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JP6626450B2 - 酸化亜鉛及びフルオロオレフィン噴射剤を含むスプレー可能な組成物 - Google Patents

酸化亜鉛及びフルオロオレフィン噴射剤を含むスプレー可能な組成物 Download PDF

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Description

関連出願
本願は、2014年2月14日出願の米国仮出願第61/939,826号の優先権を主張する。当該仮出願は、全文を引用することを以って本明細書の一部となす。
多くの人々が、治癒プロセスを助けるためにクリームや軟膏の局所塗布が必要であるような皮膚疾患、例えば、発疹、褥瘡や、切り傷またはI度熱傷などの創傷を経験したことがある。これらの疾患は、乳幼児、高齢者及び虚弱者において、より高頻度に見られることが多い。例えば、乳幼児、高齢者及び虚弱者は、進行性失禁皮膚炎に感染しやすく、これは、皮膚が長時間の濡れた状態にさらされた場合に発症し、尿及び便との接触によって皮膚のpHの上昇が起こり、結果として角質層すなわち皮膚の最外層が破壊される。その一方で、褥瘡(褥瘡性潰瘍や床ずれとしても知られている)も懸念事項である。褥瘡は、皮膚及び/または下層組織に局限される負傷であり、圧力を受けた結果として、または圧力と一緒に剪断及び/または摩擦が加わった結果として、骨が隆起している部分に好発する。最もよく見られる部位は、仙骨、尾骨、かかと、または腰であるが、他の部位、例えば、肘、膝、足首、または後頭部において発症することもある。褥瘡は、軟組織に圧力が加えられ、その結果、軟組織への血流が完全にまたは部分的に妨げられることによって生じる。潰瘍の形成に寄与し得る要因には、タンパク・エネルギー栄養失調症、衣服内気候(発汗や失禁によって引き起こされる皮膚表面が濡れた状態)、皮膚への血流を減少させる疾患、例えば動脈硬化など、または皮膚の感覚を低下させる疾患、例えば麻痺や神経障害などが含まれる。
上記の疾患及び他の皮膚疾患は、例えば皮膚の患部に酸化亜鉛を適用することによって予防したり治療したりすることができる。酸化亜鉛は、創傷治癒プロセスの促進を助けることができ、皮膚が過剰な水分にさらされることを制限することもできる。したがって、これらの皮膚疾患を治療するための1つの方法は、例えば患部に酸化亜鉛含有の様々なOTC(処方箋なしでも薬局で購入可能な)クリームや軟膏を含む油系保護剤またはバリアクリームを適用することによって、水分が皮膚に到達するのを阻止することである。しかし、皮膚が十分に乾燥していない場合、これらの油系保護剤及びバリアクリームのいくつかは、実際には、皮膚の外側ではなく皮膚の内側で水分を閉じ込めていることがある。さらに、そのような保護剤及びクリームは非常に粘性が高く、脂分が多いものもあり、皮膚の患部への適用後に手から保護剤及びクリームを除去することが困難である。さらに、これらの製品を皮膚に塗り込むことで、さらなる不快感や痛みが生じることがあり、患者への製品の適用を介護者や医療提供者が行わなければならない場合には、塗布する場所によっては、患者と介護の双方が困惑することにもなりかねない。
したがって、皮膚の内側で水分を閉じ込めるおそれがなく十分なモイスチャーバリアを提供することができ、かつ不快感を生じさせることなくより容易に適用することができる組成物が必要とされている。1つの方法は、治療組成物を噴射剤とともに用いてエアゾールスプレー組成物を作り出すことである。しかし、結果として得られるエアゾールスプレー組成物の粘度の高さは、ディスペンサにおけるバルブ及びノズルの目詰りの問題に起因して、組成物をスプレー可能な媒体に調合することが困難であることが多いことを意味する。さらに、多くの噴射剤は、蒸気圧が高すぎて、均一に制御されない生成物の不安定な噴霧または流れをもたらし得るので、治療が必要な皮膚領域にエアゾールスプレー組成物の滑らかで均一なコーティングを適用することができないことを意味する。
上記のスプレー可能な組成物に関連するさらに別の問題は、スプレー可能な組成物の微粒子成分、例えば酸化亜鉛などが、スプレー可能な組成物が貯蔵されている容器の底部に向かって沈降することが多く、容器内における組成物の沈降及び生成物のケーキングをもたらすことである。さらに、多くのスプレー可能な組成物は、スプレー可能であるように低い粘度を有するが、その結果、皮膚の表面に適用されたときに十分な粘性を有しない組成物がもたらされ、生成物は、皮膚を均一にコーティングすることも皮膚に効果的に接触することもなく流れ落ちてしまう。
したがって、実質的に均一に分布されたままでありかつファインミストとして皮膚に均一にスプレーすることができる酸化亜鉛粒子を含むスプレー可能な酸化亜鉛組成物が必要とされている。
本発明の一実施形態に従って、スプレー可能な酸化亜鉛組成物を開示する。該組成物は、フルオロオレフィン噴射剤及び酸化亜鉛粒子を含む。
本発明の別の実施形態に従って、スプレー可能な酸化亜鉛組成物を形成する方法を開示する。該方法は、酸化亜鉛粒子及び分散媒を含むベース酸化亜鉛組成物(原液)を形成するステップと、ベース酸化亜鉛組成物をスプレー容器内に導入するステップと、容器内にハイドロフルオロオレフィン噴射剤を注入するステップとを含む。
本発明のさらに別の実施形態に従って、酸化亜鉛組成物を表面に適用する方法を開示する。該方法は、フルオロオレフィン噴射剤及び酸化亜鉛粒子を含む組成物を表面にスプレーして該表面上にコーティングを残すステップを含む。
本発明の他の特徴及び態様は、以下でより詳細に説明する。
当業者に対する本発明の完全かつ実施可能な開示は、そのベストモードを含めて、本明細書の残りの部分において添付の図面を参照しながらより具体的に示す。
本明細書及び図面における符号の繰り返し使用は、本発明の同一または類似の特徴部または要素を表すものである。
本発明の一実施形態に従うスプレー噴射システムの断面図。 本発明の一実施形態に従うスプレー噴射システムにおいて使用可能なアクチュエータの正面図。 図2Aのアクチュエータの断面図。 本発明の別の実施形態に従うスプレーアセンブリの断面図。 本発明の一実施形態に従う図3のスプレーアセンブリを用いたスプレー噴射システムの断面図。
本開示は、例示的な実施形態の説明に過ぎず、本発明のより広範な態様を制限することを意図するものではないことは、当業者に理解されよう。
概略的には、本発明は、皮膚疾患の治療に用いることができるスプレー可能な組成物に関する。該組成物は、酸化亜鉛粒子を含むスプレー可能な組成物を形成するのに特に有用な噴射剤を含む。噴射剤は、例えばハイドロフルオロオレフィン噴射剤であってよい。本発明の発明者は、噴射剤の特定の性状、例えば、比重、蒸気圧及び/または分子量を選択的に制御することによって、酸化亜鉛粒子の実質的に均一な分布を有する組成物を実現することができることを発見した。さらに、スプレー可能な組成物は、容器内に21℃で3日間貯蔵された場合に、組成物に含まれる酸化亜鉛粒子の約3wt%未満、例えば約2wt%未満、例えば約1wt%未満しか沈降しないように、安定したものであり得る。これにより、表面上に酸化亜鉛粒子の実質的に均一なコーティングとして均一にスプレーすることができる組成物が得られる。
噴射剤の比重と組成物の比重の比率は、約0.7〜1.6、例えば約0.8〜1.5、例えば約0.9〜1.4の範囲であり得る。そのような比重の比率は、組成物全体と同じような比重を有する噴射剤をもたらし、このことは、噴射剤を組成物全体にわたって実質的に均一に分布させることができることを意味している。噴射剤が組成物全体にわたってこのように分布されているので、スプレー可能な酸化亜鉛組成物に含まれる酸化亜鉛粒子及び他の微粒子の沈降が妨げられる。さらに、噴射剤は、21℃で測定した場合に、21℃において1.0の密度を有する水に対して、約1.03〜1.3、例えば約1.05〜1.25、例えば約1.07〜1.2の範囲内の比重を有するものであってよい。その一方で、スプレー可能な酸化亜鉛組成物は、21℃で測定した場合に、約0.8〜1.3、例えば約0.85〜1.25、例えば約0.9〜1.2の比重を有するものであってよい。
さらに、噴射剤は、霧化しかつエアゾール形態でスプレーすることができるように十分に高い蒸気圧を組成物に提供することができるが、蒸気圧はそれほど高くないので、結果として得られるスプレーは、皮膚にスプレーされたときに過剰な噴霧または不快感を生み出し、あるいは特別に設計されたエアゾール容器を必要とする。例えば、室温(21℃)における蒸気圧は約60psi未満であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、蒸気圧は、約30〜60psi、例えば約35〜55psi、例えば約40〜50psiの範囲であり得る。特定の理論に縛られることを望むものではないが、本発明のフルオロオレフィン噴射剤は、室温において他の噴射剤と比べて低い蒸気圧を有するものであり、スプレー可能な酸化亜鉛組成物中においてより多くの量を用いることができるので、それによってより滑らかでより容易に制御されるスプレーがもたらされ、また、スプレー可能な酸化亜鉛組成物が貯蔵された容器を完全に空にすることを確実にすると考えられる。さらに、噴射剤の蒸気圧が低いために、他の噴射剤を使用する際に必要とされる高圧エアゾール容器を使用する必要がない。
さらに、噴射剤の分子量は、100g/mol以上、例えば約100〜400g/mol、例えば約105〜300g/mol、例えば約110〜200g/molであってよい。この範囲内の分子量を有する噴射剤を用いることによって、酸化亜鉛粒子の沈降をさらに妨げることができる。
本発明のスプレー可能な酸化亜鉛組成物に含まれるフルオロオレフィン噴射剤の量は、組成物の総重量に対して約5〜95wt%であり得る。その一方で、本発明のスプレー可能な酸化亜鉛組成物に含まれる酸化亜鉛粒子の量は、組成物の総重量に対して約0.5〜30wt%の範囲であり得る。
I.スプレー可能な酸化亜鉛組成物
a.噴射剤
本発明のスプレー可能な酸化亜鉛組成物は、ハイドロフルオロオレフィン噴射剤を含む。該噴射剤は、発疹、潰瘍、切り傷または創傷などの皮膚疾患に罹患した皮膚の表面への酸化亜鉛粒子の噴射を助けるために必要なエネルギーを提供することができる。換言すれば、ハイドロフルオロオレフィン噴射剤は、皮膚上に酸化亜鉛粒子をスプレーするために必要な推進力を提供することができる。したがって、噴射剤は、スプレー可能な酸化亜鉛組成物の液体成分の表面張力に打ち勝つのに十分な分散エネルギーを有している。
一実施形態では、本発明の噴射剤は少なくとも1つのフルオロオレフィンを含む。1つの特定の実施形態では、噴射剤は、3〜4つの炭素原子、例えば3つの炭素原子を含むハイドロフルオロオレフィンを含む。本発明のハイドロフルオロオレフィン噴射剤は、少なくとも1つの水素と、少なくとも1つのフッ素とを含み、塩素を含まないとき、「HFO」と呼ぶことができる。HFOは、アルカンの誘導体である。いくつかの実施形態では、本発明のHFO噴射剤は、2つの炭素−炭素二重結合を含み得る。
1つの特定の実施形態では、本発明のスプレー可能な酸化亜鉛組成物は、次の化学式I
Figure 0006626450
で表される噴射剤を含む。
ここで、Rはそれぞれ独立して、水素またはハロゲン、例えば、フッ素(F)、臭素(Br)、ヨウ素(I)または塩素(Cl)、好適にはフッ素(F)であり、
R’は(CRYであり、
YはCRFであり、
nは0または1である。
さらに、1つの特定の実施形態では、YはCF3であり、nは0であり、残りのRのうちの少なくとも1つはFである。別の特定の実施形態では、YはCF3であり、不飽和末端炭素の少なくとも1つのRはHであり、残りのRのうちの少なくとも1つはFである。さらに別の実施形態では、本発明のフルオロオレフィン噴射剤は1若しくは複数のテトラフルオロプロペンを含むことができ、そのような噴射剤は、本明細書において、HFO−1234噴射剤と呼ぶこともある。本発明において検討されるテトラフルオロプロペンの例は、HFO−1234yf(21℃において比重1.092)並びにシス型及び/またはトランス型のHFO−1234ze(21℃において比重1.17)である。HFO−1234zeは、シス型かトランス型かに関係なく1,1,1,3−テトラフルオロプロペンを指し、「シスHFO−1234ze」及び「トランスHFO−1234ze」なる語は、本明細書において、それぞれ1,1,1,3−テトラフルオロプロペンのシス型及びトランス型を表すために用いられることを理解されたい。
いくつかの実施形態では、HFO−1234zeは、トランスHFO−1234ze及びシスHFO−1234zeの組合せを含むことができ、例えば、全HFO−1234zeに対して、トランス異性体を約90〜99%、シス異性体を約1〜10%含むものであってよい。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の噴射剤は、シスHFO−1234ze及びトランスHFO−1234zeの組合せを含むことができ、シス対トランスの重量比が、約1:99〜10:99、例えば約1:99〜5:95、例えば約1:99〜3:97であることが好ましい。
シスHFO−1234ze及びトランスHFO−1234zeの特性は少なくともいくつかの点において互いに異なっているが、これらの化合物の各々は、単独で、または他の化合物(その立体異性体を含む)とともに、本発明のスプレー可能な酸化亜鉛組成物に含まれる噴射剤として用いるのに適応すると考えられる。例えば、トランスHFO−1234zeは比較的低い沸点(−19℃)を有しているが、それにもかかわらず、沸点が9℃であるシスHFO−1234zeを本発明のスプレー可能な酸化亜鉛組成物に含まれる噴射剤として用いることもできると考えられる。さらに、HFO−1234ze及び1,1,1,3−テトラフルオロプロペンなる語は両方の立体異性体を指し、これらの語を使用する場合にはシス型及びトランス型の両方を対象にしていることを理解されたい。
本発明のスプレー可能な酸化亜鉛組成物に含まれるフルオロオレフィン噴射剤の量は、組成物の総重量に対して約5〜95wt%、例えば10〜80wt%、例えば約15〜60wt%の範囲であり得る。
b.酸化亜鉛粒子
ここで、スプレー可能な酸化亜鉛組成物中に存在し得る追加成分について、より詳細に説明する。先ず、本発明のスプレー可能な酸化亜鉛組成物は、皮膚を過剰な水分から保護するために、水分をはじきかつ皮膚と周囲との間にバリアを作り出す酸化亜鉛粒子をさらに含む。酸化亜鉛粒子は、約20〜200nm、例えば約25〜150nm、例えば約30〜100nmの平均粒径を有するものであってよい。
例えば酸化亜鉛粒子の表面上に疎水性コーティングを適用することによって、酸化亜鉛粒子を疎水性にすることができるが、これについての詳細は後述する。酸化亜鉛粒子には、疎水性コーティングとは別々に、または疎水性コーティングと組み合わせて、無機コーティングを施すこともできるが、これについては以下でより詳細に説明する。アルミナ、シリカ、有機材料、シリコーン、またはそれらの組合せで酸化亜鉛粒子をコーティングすることができる。他の適切な表面処理は、リン酸エステル(レシチンを含む)、ペルフルオロアルキルアルコールリン酸、クロロシラン、イソプロピルチタントリイソステアレート、パーフルオロアルキル、ペルフルオロアルコールホスフェート、フルオロシラン、イソプロピルチタントリイソステアレート、ステアリン酸または他の脂肪酸、シラン、ジメチコン及び関連シリコーンポリマー、またはそれらの組合せを含み得る。
例えば、他の元素の酸化物、例えば、アルミニウム、ジルコニウムまたはケイ素、あるいはそれらの混合物、例えば、アルミナ及びシリカなどの酸化物で酸化亜鉛粒子をコーティングすることができる。あるいは、酸化亜鉛粒子を、微粒子の隙間に取り込まれる前に、単独または組合せで窒化ホウ素または他の既知の無機コーティングで処理することもできる。無機コーティングは、当分野で既知の技術を用いて適用することができる。典型的なプロセスは、無機元素の可溶性塩の存在下で酸化亜鉛粒子の水分散液を形成するステップを含むことができ、その酸化物がコーティングを形成することになる。この分散液は、通常、選択された塩の性質に応じて酸性または塩基性であり、必要に応じて酸またはアルカリを加えて分散液のpHを調整することによって無機酸化物の沈殿が達成される。無機コーティングが存在する場合には、無機コーティングを第1の層として酸化亜鉛粒子の表面に適用することができる。
別の実施形態では、酸化亜鉛粒子は、疎水性を与える有機コーティングを含むことができる。有機コーティングは、無機コーティングが存在する場合には無機コーティングに適用するか、酸化亜鉛に直接適用することができる。疎水性コーティング剤は、例えば、シリコーン、シラン、金属石鹸、チタン酸、有機ワックス、またはそれらの組合せであってよい。あるいは、疎水性コーティングは、脂肪酸、例えば10〜20炭素原子を含む脂肪酸、例えば、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、及びこれらの脂肪酸の塩を含むこともできる。脂肪酸は、イソプロピルチタントリイソステアレートであってよい。シリコーンに関しては、疎水性コーティングは、メチコン、ジメチコン、それらのコポリマーまたはそれらの混合物であってよい。シリコーンは、有機ケイ素化合物、例えば、繰り返し単位MeSiO(「Me」はメチルCHである)の主鎖を有するジメチルポリシロキサン、繰り返し単位MeHSiOの主鎖及び化学式RnOSiH(4−n)のアルコキシシラン(ここで、「R」はアルキル基であり、「n」は整数1、2または3である)を有するメチルハイドロジェンポリシロキサンであってもよい。シランに関しては、疎水性コーティング剤は、アルコキシシラン、例えば、OSIスペシャリティーズ社(OSI Specialties)またはPCR社から市販されているアルキルトリエトキシシランまたはアルキルトリトキシシランであってよい。アルコキシシランは、直鎖または分岐のC〜C12のアルキル基を有するトリエトキシカプリリルシランまたはペルフルオロアルキルエチルトリエトキシシランであってよい。トリエトキシカプリリルシランコーティングが施された酸化亜鉛粒子は、ユミコア・ジンク・ケミカルズ社(Umicore Zinc Chemicals)からZANO(登録商標)10 Plusという商品名で市販されている。
本発明のスプレー可能な酸化亜鉛組成物に含まれる酸化亜鉛粒子の量は、スプレー可能な酸化亜鉛組成物の総重量に対して約0.5〜30wt%、例えば1〜約25wt%、例えば約2〜20wt%の範囲であり得る。
c.分散媒
噴射剤及び酸化亜鉛粒子は、各々、溶液の一部として、あるいはコロイド懸濁液または分散液中の成分として、分散媒中に実質的に均一に分布させることができる。例えば、噴射剤、酸化亜鉛粒子及び分散媒は、油中水型エマルションまたは水中油型エマルションを形成することができる。しかし、分散媒は油でも水でもよいことも理解されたい。
分散媒において使用可能な適切な油には、鉱油、植物系油、シリコーン油、またはそれらの組合せが含まれる。鉱油は、本発明に従って用いることができる液体石油誘導体であり、市販の鉱油の例は、ウィトコ社(Witco Corporation)のCARNATION(登録商標)鉱油や、ペンレコ社(Penreco Corporation)のDRAKEOL(登録商標)鉱油を含むことができる。植物系油は非石油バイオマス系の油であり、使用可能な適切な植物系油には、植物又は果実油、例えば、アーモンド油、落花生油、小麦胚芽油、亜麻仁油、ホホバ油、アプリコットピット油、クルミ油、パームナッツ油、ピスタチオナッツ油、ゴマ種子油、ナタネ油、カデ油、トウモロコシ油、ピーチピット油、ケシ油、松根油、ヒマシ油、大豆油、アボカド油、サフラワー油、ヤシ油、ヘーゼルナッツ油、オリーブ油、ブドウ種子油、ヒマワリ油、アンズ油、ゼラニウム油、米ぬか油、及びそれらの混合物が含まれる。使用可能なシリコーン油には、ジシロキサン、シクロメチコン、ジメチコン及びその誘導体、並びにポリジメチルシロキサン流体が含まれる。シクロメチコンは、揮発性化合物であり、皮膚の表面に適用されると蒸発するので、結果として得られるコーティングは、触ってみるとより乾燥している。使用可能な他の同様の揮発性化合物には、イソドデカンが含まれる。
油中水型エマルションまたは水中油型エマルションの一部として、水を単独でまたは上記の油のうちの任意のものと組み合わせて分散媒として用いることもできる。当然のことながら、分散媒は上記の物質に限定されるものではない。
油及び水の両方を使用する場合、油は、組成物中に、組成物の総重量に対して約1〜35wt%、例えば約3〜30wt%、例えば約5〜25wt%の量を以って存在することができる。その一方で、水は、組成物の総重量に対して約50wt%未満、例えば約1〜50wt%、例えば約5〜45wt%、例えば約10〜40wt%の量を以って存在することができる。さらに、いくつかの実施形態では、水は、組成物の総重量に対して約30wt%未満の量を以って存在することを理解されたい。
使用する特定の分散媒または複数の分散媒の組合せにかかわらず、組成物中に存在する分散媒または流体の総量は、組成物の総重量に対して約10〜70wt%、例えば約15〜65wt%、例えば約20〜60wt%の範囲であり得る。
d.乳化剤
スプレー可能な酸化亜鉛組成物は、乳化剤系の一部として1若しくは複数の乳化剤を含むことができ、それによって、スプレー可能な酸化亜鉛組成物が各構成相へと分離することを妨げることで噴射剤及び酸化亜鉛粒子の安定的で実質的に均質かつ均一な分散液を作り出すのを助けることができる。乳化剤系は、1若しくは複数の非イオン性、アニオン性及び/または両性の乳化剤、例えば、異なる種を含む混合物や同種内での異なる界面有効薬剤の混合物などを含み得る。
非イオン性界面有効薬剤は、通常は疎水性塩基(例えば、長鎖アルキル基またはアルキル化アリール基)及び親水性鎖(例えば、エトキシ及び/またはプロポキシ部分を含む鎖)を有しており、特に適切であり得る。使用可能ないくつかの適切な非イオン性界面有効薬剤には、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシル化及びプロポキシル化脂肪族アルコール、メチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル、ソルビトールのポリエチレングリコールエーテル、エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)のブロックコポリマー、脂肪(C〜C18)酸のエトキシル化エステル、エチレンオキシドと長鎖アミンまたはアミドの縮合生成物、エチレンオキシドとアルコールの縮合生成物、長鎖アルコールの脂肪酸エステル、モノグリセリドまたはジグリセリド、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。特に適切な非イオン性乳化剤は、脂肪族アルコールのエチレンオキシド縮合物(例えば、ルブロールという商品名で販売されている)、脂肪酸(特にC12〜C20脂肪酸)のポリオキシエチレンエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、TWEEN(登録商標)という商品名で販売されているもの)、及びソルビタン脂肪酸エステル(例えば、SPAN(登録商標)またはARLACEL(登録商標)という商品名で販売されているもの)などを含み得る。そのような乳化剤を形成するために用いられる脂肪成分は、飽和であっても不飽和であっても、置換であっても非置換であってもよく、かつ6〜22個の炭素原子、いくつかの実施形態では8〜18個の炭素原子、いくつかの実施形態では12〜14個の炭素原子を含み得る。
一般的には任意の乳化剤を用いることができるが、本発明の発明者は、特定の組合せの親水性及び親油性の非イオン性乳化剤がエマルションの安定化に特に有効であることを発見した。当分野で既知であるように、乳化剤の相対的な親水性または親油性は、化合物の親水性と親油性の溶解傾向のバランスを測定する親水性/親油性バランス(「HLB」)値によって特徴付けることができる。HLB値は、0.5〜約20の値をとり、数値が小さくなるほど親油性傾向が高くなり、数値が大きくなるほど親水性傾向が高くなる。望ましくは、本発明のエマルションは、少なくとも1つの「親水性」乳化剤であって、そのHLB値が約10〜20、いくつかの実施形態では約12〜19、いくつかの実施形態では約14〜18であるものを含むことができる。同様に、エマルションは、HLB値が約0.5〜10、いくつかの実施形態では約1〜9、いくつかの実施形態では約2〜8であるような少なくとも1つの「親油性」乳化剤を含むこともできる。必要に応じて、2つ以上の界面有効薬剤であって、各々は所望の値よりも小さいかまたは大きいHLB値を有するが、合わせると所望の範囲内に収まる平均HLB値を有するような界面有効薬剤を用いてもよい。それでも、本発明の発明者は、スプレー可能な酸化亜鉛組成物中の親油性乳化剤対親水性乳化剤の重量比が通常は約5〜30、いくつかの実施形態では約7.5〜25、いくつかの実施形態では約10〜20の範囲内にあることを発見した。さらに、本発明の発明者は、スプレー可能な酸化亜鉛組成物の全体的なHLB値が、概ね親油性であり、かつ約3〜10、例えば約4〜9、例えば約5〜8の範囲内にあることを発見した。
1つの特に有用な「親油性」乳化剤群は、ソルビトールを脱水して得られる1,4−ソルビタンをその後1若しくは複数の脂肪酸等価物と反応させることによって調製されるソルビタン脂肪酸エステル(例えば、モノエステル、ジエステル、トリエステルなど)である。脂肪酸置換部分をエチレンオキシドとさらに反応させることにより、第2の界面有効薬剤群を得ることができる。脂肪酸置換ソルビタン界面有効薬剤は、1,4−ソルビタンモノエステル、1,g−ソルビタンセスキエステルまたは1,4−ソルビタントリエステルが得られるように、1,4−ソルビタンを脂肪酸、例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、または同様の長鎖脂肪酸と反応させることによって製造される。これらの界面有効薬剤の一般名は、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、セスキオレイン酸ソルビタン及びトリオレイン酸ソルビタンなどである。そのような界面有効薬剤は、SPAN(登録商標)またはARLACEL(登録商標)という商品名で市販されており、通常は様々なモノエステル、ジエステル及びトリエステル置換ソルビタンの区別は文字または数字の名称によりなされる。SPAN(登録商標)及びARLACEL(登録商標)界面有効薬剤は、親油性であり、一般に油に溶けやすいかまたは分散可能であるが一般に水には溶けにくい。1つの特に適切な界面有効薬剤はオレイン酸ソルビタンであり、これはSPAN(登録商標)80として市販されている。通常、これらの界面有効薬剤は、1.8〜8.6の範囲のHLB値を有することになる。
使用可能な他の有用な親油性乳化剤は、例えばシリコーン油中水型乳化剤を含むことができる。シリコーンとは、少なくとも1つのシロキサン(−Si−O−)繰り返し単位を含みかつ疎水性部分及び親水性部分をさらに含む分子を意味する。シリコーン油中水型乳化剤のHLB値は比較的低い。例えば、いくつかの実施形態では、シリコーン乳化剤は、2〜9の範囲のHLB値を有することができる。
適切なシリコーン油中水型乳化剤の例は、非架橋ジメチコンコポリオール、例えばアルコキシジメチコンコポリオール、ペンダント親水性部分を有するシリコーン、例えばペンダントポリエーテル基を有する線形シリコーン、分岐ポリエーテル及びアルキル変性シリコーン、分岐ポリグリセリン及びアルキル変性シリコーン、及びそれらの組合せを含むことができる。市販の非架橋ジメチコンコポリオールの例には、ミシガン州ミッドランド群のダウコーニング社(Dow Corning)製の、DC 5225Cとして販売されているシクロペンタシロキサン及びPEG/PPG−18/18ジメチコン及びDC9011として販売されているシクロペンタシロキサン及びPEG−12ジメチコンクロスポリマーが含まれる。特定の非架橋ジメチコンコポリオールは、セチルジメチコンコポリオール、例えば、ABIL(登録商標)EM−90という商品名で販売されているセチルPEG/PPG−10/1ジメチコン;分岐ポリエーテル及びアルキル変性シリコーン、例えば、KF−6038という商品名で販売されているラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン;分岐ポリグリセリン及びアルキル変性シリコーン、例えば、KF−6105という商品名で販売されているラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンである。他の非架橋ジメチコンコポリオールは、例えば、ABIL(登録商標)EM−97という商品名で販売されているビス−PEG/PPG−14/ジメチコンコポリオール;及びABIL(登録商標)WE 09という商品名で販売されているイソステアリン酸ポリグリセリル−4/セチルジメチコンコポリオール/ラウリン酸ヘキシルの混合物を含む。ABIL(登録商標)EM−90、ABIL(登録商標)EM−97及びABIL(登録商標)WE 09は、ドイツ国エッセンのエボニック・ゴールドシュミット社(Evonik Goldschmidt GmbH)から市販されている。KF−6038及びKF−6105は、オハイオ州アクロンのシンエツ・シリコーンズ社(Shin-Etsu Silicones)から市販されている。本発明における使用に1つの特に適切な乳化剤はABIL(登録商標)WE 09であり、そのHLB値は約5である。他の特に適切な乳化剤はABIL(登録商標)EM 90であり、そのHLB値も同様に約5である。
本発明のスプレー可能な酸化亜鉛組成物に含めることができるさらに別の適切な非イオン性親油性乳化剤は、オクチルドデカノール/オクチルデシルキシロシド/PEG−30であり、これは、EASYNOV(登録商標)という商品名でセピック社(Seppic S.A.)から市販されている。
その一方で、ポリオキシエチレンで変性したソルビタン脂肪酸エステル(例えば、モノエステル、ジエステル、トリエステルなど)は、同様に、特に有用な「親水性」乳化剤群である。これらの物質は、通常、1,4−ソルビタンエステルにエチレンオキシドを添加することによって調製される。ポリオキシエチレンの添加は、親油性ソルビタンエステル界面有効薬剤を、一般に水に溶けやすいかまたは分散可能である親水性界面有効薬剤に変える。そのような物質は、TWEEN(登録商標)(例えば、TWEEN(登録商標)80、ポリソルベート80、またはポリエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)という名称で市販されている。TWEEN(登録商標)界面有効薬剤は、通常、9.6〜16.7の範囲のHLB値を有する。例えば、TWEEN(登録商標)80のHLB値は15である。さらに別の適切な親水性乳化剤は、ショ糖脂肪酸エステル、例えばショ糖モノパルミチン(HLB値15)及びショ糖モノステアレート(HLB値11)、またはPEG−32グリセリルラウレート(HLB値14)、並びに例えばBRIJ(登録商標)35、56、58、76、78及び99などのBRIJ(登録商標)ファミリーのポリエチレングリコール(PEG)n−アルカノールエステル(12.4〜16.9の範囲のHLB値を有する)を含むことができる。BRIJ(登録商標)56はポリオキシエチレン(10)セチルエーテルであり、例えば12.9のHLB値を有する。
使用する特定の乳化剤にかかわらず、乳化剤は、スプレー可能な酸化亜鉛組成物中に、スプレー可能な酸化亜鉛組成物の総重量に対して約0.1〜20wt%、例えば約0.5〜15wt%、例えば約1〜10wt%の量を以って存在することができる。さらに、本発明の発明者は、スプレー可能な酸化亜鉛組成物における親油性乳化剤と親水性乳化剤の重量比が通常は約5〜30、いくつかの実施形態では約7.5〜25、いくつかの実施形態では約10〜20の範囲内にあることを発見した。
e.粘度調整剤
さらに、本発明のスプレー可能な酸化亜鉛組成物は、組成物の様々な成分の分離を防止するのを助けることができる1若しくは複数の粘度調整剤を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、分散媒が2つ以上の成分を含む場合などに、エマルションの油相または水相に1若しくは複数の粘度調整剤を加えて組成物中の別々の成分がより混ざり合うように粘度を調整することができる。さらに、組成物全体の粘度を、組成物を表面上にスプレーできないほど高くはないが、組成物が低粘性すぎて表面を均一にコーティングしないほど低くないように調整することができる。したがって、組成物は、約1000cPよりも大きい粘度、例えば約1000〜8000cP、例えば約1500〜6000cP、例えば約2000〜4000cPの粘度を有することができる。
スプレー可能な酸化亜鉛組成物において油中水型エマルションまたは水中油型エマルションを使用する場合、油中水型エマルションまたは水中油型エマルションの水相に1若しくは複数の粘度調整剤を加えて水相と油相間の混和性を高めることができ、これにより、スプレー可能な酸化亜鉛組成物の複数の成分の実質的に均一な分布が促進される。しかし、必要に応じて粘度を調整するために、粘度調整剤を既に形成された水中油型または油中水型エマルションに加えることができることも理解されたい。
適切な粘度調整剤は、アクリル酸、置換アクリル酸、並びにこれらのアクリル酸及び置換アクリル酸の塩及び誘導体から得られる1若しくは複数のモノマーを含む架橋化合物であるカルボン酸ポリマーを含む。粘度調整剤は、アクリル酸またはその誘導体、例えばアクリルアミドプロピルスルホン酸の架橋ホモポリマーであってよい。粘度調整剤はまた、(i)(メタ)クリル酸、その誘導体、短鎖(すなわちC〜C)アクリレートエステルモノマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される第1のモノマーと、(ii)長鎖(すなわちC〜C40)置換ポリエチレングリコールアクリレートエステルモノマーである第2のモノマーとを有する架橋コポリマーであってもよい。
市販のカルボン酸ポリマーの例には、ルーブリゾール社(Lubrizol Corp)から入手可能なCARBOPOL(登録商標)1342、PEMULEN(登録商標)TR−1及びPEMULEN(登録商標)TR−2;セピック社から入手可能なSepigel 305、SIMULGEL(登録商標)EG、SIMULGEL(登録商標)NS及びSIMULGEL(登録商標)600;ランベルティ社(Lamberti S.p.A)から入手可能なVISCOLAM(登録商標)AT100P及びVISCOLAM(登録商標)AT64/Pが含まれる。1つの市販の粘度調整剤は、セピック社からSIMULGEL(登録商標)NSとして入手可能である。SIMULGEL(登録商標)NSは、アクリル酸ヒドロキシエチル/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー、スクアラン及びポリソルベート60を含み、油中水型または水中油型エマルションの油相に加えることができる。
使用可能な他の適切な粘度調整剤には、トウモロコシデンプン(局所デンプン)、タルク、コメデンプン、オート麦デンプン、タピオカデンプン、ジャガイモデンプン、豆デンプン、大豆デンプン、カブデンプン、微結晶性セルロース、カオリン、アルミニウムデンプンオクテニルスクシネート、及びそれらの混合物が含まれる。水溶性アルミニウムデンプンオクテニルスクシネートは、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch & Chemical Co)からDRY FLO(登録商標)Pure、DRY FLO(登録商標)XT、DRY FLO(登録商標)PC及び/またはDRY FLO(登録商標)AF(アルミニウムフリーグレード)として市販されており、水溶性であるので油中水型エマルションまたは水中油型エマルションの水相に含めることができる。
使用する特定の粘度調整剤にかかわらず、粘度調整剤は、スプレー可能な酸化亜鉛組成物中に、スプレー可能な酸化亜鉛組成物の総重量に対して約0.05〜15wt%、例えば約0.1〜10wt%、例えば約0.5〜5wt%の量を以って存在することができる。
f.追加のモイスチャーバリア/撥水性材料
スプレー可能な酸化亜鉛組成物は、上記した酸化亜鉛粒子に加えて、他のモイスチャーバリアまたは撥水性材料を含むこともできる。例えば、スプレー可能な酸化亜鉛組成物は、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、蜜蝋、またはそれらの組合せを含むことができる。そのような撥水性材料は、スプレー可能な酸化亜鉛組成物中に、組成物の総重量に対して約0.1〜6wt%、例えば約0.25〜4wt%、例えば約0.5〜2wt%の量を以って存在することができる。
g.コンディショニング剤
スプレー可能な酸化亜鉛組成物は、皮膚の状態を整えるのを助けるために、1若しくは複数のコンディショニング剤をさらに含むことができる。例えば、組成物は、ヨウ化チモール、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、ラノリン、ラノリン油、ラノリンワックス、ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸、イソプロピルラノレート、エトキシ化ラノリン、エトキシ化ラノリンアルコール、エトキシ化コレステロール、プロポキシル化ラノリンアルコール、アセチル化ラノリンアルコール、リノール酸ラノリンアルコール、リシノール酸ラノリンアルコール、ラノリンアルコールの酢酸、リシノール酸塩、エトキシル化アルコール−エステルの酢酸、ラノリンの水素化分解、エトキシル化水素化ラノリン、エトキシル化ソルビトールラノリン、またはそれらの組合せを含むことができる。ヨウ化チモール及び硫酸マグネシウムは、特に有用であろう。1若しくは複数のコンディショニング剤は、スプレー可能な酸化亜鉛組成物中に、組成物の総重量に対して約0.05〜10wt%、例えば約0.1〜7.5wt%、例えば約0.5〜5wt%の量を以って存在することができる。
h.追加成分
スプレー可能な酸化亜鉛組成物に含まれる他の任意成分は、スキンケア添加剤、例えば、エモリエント剤や、芳香剤及び防腐剤を含むことができる。例えば、スプレー可能な酸化亜鉛組成物には、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドなどのエモリエント剤を含めることができる。他の適切なエモリエント剤は、ステアリルトリメチルシラン、乳酸セチル及び乳酸アルキル、例えばC12〜C15乳酸アルキルを含む。エモリエント剤を用いる場合には、スプレー可能な酸化亜鉛組成物は、皮膚に適用された場合に、滑らかな触り心地がする。1若しくは複数のエモリエント剤は、スプレー可能な酸化亜鉛組成物中に、組成物の総重量に対して約0.1〜25wt%、例えば約0.5〜20wt%、例えば約1〜15wt%の量を以って存在することができる。
さらに、芳香剤が、スプレー可能な酸化亜鉛組成物中に、組成物の総重量に対して約0.005〜2wt%、例えば約0.01〜1.5wt%、例えば約0.02〜1wt%の量を以って存在することができる。
その一方で、防腐剤が、組成物中に、組成物の総重量に対して約0.01〜6wt%、例えば約0.02〜4wt%、例えば約0.05〜1wt%の量を以って存在することができる。適切な防腐剤には、パラベン系防腐剤、例えばメチルパラベン及びプロピルパラベンが含まれる。
さらに、本発明の発明者は、固形成分の結晶化の量を制限するために、組成物に凝固点降下剤を含めることができ、それによってスプレー時の組成物の目詰りを減少させたり制限したりすることができることを発見した。必要に応じて、1若しくは複数の凝固点降下剤、例えば、グリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ジプロピレングリコールなど)、グリコールエーテル(例えば、メチルグリコールエーテル、エチルグリコールエーテル、イソプロピルグリコールエーテルなど)などを用いることができる。そのような凝固点降下剤は、組成物中に、組成物の総重量に対して約0.1〜15wt%、例えば約0.5〜10wt%、例えば約1〜5wt%の量を以って存在することができる。
II.スプレー可能な酸化亜鉛組成物の形成
通常、本発明のスプレー可能な酸化亜鉛組成物は、分散媒及び酸化亜鉛粒子からベース酸化亜鉛組成物を形成し、ベース酸化亜鉛組成物をスプレー容器内に導入し、該容器内にハイドロフルオロオレフィン噴射剤などの噴射剤を注入することによって、製造することができる。ベース酸化亜鉛組成物が油中水型エマルションまたは水中油型エマルションの形態をとるとき、例えば、最初に油相及び水相を別々に形成することによってベース酸化亜鉛組成物を製造することができる。
油中水型エマルションまたは水中油型エマルションを形成する方法は、当業者に知られているように、様々なものがあり得る。一実施形態では、例えば、最初に油と任意選択の乳化剤、エモリエント剤、コンディショニング剤などとを混合することにより油相を形成することができる。そのような実施形態では、油相は、油相の総重量に対して約30〜80wt%、例えば約35〜70wt%、例えば約40〜60wt%の量の油を含むことができる。さらに、油相は、油相の総重量に対して約5〜35wt%、例えば約10〜30wt%、例えば約15〜25wt%の量の乳化剤を含むことができる。乳化剤を添加することで、約6〜7のHLB値を有する油相が得られる。さらに、油相は、油相の総重量に対して約10〜45wt%、例えば約15〜40wt%、例えば約20〜35wt%の量のエモリエント剤を含むことができる。さらに、油相は、油相の総重量に対して約0.5〜10wt%、例えば約1〜7.5wt%、例えば約1.5〜5wt%の量のコンディショニング剤を含むことができる。
その一方で、水相は、水と、他の成分、例えば、コンディショニング剤、粘度調整剤などとを混合することによって形成することができる。そのような実施形態では、水相は、約50〜99wt%、例えば約55〜98wt%、例えば約60〜97wt%の量の水を含むことができる。水相はまた、水相の総重量に対して約0.5〜15wt%、例えば約1〜10wt%、例えば約1.5〜7.5wt%の量のコンディショニング剤を含むことができる。さらに、水相は、水相の総重量に対して約0.25〜10wt%、例えば約0.5〜7.5wt%、例えば約1〜5wt%の量の粘度調整剤を含むことができる。
油相及び水相を別々に形成した後、油相に水相を加えることにより油中水型エマルションを形成することができる。これらの相の混合は、撹拌(例えば、かき混ぜ)及び各混合物の温度の制御によって促進させることができる。次に、油中水型エマルションに酸化亜鉛粒子を加えることができる。酸化亜鉛粒子は、油中水型エマルション中に、ベース酸化亜鉛組成物の総重量に対して約0.25〜35wt%、例えば約0.5〜30wt%、例えば約1〜25wt%、例えば約5〜15wt%の量を以って存在することができる。その後、必要に応じて、エマルションに他の成分、例えば、芳香剤、防腐剤、凝固点降下剤及び追加の粘度調整剤を加えることができる。芳香剤を、ベース酸化亜鉛組成物の総重量に対して約0.01〜5wt%、例えば約0.05〜2.5wt%、例えば約0.1〜1wt%の量を以って加えることができる。同様に、防腐剤を、ベース酸化亜鉛組成物の総重量に対して約0.01〜5wt%、例えば約0.05〜2.5wt%、例えば約0.1〜1wt%の量を以って加えることができる。さらに、凝固点降下剤を、ベース酸化亜鉛組成物の総重量に対して約0.5〜15wt%、例えば約1〜10wt%、例えば約2〜8wt%の量を以って加えることができる。さらに、粘度調整剤を、ベース酸化亜鉛組成物の総重量に対して約0.1〜15wt%、例えば約0.5〜10wt%、例えば約1〜8wt%の量を以って加えることができる。したがって、いくつかの実施形態では、水相形成中に第1の粘度調整剤を加えることができ、その一方で水相及び油相を混合してベース酸化亜鉛組成物を形成することによってエマルションを形成した後に第2の粘度調整剤を加えることができることを理解されたい。
どちらの相を形成するかにかかわらず、温度は、約15〜40℃、例えば約18〜35℃、例えば約20〜30℃の範囲であり得る。上記したような別々の相を混合した後、得られたベース酸化亜鉛組成物をエアゾールスプレー容器などのスプレー容器に充填することができる。その後、容器を密閉することができ、その後、バルブなどを介して容器内に噴射剤を導入することができる。約130〜230psi、例えば約140〜220psi、例えば約150〜210psiの圧力で容器に噴射剤を充填することができる。
III.スプレー噴射システム
様々なエアゾールスプレー容器をスプレー可能な酸化亜鉛組成物とともに用いることにより、組成物を皮膚などの表面上にスプレーするためのシステムを形成することができる。本発明において検討されるスプレー噴射システムの一実施形態について、図1を参照しながら説明する。スプレー噴射システム100は、金属製または強化プラスチック製のスプレー容器101を含むことができる。スプレー容器101は上方開口部を有し、該開口部にスプレーヘッド102が嵌め込まれている。スプレーヘッド102は、スプレー容器101の上方開口部の縁部の周りに形成されたカラー部103にスプレーヘッドのフランジ104が結合されるようにして、溶接または他の可能な結合方法によってスプレー容器101上に固定されている。こうすることにより、スプレーヘッド102とスプレー容器101との間に気密結合部が得られる。
スプレーヘッド102には、フランジ104によって保持されるバルブ105が設けられている。バルブ105は、通常の状態ではスプリング106の付勢力によって閉に維持されているが、スプレーヘッド102が押されると開放される。スプレーヘッド102は、導管108を介してバルブ105と連通しているスプレーノズル107をさらに有している。その一方で、バルブ105にはディップチューブ109が結合されており、スプレー容器101の底部まで延在している。スプレーヘッド102をスプリング106に抗して下向きに押すことによって、バルブ105が開放され、スプレーノズル107のディップチューブ109の下端ポートからバルブ105及び導管108を通る流体通路が形成される。
スプレー容器101内に上記したようなスプレー可能な酸化亜鉛組成物110を詰めることができる。その後、スプレーヘッド102を押すことによって、スプレー可能な酸化亜鉛組成物が、スプレー可能な酸化亜鉛組成物110中において実質的に均一に分散されている噴射剤に関連する圧力によって、スプレーノズル107から上記流体通路を通ってファインミストの形態で噴射される。
スプレー噴射システムの別の実施形態について、図2A、図2B、図3及び図4を参照しながら説明する。酸化亜鉛粒子の使用により、一部のスプレー噴射システムはスプレー可能な酸化亜鉛組成物によって詰まるおそれがある。例えば、標準的なエアゾールスプレー噴射システムにおいては、本発明の酸化亜鉛粒子などの高濃度の微粒子物質を含む組成物を噴射することを目的としたものではないアクチュエータ(スプレーボタン)が用いられることが多い。そのようなアクチュエータは、低レベルの微粒子を含むスプレー可能な組成物を微細に霧化するために、メカニカルブレークアップインサートを使用することが多い。例えば、アクチュエータにマイクロチャンネルを設けて旋回効果を生じさせることでファインミストスプレーを発生させることができる。しかし、より多量の微粒子物質を含むスプレー可能な組成物を使用する場合には、微粒子物質、例えば、酸化亜鉛粒子または任意の他の有効薬剤粒子がアクチュエータを詰まらせ、容器からの均一な噴出を妨げることがある。したがって、図2A、図2B、図3及び図4によって表される本発明のスプレー噴射システムには、上記のアクチュエータチャンネルが含まれておらず、メカニカルブレークアップインサートも使われていない。代わりに、このスプレー噴射システムは、バルブ及びステムシステムを用いており、スプレー時にバルブの内部のステムの自動ワイピングを可能にするようにステムが設計されており、それによって、バルブの内部の固形物の蓄積が防止され、したがって目詰りのリスクが最小化されている。さらに、バルブは、スプレー可能な酸化亜鉛組成物の酸化亜鉛粒子及び他の微粒子が容器の内部で目詰りしないように、かつ均一なミストを実現できるように十分に大きな径を有するバルブ孔を含む。さらに、バルブは、スプレーする間の噴射剤蒸気の混合を改良することができるように、かつバルブ内における微粒子の蓄積を防止するために、ベーパータップを含む。ベーパータップの追加はまた、噴射システムからのスプレー可能な組成物のより均一な噴射をもたらす。ベーパータップは、使用される噴射剤の重量パーセントを増加させることもでき、このことは、皮膚の表面に噴射されたときにそれほど粘性が低くない、より乾燥した生成物を作り出すのに役立つ。さらに、ベーパータップは、組成物が皮膚の表面に到達する前に噴射剤及び溶媒の揮発を助けるので、より温かく感じられるスプレーを作り出す。
本発明のスプレーシステムについて、図2A、図2B、図3及び図4を参照しながら以下でより詳細に説明する。図2Aは、本発明の一実施形態に従うスプレー噴射システムにおいて使用可能な非メカニカルブレークアップアクチュエータ200の正面図を示している。アクチュエータ200は、スプレー可能な酸化亜鉛組成物の導入を開始するべくバルブアセンブリのステム構成要素を押し下げるために用いることができる構成要素であり、これについては以下で図3及び図4を参照してより詳細に説明する。アクチュエータ200は、ロックリング201、インサート202及びドーム203を含む。ロックリング201は、アクチュエータが不注意で押し下げられないようにする。アクチュエータドーム203はインサート202を含むことができ、インサート202はスプレー可能な酸化亜鉛組成物の噴霧特性を決定することができる。図2A及び図2Bのインサート202は、非メカニカルブレークアップインサートである。インサート202は、開口部204を画定しており、開口部204から本発明のスプレー可能な酸化亜鉛組成物をアクチュエータの外部に噴出させることができる。以下では、開口部204をアクチュエータ孔または出口孔204と呼ぶ。出口孔204は、スプレー噴射システムの目詰りを引き起こすことなくスプレー可能な酸化亜鉛組成物の粒子及び他の成分を出口孔204からスプレーすることができるようにスプレー可能な酸化亜鉛組成物に含まれる微粒子成分の粒径に基づいて選択された径を有することができる。さらに、出口孔204の径を選択的に制御することによって、結果として得られるスプレーパターンの大きさに影響を及ぼすこともできる。例えば、径が小さすぎるとスプレーパターンが非常に狭くなるが、径が大きすぎるとスプレーパターンが広くなりすぎてしまい、噴射対象表面以外の周囲環境、例えば、衣服、寝具類などへの過剰噴霧を招きかねない。例えば、出口孔204は、約0.3〜0.6mm、例えば約0.35〜0.55mm、例えば約0.4〜0.5mmの径を有することができる。図2Bは、図2Aのアクチュエータの断面図であり、ドーム203の内部に配置されたインサート202と関連させて出口孔204の配置を示している。出口孔は、出口通路205を介してバルブアセンブリのステム302に結合されているが、これについては図3においてより詳細に説明する。
ここで、図3及び図4を見ると、図2A及び図2Bのアクチュエータ200と併用可能なスプレーバルブアセンブリ300及びマウンティングカップ301を含むスプレー噴射システムの断面図が示されている。図2Bに示したように、アクチュエータ200は出口通路205によってバルブアセンブリ300に結合されている。スプレーバルブアセンブリ300は、ステム302と、ステムガスケット304と、スプリング307とを保持するハウジングまたはボディ305を含む。ハウジング305には、テールパイプ309を介してディップチューブ311も取り付けられている。スプレーバルブアセンブリ300はマウンティングカップ301によって1つにまとめられており、マウンティングカップ301を容器401にクリンチすることによってシールを提供することができる。通常は、マウンティングカップ301よりも上に配置されているアクチュエータ200(図2A及び図2Bを参照)をスプリング307に抗して押し下げることによって、バルブアセンブリ300のステム302が下方に移動し、ステムガスケット304とステム302の間のシールが開放され、ステム302に設けられたステム孔303はステムガスケット304よりも下に下がる。その結果、スプレー可能な酸化亜鉛組成物の噴射剤成分によって、ベース酸化亜鉛組成物がディップチューブ311からテールパイプ孔310を通ってバルブ本体305内に吸い上げられる。バルブ本体305に形成されたベーパータップ306が追加の噴射剤をバルブ本体305に供給し、バルブ本体305内における液体ベース酸化亜鉛組成物と噴射剤の混合を助けるので、結果的により均一な分布がもたらされ、酸化亜鉛粒子などの粒子の目詰りのリスクを減らすことができる。ベーパータップ306はまた、蒸気によってベース酸化亜鉛組成物が押し下げられるので、静止時にベース酸化亜鉛組成物がバルブ本体305に入るのを防ぎ、また、生成物の沈降を防止するようにも機能する。スプレー可能な酸化亜鉛組成物(すなわち、実質的に均一に混合された噴射剤及びベース酸化亜鉛組成物)は、ステム孔303を通ってステムに到達したら、その後出口通路205を通過し、ファインミストとして出口孔204から噴出されるので、スプレー噴射システム400に詰まりを生じさせない。
様々な構成要素の寸法は、目詰りのリスクをさらに最小化するように選択することができる。例えば、ステム302は、約3〜5.5mm、例えば約3.5〜5mm、例えば約4〜4.5mmの径を有することができる。その一方で、ステム孔303は、約0.5〜0.75mm、例えば約0.55〜0.7mm、例えば約0.6〜0.65mmの径を有することができる。さらに、テールピース孔310は、約0.75〜2mm、例えば約1〜1.75mm、例えば約1.25〜1.5mmの径を有することができる。さらに、ベーパータップ306は、約0.1〜0.5mm、例えば約0.15〜0.45mm、例えば約0.2〜0.4mmの径を有することができる。上記の寸法を選択的に制御することによって、スプレー可能な酸化亜鉛組成物の噴射剤は、酸化亜鉛粒子の沈降を減少させるためにベース酸化亜鉛組成物全体にわたって実質的に均一な分布状態を維持することができ、スプレー可能な酸化亜鉛組成物は、飛び散りが少ないファインミストとして出口孔204から噴出させることができ、かつ例えばメカニカルアクチュエータを使用する場合よりも均一に分布させることができる。
IV.スプレー可能な酸化亜鉛組成物の適用
使用するスプレー噴射システムの種類及びスプレー可能な組成物の特性の組合せの結果として、組成物の実質的に均一なコーティングを表面に適用することができる。例えば、様々な皮膚疾患または炎症、例えば、おむつかぶれ;ドライスキン;潰瘍;表面的な切り傷、擦り傷、創傷及びI度熱傷などの治療のために、本発明の組成物を皮膚の表面に適用することができる。治療可能な皮膚領域には、臀部(特に、おむつかぶれ/失禁性皮膚炎の場合)や、腕、肘、手、腹部、背中、仙骨、尾骨、股関節、膝、足、足首、かかとなどが含まれる。組成物が皮膚の表面に到達すると、噴射剤が蒸発し、皮膚にベース酸化亜鉛組成物の実質的に均一なコーティングを残すことができる。さらに、酸化亜鉛粒子をコーティング全体にわたって実質的に均一に分布させることができる。組成物を実質的に均一なコーティングの形態で皮膚にスプレーした後、皮膚上の組成物に存在する酸化亜鉛の量は、得られたコーティング(例えば、噴射剤などの蒸発した成分を除いたスプレー可能な酸化亜鉛組成物)の総重量に対して約0.25〜35wt%、例えば約0.5〜30wt%、例えば約1〜25wt%、例えば約5〜15wt%の範囲であり得る。
次の実施例を参照することによって、本発明をより良く理解することができるであろう。
実施例1
防腐剤相(preservative phase)、油相、水相を含むベース酸化亜鉛組成物に噴射剤を加えてスプレー可能な酸化亜鉛組成物を形成した。先ず、ベース酸化亜鉛組成物の防腐剤相を作るために、ビーカに凝固点降下剤を加えてプロペラで撹拌した。次に、ビーカに防腐剤を加え、アンカー型側面式撹拌機を備えた撹拌棒を用いて混合を開始した。溶液が完全に溶解するまで少なくとも15分間撹拌を続けた。その後、防腐剤相を傍らに置いておいた。
次に、ベース酸化亜鉛組成物の油相を作るために、別のビーカにエモリエント剤を加え、温度を20〜23℃に維持しながらプロペラで撹拌することにより混合を開始した。その後イソステアリン酸ポリグリセリル−4/セチルジメチコンコポリオール/ラウリン酸ヘキシル乳化剤を加え、続いてセチルPEG/PPG−10/1ジメチコン乳化剤、オレイン酸ソルビタン乳化剤、ポリソルベート80乳化剤及びオクチルドデカノール/オクチルデシルキシロシド/PEG−30乳化剤を加えた。温度を20〜25℃に維持しながら、撹拌混合を続けた。次に、温度を20〜23℃に維持しながら、ビーカにシリコーン油を加えた。その後、冷却水を用いて温度を20〜25℃に維持しながらホモジナイザを用いて撹拌を行い、その後コンディショニング剤を加えた。温度を20〜28℃に維持しながら、溶液が完全に溶解するまで少なくとも15分間撹拌を続けた。得られたベース酸化亜鉛組成物の油相は、6〜7の範囲のHLB値を有していた。
次に、さらに別のビーカでベース酸化亜鉛組成物の水相を調製した。温度を20〜28℃に維持しながらビーカに水を加えた。ステンレス鋼製の3枚プロペラを備えた撹拌棒を用いて混合を開始した。ビーカに水溶性コンディショニング剤を加え、全ての固体が溶解するまで少なくとも15分間混合を続けた。その後、ビーカにアクリル酸ヒドロキシエチル/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー、スクアラン及びポリソルベート60を含む粘度調整剤を加え、15分間混合を続けた。
ベース酸化亜鉛組成物エマルションを調製するために、油相ビーカを20〜25℃の温度に維持した。その後、ホモジナイザによる撹拌下で油相ビーカに水相をゆっくりと移した。移す時間は、少なくとも20分間であった。必要に応じて、温度を20〜25℃に維持しながらホモジナイザ速度を上昇させた。その後、得られた油中水型エマルションに覆いを掛け、少なくとも30分間混合した。その後、少なくとも15分間混合を続けながら、かつ温度を20〜25℃に維持しながら、ビーカに防腐剤相を加えた。全ての粉末が表面から離れていることを確実にしかつ必要に応じて混合速度を上昇させた後、ホモジナイザによる撹拌下で酸化亜鉛粒子を加え、必要に応じて速度を上げかつ温度を20〜25℃に維持しながら少なくとも5分間混合した。その後、ホモジナイザによる撹拌下で粘度調整剤アルミニウムデンプンオクテニルスクシネートを加え、要に応じて速度を上げかつ温度を20〜25℃に維持しながら少なくとも5分間混合した。その後、ホモジナイザによる撹拌下でビーカに芳香剤を加え、エマルションを少なくとも15分間混合した。得られたベース酸化亜鉛組成物のHLB値は7.42であった。
ベース酸化亜鉛組成物を形成した後、それをエアゾールスプレー容器に充填し、その後、容器のバルブを密閉し、すなわち容器の頂部にクリンチした。その後、HFO−1234ze噴射剤を、バルブを介して容器内に約200ポンドの圧力で圧力充填した。得られたスプレー可能な酸化亜鉛組成物は、噴射剤とベース酸化亜鉛組成物の実質的に均一な混合物であり、22wt%の噴射剤及び78wt%のベース酸化亜鉛組成物が含まれていた。スプレー可能な組成物は、約1.045の比重を有していた。スプレー可能な酸化亜鉛組成物に用いた成分の重量パーセントを下表1にまとめた。実質的に均一なコーティングとして表面(例えば皮膚)上にスプレーされたら、噴射剤が蒸発したので、組成物は10.4wt%の酸化亜鉛粒子を含んでいた。
Figure 0006626450
本発明のこれら及び他の変更及び変形は、当業者によって、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく行うことができる。さらに、当然のことながら、様々な実施形態の種々の態様が全体的にも部分的にも置き換え可能である。さらに、当業者は、上記の説明はほんの一例であり、添付の特許請求の範囲にさらに記載されるような本発明を制限することを意図したものではないことが分かるであろう。

Claims (24)

  1. スプレー可能な酸化亜鉛組成物であって、
    フルオロオレフィン噴射剤酸化亜鉛粒子及び分散媒を含み、
    当該組成物が、1若しくは複数の非イオン性親油性乳化剤及び1若しくは複数の非イオン性親水性乳化剤を含み、前記非イオン性親油性乳化剤と前記非イオン性親水性乳化剤の重量比が約10〜20であり、前記非イオン性親油性乳化剤が、2〜8の親水性親油性バランス(HLB)値を有し、
    前記フルオロオレフィン噴射剤が第1の比重を有し、当該組成物が第2の比重を有し、前記第1の比重と前記第2の比重の比率が約0.7〜1.6であり、
    前記分散媒が、油中水型エマルションまたは水中油型エマルションであることを特徴とするスプレー可能な酸化亜鉛組成物。
  2. 当該組成物が、該組成物の総重量に対して、前記フルオロオレフィン噴射剤を約5〜95wt%、前記酸化亜鉛粒子を約0.5〜30wt%含むことを特徴とする請求項1に記載のスプレー可能な酸化亜鉛組成物。
  3. 前記フルオロオレフィン噴射剤が、約1.03〜1.3の比重を有することを特徴とする請求項1または2に記載のスプレー可能な酸化亜鉛組成物。
  4. 当該組成物が、約0.8〜1.3の比重を有することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のスプレー可能な酸化亜鉛組成物。
  5. 前記フルオロオレフィン噴射剤が、約21℃において約60psi未満の蒸気圧を有することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のスプレー可能な酸化亜鉛組成物。
  6. 前記フルオロオレフィン噴射剤が、約100g/molよりも大きい分子量を有することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のスプレー可能な酸化亜鉛組成物。
  7. 前記フルオロオレフィン噴射剤が、当該組成物全体にわたって実質的に均一に分散されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のスプレー可能な酸化亜鉛組成物。
  8. 前記噴射剤が、次の一般式で表される構造を有することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のスプレー可能な酸化亜鉛組成物。
    Figure 0006626450
    ここで、Rはそれぞれ独立して、フッ素、臭素、ヨウ素または水素であり、
    R'は(CR2)nYであり、
    YはCRF2であり、
    nは0または1である。
  9. 前記フルオロオレフィン噴射剤が、1,1,1,3−テトラフルオロプロペンを含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のスプレー可能な酸化亜鉛組成物。
  10. 組成物の総重量に対して約50wt%未満の量の水が存在することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のスプレー可能な酸化亜鉛組成物。
  11. 当該組成物が、約3〜10の親水性親油性バランス(HLB)値を有することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のスプレー可能な酸化亜鉛組成物。
  12. 当該組成物が、1若しくは複数の粘度調整剤を含むことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のスプレー可能な酸化亜鉛組成物。
  13. 1若しくは複数のエモリエント剤、コンディショニング剤、凝固点降下剤、防腐剤、またはそれらの組合せをさらに含むことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載のスプレー可能な酸化亜鉛組成物。
  14. 当該スプレー可能な酸化亜鉛組成物が、約1000cPよりも大きい粘度を有することを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載のスプレー可能な酸化亜鉛組成物。
  15. 当該組成物が、前記酸化亜鉛粒子の実質的に均一な分布を含むことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載のスプレー可能な酸化亜鉛組成物。
  16. 当該組成物が容器内に約21℃で3日間貯蔵された場合に、当該組成物に含まれる前記酸化亜鉛粒子の約3wt%未満が沈降することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載のスプレー可能な酸化亜鉛組成物。
  17. スプレー可能な酸化亜鉛組成物を形成する方法であって、
    酸化亜鉛粒子及び分散媒を含むベース酸化亜鉛組成物を形成するステップと、
    前記ベース酸化亜鉛組成物をスプレー容器内に導入するステップと、
    前記容器内にハイドロフルオロオレフィン噴射剤を注入するステップとを含み、
    前記分散媒が、水相を油相と混合して油中水型エマルションを形成することによって形成され、前記油相が、1若しくは複数の非イオン性親油性乳化剤及び1若しくは複数の非イオン性親水性乳化剤を含み、前記非イオン性親油性乳化剤と前記非イオン性親水性乳化剤の重量比が約10〜20であり、前記非イオン性親油性乳化剤が、2〜8の親水性親油性バランス(HLB)値を有し、
    前記ハイドロフルオロオレフィン噴射剤が第1の比重を有し、前記スプレー可能な酸化亜鉛組成物が第2の比重を有し、前記第1の比重と前記第2の比重の比率が約0.7〜1.6であることを特徴とする方法。
  18. 前記組成物に1若しくは複数の粘度調整剤を加えるステップをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 前記水相に少なくとも1つの粘度調整剤が加えられることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 前記噴射剤が、前記組成物全体にわたって実質的に均一に分散されていることを特徴とする請求項17ないし19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記酸化亜鉛粒子が、前記組成物全体にわたって実質的に均一に分散されていることを特徴とする請求項17ないし20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記スプレー可能な酸化亜鉛組成物が、約1000cPよりも大きい粘度を有することを特徴とする請求項17ないし21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記組成物に1若しくは複数の防腐剤、エモリエント剤、スキンコンディショナー、凝固点降下剤、またはそれらの組合せを加えるステップをさらに含むことを特徴とする請求項17ないし22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記スプレー可能な酸化亜鉛組成物が、約15〜40℃の範囲内の温度で形成されることを特徴とする請求項17ないし23のいずれか1項に記載の方法。
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