JP6638802B1 - 有機溶剤系印刷インキ、印刷物および積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、マイクロプラスチック表面には下記の様なラミネートされたパッケージの場合にはインキや接着剤、更にはコーティング層などに起因する有害物質等も付着しており、より環境保全の点から懸念されている。このような問題を改善するためにマイクロプラスチックを減らす様々な取り組みが始まっている。
また、本発明は、前記ポリウレタン樹脂の酸価が20〜50mgKOH/gである、前記有機溶剤系印刷インキに関する。
また、本発明は、有機溶剤系印刷インキは、更に、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ロジン系樹脂、アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を含有する、前記有機溶剤系印刷インキに関する。
また、本発明は、基材と、前記有機溶剤系印刷インキからなる脱離層を含む印刷物または積層体を用いた、プラスチック基材のリサイクル方法あって、
前記リサイクル方法は、前記印刷物または積層体を、アルカリ水溶液に浸す工程を含む、プラスチック基材のリサイクル方法に関する。
本発明の有機溶剤系印刷インキに使用するポリウレタン樹脂の酸価は15〜70mgKOH/gであることを特徴とする。酸価は、酸をアルカリで滴定して算出した樹脂1g中の酸量を、水酸化カリウムのmg数に換算した値で、JISK0070に従って測定した値である。酸価が15mgKOH/g以上の場合であればアルカリ水溶液でのインキの脱離が容易になる。酸価が70mgKOH/g以下の場合には、プラスチックフィルムへの密着性および耐水性が良好となり、その結果耐レトルト適性が良好となる。アルカリによる脱離性と耐レトルト適性とのバランスの観点から、前記ポリウレタン樹脂の酸価は20〜50mgKOH/gであることが好ましく、25〜50mgKOH/gであることがなお好ましく、25〜45mgKOH/gであることが更に好ましい。
また、ポリイソシアネート、ポリオールおよびヒドロキシ酸を反応させてなるウレタンプレポリマーを、さらにポリアミンと反応させて(鎖延長反応という)なるポリウレタン樹脂を用いることがなお好ましい。本発明に使用するポリウレタン樹脂は、上記いずれの場合においてもヒドロキシ酸を使用することで、ポリウレタン樹脂に酸価を付与させることができる。
本発明の有機溶剤系印刷インキに使用されるポリウレタン樹脂に用いるポリイソシアネートとしてはジイソシアネートおよびまたはトリイソシアネートが好ましく、芳香族、脂肪族または脂環族のジイソシアネートを好適に使用することができる。
例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネートおよび2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートその他の芳香族ジイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートその他の脂肪族ジイソシアネート、
シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネートその他の脂環族ジイソシアネートが好適に挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。
上記ポリウレタン樹脂はポリオール由来の構造単位を有し、ポリオールとしては特に制限は無く以下に限定されないが、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオールなどが好適に用いられる。また、その他ダイマージオール、水添ダイマージオール、ひまし油変性ポリオールなどを使用しても良い。当該ポリウレタン樹脂はポリエーテル構造単位、ポリエステル構造単位およびポリカーボネート構造単位から選ばれる少なくとも一種の構造単位を有することが好ましく、ポリエステルポリオール由来の構造単位を含有することがより好ましい。
当該ジオールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3,5−トリメチルペンタンジオール、2、4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,2−アルカンジオール、1,3−アルカンジオール、1−モノグリセライド、2−モノグリセライド、1−モノグリセリンエーテル、2−モノグリセリンエーテル、ダイマージオール、水添ダイマージオール等が好適に挙げられる。ポリエステルポリオールは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。さらにポリエステルポリオールの原料としてヒドロキシル基を3個以上有するポリオール、カルボキシル基を3個以上有する多価カルボン酸を併用することもできる。
ヒドロキシ酸とは、活性水素基である水酸基と酸性官能基の両方を一分子中に有する化合物をいう。上記ヒドロキシ酸としては特に限定されないが、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸等のジメチロールアルカン酸が好ましい。これらは単独または2種以上を混合して用いることができ、ポリウレタン樹脂の酸価が15〜70mgKOH/gとなるように適宜調整して使用すればよい。なお当該酸価とはJISK0070による測定値をいう。
上記ポリアミンとしては、以下に限定されないが、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、さらにダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等などのジアミンが好適に挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。
なお、鎖延長にはアミノ酸も使用することができる。アミノ酸とは、アミノ基と酸性官能基の両方を一分子中に有する化合物をいい、グルタミン、アスパラギン、リジン、ジアミノプロピオン酸、オルニチン、ジアミノ安息香酸、ジアミノベンゼンスルホン酸等が好適に挙げられる。なお、ポリウレタン樹脂の合成過程において当該酸性基はイソシアネート基と未反応である確率が高いためポリウレタン樹脂において当該酸価を保持させることができるものである。
本発明におけるポリウレタン樹脂の合成方法について説明する。本発明におけるポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネート、ポリオールおよびヒドロキシ酸を反応させてなる(ウレタン化工程という)。ポリイソシアネートと、ポリオールおよびヒドロキシ酸と、の反応比(NCO/OH)は1.05〜3.0、より好ましくは1.1〜2.8であることが好ましい。ウレタン化反応工程は、必要に応じイソシアネート基に不活性な有機溶剤を用い、また、さらに必要であれば触媒を用いて70〜90℃の温度で2〜8時間かけて行われることが好ましい。この際ポリオールおよび有機溶剤を混合撹拌しているところでポリイソシアネートを適当な速度で滴下することもできる。反応中の撹拌速度は反応液が均一に混合されることが好ましく、過剰に遅い撹拌または可能に速い撹拌でなく適切な速度でかつ均一であることが好ましい。
なお、過剰な反応での高分子量化や不均一反応を防ぐ目的で重合停止剤を使用することが好ましい。重合停止剤としては、ウレタン化工程のみで生成できるポリウレタン樹脂の場合、モノアルコールまたはモノアミンの使用が好ましく、ウレタン化工程に加えてウレア化反応工程を行って生成するポリウレタン樹脂の場合はモノアミンを使用することが好ましい。
当該モノアルコールとしては置換もしくは未置換のアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、などが好適に挙げられる。当該モノアミンとしては置換もしくは未置換のモノアミンが好ましく、n−ブチルアミン、n−ジブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミンなどが好適に挙げられる。
本発明においてバインダー樹脂は上記ポリウレタン樹脂以外にもその他樹脂を併用する場合も好適であり、例としては、以下に限定されるものではないが、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−アクリル系共重合樹脂などの塩化ビニル系樹脂、ロジン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ダンマル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、ポリアセタール樹脂、石油樹脂、およびこれらの変性樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。中でも塩化ビニル系樹脂、アクリル樹脂およびセルロース系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の使用が好ましい。塩化ビニル系樹脂および/またはセルロース系樹脂であることがなお好ましい。ポリウレタン樹脂と当該併用樹脂との比率は前者:後者が95:5〜50:50であることがなお好ましい。脱離した絵柄層などの回収が容易となるためである。また、アクリル樹脂を併用する場合は酸価20〜70mgKOH/gであるアクリル樹脂であることが好ましい。
本発明の有機溶剤系印刷インキは有機溶剤を含む。以下に限定されるものではないが、使用される有機溶剤としては、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、エステル系有機溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系有機溶剤、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤など公知の有機溶剤を使用でき、混合して使用することが好ましい。中でも炭化水素系ワックスを含有した場合のグラビアインキの経時安定性が良好となるため、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤を含まない有機溶剤(ノントルエン系有機溶剤)が好ましく、ケトン系有機溶剤を含むことがなお好ましく、エステル系有機溶剤およびアルコール系有機溶剤を含むことが更に好ましい。エステル系有機溶剤およびアルコール系有機溶剤を含む場合、エステル系有機溶剤:アルコール系有機溶剤を質量比90:10〜40:60で含有する混合有機溶剤がより好ましい。更にインキ100質量%中、5質量%以下の量でグリコールエーテル系有機溶剤を含んでよい。
本発明の有機溶剤系印刷インキは、添加剤として従来公知のものを適宜含むことができ、グラビアインキの製造においては必要に応じて添加剤、例えば顔料誘導体、分散剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、粘度調整剤、金属キレート、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、上記以外のワックス成分、イソシアネート系硬化剤、シランカップリング剤などを使用することができる。
本発明の有機溶剤系印刷インキとは、クリアインキまたはカラーインキである形態を含むものである。ただし、本発明の趣旨を変更しない範囲で、有機溶剤や他のインキ等を更に含む形態を除外するものではない。
クリアインキとしてはインキまたは印刷層が、およそ白濁もしくは無色・透明である形態を意味し、バインダー樹脂や体質顔料、添加剤等に起因する僅かな着色等をも除外するものではない。クリアインキはインキ総質量中の固形分は5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがなお好ましい。更にバインダー樹脂はインキ総質量中に固形分で0.5〜50質量%含有することが好ましく、5〜30質量%含有することがなお好ましい。上記範囲であることによってクリアインキの粘度が適性となり、任意の印刷方式を用いてインキをプラスチックフィルムに塗布した際の、網点再現性などの印刷適性が良好となる。なお、「固形分」とは不揮発成分の総質量%をいう。
クリアインキは体質顔料を含有することが好ましい。体質顔料としては、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが好ましい。これらは流動性,被膜強度,光学的性質の改善のために用いられる。中でもシリカの使用が好ましく、親水性であることが好ましい。体質顔料は平均粒子径が0.5〜10μmであることが好ましく、1〜8μmであることがなお好ましい。体質顔料はインキ総質量中に0.5〜10質量%含有することが好ましく、1〜5質量%含有することがなお好ましい。絵柄インキを重ね印刷するとき絵柄インキの濡れ性が良好となるためである。
カラーインキとは着色剤を含有する有機溶剤系印刷インキをいい、上記クリアインキである場合を含まない。当該着色剤成分としては着色染料および/または着色顔料であることが好ましい。カラーインキはインキ総質量中の固形分は5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがなお好ましい。着色剤は、インキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちインキ総質量中に1〜50質量%含有することが好ましく、3〜15質量%含有することがなお好ましい。バインダー樹脂はインキ総質量中に固形分で0.5〜50質量%含有することが好ましく、5〜30質量%含有することがなお好ましい。上記範囲であることによってカラーインキの粘度が適性となり、任意の印刷方式を用いてインキをプラスチックフィルムに塗布した際の、網点再現性などの印刷適性が良好となる。カラーインキは、補助的に体質顔料を使用してもよく、体質顔料としては上記クリアインキの場合と同様のものが好ましい。
上記着色剤は顔料であることが好ましく、バインダー樹脂と着色顔料の質量比率(バインダー樹脂/顔料)は99/1〜10/90であることが好ましい。更には80/20〜20/80であることがより好ましい。なお、着色顔料は、有機顔料、無機顔料であることが好ましく、無機顔料では酸化チタンを含むもの、有機顔料では、有機化合物、有機金属錯体からなるものの使用が好ましい。
本発明の有機溶剤系印刷インキは、バインダー樹脂、体質顔料ないし着色顔料等を液状媒体中に溶解および/または分散することにより製造することができる。例えば、顔料、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等のバインダー樹脂、シリカ粒子および必要に応じて有機溶剤を分散させておき、顔料分散体に、ポリウレタン樹脂、必要に応じて有機溶剤、その他樹脂や添加剤などを配合することにより有機溶剤系印刷インキを製造することができる。また、有機溶剤系印刷インキの粘度や色味は分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。サンドミルを用いて製造することが好ましい。
絵柄インキとは、上記脱離機能を有さない印刷インキをいい、スクリーンインキ、グラビアインキ、フレキソインキ、インクジェットインキ、オフセットインキその他の印刷インキが好適に挙げられ、例えば、特開2005−298618号公報、特開2006−299136号公報、特開2009−249388号公報、特開2013−127038号公報、特開2017−19991号公報、特開2006−131844号公報、特開2013−40248号公報、特開2007−231148号公報、特開2006−257302号公報らに記載されている印刷インキを好適に使用することができる。ただしこれらに限定されない。中でも、グラビアインキ、フレキソインキ、インクジェットインキの使用が好ましく、グラビアインキおよび/またはフレキソインキの使用がなお好ましい。
有機溶剤系印刷インキの印刷法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷などの印刷法を好適に使用できる。中でもグラビア印刷またはフレキソ印刷であることがなお好ましい。
(グラビア版)
本発明においてグラビア版は金属製の円筒状のものであり、彫刻または腐蝕・レーザーにて凹部を各色で作成される。彫刻とレーザーは使用に制限は無く、柄に合わせて任意に設定が可能である。線数としては100線〜300線のものが適宜使用され、線数の大きいものほど目の細かい印刷が可能である。印刷層の厚みとしては、0.1μm〜100μmが好ましい。
(印刷機)
グラビア印刷機において一つの印刷ユニットには上記グラビア版およびドクターブレードを備えている。印刷ユニットは多数あり、有機溶剤系印刷インキおよび絵柄インキに対応する印刷ユニットを設定でき、各ユニットはオーブン乾燥ユニットを有する。印刷は輪転により行われ、巻取印刷方式である。版の種類やドクターブレードの種類は適宜選択され、仕様に応じたものが選定できる。
(フレキソ版)
本発明においてフレキソ印刷に使用される版としてはUV光源による紫外線硬化を利用する感光性樹脂版またはダイレクトレーザー彫刻方式を使用するエラストマー素材版が挙げられる。フレキソ版の画像部の形成方法に関わらず版のスクリーニング線数において75lpi以上のものが使用される。版を貼るスリーブやクッションテープについては任意のものを使用することができる。
(印刷機)
フレキソ印刷機としてはCI型多色フレキソ印刷機、ユニット型多色フレキソ印刷機等があり、インキ供給方式についてはチャンバー方式、2ロール方式が挙げることが出来、適宜の印刷機を使用することができる。
本発明における印刷物および積層体の形態は、限定されるものではないが、以下の態様が好適に挙げられる。
・基材1/脱離層(クリア)/絵柄層
・基材1/脱離層(カラー)/絵柄層
・基材1/脱離層(クリア)/接着剤層/基材2
・基材1/脱離層(カラー)/接着剤層/基材2
・基材1/脱離層(クリア)/絵柄層/接着剤層/基材2
・基材1/脱離層(カラー)/絵柄層/接着剤層/基材2
・絵柄層/脱離層(クリア)/基材1/接着剤層/基材2
・絵柄層/脱離層(カラー)/基材1/接着剤層/基材2
・基材1/脱離層(クリア)/絵柄層/脱離層(クリア)/接着剤層/基材2
・基材1/脱離層(カラー)/絵柄層/脱離層(カラー)/接着剤層/基材2
上記において「クリア」とはクリアインキを表し、「カラー」とはカラーインキを表す。
本発明の有機溶剤系印刷インキを適用できる基材としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンその他のポリオレフィン基材、ポリカーボネート基材、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸その他のポリエステル基材、ポリスチレン基材、AS樹脂もしくはABS樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリアミド基材、ポリ塩化ビニル基材、ポリ塩化ビニリデンの各種基材、セロハン基材、紙基材もしくはアルミニウム箔基材など、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状、またはシート状のものがある。中でも、ガラス転移温度が高いポリエステル基材、ポリアミド基材が好適に用いられる。
基材2は基材1と同様のものが挙げられ、同一でも異なっていてもよい。なお、熱可塑性基材(シーラントと称する場合がある)であることが好ましく、無延伸ポリエチレン基材、無延伸ポリプロピレン基材、無延伸ポリエステル基材等が好ましい。
基材1と基材2とを貼り合わせるには接着剤を用いたラミネート加工工程を必要とする。ラミネート加工の代表例として、エクストルジョンラミネート法、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法等が挙げられる。ラミネート加工は、印刷物のいずれかの面に接着剤層を塗工・乾燥等により具備させ、更に基材2と熱圧着して積層する方法である。
接着剤層は、以下に限定されないが、アンカー剤層、溶融樹脂層、ウレタン系接着剤層、アクリル系接着剤層などが好適に挙げられ、溶融押し出し法や、塗工法等により得られる。例えば、ウレタン系接着剤としてはポリオールおよびイソシアネート硬化剤の混合物からなる2液型接着剤などが好適であり、ポリオールとしてはポリエステル系、ポリエーテル系などが挙げられる。具体的には東洋モートン株式会社製TM−250HV/CAT−RT86L−60、TM−550/CAT−RT37、TM−314/CAT−14B等が挙げられる。
印刷物から脱離層等を脱離(除去)するには、上述したアルカリ水溶液中に浸漬して行う。本発明における脱離層等を除去するための脱離層、絵柄層その他の各層の除去条件として、アルカリ水溶液の濃度としては0.5〜15質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがなお好ましい。濃度が上記範囲内にあることで、アルカリ水溶液は脱離に充分なアルカリ性を保持することができ、印刷物およびラミネート積層体断面から浸透して脱離層と相溶するのにも適しているため、より短時間でインキを脱離することができる。なおかつ環境対応やリサイクル工程における廃液取扱いの観点からもアルカリ水溶液の濃度が5%以下であることは好ましい。浸漬温度は室温〜90℃が好ましく、より好ましくは30〜70℃である。浸漬時間としては1分〜24時間、更に好ましくは1分〜12時間である。その後水洗・乾燥したときの印刷層の除去率は好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは98%以上である。
なお、表刷り印刷形態の場合はアルカリ水溶液の濃度としては0.5〜15質量%であることが好ましく、浸漬温度は30〜70℃が好ましく、浸漬時間としては1〜12時間であることが好ましい。裏刷り(ラミネート形態)ではアルカリ水溶液の濃度としては1〜15質量%であることが好ましく、浸漬温度は30〜70℃が好ましく、浸漬時間としては1〜12時間であることが好ましい。
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPCSystem−21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、溶媒としてはテトロヒドロフラン、Mw、MwおよびMw/Mnの決定はポリスチレン換算で行った。
(酸価)
以下において、JISK0070(1992)に記載の方法に従って酸価を測定した。
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、及び温度計を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、PPG2000(数平均分子量2000のポリプロピレングリコール)124.1部、PMPA2000(数平均分子量2000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペート)ジオール)3部、2,2−ジメチロールブタン酸(DMBA)24.6部、イソホロンジイソシアネート(IPDI)111.2部、メチルエチルケトン(MEK)200部を仕込み、90℃で5時間反応させて末端イソシアネート基プレポリマーの樹脂溶液を得た。得られた末端イソシアネート基プレポリマーに対し、イソホロンジアミン(IPDA)33.6部、ジ−n−ブチルアミン(DBA)3.5部、イソプロピルアルコール(IPA)350部、を混合したものを室温で60分かけて滴下し、更に70℃で3時間反応させた。更にMEK150部を用いて固形分を調整した。
固形分30%、重量平均分子量35000、Mw/Mn=3、酸価31.1mgKOH/gのポリウレタン樹脂(P1)溶液を得た。
表1に記載の原料および仕込み比を使用した以外は合成例1と同様の操作で、ポリウレタン樹脂(P2〜P13)を得た。Mw、Mw/Mnおよび酸価等の性状は表2に記した。
なお、P2〜P4およびP7はMw/Mnが表2に記載の値となるようにポリアミン等の滴下時間を調節した。
表1に記載された原料化合物の略称は以下に表されるものである。
PEG2000:数平均分子量2000のポリエチレングリコール
PPA2000:数平均分子量2000のポリ(プロピレングリコール)アジペートジオール
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、及び温度計を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、PPG2000を63部、PMPA2000を148.9部、DMBAを23.5部、IPDIを64.6部、MEKを200部仕込み、90℃で5時間反応させて末端イソシアネート基プレポリマーの樹脂溶液を得た。得られた末端イソシアネート基プレポリマーに対し、IPA350部、MEK150部を混合したものを添加し、70℃で3時間反応させ、固形分30%、質量平均分子量20000、Mw/Mn=3、酸価29.7mgKOH/gのポリウレタン樹脂(P14)溶液を得た。
表1に記載の原料および仕込み比を用いた以外は、合成例14と同様の操作で、ポリウレタン樹脂(P15)溶液を得た。
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、及び温度計を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、PEG2000を73.6部、PMPA2000を70.3部、DMBAを31.6部、IPDIを101.2部、MEKを200部仕込み、90℃で5時間反応させて末端イソシアネート基プレポリマーの樹脂溶液を得た。得られた末端イソシアネート基プレポリマーに対し、IPDA23.3部、IPA150部を混合したものを室温で60分かけて滴下し、次に、28%アンモニア水10.0部及びイオン交換水690部を上記溶剤型ポリウレタン樹脂溶液に徐々に添加して中和することにより水溶化し、さらにMEK及びIPAを減圧留去し、酸価39.9mgKOH/g、重量平均分子量35,000である、固形分30%の水性ポリウレタン樹脂(PP1)水溶液を得た。ただし、PP1における酸価とは中和前の値である。
還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、及び温度計を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、PPG2000を41.3部、PMPA2000を39.4部、DMBAを59.0部、IPDIを136.4部、MEKを200部仕込み、90℃で5時間反応させて末端イソシアネート基プレポリマーの樹脂溶液を得た。得られた末端イソシアネート基プレポリマーに対し、IPDA21.7部、DBA2.2部、IPA350部を混合したものを添加し、更に70℃で3時間反応させた。更にMEK150部で固形分を調整した。
固形分30%、質量平均分子量35000、Mw/Mn=3.4、酸価74.5mgKOH/gのポリウレタン樹脂(PP2)溶液を得た。
表1に記載の原料および仕込み比を用いた以外は比較合成例2と同様の操作で、ポリウレタン樹脂(PP3)溶液を得た。
ポリウレタン樹脂溶液P1(固形分25%)を87部、酢酸エチル(EA)5部、IPA5部、シリカ(水澤化学社製 平均粒子径3.8μmの親水性シリカ粒子 P−73)3部を、ディスパーを用いて撹拌混合して、クリアインキS1を得た。
表2に示した原料を記載された配合率にて実施例1と同様の手法により有機溶剤系印刷インキS2〜S19を得た。
なお、表2に記載された原料化合物の略称は以下に表されるものである。
塩化ビニル系樹脂:塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(塩化ビニル:酢酸ビニル:ビニルアルコール=88:1:11)(固形分30%溶液)
アクリル樹脂:重量平均分子量40000、酸価60mgKOH/gのスチレン−アクリル共重合樹脂(固形分30%溶液)
銅フタロシアニン藍(トーヨーカラー社製 フタロシアニン LIONOL BLUE FG−7358−G)10部、ポリウレタン樹脂(P10)40部、酢酸エチル3部、IPA3部を撹拌混合し、更にサンドミルで20分顔料分散した後、更にポリウレタン樹脂溶液(P10)40部、酢酸エチル2部、IPA2部を攪拌混合し、藍色印刷インキ(S20)を得た。なお、表2に示した各成分については合計の値を示した。
表2に示した原料を記載された配合率にて実施例20と同様の手法により有機溶剤系印刷インキS21を得た。
表2に示した原料を記載された配合率を用いた以外は実施例1と同様の手法によりインキSS1〜5を得た。
(印刷構成A:PET基材/脱離層/絵柄層)
クリアインキS1を酢酸エチル/IPA混合溶剤(質量比70/30)でザーンカップ#3(離合社製)15秒(25℃)になるように希釈した。その後、コロナ処理ポリエチレンテレフタレート(PET)基材(厚さ12μm)に対し、クリアインキS1、およびPANNECO AM 92墨(東洋インキ社製 有機溶剤系グラビアインキ)を、版深35μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機にてこの順で印刷し、50℃にて乾燥し、PET基材/脱離層(S1)/絵柄層である表刷り印刷物を得た。
実施例2〜21で得られた印刷インキ(S2〜S21)、および比較例1〜5で得られた印刷インキ(SS1〜SS5)についても上記と同様の手順で、同様の印刷構成を有する印刷物を作成した。
(積層構成A:OPP基材/脱離層/絵柄層/接着剤層/VMCPP基材)
クリアインキS1を酢酸エチル/IPA混合溶剤(質量比70/30)でザーンカップ#3(離合社製)15秒(25℃)になるように希釈した。その後、コロナ処理OPPフィルム(厚さ20μm)に対し、クリアインキS1、およびリオアルファS R92墨(東洋インキ社製 有機溶剤系グラビアインキ)を、版深35μmのグラビア版を備えたグラビア校正2色機にてこの順で印刷し、各ユニットで50℃にて乾燥し、OPP基材/脱離層(S1)/絵柄層の順で有する印刷物を得た。
ドライラミネート機を用いて、この印刷物の絵柄層上にドライラミネート用接着剤(東洋モートン社製TM−340V/CAT−29B)を塗工し、ライン速度40m/分にてVMCPP(アルミニウム蒸着無延伸ポリプロピレンフィルム 厚さ25μm)と貼り合わせ、OPP基材/脱離層(S1)/絵柄層/接着剤層/VMCPP基材の順で積層されたラミネート積層体を得た。
実施例2〜21で得られた印刷インキ(S2〜S21)、および比較例1〜5で得られた印刷インキ(SS1〜SS5)を用いた場合についても上記と同様の手順で、同様のラミネート構成を有する、S2〜S21およびSS1〜SS5を用いたラミネート積層体を作成した。
(積層構成B:PET基材/脱離層/絵柄層/接着剤層/CPP基材)
クリアインキS1を酢酸エチル/IPA混合溶剤(質量比70/30)でザーンカップ#3(離合社製)15秒(25℃)になるように希釈した。その後、コロナ処理PET基材(厚さ12μm)に対し、クリアインキS1、およびリオアルファS R92墨(東洋インキ社製)を、版深35μmのグラビア版を備えたグラビア校正2色機にてこの順で印刷し、各ユニットで50℃にて乾燥し、PET基材/脱離層(S1)/絵柄層の順で有する印刷物を得た。
ドライラミネート機を用いて、この印刷物の絵柄層上にドライラミネート用接着剤(東洋モートン社製TM−250HV/CAT−RT86L−60)を塗工し、ライン速度40m/分でCPP(無延伸ポリプロピレン基材 厚さ30μm)と貼り合わせ、PET基材/脱離層(S1)/絵柄層/接着剤層/CPPの順で積層されたラミネート積層体を得た。当該ラミネート積層体について、15cm×25cmに切出し、180℃にて縁部分を熱圧着(ヒートシールという)してそれぞれの包装袋を得た。
実施例2〜21で得られた印刷インキ(S2〜S21)、および比較例1〜5で得られた印刷インキ(SS1〜SS5)を用いた場合についても上記と同様の手順で、同様のラミネート構成を有する、S2〜S21およびSS1〜SS5を用いた包装袋を作成した。
上記において得られた有機溶剤系印刷インキS1〜S21(実施例)、SS1〜SS5(比較例)およびそれらの印刷物およびラミネート積層体並びに包装袋を用いて以下に記載の評価を行った。
上記実施例および比較例で作成した印刷構成Aの印刷物を、4cm×4cmに切出し、2%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液50gに浸し、70℃にて撹拌して水洗・乾燥した後、PET基材からの絵柄層の剥離性を評価した。
5(優):撹拌20分以内に絵柄層等印刷層が100%PETフィルムから剥離
4(良):撹拌20分を超え1時間以内に絵柄層等印刷層が100%PETフィルムから剥離
3(可):撹拌1時間を超え12時間以内に絵柄層等印刷層が80%以上100%以下PETフィルムから剥離
2(不可):撹拌12時間で絵柄層等印刷層の20%以上80%未満がPETフィルムから剥離。
1(劣):撹拌12時間で絵柄層等印刷層20%未満がPETフィルムから剥離。
3、4および5は実用上問題がない範囲である。
上記実施例および比較例で作成した積層構成Aのラミネート積層体について、4cm×4cmに切出し、2%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液50gに浸し、70℃、にて撹拌して水洗・乾燥した後、絵柄層のPETフィルムからの剥離性を評価した。
5(優):撹拌20分以内に絵柄層等印刷層が100%PETフィルムから剥離
4(良):撹拌20分を超え1時間以内に絵柄層等印刷層が100%PETフィルムから剥離
3(可):撹拌1時間を超え12時間以内に絵柄層等印刷層が80%以上100%以下PETフィルムから剥離
2(不可):撹拌12時間で絵柄層等印刷層の20%以上80%未満がPETフィルムから剥離。
1(劣):撹拌12時間で絵柄層等印刷層20%未満がPETフィルムから剥離。
3、4および5は実用上問題がない範囲である。
<耐レトルト性評価>
上記実施例および比較例で作成した積層構成Bの包装袋について、120℃80分のレトルト試験を行い、レトルト直後のラミネート強度とレトルト前のラミネート強度とを比較評価した。
5(優):レトルト前後でラミネート強度低下が全く見られず、レトルト直後のラミネート強度が1.0N/15mm以上のもの
4(良):レトルト前後で1.0N/15mm未満のラミネート強度低下が見られるが、レトルト直後のラミネート強度が1.0N/15mm以上のもの
3(可):レトルト前後で1.0N/15mm以上のラミネート強度低下が見られるが、レトルト直後のラミネート強度が1.0N/15mm以上のもの
2(不可):レトルト前後で1.0N/15mm以上のラミネート強度低下が見られ、レトルト直後のラミネート強度が0.5N/15mm以上、1.0N/15mm未満のもの
1(劣):レトルト前後で1.0N/15mm以上のラミネート強度低下が見られ、レトルト直後のラミネート強度が0.5N/15mm未満のもの
3、4および5は実用上問題がない範囲である。
コロナ処理PETフィルム(厚さ12μm)に、温度25℃において、バーコーターNo.4を用いて有機溶剤系印刷インキS1〜S21(実施例)、SS1〜SS5(比較例)を塗工した。塗工直後から5秒毎に指触し、べたつき(タックという)がなくなる時を乾燥の終点とし、乾燥性の評価をした。バーコーターは、第一理化株式会社製のミヤバーNo.4を用いた。
5(優):15秒未満で乾燥する。
4(良):15秒以上30秒未満で乾燥する。
3(可):30秒以上45秒未満で乾燥する。
2(不可):45秒以上60秒未満で乾燥する。
1(劣):60秒以上で乾燥する。
3、4および5は実用上問題がない範囲である。
上記評価においてカラーインキS20を使用し、絵柄層は不使用とした以外は同様の方法にて印刷構成Aの印刷物、積層構成Aのラミネート積層体および積層構成Bの包装袋を作成した。以下に印刷構成および積層構成を示す。
(印刷物の印刷構成)
PET基材/脱離層(S20)
(ラミネート積層体の積層構成)
OPP基材/脱離層(S20)/接着剤層/VMCPP基材
(包装袋の積層構成)
PET基材/脱離層(S20)/接着剤層/CPP基材
それぞれを使用して上記と同様の特性評価を行ったところ、表刷り印刷物における脱離性評価:3、ラミネート積層体における剥脱離評価:3、耐レトルト性評価:5、乾燥性評価:5であった。
上記評価においてカラーインキS21を使用し、実施例22と同様の方法にて以下に記載の印刷構成および積層構成である印刷物、ラミネート積層体および包装袋を作成した。
(印刷物の印刷構成)
PET基材/脱離層(S21)
(ラミネート積層体の積層構成)
OPP基材/脱離層(S21)/接着剤層/VMCPP基材
(包装袋の積層構成)
PET基材/脱離層(S21)/接着剤層/CPP基材
それぞれを使用して上記と同様の特性評価を行ったところ、表刷り印刷物における脱離性評価:3、ラミネート積層体における剥脱離評価:3、耐レトルト性評価:5、乾燥性評価:5であった。
Claims (8)
- 脱離層を含む印刷物または断面に脱離層を有する積層体の、脱離層を形成するための、クリアインキまたはカラーインキを含む有機溶剤系印刷インキであって、
当該印刷インキは、バインダー樹脂として、酸価15〜70mgKOH/gであり、分子量分布(Mw/Mn)1.2以上6以下であるポリウレタン樹脂を含有し、前記ポリウレタン樹脂は、二塩基酸と分岐構造を有するジオールからなるポリエステル由来の構造単位を含む、有機溶剤系印刷インキ。
(ただし、ポリウレタン樹脂が感光性樹脂である場合を除く。) - 前記ポリウレタン樹脂の重量平均分子量が、10000〜100000である、請求項1に記載の有機溶剤系印刷インキ。
- 前記ポリウレタン樹脂は、ポリオール由来の構造単位を含み、当該構造単位の総質量中、ポリエステルポリオール由来の構造単位を5質量%以上含む、請求項1または2に記載の有機溶剤系印刷インキ。
- 前記ポリウレタン樹脂の酸価が20〜50mgKOH/gである、請求項1〜3いずれかに記載の有機溶剤系印刷インキ。
- 有機溶剤系印刷インキは、更に、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ロジン系樹脂、アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を含有する、請求項1〜4いずれかに記載の有機溶剤系印刷インキ。
- 基材1上に請求項1〜5いずれかに記載の有機溶剤系印刷インキからなる脱離層を有する印刷物。
- 少なくとも基材1、請求項1〜5いずれかに記載の有機溶剤系印刷インキからなる脱離層および基材2を有する積層体。
- 基材と、請求項1〜5いずれかに記載の有機溶剤系印刷インキからなる脱離層を含む印刷物または積層体を用いた、プラスチック基材のリサイクル方法あって、
前記リサイクル方法は、前記印刷物または積層体を、アルカリ水溶液に浸す工程を含む、プラスチック基材のリサイクル方法。
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