JP6634257B2 - 透明積層体 - Google Patents
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Description
図1に示すように、本実施形態に係る透明積層体は、透明樹脂を繊維構造物に含浸させた繊維含有シート層1と、この繊維含有シート層1の一方の面に配置される耐溶剤性を有する耐溶剤性層2と、を備えている。以下、各部材について詳細に説明する。
繊維構造物は、繊維材料を用いてシート状に構成したものであり、編物、織物、不織布などが挙げられる。繊維材料としては、公知のガラス繊維、ナノセルロース等を用いることができる。
繊維含有シート層1は、透明樹脂を繊維構造物に含浸させたものである。透明樹脂は、繊維構造物と屈折率が近接するもの、例えば、繊維構造物との波長550nmの光の屈折率の差が、±0.1以下であるものを用いることができる。また、耐熱性を有することが好ましい。ここでいう耐熱性としては、例えば、150℃で極端な収縮や膨張がないことが好ましい。そのような透明樹脂として、具体的には、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、シラン化合物の加水分解縮合物、及びアリル基含有樹脂等を用いることができる。
上記の繊維含有シート層1は、例えば、溶剤と接触すると、それによって、繊維含有シート層が膨潤したり、あるいは浸食されるおそれがある。そこで、本実施形態に係る透明積層体では、繊維含有シート層1の一方の面に、耐溶剤性層2を配置し、溶剤が繊維含有シート層1に接触しないようにしている。耐溶剤性層2が、耐性を奏すべき溶剤は特には限定されないが、例えば、メチルエチルケトン(MEK),N−メチルピロリドン(NMP),アセトンなど、洗浄などに用いる溶剤を挙げることができる。
次に、透明積層体の厚みについて、詳細に説明する。本実施形態に係る透明積層体は、20〜1000μmであることが好ましく、50〜300μmであることがさらに好ましい。これは、20μmよりも小さいと、薄すぎてハンドリングが難しく、また機械強度が低下するからである。一方、1000μmよりも大きいと、硬すぎで湾曲または屈曲し難いため、対象物への取付が困難になるからである。
透明積層体は、上記のように、環境変化に対する収縮が小さいことが好ましく、この観点から、温度線膨張率及び湿度線膨張率が20×10-6/K以下であることが好ましく、15×10-6/K以下であることがさらに好ましく、12×10-6/K以下であることが特に好ましい。また、機械強度としては、例えば、0.8×104MPa以上であることが好ましく、1.0×104MPa以上であることが好ましい。
次に、本実施形態に係る透明積層体の製造方法の一例を、図2を参照しつつ説明する。図2は当該製造装置の概略図である。同図に示すように、この製造装置においては、繊維構造物11を巻き取った第1ロール3と、上述した耐溶剤性層2を構成する耐溶剤性シート21を巻き取った第2ロール4と、を備えており、第1ロール3が第2ロール4よりも上方に配置されている。また、これらロール3,4の下流側には、コンマコータや、グラビアコータなどのコーティング装置5、乾燥機としてのオーブン6、及びUV照射装置7が,この順で配置されている。
上記のような透明積層体は、種々の用途に用いることができる。例えば、フレキソ版などの印刷版において,ゴム版(印刷基材)を支持する支持体として用いることができる。例えば、透明積層体において、耐溶剤性シートとは反対側の面を、ウレタン系接着剤などで、ゴム版に固定することができる。
以下では、4種類の実施例と2種類の比較例を準備した。いずれも、297×210mmの試験片を作製した。
繊維構造物として、ユニチカガラスクロス目開き織品(品番:M155)、透明樹脂として、荒川化学製コンポセランSQシリーズ、耐溶剤性シートとして、東洋紡PET−A4100の25μm厚品を準備した。そして、これらの材料を用い、耐溶剤性シートの上に繊維構造物を配置した後、透明樹脂を滴下し、乾燥させた。その後、別のPETフィルムを被せ、その上からローラーで貼り合せて、UV照射して硬化させた。最後に、前記PETフィルムを剥がすことにより実施例1に係る透明積層体(厚み:225μm)を得た。
繊維構造物として、ユニチカガラスクロス目開き織品(品番:M155)、透明樹脂として、荒川化学製コンポセランSQシリーズ、耐溶剤性シートとして、東洋紡PET−A4300の50μm厚品を準備した。そして、これらの材料を用い、耐溶剤性シートの上に繊維構造物を配置した後、透明樹脂を滴下し、乾燥させた。その後、別のPETフィルムを被せ、その上からローラーで貼り合せて、UV照射して硬化させた。最後に、前記PETフィルムを剥がすことにより,実施例1に係る透明積層体(厚み:250μm)を得た。
繊維構造物として、ユニチカガラスクロス平織品(品番:H201)、透明樹脂として、荒川化学製コンポセランSQシリーズ、耐溶剤性シートとして、東洋紡PET−A4100の100μm厚品を準備した。そして、これらの材料を用い、耐溶剤性シートの上に繊維構造物を配置した後、透明樹脂を滴下し、乾燥させた。その後、別のPETフィルムを被せ、その上からローラーで貼り合せて、UV照射して硬化させた。最後に、前記PETフィルムを剥がすことにより,実施例2に係る透明積層体(厚み:300μm)を得た。
繊維構造物として、ユニチカガラスクロス平織品(品番:H28)、透明樹脂として、荒川化学製コンポセランSQシリーズ、耐溶剤性シートとして、東洋紡PET−A4100の100μm厚品を準備した。そして、これらの材料を用い、耐溶剤性シートの上に繊維構造物を配置した後、透明樹脂を滴下し、乾燥させた。その後、別のPETフィルムを被せ、その上からローラーで貼り合せて、UV照射して硬化させた。最後に、前記PETフィルムを剥がすことにより,実施例3に係る透明積層体(厚み:140μm)を得た。
繊維構造物として、ユニチカガラスクロス平織品(品番:H105)、透明樹脂として、荒川化学製コンポセランSQシリーズ、耐溶剤性シートとして、東洋紡PET−A4100の100μm厚品を準備した。そして、これらの材料を用い、耐溶剤性シートの上に繊維構造物を配置した後、透明樹脂を滴下し、乾燥させた。その後、別のPETフィルムを被せ、その上からローラーで貼り合せて、UV照射して硬化させた。最後に、前記PETフィルムを剥がすことにより,実施例4に係る透明積層体(厚み:220μm)を得た。
繊維構造物として、ユニチカガラスクロス目開き織160μm品(品番:M155)、透明樹脂として、荒川化学製コンポセランSQシリーズを準備した。ポリエチレンテレフタレートフィルムの上に繊維構造物を配置した後、透明樹脂を滴下し、乾燥させた。その後、別のポリエチレンテレフタレートフィルムを被せ、その上からローラーで貼り合せて、UV照射して硬化させた。最後に、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がすことにより、比較例1に係る透明シートを得た。
比較例2として、厚みが188μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる透明シートを準備した。
以下の三種類の試験を行った。
(温度線膨張率)
測定装置としてTA−インスツルメント製 TMA Q400を用い、実施例及び比較例の両端を掴んで、加熱を行い、膨張・収縮を測定した。試験方法は、JIS K7197に基づいた。
測定装置として島津製作所製 AUTOGRAPH AG−X 500Nを用い、実施例及び比較例の両端を掴んで、引張り力を付与し、その変位を測定して引っ張り応力(ヤング率)を算出した。試験方法は、JIS K7161に基づいた。
実施例1〜5に対しては、耐溶剤性シート上に、比較例に対しては、いずれかの面に、溶剤としてNMPを2cc滴下した。そして、表面の白化の有無を確認した。
2 耐溶剤性層
Claims (8)
- 溶剤使用環境下で他の部材を支持する支持体として用いられる透明積層体であって、
透明樹脂が繊維構造物に含浸された繊維含有シート層と、
前記繊維含有シート層の少なくとも一方の面に積層された透明の耐溶剤性層と、
を備え、
前記耐溶剤性層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリイミドから選択される、透明積層体。 - 透明樹脂が繊維構造物に含浸された繊維含有シート層と、
前記繊維含有シート層の少なくとも一方の面に積層された透明の耐溶剤性層と、
を備え、
前記耐溶剤性層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリイミドから選択される、
前記耐溶剤性層の厚みに対する、前記繊維含有シート層の厚みの割合が、2.0以上である、透明積層体。 - 波長365nmの光透過率が50%以上である、請求項1または2に記載の透明積層体。
- 前記耐溶剤性層の厚みに対する、前記繊維含有シート層の厚みの割合が、0.3以上である、請求項1に記載の透明積層体。
- 前記繊維構造物は、ガラス繊維である、請求項1から4のいずれかに記載の透明積層体。
- 印刷面が形成されたシート状の印刷基材と、
請求項1から5のいずれかに記載の透明積層体であって、前記印刷基材の前記印刷面が形成された面とは反対側の面を支持する透明積層体と、
を備えている、印刷版。 - シート状の繊維構造物を、透明で耐溶剤性を有する耐溶剤性シート上に配置する、第1ステップと、
前記耐溶剤性シート上で、前記繊維構造物に、透明樹脂を含浸させる、第2ステップと、
前記透明樹脂を硬化する、第3ステップと、
を備え、
前記耐溶剤性層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリイミドから選択される、透明積層体の製造方法。 - 前記第1ステップは、
ロール状に巻き取られた前記耐溶剤性シートを繰り出すステップと、
ロール状に巻き取られた前記繊維構造物を繰り出しつつ、繰り出された前記耐溶剤性シートの上に重ね合わせるステップと、
を備えている、請求項7に記載の透明積層体の製造方法。
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