の後、電子移動解離(ETD)(試薬アニオンを使用する)、ホットECD(5〜10eVの運動エネルギーを伴う電子)、電子イオン化解離(EID)(13eVを上回る運動エネルギーを伴う電子)、活性化イオンECD(AI−ECD)、電子脱離解離(EDD)(負イオン上の3eVを上回る運動エネルギーを伴う電子)、ネガティブECD(試薬カチオンを使用する)、および負イオンECD(niECD、負イオン上の電子を使用する)、有機物からのイオンの電子衝突励起(EIEIO、一価カチオン上の3eVを上回る運動エネルギーを伴う電子)を含む、他の電子誘起技法も開発されている。ECD、ETD、ホットECD、AI−ECD、およびEIEIOが、正に荷電された前駆体イオンに対して利用される一方で、niECD等の他のものは、負に荷電した前駆体イオンに対して利用される。EIDは、一価前駆体を含む、両方の極性の前駆体イオンを解離させるために利用されることができる。それらの発見以来、これらの反応技法は、ペプチド、タンパク質、グリカン、および後翻訳的に修飾されたペプチド/タンパク質等の生体分子種を分析するために非常に有用になっている。ECDは、例えば、タンパク質/ペプチドのトップダウン分析およびそれらのデノボシーケンシングも可能にする。陽子移動反応(PTR)も、陽子が1つの荷電種から別の荷電種に移送されるイオンの電荷状態を低減させるために利用されることができる。
これらの電子誘起解離は、従来の衝突誘起または活性化解離(CIDまたはCAD)を補完するものであると見なされ、高度なMSデバイスに組み込まれている。
ECDでは、低エネルギー電子(典型的には、<3eV)が、正イオンによって捕獲される。歴史的には、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(FT−ICR)が、概して、自由電子の加熱を回避するイオン閉じ込めのために静的電磁場を利用するので、ECDは、FT−ICRにおいて行われた。しかしながら、そのようなデバイスは、比較的長い相互作用時間を必要とし、構築することが高価である大型の器具を伴った。高周波数(RF)イオントラップを伴うより小さい用途においてECDを使用する試行は、捕捉RF場に起因する電子の加速を引き起こすことが見出されている。結果として、電磁場は、概して、ETDに変わり、それは、電子源として負に荷電された試薬イオンを使用したか、または磁場を伴う線形RFイオントラップでECDを実装した。
以降の本教示でのECDという用語の使用は、電子関連解離技法の全ての形態を包含すると理解されるべきであり、0〜3eVの運動エネルギーを伴う電子を用いたECDの使用に限定されない。むしろ、本教示内のECDという用語の使用は、電子関連解離技法を表し、ホットECD、EID、EDD、EIEIO、およびネガティブECDを含む、電子関連解離現象の全ての形態を含むと理解されるべきである。
ECDおよびETDは、従来、(「脱イオン化」またはイオン化)/解離を達成するために、前駆体イオンと試薬イオンとの間の比較的長い反応時間を必要とする。前駆体イオンが反応領域を通して連続的に流動させられる、「フロースルー」モードでイオン反応を行うデバイスが説明されているが、そのようなデバイスは、典型的には、不良な反応効率に悩まされる。例えば、ExD生成物イオン信号/全前駆体イオン信号が、1%未満であり得ることが報告された。Voinov,V.G.;Deinzer,M.L.;Barofsky,D.F.Anal.Chem.2009,81,1238−1243を参照されたい。したがって、線形イオントラップが、イオン反応事象中に前駆体および試薬イオンを同時に捕捉するために利用されており、例えば、電子注入および前駆体イオン注入/抽出は、同一のポート(または同一の終端レンズ電極)を共有する。しかしながら、トラップ動作は、典型的には、複数のステップを必要とし、概して、連続フロースルー様式で動作する従来のCIDベースの四重極飛行時間質量分析計(qToF)と不良な適合性を有する。さらに、1つの被分析物イオン集団を捕捉するときに、残りの分析イオンビームが使用されないので、デューティサイクルが減少させられる。
近年、分岐イオントラップ構造を利用する新しいECD装置が報告され、新しいECD装置において、低エネルギー電子ビームが、イオンビームと電子ビームとの両方の独立制御を用いて、分析イオンビームに直角に注入されることができる。参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2014年5月29日に出願されたPCT出願第PCT/IB2014/00893号(特許文献1)を参照されたい。このデバイスは、「フロースルー」モードまたは同時捕捉モードのいずれか一方で動作し得るが、情報依存性収集ワークフローで動作するとき、依然として毎秒最大5つのECDスペクトルを提供しながら、前駆体イオンおよび電子ビーム交差の領域における短いイオン捕捉期間が、ECD効率を増加させ得ることが報告された。
したがって、高いイオン反応効率を伴い、純「フロースルー」モードで動作するためのECD装置および方法の必要性が残っている。
国際公開第2014/00893号
本教示のいくつかの種々の側面によると、前駆体イオンおよび荷電種を同時に捕捉することなく、公知のイオン反応デバイスに対して増加した持続時間にわたって、および/または実質的により長い経路長に沿って、前駆体イオンを荷電種と相互作用させ、それによって、イオン反応の効率を増加させ、ならびに/もしくは連続または「フロースルー」操作性および従来のCIDベースのプロセスとの適合性を向上させるためのECD方法およびシステムが、本明細書で提供される。種々の側面では、方法およびシステムは、イオン反応装置から退出する前に、それらの注入軸から、試薬種(例えば、荷電種、イオン、電子、陽子)の注入軸に沿って前駆体イオンを伝送する。いくつかの実施形態では、連続または「フロースルー」イオン反応は、ToF測定のための最適なデューティサイクルが実現されるように、行われることができる。
本教示の種々の側面によると、イオン反応装置が提供され、イオン反応装置は、それらの間に第1の経路を画定するように配列される第1の複数の電極であって、第1の経路は、イオン源からイオンを受け取るように構成されている第1の軸端と、第1の経路の第1の軸端から距離を置いて配置されている第2の軸端とを備え、少なくとも部分的に第1の中心軸に沿って延びている、第1の複数の電極と、第2の中心軸に沿って延びている第2の経路を画定するように配列されている第2の複数の電極であって、該第2の経路は、第1の交点で第1の経路に交差し、第2の中心軸は、第1の中心軸に実質的に直交する、第2の複数の電極と、それらの間に第3の経路を画定するように配列される、第3の複数の電極であって、第3の経路は、第1の軸端と、第3の経路の第1の軸端から距離を置いて配置されている第2の軸端とを備え、第2の軸端は、イオンおよび該イオンの反応生成物のうちの少なくとも1つをイオン反応装置から外へ伝送し、該第3の経路は、第2の中心軸に実質的に直交する第3の中心軸に少なくとも部分的に沿って延び、第1の交点からある距離、間隔を置かれた第2の交点で第2の経路に交差する、第3の複数の電極とを備えている。第1、第2、および第3の複数の電極は、RF電圧を第1、第2、および第3の複数の電極のうちの電極の各々に提供するRF電圧源に結合するように構成される。装置はまた、第1の交点と第2の交点との間に延びている、第2の中心軸に沿った第2の経路に荷電種を導入するための荷電種源を含むこともできる。種々の側面では、装置は、例えば、電子捕獲解離を引き起こすように、イオンが、実質的に第2の経路に沿って荷電種と相互作用することを可能にする。非限定的実施例として、イオンと荷電種との間の相互作用長は、フロースルーモードで動作する公知のECD装置に対して増加させられることができ、相互作用長は、少なくとも約10mmである。
本教示の種々の側面では、第1の中心軸および第3の中心軸は、平行であり得る。加えて、または代替として、第1の中心軸および第2の中心軸は、第1の交点を通って延びていることができ、第2の中心軸および第3の中心軸は、第2の交点を通って延びていることができる。種々の側面では、第1の経路の第1の軸端および第3の経路の第2の軸端は、同一線上にあり得る。
荷電種源は、本教示による、種々の構成を有することができる。一例として、第2の経路は、第1の軸端と第2の経路の第1の軸端から距離を置いて配置されている第2の軸端との間に延びていることができ、荷電種源は、第2の経路の第1または第2の軸端のうちの1つまたはその近くに配置されている。代替として、第2の経路の軸端の各々は、荷電種源(同一または互いに異なる)を有することができ、該荷電種源のうちの1つのみが、一度に動作可能である。荷電種源のうちの1つは、電子エミッタ、例えば、フィラメント(例えば、タングステン、トリウム処理タングステン、もしくはその他)、またはYカソードであり得る。種々の側面では、装置はさらに、該第2の中心軸と平行であり、それに沿った磁場を生成する磁場発生器を備えていることができる。種々の側面では、第2の経路は、荷電種源から発せられる荷電種を集束させるために該第2の経路の軸端のうちの少なくとも1つまたはその近くに配置されているレンズを含むことができる。いくつかの実施形態では、荷電種は、試薬アニオンであり得る。
種々の側面では、レーザ源が、荷電種源と反対の第2の経路の軸端またはその近くに配置されることができ、レーザ源は、該イオンもしくは該荷電種にエネルギー(例えば、紫外線または赤外光)を提供するためのものである。種々の実施形態では、光子の注入は、UV光解離および赤外線多光子解離(IRMPD)、ならびにAI−ECD用の活性化手段等の補完的な解離技術を提供することができる。
種々の側面では、装置はまた、第1の中心軸に沿ってイオンを導入するために、該第1の経路の第1の軸端またはその近くに配置されたイオン源(例えば、カチオンまたはアニオン源)を含むこともできる。
第1、第2、および第3の複数の電極は、本教示による、種々の構成を有することができ、中実ロッド型電極または(例えば、プリント回路基板(PCB)の表面から形成される)実質的に平面的な電極を備えていることができる。一例として、第1の複数の電極は、第1の経路に沿ってイオンを誘導するために、第1の中心軸の周囲で四重極配向に配列された四重極電極の組を備えていることができ、第2の複数の電極は、第2の経路に沿ってイオンを誘導するために、第2の中心軸の周囲で四重極配向に配列された四重極電極の組を備えていることができ、第3の複数の電極は、第3の経路に沿ってイオンを誘導するために、第3の中心軸の周囲で四重極配向に配列された四重極電極の組を備えていることができる。
本教示の種々の側面によると、装置はさらに、(例えば、電極によって画定される経路のうちの1つ以上のものに沿って)RF場を生成するためのRF電圧を該第1、第2、および第3の複数の電極に提供するための電圧源と、電極に印加されるRF電圧を制御するためのコントローラとを含むことができる。関連側面では、装置はさらに、第1の中心軸の周囲に配列され、第1の複数の電極から第2の中心軸の反対側に配置されている、第4の複数の電極を備えていることができる。以下で詳細に説明されるように、第1の複数の電極のうちの少なくとも1つはまた、第2の複数の電極のうちの1つを備えていることもでき、第4の複数の電極のうちの少なくとも1つはまた、第2の複数の電極のうちの1つを備えていることもできる。いくつかの側面では、コントローラは、電圧を第1および第4の複数の電極に送達するように構成されることができ、i)第1の複数の電極の中の各電極は、第1の複数の電極の各電極対の中の一方の電極が、該第1の複数の電極の電極対の中の他方の電極と同じ極性を有し、第1の中心軸を横断して直接反対にあるように、電極対を形成するように第1の複数の電極の中の別の電極と対にされ、ii)該第4の複数の電極の中の各電極は、該第4の複数の電極の各電極対の中の一方の電極が、該第4の複数の電極の電極対の中の他方の電極と同じ極性を有し、第1の中心軸を横断して直接反対にあるように、電極対を形成するように該第4の複数の電極の中の別の電極と対にされ、iii)該第1の複数の電極の各電極は、該第1および第4の複数の電極の各電極対の中の各電極が、該第1および第4の複数の電極の電極対の中の他方の電極と反対の極性を有し、第1の交点を横断して直接反対にあるように、電極対を形成するよう該第4の複数の電極の中の電極と対にされ、iv)該第1の交点と該第1の複数の電極との間に生成されるRF場は、該第1の交点と該第4の複数の電極との間に生成されるRF場と逆相である。いくつかの側面では、生成されるRF場は、約400kHz〜1.2MHz(例えば、約800kHz)の周波数にある。いくつかの側面では、RF場は、ピーク間で100〜500Vであり得るが、より大きいまたはより低い振幅RF信号が、本教示に従って利用されることができる。
関連側面では、装置はさらに、該第3の中心軸の周囲に配列され、電極の第3の組から第3の中心軸の反対側に配置されている第5の複数の電極を備えていることができ、随意に、第3の複数の電極のうちの少なくとも1つはまた、第2の複数の電極のうちの1つを備え、第5の複数の電極のうちの少なくとも1つはまた、第2の複数の電極のうちの1つを備えている。関連側面では、コントローラは、電圧を第3および第5の複数の電極に送達するように構成されることができ、i)該第3の複数の電極の中の各電極は、該第3の複数の電極の各電極対の中の一方の電極が、該第3の複数の電極の電極対の中の他方の電極と同じ極性を有し、第3の中心軸を横断して直接反対にあるように、電極対を形成するように該第3の複数の電極の中の別の電極と対にされ、ii)該第5の複数の電極の中の各電極は、該第5の複数の電極の各電極対の中の一方の電極が、該第5の複数の電極の電極対の中の他方の電極と同じ極性を有し、第3の中心軸を横断して直接反対にあるように、電極対を形成するように該第5の複数の電極の中の別の電極と対にされ、iii)該第3の複数の電極の各電極は、該第3および第5の複数の電極の各電極対の中の各電極が、該第3および第5の複数の電極の電極対の中の他方の電極と反対の極性を有し、第2の交点を横断して直接反対にあるように、電極対を形成するように該第5の複数の電極の中の電極と対にされ、iv)該第2の交点と該第3の複数の電極との間に生成されるRF場は、該第2の交点と該第5の複数の電極との間に生成されるRF場と逆相である。
いくつかの側面によると、装置はさらに、該イオンの導入を制御するために第1の経路の第1の軸端に配置されているゲート電極と、第1の経路の該第2の軸端に配置されている電極であって、該イオンと同じ極性のDC電位を印加されている、(例えば、導入されたイオンを反発するよう)電極と、該イオンおよび該イオンの反応生成物のうちの少なくとも1つの除去を制御するために第3の経路の第2の軸端に配置されているゲート電極と、第3の経路の第1の軸端に配置される電極であって、該イオンと同じ極性のDC電位を印加されている、(例えば、イオンまたはイオンの反応生成物を反発するように)ゲートとを含むことができる。いくつかの実施形態では、ゲート電極は、開放位置と閉鎖位置との間で切り替え可能であり得、開放位置にあるとき、イオンまたはイオン反応の生成物は、通過することを許可され、閉鎖位置にあるとき、イオンまたはイオン反応の生成物は、通過することを許可されない。コントローラは、ゲートが開放しているときと、ゲートが閉鎖されているときとの時間量を制御することもできる。いくつかの実施形態では、例えば、ゲートは、連続的に開放することができる。
本教示の種々の側面によると、イオン反応を行う方法が提供され、方法は、第1の経路に複数のイオンを導入することであって、第1の経路は、少なくとも部分的に第1の中心軸に沿って延び、第1の複数の電極によって画定され、第1の経路は、イオン源からイオンを受け取るように構成されている第1の軸端と、第1の経路の該第1の軸端から距離を置いて配置されている第2の軸端とを備えている、ことと、第2の中心軸に沿って延び、第2の複数の電極によって画定される第2の経路の中へイオンを伝送することであって、該第2の経路は、第1の交点で第1の経路に交差し、第2の中心軸は、第1の中心軸に実質的に直交する、ことと、第3の中心軸に沿って延び、第3の複数の電極によって画定される第3の経路の中へイオンを伝送することであって、該第3の経路は、第1の交点からある距離、間隔を置かれた第2の交点で第2の経路に交差し、第3の中心軸は、第2の中心軸に実質的に直交する、ことと、第2の経路に沿って伝送されるイオンと荷電種とが相互作用することを可能にするように、第1の交点と第2の交点との間に延びている第2の中心軸に沿った第2の経路に荷電種を導入することとを含む。
種々の側面では、方法は、例えば、第2の経路に沿って電子の経路を制御するように、該第2の中心軸に平行な磁場を提供することを含むこともできる。いくつかの側面では、方法は、加えて、該第2の経路の1つ以上の軸端またはそれらの近くに配置されているレンズを用いて、荷電種を集束させることを含むことができる。非限定的実施例として、電子捕獲解離は、第1および第2の経路に沿って正に荷電された前駆体イオンを伝送し、第2の経路に沿って電子を導入し、第3の経路に沿って前駆体イオンおよび/または反応生成物を伝送することによって、行われることができる。種々の側面では、第3の複数の電極は、イオン反応デバイスから外へ(例えば、下流検出器または質量分析器に)伝送されるイオンを選択的にフィルタ処理するように、RF電圧を印加されているように構成されることができる。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
イオン反応装置であって、
第1の複数の電極であって、前記第1の複数の電極は、それらの間に第1の経路を画定するように配列され、前記第1の経路は、イオン源からイオンを受け取るように構成されている第1の軸端と、前記第1の経路の前記第1の軸端から距離を置いて配置されている第2の軸端とを備え、前記第1の経路は、少なくとも部分的に第1の中心軸に沿って延びている、第1の複数の電極と、
第2の中心軸に沿って延びている第2の経路を画定するように配列されている第2の複数の電極であって、前記第2の経路は、第1の交点で前記第1の経路に交差し、前記第2の中心軸は、前記第1の中心軸に実質的に直交する、第2の複数の電極と、
第3の複数の電極であって、前記第3の複数の電極は、それらの間に第3の経路を画定するように配列され、前記第3の経路は、第1の軸端と第2の軸端とを備え、前記第2の軸端は、イオンおよび前記イオンの反応生成物のうちの少なくとも1つを前記イオン反応装置から外へ伝送するために前記第3の経路の前記第1の軸端から距離を置いて配置され、前記第3の経路は、前記第2の中心軸に実質的に直交する第3の中心軸に少なくとも部分的に沿って延び、前記第1の交点からある距離、間隔を置かれた第2の交点で前記第2の経路に交差し、前記第1、第2、および第3の複数の電極は、RF電圧を前記第1、第2、および第3の複数の電極のうちの電極の各々に提供するRF電圧源に結合するように構成されている、第3の複数の電極と、
前記第2の中心軸に沿い、前記第1の交点と第2の交点との間に延びている前記第2の経路に荷電種を導入するための荷電種源と
を備えている、装置。
(項目2)
前記イオンは、実質的に前記第2の経路に沿って前記荷電種と相互作用する、項目1に記載の装置。
(項目3)
前記相互作用長は、少なくとも約10mmであり、随意に、前記相互作用は、電子誘起解離を引き起こす、項目2に記載の装置。
(項目4)
前記第1の中心軸および前記第3の中心軸は、平行であり、随意に、前記第1の経路の前記第1の軸端および前記第3の経路の前記第2の軸端は、同一線上にある、項目1に記載の装置。
(項目5)
前記第1の中心軸および前記第2の中心軸は、前記第1の交点を通って延び、
前記第2の中心軸および前記第3の中心軸は、前記第2の交点を通って延び、
随意に、前記第2の経路は、第1の軸端と前記第2の経路の前記第1の軸端から距離を置いて配置されている第2の軸端との間に延び、前記荷電種源は、前記第2の経路の前記第1または第2の軸端のうちの1つまたはその近くに配置されている、項目1に記載の装置。
(項目6)
前記第1の複数の電極は、前記第1の中心軸の周囲で四重極配向に配列された四重極電極の組を備え、前記電極の第1の組は、前記第1の経路に沿ってイオンを誘導するためのものであり、
前記第2の複数の電極は、前記第2の中心軸の周囲で四重極配向に配列された四重極電極の組を備え、前記電極の第2の組は、前記第2の経路に沿ってイオンを誘導するためのものであり、
前記第3の複数の電極は、前記第3の中心軸の周囲で四重極配向に配列された四重極電極の組を備え、前記電極の第3の組は、前記第3の経路に沿ってイオンを誘導するためのものである、
項目1に記載の装置。
(項目7)
RF場を生成するためのRF電圧を前記第1、第2、および第3の複数の電極に提供するための電圧源と、
前記RF電圧を制御するためのコントローラと
をさらに備え、
随意に、前記第1の中心軸に沿って前記イオンを導入するために、前記第1の経路の第1の軸端またはその近くに配置されたイオン源をさらに備えている、項目1に記載の装置。
(項目8)
前記第1の中心軸の周囲に配列されている第4の複数の電極をさらに備え、前記第4の複数の電極は、前記第1の複数の電極から前記第2の中心軸の反対側に配置されている、項目5に記載の装置。
(項目9)
前記第1の複数の電極のうちの少なくとも1つはまた、前記第2の複数の電極のうちの1つを備え、前記第4の複数の電極のうちの少なくとも1つはまた、前記第2の複数の電極のうちの1つを備えている、項目8に記載の装置。
(項目10)
前記コントローラは、電圧を前記第1および第4の複数の電極に送達するように構成され、
前記第1の複数の電極の中の各電極は、前記第1の複数の電極の中の別の電極と対にされ、電極対を形成し、前記第1の複数の電極の各電極対の中の一方の電極は、前記第1の複数の電極のその電極対の中の他方の電極と同じ極性を有し、前記他方の電極の前記第1の中心軸を横断して直接反対にあり、
前記第4の複数の電極の中の各電極は、前記第4の複数の電極の中の別の電極と対にされ、電極対を形成し、前記第4の複数の電極の各電極対の中の一方の電極は、前記第4の複数の電極のその電極対の中の他方の電極と同じ極性を有し、前記他方の電極の前記第1の中心軸を横断して直接反対にあり、
前記第1の複数の電極の各電極は、前記第4の複数の電極の中の電極と対にされ、電極対を形成し、前記第1および第4の複数の電極の各電極対の中の各電極は、前記第1および第4の複数の電極のその電極対の中の他方の電極と反対の極性を有し、前記他方の電極の前記第1の交点を横断して直接反対にあり、
前記第1の交点と前記第1の複数の電極との間に生成されるRF場は、前記第1の交点と前記第4の複数の電極との間に生成されるRF場と逆相である、
項目8に記載の装置。
(項目11)
前記第3の中心軸の周囲に配列され、前記第3の複数の電極から前記第3の中心軸の反対側に配置されている第5の複数の電極をさらに備えている、項目8に記載の装置。
(項目12)
前記第3の複数の電極のうちの少なくとも1つはまた、前記第2の複数の電極のうちの1つを備え、前記第5の複数の電極のうちの少なくとも1つはまた、前記第2の複数の電極のうちの1つを備えている、項目11に記載の装置。
(項目13)
前記コントローラは、電圧を前記第3および第5の複数の電極に送達するように構成され、
前記第3の複数の電極の中の各電極は、前記第3の複数の電極の中の別の電極と対にされ、電極対を形成し、前記第3の複数の電極の各電極対の中の一方の電極は、前記第3の複数の電極のその電極対の中の他方の電極と同じ極性を有し、前記他方の電極の前記第3の中心軸を横断して直接反対にあり、
前記第5の複数の電極の中の各電極は、前記第5の複数の電極の中の別の電極と対にされ、電極対を形成し、前記第5の複数の電極の各電極対の中の一方の電極は、前記第5の複数の電極のその電極対の中の他方の電極と同じ極性を有し、前記他方の電極の前記第3の中心軸を横断して直接反対にあり、
前記第3の複数の電極の各電極は、前記第5の複数の電極の中の電極と対にされ、電極対を形成し、前記第3および第5の複数の電極の各電極対の中の各電極は、前記第3および第5の複数の電極のその電極対の中の他方の電極と反対の極性を有し、前記他方の電極の前記第2の交点を横断して直接反対にあり、
前記第2の交点と前記第3の複数の電極との間に生成されるRF場は、前記第2の交点と前記第5の複数の電極との間に生成されるRF場と逆相である、
項目11に記載の装置。
(項目14)
前記第2の中心軸と平行であり、それに沿った磁場を生成する磁場発生器をさらに備え、随意に、前記荷電種は、試薬アニオンである、項目1に記載の装置。
(項目15)
前記イオンは、正に荷電され、前記荷電種は、電子である、項目13に記載の装置。
(項目16)
前記イオンの導入を制御するために前記第1の経路の前記第1の軸端に配置されているゲート電極と、
前記第1の経路の前記第2の軸端に配置されている電極であって、前記電極は、前記イオンと同じ極性のDC電位を印加されている、電極と、
前記イオンおよび前記イオンの反応生成物のうちの少なくとも1つの除去を制御するために前記第3の経路の前記第2の軸端に配置されているゲート電極と、
前記第3の経路の前記第1の軸端に配置されている電極であって、前記ゲート電極は、前記イオンと同じ極性のDC電位を印加されている、電極と
をさらに備えている、項目1に記載の装置。
(項目17)
前記第2の経路は、前記荷電種を集束させるために前記第2の経路の前記軸端のうちの少なくとも1つまたはその近くに配置されているレンズを備え、
随意に、レーザ源が、前記荷電種源と反対の前記第2の経路の軸端またはその近くに配置され、前記レーザ源は、前記イオンまたは前記荷電種にエネルギーを提供するためのものである、項目1に記載の装置。
(項目18)
前記第1、第2、および第3の複数の電極は、複数の中実ロッド型電極を備え、
随意に、前記第1、第2、および第3の複数の電極は、プリント回路基板上に形成される複数の実質的に平面的な電極を備えている、項目1に記載の装置。
(項目19)
イオン反応を行う方法であって、
少なくとも部分的に第1の中心軸に沿って延びている第1の経路に複数のイオンを導入することであって、前記第1の経路は、第1の複数の電極によって画定され、前記第1の経路は、イオン源からイオンを受け取るように構成されている第1の軸端と、前記第1の経路の前記第1の軸端から距離を置いて配置されている第2の軸端とを備えている、ことと、
第2の中心軸に沿って延びている第2の経路の中へ前記イオンを伝送することであって、前記第2の経路は、第2の複数の電極によって画定され、前記第2の経路は、第1の交点で前記第1の経路に交差し、前記第2の中心軸は、前記第1の中心軸に実質的に直交する、ことと、
第3の中心軸に沿って延びている第3の経路の中へ前記イオンを伝送することであって、前記第3の経路は、第3の複数の電極によって画定され、前記第3の経路は、前記第1の交点からある距離、間隔を置かれた第2の交点で前記第2の経路に交差し、前記第3の中心軸は、前記第2の中心軸に実質的に直交する、ことと、
前記第1の交点と第2の交点との間に延びている前記第2の中心軸に沿った前記第2の経路に荷電種を導入し、前記第2の経路に沿って伝送される前記イオンと前記荷電種とが相互作用することを可能にすることと
を含む、方法。
(項目20)
前記第2の中心軸に平行な磁場を提供することをさらに含み、
随意に、RF電圧を前記第1、第2、および第3の複数の電極のうちの電極に提供することをさらに含み、
随意に、前記イオンは、正に荷電され、前記荷電種は、電子を含み、
随意に、前記第2の経路の1つ以上の軸端またはそれらの近くに配置されているレンズを用いて、前記荷電種を集束させることをさらに含む、
項目19に記載の方法。
出願人の教示のこれらおよび他の特徴が、本明細書に記載される。
当業者は、以下に説明される図面が、例証目的にすぎないことを理解するであろう。図面は、出願人の教示の範囲をいかようにも制限することも意図していない。
図1は、本教示の種々の実施形態の側面による、イオン反応デバイスであり、その中でイオン反応を可能にするために、イオン反応デバイスの一部に沿って荷電種を伝送するように構成される例示的荷電種源を有するイオン反応デバイスの上面断面図を概略的に図示する。 図2は、概略図で、図1のイオン反応デバイスで使用するための例示的な複数の四重極電極を図示する。 図3は、概略図で、イオン反応デバイスを通る経路に沿ってRF場を生成するために複数の電極のうちのいくつかに印加された例示的電位を図示する。 図4は、図1のイオン反応デバイスの別の図を概略的に図示する。 図5は、図1の装置内の複数の電極によって生成される例示的RF場のSIMEONモデルを図示する。 図6は、イオン反応デバイスのイオン入口および出口が同一線上にある、出願人の教示の種々の側面による、別の例示的イオン反応デバイスを図示する。 図7は、概略図で、図6のイオン反応デバイスを通る経路に沿ってRF場を生成するために複数の電極のうちのいくつかに印加された例示的電位を図示する。 図8は、イオン反応デバイスのイオン出口が、逆フリンジング場を利用してそこから伝送されるイオンをフィルタ処理するように構成される、出願人の教示の種々の側面による、別の例示的イオン反応デバイスを図示する。 図9は、概略図で、図8のイオン反応デバイスを通る経路に沿ってRF場を生成するために複数の電極のうちのいくつかに印加された例示的電位を図示する。 図10は、図8のイオン反応デバイスにおいて生成される逆フリンジング場を利用する、前駆体種と生成物イオン種との間のフィルタリングの例示的シミュレーションを図示する。 図11は、概略図で、複数の電極がプリント回路基板(PCB)の導電性表面を備えている、出願人の教示の種々の実施形態の側面による、別の例示的イオン反応デバイスを図示する。 図12は、概略図で、複数の電極がプリント回路基板(PCB)の導電性表面を備えている、出願人の教示の種々の実施形態の側面による、別の例示的イオン反応デバイスを図示する。 図12は、概略図で、複数の電極がプリント回路基板(PCB)の導電性表面を備えている、出願人の教示の種々の実施形態の側面による、別の例示的イオン反応デバイスを図示する。 図12は、概略図で、複数の電極がプリント回路基板(PCB)の導電性表面を備えている、出願人の教示の種々の実施形態の側面による、別の例示的イオン反応デバイスを図示する。 図12は、概略図で、複数の電極がプリント回路基板(PCB)の導電性表面を備えている、出願人の教示の種々の実施形態の側面による、別の例示的イオン反応デバイスを図示する。
明確にするために、以下の議論は、そうすることが便宜または適切であるときはいつでも、ある具体的詳細を省略しながら、出願人の教示の実施形態の種々の側面を詳説するであろうことが理解されるであろう。例えば、代替実施形態における同様または類似の特徴の議論は、若干省略され得る。周知の企図または概念も、簡潔にするために、極めて詳細に議論されない場合がある。当業者は、出願人の教示のいくつかの実施形態が、実施形態の徹底的な理解を提供するためのみに本明細書に記載される、具体的に説明された詳細のうちの特定のものを全実装で必要とするわけではない場合があることを認識するであろう。同様に、説明される実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、共通一般知識に従って変更または変動の影響を受けやすくあり得ることが明白であろう。実施形態の以下の詳細な説明は、いかなる様式でも出願人の教示の範囲を限定すると見なされないものである。
前駆体イオンを荷電種と相互作用させる方法およびシステムが、本明細書に提供される。従来のイオン反応デバイスが、典型的には、適切なイオン反応(例えば、ECD)を生成するために十分な持続時間にわたり前駆体イオンおよび試薬イオンの同時捕捉を必要とする一方で、本明細書に説明される方法およびシステムは、捕捉することなく、増加した持続時間にわたって、および/または実質的により長い経路長に沿って、前駆体および試薬イオンが相互作用することを可能にし、それによって、イオン反応の効率を増加させ、ならびに/もしくは、連続または「フロースルー」操作性および従来のCIDベースのプロセスとの適合性を向上させる。種々の側面では、最初に注入軸に沿ってイオン反応デバイスに進入する前駆体イオンは、イオン反応装置から退出する前に、試薬種(例えば、荷電種、イオン、電子、陽子)の注入軸に沿って伝送される。いくつかの実施形態では、連続または「フロースルー」イオン反応は、ToF測定のための最適なデューティサイクルが実現されるように、行われることができる。種々の側面では、装置は、第1、第2、および第3の経路を備え、それらの各々は、少なくとも部分的に中心軸に沿って延びており、第2の中心軸は、第1および第3の中心軸に直交する。そして、第1の軸に沿ってイオン反応デバイスに進入する前駆体イオンは、試薬イオンが第2の経路を通して伝送されているとき、第2の経路に導入されることができ、それによって、種の同時捕捉を伴わずに、イオン反応デバイス内で起こるイオン反応の可能性を増加させる。
ここで図1−5を参照すると、本教示の種々の側面による、例示的イオン反応デバイス100が、概略図で描写されている。例示的イオン反応セルは、概して、イオン源(図示せず)から前駆体イオンを受け取るように構成される入口102と、RF場の生成を通して種々の経路に沿って前駆体イオンを誘導するための複数の電極と、前駆体イオンが反応させられることになる試薬イオンを生成するための荷電種源104と、イオンを(前駆体イオンまたは反応後の生成イオンを下流質量分析器もしくは検出器に)伝送するための出口とを備えている。随意に、図1に示されるように、イオン反応デバイス100は、加えて、イオン反応デバイス100内で磁場を生成するための磁場発生器106(例えば、永久磁石または電磁石)を含むことができる。随意に、光子または光の形態のエネルギー(典型的には、例えば、紫外線光解離および赤外線多光子解離(IRMPD)等の補完的解離技法を行うように、スペクトルの紫外線または赤外線部分内の光を生成する、レーザ源(図示せず)から取得される光の形態)が、AI−ECDのために追加されることができる。図1に示されるように、イオン反応セル100は、真空チャンバ107内に(例えば、大気圧以下で)収納されることもでき、ヘリウム(He)または窒素(N)等のガスが、追加され、反応セル内のイオンの移動を減速させる。典型的には、冷却ガスの圧力は、非限定的実施例として、10−2〜10−4トルであり得る。
イオン反応セル100の内側で、前駆体イオンは、中心軸(A)に沿って延びている第1の経路に沿って伝送され、第1の経路を包囲する電極によって生成されるRF場によって、第1の交点112に向かって誘導され、その時点で、前駆体イオンは、それらの運動量により中心軸(A)に沿って進み続けるか、または、第1の軸(A)を横断もしくはそれに直交する第2の中心軸(B)に沿って延びている第2の経路を辿るように偏向させられる。本明細書で別様に議論されるように、電極が、入口102と反対の第1の経路の軸端に配置されることができ、軸端に印加されるDC電圧を有することにより、反発する(例えば、第1の経路に沿って反応セル100に導入されるイオンを減速する)ことができる。一例として、前駆体イオンがカチオンである場合、電極は、前駆体イオンが交点112に向かって反発されるように、正DC電圧に維持されることができる。同様に、入口102におけるゲート電極は、すでに注入されているイオンが、入口102を通して排出されることを防止されるように、第1の経路の中心軸(A)を包囲する電極に対して正にバイアスをかけられることができる。
第1の経路内の前駆体イオンに作用する上記の力の結果として、第1の経路に連続的に導入される前駆体イオンは、(例えば、ゲート/ブロッキング電極による反発力および冷却ガスとの相互作用を通して)運動エネルギーを損失し、したがって、前駆体イオンは、第2の中心軸(A)に沿って第2の経路に導入され(例えば、漏出し)、第2の経路は、第2の中心軸(B)に沿って前駆体イオンを集束させる複数の電極によっても包囲されている。一例として、前駆体イオンは、第2の経路の軸端に配置される第2の中心軸(B)に沿った荷電種源104によって第2の経路に注入される、試薬イオンビームまたはクラウドによって弱く捕捉されることができる。したがって、前駆体イオンが第2の経路を横断する間、前駆体イオン、荷電種(および随意に、光源によって生成される光子)は、相互作用する。利用される反応物の性質に応じて、相互作用は、生成物イオンの形成をもたらすいくつかの起きるべき現象を生じさせることができ、そして、生成物イオンは、第3の経路の出口108を通して、潜在的に他の未反応前駆体イオンとともに、イオン反応セル100から抽出または排出されることができる。例えば、第2の交点123(例えば、第2の中心軸(B)とそれに直交する第3の中心軸(C)との間の交点)において、前駆体または生成物イオンは、出口108と反対の第3の経路の軸端に配置される電極の影響下、第3の経路に進入することができる。一例として、電極は、出口に向かって前駆体イオンを反発するためのDC電圧をそれに印加されることができ、出口108におけるゲート電極は、第3の経路を包囲する電極に対してバイアスをかけられ、イオン反応セル100からの前駆体または生成物イオンの抽出を促進することができる。一例として、前駆体および/または生成物イオンがカチオンである場合、電極は、前駆体イオンが交点123に向かって反発されるように、正DC電圧において維持されることができ、出口108におけるゲート電極は、第2の交点123におけるイオンが出口108に向かって移動しやすいように、第3の経路の中心軸(C)を包囲する電極に対して負にバイアスをかけられることができる。そして、当業者によって理解されるであろうように、イオン反応デバイス100から抽出されるイオンは、質量分析システムの下流要素によるさらなる分析または検出を受けることができる。第2の経路に沿った(すなわち、中心軸(B)に沿った)荷電種(例えば、電子、試薬イオン)を伴う前駆体イオンの増加した経路長および/または持続時間により、イオンがイオン反応デバイス100内で捕捉されることを要求することなく、イオンは、連続的に導入され、イオン反応セル100の出口108から抽出されることができる。種々の側面では、増加した相互作用長が、反応効率を増加させる(すなわち、より多くの前駆体イオンがイオン反応を受ける)だけでなく、捕捉ステップのないことがイオンを束ねることを回避し、それによって、従来のCIDベースのプロセスおよび/または比較的大容量のサンプル源(例えば、比較的高い体積流量を伴う液体クロマトグラフィ)との適合性を向上させることを理解されたい。
概して、イオン源(図示せず)は、荷電種源によって生成される荷電種との反応のためにイオン反応デバイス100によって受け取られることができる前駆体イオンを生成するように構成される。本教示を踏まえ、イオン源は、とりわけ、例えば、連続イオン源、パルスイオン源、エレクトロスプレーイオン化(ESI)源、大気圧化学イオン化(APCI)、大気圧光イオン化(APPI)、リアルタイム直接分析(DART)、脱着エレクトロスプレー(DESI)源、誘導結合プラズマ(ICP)イオン源、マトリクス支援レーザ脱着/イオン化(MALDI)イオン源、グロー放電イオン源、電子衝撃イオン源、化学イオン化源、または光イオン化イオン源を含む、当技術分野で公知であるかもしくは本教示に従って以降で開発および修正される任意のイオン源であり得ることが理解されるであろう。非限定的実施例として、サンプルは、加えて、液体クロマトグラフ分離を含む自動またはインラインサンプル調製を受けることができる。
概して、前駆体イオンは、正に荷電される(カチオン)かまたは負に荷電される(アニオン)任意のイオンであり得、荷電種は、電子、または正もしくは負のいずれかに荷電されるイオンであり、前駆体イオンと反応することが可能である。一例として、イオンがカチオンであり、荷電種が電子であるとき、カチオンは、電子を捕獲し、電子捕獲解離を受け得、電子捕獲解離において、イオンと荷電種との間の相互作用が、生成物イオンまたは元の前駆体イオンの断片の形成をもたらす。イオン反応セルから排出された種の流れは、前駆体イオン、生成物イオン、およびある場合には荷電種のうちの1つ以上のもの、もしくはそれらの混合物から成ることができる。加えて、種々の電子関連断片化現象は、ホットECD、電子イオン化解離(EID)、活性化イオンECD(AI−ECD)、電子脱離解離(EDD)、EIEIO、および負イオンECD等の本教示による方法およびシステムで行われ得ることが、当業者によって理解されるであろう。例えば、ECDおよびホットECDは、前駆体イオンがカチオンであるときに実装されることができる一方で、EIDは、例えば、前駆体イオンがアニオンであるときに使用されることができる。陽子移動反応も、本教示を踏まえて当業者によって理解されるように、荷電種の適切な選択により実装されることができる。
荷電種が電子であるとき、例えば、電子源104は、タングステンもしくはトリウム処理タングステンフィラメント等のフィラメント、またはYカソード等の他の電子源であり得る。フィラメント電子源は、典型的には、安価であるので使用されるが、酸素残留ガスに対して堅牢ではない。一方、Yカソードは、高価な電子源であるが、酸素に対してより堅牢であるので、ラジカル−酸素反応を使用するデノボシーケンシングに有用である。動作時、1〜3Aの電流が、典型的には、電子源を加熱するために適用され、1〜10Wの熱電力を生成する。電子源のヒートシンクシステムは、存在する場合、利用される磁石の温度を、永久磁石の磁化が失われるキュリー温度よりも低く保つようにも設置されることができる。磁石を冷却する他の公知の方法も、利用されることができる。
再度、断面概略図における図1を具体的に参照すると、例示的反応デバイスは、イオン反応デバイス100を通したイオンの移動を制御するための種々の電極を含む外側筐体107を備えている。外側筐体107は、イオン源(図示せず)に結合し、複数の電極110a−d、140a−dによって画定される第1の中心軸(A)に沿って延びている第1の経路の入口端102で前駆体イオンを受け取るように構成される。この経路は、イオンがイオン反応装置100内に進入するための経路を提供する。以下で詳細に議論されるように、第1の経路の各端部は、例えば、第1の経路内のイオンの軸方向移動を制御するために、DC電圧が印加され得る電極を含むことができる。
例示的装置100は、四重極型配列で第1の中心軸(A)の周囲に配列される、第1の複数の略L字形電極110a−dを備えている。四重極がここで具体的に具現化されるが、六重極、八重極等を含む多重極の任意の配列も、利用され得る。図1では、4つの四重極電極のうちの2つのみ110a、bが描写されているが、他の2つの電極110c、dは、描写された電極の直接上方にある(図2および4参照)。図3に示されるように、電極110a−dは、その間に、第1の中心軸(A)(例えば、四重極の中点)に向かってイオンを誘導するRF場を生成するためのRF電圧を電極110a−dに提供する役割を果たすRF電圧源およびコントローラ(図示せず)に接続される。一例として、第1の複数の電極110a−dの中の各電極は、各電極が、同一極性を有する電極の第1の組のうちの別の電極の第1の中心軸(A)を横断して直接反対にあるように、RF電圧をそれに印加させることができる。すなわち、図4で最も良く示されるように、電極110bは、電極110cと同一極性を有する。四重極に印加されるRF周波数は、完全に非限定的実施例として、約400kHz〜1.2MHzの範囲内(例えば、約800kHz)であり得る。
再度、図1を参照すると、中心軸(A)に沿って延びている第1の経路は、短い距離によって(すなわち、第2の中心軸(B)に沿って延びている第2の経路の幅によって)第1の複数の電極110a−dから分離された電極の追加の組140a−d(そのうちの2つだけが図1に示されている)によって包囲されることもできる。便宜上、この電極の組140a−dは、本明細書では電極の第4の組と称されるであろう。
電極110a−dのように、電極の第4の組140a−dは、その間に第1の中心軸(A)(例えば、四重極の中点)に向かってイオンを誘導するRF場を生成するためのRF電圧を電極140a−dに提供する役割も果たすRF電圧源およびコントローラに接続されることができる。一例として、電極の第4の組140a−dの中の各電極は、電極の第4の組140a−dの中の各電極が、同一極性を有する、電極の第4の組のうちの別の電極の第1の中心軸(A)を横断して直接反対にあるように、それにRF電圧を印加されることができる。すなわち、図2および4で最も良く示されるように、電極140aは、電極140cと同一極性を有する。さらに、電極の第1および第4の組110a−d、140a−dの中の各電極は、反対極性を有する、電極の他方の組のうちの電極から第1の交点112を横断して直接反対にあり得る。例えば、図2および4で最も良く示されるように、電極140aは、電極110dの反対極性を有する。
図5に示されるように、電極の第1の組110a−dおよび電極の第4の組140a−dの上記の構成は、第1の中心軸(A)の周囲でイオンを集束させ(例えば、RF場が第1の中心軸(A)上に存在しない)、かつ、第1の交点112と電極の第1の組110a−dとの間に生成されるRF場が、第1の交点112と電極の第4の組140a−dとの間に生成されるRF場と逆相であるように、第1の経路に沿ったRF場の生成をもたらす。
上記のように、電極の第1の組110a、dと電極の第4の組140a、dとの間の分離距離は、第2の中心軸(B)に沿って延びている第2の経路の一部も表す、小間隙をその間に形成する。この第2の経路は、イオン反応デバイス100内の荷電種の輸送のための経路を提供する。図1に示されるように、第1および第2の経路は、実質的に互いに直交し、交点112で交わり、この交点は、第1の中心軸(A)および第2の中心軸(B)に沿っている。さらに、図1に示されるように、第2の経路は、便宜上、電極の第2の組と本明細書で称される、四重極型配列で第2の中心軸(B)の周囲に配列されるL字形電極によっても画定される。再度、四重極が具体的に描写されているが、六重極、八重極等を含む、多重極の任意の配列も、利用され得る。具体的には、描写される構成における電極の第2の組は、電極110b、d(電極の第1の組の構成要素でもある)と、140b、d(電極の第4の組の構成要素でもある)と、電極130a、c(電極の第3の組の構成要素でもある)と、電極150a、c(電極の第5の組の構成要素でもある)とを備えている。図1では、第2の組の中の8つの四重極電極のうちの4つのみが描写されているが、他の4つの電極は、描写された電極の直接上方にある(図2および4参照)。図3に示されるように、電極の第2の組のうちの電極は、その間に、第2の中心軸(B)(例えば、四重極の中点)に向かってイオンを誘導するRF場を生成するためのRF電圧を電極の第2の組に提供する役割を果たすRF電圧源およびコントローラに接続される。一例として、電極の第2の組のうちの第2の中心軸(B)に沿った隣接電極は、同一極性を有することができ、第2の中心軸(B)の真向かいにある電極も、反対極性を有することができる一方で、電極の第2の組のうちの他の電極は、反対極性を有する。すなわち、電極110dは、150cと同一極性(実際に、これら2つの電極は、単一のU字形電極と見なされることができる)、電極140bおよび130aと同一極性を有することができる。再度、図5を参照すると、電極の第2の組の上記の構成は、第2の中心軸(B)に沿ってイオンを集束させる、第2の経路に沿ったRF場の生成をもたらす(例えば、RF場が第2の中心軸(B)上に存在しない)。
再度、図1を参照すると、例示的装置100はまた、四重極型配列で第3の中心軸(C)の周囲に配列される、略L字形電極の第3の組130a−dも備えている。四重極がここで具体的に具現化されるが、六重極、八重極等を含む、多重極の任意の配列も、利用され得る。図1では、4つの四重極電極のうちの2つのみ130a、bが描写されているが、他の2つの電極130c、dは、描写された電極の直接上方にある(図2および4参照)。図3に示されるように、電極130a−dは、その間に第3の中心軸(C)(例えば、四重極の中点)に向かってイオンを誘導するRF場を生成するためのRF電圧を電極130a−dに提供する役割を果たす、RF電圧源およびコントローラ(図示せず)に接続される。一例として、第3の複数の電極130a−dの中の各電極は、各電極が、同一極性を有する電極の第3の組のうちの別の電極の第3の中心軸(C)を横断して直接反対にあるように、RF電圧をそれに印加されることができる。すなわち、図4で最も良く示されるように、電極130aは、電極130dと同一極性を有する。
再度、図1を参照すると、第3の中心軸(C)に沿って延びている第3の経路はまた、短い距離によって(すなわち、第2の中心軸(B)に沿って延びている第2の経路の幅によって)第3の複数の電極130a−dから分離された電極の追加の組150a−d(そのうちの2つだけが図1に示されている)によって包囲されることもできる。便宜上、この電極の組150a−dは、本明細書では電極の第5の組と称されるであろう。
電極130a−dのように、電極の第5の組150a−dは、その間に第3の中心軸(C)(例えば、四重極の中点)に向かってイオンを誘導するRF場を生成するためのRF電圧を電極150a−dに提供する役割も果たすRF電圧源およびコントローラに接続されることができる。一例として、電極の第5の組150a−dの中の各電極は、電極の第5の組150a−dの中の各電極が、同一極性を有する、電極の第5の組のうちの別の電極の第3の中心軸(C)を横断して直接反対にあるように、それにRF電圧を印加されることができる。すなわち、図2および4で最も良く示されるように、電極150cは、電極150bと同一極性を有する。さらに、電極の第3および第5の組130a−d、150a−dの中の各電極は、反対極性を有する、電極の他方の組のうちの電極から第2の交点123を横断して直接反対にあり得る。例えば、図2および4で最も良く示されるように、電極150cは、電極130bの反対極性を有する。
したがって、図5で描写されるように、電極の第3の組130a−dおよび電極の第5の組150a−dの上記の構成は、第3の中心軸(C)の周囲でイオンを集束させ(例えば、RF場が第3の中心軸(C)上に存在しない)、第2の交点123と電極の第3の組130a−dとの間に生成されるRF場が、第2の交点123と電極の第5の組150a−dとの間に生成されるRF場と逆相であるように、第3の経路に沿ったRF場の生成をもたらす。
再度、図1を具体的に参照すると、外側筐体107は、例えば、第2の経路に沿った前駆体イオンと荷電種との間の相互作用に起因する、前駆体イオンおよび/または生成物イオンのさらなる分析のための下流質量分析器もしくは検出器にイオン反応デバイス100からイオンを伝送するための第3の中心軸(C)上に配置される出口108を提供することができる。すなわち、第3の経路は、イオンがイオン反応装置100から退出するための経路を提供する。さらに、本明細書で別様に議論されるように、第3の経路の各端部は、例えば、第3の経路内のイオンの軸方向移動を制御するために、DC電圧が印加され得る電極を含むことができる。一例として、出口と反対の軸端は、第2の交点123におけるイオンが静電電位によって出口108に向かって駆動されるように、それに印加される前駆体または生成物イオンと同じ極性のDC電位を有することができる。
図1に示されるように、第2の経路の軸端は、第1および第2の交点112、123の間に延びている第2の経路の中へ、かつそれに沿った伝送のための荷電種を生成するために使用される荷電種源(例えば、電子フィラメント)を含むか、またはその近くに有する。さらに、第2の経路の第1の軸端は、第2の経路の中への電子の進入を制御するように、好適な電極ゲート105aを含むか、またはその近くに有することもできる。加えて、永久磁石等の磁場源106は、例えば、矢印(B)によって概略的に描写されるように、第2の経路と平行である磁場を生成するように構成されることができる。磁場は、任意の他の磁場発生源によって生成されることもでき、第2の経路の第2の中心軸(B)と平行であり、それに沿った磁場を生成するように機能する電磁石、ネオジム磁石等を含むこともできる。磁束密度は、電子ビームの集束を引き起こすための磁場を実装することが可能な任意の密度であり得、例えば、最大1.5Tまたはそれより高いが、好ましくは、約0.1〜1.0Tに及ぶことができる。より高い密度を伴う磁石が、電極対からより遠くに配置されることができる。0.1Tの(矢印Bによって示されるような)磁場は、電子方向の経路と平行であり、それに沿うように整列させられる。本教示を踏まえて、この磁場は、ECD、ホットECD、EID、EDD、およびネガティブECDが実装されているとき、例えば、荷電種が電子であるとき、有用であり得ることが理解されるであろう。RF場は、ピーク間で100〜500Vであり、電子ビームエネルギーは、中心において0〜100eVである。
イオンが第2の経路の軸端から漏出することを防止するために、ブロッキング電極(例えば、平板電極105b)が、第2の経路の軸端に隣接に隣接して提供されることができ、ブロッキング電極は、分析/反応させられるイオンと同じ極性のブロッキング電位がそれに印加され得るように、好適な電圧源(例えば、DC電圧源)に電気的に接続されることも理解されるであろう。
ここで、図6および7を参照すると、本教示の種々の側面による別の例示的イオン反応デバイス600が、概略的に描写されている。イオン反応デバイス600は、図1で描写されるイオン反応デバイス100を参照して上記で議論されるものに実質的に類似するが、第1の経路の入口602および第3の経路の出口608が同一線上にあるという点で異なる。この方法において、イオン反応デバイス600は、既存のMSシステムへの最小限の修正を伴って、イオン源が入口602に結合され得、質量分析器(例えば、ToF質量分析器、Q3)が出口端608(例えば、Q3)に結合され得るように、例えば、公知の質量分析計システムの中へ一列に配置されることができる。さらに、本明細書に説明されるイオン反応デバイスが、2つの四重極フィルタの間に直列に挿入され得ること、例えば、イオンを捕捉/誘導する等の役割を果たし、デバイス600の入口においてイオン源を提供する、イオン反応デバイス600の上流にある(かつイオン源とイオン反応デバイスとの間に配置される)四重極フィルタ(Q1)と、生成物イオンおよび未反応イオンを受け取り、さらなる分析または処理のために四重極の中で捕捉/誘導する等のいずれかを行うことができる下流四重極(Q2)との間に直列に挿入され得ることが理解されるであろう。
図6に示されるように、したがって、前駆体イオンは、注入/放出軸(X)に沿って、少なくとも部分的に第1の中心軸(A)に沿って延び、第1の交点612で第2の中心軸(B)に沿って延びている第2の経路に交差する第1の経路に注入され、試薬イオンが荷電種源604によってその中に注入されているとき、第2の経路に導入され、そして、第2の交点623で第2の経路に交差し、少なくとも部分的に第3の中心軸(C)に沿って延びている第3の経路に進入することができ、第1の中心軸(A)および第3の(C)中心軸は、第2の中心軸(B)に実質的に直交する。前駆体および/または生成物イオンはまた、同一の注入/抽出軸(X)に沿って、この第3の経路から抽出されることができる。
図6および7に示されるように、第1の経路は、電極の第1の組610a−dによって画定され、第1の経路を通して伝送されるイオンを電極610a−dから実質的に等距離で維持するために、RF電圧が電極に印加されることができる。図1の電極が、略L字形(かつその全長に沿って中心軸(A)と実質的に平行)であった一方で、一例として、イオン反応デバイス600の第1の経路は、電極の第1の組610a−dによって画定されるように曲げられる(例えば、曲線状である)。すなわち、隣接電極610a−dの間の分離は、それらの長さに沿って実質的に一定のままであるが、電極610a−dは、それらがそれらの間に非直線経路を画定するように成形される。同様に、電極の第3の組630a−d(そのうちの2つのみが図6に示されている)は、イオン反応デバイスから退出することに先立って、イオンが横断する、曲げられた第3の経路を生成するように、同様に修正されることができる。電極の第2の組のうちの電極の形状の変化に加えて、電極の第2の組のうちの電極の各々は、電極の第1および第3の組の構成要素も表す。一例として、電極610bは、イオン反応デバイス600内のイオンの場所に応じて、第1、第2、および第3の中心軸に沿ってイオンを集束させるためのRF場生成電極として機能する。
図6は、加えて、入口レンズ電極601a、第1の経路ブロッキング電極601b、出口レンズ電極603a、および第3の経路ブロッキング電極603bの例示的構成を描写する。当業者によって理解されるであろうように、これらの電極の各々は、第1または第3の経路内で軸方向にイオンの移動を制御するために、それに電気信号を印加されることができる。前駆体カチオンが、生成カチオンを形成するよう電子と反応させられる例示的状況では、出口608と反対の第3の経路の軸端に配置される第3の経路ブロッキング電極603bが、出口608に向かって前駆体および/または生成カチオンを反発するように、それに正DC電圧を印加されることができる一方で、出口レンズ電極603aは、イオン反応セル600からの前駆体または生成物イオンの抽出を促進するように、負にバイアスをかけられることができる。
ここで、図8および9を参照すると、本教示の種々の側面による、別の例示的イオン反応デバイス800が、概略的に描写されている。イオン反応デバイス800は、図1で描写されるイオン反応デバイス100を参照して上記で議論されるものに実質的に類似するが、イオンの選択的抽出(すなわち、フィルタリング)が第3の経路の出口808で行われることができるという点で異なる。例示的な描写される実施形態では、第3の経路は、イオン反応デバイス800の出口808に隣接する、縮小された直径部分を備え、縮小された直径部分は、AC電圧源(図示せず)に結合される追加の電極833a−d(そのうちの2つのみが示されている)によって画定される。加えて、第3の経路も、縮小された直径部分に隣接する電極の組832a−dによって画定され、第3の経路の標準直径を画定し(すなわち、電極830a/830bおよび810a/850bと同一の距離によって、第3の中心軸(C)を横断して分離される)、電極832a−dも、AC電圧源に結合される。前駆体イオンの永年周波数に対応する周波数における補足AC信号を印加することによって、(生成物イオンではなく)前駆体イオンが励起させられ、それらの半径方向振動振幅が増加する。半径方向に励起させられた前駆体イオンが、電極832a−dと電極833a−dとの間の境界に到達すると、そこに生成される逆フリンジング場が、前駆体イオンを拒絶する一方で、(実質的に第3の中心軸(C)に沿って伝送されている)生成物イオンは、通過する。イオンを選択的にフィルタ処理するための逆フリンジング場の使用は、参照することによってその全体として組み込まれる、2012年12月6日に出願された、「Ion Extraction Method For Ion Trap Mass Spectrometry」と題された、PCT出願第PCT/IB2012/002621号でさらに説明される。拒絶された前駆体イオンは、冷却ガスによって冷却され、(例えば、第2の交点823の周囲で)荷電種と相互作用するまで、イオン反応デバイス800をさらに横断し得ることが、さらに理解されるであろう。
ここで図10を参照すると、本教示の種々の側面による、別の例示的イオン反応デバイス1000が、概略的に描写されている。イオン反応デバイス1000は、図6で描写されるイオン反応デバイス600を参照して上記で議論されるものに類似するが、固体電極(例えば、L字形電極)によって画定される第1、第2、および第3の経路ではなく、代わりに、経路は、例えば、プリント回路基板(PCB)上に形成される、複数の実質的に平面的な電極(そのうちの1つのみが図10に示されている)によって画定されるという点で異なる。すなわち、2つの平行PCBは、イオンがその間の経路に沿って伝送されることができるように、第1、第2、および第3の中心軸の反対側に配置されることができる。さらに、図10に示されるように、電極の各々は、電子が第2の経路に沿ってPCBの非伝導性誘電体部分に引き寄せられることを防止するよう接地される電極部分1060によって分離されることができる。一例として、接地パッド1060は、黒鉛ペーストでコーティングされたPCBの誘電体部分を備えていることができる。
概略的に描写されるイオン反応デバイス1000は、加えて、もしくは代替として、本明細書に説明される1つ以上の他の特徴を含み得ることを理解されたい。一例として、経路の端部は、経路におけるイオンの軸方向運動を制御するための電極を備えていることができる。さらに、図1を参照して上で説明されるように、電極は、実質的にそれらの全長に沿った中心軸に沿って延びている実質的に直線の経路を画定することができる。
ここで、図11を参照すると、本教示の種々の側面による、別の例示的イオン反応デバイス1100が、概略的に図示されている。イオン反応デバイス1100は、図10を参照して上記で議論されるものに類似するが、パッド1160a−dが、それらにDCバイアスを印加されることができるように、接地パッドが区画化され得るという点で異なる。一例として、パッド1160a−cは、イオンが第2の経路の周囲に蓄積されるように、正にバイアスをかけられることができる一方で、パッド1160dは、前駆体および/または生成物イオンの抽出を促進するように負にバイアスをかけられる。
ここで、図12A−Dを参照すると、本教示の種々の側面による、別の例示的イオン反応デバイス1200が、概略的に図示されている。図10および11のイオン反応デバイスのように、イオン反応デバイス1200は、その間に複数のイオン経路を画定する、平行な向きで配置される複数の実質的に平面的な電極を備えている。図12Aに示されるように、各PCBは、少なくとも部分的に第1の中心軸(A)に沿って延びている第1の経路、第2の中心軸(B)に沿って延びている第2の経路、および少なくとも部分的に第3の軸(C、C)に沿って延びている2つの第3の経路を画定する、複数の電極を備えていることができる。図12Aの等電位線は、RF場電位を示す(赤線および青線は、RFの異なる位相を示す)。図12B−Dの等電位線は、DC場電位を示す(赤線は、正電位を示し、青線は、負電位を示す)。
第1の経路に沿って最初に注入されるイオンは、第2の経路との第1の交点1212に向かって、第1の経路に沿って伝送される。しかしながら、本明細書に説明される他のイオン反応デバイスと異なり、イオンは、((例えば、図12Bに示されるように、従来のMS/CID分析のために)第1の経路から実質的に方向転換されることなく))、デバイスを通って流動することができる、または、代替として、(図12Cに示されるように)第2の交点1223a、bで第2の中心軸に直交する、少なくとも1つの第3の中心軸に沿って少なくとも部分的に延びている少なくとも1つの第3の経路に沿って方向転換させられることに先立って、第2の経路(すなわち、図12Dに示されるように、それに沿って荷電種が伝送され得る経路)に沿う両方の直交方向に第1の経路からイオンを方向転換するように、DC電圧が、電極(例えば、第1の経路に沿って、第1の交点1212にある、またはそれに隣接する電極1260c)に印加されることができる。
第1の経路に沿って最初に注入されるイオンは、最初に、中心軸(A)に沿ってイオンを実質的に集束させるようにRF信号が提供される電極1210a−dの影響下で、第2の経路との第1の交点1212に向かって、第1の経路に沿って伝送される。一例として、(電極1260aを包囲する)電極1210aおよび1210bに印加される信号の逆相は、イオンがイオン反応デバイス1200に進入すると、実質的に中心軸(A)に沿ってイオンを維持する。イオンが、(例えば、ECDを受けることなく)単に反応セル1200を通って流動するMS/CID動作モードでは、イオンの軌道が、図12Bに示されるように、(引力電位(例えば、−1V)で維持される)電極1260c、dおよび(イオンに対する引力電位(例えば、−2V)で維持される)電極1203に実質的に向かって維持されるように、反発電位DC電位(例えば、+1V)も、レンズ電極1201、平板電極1205a、b、および電極1260aのうちの1つ以上のものに印加されることができる。
ECD反応が行われることが所望されるとき、例えば、コントローラは、(本明細書で別様に議論されるように、図12dに示されるように第2の経路に沿って荷電試薬種を伝送する)荷電種源を活性化し、イオンがそこから偏向させられるように、第1のイオン経路に沿う1つ以上の電極の電圧を切り替えることができる。例えば、図12に示されるように、電極1260cの電圧は、−1Vから+10Vに切り替えられることができ、それは、図12Cに示されるように、第2の経路に沿ってイオンを偏向させるために効果的であり得る。レンズ電極1205a、bは、イオンが、再度、交点1223a、bにおける引力電極1203に向かって第3の経路に沿って偏向させられるように、反発電位で維持されることができる。すなわち、図12Cに示されるように、第3の経路は、2つのオフセット経路を備えていることができ、2つのオフセット経路の各々は、第2の経路に実質的に直交し、それぞれ、第2の交点1223a、bで第2の経路に交差する中心軸(C、C)に少なくとも部分的に沿って延びている。
種々の実施形態では、電子制御光学部系およびイオン制御光学系が、完全に分離されているので、両方の荷電粒子への独立操作が可能である。電子に対して、電子エネルギーは、電子源と、イオン経路と荷電種経路との間の交点との間の電位差によって制御されることができる。荷電種経路は、ゲート電極の使用によって、オン/オフ様式で制御されることができる。レンズは、第2の経路のいずれか一方の軸端に位置付けられるか、またはその近くにあり、正にバイアスをかけられると、荷電種が電子であるとき、そのような種を集束させることができる。他方の経路を通して導入されるイオンは、正にバイアスをかけられるので、これらのレンズの近傍で安定している。
多数の変更が、本教示の範囲から逸脱することなく、開示される実施形態に行われ得ることを理解されたい。前述の図および実施例は、具体的要素を参照するが、これは、限定としてではなく、一例および例証のみとして意図される。種々の変更が、添付の請求項に包含される教示の範囲から逸脱することなく、開示される実施形態の形態および詳細に行われ得ることが、当業者によって理解されるべきである。

Claims (19)

  1. イオン反応装置であって、
    第1の複数の電極であって、前記第1の複数の電極は、それらの間に第1の経路を画定するように配列され、前記第1の経路は、イオン源からイオンを受け取るように構成されている第1の軸端と、前記第1の経路の前記第1の軸端から距離を置いて配置されている第2の軸端とを備え、前記第1の経路は、少なくとも部分的に第1の中心軸に沿って延びている、第1の複数の電極と、
    第2の中心軸に沿って延びている第2の経路を画定するように配列されている第2の複数の電極であって、前記第2の経路は、第1の交点で前記第1の経路に交差し、前記第2の中心軸は、前記第1の中心軸に実質的に直交する、第2の複数の電極と、
    第3の複数の電極であって、前記第3の複数の電極は、それらの間に第3の経路を画定するように配列され、前記第3の経路は、第1の軸端と第2の軸端とを備え、前記第3の経路の前記第2の軸端は、イオンおよび前記イオンの反応生成物のうちの少なくとも1つを前記イオン反応装置から外へ伝送するために前記第3の経路の前記第1の軸端から距離を置いて配置され、前記第3の経路は、前記第2の中心軸に実質的に直交する第3の中心軸に少なくとも部分的に沿って延び、前記第1の交点からある距離、間隔を置かれた第2の交点で前記第2の経路に交差し、前記第1、第2、および第3の複数の電極は、RF電圧を前記第1、第2、および第3の複数の電極のうちの電極の各々に提供するRF電圧源に結合するように構成されている、第3の複数の電極と、
    前記第1の中心軸の周囲に配列され、前記第1の複数の電極から前記第2の中心軸の反対側に配置されている第4の複数の電極と、
    前記第2の中心軸に沿い、前記第1の交点と第2の交点との間に延びている前記第2の経路に荷電種を導入するための荷電種源と
    を備えている、装置。
  2. 前記イオンは、実質的に前記第2の経路に沿って前記荷電種と相互作用する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記相互作用長は、少なくとも約10mmであり、随意に、前記相互作用は、電子誘起解離を引き起こす、請求項2に記載の装置。
  4. 前記第1の中心軸および前記第3の中心軸は、平行であり、随意に、前記第1の経路の前記第1の軸端および前記第3の経路の前記第2の軸端は、同一線上にある、請求項1に記載の装置。
  5. 前記第1の中心軸および前記第2の中心軸は、前記第1の交点を通って延び、
    前記第2の中心軸および前記第3の中心軸は、前記第2の交点を通って延び、
    随意に、前記第2の経路は、第1の軸端と前記第2の経路の前記第1の軸端から距離を置いて配置されている第2の軸端との間に延び、前記荷電種源は、前記第2の経路の前記第1または第2の軸端のうちの1つまたはその近くに配置されている、請求項1に記載の装置。
  6. 前記第1の複数の電極は、前記第1の中心軸の周囲で四重極配向に配列された四重極電極の組を備え、前記電極の第1の組は、前記第1の経路に沿ってイオンを誘導するためのものであり、
    前記第2の複数の電極は、前記第2の中心軸の周囲で四重極配向に配列された四重極電極の組を備え、前記電極の第2の組は、前記第2の経路に沿ってイオンを誘導するためのものであり、
    前記第3の複数の電極は、前記第3の中心軸の周囲で四重極配向に配列された四重極電極の組を備え、前記電極の第3の組は、前記第3の経路に沿ってイオンを誘導するためのものである、
    請求項1に記載の装置。
  7. RF場を生成するためのRF電圧を前記第1、第2、および第3の複数の電極に提供するための電圧源と、
    前記RF電圧を制御するためのコントローラと
    をさらに備え、
    随意に、前記第1の中心軸に沿って前記イオンを導入するために、前記第1の経路の第1の軸端またはその近くに配置されたイオン源をさらに備えている、請求項1に記載の装置。
  8. 前記第1の複数の電極のうちの少なくとも1つはまた、前記第2の複数の電極のうちの1つを備え、前記第4の複数の電極のうちの少なくとも1つはまた、前記第2の複数の電極のうちの1つを備えている、請求項に記載の装置。
  9. 前記コントローラは、電圧を前記第1および第4の複数の電極に送達するように構成され、
    前記第1の複数の電極の中の各電極は、前記第1の複数の電極の中の別の電極と対にされ、電極対を形成し、前記第1の複数の電極の各電極対の中の一方の電極は、前記第1の複数の電極のその電極対の中の他方の電極と同じ極性を有し、前記他方の電極の前記第1の中心軸を横断して直接反対にあり、
    前記第4の複数の電極の中の各電極は、前記第4の複数の電極の中の別の電極と対にされ、電極対を形成し、前記第4の複数の電極の各電極対の中の一方の電極は、前記第4の複数の電極のその電極対の中の他方の電極と同じ極性を有し、前記他方の電極の前記第1の中心軸を横断して直接反対にあり、
    前記第1の複数の電極の各電極は、前記第4の複数の電極の中の電極と対にされ、電極対を形成し、前記第1および第4の複数の電極の各電極対の中の各電極は、前記第1および第4の複数の電極のその電極対の中の他方の電極と反対の極性を有し、前記他方の電極の前記第1の交点を横断して直接反対にあり、
    前記第1の交点と前記第1の複数の電極との間に生成されるRF場は、前記第1の交点と前記第4の複数の電極との間に生成されるRF場と逆相である、
    請求項に記載の装置。
  10. 前記第3の中心軸の周囲に配列され、前記第3の複数の電極から前記第3の中心軸の反対側に配置されている第5の複数の電極をさらに備えている、請求項に記載の装置。
  11. 前記第3の複数の電極のうちの少なくとも1つはまた、前記第2の複数の電極のうちの1つを備え、前記第5の複数の電極のうちの少なくとも1つはまた、前記第2の複数の電極のうちの1つを備えている、請求項10に記載の装置。
  12. 前記コントローラは、電圧を前記第3および第5の複数の電極に送達するように構成され、
    前記第3の複数の電極の中の各電極は、前記第3の複数の電極の中の別の電極と対にされ、電極対を形成し、前記第3の複数の電極の各電極対の中の一方の電極は、前記第3の複数の電極のその電極対の中の他方の電極と同じ極性を有し、前記他方の電極の前記第3の中心軸を横断して直接反対にあり、
    前記第5の複数の電極の中の各電極は、前記第5の複数の電極の中の別の電極と対にされ、電極対を形成し、前記第5の複数の電極の各電極対の中の一方の電極は、前記第5の複数の電極のその電極対の中の他方の電極と同じ極性を有し、前記他方の電極の前記第3の中心軸を横断して直接反対にあり、
    前記第3の複数の電極の各電極は、前記第5の複数の電極の中の電極と対にされ、電極対を形成し、前記第3および第5の複数の電極の各電極対の中の各電極は、前記第3および第5の複数の電極のその電極対の中の他方の電極と反対の極性を有し、前記他方の電極の前記第2の交点を横断して直接反対にあり、
    前記第2の交点と前記第3の複数の電極との間に生成されるRF場は、前記第2の交点と前記第5の複数の電極との間に生成されるRF場と逆相である、
    請求項10に記載の装置。
  13. 前記第2の中心軸と平行であり、それに沿った磁場を生成する磁場発生器をさらに備え、随意に、前記荷電種は、試薬アニオンである、請求項1に記載の装置。
  14. 前記イオンは、正に荷電され、前記荷電種は、電子である、請求項12に記載の装置。
  15. イオン反応装置であって、
    第1の複数の電極であって、前記第1の複数の電極は、それらの間に第1の経路を画定するように配列され、前記第1の経路は、イオン源からイオンを受け取るように構成されている第1の軸端と、前記第1の経路の前記第1の軸端から距離を置いて配置されている第2の軸端とを備え、前記第1の経路は、少なくとも部分的に第1の中心軸に沿って延びている、第1の複数の電極と、
    第2の中心軸に沿って延びている第2の経路を画定するように配列されている第2の複数の電極であって、前記第2の経路は、第1の交点で前記第1の経路に交差し、前記第2の中心軸は、前記第1の中心軸に実質的に直交する、第2の複数の電極と、
    第3の複数の電極であって、前記第3の複数の電極は、それらの間に第3の経路を画定するように配列され、前記第3の経路は、第1の軸端と第2の軸端とを備え、前記第3の経路の前記第2の軸端は、イオンおよび前記イオンの反応生成物のうちの少なくとも1つを前記イオン反応装置から外へ伝送するために前記第3の経路の前記第1の軸端から距離を置いて配置され、前記第3の経路は、前記第2の中心軸に実質的に直交する第3の中心軸に少なくとも部分的に沿って延び、前記第1の交点からある距離、間隔を置かれた第2の交点で前記第2の経路に交差し、前記第1、第2、および第3の複数の電極は、RF電圧を前記第1、第2、および第3の複数の電極のうちの電極の各々に提供するRF電圧源に結合するように構成されている、第3の複数の電極と、
    前記第2の中心軸に沿い、前記第1の交点と第2の交点との間に延びている前記第2の経路に荷電種を導入するための荷電種源と、
    前記イオンの導入を制御するために前記第1の経路の前記第1の軸端に配置されているゲート電極と、
    前記第1の経路の前記第2の軸端に配置されている電極であって、前記電極は、前記イオンと同じ極性のDC電位を印加されている、電極と、
    前記イオンおよび前記イオンの反応生成物のうちの少なくとも1つの除去を制御するために前記第3の経路の前記第2の軸端に配置されているゲート電極と、
    前記第3の経路の前記第1の軸端に配置されている電極であって、前記ゲート電極は、前記イオンと同じ極性のDC電位を印加されている、電極と
    を備えている装置。
  16. 前記第2の経路は、前記荷電種を集束させるために前記第2の経路の前記軸端のうちの少なくとも1つまたはその近くに配置されているレンズを備え、
    随意に、レーザ源が、前記荷電種源と反対の前記第2の経路の軸端またはその近くに配置され、前記レーザ源は、前記イオンまたは前記荷電種にエネルギーを提供するためのものである、請求項1に記載の装置。
  17. 前記第1、第2、および第3の複数の電極は、複数の中実ロッド型電極を備え、
    随意に、前記第1、第2、および第3の複数の電極は、プリント回路基板上に形成される複数の実質的に平面的な電極を備えている、請求項1に記載の装置。
  18. イオン反応を行う方法であって、
    少なくとも部分的に第1の中心軸に沿って延びている第1の経路に複数のイオンを導入することであって、前記第1の経路は、第1の複数の電極によって画定され、前記第1の経路は、イオン源からイオンを受け取るように構成されている第1の軸端と、前記第1の経路の前記第1の軸端から距離を置いて配置されている第2の軸端とを備えている、ことと、
    第2の中心軸に沿って延びている第2の経路の中へ前記イオンを伝送することであって、前記第2の経路は、第2の複数の電極によって画定され、前記第2の経路は、第1の交点で前記第1の経路に交差し、前記第2の中心軸は、前記第1の中心軸に実質的に直交する、ことと、
    第3の中心軸に沿って延びている第3の経路の中へ前記イオンを伝送することであって、前記第3の経路は、第3の複数の電極によって画定され、前記第3の経路は、前記第1の交点からある距離、間隔を置かれた第2の交点で前記第2の経路に交差し、前記第3の中心軸は、前記第2の中心軸に実質的に直交する、ことと、
    前記第1の交点と第2の交点との間に延びている前記第2の中心軸に沿った前記第2の経路に荷電種を導入し、前記第2の経路に沿って伝送される前記イオンと前記荷電種とが相互作用することを可能にすることであって、第4の複数の電極が、前記第1の中心軸の周囲に配列され、かつ、前記第1の複数の電極から前記第2の中心軸の反対側に配置されている、こと
    を含む、方法。
  19. 前記第2の中心軸に平行な磁場を提供することをさらに含み、
    随意に、RF電圧を前記第1、第2、および第3の複数の電極のうちの電極に提供することをさらに含み、
    随意に、前記イオンは、正に荷電され、前記荷電種は、電子を含み、
    随意に、前記第2の経路の1つ以上の軸端またはそれらの近くに配置されているレンズを用いて、前記荷電種を集束させることをさらに含む、
    請求項18に記載の方法。
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